説明

複素数値を有するシンボルを用いたOFDM/OQAM信号の符号化方法、対応する信号、デバイス、及びコンピュータプログラム

本発明は、各々が信号のキャリア周波数を変調するデータ要素のセットを有する時間連続シンボルによって形成される、OFDM/OQAMタイプマルチキャリア信号を符号化する方法に関する。本発明によって、それぞれがソース信号のバイナリワードに対応する直交する2つの実数値を加えることによって、データ要素の各々が形成される。データ要素の各々は、OFDM/OQAMシンボルの実数チャネル及び虚数チャネルを介して情報を送信できるように、予め定めた変調コンステレーションを用いて変調される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、デジタル情報の送信及びブロードキャストの分野である。本発明は特に、限定する訳ではないが、例えばラジオモバイル環境における制限された周波数帯域上で、高いスペクトル効率でデジタル情報を送信及びブロードキャストすることに関する。
【0002】
本発明は、更に詳しくは、OFDM(直交周波数分割多重)タイプマルチキャリア信号による情報の送信及びブロードキャストの技術に関する。
【背景技術】
【0003】
現在まで、幾つかのタイプのOFDMタイプマルチキャリア変調が存在する。
【0004】
これらのタイプの中で、最も古典的な変調技術は、ガード間隔(guard interval)の挿入に基づく特に単純な等化システムを含む。周期的プレフィクス(prefix)とも呼ばれるガード間隔は、スペクトル効率の損失を犠牲にして、エコーに関わらず効率的な性能を与える。
【0005】
このガード間隔中、ペイロード情報は送信されない。これは、受信された全ての情報が、同じシンボルに由来することを保証するためである。従って、ISI(シンボル間干渉)及びドップラ効果によるエコーの様々な現象が、効率的に抑制される。
【0006】
OFDM/OQAM(「直交周波数分割多重化/オフセット直交振幅変調」)は、この古典的なOFDM変調の代替技術であり、ガード間隔の導入によってもたらされるスペクトル効率の損失を防ぐために設計されている。
【0007】
更に詳しくは、OFDM/OQAMは、信号のキャリアの各々を変調するプロトタイプ機能を賢く選択することによって、ガード間隔又は周期的プレフィックスの存在を必要としない。この機能は、時間周波数空間で適切に局地化されるに違いない。
【0008】
マルチキャリア変調のキャリアのセットは、多重通信を形成し、この多重通信のキャリアの各々は、g(t)と記述され、マルチキャリア変調を特徴付ける同一のプロトタイプ関数によって整形されることが、確かに思い出される。多重通信の2つの隣接キャリア間の間隔を示すv0と、送られた2つのマルチキャリアシンボル間の時間空間を示すτ0と、vmを有するm番目のサブ帯域上で各瞬間nτ0において送られた信号とを用いると、中心周波数は
【数1】

である。ここで、am,n値は、送信されるデジタルデータを表す。(周波数Mv0を中心とする)ベースバンドで送られた信号の表示は、
【数2】

となる。
【0009】
明瞭さのために、偶数の周波数サブ帯域を有する信号の場合について考慮することに着目されたい。この信号は、もちろん、より一般的には以下のように記述することができる。
【数3】

【0010】
古典的な技法に従えば、ゼロ値であるデジタルデータam,nが、スペクトルのエッジにおいて導入され、上述した合計において効果的な役割を果たす項数を修正し、例えば、演算を、偶数のキャリアに減らすことを可能とすることが思い出される。
【0011】
関数
【数4】

は、g(t)の「時間−周波数」変換と称される。各キャリアによって送信された情報を検索するために、上述した「時間−周波数」変換が分離可能となるようにg(t)及び位相
【数5】

を選択する必要がある。分離可能であるこの特性を確認するための十分な条件は、(数学的意味において有限ヒルベルト空間である)有限エネルギー関数のセットで定められるスカラ積に関して、変換が直交であるべきということである。
【0012】
この有限エネルギー関数の空間は、以下の2つのスカラ積を受け入れる。
複素数スカラ積
【数6】

実数スカラ積
【数7】

【0013】
したがって、2つのタイプのマルチキャリア変調が定義される。
選択された関数g(t)が、複素数的な意味において、その変換の直交性を保証する複素数タイプマルチキャリア変調。これは、例えば、古典的なOFDM変調を伴う場合であり、OFDM/QAM(直交周波数分割多重/直交振幅変調)とも称される。そのような変調の場合、
【数8】

及びam,nは複素数データである。
選択された関数g(t)が、実数的な意味において、その変換の直交性を保証する実数タイプマルチキャリア変調。これは、例えば、OFDM/OQAM変調を伴う場合である。この種の変調の場合、
【数9】

と、am,nの一部は実数データである。従って、送信されるOFDM/OQAM信号は、以下のように記述することができる。
【数10】

ここで、am,nは、n番目のシンボル時間においてm番目のサブキャリアで送られた実数シンボルであり、Mはキャリアの数であり、v0はキャリア間の間隔であり、τ0は、OFDM/OQAMシンボルの持続時間を表し、gはプロトタイプ関数である。
【0014】
各OFDM/OQAMキャリアを変調するこのプロトタイプ関数gは、シンボル間干渉を制限するために、時間領域内に良好に局地化されねばならない。更に、それは、(ドップラ効果、位相雑音等による)キャリア間干渉を制限するために、周波数領域内に良好に局地化されるために選択されねばならない。この関数はまた、サブキャリア間の直交性を保証しなければならない。
【0015】
これら特性を示す数学的関数は存在するが、それらの中でも最も局地化されたもののみが、実数値において直交性を保証する。この理由で、OFDM/OQAM変調によって送信されたシンボルは、受信側において干渉なく検索できるように、実数値を有していなければならない。
【0016】
【数11】

であれば、プロトタイプ関数の時間周波数変換における直交性が保証される。
【0017】
これらの条件を確認するプロトタイプ関数のうちの1つは、例えば、そのフーリエ変換と同一の特性を有し、特許出願FR2733869号で説明されているIOTAプロトタイプ関数である。
【0018】
図1は、OFDM/OQAM変調によって送信された実数値を有するシンボルの時間周波数表示、及び、いずれのガード間隔もない古典的なOFDM変調によって送信された複素数値を有するシンボルの時間周波数表示である。
【0019】
この図において、三角形は、複素数値を有するOFDM/QAMシンボルを表わす。その部分の円及び星は、実数値を有するOFDM/OQAMシンボルを表わす。例えば、OFDM/OQAM変調を用いて送信することが求められているQAMコンステレーションから来る複素数シンボルの虚数部に星が対応しており、実数部に円が対応している。
【0020】
確かに、複素数タイプの古典的なOFDM変調の場合、QAMコンステレーションに由来する複素数値の実数部及び虚数部は、シンボル時間Tu毎に一旦同時に送信される。これに反して、実数タイプのOFDM/オフセットQAM変調の場合、実数部及び虚数部は、シンボル時間の半分(Tu/2)のタイムラグで送信される。
【0021】
図1では、OFDM/OQAMのスペクトル効率は、ガード間隔のない古典的なOFDMのものと同一であることが見て分かる。確かに、同じキャリア間間隔v0の場合、以下を送信する。
OFDM/OQAMの場合、時間間隔τ0毎にキャリア毎に1つの実数値。
ガード間隔のない古典的なOFDMの場合、2*τ0=Tu毎に複素数値(すなわち、2つの実数値)。
【0022】
従って、これらの2つの変調によって送信される情報量は同一である。しかしながら、古典的なOFDMにおいて、持続時間Tgを有するガード間隔を導入しなければならないことによって、古典的なOFDMのスペクトル効率を、OFDM/OQAMと比較して下げるという効果を有する。OFDM/OQAMは、(Tg+2τ0)/2τ0効率が高い。
【0023】
[従来技術の欠点]
古典的なOFDM変調ガード間隔であろうと、あるいはOFDM/OQAM変調であろうと、これらの従来技術の1つの欠点は、スペクトル効率を高めるために、コンステレーションが多くの状態を有するQAM変調を使用する必要がある。さて、そのように多くの状態を有するQAM変調は、伝播チャネルの推定の誤差や雑音に極めて敏感である。
【0024】
確かに、上述したように、古典的OFDM変調のスペクトル効率は、ペイロード情報が全く送信されないシンボル間干渉を低減するように設計されたガード間隔を導入する必要性によって制限される。このOFDM変調によって複素数シンボルを送信できるのであれば、関連するシンボル時間が、OFDM/OQAM変調のためのものよりも2倍長いことも事実である。
【0025】
OFDM/OQAM変調は、古典的なOFDM変調よりも高いスペクトル効率を有しているが、実数領域内のキャリアの直交性の制約によって制限される。これは、時間−周波数空間に良好に局地化されたシンボルのための変調フィルタの選択を指示し、もって、実数値を有するシンボルのみの送信を可能にする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
本発明は、特に、従来技術のこれら欠点の克服を目的としている。
【0027】
更に詳しくは、本発明の目的は、OFDM/OQAMタイプマルチキャリア信号を用いて、ラジオリンクの性能を改善するOFDM/OQAMタイプマルチキャリア信号を符号化する技術を提供することである。
【0028】
従って、本発明の第1の目的は、ガード間隔を有する古典的なOFDM変調又は従来技術のOFDM/OQAM変調と比較して、変調によって送信される情報のスループットレートを改善する技術を提供することである。特に、本発明の目的は、そのような変調を実施する送信チャネルで送信されるシンボル数を2倍、又は、少なくとも顕著に増加することである。
【0029】
本発明の第2の目的は、OFDM/QAM変調又はOFDM/OQAM変調の従来技術と比較して、OFDM/OQAM変調に関連するバイナリ誤り率を改善するための技術を提供することである。特に、本発明の目的は、少ない状態しか有さないQAM変調コンステレーションを用いた場合であっても、高いスペクトル効率を有する技術を提供することである。
【0030】
本発明の更に別の目的は、そのようなOFDM/OQAM変調を実施する送信チャネルのダイバーシティを最大限に活用する技術を提供することである。
【0031】
本発明の目的は更に、マルチアンテナ(すなわちMIMO)タイプ送信に特に良く適合する技術を提供することである。
【0032】
本発明の別の目的は、本質的なシンボル間干渉又はキャリア間干渉が存在する場合であっても、信号の高品質な受信を可能にするOFDM/OQAMタイプのマルチキャリア信号を符号化する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0033】
これらの目的は、後述する他の目的と同様に、それぞれが信号のキャリア周波数を変調するデータ要素のセットを備える時間連続シンボルによって形成されたOFDM/OQAMタイプのマルチキャリア信号を符号化する方法によって達成される。
【0034】
本発明によれば、これらデータ要素の各々は、OFDM/OQAMシンボルの実数経路及び虚数経路において情報を送信できるように、それぞれソース信号のバイナリワードに対応し、予め定めた変調コンステレーションに従って変調された直交する2つの実数値を加算することによって形成される。
【0035】
従って、本発明は、OFDM/OQAMタイプのマルチキャリア変調に対し絶対的に新しく、発明的なアプローチに依存する。確かに、実数領域内のキャリア間での直交性を保証するために、OFDM/OQAM信号で送信されるシンボルが実数値を有することを全ての従来技術が必要としている一方、本発明の技術は、OFDM/OQAM変調内に複素数値を有するシンボルを送信することからなる。従って、図1に示すように、本発明の技術によって、OFDM/OQAM変調によって、τ0毎に複素数値を送信することが可能となる。従って、ガード間隔を有する又は有さない古典的なOFDM変調や、従来技術のOFDM/OQAM変調と比較して、変調のスペクトル効率をかなり高めることができる。
【0036】
「実数値を有するシンボル」という用語は、本明細書を通じて、直交位相において2つの経路を使用する本発明のOFDM/OQAM信号の複素数値を有するシンボルとは逆に、1次元のみで情報を伝送するシンボルを意味すると理解されることが注目される。実数値を有する従来技術のシンボルの一意的な大きさは、本発明のOFDM/OQAMの「実数経路」と呼ばれる経路に対応する。
【0037】
本発明の技術は、当業者の技術的な先入観に反して動作する。当業者は、送信カナルがない場合であっても、送られるシンボルの実数部と虚数部との間にもたらされた本質的な干渉によって、OFDM/OQAMによる複素数値を有するシンボルの送信が不可能であると常に考えている。
【0038】
それにもかかわらず、本符号化技術の発明者は、送信されるシンボル数を増加するために、OFDM/OQAMシンボルの虚数部におけるデータ送信にリンクしたシンボル間干渉におけるこの種の増加を受け入れることを選択した。
【0039】
従って、本発明のOFDM/OQAM符号化技術は、従来のOFDM/OQAM変調と比較して、送信レートを、送信チャネル上で送られるシンボル数を2倍に改善するために使用される(しかしながら、送信される実効ビットレートは、本質的なシンボル間干渉の発生にリンクしたバイナリ誤り率の増加により2倍にはならない)。
【0040】
本発明の符号化技術はまた、従来技術のOFDM/OQAM変調と同一の送信レートで、低符号化効率の使用時、かつ、カナルのダイバーシティの有効活用時におけるバイナリ誤り率の改善を可能にする。
【0041】
有利なことに、前記加算は、前記経路のうちの1つがより高い電力レベルを示すことができるような加重加算である。例えば、1人が実数経路上で受信し、別の1人が虚数経路上で受信する2人のユーザに関連する、送信チャネルの品質における相違を考慮できるように、ソースの一方の電力を調節することが可能である。
【0042】
本発明の実施形態の第1の変形では、前記ソース信号が相関付けられている。従って、それらが伝送するペイロード情報の受信品質を改善することが可能である。
【0043】
例えば、前記ソース信号のうちの1つは、別のソース信号によって伝送されたペイロード情報に関連付けられた冗長性情報を伝送する。
【0044】
前記ソース信号は同一であるが、経路の各々について異なるチャネル符号化及び/又はインタレースを経験するかもしれないことが考えられる。
【0045】
本発明の実施形態の第2の変形では、前記ソース信号は、互いに独立した信号である。
【0046】
同じOFDM/OQAM信号において、例えば、異なる2人のユーザのために、異なるペイロード情報を送信することが可能である。
【0047】
本発明の有利な特徴によれば、前記経路の各々で送信された情報は、先ず、ソース情報を、次に、前記ソース情報から計算される冗長情報を備える。この種のチャネル符号化は更に、ロバスト性を増加させて、受信時におけるソース情報の検索品質を改良することを可能にする。
【0048】
本発明の有利な実施形態では、前記データ要素が、そのフーリエ変換と同一の特定の特徴を有し、かつ、時間−周波数空間内に特に良く局地化するIOTAプロトタイプ関数によって整形される。他のどのプロトタイプ関数もまた、本発明の状況において使用することができる。
【0049】
好ましくは、前記各々の経路上で送信された情報に、異なる保護レベルが割り当てられる。
【0050】
特に、この保護レベルは、予め定めた変調コンステレーションの順序及び/又はチャネル符号化に依存し得る。従って、例えば、経路の各々に2つの異なる誤り訂正符号を提供することが可能である。これら誤り訂正符号は、スループットレート及び/又は構造に関し異なる(例えば、1つの経路上では畳み込み符号が使用され、他の経路上ではターボ符号が使用される)。
【0051】
本発明はまた、データ要素のセットによって構成された時間連続シンボルによって形成された、OFDM/OQAMタイプマルチキャリア信号に関連している。そして、前記データ要素の各々は、前記信号のキャリア周波数を変調する。前記OFDM/OQAMシンボルの実数経路と虚数経路とにおいて情報を送信できるように、前記データ要素の各々は、直交している2つの実数値を加算することによって形成される。各々は、ソース信号のバイナリワードに対応し、予め定めた変調コンステレーションに従って変調される。
【0052】
本発明はまた、データ要素のセットを含む時間連続シンボルによって形成される、OFDM/OQAMタイプのマルチキャリア信号を符号化するデバイスに関連する。ここで、前記データ要素の各々は、前記信号のキャリア周波数を変調する。この種の符号化デバイスは、前記OFDM/OQAMシンボルの実数経路と虚数経路とで情報を送信できるように、直交する2つの実数値を加算することによって前記データ要素の各々を形成する手段を備える。各々は、ソース信号のバイナリワードに対応しており、予め定めた変調コンステレーションに従って変調される。
【0053】
本発明は、また、受信したOFDM/OQAMタイプマルチキャリア信号を復号する方法に関する。ここで、前記信号は、データ要素のセットによって構成された時間連続シンボルによって形成され、前記データ要素の各々は、前記信号のキャリア周波数を変調する。
【0054】
前記データ要素の各々が、符号化時において、直交する2つの実数値を加算することによって形成され、各々はソース信号のバイナリワードに対応し、予め定めた変調コンステレーションに従って変調され、前記OFDM/OQAMシンボルの実数経路と虚数経路上で情報を送信できるように、前記復号方法は、
受信した信号において、前記実数経路と前記虚数経路とから、第1の経路に関連した情報を選択するステップと、
対応するソース信号の推定値の配信を可能にする前記第1の経路に関連する情報を、選択的に処理するステップと、
更に、少なくともある瞬間において、
前記受信した信号において、前記実数経路と前記虚数経路とから、第2の経路に関連した情報を選択するステップと、
対応するソース信号の推定値の配信を可能にする前記第2の経路に関連する情報を、選択的に処理するステップとを実行する。
【0055】
本発明はまた、通信ネットワークからダウンロード可能な、及び/又はコンピュータ読取可能媒体に格納された、及び/又はマイクロプロセッサによって実行可能なコンピュータプログラム製品に関連し、上述したマルチキャリア信号を符号化する方法を実行するプログラムコード命令を備える。
【0056】
また、通信ネットワークからダウンロード可能な、及び/又はコンピュータ読取可能媒体に格納された、及び/又はマイクロプロセッサによって実行可能なコンピュータプログラム製品に関連し、上述したマルチキャリア信号を復号する方法のステップを実行するプログラムコード命令を備える。
【0057】
最後に、本発明は、OFDM/OQAMシンボルの実数経路と虚数経路上で情報を送信できるように、受信したOFDM/OQAMタイプマルチキャリア信号を復号するデバイスに関し、前記信号は、データ要素のセットによって構成された時間連続シンボルによって形成され、前記データ要素の各々は、前記信号のキャリア周波数を変調し、符号時において、直交する2つの実数値を加算することによって形成され、各々は、ソース信号のバイナリワードに対応し、予め定めた変調コンステレーションに従って変調される。そのような復号デバイスは、
受信した信号において、前記実数経路と前記虚数経路とから、第1の経路に関連した情報を選択する手段と、
対応するソース信号の推定値の配信を可能にする前記第1の経路に関連する情報を、選択的に処理する手段と、
前記受信した信号において、前記実数経路と前記虚数経路とから、第2の経路に関連した情報を選択する手段と、
対応するソース信号の推定値の配信を可能にする前記第2の経路に関連する情報を、選択的に処理する手段とを備える。
【0058】
本発明の他の特徴及び利点は、単純、例示的、かつ限定しない例によって与えられた好ましい実施形態である下記記述と、添付図面とから、より明らかになるものとする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0059】
本発明の一般原理は、複素数シンボルを生成するために、虚数部に関する補足情報を、OFDM/OQAMタイプ変調で送信された実数シンボルに対し追加することからなる。送信時において生成される本質的なシンボル間干渉によって、OFDM/OQAMモードにおいて、複素数値を有するシンボルの送信は可能ではないという見解を常に有する当業者の技術的先入観に反し、本発明は、OFDM/OQAMシンボルの実数経路と虚数経路との両方において情報を送信することからなる。
【0060】
複素数値のシンボルを有するOFDM/OQAM変調の状況では、プロトタイプ関数の変換に基づく受信信号の射影の虚数部はゼロではない。従って、復調された実際の信号に加えられ、チャネルの推定が実行される前に修正される必要のある妨害虚数項が生じる。
【0061】
信号の複素数射影は、完全に送信された場合であっても、複素数値を有するシンボルの送信時に使用することに関連する本質的なISI(シンボル間干渉)によって、実際に悪影響を及ぼされる。用語「ISI」は、時間的シンボル間の干渉、及び/又はキャリア間の干渉を意味すると理解される。
【0062】
本発明の符号化技術は、この本質的な妨害干渉を無視し、複素数値を有するシンボルであるOFDM/OQAMシンボルの虚数部におけるペイロード情報の送信に依存する。
【0063】
図2及び図3を参照して、この種の発明の符号化技術の実施形態を、従来技術と本発明とのOFDM/OQAM信号の送信シーケンスの比較の形態で示す。
【0064】
このドキュメントの残り全体では、OFDM/OQAMシンボルを整形するために使用されるプロトタイプ関数がIOTA関数である、本発明の特定の実施形態の説明が与えられる。他のOFDM/OQAM関数ももちろん使用することができる。
【0065】
図2は、実数値シンボルを有する、OFDM/OQAMタイプの従来技術によるマルチキャリア信号の符号化及び送信のためのシーケンスのブロック図である。
【0066】
本発明者らは、OFDM/OQAMタイプのマルチキャリア信号の形態で送信されるペイロード情報のソース20を考慮する。このペイロード情報は、実数QAM(直交振幅変調)変調器21に供給されるワードの形態で体系化されるバイナリ要素からなる。変調器21は、QPSK、16−QAM、64−QAM、又はM−ary信号とも称される他のタイプのコンステレーションの一連のシンボルを伝える。
【0067】
M−ary信号の直列/並列変換22によって、実数値を有するシンボルからなるN個のストリーム23を取得することが可能となる。これらストリームはそれぞれ、毎秒1/τ0シンボルのスループットレートを有する。(本明細書では、IOTAプロトタイプ関数に基づく)逆高速フーリエ変換(IFFT)24及び多相フィルタリング25によって、毎秒1/τ0シンボルのスループットレートでN個のOFDM/OQAMシンボル26を取得する。
【0068】
並列/直列変換27の後、実数値を有するOFDM/OQAMシンボルによって構成されたマルチキャリア信号28は、(図示しない)1又は複数のアンテナによって送ることができる。
【0069】
上述したように、本発明の符号化技術は、実数シンボルを複素数シンボルに変えるために、虚数部における補足情報を、OFDM/OQAMで送信された実数シンボル26に加えることからなる。この虚数部で伝えられる情報は、実数部で伝えられる情報から独立した情報か、同じ情報、すなわち実数部で伝えられる情報に関連する繰り返し冗長かのいずれかであり得る。
【0070】
図3は、新たなタイプのOFDM/OQAM変調を達成するために、図2の送信シーケンスに対してなされた変更を示す。
【0071】
本発明者らは、互いに依存してもよく、依存しなくてもよい2つのペイロード情報301、302のソースを考慮するものとする。従って、これら2つのソース301、302は、同じバイナリワードを伝送し得る。これら2つのソース301、302は、各々に由来するバイナリワード間の関連性が無いように、互いに全く相関していないかもしれない。最終的に、これら2つのソースのうちの1つに由来するバイナリワードは、他方のソースからの冗長情報に対応し得る。
【0072】
図2に示すように、2つのソース301、302に由来するバイナリワードは、QPSK、16−QAM、又は他のタイプのコンステレーションの変調の実数値を有するシンボルに変換されるように、実数QAM変調311、312が行われる。
【0073】
2つの変調器311、312から得られるM−ary信号は、複素数値を有する一連のOQAMシンボルを形成するために、その後、それぞれ実数係数λ1と虚数係数iλ2(λ1とλ2とはスカラ値)によって重み付けられ、更に加算32され、毎秒あたりN/τ0シンボルのスループットレートを示す。
【0074】
図2に示すように、その後、直列/並列変換22が行われ、複素数値を有するN個のOQAMシンボルのストリーム23が得られる。これらそれぞれのストリームは、毎秒当たり1/τ0シンボルのスループットレートを有する。これらN個のストリーム23は、逆高速フーリエ変換IFFT24がなされ、OFDM/OQAMシンボル26を生成することができるように、毎秒当たり1/τ0シンボルのスループットレートでIOTA多相フィルタ25によって整形される。並列/直列変換27の後、本発明に従って複素数値を有するシンボルを有するOFDM/OQAMタイプマルチキャリア信号38を得る。
【0075】
式(3)に示すように、本発明は、複素数値を有するシンボルam,nを送信することと、それらを、OFDM/OQAMタイプ変調のプロトタイプ関数を用いて変調することとからなる。
【0076】
図3に例示するように、ソース301及び302の電力値は、実数のスカラ係数λiの値に関して行うことによって調節することができる。例えば、虚数経路よりも高い電力値を有するOFDM/OQAMシンボルを実数経路上で送信するように選択することが可能であり、λ1>λ2が選択される。実数経路と呼ばれる経路は、ここでは、図1において円及び星の形態で表される位相シフト実数シンボルに対応する。
【0077】
図2の送信シーケンスでは、図3のように、ソース20、301、302は、送られる信号に冗長を加えるように設計されたチャネル符号化(図示せず)によって符号化されたデータであり得ることが、更に注目される。このデータは更に、インタリーブΠがなされ得る。
【0078】
図3の実施形態では、ソース301とソース302とが同一であれば、それらは好ましくは、信号の実数部分と虚数部分との両方について正確に同じデータを送ることを避けるために、異なるチャネル符号化及び/又はインタリーブがなされる。
【0079】
本発明は、マルチアンテナ送信に関して適用することができる。従って、複素数値を有するシンボルを有するOFDM/OQAM信号38が、幾つかのアンテナを備える送信機によって送信されなければならないのであれば、OFDM/OQAMシンボルの実数部と虚数部とは、2つの別個のアンテナセットで別々に送信することができる。このようにして、シンボル間干渉は、MIMO−OFDM(Multiple Input Multiple Output)送信の性能を改善するように平均化される。
【0080】
同様に、送信機が幾つかのアンテナを有する場合、本発明に関して、(古典的なOFDMでも使用されている)STBC(Space−Time Block Codes)技術を実装することもできる。
【0081】
上述したように、2つのソース301、302からのデータは、独立しているか、あるいは相関しているかのいずれかである。以下では、図4に示すように、これら2つのソースが相関している場合における、本発明の実施形態のより具体的な例の説明を説明する。
【0082】
図4は、入力において一連のシンボルXiを受信し、3つの出力の各々において、入力されたシーケンスXiから計算されたシーケンスXi、Y1,i、及び、Y2,iを出力する、1/3レートターボ符号器40を例示する。
【0083】
例えば、以下のシーケンスを構築する場合、図3における2つのソース301、302上の符号器40の3つの出力を送信することが選択される。
例えば、301と示された第1のソース上で、シーケンス[Xi1,ii+12,i+1i+21,i+2i+3・・・]を送信する。
例えば、302と示された第2のソース上で、シーケンス[Xi2,ii+11,i+1i+22,i+2i+3・・・]を送信する。
【0084】
有利なことに、データは、変調前にインタリーブされ、2つのソースのインタリーブは独立している。
【0085】
以下に示すように、IOTA波形を用いたOFDM/OQAM変調のための本発明の実施形態の詳細例の説明が与えられる。以下のパラメータに基づいてシミュレーションがなされた。
FFTのサイズ:512、
変調されたキャリアの数:345、
チャネル:AWGN、
誤り訂正符号:レート1/2の制約長さK=7を有する畳み込み符号。
【0086】
2つの経路(実数及び虚数)上のストリームは独立している。電力値の調節係数は、λ1=1及びλ2=0.6に等しい。そのような違いにより、2つの経路間の電力比は4.4dBである。
【0087】
受信時において、本発明者らは、「Method for the iterative decoding of a OFDM/OQAM signal using symbols with complex values, corresponding device and computer program」と題され、本願と同じ出願人によって、本特許出願と同日に出願された関連特許出願に記載されているような、反復復号アルゴリズムを用いる。
【0088】
2つのオフセットQPSK(Offset Quadrature Phase Shift Keying)コンステレーションは、実数経路及び虚数経路の両方において、1/2レート符号で使用される。比較により、OFDM/OQAMシンボルが実数値を有する従来技術を代表する同じ符号化レートを用いて、同じ畳み込み符号によって(実数経路のみで)符号化されたオフセット16QAMコンステレーションのシミュレーションがなされる。
【0089】
図7の曲線は、C/N比(キャリア対雑音比)の関数として、デシベル(dB)で表されたバイナリ誤り率の形態で、本発明の符号化技術の性能を例示している。
【0090】
2つの経路が同じ符号化を有し、互いに独立している場合、チャネルの時間−周波数ダイバーシティを利用することが可能ではない、考えられ得る最も簡単なケースでさえも、性能における改善がみられる。確かに、実数経路上のオフセットQPSK(曲線70)と、オフセット−16QAMとの間のバイナリ誤り率における差は、約0.9dBである。一方、同じオフセット−16QAMと、虚数経路上のオフセットQPSK(曲線71)との差は約0.6dBである。
【0091】
これらの結果は、例えば、受信時に同じ誤り率を必ずしも必要としないデータストリームの両経路(実数及び虚数)における送信について、特に興味深い。これらはまた、両経路(実数及び虚数)が、異なる信号対雑音比を有する送信チャネルに関連する2人のユーザに送信される場合にも興味深い。これら2つの部分の相対電力は、その後、これら2人のユーザのチャネル品質の差を考慮するために調節することができる。
【0092】
本発明の符号化デバイス及び復号デバイスの簡単な構造についての簡潔な説明が、図5及び図6を参照して提供される。
【0093】
図5の符号化デバイスは、メモリM51と、コンピュータプログラムPg52によって駆動されるプロセッサμPを備えた処理ユニット50とを含む。
【0094】
入力において、処理ユニット50は、独立しているか、あるいは相関している2つのソース301、302からバイナリワードを受信する。これら一連のバイナリワードから、マイクロプロセッサμPは、プログラムPg52の命令に従って、OFDM/OQAMタイプマルチキャリア信号を構築する。このマルチキャリア信号のために、バイナリワードの実数QAM変調によって直交して得られる実数値を有する2つのコンステレーションシンボルを加重加算することによって、複素数値シンボルが得られる。マイクロプロセッサμPによるこの種の構築はまた、IFFT、多相フィルタリング、及び、直列/並列変換演算と並列/直列変換演算をも含む。
【0095】
処理ユニット50の出力では、OFDM/OQAMタイプマルチキャリア信号38が取得される。この信号のシンボルは、複素数値を有している。
【0096】
図6の復号デバイスは、同じ部分において、メモリM61と、コンピュータプログラムPg62によって駆動されるプロセッサμPを備えた処理ユニット60とを有する。
【0097】
入力において、処理ユニット60は、そのシンボルが複素数値を有するOFDM/OQAMタイプマルチキャリア信号63を受け取る。この信号は、図5の符号化デバイスからの出力として送られた後に、送信チャネルによって伝えられる。
【0098】
マルチキャリア信号63を受け取ると、マイクロプロセッサμPは、プログラムPg52の命令に従って、OFDM/OQAMシンボルの実数経路又は虚数経路とのうちの1つに関連付けられた情報を選択し、その後、チャネルに関連するソース信号の推定値64を伝えることができるように、選択された情報について選択的な処理を実行する。これら動作は、2つのチャネルの各々について連続的に行われてよく、あるいは、これらチャネルのうちの一方についてルーチン的に行われてもよく、他方のチャネルについては、信号の受信品質が、予め定めた基準を満足する場合に行われてもよい。
【0099】
これら動作はまた反復的に行われてよく、マイクロプロセッサμPは、2つの経路の各々を連続的に選択し、他の部分によって生成された本質的な干渉を判定して、その干渉を受信信号から取り除き、2つの経路の各々に関連するソース信号の推定値をリファインする。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】従来技術に関連して既に説明された、古典的なOFDM変調に従って送信される複素数値を有するシンボルと、従来技術のOFDM/OQAM変調に従って送信される実数値シンボルとの時間−周波数表示である。
【図2】従来技術のOFDM/OQAMタイプマルチキャリア信号の送信シーケンスのブロック図である。
【図3】本発明に従ったOFDM/OQAMタイプマルチキャリア信号の送信シーケンスのブロック図である。
【図4】1/3レートターボ符号の状況における本発明の実装例である。
【図5】本発明の符号化デバイスの構造の簡略図を示す。
【図6】本発明の復号デバイスの構造の簡略図を示す。
【図7】従来技術と比較した本発明の符号化技術の性能を例示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が信号のキャリア周波数を変調するデータ要素のセットを含む時間連続シンボルによって形成される、OFDM/OQAMタイプマルチキャリア信号を符号化する方法であって、
前記データ要素の各々は、OFDM/OQAMシンボルの実数経路と虚数経路とによって情報を送信できるように、それぞれがソース信号(301、302)のバイナリワードに対応しており、予め定めた変調コンステレーション(311、312)に従って変調される、直交する2つの実数値を加算する(32)ことによって形成されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記加算することは、前記経路のうちの一方が、より高い電力レベルを示すことができる加重加算であることを特徴とする、請求項1に記載の符号化方法。
【請求項3】
前記ソース信号(301、302)は相関していることを特徴とする、請求項1及び2のいずれか一項に記載の符号化方法。
【請求項4】
前記ソース信号のうちの一方は、他方のソース信号によって伝送されたペイロード情報と関連する冗長情報を伝送することを特徴とする、請求項3に記載の符号化方法。
【請求項5】
前記ソース信号(301、302)は同一であるが、前記経路の各々において、異なるチャネル符号化及び/又はインタレースがなされることを特徴とする、請求項3に記載の符号化方法。
【請求項6】
前記ソース信号(301、302)は、互いに独立した信号であることを特徴とする、請求項1及び2のいずれか一項に記載の符号化方法。
【請求項7】
前記経路の各々で送信された情報は、第1にソース情報、第2に前記ソース情報から計算された冗長情報を備えることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の符号化方法。
【請求項8】
前記経路の各々で送信された情報に対して異なる保護レベルが割り当てられ、前記保護レベルは、チャネル符号化、及び/又は、前記予め定めた変調コンステレーションの順序に依存することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の符号化方法。
【請求項9】
各々が信号のキャリア周波数を変調するデータ要素のセットによって構成される時間連続シンボルによって形成される、OFDM/OQAMタイプマルチキャリア信号であって、
前記データ要素の各々は、OFDM/OQAMシンボルの実数経路と虚数経路とによって情報を送信できるように、それぞれがソース信号のバイナリワードに対応しており、予め定めた変調コンステレーションに従って変調される、直交する2つの実数値を加算することによって形成されることを特徴とする、OFDM/OQAMタイプマルチキャリア信号。
【請求項10】
各々が信号のキャリア周波数を変調するデータ要素のセットを含む時間連続シンボルによって形成される、OFDM/OQAMタイプマルチキャリア信号を符号化するデバイスであって、
OFDM/OQAMシンボルの実数経路と虚数経路とによって情報を送信できるように、それぞれがソース信号のバイナリワードに対応しており、予め定めた変調コンステレーションに従って変調される直交する2つの実数値を加算することによって、前記データ要素の各々を形成する手段(50)を備えることを特徴とする、デバイス。
【請求項11】
各々が信号のキャリア周波数を変調するデータ要素のセットによって構成される時間連続シンボルによって形成される、受信されたOFDM/OQAMタイプマルチキャリア信号を復号する方法であって、
OFDM/OQAMシンボルの実数経路と虚数経路とによって情報を送信できるように、
それぞれがソース信号のバイナリワードに対応しており、予め定めた変調コンステレーションに従って変調される、直交する2つの実数値を加算することによって、前記データ要素の各々が符号化時において形成され、
前記復号する方法は、
前記受信された信号において、前記実数経路と虚数経路から、第1の経路に関連した情報を選択するステップと、
前記対応するソース信号の推定値を伝送可能な前記第1の経路に関連した情報を、選択的に処理するステップと、
少なくともある瞬間において、
前記受信された信号において、前記実数経路と虚数経路から、第2の経路に関連した情報を選択するステップと、
前記対応するソース信号の推定値を伝送可能な前記第2の経路に関連した情報を、選択的に処理するステップと、
を実行することを特徴とする、方法。
【請求項12】
通信ネットワークからダウンロード可能であるか、及び/又は、コンピュータ読取可能媒体に格納されているか、及び/又は、マイクロプロセッサによって実行可能である、コンピュータプログラム製品であって、
請求項1から8のいずれか一項に記載のマルチキャリア信号符号化方法を実施するプログラムコード命令を備える、コンピュータプログラム製品。
【請求項13】
通信ネットワークからダウンロード可能であるか、及び/又は、コンピュータ読取可能媒体に格納されているか、及び/又は、マイクロプロセッサによって実行可能である、コンピュータプログラム製品であって、
請求項11に記載のマルチキャリア信号復号方法の各ステップを実施するプログラムコード命令を備える、コンピュータプログラム製品。
【請求項14】
各々が信号のキャリア周波数を変調するデータ要素のセットによって構成される時間連続シンボルによって形成される、受信されたOFDM/OQAMタイプマルチキャリア信号(63)を復号するデバイスであって、
OFDM/OQAMシンボルの実数経路と虚数経路とによって情報を送信できるように、それぞれがソース信号のバイナリワードに対応しており、予め定めた変調コンステレーションに従って変調される、直交する2つの実数値を加算することによって、前記データ要素の各々が符号化時において形成され、
前記復号するデバイスは、
前記受信された信号において、前記実数経路と虚数経路から、第1の経路に関連した情報を選択する手段と、
前記対応するソース信号の推定値(64)を伝送可能な前記第1の経路に関連した情報を、選択的に処理する手段と、
前記受信された信号において、前記実数経路と虚数経路から、第2の経路に関連した情報を選択する手段と、
前記対応するソース信号の推定値を伝送可能な前記第2の経路に関連した情報を、選択的に処理する手段と、
を備えることを特徴とする、デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−541524(P2008−541524A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−509401(P2008−509401)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【国際出願番号】PCT/EP2006/061241
【国際公開番号】WO2006/117269
【国際公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(591034154)フランス テレコム (290)
【Fターム(参考)】