複素環アミン型化合物の神経保護剤としての使用
本発明は、ニューロン損傷を招くまたは引き起こすことが分かっている病状または状態に苦しむまたはそれに対して感受性の患者においてニューロン損傷を予防または減少させるための、複素環アミン型化合物の使用を提供する。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の分野
本発明は、対象における中枢神経系のニューロン損傷を予防するまたは減少させる治療方法に関する。
【0002】
発明の背景
多くの病的状態または障害は、急性または慢性神経変性病を含む中枢神経系におけるニューロン細胞の喪失またはニューロン機能の喪失に起因することが知られている。慢性神経変性病の例は、アルツハイマー病、パーキンソン病;ハンチントン舞踏病;AIDS痴呆;ウェルニッケ・コルサコフ関連の痴呆(アルコール誘発性痴呆);年齢関連の痴呆;年齢関連の記憶障害;頭部外傷、脳梗塞、低血糖症、虚血、酸素欠乏症、低酸素症、脳浮腫、動脈硬化、血腫または癲癇による脳細胞喪失;脳細胞喪失下でリストした状態のいずれかによる脊髄細胞喪失;および末梢神経障害を含む。ニューロン細胞の喪失またはニューロン細胞機能の喪失を招くことが分かっている他の状態は、典型的には代謝または中毒起源の二次神経変性病として、一般的に特徴付けられるものである。
【0003】
慢性および急性神経変性病および急性神経細胞損傷、ならびに関連した死亡または病的状態は、今までの方法では、概して治療できなかった。これらの状態に起因する患者の身体障害は、人生の質に有意な減少を招きかねない。加えて、これらの状態は、患者および社会に、長期医療のための高額なコストを負わせる。従って、神経変性病および急性神経細胞損傷と関連した神経細胞死滅または神経細胞損傷の予防または減少に指向された効果的な治療アプローチが必要である。具体的には、比較的非毒性であり、血液脳関門を超えて脳に容易に近づくことができるニューロン喪失に起因する脳内の状態を治療する有効な方法が必要である。
【0004】
驚くべきことに、そして予想外に、スマニロール(sumanirole)およびその類似体が、神経細胞死滅または神経細胞損傷の予防または減少のための治療として、有利に適していることが分かった。本発明の化合物は、神経保護効果を持つだけでなく、顕著な安全プロファイルを有し、脳血液関門を容易に浸透することを示している。
【0005】
情報開示
米国特許第6,458,820号は、プラミペキソール、ドーパミン受容体作用薬を、神経保護剤として開示する。
【0006】
米国特許第5,273,975号および同第5,436,240号、および国際特許出願WO 00/40226号は、パーキンソン病の症状を治療するのに有用な本発明の化合物を開示する。
【0007】
米国特許第6,426,342号は、患者におけるニューロン細胞およびニューロン細胞機能の喪失を、ベータ−ラクタマーゼ阻害剤を用いて予防または減らす方法を開示する。
【0008】
米国特許第6,451,837号は、MAPKカスケード拮抗剤として作用する天然または合成バイオフラボノイドによって、神経細胞を、変質および細胞死滅から保護する方法を開示する。
【0009】
ピリベジル、ドーパミン受容体を含む多数の受容体に結合する血管拡張剤は、全脳虚血のスナネズミモデルにおける機能的および生化学的パラメーターに対して効果を有すると報告されている。例えば、Society for Neuroscience Abstracts, 19: 673 (1993);id., at 1645参照。
【0010】
リスリドは、ドーパミンD2および5−HT1a受容体を含むいくつかの異なる受容体に結合する。事象の前に投与すると、リスリドは、脳浮腫を減少させ、脳梗塞のラットモデルにおいて、生存時間を引き延ばしたと報告されている。Miya Zawa,ら Nippon-Yakurigaku-Zasshi 98 (6): 449-561, (1991).
【0011】
発明の概要
式(A):
【化1】
[式中:
R1、R2およびR3は、独立して、水素、C1−6アルキル、C3−5アルケニル、C3−5アルキニル、C3−7シクロアルキル、C4−10シクロアルキル−またはフェニル−置換C1−6アルキルであり、あるいはR1およびR2は一緒になって、さらなるヘテロ原子および/または不飽和を含有することができるC3−7環状アミンを形成し;
Xは水素、C1−6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノ、カルボキシアミド、カルボキシル、またはカルボアルコキシルであり;
AはCH、CH2、CH−ハロゲン、CHCH3、C=O、C=S、C−SCH3、C=NH、C−NH2、C−NHCH3、C−NHCOOCH3、C−NHCN、SO2、またはNであり;
BはCH2、CH、CH−ハロゲン、C=O、N、NHまたはN−CH3、またはOであり;
nは0または1であり;ならびに
DはCH、CH2、CH−ハロゲン、C=O、O、N、NH、またはN−CH3である]
の化合物またはその医薬上許容される塩の神経保護量を、ヒトに投与することを特徴とする、ニューロン損傷を引き起こす病状から苦しむまたはそれに対して感受性のヒトにおいて、ニューロン損傷またはニューロン損傷の進行を防ぐまたは減らす方法を開示する。
【0012】
また、ニューロン細胞の喪失またはニューロン細胞機能の喪失を招くまたはそれから生じることが分かっている病状から苦しむまたはそれに対して感受性の患者の治療方法であって、そのような治療の必要がある患者に、式(A)の化合物またはその医薬上許容される塩の神経保護量を投与することを特徴とする該方法も開示する。
【0013】
さらに、神経保護医薬組成物および式(A)の化合物またはその医薬上許容される塩を活性成分として含むものを製造する方法を開示する。そのような医薬組成物は、投与の経口摂取、頬側、舌下、非経口、経皮的および直腸経路を含むがこれらに限定されるものではない広範囲の投与経路によって、患者送達に適合された単位用量形態で処方することができる。1つの具体例において、用量形態は、活性剤の放出制御のために処方される。
【0014】
好ましい具体例の記載
1つの態様において、本発明は、式(A)の化合物またはその医薬上許容される塩の神経保護量を、そのような治療の必要がある患者に、投与することを特徴とする、そのようなニューロン損傷を引き起こす病状から苦しむまたはそれに対して感受性のヒトにおいて、ニューロン損傷またはニューロン損傷の進行を防ぐまたは減らす方法を提供する。ニューロン損傷は、一般的に、ニューロン細胞の喪失またはニューロン細胞機能の喪失として特徴付けられる。ニューロン損傷を引き起こし得る病状の例は、脳梗塞、発作、神経外傷、およびハンチントン舞踏病、パーキンソン病、アルツハイマー病および他の記憶障害、血管性痴呆、多発脳梗塞性痴呆、レヴィー小体痴呆、または神経性痴呆のような広範に異なる病因論の多数の神経変性病状を含む。本発明の化合物に対する特定の適応は、パーキンソン病である。この意味において、用語パーキンソン病は、用語パーキンソン症候群も含む。
【0015】
もう1つの態様において、本発明は、式(A)の化合物またはその医薬上許容される塩の神経保護量を、ヒトに投与することを特徴とする、ニューロン細胞の喪失またはニューロン細胞機能の喪失を引き起こすまたはそれから生じることが分かっている状態から苦しむまたはそれに対して感受性のヒトの治療方法を提供する。
【0016】
さらにもう1つの態様において、本発明は、式(A)の化合物またはその医薬上許容される塩を活性成分として含む神経保護医薬組成物を提供する。
【0017】
なおもう1つの態様において、本発明は、式(A)の化合物またはその医薬上許容される塩を活性成分として含む神経保護医薬組成物の製法を提供する。
【0018】
式(A)の好ましい化合物は、式(AI)および(AII):
【化2】
【0019】
【化3】
の化合物およびそれらの医薬上許容される塩を含む。
【0020】
式(AI)の化合物の化学名は、(R)−5,6−ジヒドロ−5−(メチルアミノ)−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]−キノリン−2(1H)−オン(非倒置CAS名)または(5R)−5−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−オン(ACD/Nameソフトウェアによって生成]である。本発明に関しては、それかまたは(5R)−5−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−オンが医薬上許容される塩において存在していることが好ましい。
【0021】
式(AII)の化合物の化学名は、(5R)−5−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−チオンである。(5R)−5−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−チオンが、医薬上許容される塩として存在していることが好ましい。医薬上許容される塩は、無機酸および有機酸の両方の塩を含む。
【0022】
適した医薬上許容される塩は、無機酸および有機酸の両方の塩を含み;例は、制限なしに、次の酸の塩を含む:メタンスルホン酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、CH3−(CH2)n-COOH[式中、nは0から4である]、HOOC−(CH2)N−COOH[式中、nは上記定義とおりである]。他の許容される塩については、Int. J. Pharm., 33,201-217 (1986)参照。
【0023】
(5R)−5−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−オンおよび(5R)−5−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−チオンの特に好ましい塩は、マレイン酸塩であり、つまりそれぞれ(5R)−5−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−オン(Z)−2−ブタンジオエート(1:1)および(5R)−5−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−チオンZ)−2−ブタンジオエート(1:1)である(Z)−2−ブタンジオエート塩である。(5R)−5−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−オン(Z)−2−ブタンジオエート(1:1)は、ジェネリック名「スマニロール」としても知られている。
【0024】
本発明の方法において有用な式(A)の化合物およびその医薬上許容される塩は知られており、例えば米国特許第5,273,975号および同第5,436,240号、ならびに国際特許出願WO 00/40226を参照されたし。上記の米国特許第5,273,975号および同第5,436,240号ならびに国際特許出願WO 00/40226の完全な開示は、本明細書中に援用される。式(A)の化合物の範囲内の好ましい化合物を作る好ましい工程は、調製例1および数的実施例、ならびにチャートAに記載される。(5R)−5−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−チオンは、別法として、対応する非チオ類似体、(5R)−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ(4,5,1−ij)キノリン−(2H)−オンから作ることができる。(5R)−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ(4,5,1−ij)キノリン−(2H)−オンを(5R)−5−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−チオンに変換する方法は、実施例8に記載される。
【0025】
慣用的な医薬品を、例えば、本質的に、不活性の医薬担体および活性物質としての有効量の式(A)の化合物または医薬上許容される塩よりなる本発明の化合物に使用することができる。適した用量形態は、制限なしに、簡易錠剤または被覆錠剤、カプセル剤、ロゼンジ、散剤、水剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、坐剤、経皮パッチ等を含み、錠剤が好ましい用量形態である。
【0026】
式(A)の化合物の操作可能な神経保護量は、約0.2ないし約8mg/人/用量である。神経保護量は約0.5ないし約5mg/人/用量であるのが好ましい。神経保護量は約1ないし約3mg/人/用量であるのがより好ましい。これを下回る用量を使用すれば、所望の効果は得られないだろう。もしこれを超える用量を使用すれば、望ましくない副作用が起こり得る。本発明の方法に従い使用される時、本発明の化合物の神経保護量は、患者の状態および投与方法によって決まり、患者の状態および初期用量に対する観察された臨床応答によって、担当医によってより高くまたはより低く調整され得る。本発明による治療は、典型的には、本発明の化合物の1ないし4日用量を含む。本発明の化合物の(非経口または経口使用のいずれかのための)放出制御用量形態によって、効果的な1日に1回または2回の用量プロトコルが可能になる。
【0027】
本発明の化合物は、慣用的な無毒の医薬上許容される担体、アジュバントおよびビヒクルを含有する用量処方で、経口、非経口、吸引スプレーによって、局所、直腸、経鼻、頬側、経膣または移植された容器を介して投与することができる。経口投与が好ましいが、患者の状態が急性である場合、非経口投与がより適当/効果的であると考えられ得る。本発明の化合物の投与は、典型的には、患者の状態が正常化するまで、または患者が神経変性状態の発症または再発に対して感受性またはその傾向がないと判断されるまで、続けられる。用量投与は、患者の状態の予防のための同じまたは軽減された用量プロトコルを使用して続けることが可能である。
【0028】
もう1つの態様において、本発明は、式(A)の化合物またはその医薬上許容される塩の神経保護量、およびそのための医薬上許容される担体を含む神経保護医薬組成物を提供する。1つの具体例において、医薬組成物は、例えば錠剤、カプセル剤または経口用量形態用のカプレットといった単位用量形態で調製される。
【0029】
さらにもう1つの態様において、本発明は、ニューロン損傷から苦しむまたはそれに対して感受性の人において、ニューロン損傷またはニューロン損傷の進行を防ぐのに有用な医薬組成物の製法を提供する。方法は、式(A)の化合物、またはその医薬上許容される塩、および医薬上許容される担体を含む医薬混合物を調製する工程を含む。次いで、混合物の部分を使用して、式(A)の化合物または医薬上許容される塩の神経保護量を含有する単位用量形態を調製する。
【0030】
医薬組成物を形成するのに使用される式(A)の化合物または医薬上許容される塩の量は、意図される投与経路による送達に際して、保護が望まれるニューロン組織における式(A)の化合物またはその医薬上許容される塩の神経保護濃度を供するのに有効な量である。
【0031】
本発明による使用のための本発明の化合物は、1またはそれを超える医薬上許容される担体と組み合わせることができ、例えば、錠剤、カプセル剤、カプレット、分散性散剤、顆粒剤、ロゼンジ、粘膜パッチ、サシェ等のような形態で経口投与してもよい。そのような処方において、本発明の化合物は、例えば、スターチ、ラクトースまたはトレハロースといった医薬上許容される担体と組み合わされて、単独でまたは1またはそれを超える処方賦形剤と組み合わされ、錠剤またはロゼンジに打錠されるかあるいはカプセル剤に充嗔される。所望により、錠剤、カプレットまたはカプセル剤のような経口摂取投与用に意図された投与形態は、腸溶被覆されて、胃における加水分解/分解を最小化してもよい。もう1つの具体例において、投与形態は、経口投与用に処方され、所定の時間にわたり、本発明の化合物を放出するための当該分野で認められた処方技術を用いて、持続性放出投与形態として形成される。
【0032】
また、式(A)の化合物またはその医薬上許容される塩およびそのような投与経路に適合させた慣用的な無毒の医薬上許容される担体、アジュバントおよびビヒクルを含有する経皮パッチ、鼻腔内および坐剤投与単位処方を含む局所投与形態を本発明の神経保護方法において使用することもできる。
【0033】
本発明による注入可能な使用に適した医薬組成物は、無菌水溶液または分散液および無菌注射溶液または分散剤の即席調製のための無菌粉末または凍結乾燥物を含む。投与形態は無菌でなければならず、製造および貯蔵条件下で安定していなければならない。注射可能な処方用の担体は、典型的には水であるが、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコール)、その混合物、および植物油を含んでもよい。
【0034】
また、本発明に従い有用な非経口投与形態は、本発明の化合物が、スターチ、ガムおよびエステル化またはエステル化セルロース誘導体、ポリエーテル、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ゼラチン、またはアルギン酸塩を含む炭水化物のような1またはそれを超える天然または合成生分解性または生分散性ポリマーと組み合わされる注射可能な持続性放出処方として処方することができる。そのような投与処方は、例えば、マイクロスフィア懸濁液、ゲル、または生物学的に活性な成分の持続性放出を提供する「持続性薬剤型」薬物送達系としての機能に関して、当該分野でよく知られている付形ポリマーマトリックスインプラントの形態で調製される。そのような組成物は、当該分野で認められた処方技術を用いて調製することができ、多種多様な薬物放出プロファイルのいずれかに設計することができる。
【0035】
本発明の化合物のいずれの投与も、単一の化合物または神経保護化合物の混合物の使用を含んでもよい。
【0036】
下記の実施例1に記載されるように、本発明の方法によって達成される神経保護効果を示すアッセイを実施した。
【0037】
定義および約束
下記の定義および説明は、明細書および請求の範囲の両方を含む本願全書類を通じて使用される用語についてのものである。
【0038】
I 式についての約束および変数の定義
変数置換基の炭素原子含有量は、2つの方法のうちの1つで示される。第1の方法は、「C1−C4」のような変数の全名称に対して接頭辞を用い、ここに「1」および「4」の両方は、変数における炭素原子の最小数および最大数を表す整数である。接頭辞は、スペースによって、変数から別にされる。例えば、「C1−C4アルキル」は、1から4つの炭素原子のアルキルを表す(反対の明白な表示がない限りその異性形態を含む)。この単一の接頭辞が付与される時はいつでも、該接頭辞は、規定されている変数の全炭素原子含有量を示す。すなわち、C2−C4アルコキシカルボニルは、基CH3−(CH2)n−O−CO−[式中、nは0、1または2である]を示す。第2の方法によって、定義の各部分のみの炭素原子含有量は、別個に、括弧内に「Ci−Cj」命名を包み、それを、定義されている定義の部分のすぐ前に(間隔を挟まずに)置くことによって示される。この任意の約束によって、「C1−C3」は、アルコキシ基の炭素原子含有量のみを指すため、(C1−C3)アルコキシカルボニルは、C2−C4アルコキシカルボニルと同じ意味を持つ。同様に、C2−C6アルコキシアルキルおよび(C1−C3)アルコキシ(C1−C3)アルキルは両方とも、2ないし6つの炭素原子を含有するアルコキシアルキル基を定義するが、前者の定義はアルコキシまたはアルキル部分のいずれかのみに4ないし5つの炭素原子を含有させる一方で、後者の定義はこれらの基のいずれかを3つの炭素原子に制限するため、2つの定義は異なる。
【0039】
II.定義
全温度は、摂氏の度である。
TLCは薄層クロマトグラフィーを指す。
HPLCは、高圧液体クロマトグラフィーを指す。
生理食塩水は、飽和塩化ナトリウム水溶液を指す。
クロマトグラフィー(カラムおよびフラッシュクロマトグラフィー)は、(支持剤、溶離剤)として表される化合物の精製/分離を指す。適当な画分をプールし、濃縮して(複数の)所望の化合物を得ることは理解される。
【0040】
NMRは、核(プロトン)磁気共鳴分光法を指し、化学シフトは、テトラメチルシランから低磁場へのppm(δ)で報告される。
【0041】
CMRは、C−13磁気共鳴分光法を指し、化学シフトは、TMSから低磁場へのppm(δ)で報告される。
【0042】
用語「神経細胞」および「ニューロン」または「ニューロン細胞」は、本明細書において相互換的に使用されて、脳を含む中枢神経系内の細胞を指す。
【0043】
「ニューロン細胞」、「神経細胞」、および「ニューロン」または「ニューロン細胞」は、本明細書において相互換的に使用されて、例えば、ニューロン、神経支持細胞、神経膠、シュワン細胞、脳、脳幹、脊髄、および末端神経系を含む中枢神経内に含有される脈管構造を含む細胞、およびそのような細胞を脳、脳幹、脊髄、および末端神経系を含む中枢神経内で供給することを含む神経系を構成する細胞を指す。
【0044】
本発明を記載し定義する際に使用される「神経保護的」または「神経保護」は、そのような細胞に作用することが分かっている状態で苦しむ患者において、ニューロン細胞の死滅または機能の喪失を招くニューロン細胞への損傷を防ぐ、抑止する、改善する、または減らす効果を指す。また、該用語は、損傷を受けた細胞または細胞損傷状態に暴露されているまたは暴露された細胞を保護および/または回復させる能力または機能を指す。
【0045】
「神経保護量」は、治療を受ける患者において、上記のように、神経保護的であるのに十分な本発明の化合物の量を意味する。
【0046】
「神経変性障害」は、本明細書および請求の範囲において、ニューロンの進行性喪失が、末端神経系または中枢神経系のいずれかで起こる障害と定義される。神経変性障害の例は:アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、糖尿病の末梢神経障害、多発性硬化症、筋委縮性側索硬化症のような慢性的神経変性病;老化;および脳梗塞、外傷性脳損傷、統合失調症、末端神経損傷、低血糖症、脊髄損傷、癲癇、および酸素欠乏症および低酸素症を含む急性神経変性障害を含む。これらの例は、決して包括的または限定的に意図されるものではなく、単に用語「神経変性障害」の説明として仕える。
【0047】
「(Z)−2−ブタンジオエート」は、マレエートを指す。
【実施例】
【0048】
さらなる推敲なしに、当業者は、前述の記載を用いて、本発明を最大限に実施することが出来ると考えられる。次の詳細な実施例は、様々な化合物の調製方法および/または本発明の様々な工程の実施方法を記載し、決して前述の開示を制限するものではなく、単に例示的なものとして解釈されるべきである。当業者は、即座に、反応物質および反応状態および技術の両方に関する手順から適当な変形を認識するだろう。
【0049】
調製例1 塩化(R)−ナプロキセン
R−ナプロキセン(260g)、塩化メチレン(3.33kg)およびDMF(8.2ml)を、反応器に添加する。塩化オキサリル(191.8g)を、この混合物にゆっくりと添加する。塩化オキサリルの添加後、スラリーを5ないし10°で撹拌し、次いで、ゆっくりと20ないし25°まで加温する。得られた混合物を濃縮して、塩化メチレンを除去し、分岐オクタンを濃縮物に添加し、混合物を再度濃縮する。より分岐したオクタンを濃縮物に添加し、混合物を0°まで冷却し、撹拌して、結晶化させる。結晶スラリーを濾過し、結晶ケーキをオクタンで洗浄し、20ないし25°にて乾燥させて、標記化合物を得る。
【0050】
最初の収量からの濾液を濃縮し、分岐オクタンを添加し、混合物を冷却し、撹拌して、標記化合物の第2の収量を得る。スラリーを濾過し、結晶ケーキを分岐オクタンで洗浄し、20ないし25°にて乾燥させる。
【0051】
実施例1 1−ベンジル−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−オン(II)
DMF(10ml)中の4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−オン(I,J. Hetereocyclic Chem., 19,837-49(1982), 1.0g,5.8mmol)を、0°まで冷却し、反応温度を0°に維持しつつ、THF(1.98M,3.2ml,6.3mmol)中のカリウムt−ブトキシドで処理する。得られた混合物を、10分間、0°にて撹拌する。次いで、臭化ベンジル(0.73ml,6.1mmol)を、反応温度を0°に維持しつつ、添加する。1時間後、混合物を、水から、t−ブチルエーテルメチル(MTBE)で分配し、引き続いて、数回、水で洗浄する。MTBE相を、減圧下で濃縮する。濃縮物を0°まで冷却し、濾過し、0°MTBEで2回洗浄する。生成物を減圧下で、窒素でパージして50°で乾燥させて、標記化合物を得る。CMR (CDCl3, 100 MHz) L 153.78, 136.44, 128.69, 127.67, 127.60, 126.73, 125.86, 122.90, 122.78, 121.28, 116.92, 116.17, 108.36, 44.95および42. 37.
【0052】
実施例2 (5R*,6R*)−1−ベンジル−5−ブロモ−6−ヒドロキシ−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−オン(III)
1−ベンジル−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−オン(II,実施例1,240g)、アセトニトリル(1.086kg)、水(227ml)およびフルオロ硼酸(48.5%, 13.4g)を混合し、0ないし5°まで冷却する。ジブロマンタン(163.5g)をアセトニトリルへスラリーし、反応混合物に添加する。反応を、0ないし5°にて、約3時間実施する。反応が完了した後、t−ブチルエーテルメチルを、ポット中の反応温度を10°以下に維持しつつ、約45分間にわたり添加する。スラリーを−10ないし−15°まで冷却し、1時間撹拌し、次いで濾過する。生成物を、先に冷却しておいたt−ブチルエーテルメチルで洗浄し、45°窒素で乾燥させて、標記化合物を得る。CMR(CDCl3)δ 156.0, 137.8, 130.5, 129.6, 129.3, 129.1, 126.6, 123.6, 122.5,119. 6,110. 4,69. 9,49. 6,47. 7,46. 9 および 43.8.
【0053】
実施例3 (5S,6S)−1−ベンジル−5−ブロモ−2−オキソ−1,2,5,6−テトラヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−6−イル(2R)−2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロパノエート(IVA)および(5R,6R)−1−ベンジル−5−ブロモ−2−オキソ−1,2,5,6−テトラヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−6−イル(2R)−2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロパノエート(IVB)
(5R,6R)−1−ベンジル−5−ブロモ−6−ヒドロキシ−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−オン(III、実施例2、143g)、塩化メチレン(3、136g)、N−メチルモルホリン(100.2g)および4−ジメチルアミノピリジン(497mg)を、反応器に添加し、混合物を0ないし5°まで冷却する。塩化メチレン(694ml)中に溶解した塩化(R)−ナプロキセン(調製例1、118.5g)を、約1時間にわたり、反応器に添加し、混合物を0ないし5°にて撹拌して、反応を完了する。必要に応じて、さらなる塩化ナプロキセンを添加して、反応を完了する。水で希釈した炭酸カリウム溶液を混合物に添加する。水性相を塩化メチレンで抽出し、組み合わされたメチレン相を水で洗浄する。洗浄された混合物を真空蒸留によって濃縮し、酢酸エチレンによる溶媒交換を実施する。濃縮物を−10°まで冷却し撹拌する。結晶スラリーを濾過し、結晶ケーキを先に冷却したt−ブチルエーテルメチルで洗浄し、50°にて乾燥させて、固体形態の標記化合物、(5S,6S)−1−ベンジル−5−ブロモ−2−オキソ−1,2,5,6−テトラヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−6−イル(2R)−2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロパノエート(IVA)、を得る。CMR(CDCl3)δ 173. 2,157. 8,153. 4, 136.1, 134.6, 133.7, 129.2, 128.8, 127.8, 127.8, 127.6, 127.2, 125.9, 125.9, 125.6, 121.5, 121.4, 119.1, 113.2, 109.0, 105., 105.6, 69.2, 55.3, 45.4, 45.2, 42.5, 41.7 および18.3。
【0054】
望まない異性体、(5R,6R)−1−ベンジル−5−ブロモ−2−オキソ−1,2,5,6−テトラヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン―6−イル(2R)−2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロパノエート(IVB)は濾液中にあり、当業者によく知られた手段によって回収することができる。(5R,6R)−1−ベンジル−5−ヒドロキシ−6−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−オン、CMR 173.2, 157.9, 153.4, 136.1, 135.0, 133.8, 129.2, 128.9, 128.8, 127.8, 127.6, 127.4, 125.8, 125.8, 125.7, 121.6, 121.5, 119.3, 113.1, 109.1, 105.7, 68.7, 55.3, 45.3, 45.2, 42.2, 41.3 および 18.1δ。
【0055】
実施例4 (5R,6R)−1−ベンジル−5−ヒドロキシ−6−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−オン(V)
(5S,6S)−1−ベンジル−5−ブロモ−2−オキソ−1,2,5,6−テトラヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−6−イル(2R)−2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロパノエート(IVA,実施例3、110g)をアセトニトリル(1,297g)中でスラリー化する。水性メチルアミン(40重量%、327g)を添加した後、反応を約12時間、約30°にて実施する。反応が完了した後、混合物を濃縮し、酢酸エチルを添加する。希釈した塩酸を添加して、標記化合物の水溶性塩を作る。副生成物(R−ナプロキセンアセトアミド不純物)は水に不溶性であり、酢酸エチル相に留まる。さらなる抽出および洗浄を、所望の生成物の最小限の喪失で、(ナプロキセンアセトアミド)不純物のより良い分離のために実施する。次いで、水酸化ナトリウム溶液を水性相に添加し、標記化合物の塩酸塩を遊離塩基に変換する。遊離塩基は、水に溶解しにくく、酢酸エチルで抽出する。生成混合物を濃縮し、溶媒を酢酸エチルと交換して、水を除去する。分鎖オクタンを添加し、混合物を冷却することによって、結晶化を実施する。得られたスラリーを濾過し、洗浄し、50°にて乾燥させて、標記化合物を得る、CMR(CDCl3)δ 153.7, 136.3, 128.7, 127.8, 127.7, 125.7, 121.3, 119.9, 118.6, 107.5, 66.2, 60.1, 45.1, 42.6 および34.0.
【0056】
実施例5 (7aS,8aR)−4−ベンジル−8−メチル−7,7a,8,8a−テトラヒドロアジレノ[2,3−c]イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−5(4H)−オン(VI)
(5R,6R)−1−ベンジル−5−ヒドロキシ−6−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−オン(V、実施例4、70g)およびTHF(1,389g)を濃縮して、水に対するn−ブチルリチウムの反応性のため、用心として、留出物でいずれの湿気も除去する。混合物を約−10°まで冷却し、n−ブチルリチウムを添加して、発熱反応におけるn−ブタン副生成物の形成をもって、出発物質のリチウム塩を作る。塩化ベンゼンスルホニルをゆっくりと添加して、発熱反応において、ベンゼンスルホネートを作る。反応混合物を20ないし25°まで加温して、反応を完了する。水性炭酸カリウム溶液を添加して、ベンゼンスルホン酸を除去し、混合物が結晶化するまで撹拌する。水を添加して、結晶化を完了し、スラリーを撹拌し、冷却し濾過する。結晶ケーキを水で洗浄し、引き続いて分岐オクタンで洗浄し、40ないし50°にて乾燥させて、標記化合物を得る。CMR (CDCl3)δ 154. 1,136. 3,128. 6,127. 9,127. 6,124. 3,120. 7,119. 7,107. 4,46. 7,44. 9, 40.7, 38. 1 および 37.6。
【0057】
実施例6 (5R)−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−オン(VII)
(7aS,8aR)−4−ベンジル−8−メチル−7,7a,8,8a−テトラヒドロアジレノ[2,3−c]イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−5(4H)−オン(VI、実施例5、40g)、t−アミルアルコール(42.4g)および無水アンモニア(1,200g)を、−33°にて、リチウムで処理する。リチウム添加が完了した後、反応混合物は、黄色スラリーから暗青色混合物へと変化する。この暗青色混合物を、30ないし60分間撹拌し、次いで、水の添加によってクエンチする。冷却を冷却器から除去し、アンモニアを蒸発させる。残留物をメタノール中に溶解する。次いで、この混合物を濃縮乾固して、標記化合物を得、これを単離せずに直接、次の段階へと続ける。
【0058】
実施例7 (5R)−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−オン(Z)−2−ブタンジオエート(1:1)(VII)
(5R)−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−オン(VII、実施例6、28.0g)を水に溶解させ、pHを、塩酸の添加によって、10に調整する。混合物を、まず水で溶離され次いでエタノールで溶離されるXAD−16樹脂カラムに、何回かに分けて適用する。無機塩を、エタノールで溶離された所望の生成物でまずカラムから溶離する。カラムからのエタノール溶出液をマレイン酸で処理し、水レベルを、エタノールの共沸蒸留を介して低下させる。沈殿した生成物を濾過によって単離し、酢酸エチルで濯ぎ、乾燥させて、標記化合物を得る。CMR (DMSO-d6)δ 167. 6,153. 9,136. 4, 127.1, 121.5, 119.6, 114.1, 107.5, 51.9, 31.3 および 26.5。
【0059】
実施例8 (5R)−5−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−チオン
ピリジン(300mL)中の(5R)−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−オン(VII、実施例6、15.0g、73.8mmol)および十硫化四リン(36.1g、81.2mmol)を、窒素下で、125°の油浴中で加熱する。反応を、5時間、撹拌する。混合物を20ないし25°まで冷却し、ピリジンを減圧下で除去する。水酸化ナトリウム(2.2N、200mL)を添加する。次いで、水酸化ナトリウム(1N)を添加する。混合物を塩化ナトリウムで飽和させ、塩化メチレン(2.5L、何回かに分けて)で抽出する。有機相を、シリカゲル(40g)に吸収させ、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル;225g;メタノール/塩化メチレン、3.5−5.0/96.5−95)を介して精製して、固体を得る。この物質のメタノール/酢酸エチル/ヘキサンからの再結晶化によって、標記化合物を得る。mp =210-213° ; IR (ドリフト) 2940,2907, 2884, 1483,1458, 1391,1366, 1354,1254, 1239,1229, 895,762, 734,630cm-1 ; NMR (300 MHz,CDCl3) 7.12, 7.03, 7.00, 4.30, 3.96, 3.30-3. 50,3. 15,2. 88 および2.57δ ; MS(EI,m/z) 219 (M+), 190,189, 187,186, 164,163, 155,145 ; HRMS (FAB) 計算値 C11H13N3S (MH+) = 220.0908, 実測値 220.0904。
【0060】
実施例9 (5R)−5−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−チオンのリンゴ酸塩
最小量のメタノール(〜1mL)中のマレイン酸(0.317g、2.36mmol)の混合物を、塩化メチレン中の(5R)−5−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−チオン(実施例8、0.493g、2.25mmol)の混合物に添加する。得られた固体を濾過によって収集して、標記化合物を得る。mp =195-196° ;[α]25D =-60° (c 0.93, メタノール); IR (ドリフト) 3140,3112, 3060,2969, 1627,1619, 1568,1481, 1455,1398, 1389,1361, 1220,868および747 cm-1; NMR (300 MHz, CD30D) 7.20-7. 30, 7.10-7. 20,6. 26,4. 49,4. 31,4. 05-4.20, 3.47, 3.28および2.83δ ; CMR (100 MHz, DMSO-d6 + CD3OD) 170.4, 169.4, 136.6, 131.1, 130.9, 125.1, 122.1, 116.2, 109.6, 53.9, 43.1, 31.9 および 27.2δ ; MS (ESI,m/z) 220.1 (MH+).。
【0061】
実施例10 神経保護特性のテスト
本発明の化合物の神経保護特性を示すために、インビボ実験を、当該分野で知られる神経毒性の動物モデルにおいて実施した。
【0062】
実験手順:
3−アセチルピリジン(3−AP)、ニコチンアミド拮抗薬および強力なラット神経毒を、ラットの群に投与した。
スマニロール(1−20mg/kg、PO)を、3−AP処置前または後に与え、動物を96時間後に屠殺した。ニューロン細胞カウントを、下方オリーブにおいて行い、cGMP、ATPおよびロータロッド性能を、代理有毒マーカーとして使用した。
【0063】
結果:
3−AP処置によって、小脳cGMPおよびATPにおいて有意な減少、ロータロッド性能において減少および下方オリーブニューロンにおいて有意な減少が生じた。3−APの前または後のいずれかで与えられたスマニロールは、用量関連様式で、cGMP、ATPおよびロータロッド性能において、3−AP誘導減少を、有意に弱めた。また、スマニロールは、3−APによって生産された下方オリーブニューロン細胞喪失を、有意に減少させた。ラクロプライドによる前処理は、スマニロールの神経保護効果を遮断しなかった。
【0064】
要約
スマニロールはインビボ神経保護特性を有し、そのような特性は化合物のD2作用薬特性に関連しているようには見えないことを、データは示す。
【0065】
【化4】
【0066】
【化5】
【0067】
【化6】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の分野
本発明は、対象における中枢神経系のニューロン損傷を予防するまたは減少させる治療方法に関する。
【0002】
発明の背景
多くの病的状態または障害は、急性または慢性神経変性病を含む中枢神経系におけるニューロン細胞の喪失またはニューロン機能の喪失に起因することが知られている。慢性神経変性病の例は、アルツハイマー病、パーキンソン病;ハンチントン舞踏病;AIDS痴呆;ウェルニッケ・コルサコフ関連の痴呆(アルコール誘発性痴呆);年齢関連の痴呆;年齢関連の記憶障害;頭部外傷、脳梗塞、低血糖症、虚血、酸素欠乏症、低酸素症、脳浮腫、動脈硬化、血腫または癲癇による脳細胞喪失;脳細胞喪失下でリストした状態のいずれかによる脊髄細胞喪失;および末梢神経障害を含む。ニューロン細胞の喪失またはニューロン細胞機能の喪失を招くことが分かっている他の状態は、典型的には代謝または中毒起源の二次神経変性病として、一般的に特徴付けられるものである。
【0003】
慢性および急性神経変性病および急性神経細胞損傷、ならびに関連した死亡または病的状態は、今までの方法では、概して治療できなかった。これらの状態に起因する患者の身体障害は、人生の質に有意な減少を招きかねない。加えて、これらの状態は、患者および社会に、長期医療のための高額なコストを負わせる。従って、神経変性病および急性神経細胞損傷と関連した神経細胞死滅または神経細胞損傷の予防または減少に指向された効果的な治療アプローチが必要である。具体的には、比較的非毒性であり、血液脳関門を超えて脳に容易に近づくことができるニューロン喪失に起因する脳内の状態を治療する有効な方法が必要である。
【0004】
驚くべきことに、そして予想外に、スマニロール(sumanirole)およびその類似体が、神経細胞死滅または神経細胞損傷の予防または減少のための治療として、有利に適していることが分かった。本発明の化合物は、神経保護効果を持つだけでなく、顕著な安全プロファイルを有し、脳血液関門を容易に浸透することを示している。
【0005】
情報開示
米国特許第6,458,820号は、プラミペキソール、ドーパミン受容体作用薬を、神経保護剤として開示する。
【0006】
米国特許第5,273,975号および同第5,436,240号、および国際特許出願WO 00/40226号は、パーキンソン病の症状を治療するのに有用な本発明の化合物を開示する。
【0007】
米国特許第6,426,342号は、患者におけるニューロン細胞およびニューロン細胞機能の喪失を、ベータ−ラクタマーゼ阻害剤を用いて予防または減らす方法を開示する。
【0008】
米国特許第6,451,837号は、MAPKカスケード拮抗剤として作用する天然または合成バイオフラボノイドによって、神経細胞を、変質および細胞死滅から保護する方法を開示する。
【0009】
ピリベジル、ドーパミン受容体を含む多数の受容体に結合する血管拡張剤は、全脳虚血のスナネズミモデルにおける機能的および生化学的パラメーターに対して効果を有すると報告されている。例えば、Society for Neuroscience Abstracts, 19: 673 (1993);id., at 1645参照。
【0010】
リスリドは、ドーパミンD2および5−HT1a受容体を含むいくつかの異なる受容体に結合する。事象の前に投与すると、リスリドは、脳浮腫を減少させ、脳梗塞のラットモデルにおいて、生存時間を引き延ばしたと報告されている。Miya Zawa,ら Nippon-Yakurigaku-Zasshi 98 (6): 449-561, (1991).
【0011】
発明の概要
式(A):
【化1】
[式中:
R1、R2およびR3は、独立して、水素、C1−6アルキル、C3−5アルケニル、C3−5アルキニル、C3−7シクロアルキル、C4−10シクロアルキル−またはフェニル−置換C1−6アルキルであり、あるいはR1およびR2は一緒になって、さらなるヘテロ原子および/または不飽和を含有することができるC3−7環状アミンを形成し;
Xは水素、C1−6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノ、カルボキシアミド、カルボキシル、またはカルボアルコキシルであり;
AはCH、CH2、CH−ハロゲン、CHCH3、C=O、C=S、C−SCH3、C=NH、C−NH2、C−NHCH3、C−NHCOOCH3、C−NHCN、SO2、またはNであり;
BはCH2、CH、CH−ハロゲン、C=O、N、NHまたはN−CH3、またはOであり;
nは0または1であり;ならびに
DはCH、CH2、CH−ハロゲン、C=O、O、N、NH、またはN−CH3である]
の化合物またはその医薬上許容される塩の神経保護量を、ヒトに投与することを特徴とする、ニューロン損傷を引き起こす病状から苦しむまたはそれに対して感受性のヒトにおいて、ニューロン損傷またはニューロン損傷の進行を防ぐまたは減らす方法を開示する。
【0012】
また、ニューロン細胞の喪失またはニューロン細胞機能の喪失を招くまたはそれから生じることが分かっている病状から苦しむまたはそれに対して感受性の患者の治療方法であって、そのような治療の必要がある患者に、式(A)の化合物またはその医薬上許容される塩の神経保護量を投与することを特徴とする該方法も開示する。
【0013】
さらに、神経保護医薬組成物および式(A)の化合物またはその医薬上許容される塩を活性成分として含むものを製造する方法を開示する。そのような医薬組成物は、投与の経口摂取、頬側、舌下、非経口、経皮的および直腸経路を含むがこれらに限定されるものではない広範囲の投与経路によって、患者送達に適合された単位用量形態で処方することができる。1つの具体例において、用量形態は、活性剤の放出制御のために処方される。
【0014】
好ましい具体例の記載
1つの態様において、本発明は、式(A)の化合物またはその医薬上許容される塩の神経保護量を、そのような治療の必要がある患者に、投与することを特徴とする、そのようなニューロン損傷を引き起こす病状から苦しむまたはそれに対して感受性のヒトにおいて、ニューロン損傷またはニューロン損傷の進行を防ぐまたは減らす方法を提供する。ニューロン損傷は、一般的に、ニューロン細胞の喪失またはニューロン細胞機能の喪失として特徴付けられる。ニューロン損傷を引き起こし得る病状の例は、脳梗塞、発作、神経外傷、およびハンチントン舞踏病、パーキンソン病、アルツハイマー病および他の記憶障害、血管性痴呆、多発脳梗塞性痴呆、レヴィー小体痴呆、または神経性痴呆のような広範に異なる病因論の多数の神経変性病状を含む。本発明の化合物に対する特定の適応は、パーキンソン病である。この意味において、用語パーキンソン病は、用語パーキンソン症候群も含む。
【0015】
もう1つの態様において、本発明は、式(A)の化合物またはその医薬上許容される塩の神経保護量を、ヒトに投与することを特徴とする、ニューロン細胞の喪失またはニューロン細胞機能の喪失を引き起こすまたはそれから生じることが分かっている状態から苦しむまたはそれに対して感受性のヒトの治療方法を提供する。
【0016】
さらにもう1つの態様において、本発明は、式(A)の化合物またはその医薬上許容される塩を活性成分として含む神経保護医薬組成物を提供する。
【0017】
なおもう1つの態様において、本発明は、式(A)の化合物またはその医薬上許容される塩を活性成分として含む神経保護医薬組成物の製法を提供する。
【0018】
式(A)の好ましい化合物は、式(AI)および(AII):
【化2】
【0019】
【化3】
の化合物およびそれらの医薬上許容される塩を含む。
【0020】
式(AI)の化合物の化学名は、(R)−5,6−ジヒドロ−5−(メチルアミノ)−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]−キノリン−2(1H)−オン(非倒置CAS名)または(5R)−5−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−オン(ACD/Nameソフトウェアによって生成]である。本発明に関しては、それかまたは(5R)−5−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−オンが医薬上許容される塩において存在していることが好ましい。
【0021】
式(AII)の化合物の化学名は、(5R)−5−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−チオンである。(5R)−5−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−チオンが、医薬上許容される塩として存在していることが好ましい。医薬上許容される塩は、無機酸および有機酸の両方の塩を含む。
【0022】
適した医薬上許容される塩は、無機酸および有機酸の両方の塩を含み;例は、制限なしに、次の酸の塩を含む:メタンスルホン酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、CH3−(CH2)n-COOH[式中、nは0から4である]、HOOC−(CH2)N−COOH[式中、nは上記定義とおりである]。他の許容される塩については、Int. J. Pharm., 33,201-217 (1986)参照。
【0023】
(5R)−5−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−オンおよび(5R)−5−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−チオンの特に好ましい塩は、マレイン酸塩であり、つまりそれぞれ(5R)−5−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−オン(Z)−2−ブタンジオエート(1:1)および(5R)−5−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−チオンZ)−2−ブタンジオエート(1:1)である(Z)−2−ブタンジオエート塩である。(5R)−5−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−オン(Z)−2−ブタンジオエート(1:1)は、ジェネリック名「スマニロール」としても知られている。
【0024】
本発明の方法において有用な式(A)の化合物およびその医薬上許容される塩は知られており、例えば米国特許第5,273,975号および同第5,436,240号、ならびに国際特許出願WO 00/40226を参照されたし。上記の米国特許第5,273,975号および同第5,436,240号ならびに国際特許出願WO 00/40226の完全な開示は、本明細書中に援用される。式(A)の化合物の範囲内の好ましい化合物を作る好ましい工程は、調製例1および数的実施例、ならびにチャートAに記載される。(5R)−5−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−チオンは、別法として、対応する非チオ類似体、(5R)−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ(4,5,1−ij)キノリン−(2H)−オンから作ることができる。(5R)−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ(4,5,1−ij)キノリン−(2H)−オンを(5R)−5−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−チオンに変換する方法は、実施例8に記載される。
【0025】
慣用的な医薬品を、例えば、本質的に、不活性の医薬担体および活性物質としての有効量の式(A)の化合物または医薬上許容される塩よりなる本発明の化合物に使用することができる。適した用量形態は、制限なしに、簡易錠剤または被覆錠剤、カプセル剤、ロゼンジ、散剤、水剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、坐剤、経皮パッチ等を含み、錠剤が好ましい用量形態である。
【0026】
式(A)の化合物の操作可能な神経保護量は、約0.2ないし約8mg/人/用量である。神経保護量は約0.5ないし約5mg/人/用量であるのが好ましい。神経保護量は約1ないし約3mg/人/用量であるのがより好ましい。これを下回る用量を使用すれば、所望の効果は得られないだろう。もしこれを超える用量を使用すれば、望ましくない副作用が起こり得る。本発明の方法に従い使用される時、本発明の化合物の神経保護量は、患者の状態および投与方法によって決まり、患者の状態および初期用量に対する観察された臨床応答によって、担当医によってより高くまたはより低く調整され得る。本発明による治療は、典型的には、本発明の化合物の1ないし4日用量を含む。本発明の化合物の(非経口または経口使用のいずれかのための)放出制御用量形態によって、効果的な1日に1回または2回の用量プロトコルが可能になる。
【0027】
本発明の化合物は、慣用的な無毒の医薬上許容される担体、アジュバントおよびビヒクルを含有する用量処方で、経口、非経口、吸引スプレーによって、局所、直腸、経鼻、頬側、経膣または移植された容器を介して投与することができる。経口投与が好ましいが、患者の状態が急性である場合、非経口投与がより適当/効果的であると考えられ得る。本発明の化合物の投与は、典型的には、患者の状態が正常化するまで、または患者が神経変性状態の発症または再発に対して感受性またはその傾向がないと判断されるまで、続けられる。用量投与は、患者の状態の予防のための同じまたは軽減された用量プロトコルを使用して続けることが可能である。
【0028】
もう1つの態様において、本発明は、式(A)の化合物またはその医薬上許容される塩の神経保護量、およびそのための医薬上許容される担体を含む神経保護医薬組成物を提供する。1つの具体例において、医薬組成物は、例えば錠剤、カプセル剤または経口用量形態用のカプレットといった単位用量形態で調製される。
【0029】
さらにもう1つの態様において、本発明は、ニューロン損傷から苦しむまたはそれに対して感受性の人において、ニューロン損傷またはニューロン損傷の進行を防ぐのに有用な医薬組成物の製法を提供する。方法は、式(A)の化合物、またはその医薬上許容される塩、および医薬上許容される担体を含む医薬混合物を調製する工程を含む。次いで、混合物の部分を使用して、式(A)の化合物または医薬上許容される塩の神経保護量を含有する単位用量形態を調製する。
【0030】
医薬組成物を形成するのに使用される式(A)の化合物または医薬上許容される塩の量は、意図される投与経路による送達に際して、保護が望まれるニューロン組織における式(A)の化合物またはその医薬上許容される塩の神経保護濃度を供するのに有効な量である。
【0031】
本発明による使用のための本発明の化合物は、1またはそれを超える医薬上許容される担体と組み合わせることができ、例えば、錠剤、カプセル剤、カプレット、分散性散剤、顆粒剤、ロゼンジ、粘膜パッチ、サシェ等のような形態で経口投与してもよい。そのような処方において、本発明の化合物は、例えば、スターチ、ラクトースまたはトレハロースといった医薬上許容される担体と組み合わされて、単独でまたは1またはそれを超える処方賦形剤と組み合わされ、錠剤またはロゼンジに打錠されるかあるいはカプセル剤に充嗔される。所望により、錠剤、カプレットまたはカプセル剤のような経口摂取投与用に意図された投与形態は、腸溶被覆されて、胃における加水分解/分解を最小化してもよい。もう1つの具体例において、投与形態は、経口投与用に処方され、所定の時間にわたり、本発明の化合物を放出するための当該分野で認められた処方技術を用いて、持続性放出投与形態として形成される。
【0032】
また、式(A)の化合物またはその医薬上許容される塩およびそのような投与経路に適合させた慣用的な無毒の医薬上許容される担体、アジュバントおよびビヒクルを含有する経皮パッチ、鼻腔内および坐剤投与単位処方を含む局所投与形態を本発明の神経保護方法において使用することもできる。
【0033】
本発明による注入可能な使用に適した医薬組成物は、無菌水溶液または分散液および無菌注射溶液または分散剤の即席調製のための無菌粉末または凍結乾燥物を含む。投与形態は無菌でなければならず、製造および貯蔵条件下で安定していなければならない。注射可能な処方用の担体は、典型的には水であるが、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコール)、その混合物、および植物油を含んでもよい。
【0034】
また、本発明に従い有用な非経口投与形態は、本発明の化合物が、スターチ、ガムおよびエステル化またはエステル化セルロース誘導体、ポリエーテル、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ゼラチン、またはアルギン酸塩を含む炭水化物のような1またはそれを超える天然または合成生分解性または生分散性ポリマーと組み合わされる注射可能な持続性放出処方として処方することができる。そのような投与処方は、例えば、マイクロスフィア懸濁液、ゲル、または生物学的に活性な成分の持続性放出を提供する「持続性薬剤型」薬物送達系としての機能に関して、当該分野でよく知られている付形ポリマーマトリックスインプラントの形態で調製される。そのような組成物は、当該分野で認められた処方技術を用いて調製することができ、多種多様な薬物放出プロファイルのいずれかに設計することができる。
【0035】
本発明の化合物のいずれの投与も、単一の化合物または神経保護化合物の混合物の使用を含んでもよい。
【0036】
下記の実施例1に記載されるように、本発明の方法によって達成される神経保護効果を示すアッセイを実施した。
【0037】
定義および約束
下記の定義および説明は、明細書および請求の範囲の両方を含む本願全書類を通じて使用される用語についてのものである。
【0038】
I 式についての約束および変数の定義
変数置換基の炭素原子含有量は、2つの方法のうちの1つで示される。第1の方法は、「C1−C4」のような変数の全名称に対して接頭辞を用い、ここに「1」および「4」の両方は、変数における炭素原子の最小数および最大数を表す整数である。接頭辞は、スペースによって、変数から別にされる。例えば、「C1−C4アルキル」は、1から4つの炭素原子のアルキルを表す(反対の明白な表示がない限りその異性形態を含む)。この単一の接頭辞が付与される時はいつでも、該接頭辞は、規定されている変数の全炭素原子含有量を示す。すなわち、C2−C4アルコキシカルボニルは、基CH3−(CH2)n−O−CO−[式中、nは0、1または2である]を示す。第2の方法によって、定義の各部分のみの炭素原子含有量は、別個に、括弧内に「Ci−Cj」命名を包み、それを、定義されている定義の部分のすぐ前に(間隔を挟まずに)置くことによって示される。この任意の約束によって、「C1−C3」は、アルコキシ基の炭素原子含有量のみを指すため、(C1−C3)アルコキシカルボニルは、C2−C4アルコキシカルボニルと同じ意味を持つ。同様に、C2−C6アルコキシアルキルおよび(C1−C3)アルコキシ(C1−C3)アルキルは両方とも、2ないし6つの炭素原子を含有するアルコキシアルキル基を定義するが、前者の定義はアルコキシまたはアルキル部分のいずれかのみに4ないし5つの炭素原子を含有させる一方で、後者の定義はこれらの基のいずれかを3つの炭素原子に制限するため、2つの定義は異なる。
【0039】
II.定義
全温度は、摂氏の度である。
TLCは薄層クロマトグラフィーを指す。
HPLCは、高圧液体クロマトグラフィーを指す。
生理食塩水は、飽和塩化ナトリウム水溶液を指す。
クロマトグラフィー(カラムおよびフラッシュクロマトグラフィー)は、(支持剤、溶離剤)として表される化合物の精製/分離を指す。適当な画分をプールし、濃縮して(複数の)所望の化合物を得ることは理解される。
【0040】
NMRは、核(プロトン)磁気共鳴分光法を指し、化学シフトは、テトラメチルシランから低磁場へのppm(δ)で報告される。
【0041】
CMRは、C−13磁気共鳴分光法を指し、化学シフトは、TMSから低磁場へのppm(δ)で報告される。
【0042】
用語「神経細胞」および「ニューロン」または「ニューロン細胞」は、本明細書において相互換的に使用されて、脳を含む中枢神経系内の細胞を指す。
【0043】
「ニューロン細胞」、「神経細胞」、および「ニューロン」または「ニューロン細胞」は、本明細書において相互換的に使用されて、例えば、ニューロン、神経支持細胞、神経膠、シュワン細胞、脳、脳幹、脊髄、および末端神経系を含む中枢神経内に含有される脈管構造を含む細胞、およびそのような細胞を脳、脳幹、脊髄、および末端神経系を含む中枢神経内で供給することを含む神経系を構成する細胞を指す。
【0044】
本発明を記載し定義する際に使用される「神経保護的」または「神経保護」は、そのような細胞に作用することが分かっている状態で苦しむ患者において、ニューロン細胞の死滅または機能の喪失を招くニューロン細胞への損傷を防ぐ、抑止する、改善する、または減らす効果を指す。また、該用語は、損傷を受けた細胞または細胞損傷状態に暴露されているまたは暴露された細胞を保護および/または回復させる能力または機能を指す。
【0045】
「神経保護量」は、治療を受ける患者において、上記のように、神経保護的であるのに十分な本発明の化合物の量を意味する。
【0046】
「神経変性障害」は、本明細書および請求の範囲において、ニューロンの進行性喪失が、末端神経系または中枢神経系のいずれかで起こる障害と定義される。神経変性障害の例は:アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、糖尿病の末梢神経障害、多発性硬化症、筋委縮性側索硬化症のような慢性的神経変性病;老化;および脳梗塞、外傷性脳損傷、統合失調症、末端神経損傷、低血糖症、脊髄損傷、癲癇、および酸素欠乏症および低酸素症を含む急性神経変性障害を含む。これらの例は、決して包括的または限定的に意図されるものではなく、単に用語「神経変性障害」の説明として仕える。
【0047】
「(Z)−2−ブタンジオエート」は、マレエートを指す。
【実施例】
【0048】
さらなる推敲なしに、当業者は、前述の記載を用いて、本発明を最大限に実施することが出来ると考えられる。次の詳細な実施例は、様々な化合物の調製方法および/または本発明の様々な工程の実施方法を記載し、決して前述の開示を制限するものではなく、単に例示的なものとして解釈されるべきである。当業者は、即座に、反応物質および反応状態および技術の両方に関する手順から適当な変形を認識するだろう。
【0049】
調製例1 塩化(R)−ナプロキセン
R−ナプロキセン(260g)、塩化メチレン(3.33kg)およびDMF(8.2ml)を、反応器に添加する。塩化オキサリル(191.8g)を、この混合物にゆっくりと添加する。塩化オキサリルの添加後、スラリーを5ないし10°で撹拌し、次いで、ゆっくりと20ないし25°まで加温する。得られた混合物を濃縮して、塩化メチレンを除去し、分岐オクタンを濃縮物に添加し、混合物を再度濃縮する。より分岐したオクタンを濃縮物に添加し、混合物を0°まで冷却し、撹拌して、結晶化させる。結晶スラリーを濾過し、結晶ケーキをオクタンで洗浄し、20ないし25°にて乾燥させて、標記化合物を得る。
【0050】
最初の収量からの濾液を濃縮し、分岐オクタンを添加し、混合物を冷却し、撹拌して、標記化合物の第2の収量を得る。スラリーを濾過し、結晶ケーキを分岐オクタンで洗浄し、20ないし25°にて乾燥させる。
【0051】
実施例1 1−ベンジル−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−オン(II)
DMF(10ml)中の4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−オン(I,J. Hetereocyclic Chem., 19,837-49(1982), 1.0g,5.8mmol)を、0°まで冷却し、反応温度を0°に維持しつつ、THF(1.98M,3.2ml,6.3mmol)中のカリウムt−ブトキシドで処理する。得られた混合物を、10分間、0°にて撹拌する。次いで、臭化ベンジル(0.73ml,6.1mmol)を、反応温度を0°に維持しつつ、添加する。1時間後、混合物を、水から、t−ブチルエーテルメチル(MTBE)で分配し、引き続いて、数回、水で洗浄する。MTBE相を、減圧下で濃縮する。濃縮物を0°まで冷却し、濾過し、0°MTBEで2回洗浄する。生成物を減圧下で、窒素でパージして50°で乾燥させて、標記化合物を得る。CMR (CDCl3, 100 MHz) L 153.78, 136.44, 128.69, 127.67, 127.60, 126.73, 125.86, 122.90, 122.78, 121.28, 116.92, 116.17, 108.36, 44.95および42. 37.
【0052】
実施例2 (5R*,6R*)−1−ベンジル−5−ブロモ−6−ヒドロキシ−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−オン(III)
1−ベンジル−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−オン(II,実施例1,240g)、アセトニトリル(1.086kg)、水(227ml)およびフルオロ硼酸(48.5%, 13.4g)を混合し、0ないし5°まで冷却する。ジブロマンタン(163.5g)をアセトニトリルへスラリーし、反応混合物に添加する。反応を、0ないし5°にて、約3時間実施する。反応が完了した後、t−ブチルエーテルメチルを、ポット中の反応温度を10°以下に維持しつつ、約45分間にわたり添加する。スラリーを−10ないし−15°まで冷却し、1時間撹拌し、次いで濾過する。生成物を、先に冷却しておいたt−ブチルエーテルメチルで洗浄し、45°窒素で乾燥させて、標記化合物を得る。CMR(CDCl3)δ 156.0, 137.8, 130.5, 129.6, 129.3, 129.1, 126.6, 123.6, 122.5,119. 6,110. 4,69. 9,49. 6,47. 7,46. 9 および 43.8.
【0053】
実施例3 (5S,6S)−1−ベンジル−5−ブロモ−2−オキソ−1,2,5,6−テトラヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−6−イル(2R)−2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロパノエート(IVA)および(5R,6R)−1−ベンジル−5−ブロモ−2−オキソ−1,2,5,6−テトラヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−6−イル(2R)−2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロパノエート(IVB)
(5R,6R)−1−ベンジル−5−ブロモ−6−ヒドロキシ−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−オン(III、実施例2、143g)、塩化メチレン(3、136g)、N−メチルモルホリン(100.2g)および4−ジメチルアミノピリジン(497mg)を、反応器に添加し、混合物を0ないし5°まで冷却する。塩化メチレン(694ml)中に溶解した塩化(R)−ナプロキセン(調製例1、118.5g)を、約1時間にわたり、反応器に添加し、混合物を0ないし5°にて撹拌して、反応を完了する。必要に応じて、さらなる塩化ナプロキセンを添加して、反応を完了する。水で希釈した炭酸カリウム溶液を混合物に添加する。水性相を塩化メチレンで抽出し、組み合わされたメチレン相を水で洗浄する。洗浄された混合物を真空蒸留によって濃縮し、酢酸エチレンによる溶媒交換を実施する。濃縮物を−10°まで冷却し撹拌する。結晶スラリーを濾過し、結晶ケーキを先に冷却したt−ブチルエーテルメチルで洗浄し、50°にて乾燥させて、固体形態の標記化合物、(5S,6S)−1−ベンジル−5−ブロモ−2−オキソ−1,2,5,6−テトラヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−6−イル(2R)−2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロパノエート(IVA)、を得る。CMR(CDCl3)δ 173. 2,157. 8,153. 4, 136.1, 134.6, 133.7, 129.2, 128.8, 127.8, 127.8, 127.6, 127.2, 125.9, 125.9, 125.6, 121.5, 121.4, 119.1, 113.2, 109.0, 105., 105.6, 69.2, 55.3, 45.4, 45.2, 42.5, 41.7 および18.3。
【0054】
望まない異性体、(5R,6R)−1−ベンジル−5−ブロモ−2−オキソ−1,2,5,6−テトラヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン―6−イル(2R)−2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロパノエート(IVB)は濾液中にあり、当業者によく知られた手段によって回収することができる。(5R,6R)−1−ベンジル−5−ヒドロキシ−6−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−オン、CMR 173.2, 157.9, 153.4, 136.1, 135.0, 133.8, 129.2, 128.9, 128.8, 127.8, 127.6, 127.4, 125.8, 125.8, 125.7, 121.6, 121.5, 119.3, 113.1, 109.1, 105.7, 68.7, 55.3, 45.3, 45.2, 42.2, 41.3 および 18.1δ。
【0055】
実施例4 (5R,6R)−1−ベンジル−5−ヒドロキシ−6−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−オン(V)
(5S,6S)−1−ベンジル−5−ブロモ−2−オキソ−1,2,5,6−テトラヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−6−イル(2R)−2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロパノエート(IVA,実施例3、110g)をアセトニトリル(1,297g)中でスラリー化する。水性メチルアミン(40重量%、327g)を添加した後、反応を約12時間、約30°にて実施する。反応が完了した後、混合物を濃縮し、酢酸エチルを添加する。希釈した塩酸を添加して、標記化合物の水溶性塩を作る。副生成物(R−ナプロキセンアセトアミド不純物)は水に不溶性であり、酢酸エチル相に留まる。さらなる抽出および洗浄を、所望の生成物の最小限の喪失で、(ナプロキセンアセトアミド)不純物のより良い分離のために実施する。次いで、水酸化ナトリウム溶液を水性相に添加し、標記化合物の塩酸塩を遊離塩基に変換する。遊離塩基は、水に溶解しにくく、酢酸エチルで抽出する。生成混合物を濃縮し、溶媒を酢酸エチルと交換して、水を除去する。分鎖オクタンを添加し、混合物を冷却することによって、結晶化を実施する。得られたスラリーを濾過し、洗浄し、50°にて乾燥させて、標記化合物を得る、CMR(CDCl3)δ 153.7, 136.3, 128.7, 127.8, 127.7, 125.7, 121.3, 119.9, 118.6, 107.5, 66.2, 60.1, 45.1, 42.6 および34.0.
【0056】
実施例5 (7aS,8aR)−4−ベンジル−8−メチル−7,7a,8,8a−テトラヒドロアジレノ[2,3−c]イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−5(4H)−オン(VI)
(5R,6R)−1−ベンジル−5−ヒドロキシ−6−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−オン(V、実施例4、70g)およびTHF(1,389g)を濃縮して、水に対するn−ブチルリチウムの反応性のため、用心として、留出物でいずれの湿気も除去する。混合物を約−10°まで冷却し、n−ブチルリチウムを添加して、発熱反応におけるn−ブタン副生成物の形成をもって、出発物質のリチウム塩を作る。塩化ベンゼンスルホニルをゆっくりと添加して、発熱反応において、ベンゼンスルホネートを作る。反応混合物を20ないし25°まで加温して、反応を完了する。水性炭酸カリウム溶液を添加して、ベンゼンスルホン酸を除去し、混合物が結晶化するまで撹拌する。水を添加して、結晶化を完了し、スラリーを撹拌し、冷却し濾過する。結晶ケーキを水で洗浄し、引き続いて分岐オクタンで洗浄し、40ないし50°にて乾燥させて、標記化合物を得る。CMR (CDCl3)δ 154. 1,136. 3,128. 6,127. 9,127. 6,124. 3,120. 7,119. 7,107. 4,46. 7,44. 9, 40.7, 38. 1 および 37.6。
【0057】
実施例6 (5R)−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−オン(VII)
(7aS,8aR)−4−ベンジル−8−メチル−7,7a,8,8a−テトラヒドロアジレノ[2,3−c]イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−5(4H)−オン(VI、実施例5、40g)、t−アミルアルコール(42.4g)および無水アンモニア(1,200g)を、−33°にて、リチウムで処理する。リチウム添加が完了した後、反応混合物は、黄色スラリーから暗青色混合物へと変化する。この暗青色混合物を、30ないし60分間撹拌し、次いで、水の添加によってクエンチする。冷却を冷却器から除去し、アンモニアを蒸発させる。残留物をメタノール中に溶解する。次いで、この混合物を濃縮乾固して、標記化合物を得、これを単離せずに直接、次の段階へと続ける。
【0058】
実施例7 (5R)−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−オン(Z)−2−ブタンジオエート(1:1)(VII)
(5R)−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−オン(VII、実施例6、28.0g)を水に溶解させ、pHを、塩酸の添加によって、10に調整する。混合物を、まず水で溶離され次いでエタノールで溶離されるXAD−16樹脂カラムに、何回かに分けて適用する。無機塩を、エタノールで溶離された所望の生成物でまずカラムから溶離する。カラムからのエタノール溶出液をマレイン酸で処理し、水レベルを、エタノールの共沸蒸留を介して低下させる。沈殿した生成物を濾過によって単離し、酢酸エチルで濯ぎ、乾燥させて、標記化合物を得る。CMR (DMSO-d6)δ 167. 6,153. 9,136. 4, 127.1, 121.5, 119.6, 114.1, 107.5, 51.9, 31.3 および 26.5。
【0059】
実施例8 (5R)−5−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−チオン
ピリジン(300mL)中の(5R)−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−オン(VII、実施例6、15.0g、73.8mmol)および十硫化四リン(36.1g、81.2mmol)を、窒素下で、125°の油浴中で加熱する。反応を、5時間、撹拌する。混合物を20ないし25°まで冷却し、ピリジンを減圧下で除去する。水酸化ナトリウム(2.2N、200mL)を添加する。次いで、水酸化ナトリウム(1N)を添加する。混合物を塩化ナトリウムで飽和させ、塩化メチレン(2.5L、何回かに分けて)で抽出する。有機相を、シリカゲル(40g)に吸収させ、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル;225g;メタノール/塩化メチレン、3.5−5.0/96.5−95)を介して精製して、固体を得る。この物質のメタノール/酢酸エチル/ヘキサンからの再結晶化によって、標記化合物を得る。mp =210-213° ; IR (ドリフト) 2940,2907, 2884, 1483,1458, 1391,1366, 1354,1254, 1239,1229, 895,762, 734,630cm-1 ; NMR (300 MHz,CDCl3) 7.12, 7.03, 7.00, 4.30, 3.96, 3.30-3. 50,3. 15,2. 88 および2.57δ ; MS(EI,m/z) 219 (M+), 190,189, 187,186, 164,163, 155,145 ; HRMS (FAB) 計算値 C11H13N3S (MH+) = 220.0908, 実測値 220.0904。
【0060】
実施例9 (5R)−5−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−チオンのリンゴ酸塩
最小量のメタノール(〜1mL)中のマレイン酸(0.317g、2.36mmol)の混合物を、塩化メチレン中の(5R)−5−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−チオン(実施例8、0.493g、2.25mmol)の混合物に添加する。得られた固体を濾過によって収集して、標記化合物を得る。mp =195-196° ;[α]25D =-60° (c 0.93, メタノール); IR (ドリフト) 3140,3112, 3060,2969, 1627,1619, 1568,1481, 1455,1398, 1389,1361, 1220,868および747 cm-1; NMR (300 MHz, CD30D) 7.20-7. 30, 7.10-7. 20,6. 26,4. 49,4. 31,4. 05-4.20, 3.47, 3.28および2.83δ ; CMR (100 MHz, DMSO-d6 + CD3OD) 170.4, 169.4, 136.6, 131.1, 130.9, 125.1, 122.1, 116.2, 109.6, 53.9, 43.1, 31.9 および 27.2δ ; MS (ESI,m/z) 220.1 (MH+).。
【0061】
実施例10 神経保護特性のテスト
本発明の化合物の神経保護特性を示すために、インビボ実験を、当該分野で知られる神経毒性の動物モデルにおいて実施した。
【0062】
実験手順:
3−アセチルピリジン(3−AP)、ニコチンアミド拮抗薬および強力なラット神経毒を、ラットの群に投与した。
スマニロール(1−20mg/kg、PO)を、3−AP処置前または後に与え、動物を96時間後に屠殺した。ニューロン細胞カウントを、下方オリーブにおいて行い、cGMP、ATPおよびロータロッド性能を、代理有毒マーカーとして使用した。
【0063】
結果:
3−AP処置によって、小脳cGMPおよびATPにおいて有意な減少、ロータロッド性能において減少および下方オリーブニューロンにおいて有意な減少が生じた。3−APの前または後のいずれかで与えられたスマニロールは、用量関連様式で、cGMP、ATPおよびロータロッド性能において、3−AP誘導減少を、有意に弱めた。また、スマニロールは、3−APによって生産された下方オリーブニューロン細胞喪失を、有意に減少させた。ラクロプライドによる前処理は、スマニロールの神経保護効果を遮断しなかった。
【0064】
要約
スマニロールはインビボ神経保護特性を有し、そのような特性は化合物のD2作用薬特性に関連しているようには見えないことを、データは示す。
【0065】
【化4】
【0066】
【化5】
【0067】
【化6】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニューロン細胞の喪失またはニューロン細胞機能の喪失を招くまたはそれから生じることが知られている病状から苦しむヒトまたはそれに対して感受性のヒトを、該病状から引き起こされるニューロン細胞の喪失またはニューロン細胞機能の喪失を減少させることによって治療する方法であって、式(A):
【化1】
[式(A)において、
R1、R2およびR3は同一または異なって:
−H、
C1−C6アルキル、
C3−C5アルケニル、
C3−C5アルキニル、
C3−C5シクロアルキル、
C4−C10シクロアルキル、
フェニル置換C1−C6アルキル,
−NR1R2(式中、R1およびR2は、結合している窒素原子とで環化されて、ピロリジル、ピペリジニル、モルホニニル、4−メチル ピペラジニルまたはイミダゾリルである)であり;
Xは:
−H、
C1−C6アルキル、
−F、−Cl、−Br、−I、
−OH、
C1−C6アルコキシ、
シアノ、
カルボキシアミド、
カルボキシル、
(C1−C6アルコキシ)カルボニルであり、
Aは:
CH、
CH2、
CH−(ハロゲン)(式中、ハロゲンは、−F、−Cl、−Br、−Iである)、
CHCH3,
C=O、
C=S、
C−SCH3、
C=NH、
C=NH2、
C−NHCH3,
C−NHCOOCH3,
C−NHCN、
SO2、
Nであり;
Bは:
CH2、
CH、
CH−(ハロゲン)(式中、ハロゲンは上記のとおりである)
C=O、
N、
NH、
N−CH3であり、
Dは:
CH、
CH2、
CH−(ハロゲン)(式中、ハロゲンは上記のとおりである)、
C=O、
O、
N、
NH、
N−CH3であり;
ならびにnは0または1であり、ここに―は単結合または二重結合であり、但し、
(1)nが0であって、
AがCH2、CH−(ハロゲン)(式中、ハロゲンは上記のとおりである)、CHCH3、C=O、C=S、C=NH、SO2である時;
DはCH2、CH−(ハロゲン)(式中、ハロゲンは上記のとおりである)、C=O、O、NH、N−CH3である;
(2)nが0であって、
AがCH、C−SCH3、C−NH2、C−NHCH3、C−NHCOOCH3、C−NHCN、Nである時、DはCH、Nである:
(3)nが1であって、
AがCH2、CH−(ハロゲン)(式中、ハロゲンは上記のとおりである)、CHCH3、C=O、C=S、C=NH、SO2であり;ならびに
BがCH2、CH−(ハロゲン)(式中、ハロゲンは上記のとおりである)、C=O、NH、N−CH3である時;
DはCH2、C=O、O、NH、N−CH3である;
(4)nが1であって、
AがCH、C−SCH3,C−NH2、C−NHCH3、C−NHCOOCH3、C−NHCH、Nであって;ならびに
BがCH、Nである時;
DはCH2、C=O、O、NH、N−CH3である;
(5)nが1であって、
AがCH2、CHCH3、C=O、C=S、C=NH、SO2であり、
BがCH、Nである時;
DはCH、Nである]
の化合物またはその医薬上許容される塩の神経保護量を該ヒトに投与する工程を含む該方法。
【請求項2】
ニューロン損傷から苦しむまたはそれに対して感受性の患者におけるニューロン損傷またはニューロン損傷の進行を予防する方法であって、該患者に、式(A):
【化2】
[式(A)において、
R1、R2およびR3は同一または異なって:
−H、
C1−C6アルキル、
C3−C5アルケニル、
C3−C5アルキニル、
C3−C5シクロアルキル、
C4−C10シクロアルキル、
フェニル置換C1−C6アルキル,
−NR1R2(式中、R1およびR2は、結合している窒素原子とで環化されて、ピロリジル、ピペリジニル、モルホニニル、4−メチル ピペラジニルまたはイミダゾリルである)であり;
Xは:
−H、
C1−C6アルキル、
−F、−Cl、−Br、−I、
−OH、
C1−C6アルコキシ、
シアノ、
カルボキシアミド、
カルボキシル、
(C1−C6アルコキシ)カルボニルであり、
Aは:
CH、
CH2、
CH−(ハロゲン)(式中、ハロゲンは、−F、−Cl、−Br、−Iである)、
CHCH3,
C=O、
C=S、
C−SCH3、
C=NH、
C−NH2、
C−NHCH3,
C−NHCOOCH3,
C−NHCN、
SO2、
Nであり;
Bは:
CH2、
CH、
CH−(ハロゲン)(式中、ハロゲンは上記のとおりである)
C=O、
N、
NH、
N−CH3であり、
Dは:
CH、
CH2、
CH−(ハロゲン)(式中、ハロゲンは上記のとおりである)、
C=O、
O、
N、
NH、
N−CH3であり;
ならびにnは0または1であり、ここに―は単結合または二重結合であり、但し、
(1)nが0であって、
AがCH2、CH−(ハロゲン)(式中、ハロゲンは上記のとおりである)、CHCH3、C=O、C=S、C=NH、SO2である時;
DはCH2、CH−(ハロゲン)(式中、ハロゲンは上記のとおりである)、C=O、O、NH、N−CH3である;
(2)nが0であって、
AがCH、C−SCH3、C−NH2、C−NHCH3、C−NHCOOCH3、C−NHCN、Nである時、DはCH、Nである:
(3)nが1であって、
AがCH2、CH−(ハロゲン)(式中、ハロゲンは上記のとおりである)、CHCH3、C=O、C=S、C=NH、SO2であり;ならびに
BがCH2、CH−(ハロゲン)(式中、ハロゲンは上記のとおりである)、C=O、NH、N−CH3である時;
DはCH2、C=O、O、NH、N−CH3である;
(4)nが1であって、
AがCH、C−SCH3,C−NH2、C−NHCH3、C−NHCOOCH3、C−NHCH、Nであって;ならびに
BがCH、Nである時;
DはCH2、C=O、O、NH、N−CH3である;
(5)nが1であって、
AがCH2、CHCH3、C=O、C=S、C=NH、SO2であり、
BがCH、Nである時;
DはCH、Nである]
の化合物またはその医薬上許容される塩の神経保護量を該ヒトに投与することを特徴とする該方法。
【請求項3】
該病状が、パーキンソン病、原発性神経変性病;ハンチントン舞踏病;脳梗塞および他の低酸素または虚血プロセス;神経外傷;代謝的に誘発された神経損傷;脳性発作からの後遺症;脳出血;(代謝のまたは中毒の)続発性神経変性病;アルツハイマー病、他の記憶障害;または血管性痴呆、多発脳梗塞性痴呆、レヴィー小体痴呆、または神経性痴呆から選択される請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
該病状がパーキンソン病である請求項3記載の方法。
【請求項5】
式(A)の化合物が、経口、鼻腔内、頬側、肺内、非経口および直腸投与される請求項1または2記載の方法。
【請求項6】
式(A)の化合物が経口投与される請求項5記載の方法。
【請求項7】
該神経保護量が、約0.2ないし約8mg/人/用量である請求項1または2記載の方法。
【請求項8】
該神経保護量が、約0.5ないし約5mg/人/用量である請求項7記載の方法。
【請求項9】
該神経保護量が、約1ないし約3mg/人/用量である請求項8記載の方法。
【請求項10】
医薬上許容される塩が、次の酸:メタンスルホン酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、CH3−(CH2)n-COOH[式中、nは0から4である]、HOOC−(CH2)N−COOH[式中、nは上記定義とおりである]の塩よりなる群から選択される請求項1または2記載の方法。
【請求項11】
式(A)の化合物が、(5R)−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−オンまたはその医薬上許容される塩である請求項1または2記載の方法。
【請求項12】
(5R)−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−オンの医薬上許容される塩が、(5R)−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−オン(Z)−2−ブタンジオエート(1:1)である請求項11記載の方法。
【請求項13】
式(A)の化合物が(5R)−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−チオンまたはその医薬上許容される塩である請求項1または2記載の方法。
【請求項14】
(5R)−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−チオンの医薬上許容される塩が、(5R)−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−チオン(Z)−2−ブタンジオエート(1:1)である請求項13記載の方法。
【請求項1】
ニューロン細胞の喪失またはニューロン細胞機能の喪失を招くまたはそれから生じることが知られている病状から苦しむヒトまたはそれに対して感受性のヒトを、該病状から引き起こされるニューロン細胞の喪失またはニューロン細胞機能の喪失を減少させることによって治療する方法であって、式(A):
【化1】
[式(A)において、
R1、R2およびR3は同一または異なって:
−H、
C1−C6アルキル、
C3−C5アルケニル、
C3−C5アルキニル、
C3−C5シクロアルキル、
C4−C10シクロアルキル、
フェニル置換C1−C6アルキル,
−NR1R2(式中、R1およびR2は、結合している窒素原子とで環化されて、ピロリジル、ピペリジニル、モルホニニル、4−メチル ピペラジニルまたはイミダゾリルである)であり;
Xは:
−H、
C1−C6アルキル、
−F、−Cl、−Br、−I、
−OH、
C1−C6アルコキシ、
シアノ、
カルボキシアミド、
カルボキシル、
(C1−C6アルコキシ)カルボニルであり、
Aは:
CH、
CH2、
CH−(ハロゲン)(式中、ハロゲンは、−F、−Cl、−Br、−Iである)、
CHCH3,
C=O、
C=S、
C−SCH3、
C=NH、
C=NH2、
C−NHCH3,
C−NHCOOCH3,
C−NHCN、
SO2、
Nであり;
Bは:
CH2、
CH、
CH−(ハロゲン)(式中、ハロゲンは上記のとおりである)
C=O、
N、
NH、
N−CH3であり、
Dは:
CH、
CH2、
CH−(ハロゲン)(式中、ハロゲンは上記のとおりである)、
C=O、
O、
N、
NH、
N−CH3であり;
ならびにnは0または1であり、ここに―は単結合または二重結合であり、但し、
(1)nが0であって、
AがCH2、CH−(ハロゲン)(式中、ハロゲンは上記のとおりである)、CHCH3、C=O、C=S、C=NH、SO2である時;
DはCH2、CH−(ハロゲン)(式中、ハロゲンは上記のとおりである)、C=O、O、NH、N−CH3である;
(2)nが0であって、
AがCH、C−SCH3、C−NH2、C−NHCH3、C−NHCOOCH3、C−NHCN、Nである時、DはCH、Nである:
(3)nが1であって、
AがCH2、CH−(ハロゲン)(式中、ハロゲンは上記のとおりである)、CHCH3、C=O、C=S、C=NH、SO2であり;ならびに
BがCH2、CH−(ハロゲン)(式中、ハロゲンは上記のとおりである)、C=O、NH、N−CH3である時;
DはCH2、C=O、O、NH、N−CH3である;
(4)nが1であって、
AがCH、C−SCH3,C−NH2、C−NHCH3、C−NHCOOCH3、C−NHCH、Nであって;ならびに
BがCH、Nである時;
DはCH2、C=O、O、NH、N−CH3である;
(5)nが1であって、
AがCH2、CHCH3、C=O、C=S、C=NH、SO2であり、
BがCH、Nである時;
DはCH、Nである]
の化合物またはその医薬上許容される塩の神経保護量を該ヒトに投与する工程を含む該方法。
【請求項2】
ニューロン損傷から苦しむまたはそれに対して感受性の患者におけるニューロン損傷またはニューロン損傷の進行を予防する方法であって、該患者に、式(A):
【化2】
[式(A)において、
R1、R2およびR3は同一または異なって:
−H、
C1−C6アルキル、
C3−C5アルケニル、
C3−C5アルキニル、
C3−C5シクロアルキル、
C4−C10シクロアルキル、
フェニル置換C1−C6アルキル,
−NR1R2(式中、R1およびR2は、結合している窒素原子とで環化されて、ピロリジル、ピペリジニル、モルホニニル、4−メチル ピペラジニルまたはイミダゾリルである)であり;
Xは:
−H、
C1−C6アルキル、
−F、−Cl、−Br、−I、
−OH、
C1−C6アルコキシ、
シアノ、
カルボキシアミド、
カルボキシル、
(C1−C6アルコキシ)カルボニルであり、
Aは:
CH、
CH2、
CH−(ハロゲン)(式中、ハロゲンは、−F、−Cl、−Br、−Iである)、
CHCH3,
C=O、
C=S、
C−SCH3、
C=NH、
C−NH2、
C−NHCH3,
C−NHCOOCH3,
C−NHCN、
SO2、
Nであり;
Bは:
CH2、
CH、
CH−(ハロゲン)(式中、ハロゲンは上記のとおりである)
C=O、
N、
NH、
N−CH3であり、
Dは:
CH、
CH2、
CH−(ハロゲン)(式中、ハロゲンは上記のとおりである)、
C=O、
O、
N、
NH、
N−CH3であり;
ならびにnは0または1であり、ここに―は単結合または二重結合であり、但し、
(1)nが0であって、
AがCH2、CH−(ハロゲン)(式中、ハロゲンは上記のとおりである)、CHCH3、C=O、C=S、C=NH、SO2である時;
DはCH2、CH−(ハロゲン)(式中、ハロゲンは上記のとおりである)、C=O、O、NH、N−CH3である;
(2)nが0であって、
AがCH、C−SCH3、C−NH2、C−NHCH3、C−NHCOOCH3、C−NHCN、Nである時、DはCH、Nである:
(3)nが1であって、
AがCH2、CH−(ハロゲン)(式中、ハロゲンは上記のとおりである)、CHCH3、C=O、C=S、C=NH、SO2であり;ならびに
BがCH2、CH−(ハロゲン)(式中、ハロゲンは上記のとおりである)、C=O、NH、N−CH3である時;
DはCH2、C=O、O、NH、N−CH3である;
(4)nが1であって、
AがCH、C−SCH3,C−NH2、C−NHCH3、C−NHCOOCH3、C−NHCH、Nであって;ならびに
BがCH、Nである時;
DはCH2、C=O、O、NH、N−CH3である;
(5)nが1であって、
AがCH2、CHCH3、C=O、C=S、C=NH、SO2であり、
BがCH、Nである時;
DはCH、Nである]
の化合物またはその医薬上許容される塩の神経保護量を該ヒトに投与することを特徴とする該方法。
【請求項3】
該病状が、パーキンソン病、原発性神経変性病;ハンチントン舞踏病;脳梗塞および他の低酸素または虚血プロセス;神経外傷;代謝的に誘発された神経損傷;脳性発作からの後遺症;脳出血;(代謝のまたは中毒の)続発性神経変性病;アルツハイマー病、他の記憶障害;または血管性痴呆、多発脳梗塞性痴呆、レヴィー小体痴呆、または神経性痴呆から選択される請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
該病状がパーキンソン病である請求項3記載の方法。
【請求項5】
式(A)の化合物が、経口、鼻腔内、頬側、肺内、非経口および直腸投与される請求項1または2記載の方法。
【請求項6】
式(A)の化合物が経口投与される請求項5記載の方法。
【請求項7】
該神経保護量が、約0.2ないし約8mg/人/用量である請求項1または2記載の方法。
【請求項8】
該神経保護量が、約0.5ないし約5mg/人/用量である請求項7記載の方法。
【請求項9】
該神経保護量が、約1ないし約3mg/人/用量である請求項8記載の方法。
【請求項10】
医薬上許容される塩が、次の酸:メタンスルホン酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、CH3−(CH2)n-COOH[式中、nは0から4である]、HOOC−(CH2)N−COOH[式中、nは上記定義とおりである]の塩よりなる群から選択される請求項1または2記載の方法。
【請求項11】
式(A)の化合物が、(5R)−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−オンまたはその医薬上許容される塩である請求項1または2記載の方法。
【請求項12】
(5R)−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−オンの医薬上許容される塩が、(5R)−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−オン(Z)−2−ブタンジオエート(1:1)である請求項11記載の方法。
【請求項13】
式(A)の化合物が(5R)−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−チオンまたはその医薬上許容される塩である請求項1または2記載の方法。
【請求項14】
(5R)−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−チオンの医薬上許容される塩が、(5R)−(メチルアミノ)−5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン−2(1H)−チオン(Z)−2−ブタンジオエート(1:1)である請求項13記載の方法。
【公表番号】特表2006−505580(P2006−505580A)
【公表日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−546262(P2004−546262)
【出願日】平成15年10月13日(2003.10.13)
【国際出願番号】PCT/IB2003/004548
【国際公開番号】WO2004/037971
【国際公開日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【出願人】(504396379)ファルマシア・アンド・アップジョン・カンパニー・エルエルシー (130)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年10月13日(2003.10.13)
【国際出願番号】PCT/IB2003/004548
【国際公開番号】WO2004/037971
【国際公開日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【出願人】(504396379)ファルマシア・アンド・アップジョン・カンパニー・エルエルシー (130)
【Fターム(参考)】
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