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複素環化合物の合成法
説明

複素環化合物の合成法

本発明は、スキーム1に示す式Iの複素環化合物を合成する方法に関する。上記の方法によれば、式IIのイソチオシアン酸エステルと式IIIの第一級アミンを反応させて式IVのチオ尿素を得る。次いで、式IVのチオ尿素を塩基及びスルホン酸を用いて式Iの複素環に変換する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキーム1に示す式Iの複素環化合物を合成する工程を提供する。
【化1】

【0002】
本工程においては、はじめに式IIのイソチオシアン酸エステルを式IIIの第一級アミンと反応させて式IVのチオ尿素を得る。次いで、式IVのチオ尿素を塩基及び塩化スルホニルを用いて式Iの複素環に変換する。
【背景技術】
【0003】
基本的な複素環構造の構築は、有機化学における最も重要な合成方法の一つである。生成した複素環化合物は、とりわけ医薬品の活性成分及び作物保護の活性成分を合成する中間体として、又は直接にそのような活性成分として大きな意義を有する。加えて、迅速な合成は、スクリーニング用の物質の製造において非常に重要であり、時として極めて多様な構造条件を有する類似物の迅速な合成は、合成計画において強く求められている。従って、類似の又は理想的には同一の反応条件下で多数の多様な複素環化合物に導くための中心的な構築単位は、特に自動装置による合成において、とりわけ価値があり大きな意義を有する。
【0004】
チオ尿素から出発する複素環の合成は従来から知られている。しかし、それらの方法は基質の選択に制限があり、又は反応制御、反応後の処理、副生成物除去又は試薬のコストに欠点がある。例えば、1−(2−ヒドロキシエチル)−3−アリールチオ尿素は酸化水銀(II)又は酸化鉛等の重金属誘導体で環化してオキサゾリジン−2−イリデンアリールアミンにすることができる(Jen, et al., J.Med.Chem., 1975(18), 90)。酸触媒を用いた同じ反応では、対応するアリールチアゾリジン−2−イリデンアミンを生成する(Jen,et al., J.Med.Chem., 1975(18), 90)。しかし、重金属の使用は、生成物中への残留がたとえ微少であっても好ましくないため不利である。酸触媒によるチアゾリジンへの変換は、やはり、高温でしかも酸濃度が高い中でしか十分に進行しない。このような過激な条件には、エステル、ニトリル又はケタール等のようなある種の官能基は耐えることができない。
【0005】
1−(2−アミノエチル)−3−アリールチオ尿素から出発してイミダゾリジン−2−イリデンアリール誘導体に至る合成は、ヨウ化メチル(Synthesis 1974, 41-42)又はカルボジイミド誘導体(Synthesis 1977, 864)の存在下で成功している。ヨウ化メチルを使う場合の不利な点は、分子内の他の求核中心にも反応する競合反応であること、及び間違って放出してしまった場合の危険性である。カルボジイミド誘導体の場合は、生成する尿素の除去がしばしば厄介であり、時間がかかる。最近になって比較的多量に使われるカルボジイミド誘導体、例えばEDC(N'−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド・塩酸塩)又は固相結合DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)は、やはり、非常に高価であるという難点がある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の合成方法は、イソチオシアン酸エステル及びアミノアルコール、アミノメルカプタン並びにジアミンから出発し、中間体として形成されるチオ尿素を経由し、塩化スルホニル及び塩基の存在下で中間の誘導体を環化させることにより、環の大きさが可変である目的の複素環へと導く方法である。これらの試薬は安価で、扱いが容易で過激な反応条件を必要とせず、その後の生成物は簡単な洗浄で容易に除去することができるため、この
合成方法は、例えばグラム又はキログラム規模での反応に適している。しかし、この方法は、特に反応制御が単純であるため、通常ミリグラム規模で行われる並行のロボット合成にも採用される。一般に比較的小規模の反応に採用されるこれらの合成方法に対してとりわけ興味があるのは、ポリマーに結合した塩化スルホニルを使用する点であり、装置の観点からは単純なろ過と蒸発の工程によって反応生成物の単離が可能になる。
【0007】
文献には、同様な工程の方法は、フェニル又はイソチオシアン酸メチルと2−ヒドロキシエチルアミンを反応させてオキサゾリジン−又はチアゾリジン−2−イリデンアミンを生成する反応で非常に具体的に示されている(Tetrahedron Letters 40(1999), 8201;Tetrahedron 57(2001), 7137;Bull. Korean Chem.Soc. 2002(23),19)。
【0008】
これらの条件下においては、意外にも、オキサゾリジン又はチアゾリジン等の5員環を形成できるだけでなく、環の大きさや置換の程度により大きな柔軟性があり、且つ、その合成法は2−ヒドロキシエチルアミンの使用に限定されないということを今や示すことができる。チオ尿素の1つの窒素原子上に少なくとも1つのアリール置換基を有するチオ尿素中間体に限定することによって、環を閉じる工程が非常に選択的になり、チオ尿素の硫黄を失って、一般的にはただ1つの環化した生成物を与える。
【0009】
本発明は、従って式I:
【化2】

式中、
Xは、硫黄、酸素又はNR5であり、ここで、R5は水素又は(C1〜C4)アルキルであり;
m及びoは、それぞれ独立に0、1又は2であり;
Aは、フェニル、ナフチル又はヘテロアリールであり、それらは全て1、2、3、4又は5個のR11基で置換されていてもよく、ここで、R11はそれぞれの場合独立に(C1〜C4)アルキル、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、CN、NO2、OH、O(C1〜C4)アルキル及びCOO(C1〜C4)アルキルから成るグループから選択され、アルキル基の水素原子の一部又は全部はフッ素原子で置換されていてもよく;
又は、
Aは、(C1〜C4)アルキル、(C2〜C5)アルケニル、(C2〜C5)アルキニル、(C3〜C8)シクロアルキル、(C4〜C8)シクロアルケニルであり、ここで、これらの基はそれぞれ独立に(C1〜C4)アルキル又は(C3〜C6)シクロアルキルで置換されていてもよく、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル及びシクロアルケニル基の水素原子の一部又は全部はフッ素原子で置換されていてもよく;
【0010】
R14、R15、R16及びR17は、それぞれ独立に水素、フッ素又は(C1〜C4)アルキルであり、ここで、アルキル基の水素原子の一部又は全部はフッ素原子で置換されていてもよく;
【0011】
又は、
R14及びR16は互いに1つの結合を成し;そして
R15及びR17は、それらが結合している2つの炭素原子と共に芳香族炭素6員環を成し、その環の1個又は2個の炭素原子は窒素で置換されていてもよく、又はチオフェン環を成し、芳香族炭素6員環及びチオフェン環は1、2、3又は4個のR7基で置換されていてもよく、ここで、R7はそれぞれの場合独立に(C1〜C4)アルキル、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、CN、NO2、OH、O(C1〜C4)アルキル及びCOO(C1〜C4)アルキルから成るグループから選択され、アルキル基の水素原子の一部又は全部はフッ素原子で置換されていてもよく;
【0012】
又は、
R14及びR16はそれぞれ独立に水素又は(C1〜C4)アルキルであり、ここで、アルキル基の水素原子の一部又は全部はフッ素原子で置換されていてもよく;そして
R15及びR17は、それらが結合している2つの炭素原子と共に5、6、7又は8員環の飽和炭素環を成し、その環の1個又は2個の炭素原子は、それぞれ独立に酸素、硫黄、NH及びN(C1〜C4)アルキルで置換されていてもよく、且つ、その環は1、2、3、4、5又は6個のR8基で置換されていてもよく、ここで、R8はそれぞれの場合独立に(C1〜C4)アルキル、O(C1〜C4)アルキル及びCOO(C1〜C4)アルキルのグループから選択され、そのアルキル基の水素原子の一部又は全部はフッ素原子で置換されていてもよく;
R10、R11、R12及びR13は、それぞれ独立に水素、フッ素又は(C1〜C4)アルキルであり、ここで、アルキル基の水素原子の一部又は全部はフッ素原子で置換されていてもよく;
【0013】
ここで、A、又はmが0の場合のR15及びR17により形成された環のいずれか、又はその両者は芳香環系であり;そして
Aが置換基を有しないフェニル又は(C1〜C4)アルキルであり、Xが酸素であり、R14及びR15がそれぞれ独立に水素、(C1〜C4)アルキル又はベンジルであり、R16及びR17がそれぞれ水素であり、m及びoがそれぞれ0である化合物、及びそれらの互変異性体並びにその塩は除外される;
の複素環を製造する工程であって、その工程がスキーム1に示すような以下の段階:
【化3】

【0014】
a)式IIのイソチオシアン酸エステルを式IIIの第一級アミンを反応させて式IVのチオ尿素を生成する段階;及び
b)式IVのチオ尿素を、塩化スルホニルのR6SO2Clを用いて塩基の存在下で式Iの化合物に変換する段階;
ここで、式II、III及びIVの化合物中のA、X、n、m及びR10からR17は、それぞれ式Iで定義した通りであり、並びに、
R6は(C1〜C4)アルキル、トリフルオロメチル又は無置換の若しくはメチル、トリフルオロメチル、フッ素、塩素、臭素若しくはポリマー性の支持体で置換されたフェニルである;
を含む工程に関する。
【0015】
本発明の更なる実施態様は、式Ia:
【化4】

式中、
Xは、硫黄、酸素又はNR5であり、ここで、R5は水素又は(C1〜C4)アルキルであり;
nは、0、1、2又は3であり;
Arは、フェニル、ナフチル又はヘテロアリールであり、それらは1、2、3、4又は5個のR11基で置換されていてもよく、ここで、R11はそれぞれの場合独立に(C1〜C4)アルキル、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、CN、NO2、OH、O(C1〜C4)アルキル及びCOO(C1〜C4)アルキルから選択され、そのアルキル基の水素原子の一部又は全部はフッ素原子で置換されていてもよく;
R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に水素、フッ素又は(C1〜C4)アルキルであり、このアルキル基の水素原子の一部又は全部はフッ素原子で置換されていてもよく;
【0016】
又は、
R1及びR3は互いに1つの結合を成し;そして
R2及びR4は、それらが結合している2つの炭素原子と共に芳香族炭素6員環を成し、その環の1個又は2個の炭素原子は窒素で置換されてもよく、且つ、その芳香族炭素6員環は1、2、3又は4個のR7基で置換されていてもよく、ここで、R7はそれぞれの場合独立に(C1〜C4)アルキル、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、CN、NO2、OH、O(C1〜C4)アルキル及びCOO(C1〜C4)アルキルのグループから選択され、そのアルキル基の水素原子の一部又は全部はフッ素原子で置換されていてもよく、ここでnは0であり;
【0017】
又は、
R1及びR3はそれぞれ独立に水素又は(C1〜C4)アルキルであり;そして
R2及びR4は、それらが結合している2つの炭素原子と共に飽和炭素5、6、7又は8員環を成し、その環の1個又は2個の炭素原子は酸素、硫黄、NH及びN(C1〜C4)アルキルで置換されていてよく、且つ、その環は1、2、3、4、5又は6個のR8基で置換されていてもよく、ここで、R8は、それぞれの場合独立に(C1〜C4)アルキル、O(C1〜C4)アルキル及びCOO(C1〜C4)アルキルのグループから選択され、そのアルキル基の水素原子の一部又は全部はフッ素原子で置換されていてもよく;
ここでnは0であり;
Arが無置換のフェニルであり、Xが酸素又は硫黄であり、R1及びR2がそれぞれ独立に水素、(C1〜C4)アルキル又はベンジルであり、R3及びR4がそれぞれ水素であり、nが0である化合物、及びそれらの互変異性体並びにその塩は除外される;
【0018】
の複素環を製造する工程であって、スキーム2に示すような以下の段階:
【化5】

【0019】
a)式IIaのイソチオシアン酸芳香族エステルを式IIIaの第一級アミンと反応して式IVaのチオ尿素を生成する段階;及び
b)式IVaのチオ尿素を、塩化スルホニルのR6SO2Clを用いて塩基の存在下で式Iaの化合物に変換する段階;
ここで、式IIa、IIIa及びIVaの化合物中のAr、X、n及びR1からR4は、それぞれ式Iaで定義した通りであり、並びに、
R6は無置換の又はメチル、トリフルオロメチル、フッ素、塩素若しくは臭素で置換されたフェニルである;
を含む工程に関する。
【0020】
式Iaの化合物は式Iの化合物に包含され;同様に式IIa、IIIa及びIVの化合物はそれぞれ式II、III及びIVの化合物に包含される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
工程段階a)は連続式又は回分式に行うことができる。式IIのイソチオシアン酸エステルと式IIIの一級アミンとの反応は、溶剤又は希釈剤の存在下で、又は溶剤の添加無しで行うことができる。溶剤の存在下で行うことが好ましい。各種の溶剤、例えば脂肪族又は芳香族の炭化水素、塩化メチレン等の塩素化炭化水素、酢酸エチル等のエステル、アルコール又はエーテルを使うことができる。特に全反応がワンポット反応として行われる場合、溶剤としてエーテル、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、又はエチレングリコールジメチルエーテル等のエチレングリコールエーテルの使用が好ましい。また、2種又はそれ以上の溶剤を混合して使うこともできる。工程段階a)の反応の温度は、好まし
くは0℃から使用する溶剤の沸点まで、より好ましくは20℃から60℃であり、例えば室温程度の温度である。式IIのイソチオシアン酸エステルと式IIIの第一級アミンは、例えばモル比で1対1.1から1対0.9、好ましくはほぼ等モル量で使用される。しかし、例えばXがNR5の場合、副反応を抑えるために過剰の式IIIのアミンを使うこともできる。
【0022】
工程段階b)は連続式又は回分式に行うことができる。一般に、式IVのチオ尿素から式Iの化合物への変換は、溶剤又は希釈剤の存在下で行われる。各種の溶剤、例えばエステル又はエーテルを使うことができるが、好ましくはエーテル、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、又はエチレングリコールジメチルエーテル等のエチレングリコールエーテルを使用することができる。使用する溶剤は、例えば水でもよい。また、2種又はそれ以上の溶剤の混合物、例えば水と前記のエーテルの1種との混合物のような、水と1種又はそれ以上の有機溶剤との混合物を使うこともできる。反応は単相反応又は二相反応として進行する。工程段階b)の反応の温度は、好ましくは0℃から35℃、より好ましくは室温程度の温度である。式IVのチオ尿素と塩化スルホニルのR6SO2Clは、例えばモル比で1対1.4から1対0.9の間、好ましくは例えばほぼ1対1.1のように1対1から1対1.2の間で使われる。ポリマー結合の塩化スルホニルを使う場合は、その比は1対1から1対4の間、好ましくは1対1.5から1対2.5の間である。工程段階b)の式IVのチオ尿素と塩基のモル比は、例えば1対4から1対1の間、好ましくは1対3から1対2の間、例えばほぼ1対2.5である。工程段階b)で使われる塩基は種々の無機又は有機化合物でよく、例えば塩基性アルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物、特に金属水酸化物、又はアミン又は水酸化アンモニウム等である。塩基として塩基性のナトリウム化合物又はカリウム化合物の使用が好ましく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムが好ましい。水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの水溶液であって、例えば水酸化物の濃度が0.1から10モル、好ましくは約1モルの水溶液を使うのが有利である。
【0023】
反応混合物は、2つの工程段階a)及びb)の各々が終了する毎に処理してよい。しかし、本発明の工程による式Iの化合物は、ワンポット反応によって、ステップa)で形成される式IVのチオ尿素を単離することなしに合成することができ、反応処理は両工程段階の終了後のみに行われる。生成物を処理し、必要に応じて、抽出、ろ過、pH分離、クロマトグラフィー又は結晶化及び通例の乾燥等の慣用的な方法で精製する。
【0024】
出発物質である式II及び式IIIの化合物は、市販されているか、又は文献に記載されていて当業者に周知の方法に従って、又は類似の方法で製造することができる。出発化合物には、保護された形又は前駆体の形の官能基が含まれてもよく、それらは次いで本発明の工程で製造される式Iの化合物において、目的の基に変換することができる。適切な保護基の手法については、当業者は周知している。例えば、XがNR5である式IIIの化合物において、NHR5基はアセチル、トリフルオロアセチル又はトリチル基によって保護されてもよく、工程段階b)を実施する前に脱保護が行われる。
【0025】
Xは、好ましくはNR5又は酸素であり、より好ましくはNR5であり、最も好ましくはNHである。
【0026】
Aが芳香族である場合のA基及びAr基は、好ましくはフェニル又は単環の複素環芳香族であり、より好ましくはフェニル又は、例えばチオフェン若しくはイソオキサゾール等の複素5員環芳香族であり、それらの基は全て無置換でも置換されていてもよい。芳香族のA基及びAr基上の置換基は、好ましくはそれぞれ独立に(C1〜C4)アルキル、フッ素、塩素、臭素及びO(C1〜C4)アルキルのグループから選択され、そのアルキル基の水素原子の一部又は全部はフッ素原子で置換されていてもよい。Ar及び芳香族A基
上の特に好ましい置換基は、それぞれの場合独立にメチル、塩素又は臭素である。
【0027】
Aが非芳香族である場合、好ましくは(C1〜C4)アルキル、(C2〜C5)アルケニル、(C3〜C5)シクロアルキル又は(C4〜C8)シクロアルケニルであり、より好ましくは(C1〜C4)アルキル又は(C3〜C5)シクロアルキルであり、全ての基の水素原子の一部又は全部はフッ素原子で置換されていてもよい。非芳香族A基上の置換基は、好ましくは(C1〜C4)アルキルである。
【0028】
n、m及びoは、好ましくはそれぞれの場合独立に0又は1であり、より好ましくは0である。
【0029】
R14、R15、R16及びR17は、好ましくはそれぞれ独立に水素又はメチル、より好ましくは水素であり、又はR14及びR16は共に1つの結合を成し、R15及びR17は芳香族6員環、好ましくはベンゼン環、若しくはチオフェン環を形成し、芳香族6員環及びチオフェン環は無置換でも1、2、3又は4個の互いに独立のR7基で置換されていてもよく、又はR14及びR16はそれぞれ独立に水素又はメチルであり、R15及びR17は飽和の5又は6員環、好ましくはシクロペンタン環又はシクロヘキサン環を形成し、その環は1、2、3、4、5又は6個の互いに独立のR8基で置換されていてもよい。
【0030】
式I、III又はIVの化合物においては、いずれの場合も、Aが芳香族であり、又はmが0であって、R15及びR17はそれらが結合している2つの炭素原子と共に芳香族炭素6員環を形成し、その環の1個又は2個の炭素原子が窒素で置換していてもよく、若しくはチオフェン環を形成するか、又はA並びにR15及びR17とそれらが結合している2つの炭素原子で形成する環の両者は、それぞれ芳香環系を形成する。
【0031】
R1、R2、R3及びR4は、好ましくはそれぞれ独立に水素又はメチル、より好ましくは水素であり、又はR1及びR3は共に1つの結合を形成し、R2及びR4は芳香族6員環、好ましくはベンゼン環を形成し、その芳香族6員環は無置換又は1、2、3又は4個の互いに独立したR7基で置換されていてもよく、又はR1及びR3はそれぞれ独立に水素若しくはメチルであり、R2及びR4は飽和の5若しくは6員環、好ましくはシクロペンタン環若しくはシクロヘキサン環であり、その環は1、2、3、4、5又は6個の互いに独立したR8基で置換されていてもよい。
【0032】
R5は好ましくは水素又はメチル基、より好ましくは水素である。
【0033】
R7は、好ましくはそれぞれの場合独立に(C1〜C4)アルキル、フッ素、塩素、臭素、OH及びO(C1〜C4)アルキルのグループから選択され、ここでアルキル基の水素原子の一部又は全部はフッ素原子で置換されていてもよく;R7置換基は、より好ましくはそれぞれ独立にフッ素、塩素、メチル、メトキシ、CF3又はOHである。
【0034】
R8は、好ましくはそれぞれの場合独立に(C1〜C4)アルキル及びO(C1〜C4)アルキルのグループから選択され、ここでアルキル基の水素原子の一部又は全部はフッ素原子で置換されていてもよい。
【0035】
R10、R11、R12及びR13は、好ましくはそれぞれ独立に水素、メチル又はエチルであり、より好ましくは水素である。
【0036】
塩基は、好ましくは塩基水溶液、トリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミンであり、より好ましくは金属水酸化物の水溶液、特に水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム
溶液である。
【0037】
塩化スルホニルR6SO2Clは無置換の又は置換された塩化ベンゼンスルホニル又は塩化アルキルスルホニルであり、R6は好ましくはメチル、フェニル、p−トリル又はポリマーに結合したフェニルである。
【0038】
ポリマー結合の塩化スルホニルは、一般には例えば塩化ベンゼンスルホニル等の芳香族の塩化スルホニルであり、フェニル基はポリマー性支持体、例えばポリスチレン、特に架橋ポリスチレンにより置換される。例えば、Novabiochem社から販売されている塩化スルホニルポリスチレンを使うことができる。この場合、ベンゼンスルホン酸が100〜200メッシュのスチレンと1%DVBの共重合体に結合している。
【0039】
式Iの化合物は塩の形で単離することができる。それらは酸や塩基との反応による通例の方法で得られる。有用な酸付加塩として、例えばハロゲン化物、特に塩酸塩又は臭化水素酸塩、乳酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、酢酸塩、リン酸塩、メチルスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、アジピン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリセロリン酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、シュウ酸塩及びパモ酸塩及びトリフルオロ酢酸塩が挙げられるが、活性成分を製造する場合は、生理学的に許容される塩であることが好ましい。化合物が酸性基を持っている場合は塩基との塩、例えばアルカリ金属塩、好ましくはナトリウム若しくはカリウム塩、又はアンモニア若しくは有機アミン若しくはアミノ酸との塩等のアンモニウム塩を形成することができる。それらは又、両性イオンであってもよい。
【0040】
式Iの化合物は、例えば以下に示すような互変異性体、又は互変異性体構造の混合物であってもよい。
【化6】

【0041】
式Iの化合物が互変異性体のAの形で存在する場合、それらは二重結合異性体として又は二重結合異性体構造の混合物として存在してもよい。
【化7】

【0042】
式Iの化合物が1個又はそれ以上の不斉中心を含んでいる場合、それらはそれぞれ独立にS又はRの何れかの立体配置をとることができる。それらの化合物は光学異性体として、ジアステレオマーとして、シス/トランス異性体として、ラセミ体として又はそれらの如何なる比率の混合物であってもよい。
【0043】
m、n又はoが0の場合は、それぞれの場合において2つの隣接する原子間に直接の結合がある。
【0044】
アルキル基は直鎖状でも分枝鎖状でもよい。このことは、アルキル基が置換基を有する場合又は他の基の置換基になる場合、例えばフルオロアルキル基又はアルコキシル基等の場合にもいえる。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル(又は1−メチルエチル)、n−ブチル、イソブチル(又は2−メチルプロピル)、sec−ブチル(又は1−メチルプロピル)及びtert−ブチル(又は1,1−ジメチルエチル)が挙げられる。好ましいアルキル基は、メチル、エチル及びイソプロピルである。アルキル基では、1個又はそれ以上、例えば1、2、3、4、5、6、7、8又は9個の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい。このようなフルオロアルキル基の例として、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロイソプロピルが挙げられる。置換されたアルキル基は、例えばフッ素で、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキルで、又は例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル等のシクロアルキルでどの位置が置換されていてもよい。
【0045】
アルケニル基は直鎖状でも分枝鎖状でもよい。このことは、例えばフルオロアルケニル基に置換基がある場合にもいえる。アルケニル基は不飽和でも異なる位置でのポリ不飽和でもよい。アルケニル基の例としては、エテニル、n−プロパ−1−エニル、n−プロパ−2−エニル、イソプロパ−1−エニル(又は1−メチルエテニル)、n−ブタ−1−エニル、n−ブタ−2−エニル、n−ブタ−3−エニル、n−ブタ−1,3−ジエニル、イソブタ−1−エニル(又は2−メチルプロパ−1−エニル)、イソブタ−2−エニル(又は2−メチルプロパ−2−エニル)、sec−ブタ−1−エニル(又は1−メチルプロパ−1−エニル)及びペンテニルが挙げられる。好ましいアルケニル基として、エテニル、n−プロパ−1−エニル、n−プロパ−2−エニル、n−ブタ−1−エニル、n−ブタ−2−エニル、n−ペンテニル、n−ペンタジエニル、イソペンテニル、tert−ペンテニル及びネオペンテニルが挙げられる。アルケニル基では、1個又はそれ以上の、例えば1、2、3、4、5、6、7、8又は9個の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい。置換アルケニル基はどの位置が、例えばフッ素で、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキルで、又は例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル等のシクロアルキルで置換されていてもよい。
【0046】
アルキニル基は直鎖状でも分枝鎖状でもよい。このことは、例えばフルオロアルキニル基に置換基がある場合にもいえる。アルキニル基は不飽和でも異なる位置でのポリ不飽和でもよい。アルキニル基の例としては、エチニル、n−プロパ−1−イニル、n−プロパ−2−イニル、n−ブタ−1−イニル、n−ブタ−2−イニル、n−ブタ−3−イニル、n−ブタ−1,3−ジイニル、sec−ブタ−2−イニル(又は1−メチルプロパ−2−イニル)、n−ペンチニル、n−ペンタジイニル、イソペンチニル、tert−ペンチニル及びネオペンチニルが挙げられる。好ましいアルキニル基は、n−プロパ−1−イニル、n−プロパ−2−イニル、n−ブタ−1−イニル及びn−ブタ−2−イニルである。アルキニル基では、1個又はそれ以上の、例えば1、2、3、4、5、6又は7個の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい。置換アルキニル基はどの位置が、例えばフッ素で、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキルで、又は例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル等のシクロアルキルで置換されていてもよい。
【0047】
シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル又はシクロオクチルが挙げられる。好ましいシクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロペンチル及びシクロヘキシルである。シクロアルキル基では、1個又はそれ以上の、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15個の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい。置換シクロアルキル基はどの位置が、例えばフッ素で、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキルで、又は例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル等のシクロアルキルで置換されていてもよい。
【0048】
シクロアルケニル基は、異なる位置での不飽和及びポリ不飽和であってもよい。シクロアルケニル基の例としては、シクロブタ−1−エニル、シクロブタ−2−エニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプテニル及びシクロオクテニルが挙げられる。好ましいシクロアルケニル基は、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル及びシクロヘキサジエニルである。シクロアルケニル基では、1個又はそれ以上の、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13個の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい。置換シクロアルケニル基はどの位置が、例えばフッ素で、例えばメチル、エチル、プロピ
ル、ブチル等のアルキルで、又は例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル等のシクロアルキルで置換されていてもよい。
【0049】
芳香環系は、フェニル、ナフチル及びヘテロアリール基であり、そして又1個又は2個の炭素原子が窒素で置換されてもよい芳香族の炭素6員環、又はチオフェン環である。
【0050】
フェニル基は無置換体又はモノ−若しくはポリ置換体、例えば同一又は異なる基によるモノ−、ジ−、トリ−、テトラ−又はペンタ置換体でもよい。フェニル基が置換される場合には、1個又は2個の同一又は異なる置換基であることが好ましい。モノ置換フェニル基においては、置換基は2位、3位又は4位に位置することができる。ジ置換フェニルは、2、3位;2、4位;2、5位;2、6位;3、4位又は3、5位が置換されてもよい。トリ置換フェニル基においては、置換基は2、3、4位;2、3、5位;2、4、5位;2、4、6位;2、3、6位又は3、4、5位の位置にあってもよい。ナフチル基は、例えば1位又は2位等、全ての位置を経由して結合してもよい。ナフチル基は同様に無置換体又はモノ置換体若しくはポリ置換体、例えば同一又は異なる基によるモノ−、ジ−、トリ−、テトラ−又はペンタ置換体でもよい。ナフチル基が置換される場合には、1個又は2個の同一又は異なる置換基であることが好ましい。
【0051】
ヘテロアリール基は、その中の1、2、3又は4個の環原子が酸素原子、硫黄原子又は窒素原子である芳香環化合物であり、例えば1、2若しくは3個の窒素原子、1若しくは2個の酸素原子、1若しくは2個の硫黄原子、又は異なるヘテロ原子の組み合わせを有する。ヘテロアリール基は単環式又は二環式でもよい。ヘテロアリール基は、例えば1位、2位、3位、4位、5位、6位、7位又は8位等、全ての位置を経由して結合してもよい。ヘテロアリール基は、無置換体又はモノ置換体若しくはポリ置換体、例えば同一又は異なる基によるモノ−、ジ−又はトリ置換体でもよい。
【0052】
有用なヘテロアリール基としては、例えば以下のものが挙げられる。
【化8】

【0053】
好ましいヘテロアリール基は単環の芳香環化合物であり、例えばチオフェン及びイソオキサゾール等の5員環のヘテロアリール基は特に好ましい。
【0054】
式I、Ia、II、IIa、III、IIIa、IV又はIVa中に、基、置換基又は変数が一回以上存在する場合、それらはそれぞれ独立に上記で定義した通りであり、それぞれ同一か異なっていてもよい。
【0055】
本発明は更に、式I:
【化9】

【0056】
の化合物の製造工程であって、以下の段階:
式IVのチオ尿素を、塩化スルホニルR6SO2Clを用いて塩基の存在下で式Iの化合物に変換する段階;
【化10】

【0057】
ここで、A、X、o、m、R6及びR10〜R17は、それぞれ前記の工程で特定した通りである;
を含む工程を提供する。
前記の工程の全ての定義及び説明は、対応して本工程に適用される。
【0058】
更なる実施態様において、本発明は式Ia:
【化11】

の化合物の製造工程であって、以下の段階:
式IVaのチオ尿素を、塩化スルホニルR6SO2Clを用いて塩基の存在下で式Iaの化合物に変換する段階;
【化12】

ここで、Ar、X、n、R1〜R4及びR6は、それぞれ上記で定義した通りである;
を含む工程を提供する。
前記の工程の全ての定義及び説明は、対応して本工程に適用される。
【0059】
本発明に従った工程で得られる式Iの化合物は、例えばクロニジン及びその類似物のような活性医薬成分の製造等に有用な中間体、又はそれ自体が活性医薬成分である。例えば、国際公開WO03/101984号及びWO03/053434号は、本明細書に記載された工程によって製造できる化合物について記載している。それらの化合物はNHE阻害剤として、特にNHE3阻害剤として、例えば呼吸器疾患及びいびきの治療、並びに呼吸活力の改善、又は虚血性及び/又は再潅流のイベントによって、又は増殖性若しくは線維性のイベントによって誘導される急性又は慢性疾患の治療に好適である。
【0060】
〔実験の記載及び実施例〕
略語の説明:
ESI:エレクトロスプレーイオン化
rt:保持時間
THF:テトラヒドロフラン
TFA:トリフルオロ酢酸
【0061】
以下に報告する保持時間(rt)は、以下の条件で行ったLC−MS(液体クロマトグラフィー質量分析)測定に関するものである。
分析方法:
方法A:
固定相:Merck Purospher 5μ、2x55mm
移動相:95%H2O(0.05%TFA)→95%アセトニトリル、3分間;→95%
アセトニトリル、1.5分間;0.5mL/分。
【0062】
方法B:
固定相:Merck Purospher 3μ、2x55mm
移動相:95%H2O(0.08%ギ酸)→95%アセトニトリル(0.1%ギ酸)、5分間;→95%アセトニトリル(0.1%ギ酸)、2分間;→95%H2O(0.1%ギ酸)、1分間;0.45mL/分。
【0063】
方法C:
固定相:YMC J'sphere H80、4μ、2.1x20mm
移動相:96%H2O(0.05%TFA)→95%アセトニトリル、2分間;→95%アセトニトリル、0.4分間;1mL/分。
【0064】
方法D:
固定相:YMC J'sphere H80、4μ、2.1x20mm
移動相:95%H2O(0.05%TFA)→95%アセトニトリル、2.3分間;→95%アセトニトリル、1分間;1mL/分。
【0065】
分取用HPLCは次の条件下で実施した。
固定相:Merck Purospher RP18(10μm)、250x25mm
移動相:90%H2O(0.05%TFA)→90%アセトニトリル、40分間;25mL/分。
【0066】
〔実施例1〕
イミダゾリジン−2−イリデンフェニルアミン、トリフルオロ酢酸塩
【化13】

【0067】
a)1−(2−アミノエチル)−3−フェニルチオ尿素
イソチオシアン酸フェニル(500mg)を無水THF(6mL)に溶かした溶液を、無水THF(6mL)に溶解したエチレンジアミン(5.56g)の溶液にアルゴン雰囲気下で20分以上かけて滴下した。その後、反応混合物を水に加え、10%の塩酸で酸性にし、酢酸エチルで抽出した。次に水相を炭酸カリウムで塩基性にし、酢酸エチルで3回抽出した。有機相を併せて硫酸マグネシウム上で乾燥した後、ろ過し、濃縮した。続いて、トルエンを使って共沸を2回行い、650mgの目的生成物を得た。
LC−MS rt(方法A):1.96分
MS(ESI+):196.2
【0068】
b)イミダゾリジン−2−イリデンフェニルアミン・トリフルオロ酢酸塩
1−(2−アミノエチル)−3−フェニルチオ尿素(50mg)をアルゴン雰囲気下でTHF(1.5mL)に溶かした溶液を、水(0.6mL)に溶かした水酸化ナトリウム(25.6mg)の溶液と混合し、それに塩化p−トルエンスルホニル(53.7mg)のTHF溶液を5分以内で滴下した。30分間攪拌した後、反応混合物を水に加え、エーテルで6回抽出した。続いて、有機相を併せて硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過した後、濃縮した。残留物を分取用クロマトグラフィーで精製し、生成物が含まれる画分を併せ、アセトニトリルを除去した後、凍結乾燥した。凍結乾燥の後、20mgの目的生成物を得た。
LC−MS rt(方法A):1.72分
MS(ESI+):162.2
【0069】
〔実施例2〕
[1,3]オキサジナン−2−イリデンフェニルアミン
【化14】

【0070】
a)1−(3−ヒドロキシプロピル)−3−フェニルチオ尿素
イソチオシアン酸フェニル(200mg)を無水THF(2mL)に溶かした溶液を、無水THF(2mL)に溶かした3−アミノ−1−プロパノール(114.5mg)の溶液にアルゴン雰囲気下で攪拌しながら滴下した。反応混合物を室温で2時間攪拌した。溶媒を除去した後、残留物を塩酸水に溶解し、エーテルで洗浄した。その後、水相を炭酸カリウムで塩基性にし、エーテルで3回抽出した。有機相を併せて硫酸マグネシウム上で乾燥した後、ろ過し、濃縮した。残留物を分取用クロマトグラフィーで精製し、生成物が含まれる画分を併せ、アセトニトリルを除去した後、塩基性にして酢酸エチルで3回抽出した。有機相を併せ、硫酸マグネシウム上で乾燥した後、ろ過した。溶媒を除去し、114mgの目的生成物を得た。
LC−MS rt(方法B):1.99分
MS(ESI+):211.20
【0071】
b)[1,3]オキサジナン−2−イリデンフェニルアミン
水(0.6mL)に溶かした水酸化ナトリウム(23.8mg)の溶液を、THF(1.
5mL)に溶かした1−(3−ヒドロキシプロピル)−3−フェニルチオ尿素(50mg)の溶液にアルゴン下で攪拌しながら加えた。続いて、THF(0.5mL)に溶かした塩化p−トルエンスルホニル(49.9mg)の溶液を15分以上かけて滴下した。30分間攪拌した後、反応混合物を水に加え、エーテルで3回抽出した。有機相を併せて硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過した後、濃縮した。シリカゲルを用いたクロマトグラフィー(開始時、塩化メチレン/メタノール=50:1;終了時、メタノール/飽和アンモニア水=100:1)を行い、27.4mgの目的生成物を得た。
NMR(400MHz、CDCl3):7.35〜7.18(4H,m)、6.9〜7.0(1H,m)、4.29(2H,t)、3.43(2H,t)、1.96(2H,q)。
【0072】
〔実施例3〕
(2,6−ジクロロフェニル)(オクタヒドロベンゾイミダゾール−2−イリデン)アミン
【化15】

【0073】
a)1−(2−アミノシクロヘキシル)−3−(2,6−ジクロロフェニル)チオ尿素
1,3−ジクロロ−2−イソチオシアン酸ベンゼン(100mg)を無水THF(3mL)に溶かした溶液を、無水THF(3mL)に溶かしたトランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン(139.9mg)の溶液に30分以上かけてゆっくり滴下した。溶液を室温で更に90分間攪拌した。次に、反応混合物を水に加え、塩酸で酸性にし、酢酸エチルで1回抽出した。その後、混合物を炭酸カリウムで塩基性にし、酢酸エチルで3回抽出した。有機相を併せて硫酸マグネシウム上で乾燥した後、ろ過し、濃縮して128mgの目的生成物を得た。
LC−MS rt(方法B):1.88分
MS(ESI+):318.20
【0074】
b)(2,6−ジクロロフェニル)(オクタヒドロベンゾイミダゾール−2−イリデン)アミン
水(0.6mL)に溶かした水酸化ナトリウム(15.7mg)の溶液を、THF(1.5mL)に溶かした1−(2−アミノシクロヘキシル)−3−(2,6−ジクロロフェニル)チオ尿素(50mg)の溶液にアルゴン雰囲気下で攪拌しながら加えた。続いて、THF(0.5mL)に溶かした塩化p−トルエンスルホニル(32.9mg)の溶液を15分以上かけて滴下した。60分間攪拌した後、反応混合物を水に加え、エーテルで3回抽出した。有機相を併せて硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過した後、濃縮し44mgの目的生成物を得た。
LC−MS rt(方法B):1.95分
MS(ESI+):284.20
【0075】
〔実施例4〕
(5−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)(4−メチルチオフェン−3−イル)アミン・塩酸塩
【化16】

【0076】
a)1−(2−アミノ−5−フルオロフェニル)−3−(4−メチルチオフェン−3−イル)チオ尿素及び1−(2−アミノ−4−フルオロフェニル)−3−(4−メチルチオフェン−3−イル)チオ尿素
4−フルオロ−o−フェニレンジアミン(1.5g)を無水THF(25mL)に溶解し、無水THF(25mL)に溶解した3−イソチオシアン酸−4−メチルチオフェン(1.8g)の溶液に攪拌しながら滴下した。添加終了後、混合物を室温で3時間攪拌し、次いで少量の3−イソチオシアン酸−4−メチルチオフェンを追加し、更に1時間攪拌を継続した。1夜静置した後、THFを除去し、残留物をエタノールに溶解し、活性炭を添加した後、混合物を加熱沸騰させて熱ろ過した。冷却した後、エーテルを用いてろ液から沈殿させ、1.8gの目的生成物を得た。
【0077】
b)(5−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)(4−メチルチオフェン−3−イル)アミン・塩酸塩
1−(2−アミノ−5−フルオロフェニル)−3−(4−メチルチオフェン−3−イル)チオ尿素と1−(2−アミノ−4−フルオロフェニル)−3−(4−メチルチオフェン−3−イル)チオ尿素との混合物(1.75g)をTHF(50mL)に溶解し、水(15mL)に溶かした水酸化ナトリウム(0.622g)の溶液と混合した。THF(10mL)に溶かした塩化p−トルエンスルホニル(1.304g)の溶液を5分以内で滴下した。添加終了後、混合物を室温で30分間攪拌した。反応混合物を水に加え、水相をエーテルで3回抽出した。エーテル相を併せて硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、ろ過した後、濃縮した。粗生成物を酢酸エチルに溶解し、エーテル性塩酸を用いてpH2に調整した。生成物をエーテル添加により沈殿させ、これを乾燥して750mgの目的生成物を得た。LC−MS rt(方法B):1.48分
MS(ESI+):248.11
市販の又は既知の出発原料から、上記の実施例と同様な方法で以下の化合物を製造した。
【0078】
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【0079】
〔実施例29〕
(2,6−ジクロロフェニル)イミダゾリジン−2−イリデンアミン
【化17】

【0080】
a)1−(2−アミノエチル)−3−(2,6−ジクロロフェニル)チオ尿素
イソチオシアン酸2,6−ジクロロフェニル(500mg)をTHF(5mL)に溶かした溶液を、無水THF(4mL)に溶かしたエチレンジアミン(3.68g)の溶液にアルゴン雰囲気下で攪拌しながら20分以内で滴下した。反応混合物を更に30分間攪拌した後、反応混合物を水に加え、10%塩酸で酸性にし、酢酸エチルで3回抽出した。水相を飽和炭酸カリウム溶液を用いて塩基性にし、酢酸エチルで3回抽出した。有機相を併せて硫酸マグネシウム上で乾燥した後、溶媒を減圧下で除去し、残留物に対してトルエンを用いて共沸を2回行った。高真空で乾燥させた後、白色固体の目的生成物(532mg)を得た。
LC−MS rt(方法C):0.719分
MS(ESI+):264.0
【0081】
b)(2,6−ジクロロフェニル)イミダゾリジン−2−イリデンアミン
1−(2−アミノエチル)−3−(2,6−ジクロロフェニル)チオ尿素(200mg)をアルゴン雰囲気下でTHF(4mL)に溶解し、水酸化ナトリウム(102mg)の水(2mL)溶液と混合した後、THF(4mL)に懸濁させたポリスチレン結合塩化トルエンスルホニル(457mg、2.9mmol/g)の懸濁液を5分以内で滴下した。室温で2時間攪拌した後、更にポリスチレン結合塩化トルエンスルホニル(2mLのTHF中に65mg懸濁)を添加し、続いて1時間後に酸塩化物(2mLのTHF中に124mgを懸濁)を更に添加した。1夜静置した後、反応混合物をろ過し、樹脂をジクロロメタンに2回懸濁させ、液相を併せて濃縮し乾燥した。残留物を水/ジクロロメタンに溶かした後、2相を分離し、水相をジクロロメタンで3回抽出した。有機相を併せて硫酸マグネシウム上で乾燥した後、溶媒を減圧で除去し、次いで高真空下で乾燥して標記の化合物104mgを得た。
LC−MS rt(方法C):0.65分
MS(ESI+):230.1
【0082】
実施例29と同様の手法で、以下の化合物を得た。
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
Xは、硫黄、酸素又はNR5であり、ここで、R5は水素又は(C1〜C4)アルキルであり;
m及びoは、それぞれ独立に0、1又は2であり;
Aは、フェニル、ナフチル又はヘテロアリールであり、それらは全て1、2、3、4又は5個のR11基で置換されていてもよく、ここで、R11はそれぞれの場合独立に(C1〜C4)アルキル、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、CN、NO2、OH、O(C1〜C4)アルキル及びCOO(C1〜C4)アルキルから成るグループから選択され、アルキル基の水素原子の一部又は全部はフッ素原子で置換されていてもよく;
又は、
Aは、(C1〜C4)アルキル、(C2〜C5)アルケニル、(C2〜C5)アルキニル、(C3〜C8)シクロアルキル、(C4〜C8)シクロアルケニルであり、ここで、これらの基はそれぞれ独立に(C1〜C4)アルキル又は(C3〜C6)シクロアルキルで置換されていてもよく、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル及びシクロアルケニル基の水素原子の一部又は全部はフッ素原子で置換されていてもよく;
R14、R15、R16及びR17は、それぞれ独立に水素、フッ素又は(C1〜C4)アルキルであり、ここで、アルキル基の水素原子の一部又は全部はフッ素原子で置換されていてもよく;
又は、
R14及びR16は互いに1つの結合を成し;そして
R15及びR17は、それらが結合している2つの炭素原子と共に芳香族炭素6員環を成し、その環の1個又は2個の炭素原子は窒素で置換されていてもよく、又はチオフェン環を成し、芳香族炭素6員環及びチオフェン環は1、2、3又は4個のR7基で置換されていてもよく、ここで、R7はそれぞれの場合独立に(C1〜C4)アルキル、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、CN、NO2、OH、O(C1〜C4)アルキル及びCOO(C1〜C4)アルキルから成るグループから選択され、アルキル基の水素原子の一部又は全部はフッ素原子で置換されていてもよく;
又は、
R14及びR16はそれぞれ独立に水素又は(C1〜C4)アルキルであり、ここで、アルキル基の水素原子の一部又は全部はフッ素原子で置換されていてもよく;そして
R15及びR17は、それらが結合している2つの炭素原子と共に5、6、7又は8員環の飽和炭素環を成し、その環の1個又は2個の炭素原子は、それぞれ独立に酸素、硫黄、NH及びN(C1〜C4)アルキルで置換されていてもよく、且つ、その環は1、2、3、4、5又は6個のR8基で置換されていてもよく、ここで、R8はそれぞれの場合独立に(C1〜C4)アルキル、O(C1〜C4)アルキル及びCOO(C1〜C4)アルキルのグループから選択され、そのアルキル基の水素原子の一部又は全部はフッ素原子で置換されていてもよく;
R10、R11、R12及びR13は、それぞれ独立に水素、フッ素又は(C1〜C4)アルキルであり、ここで、アルキル基の水素原子の一部又は全部はフッ素原子で置換されていてもよく;
ここで、A、又はmが0の場合のR15及びR17が一緒になって形成された環のいずれか、又はその両者は芳香環系であり;
そして、Aが無置換のフェニル又は(C1〜C4)アルキルであり、Xが酸素であり、R14及びR15がそれぞれ独立に水素、(C1〜C4)アルキル又はベンジルであり、R16及びR17がそれぞれ水素であり、m及びoがそれぞれ0である化合物、及びそれらの互変異性体並びにその塩は除外される]
の複素環を製造する方法であって、その工程が以下の段階:
【化2】

a)式IIのイソチオシアン酸エステルを式IIIの第一級アミンと反応させて式IVのチオ尿素を生成する段階;及び
b)式IVのチオ尿素を、塩化スルホニルのR6SO2Clを用いて塩基の存在下で式Iの化合物に変換する段階;
[ここで、式II、III及びIVの化合物中のA、X、n、m及びR10からR17は、それぞれ式Iで定義した通りであり、並びに、
R6は(C1〜C4)アルキル、トリフルオロメチル又は無置換の若しくはメチル、トリフルオロメチル、フッ素、塩素、臭素若しくはポリマー性の支持体で置換されたフェニルである]
を含む上記の方法。
【請求項2】
該反応がワンポット反応として行われる、請求項1に記載の工程。
【請求項3】
段階a)及びb)がそれぞれ独立に連続式で又は回分式で行われる、請求項1又は2に記載の工程。
【請求項4】
Xが酸素又はNR5である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の工程。
【請求項5】
XがNR5である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の工程。
【請求項6】
Aがフェニル、チエニル又はイソオキサゾリルであり、その各々が請求項1に特定されるように置換されていてもよい、請求項1〜5のいずれか1項に記載の工程。
【請求項7】
R6がフェニル又はp−メチルフェニルである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の工程。
【請求項8】
段階b)で使われる塩基が水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の工程。
【請求項9】
請求項1で定義した式I:
【化3】

の化合物を製造する方法であって、以下の段階:
式IVのチオ尿素を、塩化スルフォニルR6SO2Clを用いて塩基の存在下で式Iの化合物に変換する段階;
【化4】

ここで、A、X、o、m、R6及びR10からR17は、それぞれ請求項1で定義した通りである;
を含む上記の方法。

【公表番号】特表2007−502311(P2007−502311A)
【公表日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−529766(P2006−529766)
【出願日】平成16年5月10日(2004.5.10)
【国際出願番号】PCT/EP2004/004955
【国際公開番号】WO2004/103976
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(397056695)サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (456)
【Fターム(参考)】