説明

複素環式の酸化窒素供与体基を含む利尿化合物、組成物および使用方法

本発明は少なくとも一つの複素環式の酸化窒素供与体基を含む新規の利尿化合物、または薬学的に許容されるその塩、ならびに少なくとも一つの複素環式の酸化窒素供与体基を含む少なくとも一つの利尿化合物と、任意で、少なくとも一つの酸化窒素増強化合物および/または少なくとも一つの治療薬とを含む新規の組成物について記述する。本発明は同様に、少なくとも一つの複素環式の酸化窒素供与体基を含む少なくとも一つの本発明の利尿化合物と、任意で、少なくとも一つの酸化窒素増強化合物および/または少なくとも一つの治療薬とを含む新規の組成物およびキットを提供する。本発明は同様に、(a) 水分過多および/または電解質滞留から生じる状態を治療する; (b) 心血管疾患を治療する; (c) 腎血管性疾患を治療する; (d) 糖尿病を治療する; (e) 酸化ストレスから生じる疾患を治療する; (f) 内皮機能不全を治療する; (g) 内皮機能不全によって引き起こされる疾患を治療する; (h) 肝硬変を治療する; (j) 子癇前症を治療する; (k) 骨粗鬆症を治療する; (l) 腎症を治療する; (m) 末梢血管疾患を治療する; (n) 門脈圧亢進症を治療する; (o) 中枢神経系障害を治療する; ならびに(p) 性機能不全を治療する方法を提供する。複素環式の酸化窒素供与体はフロキサン、シドノンイミン、オキサトリアゾール-5-オンおよび/またはオキサトリアゾール-5-イミンであることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、少なくとも一つの複素環式の酸化窒素供与体基を含む新規の利尿化合物、または薬学的に許容されるその塩、ならびに少なくとも一つの複素環式の酸化窒素供与体基を含む少なくとも一つの利尿化合物と、任意で、少なくとも一つの酸化窒素増強化合物および/または少なくとも一つの治療薬とを含む新規の組成物について記述する。本発明は同様に、少なくとも一つの複素環式の酸化窒素供与体基を含む少なくとも一つの本発明の利尿化合物と、任意で、少なくとも一つの酸化窒素増強化合物および/または少なくとも一つの治療薬とを含む新規の組成物およびキットを提供する。本発明は同様に、(a) 水分過多および/または電解質滞留から生じる状態を治療する; (b) 心血管疾患を治療する; (c) 腎血管性疾患を治療する; (d) 糖尿病を治療する; (e) 酸化ストレスから生じる疾患を治療する; (f) 内皮機能不全を治療する; (g) 内皮機能不全によって引き起こされる疾患を治療する; (h) 肝硬変を治療する; (j) 子癇前症を治療する; (k) 骨粗鬆症を治療する; (l) 腎症を治療する; (m) 末梢血管疾患を治療する; (n) 門脈圧亢進症を治療する; (o) 中枢神経系障害を治療する; ならびに(p) 性機能不全を治療する方法を提供する。複素環式の酸化窒素供与体はフロキサン、シドノンイミン、オキサトリアゾール-5-オンおよび/またはオキサトリアゾール-5-イミンであることが好ましい。
【0002】
関連出願
本出願は2004年11月15日付けで出願した米国特許出願第60/627,177号の優先権、2005年2月28日付けで出願した米国特許出願第60/656,546号の優先権、および2005年6月21日付けで出願した米国特許出願第60/692,231号の優先権を米国特許法第119条の下で主張する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
過去30年間にわたる米国での心血管系の罹患率および死亡率の減少は、心血管疾患の機構および治療戦略に関する研究の飛躍的な進歩の結果であった。心筋梗塞の発生率と有病率および心筋梗塞による死亡、ならびに脳血管障害による死亡は、主としてこれらの非常によく見られる疾患の予防、早期診断および治療の進歩によって、この間に著しく減少した。
【0004】
利尿、心血管疾患、ならびに酸化および/または内皮機能不全から生じる疾患の治療のために投与される化合物は、毒性の、慢性および/または衰弱性の副作用を引き起こすことが多い。ACE阻害剤、β-アドレナリン遮断薬、抗血栓性および血管拡張性化合物または抗高脂血症化合物などの心血管化合物は、例えば、喘息および/または気管支炎につながる呼吸毒性を示す。故に、効果がさらに高く、毒性がさらに低い化合物であって、低用量で使用できる化合物が当技術分野において必要とされている。本発明はこれらの、およびその他の重要な目的に向けられる。
【発明の開示】
【0005】
発明の概要
本発明は少なくとも一つの複素環式の酸化窒素供与体基を含む新規の利尿化合物、および薬学的に許容されるその塩を提供する。フロキサン、シドノンイミン、オキサトリアゾール-5-オンおよび/またはオキサトリアゾール-5-イミンであることが好ましい複素環式の酸化窒素供与体は、酸素(ヒドロキシル縮合)、硫黄(スルフヒドリル縮合)および/または窒素などの一つまたは複数の部位を介して利尿化合物に連結される。本発明は同様に、薬学的に許容される担体中に本明細書に記述される新規の化合物を含んだ組成物を提供する。
【0006】
本発明は同様に、複素環式の酸化窒素供与体基を含む利尿化合物、または薬学的に許容されるその塩と、任意で、少なくとも一つの酸化窒素増強化合物とを少なくとも投与することは、利尿化合物の特性を向上させるという発見に基づいている。酸化窒素増強化合物としては、例えば、S-ニトロソチオール、亜硝酸塩、硝酸塩、N-オキソ-N-ニトロソアミン、フロキサン、シドノンイミン、SPM 3672、SPM 4757、SPM 5185、SPM 5186、およびこれらの類似体、酸化窒素シンターゼの各アイソザイムの基質、ならびにニトロキシドが挙げられる。このように、本発明の別の態様は、少なくとも一つの複素環式の酸化窒素供与体基を含む少なくとも一つの利尿化合物と、少なくとも一つの酸化窒素増強化合物とを含んだ組成物を提供する。本発明は同様に、薬学的に許容される担体中のそのような組成物を提供する。複素環式の酸化窒素供与体基はフロキサン、シドノンイミン、オキサトリアゾール-5-オン、および/またはオキサトリアゾール-5-イミンであることが好ましい。
【0007】
本発明は、複素環式の酸化窒素供与体基を含む利尿化合物と、任意で、少なくとも一つの酸化窒素増強化合物ならびに/またはアルドステロンアンタゴニスト、α-アドレナリン受容体アンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、抗糖尿病化合物、抗高脂血症化合物、抗酸化薬、抗血栓性および血管拡張性化合物、β-アドレナリンアンタゴニスト、カルシウムチャンネル遮断薬、ジギタリス、利尿薬、エンドセリンアンタゴニスト、ヒドララジン化合物、H2受容体アンタゴニスト、中性エンドペプチダーゼ阻害剤、非ステロイド性抗炎症化合物(NSAID)、ホスホジエステラーゼ阻害剤、カリウムチャンネル遮断薬、血小板減少剤、プロトンポンプ阻害剤、レニン阻害剤、選択的シクロオキシゲナーゼ-2 (COX-2)阻害剤、およびこれらの二つまたはそれ以上の組合せを含むがこれらに限定されない、少なくとも一つの治療薬とを少なくとも含んだ組成物を提供する。好ましい態様では、少なくとも一つの治療薬はアルドステロンアンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、β-アドレナリンアンタゴニスト、ジギタリス、利尿薬、およびヒドララジン化合物からなる群より選択される。本発明は同様に、薬学的に許容される担体中のそのような組成物を提供する。
【0008】
本発明の別の態様は、本発明の複素環式の酸化窒素供与体基を含む少なくとも一つの利尿化合物、ならびにアルドステロンアンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、β-アドレナリンアンタゴニスト、利尿薬およびヒドララジン化合物からなる群より選択される少なくとも一つの治療薬の有効量を含んだ組成物を提供する。本発明は同様に、薬学的に許容される担体中のそのような組成物を提供する。
【0009】
本発明は、複素環式の酸化窒素供与体基を含む少なくとも一つの利尿化合物と、任意で、例えば、アルドステロンアンタゴニスト、α-アドレナリン受容体アンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、抗糖尿病化合物、抗高脂血症化合物、抗酸化薬、抗血栓性および血管拡張性化合物、β-アドレナリンアンタゴニスト、カルシウムチャンネル遮断薬、ジギタリス、利尿薬、エンドセリンアンタゴニスト、ヒドララジン化合物、H2受容体アンタゴニスト、中性エンドペプチダーゼ阻害剤、非ステロイド性抗炎症化合物(NSAID)、ホスホジエステラーゼ阻害剤、カリウムチャンネル遮断薬、血小板減少剤、プロトンポンプ阻害剤、レニン阻害剤、選択的シクロオキシゲナーゼ-2 (COX-2)阻害剤、およびこれらの二つまたはそれ以上の組合せなどの少なくとも一つの治療薬との有効量を患者に投与する段階を含む、その必要性がある患者において(a) 水分過多および/または電解質滞留から生じる状態を治療する; (b) 心血管疾患を治療する; (c) 腎血管性疾患を治療する; (d) 糖尿病を治療する; (e) 酸化ストレスから生じる疾患を治療する; (f) 内皮機能不全を治療する; (g) 内皮機能不全によって引き起こされる疾患を治療する; (h) 肝硬変を治療する; (j) 子癇前症を治療する; (k) 骨粗鬆症を治療する; (l) 腎症を治療する; (m) 末梢血管疾患を治療する; (n) 門脈圧亢進症を治療する; (o) 中枢神経系障害を治療する; ならびに(p) 性機能不全を治療する方法を提供する。この方法は任意で、少なくとも一つの酸化窒素増強化合物の投与をさらに含むことができる。本発明のこの態様では、この方法は(i) 複素環式の酸化窒素供与体基を含む利尿化合物を投与する段階、(ii) 複素環式の酸化窒素供与体基を含む利尿化合物と、酸化窒素増強化合物とを投与する段階、(iii) 複素環式の酸化窒素供与体基を含む利尿化合物と治療薬とを投与する段階、または(iv) 複素環式の酸化窒素供与体基を含む利尿化合物と、酸化窒素増強化合物と、治療薬とを投与する段階を含むことができる。好ましい態様では、少なくとも一つの治療薬はアルドステロンアンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、β-アドレナリンアンタゴニスト、利尿薬、およびヒドララジン化合物からなる群より選択される。複素環式の酸化窒素供与体基を含む利尿化合物、酸化窒素増強化合物、および/または治療薬は、別々にまたは一つもしくは複数の薬学的に許容される担体中の同一組成物の成分として投与されてもよい。
【0010】
本発明の別の態様は、複素環式の酸化窒素供与体基を含む少なくとも一つの利尿化合物と、任意で、少なくとも一つの酸化窒素増強化合物とを含むキットを提供する。このキットは、例えば、アルドステロンアンタゴニスト、α-アドレナリン受容体アンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、抗糖尿病化合物、抗高脂血症化合物、抗酸化薬、抗血栓性および血管拡張性化合物、β-アドレナリンアンタゴニスト、カルシウムチャンネル遮断薬、ジギタリス、利尿薬、エンドセリンアンタゴニスト、ヒドララジン化合物、H2受容体アンタゴニスト、中性エンドペプチダーゼ阻害剤、非ステロイド性抗炎症化合物(NSAID)、ホスホジエステラーゼ阻害剤、カリウムチャンネル遮断薬、血小板減少剤、プロトンポンプ阻害剤、レニン阻害剤、選択的シクロオキシゲナーゼ-2 (COX-2)阻害剤、およびこれらの二つまたはそれ以上の組合せなどの少なくとも一つの治療薬をさらに含むことができる。複素環式の酸化窒素供与体基を含む利尿化合物、酸化窒素増強化合物および/または治療薬は、キット中の別々の構成要素であってもよく、または一つもしくは複数の薬学的に許容される担体中の組成物の形態であってもよい。
【0011】
本発明のこれらのおよびその他の局面は本明細書に詳細に記述されている。
【0012】
発明の詳細な説明
本開示の全体を通して用いられる下記の用語は、特に記載がないかぎり、下記の意味を有すると理解されるべきである。
【0013】
「水分過多および/または電解質滞留から生じる状態」としては、下肢のむくみ、疲労、体液滞留、心肥大、息切れ、肺浮腫、脳浮腫、少なくとも部分的にはうっ血性心不全、肝硬変、血行不良、リンパ系障害、慢性腎炎、栄養失調、経口避妊薬の使用、月経前症候群、日焼け、高血圧、メニエール病、緑内障、嚢胞性線維症および/またはナトリウムやカリウムの不均衡からなる群より選択される要因と関係する浮腫等が挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0014】
「心血管疾患または障害」は、当技術分野において公知の任意の心血管疾患または障害のことをいい、うっ血性心不全、再狭窄、高血圧(例えば、肺高血圧、動揺性高血圧、特発性高血圧、低レニン高血圧、塩分感受性高血圧、低レニン、塩分感受性高血圧、血栓塞栓性肺高血圧; 妊娠による高血圧; 腎血管性高血圧; 高血圧依存性末期腎不全; 心血管手術法に関連する高血圧、左心室肥大高血圧等)、拡張機能障害、冠動脈疾患、心筋梗塞、脳梗塞、アテローム性動脈硬化、アテローム発生、脳血管疾患、狭心症(慢性、安定性、不安定性および異型(プリンツメタル型)狭心症を含む)、動脈瘤、虚血性心疾患、脳虚血、心筋虚血、血栓症、血小板凝集、血小板付着、平滑筋細胞増殖、医療機器の使用に関連する血管性または非血管性合併症、医療機器の使用に関連する創傷、血管または非血管壁損傷、末梢血管疾患、経皮経腔冠動脈造影後の新生内膜過形成、血管移植、冠動脈バイパス手術、血栓塞栓事象、血管形成術後の再狭窄、冠動脈のプラーク炎症、高コレステロール血症、塞栓症、脳卒中、ショック、不整脈、心房性細動または心房粗動、脳血管の血栓閉塞および再閉塞、左心室の機能不全および肥大等が挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0015】
「血栓塞栓事象」としては、虚血性脳卒中、一過性虚血性脳卒中、心筋梗塞、狭心症、血栓症(例えば、再狭窄、動脈血栓症、冠状動脈血栓症、心臓弁血栓症、冠動脈狭窄、血栓性閉塞、人工血管血栓、ならびに初回および二次的血栓性脳卒中など)、血栓塞栓症(例えば、肺血栓塞栓症、脳血栓塞栓症等)、静脈血栓症、血小板減少症、出血性疾患、血栓性閉塞および再閉塞ならびに急性血管事象が挙げられるが、これらに限定されることはない。血栓塞栓事象を発症する危険性がある患者としては、虚血性脳卒中、一過性虚血性脳卒中、心筋梗塞を発症した経験のある、血栓塞栓性疾患の家族歴または遺伝的素因を有する者、不安定狭心症または慢性的な安定狭心症を有する者、ならびに糖尿病患者および関節リウマチ患者を含めて、プロスタサイクリン/トロンボキサンA2ホメオスタシスが変化している患者または正常なトロンボキサンA2レベルよりも高く、血栓塞栓症の危険性が増している患者を挙げることができる。
【0016】
「酸化ストレスから生じる疾患」とは、例えば、アテローム発生、アテローム症、動脈硬化、アテローム性動脈硬化、高血圧に関連する血管肥大、高リポ蛋白血症、老化による正常な血管変性、副甲状腺の反応性過形成、腎臓病(例えば、急性または慢性)、腫瘍性疾患、炎症性疾患、神経性および急性気管支肺疾患、腫瘍形成、虚血再灌流症候群、関節炎、敗血症、認知機能障害、内毒素性ショック、内毒素による臓器不全、ならびに同様の疾患などの、フリーラジカルまたはラジカル化合物の生成を含んだ任意の疾患のことをいう。
【0017】
「腎血管性疾患」とは、腎不全(例えば、急性または慢性)、腎機能不全、腎炎性浮腫、急性糸球体腎炎、乏尿性腎不全(oliguric renal failure)、重症高血圧に関連した腎臓変質、片側性の腎実質性疾患、多発性嚢胞腎、慢性腎盂腎炎、腎機能不全に関連した腎疾患、透析または腎移植に関連した合併症、腎血管性高血圧、腎症、糸球体腎炎、強皮症、糸球体硬化等を含むが、これらに限定されない、腎臓系の任意の疾患または機能障害のことをいう。
【0018】
「内皮機能不全」とは、内皮により行われるいずれかの生理学的過程における能力障害、具体的には、要因に関係のない酸化窒素の産生のことをいう。これは、例えば、アセチルコリンもしくはメタコリンに対する冠状動脈の反応性等などの、例えば侵襲的技術などにより、または、例えば、血流測定、肘の上下腕のカフ閉塞による上腕動脈流の拡張、上腕動脈の超音波検査、イメージング技術、非対称性ジメチルアルギニン(ADMA)などの血中バイオマーカーの測定等などの非侵襲的技術により評価することができる。後者の測定の場合、内皮依存的な血流依存性拡張は内皮機能不全と診断された患者で低下するはずである。
【0019】
「内皮機能不全を治療する方法」としては、例えば、アテローム性動脈硬化、高血圧、糖尿病、うっ血性心不全等などの、内皮機能不全によって引き起こされるまたは内皮機能不全から生じうる疾患の発症/診断の前の治療が挙げられるが、これに限定されることはない。
【0020】
「内皮機能不全によって引き起こされる疾患を治療する方法」としては、例えば、アテローム性動脈硬化、うっ血性心不全、高血圧、心血管疾患、脳血管疾患、腎血管性疾患、腸間膜血管疾患、肺血管疾患、眼血管疾患、末梢血管疾患、末梢虚血性疾患等などの、内皮の不全から生じるいずれかの疾患の治療が挙げられるが、これに限定されることはない。
【0021】
「性機能不全」とは、性的欲求障害、性的覚醒障害、オルガスム障害および性的疼痛障害などを含むがこれらに限定されない、患者における任意の性機能不全のことをいう。女性性機能不全とは、性的欲求障害、性的覚醒障害、オルガスム障害、性的疼痛障害、性交疼痛症、膣痙などを含むがこれらに限定されない、任意の女性性機能不全のことをいう。女性は閉経前または閉経期であってもよい。性機能不全は妊娠、閉経、がん、骨盤手術、慢性の医学的な病気または投薬により引き起こされることがある。男性性機能不全とは、男性勃起機能障害、性不能症などを含むがこれらに限定されない、任意の男性性機能不全のことをいう。
【0022】
「治療薬」には、本明細書に記載の疾患を治療または予防するのに使用できる任意の治療薬が含まれる。「治療薬」としては、例えば、アルドステロンアンタゴニスト、α-アドレナリン受容体アンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、抗糖尿病化合物、抗高脂血症化合物、抗酸化薬、抗血栓性および血管拡張性化合物、β-アドレナリンアンタゴニスト、カルシウムチャンネル遮断薬、ジギタリス、利尿薬、エンドセリンアンタゴニスト、ヒドララジン化合物、H2受容体アンタゴニスト、中性エンドペプチダーゼ阻害剤、非ステロイド性抗炎症化合物(NSAID)、ホスホジエステラーゼ阻害剤、カリウムチャンネル遮断薬、血小板減少剤、プロトンポンプ阻害剤、レニン阻害剤、選択的シクロオキシゲナーゼ-2 (COX-2)阻害剤等が挙げられる。治療薬には、薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、ならびに対応するニトロソ化誘導体、および/またはニトロシル化誘導体、および/または複素環式の酸化窒素供与体誘導体を含むがこれらに限定されない、その薬学的誘導体が含まれる。酸化窒素増強化合物は治療活性を有するが、酸化窒素増強化合物は別に規定されているので、「治療薬」という用語は本明細書において記述される酸化窒素増強化合物を含まない。
【0023】
「プロドラッグ」とは、インビボにおいてより活性化される化合物のことをいう。
【0024】
「抗酸化薬」とは、フリーラジカルと反応および/またはクエンチングできる任意の化合物のことをいい、およびこの化合物を含む。
【0025】
「アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤」とは、アンギオテンシンIのアンギオテンシンIIへの変換を触媒する酵素を阻害する化合物のことをいう。ACE阻害剤としては、ACEの活性を阻害し、それにより昇圧物質アンギオテンシンIIの形成を減らすかまたはなくすことによってレニン-アンギオテンシン系に関与するアミノ酸およびその誘導体、ジペプチドおよびトリペプチドを含むペプチド、ならびにACEに対する抗体が挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0026】
「アンギオテンシンIIアンタゴニスト」とは、アンギオテンシンIIの機能、合成または異化を妨害する化合物のことをいう。アンギオテンシンIIアンタゴニストとしては、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アンギオテンシンII受容体アンタゴニスト、アンギオテンシンIIの異化を活性化する薬剤、およびアンギオテンシンIIからのアンギオテンシンIの合成を妨害する薬剤を含むが、これらに限定されない、ペプチド化合物および非ペプチド化合物が挙げられる。レニン-アンギオテンシン系は血液動態の調節ならびに水および電解質平衡に関与する。血液量、腎臓の灌流圧、または血漿中のナトリウムの濃度を低下させる因子はこの系を活性化する傾向があり、その一方でこれらのパラメータを増大させる因子はその機能を抑制する傾向がある。
【0027】
「抗高脂血症化合物」とは、高比重リポタンパク質(HDL)血清コレステロール濃度は低下しても、同じ状態のままであっても、または増大してもよいが、血清コレステロール濃度を有利に変化させる、例えば、血清低密度リポタンパク質(LDL)コレステロール濃度を低下させるか、またはLDLコレステロールの酸化を阻害するような作用を有する任意の化合物または薬剤のことをいう。抗高脂血症化合物はLDLコレステロールおよびHDLコレステロールの血清濃度(および、より具体的には、トリグリセリド濃度)を正常なまたはほぼ正常な濃度にすることが好ましい。
【0028】
「利尿化合物」とは、患者から排泄される尿の量を増加させる任意の化合物または薬剤のことをいい、およびこの化合物を含む。
【0029】
「中性エンドペプチダーゼ阻害剤」とは、中性エンドペプチダーゼおよびアンギオテンシン変換(ACE)酵素の二重阻害剤である化合物を含めて、レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系のアンタゴニストである化合物のことをいい、およびこの化合物を含む。
【0030】
「レニン阻害剤」とは、レニンの活性を妨害する化合物のことをいう。
【0031】
「ホスホジエステラーゼ阻害剤」または「PDE阻害剤」とは、酵素ホスホジエステラーゼを阻害する任意の化合物のことをいう。この用語は、環状グアノシン3',5'-一リン酸ホスホジエステラーゼ(cGMP-PDE)および環状アデノシン3',5'-一リン酸ホスホジエステラーゼ(cAMP-PDE)の選択的または非選択的阻害剤のことをいう。
【0032】
「血小板減少剤」とは、任意の数の潜在的機序を介した血中血栓の形成を妨害する化合物のことをいう。血小板減少剤としては、線維素溶解薬、抗血液凝固剤および血小板機能の任意の阻害剤が挙げられるが、これらに限定されることはない。血小板機能の阻害剤としては、成熟血小板がその正常の生理学的役割(すなわち、例えば、細胞性および非細胞性物質(entities)への接着、凝集、増殖因子などの因子の放出のようなその正常機能)等を果たす能力を損なう薬剤が挙げられる。
【0033】
「プロトンポンプ阻害剤」とは、胃壁細胞の分泌表面でH+/K+-ATPアーゼ酵素系を阻害することにより胃酸分泌を可逆的または不可逆的に阻止する任意の化合物のことをいう。
【0034】
「NSAID」とは、非ステロイド性抗炎症化合物または非ステロイド性抗炎症薬を指す。NSAIDは、プロスタグランジンの生合成を担当する酵素であるシクロオキシゲナーゼを阻害し、ある種のオータコイド阻害剤は、 (シクロオキシゲナーゼ-1およびシクロオキシゲナーゼ-2を含むがこれらに限定されない)種々のアイソザイムのシクロオキシゲナーゼの阻害剤、ならびにシクロオキシゲナーゼおよびリポキシゲナーゼの両方の阻害剤を含む。
【0035】
「シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)選択的阻害剤」とは、シクロオキシゲナーゼ-1酵素よりもシクロオキシゲナーゼ-2酵素を選択的に阻害する化合物を指す。一つの態様において、本発明の化合物は、ヒト全血COX-2アッセイにおいてシクロオキシゲナーゼ-2 IC50が約2μM未満で、シクロオキシゲナーゼ-1 IC50が約5μMより多く(Brideauら、Inflamm Res., 45: 68-74 (1996)に記載のとおり)、またシクロオキシゲナーゼ-1阻害に対するシクロオキシゲナーゼ-2阻害の選択性の割合が少なくとも10、好ましくは少なくとも40である。別の態様において、本発明の化合物はシクロオキシゲナーゼ-1 IC50が約1μMより多く、好ましくは20μMより多い。本発明の化合物は、リポキシゲナーゼ酵素も阻害することができる。このような選択性は、一般的なNSAIDに誘導される副作用の発現頻度を低下させることができることを示しうる。
【0036】
「患者」とは、動物、好ましくは哺乳類、最も好ましくはヒトをいい、男性および女性、ならびに小児および成人を含む。
【0037】
「治療的に有効な量」とは、意図された目的を達成するのに有効な化合物および/または組成物の量を指す。
【0038】
「経皮的」とは、皮膚を介して血流中に化合物を流入させることによる化合物の送達を指す。
【0039】
「経粘膜」とは、粘膜組織を介して血流中に化合物を流入させることによる化合物の送達を指す。
【0040】
「透過性の増加」または「浸透性の増加」とは、化合物が皮膚または粘膜組織を浸透する速度が増加するように、選択した薬学的に活性な化合物に対する皮膚または粘膜組織での透過性の増加を指す。
【0041】
「担体」または「賦形剤」は、化合物の投与に好適な担体物質をいい、無毒性で、組成物の任意の成分と有害となるように相互作用しない、例えば、任意の液体、ゲル、溶媒、希釈液、溶解剤等の当技術分野において公知の任意のこのような物質を含む。
【0042】
「徐放性」とは、化合物の血中濃度がある期間に渡って所望の範囲内に維持される、化合物および/または組成物の放出を指す。この徐放性製剤は、所望の徐放性特性を得るために、当業者に公知である任意の従来の方法を使用して調製することができる。
【0043】
「酸化窒素増強」とは、生理的条件下で内因性酸化窒素を増大できる化合物および官能基のことをいう。酸化窒素増強化合物は、酸化窒素放出化合物、酸化窒素供給化合物、酸化窒素供与体、ラジカル捕捉性化合物および/または活性酸素種捕捉化合物を含むが、これらに限定されることはない。一つの態様では、ラジカル捕捉性化合物はニトロキシド基を含む。
【0044】
「ニトロキシド基」とはスーパーオキシド・ジスムターゼ(superoxide dimutase)およびカタラーゼを模倣する能力を有する化合物であって、安定なアミノキシルラジカル、すなわちN-オキシドを介しラジカル捕捉剤として作用する化合物のことをいう。
【0045】
「酸化窒素付加物」または「NO付加物」とは、生理的条件下で、一酸化窒素の三つの酸化還元型(NO+、NO-、NO・)のいずれかを、一酸化窒素種の生物活性が意図された作用部位で発現されるように、供与し、放出し、および/または直接的にもしくは間接的に転移しうる化合物および官能基のことをいう。
【0046】
「酸化窒素放出」または「酸化窒素供与」とは、一酸化窒素の三つの酸化還元型(NO+、NO-、NO・)のいずれかを、一酸化窒素種の生物活性が意図された作用部位で発現されるように、供与する、放出する、および/または直接的にもしくは間接的に転移する方法のことをいう。
【0047】
「酸化窒素供与体」または「NO供与体」とは、一酸化窒素種を供与する、放出するおよび/または直接的にもしくは間接的に転移する、ならびに/あるいはインビボで酸化窒素または内皮由来血管弛緩因子(EDRF)の体内産生を刺激するならびに/あるいはインビボで酸化窒素またはEDRFの体内レベルを高めるならびに/あるいは酸化されて酸化窒素を産生するならびに/あるいは酸化窒素シンターゼおよび/またはチトクロムP450に対する基質である化合物のことをいう。「NO供与体」は同様に、L-アルギニンの前駆物質、酵素アルギナーゼの阻害剤および酸化窒素メディエータである化合物を含む。
【0048】
「複素環式の酸化窒素供与体」とは、二つまたは三つの窒素原子および少なくとも一つの酸素原子を含む三置換5員環のことをいう。複素環式の酸化窒素供与体は、複素環の分解により一酸化窒素種を供与するおよび/または放出することができる。例示的な複素環式の酸化窒素供与体としては、オキサトリアゾール-5-オン、オキサトリアゾール-5-イミン、シドノンイミン、フロキサンなどが挙げられる。
【0049】
「アルキル」とは、本明細書において規定する、低級アルキル基、置換低級アルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、架橋シクロアルキル基、シクロアルキル基、または複素環を指す。アルキル基はまた、例えばシクロアルキルアルキル基または複素環アルキル基等の1つまたは複数のラジカル種を含んでもよい。
【0050】
「低級アルキル」とは、炭素原子数1〜約10(好ましくは、炭素原子数1〜約8、さらに好ましくは炭素原子数1〜約6)の分岐鎖状または直鎖状非環式アルキル基を指す。例示的な低級アルキル基にはメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、ペンチル、ネオペンチル、イソ-アミル、ヘキシル、オクチル等が挙げられる。
【0051】
「置換低級アルキル」とは、1つまたは複数の水素原子が1つまたは複数のR100基で置換されている、本明細書において規定する低級アルキル基を指し、式中、各R100は、独立に、本明細書において規定する、ヒドロキシ、エステル、アミジル、オキソ、カルボキシル、カルボキサミド、ハロ、シアノ、硝酸塩、亜硝酸塩、チオニトラート(thionitrate)、チオニトリト(thionitrite)またはアミノ基である。
【0052】
「ハロアルキル」とは、本明細書において規定する1つまたは複数のハロゲンが付加する、本明細書において規定する低級アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、架橋シクロアルキル基、シクロアルキル基、または複素環を指す。例示的なハロアルキル基には、トリフルオロメチル、クロロメチル、2-ブロモブチル、1-ブロモ-2-クロロ-ペンチル等が挙げられる。
【0053】
「アルケニル」とは、1つまたは複数の炭素-炭素二重結合を含んでもよい分岐鎖状または直鎖状C2〜C10炭化水素(好ましくはC2〜C8炭化水素、さらに好ましくはC2〜C6炭化水素)を指す。例示的なアルケニル基には、プロピレニル、ブテン-1-イル、イソブテニル、ペンテン-1-イル、2,2-メチルブテン-1-イル、3-メチルブテン-1-イル、ヘキサン-1-イル、ヘプテン-1-イル、オクテン-1-イル等が挙げられる。
【0054】
「低級アルケニル」とは、炭素-炭素二重結合を1つまたは2つ含んでもよい分岐鎖状または直鎖状C2〜C4炭化水素を指す。
【0055】
「置換アルケニル」とは、1つまたは複数の水素原子が1つまたは複数のR100基で置換されている、1つまたは複数の炭素-炭素二重結合を含んでもよい分岐鎖状または直鎖状C2〜C10炭化水素(好ましくはC2〜C8炭化水素、さらに好ましくはC2〜C6炭化水素)を指し、式中、各R100は、独立に本明細書において規定する、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシル、カルボキサミド、ハロ、シアノ、アミノ基である。
【0056】
「アルキニル」とは、1つまたは複数の炭素-炭素三重結合を含んでもよい不飽和非環式C2〜C10炭化水素(好ましくはC2〜C8炭化水素、さらに好ましくはC2〜C6炭化水素)を指す。例示的なアルキニルには、エチニル、プロピニル、ブチン-1-イル、ブチン-2-イル、ペンチル-1-イル、ペンチル-2-イル、3-メチルブチン-1-イル、ヘキシル-1-イル、ヘキシル-2-イル、ヘキシル-3-イル、3,3-ジメチル-ブチン-1-イル等が挙げられる。
【0057】
「架橋シクロアルキル」とは、2つ以上のシクロアルキル基、複素環基または隣接もしくは非隣接原子を介して融合されるその組み合わせを指す。架橋シクロアルキル基は、独立にアルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、ハロ、カルボキシル、アルキルカルボン酸、アリール、アミジル、エステル、アルキルカルボン酸エステル、カルボキサミド、アルキルカルボキサミド、オキソおよびニトロから選択される1つ、2つまたは3つの置換基で置換されていても置換されていなくてもよい。例示的な架橋シクロアルキル基にはアダマンチル、デカヒドロナフチル、キヌクリジル(quinuclidyl)、2,6-ジオキサビシクロ(3.3.0)オクタン、7-オキサビシクロ(2.2.1)ヘプチル、8-アザビシクロ(3,2,1)オクト-2-エニル等が挙げられる。
【0058】
「シクロアルキル」とは、炭素原子数約3〜約10を含む飽和または不飽和の環式炭化水素を指す。シクロアルキル基は、独立にアルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アリール、アミジル、エステル、ヒドロキシ、ハロ、カルボキシル、アルキルカルボン酸、アルキルカルボン酸エステル、カルボキサミド、アルキルカルボキサミド、オキソ、アルキルスルフィニル、およびニトロから選択される1つ、2つ、または3つの置換基で置換されていなくても置換されていてもよい。例示的なシクロアルキルには、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプタ-1,3-ジエニル等が挙げられる。
【0059】
「複素環または複素環基」とは、1〜約4の炭素原子が1つまたは複数の窒素、酸素、および/または硫黄原子で置換されている、炭素原子数約2〜約10(好ましくは炭素原子数約4〜約6)の飽和または不飽和の環式炭化水素基を指す。硫黄はチオ、スルフィニル、またはスルホニル酸化状態であってもよい。複素環または複素環基は、芳香族炭化水素基と融合してもよい。複素環基は、独立にアルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルチオ、アリールオキシ、アリールチオ、アリールアルキル、ヒドロキシ、オキソ、チアール、ハロ、カルボキシル、カルボン酸エステル、アルキルカルボン酸、アルキルカルボン酸エステル、アリール、アリールカルボン酸、アリールカルボン酸エステル、アミジル、エステル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキルスルフィニル、カルボキサミド、アルキルカルボキサミド、アリールカルボキサミド、スルホン酸、スルホン酸エステル、スルホンアミドニトレート、およびニトロから選択される1つ、2つ、または3つの置換基で置換されていなくても置換されていてもよい。例示的な複素環基には、ピロリル、フリル、チエニル、3-ピロリニル、4,5,6-トリヒドロ-2H-ピラニル、ピリジニル、1,4-ジヒドロピリジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、インドリル、チオフェニル、フラニル、テトラヒドロフラニル、テトラゾリル、ピロリニル、ピロリンジニル、オキサゾリジニル(oxazolindinyl)1,3-ジオキソラニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル(imidazolindinyl)、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、2H-ピラニル、4H-ピラニル、ピペリジニル、1,4-ジオキサニル、モルホリニル、1,4-ジチアニル、チオモルホリニル、ピラジニル、ピペラジニル、1,3,5-トリアジニル、1,3,5-トリチアニル、ベンゾ(b)チオフェニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリニル、キノリニル、2,6-ジオキサビシクロ(3.3.0)オクタン等が挙げられる。
【0060】
「複素環化合物」とは、少なくとも1つのアリールまたは複素環を含む単環式および多環式化合物を指す。
【0061】
「アリール」とは、1つまたは2つの芳香環を含む単環系、二環系、炭素環系または複素環系を指す。例示的なアリール基には、フェニル、ピリジル、ナフチル、キノイル(quinoyl)、テトラヒドロナフチル、フラニル、インダニル、インデニル、インドイル(indoyl)等が挙げられる。アリール基は(二環式アリール基を含む)、独立にアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、ハロ、シアノ、アルキルスルフィニル、ヒドロキシ、カルボキシル、カルボン酸エステル、アルキルカルボン酸、アルキルカルボン酸エステル、アリール、アリールカルボン酸、アリールカルボン酸エステル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミジル、エステル、カルボキサミド、アルキルカルボキサミド、カルボニル、スルホン酸、スルホン酸エステル、スルホンアミド、およびニトロから選択される1つ、2つ、または3つの置換基で置換されていなくても置換されていてもよい。例示的な置換アリール基には、テトラフルオロフェニル、ペンタフルオロフェニル、スルホンアミド、アルキルスルホニル、アリールスルホニル等が挙げられる。
【0062】
「シクロアルケニル」とは、1つまたは複数の炭素-炭素三重結合を含みうる不飽和環式C2〜C10炭化水素(好ましくはC2〜C8炭化水素、さらに好ましくはC2〜C6炭化水素)を指す。
【0063】
「アルキルアリール」とは、本明細書において規定するアリール基が付加されている本明細書において規定するアルキル基を指す。例示的なアルキルアリール基には、ベンジル、フェニルエチル、ヒドロキシベンジル、フルオロベンジル、フルオロフェニルエチル等が挙げられる。
【0064】
「アリールアルキル」とは、本明細書において規定するアルキル基に結合している本明細書において規定するアリール基を指す。例示的なアリールアルキル基には、ベンジル、フェニルエチル、4-ヒドロキシベンジル、3-フルオロベンジル、2-フルオロフェニルエチル等が挙げられる。
【0065】
「アリールアルケニル」とは、本明細書において規定するアルケニル基に結合している本明細書において規定するアリール基を指す。例示的なアリールアルケニル基には、スチリル、プロペニルフェニル等が挙げられる。
【0066】
「シクロアルキルアルキル」とは、本明細書において規定するアルキル基に結合している本明細書において規定するシクロアルキル基を指す。
【0067】
「シクロアルキルアルコキシ」とは、本明細書において規定するアルコキシ基に結合している本明細書において規定するシクロアルキル基がを指す。
【0068】
「シクロアルキルアルキルチオ」とは、本明細書において規定するアルキルチオ基に結合している本明細書において規定するシクロアルキル基を指す。
【0069】
「複素環アルキル」とは、本明細書において規定するアルキル基に結合している本明細書において規定する複素環基を指す。
【0070】
「アリール複素環」とは、本明細書において規定するアリール環を含む二環式または三環式環が、アリール環の2つの隣接炭素原子を介して、本明細書において規定する複素環に付加しているものを指す。例示的なアリール複素環には、ジヒドロインドール、1,2,3,4-テトラ-ヒドロキノリン等が挙げられる。
【0071】
「アルキル複素環」とは、本明細書において規定するアルキル基に結合した、本明細書において規定する複素環基を指す。例示的なアルキル複素環は2-ピリジルメチル、1-メチルピペリジン-2-オン-3-メチル等を含む。
【0072】
「アルコキシ」とは、R50O-を指し、式中、R50は、本明細書において規定するアルキル基(好ましくは、本明細書において規定する低級アルキル基またはハロアルキル基)である。例示的なアルコキシ基には、メトキシ、エトキシ、t-ブトキシ、シクロペンチルオキシ、トリフルオロメトキシ等が挙げられる。
【0073】
「アリールオキシ」とは、R55O-を指し、式中、R55は、本明細書において規定するアリール基である。例示的なアリールオキシ基には、ナフチルオキシ、キノリルオキシ、イソキノリジニルオキシ等が挙げられる。
【0074】
「アルキルチオ」とは、R50S-を指し、式中、R50は、本明細書において規定するアルキル基である。
【0075】
「低級アルキルチオ」とは、本明細書において規定するチオ基に付加している本明細書において規定する低級アルキル基を指す。
【0076】
「アリールアルコキシ」または「アルコキシアリール」とは、本明細書において規定するアリール基が付加している本明細書において規定するアルコキシ基を指す。例示的なアリールアルコキシ基には、ベンジルオキシ、フェニルエトキシ、クロロフェニルエトキシ等が挙げられる。
【0077】
「アリールアルキルチオ」とは、本明細書において規定するアリール基が付加した本明細書において規定するアルキルチオ基のことをいう。典型的なアリールアルキルチオ基としてはベンジルチオ、フェニルエチルチオ、クロロフェニルエチルチオ等が挙げられる。
【0078】
「アリールアルキルチオアルキル」とは、本明細書において規定するアルキル基が付加した本明細書において規定するアリールアルキルチオ基のことをいう。典型的なアリールアルキルチオ基としてはベンジルチオメチル、フェニルエチルチオメチル、クロロフェニルエチルチオエチル等が挙げられる。
【0079】
「アルキルチオアルキル」とは、本明細書において規定するアルキル基が付加した本明細書において規定するアルキルチオ基のことをいう。典型的なアルキルチオアルキル基としてはアリルチオメチル、エチルチオメチル、トリフルオロエチルチオメチル等が挙げられる。
【0080】
「アルコキシアルキル」とは、本明細書において規定するアルキル基に付加している本明細書において規定するアルコキシ基を指す。例示的なアルコキシアルキル基には、メトキシメチル、メトキシエチル、イソプロポキシメチル等が挙げられる。
【0081】
「アルコキシハロアルキル」とは、本明細書において規定するハロアルキル基に付加している本明細書において規定するアルコキシ基を指す。例示的なアルコキシハロアルキル基には、4-メトキシ-2-クロロブチル等が挙げられる。
【0082】
「シクロアルコキシ」とは、R54O-を指し、式中、R54は、本明細書において規定するシクロアルキル基または架橋シクロアルキル基である。例示的なシクロアルコキシ基には、シクロプロピルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロへキシルオキシ等が挙げられる。
【0083】
「シクロアルキルチオ」とは、R54S-を指し、式中、R54は、本明細書において規定するシクロアルキル基または架橋シクロアルキル基である。例示的なシクロアルキルチオ基には、シクロプロピルチオ、シクロペンチルチオ、シクロへキシルチオ等が挙げられる。
【0084】
「ハロアルコキシ」とは、1つまたは複数のアルコキシ基の水素原子が、本明細書において規定するハロゲンで置換されている、本明細書において規定するアルコキシ基を指す。例示的なハロアルコキシ基には、1,1,1-トリクロロエトキシ、2-ブロモブトキシ等が挙げられる。
【0085】
「ヒドロキシ」とは、-OHを指す。
【0086】
「オキシ」とは、-O-を指す。
【0087】
「オキソ」とは、=Oを指す。
【0088】
「オキシレート」とは、-O-R77+を指し、式中、R77は、有機または無機陽イオンである。
【0089】
「チオール」とは、-SHを指す。
【0090】
「チオ」とは、-S-を指す。
【0091】
「オキシム」とは、=N-OR81を指し、式中、R81は、水素、アルキル基、アリール基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボン酸エステル、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、カルボキサミド基、アルコキシアルキル基、またはアルコキシアリール基である。
【0092】
「ヒドラゾン」とは、=N-N(R81)(R'81)を指し、式中、R'81は、独立に本明細書において規定されるR81から選択される。
【0093】
「ヒドラジノ」とは、H2N-N(H)-を指す。
【0094】
「有機陽イオン」とは、正に荷電した有機イオンを指す。例示的な有機陽イオンには、アルキル置換アンモニウム陽イオン等が挙げられる。
【0095】
「無機陽イオン」とは、正に荷電した金属イオンを指す。例示的な無機陽イオンには、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等のI族金属の陽イオンが挙げられる。
【0096】
「ヒドロキシアルキル」とは、本明細書において規定するアルキル基に付加している本明細書において規定するヒドロキシ基を指す。
【0097】
「硝酸塩」とは、-O-NO2すなわち酸化型の窒素を指す。
【0098】
「亜硝酸塩」とは、-O-NOすなわち酸化型の窒素を指す。
【0099】
「チオニトラート」とは、-S-NO2を指す。
【0100】
「チオニトリト」および「ニトロソチオール」とは、-S-NOを指す。
【0101】
「ニトロ」とは、-NO2基を指し、「ニトロソ化」とは、それによって置換されている化合物を指す。
【0102】
「ニトロソ」とは、-NO基を指し、「ニトロシル化」とは、それによって置換されている化合物を指す。
【0103】
「ニトリル」および「シアノ」とは、-CNを指す。
【0104】
「ハロゲン」または「ハロ」とは、ヨウ素(I)、臭素(Br)、塩素(Cl)、および/またはフッ素(F)を指す。
【0105】
「アミノ」とは、本明細書において規定する-NH2、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルアリールアミノ基、または複素環を指す。
【0106】
「アルキルアミノ」とは、R50NH-を指し、式中、R50は、本明細書において規定するアルキル基である。例示的なアルキルアミノ基には、メチルアミノ、エチルアミノ、ブチルアミノ、シクロへキシルアミノ等が挙げられる。
【0107】
「アリールアミノ」とは、R55NH-を指し、式中、R55は、本明細書において規定するアリール基である。
【0108】
「ジアルキルアミノ」とは、R52R53N-を指し、式中、R52およびR53は、各々独立に、本明細書において規定するアルキル基である。例示的なジアルキルアミノ基には、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルプロパルギルアミノ(propargylamino)等が挙げられる。
【0109】
「ジアリールアミノ」とは、R55R60N-を指し、式中、R55およびR60は、各々独立に本明細書において規定するアリール基である。
【0110】
「アルキルアリールアミノまたはアリールアルキルアミノ」とは、R52R55N-を指し、式中、R52は、本明細書において規定するアルキル基であり、R55は、本明細書において規定するアリール基である。
【0111】
「アルキルアリールアルキルアミノ」とは、R52R79N-を指し、式中、R52は、本明細書において規定するアルキル基であり、R79は、本明細書において規定するアリールアルキル基である。
【0112】
「アルキルシクロアルキルアミノ」とは、R52R80N-を指し、式中、R52は、本明細書において規定するアルキル基であり、R80は、本明細書において規定するシクロアルキル基である。
【0113】
「アミノアルキル」とは、本明細書において規定するアルキルに付加している本明細書において規定するアミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルアリールアミノ基、または複素環を指す。例示的なアミノアルキル基には、ジメチルアミノプロピル、ジフェニルアミノシクロペンチル、メチルアミノメチル等が挙げられる。
【0114】
「アミノアリール」とは、アルキルアミノ基、アリールアミノ基またはアリールアルキルアミノ基に付加しているアリール基を指す。例示的なアミノアリール基には、アニリノ、N-メチルアニリノ、N-ベンジルアニリノ等が挙げられる。
【0115】
「チオ」とは、-S-を指す。
【0116】
「スルフィニル」とは、-S(O)-を指す。
【0117】
「メタンチアル」とは、-C(S)-を指す。
【0118】
「チアル」とは、=Sを指す。
【0119】
「スルホニル」とは、-S(O)2-を指す。
【0120】
「スルホン酸」とは、-S(O)2OR76を指し、式中、R76は、本明細書において規定する水素、有機陽イオンまたは無機陽イオンである。
【0121】
「アルキルスルホン酸」とは、本明細書において規定するアルキル基に付加している本明細書において規定するスルホン酸基を指す。
【0122】
「アリールスルホン酸」とは、本明細書において規定するアリール基に付加している本明細書において規定するスルホン酸基を指す。
【0123】
「スルホン酸エステル」とは、-S(O)2OR58を指し、式中、R58は、本明細書において規定するアルキル基、アリール基、またはアリール複素環である。
【0124】
「スルホンアミド」とは、-S(O)2-N(R51)(R57)を指し、式中、R51およびR57は、各々独立に本明細書において規定する水素原子、アルキル基、アリール基、もしくはアリール複素環であるか、またはR51およびR57は、一体として本明細書において規定する複素環、シクロアルキル基、もしくは架橋シクロアルキル基である。
【0125】
「アルキルスルホンアミド」とは、本明細書において規定するアルキル基に付加している本明細書において規定するスルホンアミド基を指す。
【0126】
「アリールスルホンアミド」とは、本明細書において規定するアリール基に付加している本明細書において規定するスルホンアミド基を指す。
【0127】
「アルキルチオ」とは、R50S-を指し、式中、R50は、本明細書において規定するアルキル基(好ましくは、本明細書において規定する低級アルキル基)である。
【0128】
「アリールチオ」とは、R55S-を指し、式中、R55は、本明細書において規定するアリール基である。
【0129】
「アリールアルキルチオ」とは、本明細書において規定するアルキルチオ基に付加している本明細書において規定するアリール基を指す。
【0130】
「アルキルスルフィニル」とは、R50-S(O)-を指し、式中、R50は、本明細書において規定するアルキル基である。
【0131】
「アルキルスルホニル」とは、R50-S(O)2-を指し、式中、R50は、本明細書において規定するアルキル基である。
【0132】
「アルキルスルホニルオキシ」とは、R50-S(O)2-O-を指し、式中、R50は、本明細書において規定するアルキル基である。
【0133】
「アリールスルフィニル」とは、R55-S(O)-を指し、式中、R55は、本明細書において規定するアリール基である。
【0134】
「アリールスルホニル」とは、R55-S(O)2-を指し、式中、R55は、本明細書において規定するアリール基である。
【0135】
「アリールスルホニルオキシ」とは、R55-S(O)2-O-を指し、式中、R55は、本明細書において規定するアリール基である。
【0136】
「アミジル」とは、R51C(O)N(R57)-を指し、式中、R51およびR57は、各々独立に本明細書において規定する水素原子、アルキル基、アリール基、またはアリール複素環である。
【0137】
「エステル」とは、R51C(O)R76-を指し、式中、R51は、本明細書において規定する水素原子、アルキル基、アリール基またはアリール複素環であり、R76は、酸素または硫黄である。
【0138】
「カルバモイル」とは、-O-C(O)N(R51)(R57)を指し、式中、R51およびR57は、各々独立に本明細書において規定する水素原子、アルキル基、アリール基、もしくはアリール複素環であるか、またはR51およびR57は一体として、本明細書において規定する複素環、シクロアルキル基、もしくは架橋シクロアルキルである。
【0139】
「カルボキシル」とは、-C(O)OR76を指し、式中、R76は、本明細書において規定する水素、有機陽イオン、または無機陽イオンである。
【0140】
「カルボニル」とは、-C(O)-を指す。
【0141】
「アルキルカルボニル」とは、R52-C(O)-を指し、式中、R52は、本明細書において規定するアルキル基である。
【0142】
「アリールカルボニル」とは、R55-C(O)-を指し、式中、R55は、本明細書において規定するアリール基である。
【0143】
「アリールアルキルカルボニル」とは、R55-R52-C(O)-を指し、式中、R55は、本明細書において規定するアリール基であり、R52は、本明細書において規定するアルキル基である。
【0144】
「アルキルアリールカルボニル」とは、R52-R55-C(O)-を指し、式中、R55は、本明細書において規定するアリール基であり、R52は、本明細書において規定するアルキル基である。
【0145】
「複素環アルキルカルボニル」とは、R78C(O)-を指し、式中、R78は、本明細書において規定する複素環アルキル基である。
【0146】
「カルボン酸エステル」とは、-C(O)OR58を指し、式中、R58は、本明細書において規定するアルキル基、アリール基またはアリール複素環である。
【0147】
「アルキルカルボン酸」および「アルキルカルボキシル」とは、本明細書において規定するカルボキシル基に付加している本明細書において規定するアルキル基を指す。
【0148】
「アルキルカルボン酸エステル」とは、本明細書において規定するカルボン酸エステル基に付加している本明細書において規定するアルキル基を指す。
【0149】
「アルキルエステル」とは、本明細書において規定するエステル基に付加している本明細書において規定するアルキル基を指す。
【0150】
「アリールカルボン酸」とは、本明細書において規定するカルボキシル基に付加している本明細書において規定するアリール基を指す。
【0151】
「アリールカルボン酸エステル」および「アリールカルボキシル」とは、本明細書において規定するカルボン酸エステル基に付加している本明細書において規定するアリール基を指す。
【0152】
「アリールエステル」とは、本明細書において規定するエステル基に付加している本明細書において規定するアリール基を指す。
【0153】
「カルボキサミド」とは、-C(O)N(R51)(R57)を指し、式中、R51およびR57は、各々独立に本明細書において規定する水素原子、アルキル基、アリール基、もしくはアリール複素環であるか、またはR51およびR57は一体として、本明細書において規定する複素環、シクロアルキル基、もしくは架橋シクロアルキルである。
【0154】
「アルキルカルボキサミド」とは、本明細書において規定するカルボキサミド基に付加している本明細書において規定するアルキル基を指す。
【0155】
「アリールカルボキサミド」とは、本明細書において規定するカルボキサミド基に付加している本明細書において規定するアリール基を指す。
【0156】
「尿素」とは、-N(R59)-C(O)N(R51)(R57)を指し、式中、R51、R57、およびR59は、各々独立に本明細書において規定する水素原子、アルキル基、アリール基、もしくはアリール複素環であるか、またはR51およびR57は一体として、本明細書において規定する複素環、シクロアルキル基、もしくは架橋シクロアルキルである。
【0157】
「ホスホリル」とは、-P(R70)(R71)(R72)を指し、式中、R70は、孤立電子対、チアール、またはオキソであり、R71およびR72は、各々独立に、本明細書において規定する共有結合、水素、低級アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、ヒドロキシ、オキシ、またはアリールである。
【0158】
「シリル」とは-Si(R73)(R74)(R75)のことを指し、式中R73、R74およびR75はそれぞれ独立して、本明細書において規定する共有結合、低級アルキル、アルコキシ、アリールまたはアリールアルコキシである。
【0159】
「有機酸」とは、少なくとも一つの炭素原子およびプロトンを塩基性基に放出できる一つまたは複数の官能基を有する化合物のことを指す。有機酸はカルボキシル、スルホン酸またはリン酸部分(moeity)を含むことが好ましい。例示的な有機酸としては酢酸、安息香酸、クエン酸、カンファースルホン酸、メタンスルホン酸、タウロコール酸、クロルドロニック酸(chlordronic acid)、グリホスフェート、メドロン酸などが挙げられる。
【0160】
「無機酸」とは、少なくとも一つの炭素原子を含まない化合物であって、プロトンを塩基性基に放出できる化合物のことを指す。例示的な無機酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などが挙げられる。
【0161】
「有機塩基」とは、プロトンを酸性基から受容できる一つまたは複数の官能基を有する炭素含有化合物を指す。有機塩基はアミン基を含むことが好ましい。例示的な有機塩基としてはトリエチルアミン、ベンジルジエチルアミン、ジメチルエチルアミン、イミダゾール、ピリジン、ピピリジン(pipyridine)などが挙げられる。
【0162】
本発明の化合物および組成物は、チアジド(例えば、アルチアジド、ベンドロフルメチアジド、ベンズクロルトリアジド、ベンズヒドロクロロチアジド、ベンズチアジド、ブチアジド、クロロチアジド、シクロペンチアジド(cyclopenethiazide)、シクロチアジド、エピチアジド、エチアジド、ヒドロベンズチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、メチルクロチアジド、メチルシクロチアジド、ペンフルタジド、ポリチアジド、テクロチアジド、トリクロルメチアジド、トリフルメタジドなどのような); アリルセム、アンブシド、アミロリド、アミノメトラジン、アゾセミド、ベメチジド、ブメタニド、ブタゾールアミド、ブチジド、カンレノン、カルペリチド、クロルアミノフェナミド(chloraminophenamide)、クロラザニル、クロルメロドリン、クロルタリドン、シクレタニド、クロフェナミド、クロパミド、クロレキソロン、コニバプタン、ダグルトリル(daglutril)、ジクロロフェナミド、ジスルファミド、エタクリン酸、エトクスゾラミド、エトゾロン、フェノールドパム、フェンキゾン、フロセミド、インダパミド、メブチジド、メフルシド、メラルライド、メルカプトメリンナトリウム、マーキュマリル酸(mercumallylic acid)、メルサリル、メタゾラミド、メチクラン(meticane)、メトラゾン、モザバプタン、ムゾリミン、N-(5-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)アセトアミド、ネシリチド、パマブロム、パラフルチジド、ピレタニド、プロテオブロミン(protheobromine)、キネタゾン、スコパリウス、スピロノラクトン、テオブロミン、チクリナフェン、トルセミド、トルバプタン、トリアムテレン、トリパミド、ウラリチド、キシパミド、カリウム、AT 189000、AY 31906、BG 9928、BG 9791、C 2921、DTI 0017、JDL 961、KW 3902、MCC 134、SLV 306、SR 121463、WAY 140288、ZP 120などを含むが、これらに限定されない、利尿薬である。企図される利尿化合物はGoodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, (1996); CD-ROM版のMerck Index, 第13版; STN Express, file phar and file registryの中などの、文献の中にさらに詳細に記述されており、これらの各々の開示はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0163】
本発明の利尿化合物は、酸素(ヒドロキシル縮合)、硫黄(スルフヒドリル縮合)および/または窒素などの一つまたは複数の部位を介して利尿化合物に連結される少なくとも一つの複素環式の酸化窒素供与体基で置換される。複素環式の酸化窒素供与体基を含む利尿化合物は本発明の通りであり、および/または以下に例示されるものを含めて、本発明の組成物に含まれる。複素環式の酸化窒素供与体はフロキサン、シドノンイミン、オキサトリアゾール-5-オンおよび/またはオキサトリアゾール-5-イミンであることが好ましい。
【0164】
別の態様では、本発明は、式(I)の複素環式の酸化窒素供与体基を含む利尿化合物および薬学的に許容されるその塩について記述する。

式中:
X2は-C(O)-または-S(O)2であり;
Y2は塩素またはCF3であり;
-V2-U2-W2-は以下であり:
(i) -N(D1)-(C(Rq)(Rr))-N(D1)-;
(ii) -N=C(Rq))-N(D1)-; または
(iii) -N(D1)-(C(Rq)(Rr))-N(Rq)-;
RqおよびRrは各出現時において独立して水素、低級アルキル基、置換アルキル基、ベンジル基、アリール基、アルキルアリール基、-CH2-S-CH-CH=CH2; -CH2-S-CF3または-CH2-S-CH2-C6H5であり;
D1は水素、V3またはKであり;
Kは-(W)a-Eb-(C(Re)(Rf))p1-Ec-(C(Re)(Rf))x-(W)d-(C(Re)(Rf))y-(W)i-Ej-(W)g-(C(Re)(Rf))z-V4であり;
a、b、c、d、g、iおよびjはそれぞれ独立して0から3の整数であり;
p1、x、yおよびzはそれぞれ独立して0から10の整数であり;
V4はV3、Reまたは-U3-V5であり;
V3は以下であり:


R24は-C6H4R27、-CN、-S(O)2-C6H4R27、-C(O)-N(Ra)(Ri)、-NO2または-C(O)-OR25であり;
R25はアルキル基またはアリール基であり;
R26は-C(O)-または-S(O)2-であり;
R27は水素、-CN、-S(O)2-R25、-C(O)-N(Ra)(Ri)、-NO2または-C(O)-OR25であり;
T'は酸素、硫黄またはNR6であり;
R6は水素、低級アルキル基、アリール基であり;
Wは各出現時において独立して-C(O)-、-C(S)-、-T3-、-(C(Re)(Rf))h-、-N(Ra)Ri、アルキル基、アリール基、複素環、アリール複素環、-(CH2CH2O)q1-または複素環式の酸化窒素供与体であり;
Eは各出現時において独立して-T3-、アルキル基、アリール基、-(C(Re)(Rf))h-、複素環、アリール複素環、-(CH2CH2O)ql-またはY3であり;
Y3は以下であり:

Tは-S(O)o-; カルボニルまたは共有結合であり;
oは0から2の整数であり;
RjおよびRkはアルキル基、アリール基から独立して選択され、またはRjおよびRkはこれらが結合している窒素原子と一緒になって複素環であり;
T3は各出現時において独立して共有結合、カルボニル、酸素、-S(O)o-または-N(Ra)Riであり;
hは1から10の整数であり;
q1は1から5の整数であり;
ReおよびRfはそれぞれ独立して水素、アルキル、シクロアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アリール複素環、アルキルアリール、アルキルシクロアルキル、アルキル複素環、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルチオ、アリールアルキルチオ(arylalklythio)、アリールアルキルチオアルキル(arylalklythioalkyl)、アルキルチオアルキル、シクロアルケニル、複素環アルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アルコキシハロアルキル、スルホン酸、スルホン酸エステル、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、アリールアルコキシ、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、アミノアルキル、アミノアリール、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、カルボキサミド、アルキルカルボキサミド、アリールカルボキサミド、アミジル、カルボキシル、カルバモイル、アルキルカルボン酸、アリールカルボン酸、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、エステル、カルボン酸エステル、アルキルカルボン酸エステル、アリールカルボン酸エステル、スルホンアミド、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニル、アリールスルホニルオキシ、スルホン酸エステル、アルキルエステル、アリールエステル、尿素、ホスホリル、ニトロ、-U3-V5、-C(RO)(Rp)kl-U3-V5であり、またはReおよびRfはこれらが結合している炭素と一緒になってカルボニル、メタンチアル(methanthial)、複素環、シクロアルキル基、アリール基、オキシム、イミン、ヒドラゾンもしくは架橋シクロアルキル基を形成し;
ROおよびRPはそれぞれ独立して水素、アルキル、シクロアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アリール複素環、アルキルアリール、アルキルシクロアルキル、アルキル複素環、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルチオ、アリールアルキルチオ(arylalklythio)、アリールアルキルチオアルキル(arylalklythioalkyl)、アルキルチオアルキル、シクロアルケニル、複素環アルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アルコキシハロアルキル、スルホン酸、スルホン酸エステル、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、アリールアルコキシ、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、アミノアルキル、アミノアリール、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、カルボキサミド、アルキルカルボキサミド、アリールカルボキサミド、アミジル、カルボキシル、カルバモイル、アルキルカルボン酸、アリールカルボン酸、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、エステル、カルボン酸エステル、アルキルカルボン酸エステル、アリールカルボン酸エステル、スルホンアミド、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニル、アリールスルホニルオキシ、スルホン酸エステル、アルキルエステル、アリールエステル、尿素、ホスホリル、ニトロ、-U3-V5であり、またはROおよびRPはこれらが結合している炭素と一緒になってカルボニル、メタンチアル、複素環、シクロアルキル基、アリール基、オキシム、イミン、ヒドラゾンもしくは架橋シクロアルキル基を形成し;
U3は酸素、硫黄または-N(Ra)Riであり;
V5は-NOまたは-NO2であり;
klは1から3の整数であり;
Raは孤立電子対、水素またはアルキル基であり;
Riは水素、アルキル、アリール、アルキルカルボン酸、アリールカルボン酸、アルキルカルボン酸エステル、アリールカルボン酸エステル、アルキルカルボキサミド、アリールカルボキサミド、アルキルアリール、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、アリールスルホニルオキシ、スルホンアミド、カルボキサミド、カルボン酸エステル、アミノアルキル、アミノアリール、-CH2-C-(U3-V5)(Re)(Rf)、隣接原子との結合であってその原子に二重結合をもたらす結合、M1+が有機または無機陽イオンである-(N2O2-)・M1+であり;
但し式(I)の利尿化合物は、酸素原子、窒素原子または硫黄原子を通じて利尿化合物に連結される少なくとも一つの複素環式の酸化窒素供与体基を含まなければならないという条件である。
【0165】
配列中に存在する多数の変数の意味が「共有結合」として選択される場合、または選択される整数が0である場合には、その意図は、一つのラジカルを別のラジカルに接続する一つの共有結合を示すということである。例えば、E0は共有結合を意味するが、E2は(E-E)を意味し、(C(R4)(R4))2は-C(R4)(R4)-C(R4)(R4)-を示す。
【0166】
本発明の別の態様では、式(II)の複素環式の酸化窒素供与体基を含む利尿化合物および薬学的に許容されるその塩について記述する。

式中:
X4は以下であり:

Z4は以下であり:

Y4は以下であり:

;
W4は以下であり:

;
DはV3またはKであり;
V4はチオ基または酸素原子であり; および
D1、Y2、V3およびKは本明細書において規定される通りであり;
但し式(II)の利尿化合物は、酸素原子、窒素原子または硫黄原子を通じて利尿化合物に連結される少なくとも一つの複素環式の酸化窒素供与体基を含まなければならないという条件である。
【0167】
本発明の別の態様では、式(III)の複素環式の酸化窒素供与体基を含む利尿化合物および薬学的に許容されるその塩について記述する。

式中:
X3は以下であり:


Kは本明細書において規定される通りであり;
但し式(III)の複素環式の利尿化合物は、酸素原子、窒素原子または硫黄原子を通じて利尿化合物に連結される少なくとも一つの複素環式の酸化窒素供与体基を含まなければならないという条件である。
【0168】
本発明の他の態様では、式(I)の化合物は複素環式の酸化窒素供与体アルチアジド、複素環式の酸化窒素供与体ベンドロフルメチアジド、複素環式の酸化窒素供与体ベンズチアジド、複素環式の酸化窒素供与体ブチアジド、複素環式の酸化窒素供与体クロロチアジド、複素環式の酸化窒素供与体シクロチアジド、複素環式の酸化窒素供与体エチアジド、複素環式の酸化窒素供与体フェンキゾン、複素環式の酸化窒素供与体ヒドロクロロチアジド、複素環式の酸化窒素供与体ヒドロフルメチアジド、複素環式の酸化窒素供与体メチクロチアジド(methyclothiazide)、複素環式の酸化窒素供与体メトラゾン、複素環式の酸化窒素供与体パラフルチジド、複素環式の酸化窒素供与体ポリチアジド、複素環式の酸化窒素供与体キネタゾン、複素環式の酸化窒素供与体テクロチアジド、複素環式の酸化窒素供与体トリクロルメチアジド、および薬学的に許容されるその塩であり; 式(II)の化合物は複素環式の酸化窒素供与体アンブシド、複素環式の酸化窒素供与体アゾセミド、複素環式の酸化窒素供与体ブメタニド、複素環式の酸化窒素供与体クロルアミノフェナミド、複素環式の酸化窒素供与体クロルタリドン、複素環式の酸化窒素供与体クロフェナミド、複素環式の酸化窒素供与体クロパミド、複素環式の酸化窒素供与体ジスルファミド、複素環式の酸化窒素供与体フロセミド、複素環式の酸化窒素供与体メフルシド、複素環式の酸化窒素供与体ピレタニド、複素環式の酸化窒素供与体キシパミド、および薬学的に許容されるその塩であり; 式(III)の化合物は複素環式の酸化窒素供与体エタクリン酸、複素環式の酸化窒素供与体チクリナフェン、および薬学的に許容されるその塩である。
【0169】
本発明の他の態様では、式(I)の利尿化合物は、複素環式の酸化窒素供与体基を含むクロロチアジドまたは式(IV)の複素環式の酸化窒素供与体基を含むヒドロクロロチアジドまたは薬学的に許容されるその塩であり、および式(II)の利尿化合物は、式(V)の複素環式の酸化窒素供与体基を含むクロルタリドン、式(VI)の複素環式の酸化窒素供与体基を含むフロセミドまたは薬学的に許容されるその塩であって、
式(IV)の化合物が以下であり:

式中、結合a-bは単結合(ヒドロクロロチアジド)または二重結合(クロロチアジド)であってよく;
および式(V)の化合物が以下であり:

および式(VI)の化合物が以下である:

式中、
Rm-Rnは一緒になって水素原子であり; または
Rmは以下であり:
(i) -C-(O)-;
(ii) -C-(O)-NR6;
(iii) -C(O)-O-;
(iv) -C(O)-S;
(v) -CH2-O-;
(vi) -CH(CH3)-O-;
(vii) -N-C(O)-S-;
(viii) -N-C(O)-CH2-; もしくは
(ix) -N-C(O)-O-;
Rnは以下であり:
水素もしくは:



式中:
T'、R24、R25、R26、Rj、Rk、ReおよびRfは本明細書において規定される通りであり;
但し式(IV)、(V)および(VI)の化合物は少なくとも一つの複素環式の酸化窒素供与体基を含まなければならないという条件である。
【0170】
別の態様では、式(VI)の複素環式の酸化窒素供与体基を含むフロセミド化合物または誘導体は、以下である:
安息香酸, 5-(アミノスルホニル)-4-クロロ-2-[(2-フラニルメチル)アミノ]-, (4-メチル-5-オキシド-1,2,5-オキサジアゾール-3-イル)メチルエステル;
安息香酸, 5-(アミノスルホニル)-4-クロロ-2-[(2-フラニルメチル)アミノ]-, 2-[(4-メチル-5-オキシド-1,2,5-オキサジアゾール-3-イル)メトキシ]-2-オキソエチルエステル
安息香酸, 2-アミノ-5-(アミノスルホニル)-4-クロロ-, (4-メチル-5-オキシド-1,2,5-オキサジアゾール-3-イル)メチルエステル; または薬学的に許容されるその塩。
【0171】
一つまたは複数の不斉炭素原子を有する本発明の化合物は、光学的に純粋なエナンチオマー、純粋なジアステレオマー、エナンチオマーの混合物、ジアステレオマーの混合物、エナンチオマーのラセミ混合物、ジアステレオマーのラセミ体またはジアステレオマーのラセミ体の混合物として存在してもよい。本発明はこのような異性体およびそれらの混合物全てを予期しており、本発明の範囲内に含むものと理解されるべきである。
【0172】
本発明の別の態様は、複素環式の酸化窒素供与体基を含む利尿化合物および薬学的に許容されるその塩の代謝産物について記述する。これらの代謝産物は、複素環式の酸化窒素供与体基を含む利尿化合物および薬学的に許容されるその塩の非複素環式の酸化窒素供与体誘導体、分解産物、加水分解産物などを含むが、これらに限定されることはない。
【0173】
本発明の別の態様は、本発明の新規化合物を製造する方法およびこのような方法に有用な中間体を提供する。反応は試薬に適した溶媒中で実施され、使用される材料は変換が行われるのに適している。分子中に存在する官能性は、提案される化学的変換に一致しなければならないことが有機合成分野の当業者には理解されよう。これには、合成段階の順序、必要な保護基および脱保護条件に関する実験者による判断が必要になることがある。出発物質の置換基は、記述される方法のいくつかで必要な反応条件のいくつかに不適合であることもあるが、反応条件に適合する別の方法および置換基は当業者には容易に明らかであろう。硫黄および酸素保護基の使用は、合成手順の間の望ましくない反応からチオール基およびアルコール基を保護するのに周知であり、そのような多くの保護基が知られており、例えば、Greene and Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis、第3版, John Wiley & Sons, New York (1999)により記述されている。
【0174】
本明細書に記述される化学反応は、本発明の化合物の調製のためのその最も広い用途という観点で一般的に開示される。化学反応は、例えば、Smith and March, March's Advanced Organic Chemistry, Reactions, Mechanisms and Structure, 第5版, John Wiley & Sons, New York (2001)によりおよびLarock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers, Inc. (1989)により記述されている。本発明の化合物は、有機合成の当業者に周知のいくつかの方法で合成することができる。化合物は、本明細書に記述される方法を、有機合成化学の技術分野において公知の合成方法とともに用いて、または当業者に公知の従来の改変により、例えば、妨害基(interfering group)の適切な保護により、別の従来の試薬に変更することにより、反応条件の日常的な改変などにより合成することができ、あるいは本明細書に開示されるまたはそれ以外の従来の他の反応が本発明の対応化合物の調製に適用可能であろう。全ての調製方法において、全ての出発物質は公知であるか、または公知の出発物質から容易に調製される。化合物の調製方法は、以下に記述されるものを含むが、これらに限定されることはない。本明細書で引用される全ての参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0175】
当業者は本明細書に記述される方法および例にしたがって、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)および(VI)の化合物を合成することができる。親利尿化合物(すなわち、複素環式の酸化窒素供与体基を含まない利尿化合物)のいくつかは市販されている。親利尿化合物の合成が同様に、例えば、米国特許第2,809,194号、同第2,976,289号、同第3,055,904号、同第3,058,882号、同第3,255,241号、同第3,360,518号、同第3,392,168号、同第3,565,911号、同第3,665,002号、同第3,758,506号、同第3,806,534号、同第4,010,273号、同第4,018,020号、同第6,767,917号の中におよび日本国特許第7305,585号の中におよび独国特許第1,163,332号の中に、ならびにJ. Am. Chem. Soc. 82: 1132 (1960)の中に開示されており、これらの各々の開示はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。当業者に公知の従来法を利用し、親利尿化合物は酸素、硫黄および/または窒素などの一つまたは複数の部位を介して利尿化合物に連結される複素環式の酸化窒素供与体基を含むように置換される。複素環式の酸化窒素供与体基を化合物に連結する公知の方法は、国際公開公報第99/64417号、国際公開公報第94/01422号、欧州特許第0 574 726 A1号、欧州特許第0 683 159 A1号の中に、およびJ. Med. Chem., 47: 2688-2693 (2004); J. Med. Chem., 47: 1840-1846 (2004); J. Med. Chem., 46: 3762-3765 (2003); J. Med. Chem., 46: 747-754 (2003); Chem Rev., 102: 1091-1134 (2002); J. Med. Chem., 42: 1941-1950 (1999); J. Med. Chem., 41: 5393-5401 (1998); J. Med. Chem., 38: 4944-4949 (1995); Arzneim. Forsch. Drug Res., 47 (II): 847-854 (1997)の中に記述されており、これらの各々の開示はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。当業者は本明細書に記述される複素環式の酸化窒素供与体基を含む利尿化合物のいずれかを産生するために、これらの参考文献に記述される化合物に複素環式の酸化窒素供与体基を連結する方法を適合することができる。本発明の複素環式の酸化窒素供与体基を含む利尿化合物は、一酸化窒素(すなわち、酸化窒素)の生物学的活性型を供与するかまたは転移する。
【0176】
本発明で用いるのに企図される化合物、例えば、酸素(ヒドロキシル縮合)、硫黄(スルフヒドリル縮合)および/または窒素などの一つまたは複数の部位を介して連結される、複素環式の酸化窒素供与体基を含む利尿化合物は、任意で、酸化窒素および酸化窒素を放出するかあるいは別の方法で一酸化窒素の生物学的活性型をインビボの細胞膜上などの、その意図された活性の部位に直接的にまたは間接的に送達するかまたは転移する化合物と組み合わせて使用される。
【0177】
一酸化窒素は三つの型: NO-(ニトロキシル)、NO・(酸化窒素)およびNO+(ニトロソニウム)で存在することができる。NO・は非常に反応性が高い短寿命の種であって、これは細胞に有害である可能性がある。このことは重大な意味を持つ。NOの薬理効果は、それが送達される形態に依存するからである。酸化窒素ラジカル(NO・)とは対照的に、ニトロソニウム(NO+)はO2またはO2-種と反応せず、NO+およびNO-を転移および/または放出できる官能性は、同様に多数の酸化還元金属の存在下において分解に抵抗性である。その結果として、荷電したNO等価物(正および/または負)の投与では、有害な副産物の生成または活性なNO基の除去が起こらない。
【0178】
「酸化窒素」という用語は、荷電していない酸化窒素(NO・)および荷電した一酸化窒素種、好ましくはニトロソニウムイオン(NO+)およびニトロキシルイオン(NO-)などの荷電した酸化窒素種を包含する。酸化窒素の反応型はガス状の酸化窒素によって供与されることができる。一酸化窒素を放出、送達または転移する化合物は構造F-NOを有し、式中でFは一酸化窒素を放出、送達または転移する基であり、その化合物にはその意図された目的のために活性な形態でその意図された作用部位に一酸化窒素を供与するそのようなありとあらゆる化合物が含まれる。
【0179】
「NO付加物」という用語は、例えば、S-ニトロソチオール、亜硝酸塩、硝酸塩、S-ニトロチオール、シドノンイミン、2-ヒドロキシ-2-ニトロソヒドラジン、NONOアート(NONOates)、(E)-アルキル-2-((E)-ヒドロキシイミノ)-5-ニトロ-3-ヘキセンアミド(FK-409)、(E)-アルキル-2-((E)-ヒドロキシイミノ)-5-ニトロ-3-ヘキセンアミン、N-((2Z,3E)-4-エチル-2-(ヒドロキシイミノ)-6-メチル-5-ニトロ-3-ヘプテニル)-3-ピリジンカルボキサミド(FR 146801)、N-ニトロソアミン、N-ヒドロキシルニトロソアミン(N-hydroxyl nitrosamines)、ニトロシミン(nitrosimines)、二酸化ジアゼチン、オキサトリアゾール5-イミン、オキシム、ヒドロキシルアミン、N-ヒドロキシグアニジン、ヒドロキシウレア、ベンゾフロキサン、フロキサンおよび酸化窒素を合成する内因性酵素の基質を含めて、一酸化窒素を放出、送達または転移する任意の化合物を包含する。
【0180】
適当なNONOアートとしては、(Z)-1-(N-メチル-N-(6-(N-メチル-アンモニオヘキシル)アミノ))ジアゼン-1-イウム-1,2-ジオレート(「MAHMA/NO」)、(Z)-1-(N-(3-アンモニオプロピル)-N-(n-プロピル)アミノ)ジアゼン-1-イウム-1,2-ジオレート(「PAPA/NO」)、(Z)-1-(N-(3-アミノプロピル)-N-(4-(3-アミノプロピルアンモニオ)ブチル)-アミノ)ジアゼン-1-イウム-1,2-ジオレート(スペルミンNONOアートまたは「SPER/NO」)および(Z)-1-(N,N-ジエチルアミノ)ジアゼニウム-1,2-ジオレートナトリウム(ジエチルアミンNONOアートまたは「DEA/NO」)ならびにその誘導体が挙げられるが、これらに限定されることはない。NONOアートは米国特許第6,232,336号、同第5,910,316号および同第5,650,447号の中にも記述されており、その開示はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。「NO付加物」は、一酸化窒素の生物学的活性型に対する種々の生来的に感受性の高い結合部位または人工的に供与された結合部位でモノニトロシル化、ポリニトロシル化、モノニトロソ化および/またはポリニトロソ化されることができる。
【0181】
適当なフロキサンとしては、CAS 1609、C93-4759、C92-4678、S35b、CHF 2206、CHF 2363などが挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0182】
適当なシドノンイミンとしては、モルシドミン(N-エトキシカルボニル-3-モルホリノシドノンイミン)、SIN-1 (3-モルホリノシドノンイミン)、CAS936 (3-(cis-2,6-ジメチルピペリジノ)-N-(4-メトキシベンゾイル)-シドノンイミン、ピルシドミン)、C87-3754 (3-(cis-2,6-ジメチルピペリジノ)シドノンイミン、リンシドミン、C4144 (塩酸3-(3,3-ジメチル-1,4-チアザン-4-イル)シドノンイミン)、C89-4095 (塩酸3-(3,3-ジメチル-1,1-ジオキソ-1,4-チアザン-4-イル)シドノンイミンなどが挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0183】
適当なオキシムとしては、NOR-1、NOR-3、NOR-4などが挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0184】
NO付加物の一群は、少なくとも一つの-S-NO基を含む化合物であるS-ニトロソチオールである。これらの化合物はS-ニトロソ-ポリペプチド(「ポリペプチド」という用語は、確認されている生物学的機能を保有しないタンパク質およびポリアミノ酸、ならびにその誘導体を含む);S-ニトロシル化アミノ酸(天然アミノ酸や合成アミノ酸およびそれらの立体異性体やラセミ混合物ならびにその誘導体を含む);S-ニトロシル化糖;修飾または未修飾のS-ニトロシル化オリゴヌクレオチド(好ましくは少なくとも5個の、およびより好ましくは5〜200個のヌクレオチドの);直鎖状または分枝鎖状、飽和または不飽和、脂肪族または芳香族、置換または非置換S-ニトロシル化炭化水素;およびS-ニトロソ複素環化合物を含む。S-ニトロソチオールおよびそれらを調製する方法は、米国特許第5,380,758号および同第5,703,073号;国際公開公報第97/27749号;国際公開公報第98/19672号;ならびにOae et al, Org. Prep. Proc. Int., 15(3): 165-198 (1983)に記述されており、これらの各々の開示はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0185】
本発明の別の態様は、ニトロソ基が含硫アミノ酸またはその誘導体の硫黄基に連結されているS-ニトロソアミノ酸である。このような化合物には、例えば、S-ニトロソ-N-アセチルシステイン、S-ニトロソ-カプトプリル、S-ニトロソ-N-アセチルペニシラミン、S-ニトロソ-ホモシステイン、S-ニトロソ-システイン、S-ニトロソ-グルタチオン、S-ニトロソ-システイニル-グリシンなどが含まれる。
【0186】
適当なS-ニトロシル化タンパク質の中には、組織型プラスミノーゲン活性化因子(TPA)およびカテプシンBなどの酵素、リポタンパク質などの輸送タンパク質、ヘモグロビンおよび血清アルブミンなどのヘムタンパク質ならびに免疫グロブリン、抗体およびサイトカインなどの生体防御タンパク質を含む、さまざまな機能クラス由来のチオール含有タンパク質(ここで、NO基はアミノ酸またはそのアミノ酸誘導体の一つまたは複数の硫黄基に結合される)がある。このようなニトロシル化タンパク質は国際公開公報第93/09806号に記述されており、この開示はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。例としては、タンパク質中の一つまたは複数のチオールまたはその他の求核中心が修飾されているポリニトロシル化アルブミンが挙げられる。
【0187】
適当なS-ニトロソチオールの他の例としては以下が挙げられる。
(i) HS(C(Re)(Rf))mSNO;
(ii) ONS(C(Re)(Rf))mRe; または
(iii) H2N-CH(CO2H)-(CH2)m-C(O)NH-CH(CH2SNO)-C(O)NH-CH2-CO2H;
式中でmは2〜20の整数であり;
ReおよびRfはそれぞれ独立して水素、アルキル、シクロアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アリール複素環、アルキルアリール、アルキルシクロアルキル、アルキル複素環、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルチオ、アリールアルキルチオ、アリールアルキルチオアルキル、アルキルチオアルキル、シクロアルケニル、複素環アルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アルコキシハロアルキル、スルホン酸、スルホン酸エステル、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、アリールアルコキシ、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、アミノアルキル、アミノアリール、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、カルボキサミド、アルキルカルボキサミド、アリールカルボキサミド、アミジル、カルボキシル、カルバモイル、アルキルカルボン酸、アリールカルボン酸、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、エステル、カルボン酸エステル、アルキルカルボン酸エステル、アリールカルボン酸エステル、スルホンアミド、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニル、アリールスルホニルオキシ、スルホン酸エステル、アルキルエステル、アリールエステル、尿素、ホスホリル、ニトロ、-U3-V5、-C(RO)(Rp)kl-U3-V5であり、またはReおよびRfはこれらが結合している炭素と一緒になってカルボニル、メタンチアル、複素環、シクロアルキル基、アリール基、オキシム、ヒドラゾンもしくは架橋シクロアルキル基を形成し;
ROおよびRPはそれぞれ独立して水素、アルキル、シクロアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アリール複素環、アルキルアリール、アルキルシクロアルキル、アルキル複素環、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルチオ、アリールアルキルチオ、アリールアルキルチオアルキル、アルキルチオアルキル、シクロアルケニル、複素環アルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アルコキシハロアルキル、スルホン酸、スルホン酸エステル、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、アリールアルコキシ、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、アミノアルキル、アミノアリール、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、カルボキサミド、アルキルカルボキサミド、アリールカルボキサミド、アミジル、カルボキシル、カルバモイル、アルキルカルボン酸、アリールカルボン酸、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、エステル、カルボン酸エステル、アルキルカルボン酸エステル、アリールカルボン酸エステル、スルホンアミド、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニル、アリールスルホニルオキシ、スルホン酸エステル、アルキルエステル、アリールエステル、尿素、ホスホリル、ニトロ、-U3-V5であり、またはROおよびRPはこれらが結合している炭素と一緒になってカルボニル、メタンチアル、複素環、シクロアルキル基、アリール基、オキシム、イミン、ヒドラゾンもしくは架橋シクロアルキル基を形成し;
klは1から3の整数であり;
U3は酸素、硫黄-または-N(Ra)Riであり;
V5は-NOまたは-NO2 (すなわち、酸化窒素)であり;
Raは孤立電子対、水素またはアルキル基であり;
Riは水素、アルキル、アリール、アルキルカルボン酸、アリールカルボン酸、アルキルカルボン酸エステル、アリールカルボン酸エステル、アルキルカルボキサミド、アリールカルボキサミド、アルキルアリール、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、アリールスルホニルオキシ、スルホンアミド、カルボキサミド、カルボン酸エステル、アミノアルキル、アミノアリール、-CH2-C(U3-V5)(Re)(Rf)、隣接原子との結合であってその原子に二重結合をもたらす結合、M1+が有機または無機陽イオンである-(N2O2-)-・M1+である。
【0188】
ReおよびRfが独立して複素環であるかまたはReおよびRfが一緒になって複素環である場合には、Riは、ラジカル内に含まれる任意の二置換窒素の置換基であってもよく、Riは本明細書において規定される通りである。
【0189】
ニトロソチオールはさまざまな合成方法により調製することができる。一般に、先ずチオール前駆物質を調製し、次いでS-ニトロソ誘導体をもたらす酸性条件(pHが約2.5である)下でのNaNO2を用いたチオール基のニトロソ化によりS-ニトロソチオール誘導体に変換する。この目的に使用できる酸には、硫酸水溶液、酢酸水溶液および塩酸水溶液が含まれる。チオール前駆物質は同様に、不活性溶媒中での亜硝酸tert-ブチルなどの有機亜硝酸塩、またはテトラフルオロボレートニトロソニウムなどのニトロソニウム塩との反応によりニトロソ化することができる。
【0190】
NO付加物が酸化窒素を供与する、転移するまたは放出する化合物である、本発明で用いるNO付加物の別の群の中には、少なくとも一つのON-O-またはON-N-基を含む化合物がある。少なくとも一つのON-O-またはON-N-基を含む化合物は、好ましくはON-O-またはON-N-ポリペプチド(「ポリペプチド」という用語は、確認されている生物学的機能を保有しないタンパク質およびポリアミノ酸、ならびにその誘導体を含む); ON-O-またはON-N-アミノ酸(天然アミノ酸や合成アミノ酸およびそれらの立体異性体やラセミ混合物を含む); ON-O-またはON-N-糖; 修飾または未修飾のON-O-またはON-N-オリゴヌクレオチド(少なくとも5個のヌクレオチド、好ましくは5〜200個のヌクレオチドを含む); 直鎖状もしくは分枝鎖状、飽和もしくは不飽和、脂肪族もしくは芳香族、置換もしくは非置換のON-O-またはON-N-炭化水素; ならびにON-O-、ON-N-またはON-C-複素環化合物である。少なくとも一つのON-O-またはON-N-基を含む化合物の好ましい例としては、亜硝酸ブチル、亜硝酸イソブチル、亜硝酸tert-ブチル、亜硝酸アミル、亜硝酸イソアミル、N-ニトロソアミン、N-ニトロソアミド、N-ニトロソウレア、N-ニトロソグアニジン、N-ニトロソカルバメート、N-アシル-N-ニトロソ化合物(例えば、N-メチル-N-ニトロソウレア); N-ヒドロキシ-N-ニトロソアミン、クペロン、アラノシン、ドパスチン、1,3-二置換ニトロシミノベンズイミダゾール、1,3,4-チアジアゾール-2-ニトロシミン、ベンゾチアゾール-2(3H)-ニトロシミン、チアゾール-2-ニトロシミン、オリゴニトロソシドノンイミン、3-アルキル-N-ニトロソ-シドノンイミン、2H-1,3,4-チアジアジンニトロシミンが挙げられる。
【0191】
本発明で用いるNO付加物の別の群の中には、少なくとも一つのO2N-O-、O2N-N-またはO2N-S-基を含む化合物などの、酸化窒素を供与する、転移するまたは放出する硝酸塩がある。これらの化合物の中で好ましいのはO2N-O-、O2N-N-またはO2N-S-ポリペプチド(「ポリペプチド」という用語は、確認されている生物学的機能を保有しないタンパク質および同様にポリアミノ酸、ならびにその誘導体を含む); O2N-O-、O2N-N-またはO2N-S-アミノ酸(天然アミノ酸や合成アミノ酸およびそれらの立体異性体やラセミ混合物を含む); O2N-O-、O2N-N-またはO2N-S-糖; 修飾または未修飾のO2N-O-、O2N-N-またはO2N-S-オリゴヌクレオチド(少なくとも5個のヌクレオチド、好ましくは5〜200個のヌクレオチドを含む); 直鎖状もしくは分枝鎖状、飽和もしくは不飽和、脂肪族もしくは芳香族、置換もしくは非置換のO2N-O-、O2N-N-またはO2N-S-炭化水素; ならびにO2N-O-、O2N-N-またはO2N-S-複素環化合物である。少なくとも一つのO2N-O-、O2N-N-またはO2N-S-基を含む化合物の好ましい例としては、二硝酸イソソルビド、一硝酸イソソルビド、クロニトラート、四硝酸エリスリチル、六硝酸マンニトール、ニトログリセリン、四硝酸ペンタエリスリトール、ペントリニトロール、硝酸プロパチルならびに、例えばSPM 3672、SPM 4757、SPM 5185、SPM 5186および各々の開示はその全体が参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第5,284,872号、同第5,428,061号、同第5,661,129号、同第5,807,847号および同第5,883,122号にならびに国際公開公報第97/46521号、国際公開公報第00/54756号におよび国際公開公報第03/013432号に開示されるものなどのスルフヒドリル含有アミノ酸を有する有機硝酸塩が挙げられる。
【0192】
NO付加物の別の群は、酸化窒素を供与する、転移するまたは放出するN-オキソ-N-ニトロソアミンであり、式 R1''R2''N-N(O-M+)-NO、ここでR1''およびR2''がそれぞれ独立してポリペプチド、アミノ酸、糖、修飾もしくは未修飾オリゴヌクレオチド、直鎖状もしくは分枝鎖状、飽和もしくは不飽和、脂肪族もしくは芳香族、置換もしくは非置換の炭化水素、または複素環基であり、M1+が例えば、アルキル置換アンモニウム陽イオンまたは第I族金属の陽イオンなどの有機または無機陽イオンである前記式により表される。
【0193】
本発明は同様に、内因性NOを刺激する、または内因性内皮由来弛緩因子(EDRF)のレベルをインビボにおいて上昇させる、または酸化されて酸化窒素を産生する、ならびに/または酸化窒素シンターゼおよび/もしくはチトクロムP450に対する基質である化合物を対象とする。このような化合物としては、例えば、インビボで酸化されて酸化窒素を産生しうる、ニトロソ化および/またはニトロシル化類似体(例えば、ニトロソ化L-アルギニン、ニトロシル化L-アルギニン、ニトロソ化N-ヒドロキシ-L-アルギニン、ニトロシル化N-ヒドロキシ-L-アルギニン、ニトロソ化およびニトロシル化L-ホモアルギニン)を含めてL-アルギニン、L-ホモアルギニン、およびN-ヒドロキシ-L-アルギニン、N-ヒドロキシ-L-ホモアルギニン、N-ヒドロキシデブリソキン、N-ヒドロキシペンタミジン、N-ヒドロキシグアニジン化合物、アミドキシム、ケトキシム、アルドキシム化合物が挙げられる。チトクロムP450に対する基質になりうる化合物としては、例えば、イミノ(ベンジルアミノ)メチルヒドロキシルアミン、イミノ(((4-メチルフェニル)メチル)アミノ)メチルヒドロキシルアミン、イミノ(((4-メトキシフェニル)メチル)アミノ)メチルヒドロキシルアミン、イミノ(((4-(トリフルオロメチル)フェニル)メチル)アミノ)メチルヒドロキシルアミン、イミノ(((4-ニトロフェニル)メチル)アミノ)メチルヒドロキシルアミン、(ブチルアミノ)イミノメチルヒドロキシルアミン、イミノ(プロピルアミノ)メチルヒドロキシルアミン、イミノ(ペンチルアミノ)メチルヒドロキシルアミン、イミノ(プロピルアミノ)メチルヒドロキシルアミン、イミノ((メチルエチル)アミノ)メチルヒドロキシルアミン、(シクロプロピルアミノ)イミノメチルヒドロキシルアミン、イミノ-2-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリルメチルヒドロキシルアミン、イミノ(1-メチル(2-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリル))メチルヒドロキシルアミン、(1,3-ジメチル(2-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリル))イミノメチルヒドロキシルアミン、(((4-クロロフェニル)メチル)アミノ)イミノメチルヒドロキシルアミン、((4-クロロフェニル)アミノ)イミノメチルヒドロキシルアミン、(4-クロロフェニル)(ヒドロキシイミノ)メチルアミン、および1-(4-クロロフェニル)-1-(ヒドロキシイミノ)エタンなど、例えば、シトルリン、オルニチン、グルタミン、リジンを含めてL-アルギニンの前駆物質および/またはその生理学的に許容される塩、これらのアミノ酸の少なくとも一つを含むポリペプチド、酵素アルギナーゼの阻害剤(例えば、N-ヒドロキシ-L-アルギニンおよび2(S)-アミノ-6-ボロノヘキサン酸)、例えば、ピルビン酸塩、ピルビン酸塩前駆物質、四つまたはそれ以上の炭素原子を有するα-ケト酸、四つまたはそれ以上の炭素原子を有するα-ケト酸の前駆物質を含めて酸化窒素媒介物質および/またはその生理学的に許容される塩(開示によって全体が本明細書に組み入れられる、国際公開公報第03/017996号に開示されている)、ならびに酸化窒素シンターゼに対する基質、サイトカイン、アデノシン、ブラジキニン、カルレチクリン、ビサコジルおよびフェノールフタレインが挙げられる。EDRFは内皮によって分泌される血管弛緩因子であり、酸化窒素(NO)または密接に関連するその誘導体として同定されている(Palmer et al, Nature, 327:524-526 (1987); Ignarro et al, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 84:9265-9269 (1987))。
【0194】
本発明は同様に、内因性酸化窒素を増大できる酸化窒素増強化合物を対象とする。このような化合物としては、例えば、置換2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ化合物、置換2,2,5,5-テトラメチル-3-ピロリン-1-オキシル化合物、置換2,2,5,5-テトラメチル-1-ピロリジニルオキシル化合物、置換1,1,3,3-テトラメチルイソインドリン-2-イルオキシル化合物、置換2,2,4,4-テトラメチル-1-オキサゾリジニル-3-オキシル化合物、置換3-イミダゾリン-1-イルオキシ、2,2,5,5-テトラメチル-3-イミダゾリン-1-イルオキシル化合物、OT-551、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ(tempol)などを含むが、これらに限定されない、ニトロキシド含有化合物が挙げられる。適当な置換基はアミノメチル、ベンゾイル、2-ブロモアセトアミド、2-(2-(2-ブロモアセトアミド)エトキシ)エチルカルバモイル、カルバモイル、カルボキシ、シアノ、5-(ジメチルアミノ)-1-ナフタレンスルホンアミド、エトキシフルオロホスフィニルオキシ、エチル、5-フルオロ-2,4-ジニトロアニリノ、ヒドロキシ、2-ヨードアセトアミド、イソチオシアナト、イソチオシアナトメチル、メチル、マレイミド、マレイミドエチル、2-(2-マレイミドエトキシ)エチルカルバモイル、マレイミドメチル、マレイミド、オキソ、ホスホノオキシなどを含むが、これらに限定されることはない。
【0195】
本発明は同様に、本発明の化合物および組成物を部分的にまたは完全に、例えば、アルドステロンアンタゴニスト、α-アドレナリン受容体アンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、抗糖尿病化合物、抗高脂血症化合物、抗酸化薬、抗血栓性および血管拡張性化合物、β-アドレナリンアンタゴニスト、カルシウムチャンネル遮断薬、ジギタリス、利尿薬、エンドセリンアンタゴニスト、ヒドララジン化合物、H2受容体アンタゴニスト、中性エンドペプチダーゼ阻害剤、非ステロイド性抗炎症化合物(NSAID)、ホスホジエステラーゼ阻害剤、カリウムチャンネル遮断薬、血小板減少剤、プロトンポンプ阻害剤、レニン阻害剤、選択的シクロオキシゲナーゼ-2 (COX-2)阻害剤、およびこれらの二つまたはそれ以上の組合せなどの、その他の治療薬の代わりに、併用療法向けのその他の治療薬と組み合わせて使用できるという発見に基づいている。治療薬は任意でニトロソ化および/またはニトロシル化されてもよく、および/または少なくとも一つの複素環式の酸化窒素供与体基を含んでもよい。
【0196】
適当なアルドステロンアンタゴニストとしては、カンレノン、カンレノ酸カリウム、ドロスピレノン、スピロノラクトン、エプレレノン(INSPRA (登録商標))、エポキシメクスレノン(epoxymexrenone)、ファドロゾール、プレグン-4-エン-7,21-ジカルボン酸、9,11-エポキシ-17-ヒドロキシ-3-オキソ、γ-ラクトン、メチルエステル、(7α, 11α, 17β.)-; プレグン-4-エン-7,21-ジカルボン酸、9,11-エポキシ-17-ヒドロキシ-3-オキソ-ジメチルエステル、(7α, 11α, 17β.)-; 3'H- シクロプロパ(6,7)プレグナ-4,6-ジエン-21-カルボン酸、9,11-エポキシ-6,7-ジヒドロ-17-ヒドロキシ-3-オキソ-、γ-ラクトン、(6β, 7β, 11α, 17β)-; プレグン-4-エン-7,21-ジカルボン酸、9,11-エポキシ-17-ヒドロキシ-3-オキソ-、7-(1-メチルエチル)エステル、一カリウム塩、(7α, 11α, 17β.)-; プレグン-4-エン-7,21-ジカルボン酸、9,11-エポキシ-17-ヒドロキシ-3-オキソ-、7-メチルエステル、一カリウム塩、(7α, 11α, 17β.)-; 3'H-シクロプロパ(6,7)プレグナ-1, 4, 6-トリエン-21-カルボン酸、9,11-エポキシ-6,7-ジヒドロ-17-ヒドロキシ-3-オキソ-、γ-ラクトン、(6β, 7β, 11α)-; 3'H-シクロプロパ(6,7)プレグナ-4,6-ジエン-21-カルボン酸、9,11-エポキシ-6,7-ジヒドロ-17-ヒドロキシ-3-オキソ-、メチルエステル、(6β, 7β, 11α, 17β)-; 3'H-シクロプロパ (6,7)プレグナ-4,6-ジエン-21-カルボン酸、9,11-エポキシ-6,7-ジヒドロ-17-ヒドロキシ-3-オキソ-、一カリウム塩、(6β, 7β, 11α, 17β)-; 3'H-シクロプロパ(6,7)プレグナ-1,4,6-トリエン-21-カルボン酸、9,11-エポキシ-6,7-ジヒドロ-17-ヒドロキシ-3-オキソ-、γ-ラクトン、(6β, 7β, 11α, 17β)-; プレグン-4-エン-7,21-ジカルボン酸、9, 11-エポキシ-17-ヒドロキシ-3-オキソ-、γ-ラクトン、エチルエステル、(7α, 11α, 17β)-;プレグン-4-エン-7,21-ジカルボン酸、9,11-エポキシ-17-ヒドロキシ-3-オキソ-、γ-ラクトン、1-メチルエチルエステル、(7α, 11α, 17β)-; RU-28318などが挙げられるが、これらに限定されることはない。アルドステロンアンタゴニストは薬学的に許容されるその塩および/または立体異性体の形態で投与できることを当業者なら理解するであろう。適当なアルドステロンアンタゴニストは、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995; およびCD-ROM版のMerck Index, 第13版の中; ならびにSTN Express, file phar and file registry上などの、文献の中にさらに詳細に記述されている。
【0197】
いくつかの態様では、アルドステロンアンタゴニストはエプレレノンまたはスピロノラクトン(アルドステロンアンタゴニストのように作用するカリウム保持性利尿薬)である。一つの態様では、エプレレノンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約25ミリグラムから約300ミリグラムの量で投与する; スピロノラクトンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約25ミリグラムから約150ミリグラムの量で投与する。
【0198】
適当なα-アドレナリン受容体アンタゴニストとしては、フェントラミン、トラゾリン、イダゾキサン、デリグリドール、RX 821002、BRL 44408、BRL 44409、BAM 1303、ラベタロール、イフェンプロジル、ラウウォルシン、コリナシン、ラウバシン、テトラヒドロアルストニン、アポヨヒンビン、アクアミジン、β-ヨヒンビン、ヨヒンボール、ヨヒンビン、プソイドヨヒンビン、エピ-3α-ヨヒンビン、10-ヒドロキシ-ヨヒンビン、11-ヒドロキシ-ヨヒンビン、タムスロシン、ベノキサチアン、アチパメゾール、BE 2254、WB 4101、HU-723、テジサミル、ミルタジピン、セチプチリン、レボキシチン、デレクアミン、ナフトピル、サテリノン、SL 89.0591、ARC 239、ウラピジル、5-メチルウラピジル、モナテピル(monatepi)、ハロペリドール、インドラミン、SB 216469、モキシシリト、トラゾドン、ダピプロゾール、エファロキサン、レコルダーチ15/2739、SNAP 1069、SNAP 5089、SNAP 5272、RS 17053、SL 89.0591、KMD 3213、スピペロン、AH 11110A、クロロエチルクロニジン、BMY 7378、ニグルジピン等が挙げられるが、これらに限定されることはない。適当なα-アドレナリン受容体アンタゴニストは文献の中に、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995、ならびにCD-ROM ,第13版のおよびSTN Express, file phar and file registryのMerck Indexの中に詳細に記述されている。適当なアンギオテンシンIIアンタゴニストとしては、アンギオテンシン、アビテサルタン、カンデサルタン、カンデサルタンシレキセチル、エリサルタン、エムブサルタン、エノルタソサルタン、エプロサルタン、フォンサルタン、フォラサルタン、グリシルロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、オルメサルタン、ミルファサルタン、メドキソミル、リピサルタン、プラトサルタン、サプリサルタン、サララシン、サルメシン、タソサルタン、テルミサルタン、バルサルタン、ゾラサルタン、3-(2'(テトラゾール-5-イル)-1,1'-ビフェン-4-イル)メチル-5,7-ジメチル-2-エチル-3H-イミダゾ(4,5-b)ピリジン、アンギオテンシンIIに対する抗体、

ACS登録番号

の化合物等が挙げられるが、これらに限定されることはない。当業者は、アンギオテンシンIIアンタゴニストは薬学的に許容される塩および/または立体異性体の形態で投与されうることを理解すると考えられる。適当なアンギオテンシンIIアンタゴニストは文献の中に、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995、ならびにCD-ROM, 第13版のおよびSTN Express, file phar and file registryのMerck Indexの中に詳細に記述されている。
【0199】
一つの態様では、アンギオテンシンIIアンタゴニストはカンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、オルメサルタン、テルミサルタンまたはバルサルタンである。他の態様では、カンデサルタンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約15ミリグラムから約100ミリグラムの量でカンデサルタンシレキセチルとして投与する; エプロサルタンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約400ミリグラムから約1600ミリグラムの量でエプロサルタンメシラートとして投与する; イルベサルタンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約75ミリグラムから約1200ミリグラムの量で投与する; ロサルタンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約25ミリグラムから約100ミリグラムの量でロサルタンカリウムとして投与する; オルメサルタンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約5ミリグラムから約40ミリグラムの量でオルメサルタンメドキソミルとして投与する; テルミサルタンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約20ミリグラムから約80ミリグラムの量で投与する; バルサルタンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約80ミリグラムから約320ミリグラムの量で投与する。
【0200】
適当なアンギオテオシン変換酵素阻害剤(ACE阻害剤)としては、アラセプリル、ベナゼプリル(LOTENSIN (登録商標)、CIBACEN (登録商標))、ベナゼプリラト、カプトプリル、セロナプリル、シラザプリル、デラプリル、デュイナプリル、エナラプリル、エナラプリラト、ファシドトリル、フォシノプリル、ホシノプリラト、ゲモパトリラト、グリコプリル、イドラプリル、イミダプリル、リシノプリル、モエキシプリル、モベルチプリル、ナフトピジル、オマパトリラット、ペントプリル、ペリンドプリル、ペリンドプリラト、キナプリル、キナプリラト、ラミプリル、ラミプリラト、レンチプリル、酢酸サララシン、スピラプリル、テモカプリル、トランドラプリル、トランドラプリラト(trandolaprilat)、ウラピジル、ゾフェノプリル、アシルメルカプトおよびメルカプトアルカノイルプロリン、カルボキシアルキルジペプチド、カルボキシアルキルジペプチド、ホスフィニルアルカノイルプロリン、登録番号796406、AVE 7688、BP1.137、CHF 1514、E 4030、ER 3295、FPL-66564、MDL 100240、RL 6134、RL 6207、RL 6893、SA 760、S-5590、Z 13752A等が挙げられるが、これらに限定されることはない。当業者は、アンギオテオシン変換酵素阻害剤は薬学的に許容されるその塩、水和物、酸および/または立体異性体の形態で投与されてもよいことを理解すると考えられる。適当なアンギオテオシン変換酵素阻害剤は文献の中に、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995、ならびにCD-ROM, 第12版, バージョン12:1, 1996のおよびSTN Express, file phar and file registryのMerck Indexの中に詳細に記述されている。
【0201】
いくつかの態様では、アンギオテオシン変換酵素阻害剤はベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、フォシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、キナプリル、ラミプリル、トランドラプリルまたはトランドラプリラトである。他の態様では、ベナゼプリルを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約5ミリグラムから約80ミリグラムの量で塩酸ベナゼプリルとして投与する; カプトプリルを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約12.5ミリグラムから約450ミリグラムの量で投与する; エナラプリルを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約2.5ミリグラムから約40ミリグラムの量でマレイン酸エナラプリルとして投与する; フォシノプリルを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約5ミリグラムから約60ミリグラムの量でフォシノプリルナトリウムとして投与する; リシノプリルを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約2.5ミリグラムから約75ミリグラムの量で投与する; モエキシプリルを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約7.5ミリグラムから約45ミリグラムの量で塩酸モエキシプリルとして投与する; キナプリルを一日当たり単回または複数回投与として約5ミリグラムから約40ミリグラムの量で塩酸キナプリルとして投与する; 塩酸ラミプリルを一日当たり単回または複数回投与として約1.25ミリグラムから約40ミリグラムの量で投与する; トランドラプリルを一日当たり単回または複数回投与として約0.5ミリグラムから約4ミリグラムの量で投与する; トランドラプリラトを一日当たり単回または複数回投与として約0.5ミリグラムから約4ミリグラムの量で投与する。
【0202】
適当な抗糖尿病化合物としては、アカルボース、アセトヘキサミド、ブホルミン、カルブタミド、クロルプロパミド、グリボルヌリド、グリクラジド、グリメピリド、グリピジド、グリキドン、グリソキピセド(glisoxepid)、グリブリド、グリブチアゾール、グリブゾール、グリヘキサミド、グリミジン、グリピナミド、インスリン、メトホルミン、ミグリトール、ナテグリニド、フェンブタミド、フェンホルミン、ピオグリタゾン、レパグリニド、ロシグリタゾン、トラザミド、トルブタミド、トルシクラミド、トログリタゾン、ボグリボース等が挙げられるが、これらに限定されることはない。適当な抗糖尿病化合物は文献の中に、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995、ならびにCD-ROM, 第13版のおよびSTN Express, file phar and file registryのMerck Indexの中に詳細に記述されている。
【0203】
適当な抗高脂血症化合物としては、例えば、アトルバスタチン(LIPITOR (登録商標))、ベルバスタチン、セリバスタチン(BAYCOL (登録商標))、ダルバスタチン、フルインドスタチン(Sandoz XU-62-320)、フルバスタチン、グレンバスタチン、ロバスタチン(MEVACOR (登録商標))、メバスタチン、プラバスタチン(PRAVACHOL (登録商標))、ロスバスタチン(CRESTRO (登録商標))、シンバスタチン(ZOCOR (登録商標))、ベロスタチン(シンビノリンとしても知られている)、VYTORIN (商標)(エゼチミブ/シンバスタチン)、GR-95030、SQ 33,600、BMY 22089、BMY 22,566、CI 980等などのスタチンまたはHMG-CoA還元酵素阻害剤; ゲムフィブロジル、コレスチラミン(cholystyramine)、コレスチポール、ナイアシン、ナイアシン酸、胆汁酸抑制薬、例えば、コレスチラミン、コレセベラム、コレスチポール、ポリ(メチル-(3-トリメチルアミノプロピル)イミノ-トリメチレンジハライド)等; プロブコール; 例えば、ベザフィブラート(Bezalip (商標))、ベクロブラート、ビニフィブラート、シプロフィブラート、クリノフィブラート、クロフィブラート、エトフィブラート、フェノフィブラート(Lipidil (商標)、Lipidil Micro (商標))、ゲムフィブロジル(Lopid (商標))、ニコフィブラート、ピリフィブラート、ロニフィブラート、シムフィブラート、テオフィブラート(theofibrate)等などのフィブリン酸薬剤またはフィブラート系薬剤; 例えば、CGS 25159、CP-529414 (トルセトラピド)、JTT-705、置換N-[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)ベンジル]-N-(3-フェノキシフェニル)-トリフルオロ-3-アミノ-2-プロパノール、N,N-二置換トリフルオロ-3-アミノ-2-プロパノール、PD 140195 (4-フェニル-5-トリデシル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-チオール)、SC-794、SC-795、SCH 58149等などのコレステロールエステル転送蛋白(CETP)阻害剤が挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0204】
いくつかの態様では、抗高脂血症化合物はアトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチンまたはシンバスタチンである。より具体的な態様では、アトルバスタチンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約10ミリグラムから約80ミリグラムの量で投与する; フルバスタチンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約20ミリグラムから約80ミリグラムの量で投与する; ロバスタチンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約10ミリグラムから約80ミリグラムの量で投与する; プラバスタチンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約10ミリグラムから約80ミリグラムの量で投与する; ロスバスタチンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約5ミリグラムから約40ミリグラムの量で投与する; シンバスタチンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約5ミリグラムから約80ミリグラムの量で投与する。
【0205】
適当な抗酸化薬としては、小分子抗酸化薬および抗酸化酵素が挙げられるが、これらに限定されることはない。適当な小分子抗酸化薬としては、ヒドララジン化合物、グルタチオン、ビタミンC、ビタミンE、システイン、N-アセチル-システイン、β-カロチン、ユビキノン、ユビキノール-10、トコフェロール、コエンザイムQ、スーパーオキシドジスムターゼ模倣体、例えば、2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ(TEMPO)、DOXYL、PROXYL、ニトロキシド化合物; 4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ(Tempol)、M-40401、M-40403、M40407、M-40419、M-40484、M-40587、M-40588等などが挙げられるが、これらに限定されることはない。適当な抗酸化酵素としては、スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ、NADPHオキシダーゼ阻害剤、例えば、アポシニン、アミノグアニジン、ONO1714、S17834 (ベンゾ(b)ピラン-4-オン誘導体)等など; キサンチンオキシダーゼ阻害剤、例えば、アロプリノール、オキシプリノール、アンフルチゾール、ジエチルジチオカルバメート、2-スチリルクロモン(2-styrylchromones)、クリシン、ルテオリン、ケンペロール、ケルセチン、ミリセチン、イソラムネチン、2,2',4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン、3,4,5,2',3',4'-ヘキサヒドロキシベンゾフェノンおよび4,4'-ジヒドロキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノンなど; 2-アミノ-4H-1,3-ベンゾチアジン-4-オン、2-グアニジノ-4H-1,3-ベンゾチアジン-4-オンおよびローダニンなどのベンゾチアジノン類似体; PR5 (1-(3,4-ジメトキシ-2-クロロベンジリデンアミノ)-3-ヒドロキシグアニジン)などのN-ヒドロキシグアニジン誘導体; 6-ホルミルプテリン等が挙げられるが、これらに限定されることはない。抗酸化酵素はウイルスベクターおよび/または非ウイルスベクターとして遺伝子治療により送達することができる。適当な抗酸化薬は文献の中に、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995、ならびにCD-ROM, 第13版のおよびSTN Express, file phar and file registryのMerck Indexの中に詳細に記述されている。
【0206】
いくつかの態様では、抗酸化薬はアポシニン、ヒドララジン化合物およびスーパーオキシドジスムターゼ模倣体である。
【0207】
適当な抗血栓性および血管拡張性化合物としては、アビキシマブ、アセトルファン、アセチルサリチル酸、アルガトロバン、バメタン、ベンフロジル、ベンズヨーダロン、ベタヒスチン、ビサラミル、ブロビンカミン、ブフェニオド、シチコリン、クロベンフロール、クロピドグレル、シクランデラート、ダルテパリン、ジピリダモール、ドロプレニルアミン、エノキサパリン、フェンジリン、イフェンプロジル、イロプロスト、インドブフェン、イスボグレル、イソクススプリン、ヘパリン、ラミフィバン、ミドロジン、ナドロパリン、ニコチノイルアルコール、ナイリドリン、オザグレル、ペルヘキシリン、フェニルプロパノールアミン、プレニルアミン、パパベロリン、レビパリンナトリウム塩、リドグレル、スロクチジル、チノフェドリン、チンザパリン、トリフルサル、ビントペロール、キサンチノールナイアシネート等が挙げられるが、これらに限定されることはない。適当な抗血栓性および血管拡張性化合物は、文献の中に、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995、ならびにCD-ROM, 第13版のおよびSTN Express, file phar and file registryのMerck Indexの中に詳細に記述されている。
【0208】
適当な抗血栓性および血管拡張性化合物としては、アブキシマブ、アセトルファン、アセチルサリチル酸、アルガトロバン、バメタン、ベンフロジル、ベンズヨーダロン、ベタヒスチン、ビサラミル、ブロビンカミン、ブフェニオド、シチコリン、クロベンフロール、クロピドグレル、シクランデラート、ダルテパリン、ジピリダモール、ドロプレニラミン、エノキサパリン、フェンジリン、イフェンプロジル、イロプロスト、インドブフェン、イスボグレル、イソクススプリン、ヘパリン、ラミフィバン、ミドロジン、ナドロパリン、ニコチノイルアルコール、ナイリドリン、オザグレル、ペルヘキシリン、フェニルプロパノールアミン、プレニラミン、パパベロリン、レビパリンナトリウム塩、リドグレル、スロクチジル、チノフェドリン、チンザパリン、トリフルサル、ビントペロール、キサンチノールナイアシネートなどが挙げられるが、これらに限定されることはない。適当な抗血栓性および血管拡張性化合物は、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995; およびCD-ROM版のMerck Index, 第13版の中; ならびにSTN Express, file phar and file registry上などの、文献の中にさらに詳細に記述されている。
【0209】
適当なβ-アドレナリンアンタゴニストとしては、アセブトロール、アルプレノロール、アモスラロール、アロチノロール、アテノロール、ベフノロール、ベタキソロール、ベバントロール、ビソプロロール、ボピンドロール、ブシンドロール、ブクモロール、ブフェトロール、ブフラロール、ブニトロロール、ブプラノロール、ブトフィロロール、カラゾロール、カプシノロール、カルテオロール、カルベジロール(COREG (登録商標))、セリプロロール、セタモロール、シンドロール、クロラノロール、ジレバロール、ジプラフェノン、エパノロール、エルセンチリド、エスモロール、エスプロロール、ヘドロキサロール(hedroxalol)、インデノロール、ラベタロール、ランジオロール、ラニオロール、レボブノロール、メピンドロール、メチルプラノール(methylpranol)、メチンドール(metindol)、メチプラノロール、メトリゾラノロール(metrizoranolol)、メトプロロール、モプロロール、ナドロール、ナドキソロール、ネビボロール、ニフェナロール、ニプラジロール、オクスプレノロール、ペンブトロール、ピンドロール、プラクトロール、プロネタロール、プロプラノロール、ソタロール、ソタロールナドロール、スルフィナロール、タリプロロール(taliprolol)、タリノロール、テルタトロール、チリソロール、チモロール、トリプロロール、トマロロール(tomalolol)、トリメプラノール(trimepranol)、キサモテロール、キシベノロール、2-(3-(1,1-ジメチルエチル)-アミノ-2-ヒドロキシプロポキシ)-3-ピリデンカルボニトリルHCl、1-ブチルアミノ-3-(2,5-ジクロロフェノキシ)-2-プロパノール、1-イソプロピルアミノ-3-(4-(2-シクロプロピルメトキシエチル)フェノキシ)-2-プロパノール、3-イソプロピルアミノ-1-(7-メチリンダン-4-イルオキシ)-2-ブタノール、2-(3-t-ブチルアミノ-2-ヒドロキシ-プロピルチオ)-4-(5-カルバモイル-2-チエニル)チアゾール、7-(2-ヒドロキシ-3-t-ブチルアミンプロポキシ)フタリド、Acc 9369、AMO-140、BIB-16S、CP-331684、Fr-172516、ISV-208、L-653328、LM-2616、SB-226552、SR-58894A、SR-59230A、TZC-5665、UK-1745、YM-430等が挙げられるが、これらに限定されることはない。適当なβ-アドレナリンアンタゴニストは文献の中に、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995、ならびにCD-ROM, 第13版のおよびSTN Express, file phar and file registryのMerck Indexの中に詳細に記述されている。
【0210】
いくつかの態様では、β-アドレナリンアンタゴニストはアテノロール、ビソプロロール、カルベジロール、メトプロロール、ネビボロール、プロプラノロールまたはチモロールである。より具体的な態様では、アテノロールを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約50ミリグラムから約200ミリグラムの量で投与する; ビソプロロールを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約2.5ミリグラムから約30ミリグラムの量でフマル酸ビソプロロールとして投与する; カルベジロールを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約3.125ミリグラムから約200ミリグラムの量で投与する; メトプロロールを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約25ミリグラムから約300ミリグラムの量で酒石酸メトプロロールまたはコハク酸メトプロロールとして投与する; ネビボロールを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約2.5ミリグラムから約20ミリグラムの量で塩酸ネビボロールとして投与する; プロプラノロールを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約40ミリグラムから約240ミリグラムの量で塩酸プロプラノロールとして投与する; チモロールを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約10ミリグラムから約30ミリグラムの量でマレイン酸チモロールとして投与する。
【0211】
適当なカルシウムチャンネル遮断薬としては、アムロジピン(NORVASC (登録商標))、アニパミル、アラニジピン、アムリノン、アゼルニジピン、バルニジピン、ベンシクラン、ベニジピン、ベプリジル、シルニジピン、シンナリジン、クレンチアゼム、ジルチアゼム、ドタリジン、エホニジピン、エルゴジピン、ファントファロン、フェロジピン、フェンジリン、フルナリジン、フルスピリレン、フルニジピン、ガロパミル、イペノキサゾン、イスラジピン、ラシジピン、レミルジピン、レルカニジピン、ロメリジン、マニジピン、ミベフラジル、モナテピル、ニカルジピン、ニフェジピン、ニグルジピン、ニルジピン、ニルバジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ニバルジピン、オキソジピン、ペルヘキシリン、フェニトイン、フェニトプレニルアミン(phenytprenylamine)、プラニジピン、ラノラジン、リヨシジン、セモチアジル、タモラリジン、塩酸テミベリン、テロジリン、チアパミル、塩酸バタニジピン、ベラパミル、ジコノチド、AE-0047、CAI、JTV-519、CHF-1521、L-651582、NS-7、NW-1015、RO-2933、SB-237376、SL-34.0829-08、S-312d、SD-3212、TA-993、YM-430等が挙げられるが、これらに限定されることはない。適当なカルシウムチャンネル遮断薬は文献の中に、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995、ならびにCD-ROM, 第13版のおよびSTN Express, file phar and file registryのMerck Indexの中に詳細に記述されている。
【0212】
いくつかの態様では、カルシウムチャンネル遮断薬はアムロジピン、 ジルチアゼム、イスラジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ベラパミルである。
【0213】
適当なジギタリスとしてはジゴキシンおよびジゴキシチン(digoxitin)が挙げられるが、これらに限定されることはない。いくつかの態様では、ジゴキシンを投与して、定常状態の血清濃度少なくとも約0.7ナノグラム/mlから約2.0ナノグラム/mlを達成する。
【0214】
適当な利尿薬としては、チアジド(例えば、アルチアジド、ベンドロフルメチアジド、ベンズクロルトリアジド、ベンズヒドロクロロチアジド、ベンズチアジド、ブチアジド、クロロチアジド、シクロペンチアジド、シクロチアジド、エピチアジド、エチアジド、ヒドロベンズチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、メチルクロチアジド、メチルシクロチアジド、ペンフルタジド、ポリチアジド、テクロチアジド、トリクロルメチアジド、トリフルメタジド等など); アリルセム、アンブシド、アミロリド、アミノメトラジン、アゾセミド、ベメチジド、ブメタニド、ブタゾールアミド、ブチジド、カンレノン、カルペリチド、クロルアミノフェナミド、クロラザニル、クロルメロドリン、クロルタリドン、シクレタニド、クロフェナミド、クロパミド、クロレキソロン、コニバプタン、ダグルトリル、ジクロロフェナミド、ジスルファミド、エタクリン酸、エトクスゾラミド、エトゾロン、フェノールドパム、フェンキゾン、フロセミド、インダパミド、メブチジド、メフルシド、メラルライド、メラルライド、メルカプトメリンナトリウム、マーキュマリル酸、メルサリル、メタゾラミド、メチクラン、メトラゾン、モザバプタン、ムゾリミン、N-(5-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)アセトアミド、ネシリチド、パマブロム、パラフルチジド、ピレタニド、プロテオブロミン、キネタゾン、スコパリウス、スピロノラクトン、テオブロミン、チクリナフェン、トルセミド、トルバプタン、トリアムテレン、トリパミド、ウラリチド、キシパミドまたはカリウム、AT 189000、AY 31906、BG 9928、BG 9791、C 2921、DTI 0017、JDL 961、KW 3902、MCC 134、SLV 306、SR 121463、WAY 140288、ZP 120等が挙げられるが、これらに限定されることはない。適当な利尿薬は文献の中に、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995、ならびにCD-ROM, 第13版のおよびSTN Express, file phar and file registryのMerck Indexの中に詳細に記述されている。
【0215】
使われる利尿薬に応じて、低カリウム性アルカローシスを回避しながら体液平衡を最適化するために、カリウムを患者に投与することもできる。カリウムの投与は塩化カリウムの形態であっても、または、例えば、バナナもしくはオレンジジュースなどのカリウム含量の高い食料の毎日の摂取によってもよい。これらの化合物の投与方法は米国特許第4,868,179号の中にさらに詳細に記述されており、その特許の開示はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0216】
いくつかの態様では、利尿薬はアミロリド、フロセミド、クロルタリドン、ヒドロクロロチアジドまたはトリアムテレンである。より具体的な態様では、アミロリドを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約5ミリグラムから約15ミリグラムの量で塩酸アミロライドとして投与する; フロセミドを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約10ミリグラムから約600ミリグラムの量で投与する; クロルタリドンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約15ミリグラムから約150ミリグラムの量で投与する; ヒドロクロロチアジドを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約12.5ミリグラムから約300ミリグラムの量で投与する; トリアムテレンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約35ミリグラムから約225ミリグラムの量で投与する。
【0217】
適当なエンドセリンアンタゴニストとしては、アトラセンタン、ボセンタン、ダルセンタン、エンドセリン、エンラセンタン、シタキセンタン、スルホンアミドエンドセリンアンタゴニスト、テゾセンタン、BMS 193884、BQ-123、SQ 28608等が挙げられるが、これらに限定されることはない。適当なエンドセリンアンタゴニストは文献の中に、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995、ならびにCD-ROM, 第13版のおよびSTN Express, file phar and file registryのMerck Indexの中に詳細に記述されている。
【0218】
適当なヒドララジン化合物としては、以下に限定されることはないが、下記式を有する化合物が挙げられる。

式中、a、bおよびcは独立して単結合または二重結合であり; R1およびR2はそれぞれ独立して水素、アルキル、エステルまたは複素環であって、アルキル、エステルおよび複素環は本明細書において規定されるとおりであり; R3およびR4はそれぞれ独立して孤立電子対または水素であり、但しR1、R2、R3およびR4の少なくとも一つは水素ではない。典型的なヒドララジン化合物としては、ブドララジン、カドララジン、ジヒドララジン、エンドララジン、ヒドララジン、ピルドララジン、トドララジン等が挙げられる。適当なヒドララジン化合物は文献の中に、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995、ならびにCD-ROM, 第13版のおよびSTN Express, file phar and file registryのMerck Indexの中に詳細に記述されている。
【0219】
いくつかの態様では、ヒドララジン化合物はヒドララジンまたは塩酸ヒドララジンなどの薬学的に許容されるその塩である。より具体的な態様では、ヒドララジンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約10ミリグラムから約300ミリグラムの量で塩酸ヒドララジンとして投与する。
【0220】
適当なH2受容体アンタゴニストとしては、ブリマミド、シメチジン、エブロチジン、ファモチジン、ニザチジン、ロキサチジン、ランチジン、チオチジン等が挙げられるが、これらに限定されることはない。適当なH2受容体アンタゴニストは文献の中に、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995, Pgs. 901-915; CD-ROM, 第13版のMerck Indexの中に; およびNitroMed Inc.に委譲された国際公開公報第00/28988号の中に詳細に記述されており、それらの開示はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0221】
適当な中性エンドペプチダーゼ阻害剤としては、心房性ナトリウム利尿ペプチド、ジアザピン、アゼピノン、エカドトリル、ファシドトリル、ファシドトリラト、オマパトリラト、サムパトリラト、BMS 189,921、Z 13752 A等が挙げられるが、これらに限定されることはない。中性エンドペプチダーゼ阻害剤は文献の中に、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995、ならびにCD-ROM, 第13版のおよびSTN Express, file phar and file registryのMerck Indexの中に詳細に記述されている。
【0222】
適当なNSAIDとしては、アセトアミノフェン、アセメタシン、アセクロフェナク、アルミノプロフェン、アンフェナク、ベンダザック、ベノキサプロフェン、ブロンフェナク、ブクロクス酸、ブチブフェン、カルプロフェン、シンメタシン、クロピラク、ジクロフェナク、エトドラク、フェルビナク、フェンクロズ酸、フェンブフェン、フェノプロフェン、フェンチアザク、フルノキサプロフェン、フルルビプロフェン、イブフェナク、イブプロフェン、インドメタシン、イソフェゾラク、イソキセパク、インドプロフェン、ケトプロフェン、ロナゾラク、ロキソプロフェン、メチアジン酸、モフェゾラク、ミロプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピラゾラック(pirozolac)、ピルプロフェン、プラノプロフェン、プロチジン酸、サリチルアミド、スリンダク、スプロフェン、スキシブゾン、チアプロフェン酸、トルメチン、キセンブシン、キシモプロフェン、ザルトプロフェン、ゾメピラク、アスピリン、アセメトシン、ブマジゾン、カルプロフェナク、クリダナク、ジフルニサル、エンフェナム酸、フェンドサール、フルフェナム酸、フルニキシン、ゲンチジン酸、ケトロラク、メクロフェナム酸、メフェナム酸、メサラミン、それらのプロドラッグ等が挙げられるが、これらに限定されることはない。適当なNSAIDは文献の中に、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995, Pgs. 617-657; CD-ROM, 第13版のMerck Indexの中に; ならびにNitroMed Inc.に委譲された米国特許第6,057,347号および第6,297,260号の中に詳細に記述されており、それらの開示はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0223】
いくつかの態様では、NSAIDはアセトアミノフェン、ジクロフェナク、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ナプロキセンまたはアスピリンである。より具体的な態様では、アセトアミノフェンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約325ミリグラムから約4グラムの量で投与する; ジクロフェナクを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約50ミリグラムから約250ミリグラムの量で投与する; フルルビプロフェンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約100ミリグラムから約300ミリグラムの量で投与する; イブプロフェンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約400ミリグラムから約3.2グラムの量で投与する; インドメタシンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約25ミリグラムから約200ミリグラムの量で投与する; ケトプロフェンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約50ミリグラムから約300ミリグラムの量で投与する; ナプロキセンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約250ミリグラムから約1.5グラムの量で投与する; アスピリンを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約10ミリグラムから約2グラムの量で投与する。
【0224】
適当なホスホジエステラーゼ阻害剤としては、フィラミナスト、ピクラミラスト、ロリプラム、Org 20241、MCI-154、ロフルミラスト、トボリノン、ポシカル、リキサジノン、ザプリナスト、シルデナフィル、ピラゾロピリミジノン、モタピゾン、ピモベンダン、ザルダベリン、シグアゾダン、CI 930、EMD 53998、イマゾダン、サテリノン、塩酸ロプリノン、3-ピリジンカルボニトリル誘導体、アセフィリン、アルビフィリン、バミフィリン、デンブフィレン、ジフィリン、ドキソフィリン、エトフィリン、トルバフィリン、テオフィリン、ナンテリノン、ペントキソフィリン、プロキシフィリン、シロスタゾール、シロスタミド、MS 857、ピロキシモン、ミルリノン、アムリノン、トラフェントリン、ジピリダモール、パパベロリン、E4021、チエノピリミジン誘導体、トリフルサル、ICOS-351、テトラヒドロピペラジノ(1,2-b)β-カルボリン-1,4-ジオン誘導体、カルボリン誘導体、2-ピラゾリン-5-オン誘導体、融合ピリダジン誘導体、キナゾリン誘導体、アントラニル酸誘導体、イミダゾキナゾリン誘導体、タダラフィル、バルデナフィル、およびGoodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, Inc. (1995), The Physician's Desk Reference (第49版), Medical Economics (1995), Drug Facts and Comparisons (1993版), Facts and Comparisons (1993)やCD-ROM, 第13版のMerck Indexに記載されるもの等が挙げられるが、これらに限定されることはない。ホスホジエステラーゼ阻害剤ならびにそのニトロソ化および/またはニトロシル化誘導体は、米国特許第5,932,538号、第5,994,294号、第5,874,437号、米国特許第RE 0377234号として再発行されている第5,958,926号、第6,172,060号、第6,197,778号、第6,177,428号、第6,172,068号、第6,221,881号、第6,232,321号、第6,197,782号、第6,133,272号、第6,211,179号、第6,316,457号および第6,331,542号の中にも開示されており、これらの各特許の開示はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0225】
適当なカリウムチャンネル遮断薬としては、ニコランジル、ピナシジル、クロマカリム(BRL 34915)、アプリカリム、ビマカリム、エマカリム、レマカリム、ミノキシジル、ジアゾキシド、9-クロロ-7-(2-クロロフェニル)-5H-ピリミド(5,4,-d) (2)-ベンザゼピン、Ribi、CPG-11952、CGS-9896、ZD 6169、ジアジキシド、Bay X 9227、P1075、Bay X 9228、SDZ PCO 400、WAY-120,491、WAY-120,129、Ro 31-6930、SR 44869、BRL 38226、S 0121、SR 46142A、CGP 42500、SR 44994、フマル酸アルチリド、ロラゼパム、テマゼパム、リルマザホン、ニメタゼパム、ミダゾラム、ロルメタゼパム、ロプラゾラム、フマル酸イブチリド、ハロキサゾラム、フルニトラゼパム、エスタゾラム、ドキセファゼパム、クロナゼパム、シノラゼパム、ブロチゾラム等が挙げられるが、これらに限定されることはない。適当なカリウムチャンネル遮断薬は文献の中に、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995、ならびにCD-ROM, 第13版のおよびSTN Express, file phar and file registryのMerck Indexの中に詳細に記述されている。
【0226】
適当な血小板減少剤としては、例えば、アンクロド、アニストレプラーゼ、乳酸ビソブリン、ブリノラーゼ、ハーゲマン因子(すなわち、第XII因子)断片、例えば、ストレプトキナーゼ、組織型プラスミノーゲン活性化因子(TPA)、ウロキナーゼ、プロウロキナーゼ、組換えTPA、プラスミン、プラスミノーゲンなどのプラスミノーゲン活性化因子等などの線維素溶解薬; 第Xa因子、因子TFPI、第VIIa因子、第IXc因子、第Va因子、第VIIIa因子の阻害剤、その他の凝固因子の阻害剤等を含むが、これらに限定されない抗血液凝固剤; 例えば、クマリン、クマリン誘導体(例えば、ワルファリンナトリウム)などのビタミンKアンタゴニスト; 例えば、非分画型のおよび低分子量型の両ヘパリンなどのグリコサミノグリカン(glycosoaminoglycans); アルデパリンナトリウム、ビバリルジン、ブロミンジオン、クマリン、ダルテパリンナトリウム、ダナパロイドナトリウム; 塩酸ダゾキシベン、デシルジン、ジクマロール、硫酸エフェガトラン、エノキサパリンナトリウム、イフェトロバン、イフェトロバンナトリウム、リアポレートナトリウム、メシル酸ナファモスタット、フェンプロクモン、スルファチド、チンザパリンナトリウム、レテプラーゼ(retaplase); トリフェナグレル、ワルファリン、デキストラン等; アブシキシマブ、アカデシン、アニパミル、アルガトロバン、アスピリン、クロピドグレル、ジアデノシン5',5'''-P1,P4-テトラリン酸(Ap4A)類似体、ジフィブロチド、二塩酸ジラゼプ、ジピリダモール、ドーパミン、3-メトキシチラミン、グルカゴン、例えば、Ro-43-8857、L-700,462などの糖タンパク質IIb/IIIaアンタゴニスト、イロプロスト、イソカルバサイクリンメチルエステル、イタジグレル、ケタンセリン、BM-13.177、ラミフィバン、リファリジン、モルシドミン、ニフェジピン、オキサグレラート、プロスタグランジン、例えば、レキシパファント、プロスタサイクリン、ピラジン、ピリジノールカルバメート、ReoPro(すなわち、アブシキシマブ)、スルフィンピラゾン、合成化合物BN-50727、BN-52021、CV-4151、E-5510、FK-409、GU-7、KB-2796、KBT-3022、KC-404、KF-4939、OP-41483、TRK-100、TA-3090、TFC-612、ZK-36374、2,4,5,7-テトラチアオクタン、2,4,5,7-テトラチアオクタン2,2-ジオキシド、2,4,5-トリチアヘキサン、テオフィリン、ペントキシフィリン(pentoxifyllin)などの血小板活性化因子アンタゴニスト、例えば、ピコタミド、スロトロバン、チクロピジン、チロフィバン、トラピジル、チクロピジン、トリフェナグレル、トリリノレイン、3-置換 5,6-ビス(4-メトキシフェニル)-1,2,4-トリアジンなどのトロンボキサンおよびトロンボキサン合成酵素阻害剤; 糖タンパク質IIb/IIIaに対する抗体; 例えば、クロプリドグレル(clopridogrel)などの抗セロトニン薬; スルフィンピラゾン等; アスピリン; ジピリダモール; クロフィブレート; ピリジノールカルバメート; グルカゴン、カフェイン; テオフィリン、ペントキシフィリン; チクロピジン等が挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0227】
適当なプロトンポンプ阻害剤としては、ジスルプラゾール、エソメプラゾール、ランソプラゾール、レミノプラゾール、オメプラゾール、パントプラゾール、ラベプラゾール、チモプラゾール、テナトプラゾール、2-(2-ベンズイミダゾリル)-ピリジン、三環イミダゾール、チエノピリジンベンズイミダゾール、フロロアルコキシ置換ベンズイミダゾール、ジアルコキシベンズイミダゾール、N-置換2-(ピリジルアルケンスルフィニル)ベンズイミダゾール、シクロヘプテンピリジン、5-ピロリル-2-ピリジルメチルスルフィニルベンズイミダゾール、アルキルスルフィニルベンゾイミダゾール、フルオロ−ピリジルメチルスルフィニルベンズイミダゾール、イミダゾ(4,5-b)ピドリジン、RO 18-5362、IY 81149、4-アミノ-3-カルボニルキノリン、4-アミノ-3-アシルナフチリド、4-アミノキノリン、4-アミノ-3-アシルキノリン、3-ブチリル-4-(2-メチルフェニルアミノ)-8-(2-ヒドロキシエトキシ)キノリン、キナゾリン、テトラヒドロイソキノリン-2-イルピリミジン、YH 1885、3-置換1,2,4-チアジアゾロ(4,5-a)ベンズイミダゾール、3-置換イミダゾ(1,2-d)- チアジアゾール、2-スルフィニルニコチンアミド、ピリジルスルフィニルベンズイミダゾール、ピリジルスルフィニルチエノイミダゾール、チエノイミダゾール-トルイジン、4,5-ジヒドロオキサゾール、チエノイミダゾール-トルイジン、Hoe-731、イミダゾ(1,2-a) ピリジン、ピロロ(2,3-b)ピリジン等が挙げられるが、これらに限定されることはない。適当なプロトンポンプ阻害剤は文献の中に、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995; CD-ROM, 第13版のMerck Indexの中に; およびNitroMed Inc.に委譲された国際公開公報第00/50037号の中に詳細に記述されており、それらの開示はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0228】
適当なレニン阻害剤としては、アルドステロン、アリスキレン(SPP-100)、ジテキレン、エナルキレン(enalkrein) (A-64662)、メデュリピン(medullipin)、テルラキレン(terlkiren)、トニン、ザンキレン、RO 42-5892(レミキレン)、 A 62198、A64662、A 65317、A 69729、A 72517 (ザンキレン)、A 74273、CP 80794、CGP 29287、CGP-38560A、EMD 47942、ES 305、ES 1005、ES 8891、FK 906、FK 744、H 113、H-142、KRI 1314、ペプスタチンA、RO 44-9375 (シプロキレン)、RO 42-5892、RO 66-1132、RO 66-1168、SP 500、SP 800、SR-43845、SQ 34017、U 71038、YM-21095、YM-26365、ペプチドの尿素誘導体、非ペプチド結合によって連結されたアミノ酸、ジペプチド誘導体およびトリペプチド誘導体(例えば、Act-A、Act-B、Act-C、ACT-D等)、アミノ酸およびその誘導体、ジオールスルホンアミドおよびスルフィニル、修飾ペプチド、ペプチジルβ-アミノアシルアミノジオールカルバメート、レニンに対するモノクローナル抗体が挙げられるが、これらに限定されることはない。適当なレニン阻害剤は、次の各々の開示はその全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許第5,116,835号、第5,114,937号、第5,106,835号、第5,104,869号、第5,095,119号、第5,098,924号、第5,095,006号、第5,089,471号、第5,075,451号、第5,066,643号、第5,063,208号、第4,845,079号、第5,055,466号、第4,980,283号、第4,885,292号、第4,780,401号、第5,071,837号、第5,064,965号、第5,063,207号、第5,036,054号、第5,036,053号、第5,034,512号、および第4,894,437号; および文献、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995、ならびにCD-ROM, 第13版のおよびSTN Express, file phar and file registryのMerck Indexに詳細に記述されている。
【0229】
適当なCOX-2阻害剤としては、ニメスリド、セレコキシブ(CELEBREX (登録商標))、エトリコキシブ(ARCOXIA (登録商標))、フロスリド、ルミラコキシブ(PREXIG (登録商標)、COX-189)、パレコキシブ(DYNSTAT (登録商標))、ロフェコキシブ(VIOXX (登録商標))、チラコキシブ(JTE-522)、ヴァルデコキシブ(BEXTRA (登録商標))、ABT 963、BMS 347070、CS 502、DuP 697、GW-406381、NS-386、SC-57666、SC-58125、SC-58635等、ならびにこれらの二つまたはそれ以上の混合物が挙げられるが、これらに限定されることはない。適当なCOX-2阻害剤は、次の各々の開示はその全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許第5,344,991号、第5,380,738号、第5,393,790号、第5,409,944号、第5,434,178号、第5,436,265号、第5,466,823号、第5,474,995号、第5,510,368号、第5,536,752号、第5,550,142号、第5,552,422号、第5,604,253号、第5,604,260号、第5,639,780号、第5,932,598号および第6,633,272号、ならびに国際公開公報第94/03387号、第94/15723号、第94/20480号、第94/26731号、第94/27980号、第95/00501号、第95/15316号、第96/03387号、第96/03388号、第96/06840号、第96/21667号、第96/31509号、第96/36623号、第97/14691号、第97/16435号、第01/45703号および第01/87343号; および文献、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版), McGraw-Hill, 1995、ならびにCD-ROM, 第13版のおよびSTN Express, file phar and file registryのMerck Indexに記載される。
【0230】
いくつかの態様では、COX-2阻害剤はセレコキシブ、エトリコキシブ(etoracoxib)、ルミラコキシブ、パレコキシブ、ロフェコキシブまたはヴァルデコキシブである。より具体的な態様では、セレコキシブを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約100ミリグラムから約800ミリグラムの量で投与する; エトリコキシブを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約50ミリグラムから約200ミリグラムの量で投与する; ルミラコキシブを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約40ミリグラムから約1200ミリグラムの量で投与する; パレコキシブを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約20ミリグラムから約100ミリグラムの量で投与する; ロフェコキシブを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約12.5ミリグラムから約50ミリグラムの量で投与する; ヴァルデコキシブを一日当たり単回投与としてまたは複数回投与として約10ミリグラムから約40ミリグラムの量で投与する。
【0231】
本発明は一つまたは複数の薬学的に許容される担体中に(i) 本発明の複素環式の酸化窒素供与体基を含む利尿化合物または薬学的に許容されるその塩、ならびに(ii) アルドステロンアンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、β-アドレナリンアンタゴニスト、利尿薬、およびヒドララジン化合物からなる群より選択される少なくとも一つの化合物を含有する組成物を提供する。本発明の他の態様では、アルドステロンアンタゴニストはエプレレノンまたはスピロノラクトンであり; アンギオテンシンIIアンタゴニストはカンデサルタンシレキセチル、エプロサルタンメシレート、イルベサルタン、ロサルタンカリウム、メドキソミル、テルミサルタン、トランドラプリル、トランドラプリラトまたはバルサルタンであり; アンギオテンシン変換酵素阻害剤は塩酸ベナゼプリル、カプトプリル、マレイン酸エナラプリル、フォシノプリルナトリウム、リシノプリル、塩酸モエキシプリル、塩酸キナプリル、ラミプリルであり; β-アドレナリンアンタゴニストはフマル酸ビソプロロール、カルベジロール、酒石酸メトプロロール、塩酸プロプラノロールまたはマレイン酸チモロールであり; 利尿薬は塩酸アミロライド、クロルタリドン、ヒドロクロロチアジドまたはトリアムテレンであり; およびヒドララジン化合物は塩酸ヒドララジンである。
【0232】
本発明は、本明細書に記述される化合物および/または組成物の有効量を、その必要性がある患者に投与することによって水分過多および/または電解質滞留から生じる状態を治療する方法を提供する。例えば、患者に複素環式の酸化窒素供与体基を含む少なくとも一つの利尿化合物の有効量を投与することができる。別の態様では、患者に複素環式の酸化窒素供与体基を含む少なくとも一つの利尿化合物と、少なくとも一つの酸化窒素増強化合物との有効量を投与することができる。別の態様では、患者に複素環式の酸化窒素供与体基を含む少なくとも一つの利尿化合物と、例えば、アルドステロンアンタゴニスト、α-アドレナリン受容体アンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、抗糖尿病化合物、抗高脂血症化合物、抗酸化薬、抗血栓性および血管拡張性化合物、β-アドレナリンアンタゴニスト、カルシウムチャンネル遮断薬、ジギタリス、利尿薬、エンドセリンアンタゴニスト、ヒドララジン化合物、H2受容体アンタゴニスト、中性エンドペプチダーゼ阻害剤、非ステロイド性抗炎症化合物(NSAID)、ホスホジエステラーゼ阻害剤、カリウムチャンネル遮断薬、血小板減少剤、プロトンポンプ阻害剤、レニン阻害剤、選択的シクロオキシゲナーゼ-2 (COX-2)阻害剤、およびこれらの二つまたはそれ以上の組合せなどを含むがこれらに限定されない、少なくとも一つの治療薬との有効量を投与することができる。別の態様では、患者に複素環式の酸化窒素供与体基を含む少なくとも一つの利尿化合物と、少なくとも一つの治療薬と、少なくとも一つの酸化窒素増強化合物との有効量を投与することができる。一つの態様では、水分過多および/または電解質滞留から生じる状態は、下肢のむくみ、疲労、体液滞留、心肥大、息切れおよび/または浮腫である。複素環式の酸化窒素供与体基を含む利尿化合物、酸化窒素増強化合物、および/または治療薬は、別々にまたは一つもしくは複数の薬学的に許容される担体中の同一組成物の成分として投与することができる。
【0233】
本発明は、本明細書に記述される化合物および/または組成物の有効量を、その必要性がある患者に投与することによって心血管障害を治療する方法を提供する。例えば、患者に複素環式の酸化窒素供与体基を含む少なくとも一つの利尿化合物の有効量を投与することができる。別の態様では、患者に複素環式の酸化窒素供与体基を含む少なくとも一つの利尿化合物と、少なくとも一つの酸化窒素増強化合物との有効量を投与することができる。別の態様では、患者に複素環式の酸化窒素供与体基を含む少なくとも一つの利尿化合物と、例えば、アルドステロンアンタゴニスト、α-アドレナリン受容体アンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、抗糖尿病化合物、抗高脂血症化合物、抗酸化薬、抗血栓性および血管拡張性化合物、β-アドレナリンアンタゴニスト、カルシウムチャンネル遮断薬、ジギタリス、利尿薬、エンドセリンアンタゴニスト、ヒドララジン化合物、H2受容体アンタゴニスト、中性エンドペプチダーゼ阻害剤、非ステロイド性抗炎症化合物(NSAID)、ホスホジエステラーゼ阻害剤、カリウムチャンネル遮断薬、血小板減少剤、プロトンポンプ阻害剤、レニン阻害剤、選択的シクロオキシゲナーゼ-2 (COX-2)阻害剤、およびこれらの二つまたはそれ以上の組合せなどを含むがこれらに限定されない、少なくとも一つの治療薬との有効量を投与することができる。別の態様では、患者に複素環式の酸化窒素供与体基を含む少なくとも一つの利尿化合物と、少なくとも一つの治療薬と、少なくとも一つの酸化窒素増強化合物との有効量を投与することができる。一つの態様では、心血管障害は高血圧、うっ血性心不全および/または拡張機能障害である。複素環式の酸化窒素供与体基を含む利尿化合物、酸化窒素増強化合物、および/または治療薬は、別々にまたは一つもしくは複数の薬学的に許容される担体中の同一組成物の成分として投与することができる。
【0234】
本発明は、本明細書に記述される化合物および/または組成物の有効量を、その必要性がある患者に投与することによって腎血管性疾患を治療する方法を提供する。例えば、患者に複素環式の酸化窒素供与体基を含む少なくとも一つの利尿化合物の有効量を投与することができる。別の態様では、患者に複素環式の酸化窒素供与体基を含む少なくとも一つの利尿化合物と、少なくとも一つの酸化窒素増強化合物との有効量を投与することができる。別の態様では、患者に複素環式の酸化窒素供与体基を含む少なくとも一つの利尿化合物と、例えば、アルドステロンアンタゴニスト、α-アドレナリン受容体アンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、抗糖尿病化合物、抗高脂血症化合物、抗酸化薬、抗血栓性および血管拡張性化合物、β-アドレナリンアンタゴニスト、カルシウムチャンネル遮断薬、ジギタリス、利尿薬、エンドセリンアンタゴニスト、ヒドララジン化合物、H2受容体アンタゴニスト、中性エンドペプチダーゼ阻害剤、非ステロイド性抗炎症化合物(NSAID)、ホスホジエステラーゼ阻害剤、カリウムチャンネル遮断薬、血小板減少剤、プロトンポンプ阻害剤、レニン阻害剤、選択的シクロオキシゲナーゼ-2 (COX-2)阻害剤、およびこれらの二つまたはそれ以上の組合せなどを含むがこれらに限定されない、少なくとも一つの治療薬との有効量を投与することができる。別の態様では、患者に複素環式の酸化窒素供与体基を含む少なくとも一つの利尿化合物と、少なくとも一つの治療薬と、少なくとも一つの酸化窒素増強化合物との有効量を投与することができる。一つの態様では、腎血管性疾患は、腎不全または腎機能不全である。複素環式の酸化窒素供与体基を含む利尿化合物、酸化窒素増強化合物、および/または治療薬は、別々にまたは一つもしくは複数の薬学的に許容される担体中の同一組成物の成分として投与することができる。
【0235】
本発明は、本明細書に記述される化合物および/または組成物の有効量を、その必要性がある患者に投与することによって、糖尿病を治療する; 酸化ストレスから生じる疾患を治療する; 内皮機能不全を治療する; 内皮機能不全によって引き起こされる疾患を治療する; 肝硬変を治療する; 子癇前症を治療する; 骨粗鬆症を治療する; 腎症を治療する; 末梢血管疾患を治療する; 門脈圧亢進症を治療する; 中枢神経系障害を治療する; および性機能不全を治療する方法を提供する。例えば、患者に複素環式の酸化窒素供与体基を含む少なくとも一つの利尿化合物の有効量を投与することができる。別の態様では、患者に複素環式の酸化窒素供与体基を含む少なくとも一つの利尿化合物と、少なくとも一つの酸化窒素増強化合物との有効量を投与することができる。別の態様では、患者に複素環式の酸化窒素供与体基を含む少なくとも一つの利尿化合物と、例えば、アルドステロンアンタゴニスト、α-アドレナリン受容体アンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、抗糖尿病化合物、抗高脂血症化合物、抗酸化薬、抗血栓性および血管拡張性化合物、β-アドレナリンアンタゴニスト、カルシウムチャンネル遮断薬、ジギタリス、利尿薬、エンドセリンアンタゴニスト、ヒドララジン化合物、H2受容体アンタゴニスト、中性エンドペプチダーゼ阻害剤、非ステロイド性抗炎症化合物(NSAID)、ホスホジエステラーゼ阻害剤、カリウムチャンネル遮断薬、血小板減少剤、プロトンポンプ阻害剤、レニン阻害剤、選択的シクロオキシゲナーゼ-2 (COX-2)阻害剤、およびこれらの二つまたはそれ以上の組合せなどを含むがこれらに限定されない、少なくとも一つの治療薬との有効量を投与することができる。別の態様では、患者に複素環式の酸化窒素供与体基を含む少なくとも一つの利尿化合物と、少なくとも一つの治療薬と、少なくとも一つの酸化窒素増強化合物との有効量を投与することができる。複素環式の酸化窒素供与体基を含む利尿化合物、酸化窒素増強化合物、および/または治療薬は、別々にまたは一つもしくは複数の薬学的に許容される担体中の同一組成物の成分として投与することができる。
【0236】
別々に投与する場合、複素環式の酸化窒素供与体基を含む利尿化合物、酸化窒素増強化合物および/または治療薬は全体的な治療計画の一部として、すなわち、併用療法としてほぼ同じ時に投与することができる。「ほぼ同じ時」は、それらが全体的な治療計画の一部として、すなわち、併用療法または治療カクテルとして投与される限り、複素環式の酸化窒素供与体基を含む利尿化合物を同時に、逐次的に、同じ時に、同じ日の異なる時間に、または異なる日に投与することを含む。
【0237】
インビボで投与する場合、本発明の化合物および組成物は、薬学的に許容される担体との組合せでおよび本明細書に記述される投与量で投与することができる。本発明の化合物および組成物を、複素環式の酸化窒素供与体基を含む少なくとも一つの利尿化合物、および/または少なくとも一つの酸化窒素増強化合物、および/または少なくとも一つの治療薬の組合せとして投与する場合、それらは同様に、治療の標的とされる特定の疾患状態に有効であることが知られている一つまたは複数の付加的な化合物との組合せで使用することができる。酸化窒素増強化合物、治療薬および/またはその他の付加的な化合物は、複素環式の酸化窒素供与体基を含む利尿化合物の投与と同時に、投与に続いて、または投与の前に投与することができる。
【0238】
本発明の化合物および組成物は、薬学的に許容される従来の無毒性の担体、補助剤、および賦形剤を適宜含有する単位投与剤形で経口的に、口腔に、非経口的に、吸入により、局所適用により、注射により、経皮的に、または直腸的に(例えば、坐剤の使用により)を含むが、これらに限定されない、利用可能で効果的な任意の送達システムにより投与することができる。非経口は皮下注射、静脈内、筋肉内、胸骨内注射または注入技法を含む。本発明の一つの態様は、複素環式の酸化窒素供与体基を含む利尿化合物を経口的に、非経口的にまたは吸入により投与する。
【0239】
当業者に公知の経皮的な化合物の投与は、化合物の経皮的通過を介して患者の全身の循環に注入する薬学的化合物の送達に関係する。局所投与も、経皮パッチまたはイオン導入装置等の経皮的投与の使用に関係することがある。他の成分を経皮パッチに組み入れることもできる。例えば、1つまたは複数の保存剤またはヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸プロピル、クロロクレゾール、塩化ベンザルコニウム等を含むがこれらに限定されない抗菌剤と共に、組成物および/または経皮パッチを製剤化することができる。本発明の化合物および組成物の局所投与用の剤形には、クリーム、スプレー、ローション、ゲル、軟膏、点眼剤、点鼻剤、点耳剤、等を挙げることができる。このような剤形では、本発明の組成物を、例えば保存剤としての1%または2%(wt/wt)ベンジルアルコール、乳化ワックス、グリセリン、パルミチン酸イソプロピル、乳酸、精製水およびソルビトール溶液と混合して、白色で、滑らかで、均一で、不透明なクリームまたはローションを形成することができる。また、本発明の組成物はポリエチレングリコール400を含有することができる。それらを、例えば保存剤としての2%(wt/wt)ベンジルアルコール、白色ワセリン、乳化ワックスおよびテノックス(tenox) II(ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、クエン酸、プロピレングリコール)と混合して軟膏を形成することができる。織パッドまたはロール状の包帯材、例えばガーゼに、溶液、ローション、クリーム、軟膏状の本発明の組成物を含浸させてもよく、または他のこのような形態を局所的な適用に使用してもよい。本発明の組成物は、樹脂性架橋剤を本発明の組成物と共に含浸させ、不浸透性の裏材に積層したアクリル系ポリマー接着剤の1つ等の経皮的システムを使用して、局所的に適用することもできる。
【0240】
本発明の組成物は、樹脂性架橋剤を本発明の組成物と共に浸透させ、不浸透性の裏材に積層したアクリル系ポリマー接着剤の一つなどの経皮的システムを使用して局所的に適用することもできる。特定の態様では、本発明の組成物は経皮パッチとして、より具体的には、徐放性経皮パッチとして投与される。本発明の経皮パッチは、例えば、粘着性マトリックス、ポリマーマトリックス、貯蔵パッチ、マトリックスまたはモノリシック型の積層構造などのいずれかの従来型のものを含むことができ、通常、一つまたは複数の裏打ち層、接着剤、浸透促進剤、任意の速度制御膜および塗布の前に接着剤を露出させるために取り除かれる剥離ライナ(release liner)で構成される。ポリマーマトリックス・パッチは同様に、ポリマーマトリックス成形材料を含む。適当な経皮パッチは、例えば、米国特許第5,262,165号、第5,948,433号、第6,010,715号および第6,071,531号の中に詳細に記述されており、これらの各特許の開示はその全体が本明細書に組み入れられる。
【0241】
経口投与用の固体剤形には、カプセル、徐放性カプセル、錠剤、徐放性の錠剤、咀しゃく錠、舌下錠、発泡性の錠剤、咀嚼錠、ピル、粉末、サシェ、顆粒およびゲルを挙げることができる。このような固体剤形では、作用化合物を、スクロース、ラクトース、またはデンプン等の少なくとも1つの不活性希釈剤と混合することができる。このような剤形は、通常不活性希釈剤以外の追加の物質、例えばステアリン酸マグネシウム等の潤滑剤を含むことができる。カプセル、錠剤、発泡性の錠剤、およびピルの場合には、剤形は緩衝剤を含むことができる。軟ゼラチンカプセルは、本発明の作用化合物または組成物と植物油の混合物を含有するように製剤化することができる。硬ゼラチンカプセルは、本発明の作用化合物の顆粒を、ラクトース、サッカロース、ソルビトール、マンニトール、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、アミロペクチン、ゼラチンのセルロース誘導体等の固体の粉状担体と組み合わせて含有することができる。錠剤およびピルは、腸溶コーティングを用いて製剤化することができる。
【0242】
経口投与用の液体剤形は、当技術分野において通常使用される水等の不活性希釈剤を含有する、薬学的に許容されるエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ、およびエリキシルを挙げることができる。このような組成物は、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、ならびに甘味剤、矯味矯臭剤および芳香剤等の補助剤も含むことができる。
【0243】
本発明の化合物および組成物の膣または直腸投与用の坐剤は、本発明の化合物または組成物を、直腸内で融解して薬物を放出するように、室温において固体だが、直腸体温において液体であるカカオ脂およびポリエチレングリコール等の好適な無刺激性賦形剤と混合することによって製剤化することができる。
【0244】
注射用製剤、例えば滅菌注射用の水性または油性懸濁液は、好適な分散剤、湿潤剤、および/または懸濁化剤を使用して公知の技術により製剤化することができる。滅菌注射用製剤は、例えば1,3-ブタンジオール溶液等の、非経口的に許容される無毒性の希釈剤または溶媒の滅菌注射用溶液または懸濁液であってもよい。使用することができる許容される賦形剤および溶媒には、水、リンガー液、および等張性塩化ナトリウム溶液が含まれる。滅菌固定油も、溶媒または懸濁媒体として従来から使用されている。
【0245】
本発明の組成物は、従来の賦形剤、すなわち本発明の作用化合物と有害に反応しない、非経口的な適用に好適な薬学的に許容される有機または無機担体物質をさらに含むことができる。薬学的に許容される好適な担体には、例えば水、塩溶液、アルコール、植物油、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ラクトース、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、界面活性剤、ケイ酸、粘性パラフィン、芳香油、脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ジグリセリド、ペトロエトラル(petroethral)脂肪酸エステル、ヒドロキシメチル-セルロース、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。薬学的製剤は滅菌し、適宜、作用化合物と有害に反応しない補助剤、例えば潤滑剤、保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響する塩、緩衝剤、着色剤、矯味矯臭剤、および/または芳香性物質等と混合することができる。非経口的な適用のために特に好適な賦形剤は、好ましくは油性もしくは水性溶液および懸濁液、エマルジョンまたは植え込み物からなる。水性懸濁液は、懸濁液の粘度を増加する物質を含有することができ、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、および/またはデキストランを含む。任意で、懸濁剤は安定剤も含有することができる。
【0246】
本発明の組成物は、適宜少量の湿潤剤、乳化剤、および/またはpH緩衝剤も含有することができる。本発明の組成物は、溶液、懸濁液、エマルジョン、錠剤、ピル、カプセル、徐放性製剤、または粉末であってもよい。本発明の組成物は、従来の結合剤およびトリグリセリド等の担体を含有する坐剤として製剤化することができる。経口製剤は、薬学用グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウム等の標準的な担体を含むことができる。
【0247】
例えば、リポソームへの封入、マイクロバブル、エマルジョン、微粒子、マイクロカプセル等を含む、種々の送達系が公知であり、本発明の化合物または組成物を投与するために使用することができる。単回投与単位または徐放性剤形として必要な用量を投与することができる。
【0248】
本発明の組成物の生物学的利用能は、好適な賦形剤またはリン脂質もしくは界面活性剤等の物質の存在下において粉砕、製粉、噴霧乾燥等の従来の技法を使用して製剤を微粒化することによって増大させることができる。
【0249】
本発明の徐放性剤形は、治療薬が内部に分散されているマイクロ粒子および/またはナノ粒子を含んでもよく、あるいは純粋な、好ましくは結晶性の、固形状の治療薬を含んでもよい。徐放性投与の場合、純粋な、好ましくは結晶性の、治療薬を含んだマイクロ粒子剤形が好ましい。本発明のこの局面の治療用剤形は、徐放に適した任意の形状のものであってよい。
【0250】
ナノ粒子徐放性治療用剤形は、好ましくは生物分解性をもち、任意には、血管平滑筋細胞に結合し、これらの細胞内にまず第1に飲食作用により進入する。プレリソソーム小胞およびリソソーム内で経時的(例えば、30から120日; または10から21日)に、ナノ粒子の生物分解が起こる。本発明の好ましいより大きなマイクロ粒子治療用剤形は、より小さなマイクロ粒子のいくつかだけが食作用によって細胞内に入っていく状態で、その後の標的細胞摂取のため、治療薬を放出する。当業者であれば、標的細胞が本発明の剤形を同化し代謝する精確な機構が、これらの細胞の形態学、生理学、および代謝プロセスによって左右されるということが認識されると思われる。粒子徐放性治療用剤形のサイズも同様に、細胞同化様式に関し重要である。例えば、小さい方のナノ粒子は、間質液と共に細胞間を流れ、輸注された組織の中に浸透することができる。大きい方のマイクロ粒子は、輸注された一次組織内で間質にさらに容易に捕捉される傾向をもち、かくして抗増殖性治療薬を送達するのに有用である。
【0251】
本発明の特定の徐放性剤形には、生物分解性マイクロ粒子またはナノ粒子が含まれる。より具体的には、生物分解性マイクロ粒子またはナノ粒子は、治療薬を放出しかくして粒状構造内に孔を形成するランダムな非酵素的加水分解分裂により生物分解するマトリックスを含有するポリマーで形成される。
【0252】
特定の態様では、本発明の組成物は徐放性錠または徐放性カプセルとして経口的に投与される。例えば、この徐放性製剤は有効な量の少なくとも一つの複素環式の酸化窒素供与体基を含む利尿化合物もしくは薬学的に許容されるその塩、および任意で少なくとも一つの酸化窒素増強化合物とを含むことができ、またはこの徐放性製剤は有効な量の少なくとも一つの複素環式の酸化窒素供与体基を含む利尿化合物もしくは薬学的に許容されるその塩、および少なくとも一つの酸化窒素供与体、および任意で少なくとも一つの治療薬とを含むことができる。
【0253】
本発明の化合物および組成物は、薬学的に許容される塩の形態として製剤化することができる。薬学的に許容される塩には、例えばアルカリ金属塩および遊離酸、または遊離塩基の添加塩が挙げられる。薬学的に許容されるという条件付きで、塩の性質は重大ではない。薬学的に許容される好適な酸添加塩は、無機酸または有機酸から調製することができる。このような無機酸の例には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、炭酸、硫酸およびリン酸が挙げられるが、これらに限定されない。適当な有機酸には、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、メシル酸、サリチル酸、p-ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボニック(embonic)酸(パモン(pamoic)酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、トルエンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、スルファニル酸、ステアリン酸、アルギン酸、β-ヒドロキシ酪酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、ガラクタル酸およびガラクツロン酸等の脂肪族、シクロ脂肪族、芳香族、複素環族、カルボン酸およびスルホン酸類の有機酸が挙げられるが、これらに限定されない。薬学的に許容される好適な塩基添加塩には、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛から作製される金属塩、または一級、二級、および三級アミン、環状アミン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N-メチルグルカミン)、およびプロカイン等から作製される有機塩が挙げられるが、これらに限定されない。これらの塩全ては、例えば適当な酸または塩基を本発明の化合物と反応させることによって対応する化合物から従来の手段によって調製することができる。一つの態様において、本発明の化合物の、薬学的に許容される塩は、硝酸塩を含まない。
【0254】
個々の必要量は変わる場合があるが、本発明の化合物および/または組成物の有効量の最適範囲の設定は当技術分野の範囲内である。一般に、当業者が調節することができる、本発明の化合物および組成物の有効量を提供するために必要な用量は、レシピエントの年齢、健康状態、身体状態、性別、食餌、体重、機能不全の程度、治療頻度、ならびに患者の機能不全または疾病、医学的な状態の性質および範囲、投与経路、使用する特定の化合物の活性、効果、薬学動態的および毒性プロファイル、薬物送達システムを使用するかどうか、および本発明の化合物を薬物併用の一部として投与するかどうかにより変わる。
【0255】
特定の疾患または状態を治療する際に有効である本発明の所定の複素環式の酸化窒素供与体基を含む利尿化合物の量は、疾患または状態の性質に依存し、GoodmanおよびGilman、上記、The Physician's Desk Reference、Medical Economics Company, Inc.、Oradell、N. J.、 1995年、およびDrug Facts and Comparisons, Inc.、St. Louis、MO、1993年を参照することを含む、標準的な臨床技法によって設定することができる。製剤に使用する正確な用量も、投与経路および疾病または疾患の重篤度に依存し、医師および患者の状況によって決定されるべきである。
【0256】
本発明は同様に、少なくとも、一つもしくは複数の複素環式の酸化窒素供与体基を含む新規の利尿化合物と、一つもしくは複数の本明細書に記載の酸化窒素増強化合物を含む、本発明の薬学的化合物および/または組成物の一つまたは複数の成分で充填された一つまたは複数の容器を含んだ薬学的キットを提供する。さらなる治療薬または組成物(例えば、アルドステロンアンタゴニスト、α-アドレナリン受容体アンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、抗糖尿病化合物、抗高脂血症化合物、抗酸化薬、抗血栓性および血管拡張性化合物、β-アドレナリンアンタゴニスト、カルシウムチャンネル遮断薬、ジギタリス、利尿薬、エンドセリンアンタゴニスト、ヒドララジン化合物、H2受容体アンタゴニスト、中性エンドペプチダーゼ阻害剤、非ステロイド性抗炎症化合物(NSAID)、ホスホジエステラーゼ阻害剤、カリウムチャンネル遮断薬、血小板減少剤、プロトンポンプ阻害剤、レニン阻害剤、選択的シクロオキシゲナーゼ-2 (COX-2)阻害剤等、ならびにこれらの二つまたはそれ以上の組み合わせ)、その組成物を投与する装置、およびヒト用の製造、使用または販売に関する当局による承認を反映する薬剤または生物学的製品の製造、使用または販売を規制する政府当局が規定する形態の通知が、このようなキットに付随する場合がある。
【0257】
実施例
実施例1: 安息香酸, 5-(アミノスルホニル)-4-クロロ-2-[(2-フラニルメチル)アミノ]-, (4-メチル-5-オキシド-1,2,5-オキサジアゾール-3-イル)メチルエステル

0℃のフロセミド(0.75 g, 2.3 mmol)、1,2,5-オキサジアゾール-3-メタノール, 4-メチル-, 5-オキシド(0.3 g, 2.3 mmol、国際公開公報第2005/060603 A号の実施例6bに記述されているように調製した)およびN,N-ジメチルアミノピリジン(DMAP, 0.27 g, 2.2 mmol)のCH2Cl2 (7 mL)およびDMF (1 mL)混合液を1-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(0.5 g, 2.6 mmol)で処理した。反応混合液を室温で16時間撹拌し、CH2Cl2で希釈し、水、塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。ろ過および蒸発後の残渣をシリカゲルのクロマトグラフにかけCH2Cl2:EtOAc (7:1)で溶出して、表題の化合物(0.3 g, 収率30%)を白色の固形物として得た。Mp 182〜183℃。

質量スペクトル(API-TIS) m/z 441 (M-H), 443 (MH+), 460 (MNH4+)。C16H15ClN4O7Sに対する分析計算値: C, 43.40; H, 3.41; N, 12.65。実測値: C, 43.21; H, 3.15; N, 12.48。
【0258】
実施例2: 安息香酸, 5-(アミノスルホニル)-4-クロロ-2-[(2-フラニルメチル)アミノ]-, 2-[(4-メチル-5-オキシド-1,2,5-オキサジアゾール-3-イル)メトキシ]-2-オキソエチルエステル

0℃の安息香酸, 5-(アミノスルホニル)-4-クロロ-2-[(2-フラニルメチル)アミノ]-, カルボキシメチルエステル(0.75 g, 1.9 mmol、米国特許第2005/0059655号の実施例1bに記述されているように調製した)、1,2,5-オキサジアゾール-3-メタノール, 4-メチル-, 5-オキシド(0.25 g, 1.9 mmol、国際公開公報第2005/060603 A号の実施例6bに記述されているように調製した)およびN,N-ジメチルアミノピリジン(DMAP, 0.24 g, 2.0 mmol)のCH2Cl2:DMF (7:1) (8 mL)混合液を1-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(0.46 g, 2.4 mmol)で処理した。反応混合液を室温で16時間撹拌し、CH2Cl2で希釈し、水、塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。ろ過および蒸発後の残渣をシリカゲルのクロマトグラフにかけCH2Cl2:EtOAc (7:1)で溶出して、表題の化合物(0.1 g, 収率10%)を白色の固形物として得た。Mp 112〜115℃。

質量スペクトル(API-TIS) m/z 499 (M-H), 501 (MH+), 518 (MNH4+)。C18H17ClN4O9S・1.1 mol H2Oに対する分析計算値: C, 41.52; H, 3.69; N, 10.76。実測値: C, 41.08; H, 3.39; N, 10.66。
【0259】
実施例3: 安息香酸, 2-アミノ-5-(アミノスルホニル)-4-クロロ-, (4-メチル-5-オキシド-1,2,5-オキサジアゾール-3-イル)メチルエステル
3a. 安息香酸, 2-アミノ-5-(アミノスルホニル)-4-クロロ-

トリフルオロ酢酸(3 mL)をフロセミド(1 g, 3.0 mmol)のCH2Cl2 (3 mL)溶液に滴下した。反応混合液を室温で3日間撹拌した。溶媒の蒸発後の残渣をシリカゲルのクロマトグラフにかけCH2Cl2:EtOAc:MeOH (1:1:0.1)で溶出して、表題の化合物(0.5 g, 収率53%)を白色の固形物として得た。Mp>2500℃ (分解を伴う)。

質量スペクトル(API-TIS) m/z 250 (MH+), 268 (MNH4+)。
【0260】
3b. 安息香酸, 2-アミノ-5-(アミノスルホニル)-4-クロロ-, (4-メチル-5-オキシド-1,2,5-オキサジアゾール-3-イル)メチルエステル

実施例3aの生成物(0.1 g, 1.9 mmol)、1,2,5-オキサジアゾール, 4-(ブロモメチル)-3-メチル-, 2-オキシド(76 mg, 0.39 mmol、国際公開公報第2005/060603 A2号の実施例6cに記述されているように調製した)およびK2CO3 (0.11 g, 0.80 mmol)のDMF (1 mL)混合液を室温で3時間撹拌した。溶媒を真空で蒸発させた。残渣をCH2Cl2/MeOH (10:1)に取り入れ、水、塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。ろ過および蒸発後の残渣をシリカゲルのクロマトグラフにかけCH2Cl2:EtOAc:MeOH (1:1:0.1)で溶出して、表題の化合物(50 mg, 収率34%)を白色の固形物として得た。Mp 169〜172℃。

質量スペクトル(API-TIS) m/z 380 (MNH4+)。
【0261】
本明細書において引用または記述した各特許、特許出願および刊行物の開示は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0262】
本発明を詳細に記述してきたが、当業者であれば、数多くの変更および改良を本発明に加えられること、ならびにそのような変更および改良は本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく加えられることを理解するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸素原子、窒素原子または硫黄原子を通じて利尿化合物に連結される少なくとも一つの複素環式の酸化窒素供与体基を含まなければならない、利尿化合物または薬学的に許容されるその塩。
【請求項2】
少なくとも一つの複素環式の酸化窒素供与体基を含む利尿化合物が式(I)、(II)もしくは(III)の化合物であって、
式(I)の化合物が以下であり:

式中:
X2は-C(O)-または-S(O)2であり;
Y2は塩素またはCF3であり;
-V2-U2-W2-は以下であり:
(i) -N(D1)-(C(Rq)(Rr))-N(D1)-;
(ii) -N=C(Rq))-N(D1)-; または
(iii) -N(D1)-(C(Rq)(Rr))-N(Rq)-;
RqおよびRrは各出現時において独立して水素、低級アルキル基、置換アルキル基、ベンジル基、アリール基、アルキルアリール基、-CH2-S-CH-CH=CH2; -CH2-S-CF3または-CH2-S-CH2-C6H5であり;
D1は水素、V3またはKであり;
Kは-(W)a-Eb-(C(Re)(Rf))p1-Ec-(C(Re)(Rf))x-(W)d-(C(Re)(Rf))y-(W)i-Ej-(W)g-(C(Re)(Rf))z-V4であり;
a、b、c、d、g、iおよびjはそれぞれ独立して0から3の整数であり;
p1、x、yおよびzはそれぞれ独立して0から10の整数であり;
V4はV3、Reまたは-U3-V5であり;
V3は以下であり:


R24は-C6H4R27、-CN、-S(O)2-C6H4R27、-C(O)-N(Ra)(Ri)、-NO2または-C(O)-OR25であり;
R25はアルキル基またはアリール基であり;
R26は-C(O)-または-S(O)2-であり;
R27は水素、-CN、-S(O)2-R25、-C(O)-N(Ra)(Ri)、-NO2または-C(O)-OR25であり;
T'は酸素、硫黄またはNR6であり;
R6は水素、低級アルキル基、アリール基であり;
Wは各出現時において独立して-C(O)-、-C(S)-、-T3-、-(C(Re)(Rf))h-、-N(Ra)Ri、アルキル基、アリール基、複素環、アリール複素環、-(CH2CH2O)q1-または複素環式の酸化窒素供与体であり;
Eは各出現時において独立して-T3-、アルキル基、アリール基、-(C(Re)(Rf))h-、複素環、アリール複素環、-(CH2CH2O)ql-またはY3であり;
Y3は以下であり:

Tは-S(O)o-; カルボニルまたは共有結合であり;
oは0から2の整数であり;
RjおよびRkはアルキル基、アリール基から独立して選択され、またはRjおよびRkはこれらが結合している窒素原子と一緒になって複素環であり;
T3は各出現時において独立して共有結合、カルボニル、酸素、-S(O)o-または-N(Ra)Riであり;
hは1から10の整数であり;
q1は1から5の整数であり;
ReおよびRfはそれぞれ独立して水素、アルキル、シクロアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アリール複素環、アルキルアリール、アルキルシクロアルキル、アルキル複素環、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルチオ、アリールアルキルチオ(arylalklythio)、アリールアルキルチオアルキル(arylalklythioalkyl)、アルキルチオアルキル、シクロアルケニル、複素環アルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アルコキシハロアルキル、スルホン酸、スルホン酸エステル、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、アリールアルコキシ、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、アミノアルキル、アミノアリール、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、カルボキサミド、アルキルカルボキサミド、アリールカルボキサミド、アミジル、カルボキシル、カルバモイル、アルキルカルボン酸、アリールカルボン酸、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、エステル、カルボン酸エステル、アルキルカルボン酸エステル、アリールカルボン酸エステル、スルホンアミド、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニル、アリールスルホニルオキシ、スルホン酸エステル、アルキルエステル、アリールエステル、尿素、ホスホリル、ニトロ、-U3-V5、-C(RO)(Rp)kl-U3-V5であり、またはReおよびRfはこれらが結合している炭素と一緒になってカルボニル、メタンチアル(methanthial)、複素環、シクロアルキル基、アリール基、オキシム、イミン、ヒドラゾンもしくは架橋シクロアルキル基を形成し;
ROおよびRPはそれぞれ独立して水素、アルキル、シクロアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アリール複素環、アルキルアリール、アルキルシクロアルキル、アルキル複素環、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルチオ、アリールアルキルチオ、アリールアルキルチオアルキル、アルキルチオアルキル、シクロアルケニル、複素環アルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アルコキシハロアルキル、スルホン酸、スルホン酸エステル、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、アリールアルコキシ、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、アミノアルキル、アミノアリール、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、カルボキサミド、アルキルカルボキサミド、アリールカルボキサミド、アミジル、カルボキシル、カルバモイル、アルキルカルボン酸、アリールカルボン酸、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、エステル、カルボン酸エステル、アルキルカルボン酸エステル、アリールカルボン酸エステル、スルホンアミド、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニル、アリールスルホニルオキシ、スルホン酸エステル、アルキルエステル、アリールエステル、尿素、ホスホリル、ニトロ、-U3-V5であり、またはROおよびRPはこれらが結合している炭素と一緒になってカルボニル、メタンチアル、複素環、シクロアルキル基、アリール基、オキシム、イミン、ヒドラゾンもしくは架橋シクロアルキル基を形成し;
U3は酸素、硫黄または-N(Ra)Riであり;
V5は-NOまたは-NO2であり;
klは1から3の整数であり;
Raは孤立電子対、水素またはアルキル基であり;
Riは水素、アルキル、アリール、アルキルカルボン酸、アリールカルボン酸、アルキルカルボン酸エステル、アリールカルボン酸エステル、アルキルカルボキサミド、アリールカルボキサミド、アルキルアリール、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、アリールスルホニルオキシ、スルホンアミド、カルボキサミド、カルボン酸エステル、アミノアルキル、アミノアリール、-CH2-C-(U3-V5)(Re)(Rf)、隣接原子との結合であってその原子に二重結合をもたらす結合、M1+が有機または無機陽イオンである-(N2O2-)・M1+であり; ならびに
但し式(I)の利尿化合物は、酸素原子、窒素原子または硫黄原子を通じて利尿化合物に連結される少なくとも一つの複素環式の酸化窒素供与体基を含まなければならないという条件であり;
式(II)の化合物が以下であり:

式中:
X4は以下であり:

Z4は以下であり:

Y4は以下であり:

;
W4は以下であり:

;
DはV3またはKであり;
V4はチオ基または酸素原子であり; および
D1、Y2、V3およびKは本明細書において規定される通りであり; ならびに
但し式(II)の利尿化合物は、酸素原子、窒素原子または硫黄原子を通じて利尿化合物に連結される少なくとも一つの複素環式の酸化窒素供与体基を含まなければならないという条件であり;
式(III)の化合物が以下である:

式中:
X3は以下であり:


Kは本明細書において規定される通りであり;
但し式(III)の複素環式の利尿化合物は、酸素原子、窒素原子または硫黄原子を通じて利尿化合物に連結される少なくとも一つの複素環式の酸化窒素供与体基を含まなければならないという条件である、
請求項1記載の利尿化合物または薬学的に許容されるその塩。
【請求項3】
請求項2記載の化合物および薬学的に許容される担体を含む組成物。
【請求項4】
式(I)の化合物が、複素環式の酸化窒素供与体アルチアジド、複素環式の酸化窒素供与体ベンドロフルメチアジド、複素環式の酸化窒素供与体ベンズチアジド、複素環式の酸化窒素供与体ブチアジド、複素環式の酸化窒素供与体クロロチアジド、複素環式の酸化窒素供与体シクロチアジド、複素環式の酸化窒素供与体エチアジド、複素環式の酸化窒素供与体フェンキゾン、複素環式の酸化窒素供与体ヒドロクロロチアジド、複素環式の酸化窒素供与体ヒドロフルメチアジド、複素環式の酸化窒素供与体メチクロチアジド、複素環式の酸化窒素供与体メトラゾン、複素環式の酸化窒素供与体パラフルチジド、複素環式の酸化窒素供与体ポリチアジド、複素環式の酸化窒素供与体キネタゾン、複素環式の酸化窒素供与体テクロチアジド、複素環式の酸化窒素供与体トリクロルメチアジドであり; 式(II)の化合物が複素環式の酸化窒素供与体アンブシド、複素環式の酸化窒素供与体アゾセミド、複素環式の酸化窒素供与体ブメタニド、複素環式の酸化窒素供与体クロルアミノフェナミド(chloraminophenamide)、複素環式の酸化窒素供与体クロルタリドン、複素環式の酸化窒素供与体クロフェナミド、複素環式の酸化窒素供与体クロパミド、複素環式の酸化窒素供与体ジスルファミド、複素環式の酸化窒素供与体フロセミド、複素環式の酸化窒素供与体メフルシド、複素環式の酸化窒素供与体ピレタニド、複素環式の酸化窒素供与体キシパミドであり; 式(III)の化合物が複素環式の酸化窒素供与体エタクリン酸、複素環式の酸化窒素供与体チクリナフェンである、請求項2記載の化合物または薬学的に許容されるその塩。
【請求項5】
式(I)の化合物が、複素環式の酸化窒素供与体基を含むクロロチアジドまたは式(IV)の複素環式の酸化窒素供与体基を含むヒドロクロロチアジドであり、および式(II)の利尿化合物が、式(V)の複素環式の酸化窒素供与体基を含むクロルタリドン、式(VI)の複素環式の酸化窒素供与体基を含むフロセミドであって、
式(IV)の化合物が以下であり:

式中、結合a-bは単結合(ヒドロクロロチアジド)または二重結合(クロロチアジド)であってよく;
および式(V)の化合物が以下であり:

および式(VI)の化合物が以下である:

式中、
Rm-Rnは一緒になって水素原子であり; または
Rmは以下であり:
(i) -C-(O)-;
(ii) -C-(O)-NR6;
(iii) -C(O)-O-;
(iv) -C(O)-S;
(v) -CH2-O-;
(vi) -CH(CH3)-O-;
(vii) -N-C(O)-S-;
(viii) -N-C(O)-CH2-; もしくは
(ix) -N-C(O)-O-;
Rnは以下であり:
水素もしくは:



式中:
T'、R24、R25、R26、Rj、Rk、ReおよびRfは本明細書において規定される通りであり;
但し式(IV)、(V)および(VI)の化合物は少なくとも一つの複素環式の酸化窒素供与体基を含まなければならないという条件である、
請求項2記載の化合物または薬学的に許容されるその塩。
【請求項6】
請求項3記載の組成物の有効量を患者に投与する段階を含む、その必要性がある患者において水分過多および/または電解質滞留から生じる状態を治療する方法。
【請求項7】
水分過多および/または電解質滞留から生じる状態が、下肢のむくみ、疲労、体液滞留、心肥大、息切れ、肺浮腫、脳浮腫、少なくとも部分的にはうっ血性心不全、肝硬変、血行不良、リンパ系障害、慢性腎炎、栄養失調、経口避妊薬の使用、月経前症候群、日焼け、高血圧、メニエール病、緑内障、嚢胞性線維症および/またはナトリウムやカリウムの不均衡からなる群より選択される要因と関係する浮腫である、請求項6記載の方法。
【請求項8】
請求項3記載の組成物の有効量を患者に投与する段階を含む、その必要性がある患者において心血管疾患を治療する方法。
【請求項9】
心血管疾患が、うっ血性心不全、再狭窄、高血圧、拡張機能障害、冠動脈疾患、心筋梗塞、脳梗塞、アテローム性動脈硬化、アテローム発生、脳血管疾患、狭心症、動脈瘤、虚血性心疾患、脳虚血、心筋虚血、血栓症、血小板凝集、血小板付着、平滑筋細胞増殖、医療機器の使用に関連する血管性もしくは非血管性合併症、医療機器の使用に関連する創傷、血管もしくは非血管壁損傷、末梢血管疾患、経皮経腔冠動脈造影(percutaneous transluminal coronary angiograph)後の新生内膜過形成、血管移植、冠動脈バイパス手術、血栓塞栓事象、血管形成術後の再狭窄、冠動脈のプラーク炎症、高コレステロール血症、塞栓症、脳卒中、ショック、不整脈、心房性細動もしくは心房粗動、または脳血管の血栓閉塞および再閉塞である、請求項8記載の方法。
【請求項10】
心血管疾患がうっ血性心不全、高血圧、または拡張機能障害である、請求項9記載の方法。
【請求項11】
請求項3記載の組成物の有効量を患者に投与する段階を含む、その必要性がある患者において腎血管性疾患を治療する方法。
【請求項12】
腎血管性疾患が腎不全または腎機能不全である、請求項11記載の方法。
【請求項13】
請求項3記載の組成物の有効量を患者に投与する段階を含む、その必要性がある患者において、糖尿病を治療する; 酸化ストレスから生じる疾患を治療する; 内皮機能不全を治療する; 内皮機能不全によって引き起こされる疾患を治療する; 肝硬変を治療する; 子癇前症を治療する; 骨粗鬆症を治療する; 腎症を治療する; 末梢血管疾患を治療する; 門脈圧亢進症を治療する; 中枢神経系障害を治療する; または性機能不全を治療する、方法。
【請求項14】
(i) 少なくとも一つの治療薬; (ii) 少なくとも一つの酸化窒素増強化合物; または(iii) 少なくとも一つの治療薬および少なくとも一つの酸化窒素増強化合物をさらに含む、請求項3記載の組成物。
【請求項15】
治療薬が、アルドステロンアンタゴニスト、α-アドレナリン受容体アンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素阻害剤、抗糖尿病化合物、抗高脂血症化合物、抗酸化薬、抗血栓性および血管拡張性化合物、β-アドレナリンアンタゴニスト、カルシウムチャンネル遮断薬、ジギタリス、利尿薬、エンドセリンアンタゴニスト、ヒドララジン化合物、H2受容体アンタゴニスト、中性エンドペプチダーゼ阻害剤、非ステロイド性抗炎症化合物、ホスホジエステラーゼ阻害剤、カリウムチャンネル遮断薬、血小板減少剤、プロトンポンプ阻害剤、レニン阻害剤、選択的シクロオキシゲナーゼ-2阻害剤、またはこれらの二つもしくはそれ以上の組合せである、請求項14記載の組成物。
【請求項16】
治療薬が、アルドステロンアンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素阻害剤、β-アドレナリンアンタゴニスト、利尿薬およびヒドララジン化合物からなる群より選択される少なくとも一つの化合物である、請求項15記載の組成物。
【請求項17】
アルドステロンアンタゴニストはエプレレノンまたはスピロノラクトンであり; アンギオテンシンIIアンタゴニストはカンデサルタンシレキセチル、エプロサルタンメシレート、イルベサルタン、ロサルタンカリウム、メドキソミル、テルミサルタン、トランドラプリル、トランドラプリラト(trandolaprilat)またはバルサルタンであり; アンギオテンシン変換酵素阻害剤は塩酸ベナゼプリル、カプトプリル、マレイン酸エナラプリル、フォシノプリルナトリウム、リシノプリル、塩酸モエキシプリル、塩酸キナプリル、ラミプリルであり; β-アドレナリンアンタゴニストはフマル酸ビソプロロール、カルベジロール、酒石酸メトプロロール、塩酸プロプラノロールまたはマレイン酸チモロールであり; 利尿薬は塩酸アミロライド、クロルタリドン、ヒドロクロロチアジドまたはトリアムテレンであり; およびヒドララジン化合物は塩酸ヒドララジンである、請求項16記載の組成物。
【請求項18】
酸化窒素増強化合物が、S-ニトロソチオール、亜硝酸塩、硝酸塩、S-ニトロチオール、シドノンイミン、NONOアート(NONOate)、N-ニトロソアミン、N-ヒドロキシルニトロソアミン(N-hydroxyl nitrosamine)、ニトロシミン(nitrosimine)、二酸化ジアゼチン、オキサトリアゾール5-イミン、オキシム、ヒドロキシルアミン、N-ヒドロキシグアニジン、ヒドロキシウレア、フロキサンまたはニトロキシドからなる群より選択される、請求項15記載の組成物。
【請求項19】
(i) 少なくとも一つの治療薬; (ii) 少なくとも一つの酸化窒素増強化合物(iii) 少なくとも一つの治療薬および少なくとも一つの酸化窒素増強化合物を投与する段階をさらに含む、請求項6、8、11または13記載の方法。
【請求項20】
治療薬が、アルドステロンアンタゴニスト、α-アドレナリン受容体アンタゴニスト、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素阻害剤、抗糖尿病化合物、抗高脂血症化合物、抗酸化薬、抗血栓性および血管拡張性化合物、β-アドレナリンアンタゴニスト、カルシウムチャンネル遮断薬、ジギタリス、利尿薬、エンドセリンアンタゴニスト、ヒドララジン化合物、H2受容体アンタゴニスト、中性エンドペプチダーゼ阻害剤、非ステロイド性抗炎症化合物、ホスホジエステラーゼ阻害剤、カリウムチャンネル遮断薬、血小板減少剤、プロトンポンプ阻害剤、レニン阻害剤、選択的シクロオキシゲナーゼ-2阻害剤、またはこれらの二つもしくはそれ以上の組合せである、請求項19記載の方法。
【請求項21】
酸化窒素供与体化合物が、S-ニトロソチオール、亜硝酸塩、硝酸塩、S-ニトロチオール、シドノンイミン、NONOアート、N-ニトロソアミン、N-ヒドロキシルニトロソアミン、ニトロシミン、二酸化ジアゼチン、オキサトリアゾール5-イミン、オキシム、ヒドロキシルアミン、N-ヒドロキシグアニジン、ヒドロキシウレア、フロキサンまたはニトロキシドからなる群より選択される、請求項19記載の方法。
【請求項22】
請求項2記載の少なくとも一つの化合物を含むキット。
【請求項23】
(i) 少なくとも一つの治療薬; (ii) 少なくとも一つの酸化窒素増強化合物; または(iii) 少なくとも一つの治療薬および少なくとも一つの酸化窒素増強化合物をさらに含む、請求項22記載のキット。
【請求項24】
(i) 少なくとも一つの治療薬; (ii) 少なくとも一つの酸化窒素増強化合物; または(iii) 少なくとも一つの治療薬および少なくとも一つの酸化窒素増強化合物がキット中の別々の構成要素の形態で存在する、請求項23記載のキット。
【請求項25】
以下からなる群より選択される化合物、または薬学的に許容されるその塩:
安息香酸, 5-(アミノスルホニル)-4-クロロ-2-[(2-フラニルメチル)アミノ]-, (4-メチル-5-オキシド-1,2,5-オキサジアゾール-3-イル)メチルエステル;
安息香酸, 5-(アミノスルホニル)-4-クロロ-2-[(2-フラニルメチル)アミノ]-, 2-[(4-メチル-5-オキシド-1,2,5-オキサジアゾール-3-イル)メトキシ]-2-オキソエチルエステル;
安息香酸, 2-アミノ-5-(アミノスルホニル)-4-クロロ-, (4-メチル-5-オキシド-1,2,5-オキサジアゾール-3-イル)メチルエステル 。

【公表番号】特表2008−520578(P2008−520578A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−541434(P2007−541434)
【出願日】平成17年11月15日(2005.11.15)
【国際出願番号】PCT/US2005/041321
【国際公開番号】WO2006/055542
【国際公開日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(505000044)ニトロメッド インコーポレーティッド (14)
【Fターム(参考)】