説明

複素環式スルホンアミド、その使用および医薬組成物

本発明は、薬学的に許容できる該化合物の塩を包含する、明細書中で定義されているとおりの式(I)の構造を有する一群の化合物を対象とする。本発明はまた、式Iの化合物を含有する組成物およびその使用を対象とする。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本明細書で定義される通りの式Iの構造を有する新規な群の化合物および式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩を含む医薬組成物に関する。本発明はまた、治療的有効量の式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩を対象に投与することによって、対象を治療する方法を含む。これらの化合物は、本明細書に開示されている状態のために有用である。本発明はさらに、式Iの化合物および対応する中間体を製造する方法を含む。
【背景技術】
【0002】
哺乳動物の中枢神経系(CNS)における主な興奮性神経伝達物質は、イオンチャンネル共役型または代謝共役型グルタミン酸受容体(GluR)によって、そのシグナル伝達が媒介されるアミノ酸グルタメートである。イオンチャンネル共役型グルタミン酸受容体(iGluR)は、3種の選択的iGluRアゴニストであるα−アミノ−3−ヒドロキシ−5−メチルイソオキサゾール−4−プロピオン酸(AMPA)、N−メチル−D−アスパラギン酸塩(NMDA)およびカイニン酸に対するその独自の応答によって区別される3種のサブタイプからなる(Parsons,C.G.、Danysz,W.およびLodge,D.(2002):Ionotropic Glutamate Receptors as Therapeutic Targets(Danysz,W.、Lodge,D.およびParsons,C.G.編)、pp1〜30、F.P.Graham Publishing Co.、Tennessee)。「フリップ」および「フロップ」と考えられる2種のスプライシング変異型の1種として存在する各サブユニットタンパク質を備えた別個の遺伝子(GluA1〜A4)からそれぞれコードされる4種の約900アミノ酸モノマーサブユニットの任意の組み合わせからなるAMPA受容体であるタンパク質ホモまたはヘテロテトラマーは、哺乳動物の脳において非常に多くの興奮性シナプス伝達を媒介し、長い間、認知過程を媒介する神経回路に不可欠な成分であることが提案されてきた(Bleakman,D.およびLodge,D.(1998) Neuropharmacology of AMPA and Kainate Receptors. Neuropharmacology 37:1187〜1204)。様々なヘテロテトラマーの可能性の組み合わせ、4種のiGluRモノマーそれぞれでの2種のスプライシング型および受容体サブユニットRNA編集は脳全体にわたるAMPA受容体の不均質な分布と共に、この臓器内で起こり得る多彩なAMPA受容体応答を強調している(Black,M.D.(2005)、Therapeutic Potential of Positive AMPA Modulators and Their Relationship to AMPA Receptor Subunits. A Review of Preclinical Data. Psychopharmacology 179:154〜163)。AMPAモジュレーターは現在、創薬のための活気ある標的となっている(Rogers,B.およびSchmidt,C.、(2006) Novel Approaches for the Treatment of Schizophrenia, Annual Reports in Medicinal Chemistry 3〜21を参照されたい)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、薬学的に許容できる該化合物の塩を包含する、下式の構造を有する化合物を対象とする:
【0005】
【化1】

[式中、
各Rおよび各Rおよび各Rは独立に、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、−CF、−CN、−(C=O)R、−O−(C=O)−R、−(NR)−(C=O)−R、−(C=O)−OR、−(C=O)−N(R、−OR、−O−(C=O)−OR、−O−(C=O)−N(R、−NO、−N(R、−(NR)−SO−R、−S(O)、−SO−N(R、(C〜C)アルキル、(C〜C10)アリール、(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C)ヘテロシクロアルキルおよび(C〜C10)シクロアルキルからなる群から選択され、ここで、前記(C〜C)アルキル、(C〜C10)アリール、(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C)ヘテロシクロアルキルまたは(C〜C10)シクロアルキルはそれぞれ独立に、1個、2個、3個または4個のRで置換されていてもよく、
wは、0、1または2であり、
mは、0、1、2または3であり、
nは、0、1、2または3であり、
pは、0、1、2または3であり、
qは、0、1、2または3であり、
sは1であり、かつtは1であるか、またはsまたはtの一方は1であり、かつsまたはtの他方は2であり、
は、水素または(C〜C)アルキルであり、
各Rは独立に、水素または(C〜C)アルキルから選択され、ここで、前記(C〜C)アルキルは、1、2、3または4個のハロゲン、−CNまたは−ORで置換されていてもよいか、または
同じ炭素原子上の2個のR基は一緒になって、オキソ(=O)ラジカルまたは(C〜C)スピロシクロアルキルを形成していてよく、
は、水素または(C〜C)アルキルであり、
は、(C〜C)アルキル−(C=O)−、[(C〜C)アルキル]N−(C=O)−、(C〜C)アルキル−SO−、(C〜C10)シクロアルキル−SO−または[(C〜C)アルキル]N−SO−であり、ここで、前記[(C〜C)アルキル]N−(C=O)−および[(C〜C)アルキル]N−SO−の前記(C〜C)アルキル部分は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3員から6員の複素環式環を形成していてもよく、
各Rは独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C10)アリール、(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C)ヘテロシクロアルキルおよび(C〜C10)シクロアルキルからなる群から選択され、ここで、前記(C〜C)アルキルは、水素、ハロ、−CN、ペルフルオロ(C〜C)アルキル、ヒドロキシ、アミノ、(C〜C)アルキルアミノ、[(C〜C)アルキル]アミノ、(C〜C)アルコキシ、ペルフルオロ(C〜C)アルコキシ、HO−(C=O)−、(C〜C)アルキル−O−(C=O)−、ホルミル、(C〜C)アルキル−(C=O)−、HN−(C=O)−、(C〜C)アルキル]−(NH)−(C=O)−、[(C〜C)アルキル]N−(C=O)−、(C〜C)アルキル−(C=O)−O−、H(C=O)−NH−、(C〜C)アルキル(C=O)−NH−、(C〜C)アルキル(C=O)−[N((C〜C)アルキル)]−、(C〜C)アルキル−SO−、(C〜C)アルキル−SO−NH−、(C〜C)アルキル−SO−[N((C〜C)アルキル)]−、HN−SO−、[(C〜C)アルキル]−NH−SO−および[(C〜C)アルキル]N−SO−から独立に選択される1個、2個または3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、前記(C〜C)アルキルは追加的に、置換されていてもよい(C〜C10)アリール、(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C)ヘテロシクロアルキルもしくは(C〜C10)シクロアルキルで置換されていてもよく、ここで、前記の場合による置換基は独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、−CF、−CN、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシおよびアミノから独立に選択される1、2、3または4個のラジカルで置換されていてもよく、ここで、前記Rである(C〜C10)アリール、(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C)ヘテロシクロアルキルまたは(C〜C10)シクロアルキル置換基はそれぞれ追加的に、ハロゲン、ヒドロキシル、−CF、−CN、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシおよびアミノから独立に選択される1、2、3または4個のラジカルで置換されていてもよく、
各Rは独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、−CF、−CN、−(C=O)R10、−O−(C=O)−R10、−(NR10)−(C=O)−R10、−(C=O)−OR10、−(C=O)−N(R10、−OR10、−O−(C=O)−OR10、−O−(C=O)−N(R10、−NO、−N(R10、−(NR10)−SO−R10、−S(O)10および−SO−N(R10からなる群から選択され、
各R10は独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C10)アリール、(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C)ヘテロシクロアルキルおよび(C〜C10)シクロアルキルからなる群から選択され、ここで、前記(C〜C)アルキルは、水素、ハロ、−CN、ペルフルオロ(C〜C)アルキル、ヒドロキシ、アミノ、(C〜C)アルキルアミノ、[(C〜C)アルキル]アミノ、(C〜C)アルコキシ、ペルフルオロ(C〜C)アルコキシ、HO−(C=O)−、(C〜C)アルキル−O−(C=O)−、ホルミル、(C〜C)アルキル−(C=O)−、HN−(C=O)−、(C〜C)アルキル]−(NH)−(C=O)−、[(C〜C)アルキル]N−(C=O)−、(C〜C)アルキル−(C=O)−O−、H(C=O)−NH−、(C〜C)アルキル(C=O)−NH−、(C〜C)アルキル(C=O)−[N((C〜C)アルキル)]−、(C〜C)アルキル−SO−、(C〜C)アルキル−SO−NH−、(C〜C)アルキル−SO−[N((C〜C)アルキル)]−、HN−SO−、[(C〜C)アルキル]−NH−SO−および[(C〜C)アルキル]N−SO−から独立に選択される1個、2個または3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、前記(C〜C)アルキルはまた追加的に、置換されていてもよい(C〜C10)アリール、(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C)ヘテロシクロアルキルもしくは(C〜C10)シクロアルキルで置換されていてもよく、ここで、前記の場合による置換基は、ハロゲン、ヒドロキシル、−CF、−CN、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシおよびアミノから独立に選択される1、2、3または4個のラジカルで独立に置換されていてもよく、ここで、前記R10である(C〜C10)アリール、(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C)ヘテロシクロアルキルまたは(C〜C10)シクロアルキル置換基はそれぞれ、ハロゲン、ヒドロキシル、−CF、−CN、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシおよびアミノから独立に選択される1、2、3または4個のラジカルで追加的に置換されていてもよく、
11は、水素または(C〜C)アルキルであり、
環「A」は、(C〜C10)アリール、(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C10)シクロアルキルまたは(C〜C)ヘテロシクロアルキルであり、ここで、前記(C〜C10)シクロアルキルおよび(C〜C)ヘテロシクロアルキル上の前記R置換基のうちの2個は、同じ炭素原子に結合していてもよく、一緒になってオキソであってもよく、
環「B」は、(C〜C10)アリール、(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C10)シクロアルキルまたは(C〜C)ヘテロシクロアルキルであり、
「X」は、−O−または>C(Rであり、
「Y」は、>NR11、−(NR11)−(C=O)−、>C=O、−O−または>C(Rであり、
「Z」は、−O−、−S−、−(S=O)−または−(SO)−である]。
【0006】
「アルキル」という用語は、1から6個の炭素原子、他の実施形態では、1から4個の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖の飽和、一不飽和および多不飽和ヒドロカルビル置換基(即ち、炭化水素から水素を除去することによって得られる置換基)を指す。一価および多価不飽和置換基、いわゆるアルケニルは、2から6個の炭素原子を有する。アルケニル基は、純粋なE(entgegen)形態、純粋なZ(zusammen)形態またはその任意の混合物として存在してよい。多価不飽和には、複数の二重結合および1つまたは複数の三重結合が包含される。アルキル基を含有するそのような三重結合、いわゆるアルキニル基は、2から6個の炭素原子を有する。そのような飽和置換基の例には、メチル、エチル、プロピル(n−プロピルおよびイソプロピルを包含)、ブチル(n−ブチル、イソブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチルを包含)、ペンチル、イソアミル、ヘキシルなどが包含される。不飽和アルキルの例には、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル(アリル)、イソプロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニルなどが包含される。アルキニルの例には、エチニル、プロピニル、ブチニル、3,3−ジメチルブチニルなどが包含される。
【0007】
場合によっては、ヒドロカルビル置換基(例えば、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリールなど)中の炭素原子の数は、接頭辞「C〜C−」によって示され、ここで、xは、置換基中の炭素原子の最小数であり、yは、最大数である。したがって、例えば、「C〜C−アルキル」は、1〜6個の炭素原子を含有するアルキル置換基を指す。さらに説明すると、C〜C−シクロアルキルは、3から6個の炭素環原子を含有する飽和シクロアルキルを指す。
【0008】
本明細書で使用される場合、「ペルフルオロ(C〜C)アルキル」という用語は、1個または複数のフッ素で置換されている上記の通りのアルキルラジカルを指し、これらに限られないが、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチルなどが包含される。
【0009】
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」という用語は、−OHを指す。他の用語(複数可)と組み合わせて使用される場合、接頭辞「ヒドロキシ」は、接頭辞が結合しているその置換基が、1個または複数のヒドロキシ置換基で置換されていることを示している。1個または複数のヒドロキシ置換基に対して炭素を持つ化合物には例えば、アルコール、エノールおよびフェノールが包含される。
【0010】
「シアノ」(「ニトリル」とも称される)という用語は、−CNを意味し、これはまた、−C≡Nと示されることもある。
【0011】
「カルボニル」という用語は、−C(O)−、>C=O、−(C=O)−を意味し、これはまた:
【0012】
【化2】

と示されることもある。
【0013】
「アミノ」という用語は、−NHを指す。
【0014】
「オキソ」という用語は、=Oを指す。
【0015】
「アルコキシ」という用語は、酸素に結合しているアルキルを指し、これはまた、−O−Rと表されることもあり、ここで、Rは、アルキル基を表す。アルコキシの例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシおよびブトキシが包含される。
【0016】
「スルホニル」という用語は、−S(O)−を指し、これはまた:
【0017】
【化3】

と示されることもある。したがって例えば、「アルキル−スルホニル−アルキル」は、アルキル−S(O)−アルキルを指す。アルキルスルホニルの例には、メチルスルホニル、エチルスルホニルおよびプロピルスルホニルが包含される。
【0018】
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」という用語は、1から5個の適切な置換基によって置換されていてもよい飽和または不飽和(非芳香族)、架橋、多環式、スピロ環式または縮合多環式の3員から10員の炭化水素環(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[3.2.1]オクタニルおよびビシクロ[5.2.0]ノナニルなど)を包含すると定義される。好ましくは、シクロアルキル基は、3から6個の炭素原子を有する。一実施形態では、シクロアルキルは、1個または2個以上の非累積非芳香族二重または三重結合を含有してもよい。スピロ環式環は、炭素原子2個の共通する炭素原子を介して環が形成されている縮合環と比較して、環が1個の炭素原子のまわりに形成されている場合に生じる一種特殊なシクロアルキルである。
【0019】
本明細書で使用される場合、「アリール」という用語は、完全に共役しているπ電子系を有する全て炭素の単環式または縮合環多環式(即ち、炭素原子の隣接対を共有している環)基を包含すると定義される。アリール基は、環(複数可)中に6、8、9または10個の炭素原子を有する。より好ましくは、アリール基は、環(複数可)中に6または10個の炭素原子を有する。最も好ましくは、アリール基は、環(複数可)中に6個の炭素原子を有する。例えば、本明細書で使用される場合、「(C〜C10)アリール」という用語は、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、アントラセニル、インダニルなどの6から10個の炭素原子を含有する芳香族ラジカルを意味する。アリール基は、1から5個の適切な置換基によって置換されていてもよい。
【0020】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」という用語は、O、SおよびNから選択される1個または複数のヘテロ原子を前記環(複数可)中に有する単環式または縮合環多環式芳香族複素環式基を包含すると定義される。ヘテロアリール基は、O、SおよびNから独立に選択される1から5個のヘテロ原子を包含する5から12個の環原子を有する。前記複素環式基の前記環のうちの1個または複数は、ヘテロ原子を含有しなくてよい。好ましくは、ヘテロアリール基は、1から4個のヘテロ原子を包含する5から10個の環原子を有する。より好ましくは、ヘテロアリール基は、1、2または3個のヘテロ原子を包含する5から8個の環原子を有する。最も好ましくは、ヘテロアリール基は、1個または2個のヘテロ原子を包含する6から8個の環原子を有する。例えば、本明細書で使用される場合、「(C〜C)ヘテロアリール」という用語は、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、チエニル、フリル、イミダゾリル、ピロリル、オキサゾリル(例えば、1,3−オキサゾリル、1,2−オキサゾリル)、チアゾリル(例えば、1,2−チアゾリル、1,3−チアゾリル)、ピラゾリル、テトラゾリル、トリアゾリル(例えば、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル)、オキサジアゾリル(例えば、1,2,3−オキサジアゾリル)、チアジアゾリル(例えば、1,3,4−チアジアゾリル)、キノリル、イソキノリル、ベンゾチエニル、ベンゾフリル、インドリルなどの、O、SおよびNから独立に選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子ならびに1から9個の炭素原子を含有する芳香族基を意味する。ヘテロアリール基は、1から5個の適切な置換基によって置換されていてもよい。
【0021】
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクロアルキル」という用語は、O、SおよびNから独立に選択される1個または複数のヘテロ原子を包含する単環式、架橋、多環式、スピロ環式または縮合多環式の飽和または不飽和非芳香族3員から20員環を包含すると定義される。前記架橋、多環式または縮合複素環式基の前記環のうちの1個または複数は、ヘテロ原子を含有しなくてよい。そのようなヘテロシクロアルキル環の例には、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、イミダゾリジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル、テトラヒドロチアジニル、テトラヒドロ−チアジアジニル、モルホリニル、オキセタニル、テトラヒドロジアジニル、オキサジニル、オキサチアジニル、インドリニル、イソインドリニル、キヌクリジニル、クロマニル、イソクロマニル、ベンゾオキサジニルなどが包含される。前記ヘテロシクロアルキル環のさらなる例は、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、イミダゾリジン−1−イル、イミダゾリジン−2−イル、イミダゾリジン−4−イル、ピロリジン−1−イル、ピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピペリジン−1−イル、ピペリジン−2−イル、ピペリジン−3−イル、ピペラジン−1−イル、ピペラジン−2−イル、ピペラジン−3−イル、1,3−オキサゾリジン−3−イル、イソチアゾリジン、1,3−チアゾリジン−3−イル、1,2ピラゾリジン−2−イル、1,3−ピラゾリジン−1−イル、1,2−テトラヒドロチアジン−2−イル、1,3テトラヒドロチアジン−3−イル、1,2−テトラヒドロジアジン−2−イル、1,3テトラヒドロジアジン−1−イル、1,4−オキサジン−2−イル、1,2,5−オキサチアジン−4−イルなどである。ヘテロシクロアルキル環は、1から5個の適切な置換基によって置換されていてもよい。
【0022】
置換基が、群から「独立に選択される」と記載されている場合、置換基はそれぞれ、相互に独立に選択される。したがって、各置換基は、他の置換基(複数可)と同じであるか、または異なってよい。
【0023】
不斉中心が、後記では「本発明の化合物」と称される式I(後記では、式I、Ia、Ib、Ic、IdまたはIeを意味すると理解される)の化合物中に存在する場合、化合物は、光学異性体(鏡像異性体)の形態で存在することがある。一実施形態では、本発明は、式Iの化合物のラセミ混合物を包含する鏡像異性体および混合物を含む。他の実施形態では、1個を超える不斉中心を含有する式Iの化合物では、本発明は、化合物のジアステレオ異性体形態(個々のジアステレオ異性体およびその混合物)を含む。式Iの化合物がアルケニル基または成分を含有する場合、幾何異性体が生じることがある。
【0024】
本発明は、式Iの化合物の互変異性形態を含む。構造異性体が低エネルギー障壁を介して互換性である場合、互変異性(「tautomerism」)が起こり得る。これは、例えば、イミノ、ケトまたはオキシム基を含有する式Iの化合物におけるプロトン互変異性または芳香族成分を含有する化合物におけるいわゆる原子価互変異性の形態を取り得る。したがって、単一化合物が、1種を超える異性を示すこともある。固体および液体形態における互変異性体の様々な比は、分子上の様々な置換基、さらに、化合物を単離するために使用される特定の結晶化技術に左右される。
【0025】
可能な場合、本発明の化合物の適切な薬学的に許容できる酸付加塩には、塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、ホウ酸、フルオロホウ酸、リン酸、メタリン酸、硝酸、炭酸、スルホン酸および硫酸などの無機酸ならびに酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グリコール酸、イソチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、コハク酸、トルエンスルホン酸、酒石酸およびトリフルオロ酢酸などの有機酸に由来するものが包含される。適切な有機酸には通常、例えば、有機酸の脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族、複素環式、カルボン酸およびスルホン酸群が包含される。
【0026】
さらに、本発明の化合物が酸性成分を担持している場合、適切な薬学的に許容できるその塩には、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウムまたはカリウム塩;アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウムまたはマグネシウム塩;および適切な有機リガンドで形成される塩、例えば、第4級アンモニウム塩が包含され得る。他の実施形態では、塩基塩は、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、コリン、ジエチルアミン、ジオラミン、グリシン、リシン、メグルミン、オラミン、トロメタミンおよび亜鉛塩を包含する非毒性塩を形成する塩基から形成される。
【0027】
一実施形態では、酸および塩基の半塩、例えば、半硫酸塩および半カルシウム塩もまた、形成することができる。
【0028】
本発明はまた、式Iで示されるものと同一であるが、実際には、1個または複数の原子が、自然に通常は存在する原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子に置き換えられている、同位体標識されている化合物を包含する。本発明の化合物に導入することができる同位体の例には、それぞれH、H、13C、11C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18Fおよび36Clなどの水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素および塩素の同位体が包含される。前記の同位体および/または他の原子の他の同位体を含有する本発明の化合物および前記化合物の薬学的に許容できる塩は、本発明の範囲内である。本発明のある種の同位体標識された化合物、例えば、Hおよび14Cなどの放射性同位体が導入されたものは、薬物および/または基質組織分布アッセイで有用である。トリチウム、即ち、Hおよび炭素−14、即ち14C同位体が、その調製の容易さおよび検出性によって特に好ましい。さらに、ジュウテリウム、即ちHなどの重い同位体での置換は、より高い代謝安定性、例えば、in vivo半減期の上昇または用量要求の減少から生じるある種の治療上の利点をもたらすことがあり、したがって、場合によっては好ましいことがある。非同位体標識試薬を容易に利用可能な同位体標識試薬に代えて、下記のスキームおよび/または実施例および調製に開示されている手順を実施することによって、本発明の同位体標識された式Iの化合物を一般に調製することができる。
【0029】
本発明の一実施形態は、下式の化合物に関する:
【0030】
【化4】

【0031】
本発明の他の実施形態は、下式の化合物に関する:
【0032】
【化5】

当業者であれば、式Iの化合物が下式を包含する別の立体異性体として存在し得ることを認めるであろう:
【0033】
【化6】

【0034】
本発明の他の実施形態(いわゆるエーテル)は、「Z」が−O−である式I(またはIa、Ib、Ic、IdもしくはIe)の化合物に関する。
【0035】
本発明の他の実施形態(いわゆるチオエーテル)は、「Z」が−S−である式I(またはIa、Ib、Ic、IdもしくはIe)の化合物に関する。
【0036】
本発明の他の実施形態(いわゆるスルホキシド)は、「Z」が−(S=O)−である式I(またはIa、Ib、Ic、IdもしくはIe)の化合物に関する。
【0037】
本発明の他の実施形態(いわゆるスルホン)は、「Z」が−(SO)−である式I(またはIa、Ib、Ic、IdもしくはIe)の化合物に関する。
【0038】
本発明の他の実施形態(いわゆるフランまたはピラン)は、Xが−O−である式I(またはIa、Ib、Ic、IdもしくはIe)の化合物に関する。本発明者らは、「Z」実施形態が特に言及されている他の実施形態と組み合わせることによって特に分別され得るようなこれらのフランおよびピランに特に関心を有する。
【0039】
本発明の他の実施形態(いわゆるシクロペンチルまたはシクロヘキシル)は、Xが>C(Rである、より特には各Rが水素である式I(またはIa、Ib、Ic、IdもしくはIe)の化合物に関する。本発明者らはまた、「Z」実施形態が特に言及されている他の実施形態と組み合わせることによって特に分別され得るようなこれらのシクロペンチルまたはシクロヘキシルに特に関心を有する。
【0040】
本発明の他の実施形態は、環「A」がフェニルであり、より特定すると、nが0、1または2であり、より特定すると、Rが水素、ハロゲン、ヒドロキシル、−CF、−CN、−(C=O)R、−O−(C=O)−R、−(NR)−(C=O)−R、−(C=O)−OR、−(C=O)−N(R、−OR、−O−(C=O)−OR、−O−(C=O)−N(R、−NO、−N(R、−(NR)−SO−R、−S(O)、−SO−N(Rおよび(C〜C)アルキルからなる群から選択され、ここで前記(C〜C)アルキルは1、2、3または4個のRで置換されていてもよい式I(またはIa、Ib、Ic、IdもしくはIe)の化合物に関する。本発明者らはまた、「シクロペンチル」または「クロヘキシル」および/または「Z」実施形態が特に言及されている他の実施形態と組み合わせることによって特に分別され得るようなこれらの「A」フェニル化合物に特に関心を有する。
【0041】
本発明の他の実施形態は、環「A」が(C〜C)ヘテロアリールであり、より特定すると、nが0、1または2であり、より特定すると、Rが水素、ハロゲン、ヒドロキシル、−CF、−CN、−(C=O)R、−O−(C=O)−R、−(NR)−(C=O)−R、−(C=O)−OR、−(C=O)−N(R、−OR、−O−(C=O)−OR、−O−(C=O)−N(R、−NO、−N(R、−(NR)−SO−R、−S(O)、−SO−N(Rおよび(C〜C)アルキルからなる群から選択され、ここで、前記(C〜C)アルキルは1、2、3または4個のRで置換されていてもよい式I(またはIa、Ib、Ic、IdもしくはIe)の化合物に関する。本発明者らはまた、「X」、「シクロペンチル」または「クロヘキシル」および/または「Z」実施形態が特に言及されている他の実施形態と組み合わせることによって特に分別され得るようなこれらの「A」(C〜C)ヘテロアリール化合物に特に関心を有する。
【0042】
本発明の他の実施形態は、環「A」が(C〜C)ヘテロシクロアルキルであり、より特定すると、nが0、1または2であり、より特定すると、Rがオキソ、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、−CF、−CN、−(C=O)R、−O−(C=O)−R、−(NR)−(C=O)−R、−(C=O)−OR、−(C=O)−N(R、−OR、−O−(C=O)−OR、−O−(C=O)−N(R、−NO、−N(R、−(NR)−SO−R、−S(O)、−SO−N(Rおよび(C〜C)アルキルからなる群から選択され、前記(C〜C)アルキルが1、2、3または4個のRで置換されていてもよい式I(またはIa、Ib、Ic、IdもしくはIe)の化合物に関する。本発明者らはまた、「X」、「シクロペンチル」または「クロヘキシル」および/または「Z」実施形態が特に言及されている他の実施形態と組み合わせることによって特に分別され得るようなこれらの「A」(C〜C)ヘテロシクロアルキル化合物に特に関心を有する。
【0043】
本発明の他の実施形態は、環「A」が(C〜C10)シクロアルキルであり、より特定すると、nが0、1または2であり、より特定すると、Rがオキソ、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、−CF、−CN、−(C=O)R、−O−(C=O)−R、−(NR)−(C=O)−R、−(C=O)−OR、−(C=O)−N(R、−OR、−O−(C=O)−OR、−O−(C=O)−N(R、−NO、−N(R、−(NR)−SO−R、−S(O)、−SO−N(Rおよび(C〜C)アルキルからなる群から選択され、ここで、前記(C〜C)アルキルは、1、2、3または4個のRで置換されていてもよい式I(またはIa、Ib、Ic、IdもしくはIe)の化合物に関する。本発明者らはまた、「X」、「シクロペンチル」または「クロヘキシル」および/または「Z」実施形態が特に言及されている他の実施形態と組み合わせることによって特に分別され得るようなこれらの「A」(C〜C10)シクロアルキル化合物に特に関心を有する。
【0044】
本発明の他の実施形態は、Rが(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル、シアノまたはハロゲンであり、Yに対してオルトまたはパラ位にある式I(またはIa、Ib、Ic、IdもしくはIe)の化合物に関する。
【0045】
本発明の他の実施形態は、環「B」がフェニルであり、より特定すると、mが0または1であり、より特定すると、Rが水素、ハロゲン、ヒドロキシル、−CF、−CN、−(C=O)R、−O−(C=O)−R、−(NR)−(C=O)−R、−(C=O)−OR、−(C=O)−N(R、−OR、−O−(C=O)−OR、−O−(C=O)−N(R、−NO、−N(R、−(NR)−SO−R、−S(O)、−SO−N(Rおよび(C〜C)アルキルであり、ここで前記(C〜C)アルキルは1、2、3または4個のRで置換されていてもよい式I(またはIa、Ib、Ic、IdもしくはIe)の化合物に関する。本発明者らはまた、「X」、「シクロペンチル」または「シクロヘキシル」および/または「Z」実施形態が特に言及されている他の実施形態と組み合わせることによって特に分別され得るようなこれらの「B」フェニル化合物に特に関心を有する。また、これらの実施形態はそれぞれ、上記「A」環実施形態と共に該当する追加の実施形態も形成する。
【0046】
本発明の他の実施形態は、環「B」が(C〜C)ヘテロアリールであり、より特定すると、mが0または1であり、より特定すると、Rが水素、ハロゲン、ヒドロキシル、−CF、−CN、−(C=O)R、−O−(C=O)−R、−(NR)−(C=O)−R、−(C=O)−OR、−(C=O)−N(R、−OR、−O−(C=O)−OR、−O−(C=O)−N(R、−NO、−N(R、−(NR)−SO−R、−S(O)、−SO−N(Rおよび(C〜C)アルキルであり、ここで、前記(C〜C)アルキルは、1、2、3または4個のRで置換されていてもよい式I(またはIa、Ib、Ic、IdもしくはIe)の化合物に関する。本発明者らはまた、「X」、「シクロペンチル」または「シクロヘキシル」および/または「Z」実施形態が特に言及されている他の実施形態と組み合わせることによって特に分別され得るようなこれらの「B」(C〜C)ヘテロアリール化合物に特に関心を有する。また、これらの実施形態はそれぞれ、上記「A」環実施形態と共に該当する追加の実施形態も形成する。
【0047】
本発明の他の実施形態は、環「B」が(C〜C)ヘテロシクロアルキルであり、より特定すると、nが0または1であり、より特定すると、Rが水素、ハロゲン、ヒドロキシル、−CF、−CN、−(C=O)R、−O−(C=O)−R、−(NR)−(C=O)−R、−(C=O)−OR、−(C=O)−N(R、−OR、−O−(C=O)−OR、−O−(C=O)−N(R、−NO、−N(R、−(NR)−SO−R、−S(O)、−SO−N(Rおよび(C〜C)アルキルであり、ここで、前記(C〜C)アルキルは、1、2、3または4個のRで置換されていてもよい式I(またはIa、Ib、Ic、IdもしくはIe)の化合物に関する。本発明者らはまた、「X」、「シクロペンチル」または「シクロヘキシル」および/または「Z」実施形態が特に言及されている他の実施形態と組み合わせることによって特に分別され得るようなこれらの「B」(C〜C)ヘテロシクロアルキル化合物に特に関心を有する。また、これらの実施形態はそれぞれ、上記「A」環実施形態と共に該当する追加の実施形態も形成する。
【0048】
本発明の他の実施形態は、環「B」が(C〜C10)シクロアルキルであり、より特定すると、mが0または1であり、より特定すると、Rが水素、ハロゲン、ヒドロキシル、−CF、−CN、−(C=O)R、−O−(C=O)−R、−(NR)−(C=O)−R、−(C=O)−OR、−(C=O)−N(R、−OR、−O−(C=O)−OR、−O−(C=O)−N(R、−NO、−N(R、−(NR)−SO−R、−S(O)、−SO−N(Rおよび(C〜C)アルキルであり、ここで、前記(C〜C)アルキルは1、2、3または4個のRで置換されていてもよい式I(またはIa、Ib、Ic、IdもしくはIe)の化合物に関する。本発明者らはまた、「X」、「シクロペンチル」または「シクロヘキシル」および/または「Z」実施形態が特に言及されている他の実施形態と組み合わせることによって特に分別され得るようなこれらの「B」(C〜C10)シクロアルキル化合物に特に関心を有する。また、これらの実施形態はそれぞれ、上記「A」環実施形態と共に該当する追加の実施形態も形成する。
【0049】
本発明の他の実施形態は、Rが(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル、シアノまたはハロゲンである式I(またはIa、Ib、Ic、IdもしくはIe)の化合物に関する。
【0050】
本発明の他の実施形態は、Rが水素である式I(またはIa、Ib、Ic、IdもしくはIe)の化合物に関する。
【0051】
本発明の他の実施形態は、Rが水素である式I(またはIa、Ib、Ic、IdもしくはIe)の化合物に関する。
【0052】
本発明の他の実施形態は、pが2であり、両方のRが一緒になってオキソを形成している式I(またはIa、Ib、Ic、IdもしくはIe)の化合物に関する。
【0053】
本発明の他の実施形態は、pが2であり、各Rが(C〜C)アルキルである式I(またはIa、Ib、Ic、IdもしくはIe)の化合物に関する。
【0054】
本発明の他の実施形態は、qが0である式I(またはIa、Ib、Ic、IdもしくはIe)の化合物に関する。
【0055】
本発明の他の実施形態は、Yが存在しない式I(またはIa、Ib、Ic、IdもしくはIe)の化合物に関する。
【0056】
本発明の他の実施形態は、Yが−O−である式I(またはIa、Ib、Ic、IdもしくはIe)の化合物に関する。
【0057】
本発明の他の実施形態は、Yが>C(Rである式I(またはIa、Ib、Ic、IdもしくはIe)の化合物に関する。
【0058】
本発明の他の実施形態は、Rが(C〜C)アルキル−(C=O)−である式I(またはIa、Ib、Ic、IdもしくはIe)の化合物に関する。
【0059】
本発明の他の実施形態は、Rが[(C〜C)アルキル]N−(C=O)−であり、ここで前記(C〜C)アルキル部分が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、4員から6員の複素環式環を形成していてもよい式I(またはIa、Ib、Ic、IdもしくはIe)の化合物に関する。
【0060】
本発明の他の実施形態は、Rが(C〜C)アルキル−SO−である式I(またはIa、Ib、Ic、IdもしくはIe)の化合物に関する。
【0061】
本発明の他の実施形態は、Rが(C〜C)シクロアルキル−SO−である式I(またはIa、Ib、Ic、IdもしくはIe)の化合物に関する。
【0062】
本発明の他の実施形態は、Rが[(C〜C)アルキル]N−SO−であり、ここで、前記(C〜C)アルキル部分は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、4員から6員の複素環式環を形成していてもよい式I(またはIa、Ib、Ic、IdもしくはIe)の化合物に関する。
【0063】
本発明の他の実施形態はまた、本明細書の実施例部分に実施例1〜54として記載されている個々の化合物および薬学的に許容できるその塩のそれぞれに関する。
【0064】
本発明の具体的な好ましい化合物には:
プロパン−2−スルホン酸[(3S,4S)−4−(2’−シアノ−ビフェニル−4−イルオキシ)−テトラヒドロ−フラン−3−イル]−アミド;
プロパン−2−スルホン酸[(3S,4S)−4−(2’−シアノ−4’−フルオロ−ビフェニル−4−イルオキシ)−テトラヒドロ−フラン−3−イル]−アミド;
プロパン−2−スルホン酸[(3S,4S)−4−(2’,4’−ジフルオロ−ビフェニル−4−イルオキシ)−テトラヒドロ−フラン−3−イル]−アミド;
プロパン−2−スルホン酸{(3S,4S)−4−[4−(5−シアノ−チオフェン−2−イル)−フェノキシ]−テトラヒドロ−フラン−3−イル}−アミド;
プロパン−2−スルホン酸{(1S,2R)−2−[4−(5−シアノ−チオフェン−2−イル)−3−フルオロ−フェノキシ]−シクロペンチル}−アミド;
プロパン−2−スルホン酸{(1S,2R)−2−[4−(5−シアノ−チオフェン−2−イル)−フェノキシ]−シクロペンチル}−アミド;
プロパン−2−スルホン酸{(1S,2R)−2−[3−フルオロ−4−(2−メタンスルホニルアミノ−エチル)−フェノキシ]−シクロペンチル}−アミド;
プロパン−2−スルホン酸{(3S,4S)−4−[5−(2−シアノ−フェニル)−ピリジン−2−イルオキシ]−テトラヒドロ−フラン−3−イル}−アミド;
プロパン−2−スルホン酸{(1S,2R)−2−[6−(2−シアノ−4−フルオロ−フェニル)−ピリジン−3−イルオキシ]−シクロヘキシル}−アミド;および
プロパン−2−スルホン酸{(1S,2R)−2−[6−(5−シアノ−チオフェン−2−イル)−ピリジン−3−イルオキシ]−シクロヘキシル}−アミド;
または薬学的に許容できるその塩が包含される。
本発明の他の具体的な化合物および薬学的に許容できるその塩には、以下が包含される:
プロパン−2−スルホン酸[4−(4−ベンジル−フェノキシ)−テトラヒドロ−フラン−3−イル]−アミド;
プロパン−2−スルホン酸{4−[4−(1−フェニル−エチル)−フェノキシ]−テトラヒドロ−フラン−3−イル}−アミド;
プロパン−2−スルホン酸{4−[4−(ヒドロキシ−フェニル−メチル)−フェノキシ]−テトラヒドロ−フラン−3−イル}−アミド;
プロパン−2−スルホン酸[4−(4−ベンゾイル−フェノキシ)−テトラヒドロ−フラン−3−イル]−アミド;
プロパン−2−スルホン酸[4−(4−フェノキシメチル−フェノキシ)−テトラヒドロ−フラン−3−イル]−アミド;
プロパン−2−スルホン酸{4−[4−(ピロリジン−1−カルボニル)−フェノキシ]−テトラヒドロ−フラン−3−イル}−アミド;
プロパン−2−スルホン酸{4−[3−フルオロ−4−(2−オキソ−ピロリジン−1−イルメチル)−フェノキシ]−テトラヒドロ−フラン−3−イル}−アミド;
プロパン−2−スルホン酸{4−[4−(1,1−ジオキソ−1λ6−イソチアゾリジン−2−イルメチル)−フェノキシ]−テトラヒドロ−フラン−3−イル}−アミド;
プロパン−2−スルホン酸[4−(4−フェノキシ−フェノキシ)−テトラヒドロ−フラン−3−イル]−アミド;
N−{4−[4−(プロパン−2−スルホニルアミノ)−テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシ]−フェニル}−ベンズアミド;
プロパン−2−スルホン酸{4−[4−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−フェノキシ]−テトラヒドロ−フラン−3−イル}−アミド;
2−[2−フルオロ−4−(テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシ)−フェニル]−イソチアゾリジン1,1−ジオキシド;プロパン−2−スルホン酸アミドとの化合物;
N−[4−(2’−シアノ−ビフェニル−4−イルオキシ)−テトラヒドロ−フラン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
3−[4−(2’−シアノ−ビフェニル−4−イルオキシ)−テトラヒドロ−フラン−3−イル]−1,1−ジメチル−スルホニル尿素;
プロパン−2−スルホン酸{4−[5−(2−シアノ−フェニル)−ピリジン−2−イルオキシ]−テトラヒドロ−フラン−3−イル}−アミド;および
プロパン−2−スルホン酸{4−[5−(2−シアノ−フェニル)−ピリミジン−2−イルオキシ]−テトラヒドロ−フラン−3−イル}−アミド。
【0065】
式Iの化合物および薬学的に許容できるその塩は、心臓バイパス手術および移植後の大脳損傷などの急性神経的および精神的障害、卒中、脳虚血、脊髄外傷、頭部外傷、周産期低酸素、心停止、低血糖性神経損傷、認知症(AIDS誘発認知症を包含)、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症、眼損傷、網膜障害、認識障害、特発性および薬物誘発性パーキンソン病、振せんを包含する筋痙縮に随伴する筋痙攣および障害、てんかん、痙攣、片頭痛(片頭痛を包含)、尿失禁、物質抵抗性、物質禁断症状(アヘン剤、ニコチン、タバコ製品、アルコール、ベンゾジアゼピン、コカイン、鎮静剤、睡眠薬などの物質を包含)、精神病、統合失調症、不安(汎発性不安障害、社会不安障害、パニック障害、外傷後ストレス障害および強迫性障害を包含)、気分障害(うつ病、躁病、双極性障害を包含)、三叉神経痛、難聴、耳鳴り、眼の黄斑変性、嘔吐、脳浮腫、疼痛(急性および慢性疼痛状態、激痛、難治性疼痛、神経障害的疼痛および外傷後疼痛を包含)、遅発性ジスキネジア、睡眠障害(ナルコレプシーを包含)、注意欠陥/多動性障害、注意欠陥障害および伝達障害を包含する、グルタメート機能低下に関連する様々な神経および精神障害を治療するために有用である。したがって、一実施形態では、本発明は、ヒトなどの哺乳動物における上記の状態から選択される状態を治療する方法を提供し、これは、有効量の式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩を哺乳動物に投与することを含む。哺乳動物は好ましくは、そのような治療または予防を必要とする哺乳動物である。
【0066】
本明細書で使用される場合、「治療する」という用語は、別段に示されていない限り、そのような用語が適用される障害もしくは状態またはそのような障害もしくは状態の1種または複数の症状の進行を逆転、緩和、調節、阻害するか、予防することを意味している。本明細書で使用される場合、「治療」という用語は、別段に示されていない限り、「治療する」で直前で定義された治療することの作用を指す。
【0067】
例として、本発明は、片頭痛、不安障害、統合失調症およびてんかんから選択される状態を治療する方法を提供する。例示的な不安障害は、汎発性不安障害、社会不安障害、パニック障害、外傷後ストレス障害および強迫性障害である。他の例として、本発明は、大うつ病、慢性うつ病(気分変調)、季節性うつ病(季節性情動障害)、精神病性うつ病および産後うつ病から選択されるうつ病を治療する方法を提供する。他の例として、本発明は、不眠および睡眠遮断から選択される睡眠障害を治療する方法を提供する。
【0068】
他の実施形態では、本発明は、有効量の式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩を哺乳動物に投与することによって、ヒトなどの哺乳動物におけるアテローム硬化性心臓血管疾患、脳血管性疾患および末梢動脈疾患からなる群から選択される状態を治療する方法を含む。哺乳動物は好ましくは、そのような治療または予防を必要とする哺乳動物である。本発明に従って治療することができる他の状態には、高血圧および血管形成が包含される。
【0069】
他の実施形態では、本発明は、グルタメート機能低下に随伴する神経および精神障害を治療する方法を提供し、この方法は、哺乳動物、好ましくはそれを必要とする哺乳動物に、そのような障害を治療するのに有効な量の式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩を投与することを含む。
【0070】
式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩は、他の活性薬剤と組合せて使用することもできる。そのような活性薬剤は、例えば、非定型抗精神病薬またはAMPAポテンシエーターであってよい。したがって、本発明の他の実施形態は、グルタメート機能低下に随伴する神経および精神障害を治療する方法を提供し、この方法は、哺乳動物に、有効量の式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩を投与することを含み、さらに、他の活性薬剤を投与することを含む。
【0071】
本明細書で使用される場合、「他の活性薬剤」という用語は、対象の障害を治療するために有用な、式(I)の化合物以外の任意の治療薬またはその塩に関する。追加の治療薬の例には、抗うつ薬、抗精神病薬、抗疼痛薬、抗アルツハイマー薬および抗不安薬が包含される。本発明の化合物と組み合わせて使用することができる抗うつ薬の特定の群の例には、ノルエピネフリン再取り込み阻害薬、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、NK−1受容体アンタゴニスト、モノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI)、モノアミンオキシダーゼの可逆性阻害薬(RIMA)、セロトニンおよびノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)、副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF)アンタゴニスト、α−アドレノセプターアンタゴニストおよび非定型抗うつ薬が包含される。適切なノルエピネフリン再取り込み阻害薬には、第三級アミン三環系および第二級アミン三環系が包含される。適切な第三級アミン三環系および第二級アミン三環系の例には、アミトリプチリン、クロミプラミン、ドキセピン、イミプラミン、トリミプラミン、ドチエピン、ブトリプチリン、イプリンドール、ロフェプラミン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、アモキサピン、デシプラミンおよびマプロチリンが包含される。適切な選択的セロトニン再取り込み阻害薬の例には、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチンおよびセルトラリンが包含される。モノアミンオキシダーゼ阻害薬の例には、イソカルボキサジド、フェネルジンおよびトラニルシクロプラミン(tranylcyclopramine)が包含される。モノアミンオキシダーゼの適切な可逆性阻害薬の例には、モクロベミドが包含される。本発明で使用される適切なセロトニンおよびノルアドレナリン再取り込み阻害薬の例には、ベンラファキシンが包含される。適切な非定型抗うつ薬の例には、ブプロピオン、リチウム、ネファゾドン、トラゾドンおよびビロキサジンが包含される。抗アルツハイマー薬の例には、ジメボン、メマンチンなどのNMDA受容体アンタゴニストならびにドネペジルおよびガランタミンなどのコリンエステラーゼ阻害薬が包含される。本発明の化合物と組み合わせて使用することができる適切な群の抗不安薬の例には、ベンゾジアゼピンおよびセロトニン1A(5−HT1A)アゴニストまたはアンタゴニスト、特に5−HT1Aパーシャルアゴニストおよび副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF)アンタゴニストが包含される。適切なベンゾジアゼピンには、アルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、クロナゼパム、クロラゼプ酸塩、ジアゼパム、ハラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパムおよびプラゼパムが包含される。適切な5−HT1A受容体アゴニストまたはアンタゴニストには、ブスピロン、フレシノキサン、ゲピロンおよびイプサピロンが包含される。適切な非定型抗精神病薬には、パリペリドン、ビフェプルノックス、ジプラシドン、リスペリドン、アリピプラゾール、オランザピンおよびクエチアピンが包含される。適切なニコチン性アセチルコリンアゴニストには、イスプロニクリン、バレニクリンおよびMEM3454が包含される。抗疼痛薬には、プレガバリン、ガバペンチン、クロニジン、ネオスチグミン、バクロフェン、ミダゾラム、ケタミンおよびジコノチドが包含される。
【0072】
本発明はまた、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩と、薬学的に許容できる担体とを含む医薬組成物を対象とする。
【発明を実施するための形態】
【0073】
式Iの化合物は、下記の方法によって、有機化学の分野で知られている合成方法または当業者が熟知している修飾および誘導体化を伴って調製することができる。
【0074】
任意の次の合成シークエンスの間に、該当する任意の分子上の不安定か、または反応性の基を保護することが必要であるか、かつ/または望ましいことがある。これは、参照によって本明細書に援用されるT.W.Greene、Protective Groups in Organic Chemistry、John Wiley & Sons、1999に記載されているものなどの慣用の保護基によって達成することができる。
【0075】
当業者には理解される通り、式Iの使用は便利であり、本発明は、本明細書中で個々に記載されているかのように、式Iに該当するどの種も包含すると理解されたい。したがって、本発明は、それぞれの種を別々に、およびそのような種のどの組み合わせも企図している。より特定すると、次のスキームでは、RからR11、m、n、p、q、s、t、w、A、B、X、YおよびZは、上記で定義された通りである。
【0076】
【化7】

【0077】
スキーム1は、式Iの化合物の調製に関する。スキーム1を参照すると、通常の当業者によく知られている標準的なパラジウム触媒クロスカップリング反応条件下で、Lがヨード、ブロモまたはトリフラートである式IIのアリールハロゲン化物を、構造(R−ArB(OH)の適切に置換されたアリールボロン酸(式中、Arは、適切に置換されたアリールまたはヘテロアリール基を表し、Bはホウ素である)に結合させて、式Iの化合物を得ることができる[Suzuki,A.、Journal of Organometallic Chemistry、576、147〜169(1999)、MiyauraおよびSuzuki、Chemical Reviews、95、2457〜2483(1995)]。式IIの化合物は、式IIIの化合物から、L(ここで、Lは、ハロ、−OSOCH(−OMs)または−OSOCF(−OTf)であってよい)を、下式の反応物
【0078】
【化8】

[式中、ZはOまたはSである]と置き換えることによって調製することができる。典型的な条件は、アセトニトリルなどの有機溶媒中、炭酸セシウムなどの塩基の存在下、150℃などの高温での反応を伴う。ZがSである場合、過酸化物(mCPBAなど)などの試薬を用いて、塩化メチレンなどの溶媒中、室温で、生成物IIまたはIをさらに酸化させて、>S=Oまたは>SOを得ることができる。
【0079】
別法では、Withbroe、G.J.;Singer,R.A.;Sieser,J.E.「Streamlined Synthesis of the Bippyphos Family of Ligands and Cross−Coupling Applications」、Org.Process Res.Dev.2008、12、480〜489に記載されている方法と類似の方法に従って、適切に置換されたアリール試薬:
【0080】
【化9】

[式中、Lはハロまたは−OSOCF(−OTf)である]との求核性芳香族置換(SnArなどのアリールスズとの反応など)反応によって、式IIIの化合物を式IIの化合物に変換することができる(式中、LはZHであり、ZはOまたはSである)。典型的な条件は、エタノールなどの有機溶媒中、水酸化カリウムなどの塩基、パラジウム(Pd2(dba)など)などの触媒および1−[2−[ビス(tert−ブチル)ホスフィノ]フェニル]−3,5−ジフェニル−1H−ピラゾール(BippyPhos)などのリガンドの存在下、80℃などの高温での反応を含む。
【0081】
別法では、式Iの化合物は、Lがシリル基(トリメチルシリルなど)である式IIの化合物から、酸(酢酸など)の存在下で、臭化カリウム/N−クロロスクシンイミド(NCS)などのハロゲン化試薬との反応などによってシリル基をハライドに初めに変換し、続いて、上記の通りアリール化することによって調製することができる。ハロゲン化のための適切な溶媒には、メタノールまたはエタノールなどのアルコールが包含される。反応を、約10℃から約60℃の温度で約10から約120分間行うことができる。
【0082】
別法では、触媒の存在下でのアリールハロゲン化物との反応による式IIの化合物(式中、LはNHまたはOHである)の反応によって、式Iの化合物(式中、qは0であり、YはOまたはNRである)を調製することができる。
【0083】
別法では、qが2または3である場合、当業者であれば、2個の適切に官能化されたアルキル基の数多くのカップリング反応によって、式Iの化合物を得ることができることを認めるであろう。そのような反応は、当分野の技能の範囲内である。
【0084】
式IIIの化合物から、THFなどのエーテル性溶媒中、約−30℃からほぼ室温で、適切に置換されたアリールグリニャールとカップリングさせることによって、式IIの化合物を調製することができる。パラジウムまたは銅などの触媒によって、反応を促進することができる。
【0085】
式IIIの化合物は、市販されているか、または当業者によく知られている方法によって製造することができるか、または当分野で知られている日常的な方法(COMPENDIUM OF ORGANIC SYNTHETIC METHODS、Vol.I〜VI(Wiley−Interscience出版)などの標準的な参考図書に開示されている方法など)によって調製することができる。
【0086】
当業者によく知られていて、本明細書の実施例部分に詳述されている方法に従って、式Iの化合物を、鏡像異性的に純粋な異性体に分離することができる。
【0087】
本発明の化合物は、無機酸または有機酸に由来する塩の形態で使用することができる。本発明の塩基化合物の酸付加塩は、その塩基化合物を、水性溶媒媒体中、またはメタノールもしくはエタノールなどの適切な有機溶媒中で実質的に当量の選択された無機酸または有機酸で処理することによって容易に調製される。溶媒を慎重に蒸発させると、所望の固体塩が得られる。
【0088】
塩基塩は、対応する酸性化合物を、所望の薬学的に許容できるカチオンを含有する水溶液で処理し、次いで、生じた溶液を乾燥するまで好ましくは減圧下で蒸発させることによって容易に調製することができる。別法ではまた、酸性化合物の低級アルカノール溶液および所望のアルカリ金属アルコキシドを一緒に混合し、次いで、前記と同様の方法で、生じた溶液を乾燥するまで蒸発させることによって、これらを調製することもできる。いずれの場合でも、化学量論的量の試薬を好ましくは使用して、反応の完了および最大生成物収率を保証する。
【0089】
塩が、患者に投与されることが意図されている場合(例えば、in vitroの状況で使用されるのとは反対に)、塩は好ましくは、薬学的に許容できる。「薬学的に許容できる塩」という用語は、式Iの化合物と、そのアニオンまたはそのカチオンが通常、ヒト摂取に適していると見なされる酸または塩基とを混合することによって調製される塩を指す。薬学的に許容できる塩は、親化合物よりも高い水溶性によって、本発明の方法の生成物として特に有用である。医薬品中で使用するために、本発明の化合物の塩は、非毒性の「薬学的に許容できる塩」である。
【0090】
典型的に、本発明の化合物は、本明細書に記載の状態を治療または予防するのに有効な量で投与される。本発明の化合物は、任意の適切な経路で、そのような経路に合わせた医薬組成物の形態で、意図されている治療または予防に有効な用量で投与される。医学的状態を治療またはその進行を防ぐのに必要な化合物の治療的有効用量は、医薬分野で熟知されている前臨床および臨床手法を使用して、当業者によって容易に確認される。
【0091】
本発明の化合物は、経口で投与することができる。経口投与は、化合物が胃腸管に入るような嚥下を伴ってよいか、または化合物が口から直接、血流に入る頬側もしくは舌下投与を使用することができる。
【0092】
他の実施形態では、本発明の化合物はまた、血流中、筋肉中または内臓に直接投与することもできる。非経口投与に適している手段には、静脈内、動脈内、腹腔内、クモ膜下、心室内、尿管内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内および皮下が包含される。非経口投与のための適切なデバイスには、針(微細針を包含する)注射器、無針注射器および点滴技術が包含される。
【0093】
他の実施形態では、本発明の化合物はまた、皮膚または粘膜に局所的に、即ち、皮膚で、または経皮で投与することができる。他の実施形態では、本発明の化合物は、鼻腔内または吸入によって投与することができる。他の実施形態では、本発明の化合物は、直腸または膣で投与することができる。他の実施形態では、本発明の化合物はまた、眼または耳に直接投与することができる。
【0094】
化合物および/または化合物を含有する組成物での投与計画は、患者の種類、年齢、体重、性別および医学的状態;状態の重症度;投与経路;ならびに使用される特定の化合物の活性を包含する様々な因子に基づく。したがって、投与計画は、幅広く変動し得る。1日当たり体重1キログラムあたり約0.01mgから約100mgの規模の投薬レベルが、上記状態の治療または予防において有用である。一実施形態では、本発明の化合物の全一日用量(単回用量または分割用量で投与される)は典型的には、約0.01から約100mg/kgである。他の実施形態では、本発明の化合物の全一日用量は、約0.1から約50mg/kgであり、他の実施形態では、約0.5から約30mg/kg(即ち、体重1kg当たりの本発明の化合物mg)である。一実施形態では、用量は、0.01から10mg/kg/日である。他の実施形態では、用量は、0.1から1.0mg/kg/日である。用量単位組成物は、そのような量またはその数分の一を含有して、一日用量を成していてよい。多くの場合、化合物の投与は、一日複数回繰り返される(典型的には、4回以下)。所望の場合には、一日あたり複数の用量を典型的には使用して、全一日用量を増やすことができる。
【0095】
経口投与では、組成物を、用量を症状に合わせるために活性成分0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、15.0、25.0、50.0、75.0、100、125、150、175、200、250または500ミリグラムを含有する錠剤の形態で、患者に提供することができる。医薬品は典型的には、活性成分約0.01mgから約500mgを、他の実施形態では、活性成分約1mgから約100mgを含有する。静脈内では、用量は、一定の速度の点滴で約0.1から約10mg/kg/分の範囲であってよい。
【0096】
本発明による適切な対象には、哺乳動物対象が包含される。本発明による哺乳動物には、これらに限られないが、イヌ、ネコ、ウシ、ヤギ、ウマ、ヒツジ、ブタ、齧歯類、ウサギ、霊長類などが包含され、子宮内の哺乳動物が包含される。一実施形態では、ヒトが、適切な対象である。ヒト対象は、いずれの性でも、どの成長段階でもよい。
【0097】
他の実施形態では、本発明は、本明細書に記載の状態を治療または予防するための医薬品を調製するための1種または複数の本発明の化合物の使用を含む。
【0098】
上記に挙げた状態を治療または予防するために、本発明の化合物を、化合物のままで投与することができる。別法では、化合物の薬学的に許容できる塩が、親化合物よりも高いその水溶性によって、医学的用途に適している。
【0099】
他の実施形態では、本発明は、医薬組成物を含む。そのような医薬組成物は、示されている本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩と、薬学的に許容できる担体とを含む。担体は、固体、液体またはその両方であってよく、化合物と共に、単位用量組成物として、例えば、活性化合物0.05重量%から95重量%を含有し得る錠剤として製剤することができる。本発明の化合物を、ターゲッティング可能な薬物担体としての適切なポリマーと結合させることができる。他の薬理学的に活性な物質が存在してもよい。
【0100】
本発明の化合物および薬学的に許容できるその塩は、好ましくは任意の適切な経路で、そのような経路に合わせた医薬組成物の形態で、意図されている治療または予防に有効な用量で投与することができる。活性化合物、薬学的に許容できるその塩および組成物は、例えば、経口、直腸、非経口または局所で投与することができる。
【0101】
固体用量形態の経口投与は、例えば、予め決定された量の少なくとも1種の本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩をそれぞれ含有する硬質または軟質カプセル、丸薬、カシェ剤、ロゼンジ剤または錠剤などの個別の単位で提供することができる。他の実施形態では、経口投与は、散剤または顆粒剤形態であってよい。他の実施形態では、経口用量形態は、例えば、ロゼンジ剤などの舌下である。そのような固体剤形では、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩を通常、1種または複数のアジュバントと組み合わせる。そのようなカプセル剤または錠剤は、調節放出製剤を含有することができる。カプセル、錠剤および丸剤の場合、剤形はまた、緩衝剤を含むことができるか、または腸溶コーティングを用いて調製することができる。
【0102】
他の実施形態では、経口投与は、液体用量形態であってよい。経口投与のための液体剤形には、例えば、当分野で一般的に使用される不活性希釈剤(例えば、水)を含有する薬学的に許容できる乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤が包含される。そのような組成物はまた、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、香味剤(例えば、甘味剤)および/または芳香剤などのアジュバントを含んでもよい。
【0103】
他の実施形態では、本発明は、非経口用量形態を含む。「非経口投与」には、例えば、皮下注射、静脈内注射、腹腔内、筋肉内注射、胸骨内注射および点滴が包含される。注射可能な製剤(例えば、無菌の注射可能な水性または油性懸濁液)を、適切な分散剤、湿潤剤および/または懸濁化剤を使用して知られている技術に従って製剤することができる。
【0104】
他の実施形態では、本発明は、局所用量形態を含む。「局所投与」には、例えば、経皮パッチもしくはイオン浸透デバイスを介してなどの経皮投与、眼内投与または鼻腔内もしくは吸入投与が包含される。局所投与のための組成物はまた、例えば、局所ゲル剤、スプレー剤、軟膏剤およびクリーム剤を包含する。局所製剤は、皮膚または他の罹患領域を介しての活性成分の吸収または浸透を増強する化合物を包含することができる。本発明の化合物および薬学的に許容できるその塩を経皮デバイスによって投与する場合、投与を、レザバーおよび多孔性膜タイプか、または固体マトリックス変種のパッチを使用して達成する。この目的のための典型的な製剤には、ゲル剤、ヒドロゲル剤、ローション剤、液剤、クリーム剤、軟膏剤、散布剤、包帯、フォーム剤、フィルム剤、皮膚パッチ、ウェハ、インプラント、スポンジ、繊維、帯具およびマイクロエマルションが包含される。リポソームもまた使用することができる。典型的な担体には、アルコール、水、鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコールが包含される。透過増強剤を導入することもできる。例えば、FinninおよびMorganによるJ Pharm Sci、88(10)、955〜958(1999年10月)を参照されたい。
【0105】
眼への局所投与に適した製剤には、例えば、本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩が適切な担体に溶解または懸濁している点眼剤が包含される。眼または耳投与に適した典型的な製剤は、等張性のpH調節されている無菌食塩水中の超微粉砕懸濁液または溶液の液滴の形態であってよい。眼および耳投与に適した他の製剤には、軟膏剤、生分解性(例えば、吸着性ゲルスポンジ、コラーゲン)および非生分解性(例えば、シリコーン)インプラント、ウェハ、レンズならびにニオソームまたはリポソームなどの微粒子またはベシクル系が包含される。架橋ポリアクリル酸などのポリマー、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロース系ポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースもしくはメチルセルロースまたはヘテロ多糖ポリマー、例えば、ジェランガムを、塩化ベンザルコニウムなどの保存剤と一緒に組み込むことができる。そのような製剤はまた、イオン導入によって送達することができる。
【0106】
鼻腔内投与または吸入による投与では、本発明の活性化合物または薬学的に許容できるその塩は好都合には、患者によって絞られるか、ポンピングされるポンプスプレー容器からの溶液または懸濁液の形態で、または適切な噴射剤を使用する加圧容器または噴霧器からのエアロゾルスプレー提供として送達される。鼻腔内投与に適した製剤を、典型的には乾燥粉末の形態(単独で、混合物として、例えばラクトースとの乾燥ブレンドで、または混合成分粒子として、例えば、ホスファチジルコリンなどのリン脂質と混合して)で、乾燥粉末吸入器から、またはエアロゾルスプレーとして、加圧容器、ポンプ、スプレー、噴霧器(好ましくは微細な霧を生じさせるために電磁流体力学を使用する噴霧器)またはネブライザから、1,1,1,2−テトラフルオロエタンまたは1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンなどの適切な噴射剤を使用して、または使用せずに投与する。鼻腔内使用では、散剤は、生体接着剤、例えばキトサンまたはシクロデキストリンを含んでもよい。
【0107】
他の実施形態では、本発明は、直腸用量形態を含む。そのような直腸用量形態は、例えば、坐剤の形態であってよい。カカオバターが、慣用的な坐剤基材であるが、さまざまな代替品を、適切に使用することができる。
【0108】
医薬分野で知られている他の担体物質および投与方法をまた、使用することができる。本発明の医薬組成物は、有効な製剤および投与手順などの調剤の任意のよく知られている技術によって調製することができる。有効な製剤および投与手順に関する上記の考慮は、当分野でよく知られていて、標準的な教科書に記載されている。薬物の製剤は、例えば、Hoover、John E.、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.、Easton、Pennsylvania、1975;Libermanら編、Pharmaceutical Dosage Forms、Marcel Decker、New York、N.Y.、1980;およびKibbeら編、Handbook of Pharmaceutical Excipients(第3版)、American Pharmaceutical Association、Washington、1999で検討されている。
【0109】
本発明の化合物および薬学的に許容できるその塩は、単独で、または他の治療剤と組み合わせて、様々な状態または疾患状況を治療または予防する際に使用することができる。本発明の化合物(複数可)、薬学的に許容できるその塩および他の治療薬(複数可)を、同時に(同じ剤形で、または別々の剤形で)、または連続して任意の順序で投与することができる。例示的な治療剤は、例えば、代謝共役型グルタメート受容体アゴニストであってよい。
【0110】
「組み合わせて」の2種以上の化合物の投与は、2種の化合物を、一方の存在が、他方の生物学的作用を変更するのに十分に時間的に近接して投与することを意味する。2種以上の化合物を同時に、並行して、または連続して、任意の順序で投与することができる。加えて、同時投与は、投与前に化合物を混合することによってか、または化合物を同時点で、しかし、異なる解剖学的部位に、または異なる投与経路を使用して投与することによって実施することができる。
【0111】
「並行投与」、「共投与」、「同時投与」および「同時に投与」との語句は、化合物が組み合わされて投与されることを意味する。
【0112】
本発明は、上記の治療または予防方法を行う際に使用するために適しているキットをさらに含む。一実施形態では、キットは、1種または複数の本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩を含む第1剤形および本発明の方法を実施するために十分な量を投薬するための容器を含有する。
【0113】
他の実施形態では、本発明のキットは、1種または複数の本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩を含む。
【0114】
本発明の化合物3種を単結晶X線構造決定に掛けて、その絶対立体化学を解明した。結晶データを下記に示す。
【0115】
代表的な結晶を調べた(データセットの特性決定および使用された回折計については、下記の個々の化合物を参照されたい)。フリーデル対を集めて、絶対配置の決定を容易にした。原子散乱因子をInternational Tables for Crystallography、Vol. C、pp.219、500、Kluwer Academic Publishers,1992から得た。全ての結晶算出を、SHELXTL系、Version5.1、Bruker AXS、1997系によって容易にした。全ての回折計データを室温で集めた。適切な結晶、データコレクションおよび精密化を各化合物で表Iにまとめる。
【0116】
試験構造を、各化合物で直接的な方法によって得た。これらの試験構造を通常通りに精密化した。可能な限り、水素位置を算出した。メチル水素を示差フーリエ技術によって配置し、次いで理想化した。窒素上のどの水素も示差フーリエ技術によって配置し、精密化した。水素パラメーターを構造因子算出に加えたが、精密化しなかった。最小二乗精密化の最終サイクルにおいて算出されたシフトは全て、0.1未満の対応標準偏差であった。最終R指数を各構造で得る。最終示差フーリエによって、これらの構造のいずれでも電子密度の欠如または置き違えはないことが明らかになった。
【0117】
Flackの方法、Acta Crystallogr.、1983 A39、876によって、絶対配置を決定した。配位、異方性温度因子、距離および角度を、各構造について下記(表1〜5)に示す。
【0118】
実験手順
特に、酸素または水分に対して不安定な試薬または中間体を使用する場合には、実験を一般には、不活性雰囲気(窒素またはアルゴン)下で実施した。適切な場合には無水溶媒(一般にはAldrich Chemical Company(Milwaukee、Wisconsin)製の製品Sure−Seal(商標))を包含する市販の溶媒および試薬を一般には、さらに精製することなく使用した。質量分析データは、液体クロマトグラフィー−質量分析法(LCMS)、常圧化学イオン化(APCI)またはガスクロマトグラフィー−質量分析法(GCMS)計装から報告する。核磁気共鳴(NMR)データでの化学シフトを、使用された重水素化溶媒からの残留ピークを参照して百万分率(ppm、δ)で表す。
【0119】
他の実施例、調製または方法における手順を参照する合成では、反応条件(反応時間および温度)は変動し得る。一般に、反応に、薄層クロマトグラフィーまたは質量分析法を続け、適切な場合には後処理に掛けた。非生成物固体が粗製反応混合物中に存在する場合、Celite(登録商標)での濾過を使用することができる。精製は実験によって変動することがある。一般には、溶離液/勾配のために使用される溶媒および溶媒比は、適切なRまたは保持時間が得られるように選択された。
【0120】
調製1
cis−N−{4−[(6−ブロモピリジン−3−イル)オキシ]テトラヒドロフラン−3−イル}プロパン−2−スルホンアミドの合成
ステップ1.trans−4−[(6−ブロモピリジン−3−イル)オキシ]テトラヒドロフラン−3−オールの合成
ステップ1の表題化合物を、実施例2においてtrans−4−(4−ブロモフェノキシ)テトラヒドロフラン−3−オールを合成するための一般的な手順に従って調製したが、ただし、6−ブロモピリジン−3−オールを、4−ブロモフェノールの代わりに使用し、粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中20%から70%への酢酸エチル)によって精製した。収量:5.24g、20.2mmol、61%。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 3.79 (dd, J=9.9, 1.9 Hz, 1H), 3.87 (dd,
J=10.4, 1.8 Hz, 1H), 4.00 (dd, J=9.9, 4.3 Hz, 1H), 4.19 (dd, J=10.4, 4.7 Hz,
1H), 4.38 (br m, 1H), 4.59 (br s, 1H), 4.68 (br d, J=4.4 Hz, 1H), 7.14 (dd,
J=8.7, 3.2 Hz, 1H), 7.32 (dd, J=8.7, 0.5 Hz, 1H), 8.01 (br d, J=3.1 Hz, 1H).
【0121】
ステップ2.trans−4−[(6−ブロモピリジン−3−イル)オキシ]テトラヒドロフラン−3−イルメタンスルホネートの合成
ステップ2の表題化合物を、実施例5においてtrans−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロペンチルメタンスルホネートを合成するための一般的な手順に従って調製したが、ただし、trans−4−[(6−ブロモピリジン−3−イル)オキシ]テトラヒドロフラン−3−オールを、trans−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロペンタノールの代わりに使用した。生成物を固体として得た。収量:5.95g、17.6mmol、87%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.07 (s, 3H), 3.94 (br dd, J=10.5, 1.8 Hz,
1H), 4.00 (m, 1H), 4.11 (dd, J=11.1, 4.1 Hz, 1H), 4.18 (dd, J=10.6, 4.5 Hz,
1H), 4.97 (br d, J=4.4 Hz, 1H), 5.13 (br d, J=3.8 Hz, 1H), 7.19 (dd, J=8.7, 3.2
Hz, 1H), 7.35 (dd, J=8.7, 0.5 Hz, 1H), 8.04 (dd, J=3.2, 0.5 Hz, 1H).
【0122】
ステップ3.cis−N−{4−[(6−ブロモピリジン−3−イル)オキシ]テトラヒドロ−フラン−3−イル}プロパン−2−スルホンアミドの合成
trans−4−[(6−ブロモピリジン−3−イル)オキシ]テトラヒドロフラン−3−イルメタンスルホネート(591.7mg、1.75mmol)、プロパン−2−スルホンアミド(647mg、5.25mmol)および炭酸セシウム(855mg、2.62mmol)をアセトニトリル(8mL)中で合わせ、150℃で55分間、マイクロ波照射に掛けた。粗製の反応混合物を、同じ条件下で行われた複数の類似の反応と合わせ(使用された全出発物質:1.527g、4.515mmol)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(100mL)と振盪した。水性層を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中5%から40%への酢酸エチル)を介して精製すると、表題化合物が得られた。収量:382mg、1.046mmol、23%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.34 (d, J=6.8 Hz, 3H), 1.36 (d, J=6.8 Hz,
3H), 3.17 (七重線, J=6.8 Hz, 1H),
3.74 (dd, J=9, 9 Hz, 1H), 3.94 (dd, J=10.9, 1.5 Hz, 1H), 4.14 (dd, J=8, 8 Hz,
1H), 4.19 (dd, J=10.9, 4.3 Hz, 1H), 4.27 (m, 1H), 4.84 (m, 1H), 5.66 (d, J=9.9
Hz, 1H), 7.20 (dd, J=8.8, 3.2 Hz, 1H), 7.40 (d, J=8.8 Hz, 1H), 8.01 (d, J=3.2
Hz, 1H).
【0123】
調製2
メチル3−シアノ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾエートの合成
ステップ1.メチル3−シアノ−4−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}−ベンゾエートの合成
メチル3−シアノ−4−ヒドロキシベンゾエート[P.Madsenら、J.Medicinal Chemistry 2002、45、5755〜5775を参照されたい](4.18g、23.6mmol)のジクロロメタン(81mL)溶液を4−(ジメチルアミノ)ピリジン(432mg、3.54mmol)で処理し、0℃に冷却した。トリエチルアミン(4.93mL、35.4mmol)を加えた後に、溶液をトリフルオロメタンスルホン酸無水物(5.96mL、35.4mmol)で滴下処理し、室温に加温した。2時間後に、反応物を真空濃縮し、ジクロロメタンで繰り返し処理し、物質17グラムが残留するまで濃縮した。これをシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中0%から10%への酢酸エチル)に掛けて、生成物を無色のオイルとして得た。収量:6.50g、21.0mmol、89%。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 4.00 (s, 3H), 7.60 (d, J=8.8 Hz, 1H), 8.39
(dd, J=8.8, 2.1 Hz, 1H), 8.45 (d, J=2.2 Hz, 1H).
【0124】
ステップ2.化合物メチル3−シアノ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾエートの合成
4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボロラン(ビス(ピナコラト)ジボロン、5.81g、22.9mmol)、メチル3−シアノ−4−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}ベンゾエート(5.90g、19.1mmol)、酢酸カリウム(99%、9.46g、95.4mmol)および1,1’−[ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(1.40g、1.91mmol)を脱ガスされたジオキサン(83mL)中、厚肉反応フラスコ内で合わせた。反応物を密閉し、100℃で18時間加熱し、次いで、ジクロロメタン(100mL)で処理し、よく撹拌し、Celite(登録商標)で濾過した。フィルターケーキをジクロロメタン(2×100mL)ですすぎ、合わせた濾液を真空濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中0%から30%への酢酸エチル)に掛けた。生成物を含有するフラクションを濃縮し、2−プロパノールからの再結晶化に掛けて、表題化合物を白色の固体として得た。収量:3.395g、11.82mmol、62%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.41 (s, 12H), 3.97 (s, 3H), 7.98 (d,
J=7.8 Hz, 1H), 8.20 (dd, J=7.8, 1.6 Hz, 1H), 8.35 (br d, J=1.6 Hz, 1H).
【0125】
調製3
N−[(1S,2R)−2−(4−ブロモ−3−フルオロフェノキシ)シクロペンチル]プロパン−2−スルホンアミドの合成
ステップ1.trans−2−(4−ブロモ−3−フルオロフェノキシ)シクロペンタノールの合成
4−ブロモ−3−フルオロフェノール(8.00g、41.9mmol)および6−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン(8.25mL、95.2mmol)をブチロニトリル(5.0mL)中で合わせ、炭酸ナトリウム(4.04g、38.1mmol)で処理した。反応物を175℃で2時間、マイクロ波照射に掛け、次いで、Celite(登録商標)で濾過した。フィルターケーキを酢酸エチル、次いで、ジクロロメタンで洗浄し、合わせた濾液を減圧下で濃縮して、生成物を暗茶色のオイルとして得た。この物質を、追加的に精製することなく使用した。収量:11.59g、>41.9mmol、定量的と推測。1H
NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.61-1.89 (m, 5H), 2.02-2.24 (m, 2H), 4.30 (m, 1H), 4.46 (m, 1H),
6.63 (ddd, J=8.9, 2.8, 1.1 Hz, 1H), 6.73 (dd, J=10.5, 2.8 Hz, 1H), 7.40 (dd,
J=8.9, 8.0 Hz, 1H).
【0126】
ステップ2.(1R,2R)−2−(4−ブロモ−3−フルオロフェノキシ)シクロペンチルアセテートの合成
実施例7において(1R,2R)−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロヘキシルアセテートを合成するための一般的な手順に従って、ステップ2の表題化合物を調製したが、但し、trans−2−(4−ブロモ−3−フルオロフェノキシ)シクロペンタノールを、trans−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロヘキサノールの代わりに使用した。シリカゲルクロマトグラフィー精製からの極性が低い方の物質から、(1R,2R)−2−(4−ブロモ−3−フルオロフェノキシ)シクロペンチルアセテートをオイルとして得た。収量:6.42g、20.2mmol、2ステップで48%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.67-1.75 (m, 1H), 1.79-1.92 (m, 3H),
2.05-2.20 (m, 2H), 2.08 (s, 3H), 4.60 (m, 1H), 5.14 (m, 1H), 6.66 (ddd, J=8.9,
2.8, 1.1 Hz, 1H), 6.78 (dd, J=10.5, 2.8 Hz, 1H), 7.40 (dd, J=8.8, 8.1 Hz, 1H).
【0127】
ステップ3.(1R,2R)−2−(4−ブロモ−3−フルオロフェノキシ)−シクロペンタノールの合成
実施例7において(1R,2R)−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロヘキサノールを合成するための一般的な手順に従って、ステップ3の表題化合物を調製したが、但し、(1R,2R)−2−(4−ブロモ−3−フルオロフェノキシ)シクロペンチルアセテートを(1R,2R)−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロヘキシルアセテートの代わりに使用した。生成物を黄色のオイルとして得た。収量:5.29g、19.2mmol、95%。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 1.62-1.68 (m, 2H), 1.71-1.90 (m, 3H),
2.04-2.11 (m, 1H), 2.15-2.22 (m, 1H), 4.30 (m, 1H), 4.47 (m, 1H), 6.63 (ddd,
J=8.9, 2.8, 1.1 Hz, 1H), 6.73 (dd, J=10.5, 2.8 Hz, 1H), 7.40 (dd, J=8.9, 8.1
Hz, 1H).
【0128】
ステップ4.(1R,2R)−2−(4−ブロモ−3−フルオロフェノキシ)シクロペンチルメタンスルホネートの合成
実施例5においてtrans−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロペンチルメタンスルホネートを合成するための一般的な手順に従って、ステップ4の表題化合物を調製したが、但し、(1R,2R)−2−(4−ブロモ−3−フルオロフェノキシ)シクロペンタノールを、trans−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロペンタノールの代わりに使用した。生成物はオイルとして得られ、これを精製することなく、次のステップに持ち越した。MS (GCMS) m/z 352, 354 (M+1). 1H NMR (500 MHz, CDCl3)
δ 1.81-2.00 (m, 4H), 2.16-2.26
(m, 2H), 3.04 (s, 3H), 4.77 (m, 1H), 5.07 (m, 1H), 6.65 (ddd, J=8.9, 2.8, 1.1
Hz, 1H), 6.74 (dd, J=10.2, 2.8 Hz, 1H), 7.43 (dd, J=8.9, 8.0 Hz, 1H).
【0129】
ステップ5.(1R,2S)−2−アジドシクロペンチル4−ブロモ−3−フルオロフェニルエーテルの合成
実施例5においてcis−2−アジドシクロペンチル4−ブロモフェニルエーテルを合成するための一般的な手順に従って、ステップ5の表題化合物を調製したが、但し、(1R,2R)−2−(4−ブロモ−3−フルオロフェノキシ)シクロペンチルメタンスルホネートを、trans−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロペンチルメタンスルホネートの代わりに使用した。生成物を茶色のオイルとして単離し、これを、精製することなく、次のステップで使用した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ1.66-1.75 (m, 1H), 1.88-2.08 (m, 5H), 3.74
(m, 1H), 4.65 (m, 1H), 6.66 (ddd, J=8.9, 2.8, 1.1 Hz, 1H), 6.75 (dd, J=10.4,
2.8 Hz, 1H), 7.42 (dd, J=8.8, 8.0 Hz, 1H).
【0130】
ステップ6:(1S,2R)−2−(4−ブロモ−3−フルオロフェノキシ)シクロペンタンアミンの合成
実施例5においてcis−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロペンタンアミンを合成するための一般的な手順に従って、ステップ6の表題化合物を調製したが、但し、(1R,2S)−2−アジドシクロペンチル4−ブロモ−3−フルオロフェニルエーテルを、cis−2−アジドシクロペンチル4−ブロモフェニルエーテルの代わりに使用し、cis−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロペンタンアミンを精製することなく、次のステップに持ち越した。LCMS m/z 276.2 (M+1). 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 1.5 (v br s, 2H), 1.57-1.66 (m, 2H),
1.80-1.87 (m, 2H), 1.93-2.01 (m, 2H), 3.36 (m, 1H), 4.41 (m, 1H), 6.63 (ddd,
J=8.9, 2.8, 1.1 Hz, 1H), 6.71 (dd, J=10.5, 2.8 Hz, 1H), 7.40 (dd, J=8.8, 8.0
Hz, 1H).
【0131】
ステップ7.N−[(1S,2R)−2−(4−ブロモ−3−フルオロフェノキシ)−シクロペンチル]プロパン−2−スルホンアミドの合成
実施例5においてcis−N−[2−(4−ブロモフェノキシ)シクロペンチル]プロパン−2−スルホンアミドを合成するための一般的な手順に従って、ステップ7の表題化合物を調製したが、但し、(1S,2R)−2−(4−ブロモ−3−フルオロフェノキシ)シクロペンタンアミンを、cis−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロペンタンアミンの代わりに使用し、クロマトグラフィー精製を、ジクロロメタン中0%から10%へのメタノール勾配を用いて実施して、表題化合物をオフホワイト色の固体として得た。収量:4.15g、10.9mmol、(1R,2R)−2−(4−ブロモ−3−フルオロフェノキシ)シクロペンチルアセテート(5ステップ)から54%。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 1.36 (d, J=6.7 Hz, 3H), 1.39 (d, J=6.8 Hz,
3H), 1.62-1.69 (m, 1H), 1.77-1.90 (m, 3H), 1.92-2.00 (m, 1H), 2.10-2.15 (m,
1H), 3.14 (七重線, J=6.8 Hz, 1H),
3.86 (m, 1H), 4.56-4.60 (m, 2H), 6.61 (ddd, J=8.9, 2.8, 1.1 Hz, 1H), 6.70 (dd,
J=10.3, 2.8 Hz, 1H), 7.43 (dd, J=8.8, 8.1 Hz, 1H).N−[(1S,2R)−2−(4−ブロモ−3−フルオロフェノキシ)シクロペンチル]プロパン−2−スルホンアミドの絶対配置を、実施例7および調製6における化合物の立体化学に対する相似性によって指定した。
【0132】
調製4
(2−シアノ−4−フルオロフェニル)ボロン酸の合成
2−ブロモ−5−フルオロベンゾニトリル(6.00g、30.0mmol)およびホウ酸トリイソプロピル(8.28mL、36.0mmol)をトルエン(48mL)およびテトラヒドロフラン(12mL)の混合物に溶かし、溶液をドライアイス/アセトン浴中で冷却した。n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(2.5M、14.4mL、36.0mmol)を1時間にわたって滴加し、次いで、撹拌しながら18時間にわたって反応物を室温に加温した。混合物を氷浴中で冷却し、pHが1に達するまで2Nの塩酸水溶液で処理し、次いで、室温に加温したが、この時点で、層は分離し、水性層を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を水で2回、飽和塩化ナトリウム水溶液で1回洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。生じた固体を酢酸エチル−ヘプタンから再結晶化させて、(2−シアノ−4−フルオロフェニル)ボロン酸を白色の固体として得た。収量:2.20g、13.3mmol、44%。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.43 (ddd, J=8.6, 8.6, 2.5 Hz, 1H), 7.55
(dd, J=8.8, 2.5 Hz, 1H), 7.69 (br s, 1H).
【0133】
調製5
N−{2−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]エチル}メタンスルホンアミドの合成
ステップ1.tert−ブチル(メチルスルホニル){2−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]エチル}カルバメートの合成
4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(4.29mL、29.6mmol)を、tert−ブチル[2−(4−ヨードフェニル)エチル](メチルスルホニル)カルバメート(J.P.GardnerおよびW.D.Miller、PCT特許出願公開WO2001090055、2001を参照されたい)(8.39g、19.7mmol)、トリエチルアミン(9.64mL、69.1mmol)および1,1’−[ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(217mg、0.296mmol)のアセトニトリル(50mL)中の混合物に徐々に加え、反応混合物を75℃で4時間加熱した。溶媒を除去した後に、残渣を水(240mL)と混合し、メチルtert−ブチルエーテルで抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液および水で洗浄し、次いで硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮して、tert−ブチル(メチルスルホニル){2−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]エチル}カルバメートの合成を得、これを、追加的に精製することなく使用した。収量:定量的と推定。LCMS m/z 326.1 (M+1). 1H NMR
(400 MHz, CDCl3) δ
1.35 (s, 12H), 2.84 (s, 3H), 2.90 (t, J=6.8 Hz, 2H), 3.42 (dt, J=6.6, 6.6 Hz,
2H), 4.18 (br t, J=6 Hz, 1H), 7.23 (d, J=8.1 Hz, 2H), 7.78 (d, J=8.1 Hz, 2H).
【0134】
ステップ2.N−{2−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]エチル}メタンスルホンアミドの合成
トリフルオロ酢酸(10mL)を、tert−ブチル(メチルスルホニル){2−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]エチル}カルバメート(先行するステップから、推定で19.7mmol)のジクロロメタン(100mL)中の0℃溶液に加えた。反応混合物を室温に加温し、18時間撹拌した。次いでこれを、0℃に冷却し、4Nの水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH10.5にした。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%から5%へのメタノール)を介して精製して、表題化合物をオフホワイト色の固体として得た。収量:2.5g、7.7mmol、2ステップで39%。LCMS m/z 326.1 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.35 (s, 12H), 2.84 (s, 3H), 2.90 (t,
J=6.8 Hz, 2H), 3.42 (dt, J=6.6, 6.6 Hz, 2H), 4.18 (br t, J=6 Hz, 1H), 7.23 (d,
J=8.1 Hz, 2H), 7.78 (d, J=8.1 Hz, 2H).
【0135】
調製6
N−[(1S,2R)−2−(4−ブロモ−3−フルオロフェノキシ)シクロヘキシル]プロパン−2−スルホンアミドの合成
実施例5においてcis−N−[2−(4−ブロモフェノキシ)シクロペンチル]プロパン−2−スルホンアミドを合成するための一般的な手順に従って、表題化合物を調製したが、但し、(1S,2R)−2−(4−ブロモ−3−フルオロフェノキシ)シクロヘキサンアミンを、cis−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロペンタンアミンの代わりに使用し、クロマトグラフィー精製は、勾配としてジクロロメタン中0%から1%へのメタノールを使用した。実施例7において(1S,2R)−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロヘキサンアミンを合成するために記載された一般的な手順に従って、(1S,2R)−2−(4−ブロモ−3−フルオロフェノキシ)シクロヘキサンアミンを合成したが、但し、4−ブロモフェノールの代わりに4−ブロモ−3−フルオロフェノールを使用した。表題化合物を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.33-1.53 (m, 4H), 1.35-1.38 (m, 6H),
1.78-1.89 (m, 3H), 2.04-2.10 (m, 1H), 3.12 (七重線, J=6.8 Hz, 1H), 3.54 (m, 1H), 4.44 (d, J=9.6 Hz, 1H), 4.55 (m, 1H),
6.67 (br dd, J=8.9, 2.8 Hz, 1H), 6.75 (dd, J=10.2, 2.7 Hz, 1H), 7.43 (dd,
J=8.5, 8.5 Hz, 1H).表題化合物の絶対配置は、X線結晶学を介して確立した。
【0136】
調製7
N−{(1S,2R)−2−[(6−ブロモピリジン−3−イル)オキシ]シクロヘキシル}プロパン−2−スルホンアミドの合成
ステップ1.trans−2−[(6−ブロモピリジン−3−イル)オキシ]シクロヘキサノールの合成
調製3においてtrans−2−(4−ブロモ−3−フルオロフェノキシ)シクロペンタノールを合成するための一般的な手順に従って、ステップ1の表題化合物を調製したが、但し、6−ブロモピリジン−3−オールを、4−ブロモ−3−フルオロフェノールの代わりに、かつ7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタンを6−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサンの代わりに使用した。粗製の生成物(4つのバッチで調製を行った)をヘプタンから再結晶化させて、trans−2−[(6−ブロモピリジン−3−イル)オキシ]シクロヘキサノールをオフホワイト色の固体として得た。収量:11.09g、40.75mmol、46%。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 1.27-1.46 (m, 4H), 1.76-1.80 (m, 2H),
2.09-2.13 (m, 2H), 2.41 (d, J=2.6 Hz, 1H), 3.74 (m, 1H), 4.00 (m, 1H), 7.17
(dd, J=8.7, 3.1 Hz, 1H), 7.37 (d, J=8.5 Hz, 1H), 8.10 (d, J=3.0 Hz, 1H).
【0137】
ステップ2.cis−2−[(6−ブロモピリジン−3−イル)オキシ]シクロヘキサンアミンの合成
trans−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロペンタノールをcis−2−アジドシクロペンチル4−ブロモフェニルエーテル)に変換するために実施例5に記載された一般的な手順によって、trans−2−[(6−ブロモピリジン−3−イル)オキシ]シクロヘキサノールから調製されたcis−5−[(2−アジドシクロヘキシル)オキシ]−2−ブロモピリジン(13.5g、45.4mmol)をテトラヒドロフラン(292mL)および水(23mL)に溶かし、溶液をトリフェニルホスフィン(23.8g、90.7mmol)で処理した。反応物を室温で18時間撹拌し、次いで、酢酸エチル(500mL)と水(200mL)とに分配した。水性層を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を水(2×200mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(200mL)で洗浄した。次いで、有機層を1Nの塩酸水溶液(4×150mL)で抽出し、合わせた水性層を酢酸エチル(150mL)で洗浄した。次いで、水性層を氷浴中で冷却し、混合物が濁った白色になるまで、2Nの水酸化ナトリウム水溶液で処理し、次いで、これを、酢酸エチル(3×150mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(150mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。cis−2−[(6−ブロモピリジン−3−イル)オキシ]シクロヘキサンアミンを黄色のオイルとして得た。収量:8.00g、29.5mmol、65%。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 1.34 (d, J=6.8 Hz, 3H), 1.35 (d, J=6.7 Hz,
3H), 1.35-1.52 (m, 4H), 1.79-1.85 (m, 3H), 2.02 (m, 1H), 3.11 (七重線, J=6.8 Hz, 1H), 3.53 (m, 1H), 4.59 (br
s, 1H), 4.68 (m, 1H), 7.19 (dd, J=8.7, 3.1 Hz, 1H), 7.38 (d, J=8.7 Hz, 1H),
8.07 (d, J=3.2 Hz, 1H).
【0138】
ステップ3.cis−N−{2−[(6−ブロモピリジン−3−イル)オキシ]シクロヘキシル}−プロパン−2−スルホンアミドの合成
実施例5においてcis−N−[2−(4−ブロモフェノキシ)シクロペンチル]プロパン−2−スルホンアミド cis−N−[2−(4−ブロモフェノキシ)シクロペンチル]プロパン−2−スルホンアミドを合成するための一般的な手順に従って、ステップ3の表題化合物を調製したが、但し、cis−2−[(6−ブロモピリジン−3−イル)オキシ]シクロヘキサンアミンをcis−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロペンタンアミンの代わりに使用し、4−(ジメチルアミノ)ピリジンを省いた。この場合のシリカゲルクロマトグラフィーは、ジクロロメタン中2%のメタノールの溶離液を用いて実施して、cis−N−{2−[(6−ブロモピリジン−3−イル)オキシ]シクロヘキシル}プロパン−2−スルホンアミドをベージュ色の泡として得た。収量:7.96g、21.1mmol、72%。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 1.34 (d, J=6.8 Hz, 3H), 1.35 (d, J=6.7 Hz,
3H), 1.35-1.52 (m, 4H), 1.79-1.85 (m, 3H), 2.02 (m, 1H), 3.11 (七重線, J=6.8 Hz, 1H), 3.53 (m, 1H), 4.59 (br
s, 1H), 4.68 (m, 1H), 7.19 (dd, J=8.7, 3.1 Hz, 1H), 7.38 (d, J=8.7 Hz, 1H),
8.07 (d, J=3.2 Hz, 1H).
【0139】
ステップ4.N−{(1S,2R)−2−[(6−ブロモピリジン−3−イル)オキシ]シクロヘキシル}プロパン−2−スルホンアミドの単離
cis−N−{2−[(6−ブロモピリジン−3−イル)オキシ]シクロヘキシル}プロパン−2−スルホンアミド(7.96g、21.1mmol)を含む鏡像異性体の分離を、キラルクロマトグラフィーによって実施した。カラム:Chiralpak(登録商標)AD−H、2.1×25cm、5μm;移動相:70:30の二酸化炭素:メタノール;流速:65g/分。第1の溶離化合物は、鏡像異性体[N−{(1R,2S)−2−[(6−ブロモピリジン−3−イル)オキシ]シクロヘキシル}プロパン−2−スルホンアミド]であり、第2の溶離ピークは、真空中で溶媒を除去すると、所望の生成物であるN−{(1S,2R)−2−[(6−ブロモピリジン−3−イル)オキシ]シクロヘキシル}プロパン−2−スルホンアミドをもたらした。収量:3.13g、8.30mmol、39%。これらの鏡像異性体の絶対立体化学を、実施例5に対する相似性によって指定した。
【0140】
調製8
cis−N−[4−(4−ブロモフェノキシ)テトラヒドロフラン−3−イル]プロパン−2−スルホンアミドの合成
調製1においてcis−N−{4−[(6−ブロモピリジン−3−イル)オキシ]テトラヒドロフラン−3−イル}プロパン−2−スルホンアミドを合成するための一般的な手順に従って、表題化合物を調製したが、但し、trans−4−(4−ブロモフェノキシ)テトラヒドロフラン−3−イルメタンスルホネートをtrans−4−[(6−ブロモピリジン−3−イル)オキシ]テトラヒドロフラン−3−イルメタンスルホネートの代わりに使用し、クロマトグラフィー精製を、ヘプタン中15%から35%へのアセトンの勾配で実施した。収量:238mg、0.65mmol、31%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.30 (d, J=6.8 Hz, 3H), 1.33 (d, J=6.8 Hz,
3H), 3.11 (七重線, J=6.8 Hz, 1H),
3.66 (dd, J=9.1, 8.4 Hz, 1H), 3.89 (dd, J=10.7, 1.7 Hz, 1H), 4.07-4.13 (m, 2H),
4.19 (m, 1H), 4.71 (m, 1H), 5.12 (d, J=9.6 Hz, 1H), 6.75 (d, J=9.0 Hz, 2H),
7.36 (d, J=9.0 Hz, 2H).
【実施例】
【0141】
(実施例1)
N−{1−[4−trans−({4−[(イソプロピルスルホニル)アミノ]テトラヒドロフラン−3−イル}オキシ)フェニル]ピロリジン−3−イル}アセトアミドの合成
【0142】
【化10】

ステップ1.trans−N−(4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル)プロパン−2−スルホンアミドの合成
3,6−ジオキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン(1.90g、22.1mmol)、プロパン−2−スルホンアミド(D.C.Johnson、IIおよびT.S.Widlanski、Tetrahedron Letters 2004、45、8483〜8487の方法に従って調製)(3.13g、25.4mmol)、炭酸カリウム(584mg、4.23mmol)および塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(963mg、4.23mmol)をジオキサン(10mL)に懸濁させ、還流で120時間加熱した。反応物を室温に冷却し、濾過し、真空濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中40%から80%への酢酸エチル)によって精製して、trans−N−(4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル)プロパン−2−スルホンアミドを固体として得た。収量:3.76g、18.0mmol、81%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.38 (d, J=6.7 Hz, 3H), 1.40 (d, J=6.7 Hz,
3H) 2.91 (d, J=3.6 Hz, 1H), 3.22 (七重線, J=6.8 Hz, 1H), 3.67-3.71 (m, 2H), 3.82 (m, 1H), 4.08-4.12 (m, 2H),
4.40 (m, 1H), 4.77 (d, J=8.4 Hz, 1H), 13C NMR (100 MHz, CDCl3)
δ 16.44, 16.69, 54.18, 62.06,
71.47, 73.50, 77.64.
【0143】
ステップ2.trans−4−[(イソプロピルスルホニル)アミノ]テトラヒドロフラン−3−イルメタンスルホネートの合成
トリエチルアミン(1.99mL、14.3mmol)を、冷却(0℃)されているtrans−N−(4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル)プロパン−2−スルホンアミド(1.99g、9.52mmol)のジクロロメタン(20mL)溶液に加えた。次いで、塩化メタンスルホニル(0.885mL、11.4mmol)を加え、反応物を0℃で50分間撹拌した。飽和重炭酸ナトリウム水溶液(10mL)を加え、水性層を塩化メチレンで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中10%から50%への酢酸エチル)によって精製して、trans−4−[(イソプロピルスルホニル)アミノ]テトラヒドロフラン−3−イルメタンスルホネートを得た。収量:2.27g、7.90mmol、83%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.40 (d, J=6.8 Hz, 3H), 1.41 (d, J=6.8 Hz,
3H), 3.14 (s, 3H), 3.25 (七重線,
J=6.8 Hz, 1H), 3.77 (dd, J=9.5, 2.4 Hz, 1H), 3.96 (dd, J=11.3, 2.2 Hz, 1H),
4.08-4.16 (m, 2H), 4.21 (dd, J=11.3, 5.1 Hz, 1H), 4.77 (d, J=8.0 Hz, 1H), 5.15
(m, 1H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 16.48, 16.54, 38.28, 54.28, 59.49, 71.83,
71.87, 83.97.
【0144】
ステップ3.trans−N−[4−(4−ブロモフェノキシ)テトラヒドロフラン−3−イル]プロパン−2−スルホンアミドの合成
マイクロ波バイアル中で、trans−4−[(イソプロピルスルホニル)アミノ]テトラヒドロフラン−3−イルメタンスルホネート(546mg、1.90mmol)のアセトニトリル(8mL)溶液を4−ブロモフェノール(97%、407mg、2.28mmol)および炭酸セシウム(929mg、2.85mmol)と混合した。反応物をマイクロ波反応器中、160℃で2時間照射し、次いで、室温に冷却し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(10mL)で処理した。反応物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中20%から50%への酢酸エチル)によって精製して、trans−N−[4−(4−ブロモフェノキシ)テトラヒドロフラン−3−イル]プロパン−2−スルホンアミドを得た。収量:626mg、1.72mmol、91%。LCMS m/z 361.9 (M-1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.38 (d, J=6.9 Hz, 3H), 1.40
(d, J=6.8 Hz, 3H), 3.19 (七重線,
J=6.8 Hz, 1H), 3.82 (br d, J=8.0, 1H), 3.91 (dd, J=10.6, 1.7 Hz, 1H), 4.02-4.08
(m, 2H), 4.24 (dd, J=10.5, 4.7 Hz, 1H), 4.85 (br d, J=4.7 Hz, 1H), 4.95 (br d,
J=8.3 Hz, 1H), 6.88 (d, J=9.0 Hz, 2H), 7.40 (d, J=9.0 Hz, 2H). 13C
NMR (100 MHz, CDCl3) δ 16.45, 16.71, 54.14, 58.70, 71.45, 71.81, 82.07, 113.97, 117.20,
132.52, 155.75.
【0145】
ステップ4.N−{1−[4−trans−({4−[(イソプロピルスルホニル)アミノ]−テトラヒドロフラン−3−イル}オキシ)フェニル]ピロリジン−3−イル}アセトアミドの合成
2−メチルブタン−2−オール(2.0mL)に、2’−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−N,N−ジメチルビフェニル−2−アミン(3.2mg、0.008mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(2.7mg、0.003mmol)を加えた。次いで、紫色の反応混合物を20分間脱ガスし、trans−N−[4−(4−ブロモフェノキシ)テトラヒドロフラン−3−イル]プロパン−2−スルホンアミド(95mg、0.26mmol)およびN−ピロリジン−3−イルアセトアミド(67mg、0.52mmol)を加えた。次いで、水酸化カリウム(32mg、0.57mmol)を加え、反応物をさらに20分間脱ガスした。茶色の反応混合物を窒素下で還流加熱すると、黄色になった。反応をGC−MSによって監視し、反応が完了したら、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(5mL)を加えた。水性層を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中で50%から70%への酢酸エチル)によって精製して、ジアステレオ異性体混合物であるN−{1−[4−trans−({4−[(イソプロピルスルホニル)アミノ]テトラヒドロフラン−3−イル}オキシ)フェニル]ピロリジン−3−イル}アセトアミドをゴムとして得た。収量:97.5mg、0.236mmol、91%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.31 (d, J=6.8 Hz, 3H), 1.32 (d, J=6.8 Hz,
3H), 1.93 (s, 3H), 2.22 (m, 1H), 2.64 (br s, 1H), 3.07-3.13 (m, 2H), 3.19 (m,
1H), 3.34-3.43 (m, 2H), 3.74 (dd, J=9.0, 1.8 Hz, 1H), 3.85 (dd, J=10.3, 1.7 Hz,
1H), 4.00-4.13 (m, 3H), 4.53 (m, 1H), 4.69 (br s, 1H), 5.67 (d, J=8.0 Hz, 1H),
6.46 (d, J=8.8 Hz, 2H), 6.46 (1H, パターンが芳香族シグナルで不明確), 6.84 (d, J=9.0 Hz, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3)
δ 16.37, 16.46, 22.98, 31.44,
46.32, 49.31, 53.61, 53.88, 58.67, 71.45, 71.87, 82.80, 112.72, 117.00, 143.13,
147.98, 170.23.
【0146】
(実施例2)
N−[(3S,4S)−4−(ビフェニル−4−イルオキシ)テトラヒドロフラン−3−イル]プロパン−2−スルホンアミド
【0147】
【化11】

ステップ1.trans−4−(4−ブロモフェノキシ)テトラヒドロフラン−3−オールの合成
3,6−ジオキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン(100g、1.16mol)、4−ブロモフェノール(241.1g、1.39mol)、炭酸セシウム(492g、1.51mol)および塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(52.9g、0.23mol)をジオキサン(1L)に懸濁させ、18時間還流加熱した。反応物を室温に冷却し、酢酸エチルで希釈し、次いで、飽和炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。水性層を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機部分を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮して、粗製の生成物を得たが、これは、放置すると凝固した。これを、精製することなく、次のステップで使用した。収量:354g、>100%、定量的と推定。同様の方法で実施された小規模実験からの物質を、特性決定のためにシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中10%から35%への酢酸エチル)によって精製して、trans−4−(4−ブロモフェノキシ)テトラヒドロフラン−3−オールを固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.09 (br d, J=4.5 Hz, 1H), 3.83 (m, 1H),
3.91 (dd, J=10.3, 2.1 Hz, 1H), 4.05 (dd, J=10.1, 4.0 Hz, 1H), 4.26 (dd, J=10.4,
4.9 Hz, 1H), 4.41 (br s, 1H), 4.67 (m, 1H), 6.81 (d, J=9.0 Hz, 2H), 7.40 (d,
J=9.1 Hz, 2H).
【0148】
ステップ2.trans−4−(4−ブロモフェノキシ)テトラヒドロフラン−3−イルメタンスルホネートの合成
トリエチルアミン(181.9mL、1.31mol)を、先行するステップからのtrans−4−(4−ブロモフェノキシ)テトラヒドロフラン−3−オール(354g、推定300.6g、1.16mol)の塩化メチレン(2L)溶液に加え、反応物を氷浴中で0℃に冷却した。次いで、塩化メタンスルホニル(101.3mL、1.31mol)を滴加したが、その間、反応温度を5℃未満に維持し、反応物を室温で18時間撹拌した。水(1.5L)を加え、水性層を塩化メチレンで抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮して、生成物を茶色のオイルとして得た。収量:399.6g、1.18mol、定量的。同様の方法で実施された小規模実験からの物質を、特性決定のためにエタノールと共に摩砕した。1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 3.10 (s, 3H), 4.00 (br dd, J=10.4,
1.9 Hz, 1H), 4.07 (m, 1H), 4.16 (dd, J=11.1, 3.9 Hz, 1H), 4.23 (dd, J=10.5, 4.6
Hz, 1H), 4.98 (br d, J=4.6 Hz, 1H), 5.20 (m, 1H), 6.85 (d, J=9.1 Hz, 2H), 7.42
(d, J=9.0 Hz, 2H).
【0149】
ステップ3.cis−3−アジド−4−(4−ブロモフェノキシ)テトラヒドロフランの合成
trans−4−(4−ブロモフェノキシ)テトラヒドロフラン−3−イルメタンスルホネート(133.2g、0.395mol)のジメチルホルムアミド(3L)溶液に、アジ化ナトリウム(192.6g、2.96mol)を加え、反応物を110℃で66時間加熱した。反応物を室温に冷却し、水(12L)を加えた。この反応物を同じ規模で全部で3回実施し、合わせたバッチをtert−ブチルメチルエーテルで抽出した。次いで、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空濃縮して、生成物を赤茶色のオイルとして得たが、これは、18%のジメチルホルムアミドで汚染されていた。補正収量:286.7g、1.01mol、85%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.93-3.97 (m, 2H), 4.00 (m, 1H), 4.09 (dd,
J=8.7, 5.8 Hz, 1H), 4.17 (dd, J=10.0, 5.6 Hz, 1H), 4.90 (ddd, J=5.4, 5.4, 4.4
Hz, 1H), 6.83 (d, J=9.1 Hz, 2H), 7.41 (d, J=9.0 Hz, 2H).
【0150】
ステップ4.cis−4−(4−ブロモフェノキシ)テトラヒドロフラン−3−アミンの合成
cis−3−アジド−4−(4−ブロモフェノキシ)テトラヒドロフラン(286.7g、1.01mol)のテトラヒドロフラン(1.25L)溶液を0℃に冷却し、トリフェニルホスフィン(278g、1.06mol)で処理した。反応物を室温に加温し、18時間撹拌した。水(53mL)を加え、反応物を室温で66時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をジエチルエーテルと混合した。上澄みをデカンテーションし、真空濃縮して、残渣を得、これをシリカゲルの短いプラグで濾過して(勾配:塩化メチレン中0%から5%へのメタノール)、cis−4−(4−ブロモフェノキシ)テトラヒドロフラン−3−アミン(155g)および不純な生成物366グラムを得た。酸/塩基抽出を不純な物質で実施して、追加の生成物(48.5g)を得た。全体収量:203.5g、0.788mol、4ステップで68%。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 3.6 (m, 1H), 3.7 (m, 1H), 3.9 (m, 1H), 4.0
(m, 1H), 4.1 (m, 1H), 4.6 (m, 1H), 6.8 (m, 2H), 7.3 (m, 2H).
【0151】
ステップ5.(3S,4S)−4−(4−ブロモフェノキシ)テトラヒドロフラン−3−アミンの合成
cis−4−(4−ブロモフェノキシ)テトラヒドロフラン−3−アミン(191g、0.74mol)および(1S)−(+)−10−カンファースルホン酸(154.2g、0.66mol)の混合物を2−プロパノール(2.4L)および水(100mL)に還流で溶かした。透明な溶液を室温に18時間にわたって冷却し、生じた結晶を単離し、洗浄し、乾燥させて、(3S,4S)−4−(4−ブロモフェノキシ)テトラヒドロフラン−3−アミンの(+)−カンファースルホン酸塩(139.2g、0.284mol)を85%のe.e.(鏡像異性体過剰率)で得た。2−プロパノール(1.2L)および水(70mL)からの再結晶化によって、(3S,4S)−4−(4−ブロモフェノキシ)テトラヒドロフラン−3−アミンの(+)−カンファースルホン酸塩を99%のe.e.で得た。収量:113.2g、0.23mol、31%。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.74 (s, 3H), 1.05 (s, 3H), 1.23 (d, AB四重線の半分 J=10 Hz, 1H), 1.29 (d, AB四重線の半分, J=10 Hz, 1H), 1.76-1.94 (m, 2H),
2.19-2.28 (m, 推定2H), 2.35 (d,
J=14.7 Hz, 1H), 2.66-2.73 (m, 推定1H), 2.85 (d, J=14.7 Hz, 1H), 3.78-3.84 (m, 2H), 3.96-4.10 (m, 3H),
5.04 (m, 1H), 6.99 (d, J=8.8 Hz, 2H), 7.52 (d, J=9.0 Hz, 2H), 8.23 (br s, 3H).他の実験からの追加の(3S,4S)−4−(4−ブロモフェノキシ)テトラヒドロフラン−3−アミン(+)−カンファースルホン酸塩(13.6g、27.7mmol)を加え、合わせたバッチ(126.8g、0.258mol)を2Nの水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、塩化メチレンで3回抽出した。有機層を合わせ、真空濃縮して、(3S,4S)−4−(4−ブロモフェノキシ)テトラヒドロフラン−3−アミンを白色の固体として99%のe.e.で得た。収量:65.6g、0.254mmol、中和で98%。
【0152】
上記からの、(3R,4R)−4−(4−ブロモフェノキシ)テトラヒドロフラン−3−アミンで濃縮された合わせた母液を2Nの水酸化ナトリウムで洗浄し、塩化メチレンで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空濃縮して、残渣(156.3g、生成物およびその鏡像異性体0.606mol)を得た。この物質を(1R)−(−)−10−カンファースルホン酸(126.2g、0.54mol)と混合し、2−プロパノール(1.65L)および水(100mL)に還流で溶かした。透明な溶液を室温に18時間にわたって冷却し、生じた結晶を単離し、洗浄し、乾燥させた。これによって、(3R,4R)−4−(4−ブロモフェノキシ)テトラヒドロフラン−3−アミンの(−)−カンファースルホン酸塩(152.6g、0.311mol)が90%のe.e.で得られた。上記の通りの再結晶化によって、(3R,4R)−4−(4−ブロモフェノキシ)テトラヒドロフラン−3−アミンの(−)−カンファースルホン酸塩を白色の固体として、99%のe.e.で得た。収量:132.0g、0.27mol、36%。
【0153】
母液を真空濃縮し、2N水酸化ナトリウムで洗浄し、塩化メチレンで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、(3S,4S)−4−(4−ブロモフェノキシ)テトラヒドロフラン−3−アミンおよびその鏡像異性体の混合物(67.7g、0.26mol)を得た。(1S)−(+)−10−カンファースルホン酸(54.6g、0.24mol)と一緒に、この物質を2−プロパノール(425mL)および水(17.5mL)に還流で溶かした。透明な溶液を18時間にわたって室温にし、生じた結晶を単離し、洗浄し、乾燥された。これによって、追加の(3S,4S)−4−(4−ブロモフェノキシ)テトラヒドロフラン−3−アミン(+)−カンファースルホン酸塩(48.0g、97.9mmol)を89〜93%のe.e.で得た。再結晶化によって、(3S,4S)−4−(4−ブロモフェノキシ)テトラヒドロフラン−3−アミン(+)−カンファースルホン酸塩(40.0g、81.6mmol、追加の11%)を99+%のe.e.で得た。
【0154】
ステップ6.N−[(3S,4S)−4−(4−ブロモフェノキシ)テトラヒドロフラン−3−イル]プロパン−2−スルホンアミドの合成
(3S,4S)−4−(4−ブロモフェノキシ)テトラヒドロフラン−3−アミン(65.6g、0.254mol)の塩化メチレン(500mL)溶液に、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU、53mL、0.35mol)を加えた。反応混合物を0℃に冷却し、塩化プロパン−2−スルホニル(31.2mL、0.28mol)を滴加した。次いで、混合物を室温で18時間撹拌した。反応をプロトンNMRによって監視し:追加の塩化プロパン−2−スルホニル(2.8mL、25mmol)を加え、混合物を室温でさらに18時間撹拌した。再び、反応をNMRによって監視し、追加の塩化プロパン−2−スルホニル(2.8mL、25mmol)を加えた。2.5時間後に、NMR分析によると、反応が完了した。水(500mL)を加え、層を分離した。水性層を塩化メチレンで抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣を塩化メチレンに溶かし、塩酸水溶液(1N、2×300mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮して、N−[(3S,4S)−4−(4−ブロモフェノキシ)テトラヒドロフラン−3−イル]プロパン−2−スルホンアミドをオレンジ色/茶色のオイルとして得た。収量:92.5g、0.254mol、100%。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.36 (d, J=7 Hz, 3H), 1.38 (d, J=7 Hz,
3H), 3.15 (七重線, J=7 Hz, 1H),
3.69 (dd, J=8.5, 8.5 Hz, 1H), 3.93 (dd, J=10.6, 1.5 Hz, 1H), 4.10-4.28 (m, 3H),
4.72-4.81 (m, 2H), 6.77 (d, J=9.1 Hz, 2H), 7.41 (d, J=9.1 Hz, 2H).この物質の絶対配置を、ヘプタン/酢酸エチル溶液から成長させたN−[(3S,4S)−4−(4−ブロモフェノキシ)テトラヒドロフラン−3−イル]プロパン−2−スルホンアミドの結晶をX線結晶分析することを介して確立した。結果を下記に記載する。
【0155】
0.90Åデータセット(最大sinΘ/λ=0.56)をBruker APEX回折計で集めた。最終R指数は3.61%であった。
【0156】
【表1】

【0157】
【表2】

【0158】
【表3】

【0159】
等価原子を生じさせるために使用される対称変換
【0160】
【表4】

【0161】
【表5】

【0162】
ステップ7.N−[(3S,4S)−4−(ビフェニル−4−イルオキシ)テトラヒドロフラン−3−イル]プロパン−2−スルホンアミドの合成
マイクロ波バイアルに、N−[(3S,4S)−4−(4−ブロモフェノキシ)テトラヒドロフラン−3−イル]プロパン−2−スルホンアミド(124mg、0.340mmol)、フェニルボロン酸(63.5mg、0.521mmol)、ジシクロヘキシル(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン(XPhos、16.2mg、0.034mmol)、酢酸パラジウム(II)(5.2mg、0.023mmol)およびフッ化カリウム(99.6mg、1.71mmol)を加えた。バイアルに蓋をし、窒素/真空で3回パージした。脱ガスしたメタノール/トルエンの1:1混合物(1.5mL)を加え、反応物をマイクロ波照射に130℃で30分間掛けた。溶媒を真空除去し、残渣を酢酸エチルと飽和塩化ナトリウム水溶液とに分配した。水性層を酢酸エチルで2回抽出し、有機層を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中10%から25%への酢酸エチル)によって精製して、表題化合物を固体として得た。収量:90mg、0.25mmol、73%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.37 (d, J=6.8 Hz, 3H), 1.40 (d, J=6.8 Hz,
3H), 3.17 (七重線, J=6.8 Hz, 1H),
3.76 (dd, J=8.6, 8.6 Hz, 1H), 4.01 (dd, J=10.6, 1.6 Hz, 1H), 4.16-4.30 (m, 3H),
4.84 (m, 1H), 5.09 (d, J=9.4 Hz, 1H), 6.97 (d, J=8.7 Hz, 2H), 7.34 (t,
J=7.4 Hz, 1H), 7.44 (dd, J=7.6, 7.6 Hz, 2H), 7.55 (m, 4H). 13C
NMR (100 MHz, CDCl3) δ 16.48, 16.55, 54.27, 55.35, 70.29, 71.96, 75.87, 115.85, 126.65,
126.88, 128.34, 128.68, 135.11, 140.25, 155.93.
【0163】
(実施例3)
N−{(3S,4S)−4−[(2’−シアノビフェニル−4−イル)オキシ]テトラヒドロフラン−3−イル}プロパン−2−スルホンアミド
【0164】
【化12】

実施例2を合成するための一般的な手順に従って、表題化合物を調製したが、但し、(2−シアノフェニル)ボロン酸を、フェニルボロン酸の代わりに使用して、生成物を固体として得た。収量:675.3mg、1.75mmol、85%。LCMS m/z 387.0 (M+1).1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 1.36 (d, J=6.8 Hz, 3H), 1.39 (d, J=6.8 Hz,
3H), 3.19 (七重線, J=6.8 Hz, 1H),
3.77 (dd, J=8.8, 8.8 Hz, 1H), 3.98 (dd, J=10.6, 1.6 Hz, 1H), 4.16 (dd, J=7.9,
7.9 Hz, 1H), 4.21 (dd, J=10.6, 4.3 Hz, 1H) 4.30 (m, 1H), 4.82 (m, 1H), 5.53 (d,
J=9.6 Hz, 1H), 7.03 (d, J=8.8 Hz, 2H), 7.43 (ddd, J=7.7, 7.7, 1.1 Hz,
1H), 7.48 (br d, J=7.9 Hz, 1H), 7.51 (d, J=8.8 Hz, 2H), 7.63 (ddd, J=7.7, 7.7,
1.4 Hz, 1H), 7.75 (br dd, J=7.8, 1.1 Hz, 1H). 13C NMR (125
MHz, CDCl3) δ 16.19,
16.24, 53.89, 55.03, 69.86, 71.62, 75.48, 110.47, 115.39, 118.53, 127.00,
129.53, 129.86, 131.26, 132.58, 133.35, 144.32, 156.76.
【0165】
(実施例4)
N−{(3S,4S)−4−[4−(5−シアノ−2−チエニル)フェノキシ]テトラヒドロフラン−3−イル}プロパン−2−スルホンアミド
【0166】
【化13】

実施例2を合成するための一般的な手順に従って、表題化合物を調製したが、但し、(5−シアノ−2−チエニル)ボロン酸を、フェニルボロン酸の代わりに使用して、生成物を固体として得た。収量:365mg、0.93mmol、58%。LCMS m/z 393.5 (M+1). 1H NMR (500 MHz, CDCl3)
δ 1.39 (d, J=6.8 Hz, 3H), 1.41
(d, J=6.8 Hz, 3H), 3.21 (七重線,
J=6.8 Hz, 1H), 3.77 (dd, J=8.8, 8.8 Hz, 1H), 3.99 (dd, J=10.7, 1.6 Hz, 1H),
4.18 (dd, J=7.8, 7.8 Hz, 1H), 4.23 (dd, J=10.7, 4.3 Hz, 1H), 4.30 (m, 1H), 4.88
(m, 1H), 5.31 (d, J=9.8 Hz, 1H), 6.97 (d, J=8.9 Hz, 2H), 7.19 (d, J=3.9 Hz,
1H), 7.53 (d, J=8.8 Hz, 2H), 7.58 (d, J=3.9 Hz, 1H). 13C NMR
(125 MHz, CDCl3) δ
16.35, 54.07, 55.26, 69.84, 71.73, 75.84, 107.00, 114.23, 116.02, 122.36,
125.87, 127.67, 138.35, 151.01, 157.40.
【0167】
(実施例5)
N−{(1S,2R)−2−[(2’−シアノビフェニル−4−イル)オキシ]シクロペンチル}プロパン−2−スルホンアミド
【0168】
【化14】

ステップ1.trans−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロペンタノールの合成
6−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン(2.04mL、23.5mmol)、4−ブロモフェノール(4.49g、26.0mmol)、炭酸セシウム(99%、8.93g、27.1mmol)および塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(99%、1.09g、4.74mmol)をジオキサン(65mL)に懸濁させ、18時間還流加熱した。追加の6−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン(0.50mL、5.8mmol)を加え、加熱を66時間続けた。再び、6−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン(0.50mL、5.8mmol)を加え、反応混合物をさらに18時間還流加熱した。次いで、反応物を室温に冷却し、真空濃縮し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液と酢酸エチルとに分配した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸カルシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、金色のオイルを得、これを、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中0%から20%への酢酸エチル)を介して精製して、生成物をオイルとして得た。収量:3.21g、12.5mmol、48%。GCMS m/z 256, 258 (M+). 1H NMR (400 MHz,
CDCl3) δ 1.64 (d,
J=3.7 Hz, 1H), 1.60-1.68 (m, 1H), 1.70-1.88 (m, 3H), 2.07 (m, 1H), 2.17 (m,
1H), 4.30 (m, 1H), 4.48 (m, 1H), 6.80 (d, J=9.0 Hz, 2H), 7.37 (d, J=9.0 Hz,
2H).
【0169】
ステップ2.trans−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロペンチルメタンスルホネートの合成
実施例2においてtrans−4−(4−ブロモフェノキシ)テトラヒドロフラン−3−イルメタンスルホネートを合成するための一般的な手順に従って、ステップ2の表題化合物を調製したが、但し、trans−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロペンタノールをtrans−4−(4−ブロモフェノキシ)テトラヒドロフラン−3−オールの代わりに使用し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えることによって、反応混合物をクエンチした。次いで、有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮して、生成物を茶色のオイルとして得た。収量:3.86g、11.5mmol、98%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.79-2.00 (m, 4H), 2.14-2.26 (m, 2H), 3.03
(s, 3H), 4.78 (m, 1H), 5.07 (m, 1H), 6.82 (d, J=9.0 Hz, 2H), 7.39 (d, J=9.1 Hz,
2H).
【0170】
ステップ3.cis−2−アジドシクロペンチル4−ブロモフェニルエーテルの合成
trans−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロペンチルメタンスルホネート(3.52g、10.5mmol)のジメチルホルムアミド(22mL)溶液に、アジ化ナトリウム(897mg、13.7mmol)を加え、反応物を100℃で18時間加熱した。反応物を室温に冷却し、酢酸エチルと1Nの塩化リチウム水溶液とに分配した。水性層を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸カルシウム上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮して、生成物を茶色のオイルとして得、これを、さらに精製することなく次のステップで使用した。収量:2.59g、9.18mmol、87%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.65-1.73 (m, 1H), 1.89-2.05 (m, 5H), 3.74
(m, 1H), 4.66 (m, 1H), 6.83 (d, J=9.0 Hz, 2H), 7.39 (d, J=9.0 Hz, 2H).
【0171】
ステップ4.cis−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロペンタンアミンの合成
先行するステップからのcis−2−アジドシクロペンチル4−ブロモフェニルエーテル(2.59g、9.18mmol)のテトラヒドロフラン(63mL)および水(5.0mL)中の溶液を、ポリマーに担持されたトリフェニルホスフィン(3mmol/g、7.15g、21.5mmol)で処理した。反応物を18時間撹拌し、次いで、Celite(登録商標)で濾過した。濾過パッドをテトラヒドロフランで、次いで、塩化メチレンおよびメタノールの混合物ですすぎ、合わせた濾液を真空濃縮し、エタノールと共に共沸させた。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:酢酸エチル中の0%から10%へのメタノール)によって精製して、生成物を薄茶色のオイルとして得た。収量:1.43g、5.58mmol、61%。MS (APCI) m/z 257.9 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.47 (br s, 2H), 1.56-1.68
(m, 2H), 1.78-1.88 (m, 2H), 1.91-1.99 (m, 2H), 3.35 (ddd, J=8.6, 7.0, 4.7 Hz,
1H), 4.42 (m, 1H), 6.80 (d, J=9.0 Hz, 2H), 7.37 (d, J=9.0 Hz, 2H).
【0172】
ステップ5.cis−N−[2−(4−ブロモフェノキシ)シクロペンチル]プロパン−2−スルホンアミドの合成
cis−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロペンタンアミン(1.43g、5.58mmol)の塩化メチレン(38.5mL)中のスラリーに、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(1.40mL、9.36mmol)を、次いで、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(915mg、7.49mmol)を加えた。反応混合物を0℃に冷却し、塩化プロパン−2−スルホニル(0.937mL、8.38mmol)を滴加した。次いで、混合物を室温に加温し、18時間撹拌した。反応物を1Nの塩酸水溶液で処理し、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸カルシウム上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。生じた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中0%から15%への酢酸エチル)によって精製して、生成物を無色のゴムとして得た。収量:1.586g、4.38mmol、78%。
【0173】
ステップ6.N−[(1S,2R)−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロペンチル]−プロパン−2−スルホンアミドの単離
cis−N−[2−(4−ブロモフェノキシ)シクロペンチル]プロパン−2−スルホンアミド(1.586g、4.38mmol)を含む鏡像異性体の分離を、キラルクロマトグラフィーによって実施した。カラム:Chiralpak(登録商標)AD−H、2.1×25cm、5μm;移動相:75:25の二酸化炭素:メタノール;流速:65g/分。第1の溶離化合物は、鏡像異性体N−[(1R,2S)−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロペンチル]プロパン−2−スルホンアミド(767mg、2.12mmol、48%)であり、第2の溶離ピークは、真空中で溶媒を除去すると、所望の生成物であるN−[(1S,2R)−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロペンチル]プロパン−2−スルホンアミドをもたらした。収量:758mg、2.09mmol、48%。これらの鏡像異性体の絶対立体化学を、そのより高級な同族体に対する相似性によって割り当てた(実施例7を参照されたい)。次のステップで合成される表題化合物は、その鏡像異性体(同じ方法で、N−[(1R,2S)−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロペンチル]プロパン−2−スルホンアミドから調製)よりもかなり効力があると判明した。このことを基に、(1S,2R)配置を、N−[(1S,2R)−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロペンチル]プロパン−2−スルホンアミドに割り当てた。MS (APCI) m/z 364.2 (M+1). 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 1.35 (d, J=6.8 Hz, 3H), 1.38 (d, J=6.8 Hz, 3H), 1.64 (m, 1H),
1.79-1.98 (m, 4H), 2.12 (m, 1H), 3.13 (七重線, J=6.8 Hz, 1H), 3.86 (m, 1H), 4.59 (m, 1H), 4.63 (d, J=9.5 Hz, 1H),
6.78 (d, J=9.0 Hz, 2H), 7.39 (d, J=9.1 Hz, 2H).N−[(1R,2S)−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロペンチル]プロパン−2−スルホンアミドでのデータ:MS (APCI) m/z 362.2, 364.2 (M+1). 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 1.35 (d, J=6.8 Hz, 3H), 1.38 (d, J=6.8 Hz, 3H), 1.58-1.68 (m, 1H),
1.78-1.97 (m, 4H), 2.12 (m, 1H), 3.13 (七重線, J=6.8 Hz, 1H), 3.86 (m, 1H), 4.59 (m, 1H), 4.64 (d, J=9.5 Hz, 1H),
6.78 (d, J=9.1 Hz, 2H), 7.39 (d, J=9.0 Hz, 2H).
【0174】
ステップ7.化合物N−{(1S,2R)−2−[(2’−シアノビフェニル−4−イル)オキシ]シクロペンチル}プロパン−2−スルホンアミドの合成
実施例2を合成するための一般的な手順に従って、ステップ7の表題化合物を調製したが、但し、N−[(1S,2R)−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロペンチル]プロパン−2−スルホンアミドをN−[(3S,4S)−4−(4−ブロモフェノキシ)テトラヒドロフラン−3−イル]プロパン−2−スルホンアミドの代わりに使用し、(2−シアノフェニル)ボロン酸をフェニルボロン酸の代わりに加えた。反応混合物を真空濃縮した後に、これをそのまま、この場合にはシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン中25%の酢酸エチル)によって精製して、生成物を粘着性の白色の泡として得た。ヘキサンと共に摩砕して、生成物を白色の粉末として得た。収量:53mg、0.14mmol、82%。MS (APCI) m/z 382.9 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 1.36 (d, J=6.7 Hz, 3H), 1.40
(d, J=6.8 Hz, 3H), 1.66 (m, 1H), 1.82-2.03 (m, 4H), 2.15 (m, 1H), 3.15 (七重線, J=6.8 Hz, 1H), 3.90 (m, 1H), 4.70 (m,
2H), 7.01 (d, J=8.8 Hz, 2H), 7.42 (ddd, J=7.6, 7.6, 1.2 Hz, 1H), 7.50 (m, 1H),
7.52 (d, J=8.8 Hz, 2H), 7.64 (ddd, J=7.7, 7.7, 1.4 Hz, 1H), 7.76 (m, 1H).
【0175】
(実施例6)
N−{(1S,2R)−2−[4−(5−シアノ−2−チエニル)フェノキシ]シクロペンチル}プロパン−2−スルホンアミド
【0176】
【化15】

マイクロ波バイアルに、N−[(1S,2R)−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロペンチル]プロパン−2−スルホンアミド(150.0mg、0.414mmol)、(5−シアノ−2−チエニル)ボロン酸(95.0mg、0.621mmol)、ジシクロヘキシル(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン(20.2mg、0.0410mmol)、酢酸パラジウム(II)(7.4mg、0.033mmol)およびフッ化カリウム(120mg、2.07mmol)を加えた。ジメトキシエタン(1.5mL)を加え、反応混合物を窒素/真空で3回パージした。反応物をマイクロ波照射に120℃で2時間掛け、次いで、溶媒を真空中で除去し、残渣を酢酸エチルと飽和塩化ナトリウム水溶液とに分配した。水性層を酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、硫酸カルシウム上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲルでの分取薄層クロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン中40%の酢酸エチル)によって精製して、表題化合物を黄色のオイルとして得たが、これはその後、凝固した。収量:104mg、0.266mmol、64%。LCMS m/z 391.0 (M+1). 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 1.36 (d, J=6.8 Hz, 3H), 1.39 (d, J=6.8 Hz,
3H), 1.66 (m, 1H), 1.81-1.94 (m, 3H), 1.99 (m, 1H), 2.14 (m, 1H), 3.15 (七重線, J=6.8 Hz, 1H), 3.89 (m, 1H), 4.64 (d,
J=9.5 Hz, 1H), 4.69 (m, 1H), 6.95 (d, J=8.7 Hz, 2H), 7.18 (d, J=4.0 Hz, 1H),
7.54 (d, J=8.7 Hz, 2H), 7.57 (d, J=3.9 Hz, 1H).
【0177】
(実施例7)
N−{(1S,2R)−2−[(2’−シアノビフェニル−4−イル)オキシ]シクロヘキシル}プロパン−2−スルホンアミド
【0178】
【化16】

ステップ1.trans−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロヘキサノールの合成
ナトリウム金属(2.58g、112mmol)を無水エタノール(200mL)と混合し、完全に反応させた。4−ブロモフェノール(19.4g、112mmol)を加え、反応物を20分間撹拌し、この時点で、7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン(10.0g、102mmol)を加え、溶液を15時間還流加熱した。真空中で溶媒を除去した後に、残渣を水(300mL)と酢酸エチル(100mL)とに分配した。水性層を酢酸エチル(2×100mL)で抽出し、合わせた有機層を水(2×200mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。生じた薄黄褐色の固体をヘプタン(約200mL)から再結晶化させて、trans−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロヘキサノールをふわふわした白色の固体として得た。収量:12.5g、46.1mmol、45%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.26-1.46 (m, 4H), 1.75-1.79 (m, 2H),
2.08-2.14 (m, 2H), 2.52 (d, J=2.1 Hz, 1H), 3.72 (m, 1H), 3.96 (ddd, J=10.3,
8.6, 4.4 Hz, 1H), 6.84 (d, J=9.0 Hz, 2H), 7.37 (d, J=9.0 Hz, 2H).
【0179】
ステップ2.(1R,2R)−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロヘキシルアセテートの合成
trans−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロヘキサノール(5.305g、19.56mmol)を酢酸エチル(196mL)に溶かし、酢酸ビニル(3.37g、39.1mmol)で、続いて、Candida antarcticaからのリパーゼ酵素(Novozyme 435、Sigma L4777、アクリル樹脂上に固定化されているリパーゼ、5.3g)で処理した。反応物に蓋をし、18時間撹拌し、次いで、Celite(登録商標)で濾過し、酢酸エチル(500mL)ですすいだ。真空中で濾液を濃縮して、淡黄色のオイルを得、これをシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中0%から10%の酢酸エチル)を介して精製して、(1R,2R)−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロヘキシルアセテートである極性の低い方の生成物を無色のオイルとして得た。収量:2.047g、6.54mmol、33%。(1R,2R)−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロヘキシルアセテートでのデータ:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.32-1.59 (m, 4H), 1.71-1.80 (m, 2H), 1.95
(s, 3H), 2.02-2.14 (m, 2H), 4.17 (ddd, J=9.6, 8.1, 4.4 Hz, 1H), 4.96 (m, 1H),
6.84 (d, J=9.0 Hz, 2H), 7.36 (d, J=9.1 Hz, 2H).鏡像異性体アルコール(1S,2S)−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロヘキサノールである極性の高い方の生成物を白色の固体(3.57g)として得た。(1S,2S)−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロヘキサノールでのデータ:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.26-1.46 (m, 4H), 1.74-1.79 (m, 2H),
2.08-2.15 (m, 2H), 2.50 (br s, 1H), 3.72 (ddd, J=10.6, 8.5, 4.6 Hz, 1H), 3.96
(m, 1H), 6.84 (d, J=9.0 Hz, 2H), 7.38 (d, J=9.0 Hz, 2H).これらの化合物の絶対配置は、N−[(1S,2R)−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロヘキシル]プロパン−2−スルホンアミドの鏡像異性体のX線結晶構造を基に割り当てた(下記のステップ7を参照されたい)。
【0180】
ステップ3.(1R,2R)−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロヘキサノールの合成
(1R,2R)−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロヘキシルアセテート(2.047g、6.54mmol)のメタノール(12.2mL)および水(0.32mL)中の溶液を0℃に冷却し、水酸化リチウム水和物(95%、1.73g、39.2mmol)で処理した。反応物を0℃で15分間撹拌し、次いで、加温し、室温で18時間撹拌した。メタノールを減圧下で除去し、水性の残渣を酢酸エチル(200mL)と水(100mL)とに分配した。水性層を酢酸エチル(100mL)で抽出した後に、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮して、(1R,2R)−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロヘキサノールを黄色のオイルとして得た。収量:1.76g、6.49mmol、99%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.26-1.46 (m, 4H), 1.74-1.79 (m, 2H),
2.08-2.14 (m, 2H), 3.72 (ddd, J=10.5, 8.4, 4.7 Hz, 1H), 3.96 (m, 1H), 6.84 (d,
J=9.0 Hz, 2H), 7.37 (d, J=9.0 Hz, 2H).
【0181】
ステップ4.(1R,2R)−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロヘキシルメタンスルホネートの合成
実施例5においてtrans−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロペンチルメタンスルホネートを合成するための一般的な手順に従って、ステップ4の表題化合物を調製したが、但し、(1R,2R)−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロヘキサノールをtrans−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロペンタノールの代わりに使用した。(1R,2R)−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロヘキシルメタンスルホネートが薄金色のオイルとして得られた。収量:3.60g、10.3mmol、定量的。1H NMR
(400 MHz, CDCl3) δ 1.26-1.51 (m, 3H), 1.64-1.84 (m, 3H), 2.19 (m, 1H), 2.30 (m, 1H),
2.97 (s, 3H), 4.22 (ddd, J=10.2, 8.5, 4.6 Hz, 1H), 4.64 (ddd, J=10.6, 8.4, 4.9
Hz, 1H), 6.82 (d, J=9.1 Hz, 2H), 7.39 (d, J=9.1 Hz, 2H).
【0182】
ステップ5.(1R,2S)−2−アジドシクロヘキシル4−ブロモフェニルエーテルの合成
(1R,2R)−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロヘキシルメタンスルホネート(3.55g、10.2mmol)のジメチルホルムアミド(21.8mL)および水(2.43mL)中の溶液に、アジ化ナトリウム(95%、2.09mg、30.5mmol)を加え、反応物を120℃で23時間加熱した。反応物を室温に冷却し、水(400mL)で希釈し、酢酸エチル(4×400mL)で抽出した。合わせた有機層を塩化リチウム水溶液(1N、400mL)で洗浄し、水(400mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。濾過し、真空中で溶媒を除去して、(1R,2S)−2−アジドシクロヘキシル4−ブロモフェニルエーテルをオレンジ色のオイルとして得、これを、さらに精製することなく次のステップで使用した。収量:2.85g、9.62mmol、94%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.36-1.48 (m, 2H), 1.62-1.76 (m, 4H),
1.96-2.07 (m, 2H), 3.63 (m, 1H), 4.43 (m, 1H), 6.85 (d, J=9.0 Hz, 2H), 7.39 (d,
J=8.9 Hz, 2H).
【0183】
ステップ6.(1S,2R)−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロヘキサンアミンの合成
先行するステップからの(1R,2S)−2−アジドシクロヘキシル4−ブロモフェニルエーテル(2.85g、9.62mmol)のテトラヒドロフラン(59mL)および水(4.6mL)中の溶液を、ポリマーに担持されたトリフェニルホスフィン(3mmol/g、7.87g、23.6mmol)で処理した。反応物を18時間撹拌し、次いで、Celite(登録商標)で濾過した。フィルターパッドをテトラヒドロフラン(250mL)で、次いで、酢酸エチル(400mL)ですすぎ、合わせた濾液を真空濃縮し、エタノールと共に共沸させた。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%から10%へのメタノール)によって精製して、(1S,2R)−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロヘキサンアミンを黄色のオイルとして得た。収量:1.82g、6.74mmol、70%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.33-1.55 (m, 4H), 1.66-1.75 (m, 3H), 2.00
(m, 1H), 2.07 (br s, 2H), 2.97 (m, 1H), 4.39 (m, 1H), 6.85 (d, J=9.0 Hz, 2H),
7.36 (d, J=9.0 Hz, 2H).
【0184】
ステップ7.N−[(1S,2R)−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロヘキシル]プロパン−2−スルホンアミドの合成
実施例5においてcis−N−[2−(4−ブロモフェノキシ)シクロペンチル]プロパン−2−スルホンアミドを合成するための一般的な手順に従って、ステップ7の表題化合物を調製したが、但し、(1S,2R)−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロヘキサンアミンをcis−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロペンタン−アミンの代わりに使用し、生成物精製を、ジクロロメタン中0%から1%へのメタノールの勾配を使用して実施した。N−[(1S,2R)−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロヘキシル]プロパン−2−スルホンアミドを白色の泡として得た。収量:1.67g、4.44mmol、75%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.36 (d, J=6.9 Hz, 3H), 1.37 (d, J=6.9 Hz,
3H), 1.37-1.48 (m, 4H), 1.77-1.88 (m, 3H), 2.06 (m, 1H), 3.12 (七重線, J=6.8 Hz, 1H), 3.54 (m, 1H), 4.48 (d,
J=9.5 Hz, 1H), 4.54 (m, 1H), 6.84 (d, J=9.0 Hz, 2H), 7.39 (d, J=9.0 Hz, 2H).このステップ7において上記されている化学と同様の化学を使用したが、但し、(1S,2S)−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロヘキサノールを出発物質として、(1R,2R)−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロヘキサノールの代わりに使用して、N−[(1S,2R)−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロヘキシル]プロパン−2−スルホンアミドの鏡像異性体を調製した。N−[(1S,2R)−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロヘキシル]プロパン−2−スルホンアミドの鏡像異性体の絶対立体化学を、X線結晶学を介して確立した。
【0185】
ステップ8.N−{(1S,2R)−2−[(2’−シアノビフェニル−4−イル)オキシ]シクロヘキシル}プロパン−2−スルホンアミドの合成
実施例2を合成するための一般的な手順に従って、表題化合物を調製したが、但し、N−[(1S,2R)−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロヘキシル]プロパン−2−スルホンアミドをN−[(3S,4S)−4−(4−ブロモフェノキシ)テトラヒドロフラン−3−イル]プロパン−2−スルホンアミドの代わりに使用し、マイクロ波照射を140℃で55分間実施した。次いで、粗製の反応混合物をCelite(登録商標)で濾過し、メタノールですすいだ。真空中で溶媒を除去して、茶色の固体を得、これを酢酸エチル(100mL)に溶かし、水(2×75mL)で洗浄した。水性層を酢酸エチル(75mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(75mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。生じた無色のオイルをシリカゲルでの分取薄層クロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン中1%のメタノール)によって精製して、表題化合物を白色の泡として得た。収量:72mg、0.18mmol、34%。LCMS m/z 399 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.37 (d, J=7.2 Hz, 3H), 1.39 (d, J=7.0 Hz, 3H), 1.41-1.55 (m, 4H),
1.79-1.94 (m, 3H), 2.16 (m, 1H), 3.14 (七重線, J=6.8 Hz, 1H), 3.59 (m, 1H), 4.52 (d, J=9.4 Hz, 1H), 4.66 (m, 1H),
7.06 (d, J=8.7 Hz, 2H), 7.42 (ddd, J=7.6, 7.6, 1.2 Hz, 1H), 7.50 (m, 1H), 7.52
(d, J=8.6 Hz, 2H), 7.64 (ddd, J=7.7, 7.7, 1.4 Hz, 1H), 7.76 (m, 1H).表題化合物の生物学的活性は、同じ方法でN−[(1S,2R)−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロヘキシル]プロパン−2−スルホンアミドの鏡像異性体から調製されたその鏡像異性体の生物学的活性よりも>150倍改善されていた。
【0186】
実施例8〜54
方法A:trans−N−{4−[(2’−エトキシビフェニル−4−イル)オキシ]テトラヒドロフラン−3−イル}プロパン−2−スルホンアミドの合成によって例示されるアリールカップリング
trans−N−[4−(4−ブロモフェノキシ)テトラヒドロフラン−3−イル]プロパン−2−スルホンアミド(91.1mg、0.250mmol)、(2−エトキシフェニル)ボロン酸(49.8mg、0.300mmol)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(95%、38.5mg、0.050mmol)および炭酸ナトリウム(63.6mg、0.600mmol)をジオキサン(3.2mL)および水(0.8mL)中で混合し、マイクロ波照射に150℃で20分間掛けた。次いで、反応物をCelite(登録商標)で濾過し、水(10mL)とジエチルエーテル(10mL)とに分配した。水性層を追加のジエチルエーテル(2×10mL)で抽出し、有機層を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中15%から35%への酢酸エチル)によって精製して、表題化合物をゴムとして得た。純粋なフラクションの収量:16.6mg、0.041mmol、16%。特性決定データについては、表1を参照されたい。
【0187】
方法B
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)によって媒介されるブロモ芳香族およびボロン酸のカップリング
K.Kawaguchiら、Journal of Organic Chemistry 2007、72、5119〜5128および対応するサポート情報によって報告されている方法と同様の方法を介して、スズキカップリングを実施した。
【0188】
方法C
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)によって媒介されるアミンとブロモ芳香族とのカップリング
X.Huangらによって、Journal of the American Chemical Society 2003、125、6653〜6655に記載されているとおりに、アミノ化反応を実施した。
【0189】
方法D
エステル加水分解
標準的な条件下、例えば水酸化ナトリウム水溶液を用いてのアルキルエステルから対応するカルボン酸への加水分解を実施した。
【0190】
方法E
cis−N−{4−[(4−置換)フェノキシ]テトラヒドロフラン−3−イル}プロパンスルホンアミドの調製
ボロン酸(0.1mmol)をバイアル中に秤量し、cis−N−[4−(4−ブロモフェノキシ)テトラヒドロフラン−3−イル]プロパン−2−スルホンアミド(18.2mg、0.05mmol)の脱ガスエタノール(0.8mL)溶液で処理した。次いで、炭酸ナトリウム(26.5mg、0.25mmol)の水(0.1mL)溶液を加え、反応バイアルを真空で2回パージし、次いで、窒素を再び充填した。次いで、脱ガストルエン(0.1mL)中のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(2.9mg、0.0025mmol)を加え、反応物を80℃に16時間加熱した。次いで、反応物を水酸化ナトリウム水溶液(1N、1.5mL)および酢酸エチル(2.3mL)で処理し、反応バイアルを振盪し、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウムを負荷された固相抽出カートリッジに通し、濾液を真空濃縮した。残渣をジメチルスルホキシド(1mL)に溶かし、分取HPLC(カラム:XBridge C18、5μm、19×100mm;溶媒A:水中0.1%の水酸化アンモニウム(v/v);溶媒B:アセトニトリル中0.1%の水酸化アンモニウム(v/v)、適切な勾配を使用)によって精製した。
【0191】
方法F
N−[(1S,2R)−2−(N’,N’−二置換−4−アミノフェノキシ)シクロヘキシル]プロパン−2−スルホンアミドの調製
アミン(0.35mmol)をバイアル中に秤量した。ドライボックス中で、脱ガス2−メチル−2−ブタノール(0.4mL)、スパチュラの先端分のジシクロヘキシル(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン(XPhos、0.7mg、0.0015mmol)、スパチュラ先端分のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.14mg、0.00025mmol)および水酸化カリウムペレットを1個加えた。次いで、反応物に窒素を流し、真空を使用して排気し、窒素を再び充填した。混合物を室温で15分間振盪した後に、これを、N−[(1S,2R)−2−(4−ブロモフェノキシ)シクロヘキシル]プロパン−2−スルホンアミド(26.3mg、0.7mmol)の脱ガス2−メチル−2−ブタノール(0.4mL)溶液で処理し、100℃で18時間振盪した。次いで、反応物を水(1.5mL)で処理し、酢酸エチル(3×2.5mL)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムを負荷された固相抽出カートリッジに通し、真空濃縮した。{注:カップリングの後に、存在するtert−ブトキシカルボニル保護基をどれも除去するために、1:1のトリフルオロ酢酸/ジクロロメタン混合物(0.5mL)を適切な反応物に加え、次いで、これを、室温で2時間振盪し、真空濃縮した}。残渣をジメチルスルホキシド(1mL)に溶かし、分取HPLC(カラム:XBridge C18、5μm、19×50mm;溶媒A:水中0.1%のトリフルオロ酢酸(v/v);溶媒B:アセトニトリル中0.1%のトリフルオロ酢酸(v/v)、適切な勾配を使用)によって精製した。
【0192】
【表6−1】

【0193】
【表6−2】

【0194】
【表6−3】

【0195】
【表6−4】

【0196】
【表6−5】

【0197】
【表6−6】

【0198】
【表6−7】

【0199】
【表6−8】

【0200】
【表6−9】

【0201】
【表6−10】

【0202】
【表7−1】

【0203】
【表7−2】

【0204】
【表7−3】

【0205】
【表8】

【0206】
【表9】

【0207】
生物学的プロトコール
ES細胞の増殖および維持
Sox1遺伝子に標的突然変異およびSox1遺伝子が発現されるとG418耐性を示す神経外胚葉マーカーを有するマウスES細胞系E14(Stem Cell Sciences、West Mains Road、Edinburgh、Scotland EH9 3JQ)を全ての実験で使用することができる。ES細胞を、既に記載されている通り未分化のまま維持することができる(Methods For The Isolation And Maintenance Of Murine Embryonic Stem Cells; Roach−M−L、McNeish−J−D.、Methods in Molecular Biology、185、1〜16(2002))。簡単に述べると、15%のES用ウシ胎児血清(FBS)(Invitrogen)、0.2mMのL−グルタミン(Invitrogen)、0.1mMのMEM非必須アミノ酸(Invitrogen)、30μg/mlのGentamicin(Invitrogen)、1000U/mlのESGRO(商標)(CHEMICON International,Inc.、28820 Single Oak Drive、Temecula、CA 92590)および0.1mMの2−Mercaptoethanol(Sigma、3050 Spruce St.、St.Louis、MO 63103)を補充したKnockout(商標)D−MEM(Invitrogen 5791 Van Allen Way、Carlsbad、CA USA 92008,)の塩基性培地を含む幹細胞培地中で、ES細胞を増殖させることができる。次いで、ES細胞を、ゼラチンコーティングされたシャーレ(BD Biosciences、2350 Qume Drive、San Jose、CA 95131)に播種し、培地を毎日代え、細胞を0.05%のTrypsin EDTA(Invitrogen)で一日おきに分離した。
【0208】
ES細胞の神経in vitro分化
胚葉体形成:胚葉体(EB)形成の前に、ES細胞をKnockout Serum Replacement(商標)(KSR)(Invitrogen)上でFBSから離脱させることができる。EBを形成するために、ES細胞を単一細胞懸濁液に分離し、次いで、3×10細胞を、細菌用シャーレ(Nunc 4014)に播種し、懸濁培養として、10%のKSR(Invitrogen)、0.2mMのL−Glutamine(Invitrogen)、0.1mMのMEM非必須アミノ酸(Invitrogen)、30μg/mlのGentamicin(Invitrogen)、1000U/mlのESGRO(商標)(CHEMICON International、Inc.)、0.1mMの2−Mercaptoethanol(Sigma)および150ng/mlのTransferrin(Invitrogen)を補充したKnockout(商標)D−MEM(Invitrogen)からなるNeuroEB−I培地中で増殖させることができる。次いでプレートを、常圧酸素インキュベーター中でStovall Belly Button(商標)シェーカーに入れることができる。培地を、EB形成の2日目にNeuroEB−Iに、4日目にNeuroEB−II(NeuroEB−I+1μg/mlのmNoggin(R&DSystems、614 McKinley Place N.E. Minneapolis、MN 55413)に変えることができる。
【0209】
ニューロン前駆体の選択および増殖:EB形成の5日目に、EBを0.05%のTrypsin EDTAで分離し、次いで4×10細胞/100mmシャーレを、Lamininコーティングされた組織培養シャーレ上で、N2サプリメントを補充されたD−MEM/F12と、B27サプリメントを補充されたNeuroBasal Mediumとの1:1混合物の塩基性培地および0.1mMのL−GlutamineからなるNeuroEB−II−G418培地中に播種することができる(全てInvitrogenから)。次いで、塩基性培地に、10ng/mlのbFGF(Invitrogen)、1μg/mlのmNoggin、500ng/mlのSHH−N(ProSpecBio Rehovot Science Park、P.O. BOX 398、Rehovot 76103、Israel)、100ng/mlのFGF−8b(R&D Systems)、1μg/mlのLamininおよび200μg/mlのG418(Invitrogen)を補充して、Sox−1を発現するニューロン前駆体を選択することができる。次いで、プレートを、2%の酸素を含有するインキュベーターに入れ、これらの条件下に維持することができる。6日間の選択期間の間、NeuroEB−II培地を毎日変えるべきである。次いで6日目に、生存しているニューロン前駆体フォーカスを、0.05%のTrypsin EDTAで分離し、細胞を、1.5×10細胞/Lamininコーティングされたシャーレ100mmの密度で、NeuroII−G418培地中に播種することができる。次いで、細胞を一日おきに分離して増殖させ、継代3または4で凍結保存するために調製することができる。凍結保存培地は典型的には、50%のKSR、10%のジメチルスルホキシド(DMSO)(Sigma)および40%のNeuroI−G418I培地を含有する。ニューロン前駆体を、4×10細胞/mlおよび1ml/クライオバイアルの濃度で、制御速度冷凍機中で一晩凍結保存し、次いで、長期保存のために超低温冷凍機または液体窒素に移すことができる。
【0210】
ニューロン分化:凍結保存されたES細胞由来ニューロン前駆体を急速解凍法によって、37℃水浴中で解凍することができる。次いで、細胞を、クライオバイアルから、2%酸素インキュベーター中で平衡させておいたNeuroII−G418を既に含有する100mmのLamininコーティングされた組織培養シャーレに移す。翌日、培地を新鮮なNeuroII−G418に変える。細胞を、増殖のために上記の通り一日おきに分離して、スクリーニングのために播種するのに十分な細胞を生じさせることができる。スクリーニングのために、細胞を、384ウェルのポリ−d−リシンコーティングされた組織培養シャーレ(BD Biosciences)に、自動SelecT(登録商標)(The Automation Partnership York Way、Royston、Hertfordshire SG8 5WY UK)によって、6K細胞/ウェルの細胞密度で、1μMのcAMP(Sigma)、200μMのAscorbic Acid(Sigma)、1μg/mlのLaminin(Invitrogen)および10ng/mlのBDNF(R&D Systems、614 McKinley Place N.E. Minneapolis、MN 55413)を補充された4:1の比のNeuroBasalMedium/B27:D−MEM/F12/N2を含有する分化培地NeuroIII中に播種した。次いでプレートを、2%の酸素を伴うインキュベーターに入れ、分化プロセスを7日間で完了させた。次いで、細胞を5日間にわたって、高処理スクリーニングのために使用することができた。
【0211】
インビトロアッセイ
AMPA ES細胞 FLIPRスクリーニングのための手順
アッセイの当日に、FLIPRアッセイを次の方法を使用して行うことができる:
アッセイ緩衝液:
【0212】
【表10】

【0213】
1MのNaOHでpHを7.4に調節することができる。Fluo−4AM(Invitrogen)色素の2mM(約)のストック溶液をDMSO中で調製する(50μgバイアル当たりDMSO22μl(1mgバイアル当たり440μL))。DMSO中20%のプルロニック酸(PA)(Invitrogen)22μlを各50μgバイアルに加えることによって(1mgバイアル当たり440μL)、バイアル当たり1mM(約)のFluo−4AM、PA作業溶液を製造する。250mMのProbenecid(Sigma)ストック溶液を調製する。250μgバイアルの内容を、グルタミンを伴わないDMEM高グルコース11mlにそれぞれ加えることによって(1mgバイアル当たりDMEM220ml)、4μM(約)の染料インキュベーション培地を製造する。プロベネシドストック110μLを培地11mlにそれぞれ加える(2.5mMの最終濃度)。アゴニストまたはポテンシエーター薬理学を変更することなく、染料2μMから8μMの範囲の染料濃度を使用することができる。緩衝液11ml当たりプロベネシドストック110μlで、プロベネシドを、細胞洗浄のために使用される(薬物調製ではない)アッセイ緩衝液に加える。
【0214】
はじくことによって、細胞プレートから成長培地を除去する。染料溶液50μl/ウェルを加える。37℃および5%COで1時間インキュベーションする。染料溶液を除去し、アッセイ緩衝液+プロベネシド(緩衝液10mL当たりプロベネシドストック100μl)で3回洗浄し、30μL/ウェルアッセイ緩衝液を残す。少なくとも10〜15分待つ。化合物およびアゴニスト攻撃添加を、FLIPR(Molecular Devices、1311 Orleans Ave、Sunnyvale、CA 94089)で行うことができる。第1添加は、試験化合物に関し、これを、4×濃度15μLとして加える。第2添加は、アゴニストまたは攻撃の4×濃度15μLである。これによって、第2添加の後に初めて、全ての化合物の1×濃度が達成される。化合物を、アゴニスト添加の少なくとも5分前に前処理する。
【0215】
複数のベースラインイメージを、化合物を添加する前にFLIPRで集め、イメージを、化合物を添加した後、少なくとも1分間集める。化合物またはアゴニスト添加後の最小蛍光FLIPR値をアゴニスト添加後のFLIPR応答のピーク蛍光値から引くことによって、蛍光変化を得て、結果を分析する。次いで、蛍光変化(RFU、相対蛍光単位)を、標準曲線フィッティングアルゴリズムを使用して分析する。陰性対照は、AMPA攻撃単独によって規定され、陽性対称は、AMPA攻撃+最大濃度のシクロチアジド(10μMまたは32μM)によって規定される。
【0216】
化合物を、DMSOストックまたは粉末として送達する。粉末を、DMSO中で可溶化する。次いで、化合物をアッセイ薬物緩衝液に、40μLのトップ[濃度](4×トップスクリーニング濃度)として加える。このアッセイでの標準的なアゴニスト攻撃は、32μMのAMPAである。
【0217】
本発明の化合物のEC50値は、好ましくは、10マイクロモル未満、より好ましくは1マイクロモル未満、なおより好ましくは100ナノモル未満である。本発明の具体的な化合物でのデータを下記の表3に示す。
【0218】
【表11−1】

【0219】
【表11−2】

【0220】
* 値は、2〜5回のEC50決定の相乗平均を表している
【0221】
本発明の要素またはその例示的な実施形態を導入する場合、冠詞「a」、「an」、「the」および「前記」は、1つまたは複数の要素が存在することを意味することとする。「含む」、「包含する」および「有する」との用語は、包括的であることが意図されていて、挙げられている要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味している。本発明を、具体的な実施形態に関して記載したが、これらの実施形態の詳細は、本発明の制限と解釈されるべきではなく、本発明の範囲は、添付の請求項によって定義される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
【化1】

式中、
各Rおよび各Rおよび各Rは独立に、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、−CF、−CN、−(C=O)R、−O−(C=O)−R、−(NR)−(C=O)−R、−(C=O)−OR、−(C=O)−N(R、−OR、−O−(C=O)−OR、−O−(C=O)−N(R、−NO、−N(R、−(NR)−SO−R、−S(O)、−SO−N(R、(C〜C)アルキル、(C〜C10)アリール、(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C)ヘテロシクロアルキルおよび(C〜C10)シクロアルキルからなる群から選択され、ここで、前記(C〜C)アルキル、(C〜C10)アリール、(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C)ヘテロシクロアルキルまたは(C〜C10)シクロアルキルはそれぞれ独立に、1個、2個、3個または4個のRで置換されていてもよく、
wは、0、1または2であり、
mは、0、1、2または3であり、
nは、0、1、2または3であり、
pは、0、1、2または3であり、
qは、0、1、2または3であり、
sは1であり、かつtは1であるか、またはsまたはtの一方は1であり、かつsまたはtの他方は2であり、
は、水素または(C〜C)アルキルであり、
各Rは独立に、水素または(C〜C)アルキルから選択され、ここで、前記(C〜C)アルキルは、1、2、3または4個のハロゲン、−CNまたは−ORで置換されていてもよいか、または
同じ炭素原子上の2個のR基は一緒になって、オキソ(=O)ラジカルまたは(C〜C)スピロシクロアルキルを形成していてよく、
は、水素または(C〜C)アルキルであり、
は、(C〜C)アルキル−(C=O)−、[(C〜C)アルキル]N−(C=O)−、(C〜C)アルキル−SO−、(C〜C10)シクロアルキル−SO−または[(C〜C)アルキル]N−SO−であり、ここで、前記[(C〜C)アルキル]N−(C=O)−および[(C〜C)アルキル]N−SO−の前記(C〜C)アルキル部分は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、4員から6員の複素環式環を形成していてもよく、
は独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C10)アリール、(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C)ヘテロシクロアルキルおよび(C〜C10)シクロアルキルからなる群から選択され、ここで、前記(C〜C)アルキルは、水素、ハロ、−CN、ペルフルオロ(C〜C)アルキル、ヒドロキシ、アミノ、(C〜C)アルキルアミノ、[(C〜C)アルキル]アミノ、(C〜C)アルコキシ、ペルフルオロ(C〜C)アルコキシ、HO−(C=O)−、(C〜C)アルキル−O−(C=O)−、ホルミル、(C〜C)アルキル−(C=O)−、HN−(C=O)−、(C〜C)アルキル]−(NH)−(C=O)−、[(C〜C)アルキル]N−(C=O)−、(C〜C)アルキル−(C=O)−O−、H(C=O)−NH−、(C〜C)アルキル(C=O)−NH−、(C〜C)アルキル(C=O)−[N((C〜C)アルキル)]−、(C〜C)アルキル−SO−、(C〜C)アルキル−SO−NH−、(C〜C)アルキル−SO−[N((C〜C)アルキル)]−、HN−SO−、[(C〜C)アルキル]−NH−SO−および[(C〜C)アルキル]N−SO−から独立に選択される1個、2個または3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、前記(C〜C)アルキルは追加的に、置換されていてもよい(C〜C10)アリール、(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C)ヘテロシクロアルキルもしくは(C〜C10)シクロアルキルで置換されていてもよく、ここで、前記の場合による置換基は独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、−CF、−CN、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシおよびアミノから独立に選択される1、2、3または4個のラジカルで置換されていてもよく、ここで、前記Rである(C〜C10)アリール、(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C)ヘテロシクロアルキルまたは(C〜C10)シクロアルキル置換基はそれぞれ追加的に、ハロゲン、ヒドロキシル、−CF、−CN、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシおよびアミノから独立に選択される1、2、3または4個のラジカルで置換されていてもよく、
各Rは独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、−CF、−CN、−(C=O)R10、−O−(C=O)−R10、−(NR10)−(C=O)−R10、−(C=O)−OR10、−(C=O)−N(R10、−OR10、−O−(C=O)−OR10、−O−(C=O)−N(R10、−NO、−N(R10、−(NR10)−SO−R10、−S(O)10、−SO−N(R10からなる群から選択され、
10は独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C10)アリール、(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C)ヘテロシクロアルキルおよび(C〜C10)シクロアルキルからなる群から選択され、ここで、前記(C〜C)アルキルは、水素、ハロ、−CN、ペルフルオロ(C〜C)アルキル、ヒドロキシ、アミノ、(C〜C)アルキルアミノ、[(C〜C)アルキル]アミノ、(C〜C)アルコキシ、ペルフルオロ(C〜C)アルコキシ、HO−(C=O)−、(C〜C)アルキル−O−(C=O)−、ホルミル、(C〜C)アルキル−(C=O)−、HN−(C=O)−、(C〜C)アルキル]−(NH)−(C=O)−、[(C〜C)アルキル]N−(C=O)−、(C〜C)アルキル−(C=O)−O−、H(C=O)−NH−、(C〜C)アルキル(C=O)−NH−、(C〜C)アルキル(C=O)−[N((C〜C)アルキル)]−、(C〜C)アルキル−SO−、(C〜C)アルキル−SO−NH−、(C〜C)アルキル−SO−[N((C〜C)アルキル)]−、HN−SO−、[(C〜C)アルキル]−NH−SO−および[(C〜C)アルキル]N−SO−から独立に選択される1個、2個または3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、前記(C〜C)アルキルはまた追加的に、置換されていてもよい(C〜C10)アリール、(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C)ヘテロシクロアルキルもしくは(C〜C10)シクロアルキルで置換されていてもよく、ここで、前記の場合による置換基は、ハロゲン、ヒドロキシル、−CF、−CN、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシおよびアミノから独立に選択される1、2、3または4個のラジカルで独立に置換されていてもよく、ここで、前記R10である(C〜C10)アリール、(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C)ヘテロシクロアルキルまたは(C〜C10)シクロアルキル置換基はそれぞれ、ハロゲン、ヒドロキシル、−CF、−CN、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシおよびアミノから独立に選択される1、2、3または4個のラジカルで追加的に置換されていてもよく、
11は、水素または(C〜C)アルキルであり、
環「A」は、(C〜C10)アリール、(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C10)シクロアルキルまたは(C〜C)ヘテロシクロアルキルであり、ここで、前記(C〜C10)シクロアルキルおよび(C〜C)ヘテロシクロアルキル上の前記R置換基のうちの2個は、同じ炭素原子に結合していてもよく、一緒になってオキソであってもよく、
環「B」は、(C〜C10)アリール、(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C10)シクロアルキルまたは(C〜C)ヘテロシクロアルキルであり、
「X」は、−O−または>C(Rであり、
「Y」は、存在しないか、>NR11、−(NR11)−(C=O)−、>C=O、−O−または>C(Rであり、
「Z」は、−O−、−S−、−(S=O)−または−(SO)−である、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩。
【請求項2】
下式の位置化学:
【化2】

を有する、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
【請求項3】
下式の立体化学:
【化3】

を有する、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
【請求項4】
「Z」が−O−である、前記請求項のいずれかに記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
【請求項5】
Xが−O−である、前記請求項のいずれかに記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
【請求項6】
環「A」がフェニルであり、nが、0、1または2であり、Rが、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、−CF、−CN、−(C=O)R、−O−(C=O)−R、−(NR)−(C=O)−R、−(C=O)−OR、−(C=O)−N(R、−OR、−O−(C=O)−OR、−O−(C=O)−N(R、−NO、−N(R、−(NR)−SO−R、−S(O)、−SO−N(Rおよび(C〜C)アルキルからなる群から選択され、ここで、前記(C〜C)アルキルは、1、2、3または4個のRで置換されていてもよい、前記請求項のいずれかに記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
【請求項7】
環「A」が(C〜C)ヘテロアリールであり、nが0、1または2であり、Rが、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、−CF、−CN、−(C=O)R、−O−(C=O)−R、−(NR)−(C=O)−R、−(C=O)−OR、−(C=O)−N(R、−OR、−O−(C=O)−OR、−O−(C=O)−N(R、−NO、−N(R、−(NR)−SO−R、−S(O)、−SO−N(Rおよび(C〜C)アルキルからなる群から選択され、ここで、前記(C〜C)アルキルは、1、2、3または4個のRで置換されていてもよい、請求項1から5に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
【請求項8】
環「B」がフェニルであり、mが0または1であり、Rが、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、−CF、−CN、−(C=O)R、−O−(C=O)−R、−(NR)−(C=O)−R、−(C=O)−OR、−(C=O)−N(R、−OR、−O−(C=O)−OR、−O−(C=O)−N(R、−NO、−N(R、−(NR)−SO−R、−S(O)、−SO−N(Rおよび(C〜C)アルキルであり、ここで、前記(C〜C)アルキルは、1、2、3または4個のRで置換されていてもよい、前記請求項のいずれかに記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
【請求項9】
が水素であり、Rが水素である、前記請求項のいずれかに記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
【請求項10】
qが0である、前記請求項のいずれかに記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
【請求項11】
Yが存在しない、前記請求項のいずれかに記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
【請求項12】
が(C〜C)アルキル−(C=O)−である、前記請求項のいずれかに記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
【請求項13】
プロパン−2−スルホン酸[(3S,4S)−4−(2’−シアノ−ビフェニル−4−イルオキシ)−テトラヒドロ−フラン−3−イル]−アミド;
プロパン−2−スルホン酸[(3S,4S)−4−(2’−シアノ−4’−フルオロ−ビフェニル−4−イルオキシ)−テトラヒドロ−フラン−3−イル]−アミド;
プロパン−2−スルホン酸[(3S,4S)−4−(2’,4’−ジフルオロ−ビフェニル−4−イルオキシ)−テトラヒドロ−フラン−3−イル]−アミド;
プロパン−2−スルホン酸{(3S,4S)−4−[4−(5−シアノ−チオフェン−2−イル)−フェノキシ]−テトラヒドロ−フラン−3−イル}−アミド;
プロパン−2−スルホン酸{(1S,2R)−2−[4−(5−シアノ−チオフェン−2−イル)−3−フルオロ−フェノキシ]−シクロペンチル}−アミド;
プロパン−2−スルホン酸{(1S,2R)−2−[4−(5−シアノ−チオフェン−2−イル)−フェノキシ]−シクロペンチル}−アミド;
プロパン−2−スルホン酸{(1S,2R)−2−[3−フルオロ−4−(2−メタンスルホニルアミノ−エチル)−フェノキシ]−シクロペンチル}−アミド;
プロパン−2−スルホン酸{(3S,4S)−4−[5−(2−シアノ−フェニル)−ピリジン−2−イルオキシ]−テトラヒドロ−フラン−3−イル}−アミド;
プロパン−2−スルホン酸{(1S,2R)−2−[6−(2−シアノ−4−フルオロ−フェニル)−ピリジン−3−イルオキシ]−シクロヘキシル}−アミド;または
プロパン−2−スルホン酸{(1S,2R)−2−[6−(5−シアノ−チオフェン−2−イル)−ピリジン−3−イルオキシ]−シクロヘキシル}−アミド
である、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
【請求項14】
急性神経的および精神的障害、卒中、脳虚血、脊髄外傷、頭部外傷、周産期低酸素症、心停止、低血糖性神経損傷、認知症、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症、眼損傷、網膜障害、認知障害、特発性および薬物誘発性パーキンソン病、振せんを包含する筋痙性に随伴する筋痙攣および障害、てんかん、痙攣、片頭痛、尿失禁、物質抵抗性、物質禁断症状、精神病、統合失調症、不安、気分障害、三叉神経痛、難聴、耳鳴り、眼の黄斑変性、嘔吐、脳浮腫、疼痛、遅発性ジスキネジア、睡眠障害、注意欠陥/多動性障害、注意欠陥障害および行動障害からなる群から選択される状態を哺乳動物において治療または予防する方法であって、前記請求項のいずれかに記載の化合物または薬学的に許容できるその塩を前記哺乳動物に投与することを含む方法。
【請求項15】
前記請求項のいずれかに記載の化合物または薬学的に許容できるその塩と、薬学的に許容できる担体とを含む医薬組成物。

【公表番号】特表2012−531398(P2012−531398A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516937(P2012−516937)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【特許番号】特許第5079933号(P5079933)
【特許公報発行日】平成24年11月21日(2012.11.21)
【国際出願番号】PCT/IB2010/052827
【国際公開番号】WO2010/150192
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(593141953)ファイザー・インク (302)
【Fターム(参考)】