複連ノズル及び当該複連ノズルを備える基板処理装置
【課題】 スキャンによって効率的に広い面積の基板を処理できるノズル及び基板処理装置の提供。
【解決手段】 第一の気体導入孔101、前記第一の気体導入孔よりも下流に設けられた第一の液体導入孔103、該第一の気体導入孔から供給された気体及び該第一の液体導入孔から供給された液体を加速する加速流路105、及び加速された混相流体が噴射される噴出口を有する加速ノズル100を複数備え、該加速ノズルが並列に配されている、複連加速ノズル部10を具備する複連ノズル1。
【解決手段】 第一の気体導入孔101、前記第一の気体導入孔よりも下流に設けられた第一の液体導入孔103、該第一の気体導入孔から供給された気体及び該第一の液体導入孔から供給された液体を加速する加速流路105、及び加速された混相流体が噴射される噴出口を有する加速ノズル100を複数備え、該加速ノズルが並列に配されている、複連加速ノズル部10を具備する複連ノズル1。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の汚染、付着物を除去、洗浄する工程において用いられるノズル及び処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子デバイスの製造プロセスにおいては、1枚の基板に対して、50〜100回もの洗浄が繰り返される。その洗浄の対象は、デバイス信頼性に影響を与えるレジスト膜やポリマー膜等の有機物やパーティクル等である。この洗浄工程では、通常、アルカリ洗浄液と酸洗浄液の組合せやその他硫酸過水や有機溶剤等の薬品を使用し、また、その残留物を除去するためのリンス工程では、大量の純水を使用する。その他、レジストの除去には、プラズマアッシング装置を用いるのが一般的であるが、その後の残留物や不純物の洗浄は別の洗浄装置が使用されている。ここで、上記に示した従来技術の洗浄や薄膜除去に使われる薬液は、1)高価である、2)環境負荷が大きいため特別な排水処理設備が必要である、3)作業者の安全衛生の確保のため装置が大型化し、特別な装置内排気設備が必要である、薬液を洗い流すために大量の純水が必要である、4)1台の装置では薄膜除去から洗浄までをカバーできない、といった欠点をもつ。
【0003】
上記の技術課題の下で水蒸気及び水を用いる基板処理方法が提案されている(特許文献1)。当該方法によれば、水蒸気及び水のみで、高い物理的衝撃力を得ることが出来るため、レジストやポリマー膜を剥離することができる。したがって、電子デバイスの製造プロセスにおいて薬液を減らすことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2009/013797パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
基板の処理効率の問題から、基板に対して水蒸気及び水の混相流体を噴射してスキャンする処理が求められる場合がある。しかし、上記の発明によれば、スキャンによる一回の処理で、広い面積を処理することが難しく、高い処理効率を得ることが出来なかった。そこで、本発明は、スキャンによって効率的に広い面積の基板を処理できるノズル及び基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明(1)は、第一の気体導入孔、前記第一の気体導入孔よりも下流に設けられた第一の液体導入孔、該第一の気体導入孔から供給された気体及び該第一の液体導入孔から供給された液体を加速する加速流路、及び加速された混相流体が噴射される噴出口を有する加速ノズルを複数備え、該加速ノズルが並列に配されている、複連加速ノズル部を具備する複連ノズルである。
【0007】
複連ノズルを用いた場合、蒸気発生器等から気体を導入すると、各ノズルからの気体噴出量が均一にならないという問題を有していた。これに起因して、レジスト等の除去対象物が十分に除去されないといった問題が発生していた。
そこで、本発明(2)〜(6)においては、複連ノズルを用いた場合であって、各ノズルからの気体噴出量が均一に調整されるような手段を提供することを目的とする。
【0008】
本発明(2)は、第二の気体導入孔、該第二の気体導入孔から供給された気体を滞留させて、前記第一の気体導入孔を介して前記複数の加速ノズルに対して気体を供給する気体滞留空間、を備える気体滞留部を更に具備する、前記発明(1)の複連ノズルである。
【0009】
本発明(3)は、前記気体滞留部は、前記気体滞留空間内の第二の気体導入孔の近傍に、当該第二の気体導入孔から噴出される気体を拡散する遮蔽棒を更に備える、前記発明(2)の複連ノズルである。
【0010】
本発明(4)は、前記遮蔽棒の幅が前記気体導入孔の内径よりも大きい、前記発明(3)の複連ノズルである。
【0011】
本発明(5)は、前記遮蔽棒が、前記気体導入孔の方向に対向した角形状傾斜部位を有する、前記発明(3)又は(4)の複連ノズルである。
【0012】
本発明(6)は、前記角形状傾斜部位の傾斜角が、30〜150°である、前記発明(5)の複連ノズルである。
【0013】
複連ノズルを用いて対象物に対して噴射する場合、ノズル噴出口とノズル噴出口の間における衝撃力が、ノズル噴出口の直下における衝撃力とは大きく異なるといった問題を有していた。すなわち、複連ノズルを単に用いて対象物に対して噴射した場合、対象物上に与えられる衝撃力が均一ではないことがわかった。そこで、本発明(7)〜(8)においては、対象物に与える衝撃力均一性の高い複連ノズルを提供することを目的とする。
【0014】
本発明(7)は、前記複数の加速ノズルは、各々の噴出口が横方向に一連に配置されており、
前記複数の加速ノズルの噴出口の横方向の広がり幅W([絞り部横幅]−[噴出口横幅])/2)に対する、前記複数の加速ノズルの噴出口の横方向端部から隣接する噴出口の横方向端部の距離Pの比([P]/[W])が、0.2〜1.0である、前記発明(1)〜(6)のいずれか一つの複連ノズルである。
【0015】
本発明(8)は、前記噴出口は、隣接する噴出口をつなぎ、噴出方向に開放するスリットが設けられている、前記発明(7)の複連ノズルである。
【0016】
複連ノズルを用いて対象物に対して混相流体を噴射する場合、各ノズル噴出口より噴射される液体の量が均一ではないという問題を有していた。そこで、本発明(9)〜(10)においては、複連ノズルを用いた場合であって、各ノズルからの液体噴出量が均一に調整されるような手段を提供することを目的とする。
【0017】
本発明(9)は、第二の液体導入孔、該第二の液体導入孔から導入された液体を滞留させて、前記第一の液体導入孔を介して前記複数の加速ノズルに対して液体を供給する液体滞留空間、を備える液体滞留部を更に具備する、前記発明(1)〜(8)のいずれか一つの複連ノズルである。
【0018】
本発明(10)は、前記液体滞留部が、前記複連ノズルの側面に設けられており、
前記液体滞留空間が横長直方体形状を有しており、
前記第二の液体導入孔が、液体滞留空間の一端の上部に設けられており、
前記第一の液体導入孔が、前記液体滞留空間の他端の上部に設けられている、前記発明(8)の複連ノズルである。
【0019】
本発明(11)は、前記発明(1)〜(10)のいずれか一つの複連ノズルと、
前記複連ノズルに対して水蒸気を供給する蒸気発生部と、
前記複連ノズルに対して液体を供給する水供給部と、を具備する基板処理装置である。
【0020】
本発明(12)は、前記複連ノズルに対して不活性ガス又は清浄空気を供給するガス供給部を更に具備する、前記発明(11)の基板処理装置である。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る複連ノズルによれば、一回のスキャンによって効率的に広い面積の基板を処理できるという効果を奏する。
【0022】
また、本発明に係る気体滞留部を設けることによって、第二の気体導入孔から導入される気体が、一旦滞留した後に各ノズルへと供給されるため、複連ノズルを構成する各加速ノズルから噴出される混相流体の噴出量が均一になるという効果を奏する。特に気体滞留空間内に遮蔽棒を設けることによって、第二の気体導入孔から導入される気体の流れが遮蔽されて、気体滞留部を設けることによる均一性の向上効果が顕著となる。
【0023】
複連ノズルの横方向の広がり幅Wと距離Pの比を上記に示すような範囲とすることによって、各ノズル下及びノズル噴出口間における衝撃力分布は高い均一性を示す。また、ノズル噴出口間にスリットを設けることによって衝撃力分布の均一性は更に高まる。
【0024】
液体滞留部を更に有することによって、各ノズルへと供給される水の量が一定となるため、噴射される混相流体も均一になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明に係る複連ノズルの正面図である。
【図2】図2は、本発明に係る複連ノズルの側面図である。
【図3】図3は、本発明に係る複連ノズルの底面図である。
【図4】図4は、本発明に係る複連ノズルの平面図である。
【図5】図5は、広がり幅W([絞り部横幅]−[噴出口横幅])/2)と距離Pの説明図である。
【図6】図6は、本発明に係る複連ノズルのスリットの構造を示す写真である。
【図7】図7は、遮蔽棒の構造を示す図である。
【図8】図8は、本発明に係る基板処理装置の概略構成図である。
【図9】図9は、本発明に係る複連ノズルから混相流体が噴射される様子を示した写真である。
【図10】図10は、本発明に係る複連ノズルからの噴出される流体の衝撃力を測定した結果を示すグラフである。
【図11】図11は、本発明に係る複連ノズルからの噴出される流体の衝撃力を測定した結果を示すグラフである。
【図12】図12は、本発明に係る複連ノズルからの噴出される流体の衝撃力を横方向に位置を変化させながら測定した結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施形態について図を用いて説明する。図1〜4は、本発明に係る複連ノズルの形態を示す。図1は本発明に係る複連ノズルの正面図であり、図2は本発明に係る複連ノズルの側面図であり、図3は本発明に係る複連ノズルの底面図であり、図4は本発明に係る複連ノズルの平面図である。尚、破線で表現した部分は、複連ノズルの内部の構造を示す透視線である。
【0027】
本発明に係る複連ノズル1は、加速ノズル100を複数備え、該加速ノズルが並列に配された複連加速ノズル部10を具備する。複数の加速ノズル100は、互いに噴出方向が並行になるように配列されている。ここでは、加速ノズル100が8本設けられた例(100a〜h)を示しているが、ノズルの本数には特に限定されない。
【0028】
図2を用いて加速ノズル100の詳細を説明する。加速ノズル100は、該ノズルの上流に設けられノズル内で最大断面積を有する第一の気体導入孔101と、該第一の気体導入孔よりも下流であり、加速流路の側面に設けられた第一の液体導入孔103と、該第一の気体導入孔から供給された気体及び該第一の液体導入孔から供給された液体を加速する加速流路105と、加速された混相流体が噴射される噴出口107とを有する。加速流路105は断面積が下流に向かうにつれて小さくなる導入路1051、該導入部の終端に形成された流路内で最小断面積を有する絞り部1053、該絞り部と連続的に形成されており下流に向かうにつれて断面積が大きくなる加速路1055を有する。尚、第一の気体導入孔101の断面積のほうが、第一の液体導入孔103の断面積よりも大きいことが好適である。このような構成をとることによって、連続相の気体と、分散相の液滴からなる混相流体を噴射し易くなる。尚、噴出口107の断面形状は、円形であっても、楕円形であっても、スリット形であってもよい。
【0029】
複連加速ノズル部10は、加速ノズル100の噴出口107a〜hが横方向に一連に配置されている(図1)。
【0030】
図5に示すように、加速ノズルの噴出口107の横方向の広がり幅W([絞り部横幅]−[噴出口横幅])/2)に対する、前記複数の加速ノズルの噴出口の横方向端部から隣接する噴出口の横方向端部の距離Pの比([P]/[W])が、0.01〜2.0であることが好適であり、0.2〜1.0であることがより好適である。当該範囲の比とすることによって、複連ノズルから噴射される混相流体に隙間がなくなり、対象物に与える衝撃力が均一となる。当該比よりも大きな値とすると、噴出口と噴出口の間が開きすぎて複連ノズルから噴射される混相流体に隙間が発生し、噴出口下と噴出口間で衝撃力に著しい差が発生する。尚、後述の加速ノズル噴出口間のスリット109を設けた場合(図5(b))、噴出口の横幅は、スリットの上端部における横幅を意味する(図5(c))。
【0031】
更に、図3、図6に示すように、複連ノズル部の噴出口107は、隣合う噴出口をつなぎ噴出方向に開放するスリット109が設けられていることが好適である。尚、図6の丸で囲った部分がスリット109である。スリット109は、各噴出口107の間に設けられている(スリット109a〜g)。当該スリットを設けることによって、複連ノズルのから噴出される混相流体の衝撃力を損なうことなく噴流の広がりが増すため、衝撃力の均一性が更に高まる。
【0032】
尚、本発明においてスリットの幅は、噴出口の縦方向の幅に対する比([スリット幅]/[噴出口の縦方向の幅])で、0.3〜1.0の範囲が好適である。スリットの深さは、噴出口から1〜10mmが好適である。このような幅及び深さを有することによって、衝撃力の均一性が高まる。
【0033】
本発明に係る複連ノズル1は、第一の気体導入部101へと均一に気体を導入するための気体滞留部20を具備する。気体滞留部20は、第二の気体導入孔201、該第二の気体導入孔から供給された気体を滞留させて、前記第一の気体導入孔を介して前記複数の加速ノズルに対して気体を供給する気体滞留空間203を備える。
【0034】
気体滞留空間203は、その入り口付近において第二の気体導入孔201の断面積よりも広い断面積を有し、下流に向かうにしたがって狭い断面積となる形状を有する。滞留空間出口2031は、前記複連ノズル部10の複数の第一の気体導入孔101を囲い込む。導入された気体が滞留空間203で滞留することによって、気体が均一な圧力で各加速ノズルの第一の気体導入孔101に供給される。したがって、各加速ノズルから噴出される気体の量が均一となる。
【0035】
前記気体滞留部20は、滞留空間203内の第二の気体導入孔201の近傍に、当該第二の気体導入孔201から噴出される気体を拡散する遮蔽棒205を更に備える。図7は、遮蔽棒205の構造を示す図であり、図7(a)は側面図であり、図7(b)は正面図であり、図7(c)はaa断面図である。遮蔽棒205は、滞留空間203を形成する壁面に架設されている。遮蔽棒205を配することで、第二の気体導入孔201から噴出される気体流が遮蔽されて、気体滞留空間203を滞留せずに第二の気体導入孔201の直下流部に存在する複連ノズルに偏って気体が供給されることを防止する。
【0036】
遮蔽棒205は、図7に示すように、第二の気体導入孔の方向に対向した角形状傾斜部位2051を有することが好適である。尚、角形状傾斜部位2051の傾斜角度θは、特に限定されないが、30°〜150°が好適であり、60°〜120°がより好適であり、90°が特に好適である。このような範囲の傾斜角度とすることによって、適度な遮蔽効果が得られ、各加速ノズルへの気体の供給量の均一性が高まる。また、遮蔽棒205の側面に、溝2053を設けて角形状傾斜部位の位置を回動可能に構成してもよい。
【0037】
図4に示されるように、遮蔽棒205の幅daは、第二の気体導入孔201の内径dbよりも大きいことが好適である。遮蔽棒205の幅daとは、第二の気体導入孔201の方向に対して垂直な成分の最大幅を意味する。当該構成により、気体流の遮蔽効果が顕著となり、各ノズルから噴出される気体の均一性が高まる。
【0038】
本発明に係る複連ノズル1は、第一の液体導入部103へと均一に水を導入するための液体滞留部30を具備する。液体滞留部30は、第二の液体導入孔301、該第二の液体導入孔から導入された液体を滞留させて、前記第一の液体導入孔を介して前記複数の加速ノズルに対して液体を供給する液体滞留空間302、を備える。液体滞留部30は、複連ノズルの側面に設けられている。液体滞留空間302は、横長直方体形状を有している。更に、第二の液体導入孔301が、液体滞留空間302の横方向一端の上面に設けられており、液体供給孔303が、前記液体滞留空間の横方向他端の第一の液体導入部103に隣接する上部に設けられている。当該液体滞留部30は、上記の気体滞留部20により各加速ノズルへの気体供給量が均一になる場合には、特に、液体供給量が均一となる。
【0039】
図8は、本発明に係る基板処理装置500の全体図である。本装置500は、水蒸気供給部(A)、ガス供給部(B)、水供給部(C)、2流体調整部(D)、混相流体噴射部(E)、基板保持・回転・上下機構部(F)を有する構成である。以下、各部を詳述する。
【0040】
(A)水蒸気供給部
水蒸気供給部(A)は、純水を供給するための水供給管511と、所定温度D1(℃)以上に加温して水蒸気を発生させ、水蒸気の発生量を制御して水蒸気を所定値C1(MPa)に加圧する蒸気発生器512と、蒸気の供給及びその停止を司る開閉可能な水蒸気開閉バルブ513と、蒸気発生器512から下流に供給される水蒸気の圧力を計測するための圧力計514と、蒸気供給圧力を所望の値に調整するための水蒸気圧力調整バルブ515と、供給水蒸気内の微小液滴量を調整する温度制御機構付き加熱蒸気生成器兼飽和蒸気湿り度調整器516と、安全装置としての安全弁517と、から構成される。水蒸気の流量及び圧力は、水蒸気圧力調整バルブ515のみで制御することが可能である。
【0041】
(B)ガス供給部
ガス供給部(B)は、不活性ガス又は清浄空気を供給するためのガス供給管521と、不活性ガス又は清浄空気の供給圧力を所望の値に調整するためのガス圧力調整弁522と、不活性ガス又は清浄空気の停止及び再開を司り、流量を所望の値に調整するためのガス開閉兼用流量調整バルブ523と、不活性ガス又は清浄空気の温度を調整するためのガス温度制御機構付加熱部524と、下流に供給される気体の圧力を計測するためのガス流量計525と、から構成される。元圧をガス圧力調整弁522で、一定(0.4MPa程度)とし、出力流量を開閉兼用流量調整バルブ523で制御することが可能である。
【0042】
(C)水供給部
水供給部(C)は、水を供給するための水供給管531と、水に熱エネルギーを持たせるための水温度制御機構付加熱部532と、水の流量を確認するための水流量計533と、下流への水の供給の停止及び再開を司る下流供給用水開閉バルブ534と、流量を調整するため及び水が気体配管内に円滑に導入されるためのオリフィス(流量調整バルブ)535から構成される。尚、当該液体(ここでは水)をノズルに供給する場合、従来のような窒素ガス等の混合体でないことが好適である。液体に気体を均等に混ぜることはできず、前述の混合体とした場合、不連続に気泡が配管内に入ることが危惧されるからである。但し、当該液体(ここでは水)に溶けるガス、例えば水であればCO2を溶かした液体状態でノズルに供給してもよい。水の流量は、一定圧力(通常0.4MPa)を純水のタンク(図示せず)にかけた状態で、その出力をオリフィス(流量調整バルブ)535を調節して、水流量計533により確認しながら制御できる。
【0043】
(D)2流体調整部
2流体調整部(D)は、生成された2流体の温度や飽和水蒸気の湿り度を調整するための2流体温度制御機構付加熱部541を有している。
【0044】
(E)混相流体噴射部
混相流体噴射部(E)は、対象物に対して混相流体を噴射するための、前後左右方向(図8のX軸ノズルスキャン範囲又はY軸ノズルスキャン範囲)に移動可能な複連ノズル1と、ノズルの移動を円滑に行うためのするためのフレキシブル配管552と、流体のノズル直前の圧力を計測するための圧力計553と、から構成される。複連ノズル1は、X軸方向にスキャンすることにより、効率的に基板を処理することができる。尚、図8に示すノズルは、複合ノズル1の側面の概略構成図である。
【0045】
(F)基板保持・回転部
基板保持・回転部(F)は、対象物(基板)を搭載・保持可能なステージ561と、ステージ561を回転させるための回転モーター562とから構成される。
【0046】
以下、本発明に係る装置の作用を説明する。
本発明に係る装置においては、水蒸気供給部から供給される水蒸気と、水供給部から供給される水とを複連ノズル1内で混合して生成した混相流体を噴射する。尚、不活性ガス又は清浄空気を混合することで、水蒸気の噴射量を低く抑えながら、高い圧力を得ることができる。例えば、希少金属のリフトオフ工程にて、レジストを残留させつつ、希少金属のみを剥離回収することが可能となるため、水蒸気の中に、不活性ガス又は清浄空気を混合させてもよい。
【0047】
本発明に係る複合ノズル1の第二の気体導入孔201には、水蒸気供給部から供給される水蒸気や、ガス供給部からの気体が導入される。当該第二の気体導入孔から導入された気体は、遮蔽棒205によって一旦流れが遮断され、空気滞留空間203内で滞留した後に、各加速ノズル100の第一の気体導入孔101へと均一に供給される。
【0048】
一方、複連ノズル1の第二の液体導入孔301には、水供給部から水が供給される。この際、供給される水は、薬液を添加して混合したものを使用してもよい。第二の液体導入孔301から導入された水は、液体滞留空間302の底面部へと流れた後、当該滞留空間内で滞留して、当該空間内の上部に設けられた液体供給孔303から、各加
速ノズルの第一の液体導入孔103へと均一に供給される。
【0049】
複連加速ノズル部10内の各加速ノズル内では、第一の気体導入孔101から導入された気体と、加速流路側面の第一の液体導入孔103から供給された液体が、当該加速流路によって、加速され噴出口107から噴出される。各ノズルの気体と液体の供給量が均一であるため、各ノズルから噴射される混相流体の量は均一となる。
【0050】
上記のように、混相流体を噴射させながら、複連ノズル1を噴出口107が連なった横方向(Y軸)に対して垂直方向(X軸)に基板を走査することによって、効率的に基板全体を処理することができる。また、各加速ノズルから噴出される混相流体の量が均一であることによって、基板表面上を均一に処理することができる。更に、噴出口107にスリット109を設けることによって、衝撃力を均一にすることができるため、一度のスキャン処理で均一に基板を処理することができる。
【実施例】
【0051】
例1
以下の条件下、加速ノズル部を7本とした本発明に係る複連ノズル1用いて、混相流体を噴射して、各ノズルからの噴出される流体の状態を観察した。結果を図9に示す。更に、当該条件により、電極配線パターンが形成されたレジスト表面に金の薄膜が形成された基板に対して混相流体(気体:蒸気+空気、液体:水)を噴射して、不要な金のリフトオフを行なった。
【0052】
気体全体の圧力:0.34MPa
蒸気の温度:68℃
蒸気の流量:15kg/Hr・本
空気の温度:25℃
空気の流量:150L/min・本
純水の流量:300cc/min・本
純水の温度:20℃
ノズルGAP:10mm
ノズルスキャン:15mm/s
【0053】
例2
比較実験として、遮蔽棒、噴出口スリットを設けていない、P/W比:7.0であること以外は例1と同じ構造の複連ノズルを用いた以外は、例1と同様の条件にて、混相流体を噴射して、各ノズルからの噴出される混相流体の状態を観察した。結果を図9に示す。更に、当該条件により、電極配線パターンが形成されたレジスト表面に金の薄膜が形成された基板に対して混相流体(気体:蒸気+空気、液体:水)を噴射して、不要な金のリフトオフを行なった。
【0054】
以上の結果、例1に係る複連ノズルで混相流体を噴射する場合、例2のものの場合と比較して、各ノズルからの噴射量が均一になっていることが観察された(図9)。更に、金のリフトオフを行なったところ、例1に係る複連ノズルを使用した場合には、均一に金がリフトオフされている様子が観察されたが、例2に係る複連ノズルの場合には、一部の金がリフトオフされずに残っている様子が観察された。
【0055】
打撃力の均一性の実験
以下の条件下、加速ノズルを7本とした本発明に係る複連ノズル1用いて、混相流体を噴射して、各ノズルからの噴出される流体の衝撃力を測定した。尚、衝撃力の測定にはロードセルを用いた。結果を図10、図11に示す。
【0056】
気体全体の圧力:0.34MPa
蒸気の温度:68℃
蒸気の流量:15kg/Hr・本
空気の温度:25℃
空気の流量:150L/min・本
純水の流量:300cc/min・本
純水の温度:20℃
ノズルGAP:10mm
ノズルスキャン:0mm/s
【0057】
以上の結果から、遮蔽棒が設けられていない場合には、中心に位置する加速ノズルからの気体の噴射量が多くなり、液体の噴射量が少なくなる。遮蔽棒を設けることによって各ノズルからの気体、液体の各噴出量が均一になる。特に、角度が60°〜120°においては各ノズルからの噴出量は高い均一性を有していた。
【0058】
更に詳細に、180°遮蔽棒を設けて、噴出口スリットを設けていない、複連ノズルと、例1で用いた複連ノズルを用いて衝撃力の詳細な測定を行った。上記の噴射条件において、複連ノズルの片端から他端にかけて、ノズル横方向位置を変化させながら衝撃力を測定した。結果を図12に示す。
【0059】
結果、噴出口間に[スリット幅]/[噴出口の縦方向の幅]:0.4、スリットの深さ:5mmのスリット設けて、遮蔽棒の角形状傾斜部位の傾斜角度を90°とすることによって、各ノズル下、ならびにノズル噴出口間における衝撃力分布は高い均一性を示した。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明に係るノズル及び装置は、半導体ウエハ、液晶ディスプレイ、ハードディスクなどの記録媒体、プリント基板、太陽電池基板等の製造工程における剥離、洗浄工程や、発光ダイオード、半導体レーザなど発光デバイス製造プロセスの電極形成工程で用いられる。
【符号の説明】
【0061】
1 複連ノズル
10 複連加速ノズル部
100 加速ノズル
101 第一の気体導入孔
103 第一の液体導入孔
105 加速流路
107 噴出口
20 気体滞留部
201 第二の気体導入孔
203 気体滞留空間
205 遮蔽棒
30 液体滞留部
301 第二の液体導入孔
302 液体滞留空間
A 水蒸気供給部
B ガス供給部
C 水供給部
D 2流体調整部
E 混相流体噴射部
F 基板保持・回転・上下機構部
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の汚染、付着物を除去、洗浄する工程において用いられるノズル及び処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子デバイスの製造プロセスにおいては、1枚の基板に対して、50〜100回もの洗浄が繰り返される。その洗浄の対象は、デバイス信頼性に影響を与えるレジスト膜やポリマー膜等の有機物やパーティクル等である。この洗浄工程では、通常、アルカリ洗浄液と酸洗浄液の組合せやその他硫酸過水や有機溶剤等の薬品を使用し、また、その残留物を除去するためのリンス工程では、大量の純水を使用する。その他、レジストの除去には、プラズマアッシング装置を用いるのが一般的であるが、その後の残留物や不純物の洗浄は別の洗浄装置が使用されている。ここで、上記に示した従来技術の洗浄や薄膜除去に使われる薬液は、1)高価である、2)環境負荷が大きいため特別な排水処理設備が必要である、3)作業者の安全衛生の確保のため装置が大型化し、特別な装置内排気設備が必要である、薬液を洗い流すために大量の純水が必要である、4)1台の装置では薄膜除去から洗浄までをカバーできない、といった欠点をもつ。
【0003】
上記の技術課題の下で水蒸気及び水を用いる基板処理方法が提案されている(特許文献1)。当該方法によれば、水蒸気及び水のみで、高い物理的衝撃力を得ることが出来るため、レジストやポリマー膜を剥離することができる。したがって、電子デバイスの製造プロセスにおいて薬液を減らすことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2009/013797パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
基板の処理効率の問題から、基板に対して水蒸気及び水の混相流体を噴射してスキャンする処理が求められる場合がある。しかし、上記の発明によれば、スキャンによる一回の処理で、広い面積を処理することが難しく、高い処理効率を得ることが出来なかった。そこで、本発明は、スキャンによって効率的に広い面積の基板を処理できるノズル及び基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明(1)は、第一の気体導入孔、前記第一の気体導入孔よりも下流に設けられた第一の液体導入孔、該第一の気体導入孔から供給された気体及び該第一の液体導入孔から供給された液体を加速する加速流路、及び加速された混相流体が噴射される噴出口を有する加速ノズルを複数備え、該加速ノズルが並列に配されている、複連加速ノズル部を具備する複連ノズルである。
【0007】
複連ノズルを用いた場合、蒸気発生器等から気体を導入すると、各ノズルからの気体噴出量が均一にならないという問題を有していた。これに起因して、レジスト等の除去対象物が十分に除去されないといった問題が発生していた。
そこで、本発明(2)〜(6)においては、複連ノズルを用いた場合であって、各ノズルからの気体噴出量が均一に調整されるような手段を提供することを目的とする。
【0008】
本発明(2)は、第二の気体導入孔、該第二の気体導入孔から供給された気体を滞留させて、前記第一の気体導入孔を介して前記複数の加速ノズルに対して気体を供給する気体滞留空間、を備える気体滞留部を更に具備する、前記発明(1)の複連ノズルである。
【0009】
本発明(3)は、前記気体滞留部は、前記気体滞留空間内の第二の気体導入孔の近傍に、当該第二の気体導入孔から噴出される気体を拡散する遮蔽棒を更に備える、前記発明(2)の複連ノズルである。
【0010】
本発明(4)は、前記遮蔽棒の幅が前記気体導入孔の内径よりも大きい、前記発明(3)の複連ノズルである。
【0011】
本発明(5)は、前記遮蔽棒が、前記気体導入孔の方向に対向した角形状傾斜部位を有する、前記発明(3)又は(4)の複連ノズルである。
【0012】
本発明(6)は、前記角形状傾斜部位の傾斜角が、30〜150°である、前記発明(5)の複連ノズルである。
【0013】
複連ノズルを用いて対象物に対して噴射する場合、ノズル噴出口とノズル噴出口の間における衝撃力が、ノズル噴出口の直下における衝撃力とは大きく異なるといった問題を有していた。すなわち、複連ノズルを単に用いて対象物に対して噴射した場合、対象物上に与えられる衝撃力が均一ではないことがわかった。そこで、本発明(7)〜(8)においては、対象物に与える衝撃力均一性の高い複連ノズルを提供することを目的とする。
【0014】
本発明(7)は、前記複数の加速ノズルは、各々の噴出口が横方向に一連に配置されており、
前記複数の加速ノズルの噴出口の横方向の広がり幅W([絞り部横幅]−[噴出口横幅])/2)に対する、前記複数の加速ノズルの噴出口の横方向端部から隣接する噴出口の横方向端部の距離Pの比([P]/[W])が、0.2〜1.0である、前記発明(1)〜(6)のいずれか一つの複連ノズルである。
【0015】
本発明(8)は、前記噴出口は、隣接する噴出口をつなぎ、噴出方向に開放するスリットが設けられている、前記発明(7)の複連ノズルである。
【0016】
複連ノズルを用いて対象物に対して混相流体を噴射する場合、各ノズル噴出口より噴射される液体の量が均一ではないという問題を有していた。そこで、本発明(9)〜(10)においては、複連ノズルを用いた場合であって、各ノズルからの液体噴出量が均一に調整されるような手段を提供することを目的とする。
【0017】
本発明(9)は、第二の液体導入孔、該第二の液体導入孔から導入された液体を滞留させて、前記第一の液体導入孔を介して前記複数の加速ノズルに対して液体を供給する液体滞留空間、を備える液体滞留部を更に具備する、前記発明(1)〜(8)のいずれか一つの複連ノズルである。
【0018】
本発明(10)は、前記液体滞留部が、前記複連ノズルの側面に設けられており、
前記液体滞留空間が横長直方体形状を有しており、
前記第二の液体導入孔が、液体滞留空間の一端の上部に設けられており、
前記第一の液体導入孔が、前記液体滞留空間の他端の上部に設けられている、前記発明(8)の複連ノズルである。
【0019】
本発明(11)は、前記発明(1)〜(10)のいずれか一つの複連ノズルと、
前記複連ノズルに対して水蒸気を供給する蒸気発生部と、
前記複連ノズルに対して液体を供給する水供給部と、を具備する基板処理装置である。
【0020】
本発明(12)は、前記複連ノズルに対して不活性ガス又は清浄空気を供給するガス供給部を更に具備する、前記発明(11)の基板処理装置である。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る複連ノズルによれば、一回のスキャンによって効率的に広い面積の基板を処理できるという効果を奏する。
【0022】
また、本発明に係る気体滞留部を設けることによって、第二の気体導入孔から導入される気体が、一旦滞留した後に各ノズルへと供給されるため、複連ノズルを構成する各加速ノズルから噴出される混相流体の噴出量が均一になるという効果を奏する。特に気体滞留空間内に遮蔽棒を設けることによって、第二の気体導入孔から導入される気体の流れが遮蔽されて、気体滞留部を設けることによる均一性の向上効果が顕著となる。
【0023】
複連ノズルの横方向の広がり幅Wと距離Pの比を上記に示すような範囲とすることによって、各ノズル下及びノズル噴出口間における衝撃力分布は高い均一性を示す。また、ノズル噴出口間にスリットを設けることによって衝撃力分布の均一性は更に高まる。
【0024】
液体滞留部を更に有することによって、各ノズルへと供給される水の量が一定となるため、噴射される混相流体も均一になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明に係る複連ノズルの正面図である。
【図2】図2は、本発明に係る複連ノズルの側面図である。
【図3】図3は、本発明に係る複連ノズルの底面図である。
【図4】図4は、本発明に係る複連ノズルの平面図である。
【図5】図5は、広がり幅W([絞り部横幅]−[噴出口横幅])/2)と距離Pの説明図である。
【図6】図6は、本発明に係る複連ノズルのスリットの構造を示す写真である。
【図7】図7は、遮蔽棒の構造を示す図である。
【図8】図8は、本発明に係る基板処理装置の概略構成図である。
【図9】図9は、本発明に係る複連ノズルから混相流体が噴射される様子を示した写真である。
【図10】図10は、本発明に係る複連ノズルからの噴出される流体の衝撃力を測定した結果を示すグラフである。
【図11】図11は、本発明に係る複連ノズルからの噴出される流体の衝撃力を測定した結果を示すグラフである。
【図12】図12は、本発明に係る複連ノズルからの噴出される流体の衝撃力を横方向に位置を変化させながら測定した結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施形態について図を用いて説明する。図1〜4は、本発明に係る複連ノズルの形態を示す。図1は本発明に係る複連ノズルの正面図であり、図2は本発明に係る複連ノズルの側面図であり、図3は本発明に係る複連ノズルの底面図であり、図4は本発明に係る複連ノズルの平面図である。尚、破線で表現した部分は、複連ノズルの内部の構造を示す透視線である。
【0027】
本発明に係る複連ノズル1は、加速ノズル100を複数備え、該加速ノズルが並列に配された複連加速ノズル部10を具備する。複数の加速ノズル100は、互いに噴出方向が並行になるように配列されている。ここでは、加速ノズル100が8本設けられた例(100a〜h)を示しているが、ノズルの本数には特に限定されない。
【0028】
図2を用いて加速ノズル100の詳細を説明する。加速ノズル100は、該ノズルの上流に設けられノズル内で最大断面積を有する第一の気体導入孔101と、該第一の気体導入孔よりも下流であり、加速流路の側面に設けられた第一の液体導入孔103と、該第一の気体導入孔から供給された気体及び該第一の液体導入孔から供給された液体を加速する加速流路105と、加速された混相流体が噴射される噴出口107とを有する。加速流路105は断面積が下流に向かうにつれて小さくなる導入路1051、該導入部の終端に形成された流路内で最小断面積を有する絞り部1053、該絞り部と連続的に形成されており下流に向かうにつれて断面積が大きくなる加速路1055を有する。尚、第一の気体導入孔101の断面積のほうが、第一の液体導入孔103の断面積よりも大きいことが好適である。このような構成をとることによって、連続相の気体と、分散相の液滴からなる混相流体を噴射し易くなる。尚、噴出口107の断面形状は、円形であっても、楕円形であっても、スリット形であってもよい。
【0029】
複連加速ノズル部10は、加速ノズル100の噴出口107a〜hが横方向に一連に配置されている(図1)。
【0030】
図5に示すように、加速ノズルの噴出口107の横方向の広がり幅W([絞り部横幅]−[噴出口横幅])/2)に対する、前記複数の加速ノズルの噴出口の横方向端部から隣接する噴出口の横方向端部の距離Pの比([P]/[W])が、0.01〜2.0であることが好適であり、0.2〜1.0であることがより好適である。当該範囲の比とすることによって、複連ノズルから噴射される混相流体に隙間がなくなり、対象物に与える衝撃力が均一となる。当該比よりも大きな値とすると、噴出口と噴出口の間が開きすぎて複連ノズルから噴射される混相流体に隙間が発生し、噴出口下と噴出口間で衝撃力に著しい差が発生する。尚、後述の加速ノズル噴出口間のスリット109を設けた場合(図5(b))、噴出口の横幅は、スリットの上端部における横幅を意味する(図5(c))。
【0031】
更に、図3、図6に示すように、複連ノズル部の噴出口107は、隣合う噴出口をつなぎ噴出方向に開放するスリット109が設けられていることが好適である。尚、図6の丸で囲った部分がスリット109である。スリット109は、各噴出口107の間に設けられている(スリット109a〜g)。当該スリットを設けることによって、複連ノズルのから噴出される混相流体の衝撃力を損なうことなく噴流の広がりが増すため、衝撃力の均一性が更に高まる。
【0032】
尚、本発明においてスリットの幅は、噴出口の縦方向の幅に対する比([スリット幅]/[噴出口の縦方向の幅])で、0.3〜1.0の範囲が好適である。スリットの深さは、噴出口から1〜10mmが好適である。このような幅及び深さを有することによって、衝撃力の均一性が高まる。
【0033】
本発明に係る複連ノズル1は、第一の気体導入部101へと均一に気体を導入するための気体滞留部20を具備する。気体滞留部20は、第二の気体導入孔201、該第二の気体導入孔から供給された気体を滞留させて、前記第一の気体導入孔を介して前記複数の加速ノズルに対して気体を供給する気体滞留空間203を備える。
【0034】
気体滞留空間203は、その入り口付近において第二の気体導入孔201の断面積よりも広い断面積を有し、下流に向かうにしたがって狭い断面積となる形状を有する。滞留空間出口2031は、前記複連ノズル部10の複数の第一の気体導入孔101を囲い込む。導入された気体が滞留空間203で滞留することによって、気体が均一な圧力で各加速ノズルの第一の気体導入孔101に供給される。したがって、各加速ノズルから噴出される気体の量が均一となる。
【0035】
前記気体滞留部20は、滞留空間203内の第二の気体導入孔201の近傍に、当該第二の気体導入孔201から噴出される気体を拡散する遮蔽棒205を更に備える。図7は、遮蔽棒205の構造を示す図であり、図7(a)は側面図であり、図7(b)は正面図であり、図7(c)はaa断面図である。遮蔽棒205は、滞留空間203を形成する壁面に架設されている。遮蔽棒205を配することで、第二の気体導入孔201から噴出される気体流が遮蔽されて、気体滞留空間203を滞留せずに第二の気体導入孔201の直下流部に存在する複連ノズルに偏って気体が供給されることを防止する。
【0036】
遮蔽棒205は、図7に示すように、第二の気体導入孔の方向に対向した角形状傾斜部位2051を有することが好適である。尚、角形状傾斜部位2051の傾斜角度θは、特に限定されないが、30°〜150°が好適であり、60°〜120°がより好適であり、90°が特に好適である。このような範囲の傾斜角度とすることによって、適度な遮蔽効果が得られ、各加速ノズルへの気体の供給量の均一性が高まる。また、遮蔽棒205の側面に、溝2053を設けて角形状傾斜部位の位置を回動可能に構成してもよい。
【0037】
図4に示されるように、遮蔽棒205の幅daは、第二の気体導入孔201の内径dbよりも大きいことが好適である。遮蔽棒205の幅daとは、第二の気体導入孔201の方向に対して垂直な成分の最大幅を意味する。当該構成により、気体流の遮蔽効果が顕著となり、各ノズルから噴出される気体の均一性が高まる。
【0038】
本発明に係る複連ノズル1は、第一の液体導入部103へと均一に水を導入するための液体滞留部30を具備する。液体滞留部30は、第二の液体導入孔301、該第二の液体導入孔から導入された液体を滞留させて、前記第一の液体導入孔を介して前記複数の加速ノズルに対して液体を供給する液体滞留空間302、を備える。液体滞留部30は、複連ノズルの側面に設けられている。液体滞留空間302は、横長直方体形状を有している。更に、第二の液体導入孔301が、液体滞留空間302の横方向一端の上面に設けられており、液体供給孔303が、前記液体滞留空間の横方向他端の第一の液体導入部103に隣接する上部に設けられている。当該液体滞留部30は、上記の気体滞留部20により各加速ノズルへの気体供給量が均一になる場合には、特に、液体供給量が均一となる。
【0039】
図8は、本発明に係る基板処理装置500の全体図である。本装置500は、水蒸気供給部(A)、ガス供給部(B)、水供給部(C)、2流体調整部(D)、混相流体噴射部(E)、基板保持・回転・上下機構部(F)を有する構成である。以下、各部を詳述する。
【0040】
(A)水蒸気供給部
水蒸気供給部(A)は、純水を供給するための水供給管511と、所定温度D1(℃)以上に加温して水蒸気を発生させ、水蒸気の発生量を制御して水蒸気を所定値C1(MPa)に加圧する蒸気発生器512と、蒸気の供給及びその停止を司る開閉可能な水蒸気開閉バルブ513と、蒸気発生器512から下流に供給される水蒸気の圧力を計測するための圧力計514と、蒸気供給圧力を所望の値に調整するための水蒸気圧力調整バルブ515と、供給水蒸気内の微小液滴量を調整する温度制御機構付き加熱蒸気生成器兼飽和蒸気湿り度調整器516と、安全装置としての安全弁517と、から構成される。水蒸気の流量及び圧力は、水蒸気圧力調整バルブ515のみで制御することが可能である。
【0041】
(B)ガス供給部
ガス供給部(B)は、不活性ガス又は清浄空気を供給するためのガス供給管521と、不活性ガス又は清浄空気の供給圧力を所望の値に調整するためのガス圧力調整弁522と、不活性ガス又は清浄空気の停止及び再開を司り、流量を所望の値に調整するためのガス開閉兼用流量調整バルブ523と、不活性ガス又は清浄空気の温度を調整するためのガス温度制御機構付加熱部524と、下流に供給される気体の圧力を計測するためのガス流量計525と、から構成される。元圧をガス圧力調整弁522で、一定(0.4MPa程度)とし、出力流量を開閉兼用流量調整バルブ523で制御することが可能である。
【0042】
(C)水供給部
水供給部(C)は、水を供給するための水供給管531と、水に熱エネルギーを持たせるための水温度制御機構付加熱部532と、水の流量を確認するための水流量計533と、下流への水の供給の停止及び再開を司る下流供給用水開閉バルブ534と、流量を調整するため及び水が気体配管内に円滑に導入されるためのオリフィス(流量調整バルブ)535から構成される。尚、当該液体(ここでは水)をノズルに供給する場合、従来のような窒素ガス等の混合体でないことが好適である。液体に気体を均等に混ぜることはできず、前述の混合体とした場合、不連続に気泡が配管内に入ることが危惧されるからである。但し、当該液体(ここでは水)に溶けるガス、例えば水であればCO2を溶かした液体状態でノズルに供給してもよい。水の流量は、一定圧力(通常0.4MPa)を純水のタンク(図示せず)にかけた状態で、その出力をオリフィス(流量調整バルブ)535を調節して、水流量計533により確認しながら制御できる。
【0043】
(D)2流体調整部
2流体調整部(D)は、生成された2流体の温度や飽和水蒸気の湿り度を調整するための2流体温度制御機構付加熱部541を有している。
【0044】
(E)混相流体噴射部
混相流体噴射部(E)は、対象物に対して混相流体を噴射するための、前後左右方向(図8のX軸ノズルスキャン範囲又はY軸ノズルスキャン範囲)に移動可能な複連ノズル1と、ノズルの移動を円滑に行うためのするためのフレキシブル配管552と、流体のノズル直前の圧力を計測するための圧力計553と、から構成される。複連ノズル1は、X軸方向にスキャンすることにより、効率的に基板を処理することができる。尚、図8に示すノズルは、複合ノズル1の側面の概略構成図である。
【0045】
(F)基板保持・回転部
基板保持・回転部(F)は、対象物(基板)を搭載・保持可能なステージ561と、ステージ561を回転させるための回転モーター562とから構成される。
【0046】
以下、本発明に係る装置の作用を説明する。
本発明に係る装置においては、水蒸気供給部から供給される水蒸気と、水供給部から供給される水とを複連ノズル1内で混合して生成した混相流体を噴射する。尚、不活性ガス又は清浄空気を混合することで、水蒸気の噴射量を低く抑えながら、高い圧力を得ることができる。例えば、希少金属のリフトオフ工程にて、レジストを残留させつつ、希少金属のみを剥離回収することが可能となるため、水蒸気の中に、不活性ガス又は清浄空気を混合させてもよい。
【0047】
本発明に係る複合ノズル1の第二の気体導入孔201には、水蒸気供給部から供給される水蒸気や、ガス供給部からの気体が導入される。当該第二の気体導入孔から導入された気体は、遮蔽棒205によって一旦流れが遮断され、空気滞留空間203内で滞留した後に、各加速ノズル100の第一の気体導入孔101へと均一に供給される。
【0048】
一方、複連ノズル1の第二の液体導入孔301には、水供給部から水が供給される。この際、供給される水は、薬液を添加して混合したものを使用してもよい。第二の液体導入孔301から導入された水は、液体滞留空間302の底面部へと流れた後、当該滞留空間内で滞留して、当該空間内の上部に設けられた液体供給孔303から、各加
速ノズルの第一の液体導入孔103へと均一に供給される。
【0049】
複連加速ノズル部10内の各加速ノズル内では、第一の気体導入孔101から導入された気体と、加速流路側面の第一の液体導入孔103から供給された液体が、当該加速流路によって、加速され噴出口107から噴出される。各ノズルの気体と液体の供給量が均一であるため、各ノズルから噴射される混相流体の量は均一となる。
【0050】
上記のように、混相流体を噴射させながら、複連ノズル1を噴出口107が連なった横方向(Y軸)に対して垂直方向(X軸)に基板を走査することによって、効率的に基板全体を処理することができる。また、各加速ノズルから噴出される混相流体の量が均一であることによって、基板表面上を均一に処理することができる。更に、噴出口107にスリット109を設けることによって、衝撃力を均一にすることができるため、一度のスキャン処理で均一に基板を処理することができる。
【実施例】
【0051】
例1
以下の条件下、加速ノズル部を7本とした本発明に係る複連ノズル1用いて、混相流体を噴射して、各ノズルからの噴出される流体の状態を観察した。結果を図9に示す。更に、当該条件により、電極配線パターンが形成されたレジスト表面に金の薄膜が形成された基板に対して混相流体(気体:蒸気+空気、液体:水)を噴射して、不要な金のリフトオフを行なった。
【0052】
気体全体の圧力:0.34MPa
蒸気の温度:68℃
蒸気の流量:15kg/Hr・本
空気の温度:25℃
空気の流量:150L/min・本
純水の流量:300cc/min・本
純水の温度:20℃
ノズルGAP:10mm
ノズルスキャン:15mm/s
【0053】
例2
比較実験として、遮蔽棒、噴出口スリットを設けていない、P/W比:7.0であること以外は例1と同じ構造の複連ノズルを用いた以外は、例1と同様の条件にて、混相流体を噴射して、各ノズルからの噴出される混相流体の状態を観察した。結果を図9に示す。更に、当該条件により、電極配線パターンが形成されたレジスト表面に金の薄膜が形成された基板に対して混相流体(気体:蒸気+空気、液体:水)を噴射して、不要な金のリフトオフを行なった。
【0054】
以上の結果、例1に係る複連ノズルで混相流体を噴射する場合、例2のものの場合と比較して、各ノズルからの噴射量が均一になっていることが観察された(図9)。更に、金のリフトオフを行なったところ、例1に係る複連ノズルを使用した場合には、均一に金がリフトオフされている様子が観察されたが、例2に係る複連ノズルの場合には、一部の金がリフトオフされずに残っている様子が観察された。
【0055】
打撃力の均一性の実験
以下の条件下、加速ノズルを7本とした本発明に係る複連ノズル1用いて、混相流体を噴射して、各ノズルからの噴出される流体の衝撃力を測定した。尚、衝撃力の測定にはロードセルを用いた。結果を図10、図11に示す。
【0056】
気体全体の圧力:0.34MPa
蒸気の温度:68℃
蒸気の流量:15kg/Hr・本
空気の温度:25℃
空気の流量:150L/min・本
純水の流量:300cc/min・本
純水の温度:20℃
ノズルGAP:10mm
ノズルスキャン:0mm/s
【0057】
以上の結果から、遮蔽棒が設けられていない場合には、中心に位置する加速ノズルからの気体の噴射量が多くなり、液体の噴射量が少なくなる。遮蔽棒を設けることによって各ノズルからの気体、液体の各噴出量が均一になる。特に、角度が60°〜120°においては各ノズルからの噴出量は高い均一性を有していた。
【0058】
更に詳細に、180°遮蔽棒を設けて、噴出口スリットを設けていない、複連ノズルと、例1で用いた複連ノズルを用いて衝撃力の詳細な測定を行った。上記の噴射条件において、複連ノズルの片端から他端にかけて、ノズル横方向位置を変化させながら衝撃力を測定した。結果を図12に示す。
【0059】
結果、噴出口間に[スリット幅]/[噴出口の縦方向の幅]:0.4、スリットの深さ:5mmのスリット設けて、遮蔽棒の角形状傾斜部位の傾斜角度を90°とすることによって、各ノズル下、ならびにノズル噴出口間における衝撃力分布は高い均一性を示した。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明に係るノズル及び装置は、半導体ウエハ、液晶ディスプレイ、ハードディスクなどの記録媒体、プリント基板、太陽電池基板等の製造工程における剥離、洗浄工程や、発光ダイオード、半導体レーザなど発光デバイス製造プロセスの電極形成工程で用いられる。
【符号の説明】
【0061】
1 複連ノズル
10 複連加速ノズル部
100 加速ノズル
101 第一の気体導入孔
103 第一の液体導入孔
105 加速流路
107 噴出口
20 気体滞留部
201 第二の気体導入孔
203 気体滞留空間
205 遮蔽棒
30 液体滞留部
301 第二の液体導入孔
302 液体滞留空間
A 水蒸気供給部
B ガス供給部
C 水供給部
D 2流体調整部
E 混相流体噴射部
F 基板保持・回転・上下機構部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の気体導入孔、前記第一の気体導入孔よりも下流に設けられた第一の液体導入孔、該第一の気体導入孔から供給された気体及び該第一の液体導入孔から供給された液体を加速する加速流路、及び加速された混相流体が噴射される噴出口を有する加速ノズルを複数備え、該加速ノズルが並列に配されている、複連加速ノズル部を具備する複連ノズル。
【請求項2】
第二の気体導入孔、該第二の気体導入孔から供給された気体を滞留させて、前記第一の気体導入孔を介して前記複数の加速ノズルに対して気体を供給する気体滞留空間、を備える気体滞留部を更に具備する、請求項1記載の複連ノズル。
【請求項3】
前記気体滞留部は、前記気体滞留空間内の第二の気体導入孔の近傍に、当該第二の気体導入孔から噴出される気体を拡散する遮蔽棒を更に備える、請求項2記載の複連ノズル。
【請求項4】
前記遮蔽棒の幅が前記気体導入孔の内径よりも大きい、請求項3記載の複連ノズル。
【請求項5】
前記遮蔽棒が、前記気体導入孔の方向に対向した角形状傾斜部位を有する、請求項3又は4記載の複連ノズル。
【請求項6】
前記角形状傾斜部位の傾斜角が、30〜150°である、請求項5記載の複連ノズル。
【請求項7】
前記複数の加速ノズルは、各々の噴出口が横方向に一連に配置されており、
前記複数の加速ノズルの噴出口の横方向の広がり幅W([絞り部横幅]−[噴出口横幅])/2)に対する、前記複数の加速ノズルの噴出口の横方向端部から隣接する噴出口の横方向端部の距離Pの比([P]/[W])が、0.2〜1.0である、請求項1〜6のいずれか一項記載の複連ノズル。
【請求項8】
前記噴出口は、隣接する噴出口をつなぎ、噴出方向に開放するスリットが設けられている、請求項7記載の複連ノズル。
【請求項9】
第二の液体導入孔、該第二の液体導入孔から導入された液体を滞留させて、前記第一の液体導入孔を介して前記複数の加速ノズルに対して液体を供給する液体滞留空間、を備える液体滞留部を更に具備する、請求項1〜8のいずれか一項記載の複連ノズル。
【請求項10】
前記液体滞留部が、前記複連ノズルの側面に設けられており、
前記液体滞留空間が横長直方体形状を有しており、
前記第二の液体導入孔が、液体滞留空間の一端の上部に設けられており、
前記第一の液体導入孔が、前記液体滞留空間の他端の上部に設けられている、請求項9記載の複連ノズル。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項記載の複連ノズルと、
前記複連ノズルに対して水蒸気を供給する蒸気発生部と、
前記複連ノズルに対して液体を供給する水供給部と、を具備する基板処理装置。
【請求項12】
前記複連ノズルに対して不活性ガス又は清浄空気を供給するガス供給部を更に具備する、請求項11記載の基板処理装置。
【請求項1】
第一の気体導入孔、前記第一の気体導入孔よりも下流に設けられた第一の液体導入孔、該第一の気体導入孔から供給された気体及び該第一の液体導入孔から供給された液体を加速する加速流路、及び加速された混相流体が噴射される噴出口を有する加速ノズルを複数備え、該加速ノズルが並列に配されている、複連加速ノズル部を具備する複連ノズル。
【請求項2】
第二の気体導入孔、該第二の気体導入孔から供給された気体を滞留させて、前記第一の気体導入孔を介して前記複数の加速ノズルに対して気体を供給する気体滞留空間、を備える気体滞留部を更に具備する、請求項1記載の複連ノズル。
【請求項3】
前記気体滞留部は、前記気体滞留空間内の第二の気体導入孔の近傍に、当該第二の気体導入孔から噴出される気体を拡散する遮蔽棒を更に備える、請求項2記載の複連ノズル。
【請求項4】
前記遮蔽棒の幅が前記気体導入孔の内径よりも大きい、請求項3記載の複連ノズル。
【請求項5】
前記遮蔽棒が、前記気体導入孔の方向に対向した角形状傾斜部位を有する、請求項3又は4記載の複連ノズル。
【請求項6】
前記角形状傾斜部位の傾斜角が、30〜150°である、請求項5記載の複連ノズル。
【請求項7】
前記複数の加速ノズルは、各々の噴出口が横方向に一連に配置されており、
前記複数の加速ノズルの噴出口の横方向の広がり幅W([絞り部横幅]−[噴出口横幅])/2)に対する、前記複数の加速ノズルの噴出口の横方向端部から隣接する噴出口の横方向端部の距離Pの比([P]/[W])が、0.2〜1.0である、請求項1〜6のいずれか一項記載の複連ノズル。
【請求項8】
前記噴出口は、隣接する噴出口をつなぎ、噴出方向に開放するスリットが設けられている、請求項7記載の複連ノズル。
【請求項9】
第二の液体導入孔、該第二の液体導入孔から導入された液体を滞留させて、前記第一の液体導入孔を介して前記複数の加速ノズルに対して液体を供給する液体滞留空間、を備える液体滞留部を更に具備する、請求項1〜8のいずれか一項記載の複連ノズル。
【請求項10】
前記液体滞留部が、前記複連ノズルの側面に設けられており、
前記液体滞留空間が横長直方体形状を有しており、
前記第二の液体導入孔が、液体滞留空間の一端の上部に設けられており、
前記第一の液体導入孔が、前記液体滞留空間の他端の上部に設けられている、請求項9記載の複連ノズル。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項記載の複連ノズルと、
前記複連ノズルに対して水蒸気を供給する蒸気発生部と、
前記複連ノズルに対して液体を供給する水供給部と、を具備する基板処理装置。
【請求項12】
前記複連ノズルに対して不活性ガス又は清浄空気を供給するガス供給部を更に具備する、請求項11記載の基板処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図6】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図6】
【図9】
【公開番号】特開2012−174741(P2012−174741A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−32677(P2011−32677)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(503187073)アクアサイエンス株式会社 (13)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(503187073)アクアサイエンス株式会社 (13)
【Fターム(参考)】
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