説明

覆工用目地割りパネルの製造法

【課題】上層部20aに割れ誘発目地で区画された小ブロック群を有し、下層部20bにネット25を埋設し、下層部下面に草押えシート36を貼付した目地割りパネルを適正に製造できる覆工用目地割りパネルの製造法を提供する。
【解決手段】周壁30内を周壁より低背の縦横の区画壁27,28で区画された小ブロック成形室32群を有する成形型26を用意し、該区画壁27,28上に載置したネット25上に成形材29を充填して同ネットを上記小ブロック成形室32群の内底面へ向け撓曲し、上記成形型26にバイブレーションを与えて上記成形材29を上記ネット25の網目を通し上記小ブロック成形室32群内に充填すると同時に、同ネット25の撓曲部を浮上させて上記下層部20b内に同ネット25を埋設し、上記バイブレーションを与える前工程として上記成形材29の上面に草押えシート36を成形材29を接着材として貼付した上記パネルの製造法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は法面等の地面に多数枚置き敷きし広面積の覆工面を形成する覆工用目地割りパネルの製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1に示すように、従来よりパネル上層部が縦目地溝1と横目地溝2にて縦横に区画された多数の小ブロック3群から成り、該小ブロック3群を連結するパネル下層部に上記縦目地溝1の底部接合部と横目地溝2の底部接合部を通る可撓性連結ネット5を埋設して成る、モルタル等のパネル成形材9,9′により一体成形された覆工用目地割りパネルが周知である。
【0003】
従来の覆工作業にあたっては、法面等の地面に広面積の可撓性草押えシートを敷設し、該可撓性草押えシートの上面に目地割りパネルを多数枚置き敷きし広面積の覆工面を形成する方法を採っている。
【0004】
図2に示すように、上記覆工用目地割りパネルは周壁10と底壁11を有すると共に、該周壁10内を該周壁10及び底壁11と一体で且つ互いに交差せる周壁10より低背の縦目地溝形成用区画壁7と横目地溝形成用区画壁8を設けて上面で開放せる多数の小ブロック成形室12を区画して成るパネル成形型6を用いて成形する。
【0005】
上記目地割りパネルは図2A乃至図2Cに示す製造法により製造される。
【0006】
先ず図2Aに示すように、上記縦目地溝形成用区画壁7と横目地溝形成用区画壁8で画成された小ブロック成形室12内にモルタルに代表される一次パネル成形材9を充填する。
【0007】
次いで図2Bに示すように、縦目地溝形成用区画壁7と横目地溝形成用区画壁8の上面に全小ブロック成形室12を覆う可撓性連結ネット5を載置する。
【0008】
次いで図2Cに示すように、上記可撓性連結ネット5の上面の周壁10上部で画成された空域に上記可撓性連結ネット5を覆うモルタルに代表される二次パネル成形材9′を充填し、該パネル成形材9,9′の硬化を待って脱型し製造される。
【0009】
この製造法によって、二次パネル成形材9′によって形成される下層部に可撓性連結ネット5が埋設された覆工用目地割りパネルを得ている。
【0010】
上記覆工用目地割りパネルは歩行荷重等により、目地溝底部の接合部において割れを生じて地面の不陸に順応し置き敷きされ、割れを生じた小ブロック3間を可撓性連結ネット5により連結を保持する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
而して上記覆工用目地割りパネルは、その置き敷き作業に先立ち、広面積の地面に多数枚の可撓性草押えシートを敷設する作業を要し、作業負担と作業の遅延を招いている。
【0012】
又広面積の可撓性草押えシートの上面に覆工用目地割りパネルを覆工する場合、パネル及び作業者に滑りを生じ、作業の支障となる。
【0013】
又覆工用目地割りパネルと可撓性草押えシートは自由界面で重なり合っている構造であるから、自由界面内へ草が侵入生育し、隣接するパネル間又は割れ誘発目地溝から繁茂する問題を生起する。
【0014】
加えて経年的に覆工用目地割りパネルにずれを生じ、隣接するパネル間に顕著な間隔を生ずる問題を有している。
【0015】
又上記製造法によって製造された目地割りパネルにおいては、可撓性連結ネットを目地割りパネルの下層部に埋設するために、一次パネル成形材の充填と、可撓性連結ネットの載置と、二次パネル成形材を充填する各工程を必要とし、生産性を低下する問題を有している。
【0016】
又上記一次パネル成形材の充填後にその上面に可撓性連結ネットを載置することによって、同ネットの沈みを防止しているが、一次パネル成形材と二次パネル成形材と可撓性連結ネットの結合を適正に確保するために高流動性のパネル成形材を用いねばならず、そのために硬化時間が長く掛かり、これも上記生産性を悪化し、コストアップを招く原因となっている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係る覆工用目地割りパネルは、上層部が縦目地溝と横目地溝にて区画された多数の小ブロック群から成り、該小ブロック群を連結する下層部に可撓性連結ネットを埋設すると共に、該下層部の下面に可撓性草押えシートを貼付した構成にし、小ブロック間における目地溝底部の下層の接合部の割れに対し、上記可撓性連結ネットと可撓性草押えシートが協働して割れを生じた小ブロック間の連結を保持する。
【0018】
又覆工用目地割りパネルの下面、即ちパネル下層部の下面に貼付された可撓性草押えシートが存在するため、従って割れ部に同草押えシートが存在するため、上記割れ部及びパネル間からの草の繁茂を有効に防止する。
【0019】
本発明に係る覆工用目地割りパネルによれば、同パネルを法面等の地面に多数枚置き敷きするのみで、草押えシートとパネル敷設が同時に行え、作業の労度負担を軽減し、工期の短縮を可能とする。
【0020】
又覆工用目地割りパネルの敷設作業にあたってのパネル及び作業者の滑りを有効に防止する。
【0021】
上記パネルの下面、即ちパネル下層部の下面に貼付した可撓性草押えシートは、隣接する二辺を上記下層部の下面の二辺から張り出し、重ね代を形成することによって、隣接するパネル間における草押え効果をより有効に達成する。
【0022】
上記可撓性草押えシートは繊維密度の高い高密度不織布と繊維密度の低い低密度不織布の貼り合わせシートにて形成する。該可撓性草押えシートを低密度不織布の起毛面を以って上記パネル下面、即ちパネル下層部の下面に強固に貼付し、高密度不織布にて所期の草押え目的を達成できる。
【0023】
又上記縦目地溝と横目地溝の交差部に上記下層部を貫通し、上記可撓性草押えシートで閉鎖されたアンカーピン打ち込み用の貫通孔を形成し、該貫通孔にアンカーピンを挿入し、可撓性草押えシートを強制的に貫いて地面に打ち込み、個々のパネルを草押えシートと一体に地面に固定する。可撓性草押えシートはパネルと一体貼り合わせられつつ、アンカーピンによってパネルと一緒に固定される。
【0024】
上記覆工用目地割りパネルは以下の方法によって製造される。
【0025】
周壁と底壁を有し、該周壁内を該周壁及び底壁と一体で且つ周壁より低背の縦目地溝形成用区画壁と横目地溝形成用区画壁を互いに交差するように設けて上面で開放せる多数の小ブロック成形室に区画して成るパネル成形型を用意する。
【0026】
上記両目地溝形成用区画壁上に上記可撓性連結ネットを載置して全小ブロック成形室を覆う。
【0027】
次いで上記パネル成形型内の可撓性連結ネット上に上記開放部を通しパネル成形材を充填し、該パネル成形材の充填により上記可撓性連結ネットが上記両目地溝形成用区画壁で支持されつつ同区画壁で区画された小ブロック成形室の内底面へ向け撓曲した状態を形成する。
【0028】
次いで上記パネル成形型にバイブレーションを与えることにより上記可撓性連結ネット上に充填された上記パネル成形材を同ネットの網目を通して同ネット下面に面する上記小ブロック成形室内に充填すると同時に、同ネットの撓曲部を浮上させて上記目地割りパネル下層部内に同ネットを埋設する。
【0029】
次いで上記バイブレーションを与える工程の前工程として、又は後工程として上記パネル成形材の上面の全域に亘り可撓性草押えシートをパネル成形材を接着材として貼付する。
【0030】
上記可撓性草押えシートの隣接する二辺を上記パネル成形材の上面の二辺から張り出し貼付する。よって上記パネルの下面、即ちパネル下層部の下面に貼付した可撓性草押えシートは、隣接する二辺を上記下層部の下面の二辺から張り出し、重ね代を形成することによって、隣接するパネル間における草押え効果をより有効に達成する。
【0031】
又上記可撓性草押えシートは繊維密度の高い高密度不織布と繊維密度の低い低密度不織布の貼り合わせシートにて形成する。該可撓性草押えシートを低密度不織布の起毛面を以って上記パネル成形材の上面、即ちパネル下層部の下面に強固に貼付し、高密度不織布にて所期の草押え目的を達成できる。
【0032】
又上記パネル成形型の縦目地溝形成用区画壁と横目地溝形成用区画壁の交差部には目地割りパネルを地面に固定するアンカーピン打ち込み用の貫通孔を形成する貫通孔成形部を設け、上記パネル成形材の可撓性連結ネット上への充填によりアンカーピン打ち込み用の貫通孔をパネル成形と同時に形成し、該貫通孔を使って貼付された草押えシートをアンカーピンにより貫き、パネル及び草押えシートを地面に一体に固定する作業が行えるようにする。
【0033】
上記覆工用目地割りパネルの製造法によれば、パネル成形材の一回打ちで可撓性連結ネットを目地割りパネル下層部へ適切に埋設することができ、パネル成形の工程の簡素化、生産性の向上とコストダウンに寄与する。
【0034】
又上記と同様、パネル成形材の一回打ちで目地割りパネルを地面に固定するアンカーピン打ち込み用の貫通孔を成形し、該目地割りパネル及び草押えシートを適切に地面に固定し、移動や浮き上がりを防止する構成を付与する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下本発明の実施の形態を図3乃至図9に基づき説明する。
【0036】
本発明に係る目地割りパネルは、上層部20aが目地溝21,22にて区画された多数の小ブロック23群から成り、該小ブロック23群を連結する下層部20bに上記縦目地溝21の底部接合部24と横目地溝22の底部接合部24を通る可撓性連結ネット25を埋設すると共に、該下層部20bの下面に可撓性草押えシート36を貼付した構造にする。
【0037】
上記目地割りパネルはモルタル等のパネル成形材29より一体成形され、目地割りパネルを隣接して地面33に多数敷設し覆工して、小ブロック3間における目地溝21,22底部の下層の接合部24の割れに対し、上記可撓性連結ネット25と可撓性草押えシート36が協働して割れを生じた小ブロック3間の連結を保持する。
【0038】
以下本発明に係る目地割りパネルの構成とその製造法について詳述する。
【0039】
図3Aに示すように、周壁30と底壁31を有し、該周壁30内を該周壁30及び底壁31と一体で且つ周壁30より低背の縦目地溝形成用区画壁27と横目地溝形成用区画壁28を互いに交差するように設けて上面で開放せる多数の小ブロック成形室32に区画して成るパネル成形型26を用意する。
【0040】
図3A,図4に示すように、ベース34上に置設又は一体に配設したL型アングル等の枠材35内に上記パネル成形型26を収容して底壁31をベース34上に載置しつつ、該枠材35によりパネル成形型26の周壁30上端より外側方へ略水平に張り出した鍔部30aを支持する。
【0041】
次に図3Bに示すように、上記目地溝形成用区画壁27,28上に上記可撓性連結ネット25を載置して全小ブロック成形室32を覆う。
【0042】
次に、図3Cに示すように、該パネル成形型26内の可撓性連結ネット25上に上記パネル成形型26の上面開放部を通しモルタル等のパネル成形材29をパネル成形型26の開放面、即ち鍔部30aと略同レベルまで充填し、該パネル成形材29の充填により上記可撓性連結ネット25が上記両目地溝形成用区画壁27,28で支持されつつ同区画壁27,28で区画された小ブロック成形室32の内底面へ向け撓曲25′した状態を形成する。
【0043】
上記モルタル等のパネル成形材29は流動性の低い高密度モルタルを用いる。上記可撓性連結ネット25は上記パネル成形材29の重量により、上記縦横溝形成用区画壁27,28に支持されつつ、中央部分を該小ブロック成形室32の底壁の内底面、即ちパネル成形型26の底壁31の内底面に向け撓曲し、該底壁31に接触支持された状態又は近接した状態を形成する。
【0044】
そして図3Dに示すように、ベース34にバイブレーションを与え、該ベース34上に載置した成形型26と該成形型26内の上記可撓性連結ネット25とパネル成形材26にバイブレーションを与えることにより、上記可撓性連結ネット25上に充填された上記パネル成形材26を同ネット25の網目を通して同ネット25下面に面する上記小ブロック成形室32内に充填すると同時に、同ネット25の上記撓曲部25′を浮上させて上記目地割りパネル下層部20b内に同ネット25を埋設して目地割りパネルを製造する。
【0045】
換言すると、上記バイブレーションにより、上記ネット25上の上記パネル成形材29を可撓性連結ネット25の網目を通過して同ネット25下面に面する上記小ブロック成形室32内に充填しつつ、パネル成形材29より比重の軽いネット25の撓曲部25′を浮上させ、好ましくはバイブレーション印加時間の設定により目地溝形成用区画壁27,28より上方へ浮上し、小ブロック成形室32の上方の上記目地割りパネル下層部20b内に同ネット25を埋設する。
【0046】
更に図3E,図7,図9に示すように、上記バイブレーションを与え、ネット25を浮上させた後の後工程として、上記パネル成形材29の上面の全域、即ち目地割りパネルの下面の全域に亘り可撓性草押えシート36をパネル成形材29を接着材として貼付する。
【0047】
又は上記バイブレーションを与える前の前工程として、上記パネル成形材29の上面の全域、即ち目地割りパネルの下面の全域に亘り可撓性草押えシート36をパネル成形材29を接着材として貼付する。
【0048】
上記可撓性草押えシート36は上記鍔部30aに支持しつつ、隣接する二辺をパネル成形材29の上面開放部の隣接する二辺より張り出す。
【0049】
上記可撓性草押えシート36はその隣接する二辺が上記パネル下層部20bの下面の二辺から張り出し張り出し部36bを形成する。該張り出し部36bを隣接して敷設した目地割りパネルの張り出し部36bを有しない他の隣接する二辺の下面に重ね、該重ね代を形成することによって、隣接するパネル間における草押え効果を得る。
【0050】
上記可撓性草押えシート36は図5に示すように、繊維密度の高い高密度不織布36cと繊維密度の低い低密度不織布36aの貼り合わせシートにて形成する。該可撓性草押えシート36を低密度不織布36aの起毛面36a′を以って上記パネル下面、即ちパネル下層部20bの下面(打設パネル成形材29の上面)に貼付し、草押えシート36を起毛面36a′を以ってパネルに強固に結合し、高密度不織布36cにて草押えを図る。上記高密度不織布36c及び低密度不織布36aは何れもポリエステル不織布等により形成する。
【0051】
上記覆工用目地割りパネルの下面、即ちパネル下層部20bの下面に貼付された上記可撓性草押えシート36が存在するため、従って割れ部に貼付された草押えシート36が存在するため、上記割れ部及びパネル間からの草の繁茂を有効に防止する。
【0052】
上記高密度不織布36cはその高密度構造によって日光を遮光し、上記草の繁茂を有効に防止する。
【0053】
上記可撓性草押えシート36の貼付後、上記パネル成形材29を自然乾燥、或いは蒸気や熱気体により乾燥硬化させ、上記パネル成形型26より脱型して目地割りパネルを製造する。
【0054】
又図4A,B、図8等に示すように、上記縦目地溝21と横目地溝22の交差部の要所に、上記下層部20bを貫通し且つ上記可撓性草押えシート36で閉鎖されたアンカーピン37の打ち込み用の貫通孔39を形成し、該貫通孔39にアンカーピン37を挿入し、可撓性草押えシート36を強制的に貫いて地面33に打ち込み、個々のパネルを草押えシート36と一体に地面33に固定する。
【0055】
上記アンカーピン37の打ち込み用の貫通孔39は、上記パネル成形型26の縦目地溝形成用区画壁27と横目地溝形成用区画壁28の交差部に該貫通孔39を形成する貫通孔成形部38を該型26と一体に設け、該成形部38上に上記パネル成形材29を充填して該貫通孔39を上記目地割りパネルと一体に成形する。
【0056】
上記貫通孔成形部38は、上記貫通孔39の貫通部39bを成形する成形部38bと、同貫通孔39の上端に段部39aを形成する成形部38aとから成り、上記パネル成形材29の上記可撓性連結ネット25上への充填により、該貫通部39bと段部39aを形成する。
【0057】
他方、上記アンカーピン37は図8,図9に示すように、鋼製等の下端が尖鋭37bな直棒から成り、上端に該上端部をL形に曲成して形成した鉤形係止部37aを有し、上記尖鋭部37bの基部から逆ハの字形になるようにアンカーピン37に取り付けた抜け止め爪37cを備える。
【0058】
上記アンカーピン37を上記貫通部39bに貫挿しつつ、草押えシート36を強制的に貫いて地面33に打ち込み、上記鉤形係止部37aを上記段部39aに収容しつつ、段部39a底面にて打ち込み深さを設定しパネル押えを図る。
【0059】
又上記パネル成形型は図3,図4に示すように、合成樹脂フィルムを用い、上記底壁31と周壁30と縦横目地溝形成用区画壁27,28と鍔部30aをプレス成形等にて一体成形するか、射出成形にて一体成形する。
【0060】
上記各小ブロック成形室32の内底面、即ち底壁31に波形成形部32aを並列して形成し、上記各小ブロック23の上面を波形23aの凹凸が並列された形状に成形する。
【0061】
好ましい例示として、上記隣接する各小ブロック成形室32間において上記各波形成形部32aを互いに直交するように配して、図3,図7等に示すように、上記各小ブロック23の上面を互いに直交する波形23aに成形する。
【0062】
上記各小ブロック23の上面に並列された波形23a形状を付与することにより、波形目地割りパネルの日光の反射防止効果を高め、併せて滑り防止効果や美観を醸成する。上記波形23a形状による反射防止効果は道路脇の法面の覆工において有効であり、安全運転に資する。
【0063】
上記可撓性連結ネット25は図6に示すように、経線材25aと緯線材25bを有し、該経線材25aと緯線材25bは合成樹脂製線材、例えば合成樹脂製単線材(モノフィラメント)を交差して形成する。
【0064】
又は合成樹脂繊維(マルチフィラメント)の集束線材を用いる。又はガラス繊維の集束線材又はカーボン繊維の集束線材にて形成し、これらを正格子組、又は斜め格子組みし、上記経線材25aと緯線材25bは合成樹脂層25cにて被覆した構造にする。
【0065】
例えば図6に示すように、撚り合わせ構造にした一方の撚り合わせ線材、例えば経線材25a間に他方の線材、即ち緯線材25bを通挿し、上記可撓性連結ネット25を編み組する。
【0066】
上記可撓性連結ネット25は、上記パネル成形材29より比重が軽く、上記浮上を適切に惹起できる。
【0067】
上記目地割りパネルを図9に示すように法面(地面)33に多数枚敷設し、該パネルの隣接する二辺の張り出し部36b上に、隣接する張り出し部36bを有しないパネルの隣接する二辺の下面を重ね、換言すると張り出し部36bを隣接するパネルの下面に貼付した草押えシート36の下面に重ね、広域の法面33を覆工する。
【0068】
図示の如く法面最下段の路面と接する目地割りパネルと側溝41間の張り出し部36b上には間詰めコンクリート40を打設して側溝41と協働してずれのない覆工を行う。
【0069】
上記の如き目地割りパネルの敷設により、草押えシート36とパネル敷設が同時に行え、作業の労度負担を軽減し、工期の短縮を可能とする。
【0070】
又覆工用目地割りパネルの敷設作業にあたってのパネル及び作業者の滑りを有効に防止する。
【0071】
又上記覆工用目地割りパネルの製造法によれば、パネル成形材29の一回打ちで可撓性連結ネット25を目地割りパネル下層部20b内へ適切に埋設し、パネル成形の工程を簡素化し、生産性を向上してコストダウンを達成できる。
【0072】
又上記と同様、パネル成形材29の一回打ちで目地割りパネルを地面33に固定するアンカーピン37の打ち込み用の貫通孔39を成形し、該目地割りパネルを適切に地面33に固定し、移動や浮き上がりを防止する構成を付与する。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】従来の目地割りパネルを示す平面図。
【図2】A乃至Cは従来の目地割りパネルの製造法を工程順に示す断面図。
【図3】A乃至Eは本発明に係る目地割りパネルの製造法を工程順に示す断面図。
【図4】Aは上記目地割りパネルの製造法に用いるパネル成形型を示す平面図、Bは同パネル成形型における貫通孔成形部を示す拡大斜視図。
【図5】上記目地割りパネルの製造法に用いる可撓性草押えシートと目地割りパネルとの結合構造を示す断面図。
【図6】Aは目地割りパネルの製造法に用いる可撓性連結ネットの具体例を平面視する断面図、Bは同可撓性連結ネットの交差部を示す拡大断面図。
【図7】上記目地割りパネルを一部切欠して示す平面図。
【図8】上記目地割りパネルの貫通孔にアンカーピンを挿入し地面に打設した状態を示す拡大断面図。
【図9】上記目地割りパネルを法面(地面)に多数枚敷設して覆工した状態を示す断面図。
【符号の説明】
【0074】
20a…目地割りパネルの上層部、20b…同下層部、21…縦目地溝、22…横目地溝、23…小ブロック、23a…波形、24…底部接合部、25…可撓性連結ネット、25′…撓曲部、25a…経線材、25b…緯線材、25c…合成樹脂層、26…パネル成形型、27…縦目地溝形成用区画壁、28…横目地溝形成用区画壁、29…パネル成形材、30…周壁、30a…鍔部、31…底壁、32…小ブロック成形室、32a…波形成形部、33…地面、34…ベース、35…枠材、36…可撓性草押えシート、36a…低密度不織布、36a′…起毛面、36b…張り出し部、36c…高密度不織布、37…アンカーピン、37a…鉤形係止部、37b…尖鋭部、37c…抜け止め部、38…貫通孔成形部、38a…段部成形部、38b…貫通部成形部、39…貫通孔、39a…段部、39b…貫通部、40…間詰めコンクリート、41…側溝。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上層部が縦目地溝と横目地溝にて区画された多数の小ブロック群から成り、該小ブロック群を連結する下層部に可撓性連結ネットを埋設すると共に、該下層部の下面に可撓性草押えシートを貼付した覆工用目地割りパネルの製造法であって、周壁と底壁を有し、該周壁内を該周壁及び底壁と一体で且つ周壁より低背の縦目地溝形成用区画壁と横目地溝形成用区画壁を設けて上面で開放せる多数の小ブロック成形室に区画して成るパネル成形型を用意し;該目地溝形成用区画壁上に上記可撓性連結ネットを載置して全小ブロック成形室を覆い;該パネル成形型内の可撓性連結ネット上に上記開放部を通しパネル成形材を充填し;該パネル成形材の充填により上記可撓性連結ネットが上記縦目地溝形成用区画壁と横目地溝形成用区画壁で支持されつつ同区画壁で区画された小ブロック成形室の内底面へ向け撓曲した状態を形成し;該パネル成形型にバイブレーションを与えることにより上記可撓性連結ネット上に充填された上記パネル成形材を同ネットの網目を通して同ネット下面に面する上記小ブロック成形室内に充填すると同時に、同ネットの撓曲部を浮上させて上記目地割りパネル下層部内に同ネットを埋設し;上記バイブレーションを与える工程の前工程として、又は後工程として上記パネル成形材の上面の全域に亘り可撓性草押えシートをパネル成形材を接着材として貼付したことを特徴とする覆工用目地割りパネルの製造法。
【請求項2】
上記可撓性草押えシートの隣接する二辺を上記パネル成形材の上面の二辺から張り出し貼付したことを特徴とする請求項1記載の覆工用目地割りパネルの製造法。
【請求項3】
上記可撓性草押えシートを繊維密度の高い高密度不織布と繊維密度の低い低密度不織布の貼り合わせシートにて形成し、該可撓性草押えシートを低密度不織布の起毛面を以って上記パネル成形材の上面に貼付したことを特徴とする請求項1記載の覆工用目地割りパネルの製造法。
【請求項4】
上記パネル成形型の縦目地溝形成用区画壁と横目地溝形成用区画壁の交差部に目地割りパネルを地面に固定するアンカーピン打ち込み用の貫通孔を形成する貫通孔成形部を設け、上記パネル成形材の可撓性連結ネット上への充填によりアンカーピン打ち込み用の貫通孔を形成したことを特徴とする請求項1記載の覆工用目地割りパネルの製造法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−31841(P2008−31841A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−261321(P2007−261321)
【出願日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【分割の表示】特願2005−151622(P2005−151622)の分割
【原出願日】平成17年5月24日(2005.5.24)
【出願人】(591281459)マックストン株式会社 (25)
【Fターム(参考)】