説明

覆工管の止水構造及び覆工管の止水方法

【課題】覆工管を一体化するための接合面の両端部での水密性を向上させることのできる覆工管の止水構造を提供する。
【解決手段】複数の推進管10を、先行の推進管10の後端部のカラー14内に後行の推進管12の前端部を差し込み、後行の推進管10前端部の弾性リング16を先行の推進管10のカラー14内壁面に密着させて軸方向に順次接続して地中管路の覆工を形成する覆工管の止水構造であって、覆工管本体12は、周方向に分割された複数の分割管体18の接合面同士を組み合わせて形成され、分割管体18は、接合面の軸方向にわたってその両端部がそれぞれ弾性リング16とカラー14に密着し得るようにシール材21を設けると共に、接合面の両端部にシール材の端部と弾性リング16またはカラー14とにまたがって止水材48を塗布して組合せ接合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の覆工管を軸方向に順次接続しつつ、地盤中に押し込んで地中管路の覆工を形成する覆工管の止水構造及び覆工管の止水方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、立坑から横方向に管状の推進管を地中に押し込むと共に、この推進管の後方に順次推進管を継ぎ足し、所定長の地中管路を構築するする推進工法が知られている。
【0003】
この推進工法に用いられる推進管は、所定長の推進管の後端部外周縁にカラーを管状に突出させると共に、前端部外周には前端部を前側の推進管のカラーに差し込んだ際にカラー内壁面と密着して止水性を保持するためのゴムリングを取り付けた状態で、工場にて製作され、この状態で施工現場まで輸送されるようになっていた。
【0004】
この場合の推進管の最大口径は、輸送の際における道路交通法の高さ制限により制約を受けて、積載状態で道路交通法の高さ制限を超える口径の推進管を用いることができないものであった。
【0005】
これに対し、近年では、コスト縮減施策の推進により、これまでの最大口径を超える口径の推進管の開発が求められている。
【0006】
そのため、周方向に2分割された分割推進管を用い、分割された状態で施工現場に搬入し、現地で一体化することにより、推進管の大口径化を図った提案がなされている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−183289号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、立坑用地が狭小で、組み立てた推進管の仮置きスペースが確保できないような場合、分割推進管の組み立て時間が施工サイクルに影響を及ぼして、施工期間の長期化及び工費の増大を招くこととなる。
【0008】
特に、ゴムリングを取り付ける際の接着材の養生時間の組立時間に占める割合が大きいため、養生期間の短縮もしくは取付方法の改善が求められている。
【0009】
具体的には、ゴムリングの装着は、現地にて分割推進管を組み立てた後に、ゴムリング取付箇所にエポキシ樹脂を塗布して行うようにしており、このエポキシ樹脂は硬化、強度の発現までに3〜5時間を必要とするために、分割推進管の組み立て時間が推進工のサイクルタイムを上回り、組み立てた推進管の仮置きスペースが確保できない場合は、組立完了後に推進することとなり、計画日進量を確保することができないこととなる。
【0010】
また、分割推進管は、従来の推進管と異なり、一体化するための接合面が存在するため、接合面の軸方向にシール材を貼付して水密性を図るようにしているが、シール材端部とゴムリングとの間の水密性の確保が必要性となる。
【0011】
本発明の目的は、接着材の養生時間を短縮して、組立時間の短縮を図り、施工期間の短縮、工費の削減を図ることのできる覆工管の止水構造及び覆工管の止水方法を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、覆工管を一体化するための接合面の両端部での水密性を向上させることのできる覆工管の止水構造及び覆工管の止水方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するため、本発明の覆工管の止水構造は、覆工管本体の後端部外周縁に後方に突出する継手用のカラーを周方向に連続して設けると共に、前端部外周にシール用の弾性リングを周方向に連続して設けた複数の覆工管を、先行の覆工管の後端部のカラー内に後行の覆工管の前端部を差し込み、後行の覆工管前端部の弾性リングを先行の覆工管のカラー内壁面に密着させて軸方向に順次接続して地中管路の覆工を形成する覆工管の止水構造であって、
前記覆工管本体は、周方向に分割された複数の分割管体の接合面同士を組み合わせて形成され、
前記分割管体は、前記接合面の軸方向にわたってその両端部がそれぞれ前記弾性リングとカラーに密着し得るようにシール材を設けると共に、前記接合面の両端部に前記シール材の端部と弾性リングまたはカラーとにまたがって止水材を塗布して組合せ接合されることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、シール材の両端部がそれぞれ弾性リングとカラーに密着し得るようにシール材を設けると共に、接合面の両端部にシール材の端部と弾性リングまたはカラーとにまたがって止水材を塗布して組合せ接合することで、覆工管を一体化するための接合面の両端部での水密性を確実に向上させることができる。
【0015】
本発明の他の覆工管の止水構造は、覆工管本体の後端部外周縁に後方に突出する継手用のカラーを周方向に連続して設けると共に、前端部外周にシール用の弾性リングを周方向に連続して設けた複数の覆工管を、先行の覆工管の後端部のカラー内に後行の覆工管の前端部を差し込み、後行の覆工管前端部の弾性リングを先行の覆工管のカラー内壁面に密着させて軸方向に順次接続して地中管路の覆工を形成する覆工管の止水構造であって、
前記カラーは、各分割管体に対応した分割カラー部材を前記各分割管体に予め設け、前記分割管体の組み合わせ時に各分割カラー部材の端部同士を接合して形成され、
前記弾性リングは、各分割管体に対応した分割リング部材を前記各分割管体に予め設けると共に、各分割リング部材の端部に接合用の嵌合部を設け、前記分割管体の組み合わせ時に各分割リング部材の嵌合部同士を嵌合して接着することで接合形成されることを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、各分割管体に対応した分割リング部材を各分割管体に予め設けることにより、工場等において分割リング部材を予め取り付けておくことで、現地では分割リング部材の端部同士を接合するだけでよく、現地において弾性リングの取付に要する養生時間を大幅に短縮することができ、組み立てた覆工管の仮置きスペースが確保できないような狭小な立坑用地においても、覆工管の組み立て時間が施工サイクルに影響を及ぼすことがなく、施工期間の短縮化及び工費の削減が可能となる。
【0017】
また、各分割リング部材の端部に接合用の嵌合部を設け、この嵌合部同士を嵌合して接着することで、この接合端部に、例えば推進工法で推進時における変形力が加わったとしても、各分割リング部材の端部における止水性を確実なものとすることができる。
【0018】
本発明のさらに他の覆工管の止水構造は、覆工管本体の後端部外周縁に後方に突出する継手用のカラーを周方向に連続して設けると共に、前端部外周にシール用の弾性リングを周方向に連続して設けた複数の覆工管を、先行の覆工管の後端部のカラー内に後行の覆工管の前端部を差し込み、後行の覆工管前端部の弾性リングを先行の覆工管のカラー内壁面に密着させて軸方向に順次接続して地中管路の覆工を形成する覆工管の止水構造であって、
前記分割管体は、前記接合面の軸方向にわたってその両端部がそれぞれ前記弾性リングとカラーに密着し得るようにシール材を設けると共に、前記接合面の両端部に前記シール材の端部と弾性リングまたはカラーとにまたがって止水材を塗布して組合せ接合され、
前記カラーは、各分割管体に対応した分割カラー部材を前記各分割管体に予め設け、前記分割管体の組み合わせ時に各分割カラー部材の端部同士を接合して形成され、
前記弾性リングは、各分割管体に対応した分割リング部材を前記各分割管体に予め設けると共に、各分割リング部材の端部に接合用の嵌合部を設け、前記分割管体の組み合わせ時に各分割リング部材の嵌合部同士を嵌合して接着することで接合形成されることを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、各分割管体に対応した分割リング部材を各分割管体に予め設けることにより、工場等において分割リング部材を予め取り付けておくことで、現地では分割リング部材の端部同士を接合するだけでよく、現地において弾性リングの取付に要する養生時間を大幅に短縮することができ、組み立てた覆工管の仮置きスペースが確保できないような狭小な立坑用地においても、覆工管の組み立て時間が施工サイクルに影響を及ぼすことがなく、施工期間の短縮化及び工費の削減が可能となる。
【0020】
また、各分割リング部材の端部に接合用の嵌合部を設け、この嵌合部同士を嵌合して接着することで、この接合端部に、例えば推進工法で推進時における変形力が加わったとしても、各分割リング部材の端部における止水性を確実なものとすることができる。
【0021】
また、シール材の両端部がそれぞれ弾性リングとカラーに密着し得るようにシール材を接合面の両端部にシール材の端部と弾性リングまたはカラーとにまたがって止水材を塗布して組合せ接合することで、覆工管を一体化するための接合面の両端部での水密性を確実に向上させることができる。
【0022】
本発明の覆工管の止水方法は、周方向に分割した複数の分割管体の接合面同士を組み合わせて形成した覆工管本体の後端部外周縁に後方に突出する継手用のカラーを周方向に連続して設けると共に、前端部外周にシール用の弾性リングを周方向に連続して設けた複数の覆工管を、先行の覆工管の後端部のカラー内に後行の覆工管の前端部を差し込み、後行の覆工管前端部の弾性リングを先行の覆工管のカラー内壁面に密着させて軸方向に順次接続して、地盤中に地中管路の覆工を形成する覆工管の止水方法であって、
前記カラーを構成する各分割管体に対応した分割カラー部材を前記各分割管体に予め設ける工程と、
前記弾性リングを構成する各分割管体に対応した分割リング部材を前記各分割管体に予め設けると共に、各分割リング部材の端部に形成した接合用の嵌合部を予め形成する工程と、
前記分割管体の組み合わせ時に各分割カラー部材の端部同士を接合してカラーを形成する工程と、
前記分割管体の組み合わせ時に各分割リング部材の嵌合部同士を嵌合して接着することで弾性リングを形成する工程と、
を含むことを特徴とする。
【0023】
本発明によれば、各分割管体に対応した分割リング部材を各分割管体に予め設けることにより、工場等において分割リング部材を予め取り付けておくことで、現地では分割リング部材の端部同士を接合するだけでよく、現地において弾性リングの取付に要する養生時間を大幅に短縮することができ、組み立てた覆工管の仮置きスペースが確保できないような狭小な立坑用地においても、覆工管の組み立て時間が施工サイクルに影響を及ぼすことがなく、施工期間の短縮化及び工費の削減が可能となる。
【0024】
また、各分割リング部材の端部に接合用の嵌合部を設け、この嵌合部同士を嵌合して接着することで、この接合端部に、例えば推進工法で推進時における変形力が加わったとしても、各分割リング部材の端部における止水性を確実なものとすることができる。
【0025】
本発明においては、前記分割管体の接合時に、前記各接合面の軸方向にわたってその両端部をそれぞれ前記分割リング部材と分割カラー部材に密着させてシール材を設けると共に、前記接合面の両端部にシール材の端部と分割リング部材または分割カラー部材とにまたがって止水材を塗布して前記分割管体同士を接合する工程と、
を含むようにすることができる。
【0026】
このような構成とすることにより、シール材の両端部をそれぞれ弾性リングとカラーに密着させてシール材を設けると共に、接合面の両端部にシール材の端部と分割リング部材または分割カラー部材とにまたがって止水材を塗布して組合せ接合することで、覆工管を一体化するための接合面の両端部での水密性を確実に向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0028】
図1〜図7は、本発明の一実施の形態にかかる覆工管の止水構造を示す図である。
【0029】
図1は、本実施の形態における覆工管の一例としての推進管の分解斜視図で、この推進管10は、複数の推進管10を軸方向に順次接続しつつ、地盤中に押し込んで地中管路の覆工を形成するもので、軸方向に所定の長さに形成された円筒状の推進管本体12の後端部に継手用のカラー14、前端部にシール用の弾性リング16が設けられている。
【0030】
推進管本体12は、コンクリート製のもので、周方向に分割された半円筒状の2つの分割管体18の接合面20同士を組み合わせて形成されるようになっている。
【0031】
各接合面20には、軸方向にわたってシール溝23(図3参照)が形成され、このシール溝内にシール材21が設けられるようになっている。
【0032】
また、各分割管体18の接合面20付近には、軸方向に沿って所定間隔で接合金具22が取り付けられ、この接合金具22によって各分割管体18緊締、結合しうるようになっている。
【0033】
カラー14は、鋼製のもので、推進管本体12の後端部外周縁に後方に突出した状態で、周方向に連続して設けられるようになっている。
【0034】
具体的には、カラー14は、各分割管体18に対応した2つの半割状態の分割カラー部材24を各分割管体18に予め取り付け、分割管体18の組み合わせ接合時に各分割カラー部材24の端部同士を溶接等により接合して管状に一体化するようにしている。
【0035】
また、分割カラー部材24を取り付ける各分割管体18側には、図3にも示すように、周方向にわたって水膨張ゴム26が取り付けられ、各分割管体18と分割カラー部材24との間の止水性を確保するようにしている。
【0036】
弾性リング16は、ゴム製のもので、推進管本体12の前端部外周に周方向に連続して2本設けられるようになっている。
【0037】
具体的には、各弾性リング16は、各分割管体に対応した2つの分割リング部材28を各分割管体18に予め接着材により取り付け、各分割管体18の組み合わせ接合時に各分割リング28の端部同士を接着することで接合形成されるようになっている。
【0038】
また、各分割リング部材28は、図4〜図7に示すように、4つのシール用突片30を有するものとされ、その端部には、接合用の嵌合部が形成され、各分割リング部材28の嵌合部同士を嵌合して接着材にて接着するようにしている。
【0039】
この嵌合部は、例えば、図2、図4では、一方の分割リング部材28の端部に板状の挿入用突片32を形成し、他方の分割リング部材28の端部にはこの挿入用突片32を受け入れる挿入用凹部34を形成し、これら挿入用突片32及び挿入用凹部34に接着材を塗布し、挿入用凹部34内に挿入用突片32を挿入して接合するようにしている。
【0040】
また、図5では、一方の分割リング部材28の端部に両側の2つのシール用突片30側を切除して中央のシール用突片30部分を突出させた挿入用突片36を形成し、他方の分割リング部材28の端部には中央のシール用突片30部分を切除した挿入用凹部38を形成し、これら挿入用突片36及び挿入用凹部38に接着材を塗布し、挿入用凹部38内に挿入用突片36を挿入して接合するようにしている。
【0041】
さらに、図6では、双方の分割リング部材28の端部に板状の挿入部材40を受け入れる挿入用凹部42を形成し、これら挿入部材40及び挿入用凹部42に接着材を塗布し、各挿入用凹部42内に挿入部材40を挿入して接合するようにしている。
【0042】
そしてさらに、図7では、双方の分割リング部材28の端部に中央のシール用突片30側を切除し、両側のシール用突片を残して挿入用凹部44を形成し、中央のシール用突片30部分に相当する挿入部材46を形成し、これら挿入用凹部44及び挿入部材46に接着材を塗布し、挿入用凹部44内に挿入部材46を挿入して接合するようにしている。
【0043】
また、各分割管体18の接合面20においては、図3にも示すように、シール材21の両端部を分割カラー部材24側の水膨張ゴム26及び弾性リング16に当接させると共に、接合部20の両端部にシール材21と分割リング部材28または分割カラー部材24とにまたがって止水材48を塗布して接合することで、接合面20の両端部での水密性を向上させるようにしている。
【0044】
次に、このような推進管の止水方法について説明する。
【0045】
まず、工場において、推進管本体12を構成する周方向に分割された半円筒状の2つのコンクリート製の分割管体18を形成する。
【0046】
また、この場合、カラー14を構成する各分割管体18に対応した鋼製の分割カラー部材24を各分割管体18の後端部外周縁に後方に突出する状態で、周方向に連続して予め工場で取り付ける。
【0047】
この時、分割管体18と分割カラー部材24との間を水膨張ゴム26にて止水しておく。
【0048】
さらに、弾性リング16を構成する各分割管体18に対応した分割リング部材28を各分割管体18に予め工場にて取り付ける。
【0049】
各分割リング部材28の端部には接合用の嵌合部を予め形成しておく。
【0050】
この状態で、工場から施工現場へと分割管体18を輸送する。
【0051】
この場合、推進管10は、分割した状態で輸送されるため、道路交通法による高さ制限にかかわらず大口径の推進管10を容易に輸送することができる。
【0052】
また、工場等において分割リング部材28を予め取り付けておくことで、現地では分割リング部材28の端部同士を接合するだけでよく、現地において弾性リング16の取付に要する養生時間を大幅に短縮することができ、組み立てた推進管10の仮置きスペースが確保できないような狭小な立坑用地においても、推進管10の組み立て時間が施工サイクルに影響を及ぼすことがなく、施工期間の短縮化及び工費の削減が可能となる。
【0053】
次に、現地において分割管体18の接合を行うのであるが、この分割管体18の接合時に、各接合面20の軸方向にわたるシール溝23内に両端を分割リング部材28と分割カラー部材24に密着させた状態でシール材21を設ける。
【0054】
この状態で、接合面20の両端部にシール材21の端部と分割リング部材28または分割カラー部材24とにまたがって止水材48を塗布して、分割管体18同士を接合治具22にて接合する。
【0055】
このように、接合面20の両端部にシール材21の端部と分割リング部材28または分割カラー部材24とにまたがって止水材48を塗布して接合することで、推進管10を一体化するための接合面20の両端部での水密性を向上させることができる。
【0056】
そして、各分割カラー部材24の端部同士を溶接等により接合して連続したカラー14を形成する。
【0057】
また、各分割リング部材28の嵌合部同士を嵌合して接着材により接着することで、連続した弾性リング16を形成する。
【0058】
このように、各分割リング部材28の端部に接合用の嵌合部を設け、この嵌合部同士を嵌合して接着することで、この接合端部に推進時における変形力が加わったとしても、各分割リング部材28の端部における止水性を確実なものとすることができる。
【0059】
本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の形態に変形可能である。
【0060】
例えば、前記実施の形態では、覆工管として推進管を示しているが、この例に限らず、例えば開削工法における管路形成用の管体としても良い。
【0061】
また、推進管は円筒形状のものとされているが、この例に限定されるものではなく、角筒形状その他の形状の推進管にも適用できるものである。
【0062】
さらに、推進管の分割数は、2分割に限らず、3分割以上とすることも可能である。
【0063】
そしてさらに、推進管本体はコンクリート製に限らず、鋼製その他のものを採用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の一実施の形態にかかる推進管の分解斜視図である。
【図2】本実施の形態にかかる分割リング部材の接続状態を示す部分断面図である。
【図3】本実施の形態にかかる分割管体の接合面の状態を示す部分拡大図である。
【図4】分割リング部材の端部の嵌合部の一例を示す斜視図である。
【図5】分割リング部材の端部の嵌合部の他の例を示す斜視図である。
【図6】分割リング部材の端部の嵌合部のさらに他の例を示す斜視図である。
【図7】分割リング部材の端部の嵌合部のさらに他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0065】
10 推進管
12 推進管本体
14 カラー
16 弾性リング
18 分割管体
20 接合面
21 シール材
24 分割カラー部材
28 分割リング部材
30 シール用突片
32、36 挿入用突片
34、38、42、44 挿入用凹部
40、46 挿入部材
48 止水材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
覆工管本体の後端部外周縁に後方に突出する継手用のカラーを周方向に連続して設けると共に、前端部外周にシール用の弾性リングを周方向に連続して設けた複数の覆工管を、先行の覆工管の後端部のカラー内に後行の覆工管の前端部を差し込み、後行の覆工管前端部の弾性リングを先行の覆工管のカラー内壁面に密着させて軸方向に順次接続して地中管路の覆工を形成する覆工管の止水構造であって、
前記覆工管本体は、周方向に分割された複数の分割管体の接合面同士を組み合わせて形成され、
前記分割管体は、前記接合面の軸方向にわたってその両端部がそれぞれ前記弾性リングとカラーに密着し得るようにシール材を設けると共に、前記接合面の両端部に前記シール材の端部と弾性リングまたはカラーとにまたがって止水材を塗布して組合せ接合されることを特徴とする覆工管の止水構造。
【請求項2】
覆工管本体の後端部外周縁に後方に突出する継手用のカラーを周方向に連続して設けると共に、前端部外周にシール用の弾性リングを周方向に連続して設けた複数の覆工管を、先行の覆工管の後端部のカラー内に後行の覆工管の前端部を差し込み、後行の覆工管前端部の弾性リングを先行の覆工管のカラー内壁面に密着させて軸方向に順次接続して地中管路の覆工を形成する覆工管の止水構造であって、
前記カラーは、各分割管体に対応した分割カラー部材を前記各分割管体に予め設け、前記分割管体の組み合わせ時に各分割カラー部材の端部同士を接合して形成され、
前記弾性リングは、各分割管体に対応した分割リング部材を前記各分割管体に予め設けると共に、各分割リング部材の端部に接合用の嵌合部を設け、前記分割管体の組み合わせ時に各分割リング部材の嵌合部同士を嵌合して接着することで接合形成されることを特徴とする覆工管の止水構造。
【請求項3】
覆工管本体の後端部外周縁に後方に突出する継手用のカラーを周方向に連続して設けると共に、前端部外周にシール用の弾性リングを周方向に連続して設けた複数の覆工管を、先行の覆工管の後端部のカラー内に後行の覆工管の前端部を差し込み、後行の覆工管前端部の弾性リングを先行の覆工管のカラー内壁面に密着させて軸方向に順次接続して地中管路の覆工を形成する覆工管の止水構造であって、
前記分割管体は、前記接合面の軸方向にわたってその両端部がそれぞれ前記弾性リングとカラーに密着し得るようにシール材を設けると共に、前記接合面の両端部に前記シール材の端部と弾性リングまたはカラーとにまたがって止水材を塗布して組合せ接合され、
前記カラーは、各分割管体に対応した分割カラー部材を前記各分割管体に予め設け、前記分割管体の組み合わせ時に各分割カラー部材の端部同士を接合して形成され、
前記弾性リングは、各分割管体に対応した分割リング部材を前記各分割管体に予め設けると共に、各分割リング部材の端部に接合用の嵌合部を設け、前記分割管体の組み合わせ時に各分割リング部材の嵌合部同士を嵌合して接着することで接合形成されることを特徴とする覆工管の止水構造。
【請求項4】
周方向に分割した複数の分割管体の接合面同士を組み合わせて形成した覆工管本体の後端部外周縁に後方に突出する継手用のカラーを周方向に連続して設けると共に、前端部外周にシール用の弾性リングを周方向に連続して設けた複数の覆工管を、先行の覆工管の後端部のカラー内に後行の覆工管の前端部を差し込み、後行の覆工管前端部の弾性リングを先行の覆工管のカラー内壁面に密着させて軸方向に順次接続して、地盤中に地中管路の覆工を形成する覆工管の止水方法であって、
前記カラーを構成する各分割管体に対応した分割カラー部材を前記各分割管体に予め設ける工程と、
前記弾性リングを構成する各分割管体に対応した分割リング部材を前記各分割管体に予め設けると共に、各分割リング部材の端部に形成した接合用の嵌合部を予め形成する工程と、
前記分割管体の組み合わせ時に各分割カラー部材の端部同士を接合してカラーを形成する工程と、
前記分割管体の組み合わせ時に各分割リング部材の嵌合部同士を嵌合して接着することで弾性リングを形成する工程と、
を含むことを特徴とする覆工管の止水方法。
【請求項5】
請求項4において、
前記分割管体の接合時に、前記各接合面の軸方向にわたってその両端部をそれぞれ前記分割リング部材と分割カラー部材に密着させてシール材を設けると共に、前記接合面の両端部にシール材の端部と分割リング部材または分割カラー部材とにまたがって止水材を塗布して前記分割管体同士を接合する工程と、
を含むことを特徴とする覆工管の止水方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−16825(P2007−16825A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−196654(P2005−196654)
【出願日】平成17年7月5日(2005.7.5)
【出願人】(000166432)戸田建設株式会社 (328)
【出願人】(000229128)日本ゼニスパイプ株式会社 (31)
【出願人】(000229667)日本ヒューム株式会社 (70)
【Fターム(参考)】