覆蓋製造方法
【課題】軽量であって高い耐久性及び加工性を有する曲り主梁を、全体の寸法精度が均一となるように保ちながら容易に加工することができるとともに、この曲り主梁を組み込んだ覆蓋の生産性を高めることができる覆蓋製造方法を提供する。
【解決手段】複合板材110は、プラスチック発泡体を無機繊維にて補強された素材により形成されたものを用い、この複合板材110を、予め設定する所定の曲率半径より小さな曲率半径となるように変形させながら一枚ずつ積み重ねて固定し、所定数の複合板材110を積み重ねて曲り主梁11を製造した後、この曲り主梁11を直ちに規制部材2から取り外す。
【解決手段】複合板材110は、プラスチック発泡体を無機繊維にて補強された素材により形成されたものを用い、この複合板材110を、予め設定する所定の曲率半径より小さな曲率半径となるように変形させながら一枚ずつ積み重ねて固定し、所定数の複合板材110を積み重ねて曲り主梁11を製造した後、この曲り主梁11を直ちに規制部材2から取り外す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水処理施設用の水槽及び水路などを覆う覆蓋の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水処理施設用の水槽及び水路は、上部が広く開口しているため、人間及び動物などが開口部から内部へ落下して負傷するおそれがあるか、又は、内部で発生した悪臭が広く開口する開口部を介して外部に噴出するおそれがあるかの問題を有している。そこで、従来、水槽及び水路の開口部には、覆蓋が取り付けられ、落下防止及び悪臭放出防止が図られている。
【0003】
覆蓋は、広く開口する開口部を覆うことができるよう、この開口部を縁から縁へ跨ぐように架け渡される平面板を備え、更に、上方からの荷重に耐えることができるよう、平面板の長手方向に沿って主梁が取り付けられている(図6参照)。
特に、幅寸法が大きな開口部に用いられる覆蓋は、ロングスパンとなって重量が増えるため、これを支える主梁には、所定の荷重に耐える強度と、屋外で晒される雨風に長期間耐え得る耐久性とが要求される。
【0004】
そこで、従来、主梁は、繊維強化プラスチックなどの高耐久性及び高強度を有する素材が用いられるとともに、軸線方向の中央部を上方に向かって突き出るように湾曲させた略円弧形状の曲り主梁とされることにより、覆蓋の平面板の重量に耐え得るように工夫されている。
【0005】
ところで、曲り主梁は、曲線の外側に引張応力が発生するとともに、曲線の内側に圧縮応力が発生するため、素材の種類にかかわらず、経時的劣化によって破損しやすい。また、かかる応力は、曲り主梁の厚みに応じて大きくなるため、曲り主梁は、なるべく薄く形成されていることが好適であるが、過度に薄く形成された場合、その強度が低下して支持部材としての機能を発揮させることができなくなる。
【0006】
そこで、従来、湾曲させた状態の薄板材を幾重にも積み重ねることにより、曲線の内外側に発生する応力を抑えつつ、本体の強度が低下することがないようにしてある積層体と、その製造方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−61212号公報
【0008】
ここで、先に提案されている製造方法について、図8乃至11を用いて説明する。まず、作業者は、図8に示すように、薄板材90(板厚約10mm)を複数積み重ねる。このとき、作業者は、薄板材90の表面にエポキシ系接着剤を塗布しておき、薄板材90の間に接着剤層(図示せず)を形成しておく。接着剤層90の厚みは、1乃至2mm程度とする。
【0009】
次に、作業者は、積み重ねた薄板材90のうちの最下層の薄板材90の下面を、湾曲する型枠92の形成面93の頂部に接触させて位置決めをする。作業者は、位置決めした箇所にクランプ工具94を設置し、このクランプ工具94を用いて薄板材90と型枠92とを締め付ける。このとき、クランプ工具94による締め付けは、薄板材90同士がずれることなく、且つ、薄板材90が型枠92から外れない仮止め程度に留めておく。
【0010】
次に、作業者は、図9及び図10に示すように、クランプ工具94を最初の締め付け箇所から所定の間隔をあけた箇所に順次設置し、設置したクランプ工具94を用いて薄板材90と型枠92とを締め付けていき、最下層の薄板材90の下面を型枠92の形成面93に密着させていく。このとき、クランプ工具94による締め付けは、仮止め程度から本固定となるようにきつく締め付けるとともに、全てのクランプ工具94による締め付けが不均等とならないように各箇所を均等に締め付けていく。
【0011】
これを繰り返すことにより、最下層の薄板材90の下面全体は、図10に示すように、型枠92の形成面93に密着し、積み重ねた全ての薄板材90は、型枠92の形成面93に沿って一括して湾曲する。その後、作業者は、湾曲状態にある薄板材90を養生させて、各薄板材90の間に形成された接着剤層を硬化させる。
【0012】
次に、接着剤層が硬化した後、作業者は、図11に示すように、クランプ工具94による締め付けを全て解除し、湾曲状態にある全ての薄板材90を型枠92から取り外す。取り外された薄板材90は、接着剤層の硬化により湾曲状態が維持され、積層体91として完成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、先に提案された製造方法にあっては、接着剤層が硬化するまでの養生を待たなければならないため、一つの型枠92を用いて製造することができる製品の数が少なく、生産性が極めて低い。
【0014】
また、接着剤が硬化しない間に、積み重ねた複数の薄板材90を一括して湾曲させていく際、上層側の薄板材90の端面と下層側の薄板材90の端面との間に大きな段差が生じるおそれがあるため、薄板材90の中央部を押し上げてから端部側に力を加えて湾曲させていく必要がある。しかし、薄板材90の中央部を押し上げる際、予め決めた位置からずれるおそれがあるため、全体の寸法精度を均一させながら薄板材90を湾曲させることが難しい。
【0015】
また、積み重ねた複数の薄板材90を一括して湾曲させる際、薄板材90の端部付近には湾曲状態から元の形状に戻ろうとする力が強く働くため、端部付近を湾曲させることが難しい。
【0016】
本発明はかかる事情を鑑みてなされたものであり、複合板材は、プラスチック発泡体を無機繊維にて補強された素材により形成されたものを用い、この複合板材を、予め設定する所定の曲率半径より小さな曲率半径となるように一枚ずつ変形させながら積み重ねて固定し、所定数の複合板材を積み重ねて曲り主梁を製造した後、この曲り主梁を直ちに規制部材から取り外すことにより、軽量であって高い耐久性及び加工性を有する曲り主梁を、全体の寸法精度が均一となるように保ちながら容易に加工することができるとともに、この曲り主梁を組み込んだ覆蓋の生産性を高めることができる覆蓋製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係る覆蓋製造方法は、少なくとも軸線方向の中央部が所定の曲率半径を有する円弧形状となる曲り主梁を、薄板状の複合板材を複数枚積層することにより製造し、該曲り主梁を平面視方形の面板に長手方向に沿って取り付けて覆蓋を製造する覆蓋製造方法において、前記複合板材は、プラスチック発泡体を無機繊維にて補強された素材により形成され、前記所定の曲率半径より小さな曲率半径を有する円弧形状をなす円弧部を備える仮想線に沿って規制部材を配置し、一枚目の複合板材を、円弧の内側から前記複数の規制部材に密着させて前記仮想線に沿って変形させつつ、円弧の外側から挿入した第1固定具にて前記複数の規制部材に固定し、変形させた前記一枚目の複合板材を型枠として、二枚目以降の前記複合板材を、円弧の内側から一枚接着する都度、前記仮想線に沿って変形させつつ、円弧の内側から挿入した第2固定具にて固定し、所定数の複合板材が積層し且つ前記仮想線に沿って変形した状態で、前記第1固定具による固定を直ちに解除することにより、前記曲り主梁を製造することを特徴とする。
【0018】
本発明にあっては、プラスチック発泡体を無機繊維にて補強した素材により曲り主梁を製造することにより、製造された曲り主梁が、軽量化され、高い耐久性と加工性とを有する。
また、曲り主梁を平面視方形の面板に長手方向に沿って取り付けることにより、曲り主梁の湾曲に沿って面板が変形するとともに、面板の剛性が高くなる。
また、曲り主梁を形成する複合板材を、予め設定された所定の曲率半径より小さな曲率半径を備える仮想線に沿って配置する規制部材を用いて変形させることにより、複合板材が予め設定された所定の曲率半径より小さな曲率半径で形成されるので、規制部材から解放された複合板材が元の形状に戻ろうとして曲率半径が若干大きくなる場合であっても、完成した曲り主梁の曲率半径が予め定めた所定のものに留まる。
また、複数の複合板材を円弧の内側から一枚接着して変形させることにより、複合板材が上層側の複合板材に嵌り込むように接着されて変形していくので、変形時に複合板材同士の位置ずれが生じがたく、全体の寸法精度を均一に保ちながら加工することができる。
また、複数の複合板材を一枚接着する都度固定具により固定することにより、複合板材の湾曲状態が養生を行うことなく保たれるので、複合板材の固定を直ちに解除させることで曲り主梁を短時間で完成させることができ、接着剤の効果を促進させるための加熱作業などが不要となり、生産性が高まる。
また、複数の複合板材を固定する際、規制部材に直に接触する一枚目の複合板材については固定具を円弧の外側から挿入するとともに、一枚目の複合板材に接触する二枚目以降の複合板材については固定具を円弧の内側から挿入することにより、固定具による固定及び固定の解除の作業が容易となる。
【0019】
また、本発明にあっては、前記仮想線は、前記円弧部との連結位置から仮想線の線端までの間が、前記連結位置を接点とする接線に沿って直線状に形成される傾斜部とされているように構成してもよい。
【0020】
本発明にあっては、仮想線の線端付近が直線状に形成された傾斜部とされていることにより、複合板材の端部付近を湾曲させることがないので、作業が容易となり、生産性が高まる。なお、仮想線の線端付近が直線状に形成された曲り主梁の剛性は、円弧部のみからなる従来の曲り主梁のそれと比べて劣ることはない。
【0021】
更にまた、本発明にあっては、前記第1固定具による固定を解除した後、前記曲り主梁の端部を、その端面が平坦となるように加工するように構成してもよい。
【0022】
本発明にあっては、曲り主梁の端部の端面を平坦とすることにより、水槽及び水路などの開口の縁への係わり合いが容易となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明にあっては、軽量であって高い耐久性及び加工性を有する曲り主梁を全体の寸法精度が均一となるように保ちながら容易に加工することができ、この曲り主梁を組み込んだ覆蓋の生産性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る製造方法のうち、一枚目の複合板材を規制部材に固定する工程を説明する側面図である。
【図2】複合板材を規制する規制部材を説明する拡大図である。
【図3】本発明に係る製造方法のうち、二枚目以降の複合板材を規制部材に固定する工程を説明する側面図である。
【図4】本発明に係る製造方法のうち、二枚目以降の複合板材を規制部材に固定した状態を説明する側面図である。
【図5】本発明に係る製造方法のうち、所定枚の複合板材を積層して曲り主梁を製造し、製造した曲り主梁を規制部材から取り外す工程を説明する側面図である。
【図6】曲り主梁を含む覆蓋の全体構成を示す斜視図である。
【図7】製造された曲り主梁の各部分を説明する側面図である。
【図8】従来の製造方法のうち、薄板材を型枠に取り付ける工程を説明する側面図である。
【図9】従来の製造方法のうち、薄板材を型枠に取り付けていく工程を説明する側面図である。
【図10】従来の製造方法のうち、薄板材を型枠に取り付けた状態を説明する側面図である。
【図11】従来の製造方法のうち、所定枚の薄板材を積層して積層体を製造し、製造した積層体を型枠から取り外す工程を説明する側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(覆蓋の構造)
本発明に係る覆蓋製造方法を本実施の形態を示す図面に基づいて以下説明する。まず、製造方法に用いる物、及び、製造方法により製造される物について説明する。図1乃至7に示すように、1は、覆蓋であり、2は、規制部材であり、3は、作業面である。
【0026】
覆蓋1は、図6及び7に示すように、面板10と、曲り主梁11と、小梁12と、リブ13とを備える。面板10は、平面視方形の板部材であり、覆蓋1の蓋面となる部材である。小梁12は、複数存在し、平行する曲り主梁11の間に架け渡されて、覆蓋1の剛性を高める部材である。小梁12は、両端部が小梁受け120に嵌め込まれる。小梁受け120は、小梁12を曲り主梁11に直角に取り付けるための位置決めとなる部材であり、曲り主梁11の側面部に取り付けられている。リブ13は、曲り主梁11の端面及び面板10に取り付けられている。
【0027】
曲り主梁11は、後述する複合板材110が積み重なって形成される角柱状の棒部材であり、棒の軸線方向の中央部が上方に向かって突き出た形状(所謂「部分的円弧形状」)となっている。また、曲り主梁11は、2本存在し、それぞれの軸線方向が面板10の長手両側縁に沿って平行するように取り付けられ、自らの部分的円弧形状により面板10を変形させて、面板10の長手方向の断面二次モーメントを増加させるとともに曲げ剛性を高めている。
【0028】
また、曲り主梁11は、図7に示すように、円弧部60と、傾斜部61とを備える。円弧部60は、曲り主梁11よりも下方にある所定の一点を中心とする円である円弧部基準円上にある二点を結ぶ弦により分けられた劣弧をなし、その弧上に曲り主梁11の軸線方向の中央部を含み、曲り主梁11の軸線方向の長さ寸法の略4分の3を占めている。また、円弧部60は、内外周の曲率62が予め定められた所定の曲率となるように湾曲している。内外周の曲率62は、交わる角度65が90°となるように連結位置63で交わる直線の間に形成された曲線の曲がり具合を表す量である。また、曲率半径とは、曲率62の逆数をいう。
【0029】
傾斜部61は、曲り主梁11の端部112から円弧部60との連結位置63までの間に形成され、連結位置63を接点とする接線64に沿って直線状に形成されている。また、傾斜部61は、複数存在し、それぞれ、曲り主梁11の軸線方向の長さ寸法の略8分の1を占めている。なお、連結位置63は、上述する円弧部基準円上の一点である。また、図7の上半分には、比較を目的として、従来の製造方法により製造された、円弧部のみを備える積層体91を示す仮想線Lを図示する。
【0030】
また、曲り主梁11は、プラスチック発泡体を無機繊維で補強した複合材で形成されている。プラスチック発泡体として、例えば、硬質ウレタンがある。発泡体を補強する無機繊維としては、例えば、ガラス繊維がある。このとき、無機繊維は、単独で使用されるか又は積層して使用されるかのいずれでもよい。また、無機繊維は、長繊維のみ、短繊維のみ又は長繊維と短繊維との混在のいずれが使用されてもよい。
より具体的には、ガラス繊維を補強繊維としたガラス繊維強化硬質ウレタン発泡体(例えば、積水化学工業株式会社製 商品名「エスロン(登録商標)ネオランバー(登録商標)FFU」)を採用することが、軽量化、耐久性及び加工性の観点から好ましい。
【0031】
上述する複合材は、薄い帯板状の複合板材110を形成する。複合板材110は、複数が積み重なることにより、角柱状の曲り主梁11を形成する。このとき、複合板材110は、上層側の複合板材110のガラス繊維方向と下層側の複合板材110のガラス繊維方向とが不平行となるように積み重なり、複合板材110のガラス繊維同士を補強し合い、曲り主梁11全体の捻れや反りを抑える。
【0032】
また、上層側の複合板材110と下層側の複合板材110との間には、図2に示すように、エポキシ系接着剤が塗布されて接着剤層111を形成している。接着剤層111は、硬化することにより、上層側の複合板材110と下層側の複合板材110とを接着固定する。
【0033】
また、面板10及び小梁12は、曲り主梁11と同様に、上述する複合材により形成されている。このとき、面板10のガラス繊維方向と曲り主梁11のガラス繊維方向とは、不平行となるように配されて互いに補強し合い、覆蓋1全体の捻れを抑えている。また、面板10のガラス繊維方向と小梁12のガラス繊維方向とについて、同様に、不平行となるように配されて互いを補強し合っている。
【0034】
規制部材2は、複合板材110の変形を規制する器具であり、図2に示すように、作業面3に取り付けるための矩形の取付片20と、複合板材110と接触する矩形の受付片21とを備え、これらが断面視略L字状の谷折りをなすように連結している。
【0035】
規制部材2は、複数存在し、後述する所定の仮想線6に沿って所定の間隔をあけて作業面3に取り付けられる。各規制部材2は、図2に示すように、取付片20が作業面3に接触し、取付片20に挿入されたねじ200が、作業面3にねじ込まれることにより、作業面3に固定される。また、各規制部材2は、受付片21に複合板材110が接触した場合、この複合板材110の部分的な変形を規制しつつ、受付片21に挿入されたねじ210が複合板材110にねじ込まれることにより、この複合板材110を支持固定する。なお、ねじ210は、本発明に係る第1固定具に該当する(以下同じ)。
【0036】
規制部材2は、図1乃至5に示すように、全ての規制部材2が複合板材110に密着することにより、複合板材110を所定の仮想線6に沿った形状に変形させる。
【0037】
ここで、所定の仮想線6は、図5に示すように、これに沿って取り付けられる規制部材2が複合板材110の変形を規制することにより、複合板材110を円弧部60及び傾斜部61で仕切られるように変形させることができる、仮想的な線をいう。具体的には、所定の仮想線6は、曲り主梁11と同様の円弧部と傾斜部とを備え、この円弧部は、曲り主梁11の円弧部60の内外周の曲率62より大きな曲率となるように、即ち、曲り主梁11の円弧部60の内外周の曲率半径より小さな曲率半径となるように形成されている。
【0038】
(覆蓋1の製造方法)
次に、上述した曲り主梁11及びこれを備える覆蓋1の製造方法について、以下説明する。第1の工程として、作業者は、図1に示すように、作業面3に所定の仮想線6をペンなど用いて描き、描いた所定の仮想線6に沿って複数の規制部材2を300乃至500mmの間隔をあけて作業面3に取り付ける。このとき、作業者は、受付片21が所定の仮想線6が有する曲線の内側(以下、単に「曲線の内側」という。)を向くように、規制部材2を作業面3に取り付ける。
【0039】
第2の工程として、作業者は、図1及び図2に示すように、一枚目の複合板材110を規制部材2に取り付ける。
【0040】
まず、作業者は、複合板材110の一端側の端部112を、最端にある規制部材2の受付片21に接触させ、この受付片21に、所定の仮想線6が有する曲線の外側(以下、単に「曲線の外側」という。)からねじ210を挿入し、挿入したねじ210を電動ドライバなどの工具4を用いて複合板材110にねじ込む。このとき、作業員は、複合板材110が規制部材2から外れない程度にねじ210をねじ込み、仮止めしておく。
【0041】
次に、作業者は、複合板材110の一端側の端部112を規制部材2に仮止めした後、複合板材110の中央部分を押し上げながら、一端側の端部112から他端側の端部112に向かって順番に規制部材2の受付片21に接触させて仮止めする。このとき、複合板材110は、規制部材2に仮止めされていくに応じて作業面3に描かれた所定の仮想線6に沿うように変形していく。なお、作業者は、複合板材110が限界を超えて破損することがないように注意しながら仮止めをしていく。
【0042】
次に、作業者は、複合板材110を全ての規制部材2に仮止めした後、締め付けが均等となるようにねじ210をねじ込んでいき、複合板材110を規制部材2に本固定する。その結果、複合板材110は、全ての規制部材2の受付片21に密着して、作業面3に描かれた所定の仮想線6に沿うように変形する。
【0043】
第3の工程として、作業者は、図3に示すように、規制部材2に固定している一枚目の複合板材110を型枠として、二枚目の複合板材110を一枚目の複合板材110に取り付ける。
【0044】
まず、作業者は、一枚目の複合板材110の下面に接着剤を塗布することにより接着剤層111を形成する。ここで、複合板材110の下面とは、曲線の内側を示す(以下同じ)。
【0045】
次に、作業者は、二枚目の複合板材110の一端側の端部112を型枠となる一枚目の複合板材110の端部112に揃えるように接触させ、この状態で、工具4を用いて、二枚目の複合板材110の下面に木ねじ(図示せず)をねじ込み、木ねじが二枚目の複合板材110を貫通して一枚目の複合板材110に到達するまでねじ込む。このとき、木ねじは、ねじ頭が皿状であるため、二枚目の複合板材110の下面とねじ頭とが面一となり、二枚目の複合板材110の下面に後述する三枚目以降の複合板材110が接着されることを阻害することがない。また、作業者は、木ねじを二枚目の複合板材110が一枚目の複合板材110から外れない程度にねじ込み、仮止め状態としておく。なお、二枚目の複合板材110の固定に用いる木ねじは、本発明に係る第2固定具に該当する(以下同じ)。
【0046】
次に、作業者は、二枚目の複合板材110の一端側の端部112を一枚目の複合板材110に仮止めした後、二枚目の複合板材110の中央部分を押し上げながら、一端側の端部112から他端側の端部112に向かって所定の間隔をあけて木ねじを下面からねじ込み、二枚目の複合板材110を一枚目の複合板材110に接触させて仮止めする。
【0047】
次に、作業者は、二枚目の複合板材110にねじ込んだ全ての木ねじについて、締め付けが均等となるように各木ねじをねじ込んでいき、二枚目の複合板材110を一枚目の複合板材110に密着固定する。その結果、二枚目の複合板材110は、一枚目の複合板材110の形状に沿うように湾曲する。
【0048】
第4の工程として、作業者は、図3に示すように、三枚目以降の複合板材110を接着剤層111を介して取り付ける。
【0049】
まず、作業者は、上層側の複合板材110の下面に接着剤を塗布することにより接着剤層111を形成する。作業者は、複合板材110の積み重ねを所定回繰り返し、角柱状の曲り主梁11を形成する。
【0050】
次に、作業者は、下層側の複合板材110の一端側の端部112を、上層側の複合板材110の端部112に揃えるように接触させ、この状態で、工具4を用いて、下層側の複合板材110の下面に木ねじをねじ込み、木ねじが下層側の複合板材110を貫通して上層側の複合板材110に到達するまでねじ込む。このとき、木ねじは、皿状のねじ頭と下層側の複合板材110の下面とが面一となる。また、作業者は、下層側の複合板材110が上層側の複合板材110から外れない程度に木ねじをねじ込み、仮止め状態としておく。なお、三枚目以降の複合板材110の固定に用いる木ねじは、本発明に係る第2固定具に該当する(以下同じ)。
【0051】
次に、作業者は、下層側の複合板材110にねじ込んだ全ての木ねじについて、締め付けが均等となるように各木ねじにねじ込んでいき、下層側の複合板材110を上層側の複合板材110に密着固定する。その結果、下層側の複合板材110は、上層側の複合板材110の形状に沿うように湾曲する。
【0052】
第5の工程として、作業者は、図4に示すように、曲り主梁11の側面に所定の間隔をあけて複数の小梁受け120を接着釘止めする。
【0053】
第6の工程として、作業者は、図4及び図5に示すように、曲り主梁11の端部112の端面が平坦となるように端部112を若干切断する。
【0054】
まず、曲り主梁11は、長さ寸法が同じ複合板材110を積み重ねて湾曲させるため、上層側の複合板材110の端面と下層側の複合板材110の端面との間に僅かな段差が発生する。作業者は、図4に示すように、曲り主梁11の端部112に鉛直方向に真っ直ぐな罫書き線5をひく。
【0055】
次に、作業者は、図5に示すように、複合板材110の接着剤層111の硬化を待つことなく、即ち、養生させることなく、全てのねじ210のねじ込みを解除して曲り主梁11を規制部材2及び作業面3から取り外す。
【0056】
次に、作業者は、取り外した曲り主梁11の端部112に描いた罫書き線5に沿って端部112を若干切断する。その結果、曲り主梁11は、端部112の端面が段差なく平坦な状態となり完成する。
【0057】
第7の工程として、作業者は、図6に示すように、曲り主梁11に小梁12、面板10及びリブ13を取り付けて覆蓋1を組み立てる。
【0058】
まず、作業者は、完成した2本の曲り主梁11を小梁受け120が対向するように配置し、小梁12を、対向する小梁受け120に嵌め込み、平行する2本の曲り主梁11の間に架け渡す。
【0059】
次に、作業者は、面板10の下面に接着剤を塗布し、小梁12を架け渡した曲り主梁11を面板10の下面に接着剤層を介して接着する。次に、作業者は、面板10の下面と曲り主梁11の端面とに接するようにリブ13を取り付け、覆蓋1を完成させる。
【0060】
なお、上述した実施の形態において、上層側の複合板材110のガラス繊維方向と下層側の複合板材110のガラス繊維方向とが交差するよう積み重なる一例を説明する。しかし、複合板材110のガラス繊維方向は、曲り主梁11全体の捻れや反りを抑えることができるのであるならば、上述する方向に限定されることはない。
【0061】
また、上述した実施の形態において、曲り主梁11の傾斜部61が、曲り主梁11の軸線方向の長さ寸法の略8分の1となる一例を説明した。しかし、本発明は、これらの寸法に限定されるものでない。出願人の鋭意努力により、傾斜部61の占める割合を大きくする場合、傾斜部61で支持される面板10部分に点検用窓(図示せず)などを平面的に設けることができる一方、円弧部60の曲率半径が小さくなることにより、応力が大きくなり、曲り主梁11の寸法精度及び剛性に悪影響を及ぼすこととが判明した。また、曲り主梁11の傾斜部61が略4分の1以上略8分の1以下の範囲とすることが好ましいことが、判明した。
【0062】
また、上述した実施の形態において、一枚目の複合板材110を、最端にある規制部材2に接触させ、他端側にある規制部材2に向かって順番に各規制部材2に固定していく一例を説明した。しかし、本発明は、これに限定することなく、一枚目の複合板材110を、中央にある規制部材110に接触させ、その後、端部にある規制部材2に向かって順番に各規制部材2に固定していくようにしてもよい。
【0063】
また、上述した実施の形態において、二枚目以降の複合板材110を、木ねじをねじ込むことにより固定する一例を説明した。しかし、本発明は、これに限定することなく、例えば、釘であってもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 覆蓋
10 面板
11 曲り主梁
110 複合板材
111 接着剤層
112 端部
12 小梁
120 小梁受け
13 リブ
2 規制部材
20 取付片
200 ねじ
21 受付片
210 ねじ
3 作業面
4 工具
5 罫書き線
6 仮想線
60 円弧部
61 傾斜部
62 曲率
63 連結位置
64 接線
【技術分野】
【0001】
本発明は、水処理施設用の水槽及び水路などを覆う覆蓋の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水処理施設用の水槽及び水路は、上部が広く開口しているため、人間及び動物などが開口部から内部へ落下して負傷するおそれがあるか、又は、内部で発生した悪臭が広く開口する開口部を介して外部に噴出するおそれがあるかの問題を有している。そこで、従来、水槽及び水路の開口部には、覆蓋が取り付けられ、落下防止及び悪臭放出防止が図られている。
【0003】
覆蓋は、広く開口する開口部を覆うことができるよう、この開口部を縁から縁へ跨ぐように架け渡される平面板を備え、更に、上方からの荷重に耐えることができるよう、平面板の長手方向に沿って主梁が取り付けられている(図6参照)。
特に、幅寸法が大きな開口部に用いられる覆蓋は、ロングスパンとなって重量が増えるため、これを支える主梁には、所定の荷重に耐える強度と、屋外で晒される雨風に長期間耐え得る耐久性とが要求される。
【0004】
そこで、従来、主梁は、繊維強化プラスチックなどの高耐久性及び高強度を有する素材が用いられるとともに、軸線方向の中央部を上方に向かって突き出るように湾曲させた略円弧形状の曲り主梁とされることにより、覆蓋の平面板の重量に耐え得るように工夫されている。
【0005】
ところで、曲り主梁は、曲線の外側に引張応力が発生するとともに、曲線の内側に圧縮応力が発生するため、素材の種類にかかわらず、経時的劣化によって破損しやすい。また、かかる応力は、曲り主梁の厚みに応じて大きくなるため、曲り主梁は、なるべく薄く形成されていることが好適であるが、過度に薄く形成された場合、その強度が低下して支持部材としての機能を発揮させることができなくなる。
【0006】
そこで、従来、湾曲させた状態の薄板材を幾重にも積み重ねることにより、曲線の内外側に発生する応力を抑えつつ、本体の強度が低下することがないようにしてある積層体と、その製造方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−61212号公報
【0008】
ここで、先に提案されている製造方法について、図8乃至11を用いて説明する。まず、作業者は、図8に示すように、薄板材90(板厚約10mm)を複数積み重ねる。このとき、作業者は、薄板材90の表面にエポキシ系接着剤を塗布しておき、薄板材90の間に接着剤層(図示せず)を形成しておく。接着剤層90の厚みは、1乃至2mm程度とする。
【0009】
次に、作業者は、積み重ねた薄板材90のうちの最下層の薄板材90の下面を、湾曲する型枠92の形成面93の頂部に接触させて位置決めをする。作業者は、位置決めした箇所にクランプ工具94を設置し、このクランプ工具94を用いて薄板材90と型枠92とを締め付ける。このとき、クランプ工具94による締め付けは、薄板材90同士がずれることなく、且つ、薄板材90が型枠92から外れない仮止め程度に留めておく。
【0010】
次に、作業者は、図9及び図10に示すように、クランプ工具94を最初の締め付け箇所から所定の間隔をあけた箇所に順次設置し、設置したクランプ工具94を用いて薄板材90と型枠92とを締め付けていき、最下層の薄板材90の下面を型枠92の形成面93に密着させていく。このとき、クランプ工具94による締め付けは、仮止め程度から本固定となるようにきつく締め付けるとともに、全てのクランプ工具94による締め付けが不均等とならないように各箇所を均等に締め付けていく。
【0011】
これを繰り返すことにより、最下層の薄板材90の下面全体は、図10に示すように、型枠92の形成面93に密着し、積み重ねた全ての薄板材90は、型枠92の形成面93に沿って一括して湾曲する。その後、作業者は、湾曲状態にある薄板材90を養生させて、各薄板材90の間に形成された接着剤層を硬化させる。
【0012】
次に、接着剤層が硬化した後、作業者は、図11に示すように、クランプ工具94による締め付けを全て解除し、湾曲状態にある全ての薄板材90を型枠92から取り外す。取り外された薄板材90は、接着剤層の硬化により湾曲状態が維持され、積層体91として完成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、先に提案された製造方法にあっては、接着剤層が硬化するまでの養生を待たなければならないため、一つの型枠92を用いて製造することができる製品の数が少なく、生産性が極めて低い。
【0014】
また、接着剤が硬化しない間に、積み重ねた複数の薄板材90を一括して湾曲させていく際、上層側の薄板材90の端面と下層側の薄板材90の端面との間に大きな段差が生じるおそれがあるため、薄板材90の中央部を押し上げてから端部側に力を加えて湾曲させていく必要がある。しかし、薄板材90の中央部を押し上げる際、予め決めた位置からずれるおそれがあるため、全体の寸法精度を均一させながら薄板材90を湾曲させることが難しい。
【0015】
また、積み重ねた複数の薄板材90を一括して湾曲させる際、薄板材90の端部付近には湾曲状態から元の形状に戻ろうとする力が強く働くため、端部付近を湾曲させることが難しい。
【0016】
本発明はかかる事情を鑑みてなされたものであり、複合板材は、プラスチック発泡体を無機繊維にて補強された素材により形成されたものを用い、この複合板材を、予め設定する所定の曲率半径より小さな曲率半径となるように一枚ずつ変形させながら積み重ねて固定し、所定数の複合板材を積み重ねて曲り主梁を製造した後、この曲り主梁を直ちに規制部材から取り外すことにより、軽量であって高い耐久性及び加工性を有する曲り主梁を、全体の寸法精度が均一となるように保ちながら容易に加工することができるとともに、この曲り主梁を組み込んだ覆蓋の生産性を高めることができる覆蓋製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係る覆蓋製造方法は、少なくとも軸線方向の中央部が所定の曲率半径を有する円弧形状となる曲り主梁を、薄板状の複合板材を複数枚積層することにより製造し、該曲り主梁を平面視方形の面板に長手方向に沿って取り付けて覆蓋を製造する覆蓋製造方法において、前記複合板材は、プラスチック発泡体を無機繊維にて補強された素材により形成され、前記所定の曲率半径より小さな曲率半径を有する円弧形状をなす円弧部を備える仮想線に沿って規制部材を配置し、一枚目の複合板材を、円弧の内側から前記複数の規制部材に密着させて前記仮想線に沿って変形させつつ、円弧の外側から挿入した第1固定具にて前記複数の規制部材に固定し、変形させた前記一枚目の複合板材を型枠として、二枚目以降の前記複合板材を、円弧の内側から一枚接着する都度、前記仮想線に沿って変形させつつ、円弧の内側から挿入した第2固定具にて固定し、所定数の複合板材が積層し且つ前記仮想線に沿って変形した状態で、前記第1固定具による固定を直ちに解除することにより、前記曲り主梁を製造することを特徴とする。
【0018】
本発明にあっては、プラスチック発泡体を無機繊維にて補強した素材により曲り主梁を製造することにより、製造された曲り主梁が、軽量化され、高い耐久性と加工性とを有する。
また、曲り主梁を平面視方形の面板に長手方向に沿って取り付けることにより、曲り主梁の湾曲に沿って面板が変形するとともに、面板の剛性が高くなる。
また、曲り主梁を形成する複合板材を、予め設定された所定の曲率半径より小さな曲率半径を備える仮想線に沿って配置する規制部材を用いて変形させることにより、複合板材が予め設定された所定の曲率半径より小さな曲率半径で形成されるので、規制部材から解放された複合板材が元の形状に戻ろうとして曲率半径が若干大きくなる場合であっても、完成した曲り主梁の曲率半径が予め定めた所定のものに留まる。
また、複数の複合板材を円弧の内側から一枚接着して変形させることにより、複合板材が上層側の複合板材に嵌り込むように接着されて変形していくので、変形時に複合板材同士の位置ずれが生じがたく、全体の寸法精度を均一に保ちながら加工することができる。
また、複数の複合板材を一枚接着する都度固定具により固定することにより、複合板材の湾曲状態が養生を行うことなく保たれるので、複合板材の固定を直ちに解除させることで曲り主梁を短時間で完成させることができ、接着剤の効果を促進させるための加熱作業などが不要となり、生産性が高まる。
また、複数の複合板材を固定する際、規制部材に直に接触する一枚目の複合板材については固定具を円弧の外側から挿入するとともに、一枚目の複合板材に接触する二枚目以降の複合板材については固定具を円弧の内側から挿入することにより、固定具による固定及び固定の解除の作業が容易となる。
【0019】
また、本発明にあっては、前記仮想線は、前記円弧部との連結位置から仮想線の線端までの間が、前記連結位置を接点とする接線に沿って直線状に形成される傾斜部とされているように構成してもよい。
【0020】
本発明にあっては、仮想線の線端付近が直線状に形成された傾斜部とされていることにより、複合板材の端部付近を湾曲させることがないので、作業が容易となり、生産性が高まる。なお、仮想線の線端付近が直線状に形成された曲り主梁の剛性は、円弧部のみからなる従来の曲り主梁のそれと比べて劣ることはない。
【0021】
更にまた、本発明にあっては、前記第1固定具による固定を解除した後、前記曲り主梁の端部を、その端面が平坦となるように加工するように構成してもよい。
【0022】
本発明にあっては、曲り主梁の端部の端面を平坦とすることにより、水槽及び水路などの開口の縁への係わり合いが容易となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明にあっては、軽量であって高い耐久性及び加工性を有する曲り主梁を全体の寸法精度が均一となるように保ちながら容易に加工することができ、この曲り主梁を組み込んだ覆蓋の生産性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る製造方法のうち、一枚目の複合板材を規制部材に固定する工程を説明する側面図である。
【図2】複合板材を規制する規制部材を説明する拡大図である。
【図3】本発明に係る製造方法のうち、二枚目以降の複合板材を規制部材に固定する工程を説明する側面図である。
【図4】本発明に係る製造方法のうち、二枚目以降の複合板材を規制部材に固定した状態を説明する側面図である。
【図5】本発明に係る製造方法のうち、所定枚の複合板材を積層して曲り主梁を製造し、製造した曲り主梁を規制部材から取り外す工程を説明する側面図である。
【図6】曲り主梁を含む覆蓋の全体構成を示す斜視図である。
【図7】製造された曲り主梁の各部分を説明する側面図である。
【図8】従来の製造方法のうち、薄板材を型枠に取り付ける工程を説明する側面図である。
【図9】従来の製造方法のうち、薄板材を型枠に取り付けていく工程を説明する側面図である。
【図10】従来の製造方法のうち、薄板材を型枠に取り付けた状態を説明する側面図である。
【図11】従来の製造方法のうち、所定枚の薄板材を積層して積層体を製造し、製造した積層体を型枠から取り外す工程を説明する側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(覆蓋の構造)
本発明に係る覆蓋製造方法を本実施の形態を示す図面に基づいて以下説明する。まず、製造方法に用いる物、及び、製造方法により製造される物について説明する。図1乃至7に示すように、1は、覆蓋であり、2は、規制部材であり、3は、作業面である。
【0026】
覆蓋1は、図6及び7に示すように、面板10と、曲り主梁11と、小梁12と、リブ13とを備える。面板10は、平面視方形の板部材であり、覆蓋1の蓋面となる部材である。小梁12は、複数存在し、平行する曲り主梁11の間に架け渡されて、覆蓋1の剛性を高める部材である。小梁12は、両端部が小梁受け120に嵌め込まれる。小梁受け120は、小梁12を曲り主梁11に直角に取り付けるための位置決めとなる部材であり、曲り主梁11の側面部に取り付けられている。リブ13は、曲り主梁11の端面及び面板10に取り付けられている。
【0027】
曲り主梁11は、後述する複合板材110が積み重なって形成される角柱状の棒部材であり、棒の軸線方向の中央部が上方に向かって突き出た形状(所謂「部分的円弧形状」)となっている。また、曲り主梁11は、2本存在し、それぞれの軸線方向が面板10の長手両側縁に沿って平行するように取り付けられ、自らの部分的円弧形状により面板10を変形させて、面板10の長手方向の断面二次モーメントを増加させるとともに曲げ剛性を高めている。
【0028】
また、曲り主梁11は、図7に示すように、円弧部60と、傾斜部61とを備える。円弧部60は、曲り主梁11よりも下方にある所定の一点を中心とする円である円弧部基準円上にある二点を結ぶ弦により分けられた劣弧をなし、その弧上に曲り主梁11の軸線方向の中央部を含み、曲り主梁11の軸線方向の長さ寸法の略4分の3を占めている。また、円弧部60は、内外周の曲率62が予め定められた所定の曲率となるように湾曲している。内外周の曲率62は、交わる角度65が90°となるように連結位置63で交わる直線の間に形成された曲線の曲がり具合を表す量である。また、曲率半径とは、曲率62の逆数をいう。
【0029】
傾斜部61は、曲り主梁11の端部112から円弧部60との連結位置63までの間に形成され、連結位置63を接点とする接線64に沿って直線状に形成されている。また、傾斜部61は、複数存在し、それぞれ、曲り主梁11の軸線方向の長さ寸法の略8分の1を占めている。なお、連結位置63は、上述する円弧部基準円上の一点である。また、図7の上半分には、比較を目的として、従来の製造方法により製造された、円弧部のみを備える積層体91を示す仮想線Lを図示する。
【0030】
また、曲り主梁11は、プラスチック発泡体を無機繊維で補強した複合材で形成されている。プラスチック発泡体として、例えば、硬質ウレタンがある。発泡体を補強する無機繊維としては、例えば、ガラス繊維がある。このとき、無機繊維は、単独で使用されるか又は積層して使用されるかのいずれでもよい。また、無機繊維は、長繊維のみ、短繊維のみ又は長繊維と短繊維との混在のいずれが使用されてもよい。
より具体的には、ガラス繊維を補強繊維としたガラス繊維強化硬質ウレタン発泡体(例えば、積水化学工業株式会社製 商品名「エスロン(登録商標)ネオランバー(登録商標)FFU」)を採用することが、軽量化、耐久性及び加工性の観点から好ましい。
【0031】
上述する複合材は、薄い帯板状の複合板材110を形成する。複合板材110は、複数が積み重なることにより、角柱状の曲り主梁11を形成する。このとき、複合板材110は、上層側の複合板材110のガラス繊維方向と下層側の複合板材110のガラス繊維方向とが不平行となるように積み重なり、複合板材110のガラス繊維同士を補強し合い、曲り主梁11全体の捻れや反りを抑える。
【0032】
また、上層側の複合板材110と下層側の複合板材110との間には、図2に示すように、エポキシ系接着剤が塗布されて接着剤層111を形成している。接着剤層111は、硬化することにより、上層側の複合板材110と下層側の複合板材110とを接着固定する。
【0033】
また、面板10及び小梁12は、曲り主梁11と同様に、上述する複合材により形成されている。このとき、面板10のガラス繊維方向と曲り主梁11のガラス繊維方向とは、不平行となるように配されて互いに補強し合い、覆蓋1全体の捻れを抑えている。また、面板10のガラス繊維方向と小梁12のガラス繊維方向とについて、同様に、不平行となるように配されて互いを補強し合っている。
【0034】
規制部材2は、複合板材110の変形を規制する器具であり、図2に示すように、作業面3に取り付けるための矩形の取付片20と、複合板材110と接触する矩形の受付片21とを備え、これらが断面視略L字状の谷折りをなすように連結している。
【0035】
規制部材2は、複数存在し、後述する所定の仮想線6に沿って所定の間隔をあけて作業面3に取り付けられる。各規制部材2は、図2に示すように、取付片20が作業面3に接触し、取付片20に挿入されたねじ200が、作業面3にねじ込まれることにより、作業面3に固定される。また、各規制部材2は、受付片21に複合板材110が接触した場合、この複合板材110の部分的な変形を規制しつつ、受付片21に挿入されたねじ210が複合板材110にねじ込まれることにより、この複合板材110を支持固定する。なお、ねじ210は、本発明に係る第1固定具に該当する(以下同じ)。
【0036】
規制部材2は、図1乃至5に示すように、全ての規制部材2が複合板材110に密着することにより、複合板材110を所定の仮想線6に沿った形状に変形させる。
【0037】
ここで、所定の仮想線6は、図5に示すように、これに沿って取り付けられる規制部材2が複合板材110の変形を規制することにより、複合板材110を円弧部60及び傾斜部61で仕切られるように変形させることができる、仮想的な線をいう。具体的には、所定の仮想線6は、曲り主梁11と同様の円弧部と傾斜部とを備え、この円弧部は、曲り主梁11の円弧部60の内外周の曲率62より大きな曲率となるように、即ち、曲り主梁11の円弧部60の内外周の曲率半径より小さな曲率半径となるように形成されている。
【0038】
(覆蓋1の製造方法)
次に、上述した曲り主梁11及びこれを備える覆蓋1の製造方法について、以下説明する。第1の工程として、作業者は、図1に示すように、作業面3に所定の仮想線6をペンなど用いて描き、描いた所定の仮想線6に沿って複数の規制部材2を300乃至500mmの間隔をあけて作業面3に取り付ける。このとき、作業者は、受付片21が所定の仮想線6が有する曲線の内側(以下、単に「曲線の内側」という。)を向くように、規制部材2を作業面3に取り付ける。
【0039】
第2の工程として、作業者は、図1及び図2に示すように、一枚目の複合板材110を規制部材2に取り付ける。
【0040】
まず、作業者は、複合板材110の一端側の端部112を、最端にある規制部材2の受付片21に接触させ、この受付片21に、所定の仮想線6が有する曲線の外側(以下、単に「曲線の外側」という。)からねじ210を挿入し、挿入したねじ210を電動ドライバなどの工具4を用いて複合板材110にねじ込む。このとき、作業員は、複合板材110が規制部材2から外れない程度にねじ210をねじ込み、仮止めしておく。
【0041】
次に、作業者は、複合板材110の一端側の端部112を規制部材2に仮止めした後、複合板材110の中央部分を押し上げながら、一端側の端部112から他端側の端部112に向かって順番に規制部材2の受付片21に接触させて仮止めする。このとき、複合板材110は、規制部材2に仮止めされていくに応じて作業面3に描かれた所定の仮想線6に沿うように変形していく。なお、作業者は、複合板材110が限界を超えて破損することがないように注意しながら仮止めをしていく。
【0042】
次に、作業者は、複合板材110を全ての規制部材2に仮止めした後、締め付けが均等となるようにねじ210をねじ込んでいき、複合板材110を規制部材2に本固定する。その結果、複合板材110は、全ての規制部材2の受付片21に密着して、作業面3に描かれた所定の仮想線6に沿うように変形する。
【0043】
第3の工程として、作業者は、図3に示すように、規制部材2に固定している一枚目の複合板材110を型枠として、二枚目の複合板材110を一枚目の複合板材110に取り付ける。
【0044】
まず、作業者は、一枚目の複合板材110の下面に接着剤を塗布することにより接着剤層111を形成する。ここで、複合板材110の下面とは、曲線の内側を示す(以下同じ)。
【0045】
次に、作業者は、二枚目の複合板材110の一端側の端部112を型枠となる一枚目の複合板材110の端部112に揃えるように接触させ、この状態で、工具4を用いて、二枚目の複合板材110の下面に木ねじ(図示せず)をねじ込み、木ねじが二枚目の複合板材110を貫通して一枚目の複合板材110に到達するまでねじ込む。このとき、木ねじは、ねじ頭が皿状であるため、二枚目の複合板材110の下面とねじ頭とが面一となり、二枚目の複合板材110の下面に後述する三枚目以降の複合板材110が接着されることを阻害することがない。また、作業者は、木ねじを二枚目の複合板材110が一枚目の複合板材110から外れない程度にねじ込み、仮止め状態としておく。なお、二枚目の複合板材110の固定に用いる木ねじは、本発明に係る第2固定具に該当する(以下同じ)。
【0046】
次に、作業者は、二枚目の複合板材110の一端側の端部112を一枚目の複合板材110に仮止めした後、二枚目の複合板材110の中央部分を押し上げながら、一端側の端部112から他端側の端部112に向かって所定の間隔をあけて木ねじを下面からねじ込み、二枚目の複合板材110を一枚目の複合板材110に接触させて仮止めする。
【0047】
次に、作業者は、二枚目の複合板材110にねじ込んだ全ての木ねじについて、締め付けが均等となるように各木ねじをねじ込んでいき、二枚目の複合板材110を一枚目の複合板材110に密着固定する。その結果、二枚目の複合板材110は、一枚目の複合板材110の形状に沿うように湾曲する。
【0048】
第4の工程として、作業者は、図3に示すように、三枚目以降の複合板材110を接着剤層111を介して取り付ける。
【0049】
まず、作業者は、上層側の複合板材110の下面に接着剤を塗布することにより接着剤層111を形成する。作業者は、複合板材110の積み重ねを所定回繰り返し、角柱状の曲り主梁11を形成する。
【0050】
次に、作業者は、下層側の複合板材110の一端側の端部112を、上層側の複合板材110の端部112に揃えるように接触させ、この状態で、工具4を用いて、下層側の複合板材110の下面に木ねじをねじ込み、木ねじが下層側の複合板材110を貫通して上層側の複合板材110に到達するまでねじ込む。このとき、木ねじは、皿状のねじ頭と下層側の複合板材110の下面とが面一となる。また、作業者は、下層側の複合板材110が上層側の複合板材110から外れない程度に木ねじをねじ込み、仮止め状態としておく。なお、三枚目以降の複合板材110の固定に用いる木ねじは、本発明に係る第2固定具に該当する(以下同じ)。
【0051】
次に、作業者は、下層側の複合板材110にねじ込んだ全ての木ねじについて、締め付けが均等となるように各木ねじにねじ込んでいき、下層側の複合板材110を上層側の複合板材110に密着固定する。その結果、下層側の複合板材110は、上層側の複合板材110の形状に沿うように湾曲する。
【0052】
第5の工程として、作業者は、図4に示すように、曲り主梁11の側面に所定の間隔をあけて複数の小梁受け120を接着釘止めする。
【0053】
第6の工程として、作業者は、図4及び図5に示すように、曲り主梁11の端部112の端面が平坦となるように端部112を若干切断する。
【0054】
まず、曲り主梁11は、長さ寸法が同じ複合板材110を積み重ねて湾曲させるため、上層側の複合板材110の端面と下層側の複合板材110の端面との間に僅かな段差が発生する。作業者は、図4に示すように、曲り主梁11の端部112に鉛直方向に真っ直ぐな罫書き線5をひく。
【0055】
次に、作業者は、図5に示すように、複合板材110の接着剤層111の硬化を待つことなく、即ち、養生させることなく、全てのねじ210のねじ込みを解除して曲り主梁11を規制部材2及び作業面3から取り外す。
【0056】
次に、作業者は、取り外した曲り主梁11の端部112に描いた罫書き線5に沿って端部112を若干切断する。その結果、曲り主梁11は、端部112の端面が段差なく平坦な状態となり完成する。
【0057】
第7の工程として、作業者は、図6に示すように、曲り主梁11に小梁12、面板10及びリブ13を取り付けて覆蓋1を組み立てる。
【0058】
まず、作業者は、完成した2本の曲り主梁11を小梁受け120が対向するように配置し、小梁12を、対向する小梁受け120に嵌め込み、平行する2本の曲り主梁11の間に架け渡す。
【0059】
次に、作業者は、面板10の下面に接着剤を塗布し、小梁12を架け渡した曲り主梁11を面板10の下面に接着剤層を介して接着する。次に、作業者は、面板10の下面と曲り主梁11の端面とに接するようにリブ13を取り付け、覆蓋1を完成させる。
【0060】
なお、上述した実施の形態において、上層側の複合板材110のガラス繊維方向と下層側の複合板材110のガラス繊維方向とが交差するよう積み重なる一例を説明する。しかし、複合板材110のガラス繊維方向は、曲り主梁11全体の捻れや反りを抑えることができるのであるならば、上述する方向に限定されることはない。
【0061】
また、上述した実施の形態において、曲り主梁11の傾斜部61が、曲り主梁11の軸線方向の長さ寸法の略8分の1となる一例を説明した。しかし、本発明は、これらの寸法に限定されるものでない。出願人の鋭意努力により、傾斜部61の占める割合を大きくする場合、傾斜部61で支持される面板10部分に点検用窓(図示せず)などを平面的に設けることができる一方、円弧部60の曲率半径が小さくなることにより、応力が大きくなり、曲り主梁11の寸法精度及び剛性に悪影響を及ぼすこととが判明した。また、曲り主梁11の傾斜部61が略4分の1以上略8分の1以下の範囲とすることが好ましいことが、判明した。
【0062】
また、上述した実施の形態において、一枚目の複合板材110を、最端にある規制部材2に接触させ、他端側にある規制部材2に向かって順番に各規制部材2に固定していく一例を説明した。しかし、本発明は、これに限定することなく、一枚目の複合板材110を、中央にある規制部材110に接触させ、その後、端部にある規制部材2に向かって順番に各規制部材2に固定していくようにしてもよい。
【0063】
また、上述した実施の形態において、二枚目以降の複合板材110を、木ねじをねじ込むことにより固定する一例を説明した。しかし、本発明は、これに限定することなく、例えば、釘であってもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 覆蓋
10 面板
11 曲り主梁
110 複合板材
111 接着剤層
112 端部
12 小梁
120 小梁受け
13 リブ
2 規制部材
20 取付片
200 ねじ
21 受付片
210 ねじ
3 作業面
4 工具
5 罫書き線
6 仮想線
60 円弧部
61 傾斜部
62 曲率
63 連結位置
64 接線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも軸線方向の中央部が所定の曲率半径を有する円弧形状となる曲り主梁を、薄板状の複合板材を複数枚積層することにより製造し、該曲り主梁を平面視方形の面板に長手方向に沿って取り付けて覆蓋を製造する覆蓋製造方法において、
前記複合板材は、プラスチック発泡体を無機繊維にて補強された素材により形成され、
前記所定の曲率半径より小さな曲率半径を有する円弧形状をなす円弧部を備える仮想線に沿って規制部材を配置し、
一枚目の複合板材を、円弧の内側から前記複数の規制部材に密着させて前記仮想線に沿って変形させつつ、円弧の外側から挿入した第1固定具にて前記複数の規制部材に固定し、
変形させた前記一枚目の複合板材を型枠として、二枚目以降の前記複合板材を、円弧の内側から一枚接着する都度、前記仮想線に沿って変形させつつ、円弧の内側から挿入した第2固定具にて固定し、
所定数の複合板材が積層し且つ前記仮想線に沿って変形した状態で、前記第1固定具による固定を直ちに解除することにより、前記曲り主梁を製造することを特徴とする覆蓋製造方法。
【請求項2】
前記仮想線は、前記円弧部との連結位置から仮想線の線端までの間が、前記連結位置を接点とする接線に沿って直線状に形成される傾斜部とされていることを特徴とする請求項1に記載の覆蓋製造方法。
【請求項3】
前記第1固定具による固定を解除した後、前記曲り主梁の端部を、その端面が平坦となるように加工することを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の覆蓋製造方法。
【請求項1】
少なくとも軸線方向の中央部が所定の曲率半径を有する円弧形状となる曲り主梁を、薄板状の複合板材を複数枚積層することにより製造し、該曲り主梁を平面視方形の面板に長手方向に沿って取り付けて覆蓋を製造する覆蓋製造方法において、
前記複合板材は、プラスチック発泡体を無機繊維にて補強された素材により形成され、
前記所定の曲率半径より小さな曲率半径を有する円弧形状をなす円弧部を備える仮想線に沿って規制部材を配置し、
一枚目の複合板材を、円弧の内側から前記複数の規制部材に密着させて前記仮想線に沿って変形させつつ、円弧の外側から挿入した第1固定具にて前記複数の規制部材に固定し、
変形させた前記一枚目の複合板材を型枠として、二枚目以降の前記複合板材を、円弧の内側から一枚接着する都度、前記仮想線に沿って変形させつつ、円弧の内側から挿入した第2固定具にて固定し、
所定数の複合板材が積層し且つ前記仮想線に沿って変形した状態で、前記第1固定具による固定を直ちに解除することにより、前記曲り主梁を製造することを特徴とする覆蓋製造方法。
【請求項2】
前記仮想線は、前記円弧部との連結位置から仮想線の線端までの間が、前記連結位置を接点とする接線に沿って直線状に形成される傾斜部とされていることを特徴とする請求項1に記載の覆蓋製造方法。
【請求項3】
前記第1固定具による固定を解除した後、前記曲り主梁の端部を、その端面が平坦となるように加工することを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の覆蓋製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−44166(P2013−44166A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182686(P2011−182686)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】
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