説明

見切接続具

【課題】室内床の一部に配設される畳体の一角部に向けてそれぞれ配設される見切具の一角部側端部を見栄え良く納め得る見切接続具を提供する。
【解決手段】少なくとも一角部5cを形成するように室内床の一部に配設される畳体5とこの畳体の外周に配設される床板4との境界部分に沿わせるようにして前記一角部に向けてそれぞれ配設される見切具1,1の一角部側端部15,15における見切接続具3であって、前記各見切具の略45度にそれぞれ切断された一角部側端部が対向配置されて形成される隙間6を覆うとともにこれら見切具の一角部側端部の上面16,16を覆う接続カバー部材30を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内床の一部に配設される畳体の一角部に向けて畳体と床板との境界部分に沿わせるようにしてそれぞれ配設される見切具の一角部側端部における見切接続具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、床下地にそれぞれ設置される畳と床板(フローリング材)との境界部分に沿って配設される見切材が知られている。
例えば、下記特許文献1では、床下地上に設置された畳の周辺に配設される見切材が提案されている。この見切材は、床下地に固定される下側部材と、この下側部材を覆う上側部材とが組み合わされてなり、組み合わされた際に畳及び周辺部材(床板)と略面一な高さとなるとともに断面形状が長方形となる構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−241704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような見切材は、室内床の一部に畳コーナーを形成するように配設される畳の外周を囲むように配設され、床板と畳との境界部分に畳によって一角部(出隅部)が形成される場合がある。このような場合には、畳の一角部に向けてそれぞれ配設される見切材の各端部を略45度に切断して端部同士を突き合わせて留継状に納める場合があるが、加工誤差や施工誤差等に起因してこれら端部間に隙間が生じることが考えられ、更なる改善が望まれていた。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、室内床の一部に配設される畳体の一角部に向けてそれぞれ配設される見切具の一角部側端部を見栄え良く納め得る見切接続具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る見切接続具は、少なくとも一角部を形成するように室内床の一部に配設される畳体とこの畳体の外周に配設される床板との境界部分に沿わせるようにして前記一角部に向けてそれぞれ配設される見切具の一角部側端部における見切接続具であって、前記各見切具の略45度にそれぞれ切断された一角部側端部が対向配置されて形成される隙間を覆うとともにこれら見切具の一角部側端部の上面を覆う接続カバー部材を備えていることを特徴とする。
【0007】
本発明においては、前記接続カバー部材を、前記隙間に沿うようにして略帯板状に形成されたカバー本体部と、このカバー本体部に一体的に形成され、前記隙間に挿入される挿入片部と、を備えたものとしてもよい。
また、本発明においては、前記カバー本体部に、前記見切具と前記畳体との間に差し込まれる差込片部を設けてもよい。
また、本発明においては、前記見切具を、前記床板と前記畳体との間の床下地に固定される見切受部材と、この見切受部材に取り付けられて該見切受部材を覆い、前記隙間を形成する見切カバー部材と、を備えた構成とし、前記接続カバー部材の挿入片部に、前記見切カバー部材の一角部側端部の下面に係止される抜止突起を設けてもよい。
また、本発明においては、前記見切具を、前記床板と前記畳体との間の床下地に固定される見切受部材と、この見切受部材に取り付けられて該見切受部材を覆い、前記隙間を形成する見切カバー部材と、を備えたものとし、前記一角部に向けてそれぞれ配設される見切具の見切受部材の各一角部側端部が略90度にそれぞれ切断されてこれら端部間にスペースが形成される構成とし、当該見切接続具を、前記スペースにおいて床下地に固定されるカバー保持部材を更に備えたものとし、前記接続カバー部材の挿入片部が該カバー保持部材に係止されて保持される構造としてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る見切接続具は、上述のような構成としたことで、室内床の一部に配設される畳体の一角部に向けてそれぞれ配設される見切具の一角部側端部を見栄え良く納めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】(a)、(b)は、いずれも本発明の一実施形態に係る見切接続具の一例を模式的に示し、図4におけるX部にそれぞれ対応させた一部破断概略拡大平面図である。
【図2】(a)は、同見切接続具の概略斜視図、(b)は、同見切接続具の概略底面図、(c)は、図1(a)におけるY−Y線矢視に対応させて一部を省略した状態を示す一部破断概略分解縦断面図である。
【図3】(a)は、図1(a)におけるY−Y線矢視に対応させて一部を省略した状態を示す一部破断概略縦断面図、(b)は、同見切接続具を用いて端部が納められる見切具の一例を模式的に示し、図1(a)におけるY−Y線矢視に対応させて一部を省略した状態を示す一部破断概略分解縦断面図である。
【図4】同見切具及び同見切接続具を用いて床板と畳体との境界部分を納めた状態を模式的に示す概略平面図である。
【図5】(a)、(b)は、いずれも本発明の他の実施形態に係る見切接続具の一例を模式的に示し、図4におけるX部にそれぞれ対応させて一部を省略した状態を示す一部破断概略拡大斜視図である。
【図6】(a)は、図4におけるX部に対応させて一部を分解した状態を示す一部破断概略拡大斜視図、(b)は、図4におけるX部に対応させた一部破断概略拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
なお、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
また、以下の各実施形態では、見切接続具が施工された状態を基準として、上下方向等の方向を原則的に説明する。
【0011】
図1〜図4は、第1実施形態に係る見切接続具の一例を模式的に示す図である。
本実施形態に係る見切接続具3は、図4に示すように、床板4と畳体5との境界部分に沿って配設される見切具1,1とによって、床板4と畳体5との境界部分を納める見切装置を構成する。
本実施形態では、少なくとも一角部(出隅部)5cを形成するように室内床の一部に畳体5を配設し、畳体5の外周に沿わせるようにして床板4を配設した例を示している。見切接続具3は、これら床板4と畳体5との境界部分に沿って一角部5cに向けてそれぞれ配設される見切具1,1の一角部側端部15,15を接続するようにして納める構成とされている。
図例では、複数枚の畳体5の最外周の隣接する二側部を建物内の隣接する二壁面8,8に沿わせるようにして配設し、これら複数枚の畳体5の最外周の他の二側部に沿わせるようにして床板4を配設して室内床の一部に畳コーナーを形成した例を示している。
【0012】
なお、図例では、複数枚の畳体5として、九枚の半帖畳を例示しているが、このような枚数に限られず、また、一帖畳としてもよいが、複数枚の畳体5によって室内床の一部に形成される畳コーナーの平面視における形状が矩形状となるように配設することが好ましい。また、畳体5の配設態様としては、図例のように、単一の角部(一角部)5cを形成するように室内床の一部に畳体5を配設する態様に限られない。例えば、複数枚の畳体5の最外周を壁面に沿わせずに、その四周側部の全周に亘って沿わせるようにして床板4を配設する態様としてもよい。この場合は、畳体5によって四つの角部が形成されることとなる。または、複数枚の畳体5の最外周の一側部を建物内の一壁面に沿わせるようにして配設してもよい。この場合は、残余の三側部に沿わせるようにして床板4を配設すればよく、また、畳体5によって二つの角部が形成されることとなる。また、このような畳体5の配設態様に応じた本数の見切具1を、畳体5と床板4との境界部分に沿って配設し、また、これら見切具1の本数に応じた見切接続具3を配設するようにすればよい。また、壁面8と畳体5との境界部分には、畳寄等を配設するようにしてもよい。
【0013】
床板4は、無垢木材からなる床材や木質系材料等からなる平板状部材を積層した積層床材(積層フローリング)等からなり、図2(c)及び図3に示すように、室内床の床下地2上に配設される。
畳体5は、本実施形態では、いわゆる薄畳を例示しており、図2(c)及び図3に示すように、室内床の床下地2上に配設される。また、この畳体5は、本実施形態では、図2(c)及び図3に示すように、床板4よりも厚い寸法とされている。この畳体5の厚さ寸法は、15mm〜20mm程度としてもよく、床板4の厚さ寸法は、12mm〜15mm程度としてもよい。図例では、畳体5の厚さ寸法を15mmとし、床板4の厚さ寸法を12mmとした例を示している。
【0014】
本実施形態では、図4に示すように、複数枚の畳体5の最外周の一角部5cに向けて二本の見切具1,1を畳体5の最外周の側部にそれぞれ沿わせて配設した例を示している。また、これら二本の見切具1,1の一角部側端部15,15を、本実施形態に係る見切接続具3によって納めた例を示している。なお、本実施形態に係る見切接続具3の具体的構成については後述し、当該見切接続具3によって一角部側端部15,15が納められる見切具1,1の一例について説明する。
これら見切具1,1は、長尺状体とされ、床板4と畳体5との境界部分の長さ寸法にそれぞれ応じた長さ寸法とされている。
この見切具1は、図2(c)及び図3に示すように、本例では、床板4と畳体5との間の床下地2に固定される見切受部材20と、この見切受部材20を覆う見切カバー部材10と、を備えている。見切カバー部材10は、見切受部材20に嵌合して取り付けられる構造とされており、これら見切カバー部材10及び見切受部材20には、互いに嵌合する嵌合部14,23が設けられている。
【0015】
見切受部材20は、床下地2に固定される略平板状の固定片部21と、上方に開口する嵌合部としての溝状部23を形成するように幅方向に間隔を空けて固定片部21から立ち上がる一対の立上壁部22,22と、を有している。見切受部材20は、これら固定片部21と一対の立上壁部22,22とによって上方に向けて開口する断面略コ字状(略U字状または略C字状)とされている。
固定片部21の上面(溝状部23の溝底面)の幅方向略中央部位には、略V字状の細凹溝24が長手方向に沿って形成されている。このような細凹溝24を設けることで、当該見切受部材20を床下地2に固定する際に、釘やタッカー、ステイプル、ねじ等の固定止具9の誘いや目印とすることができ、施工性を向上させることができる。
【0016】
一対の立上壁部22,22の互いに向き合う各対向面(溝状部23の各内側面)には、係止部として、互いに向き合う方向に突出する係止突条が長手方向に沿って形成されている。図例では、これら立上壁部22,22の各対向面のそれぞれに一条の係止突条を設けた例を示している。見切受部材20は、これら立上壁部22,22の立上方向先端面(上端面)が床板4の上面4aと略同一平面状となるように形成されている。また、これら一対の立上壁部22,22のうちの床板4側の立上壁部22の床板4側の側面及び固定片部21の床板4側の端面は、同一平面とされ、床板4の側端面4bに対面して配設される床板側対面部となる。この床板側対面部に、床板4の側端面4bが当接または近接して配設される。
【0017】
また、見切受部材20は、畳体5側に設けられ、畳体5の側端面5bに対面して配設される対面部26を有している。本実施形態では、見切受部材20の対面部26を、当該見切受部材20の下端縁部(固定片部21の畳体5側の端部)から畳体5側に向けて突出するように形成された突片部25の突出方向先端面としている。この突片部25は、一対の立上壁部22,22のうちの畳体5側の立上壁部22の畳体5側に設けられている。この突片部25の対面部26に、畳体5の側端面5bが当接または近接して配設される。
見切受部材20は、この突片部25と、上記した固定片部21及び一対の立上壁部22,22とによって断面略F字状とされている。
【0018】
この見切受部材20は、床下地2上に配設され、幅方向両側に床板4及び畳体5が配設された状態では、図3(b)に示すように、溝状部23に加えて、畳体5側の立上壁部22と突片部25と畳体5とによって上方に向けて開口する凹溝を形成する構成とされている。
また、この見切受部材20の幅寸法は、床板4と畳体5との境界部分を見切る見切材としての見栄えや施工性、取り扱い性等の観点から、例えば、10mm〜50mm程度としてもよく、図例では、20mm程度とした例を示している。
【0019】
見切カバー部材10は、見切受部材20を覆う略平板状の受カバー部11と、床板4側に設けられ、床板4の側端部上面4cを覆うように配設される鍔状部12と、を有している。この見切カバー部材10は、その上面となる受カバー部11の上面11aが畳体5の上面5aと略面一となるように配設される。本例では、当該見切カバー部材10が施工された状態で、受カバー部11の上面11aと畳体5の上面5aとが完全な面一とはならずにこれらの間に僅かな段差が形成されるように受カバー部11を形成している。図例では、当該見切カバー部材10が施工された状態で、受カバー部11の上面11aが畳体5の上面5aよりも僅かに上方位置となるように受カバー部11を形成した例を示している。
【0020】
受カバー部11の上面11aと畳体5の上面5aとの段差寸法としては、見栄えやバリアフリー性等の観点から、5mm以下程度、好ましくは3mm以下程度としてもよく、この程度の段差を含んで略面一としている。なお、受カバー部11を、その上面11aが畳体5の上面5aよりも僅かに下方位置となるように形成してもよく、また、受カバー部11の上面11aと畳体5の上面5aとが完全な面一となるように形成してもよい。
受カバー部11の厚さ寸法は、床板4と畳体5との厚さ寸法の差異に応じた寸法とされており、本例では、受カバー部11の厚さ寸法を、床板4と畳体5との厚さ寸法の差異に上記段差寸法を加味した厚さ寸法としている。この受カバー部11の厚さ寸法は、床板4と畳体5との厚さ寸法の差異や上記段差寸法にもよるが、見栄えやバリアフリー性等の観点から、10mm以下程度、好ましくは5mm以下程度としてもよく、図例では、5mm程度とした例を示している。
【0021】
また、本例では、見切カバー部材10(受カバー部11)の畳体5側の上面側縁部11bを、突湾曲面形状とした突湾曲面部11bとしている。畳体5は、床板4と比べて柔軟性があり、踏んだ際に僅かに沈み込むことが考えられ、見切カバー部材10の畳体5側の上面側縁部を角張った形状とすれば、当該部位を踏んだ際に不快感が生じることも考えられるが、上記構成とすることで、このような不快感を低減させることができる。
なお、図例では、突湾曲面部11bを、上記した受カバー部11の上面11aと畳体5の上面5aとの段差寸法に概ね応じた半径のR面取り形状とした例を示しているが、突湾曲面形状であれば、どのような形状としてもよい。例えば、この突湾曲面部11bを、上記段差寸法よりも小さい半径のR面取り形状としてもよい。また、このような突湾曲面部11bを設けないようにしてもよい。
【0022】
鍔状部12は、その下面が床板4の側端部上面4cに近接または当接するようにして対面して配設される。この鍔状部12の幅寸法は、床板4の側端部上面4cを覆い得る寸法とすればよい。この鍔状部12の幅寸法としては、床板4や当該見切具1の施工誤差、床板4の側端面4bの加工誤差等に起因して床板4との間に生じる場合がある隙間を確実に覆い隠す観点や、見栄え等の観点から、2mm〜10mm程度としてもよい。図例では、鍔状部12の幅寸法を、5mm程度とした例を示している。
また、本例では、鍔状部12の上面12aを、床板4の上面4aに向けて降るように傾斜する傾斜面12aとしている。このような構成とすることで、床板4とその側端部上面4cを覆うように配設される鍔状部12の先端部(幅方向外方側端部)との段差を比較的に小さくすることができ、躓きや引っ掛かり等を抑制することができる。
なお、図例では、傾斜面12aを、見栄えや踏んだ際の感触を滑らかにする等の観点から突湾曲面とした例を示しているが、床板4の上面4aに向けて降るように傾斜する形状であれば、どのような形状としてもよい。例えば、この傾斜面12aを、略平坦面としてもよく、または、凹湾曲面としてもよい。さらには、このような傾斜面12aを設けないようにしてもよい。
【0023】
また、本例では、見切カバー部材10の畳体5側に、見切受部材20の突片部25に対応させて畳体5側に向けて延出するとともに突片部25の上面に向けて垂れ下がる垂下片部13を設けている。つまり、見切カバー部材10の鍔状部12を除いた幅寸法が見切受部材20の突片部25を含む幅寸法と略同寸法となるように、受カバー部11を畳体5側に向けて延出させるようにして垂下片部13を設けている。この垂下片部13は、上記した畳体5側の立上壁部22と突片部25と畳体5とによって形成される凹溝に嵌め込まれるようにして挿入される。
【0024】
また、この垂下片部13の畳体5側の側面は、当該見切カバー部材10が見切受部材20に取り付けられた状態で、見切受部材20の突片部25の対面部26と略同一平面状となるように配設される。つまり、この垂下片部13の畳体5側の側面が、畳体5の側端面5bに当接または近接して対面配置される見切カバー部材10の畳体5側の対面部となる。
また、垂下片部13の下端面は、当該見切カバー部材10が見切受部材20に取り付けられた状態で、見切受部材20の突片部25の上面に当接または近接して配設される。
【0025】
また、本例では、見切カバー部材10に、見切受部材20の溝状部23に挿入されて嵌合する嵌合部としての係合突片部14を設けている。この係合突片部14は、受カバー部11の下面から下方に向けて突出し、当該見切カバー部材10の長手方向に沿って形成されている。本例では、この係合突片部14と、垂下片部13とによって下方に向けて開口する凹溝が形成される構成としている。見切カバー部材10は、この凹溝に見切受部材20の畳体5側の立上壁部22を受け入れるようにして係合突片部14と垂下片部13とによって見切受部材20の畳体5側の立上壁部22を挟むように見切受部材20に係合する構成とされている。
【0026】
この係合突片部14の突出寸法は、当該見切カバー部材10が見切受部材20に取り付けられて受カバー部11の下面が両立上壁部22,22の上端面に当接した状態で、溝状部23の底面に当接しないように溝状部23の深さ寸法よりも小さく形成されている。また、この係合突片部14の幅方向外側面には、見切受部材20の溝状部23の内側面に設けられた係止突条に係止される被係止部が設けられている。図例では、被係止部として、幅方向外方側に向けて突出し、長手方向に沿って形成された複数本の係止突条を例示している。このように見切受部材20及び見切カバー部材10のそれぞれに互いに係止する係止部及び被係止部を設けることで、見切カバー部材10を見切受部材20に比較的に強固に取り付けることができる。
また、この係合突片部14の突出方向先端部は、見切受部材20の溝状部23にスムーズに挿入が可能となるように先細り状のテーパー形状とされている。
【0027】
また、本例では、係合突片部14を、受カバー部11の下面に幅方向に間隔を空けて設けられた一対のリブ状片部14,14とした例を示している。このように係合突片部を一対のリブ状片部14,14からなるものとすることで、これらの間の間隔を、これらリブ状片部14,14の互いに近接する方向への弾性変形を許容するスペースとすることができる。従って、見切受部材20に見切カバー部材10を取り付ける際には、これらリブ状片部14,14の変形を伴ってこれらリブ状片部14,14を見切受部材20の溝状部23にスムーズに嵌め入れることができ、比較的にスムーズに取り付けることが可能となる。なお、係合突片部としては、一対のリブ状片部14,14からなるものに限られず、単一のものとしてもよい。また、見切カバー部材10の長手方向に沿って、その全長に亘って一連に係合突片部14を設ける態様に限られず、長手方向に沿って間隔を空けて複数箇所に係合突片部14を設ける態様としてもよい。
【0028】
なお、上記した見切受部材20及び見切カバー部材10は、木質系材料から切削加工等によって一体的に上記形状にそれぞれ成形されたものとしてもよく、合成樹脂系材料から押出成形や射出成形、切削加工等によって一体的に上記形状にそれぞれ成形されたものとしてもよい。また、これら見切受部材20及び見切カバー部材10のそれぞれを、合成樹脂系材料に、木粉や無機フィラー、相溶化剤、着色剤などを所定の含有割合で含有させた木粉(木質)・プラスチック複合材(WPC)からなるものとしてもよい。さらには、これら見切受部材20及び見切カバー部材10のそれぞれを、金属系材料からなるものとしてもよい。また、これら見切受部材20及び見切カバー部材10のそれぞれを、同質系材料から形成する態様に限られない。例えば、見切カバー部材10を剛性等の観点から金属系材料からなるものとしたり、質感等の観点から木質系材料やWPCからなるものとしたりし、見切受部材20を成形性や取り扱い性、組付性等の観点から合成樹脂系材料やWPCからなるものとしたりしてもよい。
【0029】
上記構成とされた見切具1によれば、床板4とこの床板4よりも厚い畳体5との境界部分を見栄え良く納めることができる。つまり、見切具1は、床下地2に固定される見切受部材20と、この見切受部材20を覆う見切カバー部材10とを備えている。従って、釘やねじ等の固定止具9によって見切受部材20を固定した場合にもこの見切受部材20が見切カバー部材10で覆われるので固定止具9が露出せず、見栄えを向上させることができる。
また、見切カバー部材10に、床板4の側端部上面4cを覆うように配設される鍔状部12を設けている。従って、床板4や当該見切具1の施工誤差、床板4の側端面4bの加工誤差等に起因して床板4との間に隙間が形成されるような場合にも該隙間を覆い隠すことができ、見栄えを向上させることができる。また、これにより、床板4の畳体5側の側端部の加工を高精度に行う必要性が低減され、施工作業の効率化を図ることができる。
また、見切カバー部材10の上面11aが畳体5の上面5aと略面一となるように配設されるので、畳体5の側端面5bが大きく露出するようなことがなく、見栄えを向上させることができる。なお、見切カバー部材10の畳体5側に、畳体5の側端部上面を覆う鍔状部を設けることも考えられるが、畳体5は、比較的に柔軟であるので、該鍔状部が踏まれること等によって変形したり、損傷したりすることも考えられる。また、畳縁を有した畳体5である場合には、床板4との境界部分の畳縁の一部分等が覆われてしまい、他の部位の畳縁との違和感が生じることも考えられる。上記構成によれば、このような問題を生じさせることなく見栄え良く納めることができる。
【0030】
また、見切受部材20に、畳体5の側端面5bに対面して配設される対面部26を設けているので、後述するように、この対面部26と畳体5の側端面5bとを突き合わせるようにして施工することができ、施工性を向上させることができる。
また、見切受部材20に、床板4の側端面4bに対面して配設される上記床板側対面部を設けているので、後述するように、この床板側対面部と床板4の側端面4bとを突き合わせるようにして施工することができ、施工性を向上させることができる。
また、これらを施工した後に、見切受部材20を覆う見切カバー部材10を、見切受部材20に嵌合して取り付けることができ、施工性を向上させることができる。なお、床板4の側端部上面4cを覆う鍔状部12を見切カバー部材10に設けているので、見切受部材20に床板4の側端面4bと突き合わせられる床板側対面部を設けないようにしてもよい。
【0031】
さらに、本例では、見切受部材20に突片部25を設け、見切カバー部材10に垂下片部13を設けている。従って、例えば、見切カバー部材10の畳体5側に見切受部材20の突片部25に対応させた延出片のみを設けた場合と比べて、当該部位の浮きや変形等を抑制することができる。特に、本例では、見切カバー部材10が見切受部材20に取り付けられた状態で、垂下片部13の下端面が見切受部材20の突片部25の上面に当接または近接して配設される構成としているので、上記のような浮きや変形等をより効果的に抑制することができる。
【0032】
さらにまた、本例では、見切受部材20に、溝状部23を形成する一対の立上壁部22,22を設け、畳体5側の立上壁部22の畳体5側に突片部25を設け、見切カバー部材10に、溝状部23に挿入されて嵌合する係合突片部14を設けている。従って、見切受部材20の溝状部23に見切カバー部材10の係合突片部14を挿入して嵌合させることで見切カバー部材10を見切受部材20に容易に取り付けることができる。また、見切カバー部材10の係合突片部14と垂下片部13とが見切受部材20の畳体5側の立上壁部22を挟むようにしてこの立上壁部22に係合するので、見切カバー部材10の取付強度を向上させることができる。つまり、見切カバー部材10の係合突片部14及び垂下片部13と見切受部材20の溝状部23及び畳体5側の立上壁部22とが噛み合うように係合することとなり、見切カバー部材10の取付強度を向上させることができる。
【0033】
次に、上記構成とされた見切具1を用いた床板4と畳体5との境界部分の見切構造の施工手順の一例について簡単に説明する。
床板4が床下地2上に畳体5よりも先に施工されている場合には、床板4の側端面4bに、見切受部材20の上記床板側対面部を突き付けるようにして当接させて床下地2上に配設する。そして、見切受部材20の固定片部21を介して固定止具9を床下地2に捩じ込み(または打ち込み)、見切受部材20を床下地2に固定する。なお、見切受部材20の床下地2への固定は、固定止具9による固定に代えて、または加えて、粘着テープ等の粘着材や接着剤によって固定するようにしてもよい。
次いで、畳体5の側端面5bを、見切受部材20の畳体5側の対面部26に突き付けるようにして当接させて床下地2上に配設し、また、見切カバー部材10を見切受部材20に取り付けるようにしてもよい。見切カバー部材10の見切受部材20への取付は、互いの嵌合部14,23による嵌合に加えて、接着剤等を併用するようにしてもよい。
【0034】
一方、畳体5が床下地2上に床板4よりも先に施工されている場合には、上記とは概ね逆に、畳体5の側端面5bに、見切受部材20の畳体5側の対面部26を突き付けるようにして当接させて床下地2上に配設し、上記同様にして見切受部材20を床下地2に固定する。次いで、床板4の側端面4bを、見切受部材20の上記床板側対面部に突き付けるようにして当接させて床下地2上に配設し、見切カバー部材10を見切受部材20に取り付けるようにしてもよい。
【0035】
本実施形態では、上述のように、少なくとも一角部5cを形成するように室内床の一部に畳体5を配設している。このような場合には、畳体5の一角部5cに向けてそれぞれ配設される各見切具1,1の一角部側端部をそれぞれ略45度に切断し、これらの一角部側端部同士を突き合わせるようにして留継状に納めることも考えられるが、加工誤差や施工誤差等に起因してこれら端部間に隙間が生じることが考えられる。また、これらを隙間なく接合するためには、現場作業で微調整を行う必要があり面倒な作業ともなる。
そこで、これら見切具1,1の一角部側端部15,15を接続するように、本実施形態に係る見切接続具3が配設される。
【0036】
見切接続具3は、図1に示すように、各見切具1,1の略45度にそれぞれ切断された一角部側端部15,15が対向配置されて形成される隙間6を覆うとともにこれら見切具1,1の一角部側端部15,15の上面16,16を覆う接続カバー部材30を備えている。本実施形態では、図1(b)に示すように、各見切具1,1の見切カバー部材10,10の長手方向の各一端部を略45度にそれぞれ切断して、これらの一角部側端部15,15間に隙間6が形成されるように、これらの一角部側端部15,15を対向配置させた例を示している。
【0037】
なお、各見切具1,1の見切受部材20,20の各一角部側端部も同様にして隙間6を形成するように略45度にそれぞれ切断するようにしてもよい。また、これら見切受部材20,20は、見切カバー部材10,10にそれぞれ覆われて表面側には露出しないので、略45度にそれぞれ切断する態様に限られず、例えば、略90度にそれぞれ切断するようにしてもよい。また、図例では、比較的に隙間6の幅寸法(対向配置される見切カバー部材10,10の一角部側端部15,15間の寸法)を大きく図示しているが、少なくとも後記する挿入片部34の挿入が可能な寸法としてもよい。また、この隙間6の幅寸法は、後記するカバー本体部31によって、各見切具1,1の一角部側端部15,15の上面16,16を覆い得る程度の寸法であればよい。また、図例では、対向配置される見切カバー部材10,10の一角部側端面同士が略平行となるように、これら見切カバー部材10,10の長手方向の各一端部を略45度にそれぞれ切断した例を示しているが、このような態様に限られない。
【0038】
接続カバー部材30は、本実施形態では、隙間6に沿うようにして略帯板状に形成されたカバー本体部31と、このカバー本体部31に一体的に形成され、隙間6に挿入される挿入片部34と、を備えている(図2も参照)。
カバー本体部31は、図2(a)、(c)に示すように、薄平板状とされており、図1(a)に示すように、隙間6に沿わせるようにして、各見切具1,1の長手方向に対して傾斜して配設される構造とされている。このカバー本体部31は、隙間6の長さ寸法(上記幅寸法に直交する方向の寸法)に応じた長さとされるとともに、各見切カバー部材10,10の一角部側端部15,15の上面16,16を覆うように比較的幅狭とされている。このカバー本体部31の幅方向両側の縁端部は、見切カバー部材10,10の一角部側端部15,15の上面16,16のそれぞれに向けて降るように傾斜する傾斜面とされている。
【0039】
このカバー本体部31は、各見切カバー部材10,10の表面に沿うように形成されており、その長手方向一端側(床板4側)に、各見切カバー部材10,10の鍔状部12,12の傾斜面12a,12aに応じた傾斜カバー部32を有している。この傾斜カバー部32は、図3(a)に示すように、各見切カバー部材10,10の鍔状部12,12の傾斜面12a,12aを覆うとともに、傾斜方向先端面が床板4の上面4aに当接または近接して配設されるように形成されている。また、この傾斜カバー部32は、図1(a)及び図2(b)に示すように、各見切カバー部材10,10の鍔状部12,12の各先端面を接続するようにして出隅部を形成するように、平面視して略三角形状に突出した形状とされている。
【0040】
また、カバー本体部31は、その長手方向他端側(畳体5側)に、見切具1(見切カバー部材10)と畳体5との間に差し込まれる差込片部33を有している。この差込片部33は、各見切カバー部材10,10の垂下片部13,13に応じた形状とされており、図3(a)に示すように、各見切カバー部材10,10の突湾曲面部11b,11bを覆うとともに、垂下片部13,13の側面を覆うように形成されている。また、この差込片部33は、図1(a)及び図2(b)に示すように、各見切カバー部材10,10の垂下片部13,13の各側面を接続するようにして入隅部を形成するように、平面視して略V字状に凹んだ形状とされている。なお、図1(a)及び図3(a)では、差込片部33が畳体5に重合しているように図示しているが、差込片部33は比較的に薄く、また、畳体5は比較的に柔軟であるので、この差込片部33は、畳体5の一角部5cの変形を伴って見切カバー部材10と畳体5との間に差し込まれる。
また、カバー本体部31は、当該カバー本体部31の幅方向中心線を対称軸として略線対称な形状とされている。
【0041】
挿入片部34は、図2に示すように、薄平板状とされ、カバー本体部31の幅方向略中心部の下面から下方に向けて垂れ下がるように形成されている。この挿入片部34は、その両側の各側面が、対向配置される見切カバー部材10,10の一角部側端面のそれぞれに近接または当接するようにして対面配置される。
また、本実施形態では、挿入片部34は、略三角形状に突出した形状とされた傾斜カバー部32の頂角部位と略V字状に凹んだ形状とされた差込片部33の底角部位とを接続するようにこれらの内側面にも連なるように設けられている。また、この挿入片部34は、床板4との干渉を防止するように、傾斜カバー部32側が切り欠かれた形状とされている。
【0042】
また、本実施形態では、挿入片部34に、見切カバー部材10の一角部側端部15の下面17に係止される抜止突起35を設けている。本実施形態では、図1及び図2(b)に示すように、この抜止突起35を、挿入片部34の一側面にのみ設けており、対向配置される見切カバー部材10,10の一方の一角部側端部15の下面17に係止される構成とされている。
この抜止突起35は、図1、図2(a)及び図3(a)に示すように、挿入片部34の一側面から見切カバー部材10の長手方向に沿う方向に棚状に突出し、その上面が見切カバー部材10の一角部側端部15の下面17に近接または当接するようにして対面配置される。図例では、この抜止突起35は、見切カバー部材10の一対のリブ状片部14,14間の下面17に係止される構成とされている。また、図例では、この抜止突起35の下面側の挿入片部34の一側面に、この抜止突起35に略直交するように一連に形成されたリブ状突起を設けている。このようなリブ状突起を抜止突起35の下面側に一連に設けることで、見切カバー部材10の一角部側端部15の下面17に係止させる際等における抜止突起35の変形や損傷等を抑制することができる。
なお、接続カバー部材30は、合成樹脂系材料や、上記したWPC、金属系材料等から一体的に上記形状に成形されたものとしてもよい。
【0043】
上記構成とされた見切接続具3としての接続カバー部材30は、上述のように長手方向の各一端部が切断された各見切具1,1を、畳体5の一角部5cに向けてそれぞれ配設した後、これら見切具1,1の見切カバー部材10,10の一角部側端部15,15に取り付けるようにしてもよい。この接続カバー部材30の見切カバー部材10,10への取り付けは、挿入片部34の抜止突起35を見切カバー部材10の一角部側端部15の下面17に係止させるのみで取り付ける態様としてもよいが、これに加えて接着剤等によって接着するようにしてもよい。
【0044】
上記構成とされた本実施形態に係る見切接続具3によれば、室内床の一部に配設される畳体5の一角部5cに向けてそれぞれ配設される見切具1,1の一角部側端部15,15を見栄え良く納めることができる。
つまり、各見切具1,1の一角部側端部15,15間の隙間6を覆うとともにこれら見切具1,1の一角部側端部15,15の上面16,16を覆う接続カバー部材30を備えているので、これら見切具1,1の一角部側端部15,15を見栄え良く納めることができる。また、これにより、各見切具1,1(見切りカバー部材10,10)の一角部側端部15,15の加工や各見切具1,1(見切りカバー部材10,10)の施工を高精度に行う必要性が低減され、加工作業や施工作業の効率化を図ることができる。
【0045】
また、本実施形態では、接続カバー部材30を、隙間6に沿うようにして略帯板状に形成されたカバー本体部31を備えた構成としている。従って、畳体5の一角部5cにおいて、カバー本体部31が目立ち難く、すっきりとした外観となり、見栄えを向上させることができる。
また、本実施形態では、接続カバー部材30を、このカバー本体部31に一体的に形成され、隙間6に挿入される挿入片部34を備えた構成としているので、挿入片部34を隙間6に挿入することで、カバー本体部31の位置合わせを容易に行うことができる。
【0046】
さらに、本実施形態では、接続カバー部材30のカバー本体部31に、見切具1(見切カバー部材10)と畳体5との間に差し込まれる差込片部33を設けている。従って、カバー本体部31に足指等が引っ掛けられたりしてカバー本体部31が見切具1から脱離してしまうようなことを抑制することができる。なお、このような差込片部33を設けずに、接続カバー部材30のカバー本体部31の長手方向他端側(畳体5側)を、床板4側と略同様、畳体5の上面5aに当接または近接して配設される端面を有した形状としてもよい。
【0047】
さらにまた、本実施形態では、接続カバー部材30の挿入片部34に、見切カバー部材10の一角部側端部15の下面17に係止される抜止突起35を設けている。従って、例えば、接続カバー部材30を接着等のみによって見切カバー部材10に取り付ける態様とした場合と比べて、接続カバー部材30の取付強度を向上させることができる。なお、本実施形態では、挿入片部34の一方の側面のみに抜止突起35を設けた例を示しているが、挿入片部34の両側側面に抜止突起をそれぞれに設ける態様としてもよい。さらには、このような抜止突起を設けないようにしてもよい。この場合には、挿入片部34も設けないようにしてもよい。このようなものでも接続カバー部材30のカバー本体部31を、接着等によって見切カバー部材10,10に取り付けることができる。
【0048】
次に、本発明に係る他の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図5及び図6は、第2実施形態に係る見切接続具の一例を模式的に示す図である。
なお、上記第1実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
【0049】
本実施形態に係る見切接続具3Aは、図5及び図6に示すように、床下地2に固定されるカバー保持部材40を備えている点が上記第1実施形態に係る見切接続具3とは大きく異なる。
本実施形態では、畳体5の一角部5cに向けてそれぞれ配設される見切具1,1の各見切受部材20,20の長手方向の一端部を略90度にそれぞれ切断して、これら一角部側端部27,27間にスペース7を形成している。図例では、これら一角部側端部27,27、床板4及び畳体5によって、平面視して略L字状のスペース7を形成した例を示しており、カバー保持部材40は、このスペース7において床下地2に固定される構成とされている。
【0050】
このカバー保持部材40は、図5に示すように、各見切受部材20,20の一角部側端部27,27同士を接続するように平面視して略L字状に形成されている。また、このように略L字状に形成されたカバー保持部材40の各辺部は、見切受部材20に対応させて形成されており、見切受部材20の縦断面形状と概ね同様の縦断面形状とされている。つまり、カバー保持部材40の各辺部は、固定片部41と、溝状部43を形成する一対の立上壁部42,42と、突片部45と、をそれぞれに備えている。なお、図例では、カバー保持部材40の立上壁部42,42の各対向面に、上述のような係止部としての係止突条を設けていない例を示しているが、上記同様の係止突条を設けるようにしてもよい。
また、カバー保持部材40の各辺部には、各見切受部材20,20の溝状部23,23に係合する係合突片44,44がそれぞれに設けられている。このような係合突片44,44をカバー保持部材40に設けることで、当該カバー保持部材40を床下地2上に配設する際における位置合わせ等を容易に行うことができ、施工性を向上させることができる。図例では、各係合突片44,44は、それぞれの固定片部41,41の上面に沿わせるようにして、それぞれに見切受部材20,20の長手方向に沿って突出するように形成されている。
【0051】
また、カバー保持部材40には、本実施形態に係る見切接続具3Aが備える接続カバー部材30A(図6参照)の挿入片部34Aを保持する保持部46が設けられている。
この保持部46は、上記のように略L字状とされたカバー保持部材40の角部に設けられており、各見切具1,1の見切カバー部材10,10の一角部側端部15,15間に形成される隙間6(図6(a)参照)に沿うように形成されている。この保持部46は、カバー保持部材40の各辺部の一対の立上壁部42,42の出隅部及び入隅部を接続するように、かつ固定片部41から浮くようにして固定片部41よりも上方位置となるように設けられている。
また、この保持部46には、接続カバー部材30Aの挿入片部34Aが挿入される上下に貫通したスリット状の開口47が設けられている。
なお、カバー保持部材40は、合成樹脂系材料や、上記したWPC、金属系材料等から一体的に上記形状に成形されたものとしてもよい。
【0052】
接続カバー部材30Aは、図6(a)に示すように、上記第1実施形態に係る接続カバー部材30とは、挿入片部34Aの構成が主に異なる。
本実施形態では、挿入片部34Aは、隙間6の長さ方向に沿う両側に切欠部を形成するようにして、同長さ方向略中央部位の寸法が上記第1実施形態に係る接続カバー部材30の挿入片部34よりも小さく形成されている。また、この挿入片部34Aの上記略中央部位は、隙間6の長さ方向に沿って二股状に分割されており、これら分割片部の先端部(下端部)に、それぞれ逆側に向けて突出する爪状の係止突起36,36が設けられている。この挿入片部34Aは、カバー保持部材40の保持部46に設けられた開口47に挿入されて係止突起36,36が保持部46の下面側の開口縁に係止することで、カバー保持部材40に係止されて保持される構造とされている。
【0053】
上記構成とされた本実施形態に係る見切接続具3Aは、以下のようにして施工するようにしてもよい。
まず、図5(a)に示すように、長手方向の一端部が略90度にそれぞれ切断された各見切受部材20,20を、これらの一角部側端部27,27間にスペース7が形成されるように畳体5の一角部5cに向けてそれぞれ床下地2上に配設する。この際、上記第1実施形態において説明したように、床板4及び畳体5も同様にして床下地2上に配設するようにしてもよい。
次いで、図5(b)に示すように、カバー保持部材40の係合突片44,44を、各見切受部材20,20の一角部側端部27,27の溝状部23,23に嵌め込むようにして係合させ、カバー保持部材40を床下地2に固定する。このカバー保持部材40の床下地2への固定態様としては、上記した見切受部材20の床下地2への固定態様と同様としてもよい。なお、図例では、カバー保持部材40の各辺部の端面と各見切受部材20,20の各一角部側端面とを当接させたように図示しているが、これらの端面間は、見切カバー部材10,10によって覆われて表面側には露出しないので、これら端面間に隙間が形成されていてもよい。
【0054】
そして、図6(a)に示すように、長手方向の各一端部が略45度にそれぞれ切断された見切カバー部材10,10の一角部側端部15,15間に隙間6が形成されるように、各見切カバー部材10,10を各見切受部材20,20に取り付ける。
次いで、図6(b)に示すように、接続カバー部材30Aの挿入片部34Aを、隙間6を介して挿入し、カバー保持部材40の保持部46(図5参照)に係止させて保持させる。なお、接続カバー部材30Aは、カバー保持部材40に係止、保持させるのみとしてもよいが、上記同様、接着剤等によって見切カバー部材10,10に接着するようにしてもよい。
【0055】
上記構成とされた本実施形態に係る見切接続具3Aにおいても、上記第1実施形態と概ね同様の効果を奏する。
また、本実施形態では、見切接続具3Aは、接続カバー部材30Aの挿入片部34Aを係止、保持するカバー保持部材40を備えている。従って、各見切具1,1の端部形状に大きく依存することなく接続カバー部材30Aを比較的に強固にかつ確実に、見切具1,1の一角部側端部15,15に取り付けることができる。
なお、カバー保持部材40は、スペース7において床下地2に固定され、接続カバー部材30Aの挿入片部34Aを係止、保持する構造のものであれば、上記したものに限られず、どのようなものとしてもよい。
【0056】
また、上記各実施形態では、接続カバー部材30(30A)のカバー本体部31を、隙間6に沿うようにして略帯板状に形成されたものとした例を示しているが、このような態様に限られない。例えば、カバー本体部31の形状を、平面視して略正方形状としたり、略三角形状としたりしてもよく、その他の多角形状、菱形状等としたりしてもよい。カバー本体部31としては、対向配置される各見切カバー部材10,10の一角部側端部15,15の各上面16,16を、各一角部側端面間の隙間6を跨ぐように覆い得る形状とすればよい。
【0057】
また、上記した例では、見切接続具3(3A)によって一角部側端部が納められる見切具1の見切受部材20に溝状部23を設け、見切カバー部材10に係合突片部14を設けた例を示しているが、このような態様に限られない。例えば、見切受部材20の幅方向両側に上記同様の突片部を設け、その中央部位等に上方に向けて突出する係合突片部を設け、見切カバー部材10に、この係合突片部に嵌合する溝状部を形成するように幅方向に間隔を空けて一対の垂下片部を設けるようにしてもよい。この場合は、見切受部材20の突片部を固定片部として把握するようにしてもよい。
また、上記した例では、見切受部材20に突片部25を設け、見切カバー部材10に垂下片部13を設けた例を示しているが、このような態様に代えて、見切カバー部材10に、突片部25に対応させて畳体5側に延出する延出片を設けた態様としてもよい。さらには、このような見切カバー部材10の垂下片部13や延出片、鍔状部12及び見切受部材20の突片部25を設けないようにしてもよい。この場合は、見切受部材20の畳体5側の立上壁部22の畳体5側の側面及び見切カバー部材10の受カバー部11の畳体5側の側端面を、それぞれ畳体5側の対面部として把握するようにしてもよい。また、この場合は、見切接続具3(3A)の接続カバー部材30(30A)のカバー本体部31を、見切カバー部材10の形状に対応させて適宜、変形するようにしてもよい。
【0058】
さらに、上記した例では、床板4とこの床板4よりも厚い畳体5との境界部分に沿って畳体5の一角部5cに向けてそれぞれ配設される見切具1,1を例示しているが、このような態様に限られない。例えば、厚さ寸法が互いに略同寸法とされた床板と畳体との境界部分に沿って配設される見切具としてもよい。この場合は、見切接続具3(3A)の接続カバー部材30(30A)のカバー本体部31を、見切具1の形状に対応させて適宜、変形するようにしてもよい。
さらにまた、上記した例では、見切具1として、床板4と畳体5との間の床下地2に固定される見切受部材20と、この見切受部材20に取り付けられて見切受部材20を覆う見切カバー部材10と、を備えた二部材からなるものを例示しているが、このような態様に限られない。例えば、一部材からなる各見切具の一角部側端部を見切接続具3(3A)によって納める態様としてもよい。
【符号の説明】
【0059】
3,3A 見切接続具
30,30A 接続カバー部材
31 カバー本体部
33 差込片部
34,34A 挿入片部
35 抜止突起
40 カバー保持部材
1 見切具
10 見切カバー部材
15 一角部側端部
16 一角部側端部の上面
17 一角部側端部の下面
20 見切受部材
27 一角部側端部
2 床下地
4 床板
5 畳体
5c 畳体の一角部
6 隙間
7 スペース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一角部を形成するように室内床の一部に配設される畳体とこの畳体の外周に配設される床板との境界部分に沿わせるようにして前記一角部に向けてそれぞれ配設される見切具の一角部側端部における見切接続具であって、
前記各見切具の略45度にそれぞれ切断された一角部側端部が対向配置されて形成される隙間を覆うとともにこれら見切具の一角部側端部の上面を覆う接続カバー部材を備えていることを特徴とする見切接続具。
【請求項2】
請求項1において、
前記接続カバー部材は、前記隙間に沿うようにして略帯板状に形成されたカバー本体部と、このカバー本体部に一体的に形成され、前記隙間に挿入される挿入片部と、を備えていることを特徴とする見切接続具。
【請求項3】
請求項2において、
前記カバー本体部には、前記見切具と前記畳体との間に差し込まれる差込片部が設けられていることを特徴とする見切接続具。
【請求項4】
請求項2または3において、
前記見切具は、前記床板と前記畳体との間の床下地に固定される見切受部材と、この見切受部材に取り付けられて該見切受部材を覆い、前記隙間を形成する見切カバー部材と、を備えた構成とされており、
前記接続カバー部材の挿入片部には、前記見切カバー部材の一角部側端部の下面に係止される抜止突起が設けられていることを特徴とする見切接続具。
【請求項5】
請求項2または3において、
前記見切具は、前記床板と前記畳体との間の床下地に固定される見切受部材と、この見切受部材に取り付けられて該見切受部材を覆い、前記隙間を形成する見切カバー部材と、を備え、前記一角部に向けてそれぞれ配設される見切具の見切受部材の各一角部側端部が略90度にそれぞれ切断されてこれら端部間にスペースが形成される構成とされており、
前記スペースにおいて床下地に固定されるカバー保持部材を更に備え、前記接続カバー部材の挿入片部が該カバー保持部材に係止されて保持される構造とされていることを特徴とする見切接続具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−104270(P2013−104270A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250518(P2011−250518)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】