説明

見守りシステム及び見守り装置並びにプログラム

【課題】見守り対象の動きを学習することができ、どのような見守り対象であってもその色々な状態をより正確に通知できるようにする。
【解決手段】見守りシステムを構成する家庭内サーバ装置1は、センサ装置2により検出された見守り対象の動きを示す検出結果を見守り対象の動作パターンとし、携帯端末装置8から入力された見守り対象の動作内容をその状態として見守りデータベースWTに記憶させて登録した状態において、センサ装置2により検出された検出結果に基づいて見守りデータベースを参照し、該当する動作パターンに対応する状態を見守り対象の動作内容として判定して携帯端末装置8に通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、見守り対象を通信ネットワーク経由で見守る見守りシステム及び見守り装置並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、犬、猫などのペットを飼う人や、独居の高齢者(お年寄り)が増えてきているが、ペットの飼い主にあっては、外出した際に屋内に放ったペットの状態が気にかかり、また、高齢者と離れて暮らしている血縁者などにあっては、高齢者の状態(様子)が気にかかる。このような場合に、屋内設置の監視カメラによる映像を、遠隔通信網を介して携帯端末装置やパーソナルコンピュータ(PC)で受信することにより遠隔の携帯端末装置やPC側でもペットや高齢者の状態を確認することが可能となるが、カメラ映像を注意深く見ていなければならず、ちょっとでも目を離してしまうと、その状態を知ることができなくなることが多かった。
ところで、従来においては、お年寄りなどが持つ杖に加速度センサを設け、この加速度センサによる検出結果を利用者(見守り対象者)の状態(歩行、静止)として見守り装置に送信することによりアニメーション表示させるようにした技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−199319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1の技術にあっては、見守り対象者の状態をアニメーション表示することで視覚的にわかり易い表示となるが、見守り対象として杖を使う人に限られると共に、見守り対象者の状態として歩行や静止しか表示することができず、汎用的な技術とは言えなかった。
【0005】
本発明の課題は、見守り対象の動きを学習することができ、どのような見守り対象であってもその色々な状態をより正確に通知できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために本発明の一つの態様は、
見守り対象を通信ネットワーク経由で見守る見守りシステムであって、
見守り対象の動作を検出するセンサ手段と、
見守り対象の動作内容を入力する入力手段と、
前記センサ手段による検出結果を見守り対象の動作パターンとし、前記入力手段による入力結果を見守り対象の状態として、前記動作パターンと前記状態とを対応付けて記憶する動作記憶手段と、
前記センサ手段による検出結果に基づいて前記動作記憶手段を参照し、該当する動作パターンに対応する状態を見守り対象の動作内容として判定する判定手段と、
前記判定手段により判定された見守り対象の動作内容を通知する通知手段と、
を具備したことを特徴とする見守りシステムである。
【0007】
上述した課題を解決するために本発明の他の態様は、
見守り対象を見守る装置であって、
見守り対象の動作を検出するセンサ手段からその検出結果を取得する取得手段と、
見守り対象の動作内容を入力する入力手段と、
前記取得手段により取得した前記センサ手段の検出結果を見守り対象の動作パターンとし、前記入力手段による入力結果を見守り対象の状態として、前記動作パターンと前記状態とを対応付けて記憶する動作記憶手段と、
前記センサ手段による検出結果に基づいて前記動作記憶手段を参照し、該当する動作パターンに対応する状態を見守り対象の動作内容として判定する判定手段と、
前記判定手段により判定された見守り対象の動作内容を出力する出力手段と、
を具備したことを特徴とする見守り装置である。
【0008】
更に、上述した課題を解決するために本発明の他の態様は、
コンピュータに対して、
見守り対象の動作を検出するセンサ手段からその検出結果を取得する機能と、
見守り対象の動作内容を入力する機能と、
前記取得した前記センサ手段の検出結果を見守り対象の動作パターンとし、前記入力結果を見守り対象の状態として、前記動作パターンと前記状態とを対応付けて記憶する動作記憶手段を、前記センサ手段による検出結果に基づいて参照し、該当する動作パターンに対応する状態を見守り対象の動作内容として判定する機能と、
前記判定された見守り対象の動作内容を出力する機能と、
を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、見守り対象の動きを学習することができ、どのような見守り対象であってもその色々な状態を正確に通知することが可能となり、汎用性及び正確性に富んだものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】見守り対象を通信ネットワーク経由で見守る見守りシステムの概要を示したブロック図。
【図2】家庭内サーバ装置(見守り管理装置)1の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図3】センサ装置2の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図4】携帯端末装置8の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図5】家庭内サーバ装置1側の見守りデータベースWTを説明するための図。
【図6】(1)、(2)は、見守り対象(ペット)の状態を示すキャラクタを端末装置(PC6あるいは携帯端末装置8)の端末画面に表示させた場合の表示例を示した図。
【図7】センサ装置2において、電源オン操作に応じて実行開始される全体動作の概要を示したフローチャート。
【図8】携帯端末装置8の全体動作のうち、本実施形態の特徴的な動作概要(登録処理)を示したフローチャート。
【図9】家庭内サーバ装置1の全体動作のうち、一定時間毎の割り込みにより実行開始される本実施形態の特徴的な動作概要(登録処理)を示したフローチャート。
【図10】家庭内サーバ装置1の全体動作のうち、一定時間毎の割り込みにより実行開始される本実施形態の特徴的な動作概要(状態判定処理)を示したフローチャート。
【図11】携帯端末装置8において見守り対象(ペット)の動作を登録する場合の画面を示し、(1)は新規登録画面、(2)は、既登録画面を示した図。
【図12】第2実施形態において、携帯端末装置8の全体動作のうち、第2実施形態の特徴的な動作概要(登録処理)を示したフローチャート。
【図13】第2実施形態において、携帯端末装置8の全体動作のうち、第2実施形態の特徴的な動作概要(状態判定処理)を示したフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
先ず、図1〜図11を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、見守り対象を通信ネットワーク経由で見守る見守りシステムの概要を示したブロック図である。
見守りシステムは、家庭内サーバ装置(見守り管理装置)1を中核とするもので、この家庭内サーバ装置1は、見守り対象(例えば、ペット(犬))に装着されているセンサ装置2に、家庭内LAN(Local Area Network)3を構成するアクセスポインタ4を介して通信接続されたパーソナルコンピュータ(PC)である。
【0012】
この家庭内サーバ装置1には、インターネット5を介して他のパーソナルコンピュータ(PC)6に通信接続が可能であると共にインターネット5、無線通信網7を介して携帯端末装置8に通信接続が可能となっている。センサ装置2は、例えば、見守り対象がペットの場合には首輪装着型の小型電子機器である。なお、センサ装置2は、首輪に一体成型されたものであってもよいが、取り外し可能に装着されたものであってもよい。このセンサ装置2は、後で詳述するが、見守り対象の動きを検出するもので、その検出結果を、家庭内LAN3を介して家庭内サーバ装置1に送信するようにしている。
【0013】
家庭内サーバ装置1は、端末装置(PC6あるいは携帯端末装置8)から見守り対象の状態確認の要求を受けた場合に、家庭内LAN3を介してセンサ装置2をアクセスし、センサ装置2から受信取得した検出結果に基づいて、見守りデータベースWTを検索することにより、見守り対象の状態(例えば、食事中、就寝中など)を判定し、その状態を示す絵図(キャラクタ)を、その状態を示す文字列と共に、要求元の端末(PC6あるいは携帯端末装置8)に送信してその端末画面に表示させるようにしている。このように本実施形態における見守りシステムは、家庭内サーバ装置1とセンサ装置2との間で通信ネットワークを介してデータ送受信を行うと共に、家庭内サーバ装置1とPC6や携帯端末装置8との間で通信ネットワークを介してデータ送受信を行うことが可能な広域通信システムである。
【0014】
図2は、家庭内サーバ装置1の基本的な構成要素を示したブロック図である。
家庭内サーバ装置1は、文章作成機能、電子メール機能、インターネット接続機能、時計機能などの基本機能のほか、上述したように見守り対象の状態をリアルタイムに確認可能な見守り機能を有している。CPU11は、電源部12からの電力供給によって動作し、記憶部13内の各種のプログラムに応じてこの家庭内サーバ装置1の全体動作を制御する中央演算処理装置である。記憶部13は、例えば、ROM、フラッシュメモリなどを有する構成で、図9及び図10に示した動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムや各種のアプリケーションなどが格納されている。
【0015】
すなわち、記憶部13は、プログラムメモリSPと、見守りデータベースWTなどを有するほか、家庭内サーバ装置1が動作するために必要な各種の情報(例えば、フラグ、タイマなど)を一時的に記憶するワーク領域(図示省略)を有する構成となっている。なお、時計機能により計時された現在時刻も記憶部13に記憶されて逐次更新される。なお、記憶部13は、例えば、SDカード、ICカードなど、着脱自在な可搬型メモリ(記録メディア)を含む構成であってもよく、図示しないが、通信機能を介してネットワークに接続された状態においては所定の外部サーバ側の記憶領域を含むものであってもよい。
【0016】
広域通信部14は、電子メール機能、インターネット接続機能時に使用されるもので、インターネット5、無線通信網7を介して端末装置(PC6あるいは携帯端末装置8)との間でデータの送受信を行う。LAN通信部15は、見守り用のセンサ装置2との間で家庭内LAN3を介してデータの送受信を行うためのLAN通信モジュールである。表示部16は、例えば、高精細液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ、電気泳動型ディスプレイ(電子ペーパ)などを使用したもので、文字情報、待受画像などの表示情報を表示する。この表示部16の表面には、指の接触を検出する接触操作部(透明な接触センサ)を積層配設することによってタッチスクリーン(タッチ画面)が構成されている。操作部17は、図示省略したが、電源オン/オフキー、文字キー、ファンクションキーなどを有し、CPU11は、操作キーに応じた処理を行う。
【0017】
図3は、センサ装置2の基本的な構成要素を示したブロック図である。
センサ装置2は、CPU21を中核とするもので、二次電池を備えた電源部22からの電力供給によって動作する。CPU21は、記憶部23内の各種のプログラムに応じてこのセンサ装置2の全体動作を制御する。記憶部23は、ROM、フラッシュメモリなどを有する構成で、図7に示した動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムを記憶するプログラムメモリCPのほか、各種の情報(フラグ、タイマなど)を一時的に記憶するワーク領域(図示省略)が設けられている。CPU21には、その周辺デバイスとしてLAN通信部24、電源ボタン25、モーションセンサ26が接続されている。LAN通信部24は、家庭内LAN3を介して家庭内サーバ装置1との間でデータの送受信を行うためのLAN通信モジュールである。電源ボタン25は、電源部22をオン/オフさせる機構的な押しボタンである。
【0018】
モーションセンサ26は、例えば、6軸のモーションセンサで、3軸の加速度センサ26Aと3軸の地磁気センサ26Bを有する構成となっている。加速度センサ26Aは、見守り対象(例えば、ペット)の動きとして、例えば、激しい大きな動き、ゆったりとした遅い動き、細かな動き、早い動き、不規則な動きなど)を検出するセンサである。すなわち、加速度センサ26Aは、センサ装置2に加えられる振動(揺れ)の状態を検出して、その振動(加速度)の大きさに応じた振動波形の電圧値を出力するもので、例えば、互いに直交する3軸方向(X・Y・Z軸方向)に応じた加速度、つまり、前後、左右、上下の3軸にかかる加速度の大きさに比例した電圧値を出力する構成の3軸加速度センサであるが、3軸に限らないことは勿論である。
【0019】
地磁気センサ26Bは、センサ装置2の姿勢(向き及び傾き)として、前後方向及び左右方向の地磁気をセンサ装置2の向きとして検出するほかに、上下方向の地磁気をセンサ装置2の傾きとして検出する3軸地磁気センサであるが、3軸に限らないことは勿論である。この地磁気センサ26Bにより見守り対象の向きを検出するが、本実施形態においては、この地磁気センサ26Bの検出結果と加速度センサ26Aの検出結果に基づいて見守り対象の移動距離及び移動方向を求め、この移動距離及び移動方向に基づいて見守り対象の現在の場所(大雑把な位置)を特定するようにしている。
【0020】
すなわち、CPU21は、加速度センサ26Aの検出結果に基づいて見守り対象の歩行周期、歩行速度、歩数を算出すると共に、歩行周期、歩行速度、歩数から移動距離を算出する。そして、この算出した移動距離と、地磁気センサ26Bの検出結果に基づいて特定した移動方向から見守り対象の移動経路を算出する。これによって算出した移動経路によって特定される現在の位置が、予め登録されている起点からの各設定位置、例えば、家庭内の部屋毎に設定された位置のうち、そのいずれに該当しているかによって現在の居場所を検出するようにしている。なお、モーションセンサ26を3軸の加速度センサ26A及び3軸の地磁気センサ26Bのほか、3軸角速度センサを加えた構成とするようにしてもよい。このようにモーションセンサ26は、9軸のモーションセンサであってもよいが、本実施形態においては3軸加速度センサ26Aと3軸地磁気センサ26Bとから成る6軸のモーションセンサを使用している。
【0021】
このように構成されたモーションセンサ26は、定期的(例えば、100ms)に動作されるが、その動作周期は、見守り対象の種類や状態などに応じて任意に設定可能としてもよい。なお、モーションセンサ26として加速度センサ26Aと地磁気センサ26Bを組み合わせた構成に限らず、加速度センサ26Aと地磁気センサ26Bを別体とする構成であってもよい。CPU21は、加速度センサ26A及び地磁気センサ26Bを定期的に動作させることによって検出された検出結果(X・Y・Z軸対応の加速度及び方向)を取り込んで、記憶部23内に順次一時記憶させる。例えば、100ms毎の検出結果を“1分間分、順次記憶させる。
【0022】
図4は、携帯端末装置8の基本的な構成要素を示したブロック図である。
携帯端末装置8は、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能、時計機能などの基本機能のほか、見守り対象の状態をリアルタイムに確認可能な見守り機能を有している。CPU81は、電源部82からの電力供給によって動作し、記憶部83内の各種のプログラムに応じてこの携帯端末装置8の全体動作を制御する中央演算処理装置である。記憶部83は、例えば、ROM、フラッシュメモリなどを有する構成で、本実施形態を実現するためのプログラムや各種のアプリケーションなどが格納されている。
【0023】
記憶部83は、図8に示した動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムメモリTPなどを有するほか、携帯端末装置8が動作するために必要な各種の情報(例えば、フラグ、タイマなど)を一時的に記憶するワーク領域(図示省略)を有する構成となっている。なお、時計機能により計時された現在時刻も記憶部83に記憶されて逐次更新される。なお、記憶部83は、例えば、SDカード、ICカードなど、着脱自在な可搬型メモリ(記録メディア)を含む構成であってもよく、図示しないが、通信機能を介してネットワークに接続された状態においては所定の外部サーバ側の記憶領域を含むものであってもよい。無線通信部84は、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能時に使用される。表示部85は、例えば、高精細液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなど、文字情報、待受画像などの表示情報を表示する。操作部86は、図示省略したが、電源オン/オフボタン、文字キー、ファンクションキーなどを有し、CPU81は、操作ボタンに応じた処理を行う。LAN通信部87は、家庭内LAN3を介して家庭内サーバ装置1との間でデータの送受信を行うためのLAN通信モジュールである。
【0024】
図5は、家庭内サーバ装置1側の見守りデータベースWTを説明するための図である。
見守りデータベースWTは、センサ装置2から受信取得した検出結果と、現在時刻が含まれる時間帯に基づいて、見守り対象の状態を特定する際に参照されるデータベースで、各レコードは、「見守り対象の種類」、「時間帯」、「場所」、「動作」、「状態」、「キャラクタ」の各項目を有している。「見守り対象の種類」は、見守り対象は何かを記憶する項目で、図示の例の場合、“ペット(犬)”を記憶するようにしているが、それに限らないことは勿論である。「時間帯」は、例えば、朝、昼、夜の時間帯などを記憶する項目で、図中、“いつでも”とは、時間帯を問わないことを示している。「場所」は、家庭内の各部屋などの位置を示し、予め設定しておいた家庭内の起点からどの方向にどれだけ直線的に離れているかを示す位置情報(起点からの方向と距離)を部屋毎に記憶する項目で、例えば、見守り対象がペット(犬)の場合には、食事場所、寝床などの位置情報(方向と距離)が記憶されている。
【0025】
「動作」は、食事中、就寝中などでの特有の動作を示し、X・Y・Z軸対応の振動状態を動作パターンとして記憶する項目で、例えば、“上下・左右に細かい動き”、“上下・左右・前後に激しい大きな動き”、“ゆっとりとした不規則な動き”、“上下・左右・前後にゆったりとした動き”、“上下・左右に細かい規則的な動き”などである。この「動作」の項目は、複数(例えば、3つ)の動作パターンを記憶可能な構成となっている。すなわち、センサ装置2により複数回検出された各検出結果を複数の動作パターンとして記憶可能な構成となっている。「状態」は、「見守り対象の種類」、「時間帯」、「場所」、「動作」に基づいて特定される見守り対象の状態を示し、例えば、“食事中”、“吠える威嚇中(異常)”、“就寝中”、“遊び中”などを記憶する項目である。「キャラクタ」は、対応する「状態」を示す絵図で、見守り対象を表現したアバターと呼ばれるキャラクタを記憶する項目である。
【0026】
見守りデータベースWTの内容は、ユーザ操作に応じて任意に登録されたもので、家庭内サーバ装置1は、携帯端末装置8から登録指示(見守り対象の動作を登録する登録指示)を受けた際に、見守りデータベースWTへの登録処理を実行する。すなわち、家庭内サーバ装置1は、センサ装置2から加速度センサ26Aの検出結果(見守り対象の動き)を受信取得して、見守りデータベースWTの「動作」の項目に動作パターンとして登録すると共に、携帯端末装置8から入力された入力結果(見守り対象の種類、状態、場所、時間帯、キャラクタ)を受信取得して、見守りデータベースWT内の対応する「見守り対象の種類」、「時間帯」、「場所」、「状態」、「キャラクタ」の項目に登録する処理を実行するようにしている。なお、上述したように「動作」にはセンサ装置2により検出された複数回分の検出結果(動作パターン)が登録可能となっている。
【0027】
図6は、端末装置(PC6あるいは携帯端末装置8)から見守り対象の状態確認の要求を受けた場合に、見守り対象の状態を示すキャラクタをその端末画面に表示させた場合の表示例で、図6(1)は、「見守り対象の種類」が“ペット(犬)”で、その「状態」が“食事中”の場合である。この端末画面の右上部に表示された文字列は、その「状態」を示している。図7(2)は、「見守り対象の種類」が“ペット(犬)”で、その「状態」が“吠える威嚇中(異常)”の場合のキャラクタ表示例を示し、この画面の右上部に表示された文字列は、その「状態」を示している。
【0028】
次に、第1実施形態における見守りシステムの動作概念を図7〜図9に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、ネットワークなどの伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。このことは後述する他の実施形態においても同様であり、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用して本実施形態特有の動作を実行することもできる。
【0029】
図7は、センサ装置2において、電源ボタン25による電源オン操作に応じて実行開始される全体動作の概要を示したフローチャートである。
先ず、センサ装置2のCPU21は、家庭内サーバ装置1から見守り対象の動作を登録する登録指示を受信したかを調べたり(ステップA1)、家庭内サーバ装置1から見守り対象の状態を確認する確認要求を受信したかを調べたり(ステップA4)、電源ボタン25により電源オフ操作が行われたかを調べたりする(ステップA5)。
【0030】
いま、電源オフ操作が行われたときには(ステップA5でYES)、図7のフローが終了するが、家庭内サーバ装置1から見守り対象の動作を登録する登録指示を受信したときには(ステップA1でYES)、モーションセンサ26を構成する加速度センサ26Aにより検出された所定量分の検出結果(X・Y・Z軸対応の加速度)、例えば、例えば、1分間分の100ms毎の検出結果を受信取得して記憶部23内に一時記憶させる(ステップA2)。そして、この所定量分の検出結果を家庭内サーバ装置1に送信する処理(ステップA3)を行った後、上述のステップA1に戻る。
【0031】
また、家庭内サーバ装置1から見守り対象の状態を確認する確認要求を受信したときには(ステップA4でYES)、モーションセンサ26を構成する加速度センサ26A及び地磁気センサ26Bにより検出された所定量分の検出結果(X・Y・Z軸対応の加速度及び方向)として、例えば、1分間分の100ms毎の検出結果(加速度及び方向)を取得して記憶部23内に一時記憶させる(ステップA6)。そして、この所定量分の検出結果を家庭内サーバ装置1に送信する処理(ステップA7)を行った後、上述のステップA1に戻る。
【0032】
図8は、携帯端末装置8の全体動作のうち、本実施形態の特徴的な動作概要(登録処理)を示したフローチャートであり、見守り対象の動作を登録する登録指示がユーザ操作により行われた際に実行開始される。
先ず、携帯端末装置8のCPU81は、ユーザ操作による登録指示を受けた際に、その登録指示は、新規登録を指示する操作であるかを調べ(ステップB1)、新規登録を指示する操作であれば(ステップB1でYES)、表示部85に新規登録画面を表示させる(ステップB2)。図11(1)は、新規登録画面を例示した図である。この新規登録画面には、「見守り対象の種類」、「時間帯」、「場所」、「状態」、「キャラクタ」の各入力項目IN1〜IN5を有しているほか、各入力項目IN1〜IN5に対応して入力候補を選択する選択ボタン(図中、三角マーク)と、各入力項目IN1〜IN5の内容を家庭内サーバ装置1に送信することを指示する送信ボタンBTを有している。
【0033】
この新規登録画面内の入力項目IN1〜IN5に対して、見守り対象の種類、場所、時間帯、状態、キャラクタを入力する入力操作が行われると、それに応じた入力処理(ステップB3)を実行した後、送信ボタンBTが操作されたかを調べ(ステップB4)、送信ボタンBTが操作されるまで上述の入力処理(ステップB3)に戻る。いま、送信ボタンBTが操作されると(ステップB4でYES)、見守り対象の新規登録であることを指示すると共に各入力項目IN1〜IN4への入力結果を家庭内サーバ装置1に送信する処理(ステップB5)を行った後、図8のフローの終了となる。
【0034】
一方、ユーザにあっては見守り対象の動作を補充登録すべきことを指示する場合には、既登録内容の更新を指示する操作を行う。いま、登録指示として、この補充登録がユーザ操作により指示された場合には(ステップB1でNO)、表示部85に既登録画面を表示させる(ステップB6)。図11(2)は、既登録画面を例示した図で、この既登録画面には、送信ボタンBTが設けられている。ここで、ユーザにあっては、所望する既登録内容を指定するために既登録画面内に「見守り対象の種類」、「状態」の項目にデータを入力する操作を行った後、送信ボタンBTを操作する。この場合、携帯端末装置8は、既登録画面内の各入力項目IN1、IN4に「見守り対象の種類」、「状態」が入力されると、その入力処理を行い(ステップB7)、その後、送信ボタンBTが操作されると(ステップB8でYES)、見守り対象の動作を補充登録すべきことの指示と共に、既登録画面内の入力項目IN1、IN4の入力データを家庭内サーバ装置1に送信する(ステップB9)。
【0035】
図9は、家庭内サーバ装置1の全体動作のうち、本実施形態の特徴的な動作概要(登録処理)を示したフローチャートであり、一定時間毎の割り込みにより実行開始される。なお、この図9のフローから抜けた際には、全体動作のメインフロー(図示省略)に戻る。
先ず、家庭内サーバ装置1のCPU11は、携帯端末装置8から家庭内LAN3を介して見守り対象の動作を登録する登録指示を受信したかを調べ(ステップC1)、登録指示を受信しなければ(ステップC1でNO)、図9のフローから抜けるが、登録指示を受信したときには(ステップC1でYES)、センサ装置2に登録指示を送信する処理(ステップC2)を行った後、その登録指示は新規登録の指示であるかを調べる(ステップC3)。
【0036】
いま、新規登録が指示されたときには(ステップC3でYES)、携帯端末装置8からの入力結果(見守り対象の種類、時間帯、場所、状態、キャラクタ)を受信する処理(ステップC4)を行った後、この入力結果を含む新たなレコードを生成し、この生成レコードを見守りデータベースWTに追加登録(新規登録)する(ステップC5)。そして、センサ装置2から所定量分の加速度を受信すると(ステップC6)、この受信した所定量分の加速度を平均化し(ステップC7)、この平均化した加速度を動作パターンとして該当レコード(生成レコード)内の「動作」の項目に新規登録する(ステップC8)。
【0037】
一方、登録指示は補充登録の指示であれば(ステップC3でNO)、携帯端末装置8からの入力結果(見守り対象の種類、状態)を受信する処理(ステップC9)を行った後、この入力結果に基づいて見守りデータベースWTを検索し(ステップC10)、該当レコードを更新対象のレコードとして指定する(ステップC11)。そして、センサ装置2から所定量分の加速度を受信すると(ステップC6)、この受信した所定量分の加速度を平均化し(ステップC7)、この平均化した加速度を動作パターンとして該当レコード(指定レコード)内の「動作」の項目に追加登録する(ステップC8)。
【0038】
図10は、家庭内サーバ装置1の全体動作のうち、本実施形態の特徴的な動作概要(状態判定処理)を示したフローチャートであり、一定時間毎の割り込みにより実行開始される。なお、この図10のフローから抜けた際には、全体動作のメインフロー(図示省略)に戻る。
先ず、家庭内サーバ装置1のCPU11は、端末装置(PC6や携帯端末装置8)からインターネット5を介して見守り対象の状態を確認する確認要求を受信したか調べ(ステップD1)、状態確認の要求を受信しなければ(ステップD1でNO)、図10のフローから抜けるが、状態確認の要求を受信したときには(ステップD1でYES)、センサ装置2に対して状態確認の要求コマンドを送信する(ステップD2)。
【0039】
そして、家庭内サーバ装置1は、センサ装置2から所定量分の検出結果(X・Y・Z軸対応の加速度及び方向)を受信取得すると(ステップD3)、この検出結果のうち、加速度センサ26Aの各検出結果に基づいて、それらを平均化した情報を現在の動作として特定する(ステップD4)。つまり、1分間分の見守り対象の動きを平均化した情報を現在の動作として特定する。また、加速度センサ26Aと地磁気センサ26Bの検出結果に基づいて、見守り対象が居る現在の場所を特定する(ステップD5、D6)。
【0040】
すなわち、予め設定しておいた家庭内の起点からどの方向にどれだけの距離を移動したかを判断することにより家庭内の場所を特定するようにしているが、その際、センサ装置2から受信した加速度センサ26A及び地磁気センサ26Bの検出結果毎に見守り対象の位置を算出する処理(ステップD5)を行い、この各算出位置を平均化した情報を現在の居場所として特定する(ステップD6)。この場合、1分間分の見守り対象が動いた方向と距離に基づいて居場所を特定するが、場所の特定にあたっては、位置を厳密に特定しなくても、例えば、ダイニング、寝室、トイレなどのように部屋単位で居場所を特定することができればよい。
【0041】
これによって見守り対象の動作と場所を特定すると、時計機能により計時された現在の時刻を取得する処理(ステップD7)を行った後、動作、場所、現在時刻(時間帯)に基づいて見守りデータベースWTを検索することにより(ステップD8)、該当有無を判定する(ステップD9)。ここで、該当するレコードが有る場合、つまり、正常に判定された場合には(ステップD9でYES)、その該当レコードから「状態」及び「キャラクタ」を読み出す(ステップD10)。この場合、CPU11は、先ず、場所に基づいて見守りデータベースWTを検索して該当する「場所」を持った各レコードを選択した後、更に、この選択レコードの中から動作に類似する「動作」を持ったレコードを選択する。この場合、見守りデータベースWTの「動作」には複数回分の検出結果(動作パターン)が記憶されており、そのいずれかの動作に類似しているレコードを選択するようにしている。最後に、この選択レコードの中から現在時刻が属する「時間帯」を持ったレコードを選択して、そのレコードから「状態」及び「キャラクタ」を読み出す。
【0042】
これにより読み出した「状態」及び「キャラクタ」を要求元の端末装置(PC6や携帯端末装置8)に送信する処理(ステップD11)を行った後、図10のフローから抜ける。以下、家庭内サーバ装置1は、PC6や携帯端末装置8からインターネット5を介して見守り対象の状態確認の要求を受信する毎に、上述の動作を繰り返す。なお、PC6や携帯端末装置8では、受信した「状態」及び「キャラクタ」をその端末画面に表示させるが、この場合、見守り対象がペットであれば、例えば、図5(1)、(2)に示すような画面内容となる。一方、見守りデータベースWTを検索した結果、“該当無し”と判定された場合には(ステップD9でNO)、判定不能を示すエラーメッセージとして、例えば、“判定不能です、しばらくしてから再要求をして下さい”を生成して、要求元の端末装置(PC6や携帯端末装置8)に送信する処理(ステップD12)を行った後、図10のフローから抜ける。
【0043】
以上のように、第1実施形態における見守りシステムを構成する家庭内サーバ装置1は、センサ装置2により検出された見守り対象の動きを示す検出結果を見守り対象の動作パターンとし、携帯端末装置8から入力された見守り対象の動作内容をその状態として、見守りデータベースWTに記憶させて登録した状態において、センサ装置2により検出された検出結果に基づいて見守りデータベースWTを参照し、該当する動作パターンに対応する状態を見守り対象の動作内容として判定して通知するようにしたので、見守り対象の動きを学習することができ、どのような見守り対象であってもその色々な状態を正確に通知することが可能となり、汎用性及び正確性に富んだものとなる。
【0044】
家庭内サーバ装置1は、見守り対象の動作のほか、現在時刻に応じた時間帯に基づいて見守対象の状態を判定するようにしたので、時間帯を考慮して、見守り対象の状態を判定することができ、より正確な状態判定が可能となる。
【0045】
家庭内サーバ装置1は、携帯端末装置8から入力された見守対象の状態を表現した絵図を見守りデータベースWTに記憶させて登録しておき、見守り対象の状態を判定した際に、その状態を絵図で通知するようにしたので、見守り対象の状態を視覚的に分かり易く知らせることができる。この場合、見守対象を表現すると共にその状態を表現したキャラクタを見守対象を示す絵図として表示するようにしたので、見守り対象の状態を更に視覚的に分かり易く知らせることができる。
【0046】
見守りデータベースWTの「動作」にはセンサ装置2により検出された複数回分の検出結果(動作パターン)が登録可能であり、見守り対象の状態を判定する際には、複数の動作パターンのいずれかに該当しているかに応じて判定するようにしたので、更にその判定を正確に行うことができる。
【0047】
家庭内サーバ装置1は、予め場所毎に登録されている起点からの位置関係とセンサ装置2から取得したモーションセンサ26(加速度センサ26A及び地磁気センサ)の検出結果に基づいて、見守対象の居場所を検出するようにしたので、モーションセンサ26を利用して見守対象の居場所を大雑把でも検出することができ、センサ装置2の小型薄型化・軽量化に有効なものとなるほか、コスト的にも有効なものとなる。
【0048】
なお、上述した第1実施形態において家庭内サーバ装置1は、加速度センサ26A及び地磁気センサ6Bの検出結果に基づいて、見守対象の居場所を特定するようにしたが、この居場所の特定をセンサ装置2側で行うようにしてもよい。また、家庭内サーバ装置1において、所定量分の検出結果を平均化して動作及び場所を特定するようにしたが、この平均化もセンサ装置2側で行うようにしてもよい。更に、所定量分の検出結果の平均化は、算術平均、最頻度、中央値などであってもよい。
【0049】
また、上述した第1実施形態において家庭内サーバ装置1は、PC6や携帯端末装置8側からの要求に応じて見守対象の状態を表現したキャラクタを送信するようにしたが、定期的にPC6や携帯端末装置8に対して見守対象の状態を表現したキャラクタを送信するようにしてもよい。
【0050】
(第2実施形態)
以下、この発明の第2実施形態について図12及び図13を参照して説明する。
なお、上述した第1実施形態においては、家庭内サーバ装置1とセンサ装置2との間で通信ネットワークを介してデータ送受信を行うと共に、家庭内サーバ装置1と他のPC6や携帯端末装置8との間で通信ネットワークを介してデータ送受信を行う見守りシステムに適用した場合であるが、この第2実施形態においては、見守り装置として携帯端末装置8に適用した場合である。ここで、両実施形態において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第2実施形態の特徴部分を中心に説明するものとする。
【0051】
図12は、携帯端末装置8の全体動作のうち、見守り対象の動作を登録する登録指示がユーザ操作により行われた際に実行開始される登録処理を示したフローチャートである。
先ず、携帯端末装置8のCPU81は、ユーザ操作による登録指示を受けた際に、その登録指示は、新規登録を指示する操作であるかを調べ(ステップE1)、新規登録を指示する操作であれば(ステップE1でYES)、表示部85に新規登録画面を表示させる(ステップE2)。この場合、見守り対象の種類、場所、時間帯、状態、キャラクタを入力する入力操作が行われると、それに応じた入力処理を行い(ステップE3)、この入力結果を含む新たなレコードを生成して、この生成レコードを見守りデータベースWTに追加登録(新規登録)する(ステップE4)。そして、センサ装置2から所定量分の加速度を受信すると(ステップE5)、この受信した所定量分の加速度を平均化し(ステップE6)、この平均化した加速度を動作パターンとして該当レコード(生成レコード)内の「動作」の項目に新規登録する(ステップE7)。
【0052】
一方、見守り対象の動作を補充登録すべきことが指示された場合には(ステップE1でNO)、表示部85に既登録画面を表示させる(ステップE8)。この場合、見守り対象の種類、状態を入力する入力操作が行われると、それに応じた入力処理を行い(ステップE9)、この入力結果(見守り対象の種類、状態)に基づいて見守りデータベースWTを検索し(ステップE10)、該当レコードを更新対象のレコードとして指定する(ステップE11)。そして、センサ装置2から所定量分の加速度を受信すると(ステップE5)、この受信した所定量分の加速度を平均化し(ステップE6)、この平均化した加速度を動作パターンとして該当レコード(指定レコード)内の「動作」の項目に追加登録する(ステップE7)。
【0053】
図13は、携帯端末装置8の全体動作のうち、見守り対象の状態を確認する確認指示がユーザ操作により行われた際に実行開始される状態判定処理を示したフローチャートで、基本的には図10のフローと同様であるため、その説明を簡単に行うものとする。
先ず、携帯端末装置8のCPU81は、携帯端末装置8から状態確認の指示を受信すると、センサ装置2に対して状態確認の要求コマンドを送信し(ステップF1)、それに応じてセンサ装置2から所定量分の検出結果(X・Y・Z軸対応の加速度及び方向)を受信取得すると(ステップF2)、この検出結果のうち、加速度センサ26Aの各検出結果に基づいて、それらを平均化した情報を現在の動作として特定する(ステップF3)。
【0054】
そして、加速度センサ26Aと地磁気センサ26Bの検出結果に基づいて、見守り対象が居る現在の場所を特定するが(ステップF4、F5)、その際、センサ装置2から受信した加速度センサ26A及び地磁気センサ26Bの検出結果毎に見守り対象の位置を算出する処理(ステップF4)を行い、この各算出位置を平均化した情報を現在の居場所として特定する(ステップF5)。これによって見守り対象の動作と場所を特定すると、時計機能により計時された現在の時刻を取得する処理(ステップF6)を行った後、動作、場所、現在時刻(時間帯)に基づいて見守りデータベースWTを検索することにより(ステップF7)、該当有無を判定する(ステップF8)。
【0055】
ここで、該当するレコードが有る場合には(ステップF8でYES)、その該当レコードから「状態」及び「キャラクタ」を読み出す(ステップF9)。これにより読み出した「状態」及び「キャラクタ」を表示部(端末画面)85に表示させる処理(ステップF10)を行った後、図13のフローから抜ける。一方、見守りデータベースWTを検索した結果、“該当無し”と判定された場合には(ステップF8でNO)、判定不能を示すエラーメッセージとして、例えば、“判定不能です、しばらくしてから再要求をして下さい”を生成して、表示部(端末画面)85に表示させる処理(ステップF12)を行った後、図13のフローから抜ける。
【0056】
以上のように、第2実施形態において携帯端末装置(見守り装置)8は、センサ装置2により検出された見守り対象の動きを示す検出結果を見守り対象の動作パターンとし、入力された見守り対象の動作内容をその状態として、見守りデータベースWTに記憶させて登録した状態において、センサ装置2により検出された検出結果に基づいて見守りデータベースWTを参照し、該当する動作パターンに対応する状態を見守り対象の動作内容として判定して表示するようにしたので、見守り対象の動きを学習することができ、どのような見守り対象であってもその色々な状態を正確に通知することが可能となり、汎用性及び正確性に富んだものとなる。
【0057】
携帯端末装置8は、見守り対象の動作のほか、現在時刻に応じた時間帯に基づいて見守対象の状態を判定するようにしたので、時間帯を考慮して、見守り対象の状態を判定することができ、より正確な状態判定が可能となる。
【0058】
携帯端末装置8は、携帯端末装置8から入力された見守対象の状態を表現した絵図を見守りデータベースWTに記憶させて登録しておき、見守り対象の状態を判定した際に、その状態を絵図で通知するようにしたので、見守り対象の状態を視覚的に分かり易く知らせることができる。この場合、見守対象を表現すると共にその状態を表現したキャラクタを見守対象を示す絵図として表示するようにしたので、見守り対象の状態を更に視覚的に分かり易く知らせることができる。
【0059】
見守りデータベースWTの「動作」にはセンサ装置2により検出された複数回分の検出結果(動作パターン)が登録可能であり、見守り対象の状態を判定する際には、複数の動作パターンのいずれかに該当しているかに応じて判定するようにしたので、更にその判定を正確に行うことができる。
【0060】
なお、上述した第2実施形態において携帯端末装置8は、モーションセンサ26(加速度センサ26A及び地磁気センサ)の検出結果に基づいて、見守対象の居場所を特定するようにしたが、この居場所の特定をセンサ装置2側で行うようにしてもよい。
【0061】
上述した各実施形態においては、家庭内の見守り対象として、ペット(犬)を例示したが、これに限らず、例えば、お年寄りなどの人物であてもよく、また、工場などの会社内の場合には、作業員を見守り対象とすれば、大規模で高価なシステムによらなくても、作業員の安全を容易に確認することが可能となる。
【0062】
上述した各実施形態においては、モーションセンサ26(加速度センサ26A及び地磁気センサ)の検出結果に基づいて、見守対象の居場所や動作を特定するようにしたが、屋内設置の監視カメラによって撮影された画像を解析することにより見守対象の居場所及び動作を特定するようにしてもよい。また、見守対象の居場所をGPS(Global Positioning System)部(図示せず)からの現在位置(経緯度情報)に基づいて特定するようにしてもよい。
【0063】
上述した各実施形態においては、登録画面に「時間帯」を入力するようにしたが、新規登録時の現在時刻に基づいて、例えば、朝、昼、夜、1時間単位などの時間帯を自動的に決定するようにしてもよい。
【0064】
また、上述した各実施形態においては、家庭内サーバ装置1とセンサ装置2との通信手段として家庭内LAN3を例示したが、無線LANよりも狭い通信可能範囲(数m〜数十m)で使用するWPAN(Wireless Personal Area Network)と呼ばれている無線ネットワークであってもよい。
【0065】
また、上述した各実施形態において示した“装置”や“部”とは、機能別に複数の筐体に分離されていてもよく、単一の筐体に限らない。また、上述したフローチャートに記述した各ステップは、時系列的な処理に限らず、複数のステップを並列的に処理したり、別個独立して処理したりするようにしてもよい。
【0066】
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は、これに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下、本願出願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記)
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、
見守り対象を通信ネットワーク経由で見守る見守りシステムであって、
見守り対象の動作を検出するセンサ手段と、
見守り対象の動作内容を入力する入力手段と、
前記センサ手段による検出結果を見守り対象の動作パターンとし、前記入力手段による入力結果を見守り対象の状態として、前記動作パターンと前記状態とを対応付けて記憶する動作記憶手段と、
前記センサ手段による検出結果に基づいて前記動作記憶手段を参照し、該当する動作パターンに対応する状態を見守り対象の動作内容として判定する判定手段と、
前記判定手段により判定された見守り対象の動作内容を通知する通知手段と、
を具備したことを特徴とする見守りシステムである。
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の見守りシステムにおいて、
前記動作記憶手段は、見守り対象がその動作を行った時間帯を更に記憶し、
前記判定手段は、前記センサ手段による検出結果のほか、前記時間帯に基づいて前記動作記憶手段を参照することにより見守対象の動作内容を判定する、
ようにしたことを特徴とする見守りシステムである。
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、請求項1あるいは請求項2に記載の見守りシステムにおいて、
前記入力手段は、見守り対象の動作内容を表現した絵図を更に入力し、
前記動作記憶手段は、前記入力手段により入力された絵図を更に記憶し、
前記通知手段は、前記判定手段により判定された見守り対象の動作内容を示す状態に対応して前記動作記憶手段に記憶されている前記絵図を通知する、
ようにしたことを特徴とする見守りシステムである。
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の見守りシステムにおいて、
前記動作記憶手段は、前記状態毎に前記センサ手段により複数回検出された各検出結果を複数の動作パターンとして記憶し、
前記判定手段は、前記センサ手段による検出結果が前記動作記憶手段内に前記状態毎に記憶されている複数の動作パターンのいずれかに該当していれば、その動作パターン対応の状態を見守り対象の動作内容として判定する、
ようにしたことを特徴とする見守りシステムである。
(請求項5)
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の見守りシステムにおいて、
当該見守りシステムは、見守り対象に装着されているセンサ装置と、このセンサ装置に前記通信ネットワークを介して接続されている見守り管理装置と、この見守り管理装置に通信ネットワークを介して接続されている携帯端末装置とを備え、
前記センサ装置は、
見守り対象の動作を検出するセンサ手段を備え、
前記携帯端末装置は、
見守り対象の動作内容を入力する入力手段を備え、
前記見守り管理装置は、
前記センサ手段による検出結果を見守り対象の動作パターンとして記憶すると共に前記入力手段による入力結果を見守り対象の状態として、前記動作パターンと前記状態とを対応付けて記憶する動作記憶手段と、
前記センサ手段による検出結果に基づいて前記動作記憶手段を参照し、該当する動作パターンに対応する状態を見守り対象の動作内容として判定する判定手段と、
前記判定手段により判定された見守り対象の動作内容を通知する通知手段と、
を備える、
ようにしたことを特徴とする見守りシステムである。
(請求項6)
請求項6に記載の発明は、
見守り対象を見守る装置であって、
見守り対象の動作を検出するセンサ手段からその検出結果を取得する取得手段と、
見守り対象の動作内容を入力する入力手段と、
前記取得手段により取得した前記センサ手段の検出結果を見守り対象の動作パターンとし、前記入力手段による入力結果を見守り対象の状態として、前記動作パターンと前記状態とを対応付けて記憶する動作記憶手段と、
前記センサ手段による検出結果に基づいて前記動作記憶手段を参照し、該当する動作パターンに対応する状態を見守り対象の動作内容として判定する判定手段と、
前記判定手段により判定された見守り対象の動作内容を出力する出力手段と、
を具備したことを特徴とする見守り装置である。
(請求項7)
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の見守り装置において、
前記動作記憶手段は、見守り対象がその動作を行った時間帯を更に記憶し、
前記判定手段は、前記センサ手段による検出結果のほか、前記時間帯に基づいて前記動作記憶手段を参照することにより見守対象の動作内容を判定する、
ようにしたことを特徴とする見守り装置である。
(請求項8)
請求項8に記載の発明は、請求項6〜請求項8のいずれかに記載の見守り装置において、
前記動作記憶手段は、前記状態毎に前記センサ手段により複数回検出された各検出結果を複数の動作パターンとして記憶し、
前記判定手段は、前記センサ手段による検出結果が前記動作記憶手段内に前記状態毎に記憶されている複数の動作パターンのいずれかに該当していれば、その動作パターン対応の状態を見守り対象の動作内容として判定する、
ようにしたことを特徴とする見守り装置である。
(請求項9)
請求項9に記載の発明は、請求項6〜請求項8のいずれかに記載の見守り装置において、
前記動作記憶手段は、前記状態毎に前記センサ手段により複数回検出された各検出結果を複数の動作パターンとして記憶し、
前記判定手段は、前記センサ手段による検出結果が前記動作記憶手段内に前記状態毎に記憶されている複数の動作パターンのいずれかに該当していれば、その動作パターン対応の状態を見守り対象の動作内容として判定する、
ようにしたことを特徴とする見守り装置である。
(請求項10)
請求項10に記載の発明は、
コンピュータに対して、
見守り対象の動作を検出するセンサ手段からその検出結果を取得する機能と、
見守り対象の動作内容を入力する機能と、
前記取得した前記センサ手段の検出結果を見守り対象の動作パターンとし、前記入力結果を見守り対象の状態として、前記動作パターンと前記状態とを対応付けて記憶する動作記憶手段を、前記センサ手段による検出結果に基づいて参照し、該当する動作パターンに対応する状態を見守り対象の動作内容として判定する機能と、
前記判定された見守り対象の動作内容を出力する機能と、
を実現させるためのプログラムである。
【符号の説明】
【0067】
1 家庭内サーバ装置
2 センサ装置
3 家庭内LAN
4 アクセスポインタ
5 インターネット
6 他のPC
7 無線通信網
8 携帯端末装置
11、21、81 CPU
13、23、83 記憶部
14 広域通信部14
15 LAN通信部
17 操作部
26 モーションセンサ
26A 加速度センサ
26B 地磁気センサ
WT 見守りデータベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
見守り対象を通信ネットワーク経由で見守る見守りシステムであって、
見守り対象の動作を検出するセンサ手段と、
見守り対象の動作内容を入力する入力手段と、
前記センサ手段による検出結果を見守り対象の動作パターンとし、前記入力手段による入力結果を見守り対象の状態として、前記動作パターンと前記状態とを対応付けて記憶する動作記憶手段と、
前記センサ手段による検出結果に基づいて前記動作記憶手段を参照し、該当する動作パターンに対応する状態を見守り対象の動作内容として判定する判定手段と、
前記判定手段により判定された見守り対象の動作内容を通知する通知手段と、
を具備したことを特徴とする見守りシステム。
【請求項2】
前記動作記憶手段は、見守り対象がその動作を行った時間帯を更に記憶し、
前記判定手段は、前記センサ手段による検出結果のほか、前記時間帯に基づいて前記動作記憶手段を参照することにより見守対象の動作内容を判定する、
ようにしたことを特徴とする請求項1に記載の見守りシステム。
【請求項3】
前記入力手段は、見守り対象の動作内容を表現した絵図を更に入力し、
前記動作記憶手段は、前記入力手段により入力された絵図を更に記憶し、
前記通知手段は、前記判定手段により判定された見守り対象の動作内容を示す状態に対応して前記動作記憶手段に記憶されている前記絵図を通知する、
ようにしたことを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載の見守りシステム。
【請求項4】
前記動作記憶手段は、前記状態毎に前記センサ手段により複数回検出された各検出結果を複数の動作パターンとして記憶し、
前記判定手段は、前記センサ手段による検出結果が前記動作記憶手段内に前記状態毎に記憶されている複数の動作パターンのいずれかに該当していれば、その動作パターン対応の状態を見守り対象の動作内容として判定する、
ようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の見守りシステム。
【請求項5】
当該見守りシステムは、見守り対象に装着されているセンサ装置と、このセンサ装置に前記通信ネットワークを介して接続されている見守り管理装置と、この見守り管理装置に通信ネットワークを介して接続されている携帯端末装置とを備え、
前記センサ装置は、
見守り対象の動作を検出するセンサ手段を備え、
前記携帯端末装置は、
見守り対象の動作内容を入力する入力手段を備え、
前記見守り管理装置は、
前記センサ手段による検出結果を見守り対象の動作パターンとして記憶すると共に前記入力手段による入力結果を見守り対象の状態として、前記動作パターンと前記状態とを対応付けて記憶する動作記憶手段と、
前記センサ手段による検出結果に基づいて前記動作記憶手段を参照し、該当する動作パターンに対応する状態を見守り対象の動作内容として判定する判定手段と、
前記判定手段により判定された見守り対象の動作内容を通知する通知手段と、
を備える、
ようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の見守りシステム。
【請求項6】
見守り対象を見守る装置であって、
見守り対象の動作を検出するセンサ手段からその検出結果を取得する取得手段と、
見守り対象の動作内容を入力する入力手段と、
前記取得手段により取得した前記センサ手段の検出結果を見守り対象の動作パターンとし、前記入力手段による入力結果を見守り対象の状態として、前記動作パターンと前記状態とを対応付けて記憶する動作記憶手段と、
前記センサ手段による検出結果に基づいて前記動作記憶手段を参照し、該当する動作パターンに対応する状態を見守り対象の動作内容として判定する判定手段と、
前記判定手段により判定された見守り対象の動作内容を出力する出力手段と、
を具備したことを特徴とする見守り装置。
【請求項7】
前記動作記憶手段は、見守り対象がその動作を行った時間帯を更に記憶し、
前記判定手段は、前記センサ手段による検出結果のほか、前記時間帯に基づいて前記動作記憶手段を参照することにより見守対象の動作内容を判定する、
ようにしたことを特徴とする請求項6に記載の見守り装置。
【請求項8】
前記入力手段は、見守り対象の動作内容を表現した絵図を更に入力し、
前記動作記憶手段は、前記入力手段により入力された絵図を更に記憶し、
前記通知手段は、前記判定手段により判定された見守り対象の動作内容を示す状態に対応して前記動作記憶手段に記憶されている前記絵図を表示する、
ようにしたことを特徴とする請求項6あるいは請求項7に記載の見守り装置。
【請求項9】
前記動作記憶手段は、前記状態毎に前記センサ手段により複数回検出された各検出結果を複数の動作パターンとして記憶し、
前記判定手段は、前記センサ手段による検出結果が前記動作記憶手段内に前記状態毎に記憶されている複数の動作パターンのいずれかに該当していれば、その動作パターン対応の状態を見守り対象の動作内容として判定する、
ようにしたことを特徴とする請求項6〜請求項8のいずれかに記載の見守り装置。
【請求項10】
コンピュータに対して、
見守り対象の動作を検出するセンサ手段からその検出結果を取得する機能と、
見守り対象の動作内容を入力する機能と、
前記取得した前記センサ手段の検出結果を見守り対象の動作パターンとし、前記入力結果を見守り対象の状態として、前記動作パターンと前記状態とを対応付けて記憶する動作記憶手段を、前記センサ手段による検出結果に基づいて参照し、該当する動作パターンに対応する状態を見守り対象の動作内容として判定する機能と、
前記判定された見守り対象の動作内容を出力する機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−109623(P2013−109623A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254897(P2011−254897)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】