説明

見守りシステム

【課題】円滑な見守りを可能とする実用的な見守りシステムを提供する。
【解決手段】交換使用される複数のウエアラブルな見守りセンサとこれらに充電を行うための共通の充電器を有する見守りシステムを提供する。複数のウエアラブルな見守りセンサは、それぞれ生体情報検知部と、生体反応情報の記憶部と、無線通信部と、生体情報検知部および無線通信部に給電する電源電池とをそれぞれ備える。複数の見守りセンサの一つは夜用であるとともに、他の一つは昼用である。充電器は見守りセンサの一つが充電中であるか否かの情報や充電完了である否かの情報を出力する。見守り統括部は、使用中および充電中の見守りセンサをそれぞれ統括する。生体反応情報に基づき生体反応情報転送先を決定する。携帯電話において生体反応情報に基づき生体反応情報の転送と通話のいずれを優先するかを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、見守りシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高齢社会の到来という背景のもとに独居世帯などのための見守りシステムが種々検討されている。例えば、脈の異常の検知により見守りを行うことが提案されている。(特許文献1)
【0003】
また、生活情報検出手段の出力信号を電子メールで送信する送信手段を備えた生活見守り失すテムも提案されている。(特許文献2)
【0004】
しかしながら、生活の中での円滑な見守りの実行のためには種々検討すべき課題が残されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開番号WO2003/096892号公報
【特許文献2】特開2002−251686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、上記に鑑み、円滑な見守りを可能とする実用的な見守りシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するため、本発明は、複数のウエアラブルな見守りセンサ、およびこれら複数の見守りセンサに充電を行うための共通の充電器を有する見守りシステムを提供する。そして本発明の複数のウエアラブルな見守りセンサは、それぞれ生体反応情報を検知する生体情報検知部と、生体情報検知部が検知する生体反応情報を記憶する記憶部と、外部との通信を行う無線通信部と、生体情報検知部および無線通信部に給電する電源電池とをそれぞれ備えている。これによって、日常生活に支障のない電池駆動のウエアラブルな見守りセンサに基づく見守りシステムの構築が可能となるとともに、一つの見守りセンサを使用中に共通の充電器により少なくとも他の一つの見守りセンサを充電して交互に使用することで途切れのない見守りが可能となる。
【0008】
本発明の具体的な特徴によれば、複数の見守りセンサの一つは、無線通信部によって受信される他の一つの見守りセンサの充電状態を表示する表示部を有する。これにより、使用中の見守りセンサを通じて充電中の見守りセンサの状況を把握することが可能となり、途切れのない見守りセンサの交換使用が促進される。
【0009】
本発明の他の具体的な特徴によれば、複数の見守りセンサは互いに機能が異なっている。より具体的な特徴によれば、例えば、複数の見守りセンサの一つは就寝中の健康状態を検知する夜用であるとともに、他の一つは生体反応の有無を検知する昼用である。見守りセンサの一つは連続的に生体情報を検知する夜用であるとともに、他の一つは間欠的に生体情報を検知する昼用である。また他の具体的な特徴によれば、前記複数の見守りセンサの一つは連続的に生体情報を検知する夜用であるとともに、他の一つは間欠的に生体情報を検知する昼用である。このようにして生活リズムに合わせて機能の異なった複数の見守りセンサを用いることにより、好適な見守りが実現されるとともに自然な見守りセンサの交換使用が促進される。
【0010】
本発明の他の特徴によれば、ウエアラブルな見守りセンサ、およびこの見守りセンサに充電を行うとともに受電に関する情報を出力する充電器を有する見守りシステムが提供される。そして本発明のウエアラブルな見守りセンサは、生体反応情報を検知する生体情報検知部と、生体情報検知部が検知する生体反応情報を記憶する記憶部と、記憶部に記憶される生体反応情報を見守り者に送信するための無線通信部と、前記生体情報検知部および前記無線通信部に給電する電源電池とを備えている。これによって、ウエアラブルな見守りセンサにとって重要な充電に関する情報を充電器からの直接得ることが可能となる。
【0011】
上記本発明の具体的な特徴によれば、充電器は見守りセンサの一つが充電中であるか否かの情報を出力する。これによって、使用中でない見守りセンサが放置されることなく次の使用に備えて充電されているか否かを把握することができ、見守りセンサの交換使用が促進される。また、他の具体的な特徴によれば、充電器は見守りセンサの一つが充電完了である否かの情報を出力する。これによって、電源不足に陥らない見守りセンサの交換使用が促進される。
【0012】
本発明の他の特徴によれば、複数のウエアラブルな見守りセンサ、およびこれら複数の見守りセンサとの通信を行う無線通信部とこの無線通信部による通信を通じて複数の見守りセンサの状況を把握する制御部を備えた見守り統括部を有する見守りシステムが提供される。そして本発明の複数のウエアラブルな見守りセンサは、それぞれ生体反応情報を検知する生体情報検知部と、生体情報検知部が検知する生体反応情報を記憶する記憶部と、外部との通信を行う無線通信部と、生体情報検知部および無線通信部に給電する電源電池とをそれぞれ備えている。これによって、複数の見守りセンサを含むシステムを混乱なく統括することが可能となる。
【0013】
上記本発明の具体的な特徴によれば、見守り統括部は、見守りセンサの一つが使用中であるとき他の一つの充電に関する状況を把握する。これによって、遠隔地からの見守りにおいても、複数の見守りセンサの充電を伴う交換使用を把握することが可能となり、使用中の見守りセンサと充電中の見守りセンサの情報を混乱なく把握し統括することができる。
【0014】
本発明の他の特徴によれば、ウエアラブルな見守りセンサ、および見守り統括部を有する見守りシステムが提供される。そして本発明のウエアラブルな見守りセンサは、生体反応情報を検知する生体情報検知部と、生体情報検知部が検知する生体反応情報を記憶する記憶部と、記憶部に記憶される生体反応情報を見守り者に送信するための無線通信部と、生体情報検知部および無線通信部に給電する電源電池とを備える。また本発明の見守り統括部は、見守りセンサからの生体反応情報を受信する受信部と、通話機能部と見守りセンサからの生体反応情報に基づき前記受信部が受信する生体反応情報の転送先を決定する制御部を備える。これによって、複数の生体反応転送先を前提とした見守りシステムを適切に統括することが可能となる。
【0015】
上記本発明の具体的な特徴によれば、制御部は、生体反応情報が正常であるとき他のウエアラブルな見守りセンサを転送先に決定する。これにより、例えば、過度の緊張感を伴わない対等な独居世帯同士の日常的相互見守りによる連帯感を醸成することが可能となる。また、他の具体的な特徴によれば、制御部は、生体反応情報が異常であるとき所定の見守り管理拠点を転送先に決定する。これによって、例えば契約による見守り義務を負う見守り管理拠に非日常的な異常信号をタイムリーに送信することが可能となるとともに、情報量が集中する見守り管理拠に日常的な正常信号を送信することを防止できる。
【0016】
本発明の他の特徴によれば、ウエアラブルな見守りセンサ、および携帯電話を有する見守りシステムが提供される。そして本発明のウエアラブルな見守りセンサは、生体反応情報を検知する生体情報検知部と、生体情報検知部が検知する生体反応情報を記憶する記憶部と、記憶部に記憶される生体反応情報を見守り者に送信するための無線通信部と、生体情報検知部および無線通信部に給電する電源電池とを備える。また、また本発明の携帯電話は、見守りセンサからの生体反応情報を受信する受信部と、通話機能部と、見守りセンサからの生体反応情報に基づき受信部が受信する生体反応情報の転送と通話機能部による通話のいずれを優先するかを制御する制御部を備える。これによって、携帯電話本来の機能を損なわずに緊急事態に対応できる見守りシステムが実現できる。
【0017】
上記本発明の具体的な特徴によれば、制御部は生体反応情報が正常であるとき通話機能部による通話を優先する。これにより、日常において携帯電話本来の機能が見守り機能により損なわれることがない。また、他の具体的な特徴によれば、制御部は生体反応情報が異常であるとき受信部が受信する生体反応情報の転送を優先する。これによって、非日常的な異常信号にタイムリーに対応することが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
上記のように、本発明によれば、ウエアラブルな見守りセンサを含む好適な見守りシステムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係る生体情報測定装置の実施例1を示すブロック図である。(実施例1)
【図2】図1の実施例1におけるセンサ制御部の動作を示すフローチャートである。
【図3】図2のステップS6の詳細を示すフローチャートである。
【図4】図2のステップS30の詳細を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態に係る生体情報測定装置の実施例2を示すブロック図である。(実施例2)
【図6】本発明の実施の形態に係る生体情報測定装置の実施例3を示すブロック図である。(実施例3)
【図7】本発明の実施の形態に係る生体情報測定装置の実施例4を示すブロック図である。(実施例4)
【図8】本発明の実施の形態に係る生体情報測定装置の実施例5を示すブロック図である。(実施例5)
【図9】本発明の実施の形態に係る生体情報測定装置の実施例6を示すブロック図である。(実施例6)
【図10】本発明の実施の形態に係る生体情報測定装置の実施例7を示すブロック図である。(実施例7)
【図11】本発明の実施の形態に係る生体情報測定装置の実施例8を示すブロック図である。(実施例8)
【図12】本発明の実施例2における処理制御部の機能を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施例4から実施例6の処理制御部の機能を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施例1および実施例7の処理制御部の機能を示すフローチャートである。
【図15】図14のステップS230の詳細を示すフローチャートである。
【図16】図14のステップS234の詳細を示すフローチャートである。
【図17】本発明の実施の形態に係る生体情報測定装置の実施例9を示すブロック図である。(実施例9)
【図18】本発明の実施例9における処理制御部の機能を示すフローチャートである。
【図19】図18のステップS326の詳細を示すフローチャートである。
【図20】本発明の実施の形態に係る生体情報測定装置の実施例10を示すブロック図であり、見守りに好適なものである。(実施例10)
【図21】図20の実施例10を活用した独居世帯の近隣仲間同士による相互見守りシステムのブロック図である。
【図22】本発明の実施例10におけるセンサ制御部の動作を示すフローチャートである。
【図23】図22のステップS382の詳細を示すフローチャートである。
【図24】図22のステップS366の詳細を示すフローチャートである。
【図25】本発明の実施例10におけるテレビ/処理ブロックの処理制御部の機能を示すフローチャートである。
【図26】図25のステップS502の詳細を示すフローチャートである。
【図27】本発明の実施例10における本人携帯電話/処理ブロックの処理制御部の機能を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0020】
図1は、本発明の実施の形態に係る生体情報測定装置の実施例1を示すブロック図である。実施例1は、人体の健康管理のための生態情報測定の他、見守りシステムにも応用可能な汎用的特徴を有する。この点は以下の各実施例においても同様である。実施例1は、走行中のランナーの脈波および脈拍さらには構成によっては酸素飽和度の測定が可能な生体情報測定システムとして構成される。そして、その最小単位として、第1ランナーの指に装着可能な第1ランナー指輪センサブロック2、走行中の第1ランナーに伴走する車両への搭載や第1ランナーが通過する給水ポイントまたはトラックのコーナーなどの拠点への設置に適した生体情報の処理ブロック4(以下、「伴走車両搭載/拠点設置処理ブロック4」)、および第1ランナー指輪センサブロック2の出力を較正するための較正センサブロック6を含む。第1ランナー指輪センサブロック2と伴走車両搭載/拠点設置処理ブロック4は、電波8により近距離無線通信が可能であるともに、較正センサブロック6はケーブル10により伴走車両搭載/拠点設置処理ブロック4に接続可能である。
【0021】
伴走車両搭載/拠点設置処理ブロック4は、さらに複数のランナーの生体情報処理が可能であり、例えば第2ランナー指輪センサブロック12とも近距離無線通信を行う。第2ランナー指輪センサブロック12の構成は第1ランナー指輪センサブロック2と同様なので、図1では内部構成の図示を省略している。また、図1では、簡単のため、第1ランナー指輪センサフロック2および第2ランナー指輪センサブロック12のみ図示しているが、伴走車両搭載/拠点設置処理ブロック4は他の多数のランナーの指にそれぞれはめられた同様の構成のランナー指輪センサブロックと交信し、各ランナーの生体情報を把握可能となっている。
【0022】
ランナー指輪センサブロックの較正はランナー毎に行い、例えば、第1ランナー指輪センサブロック2が測定対象の第1ランナーの指に装着されるとともに較正センサブロック6が同一の第1ランナーの指を挟むよう装着されて同時に測定を行う。第2ランナー指輪センサブロック12他の較正も同様にして第2ランナー他を対象にそれぞれ行われる。
【0023】
以下、第1ランナー指輪センサブロック2を例にとり、ランナー指輪センサブロックの構成について説明する。第1ランナー指輪センサブロック2は、全体として指輪程度の大きさと重量のブロックにまとめられており、指14の周囲にはまる指輪部14により第1ランナー指輪センサブロック2を指14にはめたとき、発光部18および受光部20が指14の手の甲側の同一側面に接するよう構成される。発光部18は受光部20の周囲に同心状に設けられた複数の発光ダイオードを含み、受光部20はこれら複数の発光ダイオードから射出して指14内の血液による吸収を受けながら指組織により反射してくる光を共通に受光する。この構成は、発光部18と受光部20の相対位置を高精度で容易且つコンパクトに配置するのに適する。また、この構成により、指14の片側から入射して反対側に抜けることができないような波長の光を測定に用いることも可能となる。
【0024】
発光部18および受光部20を、脈波および酸素飽和度の測定が可能なパルスオキシメータとして構成する場合、発光部は受光部20を中心に反対側に設けられた少なくとも2対の発光ダイオードを含み、そのうちの一対は、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの吸光度が近似する波長に出力ピークを持つとともに、他の一対は酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの吸光度が異なる波長に出力ピークを持つ。このように波長の異なる発光ダイオードを用いるときは、発光タイミングを時分割し、全ての発光波長に受光感度を持つフォトダイオード等を用いた共通の受光部20により、それぞれの波長の光を分離して受光する。同じ波長の発光ダイオードに関しては、これらを同時に発光させてもよいが、その位置によって測定条件が異なるので、最適の条件の発光ダイオードを見つけるために時分割発光させてもよい。そして、最適の条件の発光ダイオードの出力に基づいて測定を行うようにする。
【0025】
なお、酸素飽和度の測定を伴わない脈波および脈拍の測定を行う場合には、例えば発光部として青色発光ダイオード等を用いてもよい。また、使用波長の自由度を活用して、出力波長の異なる複数の発光ダイオードを時分割で発光させ、個人差に応じた最適の波長の発光ダイオードを見つけ、その出力により測定を行うよう構成してもよい。発光部18および受光部20の構成は以上のものに限らないが、ランナーなど動きの激しい対象を測定するためには上記のような種々の工夫を行うことができる。
【0026】
第1ランナー指輪センサブロック全体を制御するセンサ制御部22は、発光部18の発光タイミングを制御するとともに受光部20の出力を受けてこれを処理し、脈波、脈拍、酸素飽和度などの生体情報として不揮発記憶部24に記憶させる。加速度センサ26は、第1ランナー指輪センサブロック2にかかる加速度を検知するもので、その主な機能は二つある。第一の機能は、第1ランナーの状態を検知するもので、第1ランナーが安静状態にあるか走行状態にあるかの識別および走行状態についても緩速走行か疾走かの識別などを行う。そしてこれらの識別情報を生体情報に付加する。
【0027】
第二の機能は、ランニングによる振動が測定に与える悪影響を除去するもので、センサ制御部22は、加速度センサ25が検知した加速度情報に基づき、受光部20からの測定情報を補正するとともに、過度の加速度によって測定情報の信頼性が低下したときはその状態下での受光部20の出力を測定情報から破棄する。不揮発記憶部24に記憶される生体情報はこのような加速度センサ25からの情報も加味して処理されたものである。また、センサ制御部22は時計部26を有し、不揮発記憶部に記憶させる生体情報に、生体情報取得時のタイムスタンプを付加する。なお、不揮発記憶部24は、上記のような生体情報の記憶とともに、センサ制御部22の動作プログラムおよび動作に必要な一時データの記憶を行う。
【0028】
第1ランナー指輪センサブロック2の近距離通信部28は、伴走車両搭載/拠点設置処理ブロック4との近距離通信が可能となったとき、不揮発記憶部24から生体情報を読み出してこれを送信する。センサ電源部30は蓄電池32を有し、第1ランナー指輪センサブロック2の各部にそれぞれ所定電圧の電力を供給する。USB等からなる接点部34は、測定開始前または後において、第1ランナーの指14から外された第1ランナー指輪センサブロック2を伴走車両搭載/拠点設置処理ブロック4に接続するためのものである。
【0029】
接点部34の接続によって第1ランナー指輪センサブロック2は接点36を介して有線で伴走車両搭載/拠点設置処理ブロック4と交信可能となり、連携のための種々の情報交換を行うとともに、近距離通信部28によって送信できなかった生体情報がある場合は不揮発記憶部24からこれを読み出して一括送信する。また、接点部34の接続により、接点部34の接点38を介して伴走車両搭載/拠点設置処理ブロック4からセンサ電源部30の蓄電池32への充電が行われる。このようにして第1ランナー指輪センサブロック2を充電のために伴走車両搭載/拠点設置処理ブロック4に接続することにより、不揮発記憶部24に残存する生体情報を漏れなく伴走車両搭載/拠点設置処理ブロック4に集結することができる。太陽電池40は、第1ランナー指輪センサブロック2が伴走車両搭載/拠点設置処理ブロック4から分離されて第1ランナーの指14にはめられた状態において、例えば走行中などに蓄電池32に補助充電を行うためのものである。
【0030】
以上のような第1ランナー指輪センサブロック2の機能は、操作部41に含まれる電源スイッチのオンによって動作開始し、オフによって停止する。また、センサ制御部22は受光部20の出力が所定時間以上変化しないことを検出することによって第1ランナー指輪センサブロック2の機能を自動停止させて蓄電池32の無用な消耗を防止する。自動停止した機能は、操作部41の電源スイッチオンによって復活させることができる。表示部39は、第1ランナー指輪センサブロック2の動作状態表示および指14への正常装着表示など最低限の情報表示を行う。
【0031】
伴走車両搭載/拠点設置処理ブロック4の処置制御部42は、近距離通信部44によって受信される電波8または接点部46の接点48を介して有線で入力される第1ランナー指輪センサブロック2からの生体情報を処理し、生体情報に基づく第1ランナーの状態判断および表示のための処理を行う。この状態判断は予め登録されている典型的な脈波パターンとの比較等によって自動的に行われる。処理結果は、表示部50またはスピーカ52によって表示またはアナウンスされる。また、処理結果は生体情報の履歴として記憶部54に記憶される。この生体情報履歴は、生体情報取得のタイムスタンプおよびランナーのIDに基づき、個人別に時間順に記憶される。また、記憶部54に記憶された生体情報は、処理制御部42によって個人別および全ランナー平均にて統計処理され、表示部50またはスピーカ52によって表示またはアナウンスされる。なお、記憶部54は、上記のような生体情報の記憶とともに、処理制御部42の動作プログラムおよび動作に必要な一時データの記憶を行う。
【0032】
操作部56は、上記の種々の処理や表示/アナウンスの指示入力または種々の設定入力を行う。また、処理電源部58は大容量蓄電池または電力線による一次電源を有し、伴走車両搭載/拠点設置処理ブロック4の各部にそれぞれ所定電圧の電力を供給する。さらに処理電源部58は、接点62を介して、接点部46に接続された第1ランナー指輪センサブロック2に充電電力を供給するとともに、接点部64を介してケーブル10にて接続された較正センサブロック6に電力を供給する。
【0033】
較正センサブロック6は、構成制御部66によって制御されており、較正の際は、既に概説したように 第1ランナー指輪センサブロック2を測定対象の第1ランナーの指14に装着するとともに較正センサブロック6の発光部68および受光部70の間に第1ランナーの他の指72を挟み、処理制御部42の統括の下に、電波8およびケーブル10を介したセンサ制御部22と較正制御部66の連携によって、同時に測定を行う。この較正は、例えば第1ランナーを伴走車両搭載/拠点設置処理ブロック4近傍に着席させて行う。そして、較正センサブロック6の測定結果を基準に第1ランナー指輪センサブロック2の測定結果との比較により較正データを記憶部54または不揮発記憶部24に記憶させる。較正センサブロック6の記憶部74は、較正制御部66の動作プログラムおよび動作に必要な一時データの記憶を行う。また、較正電源部76は、ケーブル10に接続される接点78を介し、伴走車両搭載/拠点設置処理ブロック4の一次電源60から給電を受けて、較正センサブロック6の各部にそれぞれ所定電圧の電力を供給する。
【0034】
実施例1では、測定対象をランナーとして説明しているが、実施例1の構成は対象をランナーに限るものではなく、フィットネスクラブやスポーツジムやなど多数の人が種々の運動を行っている場所における各人の生体情報の取得、分析、統計化に有益なものである。この場合、伴走車両搭載/拠点設置処理ブロック4は拠点としてのスポーツジムやアスレチックセンターのトレーニング室内に設置されることになる。
【0035】
図2は、図1の実施例1におけるセンサ制御部22の動作を示すフローチャートである。フローは操作部41の電源スイッチのオンによってスタートし、ステップS2で表示部39に電源オン状態の表示を指示する。そしてステップS4で蓄電池32の充電が充分かどうかチェックし、充分であればステップS6のID処理に移行して第1ランナー指輪センサブロック2のIDや第1ランナーの個人IDの登録などに関する処理を行う。その詳細は後述する。
【0036】
ステップS6のID処理が完了すると、ステップS8で電源オンから所定時間が経過したかどうかチェックし、経過がなければステップS10で発光部18の間欠予備発光を指示してステップS12に移行する。ステップS12では、受光部S20の出力に基づき第1ランナー指輪センサブロック2が指14に装着されたかどうかチェックする。装着が検知されなければステップS14に移行し、表示部39に装着案内表示を指示してステップS8に戻る。以下、ステップS8で所定時間が経過するかステップS12で指への装着が検知されるまでステップS8からステップS14を繰り返し、指装着を待つ。このようにして測定のための発光部18と受光部20が指装着有無のチェックに兼用される。また、指装着検知のための発光部18の発光は測定時と異なる間欠発光として消費電力を抑える。
【0037】
一方、ステップS12で受光出力により指への装着が検知されるとステップS16に移行し、表示部39に装着中である旨の表示を指示してステップS18に移行する。このとき、ステップS16にて併せて伴走車両搭載/拠点設置処理ブロック4に装着完了の旨通信により通知する。ステップS18では、指への装着が検知されてから所定時間が経過したかどうかがチェックされ、経過がなければステップS20に進んで操作部41により測定開始操作が行われたかどうかチェックする。そして測定開始操作が検知されなければステップS18に戻り、所定時間が経過しない限りステップS18とステップS20を繰り返して測定開始操作を待つ。
【0038】
ステップS20で測定開始操作が検知されるとステップS22に移行し、発光部18の複数のLEDの時分割発光に基づく受光部20の出力をサンプリングする。そしてステップS24に進み、サンプリング時点における加速度センサ25の出力をチェックし、加速度が検知されているかどうかチェックする。加速度検知があればステップS26に移行して走行状態であることおよび緩速走行から疾走までの走行状態の程度を判定するとともにステップS28で検知した加速度自体も記憶してステップS30に進む。一方ステップS24で加速度の検知がなければステップS32に移行して安静状態であると判定してステップS30に移行する。ステップS30では、ステップS22でサンプリングされた出力およびステップS24で検知された加速度に基づいて測定処理を行うとともに測定結果の送信処理を行う。その詳細は後述する。
【0039】
ステップS30の測定/送信処理が終了するとステップS34に進み、蓄電池32の充電が充分かどうかチェックし、充分であればステップS36に進んで操作部41による電源スイッチのオフ操作が行われたかどうかチェックする。一方ステップS34で蓄電池の充電が不充分であると判断されたときはステップS38に移行し、測定を維持する上で充分な出力が太陽電池40から得られているかチェックし、出力が充分であればステップS36のオフ操作チェックに移行する。いずれの場合も、ステップS36でオフ操作が検知されなければステップS22に戻る。
【0040】
以下、ステップS36においてオフ操作が検知されるまで、ステップS22からステップS38を繰り返して、測定を継続する。ここで、ステップS22におけるサンプリング数は時分割して発光しているそれぞれのLEDの受光出力について1回でもよいが、複数回のサンプリングをまとめて行ってもよい。後者の場合は、脈波形状が認識できる程度のサンプリングをまとめて行うよう構成してもよい。これについては、ステップS22からステップS38に割り振る時間と脈波測定および加速度検知の分解能によって適宜決定することができる。またステップの構成も同趣旨の機能を達成するために適宜変更が可能である。
【0041】
これに対し、ステップS36でオフ操作が検知された時は、直ちにフローを終了する。フローの終了によって、第1ランナー指輪センサブロック2の電源はオフされる。このとき、第1ランナー指輪センサブロック2に未送信の測定データが残っていても、不揮発記憶部24が電力消費なしで測定データ保持し、次の送信機会を待つ。また、ステップS38で太陽電池出力が不充分であると判断された時も直ちにフローを終了して第1ランナー指輪センサブロック2の電源をオフする。また、ステップS4で蓄電池の充電が不充分であると判断されたときはステップS40に移行し、表示部39に充電の必要性を案内する表示をする。さらに、ステップS42に進んで、表示部39に強制電源オフを予告する表示を指示し、フローを終了する。また、ステップS8で所定時間の経過が検知されたとき、またはステップS18で所定時間の経過が検知されたときはステップS42に移行し、同様に強制電源オフを予告する表示を指示してフローを終了する。
【0042】
図3は、図2のステップS6におけるID処理の詳細を示すフローチャートであり、フローがスタートするとまずステップS52において第1ランナー指輪センサブロック2のIDが伴走車両搭載/拠点設置処理ブロック4に登録済かどうかチェックする。未登録であればステップS54に移行し、表示部39にセンサID未登録である旨の表示を行う指示をするとともにステップS56で伴走車両搭載/拠点設置処理ブロック4と交信可能かどうかチェックする。そして交信可能であればステップS58に進み、センサIDの送信および登録完了確認信号手続きなどを含むセンサID登録処理を行う。ステップS58では交信途絶や致命的な誤操作など不良等何らかのトラブルで登録がうまくいかなかった場合でもフローをロックすることなくステップSでステップS60に移行し、センサIDの登録が完了したかどうかチェックする。そして完了が確認されるとステップS62に移行する。一方、ステップS52で第1ランナー指輪センサブロック2のIDが伴走車両搭載/拠点設置処理ブロック4に既に登録済であることが確認されたときは、直ちにステップS62に移行する。
【0043】
ステップS62では、第1ランナー指輪センサブロック2を用いて較正した第1ランナーの較正データが個人IDとともに伴走車両搭載/拠点設置処理ブロック4に登録済かどうかチェックする。未登録であればステップS64に移行し、表示部39に個人ID未登録である旨の表示を行う指示をするとともにステップS66で伴走車両搭載/拠点設置処理ブロック4と交信可能かどうかチェックする。そして交信可能であればステップS68に進み、較正/個人ID登録処理を行う。この較正/個人ID登録処理は、第1ランナー指輪センサブロック2を用いた第1ランナーについての較正処理および個人IDを付した較正データの送信および登録完了確認信号手続きなどを含むものである。ステップS58と同様にして、ステップS68でも何らかのトラブルで登録がうまくいかなかった場合でもフローをロックすることなくステップSでステップS70に移行し、較正の完了および較正データを伴う個人IDの登録が完了したかどうかチェックする。そして完了が確認されるとステップS72に移行する。一方、ステップS62において、第1ランナー指輪センサブロック2を用いて較正した第1ランナーの較正データが個人IDとともに伴走車両搭載/拠点設置処理ブロック4に登録済であることが確認されたときは、直ちにステップS72に移行する。
【0044】
ステップS72に至ったということは、センサIDおよび個人IDとその個人についてそのセンサで行った較正データ登録済であることを意味するので、センサIDと個人IDの指定に基づき、伴走車両搭載/拠点設置処理ブロック4から較正データを受信する。そして受信した較正データはステップS74で吹きはつき億部24に記憶される。これによって、バラツキの可能性のあるどのセンサを用いて測定したとしても、同一個人IDで特定される個人に関しバラツキが較正された測定データが伴走車両搭載/拠点設置処理ブロック4に送信されることになる。ステップS76では、このような環境化での測定で得られる、個人IDおよびタイムスタンプ付の較正済測定データを送信する準備手順をセットしてフローを終了する。
【0045】
図4は、図2のステップS30における測定/送信処理の詳細を示すフローチャートであり、フローがスタートするとまずステップS82において、時分割発光の各LEDを光源とする最新のサンプリング受光出力を仮記憶し、ステップS84で累積のサンプリング数が所定数の達したかどうかチェックする。この所定サンプリング数は、脈波形状を判断するに充分な数とする。ステップSでサンプリング数が所定値に到達したことが確認されるとステップS86に進み、時分割発光の各LEDを光源とする脈波をそれぞれ評価する処理を行う。この評価は、出力の絶対的な大きさおよびS/Nに基づいて行う。そしてこの評価に基づき、ステップS88で最適のLEDを光源とする受光出力を選択し、ステップS90で選択したLED出力群を脈波情報として不揮発記憶部24に正式記憶する。
【0046】
次いで、ステップS92において正式記憶したサンプリング出力中に通常ありえない異常値があるかどうかチェックする。これがないことが確認されるとステップS94でサンプリング出力が通常ありえない不連続変化を示しているかどうかチェックし、不連続変化があればステップS96に移行する。また、ステップS92で個別異常値が検知されたときは直接ステップS96に移行する。ステップS96では、これらの異常値または不連続性の原因として予め知られている相関を持つパターンの加速度が記憶されているかどうかをチェックし、該当があればステップS98に進んで、加速度の相関から本来あるべき測定値を推定して異常値の補正または不連続性の補正を行ってステップS100に移行する。一方、ステップS96で相関加速度の記憶が検知されなかったときは直接ステップS100に移行する。
【0047】
ステップS100では、以上のような補正を行った後の出力(補正を行わなかった場合も含む)がなお所定範囲外に逸脱しているかどうかチェックし、該当すればステップS102に進んでその出力を破棄してステップS104に移行する。一方、ステップS100で補正後の出力が所定範囲外にあることが検知されない場合は直接ステップS104に移行する。また、ステップS94で不連続変化が検知されなかったときは直接ステップS104に移行する。ステップS104では、以上のようにして処理された所定サンプリング数の受光出力(これを「ユニット脈波情報」と称することとする)を新規に記憶する。また、ステップS106では、このユニット脈波情報の記憶に走行状態または安定状態の判定情報を付加してステップS108に進む。なお、ステップS84でサンプリング数が所定値に達したことが検知されない場合は、まだユニット脈波情報を形成するには出力のサンプリング数が不足しているので直接ステップS108に進む。
【0048】
ステップS108では、伴走車両搭載/拠点設置処理ブロック4と交信可能かどうかをチェックし、可能であればステップS110で未送信のユニット脈波情報の有無をチェックする。そして未送信脈波ユニット情報があればステップ112に進んでこれを一括自動送信してフローを終了する。一方、ステップS108で交信可が検知できないとき、またはステップS110で未送信ユニット脈波情報がないと判断されたときは直ちにフローを終了する。
【実施例2】
【0049】
図5は、本発明の実施の形態に係る生体情報測定装置の実施例2を示すブロック図である。実施例2も、実施例1と同様にして走行中のランナーの脈波および脈拍さらには構成によっては酸素飽和度の測定が可能な生体情報測定システムを構成しており、ランナーの指に装着可能なランナー指輪センサブロック102、およびこれと近距離無線通信可能な携帯電話104を主な構成要素とする。携帯電話104は、ランナー指輪センサブロック102から受信した生体情報の処理ブロックとしても機能するので、以下、「携帯電話/処理ブロック104」と称する。実施例2の生体情報測定システムは、はさらに、携帯電話/処理ブロック104の蓄電池160に充電を行うための電力線充電器ブロック106を含む。この電力線充電器ブロック106は通常の携帯電話の充電器と同様の構成であって、ACアダプタ108を介して交流電力線の電力を所定電圧の直流に変換して充電用接点部110から出力するものであるが、ランナー指輪センサブロック102の蓄電池32の充電器としても兼用される。
【0050】
実施例2の構成の大半は実施例1と同様であり、実施例1と共通する部分については共通の番号を付して説明を省略するとともに、異なるところを中心に説明する。実施例2のランナー指輪センサブロック102は、有線交信や充電のために携帯電話/処理ブロック104に接続されることはないが、携帯電話/処理ブロック104の充電用接点部112と接点形状、定格電流および定格電圧が同規格の充電用接点部114を有しており、携帯電話/処理ブロック104における処理電源部116の蓄電池118を充電する場合と同様にして、充電用接点部114を電力線充電器ブロック106の充電用接点部110に接続することにより蓄電池32を充電することができる。
【0051】
携帯電話/処理ブロック104は、通常の携帯電話に必要な機能を提供するための携帯電話機能部120および電話回線通信部123を有する。また、通話のためにスピーカ52とともにマイク124を有する。以上の構成によって、実施例2におけるランナー指輪センサブロック102からに携帯電話/処理ブロック104への生体情報の送信は、電波8による近距離通信部28と近距離通信部44の通信により行われる。なお、携帯電話/処理ブロック104が受信し処理した生体情報は、携帯電話機能部120と電話回線通信部123によって例えばかかりつけの医師に適宜送信することができる。またこの送信は生体情報取得時に自動的に行われるよう設定しておくこともできる。
【0052】
実施例2のランナー指輪センサブロックには、実施例1と同様にして操作部41が設けられているが、主に電源のオンオフ操作を担当し、生体情報取得のための種々の操作は、携帯電話/処理ブロック104の操作部56の操作によって集中的に行われる。また、操作に伴う生体情報取得に関する種々の表示も主に携帯電話/処理ブロック104の表示部50が担当し、ランナー指輪センサブロック102の表示部39はオンオフ状態の表示等限られた表示のみを担当する。これによって、ランナー指輪センサブロック102はアプリケーションの一つとして生体情報取得機能を持った携帯電話のセンサアクセサリとして機能し、生体情報取得に関する操作および表示の大半は携帯電話/処理ブロック104側で集中管理される。従って、生体情報の取得および送信の指示も携帯電話/処理ブロック104側から行われる。
【0053】
実施例2のセンサ制御部122の機能の大半は、図2に示した実施例1のフローチャートに基づいて実行することができる。異なる部分について説明すると、まず、実施例2では、ランナー指輪センサブロックが携帯電話/処理ブロックの所有者専用のものであった場合、ステップS6におけるID処理を省略することができる。但し、実施例1と同様にして複数のランナーにそれぞれランナー指輪センサブロックが装着され、コーチ等が携帯電話/処理ブロック104を保持して伴走する場合等では、ステップS6のID処理を活用することができる。
【0054】
次に、実施例2では、図2のフローチャートのステップS14、S16、S40、S42等における「表示」は、それぞれ「携帯電話/処理ブロック104の表示部50への表示指示」と読み替えて理解するものとする。さらに、ステップS20における「測定開始操作?」は、「携帯電話/処理ブロック104からの測定開始信号受信?」と読み替えて理解するものとする。
【0055】
また、図2のステップS30の測定/送信処理の詳細を示す図4のフローチャートについても、実施例2では、若干の変更を要する。実施例2のランナー指輪センサブロック102は、帯電話/処理ブロック104からの指示信号に基づき、生体情報送信に関して一括送信モードおよびリアルタイム送信モードのいずれかのモードが設定される。そして、一括送信モードが設定されている場合、図4のステップS108は「携帯電話/処理ブロック104からの送信要求あり?」と読替えて理解するものとする。一方、リアルタイム送信モードが設定されている場合、ステップS108は「携帯電話待受け中?」と読み替えるものとする。つまり、リアルタイム送信モードでは、携帯電話が待受け中で他の機能が実行中でない限り、ユニット脈波情報が作成され次第送信が行われ、通話中など携帯電話が他の機能を実行するとその間、送信が保留待機されることになる。
【実施例3】
【0056】
図6は、本発明の実施の形態に係る生体情報測定装置の実施例3を示すブロック図である。実施例3も、実施例1および実施例2と同様にして走行中のランナーの脈波および脈拍さらには構成によっては酸素飽和度の測定が可能な生体情報測定システムを構成しており、ランナーの指に装着可能な防水型ランナー指輪センサブロック202、およびこれと近距離無線通信可能なランナー腕時計204を主な構成要素とする。ランナー腕時計204は、防水型ランナー指輪センサブロック102から受信した生体情報の処理ブロックとしても機能するので、以下、「ランナー腕時計/処理ブロック204」と称する。実施例3の生体情報測定システムは、はさらに、ランナー指輪センサブロック202の蓄電池32の充電を行うための無接点充電器ブロック206を含む。
【0057】
実施例3の構成の大半は実施例2と同様であり、実施例2と共通する部分については共通の番号を付して説明を省略する。なお、ランナー腕時計/処理ブロック204は、データ通信専用の電話回線通信部を有しており、実施例2と同様にして、生体情報データをかかりつけの医師に適宜送信することができる。実施例3が実施例2と異なるのは、防水型ランナー指輪センサブロック202が無接点充電誘導部208を有し、これが無接点充電器ブロックの無接点充電磁誘導部210と近接させられることにより、電磁誘導で充電電圧を発生することである。無接点充電器ブロック206はこの充電のために無接点充電誘導部210に電力を供給する一次電源212を有する。この一次電源は大容量電池であってもよいし、実施例2におけるような電力線に接続されるACアダプタであってもよい。なお、ランナー腕時計/処理ブロック204の処理電源部214は交換式の乾電池216を含む。この乾電池216は、外部から充電可能な蓄電池に置き換えられてもよい。
【0058】
実施例3のような防水型ランナー指輪センサブロック202は、ランニングによる汗の水洗や、太くて多数での共用の際の水洗に適している。なお、実施例3のような無接点充電誘導部208を有する防水型ランナー指輪センサブロック202は、実施例1や実施例2の構成においても適宜採用することができる。
【0059】
ランナー腕時計/処理ブロック204は、通常の時計/ストップウォッチ部218を有し、ランニングにおけるラップタイムの測定やチェック地点での経過タイムの測定に用いられる。防水型ランナー指輪センサブロック202がランナー腕時計/処理ブロック204から分離して設けられている理由は、手首が光学的な脈波測定に適さないからである。これに対し、ランナー腕時計/処理ブロック204には圧力脈拍センサ220が設けられており、ここで測定された脈拍信号は防水型ランナー指輪センサブロック202から送信される脈波信号を補正する際の同期信号として利用される。防水型ランナー指輪センサブロック202におけるセンサ制御部22の機能は実施例2とほぼ同様であり、基本的に実施例2で変更された形の図2から図4のフローを採用することができる。
【実施例4】
【0060】
図7は、本発明の実施の形態に係る生体情報測定装置の実施例4を示すブロック図である。実施例4は、実施例1から実施例3と同様にして走行中のランナーの脈波および脈拍さらには構成によっては酸素飽和度の測定が可能な生体情報測定システムを構成しており、ランナーの耳朶301に装着可能な耳朶センサブロック302、これとケーブル通信可能な音楽プレーヤ/処理ブロック304、および音楽プレーヤ/処理ブロック304からの音楽を聞くためのイヤホンブロック306を主な構成要素とする。音楽プレーヤ/処理ブロック304は、携帯音楽端末として構成され、上記のようにイヤホンブロックの音源としての音楽プレーヤとして機能するとともに耳朶センサブロック302から受信した生体情報の処理ブロックとしても機能する。実施例4についても、実施例2または実施例3と同様にして、音楽プレーヤ/処理ブロック304充電用の電力線充電器ブロック等がシステムに含まれるが、煩雑を避けるため、図示を省略している。
【0061】
実施例4についても、基本構成は実施例2または実施例3と同様なので、共通する部分については実施例2または実施例3と共通の番号を付して説明を省略する。但し、実施例1から実施例3が指を測定対象としているのに対し、実施例4は耳朶301を対象としている。そして、発光部18および受光部20が耳朶301に密着するよう、耳朶センサ302を耳朶301に挟む挟持構造308を有する。このような挟持構造308としては、ピンチやフックなどが採用可能である。
【0062】
一方、音楽プレーヤ/処理ブロック304は、音楽信号を出力する音楽プレーヤ機能部310を備えており、出力される音楽信号はイヤホンケーブル312を通る音信号線314を介してイヤホンブロック306のスピーカ316に伝えられ、イヤホンブロック306が挿入される耳穴318内に音が出力される。イヤホンケーブル312にはさらに音楽プレーヤ/処理ブロック304の処理制御部42と耳朶センサブロック302のセンサ制御部322を有線で結ぶ生体情報伝達線318が通っていて、分岐ケーブル320に分岐している。また、イヤホンケーブル312には音楽プレーヤ/処理ブロック304の処理電源部116から耳朶センサブロック302のセンサ電源部322に電力を供給する電力供給線324が通っていて、分岐ケーブル320に分岐している。このように、耳栓センサブロック302は、イヤホンブロック306が挿入される耳穴318と同じ耳の耳朶を挟むよう構成されるので、音楽プレーヤ/処理ブロック304から耳までの有線の生体信号伝達線をイヤホンケーブル312を兼用して設けることが可能となる。
【0063】
なお、上記の実施例4において、耳朶センサブロック302はイヤリングとして構成することも可能である。このとき、ケーブルが繋がっていることが意匠上望ましくない場合は、耳朶センサブロック302と音楽プレーヤ/処理ブロック304との間の生体情報伝達は、図6と同様の近距離通信部28および44を採用して無線通信とすることができる。また、その場合の電源構成としては、センサ電源部322に図6と同様の蓄電池32および無接点充電誘導部208を設け、これを図6と同様の無接点充電器ブロックで充電するよう構成することができる。さらに、耳朶センサブロックとしては、図7のように発光部18から射出して耳朶301内の血液による吸収を受けながら耳朶組織により反射して耳朶の同じ側の受光部20に戻る構成に限るものではない。例えば、受光部20を耳朶の発光部18とは反対側に設け、発光部18と受光部20で耳朶を挟むよう構成することも可能である。
【0064】
実施例4のセンサ制御部322の機能は実施例2とほぼ同様であり、基本的に実施例2で変更された形の図2から図4のフローを採用することができる。従って、生体情報取得のための種々の操作は、音楽プレーヤ/処理ブロック304の操作部56の操作によって集中的に行われる。また、操作に伴う生体情報取得に関する種々の表示も主に音楽プレーヤ/処理ブロック304の表示部50が担当する。これによって、耳朶センサブロック302は生体情報取得機能を持った音楽プレーヤのセンサアクセサリの一つとして機能し、生体情報取得に関する操作および表示は音楽プレーヤ/処理ブロック304側で集中管理される。
【0065】
実施例4のような音楽プレーヤと生体情報測定装置との連携には音楽を鑑賞している耳が測定対象となることに関する上記のような利点の他に種々の利点がある。例えば、生体情報測定中に出力されている音楽が特定できるので、音楽が生体情報に与える影響や相関関係を情報として把握することができる。また、生体情報をモニタに基づいて、緊張や過負荷状態の緩和に適した曲を自動選曲したり、音楽の音量や音質を自動調整したりすることも可能である。
【実施例5】
【0066】
図8は、本発明の実施の形態に係る生体情報測定装置の実施例5を示すブロック図である。実施例5は、実施例4と同様にして耳を測定対象として走行中のランナーの脈波および脈拍さらには構成によっては酸素飽和度の測定が可能な生体情報測定システムを構成している。その構成の大半は実施例4と同様なので、共通する部分については実施例4と共通の番号を付して説明を省略する。図8の実施例5が図7の実施例4と異なるのは、センサブロックがイヤホンブロックと一体化され、イヤホンセンサブロック402として構成されている点である。また、測定対象は、耳朶ではなく、耳穴内壁となっている。
【0067】
具体的に説明すると、イヤホンセンサブロック402において、発光部18および受光部20は、イヤホンセンサブロックが耳穴318に挿入されたとき、耳穴318の内壁404に密着するよう構成される。これによって、発光部18から射出して耳穴周りの血管内の血液による吸収を受けながら耳穴周りの組織により反射して受光部20に戻る光が測定される。同時に耳穴318内のスピーカ316からは鼓膜406に向かって音が出力される。また、上記のような一体構成としたことにより、音信号線314、生体情報伝達線318および電力供給線324はそれぞれイヤホンケーブル312を通ってイヤホンセンサブロック402と音楽プレーヤ/処理ブロック304を有線で結んでいる。
【実施例6】
【0068】
図9は、本発明の実施の形態に係る生体情報測定装置の実施例6を示すブロック図である。実施例6は、実施例5と同様にして耳を測定対象として走行中のランナーの脈波および脈拍さらには構成によっては酸素飽和度の測定が可能な生体情報測定システムを構成している。実施例6のシステムは、図8の実施例5と同様にして、センサブロックが音楽プレーヤの音出力部であるヘッドホンと一体化され、ヘッドホンセンサブロック502として構成されている。また、ヘッドホンセンサブロック502は音楽プレーヤ/処理ブロック504とワイヤレスで通信する。なお、実施例6における測定対象は実施例4と同様にして耳朶となっている。実施例6の内部構成の基本は実施例1から実施例5と同様なので、共通する部分については実施例1から実施例5と共通の番号を付して説明を省略する。
【0069】
以下、実施例6の特長となっている部分を具体的に説明する。ヘッドホンセンサブロック502には、右耳穴506に当たる右耳スピーカ508、および右耳朶510に当たる右耳発光部512と右耳受光部514が設けられている。これに対応して、左耳ブロック516には、左耳穴518に当たる左耳スピーカ520、および左耳朶522に当たる左耳発光部524と左耳受光部526が設けられている。左耳ブロック516は、ヘッドホンアーム528によってヘッドホンセンサに保持されており、ヘンドホンセンサブロック502と左耳ブロック516によって頭頂部から両耳を挟むよう構成される。これによって、右耳発光部512、右耳受光部514、左耳発光部524および左耳受光部526は、ヘッドホンを頭部に装着することによってそれぞれ左右の耳穴の下にある左右耳朶に密着することになり、格別の挟持手段は不要となる。また、左右耳朶をそれぞれ同時に測定することにより脈波測定の情報量が増加する。なお、図9では、図示の単純化のため、ヘッドホンセンサブロック502、左耳ブロック516およびヘッドホンアーム528全体の位置関係は天地が逆に図示されている。
【0070】
右耳発光部512、右耳受光部514、左耳発光部524および左耳受光部526は、それぞれセンサ制御部22に接続され制御される。また、右耳スピーカ508および左耳スピーカ520は、それぞれ赤外通信部530で受信されるステレオ音信号に基づいて左右の耳穴にそれぞれ音を出力する。音楽プレーヤ/処理ブロック504は、赤外通信部532によって、音楽プレーヤ機能部310から出力される音信号を赤外腺534に変換してヘッドホンセンサ502の赤外線通信部530に送信する。なお、図9では煩雑化を避けるため概念化して図示しているが、赤外線通信部530から左耳スピーカ520への音信号線および左耳発光部524と左耳受光部526をセンサ制御部22に接続している接続線は、実際にはヘッドホンアーム部528内部を通してヘッドホンセンサ502と左耳ブロック516を結んでいる。
【実施例7】
【0071】
図10は、本発明の実施の形態に係る生体情報測定装置の実施例7を示すブロック図である。実施例7は、プールでトレーニング中の複数のスイマーの脈波および脈拍さらには構成によっては酸素飽和度の測定が可能な生体情報測定システムを構成しており、実施例1と同様、その最小単位として、第1スイマーの指に装着可能な防水型第1スイマー指輪センサブロック602、プールサイド処理ブロック604、および防水型第1スイマー指輪センサブロック602の近距離通信部28から送信される生体情報を受信する近距離通信部群606を備えたプール内のコースロープ群608を含む。近距離通信部群606は第1スイマーがプールのどの位置を泳いでいてもリアルタイムで生体情報を受信できるよう、コースロープ群の随所に受信アンテナ部を設けている。また、このような近距離通信部群606またはそのアンテナ部は、少なくともプール内の1本おきの複数のコースロープに分散して設けられており、スイマーがどのコースを泳いでいても、少なくともそのコースの左側または右側のコースロープから生体情報の受信が可能なように構成される。
【0072】
プールサイド処理ブロック604は、上記のようにしてコースロープ608に設けられている近距離通信部606を介し。さらにプール内の複数のスイマーの生体情報処理が可能であり、例えば第2スイマーの指610にはめられた防水型第2スイマー指輪センサブロック612の近距離通信部614ともコースロープを介して近距離無線通信を行う。防水型第2スイマー指輪センサブロック612の構成は防水型第1スイマー指輪センサブロック602と同様なので、図10では近距離通信部614以外の内部構成の図示を省略している。また、図10では、簡単のため、防水型第1スイマー指輪センサフロック602および防水型第2スイマー指輪センサブロック612のみ図示しているが、プールサイド処理ブロック604は、コースロープ608に設けられている近距離通信部606を介し、プール内の他の多数のスイマーの指にそれぞれはめられた同様の構成の防水型スイマー指輪センサブロックと交信し、各スイマーの生体情報を把握可能となっている。
【0073】
プールサイド処理ブロック604の各部は、ACアダプタ616から給電される処理電源部618により給電されるとともに、処理電源部618は、無接点充電電磁誘導部620にも給電している。これによって、防水型第1スイマー指輪センサブロック602の無接点充電誘導部208をプールサイド処理ブロック604の無接点充電電磁誘導部620と近接させられることにより、電磁誘導により蓄電池32への充電が可能である。図10の実施例7のその他の構成は実施例1から実施例6と同様なので、共通する部分については実施例1から実施例5と共通の番号を付して説明を省略する。特に、防水型第1スイマー指輪センサブロック602の内部構成は図6の実施例3とほぼ同じである。但し、実施例3の防水が生活防水程度であるのに対し、実施例10の防水はスイマーがプールに潜り、かつ水に対する動作も激しいことを考慮し、よりレベルの高い防水仕様となっている。
【実施例8】
【0074】
図11は、本発明の実施の形態に係る生体情報測定装置の実施例8を示すブロック図である。実施例8も、実施例1や実施例2と同様にして人体の脈波および脈拍さらには構成によっては酸素飽和度の測定が可能な生体情報測定システムを構成している。また、実施例8は実施例2と同様携帯電話機能と連携している。しかしながら、実施例2では、携帯電話/処理ブロック104の構成が基本的には通常の携帯電話であり、ランナー指輪センサブロック102が別に設けられていて形態電話/処理ブロック104の処理ブロックとしての機能が携帯電話のアプリケーションソフトの一つとして位置づけられている。これに対し、実施例8は携帯電話702が生体情報センサと合体させられており、発光部18および受光部20がハードとして携帯電話702に搭載されている。
【0075】
実施例8の構成は、基本的には実施例2におけるランナー指輪センサブロック102と携帯電話/処理ブロック104が携帯電話702として合体したものであり、その内部構成自体は基本的に同様である。従って、実施例2と共通する部分については共通の番号を付して説明を省略するとともに、異なるところを中心に説明する。まず、合体の結果、処理制御部42とセンサ制御部122は携帯電話702が近距離通信部等を介さずに携帯電話702の内部で直接交信している。また、合体の結果、生体情報測定のための構成要素への給電は処理電源部116が兼用している。なお、太陽電池25はこのような兼用の処理電源部116の蓄電池118に出力を提供している。さらに、それぞれ設けられていた操作部56や表示部50が一つに統合されている。
【0076】
実施例8のセンサ制御部122の機能としては、基本的に実施例2で変更された形の図2から図4のフローを採用することができる。但し、発光部18と受光部20が携帯電話702の表面に配置された結果、測定はこれら発光部18と受光部20の位置に指などを充てることにより行われるので、この形では例えば走行中に生体情報を測定する場合よりも安静時の測定に適する。ランナーとして走行中の測定を行うには、腕装着ベルト保持部704に腕装着ベルト706を通し、これによって発光部18および受光部が腕708に対向するように、携帯電話702を腕に装着する。
【0077】
図12は、本発明の実施例2における図5の処理制御部42の機能を示すフローチャートである。フローは携帯電話/処理ブロック104の主電源のオンでスタートし、ステップS122で電話機の初期立上を行うとともに各部の機能チェックを行う。そしてステップS124で表示部50に待ち受けおよびメニュー画面が表示される。このメニューの中には、生体情報測定も含まれており、選択することができる。
【0078】
次いで、ステップS126に進み、操作部56の操作によってメニューから生体情報測定が選ばれて測定の設定がされているかどうかチェックする。設定があればステップS128でランナー指輪センサブロック102の電源がオン状態にあるかどうかチェックし、オン状態であればステップS130に進む。ステップS130では、充電案内表示、指装着案内表示および強制オフ予告表示のいずれかの指示が図2のフローに従ってランナー指輪センサブロック102から指示されているかどうかチェックする。これらいずれの指示もない場合はステップS132に進み、操作部56による測定開始が済んでいるかどうかチェックして、操作済みであればステップS134に移行する。
【0079】
一方、ステップS132で測定開始操作済みが検知されなければステップS128に戻り、以下、ランナー指輪センサブロック102の電源がオンで、且つ充電等の表示の指示がない限り、ステップS128からステップS132のループを繰り返して測定開始操作を待つ。なお、後述するように、ランナー指輪センサブロック102のオンから所定時間経過しても測定開始操作がなければ図2のステップS8によりランナー指輪センサブロックが強制オフとなるので、ステップS238によって上記のステップS126からステップS132のループから抜け、生体情報測定設定がキャンセルされる。
【0080】
ステップS134では、リアルタイム送信モード設定がなされているかどうかのチェックが行われ、リアルタイム送信モードであればステップS136に進んで携帯電話/処理ブロック104が通話中または他の生体情報測定以外の機能動作中であるかどうかチェックする。通話中か他機能動作中であればステップS140に進み、待受状態にない旨の信号をランナー指輪センサブロック102に送信してステップS142に移行する。ランナー指輪センサブロック102では、これを受け、図4のステップS108にてユニット脈波情報の送信を保留する。一方、ステップS136で通話中および他機能動作中のいずれでもないことが検知されたときはステップS144に進み、待受中である旨の信号をランナー指輪センサブロック102に送信してステップS142に移行する。ランナー指輪センサブロック102では、これを受け、図4のステップS108からステップS112にてユニット脈波情報が新たに取得され次第リアルタイムでこれを携帯電話/処理ブロックに送信する。
【0081】
ステップS142では、ユニット脈波情報を受信したかどうかチェックし、受信があればステップS146に進んでユニット脈波情報統合処理を行う。これは、脈波情報の断片であるユニット脈波情報を脈波情報として波長別、および個人別に統合する処理である。ついでステップS148に進み、脈波の形状の評価や典型パターンとの照合診断などの分析、脈波情報に基づく酸素飽和度等の演算、分析や演算結果の記録およびこれらに基づく生体情報測定結果の表示などの処理を行ってステップS150に移行する。なお、ステップS148において、脈波情報を電話回線通信部123からかかりつけの医師に自動送信する処理を加えるよう構成してもよい。脈波情報を一方、ステップS142でユニット脈波情報の受信が検地されない場合は直接ステップS150に移行する。
【0082】
また、ステップS134でリアルタイム送信モードが検知されない場合は、一括送信モードが設定されていることを意味するので、ステップS152に移行し、操作部56によって送信要求操作がなされたかどうかがチェックされる。そして送信要求操作が検知されるとステップS142に移行してユニット脈波情報の受信チェックに入る。一方、ステップS152で送要求操作が検知されない場合は、直接ステップS150に移行する。
【0083】
ステップS150では、生体情報測定の設定がされているかどうかチェックする。生体情報測定設定は操作部56の操作で解除できるが、この解除操作の結果、ステップS150で生体情報測定設定がなされていないことが検知されるとステップS154に移行する。一方、ステップS150で生体情報設定の継続が検知されるとステップS128に戻り、以下、センサブロック電源オフや充電案内等の表示指示または生体情報測定設定の解除がない限りステップS128からステップS152を繰り返して測定を継続する。
【0084】
なお、ステップS126で生体情報測定設定が検知されない場合も直ちにステップS154に移行する。また、ステップS128でランナー指輪センサブロック102の電源オンが検知できない場合も、ステップS156で表示部50によるセンサブロックの電源オン案内表示を指示してからステップS154に移行する。さらに、ステップS130において、充電案内表示、指装着案内表示および強制オフ予告表示のいずれかの指示がランナー指輪センサブロック102から指示されているかことが検知された場合も、ステップS158で表示部50による該当する案内表示をしてからステップS154に移行する。
【0085】
ステップS154では、通常携帯電話機能の処理が行われる。ステップS154における通常電話機能処理は、処理の節目または処理の終了により待受/メニュー画面表示に戻った時点でステップS160に移行し、携帯電話/処理ブロックの主電源をオフする操作が行われたかどうかチェックする。そして主電源オフが検知されるとフローを終了する。一方、ステップS160で主電源オフが検知されない場合は、ステップS126に戻り、以下主電源がオフされない限り、ステップS126からステップS160を繰り返す。
【0086】
図13は、本発明の図7の実施例4から図9の実施例6に示した音楽プレーヤ/処理ブロックにおける処理制御部42の機能を示すフローチャートである。フローは音楽プレーヤ/処理ブロック304または504の主電源のオンでスタートする。図13のフローは図12のフローと共通部分が多いが、これら共通部分は、後述において個別に説明するように図13においてまとめて図示するとともに、適宜説明を省略する。図13のフローがスタートすると、ステップS162で初期処理を行ってステップS164に移行する。ステップS162の初期処理は図12のステップS122およびステップS124に該当する。
【0087】
次いで、ステップS164に移行し、操作部56の操作によって生体情報測定の設定がされているかどうかチェックする。設定があればステップS166に進み、耳朶センサブロック302またはイヤホンセンサブロック402またはヘッドホンセンサブロック502が測定可能な状態にあるかどうかチェックする。ステップS166およびステップS168は、図12のステップS128、ステップS130、ステップS156およびステップS158に該当し、これらをまとめて図示したものである。
【0088】
ステップS166でセンサブロックが測定可能な状態にあることが検知されるとステップS170に進み、操作部56による測定開始が済んでいるかどうかチェックして、操作済みであればステップS172に移行する。一方、ステップS170で測定開始操作済みが検知されなければステップS166に戻り、以下、センサブロックが測定可能な状態にある限り、ステップS166とステップS170を繰り返して測定開始操作を待つ。
【0089】
ステップS170で測定開始が検知されるとステップS172に進み、音楽連動モードの設定が行われているかどうかチェックする。音楽連動モードが設定されていればステップS174に進み、音楽が既に再生中かどうかチェックして再生中でなければステップS176で生体情報測定との相関に適切な曲を自動選曲しステップS178でその曲の自動再生を開始してステップS180に移行する。一方、ステップS174で音楽が既に再生中であることが検知されたときはステップS182に移行して生体情報測定との相関情報として再生中の曲名を記録してステップS180に移行する。また、ステップS172で音楽連動モードでなければ、直接ステップS180に移行する。この場合は、音楽が再生されていてもこれと無関係に生体情報測定がおこなわれるとともに音楽が再生されていない場合に自動再生を開始することもない。
【0090】
ステップS180の測定/分析/演算/記録/表示処理は、図12のステップS134からステップS148およびステップS152をまとめたものであり、その内容の説明は省略する。ステップS180からステップS184に移行すると、ここで再び音楽連動モードの設定が行われているかどうかチェックする。そして設定が検知されるとステップS186に進み、音楽相関分析処理が行われる。この相関は、曲のテンポ、拍子、楽器、ダイナミック変化、音量などと生体情報の相関を分析するものであり、曲による精神状態の高揚やリラクゼーション効果などを調べるものである。そしてステップS188に進み、ステップS186の分析の結果として生体情報の状態が曲を変更すべき条件に該当するかどうかチェックし、条件に該当すればステップS190で曲をより適切なものに自動変更してステップS192に移行する。一方、ステップS188で曲変更条件に該当しなければ直接ステップS192に移行する。また、ステップS184で音楽連動モード設定が検知されない場合も直接ステップS192に移行する。
【0091】
ステップS192では、生体情報測定の設定がされているかどうかチェックする。生体情報測定の解除が検知されるとステップS194に移行する。一方、ステップS192で生体情報設定の継続が検知されるとステップS166に戻り、以下、センサブロックが測定可能な状態でなくなるか生体情報測定設定の解除がない限りステップS166からステップS192を繰り返し、測定および設定に応じた音楽との連動を継続する。
【0092】
なお、ステップS164で生体情報測定設定が検知されない場合も直ちにステップS194に移行する。また、ステップS166でセンサブロックが測定可能な状態でなくなったことが検知された場合も、ステップS168で表示部50によるセ案内表示を指示してからステップS194に移行する。
【0093】
ステップS194では、通常音楽プレーヤの処理が行われる。ステップS194における通常音楽プレーヤ処理は、処理の節目または処理の終了によりメニュー画面表示に戻った時点でステップS196に移行し、音楽プレーヤ/処理ブロックの主電源をオフする操作が行われたかどうかチェックする。そして主電源オフが検知されるとフローを終了する。一方、ステップS196で主電源オフが検知されない場合は、ステップS164に戻り、以下主電源がオフされない限り、ステップS164からステップS196を繰り返す。
【0094】
図14は、本発明の実施例1における図1の処理制御部42および本発明の実施例7における図10の処理制御部42における機能を示すフローチャートである。フローは伴走車搭載/拠点設置処理ブロック4または図10のプールサイド処理ブロック604の主電源のオンでスタートする。フローがスタートすると、まずステップS202で伴走車搭載/拠点設置処理ブロック4プールサイド処理ブロック604(以下、代表として「拠点」と称する)にて、測定を開始する個人のIDが入力されたかどうかチェックする。
【0095】
拠点において個人IDの入力があった場合はステップS204に進み、入力されたIDが登録済みのものかどうかチェックする。そして登録済みのIDでなければステップS206の個人登録処理を経てステップS208に移行する。一方、ステップS204において登録済みのIDであることが確認されたときは直接ステップS208に移行する。なお、ステップS202において個人IDの入力が確認されなかったときも直接ステップS208に移行する。
【0096】
ステップS208では、特定のセンサブロックにおいて測定を開始する操作があったかどうかチェックする。このチェックは、センサブロックから拠点に測定開始操作の報告通信があったかどうかをチェックすることにより可能である。なお、測定開始操作は拠点側で行うことも可能であり、この場合は、測定開始指示信号をセンサ側に送信する。以上のようなチェックの結果、測定開始操作が検知されるとステップS210に進み、測定開始操作に先立って測定を開始する個人のIDが入力済みかどうかチェックして、入力済みでなければステップS202に戻り、入力に対応させる。つまり、特定のセンサブロックについて新たに測定を開始する場合、ステップS208で測定開始操作を検知しても、これに先立って個人IDが入力されていない限り測定には入らない。
【0097】
一方、ステップS210で個人IDが入力済みであることが確認されるとステップSステップS212に進み、センサが測定を開始する個人の指に装着されたかどうかチェックする。このチェックは、図2のセンサ側のステップS10からステップS14の機能を経て、装着OK信号を受信することによって可能である。ステップS212においてセンサ装着が検知されるとステップS214に進む。一方、ステップS212でセンサの装着が確認されない場合は、ステップS216に移行して装着を案内する表示を表示部50にて行うとともに装着案内信号をセンサに送信してセンサ側の表示部39でこれを表示させ、ステップS202に戻る。このようにセンサ装着が確認されない限り、測定操作が行われても測定に入ることはない。
【0098】
ステップS214では、センサ固有のIDおよびセンサ側で入力した個人IDをセンサから受信してステップS218に移行する。ステップS218では、ステップ214で受信したセンサIDが登録済みのものかどうかチェックする。そして登録済みでなければステップS220に移行してセンサIDの新規登録を行う。次いで、ステップS222に進み、センサと共同して較正/個人ID登録処理を行い、較正データをセンサIDおよび個人IDで特定できるようにして記憶部54に記憶するとともにステップS224に移行する。一方、ステップS218においてセンサIDが登録済みであることが確認された場合にはステップS226に移行し、今回の測定のためにIDを入力した個人の指が今回装着したセンサにおいて較正済みかどうかチェックする。そして較正済みでなければステップS222の較正/個人ID登録処理に移行する。また、ステップS226においてIDを入力した個人の指が較正済であることが確認できた場合は、直接す224に移行する。
【0099】
ステップS224では、センサIDおよび個人IDにて特定されるセンサ/個人別較正データを記憶部54から読み出してセンサに送信する。以上のようなステップS208からステップS224の機能に必要な拠点との通信は登録設定専用チャネルにて行われる。次いでステップS228では、以上の処理により測定データが送信可能となったセンサに送信用チャネルを割り当ててステップS230に移行する。なお、ステップS208で測定開始操作が検知されないときは直接ステップS230に移行する。
【0100】
ステップS230は、拠点の制御下にある測定中の複数のセンサブロックのうちデータを受信するセンサを一つ指定する処理を行う。その詳細は後述する。そしてステップS232に移行し、指定したセンサブロックからユニット脈波情報が受信されているかどうかチェックするとともに受信があればステップS234に進んで受信情報整理処理を行い、ステップS236に移行する。ステップS234の受人情報整理処理の詳細は後述する。一方、ステップS232でユニット脈波情報の受信が確認できない場合は、直接ステップS236に移行する。ステップS236では、拠点の主電源がオフされたかどうかチェックし、オフされなければステップS202に戻って、以下ステップS202からステップS236を繰り返す。これによって、主電源がオフされない限り、拠点は、新規な測定のための個人IDの入力、新規な測定の開始、および測定中の複数のセンサブロックからのユニット脈波情報の受信と整理に対応することができる。
【0101】
図15は、図14のステップS230における受信センサ指定処理の詳細を示すフローチャートであり、フローがスタートすると、まずステップS242において、いずれかのセンサブロックに割り当てられたチャネルが現在受信時間内にあるかどうかチェックする。このような受信時間内チャネルがあれば、これに加えて他のチャネルが指定されることはなく、直ちにフローは終了する。換言すれば、該当チャネルにおいて、その割当時間帯が終了するまでは、そのチャネルが割り当てられたセンサブロックからの受信または受信への待機が継続される。
【0102】
これに対し、受信時間内チャネルがない場合、つまりあるチャネルに割り当てられた先行する割当時間帯が終了したときは、次の割当時間帯におけるチャネルを指定するためテップS244以下に進む。まずステップS224では、割当済みの全てのチャネルが通信圏内にあるかどうか順次サーチし、応答の有無を確認していく。そしてステップS246に進み、サーチの結果として少なくとも一つのセンサブロックが通信圏内にあり、割り当てられたチャネルを通じて応答があったかどうかチェックする。そして、通信圏内にセンサブロックがなく、いずれのチャネルを通じても応答がないときは直ちにフローを終了する。
【0103】
一方、少なくとも一つのセンサブロックが通信圏内にあったときは、ステップS248に進み、前回通信圏内にあることが確認された割当済みチャネルリストを読み出す。そして、ステップS250に進み、ステップS248で読み出したリストとステップS246のチェック結果とを比較することにより新規に通信圏内に入ったチャネルの有無をチェックする。この結果、新規圏内チャネルがあればステップS252に進み、そのチャネルにおける単位時間当たりのユニット脈波情報受信回数が全チャネル平均のそれより所定以上多いかどうかチェックする。そして該当すれば新規圏内チャネルを特別扱いせずステップS254に移行して通信圏内割当済チャネルリストの更新のみを行う。また、ステップS250で新規に通信圏内に入ったチャネルがないことが確認できたときは直接ステップS254に移行して通信圏内割当済チャネルリストの更新を行う。この場合、新規圏内チャネルの追加はないから、更新があれば通信圏外になったチャネルの削除のみが行われる。
【0104】
次いで、ステップS256では、そのチャネルにおける単位時間当たりのユニット脈波情報受信回数が全チャネル平均のそれより所定以上少ないかどうかチェックする。そして該当するものがあればステップS258に進み、そのチャネルの単位時間当たりの選定回数が全チャネル平均のそれより所定以上多いかどうかチェックする。これに該当する場合は、平均よりも所定以上多い回数チャンネルを指定したにもかかわらず実績としての受信回数が平均よりも所定以上少ないことを意味するのでステップS260に進み、当該チャネルを指定対象リストから外すとともにこのチャネルが割り当てられているセンサブロックに送信能力上の異常がある旨の表示を行ってステップS262に移行する。一方、ステップS256で単位時間当たりの受信回数が全チャネル平均のそれより所定以上少ないものがない場合は、直接ステップS262に移行する。
【0105】
ステップS262では、ステップS254で更新され必要に応じステップS260で修正されたリストに基づき、その中から、単位時間当たりのユニット脈波情報受信回数が最小のチャネルを一つ選定してステップS264に移行する。同数のものが複数あればランダムにそのうちの一つを選定する。このようにして、似通った受信回数のチャネルの一つが受信回数の少ないものから順に一つ選定されることになる。これに対し、新規に受信圏内に入ったチャネルであって単位時間当たりのユニット脈波情報受信回数が全チャネル平均のそれより所定以上多いわけではない場合はステップS270に移行し、新規に受信圏内に入ったチャンネルを最優先して直ちに選定し、ステップS265に移行する。それまで通信圏外に出ていたセンサユニットであれば再び通信圏外に去る可能性があり、次にいつ通信圏内に戻るか不明なので、今回通信圏内に入った機会を逃がさず最優先で最新のユニット脈波情報を受信する趣旨である。但し、受信回数が全チャネル平均より多い場合はこのような特別扱いをする必要がないので、既に述べたようにステップS252からステップS254に移行させる。
【0106】
ステップS264では、ステップS264またはステップS270で選定されたチャネルに対し通常の受信割当時間帯を設定してステップS266に移行する。これに対し、ステップS256で単位時間当たりのユニット脈波情報受信回数が全チャネル平均のそれより所定以上少ないと判定されかつステップS258で単位時間当たりの選定回数が全チャネル平均のそれより所定以上多いわけでもないと判定されたチャネルがリストにあればステップS272に進み、直ちにこのチャネルを選定する。平均から見て明らかに受信実績の少ないチャネルがリスト中にあればこれを最優先する趣旨である。さらに、ステップS274では、このチャネルに対し、通常よりも割増した受信割当時間帯を設定してステップS266に移行する。受信実績が少ない場合は何らかの通信上の悪条件が想定されるので、該当チャネルを最優先で選定するのに加え、割当時間帯を割増することで受信機会を増加させる趣旨である。
【0107】
ステップS266では、以上のようにして選定されたチャネルを通じてこのチャネルが割り当てられたセンサブロックに対しユニット脈波情報の送信を指示するとともに、ステップS268でその受信開始を指示してフローを終了する。
【0108】
図16は、図14のステップS234における受信情報整理処理の詳細を示すフローチャートであり、フローがスタートすると、まずステップS272において、受信したデータの中から、個人IDを抽出する。次いで、ステップS274ではセンサIDを抽出する。さらに、ステップS276では情報の本体であるユニット脈波情報を抽出するとともに、参考情報としてステップS278で走行/暗線状態判定情報を、ステップS280でタイムスタンプを抽出する。
【0109】
次に、ステップS282では、センサIDを不問として個人ID別にデータを分別する。さらにステップS284では個人ID別および走行/安静状態別にユニット脈波情報の計時変化を記録する。さらに、この記録に基づき、ステップS286において経時変化も含め個人別の健康状態を判定する処理を行う。実施例では、複数のセンサブロック自体のバラツキおよびセンサと各人の指の関係のバラツキに対処するため、個々のセンサと個人のそれぞれの組合せについて較正データを作成しているので、分別に当たってはどのセンサを用いたかにかかわらず、個人データとしてはセンサIDを不問としてデータの分別を行うことができる。
【0110】
一方、ステップS288では、個人IDを不問としてセンサID別にデータ平均の集計を行う。さらに、ステップS290で全センサデータの集計を行う。そしてこれらセンサ毎の集計と全センサの平均に基づき、ステップS292において偏差分析による個別センサの異常判定処理を行ってフローを終了する。
【0111】
以上に説明した本発明の種々の特徴の実施は、上記の実施例に限るものではなく他の実施形態においても可能である。例えば、どのセンサブロックをどの個人が装着しているかの関連づけについては、実施例では、図14のステップS214におけるように、センサブロック側で入力された個人IDをそのセンサブロックのセンサIDとともに受信することにより行っている。しかしながら、このようなセンサブロック特定情報と個人の特定情報との関連づけは、実施例におけるような形態に限るものではない。例えば、図14のステップS202においてチェックしている個人ID入力操作の際、装着のためにその時個人に手渡されるセンサブロックのIDを個人IDとともに拠点側で入力しておけば、センサ側で個人IDを入力しなくても、ステップS214でセンサIDを受信するだけで、そのセンサブロックが特定の個人に装着されたことが確認でき、ステップS218以降に進むことができる。
【実施例9】
【0112】
図17は、本発明の実施の形態に係る生体情報測定装置の実施例9を示すブロック図である。実施例9は、フィットネスクラブでトレーニング中の複数のメンバーの脈波および脈拍さらには構成によっては酸素飽和度の測定が可能な生体情報測定システムを構成しており、その最小単位として、第1メンバーの指に装着可能な防水型第1メンバー指輪センサブロック802、フィットネスクラブ処理ブロック804、および防水型第1メンバー指輪センサブロック802の赤外線通信部828から送信される生体情報を受信する赤外線通信部806を備えた第1マシン808を含む。第1マシン808は例えばランニングマシンであり、ランニングマシンの駆動部や制御部からなるマシン機能部809を有する。なお、マシン機能部はマシン固有のマシンIDを保持している。なお、図17の実施例9における具体的な構成の大半は図1の実施例1および図10の実施例10と同様であり、共通する部分については共通の番号を付して説明を省略する。
【0113】
防水型第1メンバー指輪センサブロック802は、さらに防水型第1メンバー指輪センサブロック802のセンサIDを保持するICタグ827を有する。そして、防水型第1メンバー指輪センサブロック802がどのメンバーの指14に装着されているかは、フィットネスクラブ処理ブロック804の操作部56によって入力され、記憶部54に記憶される。このような入力は、例えば、フィットネスクラブに入場する個々のメンバーに対して防水型第1メンバー指輪センサブロック802を配布する際に行われる。一方、第1マシン808はICタグ827のセンサIDを読み取るためのICタグリーダ811を有する。そして、ICタグリーダ811がICタグからのセンサIDを読み取ることによって、防水型第1メンバー指輪センサブロック802を装着した第1メンバーがトレーニングのために第1マシン808に接近したことを検知して赤外線通信部828および806による近距離通信にトリガをかける。
【0114】
第1マシン808の赤外線通信部806、マシン機能部809およびICタグリーダ811は、それぞれフィットネスクラブ処理ブロック804の処理制御部とそれぞれ通信線831、833、835で通信可能となっている。そしてこの通信によってICタグリーダ811が読み取ったセンサIDおよびマシン機能部が保持するマシンIDおよび赤外通信部806が受信した生体情報を処理制御部に送信する。
【0115】
第2マシン813は例えば自転車型エルゴメータであり、防水型第2メンバー指輪センサブロック815を装着した第2メンバーがこれを使用しており、ICタグ817および赤外線通信部819によって第2マシン813と近距離通信している。第2マシン813はマシン機能部を除き基本的に第1マシンと同様の構成である。また防水型第2メンバー指輪センサブロック815は防水型第1メンバー指輪センサブロック802と基本的には全く同様の構成なので内部の図示および説明を省略する。また、図17では、第2マシン813における赤外線通信部、マシン機能部およびICタグリーダと処理制御部42との通信線を簡単のため一本の太線837で示しているが、通信形式についても第1マシンと同様である。なお、図17では説明の便のため赤外線通信部896、マシン機能部809およびICタグリーダ811と処理制御部42との間をそれぞれ専用の通信線831、833、835で結ぶごとき図示をしているが、実際には一本の通信ケーブルを用いた通信システムに従い、時分割でこれらの間の有線通信が行われる。
【0116】
以上のような構成において、例えば、防水型第1メンバー指輪センサブロック802を装着した第1メンバーがトレーニングのために第2マシン813に接近するとともに、防水型第2メンバー指輪センサブロック817を装着した第2メンバーがトレーニングのために第1マシン803に接近したときは、それぞれ第1メンバーのICタグ827が第2マシンによって、第2メンバーのICタグ817が第1マシンによって識別される。このようにして、各メンバーがフィットネスクラブの種々のマシンによってトレーニングするとき誰がどのマシンでトレーニングをしているか、また赤外線通信によってフィットネス倶楽部処理ブロックに集結される生体情報が誰のものなのかが識別される。このようにして、個人別の各種マシンにおけるトレーニング中の生体情報が処理制御部42に送られることになる。
【0117】
図17では、簡単のためマシンと防水型メンバー指輪センサブロックを2つ図示しているが、実際には、フィットネスクラブには種々のマシンが多数設けられている。各マシンは必ずしも異なったタイプのものに限らず、同種のマシンが複数併設されていてもよい。このような同種のマシンであっても、マシン機能部が有するマシンIDはそれぞれことなっており、一つ一つのマシンを識別可能である。また、「マシン」の特別の形としてトレーニング用ではなくメンバー休息用のパーソナルチェアタイプのものも配備される。このようなパーソナルチェアタイプのマシンでは、マシン機能部はトレーニング用の機能は持たず、単にマシンIDを保持している。従って、メンバーがこのようなマシンで休息する場合、そのメンバーの安静状態の生体情報が処理制御部42に送られることになる。なお、マシンの数とメンバーの数は同数とは限らず、フィットネスクラブが空いているときは配布される防水型メンバー指輪センサブロックの数よりもマシンの数の方が多いことになるし、混んでいるときは、マシンの数よりも多数の防水型メンバー指輪センサブロックが配布されることになる。但し、このようにメンバーの方が多い場合でも、実施例9の場合、防水型メンバー指輪センサブロックとマシンの間では一対一の通信が行われる。
【0118】
図18は、本発明の実施例9における図17の処理制御部42における機能を示すフローチャートである。フローはフィットネスクラブ処理ブロック804の主電源のオンでスタートする。フローがスタートすると、ステップS302において、メンバーがフィットネスクラブに入場する際、そのメンバーに対してどの防水型メンバー指輪センサブロックを配布したかの個人ID/センサID関連づけ情報を入力する操作が新たに行われたかどうかチェックする。
【0119】
ステップS302において、個人ID/センサID関連情報の入力があった場合はステップS304に進み、関連づけにおいて入力された個人IDが登録済みのものかどうかチェックする。そして登録済みの個人IDでなければステップS306の個人登録処理を経てステップS308に移行する。一方、ステップS304において登録済みの個人IDであることが確認されたときは直接ステップS308に移行する。
【0120】
ステップS308では、ステップS302で入力されたセンサIDと個人IDに基づき、そのセンサブロックがその個人について較正されたものであり、その結果の較正データが登録済かどうかチェックする。そして未登録であればステップS310に進み、そのセンサブロックと個人の組合せについて較正を行いその結果の較正データを登録する処理を行ってステップS312に移行する。一方、該当する較正データが登録みのセンサブロックであることがステップS308で確認された時は直接ステップS312に移行する。ステップS312では、ステップS302で入力された個人ID/センサID関連づけ情報を登録する。この登録は、その個人がセンサブロックを返却してフィットネスクラブを退出するまで維持される。
【0121】
次いで、ステップS314では、いずれかのマシンにおいてIDタグから新たなセンサIDがICタグリーダによって検知されたかどうかチェックする。ステップS312において個人ID/センサID関連づけ情報が登録されているので、このチェックは、個人IDが得られるかどうかのチェックでもある。そしてセンサIDの検知があればステップS316に進み、センサブロックがメンバーの指に装着されたかどうかのチェックをセンサブロックに指示する。この指示は赤外線通信部806、828を通じて行われる。次いで、ステップS318では、センサブロックがメンバーの指に装着されているかどうかをチェックし、装着が確認されると、ステップS320に進んで既に赤外線通信中かどうかのチェックを行い、まだ通信中でなければステップS324に移行して赤外線通信を開始する指示を行う。さらにステップS324においてセンサと個人の組合せ別の較正データセンサブロックに送信してステップS326に移行する。一方、ステップS320で赤外線通信中であることが確認された場合は、直接ステップS326に移行する。このようにして、実施例9では、ICタグの検知によって赤外線通信のトリガがかけられる。なお、測定のトリガは、各センサブロック側でかけられる。
【0122】
ステップS326では、以上の処理を経て通信が確立している種々のマシンとフィットネスクラブ処理ブロック804との間の赤外線通信に関する管理処理を行う。そしてステップS328に移行し、管理処理に基づいてマシンを介してセンサブロックからユニット脈波情報が受信されているかどうかチェックするとともに受信があればステップS330に進んで受信情報整理処理を行い、ステップS332に移行する。ステップS330の受信情報整理処理の詳細は図16が準用可能である。なお、このとき、図16のステップS278およびステップS284における「走行/安静状態」は「マシン」と読み替えるものとする。
【0123】
なお、ステップS314でセンサIDが検知されないときはステップS334に移行して赤外線通信を解除し、ステップS332に移行する。また、ステップS318でセンサの装着が確認されない場合は、ステップS336に移行して装着を案内する表示を表示部50にて行うとともに装着案内信号をセンサブロックに送信してセンサ側の表示部39でこれを表示させ、ステップS334に移行する。
【0124】
一方、ステップS328でユニット脈波情報の受信が確認できない場合は、直接ステップS332に移行する。ステップS332では、フィットネスクラブ処理ブロックの主電源がオフされたかどうかチェックし、オフされなければステップS302に戻って、以下ステップS302からステップS334を繰り返す。これによって、主電源がオフされない限り、拠点は、新規な測定のための個人ID/センサID関連情報の入力、および測定中の複数のセンサブロックからのユニット脈波情報の受信と整理に対応することができる。
【0125】
図19は、図18のステップS326における通信管理処理の詳細を示すフローチャートであり、フローがスタートすると、まずステップS342において、処理制御部42がセンサブロックからのユニット脈波情報を受信するためいずれかのマシンと通信中であるかどうかチェックする。通信中であれば、これに加えて他のマシンを通じた受信開始を行うことなく、直ちにフローは終了する。換言すれば、あるマシンと通信中であるときは、その通信に割り当てられている通信時間帯が終了するまでは、そのマシンを通じた通信が継続される。
【0126】
これに対し、通信中のマシンがない場合、つまりあるマシンとの通信に割り当てられた先行する通信割当時間帯が終了したときは、次の割当時間帯におけるマシンを指定するためテップS344以下に進む。まずステップS344では、センサブロックのICタグを検知しているマシンがあるかどうか順次サーチし、応答の有無を確認していく。そしてステップS346に進み、サーチの結果としてICタグを検知している少なくとも一つのマシンの有無を検知する。そしていずれのマシンもICタグを検知さいていないときは直ちにフローを終了する。
【0127】
一方、ステップS346において、少なくとも一つのマシンがセンサブロックのICタグを検知していることが確認された場合はステップS348に進み、前回ICタグを検知していることが確認されたマシンで指定順序が割り当てられたもののリストを読み出す。そして、ステップS350に進み、ステップS348で読み出したリストとステップS346のチェック結果とを比較することにより新規にICタグを検知したマシンの有無をチェックする。そして新規マシンがなければステップS352に進み、やはりステップS348で読み出したリストとステップS346のチェック結果とを比較することにより前回ICタグを検知していたが今回ICタグを検知しなくなったマシンの有無をチェックする。そして該当するものがあればステップS354に進み、これをICタグ検知マシンリストから削除してステップS356に進む。一方、ステップS352でICタグを検知しなくなったマシンがないと判断された時は直接ステップS356に移行する。
【0128】
一方、ステップS356では、更新された最新のICタグ検知マシンリストにおける指定順序に従い、前回通信が終わったマシンの次の順位に該当するマシンを指定する。そしてステップS358に進んで、指定したマシンを通じたセンサブロックからのユニット脈波情報の受信を指示してフローを終了する。
【0129】
これに対し、ステップS350で新規にICタグを検知したマシンがあることが検知されると、ステップS360に進み、更新された最新のICタグ検知マシンリストにおける指定順序に従い、前回通信が終わったマシンの次の順位に該当するマシンのリスト位置を検知してステップS362に進み、新規にICタグを検知したマシンをステップS360で検知したマシンの一つ前の位置に割り込ませてリストに追加する。そして、その追加した新規マシンを指定してステップS358に移行する。なお、ステップS350において、新規にICタグを検知したマシンが複数存在したときは、ICタグ検知が一番早い一つのマシンを選定してステップS360に移行し、他のマシンについては、次回にステップS350に至った時新規ICタグ検知マシンとして検知するようにする。この検知は、S350の検知条件を「新規にICタグを検知したマシンであって未だステップS364による優先指定がされていないもの」とすることにより可能である。
【0130】
なお、図19のフローは、一つのマシンとの通信時間を比較的まとまったデータ量のユニット脈波情報を一括送信することを前提に構成しているが、本発明の実施はこのようなものに限られるものではない。例えば、通信時間を時分割し、一つのマシンに割り当てる時間を極めて短くするとともに、図18のステップS326において図19のフローを複数回繰り返すことにより各マシンとの通信を並行して行うように構成してもよい。この場合、図19の「終了」に代えて、「単位並行通信時間終了?」をチェックするステップS366を追加し、該当する場合のみフローを終了させるとともに、単位並行通信時間が終了しない限りステップS342に戻って、ステップS342からステップS366を繰り返すよう構成する。
【0131】
また、図19の通信管理処理または上記ステップS366を採用する構成例では、新規ICタグ検知マシンやICタグ検知消失マシンがあればこれにきめ細かに対応して通信時間割当の管理を行っている。しかしながら、これに代え、図18におけるステップS326の通信管理処理の内容を単純化し、単位並行通信時間内において、ICタグの検知にかかわらず、つまりセンサブロックからのユニット脈波情報の送信の有無にかかわらず、フィットネスクラブ内の全てのマシンとの間で常に時分割通信を行うよう構成してもよい。なお、実施例9は近距離通信部を赤外線通信部として構成しているが、近距離通信手段はこれに限るものではなく近距離無線通信部として構成してもよい。また、これと逆に実施例1から実施例8についても必要に応じ近距離通信部を赤外線通信部として構成してもよい。
【0132】
上記図17から図19における実施例9の構成は、図10の実施例7におけるようなプールでトレーニング中の複数のスイマーの脈波および脈拍さらには構成によっては酸素飽和度の測定が可能な生体情報測定システムにも適用できる。また、実施例9のフィットネスクラブに実施例7のプールシステムの構成を統合することもできる。これらの場合、図10のコースロープ群をそれぞれ識別可能とするため、図17のマシン機能部809のマシンIDに相当するコースロープIDをそれぞれのコースロープに設けるまた、ICタグを有するセンサブロックに対応するため、コースロープの適所にICタグリーダを設ける。
【0133】
なお、図17に示した各マシンは必ずしも全てフィットネスクラブ処理ブロックと別体に構成される必要はなく、フィットネスクラブ処理ブロックと一体に構成されるマシンが存在してもよい。また、上記ICタグに関する種々の特徴は、生体情報測定システムに限らず、測定ブロックと処理ブロックを有する種々の測定システムに広く応用可能なものである。
【0134】
以上の各実施例は、生体情報測定装置として構成されているが、生体情報は測定される人が正常な生体活動を行っていてこそ測定可能なので、測定された生体情報は測定された人が健在であることを示す情報ともなることを意味する。従って、これらの生体情報を、システム内でモニタするか、または電話回線を介して遠隔地でモニタすることにより、ランナー、音楽プレーヤ鑑賞者、水泳者、フィットネスクラブにおけるトレーニング者の安否を見守ることができる。さらに、例えば故郷で一人住まいをしている親を都会に出た子供夫婦が見守ったり、独居世帯の近隣仲間同士で互いの健在を確認しあうことで連帯感を深めたりすることにも活用することが可能である。実施例1から実施例9に示した種々の特徴は、このような見守りを目的として適宜活用することができる汎用的特徴を有する。
【実施例10】
【0135】
図20は、本発明の実施の形態に係る生体情報測定装置の実施例10を示すブロック図であって、特に上記のような見守りを目的としてシステムを構成したものである。図20における実施例10のシステム構成の主要部は、下記に述べるように家庭など見守り対象者の近辺に配置される。施例10のシステムは、さらに家族や親族など遠隔地のプライベートな見守り者が所持する見守り者携帯電話/処理ブロック901および見守りサービス業者の見守りサービス拠点/処理ブロック903を含む。
【0136】
見守り対象者の近辺に配置されるシステム構成の最小単位は、見守り対象の日常生活者の指に装着可能な生活者指輪センサブロック902、生活者本人が日常所持する本人携帯電話における本人携帯電話/処理ブロック104、生活者の家庭内に設置された無接点充電器ブロック206、生活者の家庭内におけるシステムの中心となるテレビ/処理ブロック904、およびこれと交信可能なベッド、浴室、トイレ、キッチンなどの家庭内設備905を有する。生活者指輪センサブロック902は、浴槽内での使用に耐えるよう防水構造とされるとともに60℃までの正常動作を保証する構成となっている。
【0137】
上記のように家庭内設備905は複数存在するが、図20では簡単のためその一つを代表として図示する。また、後述するように、家庭内設備905はベッドや浴室用の標準型とトイレやキッチン用の簡易型が存在する。さらに、後述するように、生活者指輪センサブロック902は、交互に充電して使用するために複数用意されており、さらにその構成についても就寝中使用型と活動中使用型の二種類が用意されている。就寝中使用型は脈波情報を長時間連続モニタ可能なよう構成されたもので、メモリ容量が大きく設定されている。一方、活動中使用型は、特に見守りを目的として少なくとも脈拍の有無が検知できるようにするとともに脈波情報の連続測定に関しては入浴中など比較的短時間の測定が可能なようメモリ容量を比較的小さく設定したものである。このような生活者指輪センサブロック902の就寝中使用型と活動中使用型の詳細は後述する。
【0138】
なお、上記のように、図20の実施例10の各部の詳細構成は図1の実施例1から図17の実施例9と共通する部分が多いので、これらについては共通の番号を付し、必要のない限り説明を省略する。また、共通するブロックについては、その詳細構成の図示も一部省略する。例えば、図20の本人携帯電話処理ブロック104および見守り者携帯電話/処理ブロック901の詳細構成は、それぞれ、図5の実施例2における携帯電話/処理ブロック104と基本的に共通であるが、図20ではその詳細構成の大半の図示を省略している。
【0139】
図20の実施例10における生活者指輪センサブロック902は、基本的には例えば図10の実施例7とほぼ共通の構成を持つが、さらに空気圧センサ907を有する。空気圧センサ907としては、例えば空気圧の差による隔膜のゆがみをピエゾ素子で検知する構造をMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)としてまとめたものが提案されているが、これを指輪センサブロックに実装する。このような空気圧センサ907により、例えば生活者が家屋内のドアを開けて室を出入りする時の空気圧の変化や、生活者が家屋の一階と二階の間を昇降するときの空気圧の変化を検知する。センサ制御部922は、空気圧センサ907によって検知されるこのような空気圧の変化をトリガとして発光部18と受光部20による脈波測定を行い、近距離通信部28から測定結果を送信する。また、空気圧センサ907によるトリガとは別に、時計部26は定期的(例えば10分に一回)トリガ信号を発生し、センサ制御部922は、この定期トリガ信号によっても発光部18と受光部20による脈波測定を行って近距離通信部28から測定結果を送信する。また、後述のように、センサ制御部922は、センサブロック外部のトリガセンサに由来するトリガ信号等の外部のトリガ信号によっても発光部18と受光部20による脈波測定を行って近距離通信部28から測定結果を送信する。
【0140】
図20の実施例10における生活者指輪センサブロック902は、さらに、無接点充電誘導部208の状態に基づいて、生活者指輪センサブロック902が無接点充電器具ロック206に載置されて充電中の状態にあるかどうかを検知する充電中検知部908を有する。充電中検知部908は充電完了状態も含め、生活者指輪センサブロック902が無接点充電器具ロック206に載置されているか否かを判別してセンサ制御部に判別結果を伝達する。なお、生活者指輪センサブロック902が無接点充電器ブロック206に載置されて充電中であるか否かは、無接点充電器ブロック206側でも判別可能であり、判別結果はテレビ/処理ブロック904の処理制御部942に伝達される。実施例10における生活者指輪センサブロック902は、さらに、蓄電池の電圧をモニタすることにより充電モニタ部を有し、充電完了および電池の消耗状態をモニタしてセンサ制御部922に伝達する。
【0141】
近距離通信部28から送信された脈波測定信号は、図5の実施例2と同様にして本人携帯電話/処理ブロック104の近距離通信部44で受信される。そして正常脈波の受信があれば、その旨が電話回線通信部123から見守り者携帯電話/処理ブロック901の電話回線通信部909に自動メール送信される。なお、見守りのみを目的とする場合、脈波測定信号によって正常な脈の検知さえできれば健在情報としては充分なので、必要に応じ健康管理の場合よりも検知精度や情報量を低くすることが可能である。このようなメール情報の受信によって、見守り者は遠隔地にいても生活者が健在であることを知ることができる。なお、上記見守りシステムにおける本人携帯電話/処理ブロック104は、家庭内での見守りシステムの一部として機能するだけでなく、生活者が外出しても、充電済みの生活者指輪センサブロック902を装着するとともに本人携帯電話/処理ブロック104を携帯している限り、上記のような携帯電話メール機能による見守りを可能とする。
【0142】
一方、テレビ/処理ブロック904は、上記のように生活者の家庭内における見守りシステムの主要部となるもので、本来のテレビ機能部911に加え、第1近距離通信部944および電話回線通信部922を有する。処理制御部942はこれらの構成を制御する。第1近距離通信部944は、生活者がテレビを観賞していて第1近距離通信部944の通信圏内にあるとき生活者指輪センサブロック902の近距離通信部28から測定結果を受信する。処理制御部942は受信した脈は情報の測定結果に基づいて見守り分析を行い、その結果を電話回線通信部922から見守り者携帯電話/処理ブロック901の電話回線通信部909に自動メール送信する。これによって、見守り者はテレビ/処理ブロック904経由でも、見守り対象の生活者が健在であることを知ることができる。
【0143】
処理制御部942はさらに、常時接続されているインターネット913経由で上記の見守り分析結果を見守りサービス拠点/処理ブロック903の見守りサーバ915に自動送信する。なお、この送信は、多数の契約者から情報見守りサービス拠点への過度の情報集中を避けるため、上記の見守り者携帯電話へのメール送信の場合とは異なり、見守り結果に異常がある場合に限られる。見守りサービス拠点/処理ブロック903は受信した見守り分析結果を蓄積管理するとともに、緊急度に応じ、常時待機している見守り担当者を急行させ、さらに受信した見守り分析結果を契約に基づき電話回線通信部917を通じて見守り者携帯電話/処理ブロック901の電話回線通信部909にも自動メール送信する。併せてサービス拠点/処理ブロック903から見守り者/処理ブロック901への緊急電話連絡が行われる。これによって、見守り者は見守りサービス拠点/処理ブロック903経由でも、見守り対象の異常を知ることができる。なお、見守り者携帯電話/処理ブロック901は、のような3つのルートを通じて生活者指輪センサブロック902からの同じ情報源に基づく同一内容の見守り分析結果が重複してメール受信された場合、煩雑を避けるため、着信情報のタイムスタンプ等で同一情報であることが確認されれば最先の情報のみを生かして二番目以降の同一受信情報を自動的に廃棄する。
【0144】
家庭内設備905は、上記のように、具体的にはベッド、浴室、トイレ、キッチンなどの家庭内の要所に該当し、処理制御部942によって制御される第2近距離通信部919を有していて、生活者が家庭内のどこにいても、生活者指輪センサブロック902を指にはめた生活者の脈波情報を受信できるようにしている。家庭内設備905はさらにトリガセンサ921を有している。
【0145】
トリガセンサ921は、例えば浴室の場合、浴槽の蓋であり、これを開くと検知信号を発生する。また、ベッドの場合、トリガセンサは加重センサであり、ベッドへの横臥による加重によって検知信号を発生する。処理制御部942はこれらの検知信号に基づいて第2近距離通信部919から生活者指輪センサブロック902にトリガ信号を送信し、発光部18と受光部20による脈波測定を行わせる。なお、以上は標準型の家庭内設備905の構成であり、トイレ、キッチンなどにおける簡易型の場合は、トリガセンサ921が省略される。また、簡易型では、各室内設備に共通の第2近距離通信部の本体がテレビ/処理ブロック内に設けられるとともに本体に接続されるアンテナだけが家庭内設備906に設けられる。これらについてはさらに後述する。
【0146】
脈波測定のトリガは上記の他、見守り者携帯電話/処理ブロック901から電話回線通信部909から発信される要求信号によっても行うことができる。この場合、要求信号は、電話回線通信部909および123により本人携帯電話/処理ブロック104に伝達され、さらに近距離通信部44および28により生活者指輪センサブロック902に伝えられる。なお、このような要求信号によって測定のトリガがかけられた場合、見守り結果信号が見守り者携帯電話/処理ブロック901に送信される際に、これが要求信号に基づくものである旨を示す応答信号がともに送信される。なお、要求信号に対しては、脈波測定のトリガに基づく見守り結果信号だけでなく、生活者指輪センサブロック902の装着状態やその充電状態などの情報の送信も行われる。これらについては後述する。
【0147】
なお、テレビ/処理ブロック904から見守りサービス拠点/処理ブロック903への異常時の見守り分析結果の伝達は、生活者指輪センサブロック902から家庭内設備905を経由するルートだけではない。すなわち、煩雑を避けるため図示を省略しているが、実施例10は、生活者指輪センサブロック902の近距離通信部28から本人携帯電話/処理ブロック104の近距離通信部44を経由し、本人携帯電話/処理ブロック104と見守りサービス拠点/処理ブロック903の見守りサーバ915との間のインターネット913を介した通信も可能なよう構成される。これによって、テレビ/処理ブロックの管理化にある第1近距離通信部944または第2近距離通信部919の通信圏内に生活者がいない場合であっても、異常時における見守りサービス拠点/処理ブロック903の対応サービスを受けることができる。このとき、生活者が外出中であれば、見守りサービス拠点/処理ブロック903は、本人携帯電話/処理ブロック104のGPS部923の情報に基づき外出先を特定して最寄りの見守り担当者を現場に急行させる。
【0148】
図21は、図20の実施例10を活用した独居世帯の近隣仲間同士による相互見守りシステムのブロック図であり、一部(生活者指輪センサブロックおよび無接点充電器ブロック)を斜視図で示している。また、図21には、生活者指輪センサブロック902として、活動中使用型指輪949および就寝中使用型指輪951を図示しており、前者は使用中の状態にあるとともに後者は無接点充電器ブロック206に載置されて充電中である。また、友人宅927にも本人宅と同様のシステムが構築された構成となっている。但し、簡単のため、友人宅927では、簡易型生活者指輪センサブロック902をなす活動中使用型指輪953、テレビ/処理ブロック931、および友人携帯電話933以外の構成の図示を省略している。
【0149】
なお、図21でも、見守り者携帯電話/処理ブロック901および見守りサービス拠点/処理ブロック903がシステムの構成要素をなすが、図示は省略している。また、図21では、本人宅925および友人宅927におけるそれぞれのテレビ/処理ブロックおよび携帯電話/処理ブロック内部の詳細構成はそれぞれ図20と同じなので、説明に必要な部分以外の図示は省略している。なお、図21に図示されている構成についても、図20と同じ構成ついては同じ番号を付し、必要のないかぎり説明を省略する。
【0150】
図21では、複数の家庭内設備を具体的に図示している。ベッド935および浴室937はともに標準型であり、それぞれ第2近距離通信部919およびトリガセンサ921を有している。既に述べたとおり、浴室937の場合、トリガセンサ921は浴槽の蓋であり、これを開くと検知信号を発生し、処理制御部942はこれに基づいて第2近距離通信部919から生活者指輪センサブロック902である活動中使用型指輪949または就寝中使用型指輪951の近距離通信部28にトリガ信号を送信する。また、ベッド935の場合、トリガセンサ921は加重センサであり、ベッドへの横臥による加重によって同様のトリガのための検知信号を発生する。トイレ939およびキッチン941はそれぞれ簡易型の家庭内設備であり、トリガセンサ921が省略される。また、これらの簡易型では、各室内設備に共通の第2近距離通信部の本体943がテレビ/処理ブロック904内に設けられるとともに第2近距離通信部の本体943に接続されるアンテナ945および947だけがそれぞれトイレ939およびキッチン941に設けられる。これらの簡易型家庭内設備における測定から見守り結果信号の送信のへのトリガは、生活者指輪センサブロック902の時計部26または空気圧センサ907によって自発的にかけられる。
【0151】
次に、図21に基づいて、近隣仲間同士による相互見守りの実際および活動中使用型指輪949および就寝中使用型指輪951の交互使用および充電の実際について説明する。まず、近隣仲間同士による相互見守りについては、時計部26に設定された近隣仲間共通の時刻におけるトリガ信号により活動中使用型指輪949による本人の見守り結果信号が本人携帯電話104を経由して友人携帯電話933に自動送信され、これが友人の活動中使用型指輪953に転送されてその表示部39に表示される。表示部39は12のブロックに分けられており、そのどれが近隣仲間の誰を示すか予め割付されている。例えば活動中使用型指輪949の所持者が表示部39の左から2列目、上から2行目に割り付けられており、活動中使用型指輪949により脈が検知されて健在である場合は、表示部39の該当箇所が図21でハッチングのように健在表示となる。また、活動中使用型指輪953を所持する友人が表示部39の左から3列目、上から1行目に割り付けられており、活動中使用型指輪953により自分の脈が検知されている場合は、表示部39の該当箇所が同様に図21でハッチングのように健在表示となる。同時に、この活動中使用型指輪953による友人の見守り結果信号は友人携帯電話933を経由して携帯電話104に自動送信され、これが活動中使用型指輪949に転送されてその表示部39に表示される。活動中使用型指輪949では、上記友人の活動中使用型指輪949と同様にして、友人の健在表示および本人の健在表示がその表示部39に表示される。このような相互見守りが、図21の実施例の場合最大12人の近隣仲間同士で可能となる。
【0152】
活動中使用型指輪949および就寝中使用型指輪951の交互使用および充電に関して説明すると、上記のように図21では、本人自宅925において、活動中使用型指輪949が使用中であるとともに、就寝中使用型指輪951は無接点充電器ブロック206に載置されていて充電中である。なお、活動中使用型指輪949がはめられている指は、煩雑を避けるため図示を省略している。
【0153】
無接点充電器ブロック206は、活動中使用型指輪949または就寝中使用型指輪951を載置する際の位置決めおよび誘導用の電磁場形成のための芯棒部955を有する。充電の際は、図21のように、芯棒部955に活動中使用型指輪949または就寝中使用型指輪951の輪を通しての無接点充電器ブロック206に載置する。なお、芯棒部955は、図21のように、複数の生活者指輪センサブロック902を重ねて載置するに充分な長さを有する。このような芯棒部955を有する無接点充電器ブロック206は、確実かつ効率的な充電を可能にするとともに、使用していない生活者指輪センサブロック902の決まった置き場となって紛失を防止する。無接点充電器ブロック206はまた、その上に生活者指輪センサブロック902が載置されて充電中であるか否か、および充電完了状態であるか否かを電流変化により検知しテレビ/処理ブロック904に有線で通知する。これによって、テレビ/処理ブロック904は生活者指輪センサブロック902からの近距離無線通信および無接点充電器ブロック206からの有線通信の両者によって生活者指輪センサブロック902の充電状況を把握することができる。
【0154】
さらに、複数の生活者指輪センサブロック902を交互に充電して使用する実施例10のシステムは、切れ目のない見守りを可能とするとともに、一つを使用しているときに他方を効率的に充電できる。また、活動中使用型指輪949および就寝中使用型指輪951のように見守り目的に合わせて異なったタイプの生活者指輪センサブロック902を提供することにより、生活のリズムに合わせた自然な指輪の交換と充電を可能にし、指輪の非装着状態や充電忘れを防止することでより信頼性の高い見守りを可能とする。なお、上記のように、就寝中使用型指輪951は、就寝中における脈波の長時間連続モニタによる健康状態のチェックを可能とするため活動中使用型指輪949よりもメモリ容量が大きく設定されている。また、活動中使用型指輪949は、主に日常生活の見守りを目的として構成されるので、少なくとも脈拍の有無が検知できるように構成を簡易化することもできる。また、脈波情報を連続測定する場合においても入浴中など比較的短時間の測定が可能であればよいので、上記のようにメモリ容量を比較的小さく設定しても差し支えない。
【0155】
このように、機能の違う生活者指輪センサブロック902を使用する場合、これらを混同しないよう、「昼用」、「夜用」または、「生活用」、「就寝用」等の表記をそれぞれ活動中使用型指輪949および就寝中使用型指輪951のわかりやすい場所に行うとともに、その外観形状または外観色を異ならしめるのが望ましい。例えば、指輪の宝石に相当する部分957に配置された生活者指輪センサブロック902の表側の表示部39周辺の色を、図21のように、活動中使用型指輪949では白等の明るい色、就寝中使用型指輪951では黒のような暗い色とする。
【0156】
図22は、図20の実施例10におけるセンサ制御部922の動作を示すフローチャートである。フローは操作部41の電源スイッチのオンによってスタートし、ステップS362で表示部39に電源オン状態の表示を指示する。そしてステップS364で見守り者携帯電話/処理ブロック901からの測定要求信号が、本人携帯電話104経由で近距離通信部28により受信されているかチェックする。そして要求信号の受信があればステップS366に進み、要求信号に基づいて見守り者携帯電話/処理ブロック901に応答を行うための応答処理を実行してステップS368に移行する。応答処理の詳細は後述する。一方、ステップS364で要求信号の受信が検知されないときは直接ステップS368に移行する。
【0157】
ステップS368では、本人の生活者指輪センサブロック902が無接点充電器ブロック206に載置されて充電中であるかどうかのチェックが行われる。このチェックは、充電中検知部908により可能である。充電中でなければステップS370に進み、充電モニタ部910の情報に基づき蓄電池32の充電が充分かどうかチェックする。充電が充分であればステップS372に進み、生活者指輪センサブロック902が指に装着されているかどうかチェックする。装着検知があればステップS372からステップS374に移行し、表示部39に装着中である旨の表示を指示してステップS376に移行する。ステップS376では、装着中である旨の情報を直接または家庭内設備905経由でテレビ/処理ブロックに送信してステップS378に移行する。なおこのとき、受信圏内にあれば、本人携帯電話/処理ブロック104も送信された情報を受信する。
【0158】
ステップS378では、友人の生活者指輪センサブロック902(友人の活動中使用型指輪953など)から健在情報が新規着信しているか否かチェックし、健在情報が着信していればステップS380に進んで表示部39に割り付けられた該当友人欄の表示を更新してステップS382に移行する。一方、ステップS378で健在情報の新規着信が検知されない場合は直接ステップS382に移行する。ステップS382では、種々のトリガに基づくスポット測定/送信処理を実行してステップS384に移行する。スポット測定/送信処理の詳細は後述する。
【0159】
ステップS384では、浴室937のトリガセンサ921またはベッド935のトリガセンサ921による検知に基づくトリガ信号受信の有無をチェックし、受信があればステップS386に進んで、連続測定および送信を開始させる処理を行ってステップS388に移行し、電源オフ操作の有無をチェックする。一方、ステップS384においてトリガセンサ921またはトリガセンサ921による検知がなくなったことが確認されるとステップS390に進み、測定の終了を指示してステップS388に移行する。
【0160】
なお、ステップS368において本人の生活者指輪センサブロック902が無接点充電器ブロック206に搭載されている状態(充電完了状態も含め、この状態を「充電中」と称する)であることが検知されるとステップS392に進み、充電モニタ部910の情報に基づき充電が完了しているかどうかチェックする。そして充電完了が検知されると、ステップS394に進み、充電が完了している旨の情報を直接または家庭内設備905経由でテレビ/処理ブロックに送信してステップS372に移行する。なおこのとき、受信圏内にあれば、本人携帯電話/処理ブロック104も送信された情報を受信する。ステップS372への移行によって、生活者指輪センサブロック902の充電が完了であるときは、これを無接点充電器ブロック206から取り外しての指に装着した場合の検知が可能となる。一方、ステップS392において充電完了が検知できない場合、フローはステップS364に戻り、要求信号受信の有無検知以下の各ステップに対応する。
【0161】
また、ステップS370で蓄電池32の充電が充分であることが検知できない場合はステップS396に進み、表示部39に充電案内表示を指示するとともに、さらにステップS398で電源不足の旨の情報を直接または家庭内設備905経由でテレビ/処理ブロック904に送信し、ステップS400に移行する。ステップS400では、スペアの生活者指輪センサブロック902が充電完了状態にあるかどうかチェックする。例えば図21のように活動中使用型指輪949が使用中であれば、就寝中使用型指輪951がスペアの生活者指輪センサブロックとなる。ステップS400のチェックは、スペアの生活者指輪センサブロックにおけるステップS392およびS394の機能により充電完了の旨の情報がテレビ/処理ブロック904から転送されることにより可能となる。そしてステップS400においてスペアの生活者指輪センサブロックが充電完了である旨が確認されると、ステップS402に進み、その旨を表示部39に表示してステップS404に移行する。一方、ステップS400でスペア充電完了が検知できない時は直接ステップS404に移行する。そしてステップS404では電源を強制的にオフすることを予告する旨の表示を指示してフローを終了する。電源オフはフロー終了の際に実行される。
【0162】
なお、ステップS372で生活者指輪センサブロック902が指に装着されているかことが検知されない場合は、ステップS406に進み、表示部39に装着案内表示を指示してステップS408に移行する。ステップS408では、電源オンから所定時間が経過したかどうかチェックし、経過がなければステップS372に戻る。そして、ステップS372で装着検知がなされずかつ所定時間経過が検知されない限りステップS372、S406およびS408を繰り返す。一方、ステップS408で所定時間経過が検知されたときは、ステップS410に進み、生活者指輪センサブロック902が非装着中である旨の情報を直接または家庭内設備905経由でテレビ/処理ブロックに送信してステップS404に移行する。なおこのとき、受信圏内にあれば、本人携帯電話/処理ブロック104も送信された情報を受信する。以上のようにして、ステップS406の装着案内の表示は直ちに行うものの、電源オン直後の非装着状態の送信に関しては装着に必要な時間を猶予するため、電源オン後、ステップS372、S406およびS408に繰り返しによって所定時間待ってから実行するようにし、装着の意思があるのに拙速に非装着送信を行って混乱が生じる等の事態を防止する。
【0163】
図23は、図22のステップS382におけるスポット測定/送信処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS412において時計部26の情報に基づき測定のトリガをかけるべき所定時刻が到来しているかどうかチェックする。所定時刻でなければステップS414に進み、空気圧センサ907の情報に基づき所定の空気圧変化の有無をチェックする。そして空気圧変化がなければ、さらにステップS416において外部トリガ信号が近距離通信部28で受信されているかどうかチェックする。なお、ステップS416における外部トリガ信号は家庭内設備905からのものを意味し、見守り者携帯電話/処理ブロック901からの要求信号は含まれない。要求信号は、図22のステップS364にて検知される。
【0164】
ステップS416で外部トリガ信号が検知されない場合は、すべてのチェック項目においてトリガ信号が検知されなかったことを意味するので直ちにフローを終了する。すなわち、この場合は、図22のステップS382では何も行われないことになる。一方、ステップS412において所定時刻の到来が検知されたとき、またはステップS414において空気圧変化が検知されたとき、またはステップS416において外部トリガ信号が検知された時は、ステップS418に進み、発光部18の複数のLEDの時分割発光に基づく受光部20の出力をサンプリングする。そしてステップS420に進み、サンプリングされた出力に基づいて脈が検出されるかどうかチェックする。そして万一、脈が検出されない場合はステップS422に進み、見守り対象の生活者に異常がある旨の信号を生成してステップS424に進む。
【0165】
ステップS424では、トリガが空気圧変化によってかかったかどうかをチェックし、該当すれば見守り対象の生活者が何らかの移動を行った旨の信号を生成してステップS428に移行する。空気圧の変化はドアの開け閉めによるものまたは階段の昇降に基づくものが想定されているからである。このように、脈が検知されない場合においても、生活者の異動があればその旨を見守り信号として生成する。一方、日常生活に異常がなく、ステップS420において脈が検知されたときはステップS430に進み健在信号を生成してステップS428に移行する。ステップS428ではタイムスタンプとして時刻信号を生成し、その後ステップS432に移行して上記のようにして生成された全ての信号を直接または家庭内設備905経由でテレビ/処理ブロックに送信してフローを終了する。なおこのとき、受信圏内にあれば、本人携帯電話/処理ブロック104も送信された情報を受信する。
【0166】
図24は、図22のステップS366における応答処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS442において生活者指輪センサブロック902が指に装着されているかどうかチェックする。装着が検知されるとステップS444に進み、蓄電池32の充電が充分かどうかチェックする。充電が充分であればステップS446に移行し、発光部18の複数のLEDの時分割発光に基づく受光部20の出力をサンプリングする。以下、このステップS446からステップS458の健在信号生成までは、図23のステップS418からステップS430と同様であるので、説明を省略する。つまり、これらのフローは、図23と同様にして、生活者指輪センサブロック902が指に装着され且つ充電も充分な状態における機能である。
【0167】
一方、ステップS442において生活者指輪センサブロック902が指に装着されていることが検知されない場合はステップS460に進み、生活者指輪センサブロック902が充電のため指から外されて無接点充電器ブロック206上に載置された充電中状態にあるかどうかチェックする。そして充電中であればステップS462に進み、充電中信号を生成する。してステップS463に移行する。ステップS463では、充電が完了状態にあるかどうかチェックし、完了していればステップS465で充電完了信号を生成してステップS456に移行する。また、充電完了状態でなければステップS463から直接ステップS456に移行する。一方ステップS460で充電中であることが検知されなければ、ステップS464に進み、生活者指輪センサブロック902が指に装着されていない旨の信号を生成してステップS456に移行する。このように、生活者指輪センサブロック902が非装着状態であっても充電のために外されていることが確認できれば非装着信号を生成することはない。
【0168】
また、ステップS444で蓄電池32の充電が充分であることが検知できない場合はステップS466に進み、電源不足信号を生成してステップS456に移行する。図23の応答処理では、ステップS356の時刻信号生成に続き、ステップS468において応答信号を生成してステップS470に移行する。ステップS468において生成される応答信号は、送信すべき信号が要求信号に基づいて生成されたものであることを示すためのものである。ステップS470では、図22のステップS432と同様にして、生成された全ての信号を直接または家庭内設備905経由でテレビ/処理ブロックに送信してフローを終了する。なおこのとき、受信圏内にあれば、本人携帯電話/処理ブロック104も送信された情報を受信する。
【0169】
以上のように、実施例10における応答処理においては、ステップS446の受光部LED出力サンプリングに入らない場合においても、充電中、非装着状態、電源不足状態など生活者指輪センサブロック902の種々の状態をチェックして応答情報とする。これに対して、図23のスポット測定/応答処理は、図24のような意図的な要求信号に対する応答としての送信と異なり、自動的なトリガにより一方的に送信される情報なので、煩雑を避けるため、正常に受光部LED出力サンプリングに入った場合の情報に限定して送信するよう構成している。しかしながら、本発明の実施はこのような構成に限るものではない。例えば、要求信号による場合も自動的なトリガによる場合のいずれにおいても、全ての情報を送信するよう構成してもよい。また、要求信号による場合においても、意図にあった特定の情報を選択して送信することが要求できるよう構成することもできる。
【0170】
図25は、図20のテレビ/処理ブロック904における処理制御部942の機能を示すフローチャートである。なお、図25では、通常のテレビの動作に関する機能は省略し、見守りシステムに関連する機能を示している。フローはテレビ/処理ブロック904の主電源のオンでスタートし、ステップS472で生活者指輪センサブロック902からのから連続測定を開始する旨の信号が受信されているかどうかチェックする。そして入力があればステップS474に進む。ステップS474では、生活者指輪センサブロック902と連携して連続測定通信処理を実行し、これが完了するとステップS476に移行する。一方、ステップS472で連続測定開始信号の受信が確認されなければ、直接ステップS476に移行する。
【0171】
ステップS476では、浴室937のトリガセンサ921またはベッド935のトリガセンサ921からの検知信号が入力されているかどうかチェックし、トリガ信号の入力があればこれを生活者指輪センサブロック902に送信してステップS480に移行する。一方、ステップS476でトリガセンサによる検知信号が確認できない場合は直接ステップS480に移行する。
【0172】
ステップS480では、要求信号によらず生活者指輪センサブロック902において自動的に生成される信号が受信されているかどうかチェックし、何らかの自動生成信号の受信があればステップS482に移行する。なお、自動生成信号は複数並行して生成されることがあるが、これらは以下のステップにおいて個別に吟味される。まず、ステップS482では、受信された生成信号に充電完了信号が含まれるかどうかチェックする。なお、充電完了信号は指に装着されて使用中の生活者指輪センサブロック902ではなく、指から取り外して無接点充電器ブロック206に載置されている生活者指輪センサブロック902から送信される。
【0173】
受信した生成信号に充電完了信号が含まれていない場合はステップS482からステップS484に移行し、受信した生成信号に測定に基づく異常信号が含まれているかどうかチェックする。そして、異常信号が含まれていなかったときは、ステップS486に進み、受信した生成信号にいずれかの生活者指輪センサブロック902からの装着中信号が含まれているかどうかチェックする。なお、図22のステップS372に示すように装着検知は繰り返して行われているため、指輪が指から取り外され次第、装着中信号は途絶える。換言すると、の装着中信号は、生活者指輪センサブロック902が装着中であるかぎり、実質的に継続して受信される。従って、ステップS486において受信が確認された生成信号に装着中信号が含まれていないときは、いずれの生活者指輪センサブロック902も指に装着されていない状態であることを意味する。なお、装着検知と装着中信号の送受信は上記のように実質的に継続して行われるが、ステップS376の送信は常時でなく、例えば30分毎のように、見守り対象者の状況の実態にあわせ間隔を設定することができる。また、図22のステップS410において発生される非装着信号が、他の生活者指輪センサブロック902からの装着中信号送信と競合するとき、後者が優先される。
【0174】
ステップS486で装着中信号が受信生成信号に含まれていることが確認できた時はステップS488に移行し、受信した生成信号に装着中の生活者指輪センサブロック902が電源不足状態であることを示す信号が含まれているかどうかチェックする。そして装着中センサ電源不足信号が含まれていればステップS490に移行し、その旨を見守りサービス拠点/処理ブロック903に送信するとともに、ステップS492に移行する。また、ステップS484で異常信号が含まれていることが検知された場合、およびステップS486で装着中信号が含まれていないことが検知された場合もステップS490に移行し、その旨を見守りサービス拠点/処理ブロック903に送信する。これらの場合は、いずれも正常な見守りができない事態であり、見守りに責任を持つ見守りサービス拠点/処理ブロック903はこれらの情報に基づいて適切な対応をとることができる。
【0175】
一方、ステップS488で装着中センサ電源不足信号が受信した自動生成信号に含まれていなかったときは、ステップS494に移行する。この場合は、受信した自動生成信号が、装着中の生活者指輪センサブロック902において充分な電源のもとで確認された健在信号であることを意味するので、ステップS494では、友人携帯電話933に仲間が健在である旨の送信を行ってステップS492に移行する。独居世帯の連帯による相互見守りにおいては、健在状態以外の詳細について監視する義務はないので、上記のように健在信号の有無のみが友人携帯電話933に伝達される。一方、上記のように、見守りサービス拠点/処理ブロック903に対しては通信と情報の煩雑をさけるため、情報の大半を占める健在信号の送信は省略され、正常な見守りができない事態の詳細のみが送信される。
【0176】
ステップS492では、上記のいずれの場合であっても、受信された自動生成信号を見守り者携帯電話/処理ブロック901に送信してステップS496に移行する。見守り者は見守り対象者をプライベートに見守る立場にあるので、このように健在状態および正常な見守りができない事態の両者が詳細に送信される。なお、ステップS480で自動生成信号の受信が全くないときはステップS495に移行し、生活者指輪センサブロック902が充電のため載置されている無接点充電器ブロック206から有線ラインを通じてテレビ/処理ブロックに充電完了信号が入力されないかチェックする。そして無接点充電器ブロック206からの充電完了信号入力があればステップS498に移行し、指に装着されて使用中の他の生活者指輪センサブロック902に充電完了信号を送信する。充電完了信号の入力検知がない場合はステップS495から直接ステップS496に移行する。なお、上記のようなステップS480で自動生成信号が受信されない状態は、システムの異常時だけでなく、システムが正常に作動していて装着中信号送信タイミングになく測定のトリガもかかっていない時間帯等に生じうる。一方、ステップS482において充電完了信号が生成されたときは、上記のように、その生活者指輪センサブロック902は指から取り外して無接点充電器ブロック206に載置されている状態にあるので、ステップS498に進み、指に装着されて使用中の他の生活者指輪センサブロック902に充電完了信号を送信し、ステップS496に移行する。
【0177】
ステップS496では、要求信号が見守り者携帯電話/処理ブロック901から受信されているかどうかチェックする。そして、要求信号の受信があればステップS500において各センサに要求信号を送信するとともに、ステップS502の応答管理処理を実行してステップS504に移行する。一方ステップS496で要求信号の受信が検知されないときは、直接ステップS504に移行する。ステップS504ではテレビ/処理ブロック904の主電源がオフされたかどうかチェックし、オフされないときはステップS472に戻って、以下、主電源がオフされない限り、ステップS472からステップS504を繰り返して見守り機能に関する種々の状況に対応する。
【0178】
図26は、図25のステップS502における応答管理処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、まずステップS512において、要求信号に対していずれの場合にも生活者指輪センサブロック902で生成される応答信号を受信したかどうかチェックされる。そして、応答信号の受信がなければステップS514に進み、無応答の旨を見守り者携帯電話/処理ブロック901に返信するとともにステップS516に移行する。ステップS516では、時刻信号の受信があればそれを採用するとともに受信がなければ時刻信号を生成してこれを見守り者携帯電話/処理ブロック901に送信し、直ちにフローを終了する。
【0179】
一方、応答信号の受信があればステップS518に進み、生活者指輪センサブロック902から健在信号を受信しているかどうかチェックする。そして受信があればステップS520に進み、健在信号を見守り者携帯電話/処理ブロック901に転送してステップS516に移行し、上記と同様にしてステップS516で時刻信号を見守り者携帯電話/処理ブロック901に送信してフローを終了する。これに対し、ステップS518で健在信号の受信が確認できない場合はステップS522に進み、異常信号を生活者指輪センサブロック902から受信しているかどうかチェックする。異常信号の受信があればステップS524に移行し、異常信号を見守り者携帯電話/処理ブロック901に転送してステップS526に進む。ステップS526では、生活者指輪センサブロック902から移動信号を受信しているかどうかチェックする。そして受信があればステップS528に進み、移動信号を見守り者携帯電話/処理ブロック901に送信してステップS516に進む。一方、ステップS526で移動信号の受信がなければ直接ステップS516に移行する。そして、上記と同様にしてステップS516で時刻信号を見守り者携帯電話/処理ブロック901に送信してフローを終了する。
【0180】
これに対し、ステップS522で異常信号の受信が検知されなかったときはステップS530に進み、充電不足信号を指に装着使用中の生活者指輪センサブロック902から受信しているかどうかチェックする。充電不足信号の受信があればステップS532に進み、充電不足信号を見守り者携帯電話/処理ブロック901に転送してステップS534に移行する。ステップS534では、使用中でない生活者指輪センサブロック902から充電中信号を受信しているかどうかチェックし、受信がなければ直ちにステップS51に移行する。一方、充電中信号の受信があればステップS534からステップS536に移行し、充電中信号を受信している生活者指輪センサブロック902から充電完了信号を受信しているかどうかチェックする。そして受信があればステップS538に移行し、受信信号をスペア充電完信号として見守り者携帯電話/処理ブロック901に転送し、ステップS516に移行する。この状態は使用中の生活者指輪センサブロック902は充電不足であるが直ちに充電完了のスペアに交換できる状態であることを意味する。一方、ステップS536で充電完了信号の受信が確認できないときはステップS540に進み、スペアの生活者指輪センサブロック902が充電中である旨を見守り者携帯電話/処理ブロック901に転送し、ステップS516に移行する。
【0181】
ステップS530で充電不足信号の受信が確認できなかったときは、ステップS542に進む。ステップS542に至るのは、要求信号に応答したチェックの結果として、充分な電源のもとで測定を行ったにもかかわらず健在信号も異常信号も受信されていない場合であり、すべての生活者指輪センサブロック902が非装着状態にあることを意味する。従って、ステップS542では、使用状態にないいずれかの生活者指輪センサブロック902から充電中信号が受信されているかどうかチェックする。そして、いずれからも充電中信号が受信されない場合はステップS544に進み、再確認としてすべての生活者指輪センサブロック902から非装着信号が受信されているかどうかチェックする。そして非装着信号の受信が確認されると、ステップS546に進み、すべての生活者指輪センサブロック902が非装着状態にある旨の信号を見守り者携帯電話/処理ブロック901に送信し、ステップS516に移行する。一方、ステップS544において、すべての生活者指輪センサブロック902が非装着状態にある旨の信号受信が確認できない場合は、ステップS548に進み、システムに異常がある可能性があるので見守り者携帯電話/処理ブロック901にシステム確認の必要がある旨を返信し、ステップS516に移行する。
【0182】
また、ステップS542において充電中信号の受信が確認できたときはステップS550に移行し、充電中信号を受信している生活者指輪センサブロック902から充電完了信号を受信しているかどうかチェックする。そして受信があればステップS552に移行し、受信した充電完信号を見守り者携帯電話/処理ブロック901に転送し、ステップS516に移行する。一方、ステップS550で充電完了信号の受信が確認できないときはステップS554に進み、該当生活者指輪センサブロック902が充電中である旨を見守り者携帯電話/処理ブロック901に転送し、ステップS516に移行する。
【0183】
図27は、図20の本人携帯電話/処理ブロック104における処理制御部42の機能を示すフローチャートである。フローは携帯電話/処理ブロック104の主電源のオンでスタートし、ステップS562で電話機の初期立上を行うとともに各部の機能チェックを行う。そしてステップS564で表示部50に待ち受けおよびメニュー画面が表示される。このメニューの中には、見守り機能の設定有無も含まれており、選択することができる。
【0184】
次いで、ステップS566に進み、操作部56の操作によってメニューに従った見守り機能の設定がされているかどうかチェックする。設定があればステップS568に進んで携帯電話/処理ブロック104が通話中または見守り機能以外の他の機能の動作中であるかどうかチェックする。通話中か他機能動作中であればステップS570に進み、自動生成信号を受信しているかどうかチェックする。そして受信があればステップS572に進み、受信した生成信号に異常信号が含まれているかどうかチェックする。そして異常信号が含まれていればステップS574に進み、現在行われている通話または見守り機能以外の他の機能の動作に割り込んで異常信号の処理を優先させ、ステップS576の自動生成信号送信処理に移行する。ステップS576は、図25のステップS490とステップS492に対応するもので、ステップS570で受信された異常信号を直ちに見守りサービス拠点/処理ブロック903および見守り者携帯電話/処理ブロック901に転送する。
【0185】
次いで、ステップS578からステップS582に、図25のステップS496からステップS502と同様の要求信号への対応に関するステップが置かれ、これに続いてステップS584で見守り機能設定が継続されているかのチェックが行われる。一方、ステップS570で自動生成信号の受信がなかったときは、直接ステップS584に移行し、通話または見守り機能以外の他の機能の動作が継続される。また、自動生成信号の受信があった場合でもステップS572において異常信号でないことが確認された場合はステップS586に進み、受信した生成信号を記憶するとともに送信を保留し、ステップS584に移行する。以上のように、本人携帯電話/処理ブロック104が通話中または見守り機能以外の他の機能の動作中の状態において生活者指輪センサブロック902による生成信号を近距離通信具44で受信した時、異常信号などの緊急信号の場合は異常信号を優先して割り込ませるとともに、その他の比較的余裕のある生成信号の場合は、受信信号を記憶して通話または見守り機能以外の他の機能の動作が終了するまで送信を保留する。
【0186】
また、ステップS568において携帯電話/処理ブロック104が通話中または見守り機能以外の他の機能の動作中のいずれでもないことが確認されたときは、ステップS588に進み、自動生成信号を受信しているかどうかチェックする。受信が確認されないときはステップS590に進み、ステップS586の機能により以前に記憶され送信保留状態になっている自動生成信号があるかどうかチェックする。そして該当するものがあればステップS576の自動生成信号送信処理に移行する。またステップS588で自動生成信号の受信が確認されたときもステップS576の自動生成信号送信処理に移行する。このように携帯電話/処理ブロック104が通話中または見守り機能以外の他の機能の動作中でないときは自動生成信号の如何にかかわらず送信処理に移行するとともに、送信保留状態の自動生成信号があれば、通話中または見守り機能以外の他の機能の動作中でないことが確認され次第送信処理に移行する。これに対し、ステップS590で保留状態になっている自動生成信号があることが確認されない場合は、その時点で送信すべき自動生成信号がないことを意味するのでステップS578以下の要求信号への対応に移行する。
【0187】
以上のいずれかの経過を経てステップS584に至り、見守り機能設定が継続されていることが確認されると、フローはステップS568に戻り、以下、見守り機能設定が解除されない限り、ステップS56からステップS590が繰り返され、見守り機能における種々の事態に対応する。見守り機能は操作部56の操作で解除できるが、この解除操作の結果、ステップS584で見守り機能設定がなされていないことが検知されるとステップS592に移行する。
【0188】
ステップS592では、通常携帯電話機能の処理が行われる。ステップS592における通常電話機能処理は、処理の節目または処理の終了により待受/メニュー画面表示に戻った時点でステップS594に移行し、本人携帯電話/処理ブロック104の主電源をオフする操作が行われたかどうかチェックする。そして主電源オフが検知されるとフローを終了する。一方、ステップS594で主電源オフが検知されない場合は、ステップS566に戻り、以下主電源がオフされない限り、ステップS566からステップS594を繰り返す。
【産業上の利用可能性】
【0189】
本発明は、ウエアラブルな見守りセンサを含む見守りシステムに利用できる。
【符号の説明】
【0190】
18、20 生体情報検知部
24 記憶部
28 無線通信部
32 電源電池
39 表示部
949 昼用見守りセンサ
951 夜用見守りセンサ
42、942 制御部
904 見守り統括部
104、933 携帯電話

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体反応情報を検知する生体情報検知部と前記生体情報検知部が検知する生体反応情報を記憶する記憶部と外部との通信を行う無線通信部と前記生体情報検知部および前記無線通信部に給電する電源電池とをそれぞれ備えた複数のウエアラブルな見守りセンサ、および、前記複数の見守りセンサに充電を行うための共通の充電器を有することを特徴とする見守りシステム。
【請求項2】
前記複数の見守りセンサの一つは、前記無線通信部によって受信される他の一つの見守りセンサの充電状態を表示する表示部を有することを特徴とする請求項1記載の見守りシステム。
【請求項3】
前記複数の見守りセンサは互いに機能が異なっていることを特徴とする請求項1記載の見守りシステム。
【請求項4】
前記複数の見守りセンサの一つは就寝中の健康状態を検知する夜用であるとともに、他の一つは生体反応の有無を検知する昼用であることを特徴とする請求項3記載の見守りシステム。
【請求項5】
前記複数の見守りセンサの一つは連続的に生体情報を検知する夜用であるとともに、他の一つは間欠的に生体情報を検知する昼用であることを特徴とする請求項3または4記載の見守りシステム。
【請求項6】
生体反応情報を検知する生体情報検知部と前記生体情報検知部が検知する生体反応情報を記憶する記憶部と前記記憶部に記憶される生体反応情報を見守り者に送信するための無線通信部と前記生体情報検知部および前記無線通信部に給電する電源電池とを備えたウエアラブルな見守りセンサ、および前記見守りセンサに充電を行うとともに受電に関する情報を出力する充電器を有することを特徴とする見守りシステム。
【請求項7】
前記充電器は見守りセンサの一つが充電中であるか否かの情報を出力することを特徴とする請求項6記載の見守りシステム。
【請求項8】
前記充電器は見守りセンサの一つが充電完了である否かの情報を出力することを特徴とする請求項6記載の見守りシステム。
【請求項9】
生体反応情報を検知する生体情報検知部と前記生体情報検知部が検知する生体反応情報を記憶する記憶部と外部との通信を行う無線通信部と前記生体情報検知部および前記無線通信部に給電する電源電池とをそれぞれ備えた複数のウエアラブルな見守りセンサ、および、前記複数の見守りセンサとの通信を行う無線通信部と前記無線通信部による通信を通じて前記複数の見守りセンサの状況を把握する制御部を備えた見守り統括部を有することを特徴とする見守りシステム。
【請求項10】
前記見守り統括部は、前記見守りセンサの一つが使用中であるとき他の一つの充電に関する状況を把握することを特徴とする請求項9記載の見守りシステム。
【請求項11】
生体反応情報を検知する生体情報検知部と前記生体情報検知部が検知する生体反応情報を記憶する記憶部と前記記憶部に記憶される生体反応情報を見守り者に送信するための無線通信部と前記生体情報検知部および前記無線通信部に給電する電源電池とを備えたウエアラブルな見守りセンサ、および前記見守りセンサからの生体反応情報を受信する受信部と通話機能部と前記見守りセンサからの生体反応情報に基づき前記受信部が受信する生体反応情報の転送先を決定する制御部を備えた見守り統括部を有することを特徴とする見守りシステム。
【請求項12】
前記制御部は生体反応情報が正常であるとき他のウエアラブルな見守りセンサを転送先に決定することを特徴とする請求項11記載の見守りシステム。
【請求項13】
前記制御部は生体反応情報が異常であるとき所定の見守り管理拠点を転送先に決定することを特徴とする請求項11または12記載の見守りシステム。
【請求項14】
生体反応情報を検知する生体情報検知部と前記生体情報検知部が検知する生体反応情報を記憶する記憶部と前記記憶部に記憶される生体反応情報を見守り者に送信するための無線通信部と前記生体情報検知部および前記無線通信部に給電する電源電池とを備えたウエアラブルな見守りセンサ、および前記見守りセンサからの生体反応情報を受信する受信部と通話機能部と前記見守りセンサからの生体反応情報に基づき前記受信部が受信する生体反応情報の転送と前記通話機能部による通話のいずれを優先するかを制御する制御部を備えた携帯電話を有することを特徴とする見守りシステム。
【請求項15】
前記制御部は生体反応情報が正常であるとき前記通話機能部による通話を優先することを特徴とする請求項14記載の見守りシステム。
【請求項16】
前記制御部は生体反応情報が異常であるとき前記受信部が受信する生体反応情報の転送を優先することを特徴とする請求項14または15記載の見守りシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2012−95827(P2012−95827A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−245894(P2010−245894)
【出願日】平成22年11月2日(2010.11.2)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】