説明

見当装置および電子写真印刷装置

【課題】一枚ずつ供給されるシートを位置決めした状態で搬送するとともに搬送されたシートを位置決めした状態で受け取ること。
【解決手段】一枚ずつ印刷シートSを搬送する搬送経路に配置されており、一対の搬送ローラ61a,61bが接触した間で印刷シートを搬送可能に設けられる一方、一対の搬送ローラが離隔した間で印刷シートを通過可能に設けられる搬送部61と、搬送部の搬送方向前方にて搬送経路に対して進出移動または退避移動が可能に配置され、進出移動した場合に搬送部を通過する印刷シートの搬送方向前方に設けられる一方、退避移動した場合に搬送部により搬送される印刷シートを通過可能に設けられる第一前方向当部62と、搬送部により搬送される印刷シートの搬送方向の前端部を受け取り把持する把持部38に配置されて当該把持部により印刷シートを把持する場合に印刷シートの搬送方向前方に位置する第二前方向当部38bとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一枚ずつ供給されるシートを所定の位置に位置決めした状態で搬送するとともに搬送されたシートを所定の位置に位置決めした状態で受け取るための見当装置および電子写真印刷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特許文献1に記載の画像形成装置は、シート(転写材)の送りを正確に行うため、給紙部と移動体との間のシートの搬送経路に、給紙部からシートを挟んで送る第一ローラ部と、第一ローラ部で送られてくるシートの斜め送りの状態を補正するストッパ手段と、第一ローラ部からのシートを受け取ってシートを移動体側に送るための第二ローラ部とを備えている。そして、第二ローラ部は、駆動ローラとこの駆動ローラの回転に従動する従動ローラとからなり、シートを挟んだ状態では従動ローラは駆動ローラに加圧して接触し、シートを開放する状態では従動ローラは駆動ローラから下方に離隔するように構成されている。さらに、シートがストッパ手段に突入後に従動ローラは駆動ローラ側に加圧して接触し、シートが移動体に突入後には従動ローラは駆動ローラから離隔し、ストッパ手段がシートを開放してシートが第二ローラ部から移動体側に達した際に、第二ローラ部はシートを挟んだ状態からシートを開放する。
【0003】
また、例えば、特許文献2に記載の画像形成装置は、シート(転写材)を把持する把持部材と、シートを介して把持部材と当接するとともにシートの移動方向の位置を規制する位置規制部を有する把持部材支持部と、を有する転写ローラを備える。そして、シートは、一枚ごとに搬送経路に送り出される。また、搬送経路では、一対のゲートローラによってシートを転写ローラ側に搬送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3653157号公報
【特許文献2】特開2010−250166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1に記載の画像形成装置では、移動体側にシートを送る前にストッパ手段によりシートの位置を補正している。しかし、この場合、第二ローラ部によって移動体に至るまでにシートの位置にずれが生じると、移動体に対するシートの位置である見当位置がずれ、シートの正確な位置に画像を形成することが困難となるおそれがある。
【0006】
また、上述した特許文献2に記載の画像形成装置では、シートを把持する把持部材とシートを介して当接する把持部材支持部によりシートの移動方向の位置を規制している。しかし、この画像形成装置では、転写ローラの把持部材支持部にシートを搬送する以前に、シートの位置を補正する構成について示されていない。このため、ゲートローラにより転写ローラ側に搬送するシートの位置にずれが生じ、把持部材で把持するシートの位置がずれることで、転写ローラに対するシートの位置である見当位置がずれ、シートの正確な位置に画像を形成することが困難となるおそれがある。または、把持部材でシートを把持することが困難となるおそれもある。
【0007】
本発明は上述した課題を解決するものであり、一枚ずつ供給されるシートを所定の位置に位置決めした状態で搬送するとともに搬送されたシートを所定の位置に位置決めした状態で受け取ることのできる見当装置および電子写真印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するために、本発明の見当装置は、一枚ずつシートを搬送する搬送経路に配置されており、一対の搬送ローラが接触した間で当該シートを搬送可能に設けられる一方、前記一対の搬送ローラが離隔した間で当該シートを通過可能に設けられる搬送部と、前記搬送部の搬送方向前方にて前記搬送経路に対して進出移動または退避移動が可能に配置され、進出移動した場合に前記搬送部を通過する前記シートの搬送方向前方に設けられる一方、退避移動した場合に前記搬送部により搬送される前記シートを通過可能に設けられる第一前方向当部と、前記搬送部により搬送される前記シートの搬送方向の前端部を受け取り把持する把持部に配置されて当該把持部により前記シートを把持する場合に前記シートの搬送方向前方に位置する第二前方向当部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
この見当装置によれば、一対の搬送ローラで搬送されるシートを第一前方向当部により搬送方向に位置決めし、かつ把持部で把持されるシートを第二前方向当部により搬送方向に位置決めする。すなわち、把持部に至りシートを搬送する前と、把持部でシートを把持するときとで、シートの搬送方向の位置決めを行う。この結果、一枚ずつ供給されるシートを所定の位置に位置決めした状態で搬送するとともに搬送されたシートを所定の位置に位置決めした状態で受け取ることができる。例えば、第一前方向当部で位置決めしたシートを一対の搬送ローラで挟んで送る際、シートの搬送方向の位置がずれて把持部に至るタイミングがずれてしまった場合でも、第二前方向当部によりこれを補正して把持部によりシートを適宜把持することができる。
【0010】
また、本発明の見当装置は、前記把持部が一定速度で移動する態様で設けられており、前記搬送部による前記シートの搬送速度を前記把持部の移動速度よりも速い第一速度とし、前記把持部の位置に前記シートの搬送方向の前端が至って前記第二前方向当部に当接する前に、前記搬送部による前記シートの搬送速度を前記把持部の移動速度よりも速くかつ前記第一速度よりも遅い第二速度とすることを特徴とする。
【0011】
この見当装置によれば、搬送部により第一速度で搬送されるシートが、一定速度で移動する把持部に対して後方から追いつくように搬送されるため、シートの搬送方向の前端を把持し易くなる。しかも、その後、第二前方向当部に至るシートの搬送速度を第二速度として遅くするため、第二前方向当部へのシートの当接時の衝撃や跳ね返りが低減され、シートの曲がりなどを防止することができる。
【0012】
また、本発明の見当装置は、前記搬送経路における前記第一前方向当部の搬送方向前方に設けられて前記把持部により前記シートを把持する位置に至り前記シートの面を沿わせて当該シートの搬送を案内する搬送案内部を備え、前記搬送案内部は、前記第一前方向当部の位置で固定された固定搬送案内部と、前記把持部寄りに設けられて前記シートの厚み方向に移動可能に設けられた移動搬送案内部と、を有することを特徴とする。
【0013】
この見当装置によれば、シートは、移動搬送案内部に摺接しつつ搬送された場合、この摺接圧により移動搬送案内部がシートの厚み方向に移動し、シートに係る摺接圧を低減するため、シートを負荷なく搬送することができる。特に、シートは、その厚さが厚い分、剛性は高くなっているため、把持部に把持されて搬送されるシートは、搬送案内部に摺接する摺接圧が比較的高くなるが、移動搬送案内部がシートの厚み方向に移動することで、この摺接圧を低減するため、厚さが厚いシートであっても負荷なく搬送することができる。この結果、搬送時の摺接圧により把持部によるシートの把持位置がずれたり、把持部によりシートが把持できなかったりする事態を防止することができる。
【0014】
また、本発明の見当装置は、前記搬送経路において前記搬送部よりも前記シートの搬送方向後方に配置されており、少なくとも一対の送りローラに無端状の搬送ベルトが掛け渡され、前記シートの面内において、前記搬送部による前記シートの搬送方向に対して所定の角度分だけ前記搬送ベルトの移動方向が斜めに設けられ、当該斜め方向に前記シートを送り出す搬送コンベヤと、前記搬送ベルトが斜めに向く前記搬送コンベヤの幅方向の片側に配置されており、前記搬送部による前記シートの搬送方向に沿って延在して設けられた幅方向当部と、を備えることを特徴とする。
【0015】
この見当装置によれば、第一前方向当部および第二前方向当部によりシートを搬送方向に位置決めすることに加え、斜め搬送の搬送コンベヤおよび幅方向当部により、シートを幅方向に位置決めすることにより、一枚ずつ供給されるシートを所定の位置に位置決めした状態で搬送するとともに搬送されたシートを所定の位置に位置決めした状態で受け取る効果を顕著に得ることができる。しかも、一対の搬送ローラによりシートを挟んで搬送する後方において、搬送コンベヤによりシートを載せるように搬送するため、その下流側での搬送部によるシートの搬送を阻害することなく補助することができる。
【0016】
また、本発明の見当装置は、前記シートが前記幅方向当部によって位置決めされるまでの間、前記シートと前記搬送ベルトとの接触力を増加させる第一接触力増加手段と、前記シートが前記第一前方向当部によって位置決めされるまでの間、前記シートと前記搬送ベルトとの接触力を増加させる第二接触力増加手段と、を備え、前記第二接触力増加手段は、接触力を調整可能に構成されていることを特徴とする。
【0017】
この見当装置によれば、第一接触力増加手段および第二接触力増加手段によって、シートと各搬送ベルトとの接触力を増加させることができる。このため、シートと各搬送ベルトとの接触力を十分に確保することができ、異なる種類のシートを用いた場合であっても、シートを好適に搬送しながら位置決めすることができる。
【0018】
上述の目的を達成するために、本発明の電子写真印刷装置は、シートを一枚ずつ供給可能な給紙装置と、該給紙装置から供給された前記シートを把持部により把持させつつ移動させて前記シートに対して液体トナーが感光体の静電潜像に転写されて現像したトナー画像を転写する印刷装置と、前記シートに転写されたトナー画像を加熱して定着させる定着装置と、該定着装置によりトナー画像が定着された前記シートを排紙する排紙装置と、を備える電子写真印刷装置において、前記給紙装置から前記印刷装置に至り前記シートを搬送する態様で、上記のいずれか一つに記載の見当装置を適用することを特徴とする。
【0019】
この電子写真印刷装置によれば、一対の搬送ローラで搬送されるシートを第一前方向当部により搬送方向に位置決めし、かつ把持部で把持されるシートを第二前方向当部により搬送方向に位置決めする。すなわち、把持部に至りシートを搬送する前と、把持部でシートを把持するときとで、シートの搬送方向の位置決めを行う。この結果、一枚ずつ供給されるシートを所定の位置に位置決めした状態で搬送するとともに搬送されたシートを所定の位置に位置決めした状態で受け取ることができ、シートの見当精度を向上することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、一枚ずつ供給されるシートを所定の位置に位置決めした状態で搬送するとともに搬送されたシートを所定の位置に位置決めした状態で受け取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る電子写真印刷装置の概略図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態に係る見当装置における位置決め搬送装置の側面視概略断面図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態に係る見当装置における位置決め搬送装置の平面視概略図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態に係る見当装置における位置決め搬送装置の正面視概略断面図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態に係る見当装置における位置決め搬送装置の搬送方向規制部の側面視概略断面図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態に係る見当装置における位置決め搬送装置の搬送方向規制部の側面視概略断面図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態に係る見当装置における位置決め搬送装置の搬送方向規制部の側面視概略断面図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態に係る見当装置における位置決め搬送装置の搬送方向規制部の側面視概略断面図である。
【図9】図9は、本発明の実施の形態に係る見当装置におけるバックアップローラの側面視概略断面図である。
【図10】図10は、本発明の実施の形態に係る見当装置における把持部の側面視概略断面図である。
【図11】図11は、本発明の実施の形態に係る見当装置における把持部の側面視概略断面図である。
【図12】図12は、本発明の実施の形態に係る見当装置における把持部の側面視概略断面図である。
【図13】図13は、本発明の実施の形態に係る見当装置における把持部の側面視概略断面図である。
【図14】図14は、本発明の実施の形態に係る見当装置における動作を示す側面視概略断面図である。
【図15】図15は、本発明の実施の形態に係る見当装置における動作を示す側面視概略断面図である。
【図16】図16は、本発明の実施の形態に係る見当装置における動作を示す側面視概略断面図である。
【図17】図17は、本発明の実施の形態に係る見当装置における動作を示す側面視概略断面図である。
【図18】図18は、本発明の実施の形態に係る見当装置における動作を示す側面視概略断面図である。
【図19】図19は、本発明の実施の形態に係る見当装置における動作速度を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明に係る実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0023】
まず、本実施の形態に係る電子写真印刷装置について説明する。図1は、本実施の形態に係る電子写真印刷装置の概略構成図である。
【0024】
図1に示すように、電子写真印刷装置10は、液体現像電子写真方式の両面および片面印刷機であって、給紙装置11、位置決め搬送装置12、印刷装置13、定着装置14、搬送装置15、排紙装置16とから構成されている。
【0025】
給紙装置11は、上下一対の給紙ユニット11a,11bを有しており、この各給紙ユニット11a,11bは、それぞれ給紙台21a,21bと、給紙機構としてのセパレータ装置22a,22bとを有している。給紙台21a,21bは、印刷シート(シート)Sを上下に積み重ねて載置するものであり、セパレータ装置22a,22bは、給紙台21a,21b上に積み重ねられた多数の印刷シートSを上から順に一枚ずつ吸着して搬送方向の前方へ送り出すものである。この場合、給紙台21a,21bは、セパレータ装置22a,22bが印刷シートSとほぼ一定の高さの位置関係を維持できるように、印刷シートSの供給に対応して上下に移動可能となっている。
【0026】
位置決め搬送装置12は、詳細は後述するが、本実施の形態の見当装置1を構成するものであり、給紙装置11から一枚ずつ供給された印刷シートSを搬送方向および搬送方向に直交する幅方向に位置決めし、位置決め後の印刷シートSを印刷装置13へ向けて供給している。
【0027】
印刷装置13は、K(墨)、C(藍)、M(紅)、Y(黄)のプロセスカラー印刷を行うことが可能となっている。この場合、印刷装置13は、図1に示すように、位置決め搬送装置12から供給された印刷シートSに対して、液体トナーが感光ドラム37の静電潜像に転写されて現像したトナー画像を転写するものである。即ち、この印刷装置13は、バックアップローラ31と、中間転写体32と、各色に対応した4つの現像ユニット33,34,35,36とを有している。
【0028】
バックアップローラ31と中間転写体32は、同じ外径を有するローラであり、対接した状態で矢印方向に同期駆動可能となっており、この対接部分に所定の圧力に設定されたニップ部が設定されている。このバックアップローラ31は、外周部に周方向に等間隔で把持部38が設けられている。この把持部38は、位置決め搬送装置12から供給された印刷シートSの搬送方向の前端部を把持することができ、バックアップローラ31が回転することで、把持した印刷シートSをニップ部に導くことができる。一方、中間転写体32は、外周面に、例えば、ウレタン系導電性ゴムからなるブランケットが装着されて構成されており、例えば、−200〜−300V程度のバイアス電圧が印加されている。
【0029】
バックアップローラ31は、中間転写体32に対して、上述したニップ部にて、所定の圧力を加えるように配設されている。そのため、印刷シートSは、バックアップローラ31により搬送されるとき、中間転写体32との間に形成されたニップ部を通過するとき、所定のニップ圧が付与される。また、バックアップローラ31は、例えば、−800V程度の転写バイアスが印加されている。そのため、バックアップローラ31のバイアス電圧と、中間転写体32のバイアス電圧との差により、後述する液体トナーをバックアップローラ31側へ吸引する力を与え、中間転写体32から印刷シートSへの液体トナーの静電転写を促進することができる。
【0030】
各現像ユニット33,34,35,36は、中間転写体32の周囲にその回転方向に沿って並設されており、使用する液体トナーの色が異なるだけで、その構成は同様のものとなっている。そのため、以下では、現像ユニット33について説明する。
【0031】
現像ユニット33は、中間転写体32に転接する感光ドラム37を有し、図示しない制御装置から送信された画像データに基づいて、感光ドラム37上に静電潜像を形成し、この静電潜像に対応する位置に液体トナーを供給し、感光ドラム37に形成された液体トナーの画像を中間転写体32に転写している。
【0032】
ここで、液体トナーは、熱可塑性素材と色素(顔料あるいは染料)とにより形成される粒子状のトナーが液体状のキャリア中に分散されて配合されたものであり、ここでは、キャリアとして、石油系の溶剤(例えば、非極性、パラフィン系溶剤として、ミネラルオイルなど)に、平均粒径1〜2μm程度の粒子状のトナーが重量比で10〜40パーセント程度含有されたものを液体トナーとして用いている。
【0033】
定着装置14は、トナー画像が転写された印刷シートSを加熱しながら挟む(ニップする)ことで、印刷シートSに転写された液体トナー層(トナー画像)を定着させるものである。この定着装置14は、加熱ローラ71、駆動ローラ72、支持ローラ73、無端の搬送ベルト74とから構成されている。従って、印刷シートSが、加熱ローラ71と駆動ローラ72および支持ローラ73に掛け回された搬送ベルト74との間を搬送されるとき、加熱ローラ71により液体トナー層(トナー画像)が加熱されることで、印刷シートSにトナー画像を定着することができる。
【0034】
ところで、上述した給紙装置11と位置決め搬送装置12との間には、印刷シートSの第一シート搬送経路S1が設けられている。この第一シート搬送経路S1は、基端部側が2つに分岐して各給紙ユニット11a,11bに接続されており、先端部側がバックアップローラ31と中間転写体32とのニップ部に接続されている。そして、第一シート搬送経路S1は、給紙装置11から位置決め搬送装置12までの間に、駆動可能な上下一対の搬送ローラ81が所定間隔で複数設けられている。この場合、各搬送ローラ81の間隔は、印刷シートSにおける搬送方向の長さより短い間隔であり、少なくとも2組の搬送ローラ81が印刷シートSを保持して搬送可能となっている。
【0035】
また、定着装置14を介して排紙装置16へ至る経路は、印刷シートSを搬送する第二シート搬送経路S2となっており、定着装置14と排紙装置16との間の第二シート搬送経路S2に、搬送装置15が設けられている。この第二シート搬送経路S2は、基端部側が定着装置14に接続され、先端部側が搬送装置15を介して排紙装置16に接続されている。そして、第二シート搬送経路S2は、定着装置14から排紙装置16までの間に、駆動可能な上下一対の搬送ローラ82が所定間隔で複数設けられている。この場合、各搬送ローラ82の間隔は、各搬送ローラ81と同様に、印刷シートSにおける搬送方向の長さより短い間隔であり、少なくとも2組の搬送ローラ82が印刷シートSを保持して搬送可能となっている。
【0036】
この第一シート搬送経路S1と第二シート搬送経路S2における搬送装置15の手前との間には、印刷シートSの表裏を反転させる反転装置91が設けられている。この反転装置91は、スイッチ機構92と、シート切替経路93と、搬送ローラ94と、シート反転経路95と、スイッチバックローラ96と、シート戻し経路97と、搬送ローラ98とを有している。この反転装置91は、両面印刷時に使用するものである。
【0037】
スイッチ機構92は、第二シート搬送経路S2において搬送される印刷シートSを搬送装置15またはシート切替経路93へ切替搬送するものであり、搬送ローラ94はシート切替経路93に供給された印刷シートSをシート反転経路95に供給することができる。このシート反転経路95は、印刷シートSを反転させるものであり、スイッチバックローラ96は、正転および逆転可能であり、シート切替経路93に供給された印刷シートSをシート反転経路95に導き、その後、シート戻し経路97に供給することができる。このシート戻し経路97に供給された印刷シートSは、搬送ローラ98により第一シート搬送経路S1に戻されて再び位置決め搬送装置12を介して印刷装置13に供給される。
【0038】
搬送装置15は、第二シート搬送経路S2を搬送中の印刷済の印刷シートSを排紙装置16まで搬送するものであり、循環可能なベルト部材により印刷シートSの下面を支持して水平搬送可能となっている。
【0039】
排紙装置16は、排紙台101と、前後方向位置調整部材102,103と、左右方向位置調整部材104とを有している。即ち、印刷済の印刷シートSが第二シート搬送経路S2に沿って搬送されるとき、搬送装置15は、保持した印刷シートSを排紙装置16の上方で解除して排紙する。このとき、前方向位置調整部材103が作動して印刷シートSの前方位置を位置決めすると共に、後方向位置調整部材102が印刷シートSの後方位置を位置決めする。また、左右方向位置調整部材104が印刷シートSの左右位置を位置決めする。
【0040】
このように構成された電子写真印刷装置10において、印刷シートSに両面印刷を行う場合、図1に示すように、先ず、給紙装置11では、2つの給紙ユニット11a,11bのうちの一方が作動し、印刷シートSを一枚ずつ送り出す。この給紙装置11から送り出された印刷シートSは、第一シート搬送経路S1にて、複数の搬送ローラ81により位置決め搬送装置12まで搬送される。位置決め搬送装置12において、印刷シートSは、幅方向および搬送方向に位置決めされ、位置決め後の印刷シートSは、印刷装置13へ向けて搬送される。印刷装置13にて、バックアップローラ31は、把持部38の開放状態で印刷シートSの搬送方向の前端部を受け入れ、この把持部38を閉止することで印刷シートSの前端部を把持し、回転することで保持した印刷シートSを搬送する。
【0041】
一方、中間転写体32では、各現像ユニット33,34,35,36により、印刷シートSの表面に転写されるべき静電画像が形成された感光ドラム37の周面に、対応するK(墨)、C(藍)、M(紅)、Y(黄)の各色の液体トナーが転写され、感光ドラム37上に画像が現像され、この感光ドラム37の周面に転写された液体トナーが中間転写体32に転写される。
【0042】
その後、バックアップローラ31に保持された印刷シートSが、中間転写体32とのニップ部に至ると、ここで、中間転写体32の周面から印刷シートSにおける中間転写体32と接する側の面(表面)に対して液体トナーが転写される。
【0043】
そして、表面に液体トナーが転写された印刷シートSは、定着装置14に搬送され、印刷シートSが挟まれながら加熱されることで、印刷シートSの表面に転写されている液体トナーを定着させる。
【0044】
表面に液体トナーが定着された印刷シートSは、第二シート搬送経路S2にて、複数の搬送ローラ82により搬送される。そして、反転装置91により表裏が反転され、第一シート搬送経路S1により再び位置決め搬送装置12に搬送される。
【0045】
再び、位置決め搬送装置12を介して印刷装置13に搬送された印刷シートSは、前述と同様に、バックアップローラ31の把持部38により搬送方向の前端部が把持され、このバックアップローラ31により搬送される。中間転写体32では、各現像ユニット33,34,35,36により、印刷シートSの裏面に転写されるべき静電画像が形成された感光ドラム37の周面に、対応するK(墨)、C(藍)、M(紅)、Y(黄)の各色の液体トナーが転写され、感光ドラム37上に画像が現像され、この感光ドラム37の周面に転写された液体トナーが中間転写体32に転写される。そして、バックアップローラ31に保持された印刷シートSが中間転写体32とのニップ部に至ると、ここで、中間転写体32の周面から印刷シートSにおける中間転写体32と接する側の面(裏面)に対して液体トナー(トナー画像)が転写される。
【0046】
そして、裏面に液体トナーが転写された印刷シートSは、定着装置14に搬送され、印刷シートSが挟まれながら加熱されることで、印刷シートSの裏面に転写されている液体トナーを定着させる。
【0047】
表面および裏面に液体トナーが定着された印刷シートSは、第二シート搬送経路S2にて、複数の搬送ローラ82により搬送装置15まで搬送され、この搬送装置15により排紙装置16まで搬送され、この排紙装置16により排紙される。
【0048】
次に、本実施の形態に係る見当装置1について説明する。本実施の形態の見当装置1は、上述した位置決め搬送装置12、およびバックアップローラ31の把持部38に係り設けられており、一枚ずつ供給される印刷シートSを所定の位置に位置決めした状態で搬送するとともに搬送された印刷シートSを所定の位置に位置決めした状態で受け取るためのものである。
【0049】
まず、見当装置1をなす位置決め搬送装置12について説明する。図2は、本実施の形態に係る見当装置における位置決め搬送装置の側面視概略断面図であり、図3は、本実施の形態に係る見当装置における位置決め搬送装置の平面視概略図であり、図4は、本実施の形態に係る見当装置における位置決め搬送装置の正面視概略断面図である。
【0050】
ここで、上述した電子写真印刷装置10に用いられる印刷シートS、すなわち、本実施の形態の見当装置1によって位置決めされる印刷シートSは、様々な種類のものが用いられる。具体的に、印刷シートSは、方形状に形成され、その厚さが、所定の厚さよりも薄い薄紙、所定の厚さよりも厚い厚紙が用いられ、所定の厚さとしては、例えば、0.1mmである。また、印刷シートSは、その大きさが、最大で、幅方向における長さが370mm、搬送方向における長さが520mmとなっており、最小で、幅方向における長さが290mm、搬送方向における長さが420mmとなっている。なお、図3に示す印刷シートSは、最大の大きさとなっている。
【0051】
位置決め搬送装置12は、一枚ずつシートを搬送する第一シート搬送経路S1に配置されており、給紙装置11から一枚ずつ送られてきた印刷シートSを搬送しながら幅方向に位置決めする幅方向規制部40と、幅方向に位置決めされた印刷シートSを搬送方向に位置決めし、位置決め後の印刷シートSを印刷装置13へ導入する搬送方向規制部41とから構成されている。
【0052】
位置決め搬送装置12の幅方向規制部40は、少なくとも一対の送りローラ43aに無端状の搬送ベルト43bが複数掛け渡された搬送コンベヤ43と、搬送コンベヤ43の幅方向(印刷シートSの幅方向)の片側に設けられた幅規制ガイド(幅方向当部)45と、搬送ベルト43bの内側に設けたシートガイド46と、搬送ベルト43bに転接する複数の押さえボール47と、一対の送りローラ43a間に設けられた第一吸着機構(第一接触力増加手段)48および第二吸着機構(第二接触力増加手段)49とを備えている。
【0053】
搬送コンベヤ43において、少なくとも一対の送りローラ43aは、一方が駆動ローラとなっており、他方が従動ローラとなっている。各送りローラ43aは、その回転軸Tが平行となるように配設されており、当該回転軸Tの延在方向である軸方向が、印刷シートSの搬送方向に直交する幅方向に対し、所定の角度θ分だけ斜めに配設されている。
【0054】
搬送コンベヤ43において、搬送ベルト43bは、平ベルトで構成され、各送りローラ43aに対し、例えば、4本掛け渡されている。この搬送ベルト43bの上面が第一シート搬送経路S1の一部となる。各搬送ベルト43bは、送りローラ43aの回転軸Tの軸方向に直交し、かつ回転軸Tの軸方向で所定の間隔を空けて配置されている。このため、各搬送ベルト43bは、各送りローラ43aの回転軸Tが所定の角度θ分だけ斜めとなり、印刷シートSの搬送方向に対し、所定の角度θ分だけ斜めに配設される。これにより、印刷シートSは、搬送方向に対して斜め前方に、すなわち、幅方向の一方の片側(図3の下側)へ向けて搬送されながら、搬送方向へ向けて搬送される。
【0055】
幅規制ガイド45は、搬送コンベヤ43の幅方向における一方の片側に設けられており、搬送コンベヤ43により斜め前方に向かって搬送される印刷シートSが接触するように配設されている。幅規制ガイド45は、搬送方向に延在して設けられており、搬送方向における両端部は、搬送コンベヤ43において搬送方向の最も前方および最も後方となる一対の送りローラ43aよりも外側に位置している。この幅規制ガイド45は、図4に示すように、印刷シートSの幅方向における自身の端部の反りを押さえる反り押さえ部45aを有している。反り押さえ部45aは、幅規制ガイド45の鉛直方向の上端部に設けられ、幅方向の内側に突出して形成されている。また、幅規制ガイド45は、図4に示すように、シートガイド46に取り付けられている。
【0056】
シートガイド46は、図2および図4に示すように、搬送コンベヤ43において一対の送りローラ43aの間で搬送コンベヤ43の幅方向に亘って設けられており、各搬送ベルト43bの内側に配置されている。このシートガイド46は、方形の板状に形成され、搬送ベルト43bからの印刷シートSの脱落を抑制する。なお、図3では、位置決め搬送装置12の構成を簡素化すべく、シートガイド46の記載を省略している。また、シートガイド46は、その表面に復帰ガイド46aが設けられている。復帰ガイド46aは、搬送コンベヤ43の幅方向の他方の片側(図3の上側)に配置された2本の搬送ベルト43bに沿って、これら搬送ベルト43bの幅方向の一方の片側(図3の下側)に設けられている。図4に示すように、復帰ガイド46aは、その断面が三角形状となっており、シートガイド46の表面から搬送ベルト43bの外周面へ導く斜面を有している。このため、復帰ガイド46aは、シートガイド46と各搬送ベルト43bとの間に形成される隙間へ向かう印刷シートSを、各搬送ベルト43bへ向けて復帰させることができる。なお、復帰ガイド46aは、シートガイド46の表面に別部材を付設して構成してもよいし、シートガイド46の一部に切れ目を入れ、折り曲げ加工して形成してもよい。
【0057】
押さえボール47は、図2〜図4に示すように、印刷シートSの幅方向および搬送方向の2次元に自由回転可能となっており、例えば、2つ設けられている。2つの押さえボール47は、4本の搬送ベルト43bのうち、中央の2本の搬送ベルト43bに転接するように搬送コンベヤ43の幅方向に並べて設けられている。2つの押さえボール47は、幅方向に並べて設けられているため、各押さえボール47の配列方向と幅規制ガイド45の延在する方向とは直交している。押さえボール47は、着脱可能に構成され、印刷シートSの種類に応じて、着状態および脱状態とされる。具体的に、押さえボール47は、印刷シートSが所定の厚さよりも厚い場合、印刷シートSに対して転接する着状態とする。一方、押さえボール47は、印刷シートSが所定の厚さよりも薄い場合、印刷シートSから離れる脱状態とする。
【0058】
第一吸着機構48は、複数(本実施の形態では3つ)の第一吸引ファン51と、各第一吸引ファン51を支持する複数の第一支持台52と、シートガイド46に形成された多数の第一吸引孔53と、第一支持台52に形成された多数の第一排気孔54とを有している。複数の第一吸引ファン51は、幅規制ガイド45側に寄せて設けられている。具体的に、複数の第一吸引ファン51は、幅方向の一方の片側(図3の下側)に配置された2本の搬送ベルト43bの間に、搬送ベルト43bに沿って並べて設けられている。また、複数の第一吸引ファン51は、搬送ベルト43bに対し、搬送コンベヤ43の搬送方向の後側に寄せて配置されている。このため、第一吸着機構48は、後述する第一前方規制ストッパ62への印刷シートSの接触時において、印刷シートSの面内から外れる位置となっている。この第一吸引ファン51は、その回転数が固定となっており、印刷シートSの種類に関係なく一定の吸引力となっている。各第一支持台52は、シートガイド46の内面(下面)に垂下させて設けられ、その内部に各第一吸引ファン51を収容可能に構成されている。第一吸引孔53は、第一吸引ファン51の吸気側に対向するシートガイド46に多数貫通して形成されている。また、第一排気孔54は、第一吸引ファン51の排気側に対向する第一支持台52に多数貫通して形成されている。
【0059】
この第一吸着機構48において、複数の第一吸引ファン51を作動させると、各第一吸引ファン51は、多数の第一排気孔54を介して排気しながら、多数の第一吸引孔53を介して吸引することで、印刷シートSを吸引する。これにより、印刷シートSは、第一吸着機構48による吸引により、各搬送ベルト43bとの接触力が増加することになる。
【0060】
第二吸着機構49は、複数(本実施の形態では3つ)の第二吸引ファン56と、各第二吸引ファン56を支持する複数の第二支持台57と、シートガイド46に形成された多数の第二吸引孔58と、第二支持台57に形成された多数の第二排気孔59とを有している。図3に示すように、複数の第二吸引ファン56は、搬送コンベヤ43の搬送方向前方で送りローラ43aの近傍に設けられている。具体的に、複数の第二吸引ファン56は、4本の搬送ベルト43bの間に、送りローラ43aの回転軸Tの軸方向に沿って並べて設けられている。このため、第二吸着機構49は、後述する第一前方規制ストッパ62への印刷シートSの接触時において、印刷シートSの面に対向する位置となっている。この第二吸引ファン56は、その回転数が可変となっており、印刷シートSの種類に応じて異なる吸引力とされる。各第二支持台57は、シートガイド46の内面(下面)に垂下させて設けられ、その内部に各第二吸引ファン56を収容可能に構成されている。第二吸引孔58は、第二吸引ファン56の吸気側に対向するシートガイド46に多数貫通して形成されている。また、第二排気孔59は、第二吸引ファン56の排気側に対向する第二支持台57に多数貫通して形成されている。
【0061】
この第二吸着機構49において、複数の第二吸引ファン56を作動させると、各第二吸引ファン56は、多数の第二排気孔59を介して排気しながら、多数の第二吸引孔58を介して吸引することで、印刷シートSを吸引する。これにより、印刷シートSは、第二吸着機構49による吸引により、各搬送ベルト43bとの接触力が増加することになる。
【0062】
ここで、第一吸着機構48によって付与される接触力と、第二吸着機構49によって付与される接触力との間には、差が設けられている。具体的に説明すると、印刷シートSが所定の厚さよりも薄い場合、第二吸着機構49によって付与される接触力は、第一吸着機構48によって付与される接触力に比して低くなっている。一方で、印刷シートSが所定の厚さよりも厚い場合、第二吸着機構49によって付与される接触力は、第一吸着機構48によって付与される接触力に比して高くなっている。
【0063】
なお、上述した幅方向規制部40では、搬送ベルト43bを複数用いて構成したが、幅の広い単一の搬送ベルト43bを用いて構成してもよい。この場合、搬送ベルト43bにも、複数の吸引孔を形成することが好ましい。また、搬送ベルト43bとして、平ベルトを用いたが、丸ベルトでも適用可能である。さらに、上述した幅方向規制部40では、第一吸着機構48および第二吸着機構49を用いて、印刷シートSと搬送ベルト43bとの接触力を増加させたが、これに限らず、印刷シートSを挟んで搬送ベルト43bの反対側からエアーを吹き当てて、印刷シートSと搬送ベルト43bとの接触力を増加させてもよい。
【0064】
位置決め搬送装置12の搬送方向規制部41は、図2に示すように、搬送コンベヤ43の搬送方向の前方に設けられ、一対の搬送ローラ61a,61bからなる搬送部61と、第一前方規制ストッパ(第一前方向当部)62と、搬送案内部63とを有している。
【0065】
搬送部61は、図2に示すように、第一シート搬送経路S1の一部をなす一対の搬送ローラ61a,61bからなる。搬送部61は、一対の搬送ローラ61a,61bが上下に設けられ、鉛直方向の上方側が従動ローラとなっており、鉛直方向の下方側が駆動ローラとなっている。また、搬送部61は、上方側の搬送ローラ61aが固定となっており、下方側の搬送ローラ61bが、上方側の搬送ローラ61aに対し、接触する位置と離隔する位置とに移動可能に設けられている。すなわち、搬送部61は、一対の搬送ローラ61a,61bが接触した間で搬送ローラ61a,61bの回転により印刷シートSを搬送可能に設けられる(着状態)。一方、搬送部61は、一対の搬送ローラ61a,61bが離隔した間で印刷シートSを通過可能に設けられる(脱状態)。この、搬送部61をなす一対の搬送ローラ61a,61bは、図3に示すように、印刷シートSの幅方向で複数対(本実施の形態では2対)設けられている。
【0066】
第一前方規制ストッパ62は、図2に示すように、搬送部61よりも印刷シートSの搬送方向前方に設けられ、搬送部61がなす第一シート搬送経路S1に対して進出位置と退避位置とに移動可能に設けられている。すなわち、第一前方規制ストッパ62は、進出位置に移動することで、印刷シートSの搬送方向の前方に位置し、印刷シートSの搬送方向前方への通過を規制する。一方、第一前方規制ストッパ62は、退避位置に移動することで、印刷シートSの搬送方向の前方から退避し、印刷シートSの搬送方向前方への通過を許容する。この第一前方規制ストッパ62は、図3に示すように、印刷シートSの幅方向で複数(本実施の形態では2つ)設けられている。
【0067】
搬送案内部63は、図2に示すように、その上面が、第一シート搬送経路S1の一部となるもので、固定搬送案内部64と、移動搬送案内部65とを有している。
【0068】
固定搬送案内部64は、搬送コンベヤ43の搬送方向の最も前方の近傍に配置され、かつ搬送部61である搬送ローラ61a,61bの位置、および第一前方規制ストッパ62の位置に設けられており、板状に形成された上面が、搬送コンベヤ43の搬送ベルト43bと印刷シートSとが接触する接触面と同一面となる。また、固定搬送案内部64は、搬送ローラ61a,61bが着状態および脱状態となる移動を許容するローラ開口64aが形成されている。さらに、固定搬送案内部64は、第一シート搬送経路S1への第一前方規制ストッパ62の進出位置または退避位置への移動を許容するストッパ開口64bが形成されている。
【0069】
移動搬送案内部65は、板状に形成され、固定搬送案内部64よりも印刷シートSの搬送方向前方であって、その前端がバックアップローラ31の外周面の近傍(バックアップローラ31の外周面から5mm程度)であって把持部38寄りの位置に配置されている。また、移動搬送案内部65は、固定搬送案内部64寄りとなる印刷シートSの搬送方向の後端側が、印刷シートSの幅方向と平行に設けられた支持軸65aによって支持されている。このため、移動搬送案内部65は、把持部38寄りの印刷シートSの搬送方向の前端が上下方向に移動するように揺動可能に設けられている。
【0070】
ここで、搬送方向規制部41における各構成の詳細を説明する。図5〜図8は、本実施の形態に係る見当装置における位置決め搬送装置の搬送方向規制部の側面視概略断面図である。
【0071】
図5および図6に示すように、搬送部61である一対の搬送ローラ61a,61bは、フレーム66に設けられている。フレーム66は、電子写真印刷装置10に固定された固定フレーム66aと、固定フレーム66aに対して移動可能に設けられた移動フレーム66bとを有している。そして、従動ローラとしての搬送ローラ61aは、印刷シートSの幅方向と平行に配置されて固定フレーム66aに対して回転可能に設けられた回転軸61cに設けられている。また、駆動ローラとしての搬送ローラ61bは、印刷シートSの幅方向と平行に配置されて移動フレーム66bに対して回転可能に設けられた回転軸61dに設けられている。
【0072】
そして、駆動ローラである搬送ローラ61bを回転駆動する駆動モータ67aは、固定フレーム66aに配置されている。この駆動モータ67aの出力軸に取り付けられた出力歯車67bに対して、第一駆動伝達歯車67cが噛合されている。この第一駆動伝達歯車67cは、その回転軸67dが移動フレーム66bに対して回転可能に支持されている。この第一駆動伝達歯車67cの回転軸67dは、固定フレーム66aに対しても回転可能に支持されている。すなわち、移動フレーム66bは、第一駆動伝達歯車67cの回転軸67dを介して固定フレーム66aに対して取り付けられ、回転軸67dを中心として回転移動が可能に設けられている。また、第一駆動伝達歯車67cは、第二駆動伝達歯車67eと噛合されている。第二駆動伝達歯車67eは、その回転軸67fが移動フレーム66bに対して回転可能に支持されている。また、第二駆動伝達歯車67eは、駆動ローラである搬送ローラ61bの回転軸61dに固定された駆動歯車67gと噛合されている。また、図には明示しないが、搬送ローラ61bの駆動歯車67gは、従動ローラである搬送ローラ61bの回転軸61cに固定された従動歯車と噛合される。
【0073】
すなわち、駆動モータ67aの出力軸の回転は、出力歯車67bから第一駆動伝達歯車67cおよび第二駆動伝達歯車67eを介し、駆動ローラである搬送ローラ61bの駆動歯車67gに伝達され、駆動ローラである搬送ローラ61bが回転駆動される。さらに、搬送ローラ61bの回転は、従動ローラである搬送ローラ61aに伝達される。このため、搬送部61は、各搬送ローラ61a,61bが着状態にある場合、相互に接触した間で印刷シートSを搬送可能に設けられる。
【0074】
上述したように、移動フレーム66bは、固定フレーム66aに対して第一駆動伝達歯車67cの回転軸67dを介して取り付けられ、回転軸67dを中心として回転移動が可能に設けられている。すなわち、固定フレーム66aに配置された駆動モータ67aの出力歯車67bと移動フレーム66bに支持された第一駆動伝達歯車67cとの距離は変わらず相互の噛合状態が維持された状態で、かつ第一駆動伝達歯車67cと第二駆動伝達歯車67eとの噛合状態、および第二駆動伝達歯車67eと駆動歯車67gとの噛合状態が維持された状態で、移動フレーム66bが、第一駆動伝達歯車67cの回転軸67dを中心として回転移動する。この結果、駆動ローラである搬送ローラ61bの駆動歯車67gと、従動ローラである搬送ローラ61aの従動歯車(図示せず)とが噛合状態または非噛合状態となり、かつ駆動ローラである搬送ローラ61bが従動ローラである搬送ローラ61aに対して接触する着状態(図5参照)と、離隔する脱状態(図6参照)とに移動する。
【0075】
この駆動ローラである搬送ローラ61bの移動については、固定フレーム66aに配置された駆動モータ68aの駆動によってなされる。駆動モータ68aは、その出力軸に出力歯車68bが取り付けられている。この出力歯車68bは、カム歯車68cに噛合されている。カム歯車68cは、駆動モータ68aとともに固定フレーム66aに対して回転可能に配置されている。カム歯車68cは、カムフォロア68dが設けられている。カムフォロア68dは、カム歯車68cに対して回転可能に設けられた円柱部材であり、その外周がカム歯車68cの外側に突出して設けられている。このカムフォロア68dは、その外周が移動フレーム66bに固定された当部68eに当接されている。
【0076】
すなわち、駆動モータ68aの出力軸の回転は、出力歯車68bからカム歯車68cに伝達され、このカム歯車68cの回転によりカムフォロア68dが回転移動する。そして、このカムフォロア68dの回転により当部68eが押し上げられることで、図5に示すように、移動フレーム66bが上方に移動し、駆動ローラである搬送ローラ61bが従動ローラである搬送ローラ61aに対して接触する着状態となる。一方、カムフォロア68dの回転により当部68eが下降することで、図6に示すように、移動フレーム66bが下方に移動し、駆動ローラである搬送ローラ61bが従動ローラである搬送ローラ61aに対して離隔する脱状態となる。なお、駆動モータ68aは、カムフォロア68dの回転移動を所定角度の範囲とするように、正逆回転駆動される。
【0077】
図7および図8に示すように、第一前方規制ストッパ62は、支持軸62aに固定されている。支持軸62aは、印刷シートSの幅方向に沿って延在され、上述した固定フレーム66aに対して回転可能に設けられている。この支持軸62aは、その一端に駆動モータ62bの出力軸が接続されている。
【0078】
すなわち、駆動モータ62bの出力軸の回転は、支持軸62aに伝達される。そして、この支持軸62aの回転(図7における時計回り方向)により、図7に示すように第一前方規制ストッパ62が進出位置に移動する。一方、支持軸62aの回転(図8における反時計回り方向)により、図8に示すように第一前方規制ストッパ62が退避位置に移動する。
【0079】
図5に示すように、移動搬送案内部65は、上述のごとく固定搬送案内部64寄りであって印刷シートSの搬送方向の後端側が、印刷シートSの幅方向と平行に設けられた支持軸65aによって支持され、揺動可能に設けられている。また、移動搬送案内部65は、印刷シートSの搬送方向の前端側の下部が、上述した固定フレーム66aに対して上方に延在する支柱65bに巻装された圧縮コイルバネ65cに当接されている。また、移動搬送案内部65は、印刷シートSの搬送方向の前端側の上部が、上述した固定フレーム66aに対して固定されたストッパ65dに当接可能に設けられている。
【0080】
すなわち、移動搬送案内部65は、通常では、印刷シートSの搬送方向の前端側が、圧縮コイルバネ65cにより上方に付勢されつつ、ストッパ65dに当接することで、その上面が固定搬送案内部64の上面と同一面となるように配置される。一方、移動搬送案内部65は、図5に一点鎖線で示すように、印刷シートSの搬送方向の前端側が圧縮コイルバネ65cの付勢力に抗して下方に押された場合、支持軸65aを中心として印刷シートSの搬送方向の前端側が下方に向くように揺動する。
【0081】
続いて、見当装置1をなすバックアップローラ31の把持部38について説明する。図9は、本実施の形態に係る見当装置におけるバックアップローラの側面視概略断面図であり、図10〜図13は、本実施の形態に係る見当装置における把持部の側面視概略断面図である。
【0082】
図9に示すように、バックアップローラ31は、上述した位置決め搬送装置12が近傍に配置されており、上述したように把持部38を有している。この把持部38に係り本実施の形態の見当装置1が設けられている。
【0083】
バックアップローラ31は、本実施の形態の電子写真印刷装置10におけるフレーム(図示せず)に設けられた回転軸31aを中心として回転可能に設けられている。図9において、バックアップローラ31は、回転軸31aを中心に時計回り方向に回転する。このバックアップローラ31に、把持部38が設けられている。把持部38は、上述したようにバックアップローラ31の外周部に周方向に2つが等間隔で設けられ、位置決め搬送装置12から供給された印刷シートSの搬送方向の前端部を受け取り把持するものである。なお、把持部38は、バックアップローラ31の外周部に周方向に1つが設けられている形態であってもよい。
【0084】
把持部38は、バックアップローラ31に固定されて、バックアップローラ31の外周面と同一面となる座面を形成する爪座38aを有している。爪座38aは、バックアップローラ31の外周面において、回転軸31aにおける中心軸の延在方向に沿って所定間隔をおいて複数設けられている。また、各爪座38aは、その座面において、バックアップローラ31の回転方向の前側となる部分でバックアップローラ31の外周側に突出して形成された第二前方規制ストッパ(第二前方向当部)38bが設けられている。この第二前方規制ストッパ38bは、各爪座38aの座面の一部に設けられている。
【0085】
また、把持部38は、爪座38aの座面との間で印刷シートSの搬送方向の前端部を受け取り把持する閉止状態や、爪座38aの座面から離れて印刷シートSの搬送方向の前端部を受け入れる開放状態となるようにバックアップローラ31に対して移動可能に設けられた爪部38cを有している。この爪部38cは、爪座38aの第二前方規制ストッパ38bを避けて爪座38aの座面に当接するように、回転軸31aにおける中心軸の延在方向に沿って所定間隔をおいて複数設けられている。各爪部38cは、バックアップローラ31の外周面に凹設された爪収容部31b内に収容されており、当該爪収容部31b内において回転軸31aにおける中心軸の延在方向に沿って延在して設けられた支持軸38dに固定された各支持部38eに対してそれぞれ設けられている。支持軸38dは、バックアップローラ31の両側板に対して回転可能に設けられている。すなわち、支持軸38dの回転により各支持部38eが揺動することに伴って各爪部38cが閉止状態や開放状態に移動する。
【0086】
爪部38cの移動については、支持軸38dに固定されたカムフォロア38fが、バックアップローラ31の側部にて固定されたカム31cの周面に当接して設けられており、バックアップローラ31の回転に伴ってカム31cの周面にカムフォロア38fが摺接することで支持軸38dを回転させる構造となっている。なお、支持軸38dは、図10に示すように、その外周に爪アーム38gが延在して設けられ、当該爪アーム38gの延在端側に支持棒38hが支承されており、この支持棒38hに巻装された圧縮コイルバネ38iによって図10における反時計回り方向に回転が付勢されている。この圧縮コイルバネ38iによる付勢力は、爪部38cを爪座38aの座面から離し、かつカムフォロア38fをカム31cの外周に当接させるように作用する。
【0087】
カム31cは、その外周の2箇所に凹部31d,31eが形成されている。凹部31dは、図11に示すように、バックアップローラ31の回転に伴い、カムフォロア38fを内側に落ち込ませることで、爪部38cを爪座38aの座面から離すように支持軸38dを回転させる。また、凹部31dは、図12に示すように、バックアップローラ31のさらなる回転に伴い、カムフォロア38fを外側に押し出すことで、爪部38cを爪座38aの座面に当接させるように支持軸38dを回転させる。この凹部31dは、位置決め搬送装置12を介して搬送された印刷シートSの搬送方向の前端部を受け入れ、印刷シートSの搬送方向の前端部を把持することに適用される。すなわち、カム31cの凹部31dは、位置決め搬送装置12を介して搬送された印刷シートSの搬送方向の前端部を受け入れ、当該印刷シートSの搬送方向の前端部を把持するため、位置決め搬送装置12において第一シート搬送経路S1の下流側に配置された移動搬送案内部65の搬送方向の前端が位置する近傍に配置されている。
【0088】
凹部31eは、図13に示すように、バックアップローラ31の回転に伴い、カムフォロア38fを内側に落ち込ませることで、爪部38cを爪座38aの座面から離すように支持軸38dを回転させる。また、凹部31eは、図10に示すように、バックアップローラ31のさらなる回転に伴い、カムフォロア38fを外側に押し出すことで、爪部38cを爪座38aの座面に当接させるように支持軸38dを回転させる。この凹部31eは、液体トナーが転写された印刷シートSを定着装置14に搬送させるため、当該印刷シートSを離すことに適用される。
【0089】
なお、図9に示すように、爪収容部31b内には、剥離レバー39aが設けられている。剥離レバー39aは、爪座38aを避けて爪座38aの座面よりも回転軸31a側(爪収容部31bの奥側)に進入するように、複数の爪座38aの間に適宜設けられている。剥離レバー39aは、爪収容部31b内において回転軸31aにおける中心軸の延在方向に沿って延在して設けられた支持軸39bに固定された各支持部39cに対して設けられている。支持軸39bは、バックアップローラ31の両側板に対して回転可能に設けられている。すなわち、支持軸39bの回転により各支持部39cが揺動することに伴って各剥離レバー39aが揺動する。この剥離レバー39aは、図9に示すように、爪座38aの座面よりも爪収容部31bの奥側に進入する進入状態と、図には明示しないが、爪座38aの座面よりも外側に突出する突出位置とに揺動する。剥離レバー39aの移動については、図には明示しないが、上述した支持軸38dにレバーアームが固定され、カムフォロア38fのカム31cへの摺接に伴うレバーアームの回転により揺動する。また、剥離レバー39aは、カム31cの凹部31eの位置にカムフォロア38fが至った場合のみ突出位置となり、その他は進入位置となる。このため、剥離レバー39aは、液体トナーが転写された印刷シートSを定着装置14に搬送させるため、当該印刷シートSを爪座38aの座面から剥がすことに適用される。
【0090】
また、図9に示すように、バックアップローラ31の周囲には、バックアップローラ31の外周面に当接するシート押さえローラ31f、およびバックアップローラ31の外周面に沿って円弧状に形成されるとともにバックアップローラ31の外周面から印刷シートSを通過させる程度の間隔を隔てて設けられたシートガイド31gが設けられている。シート押さえローラ31fは、バックアップローラ31の回転において移動する把持部38が印刷シートSの搬送方向の前端部を把持する位置よりも、バックアップローラ31の回転方向の前方に配置されている。また、シートガイド31gは、シート押さえローラ31fに対し、バックアップローラ31の回転方向の前方に配置されている。
【0091】
ところで、図9に示すように、本実施の形態の見当装置1は、第一前方規制ストッパ62の移動タイミング、搬送部61の移動タイミング、および搬送部61による印刷シートSの搬送速度を制御する制御部69を有している。制御部69は、搬送コンベヤ43による印刷シートSの搬送位置や、把持部38の移動速度や、把持部38の移動位置の入力に基づいて、第一前方規制ストッパ62を移動させるために駆動モータ62bを制御する。また、制御部69は、搬送コンベヤ43による印刷シートSの搬送位置や、把持部38の移動速度や、把持部38の移動位置の入力に基づいて、搬送部61の搬送ローラ61bを移動させるために駆動モータ68aを制御する。また、制御部69は、把持部38の移動速度や、把持部38の移動位置の入力に基づいて、搬送部61の搬送ローラ61bにより印刷シートSを搬送するために駆動モータ67aを制御する。
【0092】
次に、上記のように構成された見当装置1の動作である印刷シートSの位置決めおよび搬送について、図3および図14〜図18を参照して説明する。図14〜図18は、本実施の形態に係る見当装置における動作を示す側面視概略断面図である。
【0093】
なお、以下の説明では、印刷シートSは、厚紙であり、かつ、最大の大きさのものが用いられている。このとき、印刷シートSは、厚紙であることから、第二吸着機構49によって付与される接触力は、第一吸着機構48によって付与される接触力よりも高く、また、押さえボール47は、着状態となっている。
【0094】
搬送方向の上流側から印刷シートSが位置決め搬送装置12に供給されると、供給された印刷シートSは、複数の押さえボール47に押さえられながら、搬送コンベヤ43の搬送ベルト43bによって、幅規制ガイド45へ向けて斜め前方に搬送される。斜め前方に搬送された印刷シートSは、幅規制ガイド45に突き当たると、印刷シートSの幅方向の一方(図示下側)の端部が、幅方向に位置規制される。これにより、印刷シートSは幅方向に位置決めされる。ここで、第一吸着機構48は、印刷シートSが位置決め搬送装置12に導入されてから、幅方向への位置決めが完了し、その後に第一吸着機構48を通過するまでの間、印刷シートSを吸着する。これにより、印刷シートSは、第一吸着機構48により、搬送ベルト43bへの所定の接触力が付与される。
【0095】
そして、幅方向に位置決めされた印刷シートSは、搬送コンベヤ43により第一前方規制ストッパ62へ向けて搬送される。このとき、制御部69は、図14に示すように、搬送部61の搬送ローラ61a,61bを脱状態とし、駆動ローラである下方側の搬送ローラ61bの駆動を停止する。さらに、制御部69は、第一前方規制ストッパ62を進出位置とする。このため、印刷シートSは、その搬送方向の前端部が、搬送ローラ61a,61bの間を通って、第一前方規制ストッパ62に突き当たる。このため、印刷シートSは、搬送方向の前端部が、搬送方向に位置規制されることで、搬送方向に位置決めされる。なお、第二吸着機構49は、印刷シートSが第二吸着機構49を通過するまでの間、印刷シートSを吸着する。これにより、印刷シートSは、第二吸着機構49および押さえボール47により、搬送ベルト43bへの所定の接触力が付与される。なお、印刷シートSが第一前方規制ストッパ62に突き当たると、印刷シートSは、第一吸着機構48の位置から外れるため、印刷シートSの搬送方向への位置決め時において、第一吸着機構48による吸着は機能せず、第二吸着機構49による吸着のみ機能する。
【0096】
そして、印刷シートSが搬送方向に位置決めされると、制御部69は、図15に示すように、搬送部61の搬送ローラ61a,61bを着状態とし、印刷シートSを挟み込む。この後、制御部69は、第一前方規制ストッパ62を退避位置に移動すると共に、駆動ローラである下方側の搬送ローラ61bが回転する。これにより、印刷シートSは、印刷装置13のバックアップローラ31へ向けて搬送される。
【0097】
バックアップローラ31は、一定速度で回転している。よって、着状態とされた搬送ローラ61a,61bが印刷シートSを搬送するタイミングは、バックアップローラ31の回転に伴って循環移動する把持部38の位置に従う。例えば、図15に示すように、把持部38の爪部38cが爪座38aの座面から離れた開放状態となるとき、制御部69は、搬送ローラ61a,61bを回転させて印刷シートSを搬送する。そして、このタイミングで搬送される印刷シートSは、図16に示すように、その搬送方向の前端部が、退避位置にある第一前方規制ストッパ62、固定搬送案内部64、および移動搬送案内部65を通り過ぎて、開放状態の爪座38aの座面に沿って進入する。このとき、爪座38aの第二前方規制ストッパ38bが印刷シートSの搬送方向の前端部の前方に位置するため、印刷シートSの搬送方向の前端部が第二前方規制ストッパ38bに突き当たる。このため、以前に第一前方規制ストッパ62により搬送方向に位置決めされた印刷シートSは、印刷シートSの搬送方向の前端部が、搬送方向に位置規制されることで、搬送方向にさらに位置決めされる。その後、印刷シートSは、搬送ローラ61a,61bによりさらに搬送されつつ、把持部38が閉止状態となったところで搬送方向の前端が把持される。そして、印刷シートSの搬送方向の前端部が把持部38に把持されたところで、制御部69は、搬送ローラ61a,61bを脱状態とする。このとき、この印刷シートSは、移動搬送案内部65に摺接しつつ搬送される。この摺接圧により移動搬送案内部65は、図17に示すように、圧縮コイルバネ65cの付勢力に抗して印刷シートSの厚み方向である下方に揺動する。よって、印刷シートSに係る摺接圧を低減し、印刷シートSを負荷なく搬送することが可能になる。その後、印刷シートSは、図18に示すように、バックアップローラ31に回転に伴い、シート押さえローラ31fによりバックアップローラ31の外周面に押さえ付けられ、かつシートガイド31gによりバックアップローラ31の外周面から離れることを抑制されて搬送されながら、把持部38に把持された状態でバックアップローラ31と中間転写体32とのニップ部にて、所定の圧力を加えられ中間転写体32から印刷シートSに液体トナーが転写される。これら、シート押さえローラ31fおよびシートガイド31gによってバックアップローラ31と中間転写体32とのニップ部に至る印刷シートSのバタツキを抑制することができ、印刷シートSの所定の位置に液体トナーを転写することが可能になる。特に、印刷シートSの搬送方向の後端部は、搬送ローラ61a,61bを経てからフリーになるため、シート押さえローラ31fおよびシートガイド31gによって印刷シートSの搬送方向の後端部のバタツキを抑制することが可能である。
【0098】
図19は、本実施の形態に係る見当装置における動作速度を示す図である。図19において、破線で示すようにバックアップローラ31は、把持部38が一定速度V1で移動するように設定されている。これに対し、制御部69により、搬送ローラ61a,61bは、上述した印刷シートSを搬送するタイミング(A(図15参照))から加速され、把持部38の速度V1よりも速い第一速度V2とされる(B)。この第一速度V2は、速度V1に対して1割〜2割速い速度とする。このため、搬送ローラ61a,61bにより搬送される印刷シートSは、その搬送方向の前端が、速度V1で移動する把持部38の位置に至る(C)。かかるCの時点では、印刷シートSの搬送方向の前端が第二前方規制ストッパ38bに当接する前の位置にある。このCの時点で、制御部69により、搬送ローラ61a,61bは、把持部38の速度V1よりも速くかつ第一速度V2よりも遅い第二速度V3とされ、第二前方規制ストッパ38bに至る(D)。このため、第二前方規制ストッパ38bに至る印刷シートSは、第二前方規制ストッパ38bへの印刷シートSの当接時の衝撃や跳ね返りが低減され、印刷シートSの曲がりなどが防止されることになる。その後、把持部38が閉止状態となって印刷シートSを把持した時点(E)で、制御部69により、搬送ローラ61a,61bは、脱状態とされ、かつ減速されて回転を停止する(F)。
【0099】
以上のように、本実施の形態の見当装置1は、一枚ずつ印刷シートSを搬送する第一シート搬送経路S1に配置されており、一対の搬送ローラ61a,61bが接触した間で印刷シートSを搬送可能に設けられる一方、一対の搬送ローラ61a,61bが離隔した間で印刷シートSを通過可能に設けられる搬送部61と、搬送部61の搬送方向前方にて第一シート搬送経路S1に対して進出移動または退避移動が可能に配置され、進出移動した場合に搬送部61を通過する印刷シートSの搬送方向前方に設けられる一方、退避移動した場合に搬送部61により搬送される印刷シートSを通過可能に設けられる第一前方規制ストッパ(第一前方向当部)62と、搬送部61により搬送される印刷シートSの搬送方向の前端部を受け取り把持する把持部38に配置されて当該把持部38により印刷シートSを把持する場合に印刷シートSの搬送方向の前方に位置する第二前方規制ストッパ(第二前方向当部)38bと、を備える。
【0100】
この見当装置1によれば、一対の搬送ローラ61a,61bで搬送される印刷シートSを第一前方規制ストッパ62により搬送方向に位置決めし、かつ把持部38で把持される印刷シートSを第二前方規制ストッパ38bにより搬送方向に位置決めすることにより、把持部38に至り印刷シートSを搬送する前と、把持部38で印刷シートSを把持するときとで、印刷シートSの搬送方向の位置決めを行う。例えば、第一前方規制ストッパ62で位置決めした印刷シートSを一対の搬送ローラ61a,61bで挟んで送る際、印刷シートSの搬送方向の位置がずれて把持部38に至るタイミングがずれてしまった場合でも、第二前方規制ストッパ38bによりこれを補正して把持部38により印刷シートSを適宜把持することが可能である。この結果、一枚ずつ供給される印刷シートSを所定の位置に位置決めした状態で搬送するとともに搬送された印刷シートSを所定の位置に位置決めした状態で受け取ることが可能になる。
【0101】
また、本実施の形態の見当装置1は、把持部38が一定速度V1で移動する態様で設けられており、搬送部61による印刷シートSの搬送速度を把持部38の移動速度V1よりも速い第一速度V2とし、把持部38の位置に印刷シートSの搬送方向の前端が至って第二前方規制ストッパ38bに当接する前に、搬送部61による印刷シートSの搬送速度を把持部38の移動速度V1よりも速くかつ第一速度V2よりも遅い第二速度V3とする。
【0102】
この見当装置1によれば、搬送部61により第一速度V2で搬送される印刷シートSが、一定速度V1で移動する把持部38に対して後方から追いつくように搬送されるため、印刷シートSの搬送方向の前端を把持し易くなる。しかも、その後、第二前方規制ストッパ38bに至る印刷シートSの搬送速度を第二速度V3として遅くするため、第二前方規制ストッパ38bへの印刷シートSの当接時の衝撃や跳ね返りが低減され、印刷シートSの曲がりなどを防止することが可能になる。
【0103】
また、本実施の形態の見当装置1は、第一シート搬送経路S1における第一前方規制ストッパ62の搬送方向前方に設けられて把持部38により印刷シートSを把持する位置に至り印刷シートSの面を沿わせて印刷シートSの搬送を案内する搬送案内部63を備え、搬送案内部63は、第一前方規制ストッパ62寄りに固定された固定搬送案内部64と、把持部38寄りに設けられて印刷シートSの厚み方向に移動可能に設けられた移動搬送案内部65と、を有する。
【0104】
この見当装置1によれば、印刷シートSは、移動搬送案内部65に摺接しつつ搬送された場合、この摺接圧により移動搬送案内部65が印刷シートSの厚み方向に移動し、印刷シートSに係る摺接圧を低減するため、印刷シートSを負荷なく搬送することが可能になる。特に、印刷シートSは、その厚さが厚い分、剛性は高くなっているため、把持部38に把持されて搬送される印刷シートSは、搬送案内部63に摺接する摺接圧が比較的高くなるが、移動搬送案内部65が印刷シートSの厚み方向に移動することで、この摺接圧を低減するため、厚さが厚い印刷シートSを負荷なく搬送することが可能になる。この結果、搬送時の摺接圧により把持部38による印刷シートSの把持位置がずれたり、把持部38により印刷シートSが把持できなかったりする事態を防止することが可能になる。
【0105】
また、本実施の形態の見当装置1は、第一シート搬送経路S1において搬送部61よりも印刷シートSの搬送方向後方に配置されており、少なくとも一対の送りローラ43aに無端状の搬送ベルト43bが掛け渡され、印刷シートSの面内において、搬送部61による印刷シートSの搬送方向に対して所定の角度分だけ搬送ベルト43bの移動方向が斜めに設けられ、当該斜め方向に印刷シートSを送り出す搬送コンベヤ43と、搬送ベルト43bが斜めに向く搬送コンベヤ43の幅方向の片側に配置されており、搬送部61による印刷シートSの搬送方向に沿って延在して設けられた幅規制ガイド(幅方向当部)45と、を備える。
【0106】
この見当装置1によれば、第一前方規制ストッパ62および第二前方規制ストッパ38bにより印刷シートSを搬送方向に位置決めすることに加え、斜め搬送の搬送コンベヤ43および幅規制ガイド(幅方向当部)45により、印刷シートSを幅方向に位置決めすることにより、一枚ずつ供給される印刷シートSを所定の位置に位置決めした状態で搬送するとともに搬送された印刷シートSを所定の位置に位置決めした状態で受け取る効果を顕著に得ることが可能になる。しかも、一対の搬送ローラ61a,61bにより印刷シートSを挟んで搬送する後方において、搬送コンベヤ43により印刷シートSを載せて搬送するため、その下流側での搬送部61による印刷シートSの搬送を阻害することなく補助することが可能になる。
【0107】
また、本実施の形態の見当装置1は、印刷シートSが幅規制ガイド45によって位置決めされるまでの間、印刷シートSと搬送ベルト43bとの接触力を増加させる第一吸着機構(第一接触力増加手段)48と、印刷シートSが第一前方規制ストッパ62によって位置決めされるまでの間、印刷シートSと搬送ベルト43bとの接触力を増加させる第二吸着機構(第二接触力増加手段)49と、を備え、第二吸着機構49は、接触力を調整可能に構成されている。
【0108】
この見当装置1によれば、第一吸着機構48および第二吸着機構49によって、印刷シートSと各搬送ベルト43bとの接触力を増加させることができる。このため、印刷シートSと各搬送ベルト43bとの接触力を十分に確保することができ、異なる種類の印刷シートSを用いた場合であっても、印刷シートSを好適に搬送しながら位置決めすることが可能になる。
【0109】
しかも、この見当装置1によれば、第一吸着機構48によって付与される接触力と、第二吸着機構49によって付与される接触力との間に差を設けることができる。具体的には、印刷シートSが所定の厚さよりも薄い場合、第二吸着機構49によって付与される接触力を、第一吸着機構48に比して低くすることができる。従来は、印刷シートSと第一前方規制ストッパ62との位置決め時において、印刷シートSには、各搬送ベルト43bの搬送力による負荷が加わり続けるが、このとき、印刷シートSは、その厚さが薄い分、剛性は低くなっているため座屈し易く、印刷シートSが詰まる原因となり易い。しかしながら、印刷シートSと各搬送ベルト43bと接触力を低くした分、印刷シートSと各搬送ベルト43bとの間がスリップし易くなり、印刷シートSに加わる負荷をスリップによって受け流すことができるため、印刷シートSを座屈させ難くすることができ、第一前方規制ストッパ62による位置決めを好適に行うことができる。また、印刷シートSが所定の厚さよりも厚い場合、第二吸着機構49によって付与される接触力を、第一吸着機構48に比して高くすることができる。従来は、印刷シートSと第一前方規制ストッパ62との位置決め時において、印刷シートSは、その厚さが厚い分、剛性は高くなっているため、第一前方規制ストッパ62に跳ね返り易く、印刷シートSの位置決め精度が悪化する原因となり易い。しかしながら、印刷シートSと各搬送ベルト43bとの接触力を高くした分、印刷シートSと各搬送ベルト43bとの間がスリップし難くなり、印刷シートSが第一前方規制ストッパ62に跳ね返り難くなるため、第一前方規制ストッパ62による位置決めを好適に行うことができる。また、第一吸着機構48に対し、第二吸着機構49の接触力を調整することで、接触力の差を設けることができるため、第一吸着機構48を調整する必要がない分、第一吸着機構48の負担を低減することができる。
【0110】
なお、本実施の形態の見当装置1の構成によれば、印刷シートSの搬送方向への位置決め時において、第一吸着機構48による吸着を機能させず、第二吸着機構49による吸着のみ機能させることができる。これにより、第一前方規制ストッパ62の位置決め時は、第一吸着機構48による接触力の影響を除去することができるため、第一前方規制ストッパ62による印刷シートSの位置決めを好適に行うことができる。
【0111】
また、本実施の形態の見当装置1の構成によれば、第一吸着機構48が幅規制ガイド45側に寄せて設けられているため、第一吸着機構48と幅規制ガイド45との距離を短くすることができる。これにより、印刷シートSが幅規制ガイド45によって位置決めされる際に、印刷シートSの端部に負荷が加わっても、印刷シートSにおいて、接触力が付与される部分と、幅規制ガイド45に接触する端部との間を短くすることができるため、印刷シートSを座屈し難いものとすることができる。
【0112】
また、本実施の形態の見当装置1の構成によれば、搬送ベルト43bに着脱可能な複数の押さえボール47を設けたため、印刷シートSと搬送ベルト43bとの接触力をさらに向上させることができる。このとき、押さえボール47は球状であることから、押さえボール47は、印刷シートSの搬送方向および幅方向に2次元に転接できる。このため、印刷シートSが搬送方向および幅方向に移動しても、押さえボール47は、印刷シートSの移動に好適に追従することができるため、印刷シートSに対し好適に接触力を付与することができる。また、印刷シートSの種類に応じて、押さえボール47を着脱することができるため、位置決め搬送装置12は、印刷シートSの種類に応じた接触力を付与することができる。さらに、押さえボール47により印刷シートSと搬送ベルト43bとの接触力が十分に確保できる場合、第二吸着機構49を停止させてもよい。
【0113】
また、本実施の形態の見当装置1の構成によれば、搬送方向に延在する幅規制ガイド45に対し、複数の押さえボール47の配列方向を幅方向としたため、押さえボール47の配列方向と幅規制ガイド45の延在方向とを直交させることができる。このため、印刷シートSが1つの押さえボール47に押さえられると、印刷シートSは、押さえボール47を軸として回転しようとするが、印刷シートSは、他の押さえボール47によっても押さえられる。このとき、複数の押さえボール47は、幅方向に並んでいることから、搬送方向に搬送される印刷シートSは、複数の押さえボール47によって同時に押さえられるため、印刷シートSの搬送姿勢を乱すことなく、印刷シートSを好適に搬送することができる。
【0114】
また、本実施の形態の見当装置1の構成によれば、シートガイド46に復帰ガイド46aを設けたため、各搬送ベルト43bから脱落した印刷シートSが、シートガイド46と各搬送ベルト43bとの間に形成される隙間に進入することを抑制することができ、脱落した印刷シートSを各搬送ベルト43bへ向けて復帰させることができる。
【0115】
また、本実施の形態の見当装置1の構成によれば、幅規制ガイド45に反り押さえ部45aを設けたことで、幅規制ガイド45は、印刷シートSの幅方向における端部の反りを押さえた状態で、印刷シートSを幅方向に位置決めすることができる。
【0116】
また、本実施の形態の電子写真印刷装置10は、一対の搬送ローラ61a,61bで搬送される印刷シートSを第一前方規制ストッパ62により搬送方向に位置決めし、かつ把持部38で把持される印刷シートSを第二前方規制ストッパ38bにより搬送方向に位置決めすることにより、把持部38に至り印刷シートSを搬送する前と、把持部38で印刷シートSを把持するときとで、印刷シートSの搬送方向の位置決めを行う。例えば、第一前方規制ストッパ62で位置決めした印刷シートSを一対の搬送ローラ61a,61bで挟んで送る際、印刷シートSの搬送方向の位置がずれて把持部38に至るタイミングがずれてしまった場合でも、第二前方規制ストッパ38bによりこれを補正して把持部38により印刷シートSを適宜把持することが可能である。このため、一枚ずつ供給される印刷シートSを所定の位置に位置決めした状態で搬送するとともに搬送された印刷シートSを所定の位置に位置決めした状態で受け取ることが可能になり、印刷シートSの見当精度を向上することが可能になる。
【符号の説明】
【0117】
1 見当装置
10 電子写真印刷装置
11 給紙装置
12 位置決め搬送装置
13 印刷装置
14 定着装置
15 搬送装置
16 排紙装置
31 バックアップローラ
38 把持部
38a 爪座
38b 第二前方規制ストッパ(第二前方向当部)
38c 爪部
40 幅方向規制部
41 搬送方向規制部
43 搬送コンベヤ
43a 送りローラ
43b 搬送ベルト
45 幅規制ガイド(幅方向当部)
48 第一吸着機構(第一接触力増加手段)
49 第二吸着機構(第二接触力増加手段)
61 搬送部
61a,61b 搬送ローラ
62 第一前方規制ストッパ(第一前方向当部)
63 搬送案内部
64 固定搬送案内部
65 移動搬送案内部
S 印刷シート(シート)
S1 第一シート搬送経路(搬送経路)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一枚ずつシートを搬送する搬送経路に配置されており、一対の搬送ローラが接触した間で当該シートを搬送可能に設けられる一方、前記一対の搬送ローラが離隔した間で当該シートを通過可能に設けられる搬送部と、
前記搬送部の搬送方向前方にて前記搬送経路に対して進出移動または退避移動が可能に配置され、進出移動した場合に前記搬送部を通過する前記シートの搬送方向前方に設けられる一方、退避移動した場合に前記搬送部により搬送される前記シートを通過可能に設けられる第一前方向当部と、
前記搬送部により搬送される前記シートの搬送方向の前端部を受け取り把持する把持部に配置されて当該把持部により前記シートを把持する場合に前記シートの搬送方向前方に位置する第二前方向当部と、
を備えることを特徴とする見当装置。
【請求項2】
前記把持部が一定速度で移動する態様で設けられており、前記搬送部による前記シートの搬送速度を前記把持部の移動速度よりも速い第一速度とし、前記把持部の位置に前記シートの搬送方向の前端が至って前記第二前方向当部に当接する前に、前記搬送部による前記シートの搬送速度を前記把持部の移動速度よりも速くかつ前記第一速度よりも遅い第二速度とすることを特徴とする請求項1に記載の見当装置。
【請求項3】
前記搬送経路における前記第一前方向当部の搬送方向前方に設けられて前記把持部により前記シートを把持する位置に至り前記シートの面を沿わせて当該シートの搬送を案内する搬送案内部を備え、
前記搬送案内部は、
前記第一前方向当部の位置で固定された固定搬送案内部と、
前記把持部寄りに設けられて前記シートの厚み方向に移動可能に設けられた移動搬送案内部と、
を有することを特徴とする請求項1または2に記載の見当装置。
【請求項4】
前記搬送経路において前記搬送部よりも前記シートの搬送方向後方に配置されており、少なくとも一対の送りローラに無端状の搬送ベルトが掛け渡され、前記シートの面内において、前記搬送部による前記シートの搬送方向に対して所定の角度分だけ前記搬送ベルトの移動方向が斜めに設けられ、当該斜め方向に前記シートを送り出す搬送コンベヤと、
前記搬送ベルトが斜めに向く前記搬送コンベヤの幅方向の片側に配置されており、前記搬送部による前記シートの搬送方向に沿って延在して設けられた幅方向当部と、
を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の見当装置。
【請求項5】
前記シートが前記幅方向当部によって位置決めされるまでの間、前記シートと前記搬送ベルトとの接触力を増加させる第一接触力増加手段と、
前記シートが前記第一前方向当部によって位置決めされるまでの間、前記シートと前記搬送ベルトとの接触力を増加させる第二接触力増加手段と、を備え、
前記第二接触力増加手段は、接触力を調整可能に構成されていることを特徴とする請求項4に記載の見当装置。
【請求項6】
シートを一枚ずつ供給可能な給紙装置と、
該給紙装置から供給された前記シートを把持部により把持させつつ移動させて前記シートに対して液体トナーが感光体の静電潜像に転写されて現像したトナー画像を転写する印刷装置と、
前記シートに転写されたトナー画像を加熱して定着させる定着装置と、
該定着装置によりトナー画像が定着された前記シートを排紙する排紙装置と、
を備える電子写真印刷装置において、
前記給紙装置から前記印刷装置に至り前記シートを搬送する態様で、請求項1〜5のいずれか一つに記載の見当装置を適用することを特徴とする電子写真印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−107760(P2013−107760A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255561(P2011−255561)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(310016522)三菱重工印刷紙工機械株式会社 (75)
【Fターム(参考)】