見開き構造体
【課題】本発明は、極めて商品価値の高い画期的な見開き構造体を提供することを目的とする。
【解決手段】複数の見開き部1を有するものであって、前記見開き部1夫々は、対向するページ片1Aの側縁部同士を連設して該ページ片1A同士が折り畳み重合可能及び展開可能に構成され、更に、隣接する前記見開き部1同士は、その側縁部同士を連設して前記見開き部1同士が折り畳み重合可能及び展開可能に構成されたものである。
【解決手段】複数の見開き部1を有するものであって、前記見開き部1夫々は、対向するページ片1Aの側縁部同士を連設して該ページ片1A同士が折り畳み重合可能及び展開可能に構成され、更に、隣接する前記見開き部1同士は、その側縁部同士を連設して前記見開き部1同士が折り畳み重合可能及び展開可能に構成されたものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば見開き部を開いた際に立体が現出する見開き構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば実開平7−27699号に開示されるような見開き部を開いた際に立体が起立する見開き構造体(以下、従来例)が提案されている。
【0003】
この従来例は、立体を鑑賞する芸術品としての価値があるのは勿論、立体を学ぶに適するなど、教材として極めて有用である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平7−27699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者等は、前述したような見開き部から立体が起立する見開き構造体に着目し、極めて商品価値の高い画期的な見開き構造体を開発した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0007】
複数の見開き部1を有するものであって、前記見開き部1夫々は、対向するページ片1Aの側縁部同士を連設して該ページ片1A同士が折り畳み重合可能及び展開可能に構成され、更に、隣接する前記見開き部1同士は、その側縁部同士を連設して前記見開き部1同士が折り畳み重合可能及び展開可能に構成され、また、前記見開き部1夫々には該見開き部1を開いた際に起立する立体2が設けられ、前記ページ片1A及び前記見開き部1同士を展開した際、前記見開き部1夫々の立体2が同一平面上に並設されるように構成されていることを特徴とする見開き構造体に係るものである。
【0008】
また、請求項1記載の見開き構造体において、前記立体2は前記ページ片1Aの一部を切り抜いて起立させたものであることを特徴とする見開き構造体に係るものである。
【0009】
また、請求項2記載の見開き構造体において、前記ページ片1Aの下面には該ページ片1Aの切り抜き部7を隠蔽する覆片3が設けられていることを特徴とする見開き構造体に係るものである。
【0010】
また、請求項3記載の見開き構造体において、隣接する前記見開き部1の側縁部同士は前記覆片3を介して連設されていることを特徴とする見開き構造体に係るものである。
【0011】
また、請求項1〜4いずれか1項に記載の見開き構造体において、前記ページ片1Aの表面には合成樹脂製のコーティング層12が形成されていることを特徴とする見開き構造体に係るものである。
【0012】
また、請求項3,4いずれか1項に記載の見開き構造体において、前記覆片3の表面には合成樹脂製のコーティング層12が形成されていることを特徴とする見開き構造体に係るものである。
【0013】
また、請求項1〜6いずれか1項に記載の見開き構造体において、前記立体2夫々は建築物や動物などの現実物を同一縮尺で縮小した立体物であることを特徴とする見開き構造体に係るものである。
【0014】
また、請求項1〜7いずれか1項に記載の見開き構造体において、複数の前記見開き部1同士を所定方向に展開可能に連設して成る第一展開部4、及び、複数の前記見開き部1同士を所定方向に展開可能に連設して成り、前記第一展開部4と折り返し部5を介して連設されて該第一展開部4と並設される第二展開部6を有することを特徴とする見開き構造体に係るものである。
【0015】
また、請求項1〜8いずれか1項に記載の見開き構造体において、複数の前記見開き部1同士を所定方向に展開可能に連設して成る第一展開部4、複数の前記見開き部1同士を所定方向に展開可能に連設して成り、前記第一展開部4と折り返し部5を介して連設されて該第一展開部4と並設される第二展開部6、・・・、及び、複数の前記見開き部1同士を所定方向に展開可能に連設して成り、第n−1展開部と折り返し部5を介して連設されて該第n−1展開部と並設される第n展開部(nは2以上の自然数)を有することを特徴とする見開き構造体に係るものである。
【0016】
また、請求項1〜7いずれか1項に記載の見開き構造体において、複数の前記見開き部1同士を環状に展開可能に連設することを特徴とする見開き構造体に係るものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明は上述のように構成したから、見開き部夫々を構成する対向するページ片同士を順に開くことで各見開き部に起立する立体を個別に鑑賞できるのは勿論、見開き部同士を展開した際に並設される各見開き部の立体同士を同時に鑑賞したり比較したりでき、従来にない感覚で立体に接することができ、例えば教材として最適であるなど極めて商品価値の高い画期的な見開き構造体となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施例1を示す斜視図である。
【図2】実施例1に係る要部を説明する斜視図である。
【図3】実施例1の製造方法を示す斜視図である。
【図4】実施例1に係る要部の説明断面図である。
【図5】実施例1に係る要部の説明図である。
【図6】実施例1に係る要部を説明する斜視図である。
【図7】実施例1の製造方法を示す斜視図である。
【図8】実施例1に係る要部を説明する正面図である。
【図9】実施例1に係る要部の概略動作説明図である。
【図10】実施例1に係る要部の概略動作説明図である。
【図11】実施例1の別例に係る要部の概略動作説明図である。
【図12】実施例2に係る要部を説明する斜視図である。
【図13】実施例2の製造方法を示す斜視図である。
【図14】実施例2に係る要部の概略動作説明図である。
【図15】実施例3の製造方法を示す斜視図である。
【図16】実施例3に係る要部の概略動作説明図である。
【図17】実施例3に係る要部の概略動作説明図である。
【図18】実施例3に係る要部の概略動作説明図である。
【図19】実施例3に係る要部の概略動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0020】
各見開き部1を開いた際、この見開き部1夫々に立体2が起立する。
【0021】
具体的には、例えば複数の見開き部1夫々を構成する対向するページ片1A同士を本のように順に開くと、見開き部1夫々に立体2が起立し、これら立体2を個別に鑑賞できる。
【0022】
また、見開き部1同士はいわゆる経本のように展開可能であり、この見開き部1同士を展開した際、見開き部1夫々の立体2が同一平面上に並設される。
【0023】
従って、見開き部1夫々に起立する立体2を同時に鑑賞することができ、また、立体2夫々が、例えば有名な建築物であった場合には、この立体2を通じて有名な建築物同士の大きさや形状を比較できて従来にない感覚で立体2に接することができ、例えば教材として最適なものとなる。
【実施例1】
【0024】
本発明の具体的な実施例1について図1〜11に基づいて説明する。
【0025】
本実施例は、複数の見開き部1を有するものであって、見開き部1夫々は、対向するページ片1Aの側縁部同士を連設して該ページ片1A同士が折り畳み重合可能及び展開可能に構成され、更に、隣接する見開き部1同士は、その側縁部同士を連設して見開き部1同士が折り畳み重合可能及び展開可能に構成された見開き構造体Bである。符号8は見開き構造体Bを収納するケース体である。
【0026】
本実施例では、ページ片1A及び後述する覆片3をいずれも紙製としており、方形状(長方形状)に形成している。
【0027】
また、このページ片1A及び覆片3夫々の外側となる表面には、適宜な柔軟性を有する合成樹脂製部材での加工(例えばポリプロピレン加工)が施されてコーティング層12が形成されている。
【0028】
従って、このコーティング層12により水分で濡れたりしても破損せず、度重なる使用にも耐え得るなど極めて耐久性に秀れることになり、例えば立体2を強く触ることで該立体2を理解する幼児や視覚障害者などの使用にも十分耐え得る強度を具備することになる。
【0029】
また、このページ片1A夫々の表面に形成されるコーティング層12は、見開き部1を構成する対向するページ片1A同士の連設部となり、更に、覆片3の表面に形成されるコーティング層12は、見開き部1同士の連設部となり(図5参照)、このコーティング層12での連設によりいずれの連設部も折り畳み可能となる。
【0030】
尚、ページ片1A及び覆片3は、紙製に限らず、薄く且つ曲げに強い素材であれば適宜採用し得るものである。
【0031】
また、見開き部1夫々には該見開き部1を開いた際に起立する立体2が設けられている。
【0032】
この立体2は、ページ片1Aの一部を切り抜いて起立させて形成され、且つ、360°どの方向からでも看取できるものである。尚、立体2はその一部(切り抜き以外の部位)がページ片1Aとつながっている。
【0033】
この見開き部1夫々に設けられる立体2は、建築物や動物などの現実物を同一縮尺で縮小した立体物である。
【0034】
具体的には、本実施例では、立体2として、図2,3に図示したようにピラミッドや東京タワー、図7に図示したように横浜ランドマークタワーを模した立体2としており、各立体2は同一縮尺で縮小された大きさである。
【0035】
また、ページ片1の表面にして立体2の近傍部位には視覚障害者用の点字部9が設けられている。
【0036】
この点字部9は、図4に図示したようにレーザーによりページ片1Aの所定位置を刻設したものであり、平面視方形状の凹部9a内に、立体2の名称や説明書きを示す点字突起9bを設けて構成されている。
【0037】
また、ページ片1の裏面には、図3に図示したように立体2が切り抜かれた該ページ片1Aの切り抜き部7を隠蔽する覆片3が貼着されている。
【0038】
この覆片3は、図3に図示したように方形状(長方形状)にしてページ片1A一枚分の面積のものと、ページ片1A二枚分の面積のものとがあり、前者は端部(始端部及び終端部)に位置するページ片1Aの裏面に貼着材11を介して貼着され、後者は隣接する見開き部1に係るページ片1A夫々の裏面に該ページ片1A同士間に架設状態で貼着材11を介して貼着されている。即ち、隣接する見開き部1同士は覆片3を介して連設される。
【0039】
本実施例に係る見開き構造体Bは、複数の見開き部1同士を蛇行状態となるよう展開可能に連設して構成されている。
【0040】
具体的には、見開き構造体Bは、複数の見開き部1同士を所定方向に展開可能に連設して成る第一展開部4、複数の見開き部1同士を所定方向に展開可能に連設して成り、第一展開部4と折り返し部5を介して連設されて該第一展開部4と並設される第二展開部6、・・・、及び、複数の見開き部1同士を所定方向に展開可能に連設して成り、第n−1展開部と折り返し部5を介して連設されて該第n−1展開部と並設される第n展開部(nは2以上の自然数)を有する。
【0041】
図9,10は第二展開部6まで設けた場合であり、図11は第二展開部6と折り返し部5を介して連設されて該第二展開部6と並設される第三展開部10まで設けた場合である。
【0042】
この各展開部同士を連設する折り返し部5は、図6,7に図示したように各展開部の端部に位置する見開き部1のページ片1A夫々の裏面に該ページ片1A二枚分の面積の覆片3を貼着して構成されている。
【0043】
また、本実施例では、図7に図示したように折り返し部5を構成する覆片3の左右側縁には凹部3aが設けられ、この凹部3aは折り返し部5の位置を表示する機能を発揮し、この凹部3aを持って見開き構造体Bを縦割りに展開し(図6参照)、この状態で折り返し部5以外の部位を落下させることでその他の部位は一気に展開する(図9,10参照)。
【0044】
以上の構成から、本実施例は、見開き部1同士を展開した際、見開き部1夫々の立体2が同一平面上に並設される(図8参照)。
【0045】
以下、本実施例の製造方法について説明する。
【0046】
先ず、レーザー光を照射するレーザー照射装置(図示省略)に立体2の設計図(展開図)を入力する。尚、立体2の設計図は、見開き部を180°開いた際には立体2が形成されるように、且つ、ページ片1Aを折り畳んで閉じた際には該立体2が切り抜き部7に収納され得るように設定する。
【0047】
続いて、この設計図に基づいてレーザー照射装置から照射されるレーザー光により、立体2の切り抜き、切り抜き部7の形成及び点字部9の形成を行う。
【0048】
尚、本実施例では、レーザー照射装置から所定巾のレーザー光を照射することで前述した切り抜き作業や点字部を形成する作業を行う構成であるが、例えば巾広のレーザー光を照射して型(マスク)を通過させることでレーザー光を所定巾(型に形成したスリット巾)とすることで、前述した切り抜き作業を行うようにしても良く、この場合より一層の量産性の向上が望める。
【0049】
続いて、レーザー光の照射により切り抜かれた立体原型を、各折り曲げ部位を折り曲げたり、糊代部を糊付けたりして立体2を組み立てる。尚、糊代部を設けると該糊代部分が厚くなるため、例えば和紙などの薄い素材で形成された継合部材を糊代部の代わりとして使用するようにしても良い。
【0050】
続いて、立体2を設けたページ片1同士を連設して見開き部1を折り畳み重合可能に設けるとともに、隣接する見開き部1同士を連設して折り畳み重合可能及び展開可能に設ける。
【0051】
本実施例は上述のように構成したから、見開き部1夫々を構成する対向するページ片1A同士を順に開くことで各見開き部1に起立する立体2を個別に鑑賞できるのは勿論、見開き部1同士を展開した際に並設される各見開き部1の立体2同士を同時に鑑賞したり比較したりでき(一覧化することができ)、従来にない感覚で立体2に接することができ、例えば教材として最適である。
【0052】
また、本実施例は、立体2はページ片1Aの一部を切り抜いて起立させたものであるから、閉じた際にかさ張ったり立体部分のみが厚くなったりせず、また、製造が簡単で量産が容易となり、しかも、立体2はページ片1Aを切り抜いた部位であるから、製造時にゴミの発生を可及的に低減することができることになる。
【0053】
また、本実施例は、ページ片1Aの下面に該ページ片1Aの切り抜き部7を隠蔽する覆片3を設けたから、切り抜き部7が気にならず体裁が良く、しかも、ページ片1Aの強度を向上することができる。
【0054】
また、本実施例は、隣接する見開き部1の側縁部同士を覆片3を介して連設して該見開き部1同士が折り畳み重合可能に構成されているから、非常に効率の良い構造であり、この点においても量産性及びコスト面に秀れることになる。
【0055】
また、本実施例は、立体2夫々は建築物や動物などの現実物を同一縮尺で縮小した立体物であるから、前述した従来にない感覚で立体に接することができる。
【0056】
また、本実施例は、複数の見開き部1同士を所定方向に展開可能に連設して成る第一展開部4、複数の見開き部1同士を所定方向に展開可能に連設して成り、第一展開部4と折り返し部5を介して連設されて該第一展開部4と並設される第二展開部6、・・・、及び、複数の見開き部1同士を所定方向に展開可能に連設して成り、第n−1展開部と折り返し部5を介して連設されて該第n−1展開部と並設される第n展開部(nは2以上の自然数)を有するから、例えば机の上などの小さなスペースでも複数の立体2を同一平面上に良好に並設することができ、この点においても教材として秀れたものとなる。
【0057】
また、本実施例は、前記ページ片1の表面及び覆片3の表面には合成樹脂製のコーティング層12が形成されているから、極めて耐久性に秀れることになる。
【実施例2】
【0058】
本発明の具体的な実施例2について図12〜14に基づいて説明する。
【0059】
本実施例は、複数の見開き部1同士を環状に展開可能に連設しており、ページ片1A及び見開き部1同士を展開した際、見開き部1夫々の立体2が同一平面上にして環状に並設されるように構成されたものである。尚、図示していないが本実施例に係る見開き構造体Bもケース体に収納される。
【0060】
具体的には、本実施例では、ページ片1A及び後述する覆片3をいずれも紙製としており、方形状(正面視台形状)に形成している。
【0061】
また、このページ片1A及び覆片3夫々の外側となる表面には、適宜な柔軟性を有する合成樹脂製部材での加工(例えばポリプロピレン加工)が施されてコーティング層が形成されている。
【0062】
従って、このコーティング層により水分で濡れたりしても破損せず、度重なる使用にも耐え得るなど極めて耐久性に秀れることになり、例えば立体2を強く触ることで該立体2を理解する幼児や視覚障害者などの使用にも十分耐え得る強度を具備することになる。
【0063】
また、このページ片1A夫々の表面に形成されるコーティング層12は、見開き部1を構成する対向するページ片1A同士の連設部となり、更に、覆片3の表面に形成されるコーティング層12は、見開き部1同士の連設部となり、このコーティング層12での連設によりいずれの連設部も折り畳み可能となる。
【0064】
尚、ページ片1A及び覆片3は、紙製に限らず、薄く且つ曲げに強い素材であれば適宜採用し得るものである。
【0065】
本実施例では、前述したページ片1Aと覆片3との組み合わせから見開き部1を12個設けている。
【0066】
また、見開き部1夫々には該見開き部1を開いた際に起立する立体2が設けられている。
【0067】
この立体2は、ページ片1Aの一部を切り抜いて起立させて形成され、且つ、360°どの方向からでも看取できるものである。尚、立体2はその一部(切り抜き以外の部位)がページ片1Aとつながっている。
【0068】
この見開き部1夫々に設けられる立体2は、建築物や動物などの現実物を同一縮尺で縮小した立体物である。
【0069】
具体的には、本実施例では、立体2として、図12に図示したようにネズミを模した立体2として、図示していないが見開き部1を12個設けることで干支にちなんだ動物の立体2が設けられている。
【0070】
また、ページ片1の表面にして立体2の近傍部位には視覚障害者用の点字部9が設けられている。
【0071】
この点字部9は、レーザーによりページ片1Aの所定位置を刻設したものであり、平面視方形状の凹部内に、立体2の名称や説明書きを示す点字突起を設けて構成されている。
【0072】
また、ページ片1の裏面には、図13に図示したように立体2が切り抜かれた該ページ片1Aの切り抜き部7を隠蔽する覆片3が貼着されている。
【0073】
この覆片3は、図13に図示したように方形状(台形状)にしてページ片1A一枚分の面積のものと、ページ片1A二枚分の面積のものとがあり、前者は端部(始端部及び終端部)に位置するページ片1Aの裏面に貼着材を介して貼着され、後者は隣接する見開き部1に係るページ片1A夫々の裏面に該ページ片1A同士間に架設状態で貼着材を介して貼着されている。即ち、隣接する見開き部1同士は覆片3を介して連設される。
【0074】
従って、本実施例に係る見開き構造体Bは、ページ片1Aの形状から複数の見開き部1同士を環状となるよう展開可能に連設して構成されている。
【0075】
以上の構成から、本実施例は、見開き部1同士を展開した際、見開き部1夫々の立体2が同一平面上にして環状に並設される。
【0076】
その余は実施例1と同様である。
【実施例3】
【0077】
本発明の具体的な実施例3について図15〜19に基づいて説明する。
【0078】
本実施例に係る見開き構造体Bは、複数の見開き部1同士を所定方向に展開可能に連設して成る第一展開部4、複数の見開き部1同士を所定方向に展開可能に連設して成り、第一展開部4と中間部15を介して連設されて該第一展開部4と並設される第二展開部6、・・・、及び、複数の見開き部1同士を所定方向に展開可能に連設して成り、第n−1展開部と中間部15を介して連設されて該第n−1展開部と並設される第n展開部(nは2以上の自然数)を有する。尚、本実施例では、第二展開部6と中間部15を介して連設されて該第二展開部6と並設される第三展開部10まで設けているが、展開部の数は適宜変更し得るものであり、各展開部同士は中間部15を介して連設する。
【0079】
この各展開部同士を連設する中間部15は、図15に図示したように帯状薄片16と、この帯状薄片16の端部と各展開部の端部を連設する連設薄片17とで構成されている。
【0080】
帯状薄片16は、図15,16に図示したように適宜な紙製であり、各展開部と同じ長さに設定されている。
【0081】
また、帯状薄片16は、各展開部に係る見開き部1を構成するページ片1Aと同巾の間隔で長さ方向に折り部16a(山折り部と谷折り部)が設けられ、長さ方向に展開自在に折り畳み重合するように構成されている。
【0082】
また、帯状薄片16は、巾方向の中央位置に折り部16bが設けられ、この折り部16bにより半分に折り畳み重合するように構成されている。
【0083】
従って、この帯状薄片16の折り部16bを折り畳むとともに、後述する連設薄片17の折り部17bを折り畳むことで、展開した展開部同士が接近した状態で並設状態とすることができる(図16〜19参照)。この際、中間部15は上部に展開部が積層されることで隠蔽状態となる。
【0084】
連設薄片17は、実施例1の折り返し部5と同様のものであり、図15に図示したように適宜な紙製であり、見開き部1のページ片1A二枚分の面積に設定されており、展開部の端部に位置する見開き部1のページ片1Aの裏面と帯状薄片16の端部の裏面に貼着される。
【0085】
従って、展開部と帯状薄片16とは連設薄片17を介して連設される。
【0086】
また、連設薄片17は、展開部の端部と帯状薄片16との境界に該当する位置に折り部17aが設けられている。
【0087】
また、連設薄片17には、帯状薄片16の折り部16bと重合する位置に折り部17bが設けられており、前述した帯状薄片16の折り部16bとともに折り畳むことで、展開した展開部同士を接近した状態で並設状態とすることができる。
【0088】
ところで、この各展開部の間に中間部15を設けたのは、各展開部を展開した際に該展開部夫々に施された文字や絵が逆さにならず同一方向を向くようにするためである。
【0089】
具体的には、本実施例に係る見開き構造体Bは、本のように見開き部1を一つ一つ展開して見ることができるが、この展開部同士を蛇行状に折り返して連設する構造上、展開部同士が中間部15を介さずに直接連設されていた場合には、各展開部を展開した際、隣接する展開部の見開き部1に施された文字や絵が反対向きになってしまう。
【0090】
この点、本実施例は、前述した構成の中間部15を設けることでこの問題点を確実に解消することができ、各展開部を展開するとともに、中間部15を折り畳み重合して展開部を上部に積層して隠蔽状態とすることで、何ら違和感なく展開部夫々に施された文字や絵が逆さにならず同一方向を向くようにすることができる。
【0091】
また、中間部15には、見開き構造体Bの使用方法や立体の解説を記載するなど、別の用途を付与する場所として有効利用することができる。
【0092】
尚、展開部と同様、中間部15に係る帯状薄片16及び連設薄片17夫々の表面にコーティング層を設けるようにしても良い。
【0093】
その余は実施例1,2と同様である。
【0094】
尚、本発明は、実施例1,2,3に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0095】
1 見開き部
1A ページ片
2 立体
3 覆片
4 第一展開部
5 折り返し部
6 第二展開部
7 切り抜き部
12 コーティング層
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば見開き部を開いた際に立体が現出する見開き構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば実開平7−27699号に開示されるような見開き部を開いた際に立体が起立する見開き構造体(以下、従来例)が提案されている。
【0003】
この従来例は、立体を鑑賞する芸術品としての価値があるのは勿論、立体を学ぶに適するなど、教材として極めて有用である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平7−27699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者等は、前述したような見開き部から立体が起立する見開き構造体に着目し、極めて商品価値の高い画期的な見開き構造体を開発した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0007】
複数の見開き部1を有するものであって、前記見開き部1夫々は、対向するページ片1Aの側縁部同士を連設して該ページ片1A同士が折り畳み重合可能及び展開可能に構成され、更に、隣接する前記見開き部1同士は、その側縁部同士を連設して前記見開き部1同士が折り畳み重合可能及び展開可能に構成され、また、前記見開き部1夫々には該見開き部1を開いた際に起立する立体2が設けられ、前記ページ片1A及び前記見開き部1同士を展開した際、前記見開き部1夫々の立体2が同一平面上に並設されるように構成されていることを特徴とする見開き構造体に係るものである。
【0008】
また、請求項1記載の見開き構造体において、前記立体2は前記ページ片1Aの一部を切り抜いて起立させたものであることを特徴とする見開き構造体に係るものである。
【0009】
また、請求項2記載の見開き構造体において、前記ページ片1Aの下面には該ページ片1Aの切り抜き部7を隠蔽する覆片3が設けられていることを特徴とする見開き構造体に係るものである。
【0010】
また、請求項3記載の見開き構造体において、隣接する前記見開き部1の側縁部同士は前記覆片3を介して連設されていることを特徴とする見開き構造体に係るものである。
【0011】
また、請求項1〜4いずれか1項に記載の見開き構造体において、前記ページ片1Aの表面には合成樹脂製のコーティング層12が形成されていることを特徴とする見開き構造体に係るものである。
【0012】
また、請求項3,4いずれか1項に記載の見開き構造体において、前記覆片3の表面には合成樹脂製のコーティング層12が形成されていることを特徴とする見開き構造体に係るものである。
【0013】
また、請求項1〜6いずれか1項に記載の見開き構造体において、前記立体2夫々は建築物や動物などの現実物を同一縮尺で縮小した立体物であることを特徴とする見開き構造体に係るものである。
【0014】
また、請求項1〜7いずれか1項に記載の見開き構造体において、複数の前記見開き部1同士を所定方向に展開可能に連設して成る第一展開部4、及び、複数の前記見開き部1同士を所定方向に展開可能に連設して成り、前記第一展開部4と折り返し部5を介して連設されて該第一展開部4と並設される第二展開部6を有することを特徴とする見開き構造体に係るものである。
【0015】
また、請求項1〜8いずれか1項に記載の見開き構造体において、複数の前記見開き部1同士を所定方向に展開可能に連設して成る第一展開部4、複数の前記見開き部1同士を所定方向に展開可能に連設して成り、前記第一展開部4と折り返し部5を介して連設されて該第一展開部4と並設される第二展開部6、・・・、及び、複数の前記見開き部1同士を所定方向に展開可能に連設して成り、第n−1展開部と折り返し部5を介して連設されて該第n−1展開部と並設される第n展開部(nは2以上の自然数)を有することを特徴とする見開き構造体に係るものである。
【0016】
また、請求項1〜7いずれか1項に記載の見開き構造体において、複数の前記見開き部1同士を環状に展開可能に連設することを特徴とする見開き構造体に係るものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明は上述のように構成したから、見開き部夫々を構成する対向するページ片同士を順に開くことで各見開き部に起立する立体を個別に鑑賞できるのは勿論、見開き部同士を展開した際に並設される各見開き部の立体同士を同時に鑑賞したり比較したりでき、従来にない感覚で立体に接することができ、例えば教材として最適であるなど極めて商品価値の高い画期的な見開き構造体となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施例1を示す斜視図である。
【図2】実施例1に係る要部を説明する斜視図である。
【図3】実施例1の製造方法を示す斜視図である。
【図4】実施例1に係る要部の説明断面図である。
【図5】実施例1に係る要部の説明図である。
【図6】実施例1に係る要部を説明する斜視図である。
【図7】実施例1の製造方法を示す斜視図である。
【図8】実施例1に係る要部を説明する正面図である。
【図9】実施例1に係る要部の概略動作説明図である。
【図10】実施例1に係る要部の概略動作説明図である。
【図11】実施例1の別例に係る要部の概略動作説明図である。
【図12】実施例2に係る要部を説明する斜視図である。
【図13】実施例2の製造方法を示す斜視図である。
【図14】実施例2に係る要部の概略動作説明図である。
【図15】実施例3の製造方法を示す斜視図である。
【図16】実施例3に係る要部の概略動作説明図である。
【図17】実施例3に係る要部の概略動作説明図である。
【図18】実施例3に係る要部の概略動作説明図である。
【図19】実施例3に係る要部の概略動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0020】
各見開き部1を開いた際、この見開き部1夫々に立体2が起立する。
【0021】
具体的には、例えば複数の見開き部1夫々を構成する対向するページ片1A同士を本のように順に開くと、見開き部1夫々に立体2が起立し、これら立体2を個別に鑑賞できる。
【0022】
また、見開き部1同士はいわゆる経本のように展開可能であり、この見開き部1同士を展開した際、見開き部1夫々の立体2が同一平面上に並設される。
【0023】
従って、見開き部1夫々に起立する立体2を同時に鑑賞することができ、また、立体2夫々が、例えば有名な建築物であった場合には、この立体2を通じて有名な建築物同士の大きさや形状を比較できて従来にない感覚で立体2に接することができ、例えば教材として最適なものとなる。
【実施例1】
【0024】
本発明の具体的な実施例1について図1〜11に基づいて説明する。
【0025】
本実施例は、複数の見開き部1を有するものであって、見開き部1夫々は、対向するページ片1Aの側縁部同士を連設して該ページ片1A同士が折り畳み重合可能及び展開可能に構成され、更に、隣接する見開き部1同士は、その側縁部同士を連設して見開き部1同士が折り畳み重合可能及び展開可能に構成された見開き構造体Bである。符号8は見開き構造体Bを収納するケース体である。
【0026】
本実施例では、ページ片1A及び後述する覆片3をいずれも紙製としており、方形状(長方形状)に形成している。
【0027】
また、このページ片1A及び覆片3夫々の外側となる表面には、適宜な柔軟性を有する合成樹脂製部材での加工(例えばポリプロピレン加工)が施されてコーティング層12が形成されている。
【0028】
従って、このコーティング層12により水分で濡れたりしても破損せず、度重なる使用にも耐え得るなど極めて耐久性に秀れることになり、例えば立体2を強く触ることで該立体2を理解する幼児や視覚障害者などの使用にも十分耐え得る強度を具備することになる。
【0029】
また、このページ片1A夫々の表面に形成されるコーティング層12は、見開き部1を構成する対向するページ片1A同士の連設部となり、更に、覆片3の表面に形成されるコーティング層12は、見開き部1同士の連設部となり(図5参照)、このコーティング層12での連設によりいずれの連設部も折り畳み可能となる。
【0030】
尚、ページ片1A及び覆片3は、紙製に限らず、薄く且つ曲げに強い素材であれば適宜採用し得るものである。
【0031】
また、見開き部1夫々には該見開き部1を開いた際に起立する立体2が設けられている。
【0032】
この立体2は、ページ片1Aの一部を切り抜いて起立させて形成され、且つ、360°どの方向からでも看取できるものである。尚、立体2はその一部(切り抜き以外の部位)がページ片1Aとつながっている。
【0033】
この見開き部1夫々に設けられる立体2は、建築物や動物などの現実物を同一縮尺で縮小した立体物である。
【0034】
具体的には、本実施例では、立体2として、図2,3に図示したようにピラミッドや東京タワー、図7に図示したように横浜ランドマークタワーを模した立体2としており、各立体2は同一縮尺で縮小された大きさである。
【0035】
また、ページ片1の表面にして立体2の近傍部位には視覚障害者用の点字部9が設けられている。
【0036】
この点字部9は、図4に図示したようにレーザーによりページ片1Aの所定位置を刻設したものであり、平面視方形状の凹部9a内に、立体2の名称や説明書きを示す点字突起9bを設けて構成されている。
【0037】
また、ページ片1の裏面には、図3に図示したように立体2が切り抜かれた該ページ片1Aの切り抜き部7を隠蔽する覆片3が貼着されている。
【0038】
この覆片3は、図3に図示したように方形状(長方形状)にしてページ片1A一枚分の面積のものと、ページ片1A二枚分の面積のものとがあり、前者は端部(始端部及び終端部)に位置するページ片1Aの裏面に貼着材11を介して貼着され、後者は隣接する見開き部1に係るページ片1A夫々の裏面に該ページ片1A同士間に架設状態で貼着材11を介して貼着されている。即ち、隣接する見開き部1同士は覆片3を介して連設される。
【0039】
本実施例に係る見開き構造体Bは、複数の見開き部1同士を蛇行状態となるよう展開可能に連設して構成されている。
【0040】
具体的には、見開き構造体Bは、複数の見開き部1同士を所定方向に展開可能に連設して成る第一展開部4、複数の見開き部1同士を所定方向に展開可能に連設して成り、第一展開部4と折り返し部5を介して連設されて該第一展開部4と並設される第二展開部6、・・・、及び、複数の見開き部1同士を所定方向に展開可能に連設して成り、第n−1展開部と折り返し部5を介して連設されて該第n−1展開部と並設される第n展開部(nは2以上の自然数)を有する。
【0041】
図9,10は第二展開部6まで設けた場合であり、図11は第二展開部6と折り返し部5を介して連設されて該第二展開部6と並設される第三展開部10まで設けた場合である。
【0042】
この各展開部同士を連設する折り返し部5は、図6,7に図示したように各展開部の端部に位置する見開き部1のページ片1A夫々の裏面に該ページ片1A二枚分の面積の覆片3を貼着して構成されている。
【0043】
また、本実施例では、図7に図示したように折り返し部5を構成する覆片3の左右側縁には凹部3aが設けられ、この凹部3aは折り返し部5の位置を表示する機能を発揮し、この凹部3aを持って見開き構造体Bを縦割りに展開し(図6参照)、この状態で折り返し部5以外の部位を落下させることでその他の部位は一気に展開する(図9,10参照)。
【0044】
以上の構成から、本実施例は、見開き部1同士を展開した際、見開き部1夫々の立体2が同一平面上に並設される(図8参照)。
【0045】
以下、本実施例の製造方法について説明する。
【0046】
先ず、レーザー光を照射するレーザー照射装置(図示省略)に立体2の設計図(展開図)を入力する。尚、立体2の設計図は、見開き部を180°開いた際には立体2が形成されるように、且つ、ページ片1Aを折り畳んで閉じた際には該立体2が切り抜き部7に収納され得るように設定する。
【0047】
続いて、この設計図に基づいてレーザー照射装置から照射されるレーザー光により、立体2の切り抜き、切り抜き部7の形成及び点字部9の形成を行う。
【0048】
尚、本実施例では、レーザー照射装置から所定巾のレーザー光を照射することで前述した切り抜き作業や点字部を形成する作業を行う構成であるが、例えば巾広のレーザー光を照射して型(マスク)を通過させることでレーザー光を所定巾(型に形成したスリット巾)とすることで、前述した切り抜き作業を行うようにしても良く、この場合より一層の量産性の向上が望める。
【0049】
続いて、レーザー光の照射により切り抜かれた立体原型を、各折り曲げ部位を折り曲げたり、糊代部を糊付けたりして立体2を組み立てる。尚、糊代部を設けると該糊代部分が厚くなるため、例えば和紙などの薄い素材で形成された継合部材を糊代部の代わりとして使用するようにしても良い。
【0050】
続いて、立体2を設けたページ片1同士を連設して見開き部1を折り畳み重合可能に設けるとともに、隣接する見開き部1同士を連設して折り畳み重合可能及び展開可能に設ける。
【0051】
本実施例は上述のように構成したから、見開き部1夫々を構成する対向するページ片1A同士を順に開くことで各見開き部1に起立する立体2を個別に鑑賞できるのは勿論、見開き部1同士を展開した際に並設される各見開き部1の立体2同士を同時に鑑賞したり比較したりでき(一覧化することができ)、従来にない感覚で立体2に接することができ、例えば教材として最適である。
【0052】
また、本実施例は、立体2はページ片1Aの一部を切り抜いて起立させたものであるから、閉じた際にかさ張ったり立体部分のみが厚くなったりせず、また、製造が簡単で量産が容易となり、しかも、立体2はページ片1Aを切り抜いた部位であるから、製造時にゴミの発生を可及的に低減することができることになる。
【0053】
また、本実施例は、ページ片1Aの下面に該ページ片1Aの切り抜き部7を隠蔽する覆片3を設けたから、切り抜き部7が気にならず体裁が良く、しかも、ページ片1Aの強度を向上することができる。
【0054】
また、本実施例は、隣接する見開き部1の側縁部同士を覆片3を介して連設して該見開き部1同士が折り畳み重合可能に構成されているから、非常に効率の良い構造であり、この点においても量産性及びコスト面に秀れることになる。
【0055】
また、本実施例は、立体2夫々は建築物や動物などの現実物を同一縮尺で縮小した立体物であるから、前述した従来にない感覚で立体に接することができる。
【0056】
また、本実施例は、複数の見開き部1同士を所定方向に展開可能に連設して成る第一展開部4、複数の見開き部1同士を所定方向に展開可能に連設して成り、第一展開部4と折り返し部5を介して連設されて該第一展開部4と並設される第二展開部6、・・・、及び、複数の見開き部1同士を所定方向に展開可能に連設して成り、第n−1展開部と折り返し部5を介して連設されて該第n−1展開部と並設される第n展開部(nは2以上の自然数)を有するから、例えば机の上などの小さなスペースでも複数の立体2を同一平面上に良好に並設することができ、この点においても教材として秀れたものとなる。
【0057】
また、本実施例は、前記ページ片1の表面及び覆片3の表面には合成樹脂製のコーティング層12が形成されているから、極めて耐久性に秀れることになる。
【実施例2】
【0058】
本発明の具体的な実施例2について図12〜14に基づいて説明する。
【0059】
本実施例は、複数の見開き部1同士を環状に展開可能に連設しており、ページ片1A及び見開き部1同士を展開した際、見開き部1夫々の立体2が同一平面上にして環状に並設されるように構成されたものである。尚、図示していないが本実施例に係る見開き構造体Bもケース体に収納される。
【0060】
具体的には、本実施例では、ページ片1A及び後述する覆片3をいずれも紙製としており、方形状(正面視台形状)に形成している。
【0061】
また、このページ片1A及び覆片3夫々の外側となる表面には、適宜な柔軟性を有する合成樹脂製部材での加工(例えばポリプロピレン加工)が施されてコーティング層が形成されている。
【0062】
従って、このコーティング層により水分で濡れたりしても破損せず、度重なる使用にも耐え得るなど極めて耐久性に秀れることになり、例えば立体2を強く触ることで該立体2を理解する幼児や視覚障害者などの使用にも十分耐え得る強度を具備することになる。
【0063】
また、このページ片1A夫々の表面に形成されるコーティング層12は、見開き部1を構成する対向するページ片1A同士の連設部となり、更に、覆片3の表面に形成されるコーティング層12は、見開き部1同士の連設部となり、このコーティング層12での連設によりいずれの連設部も折り畳み可能となる。
【0064】
尚、ページ片1A及び覆片3は、紙製に限らず、薄く且つ曲げに強い素材であれば適宜採用し得るものである。
【0065】
本実施例では、前述したページ片1Aと覆片3との組み合わせから見開き部1を12個設けている。
【0066】
また、見開き部1夫々には該見開き部1を開いた際に起立する立体2が設けられている。
【0067】
この立体2は、ページ片1Aの一部を切り抜いて起立させて形成され、且つ、360°どの方向からでも看取できるものである。尚、立体2はその一部(切り抜き以外の部位)がページ片1Aとつながっている。
【0068】
この見開き部1夫々に設けられる立体2は、建築物や動物などの現実物を同一縮尺で縮小した立体物である。
【0069】
具体的には、本実施例では、立体2として、図12に図示したようにネズミを模した立体2として、図示していないが見開き部1を12個設けることで干支にちなんだ動物の立体2が設けられている。
【0070】
また、ページ片1の表面にして立体2の近傍部位には視覚障害者用の点字部9が設けられている。
【0071】
この点字部9は、レーザーによりページ片1Aの所定位置を刻設したものであり、平面視方形状の凹部内に、立体2の名称や説明書きを示す点字突起を設けて構成されている。
【0072】
また、ページ片1の裏面には、図13に図示したように立体2が切り抜かれた該ページ片1Aの切り抜き部7を隠蔽する覆片3が貼着されている。
【0073】
この覆片3は、図13に図示したように方形状(台形状)にしてページ片1A一枚分の面積のものと、ページ片1A二枚分の面積のものとがあり、前者は端部(始端部及び終端部)に位置するページ片1Aの裏面に貼着材を介して貼着され、後者は隣接する見開き部1に係るページ片1A夫々の裏面に該ページ片1A同士間に架設状態で貼着材を介して貼着されている。即ち、隣接する見開き部1同士は覆片3を介して連設される。
【0074】
従って、本実施例に係る見開き構造体Bは、ページ片1Aの形状から複数の見開き部1同士を環状となるよう展開可能に連設して構成されている。
【0075】
以上の構成から、本実施例は、見開き部1同士を展開した際、見開き部1夫々の立体2が同一平面上にして環状に並設される。
【0076】
その余は実施例1と同様である。
【実施例3】
【0077】
本発明の具体的な実施例3について図15〜19に基づいて説明する。
【0078】
本実施例に係る見開き構造体Bは、複数の見開き部1同士を所定方向に展開可能に連設して成る第一展開部4、複数の見開き部1同士を所定方向に展開可能に連設して成り、第一展開部4と中間部15を介して連設されて該第一展開部4と並設される第二展開部6、・・・、及び、複数の見開き部1同士を所定方向に展開可能に連設して成り、第n−1展開部と中間部15を介して連設されて該第n−1展開部と並設される第n展開部(nは2以上の自然数)を有する。尚、本実施例では、第二展開部6と中間部15を介して連設されて該第二展開部6と並設される第三展開部10まで設けているが、展開部の数は適宜変更し得るものであり、各展開部同士は中間部15を介して連設する。
【0079】
この各展開部同士を連設する中間部15は、図15に図示したように帯状薄片16と、この帯状薄片16の端部と各展開部の端部を連設する連設薄片17とで構成されている。
【0080】
帯状薄片16は、図15,16に図示したように適宜な紙製であり、各展開部と同じ長さに設定されている。
【0081】
また、帯状薄片16は、各展開部に係る見開き部1を構成するページ片1Aと同巾の間隔で長さ方向に折り部16a(山折り部と谷折り部)が設けられ、長さ方向に展開自在に折り畳み重合するように構成されている。
【0082】
また、帯状薄片16は、巾方向の中央位置に折り部16bが設けられ、この折り部16bにより半分に折り畳み重合するように構成されている。
【0083】
従って、この帯状薄片16の折り部16bを折り畳むとともに、後述する連設薄片17の折り部17bを折り畳むことで、展開した展開部同士が接近した状態で並設状態とすることができる(図16〜19参照)。この際、中間部15は上部に展開部が積層されることで隠蔽状態となる。
【0084】
連設薄片17は、実施例1の折り返し部5と同様のものであり、図15に図示したように適宜な紙製であり、見開き部1のページ片1A二枚分の面積に設定されており、展開部の端部に位置する見開き部1のページ片1Aの裏面と帯状薄片16の端部の裏面に貼着される。
【0085】
従って、展開部と帯状薄片16とは連設薄片17を介して連設される。
【0086】
また、連設薄片17は、展開部の端部と帯状薄片16との境界に該当する位置に折り部17aが設けられている。
【0087】
また、連設薄片17には、帯状薄片16の折り部16bと重合する位置に折り部17bが設けられており、前述した帯状薄片16の折り部16bとともに折り畳むことで、展開した展開部同士を接近した状態で並設状態とすることができる。
【0088】
ところで、この各展開部の間に中間部15を設けたのは、各展開部を展開した際に該展開部夫々に施された文字や絵が逆さにならず同一方向を向くようにするためである。
【0089】
具体的には、本実施例に係る見開き構造体Bは、本のように見開き部1を一つ一つ展開して見ることができるが、この展開部同士を蛇行状に折り返して連設する構造上、展開部同士が中間部15を介さずに直接連設されていた場合には、各展開部を展開した際、隣接する展開部の見開き部1に施された文字や絵が反対向きになってしまう。
【0090】
この点、本実施例は、前述した構成の中間部15を設けることでこの問題点を確実に解消することができ、各展開部を展開するとともに、中間部15を折り畳み重合して展開部を上部に積層して隠蔽状態とすることで、何ら違和感なく展開部夫々に施された文字や絵が逆さにならず同一方向を向くようにすることができる。
【0091】
また、中間部15には、見開き構造体Bの使用方法や立体の解説を記載するなど、別の用途を付与する場所として有効利用することができる。
【0092】
尚、展開部と同様、中間部15に係る帯状薄片16及び連設薄片17夫々の表面にコーティング層を設けるようにしても良い。
【0093】
その余は実施例1,2と同様である。
【0094】
尚、本発明は、実施例1,2,3に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0095】
1 見開き部
1A ページ片
2 立体
3 覆片
4 第一展開部
5 折り返し部
6 第二展開部
7 切り抜き部
12 コーティング層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の見開き部を有するものであって、前記見開き部夫々は、対向するページ片の側縁部同士を連設して該ページ片同士が折り畳み重合可能及び展開可能に構成され、更に、隣接する前記見開き部同士は、その側縁部同士を連設して前記見開き部同士が折り畳み重合可能及び展開可能に構成され、また、前記見開き部夫々には該見開き部を開いた際に起立する立体が設けられ、前記ページ片及び前記見開き部同士を展開した際、前記見開き部夫々の立体が同一平面上に並設されるように構成されていることを特徴とする見開き構造体。
【請求項2】
請求項1記載の見開き構造体において、前記立体は前記ページ片の一部を切り抜いて起立させたものであることを特徴とする見開き構造体。
【請求項3】
請求項2記載の見開き構造体において、前記ページ片の下面には該ページ片の切り抜き部を隠蔽する覆片が設けられていることを特徴とする見開き構造体。
【請求項4】
請求項3記載の見開き構造体において、隣接する前記見開き部の側縁部同士は前記覆片を介して連設されていることを特徴とする見開き構造体。
【請求項5】
請求項1〜4いずれか1項に記載の見開き構造体において、前記ページ片の表面には合成樹脂製のコーティング層が形成されていることを特徴とする見開き構造体。
【請求項6】
請求項3,4いずれか1項に記載の見開き構造体において、前記覆片の表面には合成樹脂製のコーティング層が形成されていることを特徴とする見開き構造体。
【請求項7】
請求項1〜6いずれか1項に記載の見開き構造体において、前記立体夫々は建築物や動物などの現実物を同一縮尺で縮小した立体物であることを特徴とする見開き構造体。
【請求項8】
請求項1〜7いずれか1項に記載の見開き構造体において、複数の前記見開き部同士を所定方向に展開可能に連設して成る第一展開部、及び、複数の前記見開き部同士を所定方向に展開可能に連設して成り、前記第一展開部と折り返し部を介して連設されて該第一展開部と並設される第二展開部を有することを特徴とする見開き構造体。
【請求項9】
請求項1〜8いずれか1項に記載の見開き構造体において、複数の前記見開き部同士を所定方向に展開可能に連設して成る第一展開部、複数の前記見開き部同士を所定方向に展開可能に連設して成り、前記第一展開部と折り返し部を介して連設されて該第一展開部と並設される第二展開部、・・・、及び、複数の前記見開き部同士を所定方向に展開可能に連設して成り、第n−1展開部と折り返し部を介して連設されて該第n−1展開部と並設される第n展開部(nは2以上の自然数)を有することを特徴とする見開き構造体。
【請求項10】
請求項1〜7いずれか1項に記載の見開き構造体において、複数の前記見開き部同士を環状に展開可能に連設することを特徴とする見開き構造体。
【請求項1】
複数の見開き部を有するものであって、前記見開き部夫々は、対向するページ片の側縁部同士を連設して該ページ片同士が折り畳み重合可能及び展開可能に構成され、更に、隣接する前記見開き部同士は、その側縁部同士を連設して前記見開き部同士が折り畳み重合可能及び展開可能に構成され、また、前記見開き部夫々には該見開き部を開いた際に起立する立体が設けられ、前記ページ片及び前記見開き部同士を展開した際、前記見開き部夫々の立体が同一平面上に並設されるように構成されていることを特徴とする見開き構造体。
【請求項2】
請求項1記載の見開き構造体において、前記立体は前記ページ片の一部を切り抜いて起立させたものであることを特徴とする見開き構造体。
【請求項3】
請求項2記載の見開き構造体において、前記ページ片の下面には該ページ片の切り抜き部を隠蔽する覆片が設けられていることを特徴とする見開き構造体。
【請求項4】
請求項3記載の見開き構造体において、隣接する前記見開き部の側縁部同士は前記覆片を介して連設されていることを特徴とする見開き構造体。
【請求項5】
請求項1〜4いずれか1項に記載の見開き構造体において、前記ページ片の表面には合成樹脂製のコーティング層が形成されていることを特徴とする見開き構造体。
【請求項6】
請求項3,4いずれか1項に記載の見開き構造体において、前記覆片の表面には合成樹脂製のコーティング層が形成されていることを特徴とする見開き構造体。
【請求項7】
請求項1〜6いずれか1項に記載の見開き構造体において、前記立体夫々は建築物や動物などの現実物を同一縮尺で縮小した立体物であることを特徴とする見開き構造体。
【請求項8】
請求項1〜7いずれか1項に記載の見開き構造体において、複数の前記見開き部同士を所定方向に展開可能に連設して成る第一展開部、及び、複数の前記見開き部同士を所定方向に展開可能に連設して成り、前記第一展開部と折り返し部を介して連設されて該第一展開部と並設される第二展開部を有することを特徴とする見開き構造体。
【請求項9】
請求項1〜8いずれか1項に記載の見開き構造体において、複数の前記見開き部同士を所定方向に展開可能に連設して成る第一展開部、複数の前記見開き部同士を所定方向に展開可能に連設して成り、前記第一展開部と折り返し部を介して連設されて該第一展開部と並設される第二展開部、・・・、及び、複数の前記見開き部同士を所定方向に展開可能に連設して成り、第n−1展開部と折り返し部を介して連設されて該第n−1展開部と並設される第n展開部(nは2以上の自然数)を有することを特徴とする見開き構造体。
【請求項10】
請求項1〜7いずれか1項に記載の見開き構造体において、複数の前記見開き部同士を環状に展開可能に連設することを特徴とする見開き構造体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−106472(P2012−106472A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−34691(P2011−34691)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(598078610)
【出願人】(510090184)
【出願人】(599010901)株式会社 明間印刷所 (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(598078610)
【出願人】(510090184)
【出願人】(599010901)株式会社 明間印刷所 (4)
【Fターム(参考)】
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