説明

規制部材、現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置

【課題】 規制部材が現像剤担持体を押圧する力のピーク値を安定させ、画像の濃度ムラ等を抑制する。
【解決手段】 規制部材は、弾性を持つ、板状の支持部材4Aであって、固定部に固定されるための被固定部4A1を有する支持部材4Aと、支持部材の厚さ方向Tにおける一端側から突出する、現像ローラ2と接触するための第1接触部4B1と、第1接触部4B1よりも被固定部4A1側に位置する、現像ローラ2と接触するための第2接触部4B10と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤担持体に担持される現像剤の量を規制する規制部材、及び、規制部材を備える現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置では、像担持体の表面に形成された静電潜像を現像剤で現像する現像剤担持体と、現像剤担持体の表面の現像剤層の量を規制する規制部材と、を備える構成が知られている。この構成において、規制部材が現像剤担持体に当接する当接状態及び押圧力によって、現像剤担持体の表面の現像剤層の量が不均一になり、濃度ムラ等の画像弊害が生じる場合があった。以下に、当接状態及び押圧力により現像剤層の量が変化する原因について述べる。
【0003】
図10は、従来例に係る現像装置内において、規制部材204及び現像ローラ2の構成を示す断面図である。図10に示されるように、規制部材204及び現像ローラ2の間には、現像剤取込口11が形成されている。現像剤層(tはトナー)の量は、この現像剤取込口11の大きさの影響を強く受けることが知られている。つまり、現像剤取込口11が大きくなると現像剤層の量も多くなり、現像剤取込口11が小さくなると現像剤層の量も少なくなる。
【0004】
ここで、現像剤取込口11についてより詳細に述べる。現像剤取込口11とは、規制部材204と現像ローラ2の開口部で形成される略三角形の領域で表わされる。三角形の高さは、供給ローラによって供給されて現像ローラ2に担持された現像剤層の量で決定される有効な現像剤取込高さyである。三角形の底辺は、規制部材204と現像ローラ2の距離が有効な現像剤取込高さyとなる箇所から、規制部材204と現像ローラ2が接触している箇所までの距離xである。つまり、有効な現像剤取込高さyが高ければ現像剤層の量が多くなり、有効な現像剤取込高さyが低ければ現像剤層の量が少なくなる。このため、現像剤層の量は、現像剤取込口11の大きさを決定する要因である規制部材204の当接状態の影響を強く受けるのである。
【0005】
また、現像剤層の量は、規制部材204の押圧力、特に押圧力の最大値(ピーク値)により決定される。これは、現像剤層が、もともと当接していた現像ローラ2と規制部材204との間に間隙を形成して通過するため、この間隙幅が押圧力のピーク値に依存するためである。
【0006】
規制部材204には、先端側が現像ローラ2と当接し、基端側が片持ち支持される板バネ部材が広く用いられている。規制部材204の先端位置は、現像ローラ2に対して侵入する位置に設定されており、現像ローラ2と当接して変形されられることで、反発力として押圧力が生じる。この押圧力は、規制部材204の自由長、厚みやヤング率、現像ローラ2との当接時の先端位置と非当接時の先端の設定位置との変化量いわゆる侵入量で決定される。
【0007】
規制部材204は、一般に、ゴム板、金属性薄板、樹脂板、あるいはこれらから選択された部材の積層体を有してから形成されている。また、断面形状は、板状または先端をL字型に折り曲げた形状が多く用いられる。規制後の現像剤層は、電荷の均一性の観点から薄層が望ましい。そのため、規制部材204の先端を当接させるいわゆるエッジ当接状態とし、現像剤取込口11を小さくすることで、薄層を形成する。
【0008】
ところが、このような規制部材204をエッジ当接させると、わずかに先端位置が変動するだけで、規制部材204の当接状態や押圧力が変動しやすい。そのため、現像ローラ2の外径が周方向に沿って変動していた場合など、規制部材204の当接状態や押圧力が変動してしまうため、現像ローラ2の周期の濃度ムラなどが生じるといった問題があった。また、現像ローラ2の表面の現像剤層の量を狙いの値に安定させるためには、高い先端位置の精度が求められ、組み立てが困難であるという課題があった。
【0009】
こうした課題を解決するために、特許文献1には、現像ローラに向かって凸となる曲率形状を有する規制部材に関する発明が開示されている。これによると、現像剤担持体の回転方向の圧分布において極大値が2つ存在するように規制部材を変形させるように構成することで、取り付け位置の精度が高くなくとも、押圧力のピーク値が安定する構成を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−288817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、現像剤担持体の外径が現像剤担持体の回転方向に沿って変化していたり、現像剤担持体に対する規制部材の位置が変動したりした場合に、現像剤担持体に担持される現像剤層の量が安定しない可能性がある。このとき形成した画像に濃度ムラなどが発生する可能性がある。
【0012】
本発明は、上記実情に鑑み、規制部材が現像剤担持体を押圧する押圧力のピーク値を安定させることで、画像の濃度に濃度ムラ等が生じ難い規制部材、現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決する本発明の代表的な構成は、前記現像剤担持体に担持される現像剤の量を規制する規制部材において、弾性を持つ、板状の支持部材であって、現像装置に固定されるための被固定部を有する支持部材と、前記支持部材の厚さ方向における前記規制部材の一端側から突出する、前記現像剤担持体と接触するための第1接触部と、前記第1接触部よりも前記被固定部側に位置する、前記現像剤担持体と接触するための第2接触部と、を備えることを特徴とする。
【0014】
さらに本発明の別の構成は、像担持体に形成された静電潜像を現像する現像装置において、前記静電潜像を現像するための現像剤を担持する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に担持される現像剤の量を規制する規制部材と、を備え、前記規制部材は、弾性を持つ、板状の支持部材であって、前記現像装置の固定部に固定される被固定部を有し、その先端側を前記現像剤担持体の回転方向上流側に向けた支持部材と、前記現像剤担持体に向けて突出し、前記現像剤担持体と接触する、前記支持部材に設けられた第1接触部と、前記第1接触部よりも前記回転方向の下流側に位置する、前記支持部材に設けられた第2接触部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、規制部材が現像剤担持体を押圧する押圧力のピーク値を安定させることで、画像の濃度に濃度ムラ等が生じ難い規制部材、現像装置、プロセスカートリッジを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例1に係る現像装置を備える画像形成装置の構成を示す断面図である。
【図2】現像装置の構成を示す断面図である。
【図3】規制部材の構成を示す断面図等である。
【図4】比較例に係る規制部材が現像ローラに当接する侵入量が小さいときの状態を示す断面図等である。
【図5】規制部材の押圧力のピーク値を示すグラフである。
【図6】現像剤層の量、及び、規制部材が現像ローラに侵入する侵入量の関係を示すグラフ等である。
【図7】実施例2に係る規制部材の構成を示す断面図等である。
【図8】現像剤層の量、及び、規制ブレードが現像ローラに侵入する侵入量の関係を示すグラフ等である。
【図9】実施例3に係る規制部材の構成を示す断面図等である。
【図10】従来例に係る規制部材及び現像ローラの構成を示す断面図等である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、この発明を実施するための形態を実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対位置等は、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるから、特に特定的な記載が無い限りは、発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【実施例1】
【0018】
図1は、本発明の実施例1に係る現像装置10を備える画像形成装置100の構成を示す断面図である。画像形成装置100は、電子写真画像形成プロセスを利用し、インライン方式、中間転写方式を採用したフルカラーレーザプリンタである。図1に示されるように、画像形成装置100は『画像形成装置本体』である装置本体100Aを有し、この装置本体100Aの内部には、画像を形成する画像形成部51が設けられる。画像形成部51は、『像担持体』である感光体ドラム1、『転写装置』である転写ローラ102等を含む。少なくとも感光体ドラム1については、プロセスカートリッジ20に含まれ、プロセスカートリッジ20として装置本体100Aに着脱可能である構成となっていても良い。
【0019】
装置本体100Aは、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を形成する複数の画像形成部を有している。そして、それぞれの像担持体である感光体ドラム1に形成された各々の静電潜像は、現像剤としての各色を有したトナーtを現像することにより可視像化される。なお、各色に対応する画像形成部は、それぞれほぼ同じ構成を有しているため、本実施例においては、同一のものとして特に区別しない。
【0020】
感光体ドラム1に静電潜像を形成する手段としては、まず、感光体ドラム1の表面(周面)を、帯電手段としての帯電ローラ6により所定の極性・電位に均一(一様)に帯電処理する。帯電後の感光体ドラム1の表面は、露光手段としてのレーザビームスキャナ109から出力されたレーザビームの走査露光を受けて、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成されていく。感光体ドラム1上の静電潜像は、上述した通り画像形成部51によりトナー像となる。
【0021】
感光体ドラム1上に形成されたトナー像は、記録材(記録媒体)Pに転写するための中間転写体としての中間転写ベルト101に、転写ローラ102により転写される。なお、転写後の感光体ドラム1は、感光体ドラム1に押圧したクリーニング手段としてのクリーニング装置108により残留したトナーが除去された後、次の画像形成に供される。
【0022】
一方、記録材Pは給送ローラ103によって給送され、中間転写ベルト101に転写されたトナー像(現像剤像)と同期をとるように中間転写ベルト101と転写ローラ105との間の転写ニップ部に送られて表面にトナー像が転写される。ここで給送ローラ103は記録材Pを搬送する『搬送手段』の一つである。また転写ローラ105には転写時に転写バイアス印加電源から転写用の転写バイアスが印加される。
【0023】
トナー像の転写を受けた記録材Pは、中間転写ベルト101の表面から分離され、給送コロ106の間を通り、搬送ローラ112を通り、定着手段としての定着器107に搬送され、ここで加熱・加圧されて表面にトナー像が定着される。その後、装置本体100Aに設けられた排出口110から装置本体100Aの外部に排出される。一方、トナー像の転写後の中間転写ベルト101は、記録材Pに転写されないで表面に残ったトナーが中間転写ベルト101のクリーニング手段としてのクリーニング装置108によって除去され、次の画像形成に供される。
【0024】
画像形成装置100では、感光体ドラム1、帯電ローラ6、現像装置10、クリーニング部材7の4つのプロセス機器がカートリッジ容器に一体的に組み込まれている。これらで、装置本体100Aに対して着脱可能なプロセスカートリッジ(プロセスユニット)20を構成している。各色用のプロセスカートリッジは、同一構成を有しており、各色用のプロセスカートリッジ内には、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーが収容されている。
【0025】
また、上記した構成はフルカラーレーザプリンタであるが、単色レーザプリンタの場合には、プロセスカートリッジは単色のみとなる。さらに、中間転写体を有さず、感光体ドラム1から記録材Pに直接転写する場合もある。
【0026】
図2は、現像装置10の構成を示す断面図である。現像装置10は現像容器10Aを有する。現像容器10Aの内部には、規制部材4、現像ローラ2、供給ローラ5が配置されている。また、現像容器10Aの内部には、トナーtが収容されている。
【0027】
供給ローラ5は、導電性の芯金の外周に発泡体を形成した弾性スポンジローラである。供給ローラ5は、現像ローラ2に対して所定の侵入量を持って接触するように配設されており、現像ローラ2の周面上に所定のニップ部を形成している。供給ローラ5は、現像ローラ2とのニップ部で逆方向に回転し、現像ローラ2へトナーを供給している。
【0028】
『現像剤担持体』である現像ローラ2は、導電性の芯金の外周にゴム弾性体を形成したゴムローラであり、トナーtを担持し、感光体ドラム1に形成された静電潜像をトナーtで現像するローラである。現像ローラ2は、感光体ドラム1と、対向部において互いの表面が同方向に移動するように回転する。そして現像ローラ2に印加された所定のバイアスを持って、感光体ドラム1に形成された静電潜像にトナーを転移させ、可視像化する。
【0029】
次に、本発明の特徴である規制部材4について説明する。規制部材4は、現像ローラ2に接触し、現像ローラ2上のトナーの量の適性化およびトナーの電荷の適性化を行う。規制部材4の先端位置は、現像ローラ2に対して侵入する場所に設定され、現像ローラ2と当接したことで変形し、その反発力により押圧力を生じさせる。規制部材4は、支持部材4Aに樹脂層4Bをコートした二層構造であって、いわゆる現像ブレード(規制ブレード)である。
【0030】
図3(a)は、規制部材4の構成を示す断面図である。図3(a)に示されるように、規制部材4は、現像ローラ2に担持されるトナーtの量を規制する部材である。規制部材4は、支持部材4Aと、支持部材4Aの先端側に取付けられる樹脂層4Bと、を有する。樹脂層4Bは、先端側には現像ローラ2の側に突出する凸部4B1を有し、基端側には平面状に形成されるストレート部4B10を有する。
【0031】
支持部材4Aは板状の弾性部材である。支持部材4Aには、弾性(ばね性)を持たせるべく、金属製薄板を用い、ステンレス鋼を用いた。ただし、ステンレス鋼のほか、リン青銅、アルミニウム合金などを用いてもよいし、高硬度の樹脂などで作製してもよい。支持部材4Aは、その基端側に被固定部4A1(図2参照)を有し、この被固定部4A1が、現像容器10Aに設けられた固定部10A1(図2参照)に固定される。
【0032】
また支持部材4Aの先端側は、現像ローラ2の回転方向Rにおいて上流側を向く。すなわち、規制部材4は、現像ローラ2の回転に対し、カウンター方向を向くように配置される。
【0033】
一方、樹脂層4Bは、支持部材4Aにポリウレタンをコーティングして作製した。樹脂層4Bの材料には、このほか、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリエステルテレフタラート、シリコンゴム、シリコン樹脂、メラミン樹脂から、単独で、または2種類以上を組み合わせてもよい。さらに、これら材料には、必要に応じて粗し粒子等の各種添加剤を含有させることもできる。また、コート層に金属を採用してもよい。
【0034】
また、樹脂層4Bの形成は、今回採用したコーティング法のほか、大別して支持部材4Aに直接形成する方法と、予め樹脂層4Bを形成し、それを支持部材4Aに接着する方法がある。支持部材4Aに直接に樹脂層4Bを形成する方法としては、支持部材4Aに原料を押出し形成する方法や、浸漬、コーティング、噴霧等により金属製薄板に塗布する方法がある。また、予め樹脂層4Bを形成する方法として、原料から作成したシートを切り出す方法、樹脂層4Bを金型等で形成する方法がある。
【0035】
図3(b)は、規制部材4が現像ローラ2に当接した状態を示す断面図である。図3(b)に示されるように、規制部材4と現像ローラ2は、連続した一つのニップを形成している。規制部材4は、基端側が固定端とされ、先端側が自由端となり、かつ先端側が連続して湾曲した曲面形状で形成されている。
【0036】
前述のように、規制部材4の先端には、支持部材4Aに設けられた樹脂層4Bによって凸部4B1が形成される。この凸部4B1は、支持部材4Aの厚さ方向Tにおける規制部材4の一端側(図3(a)において支持部材4Aの下側)から現像ローラ2に向けて突出するように形成される。凸部4B1は、規制部材4の第1接触部であって、現像ローラ2と接触する。
【0037】
また、さらに規制部材4は、現像ローラ2と接触する第2接触部として、凸部4B1よりも規制部材4の基端側(被固定部4A1に近い側)に位置し、樹脂層4Bによって形成されるストレート部4B10を有する。
【0038】
そのため、現像ローラ2が規制部材4から受ける圧の分布(規制部材4が現像ローラ2に加える圧の分布)を、現像ローラ2の回転方向に沿って見ると、この圧分布に極大値が複数存在する。すなわち、現像ローラ2が規制部材4の凸部4B1の中央部と接触する位置M1に極大値が形成される。また、位置М1よりも現像ローラ2の回転方向下流側であり、現像ローラ2が規制部材4のストレート部4B10と当接する領域のうち、最も現像ローラ2が変形している部分(位置N1)にも極大値が形成される。本実施例では、複数(ここでは2つ)ある圧の極大値のうち、現像ローラ2の回転方向で最上流の極大値が最も大きくなるように設定されている。すなわち本実施例では規制部材4の凸部4B1から受ける圧力の値が、最も大きくなるように設定される。これについては後程詳細に説明する。
【0039】
次に、図4を参照しつつ、規制部材4が現像ローラ2に当接する侵入量が変化した場合に規制部材4が現像ローラ2に当接する状態が変化する状態を説明する。詳しくは、図4(a)は、比較例に係る規制部材104が現像ローラ2に当接する侵入量が小さいときの状態を示す断面図である。図4(b)は、比較例に係る規制部材104が現像ローラ2に当接する侵入量が大きいときの状態を示す断面図である。図4(c)は、実施例1に係る規制部材4が現像ローラ2に当接する侵入量が小さいときの状態を示す断面図である。図4(d)は、実施例1に係る規制部材4が現像ローラ2に当接する侵入量が大きいときの状態を示す断面図である。
【0040】
なお、比較例の規制部材104は、従来例であり、実質的に、規制部材4の支持部材4Aのようなストレート形状の板状部材のみで形成された構成に相当する。
【0041】
この図4(a)〜(d)に示されるように、規制部材104、規制部材4が現像ローラ2に侵入する侵入量が変化したときには、以下のようになっている。すなわち、比較例の規制部材104の現像剤取込口Kはその形状、大きさが大きく変化する。これに対して、実施例1の規制部材4の現像剤取込口J1はその形状、大きさの変化を小さく留めることができる。これは、現像剤取込口J1を形成する規制部材4の先端が曲面状に形成されているためである。つまり平面で形成されている現像剤取込口Kにくらべて、曲面で形成されている現像剤取込口J1の方が、現像ローラ2に対する規制部材4の侵入量や、規制部材4の配置に変動があった場合にも、その形状、大きさを変化させにくい。
【0042】
また、本実施例では、現像ローラ2に対する規制部材4の配置が変動したりして、現像ローラ2に対する規制部材4の侵入量が全体として変化した場合であっても、規制部材4の先端側が現像ローラ2を押圧する力の変化を緩和させることができる。これは、規制部材4の基端側(固定端側)が、押圧力の変化を吸収するからである。以下に詳しく説明する。
【0043】
現像ローラ2に対する規制部材4の押圧力は、現像ローラ2に対する規制部材4の侵入量と正の相関がある。そのため、現像ローラ2に対する規制部材4の位置が変動するなどして、現像ローラ2に対する規制部材4の侵入量が変化した場合は、現像ローラ2に対する規制部材4の押圧力が全体として増減する。
【0044】
しかし規制部材4の侵入量が全体として変化する際にも、規制部材4の先端側にある凸部4B1は侵入量を変化させにくい。これは凸部4B1は現像ローラ2に対する押圧力が大きく、また、現像ローラ2に向けて突出しているため、もともと現像ローラ2に対して深く侵入している部分だからである。これに対し、凸部4B1よりも現像ローラ2に対する押圧力が相対的に小さいストレート部4B10は、現像ローラ2に対する侵入量も小さく、その侵入量を変化させやすい。
【0045】
この結果、現像ローラ2に対する規制部材4の押圧力が総量として変化した際でも、その変化がストレート部4B10によって吸収され、凸部4B1における変化は抑えられる。
【0046】
特に本実施例では、規制部材4の基端側にあるストレート部4B10は、現像ローラ2と接触する面積を増減させることで、現像ローラ2に対する侵入量を変化させる。これにより、ストレート部4B10は、現像ローラ2に対する規制部材4の押圧力の総量が変化した場合も、その変動の多くを吸収することができる。その結果、凸部4B1は現像ローラ2に対する押圧力の変動幅をより小さく保てる。
【0047】
以上のことをまとめると、規制部材4が現像ローラ2を押圧する押圧力(圧)の分布を見て、押圧力(圧)の極大値が複数ある場合には、最大の極大値(本実施例では凸部4B1による極大値)は、その変動を小さく留めることができる。
【0048】
ここで、現像ローラ2に担持されるトナー(現像剤)の量は、規制部材4が現像ローラ2に加える圧の極大値のうち、現像ローラ2の回転方向において最上流側の極大値によって実質的に規定される。本実施例によれば上述の構成をとることで、規制部材4の先端側、つまりは現像ローラ2の回転方向上流側にある凸部4B1が現像ローラ2に加える押圧力のピーク値が安定する。この結果、規制部材4は凸部4B1によって安定して現像ローラ2に担持されるトナーの量を規制できる。
【0049】
上述の作用および効果を実験によって確かめたので以下に説明する。なお規制部材4が現像ローラ2を押圧する押圧力の分布は、規制部材4と現像ローラ2の間に短冊状のシートを挟み、そのシートを引き抜く際にかかる引き抜き圧を測定することで求めた。本実施例においては、規制部材4の押圧力を測る位置にてシートを挟み、これを現像ローラ2の長手方向に引き抜いた。短冊状のシートには、SUS304製、厚さ20μm、幅50μmのものを使用した。引き抜き圧の測定には、バネ秤を使用した。本実施例では、直接短冊状のシートを規制部材4と現像ローラ2の間に直接挟んで測定を行ったが、シートを3枚重ねて、規制部材4と現像ローラ2の間に挟み、真ん中のシートを引き抜いてもよい。
【0050】
図5は、本実施例の規制部材4および比較例の規制部材104が現像ローラ2を押圧する際の押圧力のピーク値を示すグラフである。なお、各規制部材が現像ローラ2に侵入する侵入量が大きい場合(侵入量高の場合)と、侵入量が小さい場合(侵入量低の場合)の2つの場合をそれぞれ示した。図5において、実線は、侵入量低の場合、および侵入量高の場合における本実施例(規制部材4)の押圧力の分布を示すものである。また点線は侵入量低の場合、および侵入量高の場合における比較例(規制部材104)の押圧力の分布を示したものである。
【0051】
図5の横軸は現像ローラ2の周方向(回転方向)の位置を示しており、ピーク値の大きさを比較し易くするために、各データを左右にシフトさせて表示している。横軸の左側が現像ローラ2の回転方向において上流側であり、右側が下流側である。実施例1の規制部材4が用いられた場合には、押圧力のピーク位置が図3(b) の位置M1となり、侵入量の変化に対する押圧力のピーク(図5中の極大値c、極大値d)がほとんど変動していない。これに対し、図4 (a)及び図4 (b)で示した従来の規制部材104が用いられた場合には、侵入量の変化に対する押圧力のピーク値(図5中の極大値a、極大値b)が大きく変動している。
【0052】
以上のことから、規制部材4を採用することにより、規制部材4の侵入量が変化しても、取込形状並びに押圧力のピーク値を安定させることができた。
【0053】
次に、本実施例の効果の確認を行った。本実施例の規制部材4を採用した際の、侵入量に対する現像剤層(トナー層)の量の安定性を調べるべく、意図的に規制部材4の侵入量を変化させ、そのときの現像剤層の量を測定した。比較例として、従来の規制部材104を用いて同様の実験を行った。
【0054】
図6(a)は、現像剤層の量、及び、実施例1及び従来例に係る規制部材4、104が現像ローラ2に侵入する侵入量の関係を示すグラフである。図6(a)に示されるように、規制部材が現像ローラ2に侵入する侵入量が小さい領域では、実施例1の規制部材4の方が、従来例の規制部材104よりも、侵入量の変化に対する現像剤層の量の変化が緩やかとなっていることが分かる。一方、規制部材が現像ローラ2に侵入する侵入量が大きい領域では、いずれの規制部材4、104を使用しても、侵入量に対して敏感に現像剤層の量が変化していることが分かる。
【0055】
これは、侵入量が大きくなり過ぎたために、規制部材4が大きく反り、図3 (b)の位置M1における押圧力のピーク値(先端側のピーク値)が、図3 (b) の位置N1の押圧力のピーク値(基端側のピーク値)を下回ったことに起因する。つまり、現像剤層の量を決定する圧の極大値がニップ先端側からニップ基端側の極大値にシフトしたため、規制部材4の先端側が持ち上がることで現像剤取込口J1の大きさが変化し、現像剤層の量が変化しやすくなったと考えられる。
【0056】
このため、本実施例では、仮に現像ローラ2に対する規制部材4が侵入量が大きくなった場合であっても、規制部材4による押圧力の分布において、規制部材4の先端側の極大値が基端側の極大値よりも大きい状態を保つように、規制部材4の構成、配置等を定めた。
【0057】
図6(b)は、現像ローラ2の外形の振れ量に対して実施例1の規制部材4及び比較例の規制部材104を用いた場合に、濃度ムラが生じるか否かを示す表である。規制部材4、104を用いて実際に画像形成を行った。このとき、規制部材4の侵入量は、現像剤層の量が安定する領域とした。現像ローラ2の外径の振れに対する濃度ムラに対する効果を確認するため、外形の振れ量の異なる現像ローラ2を用意し、現像ローラ2の周方向の濃度ムラに関して評価を行った。ここで、外形の振れとは、現像ローラ2を1°づつ回転させながら直径を測定した際の、現像ローラ2の直径の最大の値と最小の値の差のことを言う。つまり、外径の振れが大きくなると、ローラが回転することで規制部材4の侵入量の変化が大きくなるため、濃度ムラが生じやすくなる。
【0058】
評価結果は、図6(b)に記載される通りである。実施例1の規制部材4を用いた場合、現像ローラ2の外径の振れ(現像ローラ2の周方向にそった現像ローラ外径の変化)が大きくなっても、画像上に濃度ムラが発生しなかった。これに対して、比較例(ストレート形状)の規制部材104を用いた場合、周方向の振れが40μm程度で薄い濃度ムラが発生し、さらに振れが80μm程度で濃い濃度ムラが発生した。
【0059】
これらの結果から、規制部材4を、先端側(現像ローラ2の回転方向の上流側)に圧の極大値が来るよう現像ローラ2に当接させると、侵入量に対する現像剤層の量の安定性が高いことが分かる。以上より、本実施例における、規制部材4を用いることで、現像剤取込口Jや押圧力のピーク値が安定し、濃度ムラ等が生じ難くなる。
【0060】
以上まとめると、規制部材4が現像ローラ2に加える圧の分布を現像ローラ2の回転方向に沿って見たとき、圧の極大値が複数(本実施例では2つ)生じるにように設計した。さらには、複数ある圧の極大値のうち、現像ローラ2の回転方向において最上流側の極大値が最大になるように設計した。これにより現像ローラ2に対する規制部材4の侵入量が変化し、現像ローラ2が規制部材4から受ける押圧力の総量が変動したとしても、この押圧力の変動が、最大の極大値に影響することを抑えることができる。
【0061】
すなわち、現像ローラ2に対する規制部材4の侵入量が規制部材4が変化し、規制部材4が現像ローラ2を押圧する力の総量が変化したとしても、この変化が最大の極大値に対して影響を与えることを抑制できる。
【0062】
ここで、現像ローラ2に担持される現像剤の量は、規制部材4が現像ローラ2に加える圧が極大値をとる複数の地点の内、現像ローラ2の回転方向最上流側の地点で規制される。上述のように、回転方向の最上流側にある圧の極大値は、複数の極大値において最大のものであり、圧の変動が抑えられているので、本実施例によれば規制部材4は現像ローラ2に担持される現像剤を安定して規制できる。
【実施例2】
【0063】
図7(a)は、実施例2に係る規制部材24の構成を示す断面図である。図7(b)は、規制部材24及び現像ローラ2の構成を示す断面図である。実施例2の現像装置の構成のうち実施例1の現像装置10と同一の構成及び効果に関しては、同一の符号を用いて説明を適宜省略する。実施例2においても、実施例1と同様の画像形成装置に適用することができるため、画像形成装置の説明は省略する。
【0064】
規制部材24は、実施例1における支持部材4A(図3等参照)と同様に金属製の薄板である。実施例2の規制部材24は、実施例1の規制部材4と異なり、支持部材のみで効果を発揮する形状であって、樹脂層を有さない。すなわち、支持部材である規制部材24はその先端側が湾曲されており、これによって、現像ローラ2の側に突出する凸部25が形成される。また規制部材24の基端側は、平面状に形成されて、ストレート部26となる。
【0065】
ここで凸部25は現像ローラ2と接触する規制部材24の第1接触部であり、ストレート部26は第2接触部である。本実施例では、支持部材である規制部材24の表面が、現像ローラ2と接触する接触部となる。
【0066】
規制部材24は、プレス加工した金属製薄板にて作製する。本実施例では、金属製薄板にステンレス鋼を用いたが、このほかリン青銅、アルミニウム合金などでもよい。また、規制部材24は、支持部材のみで効果を発揮する形状であるため、樹脂層を有しない。
【0067】
図7(b)に示されるように、規制部材24の先端側の凸部25によって、現像ローラ2と規制部材24のニップ(先端側ニップM2)が形成される。また凸部25よりも規制部材24の基端側に位置するストレート部26で、現像ローラ2と規制部材24のニップ(基端側ニップN2)が形成される。つまり、現像ローラ2と規制部材24のニップが2つ形成される。このとき、規制部材24が現像ローラ2を押圧する押圧力の分布は、先端側ニップM2、及び、基端側ニップN2で、それぞれ極大値を持つ。
【0068】
このように当接した際、規制部材24の当接位置や現像ローラ2の外径が周方向に振れ、侵入量が変化した場合でも、規制部材24の先端が曲面で形成されているため、現像剤取込口J2の大きさが大きく変化することはない。
【0069】
また、規制部材24の現像ローラ2への侵入量が変化しても、基端側のニップ幅が変化することで、押圧力の変化を緩和させることができる。その結果、現像ローラ2の先端側にかかる押圧力のピーク値が安定する。以上のことから、実施例2の規制部材24を採用することにより、規制部材24の侵入量が変化しても、取込形状、押圧力のピーク値を安定させることができた。
【0070】
次に、本実施例の効果の確認を行った。本実施例の規制部材24を採用した際の、侵入量に対する現像剤層の量の安定性を調べるため、意図的に規制部材24の侵入量を変え、そのときの現像剤層の量を測定した。
【0071】
図8(a)は、現像剤層の量、及び、規制部材24、104が現像ローラ2に侵入する侵入量の関係を示すグラフである。図8(a)から読み取れるように、実施例2の規制部材24を設けた場合、規制部材104に対して、侵入量の変化に対する現像剤層の量の変化が緩やかとなっていることが分かる。
【0072】
図8(b)は、外径の振れ量に対し、実施例2及び比較例で濃度ムラが発生したか否かを実験したことによる評価結果を示す表である。前述の規制部材24、104を用いて実際に画像形成をした。現像ローラ2の外径の振れに対する濃度ムラに対する効果を確認するため、外形の振れ量の異なる現像ローラ2を用意し、現像ローラ2の周方向の濃度ムラに関して評価を行った。
【0073】
実施例2の規制部材24を用いた場合、現像ローラ2の外径の振れが大きくなっても、画像上に濃度ムラが発生しなかった。これに対し、比較例の規制部材104を用いた場合、周方向の振れが40μm程度で薄い濃度ムラが発生し、さらに振れが80μm程度で濃い濃度ムラが発生した。
【0074】
これらの結果から、規制部材24の侵入量に対する現像剤層の量の安定性が高いことが分かる。以上より、規制部材24を用いることで、現像剤取込口J2や押圧力のピーク値が安定し、濃度ムラ等が生じ難くなる。
【実施例3】
【0075】
図9(a)は、実施例3に係る規制部材34の構成を示す断面図である。図9(b)は、規制部材34及び現像ローラ2の構成を示す断面図である。実施例3の現像装置の構成のうち実施例1の現像装置10と同一の構成及び効果に関しては、同一の符号を用いて説明を適宜省略する。実施例3においても、実施例1と同様の画像形成装置に適用することができるため、画像形成装置の説明は省略する。実施例3の規制部材34が実施例1の規制部材4と異なる点は、以下の点である。
【0076】
すなわち、実施例3の規制部材34は、支持部材4Aと、支持部材4Aの先端側に取付けられる樹脂層34Bと、を有する。そして、樹脂層34Bは、先端側には現像ローラ2の側に突出する複数の凸部34B1、34B2、34B3を有し、基端側には平面状に形成されるストレート部34B10を有する。ここで、凸部34B1は、現像ローラ2と接触することで、現像ローラ2に最大の圧を加える第1接触部である。また凸部34B2、34B3は、現像ローラ2の回転方向Rにおいて、凸部34B1よりも下流側にある第2接触部である。本実施例では、前述の実施例と異なり、第2接触部が、複数の凸部によって形成されることを特徴とする。
【0077】
図9(a)に示される規制部材34は、実施例1と同様、支持部材34Aとして金属製薄板が用いられ、金属製薄板に樹脂層34Bをコートした二層構造である。規制部材34は、並んで配置された3つの凸部34B1、34B2、34B3を有する。また凸部34B1と凸部34B2の間および、凸部34B2と凸部34B3の間が窪むことによって、規制部材34には凹部34B4、凹部34B5が形成されている。
【0078】
支持部材34Aを構成する金属製薄板にはステンレス鋼を用いた。ステンレス鋼のほか、リン青銅、アルミニウム合金などを用いてもよい。樹脂層34Bにはポリウレタンをコーティングして作製した。樹脂層34Bの材料には、この他、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリエステルテレフタラート、シリコンゴム、シリコン樹脂、メラミン樹脂から、単独で、または2種類以上を組み合わせてもよい。これら材料には、必要に応じて粗し粒子等の各種添加剤を含有させても良い。
【0079】
また、樹脂層34Bの形成は、今回採用したコーティング法のほか、大別して金属製薄板に直接形成する方法と、予め樹脂層34Bを形成し、それを金属製薄板に接着する方法がある。金属製薄板に直接に樹脂層34Bを形成する方法としては、金属製薄板に原料を押出し形成する方法や、浸漬、コーティング、噴霧等により金属製薄板に塗布する方法がある。また、予め樹脂層34Bを形成する方法として、原料から作成したシートを切り出す方法、樹脂層34Bを金型等で形成する方法がある。
【0080】
図9(b)に示されるように、規制部材4及び現像ローラ2は、3つのニップを形成しており、先端側のニップが最も侵入しているように設定している。これにより、押圧力は、最も上流側が最大となる。
【0081】
このように当接した際、規制部材34の当接位置や現像ローラ2の外径が周方向に振れ、侵入量が変化した場合でも、規制部材34の先端が曲面で形成されているため、現像剤取込口J3の大きさが大きく変化することはない。
【0082】
また、規制部材34の現像ローラ2への侵入量が変化しても、基端側のニップ幅が変化することで、押圧力の変化を緩和させることができる。その結果、現像ローラ2の先端側にかかる押圧力のピーク値が安定する。以上のことから、規制部材34を採用することにより、規制部材34の侵入量が変化しても、取込形状、押圧力のピーク値を安定させることができた。
【0083】
次に、実施例1及び2と同様に現像剤層の量の安定性について確認したところ、実施例1及び2と同様に侵入量に対し安定性が高いことが確認できた。これらの結果から、規制部材34に凸部が3つ以上あり、押圧力の極大値が複数存在しても、現像剤層の安定性は高くできることが確認できた。
【0084】
以上より、例えば規制部材34を作製する際、規制部材34の表面に凹凸が生じ、押圧力の極大値が複数発生した場合でも、現像剤取込口J3や押圧力のピーク値が安定し、濃度ムラ等が生じ難くなる。
【0085】
なお、本実施例のように樹脂層34Bに凸部を3つ以上形成することが好ましいが、必ずしもこれに限るものではない。すなわち、規制部材34の先端側に形成された凸部34B1よりも現像ローラ2の回転方向下流側の位置において、第2接触部としての凸部が少なくとも一つあると良い。このときも規制部材34が現像ローラ2を押圧する力に極大値を複数設けることが可能になる。
【0086】
実施例1〜3の構成で以下の効果が得られる。現像ローラ2の外径に振れが生じ、又は、規制部材4、24、34の先端位置が変動しても、規制部材4、24、34と現像ローラ2の間の現像剤取込口J1、J2、J3の大きさ、規制部材4、24、34が現像ローラ2を押圧する押圧力のピーク値が安定する。その結果、現像ローラ2が担持する現像剤層の量が安定する。
【符号の説明】
【0087】
1 感光体ドラム(像担持体)
2 現像ローラ(現像剤担持体)
4、24、34・・・規制部材
4A・・・支持部材
4A1・・・被固定部
4B1・・・凸部(第1接触部)
4B2・・・ストレート部(第2接触部)
10 現像装置
t 現像剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤担持体に担持される現像剤の量を規制する規制部材において、
弾性を持つ、板状の支持部材であって、現像装置に固定されるための被固定部を有する支持部材と、
前記支持部材の厚さ方向における前記規制部材の一端側から突出する、前記現像剤担持体と接触するための第1接触部と、
前記第1接触部よりも前記被固定部側に位置する、前記現像剤担持体と接触するための第2接触部と、
を備えることを特徴とする規制部材。
【請求項2】
前記第2接触部には、平面状に形成された、前記現像剤担持体と接触するためのストレート部が設けられることを特徴とする請求項1に記載の規制部材。
【請求項3】
前記第2接触部には、前記規制部材の前記一端側から突出する、前記現像剤担持体と接触するための凸部が、少なくとも一つ設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の規制部材。
【請求項4】
前記規制部材の先端が連続した曲面状に形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の規制部材。
【請求項5】
前記第1接触部および前記第2接触部は、前記支持部材に設けられた樹脂層で形成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の規制部材。
【請求項6】
前記第1接触部は前記支持部材が湾曲することで形成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の規制部材。
【請求項7】
前記第1接触部と前記第2接触部の間に位置し、前記第1接触部と前記第2接触部から窪んだ凹部を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の規制部材。
【請求項8】
像担持体に形成された静電潜像を現像する現像装置において、
前記静電潜像を現像するための現像剤を担持する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体に担持される現像剤の量を規制する規制部材と、
を備え、
前記規制部材は、
弾性を持つ、板状の支持部材であって、前記現像装置の固定部に固定される被固定部を有し、その先端側を前記現像剤担持体の回転方向上流側に向けた支持部材と、
前記現像剤担持体に向けて突出し、前記現像剤担持体と接触する、前記支持部材に設けられた第1接触部と、
前記第1接触部よりも前記回転方向の下流側に位置する、前記支持部材に設けられた第2接触部と、
を有することを特徴とする現像装置。
【請求項9】
前記規制部材が前記現像剤担持体に加える圧を前記現像剤担持体の回転方向に沿って見ると、圧の極大値が複数あって、前記回転方向において最上流に位置する極大値が最も大きいことを特徴とする請求項8に記載の現像装置。
【請求項10】
前記第2接触部には、平面状に形成されて前記現像剤担持体と接触するストレート部が設けられることを特徴とする請求項8または9に記載の現像装置。
【請求項11】
前記第2接触部には、前記現像剤担持体に向けて突出して、前記現像剤担持体と接触する凸部が、少なくとも一つ設けられることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項12】
前記規制部材の先端が連続した曲面状に形成されることを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項13】
前記第1接触部および前記第2接触部は、前記支持部材に設けられた樹脂層で形成されることを特徴とする請求項8乃至12のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項14】
前記第1接触部は、前記支持部材が湾曲することで形成されることを特徴とする請求項8乃至13のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項15】
前記規制部材は、前記第1接触部と前記第2接触部の間に位置し、前記第1接触部と前記接触部から窪んだ凹部を有することを特徴とする請求項8乃至14の何れか1項に記載の現像装置。
【請求項16】
画像形成装置の装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、
静電潜像が形成される像担持体と、
請求項8乃至15のいずれか1項に記載の現像装置と、
を備えることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項17】
記録材に画像を形成する画像形成装置において、
静電潜像が形成される像担持体と、
前記記録材を搬送する搬送手段と、
請求項8乃至15のいずれか1項に記載の現像装置と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−8009(P2013−8009A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−93539(P2012−93539)
【出願日】平成24年4月17日(2012.4.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】