説明

視聴コンテンツ再生装置及び視聴コンテンツ配信システム

【課題】 視聴コンテンツのデータ量に伴う問題点を解決し、消費者間での視聴コンテンツの流通を促す視聴コンテンツ再生装置及び視聴コンテンツ配信システムを提供する。
【解決手段】頒布された視聴コンテンツ記憶媒体の視聴制限を解除する鍵情報を、コンテンツ情報サーバより所定の取得方法を用いて取得する鍵情報取得手段と、上記頒布された視聴コンテンツ記憶媒体と上記鍵情報を用いて、上記視聴コンテンツの視聴制限を解除し再生する再生手段を備える視聴コンテンツ再生装置及び視聴コンテンツ配信システムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、視聴コンテンツ再生装置及び視聴コンテンツ配信システムに係り、詳しくは視聴コンテンツの著作権を守りつつ、視聴コンテンツの自由な流通を可能とする視聴コンテンツ再生装置及び視聴コンテンツ配信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の視聴コンテンツの販売形式はレコード、カセットテープ、ビデオテープ、CD(Compact Disk)、MD(Mini Disk )、DVD(Digital Video Disk)などのパッケージメディアに記録され、視聴コンテンツ供給元からCD販売店などを経由して消費者へ販売される形式が代表的である。
【0003】また近年のインターネットの急速な普及や、JPEG(Joint Photographic Image coding Experts Group)、MPEG(Moving Picture coding Experts Group) 、MP3(MPEG Audio Layer-3) 、AAC(Advanced Audio Codec) に代表される画像や音声圧縮技術の進歩により、視聴コンテンツを圧縮し、インターネット経由で電子的に消費者へ配信することにより、視聴コンテンツを販売するシステムが注目されている。
【0004】以下に、図5を用いて現在実用化されている従来の視聴コンテンツ配信システムについて説明する。尚、現在主に実用化しているのは音楽コンテンツであるので、特に音楽コンテンツの配信について述べる。
【0005】従来の視聴コンテンツ配信システムは、視聴コンテンツの配信を行う配信サーバー501が、暗号化された配信用視聴コンテンツを記憶する配信用視聴コンテンツ記憶手段502と、上記暗号化済の配信用視聴コンテンツを復号化可能な鍵情報が記憶されている鍵情報データベース503と、上記鍵情報に対応する課金情報を記憶している課金情報データベース504と、試視聴用コンテンツを記憶している試視聴用コンテンツ記憶手段505とを備えると共に、さらに、ネットワーク(インターネット)506を介して接続される視聴コンテンツ再生装置507が、該ネットワーク506経由で配信される配信用視聴コンテンツを記憶する視聴コンテンツ記憶手段508と、同様に上記ネットワーク506経由で配信される鍵情報を記憶する鍵情報記憶手段509と、上記視聴コンテンツ記憶手段508に記憶される配信用視聴コンテンツ及び上記鍵情報記憶手段509に記憶する鍵情報を用いて上記配信用視聴コンテンツ再生を行う再生手段510とを具備して構成される。
【0006】上記従来の視聴コンテンツ配信システムにおいて、視聴コンテンツの試視聴を希望する消費者は、上記視聴コンテンツ再生装置507によりネットワーク506経由で配信サーバー501に接続し、音声であれば例えばリアルオーディオ等のストリーム再生を通じて、上記試視聴用コンテンツ記憶手段505に記憶されている、目的とする試視聴用コンテンツを試聴する。ここでストリーム再生とは、上記視聴コンテンツ再生装置507が上記配信サーバー501に接続しているときにのみ視聴コンテンツを再生できる方式である。
【0007】但し、上記ストリームとして配信サーバー501が配信する試視聴用コンテンツは、該視聴用コンテンツのデータ量が大きいといった問題等により、曲のサビのみ等に限定されていることが多い。
【0008】上記消費者が上記試視聴コンテンツに対応する、配信用視聴コンテンツの購入を決定した場合には、上記課金情報データベース504の課金情報に基づいて、クレジットカード、電子マネーなどで支払い処理を行う。該支払い処理を行った後に上記消費者は、上記試視聴コンテンツに対応する、暗号化された上記配信用視聴コンテンツと、上記暗号化された配信用視聴コンテンツに対応する鍵情報をネットワーク506経由でそれぞれ配信用視聴コンテンツ記憶手段502及び鍵情報データベース503よりダウンロードする。
【0009】このようにして、配信用視聴コンテンツ、および当該配信用視聴コンテンツに対応する鍵情報を入手した消費者は、上記再生手段510にて、上記鍵情報を用いて暗号化された上記配信用視聴コンテンツを復号化し再生する。
【0010】この視聴コンテンツ配信システムによる視聴コンテンツの配信(販売)は、CDショップ等による視聴コンテンツの販売とは異なり、売り場面積などの制限が生じないので、知名度の低いアーティストの視聴コンテンツ、販売数が見込めないアーティストの視聴コンテンツなども含めて消費者に提供でき、ネットワークに接続できる環境において、消費者が好きな時にこれら視聴コンテンツを手に入れることが可能である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記ネットワーク配信による試視聴及び販売形態においては、次のような課題が生じる。
【0012】即ち、消費者が視聴コンテンツをダウンロードするのに時間がかかることである。現在多くの消費者がインターネットに接続している環境は常時接続ではなく、ダイアル回線、あるいはISDNなどの低速かつ時間課金が行われる回線によるものである。このようなインターネットへの接続環境において、効率良くCD並みの音質の視聴コンテンツを配信するためには、上記MP3またはAACなどに代表されるコンテンツ圧縮技術を用いて、ステレオで128kbps程度のビットレートで圧縮を行う必要がある。ところでこのビットレートで圧縮された3分から5分程度のステレオの視聴コンテンツは、ファイル容量が約3MBから5MB程度となる。前述したような接続環境においては、1曲をダウンロードするのに5分から10分程度かかるため、例えばCDアルバム1枚をダウンロードするには30分から1時間を要することになる。さらに、一般的に上記インターネットへの接続には電話料金が課せられることを考えると、視聴コンテンツの配信による利便性よりも、消費者の経済的負担が大きいと言える。
【0013】さらに、上記消費者の経済的負担が大きい点を考えると、既に目的とする視聴コンテンツがある場合はともかく、希望する(即ち消費者が気に入る)曲があるかどうかがわからず、さらには購入するかどうかもわからない視聴コンテンツを、消費者みずから自発的にインターネット上から検索し、時間をかけてて試視聴することは考えにくい。即ち、特にインターネットを用いた視聴コンテンツ配信において試視聴は、本来の試視聴の意味ではなく、視聴コンテンツの確認程度に使用されるのが殆どであり、試視聴による視聴コンテンツの流通促進が計れているとはいいがたい。
【0014】また、消費者が1曲を通して試視聴したいという要望を満足させられないという問題もある。これは、上述したように、視聴コンテンツのデータ量が大きいといった問題等によるものである。例えば、ヒット中の曲のようにあらゆるメディアを通して消費者が比較的試視聴(この場合は試聴)する機会が多い曲に関しては問題とはならないが、知名度の低いアーティストの視聴コンテンツ、あるいは販売数が見込めないアーティストの視聴コンテンツなどに関しては、プロモーションの機会が十分ではないのが一般的である。にもかかわらず、消費者が曲のサビ等に限定された試視聴しかできない場合には、消費者が購入に値する視聴コンテンツかどうかを判断する情報が十分に与えられない恐れがある。
【0015】また、消費者が特定の曲をインターネットより購入、ダウンロードし、当該消費者がダウンロードした曲を別の消費者に勧めた場合、当該別の消費者が持つ視聴コンテンツをコピーしても、対応する鍵情報を取得しないかぎり暗号化されている視聴コンテンツを聴くことが出来ない。これは従来の視聴コンテンツ配信システムにおいては、試視聴コンテンツと暗号化された視聴コンテンツは別物であり、ダウンロード出来るのは暗号化された視聴コンテンツのみであることが原因であり、さらに消費者間の視聴コンテンツのコピーが認められていないか、認められていても、暗号化された視聴コンテンツのみであるため、別の消費者は勧められた曲のコピーを受け取っても、試聴のためにはインターネットに接続し、改めて試聴用の視聴コンテンツをダウンロードする必要が生じる。これは消費者の試視聴可能な場所や時間を制限することとなり、試視聴の機会を減少させる原因となっている。
【0016】以上の点は圧縮された視聴コンテンツについて述べたものであるが、圧縮が行われておらず、例えば音楽の配信においてCDの音質そのままのデータを配信するとなると、データ量にして圧縮データの数倍〜十数倍になるため、現在のネットワーク(インターネット)環境では全くもって実用的ではない。にもかかわらず、高性能な音響設備を持つ消費者による、CDの音質をそのまま保った圧縮の行われていない視聴コンテンツのニーズがあるのが実状である。
【0017】そこで、本発明は視聴制限のある視聴コンテンツと、該視聴制限を解除する鍵情報を独立して提供することで、視聴コンテンツのデータ量に伴う問題点を解決し、消費者間で行われる一般的なプロモーション活動を利用することで消費者間での視聴コンテンツの流通を促す視聴コンテンツ再生装置及び視聴コンテンツ配信システムを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するために以下の手段を備える。
【0019】すなわち、コンテンツ情報サーバより視聴コンテンツの再生に必要な鍵情報を取得して再生する視聴コンテンツ再生装置において、頒布された視聴コンテンツ記憶媒体の視聴制限を解除する鍵情報を、コンテンツ情報サーバより所定の取得方法を用いて取得する鍵情報取得手段と、上記頒布された視聴コンテンツ記憶媒体と上記鍵情報を用いて、上記視聴コンテンツの視聴制限を解除し再生する再生手段を備える。
【0020】頒布された視聴コンテンツ記憶媒体を再生媒体とすることで、大量の情報を容易に消費者に提供することが可能となり、データ量に伴う問題点を解決することが出来る。
【0021】さらに、視聴コンテンツ記憶媒体が、試視聴可能である構成や、視聴制限を解除するための管理情報を具備する構成、さらには上記視聴コンテンツ再生装置がネットワークに接続する機能を具備する構成がある。
【0022】視聴コンテンツ記憶媒体を試視聴可能とすることで、消費者に購入のための十分な情報を提供可能とすることができ、管理情報及びネットワーク接続機能を有することで消費者の鍵購入時の作業を自動化することができる。
【0023】また、視聴用コンテンツ配信システムは、上記視聴コンテンツ再生装置及びコンテンツ情報サーバにより構成される。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0025】(実施の形態1)まず、図1を用いて本発明の実施の形態1における視聴コンテンツ配信システム101の概要を説明する。図1において、視聴コンテンツ再生装置107、111は、読出し手段108、鍵情報取得手段109、再生手段110を備え、不特定多数に頒布された試視聴可能な視聴コンテンツ記憶媒体105を再生可能である。ここで、上記頒布された視聴コンテンツ記憶媒体105とは、例えば消費者(視聴コンテンツ再生装置107を用いて視聴コンテンツを再生する者)に対して、CDショップ、コンビニエンスストア又は街頭等で配布又は販売されたり、あるいは雑誌の付録として配布又は販売され、さらには消費者間等で譲渡や貸し渡しされた視聴コンテンツ記憶媒体等を指し、記憶媒体とはCD、MD、DVD、半導体メモリー(メモリーカード)、ハードディスク等である。さらに、上記視聴コンテンツ記憶媒体105は、当該視聴コンテンツ記憶媒体105を管理する管理情報が含まれており、上記視聴コンテンツ再生装置107は上記管理情報を読みだすことが出来る。
【0026】上記視聴コンテンツ再生装置107は、具体的にはCDプレイヤー(CDデッキ)、DVDプレイヤー(DVDデッキ)、携帯型再生装置、パーソナルコンピュータ、携帯電話等、上記頒布された視聴コンテンツ105を再生できるものであれば良い。また、上記視聴コンテンツを直接再生するのではなく、該視聴コンテンツ105に記憶された情報を一旦コピーし、該コピーされた情報を再生するものでもよい。
【0027】さらに、上記視聴コンテンツ記憶媒体に記憶される視聴コンテンツとは、具体的には画像情報、動画情報、音声情報、テキスト情報(電子図書)等を指す。
【0028】上記鍵情報取得手段109は、ネットワーク(インターネット)106に接続することで、同じくネットワーク106に接続されたコンテンツ情報サーバ102、112と通信を行うことが出来る。
【0029】上記コンテンツ情報サーバ102、112は、鍵情報データベース103と課金情報データベース104を備え、上記視聴コンテンツ再生装置の要求に応じ、上記視聴コンテンツ記憶媒体に記憶された上記管理情報に基づいて課金処理及び鍵配信処理を行う。
【0030】続いて、図1、図2、図4を用いて本発明の実施の形態における視聴コンテンツ再生装置の再生方法の詳細を説明する。
【0031】ここで、試視聴可能な視聴コンテンツ記憶媒体には、所定の記録方法を用いて、画質や音質の劣化、再生範囲制限、再生回数制限、再生期間制限等の視聴制限が行われている。
【0032】画質や音質の劣化には、例えばノイズやエコーの付加、色情報の制限、モノラル音声での再生、音楽コンテンツを再生するのに必要最低限の帯域のみ再生可能とする等の方法がある。上記ノイズとしては雑音、オリジナルの音楽信号と関係ない楽音、鍵情報を促すアナウンスなどがある。尚、上記ノイズ等の付加は、例えば音声や画像として再生できるレベルの電子透かしを埋め込む方法等がある。再生範囲制限としては、再生を許可できる範囲を従来の再生可能データと同様のフォーマットとし、再生を許可しない範囲にはデータに暗号化を施すといった方法がある。再生回数制限、再生期間制限においては、当該再生可能回数又は再生可能期間を制限情報として視聴コンテンツ記憶媒体に記憶し、視聴コンテンツ再生装置にて上記制限情報に合わせて再生回数又は再生期間を制御するといった方法がある。
【0033】上記視聴コンテンツ記憶媒体105を入手した消費者は、該視聴コンテンツ記憶媒体を視聴コンテンツ再生装置107の読出し手段108に装填する。該読出し手段108は、上記視聴コンテンツ記憶媒体が例えばCD、DVD、MDの場合はトレイであり、メモリーカードの場合は差込口等である。
【0034】図2において、視聴コンテンツ再生装置107の読出し手段108に上記視聴コンテンツ記憶媒体105が配置されると、まず、鍵情報取得手段109を構成する管理情報読出し手段201により、上記視聴コンテンツ記憶媒体105に記憶されている上記管理情報401が読み出される。上記管理情報401には、ISRC(International Standard Recording Code)などがある。本実施の形態1にて用いられる管理情報401の一例を図4に示す。
【0035】図4において、媒体ID402は、頒布された視聴コンテンツ記憶媒体の種類毎に与えられるIDで、同一の視聴コンテンツ記憶媒体には同一のIDが記憶されている。また、コンテンツID403は、上記視聴コンテンツ記憶媒体105に記憶されているそれぞれの視聴コンテンツに与えられている番号であり、コンテンツ配信サーバ102は、上記コンテンツID403により視聴コンテンツが何かを把握することが出来る。また、制限内容404は、上記視聴コンテンツ記憶媒体に施された視聴制限の種類や方法及び、必要に応じて制限回数や制限範囲、制限期間等が記憶されており、上記画質や音質の劣化、再生範囲制限、再生回数制限、再生期間制限等の管理に用いられる。また、鍵データベースアドレス405には、上記コンテンツID403に対応した鍵情報の場所情報が記憶されており、ここではインターネットアドレス(URL)である。尚、上記管理情報401は、各視聴コンテンツのヘッダー、あるいは電子透かしとして記憶されている。
【0036】次に、上記消費者が、上記視聴コンテンツ記憶媒体105に記憶されている視聴コンテンツを再生すると、上記管理情報読出し手段201に読み出された上記管理情報401は、鍵情報検索手段202に渡され、該鍵情報検索手段202は、上記再生した視聴コンテンツのコンテンツID403を基にして、鍵情報記憶手段203に上記コンテンツID403に対応する鍵情報があるかを検索する。
【0037】ここに、上記コンテンツID403に対応する鍵情報とは、上記コンテンツID403を有する視聴コンテンツの視聴制限を解除する情報であり、該当する鍵情報を有することで、上記画質や音質の劣化、再生範囲制限、再生回数制限、再生期間制限等を解除することが出来る。尚、上記鍵情報はコンテンツID毎に管理するものであり、上記視聴コンテンツ記憶媒体再生時に、各視聴コンテンツ毎に独立して管理される。さらに、上記鍵情報記憶手段203を特殊な装置でしかアクセスできない領域に設けることにより上記鍵情報のコピーを防止することが可能である。パーソナルコンピュータ等の、例えばハードディスクでは消費者が容易にアクセス可能であるために上記鍵情報のコピーを防止することが困難である。このような場合には、例えば特殊なハードウェアを別途接続し、該ハードウェア内に上記鍵情報を記憶するとともに、該ハードウェアには上記消費者が容易にアクセスすることが出来ない設計とすることで、消費者による鍵情報のコピーを防止してもよい。
【0038】上記鍵情報記憶手段203に上記コンテンツID403に対応する鍵情報がある場合は、上記鍵情報検索手段202は、当該鍵情報を視聴制限管理手段205を介して再生手段110に送信する。上記再生手段110では、上記鍵情報を用いて視聴コンテンツに施された各種視聴制限を解除し、再生する。
【0039】上記鍵情報記憶手段203に上記コンテンツID403に対応する鍵情報が無い場合は、その旨を入力・通知手段209を介して上記消費者に知らせるとともに、各視聴コンテンツ毎に施された視聴制限を解除せずに再生する。上記視聴制限が上記画質や音質の劣化であり、既に画質や音質の劣化処理が行われた視聴コンテンツが記憶されているのであれば上記視聴コンテンツ再生装置107は上記視聴コンテンツ記憶媒体105をそのまま再生するのみでよい。画質や音質の劣化処理を行う必要があれば、視聴制限管理手段205が再生手段110に対して当該劣化処理を行って再生する旨の信号を送信する。制限内容404に記憶されている視聴制限が、再生回数制限を意味するものであれば、上記視聴制限管理手段205にて上記コンテンツID403の再生回数のカウントを行い、該情報を視聴制限記憶手段206に記憶することで管理を行う。この場合、再生回数も上記制限内容404に記憶されている。再生期間制限、再生範囲制限等においても同様である。
【0040】上記鍵情報が無い場合に、上記入力・通知手段209がその旨を消費者に知らせる方法はとくに限定せず、所定の警告ランプの点灯、ディスプレイへの表示、音声によるアナウンス等でよい。
【0041】続いて、図1、図2、図3、図4を用いて本発明の実施の形態における鍵情報の取得方法の詳細を説明する。
【0042】上述した、上記入力・通知手段209により、所定の警告ランプの点灯、ディスプレイへの表示、音声によるアナウンス等にて、再生する視聴コンテンツに対応する鍵情報が無い旨を消費者に知らせた場合に、該消費者は視聴制限を解除する鍵情報の購入をすることが出来る。まず上記消費者は、上記入力・通知手段209より上記鍵情報が無い旨の通知があった際、上記入力・通知手段209にて所定の操作(ボタンの押下等)を行うことにより、上記視聴コンテンツ再生装置107に鍵情報購入の旨を通知する。上記所定の操作が行われると、その旨が上記入力・通知手段209より鍵情報検索手段202に通知され、鍵情報検索手段202は、ネットワーク106を介してコンテンツ情報サーバ102(もしくは112)に接続する(図3:S301)。
【0043】ここで、上記視聴コンテンツ再生装置107がネットワーク106に接続するに際して、上記視聴コンテンツ再生装置107が単独でネットワークと通信を行う通信機能を有してもよいが、例えば別途通信機能を有する端末、具体的にはパーソナルコンピュータや携帯電話と接続することにより、上記ネットワーク106に接続してもよい。上記視聴コンテンツ再生装置107と通信端末との接続は、ケーブル等によるものでもよいが、携帯電話等の小型の通信端末の場合、直接試聴コンテンツ再生装置107に接続してもよい。また、一旦携帯電話やパーソナルコンピュータに接続した可搬記憶媒体に鍵情報を記憶し、該鍵情報を記憶した可搬記憶媒体を上記視聴コンテンツ再生装置107に差し替えることで鍵情報を取得してもよい。
【0044】上記接続の際に、上記コンテンツ情報サーバ102のアドレスは、上記管理情報読出し手段201が読み出した鍵データベースアドレス405を用いて特定される。さらに、上記管理情報読出し手段201が読み出した、購入を希望する視聴コンテンツの上記コンテンツID403を上記コンテンツ情報サーバ102に送信する(図3:S302)。尚、上記携帯電話やパーソナルコンピュータは、上記管理情報読出し手段201を備えていないため、自動的に上記鍵データベースアドレス405及び上記コンテンツID403を用いて上記コンテンツ情報サーバ102に接続することが出来ない。このため上記視聴コンテンツ再生装置107は、上記鍵データベースアドレス405及び上記コンテンツID403を表示して消費者に知らせ、該消費者は、当該表示を基に上記鍵データベースアドレス405及び上記コンテンツID403を上記携帯電話やパーソナルコンピュータの所定部(専用ソフトウェアやブラウザ等)に入力することで上記コンテンツID403を上記コンテンツ情報サーバ102に送信することが出来る。また、上記消費者が、上記所定の操作(ボタンの押下等)により、鍵情報購入の旨を通知した際に、当該視聴コンテンツ再生装置107に予め挿入されている可搬記憶媒体114に上記鍵データベースアドレス405及び上記コンテンツID403をコピーするようにしてもよい。この場合、消費者が上記可搬記憶媒体114を例えば携帯電話113に差し替えることにより(破線矢印115)、上記携帯電話113が可搬記憶媒体114に記憶されている上記鍵データベースアドレス405を用いて自動的に上記コンテンツ情報サーバ102に接続し、上記コンテンツID403を送信することができる(破線矢印116)。
【0045】さて、上記視聴コンテンツ再生装置107が通信機能を有している場合、上記コンテンツID403を受信した上記コンテンツ情報サーバ102は該コンテンツID403を基に上記課金情報データベースより課金情報を選択し、上記コンテンツ再生装置107に送信する(図3:S303)。上記鍵情報検索手段202は、上記課金情報を例えばディスプレイ等に表示することにより、上記消費者に購入代金を知らせる(図3:S304)。
【0046】次に上記消費者は、上記表示された購入代金を基に鍵情報の購入の判断を行う(図3:S304)。
【0047】ここで、上記消費者が、鍵情報を購入しない場合には所定の操作により購入しない旨を上記入力・通知手段209に入力し、上記コンテンツ情報サーバ102との接続が切断される。この場合は鍵情報は購入されないため、視聴コンテンツは視聴制限が施されたまま再生される(図3:S305のNo−S308)。
【0048】上記消費者が鍵情報を購入する場合には、上記入力・通知手段209にて所定の操作により購入する旨を入力する。該購入する旨を上記入力・通知手段209を介して上記鍵情報検索手段202が受け取ると、視聴コンテンツ再生装置107とコンテンツ情報サーバ102との間で支払い処理が行われる(図3:S305のYes−S306)。ここで、上記支払い処理は、例えばクレジットカード、電子マネー、銀行引き落とし、プリペイドカード等が用いられる。
【0049】上記支払い処理に問題がなければ、上記コンテンツ情報サーバ102は、上記コンテンツID403を基に鍵情報データベース103より鍵情報を選択し、上記視聴コンテンツ再生装置107に送信する。上記視聴コンテンツ再生装置107の鍵情報検索手段202は、上記鍵情報を受信すると、上記鍵情報記憶手段203に該鍵情報及び該当するコンテンツID403を記憶する(図3:S307)。さらに、上記受信した鍵情報は、視聴制限管理手段205を介して再生手段110に送信され、上記再生手段110は、上記鍵情報を用いて視聴コンテンツに施された各種視聴制限を解除し、再生する。また、上記鍵情報検索手段202は、上記鍵情報を受信すると上記コンテンツ情報サーバ102との接続を切断する(図3:S308)。ここで、上記パーソナルコンピュータや携帯電話113を用いて鍵情報を取得した場合には、消費者が当該鍵情報を記憶した可搬記憶媒体114を上記視聴コンテンツ再生装置107に差し替えることで、上記鍵情報検索手段202が上記鍵情報を取得することが出来る(破線矢印117)。この際に、該試聴コンテンツ再生装置107の鍵情報検索手段202は、挿入された可搬記憶媒体114の鍵情報を自動的に検知し、鍵情報記憶手段203に移動するようにしてもよい。
【0050】鍵情報検索手段202が、上記鍵情報記憶手段203に該鍵情報及び該当するコンテンツID403を記憶した後、上記鍵情報を用いて視聴コンテンツに施された各種視聴制限を解除し、再生する点は同様である。尚、コンテンツID403を基に鍵情報を取得するのではなく、媒体ID402を用いて鍵情報を取得することにより、上記視聴コンテンツ記憶媒体全ての視聴制限を解除するようにしてもよい。
【0051】以上のように、管理情報を記憶した試視聴可能な視聴コンテンツ記憶媒体を頒布し、消費者は上記視聴コンテンツを試視聴して気に入った視聴コンテンツのみの鍵情報を購入するシステムにより、消費者は、回線速度が遅く、一般的に課金がされるネットワークを介することなく視聴コンテンツを入手することが可能になる。また、ネットワークに接続することなく試視聴することが可能である点で、消費者の課金負担がなく、さらに試視聴する場所、時間などに制限されることがない。このため、消費者が様々な視聴コンテンツを試視聴する機会が増加し、試視聴による視聴コンテンツの流通促進が期待できる。
【0052】また、上記視聴コンテンツのデータに所定の視聴制限をすることで試視聴を可能としているため、視聴コンテンツと試視聴コンテンツは同じデータを用いることができる。よって別途試視聴用のコンテンツを用意する必要がないため、1曲を通して試視聴可能としても視聴コンテンツ記憶媒体のデータ容量を圧迫することがない。即ち、音楽コンテンツを例にとれば、視聴コンテンツ記憶媒体のデータ容量を圧迫することなく、一曲全てを試視聴可能とできるため、消費者に、購入に値する視聴コンテンツかどうかを判断する情報を十分に与えることができる。データ容量を圧迫することがないため、視聴コンテンツ記憶媒体に記憶できるコンテンツ数を増やすことが可能であることは言うまでもない。
【0053】また、上記視聴コンテンツ供給者はCDやDVDなどの大容量記憶媒体により消費者に効率よく大量の音楽コンテンツを提供できる。例えば現在一般的に使用されているCDに圧縮した音楽データを記憶する場合、3分〜5分の音楽で100〜200曲のデータを記憶することが可能であり、DVDを用いることで、さらに10倍以上の音楽データを記憶可能となり、視聴コンテンツのプロモーションが効率的になる。当然、圧縮されていない高音質のデータを配布することにより高性能な音響設備を持つ消費者のニーズにも対応可能である。
【0054】さらに鍵情報のコピーをハード的に防止しているため、視聴コンテンツの自由な頒布を妨げることなく視聴コンテンツの不正なコピー(即ち鍵情報のコピー)を防止可能である。
【0055】(実施の形態2)次に、図2を用いて実施の形態2における視聴コンテンツ再生装置の概要を説明する。上記実施の形態1に加え、本実施の形態2では視聴コンテンツ記憶手段204が設けられている。尚、本実施の形態2において上記実施の形態1と共通する点が多いため、共通する点については説明を省略する。
【0056】上記実施の形態1では、読出し手段108に視聴コンテンツ記憶媒体105を配置し、該視聴コンテンツ記憶媒体105に記憶されているコンテンツ情報を直接再生したが、本実施の形態2では、上記視聴コンテンツ記憶媒体105に記憶されているコンテンツ情報及び管理情報を、一旦上記視聴コンテンツ記憶手段204にコピーして再生する仕組みになっている。
【0057】即ち、上記読出し手段108に配置された視聴コンテンツ記憶媒体105は、自動的に又は消費者の操作により一旦上記視聴コンテンツ記憶手段108にコピーされる。コピーされる内容は、視聴コンテンツ情報及び管理情報である。但し、コピーされる各視聴コンテンツ情報は消費者が選択することが可能であり、不必要に視聴コンテンツ記憶手段204を圧迫することがない。上記視聴コンテンツ記憶手段204にコピーされると、再生時には上記管理情報読出し手段201は管理情報を上記視聴コンテンツ記憶手段204から読出し(破線矢印207)、実施の形態1と同様に鍵情報の検索や視聴制限の管理等が行われる。また、視聴コンテンツの情報は、視聴コンテンツ記憶手段204から再生手段110に渡される(破線矢印208)。
【0058】即ち、上記消費者は上記視聴コンテンツ記憶媒体105がなくてもコピーした視聴コンテンツを試視聴することが可能である。当然、鍵情報を購入することにより試視聴制限を解除することも可能である。
【0059】以上のように、消費者による試視聴可能な視聴コンテンツのコピーを許可することにより、視聴コンテンツ記憶媒体がなくても目的とする視聴コンテンツを再生できるだけでなく、消費者は、視聴コンテンツ記憶媒体を例えば別の消費者に譲渡や貸し渡しするといったことが可能となる(破線矢印112)。当然、上記視聴コンテンツ記憶媒体を受け取った消費者(視聴コンテンツ再生装置111の使用者)も視聴コンテンツを試視聴可能であるために、消費者が視聴コンテンツを手に入れる手段が広がり、消費者間での視聴コンテンツのプロモートも期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る視聴コンテンツ配信システムの概要図。
【図2】本発明に係る視聴コンテンツ再生装置の機能ブロック図。
【図3】鍵情報取得時のフローチャート。
【図4】管理情報の一例。
【図5】従来の視聴コンテンツ配信システムの概要図。
【符号の説明】
101−視聴コンテンツ配信システム
102、112−コンテンツ情報サーバ
103−鍵情報データベー
104−課金情報データベース
105−視聴コンテンツ記憶媒体
106−ネットワーク
107、111−視聴コンテンツ再生装置
108−読出し手段
109−鍵情報取得手段
110−再生手段
113−携帯電話(通信機能を有する端末の一例)
114−可搬記憶媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】 コンテンツ情報サーバより視聴コンテンツの再生に必要な鍵情報を取得することにより視聴コンテンツを再生する視聴コンテンツ再生装置を備えた視聴コンテンツ配信システムにおいて、上記視聴コンテンツ再生装置が、頒布された試視聴が可能な視聴コンテンツ記憶媒体の視聴制限を解除する鍵情報を、上記コンテンツ情報サーバより所定の取得方法を用いて取得する鍵情報取得手段と、上記視聴コンテンツ記憶媒体と上記鍵情報取得手段により取得した上記鍵情報を用いて、上記視聴コンテンツの視聴制限を解除し再生する再生手段を備えることを特徴とする視聴コンテンツ配信システム。
【請求項2】 コンテンツ情報サーバより視聴コンテンツの再生に必要な鍵情報を取得することにより視聴コンテンツを再生する視聴コンテンツ再生装置において、頒布された視聴コンテンツ記憶媒体の視聴制限を解除する鍵情報を、上記コンテンツ情報サーバより所定の取得方法を用いて取得する鍵情報取得手段と、上記視聴コンテンツ記憶媒体と上記鍵情報取得手段により取得した上記鍵情報を用いて、上記視聴コンテンツの視聴制限を解除し再生する再生手段を備えることを特徴とする視聴コンテンツ再生装置。
【請求項3】 上記視聴コンテンツ記憶媒体が、試視聴可能である請求項2に記載の視聴コンテンツ再生装置。
【請求項4】 上記視聴コンテンツ記憶媒体が、さらに当該記憶媒体を識別する管理情報を記憶すると共に、上記鍵情報取得手段が、上記管理情報に基づいて上記コンテンツ情報サーバより上記鍵情報を取得するものである請求項2又は3に記載の視聴コンテンツ再生装置。
【請求項5】 さらに、上記視聴コンテンツ記憶媒体に記憶されている情報をコピーする視聴コンテンツ記憶手段を具備する請求項4に記載の視聴コンテンツ再生装置。
【請求項6】 上記所定の取得方法が、ネットワークを介して上記コンテンツ情報サーバと通信し、上記鍵情報をダウンロードする請求項5に記載の視聴コンテンツ再生装置。
【請求項7】 通信機能を有する端末を接続することにより、上記コンテンツ情報サーバと通信する請求項6に記載の視聴コンテンツ再生装置。
【請求項8】 上記所定の取得方法が、通信機能を有する端末がネットワークを介して上記コンテンツ情報サーバより可搬記憶媒体に上記鍵情報をダウンロードし、該可搬記憶媒体を当該視聴コンテンツ再生装置に差し替える請求項5に記載の視聴コンテンツ再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2002−49377(P2002−49377A)
【公開日】平成14年2月15日(2002.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−235154(P2000−235154)
【出願日】平成12年8月3日(2000.8.3)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】