説明

視聴率推定装置及び視聴率推定方法

【課題】迅速でより正確なテレビ番組の視聴率を推定することができる視聴率推定装置及び視聴率推定方法を提供すること。
【解決手段】視聴率推定装置2は、テレビ番組の視聴者によってネットワーク3上に生成された当該テレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの数と、当該テレビ番組の視聴率との相関表を予め記憶する記憶部204と、対象のテレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの数を取得する対象コンテンツ数取得部205と、対象コンテンツ数取得部205によって取得された対象のテレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの数と、記憶部204によって予め記憶された相関表とに基づいて、当該テレビ番組の視聴率を推定する視聴率推定部206と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ番組の視聴率を推定する視聴率推定装置及び視聴率推定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のテレビ番組視聴率は主に1社が提供している世帯視聴率である。世帯視聴率は視聴地域毎に計測されている。関東、関西、名古屋地区は視聴地域内600世帯をランダムに選定し自動計測器を用いて計測している。上記地区以外は200世帯となっている。視聴率は分単位で記録されているが集計は1日1回早朝となっている。また、世帯視聴率の発表は翌営業日となっている。
【0003】
世帯視聴率の測定方法は各世帯のテレビ台数にも影響される。例えば、世帯Mにテレビが2台あり両テレビとも放送局Aが選択されていれば放送局Aが視聴されたと集計される。テレビが1台でも複数台でも放送局Aが選択されているという状態のみカウントされる。また例えば、世帯Nにテレビが2台あり、それぞれ放送局B及び放送局Cが選択されている場合、それぞれ放送局B及び放送局Cがカウントされる。この状態では放送局A、B、Cは同じ世帯視聴率として算出される。
【0004】
一方、テレビ番組の視聴率を算出する装置として、例えば、下記特許文献1には視聴行動率算出装置が開示されている。視聴行動率算出装置は、テレビ番組の視聴者のうち、テレビ番組の内容に関連するキーワードを検索したユーザのみをテレビ番組の視聴者としてカウントし、テレビ番組の視聴率を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−34674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の世帯視聴率が算出されるのはテレビ番組終了後の翌営業日となっており、テレビ番組が放送されてからその世帯視聴率の結果を知るまでにタイムラグがある。また、視聴行動率算出装置は、実際にテレビ番組を見ているが、テレビ番組の内容に関連するキーワードを検索しないユーザは視聴者としてカウントされず、正確なテレビ番組の視聴率を算出できない。
【0007】
そこで、本発明は、かかる課題に鑑みて為されたものであり、迅速でより正確なテレビ番組の視聴率を推定することができる視聴率推定装置及び視聴率推定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の視聴率推定装置は、テレビ番組の視聴者によってネットワーク上に生成された当該テレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの数と、当該テレビ番組の視聴率との相関表を予め記憶する記憶手段と、対象のテレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの数を取得する対象コンテンツ数取得手段と、対象コンテンツ数取得手段によって取得された対象のテレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの数と、記憶手段によって予め記憶された相関表とに基づいて、当該テレビ番組の視聴率を推定する視聴率推定手段と、を備える。
【0009】
また、本発明の視聴率推定方法は、視聴率推定装置による視聴率推定方法であって、視聴率推定装置の記憶手段が、テレビ番組の視聴者によってネットワーク上に生成された当該テレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの数と、当該テレビ番組の視聴率との相関表を予め記憶する記憶ステップと、視聴率推定装置の対象コンテンツ数取得手段が、対象のテレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの数を取得する対象コンテンツ数取得ステップと、視聴率推定装置の視聴率推定手段が、対象コンテンツ数取得ステップにおいて取得された対象のテレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの数と、記憶ステップにおいて予め記憶された相関表とに基づいて、当該テレビ番組の視聴率を推定する視聴率推定ステップと、を含む。
【0010】
このような視聴率推定装置及び視聴率推定方法によれば、テレビ番組の視聴者によってネットワーク上に生成された当該テレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの数と、当該テレビ番組の視聴率との相関表が予め記憶される。そして、取得された対象のテレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの数と、予め記憶された相関表とに基づいて、当該テレビ番組の視聴率が推定される。かかる構成を採れば、放送中のテレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの数を取得することで、当該テレビ番組の視聴率を迅速に推定することができる。また、例えば、予め記憶された過去の多数のユーザ生成コンテンツの数と視聴率との相関表に基づいて視聴率を推定するため、より正確なテレビ番組の視聴率を推定することができる。
【0011】
また、本発明の視聴率推定装置は、記憶手段は、所定時間ごとのユーザ生成コンテンツの数と、所定時間ごとの視聴率との相関表を予め記憶し、対象コンテンツ数取得手段は、所定時間におけるユーザ生成コンテンツの数を取得し、視聴率推定手段は、対象コンテンツ数取得手段によって取得された対象のテレビ番組に関する所定時間におけるユーザ生成コンテンツの数と、記憶手段によって予め記憶された相関表とに基づいて、当該所定時間における当該テレビ番組の視聴率を推定する、ことが好ましい。かかる構成を採れば、放送中のテレビ番組に関する所定時間におけるユーザ生成コンテンツの数を取得することで、当該所定時間における当該テレビ番組の視聴率を迅速に推定することができる。また、例えば、予め記憶された所定時間ごとの過去の多数のユーザ生成コンテンツの数と所定時間ごとの視聴率との相関表に基づいて視聴率を推定するため、当該所定時間におけるより正確なテレビ番組の視聴率を推定することができる。
【0012】
また、本発明の視聴率推定装置は、テレビ番組の視聴者によってネットワーク上に生成された当該テレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの数を取得するコンテンツ数取得手段と、外部装置によって算出されたテレビ番組の視聴率を取得する視聴率取得手段と、コンテンツ数取得手段によって取得されたテレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの数と、視聴率取得手段によって取得されたテレビ番組の視聴率との相関表を生成する相関表生成手段と、を更に備え、記憶手段は、相関表生成手段によって生成された相関表を予め記憶する、ことが好ましい。かかる構成を採れば、例えば、過去の多数のユーザ生成コンテンツの数と視聴率とから相関表を生成することができ、その相関表に基づいて視聴率を推定するため、より正確なテレビ番組の視聴率を推定することができる。
【0013】
また、本発明の視聴率推定装置は、相関表生成手段は、ユーザ生成コンテンツの特性、又はテレビ番組の特性に基づいて、コンテンツ数取得手段によって取得されたユーザ生成コンテンツの数を補正する、ことが好ましい。かかる構成を採れば、ユーザ生成コンテンツの特性、又はテレビ番組の特性を加味した、より正確なテレビ番組の視聴率を推定することができる。
【0014】
また、本発明の視聴率推定装置は、視聴率推定手段は、ユーザ生成コンテンツの特性、又はテレビ番組の特性に基づいて、対象コンテンツ数取得手段によって取得されたユーザ生成コンテンツの数を補正する、ことが好ましい。かかる構成を採れば、ユーザ生成コンテンツの特性、又はテレビ番組の特性を加味した、より正確なテレビ番組の視聴率を推定することができる。
【0015】
また、本発明の視聴率推定装置は、視聴率推定手段によって推定された視聴率と外部装置によって算出された視聴率との差分に基づいて、記憶手段によって予め記憶された相関表を補正する相関表補正手段と、を更に備え、記憶手段は、相関表補正手段によって補正された相関表を記憶する、ことが好ましい。かかる構成を採れば、視聴率推定結果をフィードバックすることで、より精度の高い相関表に補正することができ、それにより、より正確なテレビ番組の視聴率を推定することができる。
【0016】
また、本発明の視聴率推定装置は、記憶手段は、テレビ番組を分類する上での区分ごとに相関表を予め記憶し、対象コンテンツ数取得手段は、区分ごとに対象のテレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの数を取得し、視聴率推定手段は、対象コンテンツ数取得手段によって取得された区分ごとの対象のテレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの数と、記憶手段によって予め記憶された区分ごとの相関表とに基づいて、区分ごとの当該テレビ番組の視聴率を推定し、推定した区分ごとの当該テレビ番組の視聴率に基づいて、当該テレビ番組の視聴率を推定する、ことが好ましい。かかる構成を採れば、テレビ番組を分類する上での区分ごとに推定した視聴率に基づいて視聴率を推定するため、より正確なテレビ番組の視聴率を推定することができる。
【0017】
また、本発明の視聴率推定装置は、記憶手段は、テレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの種類ごとに相関表を予め記憶し、対象コンテンツ数取得手段は、対象のテレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの種類ごとにユーザ生成コンテンツの数を取得し、視聴率推定手段は、対象コンテンツ数取得手段によって取得された対象のテレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの種類ごとのユーザ生成コンテンツの数と、記憶手段によって予め記憶された当該テレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの種類ごとの相関表とに基づいて、当該テレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの種類ごとの当該テレビ番組の視聴率を推定し、推定した当該テレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの種類ごとの当該テレビ番組の視聴率と、当該テレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの種類ごとの重み付けとに基づいて、当該テレビ番組の視聴率を推定する、ことが好ましい。かかる構成を採れば、ユーザ生成コンテンツの種類ごとに推定した視聴率とユーザ生成コンテンツの種類ごとの重み付けとに基づいて視聴率を推定するため、より正確なテレビ番組の視聴率を推定することができる。
【0018】
また、本発明の視聴率推定装置は、視聴率推定手段が視聴率を推定する上で利用したユーザ生成コンテンツの内容を解析する解析手段と、視聴率推定手段によって推定された視聴率と解析手段による解析結果とを出力する出力手段と、を更に備える、ことが好ましい。かかる構成を採れば、視聴率と共に、ユーザ生成コンテンツの内容の解析結果を出力することができるため、ユーザは視聴者の反応をより詳細に知ることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、迅速でより正確なテレビ番組の視聴率を推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係る視聴率推定システムのシステム構成を示すシステム構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る視聴率推定装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る視聴率推定装置のハードウェア構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態におけるつぶやきの数及び視聴率の相関図の例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態における相関表の例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態における放送局毎の世帯視聴率及びつぶやきの数の相関図の例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る視聴率推定システムで実行される視聴率推定方法の処理のうち、相関表を生成する処理を示すシーケンス図である。
【図8】本発明の実施形態に係る視聴率推定システムで実行される視聴率推定方法の処理のうち、視聴率を推定する処理を示すシーケンス図である。
【図9】本発明の実施形態に係る視聴率推定システムで実行される視聴率推定方法の処理のうち、ユーザ生成コンテンツの種類ごとの視聴率と重み付けとから視聴率を推定する処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面とともに本発明による視聴率推定装置及び視聴率推定方法の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0022】
図1は、本実施形態の視聴率推定システム1のシステム構成を示すシステム構成図である。図1に示す通り、視聴率推定システム1は、視聴率推定装置2、ネットワーク3、外部装置4、テレビ5(テレビ5a、テレビ5b、…)、サーバ6(サーバ6a、サーバ6b、…)、及びパーソナルコンピュータ7(パーソナルコンピュータ7a1、パーソナルコンピュータ7a2、…、パーソナルコンピュータ7b1、パーソナルコンピュータ7b2、…)を含んで構成されている。
【0023】
視聴率推定装置2、外部装置4、サーバ6、及びパーソナルコンピュータ7はコンピュータ装置などで構成され、テレビ5はテレビ受信機などで構成される。ネットワーク3は、インターネットなどの公衆ネットワークである。ネットワーク3を介して、視聴率推定装置2、外部装置4、サーバ6、及びパーソナルコンピュータ7は相互に通信可能である。また、外部装置4とテレビ5とはネットワーク3又は専用のネットワーク回線を介して接続されている。
【0024】
外部装置4は、従来の視聴率算出システム、例えば、特定の家庭のテレビ5に視聴状況を測定する専用装置を設置し、それらの専用装置からネットワークを介して測定結果を外部装置4に送信し、外部装置4にて測定結果を集計し、テレビ番組の視聴率を算出するシステムである。外部装置4は、ネットワーク3を介して所定のテレビ番組の所定時間ごとの視聴率の送信要求を視聴率推定装置2から受け付け、要求された所定のテレビ番組の所定時間の視聴率を視聴率推定装置2に送信する。
【0025】
サーバ6は、インターネットサービスプロバイダなどが提供するサーバや、いわゆる「つぶやき」と呼ばれる短文を投稿することが可能な短文投稿サイト・掲示板・ブログ・動画共有サイト・SNS(Social Networking Service)などが提供されているサーバなどである。サーバ6では、一般ユーザがパーソナルコンピュータ7や携帯電話などの携帯端末などを利用して作成した投稿内容などのユーザ生成コンテンツ(UGC:User Generated Content)が蓄積されている。本実施形態において、サーバ6では、短文投稿サイトが提供されており、テレビ番組の視聴者によってパーソナルコンピュータ7を利用して生成及び投稿された、視聴したテレビ番組の内容についてのユーザ生成コンテンツの一種であるつぶやきが蓄積されているものとする。サーバ6では、テレビ番組の放送中に、視聴者による当該テレビ番組に関するつぶやきがリアルタイムで蓄積されていく。
【0026】
短文投稿サイトにおいて、投稿されたつぶやきには関連する話題を示す識別子が付与される。これをハッシュタグと呼んでいる。ハッシュタグにはテレビ放送局を示すものやテレビ番組を示すものが存在する。これらテレビ番組に関連するハッシュタグにより、短文投稿サイト上のテレビ番組に関連するつぶやきを特定することが可能である。
【0027】
図2は、視聴率推定装置2の構成を示す機能ブロック図である。図2に示す通り、視聴率推定装置2は、コンテンツ数取得部201(コンテンツ数取得手段)、視聴率取得部202(視聴率取得手段)、相関表生成部203(相関表生成手段)、記憶部204(記憶手段)、対象コンテンツ数取得部205(対象コンテンツ数取得手段)、視聴率推定部206(視聴率推定手段)、解析部207(解析手段)、出力部208(出力手段)、及び相関表補正部209(相関表補正手段)を含んで構成される。
【0028】
視聴率推定装置2は、CPU等のハードウェアから構成されているものである。図3は、視聴率推定装置2のハードウェア構成図である。図2に示される視聴率推定装置2は、物理的には、図3に示すように、CPU250、主記憶装置であるRAM251及びROM252、キーボードやディスプレイなどの入出力装置253、通信モジュール254、及び補助記憶装置255などを含むコンピュータシステムとして構成されている。
【0029】
図2に示す視聴率推定装置2の各機能ブロックの機能は、図3に示すCPU250、RAM251等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU250の制御のもとで入出力装置253、通信モジュール254、及び補助記憶装置255を動作させるとともに、RAM251におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
【0030】
以下、図2に示す視聴率推定装置2の機能ブロックに基づいて、視聴率推定装置2の各機能ブロックを説明する。
【0031】
コンテンツ数取得部201は、テレビ番組の視聴者によってネットワーク上に生成された当該テレビ番組に関する所定時間ごとのユーザ生成コンテンツの数を取得する。具体的には、コンテンツ数取得部201は、まず、テレビ番組の視聴者によって一つ以上のサーバ6に生成されたつぶやきを、ネットワーク3を介して取得する。そして、コンテンツ数取得部201は、上述のハッシュタグを利用してつぶやきの対象のテレビ番組を特定し、取得したつぶやきをつぶやきの対象のテレビ番組ごとに分け、各テレビ番組に関連するつぶやきの数を集計する。コンテンツ数取得部201は、リアルタイム性を持たせるため、所定時間、例えば1分ごとなどの短い間隔で、つぶやきの数を集計する。ユーザ生成コンテンツがつぶやきの場合には、つぶやきの数がテレビ番組視聴率への指標となる。コンテンツ数取得部201は、取得した各テレビ番組の所定時間ごとのつぶやき及びつぶやきの数を相関表生成部203に出力する。
【0032】
視聴率取得部202は、外部装置4によって算出されたテレビ番組の所定時間ごとの視聴率を取得する。具体的には、視聴率取得部202は、外部装置4に対し、ネットワーク3を介して所定のテレビ番組の所定時間ごとの視聴率の送信要求を送信し、それに応じて外部装置4から送信された当該視聴率を、ネットワーク3を介して受信し、取得する。日々放送されているテレビ番組視聴率は1分ごとに集計されているため、例えば、視聴率取得部202は、各テレビ番組の1分ごとの視聴率を取得する。視聴率取得部202は、取得した各テレビ番組の所定時間ごとの視聴率を相関表生成部203に出力する。
【0033】
相関表生成部203は、コンテンツ数取得部201によって取得されたテレビ番組に関する所定時間ごとのユーザ生成コンテンツの数と、視聴率取得部202によって取得されたテレビ番組の所定時間ごとの視聴率との相関表を生成する。具体的には、相関表生成部203は、まず、コンテンツ数取得部201によって出力された各テレビ番組の所定時間ごとのつぶやき及びつぶやきの数と、視聴率取得部202によって出力された各テレビ番組の所定時間ごとの視聴率とを取得する。そして、相関表生成部203は、取得した各テレビ番組の所定時間ごとのつぶやきの数と視聴率との相関表を生成する。
【0034】
相関表生成部203が相関表を生成する方法の一例として、相関表生成部203は、まず、特定のテレビ番組について、取得した当該テレビ番組の所定時間ごとのつぶやきの数を横軸とし、取得した当該テレビ番組の所定時間ごとの視聴率を縦軸として、図4に示す相関図を生成する。次に、相関表生成部203は、図4に示す相関図などに基づいて、当該テレビ番組についての後述の区分ごとの、所定時間ごとのつぶやきの数及び視聴率の相関表を生成する。例えば、相関表生成部203は、図5に示す相関表a〜cを生成する。なお生成される相関表は3つに限定されず、区分ごとに一つ以上生成されてもよい。図5に示す相関表aから、例えば、当該テレビ番組についての所定時間のつぶやきの数「100」は、視聴率「11.0%」と対応していることがわかる。このように、相関表生成部203によって、例えば、1分ごとに集計されたつぶやきの数と1分ごとのテレビ番組視聴率の相関表が生成される。これにより各テレビ番組のつぶやきの数と視聴率との相関が得られる。相関表生成部203によって生成される相関表は、過去の結果、つまり過去に放送されたテレビ番組に関するつぶやきの数と視聴率との相関表である。
【0035】
相関表生成部203は、テレビ番組を分類する上での区分ごとに相関表を生成する。区分の例としては、放送局、放送番組ジャンル、放送時間帯、及び放送エリアが挙げられる。このように区分ごとに相関表を生成する理由は、各区分において以下の特性があるからである。
【0036】
放送局の特性としては、どの放送局についても同じようなつぶやきが生成される傾向がない点が挙げられる。放送局によって番組編成も異なるため、つぶやきとの相性の良し悪しがある。また、放送局ごとに視聴率の変動が大きく異なる。例えば、図6は放送局ごとのつぶやきの数及び世帯視聴率の相関図を示すが、A局とC局とでは同じ放送時間帯、同じ放送番組ジャンルでも視聴率の変動傾向に違いが見られる。
【0037】
放送番組ジャンルの特性としては、つぶやきが生成されやすい放送番組ジャンルの傾向がある点が挙げられる。例えば、バラエティやスポーツなどは他の視聴者との一体感を求めやすいためつぶやきの数も多い。また、ニュースなどの情報番組は情報によってはつぶやきが生成される傾向にあり、福祉・演劇などはほぼつぶやきは生成されない。また、一日の時間帯により放送番組ジャンルに大きな傾向がある。例えば、朝は情報系の番組が多く、日中はドラマ再放送や主婦向け情報番組、夕方と夜はニュースが多くなり、ゴールデンタイムはバラエティが非常に多い。
【0038】
放送時間帯の特性としては、どの放送時間帯でも万遍無くつぶやきが生成されているわけではない点が挙げられる。例えば、ゴールデンタイムから深夜にかけてはつぶやきの数が多くなり、日中のつぶやきの数はかなり少ない。
【0039】
放送エリアの特性としては、全国放送のテレビ番組については放送エリアごとに視聴者の反応が異なる点が挙げられる。また、地域ごとに人気のある番組ジャンルが異なる。例えば、関西ではバラエティ番組のつぶやきの数及び視聴率が、関東よりも高い。
【0040】
相関表生成部203は、ユーザ生成コンテンツの特性、又はテレビ番組の特性に基づいて、コンテンツ数取得部201によって取得されたユーザ生成コンテンツの数を補正してもよい。
【0041】
ユーザ生成コンテンツの特性としては、例えば、ユーザ生成コンテンツでは、ネガティブなコンテンツは加速して増加する可能性がある点が挙げられる。その点に基づき、相関表生成部203は、具体的に、コンテンツ数取得部201から取得したつぶやきのうち、ネガティブな内容のつぶやきについて、単純につぶやきの数としてカウントしない。つぶやきがネガティブか否かの判定は、予め登録されているネガティブな単語がつぶやきに含まれているかを判定することや、さらに単語の意味や構文的な構造を認識することによって行うことができ、例えば下記の特許文献に開示されている技術を使用することができる。
特許文献:特許第3402598号
【0042】
また、相関表生成部203は、ポジティブな内容のつぶやき及びネガティブな内容のつぶやきそれぞれの数を計測し、まずは、ポジティブな内容のつぶやきの数をカウントする。そして、相関表生成部203は、ネガティブな内容のつぶやきについての相関を併せて測定し、ネガティブな内容の種類や度合いなどに基づきネガティブなつぶやきの数をカウントすることで視聴率の精度向上が見込まれる場合には、相関表生成部203は当該ネガティブな内容もカウントする。例えば、テレビ番組のジャンルによっては有効な場合などが挙げられる。
【0043】
また、ユーザ生成コンテンツの特性としては、例えば、「原発」などの時事キーワードが頻出する場合は、特定キーワードに関するつぶやきの数が急増する可能性がある点が挙げられる。相関表生成部203は、時事キーワードの頻出によるつぶやきの数の増加を加味するため、テレビ番組中で扱われる頻度が高い、あるいは放送時間が多いキーワードについては、それに見合った分、つぶやきの数を減少するなど、補正する。
【0044】
具体的には、相関表生成部203は、テレビ番組に対するつぶやきに出現するキーワード数の平均値(出現率)を予め記憶しておき、ある時期にテレビ番組放送中に出現する頻度が急増するキーワードは時事キーワードと判定する。例えば、相関表生成部203は、キーワードのカテゴリごとのキーワード数の平均値、例として「出演者」はつぶやき中の50%程度、「商品名」はつぶやき中の10%程度、「企業名」はつぶやき中の2%程度、「施設名」はつぶやき中の1%程度などを、予めに記憶していたとする。そして、「原発」や「A電力会社」などのキーワードが増加すると、「原発」が属するカテゴリ「施設名」、及び「A電力会社」が属するカテゴリ「企業名」の割合が記憶されたキーワード数の平均値よりも高くなるため、相関表生成部203は、これらを時事キーワードと判定する。
【0045】
相関表生成部203は、特定テレビ番組におけるつぶやき中に時事キーワードが含まれている部分が、通常平均値に対し閾値、例えば通常平均値の2倍以上含まれている場合には、時事キーワードを含むつぶやきの数はカウントしない。この閾値を用いた閾値規定方法は、後述の相関表補正部209による、当該視聴率推定部206によって推定された視聴率と外部装置4によって算出された視聴率との差分に基づいたフィードバックの処理において、相関表補正部209により最適化してもよい。
【0046】
また、テレビ番組の特性としては、例えば、放送クールの切れ目に放送される過去放送番組の総集編や複数話の一気再放送など特別番組編成や季節ごとに放送されるような特別の番組などに、通常放送と異なる視聴者の反応が多いという点が挙げられる。相関表生成部203は、特別番組や季節性の番組などについては過去に放送された同系の番組情報を考慮し、番組単位でつぶやきの数を補正する。例えば、アイドルに関連する総集編番組は高視聴率となる傾向にあり、つぶやきの数も多いため、相関表生成部203は、予め定められた補正係数を利用してつぶやきの数を少なくする。一方、過去ドラマの一気再放送などでは視聴率ほどつぶやきの数は伸びないため、相関表生成部203は、予め定められた補正係数を利用してつぶやきの数を多くする。なお、相関表生成部203は、特番など時期的な特別編成番組を除く通常放送に対してのみ、相関表を生成してもよい。
【0047】
記憶部204は、相関表生成部203によって生成された相関表を、補助記憶装置255などに予め記憶する。記憶部204は、相関表生成部203によってテレビ番組を分類する上での上述の区分ごとに生成された相関表を記憶してもよい。また、記憶部204は、後述の相関表補正部209によって補正された相関表を記憶してもよい。
【0048】
対象コンテンツ数取得部205は、対象のテレビ番組に関する所定時間におけるユーザ生成コンテンツの数を取得する。具体的には、対象コンテンツ数取得部205は、一つ以上のサーバ6から、対象のテレビ番組に関する所定時間におけるユーザ生成コンテンツを取得する。なお、対象のテレビ番組、及び所定時間については、視聴率推定装置2のユーザによって指定されてもよいし、予め記憶部204によって記憶されていてもよい。そして、対象コンテンツ数取得部205は、取得したユーザ生成コンテンツの数をカウントし、ユーザ生成コンテンツの数を取得する。対象コンテンツ数取得部205は、コンテンツ数取得部201とは異なり、所定時間におけるユーザ生成コンテンツの数、例えば「13時10分」から「13時11分」の間のユーザ生成コンテンツの数を取得する。この所定時間は、視聴率の推定の対象となる時間である。対象コンテンツ数取得部205は、取得した対象のテレビ番組に関する所定時間におけるユーザ生成コンテンツを、視聴率推定部206、解析部207、出力部208、及び相関表補正部209に出力する。
【0049】
対象コンテンツ数取得部205は、テレビ番組を分類する上での上述の区分ごとに対象のテレビ番組に関する所定時間におけるユーザ生成コンテンツの数を取得してもよい。例えば、対象のテレビ番組の放送局が「A局」、放送番組ジャンルが「バラエティ」、所定時間が「13時10分」から「13時11分」の間である場合、対象コンテンツ数取得部205は、上述のハッシュタグなどを利用して、「13時10分」から「13時11分」の間で放送局が「A局」のテレビ番組に関するつぶやきの数を取得すると共に、「13時10分」から「13時11分」の間で放送番組ジャンルが「バラエティ」のテレビ番組に関するつぶやきの数を取得する。
【0050】
視聴率推定部206は、対象コンテンツ数取得部205によって取得された対象のテレビ番組に関する所定時間におけるユーザ生成コンテンツの数と、記憶部204によって予め記憶された相関表とに基づいて、当該所定時間における当該テレビ番組の視聴率を推定する。
【0051】
例えば、記憶部204によって記憶された相関表が、テレビ番組を分類する上での区分ごとではなく、1つのみ存在し、当該相関表では1分ごとのつぶやきの数と視聴率とが対応付いているとする。また、対象コンテンツ数取得部205によって取得された対象のテレビ番組に関する「13時10分」から「13時11分」の間のつぶやきの数が「100」であるとする。そして、当該相関表においてつぶやきの数「100」には視聴率「11.0%」が対応付いている場合、視聴率推定部206は、当該対象のテレビ番組に関する「13時10分」から「13時11分」の視聴率を「11.0%」であると推定する。
【0052】
なお、記憶部204によって記憶された相関表が、テレビ番組を分類する上での上述の区分ごとに複数存在する場合、視聴率推定部206は、対象コンテンツ数取得部205によって取得された区分ごとの対象のテレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの数と、記憶部204によって記憶された区分ごとの相関表とに基づいて、区分ごとの当該テレビ番組の視聴率を推定する。具体的には、視聴率推定部206は、ある区分について、対象コンテンツ数取得部205によって取得された当該区分のつぶやきの数と、当該区分の相関表とに基づいて、上述の相関表が1つのみ存在する場合の視聴率の推定方法と同様の方法で当該区分の視聴率を推定し、同様に全ての区分について視聴率を推定する。そして、視聴率推定部206は、推定された各区分の視聴率の平均値を計算し、その計算結果を最終的な視聴率として推定する。
【0053】
視聴率推定部206は、ユーザ生成コンテンツの特性、又はテレビ番組の特性に基づいて、対象コンテンツ数取得部205によって取得されたユーザ生成コンテンツの数を補正してもよい。視聴率推定部206によるユーザ生成コンテンツの数の補正方法は、前述の相関表生成部203によるユーザ生成コンテンツの数の補正方法と同様である。なお、視聴率推定部206は、対象コンテンツ数取得部205によって取得されたユーザ生成コンテンツが対象とするテレビ番組が、通常放送番組の場合はユーザ生成コンテンツの数を補正せず、通常放送番組以外の場合はユーザ生成コンテンツの数を補正してもよい。
【0054】
解析部207は、視聴率推定部206が視聴率を推定する上で利用したユーザ生成コンテンツの内容を解析する。解析部207による解析の具体例としては、つぶやきの内容がポジティブであるかネガティブであるかを分離することや、つぶやきの中に含まれる注目されるキーワードなどの数の分布を分析することなどが挙げられる。
【0055】
出力部208は、視聴率推定部206によって推定された視聴率と解析部207による解析結果との何れか一方、あるいは両方を出力する。出力部208は、例えば、視聴率推定部206によって推定された視聴率と解析部207による解析結果との両方を出力することで、ユーザは、単なる視聴率のみでなく視聴率の相関を取りながらつぶやきの内容を分析することができ、ポジティブな反応によるものかネガティブな反応によるものかなど、視聴者の反応をより詳しく把握することが可能となる。また、ユーザは、時事キーワードを扱ったために視聴率が高くなったのか、出演者により高くなったのか、その番組中の何が注目されていたのかなどを推し量る指標を得ることが可能となる。さらに、つぶやきを投稿した視聴者の属性が登録されているユーザ生成コンテンツの場合には、ユーザは、各セグメントの視聴者に対するテレビ番組視聴率や番組内容の反応についても把握することが可能となる。
【0056】
相関表補正部209は、視聴率推定部206によって推定された視聴率と外部装置4によって算出された視聴率との差分に基づいて、記憶部204によって予め記憶された相関表を補正する。具体的には、相関表補正部209は、ある放送局、放送番組ジャンル、放送時間帯、放送エリアについて、視聴率推定部206によって推定された視聴率と外部装置4によって算出された視聴率との差分を記録していく。差分は理想的には0を中心としてプラス・マイナス方向に対称な分布となる。視聴率推定部206によって推定された視聴率の誤りが多くなる場合は中心値が0からずれていくため、相関表補正部209は、相関表に含まれるユーザ生成コンテンツの数について、ずれを補正するために利用される補正値を0に戻す方向に補正する。また分布の幅が広い場合も同様であるが、分布の広がりが補正できない場合には、相関表補正部209は、追加で補正するための補正パラメータを利用してもよい。例えば、相関表補正部209は、出演者による補正パラメータを増やし、人気出演者が登場する場合には相関表に含まれるつぶやきの数を減少する補正を行ってもよい。上述の、視聴率推定部206によって推定された視聴率と外部装置4によって算出された視聴率との差分に基づいた、相関表補正部209による相関表の補正については、外部装置4によって算出されたテレビ番組視聴率とつぶやきの数の変動と相関表の相関率とを測定し、ずれ幅のフィードバックを繰り返し実施することで実現される。
【0057】
本実施形態では、ユーザ生成コンテンツとして短文投稿サイトのつぶやきの数を元に説明を行ったが、他の任意のユーザ生成コンテンツを利用することも可能である。視聴率の推定の論理は、短文投稿サイトの場合と同等の相関表を作成する方法であるが、ユーザ生成コンテンツによってはつぶやきの数のような単純な数ではなく相関の強さや信頼度など別の観点で視聴率との相関を測定する場合もある。この場合、各ユーザ生成コンテンツによって視聴率推定の精度が異なる。そこで、推定精度を測定し、ユーザ生成コンテンツごとに推定される視聴率に重み付けを行う。例えばユーザ生成コンテンツAの信頼度を50、ユーザ生成コンテンツBの信頼度を100とする場合、視聴率の推定値は、ユーザ生成コンテンツA:ユーザ生成コンテンツB=1:2の比率で重み付けして複合視聴率推定値を算出する。これにより視聴率の推定精度を向上させることが可能となる。
【0058】
上述の複合視聴率推定値を算出する際の具体的な構成として、記憶部204は、テレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの種類ごと、具体的には、掲示板・ブログ・動画共有サイト・SNSなどごとに相関表を予め記憶する。対象コンテンツ数取得部205は、対象のテレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの種類ごとにユーザ生成コンテンツの数を取得する。視聴率推定部206は、対象コンテンツ数取得部205によって取得された対象のテレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの種類ごとのユーザ生成コンテンツの数と、記憶部204によって予め記憶された当該テレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの種類ごとの相関表とに基づいて、当該テレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの種類ごとの当該テレビ番組の視聴率を推定する。そして、視聴率推定部206は、推定した当該テレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの種類ごとの当該テレビ番組の視聴率と、当該テレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの種類ごとの重み付けとに基づいて、当該テレビ番組の視聴率を推定する。
【0059】
次に、図7及び8を用いて、本実施形態の視聴率推定システム1による視聴率推定方法の処理について説明する。図7は、視聴率推定方法の処理のうち、相関表を生成する処理を示すシーケンス図であり、図8は、視聴率推定方法の処理のうち、予め記憶された相関表に基づいて視聴率を推定する処理を示すシーケンス図である。
【0060】
最初に、図7のフローチャートについて説明する。まず、コンテンツ数取得部201により、ユーザ生成コンテンツ(UGC)が取得される(ステップS1)。次に、コンテンツ数取得部201により、取得されたユーザ生成コンテンツが対象としているテレビ番組が特定される(ステップS2)。次に、コンテンツ数取得部201により、特定されたテレビ番組ごとのユーザ生成コンテンツの数が取得される(ステップS3)。
【0061】
続いて、視聴率取得部202により、外部装置4から視聴率が取得される(ステップS4)。次に、相関表生成部203により、ステップS1にて取得されたユーザ生成コンテンツの特性解析が行われる(ステップS5)。次に、相関表生成部203により、ステップS2にて特定されたテレビ番組の特性解析が行われる(ステップS6)。次に、相関表生成部203により、ステップS5にて行われたユーザ生成コンテンツの特性解析の結果、及びステップS6にて行われたテレビ番組の特性解析の結果に基づいて、ステップS3にて取得されたユーザ生成コンテンツの数が補正される(ステップS7)。次に、相関表生成部203により、ステップS4にて取得された視聴率と、ステップS7にて補正されたユーザ生成コンテンツの数とに基づいて、相関表が生成される(ステップS8)。次に、記憶部204により、相関表が記憶される(ステップS9、記憶ステップ)。
【0062】
続いて、図8のフローチャートについて説明する。まず、対象コンテンツ数取得部205により、視聴率を推定する対象のテレビ番組に関するユーザ生成コンテンツが取得される(ステップS20)。次に、対象コンテンツ数取得部205により、取得されたユーザ生成コンテンツの数が取得される(ステップS21、対象コンテンツ数取得ステップ)。次に、視聴率推定部206により、ステップS20にて取得されたユーザ生成コンテンツの特性解析が行われる(ステップS22)。次に、視聴率推定部206により、視聴率を推定する対象のテレビ番組の特性解析が行われる(ステップS23)。次に、視聴率推定部206により、ステップS22にて行われたユーザ生成コンテンツの特性解析の結果、及びステップS23にて行われたテレビ番組の特性解析の結果に基づいて、ステップS21にて取得されたユーザ生成コンテンツの数が補正される(ステップS24)。次に、視聴率推定部206により、予め記憶された相関表と、ステップS24にて補正されたユーザ生成コンテンツの数とに基づいて、視聴率が推定される(ステップS25、視聴率推定ステップ)。
【0063】
次に、図9を用いて、上述の複合視聴率推定値の算出方法の処理について説明する。前提条件として、ユーザ生成コンテンツの種類としてユーザ生成コンテンツA及びユーザ生成コンテンツBがサーバ6に蓄積されているとする。まず、視聴率推定装置2により、ユーザ生成コンテンツAに基づいた視聴率が推定される(ステップS40)。次に、視聴率推定装置2により、ユーザ生成コンテンツBに基づいた視聴率が推定される(ステップS41)。なお、ステップS40及びステップS41での視聴率の推定は、上述のステップS20〜ステップS25に示す処理などに従って行われる。次に、視聴率推定部206により、ステップS40にて推定された視聴率、ステップS41にて推定された視聴率、ユーザ生成コンテンツAの重み付け、及びユーザ生成コンテンツBの重み付けに基づいて、視聴率が推定される(ステップS42)。
【0064】
次に、このように構成された視聴率推定装置2の作用効果について説明する。
【0065】
本実施形態の視聴率推定装置2によれば、テレビ番組の視聴者によってネットワーク3上に生成された当該テレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの数と、当該テレビ番組の視聴率との相関表が、記憶部204によって予め記憶される。そして、対象コンテンツ数取得部205によって取得された対象のテレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの数と、記憶部204によって予め記憶された相関表とに基づいて、視聴率推定部206によって当該テレビ番組の視聴率が推定される。かかる構成を採れば、放送中のテレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの数を取得することで、当該テレビ番組の視聴率を迅速に推定することができる。また、例えば、予め記憶された過去の多数のユーザ生成コンテンツの数と視聴率との相関表に基づいて視聴率を推定するため、より正確なテレビ番組の視聴率を推定することができる。
【0066】
また、本実施形態の視聴率推定装置2によれば、記憶部204は、所定時間ごとのユーザ生成コンテンツの数と、所定時間ごとの視聴率との相関表を予め記憶し、対象コンテンツ数取得部205は、所定時間におけるユーザ生成コンテンツの数を取得する、ことが好ましい。また、視聴率推定部206は、対象コンテンツ数取得部205によって取得された対象のテレビ番組に関する所定時間におけるユーザ生成コンテンツの数と、記憶部204によって予め記憶された相関表とに基づいて、当該所定時間における当該テレビ番組の視聴率を推定する、ことが好ましい。かかる構成を採れば、放送中のテレビ番組に関する所定時間におけるユーザ生成コンテンツの数を取得することで、当該所定時間における当該テレビ番組の視聴率を迅速に推定することができる。また、例えば、予め記憶された所定時間ごとの過去の多数のユーザ生成コンテンツの数と所定時間ごとの視聴率との相関表に基づいて視聴率を推定するため、当該所定時間におけるより正確なテレビ番組の視聴率を推定することができる。
【0067】
また、本実施形態の視聴率推定装置2によれば、テレビ番組の視聴者によってネットワーク上に生成された当該テレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの数を取得するコンテンツ数取得部201と、外部装置によって算出されたテレビ番組の視聴率を取得する視聴率取得部202と、コンテンツ数取得部201によって取得されたテレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの数と、視聴率取得部202によって取得されたテレビ番組の視聴率との相関表を生成する相関表生成部203と、を更に備える、ことが好ましい。そして、記憶部204は、相関表生成部203によって生成された相関表を予め記憶する、ことが好ましい。かかる構成を採れば、例えば、過去の多数のユーザ生成コンテンツの数と視聴率とから相関表を生成することができ、その相関表に基づいて視聴率を推定するため、より正確なテレビ番組の視聴率を推定することができる。
【0068】
また、本実施形態の視聴率推定装置2によれば、相関表生成部203は、ユーザ生成コンテンツの特性、又はテレビ番組の特性に基づいて、コンテンツ数取得部201によって取得されたユーザ生成コンテンツの数を補正する、ことが好ましい。かかる構成を採れば、ユーザ生成コンテンツの特性、又はテレビ番組の特性を加味した、より正確なテレビ番組の視聴率を推定することができる。
【0069】
また、本実施形態の視聴率推定装置2によれば、視聴率推定部206は、ユーザ生成コンテンツの特性、又はテレビ番組の特性に基づいて、対象コンテンツ数取得部205によって取得されたユーザ生成コンテンツの数を補正する、ことが好ましい。かかる構成を採れば、ユーザ生成コンテンツの特性、又はテレビ番組の特性を加味した、より正確なテレビ番組の視聴率を推定することができる。
【0070】
また、本実施形態の視聴率推定装置2によれば、視聴率推定部206によって推定された視聴率と外部装置4によって算出された視聴率との差分に基づいて、記憶部204によって予め記憶された相関表を補正する相関表補正部209と、を更に備え、記憶部204は、相関表補正部209によって補正された相関表を記憶する、ことが好ましい。かかる構成を採れば、視聴率推定結果をフィードバックすることで、より精度の高い相関表に補正することができ、それにより、より正確なテレビ番組の視聴率を推定することができる。
【0071】
また、本実施形態の視聴率推定装置2によれば、記憶部204は、テレビ番組を分類する上での区分ごとに相関表を予め記憶し、対象コンテンツ数取得部205は、区分ごとに対象のテレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの数を取得し、視聴率推定部206は、対象コンテンツ数取得部205によって取得された区分ごとの対象のテレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの数と、記憶部204によって予め記憶された区分ごとの相関表とに基づいて、区分ごとの当該テレビ番組の視聴率を推定し、推定した区分ごとの当該テレビ番組の視聴率に基づいて、当該テレビ番組の視聴率を推定する、ことが好ましい。かかる構成を採れば、テレビ番組を分類する上での区分ごとに推定した視聴率に基づいて視聴率を推定するため、より正確なテレビ番組の視聴率を推定することができる。
【0072】
また、本実施形態の視聴率推定装置2によれば、記憶部204は、テレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの種類ごとに相関表を予め記憶し、対象コンテンツ数取得部205は、対象のテレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの種類ごとにユーザ生成コンテンツの数を取得する、ことが好ましい。また、視聴率推定部206は、対象コンテンツ数取得部205によって取得された対象のテレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの種類ごとのユーザ生成コンテンツの数と、記憶部204によって予め記憶された当該テレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの種類ごとの相関表とに基づいて、当該テレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの種類ごとの当該テレビ番組の視聴率を推定する、ことが好ましい。そして、視聴率推定部206は、推定した当該テレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの種類ごとの当該テレビ番組の視聴率と、当該テレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの種類ごとの重み付けとに基づいて、当該テレビ番組の視聴率を推定する、ことが好ましい。かかる構成を採れば、ユーザ生成コンテンツの種類ごとに推定した視聴率とユーザ生成コンテンツの種類ごとの重み付けとに基づいて視聴率を推定するため、より正確なテレビ番組の視聴率を推定することができる。
【0073】
また、本実施形態の視聴率推定装置2によれば、視聴率推定部206が視聴率を推定する上で利用したユーザ生成コンテンツの内容を解析する解析部207と、視聴率推定部206によって推定された視聴率と解析部207による解析結果とを出力する出力部208と、を更に備える、ことが好ましい。かかる構成を採れば、視聴率と共に、ユーザ生成コンテンツの内容の解析結果を出力することができるため、ユーザは視聴者の反応をより詳細に知ることができる。
【符号の説明】
【0074】
1…視聴率推定システム、2…視聴率推定装置、3…ネットワーク、4…外部装置、5…テレビ、6…サーバ、7…パーソナルコンピュータ、201…コンテンツ数取得部、202…視聴率取得部、203…相関表生成部、204…記憶部、205…対象コンテンツ数取得部、206…視聴率推定部、207…解析部、208…出力部、209…相関表補正部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビ番組の視聴者によってネットワーク上に生成された当該テレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの数と、当該テレビ番組の視聴率との相関表を予め記憶する記憶手段と、
対象のテレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの数を取得する対象コンテンツ数取得手段と、
前記対象コンテンツ数取得手段によって取得された対象のテレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの数と、前記記憶手段によって予め記憶された相関表とに基づいて、当該テレビ番組の視聴率を推定する視聴率推定手段と、
を備える視聴率推定装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、所定時間ごとのユーザ生成コンテンツの数と、所定時間ごとの視聴率との相関表を予め記憶し、
前記対象コンテンツ数取得手段は、所定時間におけるユーザ生成コンテンツの数を取得し、
前記視聴率推定手段は、前記対象コンテンツ数取得手段によって取得された対象のテレビ番組に関する所定時間におけるユーザ生成コンテンツの数と、前記記憶手段によって予め記憶された相関表とに基づいて、当該所定時間における当該テレビ番組の視聴率を推定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の視聴率推定装置。
【請求項3】
テレビ番組の視聴者によってネットワーク上に生成された当該テレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの数を取得するコンテンツ数取得手段と、
外部装置によって算出されたテレビ番組の視聴率を取得する視聴率取得手段と、
前記コンテンツ数取得手段によって取得されたテレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの数と、前記視聴率取得手段によって取得されたテレビ番組の視聴率との相関表を生成する相関表生成手段と、
を更に備え、
前記記憶手段は、前記相関表生成手段によって生成された相関表を予め記憶する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の視聴率推定装置。
【請求項4】
前記相関表生成手段は、ユーザ生成コンテンツの特性、又はテレビ番組の特性に基づいて、前記コンテンツ数取得手段によって取得されたユーザ生成コンテンツの数を補正する、
ことを特徴とする請求項3に記載の視聴率推定装置。
【請求項5】
前記視聴率推定手段は、ユーザ生成コンテンツの特性、又はテレビ番組の特性に基づいて、前記対象コンテンツ数取得手段によって取得されたユーザ生成コンテンツの数を補正する、
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の視聴率推定装置。
【請求項6】
前記視聴率推定手段によって推定された視聴率と外部装置によって算出された視聴率との差分に基づいて、前記記憶手段によって予め記憶された相関表を補正する相関表補正手段と、
を更に備え、
前記記憶手段は、前記相関表補正手段によって補正された相関表を記憶する、
ことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の視聴率推定装置。
【請求項7】
前記記憶手段は、テレビ番組を分類する上での区分ごとに相関表を予め記憶し、
前記対象コンテンツ数取得手段は、前記区分ごとに対象のテレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの数を取得し、
前記視聴率推定手段は、前記対象コンテンツ数取得手段によって取得された前記区分ごとの対象のテレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの数と、前記記憶手段によって予め記憶された前記区分ごとの相関表とに基づいて、前記区分ごとの当該テレビ番組の視聴率を推定し、推定した前記区分ごとの当該テレビ番組の視聴率に基づいて、当該テレビ番組の視聴率を推定する、
ことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の視聴率推定装置。
【請求項8】
前記記憶手段は、テレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの種類ごとに相関表を予め記憶し、
前記対象コンテンツ数取得手段は、対象のテレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの種類ごとにユーザ生成コンテンツの数を取得し、
前記視聴率推定手段は、前記対象コンテンツ数取得手段によって取得された対象のテレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの種類ごとのユーザ生成コンテンツの数と、前記記憶手段によって予め記憶された当該テレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの種類ごとの相関表とに基づいて、当該テレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの種類ごとの当該テレビ番組の視聴率を推定し、推定した当該テレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの種類ごとの当該テレビ番組の視聴率と、当該テレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの種類ごとの重み付けとに基づいて、当該テレビ番組の視聴率を推定する、
ことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の視聴率推定装置。
【請求項9】
前記視聴率推定手段が視聴率を推定する上で利用したユーザ生成コンテンツの内容を解析する解析手段と、
前記視聴率推定手段によって推定された視聴率と前記解析手段による解析結果とを出力する出力手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の視聴率推定装置。
【請求項10】
視聴率推定装置による視聴率推定方法であって、
前記視聴率推定装置の記憶手段が、テレビ番組の視聴者によってネットワーク上に生成された当該テレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの数と、当該テレビ番組の視聴率との相関表を予め記憶する記憶ステップと、
前記視聴率推定装置の対象コンテンツ数取得手段が、対象のテレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの数を取得する対象コンテンツ数取得ステップと、
前記視聴率推定装置の視聴率推定手段が、前記対象コンテンツ数取得ステップにおいて取得された対象のテレビ番組に関するユーザ生成コンテンツの数と、前記記憶ステップにおいて予め記憶された相関表とに基づいて、当該テレビ番組の視聴率を推定する視聴率推定ステップと、
を含む視聴率推定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−21661(P2013−21661A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−155936(P2011−155936)
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】