説明

視聴調査システム

【課題】ユーザ端末の種類或いはユーザ端末に設けられるアプリケーションの種類に依存せずに、サイト識別情報及びユーザ識別情報を抽出することを可能とする視聴調査システムを提供する。
【解決手段】視聴率調査システム100は、通信路設定サーバ20と、プロキシサーバ30と、情報生成サーバ40とを備える。通信路設定サーバ20は、携帯端末10の認証手順において、ユーザ識別情報を抽出する。プロキシサーバ30は、通信路設定サーバ20を介して携帯端末10から受信する情報に基づいて、サイト識別情報を抽出する。通信路設定サーバ20によって抽出されたユーザ識別情報及びプロキシサーバ30によって抽出されたサイト識別情報は、情報生成サーバ40に格納される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイト識別情報及びユーザ識別情報を抽出する視聴調査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ウェブサイトの視聴を検出する様々な技術が提案されている(例えば、特許文献1)。例えば、プロキシサーバがユーザ端末を認証する際に、ユーザがアクセスしようとするウェブサイトを識別するサイト識別情報及びユーザを識別するユーザ識別情報をプロキシサーバが抽出する技術が考えられる。或いは、ユーザ端末がアクセスする単純なプロキシサーバが情報を中継する際に、サイト識別情報及びユーザ識別情報をプロキシサーバが抽出する技術が考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−53812号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、近年では、様々なユーザ端末が流通しており、ユーザ端末の種類或いはユーザ端末に設けられるアプリケーションの種類によっては、プロキシ方式がサポートされていないことも考えられる。また、プロキシの設定自体がサポートされていないことも考えられる。
【0005】
従って、上述した技術では、サイト識別情報及びユーザ識別情報を抽出することができない場合があった。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、ユーザ端末の種類或いはユーザ端末に設けられるアプリケーションの種類に依存せずに、サイト識別情報及びユーザ識別情報を抽出することを可能とする視聴調査システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の特徴に係る視聴調査システムは、ユーザがユーザ端末を用いてアクセスしようとするウェブサイトを識別するサイト識別情報及び前記ユーザを識別するユーザ識別情報を抽出する。視聴調査システムは、前記ユーザ端末を認証することによって、前記ユーザ端末との間でセキュアな仮想通信路を設定する通信路設定サーバと、前記通信路設定サーバからのアクセスのみを許可するプロキシサーバと、前記サイト識別情報及び前記ユーザ識別情報を対応付ける情報を格納する格納部とを備える。前記通信路設定サーバは、前記ユーザ端末の認証手順において、前記ユーザ識別情報を抽出する。前記プロキシサーバは、前記通信路設定サーバを介して前記ユーザ端末から受信する情報に基づいて、前記サイト識別情報を抽出する。前記通信路設定サーバによって抽出された前記ユーザ識別情報及び前記プロキシサーバによって抽出された前記サイト識別情報は、前記格納部に格納される。
【0008】
第1の特徴において、前記ユーザ端末がプロキシ方式に対応していない場合において、前記プロキシサーバは、前記通信路設定サーバを介して前記ユーザ端末から受信する情報を透過的に中継する透過中継サーバとして機能する。
【0009】
第1の特徴において、前記通信路設定サーバから前記プロキシサーバに送信される情報には、前記ユーザ端末を一意に識別する端末識別情報が付与される。前記通信路設定サーバは、前記ユーザ端末の認証手順において、前記端末識別情報とともに前記ユーザ識別情報を抽出する。前記プロキシサーバは、前記通信路設定サーバを介して前記ユーザ端末から受信する情報に基づいて、前記端末識別情報とともに前記サイト識別情報を抽出する。前記通信路設定サーバによって抽出された前記ユーザ識別情報及び前記プロキシサーバによって抽出された前記サイト識別情報は、前記端末識別情報に基づいて対応付けられる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザ端末の種類或いはユーザ端末に設けられるアプリケーションの種類に依存せずに、サイト識別情報及びユーザ識別情報を抽出することを可能とする視聴調査システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、第1実施形態に係る視聴率調査システム100を示す図である。
【図2】図2は、第1実施形態に係る情報生成サーバ40を示す図である。
【図3】図3は、第1実施形態に係る格納部44に格納される情報を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下において、本発明の実施形態に係る視聴調査システムについて、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0013】
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0014】
[実施形態の概要]
実施形態に係る視聴調査システムは、ユーザがユーザ端末を用いてアクセスしようとするウェブサイトを識別するサイト識別情報及び前記ユーザを識別するユーザ識別情報を抽出する。視聴調査システムは、前記ユーザ端末を認証することによって、前記ユーザ端末との間でセキュアな仮想通信路を設定する通信路設定サーバと、前記通信路設定サーバからのアクセスのみを許可するプロキシサーバと、前記サイト識別情報及び前記ユーザ識別情報を対応付ける情報を格納する格納部とを備える。前記通信路設定サーバは、前記ユーザ端末の認証手順において、前記ユーザ識別情報を抽出する。前記プロキシサーバは、前記通信路設定サーバを介して前記ユーザ端末から受信する情報に基づいて、前記サイト識別情報を抽出する。前記通信路設定サーバによって抽出された前記ユーザ識別情報及び前記プロキシサーバによって抽出された前記サイト識別情報は、前記格納部に格納される。
【0015】
実施形態では、ユーザ端末とプロキシサーバとの間に通信路設定サーバが介在しているため、ユーザ端末がプロキシ方式に対応していなくても、サイト識別情報及びユーザ識別情報を抽出することができる。
【0016】
[第1実施形態]
(視聴調査システム)
以下において、第1実施形態に係る視聴調査システムについて説明する。図1は、第1実施形態に係る視聴率調査システム100を示す図である。
【0017】
図1に示すように、視聴率調査システム100は、携帯端末10と、通信路設定サーバ20と、プロキシサーバ30と、情報生成サーバ40と、ネットワーク50とを有する。
【0018】
携帯端末10は、OS(Operation System)やOS上で動作する様々なアプリケーションを有するユーザ端末の一例である。携帯端末10は、無線通信を行う機能を有する。無線通信は、移動体通信網に接続する通信であってもよく、無線LANに接続する通信であってもよい。
【0019】
ここで、携帯端末10がプロキシサーバ30に直接的に接続する機能を有していないケースが存在する。すなわち、携帯端末10がプロキシ方式に対応していないケースが存在する。
【0020】
第1実施形態では、ユーザが携帯端末10を用いてウェブサイトにアクセスするケースについて主として説明する。
【0021】
従って、携帯端末10は、通信路設定サーバ20に対して、ユーザがアクセスしようとするウェブサイトを識別するサイト識別情報を送信する。また、携帯端末10と通信路設定サーバ20との間でセキュアな通信路が設定されるため、携帯端末10は、通信路設定サーバ20に対して、ユーザを識別するユーザ識別情報を送信する。
【0022】
通信路設定サーバ20は、携帯端末10を認証することによって、携帯端末10と通信路設定サーバ20との間にセキュアな仮想通信路を設定する。すなわち、通信路設定サーバ20は、携帯端末10と通信路設定サーバ20との間にVPN(Vertual Private Network)を設定するVPNサーバである。
【0023】
ここで、VPNの設定における携帯端末10の認証は、携帯端末10の種類或いは携帯端末10に設けられるアプリケーションの種類に依存しないことに留意すべきである。すなわち、携帯端末10の種類或いは携帯端末10に設けられるアプリケーションの種類とは関係なく、VPNの設定を行うことが可能である。
【0024】
詳細には、通信路設定サーバ20は、携帯端末10の認証手順において、携帯端末10を利用するユーザを一意に識別するユーザ識別情報(例えば、予め登録されたユーザID)を携帯端末10から取得する。また、通信路設定サーバ20は、携帯端末10の認証手順において、ユーザ識別情報に加えて、携帯端末10を一意に識別する端末識別情報(例えば、IPアドレス)や携帯端末10が通信を開始する時刻を示す時刻情報などを携帯端末10から取得する。なお、端末識別情報は、恒久的なグローバルIPアドレスであってもよく、動的に割当てられるプライベートIPアドレスであってもよい。或いは、端末識別情報は、他の識別情報であってもよい。
【0025】
第1実施形態において、通信路設定サーバ20は、携帯端末10の認証手順において、少なくともユーザ識別情報を抽出する。通信路設定サーバ20は、携帯端末10の認証手順において、ユーザ識別情報に加えて、端末識別情報又は時刻情報を抽出してもよい。通信路設定サーバ20は、抽出された情報を情報生成サーバ40に送信する。
【0026】
プロキシサーバ30は、携帯端末10から通信路設定サーバ20を経由して送信される情報をネットワーク50に中継する。また、プロキシサーバ30は、通信路設定サーバ20からのアクセスのみを許可する。
【0027】
ここで、プロキシサーバ30は、携帯端末10がプロキシ方式に対応している場合に、携帯端末10の代理としてウェブサイトにアクセスするプロキシサーバとして機能する。
【0028】
一方で、プロキシサーバ30は、携帯端末10がプロキシ方式に対応していない場合において、通信路設定サーバ20を介して携帯端末10から受信する情報を透過的に中継する透過中継サーバとして機能する。
【0029】
第1実施形態において、プロキシサーバ30は、通信路設定サーバ20を介して携帯端末10から受信する情報に基づいて、サイト識別情報を抽出する。すなわち、プロキシサーバ30は、通信路設定サーバ20を介して携帯端末10から受信する情報に含まれるサイト識別情報を抽出する。プロキシサーバ30は、通信路設定サーバ20を介して携帯端末10から受信する情報に基づいて、サイト識別情報に加えて、端末識別情報又は時刻情報を抽出してもよい。プロキシサーバ30は、抽出された情報を情報生成サーバ40に送信する。
【0030】
情報生成サーバ40は、視聴率情報を生成する。具体的には、情報生成サーバ40は、通信路設定サーバ20によって抽出されたユーザ識別情報とプロキシサーバ30によって抽出されたサイト識別情報とを対応付ける視聴率情報を生成する。情報生成サーバ40の詳細については後述する(図2を参照)。
【0031】
ネットワーク50は、様々なウェブサイトに接続されたネットワークである。ネットワーク50は、例えば、IP通信網である。
【0032】
(情報生成サーバ)
以下において、第1実施形態に係る情報生成サーバについて説明する。図2は、第1実施形態に係る情報生成サーバ40を示す図である。
【0033】
図2に示すように、情報生成サーバ40は、第1取得部41と、第2取得部42と、マッピング部43と、格納部44とを有する。
【0034】
第1取得部41は、通信路設定サーバ20によって抽出された情報を取得する。具体的には、第1取得部41は、少なくともユーザ識別情報を通信路設定サーバ20から取得する。また、第1取得部41は、ユーザ識別情報に加えて、端末識別情報又は時刻情報を通信路設定サーバ20からしてもよい。
【0035】
第2取得部42は、プロキシサーバ30によって抽出された情報を取得する。具体的には、第2取得部42は、少なくともサイト識別情報をプロキシサーバ30から取得する。また、第2取得部42は、サイト識別情報に加えて、端末識別情報又は時刻情報をプロキシサーバ30からしてもよい。
【0036】
マッピング部43は、第1取得部41によって取得された情報と第2取得部42によって取得された情報とを対応付ける。具体的には、マッピング部43は、ユーザ識別情報とサイト識別情報とを少なくとも対応付ける。
【0037】
例えば、マッピング部43は、第1取得部41及び第2取得部42によって端末識別情報(例えば、IPアドレス)が取得された場合には、端末識別情報に基づいて、ユーザ識別情報とサイト識別情報とを対応づけてもよい。詳細には、マッピング部43は、ユーザ識別情報とともに取得された端末識別情報と同一の端末識別情報とともに取得されたサイト識別情報をユーザ識別情報と対応付ける。
【0038】
或いは、マッピング部43は、第1取得部41及び第2取得部42によって時刻情報が取得された場合には、時刻情報に基づいて、ユーザ識別情報とサイト識別情報とを対応づけてもよい。詳細には、マッピング部43は、ユーザ識別情報とともに取得された時刻情報と同一の時刻情報とともに取得されたサイト識別情報をユーザ識別情報と対応付ける。
【0039】
格納部44は、マッピング部43によって対応付けられた情報を格納する。具体的には、格納部44は、図3に示すように、ユーザ識別情報、サイト識別情報及び端末識別情報(例えば、IPアドレス)を対応付ける情報を格納する。格納部44は、図3に示す情報に加えて、時刻情報を格納していてもよい。
【0040】
(作用及び効果)
第1実施形態では、携帯端末10とプロキシサーバ30との間に通信路設定サーバ20が介在しているため、携帯端末10がプロキシ方式に対応していなくても、サイト識別情報及びユーザ識別情報を抽出することができる。
【0041】
第1実施形態では、プロキシサーバ30が通信路設定サーバ20からのアクセスのみを許可するため、セキュリティが保たれる。
【0042】
第1実施形態では、通信路設定サーバ20が携帯端末10の認証を行うため、携帯端末10が行う無線通信の種別を問わずに、サイト識別情報及びユーザ識別情報を抽出することができる。
【0043】
第1実施形態では、携帯端末10とプロキシサーバ30との間に通信路設定サーバ20が介在するに過ぎないため、新たなソフトウェアを携帯端末10にインストールする必要がない。
【0044】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0045】
実施形態では、情報生成サーバ40は、端末識別情報或いは時刻情報に基づいて、サイト識別情報及びユーザ識別情報を対応付けるケースを例示した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。具体的には、情報生成サーバ40は、ユーザ識別情報が抽出されてから所定時間以内に抽出されたサイト識別情報をユーザ識別情報と対応付けてもよい。言い換えると、情報生成サーバ40は、ユーザ識別情報が取得されてから所定時間以内に取得されたサイト識別情報をユーザ識別情報と対応付けてもよい。
【0046】
実施形態では、ユーザ識別情報は、携帯端末10を利用するユーザを一意に識別する情報である。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。ユーザ識別情報は、携帯端末10を一意に識別することができればよい。例えば、携帯端末10を利用するユーザが一人であるようなケースでは、ユーザ識別情報は、携帯端末10を一意に識別することができればよい。
【符号の説明】
【0047】
10…携帯端末、20…通信路設定サーバ、30…プロキシサーバ、40…情報生成サーバ、41…第1取得部、42…第2取得部、43…マッピング部、44…格納部、50…ネットワーク、100…視聴調査システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザがユーザ端末を用いてアクセスしようとするウェブサイトを識別するサイト識別情報及び前記ユーザを識別するユーザ識別情報を抽出する視聴調査システムであって、
前記ユーザ端末を認証することによって、前記ユーザ端末との間でセキュアな仮想通信路を設定する通信路設定サーバと、
前記通信路設定サーバからのアクセスのみを許可するプロキシサーバと、
前記サイト識別情報及び前記ユーザ識別情報を対応付ける情報を格納する格納部とを備え、
前記通信路設定サーバは、前記ユーザ端末の認証手順において、前記ユーザ識別情報を抽出し、
前記プロキシサーバは、前記通信路設定サーバを介して前記ユーザ端末から受信する情報に基づいて、前記サイト識別情報を抽出し、
前記通信路設定サーバによって抽出された前記ユーザ識別情報及び前記プロキシサーバによって抽出された前記サイト識別情報は、前記格納部に格納されることを特徴とする視聴調査システム。
【請求項2】
前記ユーザ端末がプロキシ方式に対応していない場合において、
前記プロキシサーバは、前記通信路設定サーバを介して前記ユーザ端末から受信する情報を透過的に中継する透過中継サーバとして機能することを特徴とする請求項1に記載の視聴調査システム。
【請求項3】
前記通信路設定サーバから前記プロキシサーバに送信される情報には、前記ユーザ端末を識別する端末識別情報が付与されており、
前記通信路設定サーバは、前記ユーザ端末の認証手順において、前記端末識別情報とともに前記ユーザ識別情報を抽出し、
前記プロキシサーバは、前記通信路設定サーバを介して前記ユーザ端末から受信する情報に基づいて、前記端末識別情報とともに前記サイト識別情報を抽出し、
前記通信路設定サーバによって抽出された前記ユーザ識別情報及び前記プロキシサーバによって抽出された前記サイト識別情報は、前記端末識別情報に基づいて対応付けられることを特徴とする請求項1に記載の視聴調査システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−12011(P2013−12011A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143906(P2011−143906)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(591101434)株式会社ビデオリサーチ (52)
【Fターム(参考)】