説明

視覚障害者支援システムおよび視覚障害者支援方法

【課題】視覚障害を有するアクセス者に対して、常に判読可能な表示情報を提供する。
【解決手段】ネットワークを通じて接続されるサーバ装置と端末装置とからなる視覚障害者支援システムである。サーバ装置は、視覚障害内容を判定するための質問に対する端末装置の使用者からの回答に基づき、使用者の視覚障害内容を判定し、判定した視覚障害を有する使用者が判読できる表示仕様を選定するための情報を、使用者の識別情報と対応付けて記憶部に保持する。端末装置から、使用者の識別情報と共に表示情報の提供要求を受けたときに、記憶部に使用者の識別情報に対応付けられて記憶保持されている情報に基づく表示仕様で、提供要求された表示情報をネットワークを通じて端末装置に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、色盲、色弱や弱視、老眼などの視覚障害のある方(視覚障害者)に対して、表示情報や印刷物などを判読可能に提供するための視覚障害者支援システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットを通じて検索サイトにアクセスして、例えば飲食店や書店、家具屋などを検索することができ、その際に、それらの店舗への案内地図をも取得することができるようになっている。そして、案内地図は、印刷することも可能である。
【0003】
しかし、検索サイトから送られてくるWebページや案内地図などは、一般的に文字情報を含むカラー表示画像となっているが、その配色や文字の大きさなどは、視覚障害のない健常者を対象として定められたものとなっている。
【0004】
このため、色盲、色弱の方、視力が弱い弱視の方、小さい文字が見えにくい老眼の方などの視覚障害者に取っては、取得した案内地図が判読し辛く、地図使用をあきらめてしまっている人もいる。さらには、検索サイトのWebページからして判読し辛い視覚障害者の方もいる。
【0005】
従来、印刷された地図に関する技術であるが、例えば特許文献1(特開2004−361857号公報)や特許文献2(特開2005−115065号公報)など、視覚障害者の方を考慮した発明が提案されている。これらの特許文献1の発明は、地図を印刷する際に、色覚障害を招く可能性がある色彩および特定の情報は、色覚障害の有無に係わりなく地図内容を認識可能な色彩および特定情報に変換して印刷するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−361857号公報
【特許文献2】特開2005−115065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1,2のように、地図内容等の提供情報を、色覚障害の有無に係わりなく認識可能な色彩および特定情報に変換したものに統一してしまうという方法を用いることにより、視覚障害者が提供情報を判読することができるようにすることが考えられる。
【0008】
しかしながら、視覚障害の種別には、上述したように、色盲、色弱、弱視、老眼など様々なものがあり、同じ視覚障害の種別、例えば色盲や色弱などの色覚障害にも、青が見えにくい、赤が見えにくい、緑が見えにくいなど、その障害内容は様々である。しかし、提供情報を、色覚障害の有無に係わりなく認識可能な色彩および特定情報に変換したものに統一してしまうという方法を用いる場合には、配色やデザインなどをできるだけ、元のものを残しつつ、障害内容に応じて、視覚障害者が判読可能な提供情報を提供することができないという問題がある。
【0009】
この発明は、上記の問題を解決できる視覚障害者支援システムおよび方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、請求項の発明は、
ネットワークを通じて接続されるサーバ装置と端末装置とからなる視覚障害者支援システムであって、
前記サーバ装置は、
視覚障害を有する使用者が判読できる表示仕様を選定するための情報を、前記使用者の識別情報と対応付けて保持する記憶手段と、
前記端末装置から、前記識別情報と共に表示情報の提供要求を受けたときに、前記記憶手段に前記識別情報に対応付けられている情報に基づく前記表示仕様で前記提供要求された表示情報を前記ネットワークを通じて前記端末装置に送信する表示情報提供手段と、
を備え、
前記端末装置は、
前記識別情報と共に表示情報の提供要求を前記ネットワークを通じて前記サーバ装置に送信する送信手段と、
前記表示情報を受信して表示画面に表示する表示手段と、
を備える視覚障害者支援システムを提供する。
【0011】
この請求項1の発明においては、サーバ装置は、視覚障害を有する使用者が判読できる表示仕様を選定するための情報を、使用者の識別情報と対応付けて保持している。
【0012】
そして、サーバ装置は、端末装置から使用者の識別情報と共に表示情報の提供要求を受け取ると、使用者の識別情報に対応付けられて記憶保持されている表示仕様を選定するための情報を参照して、表示情報の提供要求を送ってきた使用者が判読することができる表示仕様を定め、その表示仕様で、提供要求された表示情報をネットワークを通じて端末装置に送信する。
【0013】
したがって、使用者が視覚障害を有していても、その使用者の視覚障害に応じた表示情報がサーバ装置から端末装置に送られ、使用者は、受信した表示情報を常に判読可能となる。
【0014】
また、請求項2の発明は、
ネットワークを通じて接続される第1のサーバ装置と第2のサーバ装置と端末装置とからなる視覚障害者支援システムであって、
前記第1のサーバ装置は、
視覚障害を有する使用者が判読できる表示仕様を選定するための情報を、前記使用者の識別情報と共に第2のサーバ装置に送信する視覚障害者情報送信手段と、
前記第2のサーバ装置にアクセスするための情報を、前記使用者の端末装置に送信するアクセス情報報知手段と、
を備え、
前記第2のサーバ装置は、
前記第1のサーバ装置から送られてくる、前記使用者の識別情報と前記表示仕様を選定するための情報とを対応付けて保持する記憶手段と、
前記端末装置から、前記識別情報と共に表示情報の提供要求を受けたときに、前記記憶手段に前記識別情報に対応付けられている情報に基づく前記表示仕様で前記提供要求された表示情報を前記ネットワークを通じて前記端末装置に送信する表示情報提供手段と、
を備え、
前記端末装置は、
前記第1のサーバ装置から受信した前記第2のサーバ装置にアクセスするための情報を受信して保持する手段と、
前記第2のサーバ装置にアクセスするための情報を用いて、前記識別情報と共に表示情報の提供要求を、前記ネットワークを通じて前記第2のサーバ装置に送信する送信手段と、
前記表示情報の提供要求に対して前記第2のサーバ装置から送られてくる表示情報を受信して表示画面に表示する表示手段と、
を備える視覚障害者支援システムを提供する。
【0015】
この請求項2の発明の場合には、第1のサーバ装置は、視覚障害属性を有する使用者が判読できる表示仕様を選定するための情報を、使用者の識別情報と共に第2のサーバ装置に送信する。また、第1のサーバ装置は、第2のサーバ装置にアクセスするための情報を端末装置に送信し、使用者が第2のサーバ装置にアクセスして表示情報の提供サービスを依頼できるようにする。
【0016】
一方、第2のサーバ装置は、第1のサーバ装置から送られてくる、使用者の識別情報と表示仕様を選定するための情報とを対応付けて保持する。そして、第2のサーバ装置は、端末装置から、使用者の識別情報と共に表示情報の提供要求を受けたときに、使用者の識別情報に対応付けられて記憶保持されている表示仕様を選定するための情報を参照して、表示情報の提供要求を送ってきた使用者が判読することができる表示仕様を定め、その表示仕様で、提供要求された表示情報をネットワークを通じて端末装置に送信する。
【0017】
この請求項2の発明においても、請求項1の発明と同様にして、使用者が視覚障害を有していても、その使用者の視覚障害に応じた表示情報が第2のサーバ装置から端末装置に送られ、使用者は、受信した表示情報を判読可能となる。
【0018】
そして、この請求項2の発明においては、表示情報の提供サービスを行う第2のサーバ装置が複数存在する場合においても、第1のサーバ装置が、それらの複数の第2のサーバ装置にそれぞれに、各使用者の視覚障害に応じて選定される表示仕様を選定するための情報を、使用者の識別情報と共に送り、各第2のサーバ装置は、受信した情報を記憶部に記憶するだけで良い。
【0019】
なお、使用者が判読できる表示仕様を選定するための情報には、視覚障害内容の情報であっても良いし、当該視覚障害内容に基づき選定された表示仕様を示す情報であっても良い。
【発明の効果】
【0020】
この発明によれば、使用者の視覚障害に応じた表示仕様の表示情報がサーバ装置から端末装置に送られる。このため、視覚障害を有する使用者は、自分が有する視覚障害内容に応じた表示仕様であって、判読可能の表示情報を観視することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】この発明による視覚障害者支援システムの第1の実施形態の全体の構成例を示す図である。
【図2】第1の実施形態を構成する視覚障害登録サーバの構成例を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態における要部を説明するために用いる図である。
【図4】この発明による視覚障害者支援システムの第1の実施形態の処理動作の流れを説明するためのシーケンス図である。
【図5】この発明による視覚障害者支援システムの第1の実施形態の処理動作の流れを説明するためのシーケンス図である。
【図6】この発明による視覚障害者支援システムの第1の実施形態におけるサービス情報提供サーバの一例のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図7】図6のサービス情報提供サーバの一例を説明するために用いる図である。
【図8】図6のサービス情報提供サーバの一例を説明するために用いる図である。
【図9】図6のサービス情報提供サーバにおける端末装置からのアクセスを受信したときの動作の一例の流れを示すフローチャートの一部を示す図である。
【図10】図6のサービス情報提供サーバにおける端末装置からのアクセスを受信したときの動作の一例の流れを示すフローチャートの一部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[第1の実施形態]
図1は、この発明による視覚障害支援システムの第1の実施形態の全体の概要を示す構成図である。この第1の実施形態においては、インターネットや携帯電話網などの通信網を含むネットワーク1に対して、視覚障害登録サイト2が接続されて設けられる。そして、ネットワーク1には、種々の表示情報を提供するサービス情報提供サイト3が接続されている。
【0023】
サービス情報提供サイト3は、特定の情報を提供サービスするサイトであっても良いし、例えば飲食店情報、ショッピング情報、ニュース、天気などの各種の情報を提供することが可能である検索サイトであっても良い。図1において、ネットワーク1に接続して示した地図情報提供サイト4は、特定の情報を提供サービスするサービス情報提供サイトの一例であり、要求された場所周辺や地域の地図情報を提供サービスする。
【0024】
この実施形態では、サービス情報提供サイト3および地図情報提供サイト4は、図1において、点線で接続して示したように、視覚障害登録サイト2と、視覚障害者支援サービスについて提携契約をしており、後述するように、通常の構成に加えて視覚障害者支援のための構成を備えている。なお、以下の説明において、視覚障害登録サーバ2と提携契約しているサービス情報提供サイトを提携サイトと称することとする。
【0025】
また、ネットワーク1には、ラップトップパソコン5、デスクトップパソコン6、携帯電話端末7やパッド型端末8などの端末装置が接続されている。これらの端末装置は、ネットワーク1を通じてサイト2,3,4のそれぞれにアクセスすることが可能であり、当該サイトから取得したWebページをディスプレイ画面に表示するためのブラウザ機能を備えている。
【0026】
また、この実施形態では、各端末装置5〜8は、音響再生手段としてのスピーカと、使用者の音声を収音するマイクロホンとを備えている。
【0027】
この実施形態では、視覚障害を有する端末装置の使用者は、視覚障害登録サーバ2に対してパソコン5や6、携帯電話端末7、パッド型端末8などの端末装置を用いてネットワーク1を通じてアクセスし、自分の識別情報(以下、識別情報はIDという)およびパスワードを登録した後、自分の視覚障害についての登録要求を行う。
【0028】
この登録要求を受けた視覚障害登録サイト2は、登録要求してきた使用者の端末装置に対して、視覚障害内容を判定するための質問の音声情報を送信し、その回答の情報を使用者の端末装置から受ける。そして、視覚障害登録サイト2は、使用者からの回答に基づいて、当該使用者の視覚障害内容を判定し、その使用者が判読可能となる表示仕様を選定するための情報を生成する。
【0029】
なお、前述もしたように、視覚障害内容とは、例えば、色盲や色弱などの同じ視覚障害の種別である色覚障害の種別であっても、青が見えにくい、赤が見えにくい、緑が見えにくいなどのような障害の内容(障害の程度も含む)を意味しており、以下の説明においては、この視覚障害内容を、視覚障害属性と呼ぶことにする。
【0030】
視覚障害登録が完了すると、視覚障害登録サーバ2は、その使用者のIDおよびパスワードと、当該使用者が判読可能となる表示仕様を選定するための情報を、提携サイト3,4に送る。
【0031】
提携サイト3,4は、視覚障害登録サーバ2から受け取った使用者のIDおよびパスワードと、当該使用者が判読可能となる表示仕様を選定するための情報とを対応付けて、記憶部に格納する。そして、提携サイト3,4は、使用者が端末装置を用いて、ネットワーク1を通じて自サイト3,4にアクセスしてきたとき、IDおよびパスワードにより使用者の確認を行う。そして、当該使用者に提供する表示情報(Webページを含む)の表示仕様を、確認した使用者のIDに対応付けて記憶している表示仕様を選定するための情報を用いて選定し、その表示仕様で表示情報の提供を行う。
【0032】
ここで、「使用者が判読可能となる表示仕様を選定するための情報」は、判定した視覚障害属性を示す情報そのものであっても良いし、使用者が判読可能となる表示仕様を示す情報であっても良い。ただし、前者の場合には、提携サイト3,4では、受け取った視覚障害属性の情報から、その視覚障害属性を有する使用者が判読可能となる表示仕様を選定する手段を備える必要がある。後者の場合には、その必要はない。
【0033】
また、視覚障害登録サーバ2は、上述のようにして視覚障害登録が完了したときには、視覚障害登録要求してきた使用者の端末装置に、提携サイト3,4にアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)を送信する。この実施形態では、視覚障害登録サーバ2が使用者の端末装置に送信する提携サイト3,4のURLは、視覚障害を有するユーザ専用のURLであって、健常者が当該提携サイト3,4にアクセスする際のURLとは異なるものとしている。
【0034】
そして、視覚障害登録をした使用者が、視覚障害登録サーバ2から受け取ったURLを用いて、端末装置により、ネットワーク1を通じて提携サイト3,4にアクセスする。このアクセスの際には、使用者は視覚障害登録サイト2に登録したIDおよびパスワードを用いる。すると、前述したように、提携サイト3,4からは、使用者が有する視覚障害属性に応じた表示仕様で表示情報が送られてくる。したがって、使用者は、自分が有する視覚障害に係わらず、表示情報を判読可能となる。
【0035】
[視覚障害登録サイト2の視覚障害登録サーバ装置10のハードウエア構成例]
視覚障害登録サイト2には、視覚障害登録サーバ10が設けられる。図2に、視覚障害登録サーバ10のハードウエア構成例を示す。すなわち、視覚障害登録サーバ10は、コンピュータにより構成されている制御部101に対して、システムバス100を通じて、通信インターフェース102と、受信情報処理部103と、音声質問情報発生部104と、視覚障害属性判定部105と、表示仕様選定部106と、視覚障害会員情報記憶部107と、提携サイト記憶部108と、提携サイト連絡情報生成部109とが接続されて構成されている。
【0036】
制御部101を構成するコンピュータの記憶部には、視覚障害登録サーバ10の各種の処理動作を実行するためのソフトウエアプログラムが記憶されている。
【0037】
通信インターフェース102はネットワーク1に接続されており、視覚障害登録サーバ10と、端末装置5〜8との間での通信や提携サイト3,4との間での通信を行うためのインターフェースである。
【0038】
受信情報処理部103は、パソコン5や6、携帯電話端末7、パッド型端末8などの端末装置から送られてくる情報を受信して判別し、その判別結果に従って受信した情報をシステムバス100に接続されている各部に渡す処理をする。受信情報処理部103は、受信情報として端末装置からの視覚障害登録要求情報を受信したときには、登録要求受信手段として働き、登録要求の受信を制御部101に通知すると共に、当該登録要求に含まれる使用者のIDを視覚障害会員情報記憶部107に渡す。また、後述する音声による質問情報に対する回答の情報を受信したときには、この受信情報処理部103は、回答受信手段として働き、受信した回答の情報を視覚障害属性判定部105に渡す。
【0039】
音声質問情報発生部104は、後述するように、視覚障害を有する使用者が視覚障害登録を要求したときに、制御部101の指示制御に基づき、当該使用者がどのような視覚障害を有するかを調査するための音声による質問情報(音声質問情報)を発生する。すなわち、音声質問情報発生部104には、予め定められた複数の音声質問情報が記憶されており、制御部101の制御により、順次に、それら記憶されている音声質問情報を読み出すようにする。
【0040】
この音声質問情報としては、例えば、「あなたは赤色が見えますか?」、「あなたは緑色が見えますか?」、「あなたは青色が見えますか?」、「あなたは小さい文字はみえますか?」・・・などが予め用意されており、順次に読み出されて、端末装置の使用者に提供される。
【0041】
視覚障害属性判定部105は、音声質問情報発生部104からの音声質問情報に対する使用者の回答を解析することにより、当該使用者が有する視覚障害属性を判定する。ここで、視覚障害属性は、視覚障害を特性するために予め定められた属性を意味するものであって、この実施形態では、例えば、色盲、色弱、弱視、老眼などの大まかな属性のみではなく、より精細な属性を判定することができるようにしている。例えば色弱の場合に、赤色のみに弱い場合には色弱(赤)、青色のみに弱い場合には色弱(青)、緑色のみに弱い場合には色弱(緑)、赤色および緑色に弱い場合には色弱(赤緑)・・・などのように判定することができるようにしている。
【0042】
視覚障害属性判定部105は、この例では、予め定められた順序で提供される複数個の音声質問情報に対する回答のパターンのそれぞれと、それぞれのパターンに対応した視覚障害属性との対応テーブルを備える。そして、使用者から視覚障害登録要求を受けた際に、当該使用者に対して与えた音声質問情報に対する回答のパターンから、当該使用者の視覚障害属性を、前記対応テーブルを用いて判定する。そして、視覚障害属性判定部105は、その判定した視覚障害属性を表示仕様選定部106に渡すと共に、視覚障害会員情報記憶部107に渡す。
【0043】
表示仕様選定部106は、この例では、種々の視覚障害属性と、その視覚障害属性を有する使用者が判読可能となる表示仕様との対応テーブルを備えており、受け取った視覚障害属性に基づいて、当該視覚障害属性を有する使用者が判読可能となる提供情報の表示仕様を選定する。そして、表示仕様選定部106は、その選定した表示仕様の情報を視覚障害会員情報記憶部107に渡す。
【0044】
この例では、表示仕様選定部106は、表示仕様として、それぞれの視覚障害属性に応じたCSS(Cascading Style Sheets)仕様を定めて用意しておくようにする。例えば赤色の色弱者には、赤色の文字を黒色に代えたCSS仕様を表示仕様として選定するようにする。また、小さい文字が見えにくい使用者には、文字は拡大した太文字とするCSS仕様を表示仕様として選定するようにする。
【0045】
視覚障害会員情報記憶部107は、制御部101の制御の下に、受信情報処理部103、視覚障害属性判定部105、表示仕様選定部106から送られてくる情報を受けて、視覚障害登録要求してきた視覚障害を有する使用者(会員)毎の情報を、それぞれのIDに対応付けて記憶する。
【0046】
図3は、この視覚障害会員情報記憶部107に記憶される視覚障害会員情報の一例を示す図である。すなわち、図3の例では、使用者がこの例の視覚障害登録サーバ10にアクセスしてくると、サーバ10は、アクセスしてきた使用者に会員番号を付与すると共に、IDおよびパスワードを定めて、それを視覚障害会員情報記憶部107に記憶する。
【0047】
そして、制御部101は、記憶した使用者のIDに対応付けて、視覚障害属性判定部105から送られてくる視覚障害属性の情報と、表示仕様選定部106から送られてくる提供情報の表示仕様の情報とを、この視覚障害会員情報記憶部107に記憶する。CSS−A、CSS−B、CSS−Cは、それぞれ異なるCSSの表示仕様を示している。
【0048】
また、図3の例においては、視覚障害登録をした使用者が利用する利用サイトの情報(例えばURLやサイト名など)が、視覚障害会員情報記憶部107に記憶される。この利用サイトの情報は、後述するように、視覚障害登録サーバ10から紹介された利用サイトの中から、視覚障害登録をした使用者が選定したサイトの情報を示すものである。
【0049】
提携サイト記憶部108は、視覚障害に対応した情報提供サービスについて視覚障害登録サーバ10と提携契約している前述したサービス情報提供サイト3、地図情報提供サイト4などの提携サイトのURLやサイト名、提供する情報サービスの内容、当該提携サイトにアクセスするための専用アプリケーションなどの情報を記憶している。提携サイトは、視覚障害者用に特別の表示仕様のWebページやその他の表示情報を提供可能としている。前述したように、この提携サイト記憶部108に記憶されているURLは、当該提携サイトに健常者がアクセスするためのURLとは異なる、視覚障害者専用のURLとされている。
【0050】
後述するように、制御部101は、視覚障害登録が完了した使用者に対して、利用可能なサービス情報提供サイトを、この提携サイト記憶部108から読み出して紹介する。この紹介を受けた使用者は、自分が利用したいサービス情報提供サイトをその紹介されたものの中から選定して登録することができる。この使用者毎の利用サイトの情報は、前述したように、視覚障害会員情報記憶部107に記憶される。そして、制御部101は、使用者が選定した利用サイトのURLを、この提携サイト記憶部108から読み出して当該使用者の端末装置に対して送信する。
【0051】
提携サイト連絡情報生成部109は、制御部101の制御の下に、使用者が選定した利用サイトに対して送信する、当該使用者のIDおよびパスワードと、その視覚障害属性に応じて表示仕様の情報とを含む連絡情報を生成する。生成された連絡情報は、制御部101の制御により、通信インターフェース102を通じて、使用者が選定した利用サイトに対して送信される。
【0052】
なお、図2において、受信情報処理部103、視覚障害属性判定部105、表示仕様選定部106および提携サイト連絡情報生成部109の処理機能は、制御部101がソフトウエア処理プログラムによるソフトウエア処理機能として実現するようにすることもできる。
【0053】
[視覚障害登録時の動作]
次に、この視覚障害登録システムにおいて、使用者が端末装置から視覚障害登録サイト2に対してアクセスして、視覚障害登録をする場合における処理動作の流れを、図4のシーケンス図を参照しながら説明する。
【0054】
すなわち、使用者は、自分のパソコン5や6、携帯電話端末7、パッド型端末8において、視覚障害登録サーバ10のURLを入力して、ネットワーク1を通じて、視覚障害登録サーバ2にアクセスする。
【0055】
視覚障害登録サーバ10は、受信情報処理部103で、このアクセスを受け付ける。そして、制御部101は、アクセスしてきた使用者に対して、IDおよびパスワードを登録するように依頼するメッセージを送る。このメッセージは、この例では、音声メッセージとして送られる。この音声メッセージによるIDおよびパスワードの登録依頼を受けた使用者は、その端末装置でIDおよびパスワードを入力して、視覚障害登録サーバ10に送信する。
【0056】
視覚障害登録サーバ10は、受信情報処理部103で、このIDおよびパスワードを受信する。そして、制御部101は、そのIDおよびパスワードを、視覚障害会員情報記憶部107に記憶すると共に、提携サイト連絡情報生成部109に供給する。次に、制御部101は、音声質問情報発生部104から、使用者の視覚障害属性を判定するための音声質問情報を読み出して、順次に、使用者の端末装置に送信する。
【0057】
この音声質問情報を受信した端末装置は、そのスピーカにより当該質問音声情報による音声質問メッセージを使用者に提供する。使用者が、音声によりその回答をすると、端末装置は、そのマイクロホンにより当該回答の音声を収音して回答情報を生成し、その回答情報を視覚障害登録サーバ10に送信する。なお、図4では、1個の音声質問に対して1個の回答を返す状態を示しているが、実際的には、複数個の音声質問が1個ずつ、視覚障害登録サーバ10から端末装置に提供される。そして、端末装置からは、それぞれの音声質問に対する回答が視覚障害登録サーバ10に送られる。視覚障害登録サーバ10は、前の音声質問に対する回答を受け取ると次の音声質問を端末装置に送る。以降、視覚障害登録サーバ10と端末装置との間で、質問と回答の授受が繰り返される。
【0058】
そして、前述したように、視覚障害登録サーバ10では、制御部101の制御の下に、視覚障害属性判定部105が、受信した回答に基づいて使用者の視覚障害属性を判定し、その判定結果を視覚障害会員情報記憶部107に供給すると共に、表示仕様選定部106に供給する。視覚障害属性判定部105は、また、この実施形態では、提携サイト連絡情報生成部109にも判定した視覚障害属性を供給する。
【0059】
そして、表示仕様選定部106は、制御部101の制御の下に、判定された視覚障害属性を有する使用者が提供表示情報(Webページ)を判読可能となる表示仕様を選定し、選定した表示仕様の情報を、視覚障害会員情報記憶部107に供給すると共に提供サイト連絡情報生成部109に供給する。
【0060】
次に、制御部101は、表示仕様選定部106で選定された表示仕様で作成した表示情報をサンプルとして、端末装置に送る。この際に、「表示サンプルを送りますので、ご確認ください」という音声メッセージを併せて送信するようにしても良い。
【0061】
この表示サンプルを受信した端末装置は、その表示サンプルをディスプレイ画面に表示する。使用者は、このディスプレイ画面を見て、その表示サンプルが判読可能であるか否か確認し、その確認結果を視覚障害登録サーバ10に送る。
【0062】
視覚障害登録サーバ10の制御部101は、この確認結果がOKであるときには、視覚障害会員情報記憶部107に供給している表示仕様の情報を、使用者のIDに対応付けて記憶する。制御部101は、さらに、提供サイト連絡情報生成部109に、受信情報処理部103から受け取ったIDおよびパスワードと、視覚障害属性判定部105からの視覚障害属性と、表示仕様選定部106からの表示仕様の情報とを対応付けておくように指示する。
【0063】
なお、確認結果がNGであるときには、視覚障害登録サーバ10は、図示は省略するが、上述のシーケンスを音声質問情報の提供から再度、やり直すようにする。
【0064】
そして、表示サンプルの確認結果がOKであることを確認した視覚障害登録サーバ10の制御部101は、次に、提携サイト記憶部10に記憶されている1または複数の提携サイトの情報を読み出し、視覚障害者が利用可能なサイト情報の紹介情報として端末装置に送る。この紹介情報は、前記選定された表示仕様で送られるもので、各提携サイトのサイト名および提供する情報サービスの内容を含む。
【0065】
端末装置は、この提携サイトの一覧情報をディスプレイ画面に表示する。使用者は、そのディスプレイ画面に表示されている提携サイトの一覧から自分が利用したいとして希望する1または複数の提携サイトを選定し、その選定結果を端末装置に入力する。端末装置は、使用者により選定された1または複数の提携サイトのサイト名などの当該提携サイトを特定するための情報(利用サイトの情報)を視覚障害登録サーバ10に送る。
【0066】
視覚障害登録サーバ10では、制御部101は、この端末装置からの利用サイトの情報を通信インターフェース102、受信情報処理部103を通じて受け取る。そして、制御部101は、受け取った利用サイトの情報で指定される提携サイトのURLおよび当該提携サイトにアクセスするための専用アプリケーションを提携サイト記憶部108から読み出して、端末装置に送る。
【0067】
端末装置は、これを受信すると、各利用サイトのURLを記憶すると共に、各利用サイト用の専用アプリケーションをインストールする。そして、端末装置は、使用者がアクセスを開始し易いようにするために、この例では、各利用サイト用のアイコンをデスクトップに表示する。
【0068】
また、端末装置からの利用サイトの情報を受け取った視覚障害登録サーバ10の制御部101は、提供サイト連絡情報生成部109に指示して、受信情報処理部103から受け取ったIDおよびパスワードと、視覚障害属性判定部105からの視覚障害属性と、表示仕様選定部106からの表示仕様の情報とを対応付けた情報を、利用サイトのそれぞれに送るための連絡情報として生成させるようにする。そして、制御部101は、提供サイト連絡情報生成部109で生成された連絡情報を、利用サイトのそれぞれに送る。
【0069】
ここで、利用サイトは、視覚障害者に対してWebページを提供するためには、例えばCSS仕様情報からなる表示仕様の情報のみを視覚障害登録サーバ10から受け取れば良く、視覚障害属性判定部105からの視覚障害属性を受け取る必要はない。しかし、利用サイトがWebページを通じて提供する情報が、例えば地図情報のように表示情報であるときには、当該利用サイトは、提供する情報例えば地図情報を視覚障害者が判読することができる特別の表示仕様にしたい場合がある。そこで、この実施形態では、視覚障害属性判定部105からの視覚障害属性をも提携サイトに送るようにしている。
【0070】
提携サイトのそれぞれは、この連絡情報を受け取り、視覚障害者用のURLへのアクセス者として、受信した使用者のIDおよびパスワードと、当該使用者用の表示仕様とを登録して保持する。
【0071】
以上で、視覚障害登録システムにおける使用者が視覚障害登録サーバ10にアクセスしたときの視覚障害登録処理動作は終了となる。
【0072】
[使用者の提携サイトへのアクセスの動作]
上述したようにして、視覚障害者である使用者のIDおよびパスワードと、当該使用者用の表示仕様とを登録して保持した提携サイトは、当該登録した視覚障害者(視覚障害会員)の端末装置からのアクセスを待つ。
【0073】
そして、使用者が端末装置(視覚障害会員端末)から提携サイトに対してアクセスして、所定のサービス情報の提供を受ける場合における処理動作の流れを、図5のシーケンス図を参照しながら説明する。
【0074】
すなわち、視覚障害会員が、端末装置から図5に示すように、視覚障害登録サーバ10から受信したURLを用いてアクセスすると、提携サイトは、そのアクセスを受信して、使用者のIDおよびパスワードの送付依頼(送付要求)を端末装置に送る。使用者は、この送付依頼に応じて、端末装置にIDおよびパスワードを入力して、提携サイトに送付する。
【0075】
提携サイトは、このIDおよびパスワードを受信すると、図4のシーケンスにおいて記憶した視覚障害会員についてのIDおよびパスワードを参照して認証処理をすると共に、認証ができたときには、視覚障害会員を特定する。さらに、提携サイトは、特定した視覚障害会員に対応付けられて記憶されている提供表示情報の表示仕様を認識する。そして、提携サイトは、視覚障害会員向けにWebページを送信する。
【0076】
このWebページは、当該使用者の視覚障害属性に係わらす判読可能となる表示仕様で端末装置のディスプレイ画面において表示される。そこで、使用者は当該Webページから所定のサービス要求を提携サイトに対して、健常者と同様にしてすることができる。
【0077】
次に、Webページのみではなく。サービス情報提供サーバから提供するサービス情報が、地図などの表示情報である場合には、この提供するサービス表示情報についても、視覚障害属性に応じたものとする必要がある。そこで、以下に、サービス情報提供サイトが地図情報提供サイト4の場合を例として説明する。
【0078】
[地図情報提供サイト4の地図情報提供サーバ20のハードウエア構成例]
地図情報提供サイト4には、地図情報提供サーバ20が設けられる。図6に、地図情報提供サーバ20のハードウエア構成例を示す。すなわち、地図情報提供サーバ20は、コンピュータにより構成されている制御部201に対して、システムバス200を通じて、通信インターフェース202と、受信情報処理部203と、視覚障害会員情報登録部204と、健常者用Webページ提供部205と、視覚障害者用Webページ提供部206と、健常者用地図情報格納部207と、視覚障害者用地図情報格納部208と、提供地図情報判定部209と、送信情報生成部210とが接続されて構成されている。
【0079】
制御部201を構成するコンピュータの記憶部には、地図情報提供サーバ20の各種の処理動作を実行するためのソフトウエアプログラムが記憶されている。
【0080】
通信インターフェース202はネットワーク1に接続されており、地図情報提供サーバ20と、視覚障害登録サーバ10や端末装置5〜8との間での通信を行うためのインターフェースである。
【0081】
受信情報処理部203は、視覚障害登録サーバ10や端末装置から送られてくる情報を受信して判別し、その判別結果に従って受信した情報をシステムバス200に接続されている各部に渡す処理をする。
【0082】
受信情報処理部203は、視覚障害登録サーバ10からの連絡情報を受信したときには、その連絡情報のすべてを視覚障害会員情報登録部204に送る。また、受信情報処理部203は、連絡情報のうちの使用者のIDおよび視覚障害属性を、提供地図情報判定部209にも供給する。
【0083】
視覚障害会員情報登録部204は、受信した連絡情報を、視覚障害会員毎に、記憶部(図示は省略)に格納する。図7は、この視覚障害会員情報登録部204の登録記憶情報の例を示す図である。すなわち、視覚障害会員情報登録部204の登録記憶情報は、会員番号、使用者のIDと、パスワードと、視覚障害属性と、Webページの表示仕様と、地図情報の表示仕様とを含む。
【0084】
地図情報提供サーバ20の会員番号は、視覚障害登録サーバ10の会員番号と同じである必要はない。しかし、ID、パスワードおよび視覚障害属性は、視覚障害登録サーバ10から送られてきた連絡情報から取得したものがそのまま記憶される。また、Webページの表示仕様は、提供表示情報の表示仕様として送られてきたものを記憶する。さらに、地図情報の表示仕様は、後述するように、視覚障害登録サーバ10から取得した視覚障害属性に基づいて選定した地図情報の表示仕様を特定するための情報が記憶される。
【0085】
受信情報処理部203は、端末装置からのアクセスが、健常者用のURLへのアクセスか、または、視覚障害者用のURLへのアクセスかを判別するアクセス者判別部2031を備える。
【0086】
受信情報処理部203のアクセス者判別部2031で健常者用のURLへのアクセスであると判別したときには、制御部201は、当該アクセスに対しては、健常者用Webページ提供部205を用いてWebページを提供して対応する。そして、健常者からの地図情報の取得要求があったときには、制御部201は、健常者用地図情報格納部207に格納されている地図情報から、取得要求された地図情報を読み出して、健常者用の通常の表示仕様で提供する。
【0087】
また、受信情報処理部203のアクセス者判別部2031で視覚障害者用のURLへのアクセスであると判別したときには、制御部201は、視覚障害会員情報登録部204を参照しながら、そのアクセス者に対して、視覚障害者用Webページ提供部206から適切なWebページを読み出してアクセス者に提供して対応する。そして、アクセス者からの地図情報の取得要求があったときには、制御部201は、視覚障害会員情報登録部204を参照して認識した地図情報の表示仕様の地図情報を、視覚障害者用地図情報格納部208から読み出して視覚障害者に提供する。
【0088】
健常者用Webページ提供部205は、健常者からのアクセスに対して当該健常者の端末に送信するWebページを格納しており、健常者からの要求に応じたWebページを制御部201の制御にしたがって読み出して、提供する。
【0089】
視覚障害者用Webページ提供部206は、視覚障害登録サーバ10から送られてくる提供情報についての複数種の表示仕様のそれぞれに応じた複数種のWebページを格納している。また、この例では、特に、視覚障害者用のURLにアクセスしてくる視覚障害者に対して、そのIDおよびパスワードの送信依頼を音声により行うための音声情報送信機能も、この視覚障害者用Webページ提供部206は備えている。
【0090】
視覚障害者からのアクセスを受け付けたときには、制御部201は、後述するように、その視覚障害者のIDに対応付けられて視覚障害会員情報登録部204に記憶されている表示仕様を認識し、当該認識した表示仕様のWebページを、視覚障害者用Webページ提供部206から読み出して、その視覚障害者に提供する。
【0091】
健常者用地図情報格納部207は、健常者用の通常のカラー地図情報(文字の大きさも通常のもの)を格納する地図データベースである。
【0092】
一方、視覚障害者用地図情報格納部208は、視覚障害者用の地図情報を格納する地図データベースである。この視覚障害者用地図情報格納部208には、視覚障害登録サーバ10から送られてくる視覚障害属性のそれぞれに対応して、使用者(視覚障害者)が地図を判読可能となる複数の表示仕様の地図データが格納されている。
【0093】
図8に、この視覚障害者用地図情報格納部208に格納されている複数の表示仕様の地図情報を示す。
【0094】
前述したように、視覚障害には色弱(赤、青、緑)や弱視などが有り、色弱も赤に弱い、青に弱い、緑に弱いなど様々である。したがって、視覚障害を有する人の視覚障害属性によって適切な地図デザインや配色は異なる。例えば色弱者には白黒諧調(グレイスケール)で全てを表現とする地図配色とすべきであり、弱視者には中間諧調を省き、原色(赤、緑、青)で諧調差を最大にして表現する地図配色とすべきである。また、老眼の人に対しては太い線や大きな文字を使用し、情報量を減らした地図とすべきである。
【0095】
さらに、複数の視覚障害を抱えている人も多いので、上記の視覚障害属性に応じた対応を組み合わせ表現することが可能な仕組みとする。また、どのような表示仕様としても視覚判別が困難であることが予想される視覚障害者に対しては、この例では、地図上の文字の読み上げ機能や地図の拡大表示を行えるようにする仕組みも用意する。
【0096】
図8の例では、上記のことを考慮して、例えば9種類の表示仕様を用意し、視覚障害者用地図情報格納部208には、それぞれの表示仕様毎に、その表示仕様の地図情報が格納されている。
【0097】
すなわち、図8に示すように、この例においては、地図情報の表示仕様毎の識別子として表示仕様番号が付与されている。表示仕様番号「No.1」は、白黒諧調で全てを表現するグレイスケールの地図情報であり、表示仕様番号「No.2」は、表示仕様番号「No.1」のグレイスケールの地図において、太い線で地図表示されていると共に、地名などの文字が大きな文字で表示されている地図情報である。
【0098】
また、表示仕様番号「No.3」は、中間諧調を省き、原色で諧調差を最大にして表現する地図情報である。そして、表示仕様番号「No.4」は、この表示仕様番号「No.3」の地図において、太い線で地図表示されていると共に、地名などの文字が大きな文字で表示されている地図情報である。
【0099】
また、表示仕様番号「No.5」は、黒(墨)一色で表現する地図情報である。そして、表示仕様番号「No.6」は、この表示仕様番号「No.5」の黒(墨)一色で表現する地図において、太い線で地図表示されていると共に、地名などの文字が大きな文字で表示されている地図情報である。
【0100】
また、表示仕様番号「No.7」は、上記の表示仕様番号「No.1」〜「No.6」のそれぞれの地図情報を、より高輝度で表現する地図情報である。これは、夜になると物が見え辛くなる夜盲症(鳥目)の視覚障害属性を有する視覚障害者に有益なものである。輝度を上げる方法としては、地図情報自体を高輝度の信号にする方法と、端末の表示装置においてバックライトの光量を増やす制御情報を地図情報に付加する方法とがあり、いずれの方法を用いても良い。
【0101】
また、表示仕様番号「No.8」は、上記の表示仕様番号「No.1」〜「No.6」のそれぞれの地図情報を、よりコントラストを上げて表現する地図情報である。これは、直射日光下で物が見え辛くなる視覚障害属性を有する視覚障害者に有益なものである。ここで、コントラストを上げるということは、明度差や彩度差、立体差(2Dと3Dの表現差)などを大きくすることを意味するものである。
【0102】
さらに、表示仕様番号「No.9」は、上記の表示仕様番号「No.1」〜「No.8」のそれぞれの地図情報について、地図上の文字の読み上げ機能と地図の拡大表示を行えるようにする仕組みを備える地図情報である。地図上の文字の読み上げ機能のために、地図上の各文字は、使用者によりクリック可能な態様で表示されるようにされると共に、各文字に対応してその文字の読み上げ音の音声情報が記録されている。そして、文字位置がクリックされたときに、対応して記録されている音声情報が再生されて出力されるように構成されている。地図の拡大の方法は、従来周知の方法を用いることができる。
【0103】
提供地図情報判定部209は、この例では、使用者の視覚障害属性と、視覚障害者用地図情報格納部208に格納されている地図情報の表示仕様番号との対応テーブルを備えている。そして、提供地図情報判定部209は、受信情報処理部203から受け取った視覚障害属性の情報に基づき、その視覚障害属性を有する視覚障害会員用の地図情報の表示仕様番号を選定する。そして、提供地図情報判定部209は、選定した表示仕様番号と、視覚障害会員のIDとを視覚障害会員情報登録部204に渡す。
【0104】
視覚障害会員情報登録部204は、受け取ったIDの視覚障害会員についての地図情報の表示仕様の情報として、提供地図情報判定部209から受け取った表示仕様番号を登録して記憶する。
【0105】
送信情報生成部210は、アクセスしてきた端末装置に対して送信する情報を生成する。送信情報生成部210は、前述したように、アクセスしてきた端末装置の使用者が健常者であるときには、健常者用の情報を生成して、アクセス者に対して提供するようにする。また、送信情報生成部210は、アクセスしてきた端末装置の使用者が登録されている視覚障害者であるときには、登録されている視覚障害属性に応じたWebページや地図情報を生成して、アクセス者に対して提供するようにする。
【0106】
なお、図6において、受信情報処理部203、提供地図情報判定部209および送信情報生成部210の処理機能は、制御部201がソフトウエア処理プログラムによるソフトウエア処理機能として実現するようにすることもできる。
【0107】
[地図情報提供サーバ20での端末装置からのアクセス受信時の動作]
次に、以上のような構成を有する地図情報提供サーバ20で、端末装置からの使用者によるアクセスを受信したときの動作の流れを、図9および図10のフローチャートを参照しながら説明する。この図9および図10の例は、制御部201が、受信情報処理部203および送信情報生成部210の処理機能を、そのソフトウエア処理機能として実現した場合として説明する。
【0108】
先ず、地図情報提供サーバ20の制御部201は、端末装置からのアクセスの受信を監視して待ち(ステップS101)、アクセスを受信したと判別したときには、アクセスは視覚障害者用のURLへのアクセスであるか否か判別する(ステップS102)。
【0109】
このステップS102で、アクセスは視覚障害者用のURLへのアクセスではなく、健常者用のURLであると判別したときには、制御部201は、健常者用Webページ提供部205および健常者用地図情報格納部207を用いて、アクセス者に対する送信情報を生成して提供するようにする処理ルーチンを実行する(ステップS103)。
【0110】
また、ステップS102で、アクセスは視覚障害者用のURLへのアクセスであると判別したときには、制御部201は、視覚障害者用Webページ提供部206からアクセス者のIDおよびパスワードの送信を依頼する音声メッセージを読み出して、アクセス者の端末装置に送信する(ステップS104)。
【0111】
アクセス者は、この音声メッセージに応じてIDおよびパスワードを送ってくる。そこで、制御部201は、IDおよびパスワードを受信したか否か判別する(ステップS105)。そして、ステップS105で、IDおよびパスワードを受信してはいないと判別したときには、制御部201は、アクセスを終了する指示があったか否か判別し(ステップS106)、終了する指示はないと判別したときには、処理をステップS105に戻し、このステップS105以降の処理を繰り返す。また、ステップS106で、アクセスを終了する指示があったと判別したときには、制御部201は、この処理ルーチンを終了する。
【0112】
そして、ステップS105で、IDおよびパスワードを受信したと判別したときには、制御部201は、受信したIDおよびパスワードと、視覚障害会員情報登録部204に登録されている視覚障害会員のIDおよびパスワードとを比較して、一致するものがあるか否かにより、登録された視覚障害者であるか否か判別する(ステップS107)。
【0113】
このステップS107で、登録された視覚障害者ではないと判別したときには、制御部201は、IDおよびパスワードは未登録である旨のメッセージ(音声メッセージも)を送出する(ステップS108)。
【0114】
そして、制御部201は、アクセスを終了する指示があったか否か判別し(ステップS109)、終了する指示はないと判別したときには、IDおよびパスワードを再度受信したか否か判別し(ステップS110)、再度受信したと判別したときには、処理をステップS107に戻し、このステップS107以降の処理を繰り返す。また、ステップS110で、IDおよびパスワードを再度受信してはいないと判別したときには、制御部201は、処理をステップS109に戻す。
【0115】
そして、ステップS109で、アクセスを終了する指示があったと判別したときには、制御部201は、この処理ルーチンを終了する。
【0116】
また、ステップS107で、アクセス者は、登録された視覚障害者であると判別したときには、制御部201は、取得したIDを検索子として視覚障害会員情報登録部204を検索し、Webページについての表示仕様を認識する(図10のステップS121)。
【0117】
次に、制御部201は、ステップS121で認識した表示仕様のWebページを、視覚障害者用Webページ提供部206から読み出して、アクセス者の端末装置に送信する(ステップS122)。
【0118】
次に、制御部201は、アクセス者から、指定された地域の地図情報の要求を受信したか否か判別する(ステップS123)。
【0119】
このステップS123で、アクセス者から、指定された地域の地図情報の要求を受信したと判別したときには、制御部201は、取得したIDを検索子として視覚障害会員情報登録部204を検索し、アクセス者の視覚障害属性に応じた地図情報の表示仕様を認識する。そして、制御部201は、視覚障害者用地図情報格納部208から、その認識した表示仕様で、指定された地域の地図情報を読み出して、アクセス者の端末装置に送信する(ステップS124)。
【0120】
ステップS124を終了した後には、制御部201は、アクセスを終了する指示があったか否か判別する(ステップS125)。また、ステップS123で、アクセス者から、指定された地域の地図情報の要求を受信してはいないと判別したときにも、制御部201は、ステップS125に進んで、アクセスを終了する指示があったか否か判別する。
【0121】
そして、ステップS125で、終了する指示はないと判別したときには、制御部201は、処理をステップS122に戻し、このステップS122以降の処理を繰り返す。また、ステップS125で、アクセスを終了する指示があったと判別したときには、制御部201は、この処理ルーチンを終了する。
【0122】
なお、上述の例は、端末装置から地図情報提供サイト4の地図情報提供サーバ20への直接的なアクセスに対して地図情報を提供する場合であったが、他のサービス情報提供サーバが、使用者を地図情報提供サイト4に導く場合にも、この発明は適用できる。ただし、その場合には、他のサービス情報提供サーバから提供されるWebページにおいて、前記地図情報提供サイト4に導くためのリンク情報としては、視覚障害者用のURLが登録されている必要がある。
【0123】
[第1の実施形態の効果]
以上説明したように、第1の実施形態においては、視覚障害者は、視覚障害登録サーバ10にアクセスして、自分の視覚障害属性を登録することにより、視覚障害登録サーバと提携関係にある種々のサイトにアクセスしたときに、判読可能なWebページを受信することができる。したがって、健常者と同じようにアクセスしたのでは判読が困難であったWebページにアクセスして、種々のサービスを受けることが可能になる。
【0124】
また、視覚障害者は、一つの視覚障害登録サーバ10に自分の視覚障害属性を登録すれば良いので、それぞれのサービス情報提供サーバにアクセスして、その都度、自分の視覚障害属性を登録するという手間が省ける。
【0125】
[第2の実施形態]
上述の第1の実施形態では、視覚障害登録サーバ10は、単に視覚障害者の視覚障害属性の登録を受け付けるようにした。これに対して、第2の実施形態においては、視覚障害登録サーバ10自身が、サービス情報提供サーバの機能を有するようにしても良い。例えば、視覚障害登録サーバ10が、上述した地図情報提供サーバ20の機能の全てを有するように構成しても良い。
【0126】
そして、その場合には、視覚障害登録サーバ10は、視覚障害者の視覚障害属性やWebページなどの提供表示情報の表示仕様の情報を、他のサービス情報提供サーバに送る機能は備えなくでも良い。
【0127】
第2の実施形態は、その場合の一例であり、図示は省略するが、視覚障害登録サーバ10は、図2の構成のうち、提携サイト記憶部108と提携サイト連絡情報登録部109とは省略する。そして、視覚障害登録サーバ10においては、システムバス100には、さらに、図6の構成のうちの、受信情報処理部203、健常者用Webページ提供部205、視覚障害者用Webページ提供部206、健常者用地図情報格納部207、視覚障害者用地図情報格納部207、提供地図情報判定部209が接続されて設けられる。
【0128】
そして、この第2の実施形態においては、視覚障害属性を登録した視覚障害者には、専用のURLを通知して、この専用のURLを通じて当該視覚障害登録サーバ10にアクセスするように依頼する。視覚障害者は、上述と同様に、この視覚障害者専用のURLを用いて視覚障害登録サーバ10にアクセスすることにより、そのサービスの提供を受けることができる。
【0129】
この第2の実施形態によれば、視覚障害者は、当該視覚障害登録サーバ10にアクセスして、自分の視覚障害属性を登録して、当該サーバ10が提供可能なサービス情報の提供を、視覚障害に係わらず、受けることができるようになる。
【0130】
[第3の実施形態]
以上の実施形態では、視覚障害属性は、サイト(サーバ)側に登録しておき、サイト側でアクセス者のIDやパスワードに基づき、当該アクセス者の視覚障害属性を認識して、提供する表示用情報を、当該視覚障害属性に対応する表示仕様のものとするようにした。
【0131】
しかし、パソコンなどの端末装置側が、視覚障害属性やその視覚障害属性を有する視覚障害者が判読可能となる表示仕様を記憶保持し、サービス情報提供サーバにアクセスする際に、その視覚障害属性や表示仕様の情報を、当該サービス情報提供サーバに伝達して、その視覚障害に係わらず、判読可能な表示情報をサービス提供サーバから得ることができるように構成しても良い。
【0132】
第3の実施形態は、その場合の例である。すなわち、この第3の実施形態においては、端末装置は、音声による質問を使用者に対して提供し、その質問に対する回答を受け付ける手段を備える。そして、端末装置は、受け付けた回答に基づいて、視覚障害属性を判定して、記憶部に登録して記憶する機能を備える。さらに、端末装置は、判定した視覚障害属性から、当該視覚障害属性を有する視覚障害者が判読可能となる表示仕様を選定して、その表示仕様を記憶するようにする。
【0133】
そして、端末装置は、サービス情報提供サーバにアクセスする際に、記憶しているアクセス者の視覚障害属性および/又は提供表示情報の表示仕様の情報を、当該サーバに伝達するようにする。
【0134】
一方、サービス情報提供サーバ側では、端末装置から送られてきたアクセス情報に含まれる視覚障害属性や表示情報の表示仕様を認識して、対応して提供すべき視覚障害者用のWebページや地図情報などを選定する機能を備える。そして、その選定した視覚障害者用のWebページを端末装置に提供すると共に、地図情報などの情報の提供要求を受けたときには、前記選定した表示仕様の地図情報を端末装置に提供する機能を備える。
【0135】
この第3の実施形態の場合には、サーバ側は、視覚障害会員情報を記憶しておく必要がないというメリットがある。
【0136】
[その他の実施形態および変形例]
なお、上述の第1および第2の実施形態では、サービス情報提供サーバのそれぞれは、視覚障害者用のURLを用意して、当該URLへのアクセス者を視覚障害者として取り扱うように構成したが、視覚障害会員情報として、そのIDが登録されているので、そのIDをアクセス時に参照することにより、アクセス者が視覚障害者であるか否かを判別するようにしても良い。
【0137】
音声による質問は、例えば視覚障害登録サーバにユーザがアクセスしたとき、電話番号を知らせてもらい、その電話番号にサーバ側のオペレータが電話をかけることにより、ユーザに提供されるようにしても良い。その場合には、回答も当該電話の通話によりなされ、サーバ側のオペレータがその回答をサーバに入力するようにする。また、ユーザのIDも、通話においてユーザに指定してもらい、それを通話で受け取ってもよい。また、視覚障害者が判読できるもの(例えば点字郵便など)であれば、郵便であっても良い。
【0138】
以上の実施形態では、視覚障害者に提供される情報は、Webページや地図情報などの表示情報である場合であるので、視覚障害属性に応じた表示仕様を選定するようにしたが、この発明は、印刷にも適用でき、その場合には、印刷仕様が視覚障害属性に応じて選定される。なお、例えば地図情報についての印刷仕様においては、前述した原色は、表示の場合の赤、青、緑に代えて、シアン、イエロー、マゼンタ、黒となる。
【0139】
また、以上の実施形態は、いずれもネットワークを通じて接続されるサーバと端末装置とからなるシステムの構成であった。しかし、単体の表示装置や印刷装置においても、この発明は適用できる。
【0140】
すなわち、単体の表示装置や印刷装置の場合には、それら単体の表示装置や印刷装置は、音声質問に対して使用者が回答をし、その回答に基づいて使用者の視覚障害属性を判定し、判定した視覚障害属性に応じて、使用者が判読できる表示仕様や印刷仕様を定めて記憶部に記憶する。そして、使用者が表示する要求や印刷する要求をすると、定められた表示仕様や印刷仕様により、表示や印刷を実行するようにする。
【0141】
この場合には、使用者が表示装置や印刷装置に対して一人である場合には、識別情報を当該表示装置や印刷装置に登録しておく必要はない。しかし、表示装置や印刷装置の使用者が複数人存在する場合には、使用者についてのIDおよびパスワードなどのIDを定めておき、そのID毎に視覚障害属性を記憶部に保持しておき、そのIDを確認することで、それぞれの使用者の視覚障害属性に応じた表示や印刷が可能となる。
【符号の説明】
【0142】
1…ネットワーク、10…視覚障害登録サーバ、20…地図情報提供サーバ、104…音声質問情報発生部、105…視覚障害属性判定部、106…表示仕様選定部、107…視覚障害会員情報記憶部、108…提携サイト記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを通じて接続されるサーバ装置と端末装置とを有する視覚障害者支援システムであって、
前記サーバ装置は、
視覚障害を有する使用者が判読できる表示仕様を選定するための情報を、前記使用者の識別情報と対応付けて保持する記憶手段と、
前記端末装置から、前記識別情報と共に表示情報の提供要求を受けたときに、前記記憶手段に前記識別情報に対応付けられている情報に基づく前記表示仕様で前記提供要求された表示情報を前記ネットワークを通じて前記端末装置に送信する表示情報提供手段と、
を備え、
前記端末装置は、
前記識別情報と共に表示情報の提供要求を前記ネットワークを通じて前記サーバ装置に送信する送信手段と、
前記表示情報を受信して表示画面に表示する表示手段と、
を備える視覚障害者支援システム。
【請求項2】
ネットワークを通じて接続される第1のサーバ装置と第2のサーバ装置と端末装置とを有する視覚障害者支援システムであって、
前記第1のサーバ装置は、
視覚障害内容を判定するための質問に対する前記端末装置の使用者からの回答に基づき判定した視覚障害を有する前記使用者が判読できる表示仕様を選定するための情報を、前記使用者の識別情報と共に第2のサーバ装置に送信する視覚障害者情報送信手段と、
前記第2のサーバ装置にアクセスするための情報を、前記使用者の端末装置に送信するアクセス情報報知手段と、
を備え、
前記第2のサーバ装置は、
前記第1のサーバ装置から送られてくる、前記使用者の識別情報と前記表示仕様を選定するための情報とを対応付けて保持する記憶手段と、
前記端末装置から、前記識別情報と共に表示情報の提供要求を受けたときに、前記記憶手段に前記識別情報に対応付けられている情報に基づく前記表示仕様で前記提供要求された表示情報を前記ネットワークを通じて前記端末装置に送信する表示情報提供手段と、
を備え、
前記端末装置は、
前記第1のサーバ装置から受信した前記第2のサーバ装置にアクセスするための情報を受信して保持する手段と、
前記第2のサーバ装置にアクセスするための情報を用いて、前記識別情報と共に表示情報の提供要求を、前記ネットワークを通じて前記第2のサーバ装置に送信する送信手段と、
前記表示情報の提供要求に対して前記第2のサーバ装置から送られてくる表示情報を受信して表示画面に表示する表示手段と、
を備える視覚障害者支援システム。
【請求項3】
請求項1のサーバ装置または請求項2の第1のサーバ装置は、
前記端末装置の使用者の識別情報を含む視覚障害登録要求を、前記ネットワークを通じて受信する登録要求受信手段と、
前記登録要求受信手段で前記視覚障害登録要求を受信した前記使用者の前記端末装置に、前記使用者の視覚障害内容を判定するための質問の音声情報を、前記ネットワークを通じて送信する音声質問送信手段と、
前記音声質問送信手段により送られた前記質問に対する前記端末装置からの回答を前記ネットワークを通じて受信する回答受信手段と、
前記回答受信手段で受信した前記回答に基づき、前記使用者の視覚障害内容を判定する判定手段と、
を備え、
前記端末装置は、
前記識別情報を含む視覚障害登録要求を、前記ネットワークを通じて前記サーバ装置に送信する登録要求送信手段と、
前記サーバ装置から受信した前記質問の音声情報を音響再生して前記使用者に提供する音声質問再生手段と、
前記音声質問再生手段で再生された音声による前記質問に対する回答を、前記ネットワークを通じて前記サーバ装置に送信する回答送信手段と、
を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の視覚障害者支援システム。
【請求項4】
前記端末装置は、
使用者の視覚障害内容を判定するための質問を音声により前記使用者に提供する音声質問提供手段と、
前記音声による質問に対する回答を受け付ける回答受付手段と、
前記使用者の識別情報を含む視覚障害登録要求と、前記回答受付手段で受け付けた前記回答とを、前記ネットワークを通じて前記サーバ装置または前記第1のサーバ装置に送信する送信手段と、
を備え、前記サーバ装置または前記第1のサーバ装置は
前記端末装置からの回答を前記ネットワークを通じて受信する回答受信手段と、
前記回答受信手段で受信した前記回答に基づき、前記使用者の視覚障害内容を判定する判定手段と、
を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の視覚障害者支援システム。
【請求項5】
前記表示情報提供手段は、地図情報を提供するものであって、前記視覚障害内容に応じた複数種の表示仕様の地図情報を格納する格納手段を備え、前記端末装置から、前記使用者の識別情報と共に表示情報の提供要求を受けたときに、前記記憶手段に前記使用者の識別情報に対応付けられて記憶保持されている情報に基づく表示仕様の地図情報を前記格納手段から読み出して、前記使用者の端末装置に送信する
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の視覚障害者支援システム。
【請求項6】
ネットワークを通じて接続されるサーバ装置と端末装置とからなる視覚障害者支援システムであって、
前記端末装置は、
使用者の視覚障害内容を判定するための質問を音声により前記使用者に提供する音声質問提供手段と、
前記音声による質問に対する回答を受け付ける回答受付手段と、
前記回答受付手段で受け付けた前記回答に基づき判定した視覚障害内容を有する前記使用者が判読できる表示仕様を選定するための情報を記憶保持する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶保持されている前記表示仕様を選定するための情報を含む表示情報の提供要求を、前記ネットワークを通じて前記サーバ装置に送信する手段と、
を備え、
前記サーバ装置は、
前記端末装置から、前記表示仕様を選定するための情報を含む表示情報の提供要求を受けたときに、当該表示仕様を選定するための情報に基づく前記表示仕様で前記提供要求された表示情報を前記ネットワークを通じて前記端末装置に送信する表示情報提供手段
を備えることを特徴とする視覚障害者支援システム。
【請求項7】
ネットワークを通じて接続されるサーバ装置と端末装置とからなる視覚障害者支援システムにおける視覚障害者支援方法であって、
前記サーバ装置は、
視覚障害を有する使用者が判読できる表示仕様を選定するための情報を、前記使用者の識別情報と対応付けて記憶部に記憶保持する記憶工程と、
前記端末装置から、前記識別情報と共に表示情報の提供要求を受けたときに、前記記憶部に前記識別情報に対応付けられている情報に基づく前記表示仕様で前記提供要求された表示情報を前記ネットワークを通じて前記端末装置に送信する表示情報提供工程と、
を有し、
前記端末装置は、
前記識別情報と共に表示情報の提供要求を前記ネットワークを通じて前記サーバ装置に送信する送信工程と、
前記表示情報の提供要求に対して前記サーバ装置から送られてくる表示情報を受信して表示画面に表示する表示工程と、
を有する視覚障害者支援方法。
【請求項8】
ネットワークを通じて接続される第1のサーバ装置と第2のサーバ装置と端末装置とを有する視覚障害者支援システムにおける視覚障害者支援方法であって、
前記第1のサーバ装置は、
質問に対する前記端末装置の使用者からの回答に基づき、前記使用者の視覚障害内容を判定する判定工程と、
前記判定工程で判定された視覚障害内容を有する前記使用者が判読できる表示仕様を選定するための情報を、前記使用者の識別情報と共に第2のサーバ装置に送信する視覚障害者情報送信工程と、
前記第2のサーバ装置にアクセスするための情報を、前記使用者の端末装置に送信するアクセス情報報知工程と、
を有し、
前記第2のサーバ装置は、
前記第1のサーバ装置から送られてくる、前記識別情報と前記表示仕様を選定するための情報とを対応付けて記憶部に記憶保持する記憶工程と、
前記端末装置から、前記識別情報と共に表示情報の提供要求を受けたときに、前記記憶部に前記識別情報に対応付けられて記憶保持されている情報に基づく前記表示仕様で前記提供要求された表示情報を前記ネットワークを通じて前記端末装置に送信する表示情報提供工程と、
を有し、
前記端末装置は、
前記第1のサーバ装置から受信した前記第2のサーバ装置にアクセスするための情報を受信して保持する工程と、
前記第2のサーバ装置にアクセスするための情報を用いて、前記識別情報と共に表示情報の提供要求を、前記ネットワークを通じて前記第2のサーバ装置に送信する送信工程と、
前記表示情報の提供要求に対して前記第2のサーバ装置から送られてくる表示情報を受信して表示画面に表示する表示工程と、
を備える視覚障害者支援方法。
【請求項9】
使用者の視覚障害内容を判定するための質問を音声により前記使用者に提供する音声質問提供手段と、
前記音声による質問に対する回答を受け付ける回答受付手段と、
前記回答受付手段で受け付けた前記回答に基づき前記使用者の視覚障害内容を判定する判定手段と、
前記判定手段で判定された視覚障害を有する前記使用者が判読できる表示仕様または印刷仕様を選定する選定手段と、
提供情報の保持手段と、
前記使用者から前記提供情報の提供要求を受けたときに、前記選定手段で選定された前記表示仕様または前記印刷仕様で提供要求された前記提供情報を表示出力または印刷出力する出力手段と、
を備える視覚障害者支援装置。
【請求項10】
音声質問提供手段が、使用者の視覚障害内容を判定するための質問を音声により前記使用者に提供する音声質問提供工程と、
回答受付手段が、前記音声による質問に対する回答を受け付ける回答受付工程と、
判定手段が、前記回答受付手段で受け付けた前記回答に基づき前記使用者の視覚障害内容を判定する判定工程と、
選定手段が、前記判定工程で判定された視覚障害内容を有する前記使用者が判読できる表示仕様または印刷仕様を選定する選定工程と、
出力手段が、前記使用者から前記提供情報の提供要求を受けたときに、前記選定手段で選定された前記表示仕様または前記印刷仕様で提供要求された前記提供情報を表示出力または印刷出力する出力工程と、
を備える視覚障害者支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−137709(P2012−137709A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−291613(P2010−291613)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(500578216)株式会社ゼンリンデータコム (231)
【Fターム(参考)】