説明

視覚障害者歩行誘導システム

【課題】状況に応じて音声の発生に代えて振動の発生を選択することができ、そしてまた視覚障害者が所要歩行路に沿って歩行している時或いは視覚障害者の歩行が所要歩行路から逸脱した時のいずれかに、視覚障害者の選択に応じて音声又は振動を発生することができる、視覚障害者歩行誘導システムを提供する。
【解決手段】歩行路に沿って配設された磁界発生手段と、視覚障害者が携帯する磁界検出手段を備えた誘導手段とから構成された視覚障害者歩行誘導システム。誘導手段には、更に、音声発生手段28、振動発生手段30、警報様式切換手段24及び警報時期切換手段16が配設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、視覚障害者の歩行を誘導する視覚障害者歩行誘導システム、更に詳しくは、屋外の歩道路の如き歩行路に沿って配設された磁界発生手段と、視覚障害者が携帯する白杖の如き誘導手段であって磁界検出手段を備えた誘導手段とから構成されている視覚障害者歩行誘導システムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、歩行路に沿って磁界発生手段を配設すると共に、視覚障害者が携帯する白杖に磁界検出手段及び音声発生手段を配設して構成された視覚障害者歩行誘導システムが開示されている。視覚障害者が所要歩行路に沿って歩行し、従って白杖の先端が歩行路に沿って配設された磁界発生手段に沿って移動している時には、磁界検出手段が磁界を検出し、これに応じて音声発生手段が所要音声を発生して、視覚障害者に所要歩行路に沿って歩行していることを認識させる。一方、視覚障害者の歩行が所要歩行路から逸脱すると、磁界検出手段が磁界を検出しなくなり、従って音声発生手段が音声を発生しなくなり、かくして視覚障害者に所要歩行路から逸脱したことを警告する。
【特許文献1】特開平10−94557号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
然るに上述した従来の視覚障害者歩行誘導システムには次のとおりの解決すべき問題がある。第一に、例えば交通量が大きい都市の交差点等においては、視覚障害者は周囲の種々の音に留意して交通状況を判断しなければならないことが少なくないが、かような状況において視覚障害者歩行誘導システムの音声発生手段が音声を発生すると、周囲の種々の音に留意した交通状況の判断が阻害されてしまう虞がある。
【0004】
第二に、視覚障害者個々人の特性により、或いは周囲の状況により、視覚障害者が所要歩行路に沿って歩行している時には音声の如き警報が発生されることなく、視覚障害者の歩行が所要歩行路から逸脱した時に始めて音声の如き警報が発生されることが望まれることも少なくないが、従来の視覚障害者歩行誘導システムはかような要望に応じることができない。
【0005】
第三に、例えば交差点等において、視覚障害者に交差点の存在等の誘導情報を音声で提供する誘導情報発信手段が付加的に装備されている場合には、視覚障害者が歩行している方向、即ち往路か復路かを明確に認識することが重要であるが、従来の視覚障害者歩行誘導システムでは、往路か復路かを明確に認識することができない。
【0006】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その第一の技術的課題は、状況に応じて音声の発生に代えて振動の発生を選択することができる、新規且つ改良された視覚障害者歩行誘導システムを提供することである。
【0007】
本発明の第二の技術的課題は、視覚障害者が所要歩行路に沿って歩行している時或いは視覚障害者の歩行が所要歩行路から逸脱した時のいずれかに、視覚障害者の選択に応じて音声又は振動を発生することができる、新規且つ改良された視覚障害者歩行誘導システムを提供することである。
【0008】
本発明の更に他の技術的課題は、上記第一の技術的課題或いは上記第二の技術的課題の達成に加えて、視覚障害者が歩行方向を明確に認識することを可能にする、新規且つ改良された視覚障害者歩行誘導システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第一の局面によれば、上記第一の技術的課題を達成する視覚障害者歩行誘導システムとして、歩行路に沿って配設された磁界発生手段と、視覚障害者が携帯する、磁界検出手段を備えた誘導手段とから構成された視覚障害者歩行誘導システムにおいて、
該誘導手段には、更に、音声発生手段、振動発生手段、及び該音声発生手段を作動可能状態に設定する第一の状態と該振動発生手段を作動可能状態に設定する第二の状態とに手動で選択的に設定される警報様式切換手段が配設されており、該警報様式切換手段が該第一の状態に設定されている時には該磁界検出手段が磁界を検出しているとき又は検出していない時に該音声発生手段が作動され、該警報状態切換手段が第二の状態に設定されている時には該磁界検出手段が磁界を検出している時又は検出していない時に該振動発生手段が作動される、ことを特徴とする視覚障害者歩行誘導システムが提供される。
【0010】
本発明の第二の局面によれば、上記第二の技術的課題を達成する視覚障害者歩行用有働システムとして、歩行路に沿って配設された磁界発生手段と、視覚障害者が携帯する、磁界検出手段を備えた誘導手段とから構成された視覚障害者歩行誘導システムにおいて、
該誘導手段には、更に、音声発生手段と振動発生手段との少なくともいずれか一方、該磁界検出手段が磁界を検出している時に該音声発生手段と該振動発生手段との該一方を作動可能状態に設定する第一の状態と該磁界検出手段が磁界を検出していない時に該音声発生手段と該振動発生手段との該一方を作動可能状態に設定する第二の状態とに手動で選択的に設定される警報時期切換手段が配設されており、該警報時期切換手段が第一の状態に設定されている時には該磁界検出手段が磁界を検出している時に該音声発生手段と該振動発生手段との該一方が作動され、該警報時期切換手段が第二の状態に設定されている時には該磁界検出手段が磁界を検出していない時に該音声発生手段と該振動発生手段との該一方が作動される、ことを特徴とする視覚障害者歩行誘導システムが提供される。
【0011】
上記第三の技術的課題は、該磁界発生手段はS極を表面にして配設された多数の第一の棒状永久磁石とN極を表面にして配設された多数の第二の棒状永久磁石とを含み、該誘導手段に配設されている該磁界検出手段はS極検出手段、N極検出手段、及び該S極検出手段を作動可能状態に設定する第一の状態と該N極検出手段を作動可能状態に設定する第二の状態とに手動で選択的に設定される検出磁極切換手段を含んでいる視覚障害者歩行誘導システムによって達成される。
【0012】
歩行路には、誘導情報を発信するための誘導情報発信手段が配設されており、該誘導手段には、誘導情報を受信するための受信手段、及び該受信手段が受信した誘導情報に応じて誘導音声を発生する誘導音声発生手段が配設されているのが好適である。該誘導手段は白杖でよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の第一に局面に従って提供される視覚障害者歩行誘導システムにおいては、状況に応じて音声の発生に代えて振動の発生を選択することができる。
【0014】
本発明の第二の局面に従って提供される視覚障害者歩行誘導システムにおいては、視覚障害者が所要歩行路に沿って歩行している時或いは視覚障害者の歩行が所要歩行路から逸脱した時のいずれかに、視覚障害者の選択に応じて音声又は振動を発生することができる。
【0015】
本発明の第一の局面或いは第二の局面に従って提供される視覚障害者歩行誘導システムに加えて上記第三の技術的課題を達成するために改良が加えられている形態においては、視覚障害者が歩行方向を明確に認識することを可能にする、
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明に従って構成された視覚障害者歩行誘導システムの好適実施形態について、更に詳述する。
【0017】
図1及び図2は、本発明に従って構成された視覚障害者歩行誘導システムの第一の実施形態を図示している。この第一の実施形態は、磁界発生手段2と視覚障害者が携帯する誘導手段4とから構成されている。
【0018】
図1を参照して説明すると、磁界発生手段2は、歩行路が屋外の歩道路6である場合、歩道路6に沿って延在するように配設されていることが重要であり、図1に図示する実施形態においては、細長く延在する多数の棒状永久磁石を歩道路6に沿って延在するように歩道路6内に埋設することによって磁界発生手段2を構成している。これに代えて、他の種々の形態の磁界発生手段を使用することもでき、例えば永久磁石粒を含んだ塗料を歩道路の表面に沿って延在するように塗布することによって磁界発生手段を構成することもできる。
【0019】
図1に示す実施形態においては、誘導手段4は視覚障害者が形態する白杖から構成されている。図1と共に図2を参照して説明を続けると、白杖から構成された誘導手段4には、電源手段8と共に電気乃至電子回路10が配設されている。乾電池から構成することができる電源手段8は手動操作される電源スイッチ12を介して回路10に接続されている。電源スイッチ12には電源ランプ11付設されており、電源スイッチ12が閉成、即ち電源手段8が回路10に導通される、と電源ランプ11が点灯される。電源ランプ11に代えて、電源スイッチ12が閉成されると一時的に音声を発生するブザーの如き音声発生手段を配設し、電源スイッチ12の閉成を視覚障害者が充分容易に認識することができるようになすこともできる。回路10は白杖の先端部に配設された磁界検出手段14を含んでいる。近接スイッチの如き適宜の手段から構成することができる磁界検出手段14は、警報時期切換手段16を介して第一の付勢手段18と第二の付勢手段20とに接続されている。手動操作される適宜の切換スイッチから構成することができる警報時期切換手段16は、磁界検出手段14を第一の付勢手段18に接続する第一の状態と磁界検出手段14を第二の付勢手段20に接続する第二の状態に手動で選択的に設定される。第一の付勢手段18は磁界検出手段14が磁界を検出して磁界検出信号を生成している時に作動状態に設定されて作動信号を生成し、一方第二の付勢手段20は磁界検出手段14が磁界を検出していない時に作動状態に設定されて作動信号を生成する。
【0020】
第一の付勢手段18と第二の付勢手段20とは警報様式切換手段24に接続されている。手動操作される適宜の切換スイッチから構成することができる警報様式切換手段24は、第一の付勢手段18及び第二の付勢手段20を音声発生手段28に接続する第一の状態と第一の付勢手段18及び第二の付勢手段20を振動発生手段30に接続する第二の状態とに手動で選択的に設定される。警報ブザーの如き適宜の音声発生器から構成することができる音声発生手段28にはマイクロスピーカ32が付設されており、音声発生手段28が第一の付勢手段18又は第二の付勢手段20から作動信号を受信すると、マイクロスピーカ32から警報音が発生される。適宜の振動器から構成することができる振動発生手段30は、第一の付勢手段18又は第二の付勢手段20から作動信号を受信すると、視覚障害者が感じることができる振動を誘導手段4に付与する。
【0021】
上述した電源スイッチ12、警報磁気切替手段16及び警報様式切替手段24は手動操作されるスナップスイッチの如き適宜のスイッチ機構から構成することができるが、所望ならば視覚障害者が各種スイッチ機構を容易に判別することができるように、スイッチ機構の寸法、形態及び配設方向等を夫々相違させることができる。
【0022】
上述した第一の実施形態の作用を説明すると、次のとおりである。視覚障害者が視覚障害者歩行誘導システムを利用して歩行することを望む場合には、携帯している誘導手段4の電源スイッチ12を閉成する。かくすと、電源ランプ11が点灯される。次いで、視覚障害者は警報時期切換手段16を第一の状態又は第二の状態に設定し、そしてまた警報様式切換手段24を第一の状態又は第二の状態に設定する。警報時期切換手段16が第一の状態に設定され、警報様式切換手段24が第一の状態に設定されている場合においては、視覚障害者が携帯する誘導手段4即ち白杖の先端が、磁界発生手段2が配設されている領域内に存在し、従って視覚障害者が歩行路に沿って所要とおりに歩行している時には、磁界検出手段14が磁界を検出して磁界検出信号を生成し、第一の付勢手段18が磁界検出信号を受信して付勢信号を生成し、音声発生手段28が付勢されマイクロスピーカ32から音声が発生される。かくして、視覚障害者は所要歩行路に沿って適切に歩行していることを認識する。一方、視覚障害者の歩行が所要歩行路から逸脱して白杖の先端が、磁界生成手段2が配設されている領域から逸脱すると、磁界検出手段14が磁界を検出しなくなり、従って磁界検出信号が生成されなくなって音声の生成が終了し、かくして視覚障害者は所要歩行路から逸脱したことを認識する。
【0023】
警報時期切換手段16が第二の状態に設定されている場合には、視覚障害者が携帯する誘導手段4即ち白杖の先端が、磁界発生手段2が配設されている領域内に存在し、従って視覚障害者が歩行路に沿って所要とおりに歩行している時には、磁界検出手段14が磁界を検出して磁界検出信号を生成し、第二の付勢手段20が磁界検出信号を受信し、従って付勢信号が生成されず、音声が発生されることはなく、これによって視覚障害者は所要歩行路に沿って適切に歩行していることを認識する。一方、視覚障害者の歩行が所要歩行路から逸脱して白杖の先端が、磁界生成手段2が配設されている領域から逸脱すると、磁界検出手段14が磁界を検出しなくなり、従って磁界検出信号が生成されなくなり、第二の付勢手段20が作動信号を生成し、音声発生手段28が付勢されマイクロスピーカ32から音声が発生される。かくして視覚障害者は所要歩行路から逸脱したことを認識する。
【0024】
警報様式切換手段24が第二の状態に設定されている場合には、上述した音声発生手段28による音声の発生に代えて、磁界検出手段14が磁界を検出している時に振動発生手段30が振動を発生し、(警報時期切換手段16が第一の状態に設定されている時)、或いは磁界検出手段14が磁界を検出していない時に振動発生手段30が振動を発生し(警報時期切換手段16が第二の状態に設定されている時)、振動を感知することによって視覚障害者は所要歩行路に沿って歩行しているか或いは所要歩行路から逸脱してしまったかを認識することができる。
【0025】
図3乃至図6は、本発明に従って構成された視覚障害者歩行誘導システムの第二の実施形態を図示している。
【0026】
図3は屋外の交差点の一部を図示している。第二の実施形態においては2種の磁界発生手段102a及び102bが配設されている。一方の磁界発生手段102a(図3において破線で図示している)は、S極を表面にして埋設された多数の第一の棒状永久磁石から構成されている。他方の磁界発生手段102b(図3において二点鎖線で図示している)は、N極を表面にして埋設された多数の第二の棒状永久磁石から構成されている。一方の磁界発生手段102aは、視覚障害者が往路方向即ち矢印Aで示す方向に歩行する時に利用するものであり、他方の磁界発生手段102bは、視覚障害者が復路方向即ち矢印Bで示す方向に歩行する時に利用するものである。
【0027】
第二の実施形態においては、更に、誘導情報を発信するための複数個の誘導情報発信手段103が歩行路における適宜の場所に埋設されている。図5を参照して説明すると、誘導情報発信手段103の各々は、電源手段105と電気乃至電子回路107とから構成されている。回路107は、情報受信手段109、変調手段111及び発信手段113を含んでいる。情報受信手段109には、例えば公共情報センター等の情報提供機構から適宜の情報、例えば「この通りはイロハ通りです」、「1メートル先は交差点です」、「右折するとABC駅です」或いは[左折すると交番があります」等の所要情報が提供される。変調手段111は情報受信手段109が受信した情報信号を例えばPPM(Pulse Position Modulation)変調する。発信手段113はPPM変調された情報信号を赤外線信号として発信する。
【0028】
図4及び図6を参照して説明を続けると、第二の実施形態における誘導手段104においては、磁界検出手段114はS極を検出することができるS極検出手段114a、N極を検出することができるN極検出手段114b、検出磁極切換手段115から形成されている。手動操作される適宜のスイッチから構成される検出磁極切換手段115は、S極検出手段114aを作動状態にする(電源手段108に接続する)第一の状態とN極検出手段114bを作動状態にする第二の状態とに選択的に設定される。
【0029】
第二の実施形態における誘導手段104には、更に、誘導情報受信回路119が配設されている。かかる誘導情報受信回路119は、スイッチ手段127を介して電源手段108に接続されている。手動操作される適宜のスイッチ機構から構成することができるスイッチ手段127には電源ランプ129が付設されている。誘導情報受信回路119は、受信手段121、解析手段123及び誘導音声発生手段125を含んでいる。受信手段121には受信ランプ131が付設されている。スイッチ手段127が閉成され、これに応じて電源ランプ129が点灯されている状態において、受信手段121が上記誘導情報発信手段103が発信する赤外線信号を受信可能な領域に入ると、受信手段121に赤外線信号が受信され、これに応じて受信ランプ131が点灯される。解析手段123は受信手段121が受信した赤外線信号をPPM解析し、誘導音声発生手段125はPPM解析された信号に基いて上述したとおりの誘導音声情報を生成する。
【0030】
第二の実施形態の上述した構成以外の構成は図1及び図2に図示する第一の実施形態と実質上同一である。第二の実施形態の作用を説明すると、次のとおりである。視覚障害者が往路方向即ち矢印A方向に歩行する際には、検出磁極切換手段115を第一の状態に設定して、誘導手段を構成する白杖(図1を参照されたい)の先端部を一方の磁界発生手段102aに沿って移動させて歩行する。図1及び図2に図示する第一の実施形態の場合と同様に、視覚障害者が所要歩行路に沿って歩行している時には、音声が発生或いは振動が発生され(或いはされることなく)、視覚障害者の歩行が所要歩行路から逸脱すると、音声の発生或いは振動の発生が中断される(或いは音声が発生或いは振動が発生される)。スイッチ手段127が閉成されている場合には、白杖の先端部が特定の誘導情報発信手段103に近接すると、特定の誘導情報発信手段103の発信手段113から発信される信号が誘導情報受信手段119の受信手段121に受信され、誘導音声発生手段125が特定の誘導情報、例えば「この通はイロハ通です」等の誘導情報を音声として発生し、視覚障害者は特定の誘導情報を把握することができる。視覚障害者が復路方向即ち矢印Bで示す方向に歩行する際には、検出磁極切換手段115を第二の状態に設定して、白杖の先端部を他方の磁界発生手段102bに沿って移動させて歩行する。第二の実施形態の上述したとおりの作用以外の作用は第一の実施形態の作用と実質上同一である。
【0031】
以上添付図面を参照して本発明に従って構成された視覚障害者歩行誘導システムの好適実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能であることは多言するまでもない。例えば、図示の実施形態における種々の切換手段に、これらの状態を点灯又は消灯によって表示するランプ(この場合には視覚障害者が種々の切換手段の状態を認識するためには健常者の助けを必要とする)、或いは種々の切換手段が特定状態に設定された時にこれに対応して所定の音声を発生する音声発生手段(この場合には健常者の助けを必要とすることなく視覚障害者が種々の切換手段の設定された状態を認識することができる)を付設することができる。また、屋外の歩行路に関して本発明の視覚障害者歩行誘導システムを説明したが、本発明の視覚障害者歩行誘導システムは屋内の歩行路にも適用することができる。更に、視覚障害者が携帯する誘導手段は白杖に限られることなく、例えば視覚障害者の靴に装備される適宜の器具でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に従って構成された視覚障害者歩行誘導システムの第一の実施形態を示す簡略断面図。
【図2】図1に示す第一の実施形態における誘導手段に配設された電気乃至電子的手段を示すブロック線図。
【図3】本発明に従って構成された視覚障害者歩行誘導システムの第二の実施形態における磁界発生手段及び誘導情報発信手段を示す簡略平面図。
【図4】本発明に従って構成された視覚障害者歩行誘導システムの第二の実施形態を示す簡略図。
【図5】図3に示す誘導情報発信手段における電気乃至電子的手段を示すブロック線図。
【図6】本発明に従って構成された視覚障害者歩行誘導システムの第二の実施形態における誘導手段に配設された電気乃至電子的手段を示すブロック線図。
【符号の説明】
【0033】
2:磁界発生手段
4:誘導手段
6:歩道路(歩行路)
14:磁界検出手段
16:警報時期切換手段
24:警報様式切換手段
28:音声発生手段
30:振動発生手段
102a:磁界発生手段
102b:磁界発生手段
103:誘導情報発信手段
104:磁界検出手段
114a:S極検出手段
114b:N極検出手段
115:検出磁極切換手段
119:誘導情報受信・音声発生手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歩行路に沿って配設された磁界発生手段と、視覚障害者が携帯する、磁界検出手段を備えた誘導手段とから構成された視覚障害者歩行誘導システムにおいて、
該誘導手段には、更に、音声発生手段、振動発生手段、及び該音声発生手段を作動可能状態に設定する第一の状態と該振動発生手段を作動可能状態に設定する第二の状態とに手動で選択的に設定される警報様式切換手段が配設されており、該警報様式切換手段が該第一の状態に設定されている時には該磁界検出手段が磁界を検出しているとき又は検出していない時に該音声発生手段が作動され、該警報状態切換手段が第二の状態に設定されている時には該磁界検出手段が磁界を検出している時又は検出していない時に該振動発生手段が作動される、ことを特徴とする視覚障害者歩行誘導システム。
【請求項2】
該誘導手段には、更に、該磁界検出手段が磁界を検出している時に該音声発生手段又は該振動発生手段を作動可能状態に設定する第一の状態と該磁界検出手段が磁界を検出していない時に該音声発生手段又は該振動発生手段を作動可能状態に設定する第二の状態とに手動で選択的に設定される警報時期切換手段が配設されており、該警報時期切換手段が第一の状態に設定されている時には該磁界検出手段が磁界を検出している時に該音声発生手段又は該振動発生手段が作動され、該警報時期切換手段が第二の状態に設定されている時には該磁界検出手段が磁界を検出していない時に該音声発生手段又は該振動発生手段が作動される、請求項1記載の視覚障害者歩行誘導システム。
【請求項3】
歩行路に沿って配設された磁界発生手段と、視覚障害者が携帯する、磁界検出手段を備えた誘導手段とから構成された視覚障害者歩行誘導システムにおいて、
該誘導手段には、更に、音声発生手段と振動発生手段との少なくともいずれか一方、該磁界検出手段が磁界を検出している時に該音声発生手段と該振動発生手段との該一方を作動可能状態に設定する第一の状態と該磁界検出手段が磁界を検出していない時に該音声発生手段と該振動発生手段との該一方を作動可能状態に設定する第二の状態とに手動で選択的に設定される警報時期切換手段が配設されており、該警報時期切換手段が第一の状態に設定されている時には該磁界検出手段が磁界を検出している時に該音声発生手段と該振動発生手段との該一方が作動され、該警報時期切換手段が第二の状態に設定されている時には該磁界検出手段が磁界を検出していない時に該音声発生手段と該振動発生手段との該一方が作動される、ことを特徴とする視覚障害者歩行誘導システム。
【請求項4】
該磁界発生手段はS極を表面にして配設された多数の第一の棒状永久磁石とN極を表面にして配設された多数の第二の棒状永久磁石とを含み、
該誘導手段に配設されている該磁界検出手段はS極検出手段、N極検出手段、及び該S極検出手段を作動可能状態に設定する第一の状態と該N極検出手段を作動可能状態に設定する第二の状態とに手動で選択的に設定される検出磁極切換手段を含んでいる、請求項1から3までのいずれかに記載の視覚障害者歩行誘導システム。
【請求項5】
歩行路には、誘導情報を発信するための誘導情報発信手段が配設されており、該誘導手段には、誘導情報を受信するための受信手段、及び該受信手段が受信した誘導情報に応じて誘導音声を発生する誘導音声発生手段が配設されている、請求項1から4までのいずれかに記載の視覚障害者歩行誘導システム。
【請求項6】
該誘導手段は白杖である、請求項1から5までのいずれかに記載の視覚障害者歩行誘導システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−89923(P2009−89923A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−263957(P2007−263957)
【出願日】平成19年10月10日(2007.10.10)
【出願人】(305019152)学校法人船田教育会 (2)
【Fターム(参考)】