説明

視認力向上支援装置

【課題】確率共振現象(SR)を利用して車両の運転者の視認力を向上させることができる視認力向上支援装置を提供する。
【解決手段】視認力向上支援装置1は、視認可能なノイズ強度の閾値に基づいて設定された最適ノイズ強度の視覚的ノイズを生成し、その生成した視覚的ノイズを照射するノイズ光発生装置10と、ノイズ光発生装置10から照射された視覚的ノイズを反射する反射部13とを備える。ノイズ光発生装置10は、生成した視覚的ノイズを車両の運転者の目の位置及び反射部13に対して照射し、さらに、反射部13は、ノイズ発生手段から照射された視覚的ノイズを直接又は車両の構造物による反射を介して運転者の目の位置の方向へ反射する。このようにして運転者が運転中に視線を向ける範囲における複数の方向から運転者の目の位置に対して視覚的ノイズを照射することで運転者の視認力を向上させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、確率共振現象(SR:Stochastic Resonance)を応用した視認力向上支援装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、歩行者に眩しさを与えることなく、運転者からの視認性を向上することを目的とした前照灯制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に開示されている前照灯制御装置によれば、可視光線を車体前方へ向けて照射する第1前照灯と、紫外線を車体前方へ向けて照射する第2前照灯とを備える。この第2前照灯からの紫外線は、前方歩行者の衣服に反応して前方歩行者を浮き上がらせる。そのため、運転者は、前方歩行者を視認することができるようになり、また、前方歩行者は、紫外線を受けても眩しさを感じることがない。
【特許文献1】特開2000−203335号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した従来の前照灯制御装置は、紫外線を利用するため、その反射度合いは衣服の色に大きく影響する。従って、運転者は、反射度合いが低くなる色の衣服を着用した歩行者を視認することが難くなる。また、犬や猫等の小動物から反射される紫外線の反射度合いは、衣服を着用した歩行者に比べて低いため、運転者は、小動物等を視認することが難しくなる。即ち、従来の前照灯制御装置は、視認する対象物に紫外線を当てることで対象物の視認性を向上させているため、対象物の条件によっては効果が十分得られないという問題がある。
【0004】
本発明は、このような問題を鑑みてなされたもので、視認する側(即ち、運転者)の視覚認識能力(視認力)を向上させることができる視認力向上支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の視認力向上支援装置は、視認可能なノイズ強度の閾値に基づいて設定された最適ノイズ強度の視覚的ノイズを生成し、その生成した視覚的ノイズを車両運転中の運転者に対して照射することによって、運転者の視認力向上を支援するものである。そして、運転者が運転中に視線を向ける範囲における複数の方向から運転者の目の位置に対して視覚的ノイズを照射することを特徴とする。
【0006】
本発明は、確率共振現象(SR)の研究成果(人の脳における確率共振現象の実験的検証、日高ら、生体・生理シンポジウム論文集VOL.15th、P.261〜264)に着目したものである。
【0007】
生体における確率共振現象(SR)とは、感覚神経細胞に対する適度なノイズ印加によってその感覚神経細胞における閾値以下の入力信号を検出する能力が上昇するという現象である。この確率共振現象(SR)によって、人の生体機能(例えば、知覚、調節、行為等のマクロな機能)が向上するということが実験的検証等によって明らかになっている。
【0008】
ここで、確率共振現象(SR)について具体的に説明する。図3(a)は、感覚神経細胞を非線形システムとして模式的に示したものである。ここで、感覚神経細胞は、図3(b)に示すように、一般に閾値型の入出力特性を有するため、閾値以下の微小な入力信号は検出することができない。しかしながら、ランダムな広帯域ノイズを入力信号と同時に印加すると、閾値以下の微弱な信号を検出するようになる。
【0009】
一方、ランダムな広帯域ノイズの強度は、図3(c)に示す「信号雑音比−ノイズ強度」曲線から明らかなように、ノイズの強度が小さ過ぎたり、あるいは、入力信号の強弱とは無関係に閾値を超えるほど大き過ぎたりした場合、出力信号の信号雑音比を低下させることが知られており、出力信号の信号雑音比を最大化するノイズ強度が存在する。
【0010】
なお、上述のように、確率共振現象(SR)は、ノイズを印加することによって入力信号の認識能力が高まるという現象であり、潜在意識を活性化させるサブリミナル効果を利用した手法(映像・音声等に通常の視覚・聴覚では捉えられない速度・音量によるメッセージを隠し、それを繰り返し流すことにより、視聴者の潜在意識に働きかける等。)とは異なるものである。
【0011】
本発明は、上述した最適ノイズ強度の視覚的ノイズを生成し、その生成した視覚的ノイズを車両の運転者に対して照射することで、運転者の視覚認識能力を向上させることができる。なお、ここでいう視覚的ノイズとは、光によって構成されるノイズのことである。
【0012】
一方、運転者は、車両を安全に運転するために前方の視界だけでなく上下、左右方向の視界からも視覚情報を取得して周囲の状況を判断する必要がある。従って、運転中の運転者の視線の向きは常に一定であるわけではない。そこで、運転者が運転中に視線を向ける範囲における複数の方向から運転者の目の位置に対して視覚的ノイズを照射することで、運転者の視線の方向が変わっても視覚的ノイズを効果的に照射することができる。
【0013】
なお、複数の方向から運転者の目の位置に対して視覚的ノイズを照射するためには、請求項2に記載の視認力向上支援装置のように、視認可能なノイズ強度の閾値に基づいて設定された最適ノイズ強度の視覚的ノイズを生成し、その生成した視覚的ノイズを照射するノイズ発生手段と、ノイズ発生手段から照射された視覚的ノイズを反射する反射手段とを備えるように構成する。そして、ノイズ発生手段は、生成した視覚的ノイズを車両の運転者の目の位置及び反射手段に対して照射し、さらに、反射手段は、ノイズ発生手段から照射された視覚的ノイズを直接又は車両の構造物による反射を介して運転者の目の位置の方向へ反射するように構成するとよい。
【0014】
このような構成によれば、例えば、ノイズ発生手段から直接運転者へ向けて照射されている視覚的ノイズは、運転者が視線を正面に向けているときの視野の方向から運転者の目の位置へ入射し、反射手段によって反射された視覚的ノイズは、サイドミラーを見るときや右左折時又は標識等を見るとき等に運転者が上下左右方向の何れかに視線を向けているときの視野の方向から運転者の目の位置へ入射するといった具合に、運転者の視線の方向に応じて適切な方向から視覚的ノイズを運転者に積極的に付与することができる。また、反射手段によって視覚的ノイズを車両内の構造物であるフロントウィンドウシールド等へ向けて一旦反射し、このフロントウィンドウシールド等で視覚的ノイズを再び反射して運転者に照射するように構成してもよい。この場合、運転者から反射手段を見たときに、ノイズ発生手段が反射手段に直接映り込まないようにすることができる。
【0015】
このように、反射手段を用いて視覚的ノイズを反射させることによって、ノイズ発生手段を1箇所に設置するだけでも、複数箇所にノイズ発生手段を設置してそれぞれから運転者に対して視覚的ノイズを照射するのと同等の効果を得ることができ、より簡易な構成でシステムを構築することができる。
【0016】
また、請求項3に記載の視認力向上支援装置のように、反射手段が鏡で構成され、車両のインストルメントパネル上部に設けられているとよい。反射手段がインストルメントパネル上部に配置されることで、反射手段が運転者の視界を遮ることなく様々な方向から効果的に視覚的ノイズを運転者に照射することができる。さらに、反射手段が鏡によって構成されることで、光である視覚的ノイズを良好に反射させることができる。
【0017】
さらに、請求項4に記載の視認力向上支援装置のように、反射手段は、視覚的ノイズを反射させる方向を任意に調節可能に構成されていることが望ましい。このようにすれば、運転者の身長や運転姿勢に応じた適切な位置に視覚的ノイズを照射することができる。具体的には、反射手段の鏡を手動により任意の角度に調節できるように構成し、運転者の身長や運転姿勢に応じた適切な位置に視覚的ノイズが反射されるように適宜鏡の角度を調節すればよい。
【0018】
一方、請求項5に記載の視認力向上支援装置のように、ノイズ発生手段が、車両の天井部の運転者の頭部より前方に設けられているとよい。このようにすれば、ノイズ発生手段が運転者の視界を遮ることなく、運転者及び反射手段に対して効果的に視覚的ノイズを照射することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態の視認力向上支援装置1の概略構成及び視覚的ノイズ(以下、ノイズ光ともいう。)照射のイメージを示す説明図である。
【0020】
図1に示すように、実施形態の視認力向上支援装置1は、ノイズ光を生成し、その生成したノイズ光を照射するノイズ光発生装置10と、ノイズ光発生装置10から照射されたノイズ光を反射する反射部13とを備えている。
【0021】
ノイズ光発生装置10は、ノイズ生成部11とノイズ出力部12とを備えている。ノイズ生成部11は、ノイズ光を出力するための制御信号を予め記憶している最適ノイズ強度に基づいて生成し、これをノイズ出力部12へ送信するものである。そして、ノイズ出力部12は、ノイズ生成部11から送信されてきたノイズ光を出力するための制御信号に基づいて光源を点滅させることで、運転者及び反射部13に対してノイズ光を照射するものである。ノイズ光の光源としては、例えば、LED(light emitting diode)を用いてもよいし、車両2の室内灯用のランプ等を利用してもよい。
【0022】
ここで、視覚的ノイズについて説明する。視覚認識における確率共振現象(SR)を誘起するために用いられる視覚的ノイズは、特定の周波数帯域で強い強度を示すことのないランダムな広帯域ノイズでなければならない。そこで、視覚認識可能な周波数帯における視覚的ノイズのノイズ強度の周波数分布が一様であるランダムノイズや、視覚的ノイズのノイズ強度の周波数分布が視覚的ノイズの周波数に反比例する1/fノイズ等を用いることで視覚認識における確率共現象(SR)を誘起することができる。
【0023】
なお、前述のとおり、ランダムな広域帯ノイズは、ノイズ強度が小さ過ぎたり、あるいは、入力信号の強度と無関係に閾値を超えるほど大き過ぎたりした場合、出力信号の信号雑音比を低下させることが知られており、信号出力の信号雑音比を最大化するノイズ強度が存在する。
【0024】
そこで、確率共振現象(SR)を誘起するのに適したノイズ強度のノイズ光をノイズ光発生装置10が発生させるためには、例えば、実験等によって信号出力の信号雑音比を大きくするのに適したノイズ強度を予め求めておき、ノイズ生成部11は、この実験等によって求めたノイズ強度を最適ノイズ強度として記憶しておけばよい。そして、この記憶している最適ノイズ強度に基づいてノイズ光を出力するための制御信号を生成する。あるいは、ノイズ出力部12から出力するノイズ光の強度を徐々に高めていったときに、運転者がノイズを最初に知覚したタイミングにおけるノイズ光の強度をノイズ強度の閾値として決定する閾値決定部(図示なし)と、この決定したノイズ強度の閾値を記憶する閾値記憶部(図示なし)とを、ノイズ光発生装置10が備えるように構成してもよい。そして、ノイズ生成部11は、閾値記憶部が記憶している閾値に対して信号出力の信号雑音比を大きくするのに適した所定の割合のノイズ強度(例えば、上記ランダムノイズの場合は閾値の100%程度のノイズ強度、上記1/fノイズの場合は閾値の69%程度のノイズ強度)を最適ノイズ強度として設定し、この設定した最適ノイズ強度に基づいてノイズ光を出力するための制御信号を生成するように構成してもよい。なお、信号出力の信号雑音比を大きくするのに適した閾値に対するノイズ強度の割合は、実験等によって予め求めておけばよい。また、閾値に対するノイズ強度の割合を変更可能に構成してもよい。
【0025】
反射部13は、ノイズ光発生装置10から照射されたノイズ光を反射するための鏡を備えている。また、反射部13は、鏡の角度を手動により変更可能に構成されており、これによりノイズ光を反射する角度を手動で調節することができる。
【0026】
以上、視認力向上支援装置1の概略構成について説明したが、本実施形態における視認力向上支援装置1の構成と特許請求の範囲に記載した構成との対応は次のとおりである。即ち、本実施形態のノイズ光発生装置10が特許請求の範囲におけるノイズ発生手段に相当し、反射部13が反射手段に相当する。
【0027】
図2は、実施形態の視認力向上支援装置1の各部の配置状況及びノイズ光照射状況を示すイメージ図である。そして、(a)は、視認力向上支援装置1が搭載された車両2の側方から見た図であり、(b)は、車両2の車内後方から前方を見た図である。
【0028】
図2(a)、(b)に示すように、ノイズ光発生装置10は、運転者の頭部より前方の車両2の天井部に1台設置されている。また、車両2のインストルメントパネル20の上部には、複数の反射部13が配置されており、これらは図2(b)に示すように、インストルメントパネル20の上部の左右両端部付近にそれぞれ1箇所ずつと中央部付近に2箇所の合計4箇所に配置されている。
【0029】
ノイズ光発生装置10が、運転者の頭部前方の天井部に配置されることで、ノイズ光発生装置10が1箇所にしか配置されていなくてもノイズ光を運転者の目の位置の方向及びインストルメントパネル20上部に配置された反射部13の方向へ効率よく照射することができる。なお、ノイズ光発生装置10から運転者へ直接照射されるノイズ光は、運転者が視線を正面へ向けているときの視野の方向から入射するように照射されている。
【0030】
また、反射部13は、ノイズ光発生装置10から照射されたノイズ光を反射した際、反射したノイズ光が運転者の視線が正面から何れかの方向へ移動した場合の視野の方向から運転者の目の方向へ入射するようにそれぞれ配置されている。具体的には、インストルメントパネル20の左右両端部付近に配置された反射部13は、運転者が右左折時の巻き込み確認やサイドミラー(図示なし)によって後方確認等をするとき等に視線を左右方向へ比較的大きく移動した場合の運転者の視野の方向からノイズ光が入射するようにノイズ光を反射する。そして、インストルメントパネル20の中央部付近に配置された反射部13では、信号や道路標識等を確認するとき等に視線を上下左右方向へ比較的小さく移動した場合の視野の方向からノイズ光が入射するようにノイズ光を反射する。
【0031】
なお、ノイズ光発生装置10から照射されたノイズ光を反射部13が反射する際、一旦車両2のフロントウィンドウシールド21へ向けて反射し、フロントウィンドウシールド21においてもう一度ノイズ光を反射させてから運転者の目の位置の方向へ照射するようにしてもよい。この場合、運転者から反射部13を見たときに、ノイズ光発生装置10が反射部13に直接映り込まないようにすることができる。
【0032】
一方、反射部13の鏡の部分は、ボールジョイント等の任意の角度に位置決め可能な自在継ぎ手等によって支持されており、手動により反射部13の鏡の部分を任意の角度に調節することが可能である。これにより、運転者の体格や運転姿勢に合わせた適切な位置にノイズ光が照射されるようにノイズ光の反射角度を調節することができる。
【0033】
[効果]
本発明の視認力向上支援装置1によれば、以下のような効果を奏する。
(1)ノイズ光発生装置10から運転者へ向けて直接照射されているノイズ光は、運転者が視線を正面に向けているときの視野の方向から運転者の目の位置へ入射する。そして、反射部13によって反射されたノイズ光は、サイドミラーを見るときや右左折時又は標識等を見るなどに運転者が上下左右方向の何れかに視線を向けているときの視野方向から運転者の目の位置へ入射する。このように、運転者の視線の方向に応じて適切な方向からノイズ光を運転者に積極的に付与することで、運転者の視認力を向上させることができる。
【0034】
(2)ノイズ光発生装置10から照射されたノイズ光を反射部13で反射させて運転者に対して照射することによって、ノイズ光発生装置10を1箇所に設置するだけでも、複数箇所にノイズ光発生装置10を設置してそれぞれから運転者に対してノイズ光を照射するのと同等の効果を得ることができる。従って、より簡易な構成でシステムを構築することができる。
【0035】
(3)反射部13がインストルメントパネル20上部に配置されることで、反射部13が運転者の視界を遮ることなく様々な方向から効果的にノイズ光を運転者に照射することができる。また、反射部13が鏡によって構成されることで、ノイズ光を良好に反射させることができる。
【0036】
(4)反射部13の鏡を手動により任意の角度に調節できるように構成することで、運転者の身長や運転姿勢に応じた適切な位置にノイズ光が反射されるように適宜鏡の角度を調節することが可能になり、運転者の身長や運転姿勢に応じた適切な位置にノイズ光を照射することができる。
【0037】
(5)ノイズ光発生装置10が、車両2の天井部の運転者の頭部より前方に設けられていることで、ノイズ光発生装置10が運転者の視界を遮ることなく、運転者及び反射部13に対して効果的にノイズ光を照射することができる。
【0038】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施形態は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り様々な態様にて実施することが可能である。
【0039】
例えば、反射部13は、インストルメントパネル20上部以外に、運転中の運転者の視界の妨げにならないように車両2のステアリングポスト(図示なし)上や天井部等に設置してもよい。
【0040】
また、反射部13を設置する代わりに複数のノイズ光発生装置10を設置して、それぞれから運転者に対してノイズ光を照射するように構成してもよい。また、複数のノイズ光発生装置10と反射部13とを組み合わせて構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】実施形態の視認力向上支援装置の概略構成及びノイズ光照射のイメージを示す説明図である。
【図2】実施形態の視認力向上支援装置の各部の配置状況及びノイズ光照射状況を示すイメージ図である。
【図3】(a)は、感覚神経細胞を非線形システムとして模式的に示した図であり、(b)は、閾値型の入出力特性を示した図であり、(c)は、「信号雑音比−ノイズ強度」曲線を示した図である。
【符号の説明】
【0042】
1…視認力向上支援装置、2…車両、10…ノイズ光発生装置、11…ノイズ生成部、12…ノイズ出力部、13…反射部、20…インストルメントパネル、21…フロントウィンドウシールド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
視認可能なノイズ強度の閾値に基づいて設定された最適ノイズ強度の視覚的ノイズを生成し、その生成した視覚的ノイズを車両運転中の運転者に対して照射することによって、前記運転者の視認力向上を支援する視認力向上支援装置であって、
前記運転者が運転中に視線を向ける範囲における複数の方向から前記運転者の目の位置に対して前記視覚的ノイズを照射すること
を特徴とする視認力向上支援装置。
【請求項2】
視認可能なノイズ強度の閾値に基づいて設定された最適ノイズ強度の視覚的ノイズを生成し、その生成した視覚的ノイズを照射するノイズ発生手段と、
前記ノイズ発生手段から照射された前記視覚的ノイズを反射する反射手段とを備え、
前記ノイズ発生手段は、前記生成した視覚的ノイズを車両の運転者の目の位置及び前記反射手段に対して照射し、さらに、前記反射手段は、前記ノイズ発生手段から照射された前記視覚的ノイズを直接又は前記車両の構造物による反射を介して前記運転者の目の位置の方向へ反射することで、前記運転者が運転中に視線を向ける範囲における複数の方向から前記運転者の目の位置に対して前記視覚的ノイズを照射し、それにより前記運転者の視認力向上を支援すること
を特徴とする視認力向上支援装置。
【請求項3】
請求項2に記載の視認力向上支援装置において、
前記反射手段は、鏡で構成され、前記車両のインストルメントパネル上部に設けられていること
を特徴とする視認力向上支援装置。
【請求項4】
請求項3に記載の視認力向上支援装置において、
前記反射手段は、前記視覚的ノイズを反射させる方向を任意に調節可能に構成されていること
を特徴とする視認力向上支援装置。
【請求項5】
請求項2ないし請求項4の何れか1項に記載の視認力向上支援装置において、
前記ノイズ発生手段は、前記車両の天井部の前記運転者の頭部より前方に設けられていること
を特徴とする視認力向上支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−168642(P2006−168642A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−366689(P2004−366689)
【出願日】平成16年12月17日(2004.12.17)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】