説明

覚醒状態を検知する目覚時計

【課題】 本発明の課題は、確実に覚醒させる目覚し時計を提供することである。
【解決手段】 覚醒する時刻を設定して保持する覚醒時刻設定手段と、現在時刻を含む時間情報を出力する時計手段と、覚醒刺激開始指示を発行する覚醒刺激開始手段と、人間の生体情報を検出して、記録する生体情報検出手段と、生体情報の波形と周波数から、覚醒情報を抽出して記録する覚醒情報抽出手段と、前記覚醒情報が所定の条件に達したら、覚醒刺激停止指示を発行する覚醒刺激停止手段と、覚醒刺激開始指示を受けて覚醒刺激を開始して、覚醒刺激停止指示を受けて覚醒刺激を停止する覚醒刺激手段と、を備えた覚醒検知目覚時計であって、覚醒する時刻になったら、覚醒刺激手段が、睡眠中の人間に覚醒刺激をを開始して、この人間から検出した生体情報の覚醒情報が所定の条件に達したら、覚醒刺激停止手段は、覚醒刺激手段を停止させることを特徴とする覚醒検知目覚時計である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、睡眠時の人の生体情報を検出して、覚醒状態を検知することで、確実に覚醒を約束する目覚時計及び目覚し方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、目覚し時計において、設定した時刻にアラーム音を鳴動させると同時に、様々な工夫を加えて、確実に覚醒させる仕組みが組み込まれている。
【0003】
たとえば、特許文献1には、心地の良い覚醒を促すために、覚醒促進物質を放出して脳を刺激させてから、アラーム音を発する技術が開示されている。(従来技術1)
【特許文献1】特許第634164号公報(2頁、図1)特許文献2には、遊戯具のパチンコ台を組み込んだからくり時計により、娯楽性を持った音を発する技術が開示されている。(従来技術2)
【特許文献2】実公平7−25741号公報(2〜3頁、図1〜6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来技術1や従来技術2では、設定時刻にアラーム音の停止操作を手動にて行うために、確実に覚醒しておらずに、無意識にアラーム音を停止させて、再び、睡眠状態に入ってしまい、目覚まし本来の役割を発揮しないという問題があった。
【0005】
本発明はこのような従来技術を考慮してなされたものであって、本発明の課題は、確実に覚醒させる目覚し時計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。すなわち、請求項1の発明は、覚醒する時刻を設定して保持する覚醒時刻設定手段と、現在時刻を含む時間情報を出力する時計手段と、覚醒刺激開始指示を発行する覚醒刺激開始手段と、人間の生体情報を検出して、記録する生体情報検出手段と、生体情報の波形と周波数から、覚醒情報を抽出して記録する覚醒情報抽出手段と、前記覚醒情報が所定の条件に達したら、覚醒刺激停止指示を発行する覚醒刺激停止手段と、覚醒刺激開始指示を受けて覚醒刺激を開始して、覚醒刺激停止指示を受けて覚醒刺激を停止する覚醒刺激手段と、を備えた覚醒検知目覚時計であって、覚醒する時刻になったら、覚醒刺激手段が、覚醒刺激開始指示を受領して、睡眠中の人間に覚醒刺激を与えることを開始して、覚醒刺激停止手段は、覚醒刺激を受けている人間から検出した生体情報の覚醒情報が所定の条件に達したら、覚醒刺激停止指示を発行して、覚醒刺激手段を停止させることを特徴とする覚醒検知目覚時計である。
【0007】
したがって、覚醒検知目覚時計は、睡眠中の人間が覚醒する(目覚める)まで、刺激(アラーム音)を継続できる。
【0008】
請求項2の発明は、覚醒する時刻を設定して保持する覚醒時刻設定ステップと、現在時刻を含む時間情報を出力する時計ステップと、覚醒する時刻になったら、睡眠中の人間を刺激する覚醒刺激ステップと、人間の生体情報を検出して、生体情報の波形と周波数から、覚醒情報を抽出して記録する覚醒情報抽出ステップと、前記覚醒情報が所定の条件に達したら、覚醒刺激停止指示を発行する覚醒刺激停止ステップと、覚醒刺激停止指示を受けて覚醒刺激を停止する覚醒刺激ステップと、を含んだ手順でなされることを特徴とする覚醒を検知する目覚し方法である。
【0009】
請求項3の発明は、コンピュータに組込むことによって、コンピュータを請求項1に記載の覚醒検知目覚時計として動作させるコンピュータプログラムである。
【0010】
請求項4の発明は、請求項3に記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0011】
本願発明によれば、睡眠中の人間が覚醒したことを検出するまで鳴動を続けるために、睡眠から確実に覚醒させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面等を参照しながら、本発明の実施の形態について、更に詳しく説明する。図1は、覚醒検知目覚時計の詳細な構成図である。覚醒検知目覚時計100は、生体情報検出手段110と、覚醒情報抽出手段120と、時計手段130と、覚醒時刻設定手段140と、覚醒刺激手段150と、覚醒刺激開始手段160と、覚醒刺激停止手段165とを備える。
【0013】
生体情報検出手段110は、人間の生体情報(たとえば、脳波データ)を検出して、記録する。覚醒情報抽出手段120は、生体情報(たとえば、脳波データ)の波形と周波数から、覚醒情報(たとえば、α(アルファー)波成分)を抽出して記録する。時計手段130は、現在時刻を含む時間情報を出力する。覚醒時刻設定手段140は、人間が覚醒する時刻(たとえば、目覚まし時刻)を設定して保持する。覚醒刺激手段150は、睡眠中の人間を刺激(たとえば、アラーム音)する。覚醒刺激開始手段160は、覚醒刺激開始指示を発行する。覚醒刺激停止手段165は、前記覚醒情報が所定の条件(たとえば、所定の基準値以下)に達したら、覚醒刺激停止指示を発行する。
【0014】
生体情報検出手段110はセンサーである。覚醒刺激手段150と、音響スピーカーである。覚醒情報抽出手段120と、時計手段130と、覚醒時刻設定手段140と、覚醒刺激開始手段160と、覚醒刺激停止手段165とは、コンピュータプログラムである。
【0015】
図2は、100のフローチャートである。
(1)覚醒時刻設定手段140は、目覚まし時刻を設定して保持する。(ステップS110)
(2)時計手段130が出力する時間情報の現在時刻と、目覚まし時刻を比較する。目覚まし時刻になったら、次のステップに進む。現在時刻が目覚まし時刻以前であれば、このステップの先頭に戻る。(ステップS120)
(3)覚醒刺激開始手段160は、覚醒刺激開始指示を発行して、覚醒刺激手段150は、覚醒刺激開始指示を受領して、アラーム音を発する。(ステップS130)
(4)生体情報検出手段110は、脳波データを検出して、記録する。(ステップS140)
(5)覚醒情報抽出手段120は、脳波データの波形と周波数から、周波数が8から13Hz未満のα波成分を抽出して記録する。(ステップS150)
(6)α波成分の波形(振幅)と所定の基準値とを比較する。α波成分の振幅が所定の基準値を下回れば、次のステップに進む。α波成分の振幅が所定の基準値以上であれば、ステップ(4)に戻る。(ステップS160)
(7)覚醒刺激停止手段165は、覚醒刺激停止指示を発行して、覚醒刺激手段150は、覚醒刺激停止指示を受領して、アラーム音を止める。(ステップS170)
【0016】
なお、アラーム音の代わりに、香料や、風や、光の点滅や、温度変化などの生体を刺激するもので、良い。
【0017】
また、α波成分に脳波データのβ(ベータ)波成分(13から40Hz未満)を併用しても、同様の効果が得られる。
【0018】
以上詳しく説明したように、本発明によれば、目覚し時計は、設定した時刻に鳴動して、人が確実に覚醒したことを検出するまで鳴動を続けるために、確実に覚醒させることことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】覚醒検知目覚時計の構成図
【図2】覚醒検知目覚時計のフローチャート
【符号の説明】
【0020】
100 覚醒検知目覚時計
110 生体情報検出手段
120 覚醒情報抽出手段
130 時計手段
140 覚醒時刻設定手段
150 覚醒刺激手段
160 覚醒刺激開始手段
165 覚醒刺激停止手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
覚醒する時刻を設定して保持する覚醒時刻設定手段と、
現在時刻を含む時間情報を出力する時計手段と、
覚醒刺激開始指示を発行する覚醒刺激開始手段と、
人間の生体情報を検出して、記録する生体情報検出手段と、
生体情報の波形と周波数から、覚醒情報を抽出して記録する覚醒情報抽出手段と、
前記覚醒情報が所定の条件に達したら、覚醒刺激停止指示を発行する覚醒刺激停止手段と、
覚醒刺激開始指示を受けて覚醒刺激を開始して、覚醒刺激停止指示を受けて覚醒刺激を停止する覚醒刺激手段と、
を備えた覚醒検知目覚時計であって、
覚醒する時刻になったら、覚醒刺激手段が、覚醒刺激開始指示を受領して、睡眠中の人間に覚醒刺激を与えることを開始して、覚醒刺激停止手段は、覚醒刺激を受けている人間から検出した生体情報の覚醒情報が所定の条件に達したら、覚醒刺激停止指示を発行して、覚醒刺激手段を停止させる
ことを特徴とする覚醒検知目覚時計。
【請求項2】
覚醒する時刻を設定して保持する覚醒時刻設定ステップと、
現在時刻を含む時間情報を出力する時計ステップと、
覚醒する時刻になったら、睡眠中の人間を刺激する覚醒刺激ステップと、
人間の生体情報を検出して、生体情報の波形と周波数から、覚醒情報を抽出して記録する覚醒情報抽出ステップと、
前記覚醒情報が所定の条件に達したら、覚醒刺激停止指示を発行する覚醒刺激停止ステップと、
覚醒刺激停止指示を受けて覚醒刺激を停止する覚醒刺激ステップと、
を含んだ手順でなされることを特徴とする覚醒を検知する目覚し方法。
【請求項3】
コンピュータに組込むことによって、コンピュータを請求項1に記載の覚醒検知目覚時計として動作させるコンピュータプログラム。
【請求項4】
請求項3に記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。




【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2007−40859(P2007−40859A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−226140(P2005−226140)
【出願日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】