説明

親和性分離のための微粒気泡

【課題】親和性分子でコーティングされた微粒気泡に基づく、親和性単離、親和性精製および親和性アッセイのための方法、組成物およびキットを提供する。
【解決手段】タンパク質親和性分子でコーティングされた微粒気泡。さらに、ガラス親和性分子でコーティングされた微粒気泡。分析物および細胞を単離するために、本微粒気泡を使用する方法。一実施形態において、この微粒気泡はアルブミン微粒気泡のようなタンパク質微粒気泡である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、親和性分子でコーティングされた微粒気泡に基づく、親和性単離、親和性精製および親和性アッセイのための方法、組成物およびキットに関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
細胞、ウイルス、細菌および可溶性分子を単離する分野では、目的の標的を吸収または結合する固相として種々の型の粒子が使用されている。例えば、リガンド(例えば、抗体)でコーティングされた磁性粒子は、標的の細胞または可溶性タンパク質に結合し得る。この磁性粒子上に結合した標的は、他の細胞型またはタンパク質からの標的の分離をもたらす。この元の作業には種々の改良が存在しており、商業上の実施例が数年にわたって利用可能である。
【0003】
他の例としては、ラテックス粒子、リポソーム、乳脂肪顆粒、プラスチック粒子(例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびナイロンなど)が使用されている。捕捉支持体の場合、これらの各々は、それら自身の特定の性質および課題を有する。標的ではない細胞およびタンパク質の非特異的結合は、これらの方法が遭遇する最も一般的な課題であり、これは、不完全な分離をもたらす。さらに、大半の方法は、例えば、結合した粒子から未結合の種を分離することを達成するために、結合の後に、少なくとも1つのさらなる工程(例えば、磁性粒子に対しては、磁界が印加されなければならない)を必要とし、時折、遠心分離を使用して、溶液から粒子が分離または濾過される。
【0004】
一般的に、標的細胞またはタンパク質が結合するのに必要とされる時間は、溶液の単位体積あたりの粒子の表面積および粒子の量に関係する。粒子が小さければ小さいほど、表面積の増大により、結合はより迅速になる。不幸なことに、より大きな表面積は、一般的に非特異的結合を増大させる。
【0005】
分離方法は、その分離の性質または原理に依存して、種々の粒子を同時に単離し得る。このことは、粒子と細胞または他の種とが同時ペレット化(co−pellet)し得る重力遠心分離に基づく分離において明らかである。さらに、数種の細胞型(例えば、マクロファージおよび単球)は、それら自身が非特異的に粒子を飲み込み得、標的細胞とともに単離され得る。先の技術の個々の制限が特定の工程または予防策を採ることによって最小限にされ得るか、回避され得る一方で、特定の制限が固有であり、完全には克服し得ない。種々の程度の成功とともに多くの異なるアプローチが存在するという事実は、この課題に対するよりよい解決策が必要とされていることを示唆する。
【0006】
最適な分離因子は、非特異的な相互作用が無く、無限の表面積を有し、結合が即座に生じ、かつ標的ではない細胞または可溶性分子への結合を最小限にする。理想的には、この因子は、標的ではない細胞も分子もそれぞれ捕捉することなく、細胞懸濁物または可溶性分子の溶液から、因子自身を分離すべきである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の要旨)
本発明は、親和性単離(affinity isolation)または親和性アッセイ(affinity assay)に使用するための組成物を提供し、この組成物は、親和性分子により共有結合的にコーティングされている微粒気泡を含む。本発明の一実施形態において、この微粒気泡はアルブミン微粒気泡のようなタンパク質微粒気泡である。このタンパク質微粒気泡は、例えば、超音波処理により、タンパク質の溶液へガスを導入することにより形成され得る。本発明の一局面において、ガスは、タンパク質の溶液を加熱する工程を包含するプロセスを介して、タンパク質に導入され得る。別の実施形態において、このタンパク質微粒気泡は、例えば、タンパク質を変性する工程またはCr+++による処理によって安定化され得る。
【0008】
本発明の別の実施形態において、微粒気泡はガラス微粒気泡である。本発明の一局面において、このガラス微粒気泡は、約0.6g/ccの密度および約30μmの平均直径を有する。
【0009】
本発明にしたがって、親和性分子は、レセプター、リガンドまたは抗体であり得る。あるいは、この親和性分子は、ビオチン、アビジンまたはストレプトアビジンであり得る。
【0010】
親和性分子は、例えば、スルホスクシンイミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレートのようなヘテロ二官能性(heterobifunctional)試薬を使用することによって、この微粒気泡に直接結合され得る。本発明の別の実施形態において、この親和性分子は、例えば、少なくとも1つの他の分子の相互作用を介して、この微粒気泡に間接的に結合される。本発明の一局面において、微粒気泡は、ストレプトアビジンに直接結合され、そして親和性分子がビオチン化され、その結果、ストレプトアビジンとビオチンとが相互作用して、親和性分子を微粒気泡に結合させる。
【0011】
本発明の一実施形態にしたがって、親和性分子は、微粒気泡上のエポキシコーティングを介して、この微粒気泡に直接結合され得る。別の実施形態において、親和性分子は、微粒気泡上のアミン官能基を介して結合される。
【0012】
本発明の一局面において、ガラス微粒気泡を処理して、反応性の表面残基を生じさせ、この反応性の表面残基は、今度は3−アミノプロピルトリエトキシシランと反応させてアミンを生じる。別の局面において、ガラス微粒気泡は、シス−ジオールコーティングされ、親和性分子は、シス−ジオールコーティングを介してガラスに直接結合される。このシス−ジオールコーティングは、例えば、ガラス微粒気泡を処理して、反応性の表面ヒドロキシル残基を生じ、このヒドロキシル残基を3−グリシドオキシプロピルトリメトキシシランと反応させて、エポキシ官能性残基を生じ、そしてこのエポキシ官能性残基を酸により処理し、このエポキシ官能基をシス−ジオール官能基へ変換することによって、生成され得る。
【0013】
本発明はまた、親和性単離または親和性アッセイに使用するためのタンパク質微粒気泡を生成するための方法も提供する。一局面において、この方法は、タンパク質の溶液を加熱する工程を包含する。この方法の別の局面において、タンパク質の溶液を、超音波処理して、この溶液にガスを導入し、それによりタンパク質微粒気泡を生じる。この方法のなお別の局面において、タンパク質の溶液を、ガスまたはガス混合物の存在下で機械的に処理する。
【0014】
本発明の代替的な局面において、ガスは空気であり、タンパク質はアルブミンである。このタンパク質微粒気泡は、例えば、Cr+++による処理によって安定化され得る。
【0015】
本発明はまた、親和性単離または親和性アッセイに使用するための微粒気泡を生成するための方法を提供し、この方法は、微粒気泡を提供する工程、およびこの微粒気泡を親和性分子でコーティングする工程を包含する。
【0016】
本発明の別の実施形態において、種の親和性単離または親和性アッセイのための方法が提供される。これらの実施形態にしたがって、この方法は、溶液中の親和性分子でコーティングされた微粒気泡を提供する工程、溶液中でこの親和性分子と相互作用する種とこの微粒気泡とを接触させ、それにより、この種でコーティングされた微粒気泡を生成する工程、および、溶液の表面にこの種でコーティングされた微粒気泡を浮かせ、それにより、この溶液からこの種を分離する工程を包含する。
【0017】
この実施形態の一局面において、この種はレセプター、リガンドまたは抗原である。一実施形態において、この種は分析物である。代替の実施形態において、この種はウイルスまたは細胞である。
【0018】
本発明の別の局面において、タンパク質微粒気泡(特に、アルブミン微粒気泡)を、界面活性剤、圧力または減圧により処理し、この種を放出することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(発明の詳細な説明)
上記の要約および下記の詳細な説明の両方が単に例示的かつ説明的であり、特許請求される発明を制限しないことが理解されるべきである。本明細書で使用される場合、単数形の使用は、具体的にそうではないと示されない限り、複数形を包含する。本明細書で使用される場合、「または(or)」とは、そうではないと示されない限り、「および/または(and/or)」を意味する。さらに、用語「含む(including)」および他の形態(例えば、「含む(includes)」および「含まれる(included)」)の使用は限定ではない。本明細書で使用される場合、「できる(can)」とは、そうではないと示されない限り、「し得る(may)」を意味する。
【0020】
本明細書で使用される節の見出しは、単に構成目的のためであり、記載される対象を制限しないとみなされるべきである。本出願に引用された全ての書類または書類の一部(特許、特許出願、論文、書物、マニュアル、および専門書が挙げられるが、これらに限定されない)は、あらゆる目的のために、それらの全体において、参考として本明細書に明示的に援用される。
【0021】
(定義)
本発明の特定の実施形態の説明をさらに進める前に、多くの用語が定義され詳細に記載される。
【0022】
特別な定義が提供されない限り、本明細書に関連して使用される用語、ならびに本明細書に記載の実験室手順、技術および方法は、それらが属する分野の当業者に公知である。標準的な化学記号および略語は、このような記号により表される正式名と交換可能に使用される。したがって、例えば、用語「炭素」および「C」は、同一の意味を有することが理解される。標準的な技術が、化学合成、化学改変、化学分析、薬学的調製、処方、送達、および患者の処置のために使用され得る。標準的な技術が、組換えDNA方法論、オリゴヌクレオチド合成、および組織培養などのために使用され得る。当該分野において一般的に達成されるか、または本明細書に記載されるように、反応および精製技術が、例えば、製造者の明細書にしたがってキットを使用して、実行され得る。上記の技術および手順は、当該分野において周知の従来の方法にしたがって、ならびに本明細書の全体に亘って引用および議論される種々の一般的な参考文献およびより特別な参考文献に記載されるように、一般的に実行され得る。例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(1989))、Harlow&Lane,Antibodies:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(1988))(これらは、あらゆる目的のために参考としてこれらの全体において本明細書に援用される)を参照のこと。
【0023】
本明細書で使用される「気泡」とは、小さな中空かつ軽量の小球、代表的には、薄膜内に閉じ込められた、小体積の球状のガスをいう。気泡は、あらゆるガス(酸素、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、フッ化炭素のガスおよびこれらの種々の組み合わせ(例えば、空気)が挙げられるが、これらに限定されない)により充填され得る。この薄膜は、小体積のガスを閉じ込めることのできる任意の材料(例えば、不溶性タンパク質または脂質、ポリマー性材料または非ポリマー性材料、金属のような固体、固体ガラス、セラミック材料または類似材料、あるいはプラスチック(例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロンなど))であってもよい。好ましい実施形態において、この薄膜は、アルブミンである。別の好ましい実施形態において、この薄膜は、ホウケイ酸ガラスである。一実施形態において、この薄膜は、それが曝される条件および溶液下で安定である。別の実施形態において、気泡は、選択的に破裂、粉砕または可溶化され得る。「微粒気泡」は、一般的に、直径0.1〜100ミクロンの範囲、代表的に直径1〜50ミクロン、そしてしばしば直径2〜20ミクロンまたは2〜30ミクロンの小さな気泡である。
【0024】
本明細書で使用される場合、用語「分析物」とは、アッセイにおいて検出することが望ましく、かつサンプル中に存在し得るあらゆる物質をいう。分析物は、限定せずに任意の物質であってもよい。本発明の好ましい実施形態において、分析物は、天然に存在する抗体のための物質または抗体を調製し得るための物質を含む。この分析物は、例えば、タンパク質、ポリペプチド、ハプテン、炭水化物、脂質、薬物、細胞、細胞小成分(subcomponent)もしくは小器官(例えば、リソソーム(lysozome)、ミトコンドリア)または任意の他の種々の生物学的分子もしくは非生物学的分子、それらの複合体もしくは組み合わせであり得る。別の実施形態において、この分析物は抗体である。なお別の実施形態において、この分析物は核酸(DNA、RNA、PNA、およびこれらの混合物である核酸またはヌクレオチド誘導体もしくはアナログを含む核酸)である。
【0025】
本発明の組成物、方法およびキットを使用して検出され得る多価リガンド分析物は、通常、ポリ(アミノ酸)(すなわち、ポリペプチドおよびタンパク質)、多糖類、核酸、およびそれらの組み合わせである。このような組み合わせとしては、細胞成分、組織、細菌、ウイルス、細胞壁、細胞膜、細胞小器官、染色体、遺伝子、ミトコンドリア、および核などが挙げられる。本発明の一局面にしたがって、特定の分析物は、核酸を含まない。
【0026】
広範な種類のタンパク質分析物は、本発明の方法を使用して有利に検出され得る。このようなタンパク質分析物は、ファミリー(family)(各々のファミリーは、類似の構造的特徴、生物学的機能、および特定の微生物(特に、疾患原因微生物)への関連性などを有する)にしたがって分類され得る。本発明に関して特に関心のあるタンパク質ファミリーとしては、例えば、免疫グロブリン、サイトカイン、酵素、ホルモン、癌抗原、栄養マーカー、組織特異的抗原、および生物兵器(biowarfare agent)が挙げられる。これらのタンパク質分析物は、血液、血清、血漿、脊髄液、関節液、唾液、尿、精液、人工関節の流体(prosthetic fluid)、細胞または組織中に存在し得る。
【0027】
以下は、構造で関連するタンパク質分析物のクラスの例であり、これらは、本発明の組成物、方法およびキットを使用して検出され得る:
プロタミン
ヒストン
アルブミン
グロブリン
硬タンパク質
リン酸化タンパク質
ムコタンパク質。
【0028】
以下の例は、ヒト血漿で見出される、臨床的に重要なタンパク質であり、これらは、本発明の組成物、方法およびキットを使用して検出され得る:
α−リポタンパク質
α1−アンチトリプシン
トランスコルチン(transcortin)
4.6S−ポストアルブミン(postalbumin)
貧トリプトファン(tryptophan−poor)
α−糖タンパク質
α1χ−糖タンパク質
チロキシン結合グロブリン
インターαトリプシンインヒビター(Inter−α−trypsin−inhibitor)
Gc−グロブリン
(Gc1−1)
(Gc2−1)
(Gc2−2)
ハプトグロビン
(Hp1−1)
(Hp2−1)
(Hp2−2)
セルロプラスミン
コリンエステラーゼ
α−リポタンパク質
ミオグロビン
C反応性タンパク質
α−マクログロブリン
α−HS−糖タンパク質
Zn−α−糖タンパク質
α−ニューラミノ(Neuramino)−糖タンパク質
エリスロポエチン
β−リポタンパク質
トランスフェリン
ヘモペキシン
フィブリノーゲン
プラスミノーゲン
β−糖タンパク質I
β−糖タンパク質II
免疫グロブリンG
(IgG)またはγG−グロブリン
分子式:γ2k2またはγ2λ2
免疫グロブリンA(IgA)またはγA−グロブリン
分子式:(α κまたは(α κ
免疫グロブリンM(IgM)またはγM−グロブリン
分子式:(μκまたは(μ λ
免疫グロブリンD(IgD)またはγD−グロブリン(γD)
分子式:(.delta.κ)または,delta.λ
免疫グロブリンE(IgE)またはγE−グロブリン(γE)
分子式:(εκ)または(ε λ
遊離のκ軽鎖およびλ軽鎖
補体因子:
C’1
C’1q
C’1r
C’1s
C’2
C’3
β
α
C’4
C’5
C’6
C’7
C’8
C’9。
【0029】
本発明の組成物、方法およびキットを使用して検出され得る重要な血液凝固因子としては、以下の表に列挙される例が挙げられる。
【0030】
【表1】

本発明の組成物、方法およびキットを使用して検出され得る重要なタンパク質ホルモンとしては、以下が挙げられる:
ペプチドホルモンおよびタンパク質ホルモン
副甲状腺ホルモン(parathromone)
チロカルシトニン(thyrocalcitonin)
インスリン
グルカゴン
リラキシン
エリスロポエチン
メラノトロピン(melanotropin)(メラニン細胞刺激ホルモン;インターメジン)
ソマトトロピン(成長ホルモン)
コルチコトロピン(副腎皮質刺激ホルモン)
チロトロピン
濾胞刺激ホルモン
黄体形成ホルモン(間質細胞刺激ホルモン)
黄体乳腺栄養ホルモン(luteomammotropic hormone)(ルテオトロピン(luteotropin)、プロラクチン)
ゴナドトロピン(絨毛性ゴナドトロピン)
組織ホルモン
セクレチン
ガストリン
アンギオテンシンIおよびII
ブラジキニン
ヒト胎盤ラクトゲン
サイトカイン
IL 1
IL 2
IL 4
IL 6
IL 8
IL10
EGF
TNF
NGF
癌抗原
PSA
CEA
αフェトプロテイン
酸性ホスファターゼ
CA19.9
CA125
組織特異的抗原
アルカリホスファターゼ
ミオグロビン
CPK−MB
トロポニン
BNP
Pro−BNP
カルシトニン
ミエリン塩基性タンパク質
神経下垂体由来のペプチドホルモン
オキシトニン
バソプレッシン
放出因子(RF)CRF、LRF、TRF、ソマトトロピン−RF、GRF、FSH−RF、PIF、MIF
リシン
ジフテリア毒素
ボツリヌス毒素(botulism toxin)
ブドウ球菌エンテロトキシンB。
【0031】
細菌およびウイルスもまた、本発明の組成物、方法およびキットを使用して検出され得る分析物である。これらの生物学的分析物に含まれるものは、特に以下のものである:
コリネバクテリウム
Corynebacterium diphtheria
肺炎球菌
Diplococcus pneumoniae
レンサ球菌
Streptococcus pyrogenes
Streptococcus salivarus
ブドウ球菌
Staphylococcus aureus
Staphylococcus albus
ナイセリア
Neisseria meningitides
Neisseria gonorrhea
腸内細菌科
大腸菌型
Escherichia coli
Aerobacter aerogenes
Klebsiella pneumoniae
サルモネラ
Salmonella typhosa
Salmonella choleraesuis
Salmonella typhimurium
赤痢菌
Shigella dysenteria
Shigella schmitzii
Shigella arabinotard
Shigella flexneri
Shigella boydii
Shigella sonnei
他の腸内桿菌
Proteus vulgaris
Proteus mirabilis
Proteus species
Proteus morgani
Pseudomonas aeruginosa
Alcaligenes faecalis
Vibrio cholerae
Hemophilus−Bordetella)群
Hemophilus influenza
Hemophilus ducryi
Hemophilus hemophilus
Hemophilus aegypticus
Hemophilus parainfluenza
Bordetalla pertussis
Pasteurellae
Pasteurella pestis
Pasteurella tulareusis
Brucellae
Brucella melitensis
Brucella abortus
Brucella suis
好気性胞子形成桿菌
Bacillus anthracis
Bacillus subtilis
Bacillus megaterium
Bacillus cereus
嫌気性胞子形成桿菌
Clostridium botulinum
Clostridium tetani
Clostridium perfringens
Clostridium novyi
Clostridium septicum
Clostridium histolyticum
Clostridium tertium
Clostridium bifermentans
Clostridium sporogenes
マイコバクテリア
Mycobacterium tuberculosis hominis
Mycobacterium bovis
Mycobacterium avium
Mycobacterium leprae
Mycobacterium paratuberculosis
放線菌類(真菌様細菌)
Actinomyces Isaeli
Actinomyces bovis
Actinomyces naeslundii
Nocardia asteroides
Nocardia brasiliensis
スピロヘータ
Treponema pallidum
Treponema pertenue
Treponema carateum
Borrelia recurrentis
Leptospira icterohemorrhagiae
Leptospira canicola
Trypanasomes
マイコプラズマ
Mycoplasma pneumoniae
他の病原体
リケッチア(細菌様寄生生物)
Rickettsia prowazekii
Rickettsia mooseri
Rickettsia rickettsii
Rickettsia conori
Rickettsia australis
Rickettsia sibiricus
Rickettsia akari
Rickettsia tsutsugamushi
クラミジア(分類不能寄生細菌/ウイルス)
クラミジア因子(命名未定)
真菌
Cryptococcus neoformans
Blastomyces dermatidis
Hisoplasma capsulatum
Coccidioides immitis
Paracoccidioides brasiliensis
Candida albicans
Aspergillus fumigatus
Mucor corymbifer (Absidia corymbifera )
Rhizopus oryzae
Rhizopus arrhizua
Phycomycetes
Rhizopus nigricans
Sporotrichum schenkii
Flonsecaea pedrosoi
Fonsecacea compact
Fonsecacea dermatidis
Cladosporium carrionii
Phialophora verrucosa
Aspergillus nidulans
Madurella mycetomi
Madurella grisea
Allescheria boydii
Phialophora jeanselmei
Microsporum gypseum
Trichophyton mentagrophytes
Keratinomyces ajelloi
Microsporum canis
Microsporum adouini
Trichophyton rubrum
ウイルス
アデノウイルス
ヘルペスウイルス
Herpes simplex
Varicella(水疱)
Herpes Zoster(帯状疱疹)
Virus B
サイトメガロウイルス
ポックスウイルス
Variola(天然痘)
ワクシニア
ウシポックスウイルス(Poxvirus bovis)
パラワクシニア
伝染性軟属腫
ピコルナウイルス
ポリオウイルス
コクサッキーウイルス
ECHOウイルス(Echovirus)
ライノウイルス
ミクソウイルス
パラインフルエンザ(1−4)
流行性耳下腺炎ウイルス
ニューカッスル病ウイルス
麻疹ウイルス
リンダーペストウイルス(Rinderpest Virus)
イヌジステンパーウイルス
RSウイルス
風疹ウイルス
アルボウイルス
東部ウマ脳炎ウイルス(Eastern Equine Encephalitis Virus)
西部ウマ脳炎ウイルス(Western Equine Encephalitis Virus)
シンドビスウイルス
チクングニヤウイルス
セムリキ森林ウイルス(Semliki Forest Virus)
マヨラウイルス(Mayora Virus)
セントルイス脳炎ウイルス
発疹チフスリケッチア
カリフォルニア脳炎ウイルス
コロラドダニ熱ウイルス
黄熱病ウイルス
デング熱ウイルス
レオウイルス
レオウイルス1〜3型
レトロウイルス
ヒト免疫不全ウイルスIおよびII(HIV)
ヒトTリンパ球向性ウイルスIおよびII(HTLV)
肝炎
A型肝炎ウイルス
B型肝炎ウイルス
C型肝炎ウイルス
腫瘍ウイルス
ラッシャー白血病ウイルス
グロスウイルス
マロネー白血病ウイルス(Maloney Leukemia Virus)
ヒトパピローマウイルス。
【0032】
さらに、患者の正常な組織もしくは細胞または罹患した組織もしくは細胞を検出することが望ましくあり得る。特定の循環する癌または他の細胞の存在または不在は、例えば、疾患のための診断になり得る。したがって、ヒト患者の内因性細胞は、本発明の組成物、方法およびキットを使用して有利に検出され得る分析物である。
【0033】
本明細書で使用される用語「親和性分子」とは、別の分子に特異的に結合することのできる、あらゆる分子をいう。一実施形態において、この親和性分子は抗体である。別の実施形態において、この親和性分子は抗原である。本発明の他の実施形態において、親和性分子としては、以下が挙げられ得るが、これらに限定されない:核酸(DNA、RNA、PNAおよびそれらの混合物である核酸またはヌクレオチド誘導体もしくはアナログを含む核酸);生物学的レセプター分子(例えば、インスリンレセプター);レセプターのためのリガンド(例えば、インスリンレセプターのためのインスリン);および別の分子に対する親和性を有する生物学的分子、化学分子、または他の分子(例えば、ビオチンおよびアビジン)。本発明の親和性分子は、必ずしも天然に存在する完全な分子を含む必要はないが、天然に存在する分子または天然に存在しない分子の一部、フラグメントまたはサブユニットのみから構成され得る(例えば、抗体のFabフラグメント)。この親和性分子は、検出され得るマーカーをさらに含み得る。
【0034】
親和性分子は、当該分野で公知の任意の方法によって生成され得る。例えば、抗体は、当該分野で周知であるように、抗血清中に見出され得るか、ハイブリドーマ組織培養物の上清もしくは腹水液から調整され得るか、または組換え発現系から取得され得る。例えば、抗体、レセプターまたは他の種のフラグメント、一部またはサブユニットは、化学的手段、酵素的手段または他の手段により生成され得、例えば、周知の分子(例えば、Fab、Fab’)もしくは新規の分子を取得し得る。本発明はまた、親和性分子が、組換え分子、キメラ分子およびハイブリッド分子(例えば、ヒト化抗体および霊長類化(primatized)抗体、および他の天然に存在しない抗体の形態)を含み得ることを意図する。当業者は、抗体の種々の形態を記載する、先に示される非限定的な例もまた、他の親和性分子に拡張され得、組換え、キメラ、ハイブリッド、切断型などの形態の非抗体分子が本発明の方法に使用され得ることを認識する。
【0035】
本明細書で使用される用語「特異的に結合する」および「特異的な結合」により、抗体または他の分子(特に、本発明の親和性分子)が、本発明の特定の条件下で、他の分子に結合する親和性よりも大きな親和性で、標的(例えば、抗原、リガンドまたは他の分析物)に結合することが意味される。当該分野で公知であるように、抗体または抗体フラグメントは、他の分子(例えば、抗原)に結合することができる領域を含むポリペプチド分子である。本発明の種々の実施形態において、「特異的に結合する」とは、抗体または他の親和性分子が、標的分子に無関係な分子に結合する親和性よりも、少なくとも約10倍大きな親和性、好ましくは少なくとも約10倍大きな親和性、より好ましくは少なくとも約10倍大きな親和性、および最も好ましくは少なくとも約10倍大きな親和性で、標的分析物分子に結合することを意味し得る。代表的に、特異的な結合とは、非特異的結合よりも、約10倍〜約10倍高い範囲の親和性をいう。いくつかの実施形態において、特異的な結合は、非特異的結合よりも10倍高い親和性により特徴付けられ得る。「1〜10」のように、本明細書に範囲が現れる場合にはいつでも、この範囲は、限定することなく、所定の範囲での各々の整数または尺度の単位をいう。したがって、1〜10により、各々の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10およびこの間の任意の下位単位(subunit)が意味される。
【0036】
「ポリクローナル抗体」または「PAb」は、抗原またはその抗原性の機能性誘導体で免疫化した動物の血清に由来する抗体分子の不均一な集団である。ポリクローナル抗体の生成のために、宿主動物(例えば、ウサギ、マウスおよびヤギ)は、必要に応じてアジュバントを補充した、抗原またはハプテン−キャリア結合体での注射により、免疫化され得る。ポリクローナル抗体は、抗血清中の他の種から精製されていなくても、精製されても、部分的に精製されてもよい。ポリクローナル抗体 の調製および精製のための技術は、当該分野において周知であり、種々の一般的な参考文献およびより特別な参考文献(Kabat&Mayer、Experimental Immunochemistry,第2版(Thomas,Springfield,IL(1961));Harlow&Lane,Antibodies:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(1988));およびWeir,Handbook of Experimental Immunology,第5版(Blackwell Science,Cambridge,MA(1996))が挙げられるが、これらに限定されない)に記載される。
【0037】
「モノクローナル抗体」または「Mab」(これらは、特定の抗原に対する抗体の均質な集団である)は、抗体分子の生成を提供する任意の技術(例えば、細胞株の連続培養)により取得され得る。これらの技術としては、KoehlerおよびMilstein,Nature,256:495−7(1975)ならびに米国特許第4,376,110号のハイブリドーマ技術;ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kosborら、Immunology Today,4:72(1983);Coteら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,80:2026−30(1983));EBVハイブリドーマ技術(Coleら、Monoclonal Antibodies And Cancer Therapy,Alan R.Liss,Inc.,New York,pp.77−96(1985))が挙げられるが、これらに限定されない。このような抗体は、任意の免疫グロブリンクラス(IgG、IgM、IgE、IgA、IgDおよびこれらの任意のサブクラスを含む)であり得る。本発明のMAbを産生するハイブリドーマは、インビトロまたはインビボで培養され得る。インビボでの高力価のMAbの生成は、現在好ましい生成方法である。
【0038】
さらに、適切な生物学的活性のヒト抗体分子由来の遺伝子とともに適切な抗原特異性のマウス抗体分子由来の遺伝子をスプラシングすることによる「キメラ抗体」の生成のために開発された技術(Morrisonら、Proc.Natl.Acad.Sci.,81:6851−6855(1984);Takedaら、Nature,314:452−54(1985))が使用され得る。キメラ抗体は、異なる部分が異なる動物種に由来する分子(例えば、マウスMAbに由来する可変領域とヒト免疫グロブリン定常領域とを有するもの)であり得る。
【0039】
あるいは、一本鎖抗体の生成に関して記載された技術(米国特許第4,946,778号;Bird、Science 242:423−26(1988);Hustonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、85:5879−83(1988);および、Wardら、Nature、334:544−46(1989))は、本発明での使用に適する遺伝子−一本鎖抗体を生成するために適合され得る。一本鎖抗体は、代表的に、アミノ酸架橋を介してFv領域の重鎖フラグメントおよび軽鎖フラグメントを連結し、一本鎖ポリペプチドを生じることによって形成される。
【0040】
特異的なエピトープを認識する抗体は、公知の技術により生成され得る。例えば、このようなフラグメントとしては、抗体分子のペプシン消化によって生成され得るF(ab’)フラグメント、およびF(ab’)フラグメントのジスルフィド架橋を還元することによって生成され得るFabフラグメントが挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、Fab発現ライブラリが構築され得(Huseら、Science、246:1275−81(1989))、所望の特異性を有するモノクローナルFabフラグメントの迅速かつ容易な同定が可能になる。
【0041】
本明細書で使用される場合、用語「ハプテン」とは、抗体により認識され得る、小さなタンパク質様抗原決定基または非タンパク質性抗原決定基をいう。代表的に、ハプテンは、より大きな種の一部を除いて、動物において抗体形成を誘発しない。例えば、小さなペプチドハプテンは、抗ハプテン抗体応答を生成するために、しばしばキャリアタンパク質(例えば、キーホールリンペット(keyhole limpet)ヘモシアニン)に連結される。「抗原」は、動物において抗体応答を生成し得、生じる抗体によって認識され得る高分子である。抗原およびハプテンの両方が、少なくとも1つの抗原決定基または「エピトープ」を含み、これは、抗体に結合する抗原またはハプテンの領域である。代表的に、ハプテン上のエピトープは、その分子全体である。
【0042】
「レセプター」または「生物学的レセプター」とは、代表的に、細胞内または細胞表面上の分子構造をいい、これは、特異的な物質(例えば、「リガンド」)に選択的に結合し、その結合に付随する特異的な生理的効果を生じることにより特徴付けられる。レセプターの例としては、ペプチドホルモン、神経伝達物質、抗原、補体フラグメントおよび免疫グロブリンに対する細胞表面レセプター、ならびにステロイドホルモンに対する細胞質レセプターが挙げられる。しかしながら、本明細書で使用される場合、レセプターは、代表的に単離および精製され得、そして生理的効果も他の生物学的効果も必ずしも生じないか、または生じ得ない。本発明の方法は、特異的な物質へのレセプターの選択的な結合を利用する。
【0043】
用語「リガンド」とは、一般的にレセプターに結合する分子をいう。代表的に、リガンドは、ホルモンまたは神経伝達物質のような小さな可溶性分子である。
【0044】
用語「固体支持体」とは、例えば、分析物、抗体または複合体を固定化するために使用され得る任意の固相をいう。適切な固体支持体は当該分野において周知であり、これらとしては以下が挙げられる:反応トレイ(例えば、マイクロタイタープレート)のウェルの壁、試験管の壁、ポリスチレンビーズ、常磁性ビーズもしくは非磁性ビーズ、ニトロセルロースメンブレン、ナイロンメンブレン、ラテックス粒子のような微粒子、およびヒツジ(または他の動物)赤血球。固体支持体のための代表的な材料としては、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン、セルロース、ナイロン、ラテックスおよびそれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、固体支持体は、所望の分子(例えば、分析物)の付着を促進するか、および/または、非特異的結合もしくは他の望ましくない相互作用を阻止するために、コーティング、誘導体化またはその他の方法で改変され得る。特定の「固相」を選択することは常に重要であるとは限らず、これは、使用されるアッセイに依存して、当業者により選択され得る。したがって、ラテックス粒子、微粒子、常磁性ビーズもしくは非磁性ビーズ、メンブレン、プラスチックチューブ、マイクロタイターウェルの壁、ガラスチップまたはシリコンチップ、および赤血球は全て適切な固体支持体である。便利なように、固体支持体は、種々の検出方法に適合するように選択され得る。例えば、96ウェルプレートまたは384ウェルプレートが、例えば、ロボットワークステーション(robotic workstation)により自動化されるか、および/または、例えば、プレートレーダーを使用して検出されるアッセイに使用され得る。フィルムベースの可視化を利用するオートラジオグラフィー検出工程または化学発光検出工程を含み得る本発明の方法に関して、この固体支持体は、ニトロセルロースメンブレンまたはナイロンメンブレンのような薄いメンブレンであり得る。サンドウィッチ免疫アッセイ(sandwich immunoassay)が実行される本発明の一実施形態にしたがって、代表的に、反応トレイのウェルの壁が使用される。本発明の代替の実施形態において、常磁性ビーズが固体支持体として使用され得る。固相上に分子を固定化するために適切な方法としては、イオン性相互作用、疎水性相互作用および共有結合性相互作用など、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。しかしながら、固定化法は、概して重要ではなく、特徴付けられていない吸着機構を含み得る。したがって、本明細書で使用される「固体支持体」とは、不溶性であるか、続く反応により不溶性にされ得る任意の材料を言及し得る。固体支持体は、捕捉試薬を誘引および固定化するその固有の能力に関して、選択され得る。あるいは、この固相は、捕捉試薬を誘引および固定化する能力を有するさらなるレセプターを保持し得る。このさらなるレセプターは、捕捉試薬それ自体またはこの捕捉試薬に結合体化された荷電物質のいずれかに対して、反対に荷電されている物質を含み得る。本発明のなお別の実施形態において、さらなるレセプター分子は、固相に固定化(結合)され、特異的な結合反応を介して捕捉試薬を固定化する能力を有する、任意の特異的な結合メンバーであり得る。このさらなるレセプター分子は、このアッセイの実行前または実行中に、固相への捕捉試薬の間接的な固定化を可能にする。したがって、この固相は、プラスチック、誘導体化プラスチック(derivatized plastic)、常磁性金属もしくは非磁性金属、試験管のガラス表面もしくはシリコン表面、マイクロタイターウェル、シート、ビーズ、微粒子、チップ、または当業者に公知な他の形態であり得る。
【0045】
「ペプチド」とは、一般的に、ペプチド結合によって連結されたアミノ酸の短い鎖をいう。代表的に、ペプチドは、約2〜100アミノ酸、より代表的には約4〜50アミノ酸、最も一般的には約6〜20アミノ酸のアミノ酸鎖を含む。一般的に、「ポリペプチド」とは、代表的にペプチドよりも長い個々の直鎖配列または分枝鎖配列のアミノ酸をいう。「ポリペプチド」は、通常、少なくとも約100〜1000アミノ酸長、より代表的には少なくとも約150〜600アミノ酸、そしてしばしば少なくとも約200〜約500アミノ酸を含む。「タンパク質」としては、単一のポリペプチド、および複数のポリペプチド鎖の複合体が挙げられ、これらのポリペプチド鎖は同一であり得るか、または異なり得る。タンパク質内の複数の鎖は、二次構造、三次構造および四次構造ならびに一次アミノ酸配列構造によって特徴付けられ得、例えば、ジスルフィド結合によってともに保持され得、そして合成後改変(例えば、限定せずに、グリコシル化、リン酸化、切断または他のプロセシング)を含み得る。IgGタンパク質のような抗体は、例えば、ジスルフィド結合によってともに保持される4本のポリペプチド鎖(すなわち、2本の重鎖および2本の軽鎖)から構成される。さらに、タンパク質は、さらなる成分(例えば、付随する金属(例えば、鉄、銅、および硫黄)、または他の部分)を含み得る。ペプチド、ポリペプチドおよびタンパク質の定義としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:生物学的に活性な形態および不活な形態;変性形態およびネイティブな形態;ならびに、これらの変異体形態、改変された形態、切断形態、ハイブリッド形態およびキメラ形態。本発明のペプチド、ポリペプチドおよびタンパク質は、任意の供給源に由来し得るか、または任意の方法(天然に存在する組織または他の材料からの抽出;宿主生物(例えば、細菌細胞、真菌細胞、植物細胞、昆虫細胞または動物細胞)での組換え生成;および、当業者に周知の方法を使用する化学合成が挙げられるが、これらに限定されない)によって取得され得る。
【0046】
本明細書で使用される用語「結合体」とは、ともに共有結合されているか、またはその他の方法でともに連結されている2つの分子をいう。一実施形態において、核酸結合体は、核酸をタンパク質、ポリペプチドまたは他の親和性分子に共有結合させることにより生成される。本発明の好ましい実施形態において、タンパク質、ポリペプチドまたは他の親和性分子は、連結基(linking group)を介して核酸に共有結合され、結合体を形成する。
【0047】
本発明の方法によって、サンプル中の分析物の存在を検出するための「キット」は、例として、その中に配置される、選択された分析物に特異的な結合対(binding pair)を有する少なくとも1つの収容手段を含み得る。キットは、少なくとも1つの以下のものを含む他の容器をさらに含み得る:分析物の検出を実行するために必要な緩衝液、溶液または他の試薬および材料;結合対の核酸プローブ成分を増幅させることができる試薬;ならびに、増幅後に核酸の存在を検出することができる試薬。好ましくは、このキットは、使用説明書をさらに含む。診断上の使用が意図される場合、キットはまた、FDAに認可された使用の通知およびそのための説明書も含み得る。
【0048】
詳細には、区分化されたキットは、試薬が別個の容器に含まれる任意のキットを含む。このような容器としては、小さなガラス容器、プラスチック容器またはプラスチック細片もしくは紙の細片が挙げられる。このような容器は、一方の区画から他方の区画への試薬の効率的な移行を可能にし、サンプルと試薬とが相互に混入せず、そして各々の容器の因子または溶液を、定量的な様式で一方の区画から他方の区画に添加することができる。このような容器は、以下を含み得る:試験サンプルを受容する容器、アッセイで使用されるプローブまたはプライマ−を含む容器、緩衝液および試薬(例えば、リン酸緩衝化生理食塩水、およびTris緩衝液など)を含む容器、ならびに、マーカー核酸、および増幅された産物などを検出するために使用される試薬を含む容器。当業者は、事前に形成された結合対および/または材料、結合対を調製するために必要とされる供給品および試薬が、当該分野で周知の確立されたキット様式に容易に取り込まれ得ることを容易に認識する。
【0049】
本発明の方法によって抗体または他の親和性分子へDNAをカップリングさせるためのキットは、その中に配置される、凍結乾燥され活性化されたDNAを有する少なくとも1つの収容手段を含み得る。このキットは、1つ以上の以下のものを含む他の容器をさらに含み得る:反応後に核酸の存在を検出することができる試薬、緩衝液および因子。好ましくは、このキットは使用説明書をさらに含む。本明細書に記載の分析物を単離およびアッセイするための新規な組成物および方法を作製または使用するためのキットは、既成の微粒気泡または微粒気泡を生成するために使用される薄膜を含み得る。同様に、キットの微粒気泡は、既に付着した親和性分子を含んでも含まなくてもよい。キットは、1つ以上の以下のものを含む他の容器をさらに含み得る:微粒気泡を作製することができるか、または、親和性単離、精製、濃縮などの方法に微粒気泡を活用するのに有用な試薬、緩衝液および因子。好ましくは、このキットは、使用説明書をさらに含む。当業者は、本発明に記載される組成物および方法が、当該分野で周知の確立されたキット様式に容易に取り込まれ得ることを容易に認識する。
【0050】
本発明は、溶液から分析物(細胞、ウイルス、細胞小成分(cellular subcomponent)および可溶性分子もまた含む)を単離し、分析するための新規な組成物および方法を提供する。これは、標的分析物(細胞、ウイルス、細胞小成分または可溶性分子)に特異的に結合するコーティングされた微粒気泡に依存する。本発明にしたがって、微粒気泡は、親和性分子によりコーティングされるか、そうでなければ、親和性分子が微粒気泡の外面に提示される。本発明の新規な組成物および方法はまた、分析物(抗体、抗原、タンパク質および核酸が挙げられるが、これらに限定されない)を濃縮するために使用され得る。
【0051】
一実施形態において、親和性分子でコーティングされた微粒気泡は、検出可能なマーカーをさらに含む。なお別の実施形態において、親和性分子それ自体が検出可能なマーカーである。これらの実施形態において、分析物、種または微粒気泡の量、または存在もしくは不在は、このマーカーによって定量または検出され得る。一実施形態において、微粒気泡上のマーカーは、増幅および検出され得る核酸である。検出を達成するために使用される技術としては、以下が挙げられ得るが、これらに限定されない:PCR、ヌクレオチド配列決定、PCR配列決定、分子ビーコン技術、ハイブリダイゼーション、PCRに続いてのハイブリダイゼーション、蛍光、放射標識(radiolabelling)、リン光および吸光度。検出に使用され得る試薬の例としては、放射標識、酵素標識(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ)、蛍光、リン光、生物発光、化学発光、親和性標識(例えば、ビオチン、アビジンまたはストレプトアビジン)および当業者に周知の他の試薬が挙げられるが、これらに限定されない。これらの実施形態は限定的ではなく、本発明により使用される他の実施形態が想定され得る。
【0052】
本発明の一実施形態において、微粒気泡は、任意のペプチド、ポリペプチド、タンパク質またはこれらの組み合わせからなり得るタンパク質微粒気泡である。合成ペプチドおよび天然に存在するペプチドの両方、合成ポリペプチドおよび天然に存在するポリペプチドの両方、合成タンパク質および天然に存在するタンパク質の両方ならびに組み合わせが本発明によって企画される。一実施形態において、タンパク質微粒気泡は、ガスの導入を介して、微粒気泡へ容易に形成され得る。一実施形態において、このタンパク質はアルブミンである。
【0053】
本発明のタンパク質微粒気泡は、代表的にタンパク質の溶液へのガスの導入(例えば、超音波処理による)により形成される。この気泡は、任意のガス(酸素、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、フッ化炭素のガスおよびこれらの種々の組み合わせ(例えば、空気)が挙げられるが、これらに限定されない)により充填され得る。本発明の一局面において、ガスは、タンパク質の溶液を加熱する工程を含むプロセスにより、タンパク質に導入され得る。特定の理論に限定することなく、加熱は、タンパク質を変性することにより、タンパク質微粒気泡を安定化させるために役立ち得る。別の実施形態において、タンパク質微粒気泡は、例えば、タンパク質を変性すること、タンパク質を固定すること、タンパク質を架橋すること、またはCr+++による処理によって安定化され得る。一局面において、微粒気泡は、アルデヒド(例えば、グルタルアルデヒドまたはホルムアルデヒド)で架橋することによって安定化される。
【0054】
タンパク質微粒気泡は、一般的に、直径0.1〜100ミクロン、代表的に直径1〜50ミクロン、そしてしばしば直径2〜20ミクロンまたは2〜30ミクロンの範囲である。
【0055】
本発明にしたがって、親和性分子は、レセプター、リガンドまたは抗体であり得る。あるいは、親和性分子は、ビオチン、アビジンまたはストレプトアビジンであり得る。本発明の一実施形態において、微粒気泡はビオチン化され、次にストレプトアビジンでコーティングされる。このことにより、ビオチン化リガンド(例えば、抗体)により容易にコーティングされ得る微粒気泡を生成する。別の実施形態において、微粒気泡は、リガンドでコーティングされた微粒気泡である。
【0056】
親和性分子での微粒気泡のコーティングは、当該分野で公知の任意の方法によって達成され得る。有利には、タンパク質は、多くの改変およびカップリング反応(例えば、アルデヒドによる反応)のための基礎として役立ち得るアミン官能基を含む。さらに、当業者は、微粒気泡を構成する材料(例えば、タンパク質、およびガラスなど)が化学的に誘導体化または官能化され得、種々の型の親和性分子と共有結合的に相互作用し得ることを認識する。当業者は、本発明の微粒気泡へタンパク質および他の分子をカップリングさせるための、種々の市販の試薬、製品およびキットに精通する。親和性分子は、例えば、ヘテロ二官能性試薬(例えば、スルホスクシンイミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート)を使用することによって、タンパク質へ直接カップリングされ得る。
【0057】
本発明の別の実施形態において、親和性分子は、例えば、少なくとも1つの他の分子の相互作用によってタンパク質へ間接的にカップリングされる。本発明の一局面において、微粒気泡はストレプトアビジンに直接カップリングされ、親和性分子はビオチン化され、そして、ストレプトアビジンとビオチンとが相互作用して、親和性分子をタンパク質へカップリングさせる。ビオチンとアビジン/ストレプトアビジンとの相互作用は、当該分野において周知であり、他の種へこれらの分子をカップリングさせる方法も同様である。ビオチン、アビジンおよびストレプトアビジンの化学、生物学および相互作用、ならびに/または、他の分子へビオチンおよびアビジン/ストレプトアビジンをカップリングさせる方法を記載する、一般的またはより詳細な教科書または実験室マニュアルへの参照もまたなされ得る。例えば、Avidin−Biotin Chemistry:A Handbook(Savageら編、Pierce Chemical Co.,Rockford,IL,1992)を参照のこと。
【0058】
本発明の別の局面において、コーティングされた微粒気泡は、ガラス微粒気泡(例えば、3MTMにより供給されるもの)を使用して作製される。ホウケイ酸ガラス気泡は、水酸化ナトリウムで処理され得、シリカ表面に曝し、次に、シラン化剤(silanating agent)(例えば、3−アミノ−プロピル−トリエトキシシラン)で処理し、一級アミンでコーティングされた表面を生成する。微粒気泡は、NHS−ビオチンと反応し得、ビオチン化ガラス微粒気泡を形成し得、所望される場合、これを次にストレプトアビジンでコーティングすることができる。次に、このストレプトアビジン微粒気泡は、ビオチン化リガンド(例えば、ビオチン化抗体)で容易にコーティングされ得る。代替的に、エポキシコーティングされたガラス微小気泡は、リガンドと直接反応し得るか、または当業者に公知の方法によって直接的もしくは間接的にコーティングされ得る。
【0059】
本発明の別の実施形態において、種の親和性単離または親和性アッセイのための方法が提供される。これらの実施形態にしたがって、この方法は、溶液中の親和性分子でコーティングされた微粒気泡を提供する工程、溶液中でこの親和性分子と相互作用する種とこの微粒気泡とを接触させ、それにより、この種でコーティングされた微粒気泡を生成する工程、および、この溶液からこの種でコーティングされた微粒気泡を分離する工程を包含する(好ましい実施形態において、この種でコーティングされた微粒気泡をこの溶液の表面に浮かせ、それにより、この溶液からこの種を分離する工程を包含する)。この様式において、種の全様式(タンパク質(抗原、抗体、リガンド、レセプター、ホルモン)、核酸、リポタンパク質、脂肪、トリグリセリド、糖、炭水化物、ウイルス、細胞、細胞成分、細胞内小器官、および細胞内小器官の成分、ならびにそれらの複合体が挙げられる)が親和性単離または親和性アッセイされ得る。
【0060】
本発明のなお別の実施形態において、種の親和性濃縮のための方法が提供される。これらの実施形態にしたがって、この方法は、溶液中の親和性分子でコーティングされた微粒気泡を提供する工程、溶液中でこの親和性分子と相互作用する種とこの微粒気泡とを接触させ、それにより、この種でコーティングされた微粒気泡を生成する工程、およびこの溶液からこの種でコーティングされた微粒気泡を分離する工程を包含する(好ましい実施形態において、この種でコーティングされた微粒気泡をこの溶液の表面に浮かせ、それにより、この溶液からこの種を分離する工程を包含する)。この様式において、種の全様式(例えば、タンパク質(抗原、抗体、リガンド、レセプター、ホルモン)、核酸、リポタンパク質、脂肪、トリグリセリド、糖、炭水化物、ウイルス、細胞、細胞成分、細胞内小器官、および細胞内小器官の成分、ならびにこれらの複合体が挙げられる)が濃縮され得る。
【0061】
単離、アッセイ、精製または濃縮され得る種は、任意の様式の材料(タンパク質(抗原、抗体、リガンド、レセプター、ホルモン)、核酸(RNA、DNAヌクレオチドアナログ、これらの混合物など)、リポタンパク質、脂肪、トリグリセリド、糖、炭水化物、ウイルス、細胞、細胞成分(リポソーム、小胞体など)、細胞内小器官(ミトコンドリアなど)、および細胞内小器官の成分、ならびにこれらの複合体が挙げられる)であり得る。この実施形態の一局面において、この種はレセプター、リガンドまたは抗原である。一実施形態において、この種は分析物である。代替の実施形態において、この種はウイルスまたは細胞である。
【0062】
本発明のコーティングされた微粒気泡は、標的の種(細胞、ウイルス、分析物または他の分子が挙げられる)に結合し、その後、溶液の表面に上昇し、それによって、それら自体を接触している溶液および標的ではない種から分離する。特定の実施形態において、分離時間が重要である場合、微粒気泡を含む溶液は、遠心分離され得るか、または気泡トラップ(trap)に供され得、さらにより迅速な分離を達成し得る。
【0063】
本発明のアルブミン微粒気泡は、圧力もしくは減圧を溶液に加えることによってか、または少量の界面活性剤もしくはサーファクタント(surfactant)を添加することによって、容易に破壊され視覚的に消失させることができる、有用な特性を有する。本発明のこの局面は、捕捉微粒気泡を欠く標的の種を単離することが望まれる場合、特に有用である。例えば、このことは、親和性単離された細胞の表現型を特徴付けるため、またはさらなる分析もしくは増殖のために単離細胞を解放するために望ましくあり得る。本発明の方法は、いくつかの実施形態において、捕捉微粒気泡から種を放出させ、潜在的な損傷性試薬(例えば、酵素、刺激性の(harsh)化学薬品および極端なpH)を回避する単純な手段を提供する。他の実施形態において、分析物または種は、酵素的手段または化学的手段によって、微粒気泡から放出され得る。
【0064】
有利には、ガラス微粒気泡は、混入材料をほぼ含まないホウケイ酸ガラスから構築され得る。この材料はまた、通常の取り扱い中の破損または破壊に耐性である。
【0065】
本発明の微粒気泡は、微粒気泡の垂直の重力(normal force of gravity)および浮力が異なる方向であり、それによって、非特異的な結合の顕著な低下、および、分離中の反応容器の底に向かって代表的に沈む種の捕捉をもたらす点において、親和性の適用のための固体粒子よりも優れたさらなる利点を有する。分離は、未結合の細胞が、微粒気泡に有害な影響を及ぼさない条件下で、低い遠心力場(centrifugal field)(穏やかな遠心分離速度による)によって微粒気泡から除外(force away)されることにより増進され得る。
【0066】
以下の実施例にさらに記載されるように、細菌の懸濁物と混合され、抗細菌抗体でコーティングされたアルブミン微粒気泡を使用した実験は、全ての細菌が微粒気泡とともに同時に単離されたことによって、この懸濁物の滅菌をもたらした。同様に、コントロール実験において、特異的な抗体を含まない微粒気泡は、わずかな非特異的結合しか示さず、分離後に、微粒気泡とともに同時に精製された検出可能な細菌はなかった。
【0067】
また、本発明は、親和性単離または親和性アッセイに使用するための微粒気泡を生成する方法を提供し、この方法は、微粒気泡を提供する工程、および、親和性分子でこの微粒気泡をコーティングする工程を包含する。
【0068】
特定の課題または状況への本発明による教示の適用が、本明細書に含まれる教示を鑑みて、当業者の能力内であることが理解される。本発明は、以下の非限定的な実施例への参照によってさらに示される。以下の実施例(実験および達成された結果を含む)は、例示目的のみで提供され、本発明を限定するとみなされるべきではない。
【実施例】
【0069】
(アルブミン微粒気泡)
(実施例1:アルブミン微粒気泡の調製)
室温で、アルブミン溶液(ヒト)5%、USP(Bayer Corporation,Elkhart,IN)を、空気飽和させた通常の生理食塩水を使用して1%まで希釈した。20ミリリットルの希釈溶液を、50mlガラスビーカーに置き、ビーカーの25mlのレベル未満で85℃の水浴に浸漬した。アルブミン溶液を穏やかに攪拌しながら、この溶液の温度を、デジタル温度計を使用してモニタリングした。73℃のプロセス温度において、Branson Digital Sonifier(登録商標)、Model 450(Branson Ultrasonics Corp.,Danbury,CT)のプローブを、アルブミン溶液の表面と接触させて配置し、直ちに80%の振幅で10秒間超音波処理した。ビーカーを水浴から取り外し、砕いた氷中に置き、温度が40℃まで下がるまで穏やかに攪拌した。室温で、アルブミン微粒気泡懸濁物を、150mlの柔軟なカーボイ(carboy)(Flexboy(登録商標)Bag、Stedim,Concord CA)に移した。新しい溶液を使用して、このプロセスを、この袋(bag)が満たされるまで数回繰り返した。微粒気泡懸濁物を0.05%アジ化ナトリウムへ調整し、袋を、少なくとも24時間、冷凍下で垂直に保存した。超音波処理プロセスにより、約5%の可溶性アルブミンが、不溶性かつ空気で満たされたアルブミン微粒気泡に変換された。
【0070】
(実施例2: クロム安定化アルブミン微粒気泡の調製)
いくつかの実験において、アルブミン微粒気泡を、Cr+++で処理することにより安定化させた。アルブミン微粒気泡を浮かせ、液相を除去して、5mM硫酸クロムカリウムで置換した。微粒気泡を、穏やかな攪拌による懸濁物中に維持し、60℃での水浴中で30分間インキュベートした。インキュベーション後、このクロム溶液を、以下に記載されるように洗浄することにより除去し、通常の生理食塩水中の1%ヒト血清アルブミンで置換した。クロム処理されたアルブミン微粒気泡を、未処理の微粒気泡に関して記載されるように処理した。
【0071】
(実施例3:ビオチンコーティングされたアルブミン微粒気泡の調製)
未変換のアルブミン溶液を、微粒気泡の浮遊層(floating layer)の下から除き(drain away)、空気飽和させた冷リン酸緩衝化生理食塩水、pH7.4(PBS)(0.2%ポリビニルアルコール(MW30,000〜70,000)含有)(PVA/PBS)に置き換えた。微粒気泡を、穏やかに攪拌することによって再懸濁し、底部に取り付けられた栓(stopcock)を装備した使い捨てのプラスチックシリンジに移した。4℃で5分間、200×gでの遠心分離、排出、および新しい空気飽和させたPVA/PBSでの溶液の置換を繰り返すことにより、微粒気泡を洗浄し、残余の可溶性アルブミンを除いた。洗浄したアルブミン微粒気泡を、PVA/PBSにより約25%v/vで懸濁し、室温で少なくとも1時間、穏やかに攪拌しながら、0.01〜1.0mg/mlの濃度のスルホスクシンイミジル−6−(ビオチンアミド)ヘキサノエート(スルホ−NHS−LC−ビオチン;EZ−LinkTM スルホ−NHS−LC−ビオチン、Pierce Biotechnology,Inc.,Rockford,IL)との反応によりビオチン化させた。未反応のビオチンを、4℃で空気飽和させた冷PVA/PBSを使用して数回の遠心分離による洗浄(centrifugal washing)によって洗浄した。懸濁した微粒気泡のアリコートを、0.1%TritonX−100含有PVA/PBS中に溶解させ、タンパク質濃度(BCA Protein Assay,Pierce)およびビオチン濃度(2−(4’−ヒドロキシアゾベンゼン)−安息香酸アッセイ)を決定することにより、ビオチン標識の程度を評価した。代表的なアルブミン微粒気泡のビオチン化反応は、アルブミンに対して、40%〜500%のビオチンのモル比を得る。アルブミン微粒気泡の表面上のビオチンの利用可能性を、懸濁物中のBioMag Nuclease Free ストレプトアビジン常磁性粒子(Polysciences,Inc.,Warrington,PA)を使用して、ビオチン−微粒気泡の自発的な会合を観察することにより確認した。ビオチンコーティングされたアルブミン微粒気泡を、0.05%アジ化ナトリウム含有PVA/PBS中で冷凍して保存した。
【0072】
(実施例4:ストレプトアビジンコーティングされたアルブミン微粒気泡の調製)
空気で満たされたアルブミン微粒気泡を、ビオチン−微粒気泡を、過剰なストレプトアビジン(Prozyme,San Leandro,CA)に曝露することにより、ストレプトアビジンで間接的にコーティングした。これらの条件下で、微粒気泡の架橋が回避される。ストレプトアビジンをまた、二官能性タンパク質架橋試薬により、アルブミン微粒気泡上に直接コーティングした。
【0073】
間接的なコーティングのために、PVA/PBS中のビオチンコーティングされたアルブミン微粒気泡の懸濁物を、連続的にボルテックス混合(vortex mixing)をしながら、10mg/mlのストレプトアビジン溶液を添加して、終濃度1mg/mlにすることにより完全かつ迅速に処理した。先に記載される遠心分離による洗浄を繰り返すことによって、未反応のストレプトアビジンを除去した。ストレプトアビジンの四価の性質は、ビオチン結合部位が依然として利用可能であることを確証した。
【0074】
あるいは、スルホスクシンイミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(s−SMCC)を使用して、アルブミン微粒気泡をストレプトアビジンで直接コーティングした。PBS、pH7.4中、10mg/mlのストレプトアビジンを、室温で少なくとも1時間、5倍〜10倍過剰なモル濃度のn−スクシンイミジルS−アセチルチオアセテート(SATA)で処理した。未反応のSATAを、PBSで平衡化したSephadex G−25樹脂を使用するFPLCによってストレプトアビジンから除去し、精製したタンパク質を凍結して保存した。使用の直前に、保護アセチル基を、室温で2時間、50mMヒドロキシアミンおよび2.5mM EDTA、pH7.5を含むPBSで処理することにより改変ストレプトアビジンから除去した。同時に、PVA/PBS中のアルブミン微粒気泡懸濁物を、室温で30分間、穏やかに攪拌しながら、0.01〜1mg/ml s−SMCCで処理した。過剰なs−SMCC試薬を、遠心分離による洗浄(4回繰り返した)によって直ちに除去し、s−SMCC微粒気泡とスルフヒドリル改変ストレプトアビジンとを合わせた。マレイミド官能基と新規に曝露したストレプトアビジンのスルフヒドリル基との反応によって、ストレプトアビジンは、アルブミン微粒気泡の表面へ共有結合的にカップリングした。遠心分離による洗浄を繰り返すことによって、微粒気泡を洗浄して過剰なストレプトアビジンをなくし、空気飽和させた冷PBS(0.05%アジ化ナトリウム含有)で懸濁し、凍結して保存した。
【0075】
(実施例5:抗体でのアルブミン微粒気泡のコーティング)
E.coli 0157:H7に対する、親和性単離された抗体を、KPL(Gaithersburg,MD)から取得し、以下に記載されるようにビオチン化した。抗体を、PBS、pH7.4中に溶解し、30分間37℃へ温めた。温めた溶液を、室温で2時間、8〜12倍過剰なモル濃度のスルホスクシンイミジル−6−(ビオチンアミド)ヘキサノエート(EZ−LinkTM スルホ−NHS−LC−ビオチン)で処理した。過剰なビオチン試薬を、G−25 Sephadexゲル濾過クロマトグラフィによって除去し、PBSで溶出した。ビオチン化抗体を、Microcon(登録商標)YM−30 Filter Device(Millipore,Bedford,MA)を使用する限外濾過によって濃縮し、保存剤としてアジ化ナトリウムの存在下で、冷凍して保存した。アビジンコーティングされたアルブミン微粒気泡を、穏やかに攪拌することによって再懸濁し、PBS中で、過剰なモル濃度のビオチン標識された抗体と合わせた。過剰な材料を、上記のように遠心分離と再懸濁とを繰り返すことによって、不溶性微粒気泡から除いた。抗体でコーティングされたアルブミン微粒気泡を、4℃でPVA/PBS(アジ化ナトリウム含有)中で保存した。
【0076】
(実施例6;抗体でコーティングされた微粒気泡上での細菌細胞の捕捉)
E.coli 0157:H7をAmerican Type Culture Collection(Manassas,VA)から取得し、37℃においてLuria Bertani(LB)液体培地および寒天培地上で増殖させた。液体培地中で増殖させた細菌を、滅菌の冷PVA/PBSまたは0.2%BSAを含むPBS(BSA/PBS)により連続希釈して、約5,000細胞/mlの密度にした。10分の1の容積の微粒気泡懸濁物を、この細胞懸濁物に加え、室温で数分間穏やかに攪拌した。微粒気泡を、自然の浮力(natural buoyancy)により、10分間かけてこの混合物の表面に浮かせた。(浮遊する微粒気泡が除去された)下にある10マイクロリットルの液相をマイクロピペットによって取り出し、LB寒天プレート上にストリークして、一晩37℃でインキュベートした。ポジティブコントロールサンプルの細菌懸濁物は、プレート1枚あたり約50個のコロニーをもたらした。抗体でコーティングされた微粒気泡により処理した細菌懸濁物は、コロニーを形成する細胞を激減させた。細菌細胞を、微粒気泡懸濁物を穏やかに攪拌し、10μlの懸濁物をプレートすることにより、一晩インキュベーションした後、結果的にLBプレート上に形成されるコロニーにより示されるように、微粒気泡から回収することができた。この結果は、細菌細胞が、抗体でコーティングされたアルブミン微粒気泡により捕捉されることを示す。コーティングされていないアルブミン微粒気泡で処理した細菌懸濁物も、ストレプトアビジンコーティングされたアルブミン微粒気泡で処理した細菌懸濁物も、細胞を懸濁物から除去できなかった。
【0077】
(実施例7:まずアルブミンを改変し、次に超音波処理することによる微粒気泡の調製)
微粒気泡の形成の前にビオチンで血清アルブミンを標識することにより、ビオチン化血清アルブミンから調製したアルブミン微粒気泡は、アビジンおよび/またはストレプトアビジンを結合することが見出された。ウシ血清アルブミン(BSA;Bovuminar Cohn Fraction V,Intergen,Purchase,NY)を、通常の生理食塩水(4mMカプリル酸ナトリウムおよび4mMナトリウムトリプトファネート(sodium tryptophanate)含有)中に溶解させて、50mg/mlにし、滅菌濾過して、室温で2週間、蛍光照明下で透明なガラス容器内に保存した。この処理は、微粒気泡形成を妨害し得る、遊離のスルフヒドリル基を光酸化(photo−oxidize)した。20ミリリットルのBSA溶液を除去し、1M NaOHを使用してpH8.5に調整した。25マイクログラムのs−NHS−LC−ビオチンを混合しながら添加し、室温で1時間、pHを8.5に維持した。反応物を、通常の生理食塩水を加えることによって1%アルブミンまで希釈し、未改変のヒトアルブミンに関して先に記載されるように、超音波処理プロセスに供した。生じたアルブミン微粒気泡を、通常の生理食塩水中の1%BSAで数回洗浄し、取り込まれなかったビオチンを除去した。ビオチン化アルブミンから調製した微粒気泡は、アビジンまたはストレプトアビジンと反応性であり、上記のように、アビジンまたはストレプトアビジンでコーティングすることができた。
【0078】
(ガラス微粒気泡)
(実施例8;アミンコーティングされたガラス微粒気泡の調製)
3MTM ScotchLiteTM Glass Bubbles S60HS(St Paul,MN)(約0.6g/ccの密度および約30μmの平均直径を有する)を水中に懸濁し、懸濁物の表面に浮かせた。液層を、底部から排出し、微粉および破片を除去した。このことは、チップに取り付けた栓を装着した60cc使い捨てシリンジにより簡便に行った。洗浄を数回繰り返した。反応性の表面ヒドロキシル残基を、60℃で24時間、0.25M NaOH中で、洗浄した微粒気泡を懸濁し、次に水で洗浄してアルカリを除去することによって提供した。続いて、微粒気泡を、室温で1時間、0.05M HClで処理した。酸を、水、次に乾燥アセトンで洗浄することによって除去し、最後に、産物を60℃のオーブンで乾燥させた。室温で30分間、乾燥アセトンまたはトルエン中の3−アミノプロピルトリエトキシシラン(3−APS,Sigma)3%溶液で、処理かつ乾燥させたガラス微粒気泡を懸濁することにより、ヒドロキシル官能基をアミノ基に変換させた。過剰なシランを、アセトンで数回洗浄することにより除去し、誘導体化した微粒気泡を60℃のオーブンで乾燥させた。
【0079】
いくつかの実験において、ガラス微粒気泡を、室温で16時間、70%硫酸および9%過酸化水素中で懸濁し、次に水で徹底的に洗浄した。酸処理した微粒気泡を、使用直前に調製した3−APS:水:エタノール(容積で3:4:92)の溶液中で再懸濁した。反応を、室温で30分間進行させた。過剰な試薬を、エタノールで洗浄することによって除去し、115℃で1時間、ガラス微粒気泡を焼いた。微粒気泡を、エタノールで再度洗浄し、60℃のオーブンで乾燥させた。
【0080】
アミンコーティングされたガラス微粒気泡を室温で乾燥させて保存した。s−スクシンイミジル−4−O−(4,4’ジメトキシトリチル)ブチレート(Pierce)を使用して分析することにより、官能性の表面アミン基が2.5−3.0/nmで存在することを確認した。
【0081】
(実施例9;抗体でのアミン−ガラス微粒気泡のコーティング)
アミンコーティングされたガラス微粒気泡を、50mM炭酸水素ナトリウム、0.1%TweenTM20、pH8.5中で懸濁し、室温で2時間、スルホ−NHS−LC−ビオチンと反応させた。ビオチン試薬は、利用可能な表面アミンよりも0.1倍から7倍過剰に存在した。ガラス微粒気泡を洗浄して、PBS(0.1%TweenTM20含有)(PBS/Tween)TM中で保存した。水に5mg/mlで溶解させたアビジンを、モル濃度過剰(molar excess)に添加して、利用可能なビオチン部位を飽和させた。過剰なアビジンを、PBS/TweenTMで洗浄することにより除去し、微粒気泡を、0.2%BSA(BSA/PBS)および0.05%アジ化ナトリウムを含むPBS中で冷凍保存した。
【0082】
アミンガラス微粒気泡もまた、s−SMCC架橋試薬によりスルフヒドリル−改変アビジンでコーティングした。アミンガラス微粒気泡を、室温で1時間、50mMリン酸ナトリウム、pH7.5(10%ジメチルホルムアミドおよび2mg/ml s−SMCCを含む)中で1:10(w/v)で懸濁した。マレイミドコーティングされたガラス気泡を、100%乾燥エタノールで洗浄して、排液し、ガラスバイアル内で減圧下で乾燥させ、−20℃、窒素下で保存した。SATAで改変され遊離のスルフヒドリル基を含む過剰量のアビジン(先の実施例4を参照のこと)を、ヒドロキシアミンで脱アセチル化(deacetylate)し、乾燥させたマレイミドガラス微粒気泡に直接加え、アビジンコーティングされた微粒気泡を得た。一晩のインキュベーション後、過剰なアビジンを、PBS/TweenTMで洗浄することによって除去した。
【0083】
アビジンでコーティングされたガラス微粒気泡(20mg)を、1.0ml PBS/BSA中で懸濁し、10μgのE.coli O157:H7に対する抗体と合わせ、2−6個のビオチン基を含むように改変した(上記の実施例5を参照のこと)。抗体は、氷浴中で2時間以内に、容易にアビジン表面コーティングに付着し、抗体でコーティングされたガラス微粒気泡を生じた。これらの微粒気泡を洗浄して、抗体の安定性を維持するために適切な水性緩衝液中の懸濁物として4℃で保存した。BSAおよびアジ化ナトリウムを安定化剤として添加した。
【0084】
(実施例10:抗体でコーティングされたガラス微粒気泡へのE.coli 0157の捕捉)
培養により増殖させたE.coliを、滅菌冷PBS(BSAおよびアジ化ナトリウム含有)により連続希釈し、5,000細胞/mlにした。細菌懸濁物を、室温で数分間、攪拌しながら、1%(v/w)の抗体でコーティングされた微粒気泡で処理した。微粒気泡を表面に浮かせ、下にある10μlの液層(微粒気泡の浮揚(floatation)によって清澄化した)を取り出し、細菌懸濁物についての未処理のコントロールサンプルと並行して寒天培地にプレートした。コーティングされていない微粒気泡により処理した細菌懸濁物は、37℃、一晩で形成したコロニーに何の減少も示さなかった。抗体でコーティングされたガラス微粒気泡で処理した細菌懸濁物は、コロニー形成単位(colony forming unit)(これは、再懸濁およびプレートによって回収される)に50〜100%の低下を示した。この結果により、特異的な抗体でコーティングされたガラス微粒気泡上へ細菌細胞が捕捉されることが確認された。
【0085】
(実施例11:抗体によるエポキシ−ガラス微粒気泡のコーティング)
3MTM ScotchLiteTM Glass Bubbles H2O/1000を、0.1Mホウ酸ナトリウム、0.15M塩化ナトリウム、pH9.0により洗浄および懸濁した。アビジンを5mg/mlで添加し、懸濁物を、4℃で48時間インキュベートした。アビジンコーティングされたガラス微粒気泡を、BSA/PBS(0.05%アジ化ナトリウム含有)で洗浄して、未結合のアビジンを除去し、同一の溶液中で保存した。アビジン微粒気泡を、E.coli O157:H7に対するビオチン標識された抗体でコーティングし、上記のように、懸濁物から細菌細胞を除去するために使用した。
【0086】
(実施例12:シス−ジオールコーティングされたガラス微粒気泡の調製)
活性なヒドロキシル残基を有するガラス微粒気泡を、上記のように調製した(上記の実施例6を参照のこと)。乾燥させたガラス微粒気泡を、室温で3時間、乾燥アセトン(6% 3−グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン(v/v)含有)による処理によってシラン化(silanize)した。過剰なシラン試薬を、アセトンで洗浄することによって除去し、次に、60℃で2時間、0.05M HCl中で懸濁し、エポキシ官能基をシス−ジオール官能基に変換した。酸を、アセトンで洗浄することによって除去し、微粒気泡を、37℃で一晩乾燥させた。シス−ジオールガラス微粒気泡を、室温で乾燥させて保存した。
【0087】
シス−ジオールコーティングされたガラス微粒気泡の25%懸濁物を、10分間毎に換気しながら、封をした容器内で、室温で1時間、乾燥アセトン中の0.3Mカルボニルジイミジゾール(carbonyl diimidizole)(CDI)で活性化させた。過剰な試薬を、乾燥アセトンで洗浄することにより除去し、ガラス微粒気泡を、室温、減圧下で乾燥させた。活性化された微粒気泡を、4℃、窒素下で乾燥させて保存した。
【0088】
CDIで活性化させたガラス微粒気泡を、室温で、0.1M炭酸ナトリウム、pH9.5中に溶解させた4mg/mlアビジンとともに一晩インキュベートすることによりコーティングした。0.2Mリン酸ナトリウム、一塩基を添加することによって、pHを6.5まで下げた。アビジンコーティングされたガラス微粒気泡を、BSA/PBS(アジ化ナトリウム含有)により洗浄および保存した。
【0089】
E.coli O157:H7に対するビオチン標識された抗体を添加し、先に記載されるように、細菌を懸濁物から除去した。この実験により、コントロールサンプルと比較してコロニー数の減少として示される、細菌の50〜100%の低下を与えた。
【0090】
いくつかの実験において、シス−ジオールコーティングされたガラス微粒気泡を、室温で90分間、0.2M過ヨウ素酸ナトリウムを使用して活性化させた。産物を、水、続いてエタノールで洗浄し、室温で空気乾燥させた。この化学的性質は、アミン反応性アルデヒド官能基でガラス微粒気泡表面をコーティングした。次に、アビジン、そしてビオチン化抗体でのコーティング(その後、試験が続く)を、上記のように実行し、同様な結果を得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
親和性単離または親和性アッセイに使用するための、微粒気泡を含む組成物であって、該微粒気泡は親和性分子でコーティングされる、組成物。
【請求項2】
親和性単離または親和性アッセイに使用するための、タンパク質微粒気泡を含む組成物であって、該タンパク質微粒気泡は親和性分子でコーティングされる、組成物。
【請求項3】
前記タンパク質がアルブミンである、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記タンパク質微粒気泡が、タンパク質の溶液へのガスの導入によって形成される、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
前記導入が超音波処理を含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記導入がタンパク質の溶液を加熱する工程を含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項7】
前記タンパク質微粒気泡が、前記タンパク質を変性させること、およびCr+++による処理のうちの少なくとも1つにより安定化される、請求項2に記載の組成物。
【請求項8】
前記親和性分子が、レセプター、リガンド、核酸および抗体からなる群より選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項9】
前記親和性分子がビオチンである、請求項2に記載の組成物。
【請求項10】
前記親和性分子がアビジンまたはストレプトアビジンである、請求項2に記載の組成物。
【請求項11】
前記親和性分子が、前記タンパク質に直接カップリングされる、請求項8〜10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記親和性分子が、ヘテロ二官能性試薬を使用して、前記タンパク質に直接カップリングされる、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記ヘテロ二官能性試薬が、スルホスクシンイミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレートである、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記親和性分子が、前記タンパク質に間接的にカップリングされる、請求項8〜10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記親和性分子が、少なくとも1つの他の分子の相互作用を介して、前記タンパク質に間接的にカップリングされる、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記タンパク質がストレプトアビジンに直接カップリングされ、前記親和性分子がビオチン化され、該ストレプトアビジンとビオチンとが相互作用し、それにより、該親和性分子を該タンパク質に間接的にカップリングさせる、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
親和性分子でコーティングされたガラス微粒気泡を含む、親和性単離または親和性アッセイに使用するための組成物。
【請求項18】
前記ガラス微粒気泡が、約0.6g/ccの密度および約30μmの平均直径を有する、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記親和性分子が、レセプター、リガンド、核酸および抗体からなる群より選択される、請求項17に記載の組成物。
【請求項20】
前記親和性分子がビオチンである、請求項17に記載の組成物。
【請求項21】
前記親和性分子が、アビジンまたはストレプトアビジンである、請求項17に記載の組成物。
【請求項22】
前記親和性分子が、前記ガラス微粒気泡へ直接カップリングされる、請求項19〜21のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項23】
前記ガラス気泡がエポキシコーティングされ、かつ前記親和性分子が、該エポキシコーティングを介して該ガラスに直接カップリングされる、請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
アミン官能基で前記ガラス微粒気泡をコーティングする工程を包含するプロセスによって、前記親和性分子が該ガラスに直接カップリングされる、請求項22に記載の組成物。
【請求項25】
前記コーティングする工程が、前記ガラス微粒気泡を処理して、反応性の表面残基を生成する工程、および該表面残基と3−アミノプロピルトリエトキシシランとを反応させる工程を含む、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
前記ガラス気泡がシス−ジオールコーティングされ、前記親和性分子が、該シス−ジオールコーティングを介して該ガラスに直接カップリングされる、請求項22に記載の組成物。
【請求項27】
前記コーティングする工程が、
前記ガラス微粒気泡を処理して、反応性の表面ヒドロキシル残基を生成する工程、
該ヒドロキシル残基と3−グリシドオキシプロピルトリメトキシシランとを反応させて、エポキシ官能性残基を生成する工程、および
該エポキシ官能性残基を酸で処理して、該エポキシ官能基をシス−ジオール官能基へ変化する工程、
を含む、請求項22に記載の組成物。
【請求項28】
ヘテロ二官能性試薬を使用して、前記親和性分子が前記ガラスにカップリングされる、請求項22に記載の組成物。
【請求項29】
前記ヘテロ二官能性試薬がスルホスクシンイミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレートである、請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
前記親和性分子が、少なくとも1つの他の分子の相互作用を介して前記タンパク質に間接的にカップリングされる、請求項19〜21のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項31】
前記ガラスがストレプトアビジンに直接カップリングされ、かつ前記親和性分子がビオチン化され、ここで、該ストレプトアビジンとビオチンとが相互作用し、それによって、該親和性分子を該ガラス微粒気泡へ間接的にカップリングさせる、請求項15に記載の組成物。
【請求項32】
親和性単離または親和性アッセイに使用するためのタンパク質微粒気泡を生成する方法であって、
(a)タンパク質の溶液を加熱する工程、および
(b)該溶液を超音波処理して、該溶液にガスを導入する工程を包含し、
それによって、親和性単離または親和性アッセイに使用するためのタンパク質微粒気泡を生成する、方法。
【請求項33】
前記ガスが空気であり、かつ前記タンパク質がアルブミンである、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
Cr+++によって前記タンパク質微粒気泡を安定化させる工程をさらに包含する、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
親和性単離または親和性アッセイに使用するための親和性改変されたタンパク質微粒気泡を生成する方法であって、
(a)親和性分子にカップリングされているタンパク質を提供する工程、
(b)タンパク質の溶液を加熱する工程、および
(c)該溶液を超音波処理して、該溶液にガスを導入する工程を包含し、
それによって、親和性改変されたタンパク質微粒気泡を生成する、方法。
【請求項36】
親和性単離または親和性アッセイに使用するための微粒気泡を生成する方法であって、
微粒気泡を提供する工程、および
該微粒気泡を親和性分子でコーティングする工程
を包含する、方法。
【請求項37】
前記微粒気泡がタンパク質微粒気泡である、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記微粒気泡がガラス微粒気泡である、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記親和性分子が、レセプター、リガンド、核酸および抗体からなる群より選択される、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記親和性分子がビオチンである、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
前記親和性分子がアビジンまたはストレプトアビジンである、請求項36に記載の方法。
【請求項42】
前記コーティングする工程が、前記微粒気泡上のアミン基へ前記親和性分子を共有結合的にカップリングさせる工程を包含する、請求項36に記載の方法。
【請求項43】
前記コーティングする工程が、前記微粒気泡上のエポキシ基へ前記親和性分子を共有結合的にカップリングさせる工程を包含する、請求項36に記載の方法。
【請求項44】
前記コーティングする工程が、ヘテロ二官能性試薬を介して、前記微粒気泡へ前記親和性分子をカップリングさせる工程を包含する、請求項36に記載の方法。
【請求項45】
種の親和性単離または親和性アッセイのための方法であって、
(a)溶液中に、親和性分子でコーティングされた微粒気泡を提供する工程、
(b)溶液中で該親和性分子と相互作用する種と該微粒気泡とを接触させ、それにより、該種でコーティングされた微粒気泡を生成する工程、および、
(c)該溶液の表面に該種でコーティングされた微粒気泡を浮かせ、それにより遊離の種および該溶液から、該種でコーティングされた微粒気泡を分離する工程
を包含する、方法。
【請求項46】
前記微粒気泡がガラス微粒気泡である、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記微粒気泡がタンパク質微粒気泡である、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記タンパク質がアルブミンである、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記親和性分子が、レセプター、リガンドおよび抗体からなる群より選択される、請求項45に記載の方法。
【請求項50】
前記親和性分子がビオチンである、請求項45に記載の方法。
【請求項51】
前記親和性分子がアビジンまたはストレプトアビジンである、請求項45に記載の方法。
【請求項52】
前記種が、レセプター、リガンドまたは抗原である、請求項45に記載の方法。
【請求項53】
前記種が分析物である、請求項45に記載の方法。
【請求項54】
前記種が、ウイルスまたは細胞またはその小成分である、請求項45に記載の方法。
【請求項55】
前記種が、ビオチン、アビジンまたはストレプトアビジンで改変される、請求項45に記載の方法。
【請求項56】
前記微粒気泡および溶液を遠心分離し、前記種が重力下でペレット化し、それによって、遊離の種および該溶液からの、該種でコーティングされた微粒気泡の分離を増進する工程をさらに包含する、請求項45に記載の方法。
【請求項57】
該種でコーティングされた微粒気泡に圧力または減圧を加えて、それによって該微粒気泡を破壊する工程をさらに包含する、請求項45に記載の方法。
【請求項58】
界面活性剤により該種でコーティングされた微粒気泡を処理して、それによって該微粒気泡を破壊する工程をさらに包含する、請求項45に記載の方法。

【公開番号】特開2012−197281(P2012−197281A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−113421(P2012−113421)
【出願日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【分割の表示】特願2007−539371(P2007−539371)の分割
【原出願日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【出願人】(507245663)アイリス モレキュラー ダイアグノスティクス, インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】