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親水性共重合体の製造方法
説明

親水性共重合体の製造方法

【課題】従来技術と比較して、セメント混和剤における各種の性能をより一層改善しうる手段を提供する。
【解決手段】本発明の親水性共重合体の製造方法は、化学式1で表されるカルボン酸単量体と、化学式2で表されるポリエーテル単量体とを必須成分として含有する単量体成分を反応器中、溶媒の存在下で溶液重合させることを含む。そして、初期仕込み液中に存在するナトリウム、マグネシウムおよびカルシウムの合計量が、初期仕込み液中に存在する前記ポリエーテル単量体の質量を基準として1〜350質量ppmである点に特徴を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、親水性共重合体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
親水性(共)重合体を含むセメント混和剤は、セメントペースト、モルタル、コンクリート等のセメント組成物等に広く用いられており、セメント組成物から土木・建築構造物等を構築するために欠かすことのできないものとなっている。このようなセメント混和剤は減水剤等として用いられ、セメント組成物の流動性を高めてセメント組成物を減水させることにより、硬化物の強度や耐久性等を向上させる作用を有することになる。このような減水剤としては、従来のナフタレン系等の減水剤に比べて高い減水性能を発揮するポリカルボン酸系減水剤が提案され、最近では高性能AE減水剤として多くの使用実績がある。
【0003】
かようなセメント混和剤として用いられる親水性(共)重合体を製造する手法として、例えば、一部または全部が中和されていてもよい(メタ)アクリル酸などのカルボン酸単量体を、ポリオキシエチレン鎖などのポリオキシアルキレン鎖を有するポリエーテル単量体と共重合(水溶液重合)させる手法が知られている(例えば、特許文献1および2を参照)。ここで、ポリエーテル単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸とポリアルキレングリコールまたはそのモノアルキルエーテルとのエステル化物が用いられる(特許文献1)。また、イソプレノールや(メタ)アリルアルコールなどの不飽和二重結合含有アルコールへのアルキレンオキサイド付加物が、上記ポリエーテル単量体として用いられることもある(特許文献2)。このように、セメント混和剤として用いるための親水性(共)重合体を製造する手法は数多く提案されている。
【0004】
上述の手法により得られた共重合体を用いたセメント混和剤に求められる性能としては、水/セメント比が小さくても高い減水性能を発揮すること、スランプ保持性能が高いこと、耐凍結融解性に優れること、などが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−18456号公報
【特許文献2】特開2010−6701号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献に記載のような従来の技術では、セメント混和剤に求められる上記の各種性能について、依然として改善の余地が存在する。
【0007】
そこで本発明は、従来技術と比較して、セメント混和剤における各種の性能をより一層改善しうる手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した従来技術における課題に鑑み、本発明者らは鋭意研究を行なった。その結果、カルボン酸単量体およびポリエーテル単量体を含有する単量体成分を反応器中、溶媒の存在下で溶液重合してセメント混和剤に用いられる親水性共重合体を製造する際、反応系の初期仕込み液を溶媒およびポリエーテル単量体からなるものとし、初期仕込み液中に存在する特定のカチオンの合計量を特定の範囲に制御すると、得られる共重合体がセメント混和剤として優れた性能を発揮することを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
このようにして完成された本発明の親水性共重合体の製造方法は、下記化学式1:
【0010】
【化1】

【0011】
式中、
1、R2およびR3は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基または−(CH2zCOOM2基(−(CH2zCOOM2は、−COOM1またはその他の−(CH2zCOOM2と無水物を形成していてもよい)を表し、zは、0〜2の整数を表し、
1およびM2は、それぞれ独立して、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム基または有機アミン基(有機アンモニウム基)を表す、
で表されるカルボン酸単量体と、
下記化学式2:
【0012】
【化2】

【0013】
式中、
4およびR5は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基を表し、
AOは、それぞれ独立して、炭素数2以上のオキシアルキレン基の1種または2種以上を表し、
nは、オキシアルキレン基の平均付加モル数で1〜300の数を表し、
xは、0〜2の整数を表し、
yは、0または1を表し、
6は、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表す、
で表されるポリエーテル単量体とを必須成分として含有する単量体成分を反応器中、溶媒の存在下で溶液重合させることを含む。そして、反応系の初期仕込み液中に存在するナトリウム、マグネシウムおよびカルシウムの合計量が、初期仕込み液中に存在するポリエーテル単量体の質量を基準として1〜350質量ppmである点に特徴を有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、従来技術と比較して、セメント混和剤における各種の性能をより一層改善しうる手段が提供されうる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を説明する。以下ではまず、親水性共重合体を製造するための工程について順を追って説明する。その後、本発明の特徴的な構成について、詳細に説明する。
【0016】
[反応工程]
本発明の親水性共重合体の製造方法では、化学式1で表されるカルボン酸単量体と、化学式2で表されるポリエーテル単量体とを必須成分として含有する単量体成分を反応器中で水溶液重合させることを含む。
【0017】
詳細には、上記カルボン酸単量体は、下記化学式1:
【0018】
【化3】

【0019】
で表される。
【0020】
化学式1において、R1、R2およびR3は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基または−(CH2zCOOM2基を表す。この際、−(CH2zCOOM2は、−COOM1またはその他の−(CH2zCOOM2と無水物を形成していてもよい。また、zは、0〜2の整数を表す。さらに、化学式1において、M1およびM2は、それぞれ独立して、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム基または有機アミン基(有機アンモニウム基)を表す。ここで、アルカリ金属原子としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。また、アルカリ土類金属原子としては、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。なかでも、M1およびM2は、水素原子、ナトリウム、またはカリウムであることが好ましい。また、アンモニウム基は、「−NH4+」で表される官能基である。そして、有機アミン基(有機アンモニウム基)としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミン;エチレンジアミン、トリエチレンジアミン等のポリアミン等の有機アミン由来の残基が挙げられる。
【0021】
化学式1で表されるカルボン酸単量体としては、不飽和モノカルボン酸系化合物として、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸およびこれらの金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩(有機アンモニウム塩)等が挙げられ、不飽和ジカルボン酸系化合物として、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、またはこれらの金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩(有機アンモニウム塩)等が挙げられ、さらにこれらの無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等が挙げられる。なかでも、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸またはこれらの塩が重合性の観点から好ましく、アクリル酸またはメタクリル酸が特に好ましい。なお、これらの化合物は1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。また、これらの化合物は、市販されている化合物を用いてもよいし、自ら合成することにより準備してもよい。
【0022】
一方、上記ポリエーテル単量体は、下記化学式2:
【0023】
【化4】

【0024】
で表される。
【0025】
化学式2において、R4およびR5は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基を表す。また、AOは、それぞれ独立して、炭素数2以上のオキシアルキレン基の1種または2種以上を表す。かようなオキシアルキレン基を構成する「A」としては、例えば、エチレン基、トリメチレン基、メチルエチレン基、エチルエチレン基、フェニルエチレン基、テトラメチレン基、または1,2−ジメチルエチレン基が挙げられる。すなわち、化学式2において「AO」は、上記の官能基を含むオキシアルキレン基(例えば、オキシエチレン基)である。なかでも、重合における反応性の観点からは、Aはエチレン基またはメチルエチレン基であることが好ましく、エチレン基であることが最も好ましい。また、場合によっては、(AO)nで表される繰り返し単位中に2以上の異なるAO構造が存在していてもよい。ただし、ポリオキシアルキレン鎖の製造の容易性や構造の制御のし易さを考慮すると、(AO)nで表される繰り返し構造は、同一のAO構造の繰り返しであることが好ましい。なお、2以上の異なるAO構造が存在する場合、これらの異なるAO構造は、ランダム付加、ブロック付加、交互付加等のいずれの形態で存在していてもよい。
【0026】
化学式2において、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数で1〜300の数を表し、好ましくは1〜250であり、より好ましくは1〜200であり、さらに好ましくは1〜170であり、特に好ましくは1〜150であり、最も好ましくは2〜130である。オキシアルキレン基の平均付加モル数nが上述した下限値以上であれば、得られる重合体の親水性が確保され、分散性能が向上しうるため、好ましい。また、オキシアルキレン基の平均付加モル数nが上述した上限値以下であれば、反応工程における反応性が十分に確保されうるため、好ましい。なお、「平均付加モル数」とは、ポリエーテル単量体1モル中において付加しているオキシアルキレン基のモル数の平均値を意味する。
【0027】
当該オキシアルキレン基の分布には制限はなく、例えばnが1〜10のものと10〜75のものとを混合して分布をブロードにしてもよいし、ルイス酸や固体酸触媒等を用いて合成することで、オキシアルキレン基の分布をナローにしてもよい。
【0028】
化学式2において、xは0〜2の整数を表し、yは0または1を表す。また、R6は、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表す。ここで、炭素原子数1〜20の炭化水素基としては、例えば、炭素原子数1〜20のアルキル基(脂肪族アルキル基または脂環族アルキル基)、炭素原子数6〜20のフェニル基、アルキルフェニル基、フェニルアルキル基、(アルキル)フェニル基で置換されたフェニル基、ナフチル基等のベンゼン環を有する芳香族基等が挙げられる。R6においては、炭化水素基の炭素原子数が増大するに従って疎水性が大きくなり、分散性が低下するため、R6が炭化水素基の場合の炭素原子数としては、1〜18がより好ましく、1〜12がさらに好ましく、1〜4が特に好ましい。さらに、R6がメチル基または水素原子であることが最も好ましい。
【0029】
化学式2で表されるポリエーテル単量体としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、ノニルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコールなどの炭素数1〜20の飽和脂肪族アルコール類、アリルアルコール、メタリルアルコール、クロチルアルコール、オレイルアルコールなどの炭素数3〜20の不飽和脂肪族アルコール類、シクロヘキサノールなどの炭素数3〜20の脂環式アルコール類、フェノール、フェニルメタノール(ベンジルアルコール)、メチルフェノール(クレゾール)、p−エチルフェノール、ジメチルフェノール(キシレノール)、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、フェニルフェノール、ナフトールなどの炭素数6〜20の芳香族アルコール類のいずれかに炭素数2〜18のアルキレンオキシドを付加することによって得られるアルコキシポリアルキレングリコール類、炭素数2〜18のアルキレンオキシドを重合したポリアルキレングリコール類と(メタ)アクリル酸、クロトン酸とのエステル化物を挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。なかでも、(メタ)アクリル酸のアルコキシポリアルキレングリコール類のエステルが好ましい。さらにビニルアルコール、(メタ)アリルアルコール、3−メチル−3−ブテン−1−オール、3−メチル−2−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−2−オール、2−メチル−2−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−1−オールなどの不飽和アルコールにアルキレンオキシドを1〜300モル付加した化合物を挙げることができ、これら1種または2種以上を用いることができる。なかでも、特に(メタ)アリルアルコール、3−メチル−3−ブテン−1−オールを用いた化合物が好ましい。なお上記の不飽和エステル類および不飽和エーテル類は、アルキレンオキシドとしては、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシドなどの炭素数2〜18のアルキレンオキシドの中から選ばれる任意の1種、あるいは2種以上のアルキレンオキシドを付加させてもよい。2種以上を付加させる場合、ランダム付加、ブロック付加、交互付加などのいずれであってもよい。
【0030】
以下、2つの形態について、それぞれより詳細に説明する。
【0031】
(第1の形態)
化学式2で表されるポリエーテル単量体として、例えば、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールまたはその一方の末端が炭素原子数1〜20の炭化水素基により置換されたものと(メタ)アクリル酸などのカルボン酸系化合物とのエステル化物(ポリアルキレングリコールエステル系化合物)が挙げられる。かようなエステル化物については、従来公知の知見を参照することにより、合成が可能である。
【0032】
本発明の反応工程においてかようなポリアルキレングリコールエステル系化合物を原料(ポリエーテル単量体)として用い、重合開始剤の存在下で、上述したカルボン酸単量体と反応させると、ポリアルキレングリコールエステル系化合物(ポリエーテル単量体)およびカルボン酸単量体がそれぞれ有する不飽和二重結合のラジカル重合が進行し、これらの共重合体が得られる。
【0033】
上述した原料化合物(単量体)の使用量について特に制限はないが、好ましい形態として、上述した2つの原料化合物(単量体)の全量100重量%に対して、ポリアルキレングリコールエステル系化合物(ポリエーテル単量体)およびカルボン酸単量体をそれぞれ1質量%以上含むとよい。また、ポリアルキレングリコールエステル系化合物(ポリエーテル単量体)の含有量は、好ましくは5重量%以上であり、より好ましくは10重量%以上であり、さらに好ましくは20重量%以上であり、特に好ましくは40重量%以上である。かような形態とすることで、得られる共重合体をセメント混和剤として用いた際の分散性能に優れる。また、重合反応をスムーズに進行させるという観点からは、ポリアルキレングリコールエステル系化合物(ポリエーテル単量体)由来の繰り返し単位は、得られる共重合体の全繰り返し単位の50モル%以下であることが好ましい。さらに、セメント混和剤としての使用時の分散性能を向上させるという観点からは、カルボン酸単量体が(メタ)アクリル酸(塩)を必須に含有することが好ましい。
【0034】
なお、第1の形態の反応工程では、上述した2つの原料化合物(単量体)に加えて、これらと共重合可能な他の単量体をさらに共重合させてもよい。なお、他の単量体の使用量は、原料化合物(単量体)の全量100重量%に対して、好ましくは0〜70重量%であり、より好ましくは0〜50重量%であり、さらに好ましくは0〜30重量%であり、特に好ましくは0〜10重量%である。他の単量体としては、上述したポリアルキレングリコールエステル系化合物(ポリエーテル単量体)およびカルボン酸単量体と共重合可能な化合物であれば特に制限されず、下記の化合物の1種または2種以上が用いられうる。
【0035】
マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアルコールとのハーフエステル、ジエステル類;上記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのハーフアミド、ジアミド類;上記アルコールやアミンに炭素原子数2〜18のアルキレンオキシドを1〜300モル付加させたアルキル(ポリ)アルキレングリコールと上記不飽和ジカルボン酸類とのハーフエステル、ジエステル類;上記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数2〜18のグリコールまたはこれらのグリコールの付加モル数2〜300のポリアルキレングリコールとのハーフエステル、ジエステル類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルクロトネート、エチルクロトネート、プロピルクロトネート等の不飽和モノカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアルコールとのエステル類;マレアミド酸と炭素原子数2〜18のグリコールまたはこれらのグリコールの付加モル数2〜300のポリアルキレングリコールとのハーフアミド類。
【0036】
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコール(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;トリエチレングリコールジマレート、ポリエチレングリコールジマレート等の(ポリ)アルキレングリコールジマレート類;ビニルスルホネート、(メタ)アリルスルホネート、2−(メタ)アクリロキシエチルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホフェニルエーテル、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシスルホベンゾエート、4−(メタ)アクリロキシブチルスルホネート、(メタ)アクリルアミドメチルスルホン酸、(メタ)アクリルアミドエチルスルホン酸、2−メチルプロパンスルホン酸(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸類、並びに、それらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩及び有機アミン塩(有機アンモニウム塩);メチル(メタ)アクリルアミドのように不飽和モノカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのアミド類;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン等のビニル芳香族類;1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールモノ(メタ)アクリレート類;ブタジエン、イソプレン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン等のジエン類。
【0037】
(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアルキルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル等の不飽和シアン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の不飽和エステル類;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸メチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジブチルアミノエチル、ビニルピリジン等の不飽和アミン類;ジビニルベンゼン等のジビニル芳香族類;トリアリルシアヌレート等のシアヌレート類;(メタ)アリルアルコール、グリシジル(メタ)アリルエーテル等のアリル類;ポリジメチルシロキサンプロピルアミノマレインアミド酸、ポリジメチルシロキサンアミノプロピレンアミノマレインアミド酸、ポリジメチルシロキサン−ビス−(プロピルアミノマレインアミド酸)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(ジプロピレンアミノマレインアミド酸)、ポリジメチルシロキサン−(1−プロピル−3−アクリレート)、ポリジメチルシロキサン−(1−プロピル−3−メタクリレート)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(1−プロピル−3−アクリレート)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(1−プロピル−3−メタクリレート)等のシロキサン誘導体。
【0038】
第1の形態の反応工程における反応を進行させるには、重合開始剤を用いて上述した原料(ポリアルキレングリコールエステル系化合物(ポリエーテル単量体)、カルボン酸単量体)、および必要に応じて他の単量体を溶液重合により共重合させればよい。溶液重合は回分式でも連続式でも行うことができ、その際に使用される溶媒としては特に限定されず、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール;ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン等の芳香族または脂肪族炭化水素;酢酸エチル等のエステル化合物;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル化合物等が挙げられるが、原料化合物および得られる共重合体の溶解性から、水および炭素原子数1〜4の低級アルコールからなる群から選択される少なくとも1種を溶媒として用いることが好ましく、その中でも水を溶媒に用いるのが、脱溶剤工程を省略できる点でさらに好ましい。
【0039】
反応工程において水溶液重合を行なう場合には、ラジカル重合開始剤として、水溶性の重合開始剤、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;過酸化水素;2,2'−アゾビス−2−メチルプロピオンアミジン塩酸塩等のアゾアミジン化合物、2,2'−アゾビス−2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン塩酸塩等の環状アゾアミジン化合物、2−カルバモイルアゾイソブチロニトリル等のアゾニトリル化合物等の水溶性アゾ系開始剤等が使用され、この際、亜硫酸水素ナトリウム等のアルカリ金属亜硫酸塩、メタ二亜硫酸塩、次亜燐酸ナトリウム、モール塩等のFe(II)塩、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム二水和物、ヒドロキシルアミン塩酸塩、チオ尿素、L−アスコルビン酸(塩)、エリソルビン酸(塩)等の還元剤を併用することもできる。中でも、過酸化水素とL−アスコルビン酸(塩)等の還元剤との組み合わせが好ましい。これらのラジカル重合開始剤や還元剤はそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、水溶液重合を行なう際の重合温度は特に制限されないが、例えば、25〜99℃であり、好ましくは50〜95℃であり、より好ましくは60〜92℃であり、さらに好ましくは65〜90℃である。なお、「重合温度」とは、反応系における反応溶液の温度を意味する。
【0040】
また、低級アルコール、芳香族もしくは脂肪族炭化水素、エステル化合物、または、ケトン化合物を溶媒とする溶液重合を行う場合には、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ナトリウムパーオキサイド等のパーオキサイド;t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等がラジカル重合開始剤として用いられる。この際アミン化合物等の還元剤を併用することもできる。さらに、水−低級アルコール混合溶媒を用いる場合には、上記の種々のラジカル重合開始剤、または、ラジカル重合開始剤と還元剤の組み合わせの中から適宜選択して用いることができる。なお、溶液重合を行なう際の重合温度は特に制限されないが、例えば、25〜99℃であり、好ましくは40〜90℃であり、より好ましくは45〜85℃であり、さらに好ましくは50〜80℃である。
【0041】
得られる共重合体の分子量を調整する目的で、連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖移動剤としては特に限定されず、例えば、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチル、2−メルカプトエタンスルホン酸等のチオール系連鎖移動剤;イソプロパノール等の第2級アルコール;亜リン酸、次亜リン酸、及びその塩(次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等)や、亜硫酸、亜硫酸水素、亜二チオン酸、メタ重亜硫酸、及びその塩(亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜二チオン酸ナトリウム、亜二チオン酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム等)の低級酸化物及びその塩;等が挙げられる。これらは1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。さらに、得られる共重合体の分子量を調整する目的には、「他の単量体」として(メタ)アリルスルホン酸(塩)類等の連鎖移動性の高い単量体を用いることも有効である。
【0042】
さらに、重合時の安定性を確保する、または、化合物としての酸化、熱安定性を確保するという目的で、酸化防止剤を用いてもよい。酸化防止剤としては特に制限されず、例えば、アデカスタブLAシリーズなどのヒンダードアミン系酸化防止剤;アデカスタブPEPシリーズなどのリン系酸化防止剤;ジブチルヒドロキシトルエン、商品名IRGANOX1010、1035、1076,1098、1135等に代表されるヒンダードフェノール系酸化防止剤などが挙げられる。これらは1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
【0043】
なお、上述した重合開始剤を反応系に滴下により添加する場合、その添加(滴下)方法としては、反応中の短時間での大量のラジカル発生を防ぎ、安定して物性のばらつきの小さいポリカルボン酸系共重合体を合成することができれば、特に制限されないが、例えば、重合開始時から重合開始剤を全て連続的に滴下する方法、重合開始時から重合開始剤を全て間欠的に滴下する方法、重合開始前に重合開始剤の一部を仕込み、残りを重合開始時から滴下する方法、重合開始前に重合開始剤の一部を仕込み、残りを重合反応の途中から滴下する方法、または、重合開始前に重合開始剤の一部を仕込み、残りを間欠的に滴下する方法等が挙げられる。これらの中でも、重合開始時から重合開始剤を全て連続的に滴下する方法で滴下することが好ましい。これらのいずれの滴下方法の場合にも、本発明の製造方法においては、重合開始剤の滴下は、反応開始から120分以上かけて行うことが好ましく、より好ましくは、150分以上かけて行うことであり、さらに好ましくは、180分以上かけて行うことである。
【0044】
本発明の製造方法は、重合開始剤とは別に還元剤を反応系に滴下する工程を含むことが好ましい。還元剤を滴下して添加することで、重合開始剤から生成するラジカルを安定した濃度で発生させることが可能となる。また、還元剤を重合開始剤と一緒に滴下すると、滴下する前にそれぞれが反応してラジカルを発生させたり、失活したりするため、ラジカル濃度を一定に制御できないおそれがある。なお、還元剤を反応系に滴下する方法としては、上述した重合開始剤を重合溶液に滴下する方法と同様の方法とすることができる。また、還元剤の滴下は、反応開始から120分以上かけて行うことが好ましい。より好ましくは、150分以上かけて行うことであり、さらに好ましくは、180分以上かけて行うことである。なお、重合開始剤を反応系に滴下する方法と還元剤を重合溶液に滴下する方法とは、同じ方法であることが好ましい。また、それぞれの滴下に要する時間も同じにすることが好ましい。
【0045】
(第2の形態)
一方、ビニルアルコール、(メタ)アリルアルコール、イソプレンアルコール(イソプレノール;3−メチル−3−ブテン−1−オール)、3−メチル−3−ブテン−2−オール等の不飽和アルコールにアルキレンオキサイドを1〜300モル付加して得られる不飽和アルコールのアルキレンオキサイド付加物(ポリアルキレングリコールエーテル系化合物)もまた、化学式2で表されるポリエーテル単量体として用いられうる。かようなアルキレンオキサイド付加物についても、従来公知の知見を参照することにより、合成が可能である。
【0046】
本発明の反応工程においてかようなポリアルキレングリコールエーテル系化合物(ポリエーテル単量体)を原料として用い、重合開始剤の存在下で、上述したカルボン酸単量体と反応させると、ポリアルキレングリコールエーテル系化合物(ポリエーテル単量体)およびカルボン酸単量体がそれぞれ有する不飽和二重結合のラジカル重合が進行し、これらの共重合体が得られる(後述する製造例を参照)。
【0047】
なお、第2の形態における反応の詳細としては、上述した第1の形態における反応の詳細が同様に用いられうるため、ここでは説明を省略する。
【0048】
(両形態共通)
反応工程において得られる親水性共重合体の重量平均分子量について特に制限はないが、一例として、好ましくは3,000〜1,000,000であり、より好ましくは5,000〜500,000であり、さらに好ましくは10,000〜100,000である。かような範囲内の値であれば、反応の制御や重合物が取り扱いやすく、セメント混和剤
として十分な性能を発揮することができるという利点がある。
【0049】
[初期仕込み液の形態]
本発明に係る親水性共重合体の製造方法は、初期仕込み液の形態に特徴を有する。具体的には、本発明に係る親水性共重合体の製造方法は反応器中で行なわれるが、当該反応器中に最初に仕込まれる反応系の初期仕込み液中に存在するナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)およびカルシウム(Ca)の合計量が、初期仕込み液中に存在するポリエーテル単量体の質量を基準として1〜350質量ppmであることが特徴である。本発明者らの検討によれば、本発明のような構成とすることで、得られる親水性共重合体をセメント混和剤として用いたときに、各種性能に優れることが判明した。その理由は完全には明らかではないが、特定のカチオンの量が少ない初期仕込み液を用いて重合を行うことで、重合により得られる共重合体の分子量の増大とそれに伴う分子量分布のブロード化が防止されることや、ミネラル分に由来して重合の際に析出する塩の量が低減されることなどが影響しているものと考えられる。なお、「反応系の初期仕込み液」とは、重合反応の開始時点における仕込み液を意味する。
【0050】
初期仕込み液中に存在するNa、MgおよびCaの合計量は、ポリエーテル単量体の質量を基準として1〜350質量ppmであることが必須であるが、好ましくは1〜285質量ppmであり、より好ましくは1〜250質量ppmであり、さらに好ましくは1〜200質量ppmであり、いっそう好ましくは1〜175質量ppmであり、特に好ましくは1〜150質量ppmであり、最も好ましくは1〜100質量ppmである。なお、初期仕込み液中に存在するポリエーテル単量体の質量、並びに、Na、MgおよびCaの合計量は、それぞれ、ICP−MS(誘導結合プラズマ質量分析法)およびAAS(原子吸光分析法)により測定される値を採用するものとする。
【0051】
初期仕込み液中に存在するNa、MgおよびCaの合計量を上記所定の範囲内の値とするための具体的な手法について特に制限はなく、従来公知の知見が適宜参照されうる。具体的には、初期仕込み液を構成する溶媒およびポリエーテル単量体の少なくとも一方における上記カチオンの存在量を調節することにより、初期仕込み液中に存在するNa、MgおよびCaの合計量を上記所定の範囲内の値とすることができる。
【0052】
溶媒として水を用いる場合を例に挙げると、例えば、上記の規定を満足する程度の水が(例えば工業用水などとして)入手可能であれば、それを入手して初期仕込み液を構成する溶媒として用いることができる。また、ミネラル分の多い水を入手可能であれば、それを入手して適当な脱塩処理を施した後に、初期仕込み液を構成する溶媒として用いてもよい。かような脱塩処理としては、例えば、蒸留法、イオン交換樹脂法、逆浸透法などが例示される。さらに、脱塩処理を施さなくとも、ミネラル分の少ない水(脱イオン水、蒸留水など)と適当な比率で混合・希釈して得られる混合液を初期仕込み液の溶媒として用いることもできる。
【0053】
なお、本発明の製造方法においては、上述したように、反応系の初期仕込み液が溶媒およびポリエーテル単量体からなる時点が存在する。一方、溶媒およびポリエーテル単量体以外の成分については、それぞれについて反応系内への投入方法は特に制限されず、例えば、重合開始前または開始時に一括して投入してもよく、滴下して添加してもよく、重合開始時および重合反応中に複数回に分割して投入してもよい。なお、カルボン酸単量体は一般的に単独重合性を示すので、重合の爆発的進行を抑制する観点から、重合開始前または開始時に一括して投入しない方が好ましく、重合開始時から滴下して添加されることが特に好ましい。反応系に滴下して投入される全ての成分は別々に滴下しても、混合水溶液として滴下してもよい。また、それぞれの成分の添加のタイミング、添加速度等の方法は同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0054】
反応工程(重合)に用いられる反応器の具体的な形態について特に制限はなく、任意の反応器が適宜用いられうる。ただし、反応工程(重合)に用いられる反応器は、内表面がグラスライニング処理されてなるグラスライニング反応器であることが好ましい。かような形態によれば、初期仕込み液中の特定のカチオン量を所定の範囲に制御することで奏される上述した作用効果がより一層顕著に発現しうるのである。なお、グラスライニング反応器の具体的な形態について特に制限はなく、従来公知の知見が適宜参照されうる。
【0055】
反応工程(重合)に用いられる反応器の攪拌動力については釜内の共重合体水溶液を十分に攪拌あるいは拡散できる能力があることが必須である。攪拌動力を表す指標として一般的に用いられる値として、反応器の攪拌動力(kW)を熟成工程終了時における反応器内の共重合体水溶液の容量(m3)で除した値が用いられ、これをPv値(kW/m3)とも言う。Pv値として好ましくは0.03〜100(kW/m3)であり、より好ましくは0.05〜50(kW/m3)であり、さらに好ましくは0.1〜20(kW/m3)であり、特に好ましくは0.2〜10(kW/m3)であり、最も好ましくは0.3〜5(kW/m3)である。Pv値が100以下であれば、余剰能力が大きくなることに伴うコストアップが防止される。一方、Pv値が0.03以上であれば、反応器内の共重合体水溶液を十分に攪拌または拡散することができ、得られた共重合体の品質を安定させることができる。
【0056】
以上、本発明の特徴的な構成について説明したが、反応工程(重合)の完了後には、その他の工程が行われてもよい。その他の工程としては、例えば、熟成工程、中和工程、冷却工程、加水工程などが挙げられる。以下、これらのその他の工程について、簡単に説明する。
【0057】
[熟成工程]
熟成工程は、単量体、重合開始剤、連鎖移動剤等の反応系に添加される成分の滴下(添加)完了後、反応系(反応液)をさらに加熱して重合反応を完結させるための工程である。熟成工程を行うには、任意の加熱手段を用いて反応系(反応液)を所定の時間、所望の温度に加熱すればよい。
【0058】
熟成時間は、通常1〜180分間であり、好ましくは10〜120分間であり、より好ましくは20〜90分間である。熟成時間が1分間以上であれば、熟成が十分になされ、原料化合物の残存やこれに伴う不純物の生成・性能低下などが防止されうる。一方、熟成時間が180分間以内であれば、重合体溶液の着色の虞が低減されうる。そのほか、重合完結後に徒に熟成時間を延長することは不経済である。
【0059】
また、熟成中は、上述した反応温度が適用される。したがって、ここでの温度も一定温度(好ましくは滴下終了時点での温度)で保持してもよいし、熟成中に経時的に温度を変化させてもよい。したがって、重合時間とは、重合開始から滴下終了までの時間+熟成時間をいい、最初の滴定開始時点から熟成終了時点までに要した時間を意味することとなる。
【0060】
[冷却工程]
冷却工程は、反応系(反応液)の温度を下げるための工程である。冷却工程を行うには、任意の冷却手段を用いて反応系(反応液)を所望の温度まで冷却すればよい。冷却後の共重合体溶液の温度は特に制限されず、従来公知の知見が適宜参照されうるが、一例として、冷却後の共重合体溶液の温度は、好ましくは1〜60℃であり、より好ましくは5〜50℃であり、さらに好ましくは10〜40℃である。かような範囲内の値であれば、共重合体溶液を取り扱いやすいという利点がある。
【0061】
[中和工程]
中和工程は、反応系(反応液)の酸性側pHをアルカリ性側にシフトさせるための工程である。
【0062】
中和工程を行うには、中和剤タンクに貯蔵された中和剤を、供給経路を介して反応器へと供給し、共重合体と中和反応させればよい。上述した反応工程では、重合反応は、酸性条件下(好ましくは重合中の反応溶液の25℃でのpHが1〜6であり、重合中の中和度が1〜25モル%である)で行われるのが通常である。よって、本工程では、共重合体溶液に適当なアルカリ成分を適宜添加することによって、得られる親水性共重合体の中和度(最終pH)が所定の範囲に調整されうるのである。
【0063】
共重合体溶液の最終pHは、その使用用途によって異なるため特に制限されず、極めて広範囲に設定可能である。例えば、得られた親水性共重合体をセメント混和剤として利用するような場合では、最終pHは、好ましくは3〜12であり、より好ましくは4〜10であり、さらに好ましくは5〜8である。かような範囲内の値とすることで、共重合体の安定性が優れ、製造設備の腐食を防げるという利点が得られる。
【0064】
中和工程で用いられうるアルカリ成分としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物;アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの有機アミン類で代表されるようなものが挙げられる。上記アルカリ成分は1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
【0065】
中和剤の供給形態は、特に制限されないが、局所的に急激に大量の中和熱が発生するのを防止する観点からは、適当な溶媒に溶解して中和剤溶液の形態で供給することが好ましい。ただし、中和剤のみの形態(すなわち、無溶媒の形態)で供給してもよい。中和剤溶液として用いる場合の溶液濃度は、使用目的に応じて適宜設定され、特に制限されない。
【0066】
中和剤の供給方法もまた、特に限定されないが、反応器内に供給経路を通じて供給、好ましくは先端ノズル部より連続的に滴下する方法が好ましい。また、中和剤成分が2種以上の場合には、別々の供給経路を通じてそれぞれの中和剤成分を供給してもよい。ただし、別々の供給経路を途中で合流させ、各中和剤成分を混合して反応器内に供給するようにしてもよいし、供給元の貯蔵タンク内で予め各中和剤成分を混合して1つの供給経路を通じて供給するようにしてもよい。中和剤の供給速度は使用目的に応じて適宜設定され、特に制限されない。
【0067】
中和剤を供給して反応液の中和度の調整を行う間、反応器内の反応液の温度は、適宜最適な反応液温度に設定すればよく、特に制限されない。反応液の温度を設定する際には、発生する中和熱の除熱が充分になされ、反応液の大量の蒸発や反応液への気泡の混入を回避できるように設定すればよい。
【0068】
[加水工程]
加水工程は、中和工程前または後の反応系(反応液)の溶質濃度を調整する目的で水を添加する工程である。
【0069】
加水工程では、反応器に水を供給して、反応系(反応液)と混合することでこれを希釈する。これが達成されるのであればその具体的な形態について特に制限はなく、従来公知の知見が適宜参照されうる。例えば、図示しないが、中和剤と同様に水タンクから供給経路を介して反応器へ水を供給すればよい。場合によっては、希釈用の水の量も考慮して中和剤を予め薄めに調製しておき、これを反応器に供給してもよい。この場合には、中和工程と加水工程とが同時に行なわれることになる。
【0070】
加水工程において添加する水の量について特に制限はなく、最終的に得られる共重合体水溶液の所望の濃度を考慮して、適宜設定すればよい。
【0071】
[親水性共重合体の用途]
本発明の製造方法により製造される親水性共重合体は、セメント混和剤として用いられうる。
【0072】
本発明のセメント混和剤は、本発明の製造方法により製造される親水性共重合体を必須成分として含むものであるが、上述した製造方法により得られた水溶液の形態でそのままセメント混和剤の主成分として使用してもよいし、乾燥させて粉体化して使用してもよい。
【0073】
本発明のセメント混和剤は、各種水硬性材料、すなわちセメントや石膏等のセメント組成物やそれ以外の水硬性材料に用いることができる。このような水硬性材料と水と本発明のセメント混和剤とを含有し、さらに必要に応じて細骨材(砂等)や粗骨材(砕石等)を含む水硬性組成物の具体例としては、セメントペースト、モルタル、コンクリート、プラスター等が挙げられる。
【0074】
上記水硬性組成物の中では、水硬性材料としてセメントを使用するセメント組成物が最も一般的であり、該セメント組成物は、本発明のセメント混和剤、セメント及び水を必須成分として含んでなる。このようなセメント組成物は、本発明の好ましい実施形態の1つである。
【0075】
上記セメント組成物において使用されるセメントとしては、特に限定はない。例えば、ポルトランドセメント(普通、早強、超早強、中庸熱、耐硫酸塩及びそれぞれの低アルカリ形)、各種混合セメント(高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント)、白色ポルトランドセメント、アルミナセメント、超速硬セメント(1クリンカー速硬性セメント、2クリンカー速硬性セメント、リン酸マグネシウムセメント)、グラウト用セメント、油井セメント、低発熱セメント(低発熱型高炉セメント、フライアッシュ混合低発熱型高炉セメント、ビーライト高含有セメント)、超高強度セメント、セメント系固化材、エコセメント(都市ごみ焼却灰、下水汚泥焼却灰の一種以上を原料として製造されたセメント)等が挙げられ、さらに、高炉スラグ、フライアッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリカヒューム、シリカ粉末、石灰石粉末等の微粉体や石膏を添加してもよい。又、骨材としては、砂利、砕石、水砕スラグ、再生骨材等以外に、珪石質、粘土質、ジルコン質、ハイアルミナ質、炭化珪素質、黒鉛質、クロム質、クロマグ質、マグネシア質等の耐火骨材が使用可能である。
【0076】
上記セメント組成物においては、その1m3あたりの単位水量、セメント使用量及び水/セメント比には特に制限はなく、単位水量100〜185kg/m3、使用セメント量250〜800kg/m3、水/セメント比(重量比)=0.1〜0.7、好ましくは単位水量120〜175kg/m3、使用セメント量270〜800kg/m3、水/セメント比(重量比)=0.2〜0.65が推奨され、貧配合〜富配合まで幅広く使用可能であり、単位セメント量が多く水/セメント比が小さい高強度コンクリート、水/セメント比(重量比)が0.3以下の低−水/セメント比領域にある超高強度コンクリート、単位セメント量が300kg/m3以下の貧配合コンクリートのいずれにも有効である。上記セメント組成物における本発明のセメント混和剤の配合割合については、特に限定はないが、水硬セメントを用いるモルタルやコンクリート等に使用する場合には、固形分換算で、親水性共重合体がセメント重量の0.01〜5.0%、好ましくは0.02〜2.0%、より好ましくは0.05〜1.0%となる比率の量を添加すればよい。この添加により、単位水量の低減、強度の増大、耐久性の向上等の各種の好ましい諸効果がもたらされる。上記配合割合が0.01%未満では、性能的に充分とはならない虞があり、逆に5.0%を超える多量を使用しても、その効果は実質上頭打ちとなり経済性の面からも不利となる。
【0077】
上記セメント組成物は、ポンプ圧送性にも優れ、施工時の作業性を著しく改善し、高い流動性を有していることから、レディーミクストコンクリート、コンクリート2次製品(プレキャストコンクリート)用のコンクリート、遠心成形用コンクリート、振動締め固め用コンクリート、蒸気養生コンクリート、吹付けコンクリート等に有効であり、さらに、中流動コンクリート(スランプ値が22〜25cmの範囲のコンクリート)、高流動コンクリート(スランプ値が25cm以上で、スランプフロー値が50〜70cmの範囲のコンクリート)、自己充填性コンクリート、セルフレベリング材等の高い流動性を要求されるモルタルやコンクリートにも有効である。
【0078】
上記セメント組成物は、例えば、以下に記載するようなセメント混和剤を含有することができる。リグニンスルホン酸塩;ポリオール誘導体;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物;ポリスチレンスルホン酸塩;特開平1−113419号公報に記載のようなアミノアリールスルホン酸−フェノール−ホルムアルデヒド縮合物等のアミノスルホン酸系;特開平7−267705号公報に記載のような(a)成分として、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル系化合物と(メタ)アクリル酸系化合物との共重合体および/またはその塩と、(b)成分として、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル系化合物と無水マレイン酸との共重合体および/もしくはその加水分解物、並びに/または、その塩と、(c)成分として、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル系化合物と、ポリアルキレングリコール系化合物のマレイン酸エステルとの共重合体及び/又はその塩とを含むセメント分散剤;特許第2508113号明細書に記載のようなA成分として、(メタ)アクリル酸のポリアルキレングリコールエステルと(メタ)アクリル酸(塩)との共重合体、B成分として、特定のポリエチレングリコールポリプロピレングリコール系化合物、C成分として、特定の界面活性剤からなるコンクリート混和剤。
【0079】
特開平1−226757号公報に記載のような(メタ)アクリル酸のポリエチレン(プロピレン)グリコールエステル、(メタ)アリルスルホン酸(塩)、および、(メタ)アクリル酸(塩)からなる共重合体;特公平5−36377号公報に記載のような(メタ)アクリル酸のポリエチレン(プロピレン)グリコールエステル、(メタ)アリルスルホン酸(塩)もしくはp−(メタ)アリルオキシベンゼンスルホン酸(塩)、並びに、(メタ)アクリル酸(塩)からなる共重合体;特開平4−149056号公報に記載のようなポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテルとマレイン酸(塩)との共重合体;特開平5−170501号公報に記載のような(メタ)アクリル酸のポリエチレングリコールエステル、(メタ)アリルスルホン酸(塩)、(メタ)アクリル酸(塩)、アルカンジオールモノ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、および、分子中にアミド基を有するα,β−不飽和単量体からなる共重合体;特開平5−43288号公報に記載のようなアルコキシポリアルキレングリコールモノアリルエーテルと無水マレイン酸との共重合体、もしくは、その加水分解物、または、その塩;特公昭58−38380号公報に記載のようなポリエチレングリコールモノアリルエーテル、マレイン酸、および、これらの単量体と共重合可能な単量体からなる共重合体、もしくは、その塩、または、そのエステル。
【0080】
特公昭59−18338号公報に記載のようなポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体、(メタ)アクリル酸系単量体、および、これらの単量体と共重合可能な単量体からなる共重合体;特開昭62−119147号公報に記載のようなスルホン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルおよび必要によりこれと共重合可能な単量体からなる共重合体、または、その塩;特開平6−271347号公報に記載のようなアルコキシポリアルキレングリコールモノアリルエーテルと無水マレイン酸との共重合体と、末端にアルケニル基を有するポリオキシアルキレン誘導体とのエステル化反応物;特開平6−298555号公報に記載のようなアルコキシポリアルキレングリコールモノアリルエーテルと無水マレイン酸との共重合体と、末端に水酸基を有するポリオキシアルキレン誘導体とのエステル化反応物。これらセメント分散剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0081】
上記セメント分散剤を用いる場合には、本発明のセメント混和剤としての親水性共重合体と上記セメント分散剤との比率、すなわち固形分換算での重量割合(重量%)としては、親水性共重合体と上記セメント分散剤との性能バランスによって最適な比率は異なるが、1/99〜99/1が好ましく、5/95〜95/5がより好ましく、10/90〜90/10が最も好ましい。
【0082】
また、上記セメント組成物は、以下の(1)〜(20)に例示するような他の公知のセメント添加剤(材)を含有することができる。
(1)水溶性高分子物質:ポリアクリル酸(ナトリウム)、ポリメタクリル酸(ナトリウム)、ポリマレイン酸(ナトリウム)、アクリル酸・マレイン酸共重合物のナトリウム塩等の不飽和カルボン酸重合物;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の非イオン性セルロースエーテル類;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の多糖類のアルキル化またはヒドロキシアルキル化誘導体の一部または全部の水酸基の水素原子が、炭素数8〜40の炭化水素鎖を部分構造として有する疎水性置換基と、スルホン酸基又はそれらの塩を部分構造として有するイオン性親水性置換基で置換されてなる多糖誘導体;酵母グルカンやキサンタンガム、β−1,3グルカン類(直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、一例を挙げれば、カードラン、パラミロン、パキマン、スクレログルカン、ラミナラン等)等の微生物醗酵によって製造される多糖類;ポリアクリルアミド;ポリビニルアルコール;デンプン;デンプンリン酸エステル;アルギン酸ナトリウム;ゼラチン;分子内にアミノ基を有するアクリル酸のコポリマーおよびその第4級化合物等。
(2)高分子エマルジョン:(メタ)アクリル酸アルキル等の各種ビニル単量体の共重合物等。
(3)オキシカルボン酸もしくはその塩、糖および糖アルコールからなる群から選ばれる1種以上の硬化遅延剤:珪弗化マグネシウム;リン酸並びにその塩またはホウ酸エステル類;アミノカルボン酸とその塩;アルカリ可溶タンパク質;フミン酸;タンニン酸;フェノール;グリセリン等の多価アルコール;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)及びこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等のホスホン酸及びその誘導体等。
(4)早強剤・促進剤:塩化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム等の可溶性カルシウム塩;塩化鉄、塩化マグネシウム等の塩化物;硫酸塩;水酸化カリウム;水酸化ナトリウム;炭酸塩;チオ硫酸塩;ギ酸及びギ酸カルシウム等のギ酸塩;アルカノールアミン;アルミナセメント;カルシウムアルミネートシリケート等。
(5)鉱油系消泡剤:燈油、流動パラフィン等。
(6)油脂系消泡剤:動植物油、ごま油、ひまし油、これらのアルキレンオキシド付加物等。
(7)脂肪酸系消泡剤:オレイン酸、ステアリン酸、これらのアルキレンオキシド付加物等。
(8)脂肪酸エステル系消泡剤:グリセリンモノリシノレート、アルケニルコハク酸誘導体、ソルビトールモノラウレート、ソルビトールトリオレエート、天然ワックス等。
(9)オキシアルキレン系消泡剤:(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン付加物等のポリオキシアルキレン類;ジエチレングリコールヘプチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン2−エチルヘキシルエーテル、炭素原子数12〜14の高級アルコールへのオキシエチレンオキシプロピレン付加物等の(ポリ)オキシアルキルエーテル類;ポリオキシプロピレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等の(ポリ)オキシアルキレン(アルキル)アリールエーテル類;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール,3−メチル−1−ブチン−3−オール等のアセチレンアルコールにアルキレンオキシドを付加重合させたアセチレンエーテル類;ジエチレングリコールオレイン酸エステル、ジエチレングリコールラウリル酸エステル、エチレングリコールジステアリン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタントリオレイン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシプロピレンメチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンドデシルフェノールエーテル硫酸ナトリウム等の(ポリ)オキシアルキレンアルキル(アリール)エーテル硫酸エステル塩類;(ポリ)オキシエチレンステアリルリン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸エステル類;ポリオキシエチレンラウリルアミン等の(ポリ)オキシアルキレンアルキルアミン類;ポリオキシアルキレンアミド等。
(10)アルコール系消泡剤:オクチルアルコール、ヘキサデシルアルコール、アセチレンアルコール、グリコール類等。
(11)アミド系消泡剤:アクリレートポリアミン等。
(12)リン酸エステル系消泡剤:リン酸トリブチル、ナトリウムオクチルホスフェート等。
(13)金属石鹸系消泡剤:アルミニウムステアレート、カルシウムオレエート等。
(14)シリコーン系消泡剤:ジメチルシリコーン油、シリコーンペースト、シリコーンエマルジョン、有機変性ポリシロキサン(ジメチルポリシロキサン等のポリオルガノシロキサン)、フルオロシリコーン油等。
(15)AE剤:樹脂石鹸、飽和あるいは不飽和脂肪酸、ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、ラウリルサルフェート、ABS(アルキルベンゼンスルホン酸)、LAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸)、アルカンスルホネート、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル硫酸エステルまたはその塩、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテルリン酸エステルまたはその塩、タンパク質材料、アルケニルスルホコハク酸、α−オレフィンスルホネート等。
(16)その他界面活性剤:オクタデシルアルコールやステアリルアルコール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有する脂肪族1価アルコール、アビエチルアルコール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有する脂環式1価アルコール、ドデシルメルカプタン等の分子内に6〜30個の炭素原子を有する1価メルカプタン、ノニルフェノール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するアルキルフェノール、ドデシルアミン等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するアミン、ラウリン酸やステアリン酸等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するカルボン酸に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドを10モル以上付加させたポリアルキレンオキシド誘導体類;アルキル基又はアルコキシ基を置換基として有しても良い、スルホン基を有する2個のフェニル基がエーテル結合した、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩類;各種アニオン性界面活性剤;アルキルアミンアセテート、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の各種カチオン性界面活性剤;各種ノニオン性界面活性剤;各種両性界面活性剤等。
(17)防水剤:脂肪酸(塩)、脂肪酸エステル、油脂、シリコン、パラフィン、アスファルト、ワックス等。
(18)防錆剤:亜硝酸塩、リン酸塩、酸化亜鉛等。
(19)ひび割れ低減剤:ポリオキシアルキルエーテル等。
(20)膨張材;エトリンガイト系、石炭系等。
【0083】
その他の公知のセメント添加剤(材)としては、セメント湿潤剤、増粘剤、分離低減剤、凝集剤、乾燥収縮低減剤、強度増進剤、セルフレベリング剤、防錆剤、着色剤、防カビ剤等を挙げることができる。これら公知のセメント添加剤(材)は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0084】
上記セメント組成物において、セメント及び水以外の成分についての特に好適な実施形態としては、次の(1)〜(4)が挙げられる。
【0085】
(1)(i)本発明のセメント混和剤、および、(ii)オキシアルキレン系消泡剤の2成分を必須とする組み合わせ。なお、(ii)のオキシアルキレン系消泡剤の配合重量比としては、(i)のセメント混和剤中の共重合体(A)に対して0.001〜10重量%の範囲が好ましい。
【0086】
(2)(i)本発明のセメント混和剤、および、(ii)材料分離低減剤の2成分を必須とする組み合わせ。材料分離低減剤としては、非イオン性セルロースエーテル類等の各種増粘剤、部分構造として炭素数4〜30の炭化水素鎖からなる疎水性置換基と炭素数2〜18のアルキレンオキシドを平均付加モル数で2〜300付加したポリオキシアルキレン鎖とを有する化合物等が使用可能である。なお、(i)のセメント混和剤中の親水性共重合体と(ii)の材料分離低減剤との配合重量比としては、10/90〜99.99/0.01が好ましく、50/50〜99.9/0.1がより好ましい。この組み合わせのセメント組成物は、高流動コンクリート、自己充填性コンクリート、セルフレベリング材として好適である。
【0087】
(3)(i)本発明のセメント混和剤、および、(ii)分子中にスルホン酸基を有するスルホン酸系分散剤の2成分を必須とする組み合わせ。スルホン酸系分散剤としては、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリスチレンスルホン酸塩、アミノアリールスルホン酸−フェノール−ホルムアルデヒド縮合物等のアミノスルホン酸系の分散剤等が使用可能である。なお、(i)のセメント混和剤中の親水性共重合体と(ii)の分子中にスルホン酸基を有するスルホン酸系分散剤との配合重量比としては、5/95〜95/5が好ましく、10/90〜90/10がより好ましい。
【0088】
(4)(i)本発明のセメント混和剤、および、(ii)リグニンスルホン酸塩の2成分を必須とする組み合わせ。なお、(i)のセメント混和剤中の親水性共重合体と(ii)のリグニンスルホン酸塩との配合重量比としては、5/95〜95/5が好ましく、10/90〜90/10がより好ましい。
【実施例】
【0089】
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は下記の形態のみには限定されない。また、特記しない限り、「%」は重量%を意味し、「部」は重量部を意味する。
【0090】
[GPCによる重量平均分子量の測定]
下記の製造例において製造された重合体の重量平均分子量は、以下の条件・方法で測定
した。
使用カラム:東ソー株式会社製
TSK guard column SWXL
TSKgel G4000SWXL
TSKgel G3000SWXL
TSKgel G2000SWXLをこの順で連結させたもの。
溶離液:アセトニトリル6000g、水11000gの溶液に酢酸ナトリウム三水和物1
15.6gを溶かし、さらに酢酸でpH6.0に調整したもの。
サンプル:重合体水溶液を上記溶離液にて重合体濃度が0.5質量%となるように溶解さ
せたもの。
サンプル打ち込み量:100μL
流速:1.0mL/分
カラム温度:40℃
検出器:日本Waters社製 Empower Software
検量線作成用標準物質:ポリエチレングリコール[ピークトップ分子量(Mp)272500、219300、107000、50000、24000、11840、6450、
4250、1470]
検量線:上記のポリエチレングリコールのMp値と溶出時間を基にして3次式で作成した。
[コンクリート試験]
下記の製造例において製造された共重合体をセメント分散剤として用いてコンクリート組成物を調製し、下記の方法でスランプフロー値、スランプフロー値の経時変化を測定した。なお、コンクリート組成物の温度が20℃の試験温度になるように、試験に使用する材料、強制練りミキサー、測定器具類をこの試験温度雰囲気下で調温し、混練および各測定もこの試験温度雰囲気下で行った。
<コンクリート試験配合>
単位セメント量:355.6kg/m3
単位水量:160.0kg/m3(共重合体、消泡剤などの混和剤を含む)
単位細骨剤量:819.7kg/m3
単位粗骨剤量:975.5kg/m3
水/セメント比(W/C):45.0%
骨材量比(s/a):46.2%
セメント:太平洋セメント社製 普通ポルトランドセメント
細骨剤:君津産山砂と大井川水系産陸砂を3/7で混合したもの
粗骨剤:青梅産砕石
<コンクリート組成物の調製>
上記コンクリート原料、配合により、練り混ぜ量が30Lとなるようにそれぞれの材料を計量し、パン型ミキサーを使用して下記に記載の方法によって材料の混練を実施した。
【0091】
まず細骨材を10秒間混練した後、セメントを加えて10秒間混練した。その後セメント混和剤を含む所定量の水道水を加えて90秒間混練した。その後さらに粗骨材を加えて90秒間混練して、コンクリート組成物を得た。また評価試験においては、セメント混和剤を含む水道水を加えた後の混練開始時間をスランプフロー値の経時変化測定の開始点とした。
<セメント混和剤の調製>
セメント分散剤と消泡剤を用いて調製した。セメント分散剤としては、下記の製造例において製造された共重合体のいずれかを用いた。なお、セメント分散剤の添加量は共重合体(A1)〜(A7)、共重合体(C1)〜(C2)および共重合体(D1)〜(D2)については0.13重量%、共重合体(B1)〜(B7)については0.18%として調製した。また、上記添加量の重量%はセメント量に対するセメント分散剤中の不揮発分量を表す。不揮発分量については下記の方法で測定した値を用いた。消泡剤には市販のオキシアルキレン系消泡剤を用い、空気量が4.5±1.0vol%となるように調整した。
<不揮発分の測定>
アルミカップに重合体水溶液を約0.5g測り採り、イオン交換水約1gを加えて均一に広げた。これを窒素雰囲気下、130℃で1時間乾燥し、乾燥前後の重量差から不揮発分を計算した。
<評価試験項目と測定方法>
スランプフロー値:JIS A 1101
空気量:JIS A 1128
スランプ保持率:例えば、30分後の保持率の場合、下記の式に基づいて算出した。60分後についても同様である。
30分後の保持率(%)=((30分後のスランプフロー値)−(初期のスランプフロー値))/(初期のスランプフロー値)×100
[製造例]
<製造例1>
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管および冷却管を備えた反応器(内表面がグラスライニング処理されたもの)に3−メチル−3−ブテン−1−オールにエチレンオキシドを平均50モル付加させた化合物(以下、「単量体A」とも称する)の80%水溶液316g、工業用水(D)82gを仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら60℃に昇温させて均一に溶解させた。続いて、35%過酸化水素2.45gを含む水溶液5.8gを一括添加した(この溶解液を仕込み液(4)とする)。なお、仕込み液(4)を約1g程度抜き出してミネラル分の定量分析を行った結果、仕込み液(4)における各ミネラル分の含有量(質量ppm)は、単量体Aの質量を基準として、カルシウム151、硫黄0.019、カリウム40、ナトリウム93、マグネシウム40、鉄0.045、ケイ素5.62、亜鉛0.19、マンガン0.003、銅0.38、セレン0.035、モリブデン0.023、クロム0.013、コバルト0.005であり、ナトリウム、マグネシウムおよびカルシウムの合計量は284質量ppmであった。
【0092】
続いて、アクリル酸42.4gを溶解させた水溶液54.2gを3時間で、L−アスコルビン酸0.74gと3−メルカプトプロピオン酸1.5gを溶解させた水溶液42.8gを3.5時間で、それぞれ同時に一定速度で滴下した。全ての滴下終了後、さらに2時間攪拌を続け、重合を完結させた。重合完結時点でのpHは4.0であった。冷却開始後、水酸化ナトリウム水溶液でpH6.5、固形分濃度45%に調整して、共重合体(A1)の水溶液を得た。得られた共重合体(A1)の重量平均分子量は32,200であり、数平均分子量は19,600であり、当該水溶液の外観は透明であった。性能評価結果は、スランプフロー値の経時変化が初期550mm、30分後350mmであり、30分後保持率は64%であった。
【0093】
<製造例2>
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管および冷却管を備えた反応器(内表面がグラスライニング処理されたもの)に単量体Aの80%水溶液316g、工業用水(E)82gを仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら60℃に昇温させて均一に溶解させた。続いて、35%過酸化水素1.29gを含む水溶液5.8gを一括添加した(この溶解液を仕込み液(5)とする)。なお、仕込み液(5)を約1g程度抜き出してミネラル分の定量分析を行った結果、仕込み液(5)における各ミネラル分の含有量(質量ppm)は、単量体Aの質量を基準として、カルシウム84、硫黄0.026、カリウム29、ナトリウム48、マグネシウム33、鉄0.025、ケイ素4.33、亜鉛0.17、マンガン0.002、銅0.43、セレン0.022、モリブデン0.019、クロム0.012、コバルト0.006であり、ナトリウム、マグネシウムおよびカルシウムの合計量は165質量ppmであった。
【0094】
続いて、アクリル酸42.4gを溶解させた水溶液54.2gを3時間で、L−アスコルビン酸0.62gと3−メルカプトプロピオン酸1.5gを溶解させた水溶液42.8gを3.5時間で、それぞれ同時に一定速度で滴下した。全ての滴下終了後、さらに2時間攪拌を続け、重合を完結させた。重合完結時点でのpHは4.0であった。冷却開始後、水酸化ナトリウム水溶液でpH6.5、固形分濃度45%に調整して、共重合体(A2)の水溶液を得た。得られた共重合体(A2)の重量平均分子量は32,000であり、数平均分子量は19,500であり、当該水溶液の外観は透明であった。性能評価結果は、スランプフロー値の経時変化が初期535mm、30分後345mmであり、30分後保持率は64%であった。
【0095】
<製造例3>
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管および冷却管を備えた反応器(内表面がグラスライニング処理されたもの)に単量体Aの80%水溶液316g、工業用水(F)82gを仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら60℃に昇温させて均一に溶解させた。続いて、35%過酸化水素0.87gを含む水溶液5.8gを一括添加した(この溶解液を仕込み液(6)とする)。なお、仕込み液(6)を約1g程度抜き出してミネラル分の定量分析を行った結果、仕込み液(6)における各ミネラル分の含有量(質量ppm)は、単量体Aの質量を基準として、カルシウム49、硫黄0.015、カリウム19、ナトリウム25、マグネシウム16、鉄0.095、ケイ素4.08、亜鉛0.13、マンガン0.003、銅0.33、セレン0.015、モリブデン0.015、クロム0.013、コバルト0.007であり、ナトリウム、マグネシウムおよびカルシウムの合計量は90質量ppmであった。
【0096】
続いて、アクリル酸42.4gを溶解させた水溶液54.2gを3時間で、L−アスコルビン酸0.49gと3−メルカプトプロピオン酸1.5gを溶解させた水溶液42.8gを3.5時間で、それぞれ同時に一定速度で滴下した。全ての滴下終了後、さらに2時間攪拌を続け、冷却開始後、重合を完結させた。重合完結時点でのpHは4.0であった。水酸化ナトリウム水溶液でpH6.5、固形分濃度45%に調整して、共重合体(A3)の水溶液を得た。得られた共重合体(A3)の重量平均分子量は32,300であり、数平均分子量は19,600であり、当該水溶液の外観は透明であった。性能評価結果は、スランプフロー値の経時変化が初期545mm、30分後355mmであり、30分後保持率は65%であった。
【0097】
<製造例4>
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管および冷却管を備えた反応器(内表面がグラスライニング処理されたもの)に単量体Aの80%水溶液306g、工業用水(D)77gを仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら60℃に昇温させて均一に溶解させた。続いて、35%過酸化水素3.84gを含む水溶液5.9gを一括添加した(この溶解液を仕込み液(10)とする)。なお、仕込み液(10)を約1g程度抜き出してミネラル分の定量分析を行った結果、仕込み液(10)における各ミネラル分の含有量(質量ppm)は、単量体Aの質量を基準として、カルシウム150、硫黄0.017、カリウム36、ナトリウム85、マグネシウム40、鉄0.042、ケイ素5.65、亜鉛0.15、マンガン0.002、銅0.35、セレン0.034、モリブデン0.020、クロム0.011、コバルト0.005であり、ナトリウム、マグネシウムおよびカルシウムの合計量は275質量ppmであった。
【0098】
続いて、アクリル酸22.9gと2−ヒドロキシエチルアクリレート22.4gを溶解させた水溶液67gを3時間で、L−アスコルビン酸0.87gと3−メルカプトプロピオン酸1.44gを溶解させた水溶液43.4gを3.5時間で、それぞれ同時に一定速度で滴下した。全ての滴下終了後、さらに1時間攪拌を続け、重合を完結させた。重合完結時点でのpHは4.3であった。冷却開始後、水酸化ナトリウム水溶液でpH5.5、固形分濃度45%に調整して、共重合体(B1)の水溶液を得た。得られた共重合体(B1)の重量平均分子量は29,000であり、数平均分子量は17,900であり、当該水溶液の外観は透明であった。性能評価結果は、スランプフロー値の経時変化が初期515mm、30分後480mm、60分後450mmであり、30分後保持率は93%、60分後保持率は87%であった。
【0099】
<製造例5>
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管および冷却管を備えた反応器(内表面がグラスライニング処理されたもの)に単量体Aの80%水溶液306g、工業用水(E)77gを仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら60℃に昇温させて均一に溶解させた。続いて、35%過酸化水素1.01gを含む水溶液5.9gを一括添加した(この溶解液を仕込み液(11)とする)。なお、仕込み液(11)を約1g程度抜き出して、ミネラル分の定量分析を行った結果、仕込み液(11)における各ミネラル分の含有量(質量ppm)は、単量体Aの質量を基準として、カルシウム83、硫黄0.023、カリウム32、ナトリウム56、マグネシウム33、鉄0.018、ケイ素4.25、亜鉛0.14、マンガン0.003、銅0.37、セレン0.020、モリブデン0.018、クロム0.012、コバルト0.006であり、ナトリウム、マグネシウムおよびカルシウムの合計量は172質量ppmであった。
【0100】
続いて、アクリル酸22.9gと2−ヒドロキシエチルアクリレート22.4gを溶解させた水溶液67gを3時間で、L−アスコルビン酸0.65gと3−メルカプトプロピオン酸1.44gを溶解させた水溶液43.4gを3.5時間で、それぞれ同時に一定速度で滴下した。全ての滴下終了後、さらに1時間攪拌を続け、重合を完結させた。重合完結時点でのpHは4.3であった。冷却開始後、水酸化ナトリウム水溶液でpH5.5、固形分濃度45%に調整して、共重合体(B2)の水溶液を得た。得られた共重合体(B2)の重量平均分子量は29,200であり、数平均分子量は17,900であり、当該水溶液の外観は透明であった。性能評価結果は、スランプフロー値の経時変化が初期520mm、30分後485mm、60分後445mmであり、30分後保持率は93%、60分後保持率は86%であった。
【0101】
<製造例6>
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管および冷却管を備えた反応器(内表面がグラスライニング処理されたもの)に単量体Aの80%水溶液306g、工業用水(F)77gを仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら60℃に昇温させて均一に溶解させた。続いて、35%過酸化水素1.26gを含む水溶液5.9gを一括添加した(この溶解液を仕込み液(12)とする)。なお、仕込み液(12)を約1g程度抜き出して、ミネラル分の定量分析を行った結果、仕込み液(12)における各ミネラル分の含有量(質量ppm)は、単量体Aの質量を基準として、カルシウム49、硫黄0.016、カリウム17、ナトリウム25、マグネシウム16、鉄0.090、ケイ素3.97、亜鉛0.14、マンガン0.002、銅0.31、セレン0.018、モリブデン0.014、クロム0.014、コバルト0.005であり、ナトリウム、マグネシウムおよびカルシウムの合計量は90質量ppmであった。
【0102】
続いて、アクリル酸22.9gと2−ヒドロキシエチルアクリレート22.4gを溶解させた水溶液67gを3時間で、L−アスコルビン酸0.22gと3−メルカプトプロピオン酸1.44gを溶解させた水溶液43.4gを3.5時間で、それぞれ同時に一定速度で滴下した。全ての滴下終了後、さらに1時間攪拌を続け、重合を完結させた。重合完結時点でのpHは4.3であった。冷却開始後、水酸化ナトリウム水溶液でpH5.5、固形分濃度45%に調整して、共重合体(B3)の水溶液を得た。得られた共重合体(B3)の重量平均分子量は28,800であり、数平均分子量は17,800であり、当該水溶液の外観は透明であった。性能評価結果は、スランプフロー値の経時変化が初期510mm、30分後470mm、60分後435mmであり、30分後保持率は92%、60分後保持率は85%であった。
【0103】
<製造例7>
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管および冷却管を備えた反応器(内表面がグラスライニング処理されたもの)に単量体Aの80%水溶液316g、工業用水(A)82gを仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら60℃に昇温させて均一に溶解させた。続いて、35%過酸化水素0.95gを含む水溶液5.8gを一括添加した(この溶解液を仕込み液(1)とする)。なお、仕込み液(1)を約1g程度抜き出してミネラル分の定量分析を行った結果、仕込み液(1)における各ミネラル分の含有量(質量ppm)は、単量体Aの質量を基準として、カルシウム521、硫黄0.022、カリウム31、ナトリウム295、マグネシウム33、鉄0.112、ケイ素7.24、亜鉛0.21、マンガン0.003、銅0.45、セレン0.025、モリブデン0.032、クロム0.015、コバルト0.008であり、ナトリウム、マグネシウムおよびカルシウムの合計量は849質量ppmであった。
【0104】
続いて、アクリル酸42.4gを溶解させた水溶液54.2gを3時間で、L−アスコルビン酸0.49gと3−メルカプトプロピオン酸1.5gを溶解させた水溶液42.8gを3.5時間で、それぞれ同時に一定速度で滴下した。全ての滴下終了後、さらに2時間攪拌を続け、重合を完結させた。重合完結時点でのpHは4.0であった。冷却開始後、水酸化ナトリウム水溶液でpH6.5、固形分濃度45%に調整して、共重合体(A4)の水溶液を得た。得られた共重合体(A4)の重量平均分子量は41,200であり、数平均分子量は22,500であり、当該水溶液の外観はかなり白濁していた。性能評価結果は、スランプフロー値の経時変化が初期470mm、30分後255mmであり、30分後保持率は54%であった。
【0105】
<製造例8>
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管および冷却管を備えた反応器(内表面がグラスライニング処理されたもの)に単量体Aの80%水溶液316g、工業用水(B)82gを仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら60℃に昇温させて均一に溶解させた。続いて、35%過酸化水素0.61gを含む水溶液5.8gを一括添加した(この溶解液を仕込み液(2)とする)。なお、仕込み液(2)を約1g程度抜き出してミネラル分の定量分析を行った結果、仕込み液(2)における各ミネラル分の含有量(質量ppm)は、単量体Aの質量を基準として、カルシウム402、硫黄0.011、カリウム64、ナトリウム220、マグネシウム65、鉄0.004、ケイ素5.11、亜鉛0.23、マンガン0.004、銅0.41、セレン0.033、モリブデン0.027、クロム0.012、コバルト0.007であり、ナトリウム、マグネシウムおよびカルシウムの合計量は687質量ppmであった。
【0106】
続いて、アクリル酸42.4gを溶解させた水溶液54.2gを3時間で、L−アスコルビン酸0.37gと3−メルカプトプロピオン酸1.5gを溶解させた水溶液42.8gを3.5時間で、それぞれ同時に一定速度で滴下した。全ての滴下終了後、さらに2時間攪拌を続け、重合を完結させた。重合完結時点でのpHは4.0であった。冷却開始後、水酸化ナトリウム水溶液でpH6.5、固形分濃度45%に調整して、共重合体(A5)の水溶液を得た。得られた共重合体(A5)の重量平均分子量は37,500であり、数平均分子量は20,800であり、当該水溶液の外観は少し白濁していた。性能評価結果は、スランプフロー値の経時変化が初期495mm、30分後280mmであり、30分後保持率は57%であった。
【0107】
<製造例9>
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管および冷却管を備えた反応器(内表面がグラスライニング処理されたもの)に単量体Aの80%水溶液316g、工業用水(C)82gを仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら60℃に昇温させて均一に溶解させた。続いて、35%過酸化水素2.86gを含む水溶液5.8gを一括添加した(この溶解液を仕込み液(3)とする)。なお、仕込み液(3)を約1g程度抜き出してミネラル分の定量分析を行った結果、仕込み液(3)における各ミネラル分の含有量(質量ppm)は、単量体Aの質量を基準として、カルシウム236、硫黄0.015、カリウム47、ナトリウム153、マグネシウム47、鉄0.070、ケイ素5.23、亜鉛0.15、マンガン0.002、銅0.36、セレン0.042、モリブデン0.022、クロム0.014、コバルト0.007であり、ナトリウム、マグネシウムおよびカルシウムの合計量は436質量ppmであった。
【0108】
続いて、アクリル酸42.4gを溶解させた水溶液54.2gを3時間で、L−アスコルビン酸0.49gと3−メルカプトプロピオン酸1.5gを溶解させた水溶液42.8gを3.5時間で、それぞれ同時に一定速度で滴下した。全ての滴下終了後、さらに2時間攪拌を続け、重合を完結させた。重合完結時点でのpHは4.0であった。冷却開始後、水酸化ナトリウム水溶液でpH6.5、固形分濃度45%に調整して、共重合体(A6)の水溶液を得た。得られた共重合体(A6)の重量平均分子量は34,900であり、数平均分子量は20,200であり、当該水溶液の外観は僅かに白濁していた。性能評価結果は、スランプフロー値の経時変化が初期515mm、30分後305mmであり、30分後保持率は59%であった。
【0109】
<製造例10>
過酸化水素水溶液として、35%過酸化水素0.54gを含む水溶液5.8gを用いる以外は上述した製造例9と同様に、反応器に仕込み液(3)を仕込んだ。
【0110】
続いて、アクリル酸42.4gを溶解させた水溶液54.2gを3時間で、L−アスコルビン酸0.12gと3−メルカプトプロピオン酸1.5gを溶解させた水溶液42.8gを3.5時間で、それぞれ同時に一定速度で滴下した。全ての滴下終了後、さらに2時間攪拌を続け、重合を完結させた。重合完結時点でのpHは4.0であった。冷却開始後、水酸化ナトリウム水溶液でpH6.5、固形分濃度45%に調整して、共重合体(A7)の水溶液を得た。得られた共重合体(A7)の重量平均分子量は35,200であり、数平均分子量は20,200であり、当該水溶液の外観は僅かに白濁していた。性能評価結果は、スランプフロー値の経時変化が初期510mm、30分後310mmであり、30分後保持率は61%であった。
【0111】
<製造例11>
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管および冷却管を備えた反応器(内表面がグラスライニング処理されたもの)に単量体Aの80%水溶液306g、工業用水(A)77gを仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら60℃に昇温させて均一に溶解させた。続いて、35%過酸化水素1.08gを含む水溶液5.9gを一括添加した(この溶解液を仕込み液(7)とする)。なお、仕込み液(7)を約1g程度抜き出してミネラル分の定量分析を行った結果、仕込み液(7)における各ミネラル分の含有量(質量ppm)は、単量体Aの質量を基準として、カルシウム516、硫黄0.021、カリウム24、ナトリウム303、マグネシウム32、鉄0.108、ケイ素7.36、亜鉛0.22、マンガン0.003、銅0.44、セレン0.021、モリブデン0.035、クロム0.013、コバルト0.007であり、ナトリウム、マグネシウムおよびカルシウムの合計量は851質量ppmであった。
【0112】
続いて、アクリル酸22.9gと2−ヒドロキシエチルアクリレート22.4gを溶解させた水溶液67gを3時間で、L−アスコルビン酸0.33gと3−メルカプトプロピオン酸1.44gを溶解させた水溶液43.4gを3.5時間で、それぞれ同時に一定速度で滴下した。全ての滴下終了後、さらに1時間攪拌を続け、重合を完結させた。重合完結時点でのpHは4.3であった。冷却開始後、水酸化ナトリウム水溶液でpH5.5、固形分濃度45%に調整して、共重合体(B4)の水溶液を得た。得られた共重合体(B4)の重量平均分子量は33,600であり、数平均分子量は19,700であり、当該水溶液の外観はかなり白濁していた。性能評価結果は、スランプフロー値の経時変化が初期465mm、30分後385mm、60分後325mmであり、30分後保持率は83%、60分後保持率は70%であった。
【0113】
<製造例12>
過酸化水素水溶液として、35%過酸化水素0.36gを含む水溶液58.7gを調整し、その水溶液の5.9gを用いる以外は上述した製造例11と同様に、反応器に仕込み液(7)を仕込んだ。
【0114】
続いて、アクリル酸22.9gと2−ヒドロキシエチルアクリレート22.4gを溶解させた水溶液67gを3時間で、L−アスコルビン酸0.07gと3−メルカプトプロピオン酸28.8gを溶解させた水溶液839gを調整し、その水溶液の43.4gを3.5時間で、それぞれ同時に一定速度で滴下した。全ての滴下終了後、さらに1時間攪拌を続け、重合を完結させた。重合完結時点でのpHは4.3であった。冷却開始後、水酸化ナトリウム水溶液でpH5.5、固形分濃度45%に調整して、共重合体(B5)の水溶液を得た。得られた共重合体(B5)の重量平均分子量は33,100であり、数平均分子量は19,600であり、当該水溶液の外観は少し白濁していた。性能評価結果は、スランプフロー値の経時変化が初期480mm、30分後405mm、60分後340mmであり、30分後保持率は84%、60分後保持率は71%であった。
【0115】
<製造例13>
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管および冷却管を備えた反応器(内表面がグラスライニング処理されたもの)に単量体Aの80%水溶液306g、工業用水(B)77gを仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら60℃に昇温させて均一に溶解させた。続いて、35%過酸化水素3.12gを含む水溶液5.9gを一括添加した(この溶解液を仕込み液(8)とする)。なお、仕込み液(8)を約1g程度抜き出してミネラル分の定量分析を行った結果、仕込み液(8)における各ミネラル分の含有量(質量ppm)は、単量体Aの質量を基準として、カルシウム399、硫黄0.013、カリウム61、ナトリウム238、マグネシウム64、鉄0.003、ケイ素5.23、亜鉛0.21、マンガン0.004、銅0.39、セレン0.031、モリブデン0.025、クロム0.012、コバルト0.008であり、ナトリウム、マグネシウムおよびカルシウムの合計量は701質量ppmであった。
【0116】
続いて、アクリル酸22.9gと2−ヒドロキシエチルアクリレート22.4gを溶解させた水溶液67gを3時間で、L−アスコルビン酸0.87gと3−メルカプトプロピオン酸1.44gを溶解させた水溶液43.4gを3.5時間で、それぞれ同時に一定速度で滴下した。全ての滴下終了後、さらに1時間攪拌を続け、重合を完結させた。重合完結時点でのpHは4.3であった。冷却開始後、水酸化ナトリウム水溶液でpH5.5、固形分濃度45%に調整して、共重合体(B6)の水溶液を得た。得られた共重合体(B6)の重量平均分子量は32,300であり、数平均分子量は19,500であり、当該水溶液の外観は少し白濁していた。性能評価結果は、スランプフロー値の経時変化が初期475mm、30分後415mm、60分後355mmであり、30分後保持率は87%、60分後保持率は75%であった。
【0117】
<製造例14>
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管および冷却管を備えた反応器(内表面がグラスライニング処理されたもの)に単量体Aの80%水溶液306g、工業用水(C)77gを仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら60℃に昇温させて均一に溶解させた。続いて、35%過酸化水素0.66gを含む水溶液5.9gを一括添加した(この溶解液を仕込み液(9)とする)。なお、仕込み液(9)を約1g程度抜き出してミネラル分の定量分析を行った結果、仕込み液(9)における各ミネラル分の含有量(質量ppm)は、単量体Aの質量を基準として、カルシウム234、硫黄0.014、カリウム42、ナトリウム136、マグネシウム47、鉄0.065、ケイ素5.02、亜鉛0.18、マンガン0.003、銅0.41、セレン0.038、モリブデン0.023、クロム0.013、コバルト0.006であり、ナトリウム、マグネシウムおよびカルシウムの合計量は417質量ppmであった。
【0118】
続いて、アクリル酸22.9gと2−ヒドロキシエチルアクリレート22.4gを溶解させた水溶液67gを3時間で、L−アスコルビン酸0.54gと3−メルカプトプロピオン酸1.44gを溶解させた水溶液43.4gを3.5時間で、それぞれ同時に一定速度で滴下した。全ての滴下終了後、さらに1時間攪拌を続け、重合を完結させた。重合完結時点でのpHは4.3であった。冷却開始後、水酸化ナトリウム水溶液でpH5.5、固形分濃度45%に調整して、共重合体(B7)の水溶液を得た。得られた共重合体(B7)の重量平均分子量は30,500であり、数平均分子量は18,600であり、当該水溶液の外観は僅かに白濁していた。性能評価結果は、スランプフロー値の経時変化が初期495mm、30分後450mm、60分後405mmであり、30分後保持率は91%、60分後保持率は82%であった。
【0119】
<製造例15>
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び冷却管を備えた反応器(内表面がグラスライニング処理されたもの)に2−メチル−2−プロペン−1−オールにエチレンオキシドを平均50モル付加させた化合物(以下、「単量体B」とも称する)の80%水溶液316g、工業用水(D)82gを仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら60℃に昇温させて均一に溶解させた。続いて、35%過酸化水素2.45gを含む水溶液5.8gを一括添加した(この溶解液を仕込み液(15)とする)。なお、仕込み液(15)を約1g程度抜き出してミネラル分の定量分析を行った結果、仕込み液(15)における各ミネラル分の含有量(質量ppm)は、単量体Bの質量を基準として、カルシウム153、硫黄0.016、カリウム40、ナトリウム93、マグネシウム40、鉄0.070、ケイ素5.60、亜鉛0.18、マンガン0.002、銅0.39、セレン0.031、モリブデン0.025、クロム0.012、コバルト0.005であり、ナトリウム、マグネシウムおよびカルシウムの合計量は286質量ppmであった。
【0120】
続いて、アクリル酸42.4gを溶解させた水溶液54.2gを3時間で、L−アスコルビン酸0.74gと3−メルカプトプロピオン酸1.5gを溶解させた水溶液42.8gを3.5時間で、それぞれ同時に一定速度で滴下した。全ての滴下終了後、さらに2時間攪拌を続け、重合を完結させた。重合完結時点でのpHは4.0であった。冷却開始後、水酸化ナトリウム水溶液でpH6.5、固形分濃度45%に調整して、共重合体(C1)の水溶液を得た。得られた共重合体(C1)の重量平均分子量は32,500であり、数平均分子量は19,800であり、当該水溶液の外観は透明であった。性能評価結果は、スランプフロー値の経時変化が初期565mm、30分後360mmであり、30分後保持率は64%であった。
【0121】
<製造例16>
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び冷却管を備えた反応器(内表面がグラスライニング処理されたもの)に2−メチル−2−プロペン−1−オールにエチレンオキシドを平均150モル付加させた化合物(以下、「単量体C」とも称する)の60%水溶液281g、工業用水(D)78gを仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら60℃に昇温させて均一に溶解させた。続いて、35%過酸化水素1.0gを含む水溶液5.8gを一括添加した(この溶解液を仕込み液(16)とする)。なお、仕込み液(16)を約1g程度抜き出してミネラル分の定量分析を行った結果、仕込み液(16)における各ミネラル分の含有量(質量ppm)は、単量体Cの質量を基準として、カルシウム150、硫黄0.018、カリウム36、ナトリウム85、マグネシウム40、鉄0.018、ケイ素5.70、亜鉛0.14、マンガン0.003、銅0.36、セレン0.032、モリブデン0.026、クロム0.012、コバルト0.005であり、ナトリウム、マグネシウムおよびカルシウムの合計量は275質量ppmであった。
【0122】
続いて、アクリル酸10.8gを溶解させた水溶液20gを3時間で、L−アスコルビン酸0.92gと3−メルカプトプロピオン酸0.65gを溶解させた水溶液15gを3.5時間で、それぞれ同時に一定速度で滴下した。全ての滴下終了後、さらに2時間攪拌を続け、重合を完結させた。重合完結時点でのpHは3.9であった。冷却開始後、水酸化ナトリウム水溶液でpH6.5、固形分濃度40%に調整して、共重合体(D1)の水溶液を得た。得られた共重合体(D1)の重量平均分子量は51,800であり、数平均分子量は31,400であり、当該水溶液の外観は透明であった。性能評価結果は、スランプフロー値の経時変化が初期585mm、30分後265mmであり、30分後保持率は45%であった。
【0123】
<製造例17>
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び冷却管を備えた反応器(内表面がグラスライニング処理されたもの)に単量体Bの80%水溶液316g、工業用水(C)82gを仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら60℃に昇温させて均一に溶解させた。続いて、35%過酸化水素2.45gを含む水溶液5.8gを一括添加した(この溶解液を仕込み液(13)とする)。なお、仕込み液(13)を約1g程度抜き出してミネラル分の定量分析を行った結果、仕込み液(13)における各ミネラル分の含有量(質量ppm)は、単量体Bの質量を基準として、カルシウム242、硫黄0.015、カリウム44、ナトリウム145、マグネシウム51、鉄0.022、ケイ素2.22、亜鉛0.14、マンガン0.004、銅0.37、セレン0.038、モリブデン0.021、クロム0.015、コバルト0.006であり、ナトリウム、マグネシウムおよびカルシウムの合計量は438質量ppmであった。
【0124】
続いて、アクリル酸42.4gを溶解させた水溶液54.2gを3時間で、L−アスコルビン酸0.74gと3−メルカプトプロピオン酸1.5gを溶解させた水溶液42.8gを3.5時間で、それぞれ同時に一定速度で滴下した。全ての滴下終了後、さらに2時間攪拌を続け、重合を完結させた。重合完結時点でのpHは4.0であった。冷却開始後、水酸化ナトリウム水溶液でpH6.5、固形分濃度45%に調整して、共重合体(C2)の水溶液を得た。得られた共重合体(C2)の重量平均分子量は34,700であり、数平均分子量は20,500であり、当該水溶液の外観は僅かに白濁であった。性能評価結果は、スランプフロー値の経時変化が初期525mm、30分後310mmであり、30分後保持率は59%であった。
【0125】
<製造例18>
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び冷却管を備えた反応器(内表面がグラスライニング処理されたもの)に単量体Cの60%水溶液281g、工業用水(C)78gを仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら60℃に昇温させて均一に溶解させた。続いて、35%過酸化水素1.0gを含む水溶液5.8gを一括添加した(この溶解液を仕込み液(14)とする)。なお、仕込み液(14)を約1g程度抜き出してミネラル分の定量分析を行った結果、仕込み液(14)における各ミネラル分の含有量(質量ppm)は、単量体Cの質量を基準として、カルシウム238、硫黄0.021、カリウム45、ナトリウム150、マグネシウム47、鉄0.095、ケイ素4.99、亜鉛0.19、マンガン0.002、銅0.40、セレン0.035、モリブデン0.022、クロム0.014、コバルト0.007であり、ナトリウム、マグネシウムおよびカルシウムの合計量は435質量ppmであった。
【0126】
続いて、アクリル酸10.8gを溶解させた水溶液20gを3時間で、L−アスコルビン酸0.92gと3−メルカプトプロピオン酸0.65gを溶解させた水溶液15gを3.5時間で、それぞれ同時に一定速度で滴下した。全ての滴下終了後、さらに2時間攪拌を続け、重合を完結させた。重合完結時点でのpHは3.9であった。冷却開始後、水酸化ナトリウム水溶液でpH6.5、固形分濃度40%に調整して、共重合体(D2)の水溶液を得た。得られた共重合体(D2)の重量平均分子量は62,500であり、数平均分子量は36,300であり、当該水溶液の外観は少し白濁であった。性能評価結果は、スランプフロー値の経時変化が初期535mm、30分後215mmであり、30分後保持率は40%であった。
【0127】
以上の結果から、本発明によれば、従来技術と比較して、セメント混和剤における各種の性能をより一層改善しうる手段が提供されうることがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1:
【化1】

式中、
1、R2およびR3は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基または−(CH2zCOOM2基(−(CH2zCOOM2は、−COOM1またはその他の−(CH2zCOOM2と無水物を形成していてもよい)を表し、zは、0〜2の整数を表し、
1およびM2は、それぞれ独立して、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム基または有機アミン基(有機アンモニウム基)を表す、
で表されるカルボン酸単量体と、
下記化学式2:
【化2】

式中、
4およびR5は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基を表し、
AOは、それぞれ独立して、炭素数2以上のオキシアルキレン基の1種または2種以上を表し、
nは、オキシアルキレン基の平均付加モル数で1〜300の数を表し、
xは、0〜2の整数を表し、
yは、0または1を表し、
6は、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表す、
で表されるポリエーテル単量体とを必須成分として含有する単量体成分を反応器中、溶媒の存在下で溶液重合させることを含むセメント混和剤用親水性共重合体の製造方法であって、
反応系の初期仕込み液中に存在するナトリウム、マグネシウムおよびカルシウムの合計量が、前記初期仕込み液中に存在する前記ポリエーテル単量体の質量を基準として1〜350質量ppmであることを特徴とする、製造方法。
【請求項2】
前記溶媒が水を含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記反応器は、内表面がグラスライニング処理されてなるグラスライニング反応器である、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
重合開始剤および還元剤の存在下で溶液重合の反応を行う、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法によって得られるセメント混和剤用親水性共重合体を含む、セメント混和剤。

【公開番号】特開2013−82904(P2013−82904A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−210925(P2012−210925)
【出願日】平成24年9月25日(2012.9.25)
【出願人】(000004628)株式会社日本触媒 (2,292)
【Fターム(参考)】