説明

親水性重合体の製造方法

【課題】 増粘剤や吸水性材料として用いられる、親水性重合体で分子量が高く、残存媒体の少ない親水性重合体の製造方法を提供する。
【解決手段】 耐圧製容器に、親水性単量体と二酸化炭素を投入し、前記投入された化合物を攪拌しながら、前記前記耐圧製容器内を、前記二酸化炭素の臨界点以上の温度、圧力まで昇温、加圧し、前記耐圧製容器内が、所定の重合温度及び重合圧力で安定したのち、重合開始剤を添加して重合させて親水性重合体を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、増粘剤や吸水性材料として用いられる、親水性重合体の製造方法に関するもので、化学品製造技術、特に、重合体製造技術に属するものである。
【背景技術】
【0002】
親水性重合体は、例えば、シャンプーなどの化粧品、パップ剤などの医薬品、さらには、塗料、接着剤などで広く用いられている水溶性の増粘剤として用いられている。また、大量の水を吸収してゲルとなる、おむつなどに用いられる吸水性材料の原料としても広く用いられているものである。
【0003】
これらの親水性重合体は、その取扱いの容易さから、粉体で供給することが望まれており、粉末状の親水性重合体の製法も種々提案されている。なかでも、塊状重合で得られた塊状の重合体を粉砕する方法、溶液又は懸濁重合により得られたゲル状重合体を乾燥して粉末する方法などがよく知られている。さらに、粒径の整った粉末が得られることが特長の、沈殿重合により粉末状の親水性重合体を得る方法も知られている。
【0004】
前記の沈殿重合は、粒径の整った粉末が得られることに加えて、粉砕などの工程を必要としないことから、優れた方法である。しかしながら、この沈殿重合においては、重合媒体、すなわち、単量体は溶解するが、それが重合した重合体は溶解しない、媒体が必要とされるもので、通常、ベンゼンやキシレン、塩化メチレンなどの有機溶媒が媒体として用いられている。
【0005】
これら重合反応に用いられる有機溶媒は、環境面に与える影響が無視できないであるため、その使用が制限を受けるものである上、生物体にとっては有害なものである。特に、皮膚に接触する化粧品や医薬品においては、有機溶媒が含まれていることが問題となる。そのため、化粧品や医薬品などの原料とされる親水性重合体には、有機溶媒が残存しないことが望まれており、親水性重合体を加熱乾燥、あるいは真空乾燥などの処理が施されたものが供給されている。
【0006】
しかしながら、有機溶媒を用いた親水性重合体の製法は、上記したように優れた面を有するために多用されているが、それら有機溶媒を用いて製造された親水性重合体内には、吸収された有機溶媒が存在し、それらを親水性重合体から分離させることは困難で、その除去に要する装置や工程、さらにそれに必要とされる費用が、過大なものとなっているため、それら装置や工程、さらには費用を必要としない方法が求められている。
【0007】
これらの問題点を解決するものとして、例えば、特公昭45−25305号公報(特許文献1)では、常圧で気体となる、液状二酸化炭素を重合媒体とする方法が提案されている。さらに、特開昭62−23413号公報(特許文献2)や、特開平1−163203号公報(特許文献3)においては、二酸化炭素を超臨界状態にした上で、重合反応を行う方法が提案されている。
【特許文献1】特公昭45−25305号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】特開昭62−23413号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】特開平1−163203号公報(特許請求の範囲)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
二酸化炭素は、常温常圧で気体のものであるから、耐圧容器内で、液状又は超臨界状態に加温・加圧された状態下で、重合媒体として用いられ、沈殿重合により親水性重合体が調製された後に、系内を常圧に戻すと、二酸化炭素は気化し、重合体から容易に分離される。また、気化した二酸化炭素は回収して再利用が可能なものであるため、環境面、有害性の面からみて、沈殿重合の重合媒体として優れるものである。
【0009】
しかしながら、単に二酸化炭素を重合媒体として調製された親水性重合体は、有機溶媒を重合媒体とするものより、連鎖移動が少ないと考えられるのに対し、分子量の上昇が期待したほどなく、高分子量の重合体が得られない。また、分散度(Mw/Mn)で示される分子量分布がブロードで、粉末形状も良好とは言えないものであった。
【0010】
発明者等は、二酸化炭素を重合媒体として調製される親水性重合体の分子量を大きくするとともに、分子量分布をよりシャープにし、得られる親水性重合体の粉末形状をより整えられたものとする方法について、検討した。
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明者等は、上記課題を解決するために、覗窓付きの耐圧容器内で、二酸化炭素を重合媒体として、親水性単量体を沈殿重合して親水性重合体を調製する工程を、前記覗窓から観察して、前記問題が親水性重合体を調製する際の、二酸化炭素と親水性単量体の挙動に起因していること、より詳細には、二酸化炭素と親水性単量体の溶解性に起因していることを見出して、この発明を完成したのである。
【0012】
すなわち、この発明の請求項1に記載の発明は、
親水性単量体を超臨界二酸化炭素中で重合するに際し、
親水性単量体を超臨界二酸化炭素に溶解させた後に、重合開始剤を添加して重合させること
を特徴とする親水性重合体の製造方法である。
【0013】
またこの発明の請求項2に記載の発明は、
耐圧容器に、親水性単量体と二酸化炭素を投入し、
前記投入された化合物を攪拌しながら、前記前記耐圧容器を、前記二酸化炭素の臨界点以上の温度、圧力まで昇温、加圧し、
前記耐圧容器内が、所定の重合温度及び重合圧力で安定したのち、
重合開始剤を添加して重合させること
を特徴とする親水性重合体の製造方法である。
【0014】
また、この発明の請求項3に記載の発明は、
耐圧容器に、親水性単量体と二酸化炭素を投入し、
30〜90分間かけて、前記二酸化炭素の臨界点以上の温度、圧力まで、前記耐圧容器内を昇温、加圧させたのち、
重合開始剤を添加して重合させること
を特徴とする親水性重合体の製造方法である。
【0015】
また、この発明の請求項4に記載の発明は、
耐圧容器に、親水性単量体と二酸化炭素を投入し、
前記二酸化炭素の臨界点以上の温度、圧力まで、前記耐圧容器内を昇温、加圧させたのち、
重合開始剤を、一括又は分割添加して、重合させること
を特徴とする親水性重合体の製造方法である。
【0016】
また、この発明の請求項5に記載の発明は、
請求項1〜4のいずれかに記載の親水性重合体の製造方法において、
前記重合開始剤濃度が、
前記親水性単量体に対し0.03重量%以上であること
を特徴とするものである。
【0017】
また、この発明の請求項6に記載の発明は、
請求項1〜4のいずれかに記載の親水性重合体の製造方法において、
前記耐圧容器内の単量体濃度が、
0.01〜0.09g/mlであること
を特徴とするものである。
【0018】
さらに、この発明の請求項7に記載の発明は、
請求項1〜4のいずれかに記載の親水性重合体の製造方法において、
前記耐圧容器中の酸素除去を、
二酸化炭素の排気により行うこと
を特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
この発明の親水性重合体の製造方法は、親水性単量体を超臨界二酸化炭素に溶解させた後に、重合開始剤を添加して重合させるという手段を採用したことにより、従来、二酸化炭素を重合媒体として、親水性単量体を沈殿重合して得られた親水性重合体が有していた欠点、すなわち、分子量が予期した程大きくならない、分子量分布の巾(分散度)がブロードである、粉末状態が整っていないという問題を解決したものである。
【0020】
また、この発明においては、前記目的を達成するために、親水性単量体の超臨界二酸化炭素への溶解を、さらに濃度のムラなく均一に溶解したことを、困難な目視による判断でなく、溶解時間や圧力・温度の安定により決定することを可能としたため、重合工程の管理が極めて容易なものである。
【0021】
もちろん、重合媒体として二酸化炭素を用いたことによる利点、二酸化炭素の不燃性、無毒性による高い安全性、脱溶媒のための乾燥工程の簡略化、などの効果を当然に有するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、この発明の親水性重合体の製造方法を、添付の図面に示される製造装置の一例を参照して具体的に説明するが、この発明が規定する親水性重合体の製造が可能なものであれば、その製造装置には特段の限定はないものである。
【0023】
この発明の親水性重合体の製造方法において、親水性重合体を構成する親水性単量体としては、アクリル酸、メタクシル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸などの不飽和カルボン酸及びその部分エステル、アクリルアミド、メタクリルアミドなどの不飽和アミドなどが挙げられ、不飽和カルボン酸、特にアクリル酸が好ましく用いられる。
【0024】
なお、この発明においては、上記親水性単量体に、その他のビニル化合物を併用することができる。その他のビニル化合物としては、スチレン、アルキルビニルエーテル、塩化ビニリデン、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、アクリルニトリル、メタクリロニトリル等などが挙げられる。
【0025】
さらに、得られる親水性重合体に架橋構造をとらせるために、架橋性単量体を併用することもできる。具体的な架橋性単量体としては、テトラアリルオキシエタン、アリルペンタエリスリトール、アリルサッカロース、アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ジアリルフタレート、エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレートなどが挙げられる。
【0026】
親水性単量体を重合するために用いられる重合開始剤としては、過酸化物、アゾ系開始剤などから選ばれた化合物又はそれらの混合物が挙げられる。
その使用量は、単量体に対して0.03質量%以上、好ましくは0.04質量%以上、より好ましくは、0.05〜2.0質量%である。その使用量が2.0質量%を超えての使用も可能であるが、その際は、重合反応熱の除去についての検討が必要であって、重合温度の制御、分子量の低下に対しての対策を要する。
【0027】
重合開始剤の具体的な例としては、過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキシド、t−ブチルハイドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ハイドロパーオキシド、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネートなどの過酸化物を挙げることができる。
【0028】
また、アゾ系開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−アセトキシー1−フェニルエタン)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩などが挙げられる。
【0029】
この発明において、親水性単量体は、耐圧容器中で、超臨界二酸化炭素を重合媒体として重合されるものである。
すなわち、重合媒体である二酸化炭素が超臨界状態になる、臨界温度(31℃)および臨界圧力(73気圧)以上の温度および圧力で、重合が行なわれる。また、好ましくは親水性単量体も、超臨界状態になる温度、圧力、例えば、親水性単量体がアクリル酸であれば、それが超臨界状態になる、温度65℃以上で行なわれるのが好ましい。
その際に用いられる親水性単量体の量は、耐圧容器の容量によって定められる。通常、耐圧容器の容量1ml当たり0.01〜0.09gである。また、二酸化炭素の量は、親水性単量体の量が僅少であるため、殆んど、上記温度および圧力によって一義的に定まるものである。
【0030】
前記重合開始剤の使用方法は、この発明において重要な特徴である。具体的には、従来のように、重合開始前に、単量体、媒体とともに、耐圧容器内に装填するのでなく、単量体と二酸化炭素を耐圧容器内に装入したのち、耐圧容器内を二酸化炭素が超臨界状態に至る温度および圧力まで加熱・加圧し、単量体が超臨界二酸化炭素に溶解、好ましくは濃度ムラのない均一な溶解状態に至った後に、重合開始剤を、該耐圧容器に圧入させて重合を開始させるものである。
【0031】
単量体と超臨界二酸化炭素の溶解状態は、耐圧容器として覗窓付きのものを用い、目視観察により決定する。すなわち、目視により両者が白濁状態から透明になるのを観察して決定するのが確実であるが、以下のような条件でも、単量体と超臨界二酸化炭素が均一な溶解状態になることが確認されており、目視観察の代わりに適用される。
【0032】
すなわち、耐圧容器に、親水性単量体と二酸化炭素を投入し、攪拌しながら、二酸化炭素の臨界点以上の温度、圧力まで昇温、加圧させ、耐圧容器内が、所定の重合温度及び重合圧力で安定したとき、あるいは、耐圧容器に、親水性単量体と二酸化炭素を投入し、30〜90分間かけて、二酸化炭素の臨界点以上の温度、圧力まで昇温、加圧したときを、単量体と超臨界二酸化炭素が均一な溶解状態に至ったときとすることができる。
【0033】
重合開始剤の圧入は、全量を一括して行ってもよいが、分割して行うとより高分子量の重合体が得られるので、目的に応じて、使い分けるのが望ましい。なお、必要に応じて、耐圧容器内に装填した二酸化炭素の一部を放出排気して、耐圧容器内の空気(酸素)を除去することが望ましい。
【0034】
この発明に用いられる製造装置の一例を、図1に示される配置図に基づいて説明する。この発明に用いられる重合反応用の耐圧容器1は、恒温水槽2内に載置される。この耐圧容器1内には、耐圧容器1の載置台内部の、磁石の磁力で回転するスターラー3と、図示しないが覗窓が設けられている。
なお、二酸化炭素は、ボンベ4から高圧ポンプ5を用いて耐圧容器1内に装填され、重合開始剤は、開始剤カラム6から耐圧容器1内に二酸化炭素を用いて圧入される。
また、図中、7はバッファー容器、8はフィルター、9は圧力計、10は温度計をそれぞれ示す。
【実施例】
【0035】
125mlのステンレス製の重合用耐圧容器に、アクリル酸6.5gを装填し、二酸化炭素を注入した。二酸化炭素の一部を排気して脱気したのち、重合用耐圧容器内の温度が温度65℃、圧力20MPaになるまで昇温、昇圧させた。
二酸化炭素の注入後約40分経過した時点で、アクリル酸と二酸化炭素が均一に溶解したことを、重合用耐圧容器に設けた覗窓を介して目視により、さらに計器により、温度と圧力が一定に、しかも安定していることも確認した。
アクリル酸1.0gに溶解した2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬株式会社製V−65)7.5mgを圧入した。圧力を25MPaに調整し、攪拌を行いながら6時間反応させた。
重合用耐圧容器内の温度を室温まで冷却した後、二酸化炭素を排出した。
粒子径100〜250nmの粒子径の揃った球状の微粒子白色の高分子微粉末が得られ、GPC(標準物質:ポリエチレンオキサイド)で測定したこの粉末の分子量(Mw)は700,000で分子量分布の分散度(Mw/Mn)は2.07であった。
【0036】
上記実施例においては、単量体(モノマー)濃度6wt/vol%(重合用耐圧容器容量1ml当たり0.06g)であったが、その濃度のみを変更して、重合して得られた親水性重合体の分子量(Mw)と、分散度(Mw/Mn)の測定結果を図2に示す。
図2から明らかなように、単量体濃度2〜8%では、単量体濃度の上昇とともに分子量は増加したが、単量体濃度10%では、分子量は低下した。
これは、単量体濃度が高くなると重合熱の除熱が不十分となり、重合用耐圧容器内の温度が上昇し、過剰量のラジカルが発生したためと考えられる。なお、分散度は、単量体濃度にかかわらず、ほぼ一定である。
【0037】
上記実施例においては、重合開始剤の濃度は0.1%であったが、その濃度のみを変更して、重合して得られた親水性重合体の分子量(Mw)と分散度(Mw/Mn)の測定結果を図3に、収率を図4に示す。
図3から明らかなように、重合開始剤の濃度が低くなるほど、高分子量かつ分散度が小さい重合体が得られた。重合開始剤の濃度が0.04wt%では、分子量約110万、分散度1.7という最も高分子量、低分散度の重合体が得られた
また、図4から明らかなように、重合開始剤濃度0.03wt%未満では、重合が起こらず、0.04wt%では約60%、0.05wt%以上では約90%という高い収率が得られた。
【0038】
また、上記実施例において、重合開始剤の分割添加の影響を調べるために、重合開始剤を2等分または3等分して分割添加して重合させたところ、一括添加と分割添加では、図5に明らかなように、重合開始剤を分割投入することにより、分子量は大幅に増加し、分割投入を行わない場合と比較して、1.7倍の約80万という高分子量のポリアクリル酸が得られた。分散度はほぼ一定で、分散度への重合開始剤の追加投入の影響はほとんど認められない。
【0039】
なお、上記の実験によって得られたポリアクリル酸の粒子サイズ、形状について、モノマー濃度、重合開始剤濃度の影響は認められなかった。
【産業上の利用可能性】
【0040】
この発明によれば、分子量が大きく、残存媒体の少ない、しかも毒性の低い媒体を使用している親水性重合体が得られるので、それを製造する化学品製造業界を始として、そのような重合体を使用している化粧品業界、介護用品関連業界、さらには塗料、接着剤業界などで幅広く利用される可能性があるものである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】この発明に用いられる製造装置の一配列図である。
【図2】この発明による重合体の分子量と分散度の単量体濃度依存性を示す図である。
【図3】この発明による重合体の分子量と分散度の開始剤濃度依存性を示す図である。
【図4】この発明による重合体収率の開始剤濃度依存性を示す図である。
【図5】この発明による重合体の分子量および分散度への重合開始剤分割添加の影響を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
1 耐圧容器
2 恒温水槽
3 スターラー
4 二酸化炭素ボンベ
5 高圧ポンプ
6 開始剤カラム
7 バッファー容器
8 フィルター
9 圧力計
10 温度計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
親水性単量体を超臨界二酸化炭素中で重合するに際し、
親水性単量体を超臨界二酸化炭素に溶解させた後に、重合開始剤を添加して重合させること
を特徴とする親水性重合体の製造方法。
【請求項2】
耐圧容器に、親水性単量体と二酸化炭素を投入し、
前記投入された化合物を攪拌しながら、前記耐圧容器を、前記二酸化炭素の臨界点以上の温度、圧力まで昇温、加圧し、
前記耐圧容器内が、所定の重合温度及び重合圧力で安定したのち、
重合開始剤を添加して重合させること
を特徴とする親水性重合体の製造方法。
【請求項3】
耐圧容器に、親水性単量体と二酸化炭素を投入し、
30〜90分間かけて、前記二酸化炭素の臨界点以上の温度、圧力まで、前記耐圧容器内を昇温、加圧させたのち、
重合開始剤を添加して重合させること
を特徴とする親水性重合体の製造方法。
【請求項4】
耐圧容器に、親水性単量体と二酸化炭素を投入し、
前記二酸化炭素の臨界点以上の温度、圧力まで、前記耐圧容器内を昇温、加圧させたのち、
重合開始剤を、一括又は分割添加して、重合させること
を特徴とする親水性重合体の製造方法。
【請求項5】
前記重合開始剤濃度が、
前記親水性単量体に対し0.03重量%以上であること
を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の親水性重合体の製造方法。
【請求項6】
前記耐圧容器内の単量体濃度が、
0.01〜0.09g/mlであること
を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の親水性重合体の製造方法。
【請求項7】
前記耐圧容器中の酸素除去を、
二酸化炭素の排気により行うこと
を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の親水性重合体の製造方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図1】
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【公開番号】特開2007−1998(P2007−1998A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−180180(P2005−180180)
【出願日】平成17年6月21日(2005.6.21)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成17年3月23日 社団法人化学工学会主催の「化学工学会 第70年会(平成17年度)」において文書をもって発表
【出願人】(304023318)国立大学法人静岡大学 (416)
【出願人】(390039974)日本純薬株式会社 (13)
【Fターム(参考)】