説明

親油性結晶性物質としてカンデサルタンシレキセチルを含む新規な医薬組成物

新規のカンデサルタンシレキセチルの組成物は、錠剤化の間の劣化に対して有効成分を適切に安定化させるカラゲナンの20%までを用いて調製される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
医薬品産業の分野からの本発明は、薬学的に有効な親油性物質を含む医薬組成物に関し、この物質は、製剤される間に、好ましくは組成物中に、特に完成した剤形中に、錠剤中に前記物質を組み込む過程の間に劣化しやすい。特に本発明は、カンデサルタンシレキセチルである有効な親油性物質および場合によりもう1つの有効医薬成分を含む医薬組成物に関し、ならびにこれらの調製方法に関する。具体的に、本発明は、前記医薬組成物を製造するための方法における少量のカラゲナンの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
カンデサルタンシレキセチルは、降圧薬として用いられる親油性物質の一例であり、この治療的使用は、US5,196,444に開示され、そこではカンデサルタンシレキセチルの結晶型も開示された。カンデサルタンシレキセチルの結晶は、錠剤化の間の加圧によって変形するが、このことが加工の間および/または貯蔵の間および/または昇温時の有効物質の劣化/分解を引き起こすと考えられ、このことは、この含有量の低下または不純物もしくは関連物質の量の増加として明らかにされ得る。US5,534,534には、カンデサルタンシレキセチルを含む調合物中に、低融点を有する油状物質を組み込むことが記載されている。炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、多価アルコールの脂肪酸エステル、多価アルコールの高級アルコールエーテルおよび酸化アルキレンのポリマーまたはコポリマーから選択される油状物質の融点は、20から90℃の範囲である。理論に制約されることを望まないが、前記油状物質は、粒子間の摩擦により引き起こされる温度上昇の結果として錠剤化の間におそらく融解すると考えられ、この融解した物質は、カンデサルタンシレキセチルの結晶の間および/またはカンデサルタンシレキセチルの結晶と錠剤化混合物中の他の粒子との間の摩擦をおそらく弱め、その結果、カンデサルタンシレキセチル結晶の結晶性の欠陥を最小限にすると考えられる。同じアプローチを、降圧薬の医薬組成物の製造において、塩酸マニジピンまたはヒドロクロロチアジドなどの利尿剤との組み合わせにおいて用いることができるであろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、有効な医薬成分、好ましくはカンデサルタンシレキセチルなどの圧力に敏感な親油性物質、および場合により利尿薬などのもう1つの有効医薬成分を含む新規の医薬組成物、ならびにこれらの調製方法を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の開示)
本発明は、1つの全般的な態様において、親油性の有効医薬成分を、少なくとももう1つの有効医薬成分と場合により組み合わせて含む固体医薬組成物であり、親水コロイド特性を有する2から20%の親水性物質を含むことを特徴とする。
【0005】
好ましくは、親水コロイド特性を有する親水性物質は、藻類から抽出された多糖類、より好ましくはカラゲナンであり、有効物質に対して重量で約10%から1000%の好ましい量で、好ましくは同程度の量で含まれる一方、前記親油性の有効医薬成分は、好ましくはカンデサルタンシレキセチルであり、およびもう1つの、場合による有効医薬成分は、好ましくはヒドロクロロチアジドまたは塩酸マニジピンである。
【0006】
1つの特定の態様において、本発明は、好ましくはカンデサルタンシレキセチルである少なくとも1つの親油性の有効医薬成分を、好ましくは20重量%までの量で含み、および20重量%までのカラゲナン、および40から80重量%の1つ以上の希釈剤、および2から25重量%の1つ以上の崩壊剤、および5重量%までの1つ以上の結合剤を含む固体医薬組成物である。
【0007】
本発明の最も特定の態様は、カンデサルタンシレキセチル、および場合によりまたはヒドロクロロチアジド、および20重量%までの、好ましくは10重量%までの、より好ましくは2重量%から5重量%の間のカラゲナン、および40から80重量%の1つ以上の希釈剤、および2から25重量%の1つ以上の崩壊剤、および5重量%までの1つ以上の結合剤を含む固体医薬組成物であり、好ましくは、ここで、この組成物は、1から20重量%のカンデサルタンシレキセチル、1から20重量%のカラゲナン、40から80重量%の1つ以上の希釈剤、2重量%から25重量%の1つ以上の崩壊剤、および0.5重量%から5重量%の1つ以上の結合剤を含む。
【0008】
1つの態様において、前記組成物は、1から20重量%のカンデサルタンシレキセチル、場合により1重量%から20重量%のヒドロクロロチアジド、および1から20重量%のカラゲナンを含む。
【0009】
上述の組成物は、40から80重量%のラクトースおよびデンプン、2重量%から25重量%のカルボキシメチルセルロースナトリウム、ならびに0.5重量%から5重量%のポビドンを、更に、一緒に含むことができる。
【0010】
好ましくは、本発明の1つの態様である前記医薬組成物は、約1重量%から約10重量%の間の有効成分、好ましくはカンデサルタンシレキセチル、および2%から20%の間のカラゲナンを含む、錠剤の形態である。より好ましい態様において、前記組成物は、有効成分およびカラゲナンに加えて、ラクトース、デンプン、ポビドン、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムからなる群より選択される1つ以上の不活性成分を含む。
【0011】
さらにもう1つの態様において、本発明は、医薬の製造のための上述の組成物の使用を表す。
【0012】
本発明のさらなる態様は、好ましくは有効医薬成分として親油性結晶性物質を含む、より好ましくはカンデサルタンシレキセチルを含む安定な医薬組成物の製造におけるカラゲナンの使用である。
【0013】
もう1つの態様において、本発明は、最初に有効医薬成分を含む造粒物を製造することによる、錠剤化による安定な医薬組成物の調製方法において具体化され、この方法は、カラゲナンが、錠剤化の前に該造粒物に加えられること、および好ましくは錠剤化に用いる主要圧力が最大20kNであることを特徴とする。
【0014】
上記方法における具体的な段階は、
a)カンデサルタンシレキセチルを含む造粒物を提供する段階と、
b)前記造粒物を、成分の1つがカラゲナンである1つ以上の成分と混合する段階と、
c)前段階において得られる混合物を錠剤化する段階、
である。
【0015】
カンデサルタンシレキセチルおよびカラゲナンを含む医薬組成物を、これを必要とする患者に投与することによる高血圧症の治療方法もまた、本発明の1つの態様である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(発明の詳細な記載)
上述した、有効医薬成分の安定な製剤は、賦形剤の内に、親水性物質、好ましくは、親水コロイド特性を有する物質(この物質は、医薬組成物の製造の間および/または貯蔵の間および/または昇温時における劣化または分解に対して前記有効成分を安定させる、水性溶媒中で膨潤する能力などの適した特性を有する、天然のまたは合成の多糖類から好都合に選択される。)を含む医薬組成物を調製することにより開発されてきた。このような安定化賦形剤の好ましい例は、カラゲナンであり、これは、好ましくは完成した固体剤形の製造の前に、比較的少量で前記造粒物に加えられる。1つの特定の例において、カンデサルタンシレキセチルを含む医薬組成物中に存在するカラゲナンは、前記錠剤の品質に影響することなく、錠剤化過程の間、低い圧力の適用を可能にする。圧力は、カンデサルタンシレキセチル粒子の結晶性の欠陥を防ぐのに十分低くなるように選択され、この圧力は、20kN未満、好ましくは10kN未満、ある実施形態において好ましくは7kN未満である。
【0017】
カラゲナンおよび寒天などの本発明の範囲内で用いる物質は、親水性(親水性は、これらの物質が、例えば水と自由に混合し、および/または水の中で膨潤し、および/または水を吸収してゲルを形成するという方法において水と相互作用することを意味する。)および親水コロイド特性(親水コロイド特性は、水に分散させた時、コロイド状分散液を形成することおよび/またはコロイド状ゲルを形成することを意味する。)を有し、ならびに、好ましくは90℃より高いm.p.を有する(例えば、約100℃まで加熱する時のカラゲナンに対するDSCサーモグラムにおいて、有意な吸熱変化は、全く観察されない。)。カラゲナンは、藻類から抽出される天然多糖類である。これらは、ガラクトースと3,6−無水ガラクトースとのコポリマーの硫酸エステルから成り、このポリマー中で、α−1,3およびβ−1,4連結をしている。これらは、乾燥され必要な仕様に粉砕され得る。典型的なカラゲナンは、例えばFMC Corp.社からGelcarin1 GP−379NF、Gelcarin GP−812NF、およびGelcarin GP−911NF、Viscarin1 GP−109NF、およびViscarin GP−209NFの商品名で販売されている。
【0018】
本発明による固体医薬組成物は、80重量%以下の、好ましくは25重量%以下の、より好ましくは1から10重量%の用量の有効医薬成分を、場合により20%までの、好ましくは2から20%の、好ましくは10%未満の、最も好ましくは約5%の比較的少量の安定化親水性物質(好ましくは、カラゲナンまたは寒天などの親水コロイド特性を有する物質)を含む薬学的に許容できる坦体中のもう1つの有効医薬成分と組み合わせて、含む。前記医薬坦体は、他の不活性成分、好ましくは10から80%の、より好ましくは40から60%の1つ以上の希釈剤または賦形剤(例えば、ラクトース一水和物)、2から25%の、より好ましくは10%を超える1つ以上の崩壊剤(デンプンまたはカルボキシルメチルセルロースナトリウムなど)、5%までの、好ましくは2.5%までの1つ以上の適した結合剤(ポビドンなど)、1つ以上の流動促進剤、顔料およびいずれかのその他の通常用いられる賦形剤を適切に含むことができる。
【0019】
場合による他の不活性成分(賦形剤)は、種々の充填剤、結合剤、崩壊剤、流動促進剤、滑剤および/または胃腸管からの薬物の吸収を促進する賦形剤として機能することができる。充填剤は、微細結晶性セルロース、粉末セルロース、ラクトース、デンプン、アルファ化デンプン、ショ糖、グルコース、マンニトール、ソルビトール、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、ケイ酸アルミニウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、デキストレート、デキストリン、マルトデキストリン、パルミトステアリン酸グリセロール、硬化植物油、カオリン、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、ポリメタクリレート、タルクなどから選択され得る。好ましい充填剤は、デンプンおよびラクトース一水和物である。適した結合剤は、デンプン、アルファ化デンプン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、カルボマー、デキストリン、エチルセルロース、グアーガム、硬化植物油、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、グルコース・シロップ、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、マルトデキストリン、ポリメタクリレートである。好ましくは、デンプンおよびポリビニルピロリドンが用いられる。適した崩壊剤は、デンプン、アルファ化デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム,架橋化カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、メチルセルロース、微細結晶性セルロース、粉末セルロース、ポラクリリンカリウム、架橋ポリビニルピロリドン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素、グアーガム、ケイ酸マグネシウムアルミニウムなどから選択することができる。好ましい崩壊剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウムである。適した流動促進剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸、パルミチン酸、セタノール、ステアロール、異なる分子量のポリエチレングリコール、三ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、粉末セルロース、デンプンなどである。適した滑剤は、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛またはステアリン酸アルミニウム、シリコン処理したタルク、モノステアリン酸グリセロール、パルミトステアリン酸グリセロール、硬化ヒマシ油、硬化植物油、鉱油、軽質性鉱物油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、タルクなどから選択され得る。好ましい滑剤は、ステアリン酸マグネシウムである。適した吸収促進剤は、界面活性剤、脂肪酸、中鎖グリセリド、ステロイド洗剤(胆汁酸塩の塩)、アシルカルニチンおよびアルカノロイルコリン(alcanoloil choline)(カルニチンおよびコリンと中鎖および長鎖を有する脂肪酸とのエステル)、α−アミノ酸のN−アシル誘導体および非α−アミノ酸のN−アシル誘導体、キトサンならびに他の粘膜付着性ポリマーから選択され得る。
【0020】
本発明は、特定の実施形態において、以下のカンデサルタンシレキセチルの用量:2、4、8、16または32mgを含む経口投与可能な錠剤である。
【0021】
本発明の医薬組成物は次のようにして調製することができる。攪拌装置を備えた造粒機中に、希釈剤、崩壊剤、結合剤などの1つ以上の賦形剤の粉末混合物を、有効医薬成分と一緒に仕込む。この混合物を造粒用の液体(granulating liquid)で造粒し、この造粒混合物にまたはこの造粒物に安定化親水性物質、好ましくは親水コロイド特性を有する物質を、場合によりいずれかの他の通常用いられる賦形剤と一緒に加える。最後に、錠剤は、主要圧力が最大20kN、好ましくは10kNである、穏やかな錠剤化方法により製造される。
【0022】
本発明の特定の実施形態において、ラクトースとカンデサルタンシレキセチル、コーンスターチ、ポビドンおよび顔料との混合物を水で造粒し、流動床において乾燥させて造粒物を生成する。乾燥させた造粒物に、カラゲナン、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムを加える。こうして得られた混合物の錠剤化は、直径10mmの平面パンチを有する回転式打錠機上で主要圧力最大10kNを用いて行われる。
【0023】
より具体的に、本発明は、1つの実施形態において、特に顕著な相乗効果を達成するための、例えばアンジオテンシンII拮抗薬としてのカンデサルタンシレキセチルと利尿剤としてのヒドロクロロチアジドとの2つの有効成分の組み合わせに関する。錠剤は、上述のようにして調製されるが、ここで第2の有効成分は、単独でまたはいくつかの他の賦形剤と混合で、造粒物を形成するための混合物にまたはすでに形成された造粒物に、適切に加えられる。ヒドロクロロチアジドは、錠剤中に3から10w.w.%で存在する。
【0024】
粉末の直接圧縮またはペレットの調製および完成した剤形へのこれらの組み込みなどの別の方法もまた、本発明の範囲内である。
【0025】
本発明を、親油性の有効医薬成分を含む医薬組成物の以下の実施例において例示する。
【実施例1】
【0026】
カンデサルタンシレキセチル32mg
【0027】
【表1】

【実施例2】
【0028】
カンデサルタンシレキセチル16mg
【0029】
【表2】

【実施例3】
【0030】
カンデサルタンシレキセチル8mg
【0031】
【表3】

【実施例4】
【0032】
カンデサルタンシレキセチル4mg
【0033】
【表4】

【実施例5】
【0034】
カンデサルタンシレキセチル2mg
【0035】
【表5】

【実施例6】
【0036】
カンデサルタンシレキセチル32mg
【0037】
【表6】

【0038】
カンデサルタンシレキセチルなどの親油性の有効医薬成分の他にもう1つの有効成分、例えば、マノジピン(manodipine)またはヒドロクロロチアジドなどの利尿剤も含む錠剤は、以下の実施例に記述するように調製することができる。
【実施例7】
【0039】
カンデサルタン8mg/ヒドロクロロチアジド12.5mg
【0040】
【表7】

【実施例8】
【0041】
カンデサルタン16mg/ヒドロクロロチアジド12.5mg
【0042】
【表8】

【0043】
親水性物質、特に親水コロイド特性を有する物質、より具体的にはカラゲナンは、以下の安定性データにより実証されるように十分なものであることが証明された。60℃での14日間の貯蔵期間で、カラゲナンなしで調製された錠剤(比較例)は、カンデサルタンシレキセチルに関する分解生成物を5.34%含む一方、カラゲナンで調製された錠剤(実施例1)は、わずか1.63%のカンデサルタンシレキセチルに関する分解生成物を含む。
【0044】
(比較例)
カンデサルタンシレキセチル32mg、カラゲナンを含まない
【0045】
【表9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
親油性の有効医薬成分を、少なくとももう1つの有効医薬成分と場合により組み合わせて含む固体医薬組成物であり、親水コロイド特性を有する2から20%の親水性物質を含むことを特徴とする、前記組成物。
【請求項2】
親水コロイド特性を有する親水性物質が、藻類から抽出された多糖類である、請求項1に記載の固体医薬組成物。
【請求項3】
親水コロイド特性を有する親水性物質が、カラゲナンである、請求項1または2のいずれかに記載の固体医薬組成物。
【請求項4】
親油性の有効医薬成分が、カンデサルタンシレキセチルである、請求項1から3のいずれかに記載の固体医薬組成物。
【請求項5】
親油性の有効医薬成分が、カンデサルタンシレキセチルであり、および組成物がさらにヒドロクロロチアジドを含む、請求項1から4のいずれかに記載の固体医薬組成物。
【請求項6】
少なくとも1つの親油性の有効医薬成分、および20重量%までのカラゲナン、および40から80重量%の1つ以上の希釈剤、および2から25重量%の1つ以上の崩壊剤、および5重量%までの1つ以上の結合剤を含む、固体医薬組成物。
【請求項7】
カンデサルタンシレキセチル、および場合により塩酸マニジピンまたはヒドロクロロチアジド、および20重量%までのカラゲナン、および40から80重量%の1つ以上の希釈剤、および2から25重量%の1つ以上の崩壊剤、および5重量%までの1つ以上の結合剤を含む、固体医薬組成物。
【請求項8】
1から20重量%のカンデサルタンシレキセチル、1から20重量%のカラゲナン、40から80重量%の1つ以上の希釈剤、2重量%から25重量%の1つ以上の崩壊剤、および0.5重量%から5重量%の1つ以上の結合剤を含むことを特徴とする、請求項6または7のいずれかに記載の固体医薬組成物。
【請求項9】
1から20重量%のカンデサルタンシレキセチル、場合により1重量%から20重量%のヒドロクロロチアジド、および1から20重量%のカラゲナンを含むことを特徴とする、請求項6から8のいずれかに記載の固体医薬組成物。
【請求項10】
40から80重量%のラクトースおよびデンプン、2重量%から25重量%のカルボキシメチルセルロースナトリウム、ならびに0.5重量%から5重量%のポビドンを、更に、一緒に含むことを特徴とする、請求項9に記載の固体医薬組成物。
【請求項11】
約1重量%から約10重量%の間のカンデサルタンシレキセチル、および2%から20%の間のカラゲナンを含む、錠剤の形態における医薬組成物。
【請求項12】
カラゲナンの用量が、約4%であることを特徴とする、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
ラクトース、デンプン、ポビドン、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムからなる群より選択される1つ以上の不活性成分を更に含むことを特徴とする、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
医薬の製造のための、請求項1から13のいずれかに記載の組成物の使用。
【請求項15】
安定な医薬組成物の製造におけるカラゲナンの使用。
【請求項16】
有効医薬成分として親油性結晶性物質を含む安定な医薬組成物の製造における、請求項15に記載のカラゲナンの使用。
【請求項17】
カンデサルタンシレキセチルを含む安定な医薬組成物の製造における、カラゲナンの使用。
【請求項18】
有効医薬成分を含む造粒物を最初に提供することによる、錠剤化による安定な医薬組成物の調製方法であり、カラゲナンが錠剤化の前に前記造粒物に加えられることを特徴とする、前記調製方法。
【請求項19】
主要圧力が最大20kNである錠剤化方法により実施されることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
組成物が、カンデサルタンシレキセチルを含み、以下の段階、
a)カンデサルタンシレキセチルを含む造粒物を提供する段階と、
b)前記造粒物を、成分の1つがカラゲナンである1つ以上の成分と混合する段階と、
c)前段階において得られる混合物を錠剤化する段階と、
を含むことを特徴とする、請求項18または19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
カンデサルタンシレキセチルおよびカラゲナンを含む医薬組成物を、これを必要とする患者に投与することによる、高血圧症の治療方法。

【公表番号】特表2008−528456(P2008−528456A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−551631(P2007−551631)
【出願日】平成18年1月24日(2006.1.24)
【国際出願番号】PCT/EP2006/000587
【国際公開番号】WO2006/079496
【国際公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【出願人】(504359293)レツク・フアーマシユーテイカルズ・デー・デー (60)
【Fターム(参考)】