説明

親環境黄土を用いた建築資材および容器の製造方法

本発明の親環境黄土を用いた建築資材の製造方法は、黄土、カオリン、クレーおよび粉青土の少なくとも一つ10〜90重量部、樹脂コーティング剤3〜50重量部、無機顔料0.1〜25重量部、および水1〜60重量部を混合してなる親環境組成物を調製する段階と、前記親環境組成物を温度50〜550℃および内圧1〜20kg/cmの成形機に投入して10秒〜20分間隔で成形する段階とを含んでなる。また、本発明の親環境黄土を用いた容器の製造方法は、黄土、カオリン、クレおよび粉青土の少なくとも一つ10〜90重量部、樹脂コーティング剤3〜50重量部、無機顔料0.1〜25重量部、および水1〜60重量部を混合してなる親環境組成物を調製する段階と、前記親環境組成物を温度50〜450℃および内圧1〜10kg/cm2の成形機に投入して10秒〜20分間隔で成形する段階とを含んでなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、親環境黄土を用いた建築資材および容器の製造方法に係り、さらに詳しくは、黄土を樹脂コーティング剤、無機顔料および水と混合して一定の温度および圧力で成形することにより、通気性、難燃性、耐薬品性、耐久性および環境親和性に優れた建築資材と容器を製造する、親環境黄土を用いた建築資材および容器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、低廉な建築資材と容器は、プラスチックを原料として製作し、日常生活で様々に使われている。このようなプラスチックを原料として製作した建築資材と容器は、簡便な使用、適応の多様性、軽い重量などにより、現代社会で必須不可欠な製品として位置付いている。
【0003】
ところが、これらの製品は、人体に有害な環境ホルモンを誘発するうえ、廃棄すれば自然分解されないため自然生態系を破壊し、焼却すれば有害物質を排出し、火災鎮圧の際には燃焼性が大きくて困難さがあるなど、多くの問題点が発生した。
【0004】
かかる問題点を解決するために、韓国特許第423023号は、環境親和的で人体に有益な黄土を含む不燃パネルおよびこれを用いた不燃化粧パネルを開示している。ところが、このような不燃パネルおよび不燃化粧パネルは、多数層を積載して製造するものであって、高い製造コストがかかるので、低廉な建築資材または容器には適用し難いという問題点がある。
【0005】
また、韓国公開特許第2003−0019012号は、天然材料の澱粉を使用する機能性高分子組成物と無公害成形品製造工法を開示しているが、前記無公害成形品は、澱粉が水溶性なので水が染み出るという問題点がある。
【0006】
また、韓国公開特許第2006−0037617号は、玉、麦飯石、黄土、紫水晶粉を使用するメラミン合成樹脂の製造方法およびこれを応用した製品を開示している。ところが、前記製品の材料が黄土以外には高価であり、前記特許文献には様々な色相を提供する技術については言及されていない。
【発明の開示】
【技術的課題】
【0007】
そこで、本発明は、かかる従来の技術の問題点を解決するためのもので、その目的とするところは、製造方法が簡単で、製造コストが低く、耐久性、耐水性、耐燃性、耐火性および通気性に優れた建築資材を製造することができる、親環境黄土を用いた建築資材の製造方法を提供することにある。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、黄土、カオリン、クレー(clay)および粉青土の少なくとも一つ10〜90重量部、樹脂コーティング剤3〜50重量部、無機顔料0.1〜25重量部、および水1〜60重量部を混合してなる親環境組成物を調製する段階と、前記親環境組成物を温度50〜550℃および内圧1〜20kg/cmの成形機に投入して10秒〜20分間隔で成形する段階とを含む、親環境黄土を用いた建築資材の製造方法を提供する。
【0009】
本発明の他の目的は、製造コストが低く、耐久性、耐水性、耐薬品性および通気性に優れるうえ、様々な色相と形態が与えられる、親環境黄土を用いた容器の製造方法を提供することにある。
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、黄土、カオリン、クレーおよび粉青土の少なくとも一つ10〜90重量部、樹脂コーティング剤3〜50重量部、無機顔料0.1〜25重量部、および水1〜60重量部を混合してなる親環境組成物を調製する段階と、前記親環境組成物を温度50〜450℃および内圧1〜10kg/cm2の成形機に投入して10秒〜20分間隔で成形する段階とを含んでなる、親環境黄土を用いた容器の製造方法を提供することにある。
【技術的解決方法】
【0011】
本発明のある観点によれば、黄土、カオリン、クレーおよび粉青土の少なくとも一つ10〜90重量部、樹脂コーティング剤3〜50重量部、無機顔料0.1〜25重量部、および水1〜60重量部を混合してなる親環境組成物を調製する段階と、前記親環境組成物を温度50〜550℃および内圧1〜20kg/cmの成形機に投入して10秒〜20分間隔で成形する段階とを含む、親環境黄土を用いた建築資材の製造方法を提供する。
【0012】
具体的に、本発明に係る親環境黄土を用いた建築資材の製造方法は、図1に示すように、前記黄土、カオリン、クレーおよび粉青土を粉砕する工程と、前記親環境組成物を調製する工程と、前記親環境組成物を成形機に投入する工程と、前記成形機で成形する工程とを含んでなる。すなわち、この方法では、前記黄土、カオリン、クレーおよび粉青土を樹脂コーティング剤、無機顔料および水と混合して前記条件の成形機に入れて成形することにより建築資材を製造する。このように製造された建築資材は、土が乾燥すると割れる現象および水に弱い特性を、樹脂コーティング剤、水と混合して成形することにより克服し、均一な耐水性、防湿性、耐燃性および耐火性を全て備える。また、本発明に係る建築資材は、火災燃焼の際に有害物質を発生しない。そして、無機顔料を含むことにより様々な色相が具現され、様々な用途による製品を製造することができる。また、本発明の製造方法は、多くの製造時間と努力がかかる陶磁器またはタイルの製造工程の代わりに、前記親環境組成物を前記成形機に入れて数秒〜数分内に成形する工程を用いることにより、釉薬を塗布しなくてもよく剥離し、コストが節減されるうえ、環境親和的である。
【0013】
ここで、前記親環境組成物とは、前記黄土、カオリン、クレーおよび粉青土を含むため、多孔性があり、また有益な微生物を多量含むため、遠赤外線を放出するうえ、耐熱性、通気性および透湿性を示し、焼却の際に有害物質を放出せず、廃棄の際には有害析出物を放出しないから、人体と環境に親和的な組成物のことをいう。
【0014】
前記黄土、カオリン、クレーおよび粉青土は、国外内産地を含んで一般な種類の黄土、カオリン、グレーおよび粉青土を含む。
【0015】
黄土は、多孔性構造により優れた吸湿性および防湿性を示し、結露を抑制する特性がある。また、黄土は、夏季には清涼な室内温度と室内湿度を維持させ、冬季には寒風の流入を遮断する断熱効果がある。また、黄土は、無機質不燃材料として耐火性を示し、火災の際には燃焼せず、有害ガスの排出もない。ひいては、黄土はタバコの煙りやガスなどの匂いを吸着して中和させ、室内空気中の悪臭、カビおよび有害ウイルスを抑制、解毒するという特性がある。また、黄土は、多孔性により、騒音の近距離伝達を軽減させる防音性を発揮し、有害電磁波を吸収するうえ、遠赤外線を放出する。
【0016】
前記カオリンは、前記黄土と類似の特性を有し、多孔性構造により優れた吸湿性および通気性を示し、酸性の水を弱アルカリ性に変化させるうえ、陶磁器原料への成形の際に美感が優れる。
【0017】
前記粉青土は、前記黄土と類似の特性を有し、陶磁器原料への成形の際に美感が優れる。
【0018】
前記クレーは、前記カオリンと類似の特性を有し、よく着色処理がなされるという特性がある。
【0019】
前記黄土、カオリン、クレーまたは粉青土の少なくとも一つの含量が10重量部未満であれば、形態と模様を成し難く、その含量が90重量部を超えると、割れが発生しやすい。
【0020】
前記樹脂コーティング剤は、水と共に前記親環境組成物に含まれることにより、前記黄土、カオリン、クレーまたは粉青土が成形されて乾燥するとき、割れが発生しあるいは水に分解されない前記建築資材を形成することに重要な役割を果たす。
【0021】
前記樹脂コーティング剤の含量が3重量部未満であれば、成形が難しく、割れが発生しあるいは水に分解され、前記樹脂コーティング剤の含量が50重量部を超えると、生分解に多くの時間がかかるという問題点が発生する。
【0022】
また、前記無機顔料は、前記建築資材に色相を与えることにより、用途に応じて便利に使用される。
【0023】
前記無機顔料の含量が0.1重量部未満であれば、色相が明確に発現されず、前記無機顔料の含量が25重量部を超えると、製品の美的側面が減少するという問題点が発生する。
【0024】
この際、前記水は、前記黄土、カオリン、クレーおよび粉青土に熱と圧力を加えるとき、前記黄土、カオリン、クレーおよび粉青土を結合させる重要な成分である。
【0025】
前記水の含量が1重量部未満であれば、成形が難しく、前記水の含量が60重量部を超えると、耐水性が低下するという問題点が発生する。
【0026】
また、前記親環境組成物は、粗糠、藁、トウモロコシの茎および小麦の茎を含む農産物副産物の少なくとも一つ5〜300重量部、または鋸屑、廃木材および樹皮を含む木材副産物の少なくとも一つ5〜300重量部をさらに含む。
【0027】
前記粗糠、藁、トウモロコシの茎および小麦の茎を含む農産物副産物は0.001〜2mmのサイズに粉砕して含み、前記鋸屑、廃木材および樹皮を含む木材副産物は0.001〜2mmのサイズに粉砕して含む。
【0028】
前記農産物副産物と前記木材副産物は、乾燥の後、前記サイズに粉砕されて粉末化された後、前記親環境組成物にそれぞれまたは一緒に含まれる。
【0029】
前記農産物副産物の含量が5重量部未満であれば、耐久性が減少し、前記農産物副産物の含量が300重量部を超えると、バサバサになるという問題点が発生する。
【0030】
前記木材副産物の含量が5重量部未満であれば、耐久性が減少し、前記木材副産物の含量が300重量部を超えると、ザラザラになるという問題点が発生する。
【0031】
前記樹脂コーティング剤は、メラミン樹脂、メラミン変性樹脂、メラミン−尿素変性樹脂、尿素樹脂、尿素変性樹脂、フェノール樹脂、フェノール変性樹脂、フェノール−尿素変性樹脂、フェノール−メラミン変性樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、およびエポキシ樹脂の中から選ばれたいずれか一つであることを特徴とする。
【0032】
前記メラミン樹脂は、アミノ樹脂の一種であって、難燃性、耐水性および耐薬品性に優れるうえ、透明性および強度を有し、感触が高級であり、電気的特性に優れ、吸湿性が非常に少ない。前記尿素樹脂は、アミノ樹脂の一種であってよく着色処理がなされるうえ、常温でも硬化する特性がある。前記フェノール樹脂は、耐熱性があるうえ、あまり高くない温度で成形され、強度が強いという特性がある。前記ポリエステル樹脂は透明であるうえ、強度が高く、耐薬品性に優れるという特性があり、前記エポキシ樹脂は耐薬品性に優れるうえ、強度が高く、成形の際に体積の減少が少ないという特性がある。また、前記無機顔料は、酸化鉄、酸化亜鉛、炭酸カルシウムおよび二酸化チタンの少なくとも一つを含む。
【0033】
前記無機顔料を含む前には前記黄土、カオリン、クレーおよび粉青土の色相または質感が視覚的にごつく見えるが、これに対し、前記無機顔料を含むと、色相または質感が高級で滑らかに見える。
【0034】
前記酸化鉄は、赤色、黄色、褐色、青色、緑色、オレンジ色、アイボリー色、灰色などの様々な色相を示し、調色も可能である。
【0035】
前記酸化亜鉛、炭酸カルシウムおよび二酸化チタンが白色を示すため、前記酸化亜鉛、炭酸カルシウムおよび二酸化チタンを、それぞれ単独でまたは複合使用して白色を示し、あるいは前記酸化鉄と混合して様々な色相を示す。
【0036】
前記黄土、カオリン、クレーまたは粉青土は、乾燥した後、サイズ0.001〜0.2mmの微細粉末に粉砕されて含まれる。
【0037】
前記黄土、カオリン、クレーまたは粉青土は、産地から出土した後、不純物を除去し、乾燥させ、しかる後に、前記サイズに粉砕して前記親環境組成物に含ませる。
【0038】
また、親環境黄土を用いた建築資材の製造方法は、前記成形段階で廃棄または破損された廃素材を乾燥させた後、粉砕する段階と、前記廃素材に前記樹脂コーティング剤、前記無機顔料および水を混合して前記成形機で成形する段階とをさらに含む。
【0039】
この際、前記親環境建築資材は、よりさらに堅くて滑らかな製品に形成される。
【0040】
前記親環境建築資材は、パネル、外壁材、内壁材、屋根材、天井材、床材、内装材、および暖房材を含む。
【0041】
前記親環境建築資材は、前記黄土、カオリン、クレー、または粉青土を含むため、多孔性があり、有益な微生物を多量含むため、遠赤外線を放出するうえ、耐熱性、通気性および透湿性を示し、前記樹脂コーティング剤、水および顔料を含むため、耐久性と様々な色相を示す。よって、前記親環境建築資材は多様な用途の建築資材として使われる。
【0042】
本発明の他の観点によれば、黄土、カオリン、クレーおよび粉青土の少なくとも一つ10〜90重量部、樹脂コーティング剤3〜50重量部、無機顔料0.1〜25重量部、および水1〜60重量部を混合してなる親環境組成物を調製する段階と、前記親環境組成物を温度50〜450℃および内圧1〜10kg/cmの成形機に投入して10秒〜20分間隔で成形する段階とを含む、親環境黄土を用いた容器の製造方法を提供する。
【0043】
本発明に係る親環境黄土を用いた容器の製造方法は、図1に示すように、前記黄土、カオリン、クレーおよび粉青土を粉砕する工程と、前記親環境組成物を調製する工程と、前記親環境組成物を成形機に投入する工程と、前記成形機で成形する工程とを含んでなる。
【0044】
前記親環境黄土を用いた容器の製造方法は、前記親環境黄土を用いた建築資材の製造方法と同様の組成物を使用し、前記成形温度、成形圧力および成形時間は、建築資材ではなく軽量の容器である点において、前記親環境建築資材の製造の際より低い成形温度および成形圧力の成形機を用いて少ない成形時間で成形する以外は同様の方法である。
【0045】
以下、その具体的な技術は前記親環境黄土を用いた建築資材の製造方法の説明に援用する。
【0046】
ここで、前記親環境組成物とは、前記黄土、カオリン、クレーおよび粉青土を含むため、多孔性があり、有益な微生物を多量含むため、遠赤外線を放出するうえ、耐熱性、通気性および透湿性を示し、焼却の際に有害物質を放出せず、廃棄の際には有害析出物を放出しないから、人体と環境に親和的な組成物のことをいう。
【0047】
前記親環境組成物は、粗糠、藁、トウモロコシの茎および小麦の茎を含む農産物副産物の少なくとも一つ5〜300重量部、または鋸屑、廃木材および樹皮を含む木材副産物の少なくとも一つ5〜300重量部をさらに含む。
【0048】
また、前記粗糠、藁、トウモロコシの茎および小麦の茎を含む農産物副産物は0.001〜2mmのサイズに粉砕して含み、前記鋸屑、廃木材および樹皮を含む木材副産物は0.001〜2mmのサイズに粉砕して含む。
【0049】
前記樹脂コーティング剤は、メラミン樹脂、メラミン変性樹脂、メラミン−尿素変性樹脂、尿素樹脂、尿素変性樹脂、フェノール樹脂、フェノール変性樹脂、フェノール−尿素変性樹脂、フェノール−メラミン変性樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、およびエポキシ樹脂の中から選ばれたいずれか一つであることを特徴とする。
【0050】
前記無機顔料は、酸化鉄、酸化亜鉛、炭酸カルシウムおよび二酸化チタンの少なくとも一つを含む。
【0051】
前記黄土、カオリン、クレーまたは粉青土は、乾燥した後、サイズ0.001〜0.2mmの微細粉末に粉砕されて含まれる。
【0052】
また、前記親環境黄土を用いた容器の製造方法は、前記成形段階で廃棄または破損された廃素材を乾燥させた後、粉砕する段階と、前記廃素材に前記樹脂コーティング剤、前記無機顔料および水を混合して前記成形機で成形する段階とをさらに含む。
【0053】
前記親環境容器は、器、植木鉢、壷、茶碗、コップ、鍋、および皿を含むことを特徴とする。
【0054】
ここで、前記親環境容器は、前記黄土、カオリン、クレーまたは粉青土を含むため、多孔性があり、有益な微生物を多量含むため、遠赤外線を放出するうえ、耐熱性、通気性および透湿性を示し、前記樹脂コーティング剤、水および顔料を含むため、耐久性および様々な色相を示す。よって、前記親環境容器は、多様な用途の容器として使われる。
【有利な効果】
【0055】
上述したように、本発明に係る親環境黄土を用いた建築資材および容器の製造方法は、陶磁器の製造方法を使用せず、親環境組成物を一定の温度と一定の圧力下の成形機で短時間内に成形して親環境建築資材および親環境容器を生産するので、耐久性、耐水性、耐燃性、耐火性、通気性および耐薬品性を有し、製造コストが節減されるうえ、材料コストが低くて経済的に有利である。また、黄土などを含む親環境組成物を使用することにより、火災の際に有害ガスが発生せず、耐燃性があり、環境ホルモンが放出されず、人体に有益な遠赤外線が放出されるという著しい効果がある。そして、前記親環境黄土を用いた建築資材および容器は、廃棄の際に有害物が発生せず、焼却の際には有害副産物が少ないという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明に係る親環境黄土を用いた建築資材および容器の製造方法を示す工程図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0057】
以下、本発明を実施例によって詳細に説明する。これらの実施例は、本発明を例示するものに過ぎず、本発明の内容を限定するものではない。
【0058】
実施例1〜10:メラミン樹脂コーティング剤を用いた親環境組成物の形成方法
表1に示した組成で親環境組成物を製造した。まず、黄土、カオリン、または粉青土を乾燥させた後、0.001〜0.05mmのサイズに粉砕して微細粉末を作った。また、粗糠を乾燥させた後、0.001〜0.01mmの程度に粉砕して粉末を作った。下記の組成によって前記黄土、カオリン、または粉青土をそれぞれメラミン樹脂コーティング剤、各色相を示す無機顔料、および水と混合して前記親環境組成物を調製した。ここで、前記無機顔料としては、白色は二酸化チタンを使用し、有色は酸化鉄を使用した。前記無機顔料は(株)ウシンピグメント社から購入した。
【0059】
【表1】

実施例11〜20:メラミン樹脂コーティング剤を使用した親環境建築資材および容器の製造方法
表2に示した組成で親環境建築資材および容器を製造した。まず、実施例11〜実施例20の親環境組成物を、含量と原料の差異を除いては実施例1〜実施例10の親環境組成物の形成方法と同様の方法で形成した。その後、実施例11〜実施例20の各成形時間と各成形圧力の下に成形温度140℃の成形機で成形した。前記成形機で成形された建築資材と容器は、成形され次第に剥離された。この際、釉薬または離型材は使用しなかった。前記親環境建築資材または親環境容器は有害な物質が検出されなかった。
【0060】
【表2】

実施例21〜30:尿素樹脂コーティング剤を使用した親環境組成物の形成方法
実施例21〜30では、実施例1〜10のメラミン樹脂コーティング剤を使用した親環境組成物の形成方法において、表1のメラミン樹脂コーティング剤の代わりに尿素樹脂コーティング剤を使用する以外は同様の方法によって、尿素樹脂コーティング剤を使用した親環境組成物を調製した。
【0061】
実施例31〜40:尿素樹脂コーティング剤を使用した親環境建築資材および容器の製造方法
実施例31〜40では、実施例11〜20のメラミン樹脂コーティング剤を使用した親環境建築資材および容器の製造方法において、表2のメラミン樹脂コーティング剤の代わりに尿素樹脂コーティング剤を使用する以外は同様の方法によって、尿素樹脂コーティング剤を使用した親環境建築資材および容器を製造した。前記親環境建築資材または親環境容器は有害な物質が検出されなかった。
【0062】
以上、本発明の好適な実施例について説明の目的で開示したが、当業者であれば、添付した請求の範囲に開示された本発明の精神と範囲から逸脱することなく、様々な変形、追加または置換を加え得ることを理解するであろう。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明に係る親環境黄土を用いた建築資材および容器の製造方法は、低コストで環境親和的な軽量の建築資材および容器を製造する方法なので、経済的であるうえ、関連産業部分への寄与も著しい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
黄土、カオリン、クレーおよび粉青土の少なくとも一つ10〜90重量部、樹脂コーティング剤3〜50重量部、無機顔料0.1〜25重量部、および水1〜60重量部を混合してなる親環境組成物を調製する段階と、
前記親環境組成物を温度50〜550℃および内圧1〜20kg/cmの成形機に投入して10秒〜20分間隔で成形する段階とを含んでなることを特徴とする、親環境黄土を用いた建築資材の製造方法。
【請求項2】
前記親環境組成物は、粗糠、藁、トウモロコシの茎および小麦の茎を含む農産物副産物の少なくとも一つ5〜300重量部、または鋸屑、廃木材および樹皮を含む木材副産物の少なくとも一つ5〜300重量部をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の親環境黄土を用いた建築資材の製造方法。
【請求項3】
前記粗糠、藁、トウモロコシの茎および小麦の茎を含む農産物副産物は0.001〜2mmのサイズに粉砕して含み、前記鋸屑、廃木材および樹皮を含む木材副産物は0.001〜2mmのサイズに粉砕して含むことを特徴とする、請求項2に記載の親環境黄土を用いた建築資材の製造方法。
【請求項4】
前記樹脂コーティング剤は、メラミン樹脂、メラミン変性樹脂、メラミン−尿素変性樹脂、尿素樹脂、尿素変性樹脂、フェノール樹脂、フェノール変性樹脂、フェノール−尿素変性樹脂、フェノール−メラミン変性樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、およびエポキシ樹脂の中から選ばれたいずれか一つであることを特徴とする、請求項1に記載の親環境黄土を用いた建築資材の製造方法。
【請求項5】
前記無機顔料は、酸化鉄、酸化亜鉛、炭酸カルシウムおよび二酸化チタンの少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項1に記載の親環境黄土を用いた建築資材の製造方法。
【請求項6】
前記黄土、カオリン、クレーまたは粉青土は、乾燥した後、サイズ0.001〜0.2mmの微細粉末に粉砕されて含まれることを特徴とする、請求項1に記載の親環境黄土を用いた建築資材の製造方法。
【請求項7】
前記親環境黄土を用いた建築資材の製造方法は、
前記成形段階で廃棄または破損された廃素材を乾燥させた後、粉砕する段階と、
前記廃素材に前記樹脂コーティング剤、前記無機顔料および水を混合して前記成形機で成形する段階とをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の親環境黄土を用いた建築資材の製造方法。
【請求項8】
前記親環境建築資材は、パネル、外壁材、内壁材、屋根材、天井材、床材、内装材、および暖房材を含むことを特徴とする、請求項1に記載の親環境黄土を用いた建築資材の製造方法。
【請求項9】
黄土、カオリン、クレーおよび粉青土の少なくとも一つ10〜90重量部、樹脂コーティング剤3〜50重量部、無機顔料0.1〜25重量部、および水1〜60重量部を混合してなる親環境組成物を調製する段階と、
前記親環境組成物を温度50〜450℃および内圧1〜10kg/cm2の成形機に投入して10秒〜20分間隔で成形する段階とを含んでなることを特徴とする、親環境黄土を用いた容器の製造方法。
【請求項10】
前記親環境組成物は、粗糠、藁、トウモロコシの茎および小麦の茎を含む農産物副産物の少なくとも一つ5〜300重量部、または鋸屑、廃木材および樹皮を含む木材副産物の少なくとも一つ5〜300重量部をさらに含むことを特徴とする、請求項9に記載の親環境黄土を用いた容器の製造方法。
【請求項11】
前記粗糠、藁、トウモロコシの茎および小麦の茎を含む農産物副産物は0.001〜2mmのサイズに粉砕して含み、前記鋸屑、廃木材および樹皮を含む木材副産物は0.001〜2mmのサイズに粉砕して含むことを特徴とする、請求項10に記載の親環境黄土を用いた容器の製造方法。
【請求項12】
前記樹脂コーティング剤は、メラミン樹脂、メラミン変性樹脂、メラミン−尿素変性樹脂、尿素変性樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール変性樹脂、フェノール−尿素変性樹脂、フェノール−メラミン変性樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、およびエポキシ樹脂の中から選ばれたいずれか一つであることを特徴とする、請求項9に記載の親環境黄土を用いた容器の製造方法。
【請求項13】
前記無機顔料は、酸化鉄、酸化亜鉛、炭酸カルシウムおよび二酸化チタンの少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項9に記載の親環境黄土を用いた容器の製造方法。
【請求項14】
前記黄土、カオリン、クレーまたは粉青土は、乾燥した後、サイズ0.001〜0.2mmの微細粉末に粉砕されて含まれることを特徴とする、請求項9に記載の親環境黄土を用いた容器の製造方法。
【請求項15】
前記親環境黄土を用いた容器の製造方法は、
前記成形段階で廃棄または破損された廃素材を乾燥させた後、粉砕する段階と、
前記廃素材に前記樹脂コーティング剤、前記無機顔料および水を混合して前記成形機で成形する段階とをさらに含むことを特徴とする、請求項9に記載の親環境黄土を用いた容器の製造方法。
【請求項16】
前記親環境容器は、器、植木鉢、壷、茶碗、コップ、鍋および皿を含むことを特徴とする、請求項9に記載の親環境黄土を用いた容器の製造方法。

【図1】
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【公表番号】特表2010−510164(P2010−510164A)
【公表日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−538304(P2009−538304)
【出願日】平成19年10月2日(2007.10.2)
【国際出願番号】PCT/KR2007/004815
【国際公開番号】WO2008/062946
【国際公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(509141453)
【出願人】(509140939)
【Fターム(参考)】