説明

角化組織の伝染性疾病治療用装置及び方法

本発明は、病原体に感染した角化組織を治療するための装置及び方法に関するものである。特定の実施例で、電磁波エネルギー、例えばマイクロ波エネルギーは角化組織から病原体の量を減少させまた除去するのに使用され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
特定例は、医薬分野、特に伝染性疾病治療に関するものである。より具体的には、特定例は病原体に感染した角化組織の治療に関するものである。
【背景技術】
【0002】
角化組織の伝染性疾病は、薬物治療において難しい問題がある。角質は髪の毛、羊毛、爪の主要なタンパク質成分、歯牙の琺瑯質、角、蹄、及び羽毛の羽柄の有機基質として提供する硬タンパク質の分類である。これらのタンパク質は、一般的に大量の硫黄含有アミノ酸、特にシステインを大量に含有する。角質組織に丈夫で繊維状基質を提供することが発見される。これらのタンパク質は極不水溶性であることを特徴とする。角質は、極性アミノ酸を殆ど含有していないため、これらが形成する組織に水分含量はほぼ又は全くない。これは、薬物が上記組織の形態に容易に伝達されないため、感染した角化組織の薬物治療に難しさを示す。
【0003】
一つの例として、爪甲真菌症は、皮膚糸状菌、非皮膚糸状菌及びイースト等の任意の真菌類によって発生された爪板の感染症として、臨床的に定義される。本疾病は、爪疾病の50%まで占めており、世界人口の2%〜18%以上に影響を及ぼす。爪甲真菌症の4つの臨床形態:(1)遠位部爪甲下爪甲真菌症、(2)近位部爪甲下爪甲真菌症、(3)表在性爪甲真菌症、及び(4)カンジダ爪甲真菌症。爪甲真菌症の治療の目標部位は、爪板、爪床、及び爪基質に属する。特徴的に、感染した爪は外観上、正常な爪と共存する。
【0004】
爪甲真菌症治療の最も一般的な形態は、テルビナフィン(Novartis International AG, Basel, Switzerland)又はイトラコナゾール(Jassen Pharmaceutical Products, L.P., Titusville, NJ)の経口投与剤である。爪甲真菌症の治療において、これらの薬物は、現在市場を支配している。
【0005】
しかし、他の治療の形態の開発が必要である。Hay, RJ(British Journal of Dermatology 145(S60):3-11, 2001)では、これらの薬物が略25−40%の臨床失敗率を有するということが知られている。また、両方の薬物には、潜在した臓器毒性と一般的な処方薬と非処方薬の相互作用に対する警告ラベルを有する。The Physicians Desk Reference(2003)では、テルビナゾールとイトラコナゾール経口治療時に肝機能喪失(死亡など)のまれな場合が報告されているということを示している。深刻な心臓血管の事件、死亡などのまれな場合はイトラコナゾールに関連されてきた。治療時間は長く(数ヶ月)、高価である。Hay, 2001では、爪表面の5−10%が十分な治療(ネガティブ再培養として定義)にもかかわらず、依然として非正常的に残っているということを示す。Mandellなど(Principles and Practice of Infectious Diseases, Fifth edition, Chapter 257 by Hay R.J., p2765, 2000)は再発率が40%であることを示す。局所薬を使用する治療オプションは、通常ほぼよくなく、感染した爪の化学的又は手術的除去は、これらの治療が爪床の背面転位と爪床の収縮を起こしえるため、適切な治療法ではない。
【0006】
このように、病原体に感染した角化組織の治療に対して改善された方法を開発するための技術が必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここに記載された特定様相及び例は、病原体に感染した角化組織の薬物治療用装置及び方法を提供する。本発明による方法は、副作用が殆ど又は全くないので有効であり、局所的で、迅速で非浸湿性薬物治療をすることができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の様相は、病原体に感染した角化組織を治療する方法を提供する。特定例で、上記方法は、角化組織を感染させる病原体を殺すのに充分な、約0.0004mmより大きな波長を有する電磁波エネルギー、例えば、マイクロ波エネルギー又はミリメートル波エネルギーの有効量に角化組織を露出する方法を含む。特に好ましい実施形態で、角化組織は病原体に感染した人間の角化組織、例えば爪組織である。一つの具体的な実施形態で、爪組織は人間の爪組織である。特定の実施形態で、電磁波エネルギーはマイクロ波エネルギー、例えば、約15MHz〜約30GHzの周波数を有するマイクロ波、又はミリメートル波エネルギーである。
【0009】
第2の様相で、病原体に感染した角化組織に電磁波エネルギーを伝達するためのアプリケーターが記載されている。特定例において、アプリケーターは解剖学的位置にエネルギーを伝達するために配列された一つ以上の導電体を含む。特定の実施形態で、一対の導電体は同軸ケーブル構造を有する。一実施形態で、円柱の一部の同軸線の外部導電体を除去して電磁波エネルギーでアプリケーターに近接して組織を露出する。もう一つの実施形態で、同軸ケーブル構造の内部導電体は、末端にディスクと連結してアプリケーターに近接し、組織に効率的にエネルギーを伝達する末端荷重されたモノポールを形成する。一部の実施形態で、上記アプリケーターはケーブル、例えば同軸ケーブル、及び電磁波エネルギー源を更に含む。
【0010】
ここに開示された特定例は、角化組織の治療において当業者により従来認識されていない相当な利点を与える。例えば、角化組織に対し、真菌類、バクテリア、及び寄生菌の高い水分含量は、電磁波エネルギー、特にマイクロ波エネルギーに敏感な真菌類、バクテリア、及び寄生菌となるようにする。エネルギーのこのような適用は、バクテリア、真菌類又は寄生菌の細胞の過熱及び爆発を起こし得る。ここに記載された方法の特定例は、組織に直接接触(抵抗式加熱)して2つ以上の金属性導電体の間に組織を通じて流れる導電性電流に依存しない。代わりに、ここに記載された方法の例は組織に浸透するため、電磁波エネルギー、例えばマイクロ波エネルギーの電場を使用する。組織内で速い振動場は、極性分子、例えば真菌類、バクテリア又は寄生菌細胞に水所定の位置で回転し局所的摩擦熱を作る。いかなる特別な科学的理論又は上記実施例によっても制限されず、加熱工程が十分な大きさと時間で行うとき、病原体が破壊される。貫通する電場は効率的に電気絶縁体であり得る水分含量の低い組織を通じてエネルギーを伝達するようにする。即ち、印加された電磁波エネルギーである貫通する電場は、例えば、水分含量の低い爪板の表面で爪板の表面下病原体を殺菌することができる。反対に、爪板に印加された伝導性電流、例えば、高周波電流は、爪板下の病原体に加熱効果を殆ど及ぼさないか全く及ぼさない。
【0011】
電磁波エネルギー、例えば、マイクロ波エネルギー利用の利点は、速度、効率、局所的な効果、手術なく介入する能力、患者の速い回復、及び毒性、危険でありまた汚染させる残留物の不在である。また、利点は免疫系の物質の運搬を向上させる組織付近又は病原菌の感染部位付近に血流の刺激及び病原体の破壊を助けるための免疫系の刺激である。
【0012】
マイクロ波照射は、殺菌の効率的な手段である。例えば、米国特許第4,092,800号には、マイクロ波照射による殺菌が示されている。Baker, KFなど(Phytopathology 59(2):193-197, 1969)には、マイクロ波照射によるごみの殺菌が示されている。Lagunas-Solar M.C.など(Food and Agriculture Applications of Pulsed Power Technologies as Alternatives to Methyl Bromide, 1994, Annual International Research Conference on Methyl Bromide Alternatives and Emissions Reductions. Nov. 13-16, 1994)には、マイクロ波照射による食べ物の殺菌を示す。Kissimmeなど(Yonaga Acta Medica 41:83-88,1998)には、マイクロ波照射によるタオルの殺菌を示している。
【0013】
Lantis, JC(Surg. Endosc. 12:170-176, 1998)には、1960年代、信頼性の高いマグネトロンの開発以来、多くの臨床適用の薬物に対してマイクロ波エネルギーが使用されてきたということが示されている。例えば、マイクロ波エネルギー治療は、悪性及び良性腫瘍の治療に使用されてきた。感染した傷の治療を改善させるモダリティーとして研究が行われている。十二指腸潰瘍、悪性前立腺肥大と心臓病の治療に対する治療法として検討されている。マイクロ波エネルギーは、連続的な歩行用の腹膜透析で透析液を温かくして使用され、ドッキングコネクターを殺菌するための方法として使用される。
【0014】
治療法に対して有機体が耐性を発現させることと異なり、ここに提供された治療法の方法に対して真菌類、バクテリア又は寄生菌は、耐性を発現させない。例えば、マイクロ波エネルギーに対する耐性を発現させる真菌類、バクテリア又は寄生菌は報告されていない。事実、マイクロ波加熱は感染した傷を治療するのに使用されてきた。Korpan等(Korpan NN, Resch KL & Kokoschinegg P, "Continuous microwave enhances the heating process of septic and aseptic wounds in rabbits" Journal of Surgical Research 57(6):667-671, Dec.1994)には、37GHzの周波数で1mW/cmの強度でのマイクロ波照射は、免疫系を刺激し傷の治癒工程を向上させる。
【0015】
Deacon, JW(「Introduction to Modern Mycology」、2版、Blackwell Scientific Publications. 1984)には、大部分の真菌類は、真菌類の細胞内に細胞質を囲んだ硬い保護壁を有するということが示されている。数個の真菌類は紫外線(UV)光からの損傷に対して内部の細胞を保護するこの壁内に色素を有する。マイクロ波エネルギーは、保護壁を浸透して真菌類細胞内の高い水分含量細胞質を加熱させ、真菌類細胞を殺し得る。UV光を防ぐ色素は、マイクロ波エネルギーに影響を及ぼさない。マイクロ波エネルギーは、UV光が皮膚組織を殺す公知の癌危険に置かれないため、UV光より病原体による感染に対して更に安全な治療モダリティーである。
【0016】
図1を参照してアプリケーターの実施形態の分解図が示される。外部の導電体(10)は、アルミニウム、銅又は黄銅等の導電体からなり、この実施形態で円周断面図の一部として、円柱シェル形状を有する。しかし、他の適当な形態は、本明細書に記載された利益を与えるものであれば、通常の当業者により容易に選択できる。図1に図示された例で、導電体(10)は治療される解剖学上部位の長さと幅のほぼ同じ長さと幅を有する開口(11)を有する。導電体(10)は、円柱形状を有する内部スペーサー(12)上にスライドすることができ、ナイロン、PTFE又は他の適当な絶縁材からなり得る。導電体(10)は、調節ねじ(13)によりスペーサー(12)に固定され得る。内部の導電体(14)は、棒の形態を有し得、スペーサー(12)にスライドすることができ、導電体(14)は、アルミニウム、銅、金、黄銅又は本明細書に記載された利益を与えるものであれば、通常の当業者により容易に選択できる他の適当な導電体材料等の導電体からなる。導電体(14)は、調節ねじ(15)によりスペーサー(12)に固定でき、導電体(10)と(14)の間の短絡を防止するため、プラスチック又は他の適当な材料からなり得る。導電体(14)は、キャップスペーサー(16)のホール(17)を通過した後、末端キャップ(18)と電気的に接触することが持続され得る。キャップスペーサー(16)と末端キャップ(18)は、通常、ディスクの一つのセクションの形態を有する。キャップスペーサー(16)は、DELRIN又はPTFE等の電気絶縁体からなり得る。末端キャップ(18)は、アルミニウム、銅、金、黄銅等の電気導電体からなり得る。導電体(14)は、ろう付け、はんだ付け、又はスレッドコネクタ、例えば金属ねじ(未図示)等の電気的接触を維持する手段により末端キャップ(18)に固定され得る。
【0017】
図2は、図1の組立てられたアプリケーターの斜視図が示される。スレッド(19)は、コネクタ、例えば、N型コネクタ、又は本明細書に記載された利益を与えるものであれば、当業者により容易に選択できる他の適当なコネクタを通じて同軸ケーブルにアプリケーターを連結させる。アプリケーターは、コネクタ及び他の信号運搬体、例えば、ケーブルウエーブガイド等を通じて電磁波信号、例えば、マイクロ波周波数帯域を提供する電磁波エネルギー源に結合され得る。内部の導電体(14)は、適当な直径を有し、コネクタ、例えば、標準N型コネクタの内部導電体に連結され、また導電体(14)は、標準コネクタ一対を成す付近のみ上記直径を有し、その長さの残りでは、他の直径を有するよう拡張しあるいは先細になる。一部の配列では、末端スペーサー(16)と末端キャップ(18)は、開口(11)として定義された面へある程度まで拡張できるが、図2に表示された実施例では、末端スペーサー(16)と末端キャップ(18)は、開口(11)として定義された面に拡張しない。この特徴は、治療される組織が妨害なく開口(11)と並置で配置されるようにする。例えば、上側に配向された爪に関して、図2に名目上存在する足の爪が上方に配向された足の指を治療するため、図2に表示されたアプリケーターを反転させ、上記足の指の爪を開口(11)と並列にして加える。
【0018】
大部分の長さで、導電体(14)は、外部導電体(10)の内部直径の値に関して、特定インピーダンスの有利な値を提供する直径を有し得る。本明細書に記載された利益を与えるものであれば、当業者により認識されたように、アプリケーターの反射係数は、アプリケーターに連結された標準同軸ケーブルの特定インピーダンスと十分に同じ場合、減少され得る。また、本明細書に記載された利益を与えるものであれば、当業者は、末端キャップ(18)は電気容量の末端ローディングを通じてアプリケーターの反射係数を減らし、開口(11)に近接して配置された組織に電力変換を増加させるということを理解する。Moller等により1998年1月13日付で登録された米国特許第5,708,445号には、ワイヤーの長さの末端付近に配置された電気容量のプレート(「top hat」)は、トップハットアンテナが更に長い簡単なワイヤーアンテナのようなアンテナ機能をするアンテナが最も効率的に、又は同等に電力を送出する周波数を減少させるということが示されている。Moller等は、図2でのように除去された周辺の位置に同軸ケーブルの反射係数を減少させるために電気容量プレートを使用することを示していない。図2で末端キャップ(18)は、アプリケーターを、例えば、足の指の爪に適当にマッチされた先を切った長さを有するようにしながら、アプリケーターの反射係数を減少させる。任意のロードをソースインピーダンスにマッチさせるため、他の機器と方法を使用することができ、本明細書の利益を与えるものであれば、通常の当業者に容易に明白になるだろう。
【0019】
図3は他の実施形態を示し、折られた末端キャップ(20)の電気容量は、並列に又は実際に平行に位置するよう、外部の導電体(10)の長軸で折ることにより増加する。当業者は本明細書に記載された利益を与えるものであれば、末端キャップの更に大きな電気容量がアプリケーターの反射係数を減少させ、図2に表示された末端キャップ(18)の直径を増加させず、図3にアプリケーターで増加した電気容量が得られるということを認めている。
【0020】
他の実施形態により、病原体は真菌類、例えば、Bold、HC等、Morphology of Plants and Fungi, 5th Ed(1987)にリストされた実例に挙げた真菌類などのカビである。一部の実施形態で病原体はバクテリアであってもよい。一部の実施形態で病原体は単細胞寄生菌(protozoa)であってもよく;一部の実施形態で病原体は多細胞寄生菌(helminthes, arthropods)であってもよい。皮膚の感染、角化組織を起こしまたはこれに寄与する付加的な病原体は、本明細書に記載された利益を与えるものであれば、通常の当業者により容易に認識されるだろう。
【0021】
一部の実施形態で、感染した角化組織は、爪組織、表皮の角質層、毛髪組織、足組織、角質組織又は歯牙である。特定の実施形態で、感染した角化組織は、例えば、人間、牛又は馬等の哺乳類の組織からである。特に好ましい実施形態で、角化組織は病原体により感染した人間の角化組織である。一つの特定の実施形態で、爪組織は人間の爪組織である。
【0022】
一部の実施形態で、電磁波エネルギーはマイクロ波エネルギー、赤外線エネルギー又はミリメートル波である。マイクロ波周波数帯域は、単に技術的熟練度で漠然と定義される。しかし、上記内容と異なって明確でなければ、ここに約15MHz〜30GHzの周波数範囲に関するものであり、より特別には約20MHz〜30GHz、更に特別には25MHz〜30GHzに定義される。しかし、上記範囲以外に他の周波数も排除されない。ここに使用されたように、ミリメートルは約30GHz〜3,000GHzの周波数を有するものと定義され、相応するそれぞれの波長(真空下)は、約10ミリメートル〜約0.1ミリメートルである。ここに使用されたように、赤外線エネルギーは約0.1ミクロン〜約0.7ミクロンの波長(真空下)を有するエネルギーとして定義され、反面、周波数に反比例する波長に対し、電磁波スペクトルの上記部分でエネルギーを定義するのが慣例である。
【0023】
一部の実施形態でアプリケーターは、ケーブル、例えば、同軸ケーブルを更に含む。一部の実施形態でアプリケーターは、ケーブル、例えば、同軸ケーブル及び電磁波エネルギー源を更に含む。特定の実施形態で電磁波エネルギー源は、マグネトロンと固状の振動器を構成する群から選択される。一部の実施形態で電磁波エネルギー源は、携帯するよう十分に小さくて軽い。図4はケーブル(32)に連結されたアプリケーター(30)を示し、ケーブル(32)は電磁波エネルギー源(34)に連結される。
【0024】
ここに開示された一部の実施形態は、臨床症状が存在しない場合、例えば、角化組織の感染を防ぐための予防治療として、角化組織に電磁波エネルギー源を加えることを含む。病原体が存在する場合、臨床症状が発現しなくとも、治療により殺菌される。本発明の方法の実施形態は、臨床症状の発現を防ぐために提供される。正確な治療周波数は、例えば、家族暦に基づいた感染の傾向、感染の過去病歴、関連感染の過去病歴、例えば、水虫、感染の増加した危険、等を含む多くの要素によって多様であり得る。特定例で、感染を防ぐための治療周期は、毎月、2週、1週又は1週当たり2〜3回、毎日等である。また、適当な治療周期は、本明細書に記載された利益を与えるものであれば、通常の当業者により容易に選択される。
【0025】
方法及び装置の一部の実施形態は、温かい液体又は他の手段で皮膚表面を加熱することにより、電磁波エネルギーで処理する前に感染した組織の近傍の組織に血流の刺激を含む。電磁波エネルギーで加熱する場合、非感染した組織により受ける熱線量を限定することが重要である。爪を加熱する場合、例えば爪床の真皮を避けるよう注意しなければならない。Moritz & Henriques(Moritz AR and Henriques FC, "Studies of thermal injury II: The relative importance of time and surface temperature in the causation of cutaneous burns" The American Journal of Pathology 23:695-720, 1947)には、皮膚温度が47.5−48.5℃と上昇する場合、人体に困難が発生するということが示されている。また、ここには、表皮の損傷なく、皮膚が51℃で2分間露出され、49℃で6分間露出された人体で充血が発生し、これらの反応は、熱的損傷の臨界値下として反応が定義されるということが示されている。皮膚組織の特定の高血流は、体温で毛細血管床への血液の連続的な移動が効率的な冷却メカニズムであるため、熱的損傷を防ぐ。また、Guyton and Hall(Guyton AC and Hall JE, Textbook of Medical Physiology p919(Philadelphia:1996))には、皮膚のかん流は、温度が増加することによって増加する温度の機能であるということが示されている。Song(Song CW, "Role of blood flow in hyperthermia", In:M Urano & EB Douple,eds.,Hyperthermia and Oncology, Vol.3:Interstitial Hyperthermia-Physics, Biology, and Clinical Aspects (Utrecht, the Netherlands:VSP BV, 1992))には、組織に血流が、組織温度が増加して4つ程度の要因により相当に増加し、かん流の最も大きな増加は組織温度が増加した30分程度後に発生し得るということが示されている。
【0026】
一部の実施形態で、ここに記載された方法は、反応性充血を含んだ段階を含み得、施行された低かん流の経時後に血流は、Guyton and Hallにより表示された介入前により高いレベルに増加する。実際に圧力は熱処理前に血流を抑制するためにつま先に圧力を印加することができ;また、血流を減少させるために手足を上げることができる。圧力の緩和又は高度の除去後にマイクロ波加熱経時中、向上した冷却を提供する。
【0027】
ここに開示された方法及び装置の一部の実施形態で、マイクロ波放射分析は、人体の表面下に電磁波エネルギーで加熱された組織の温度を測定するのに使用される。Ludeke and Kohler(Ludeke K.M. and Kohler J., Journal of Microwave Power 18(30):277-283, 1983)には、物体の天然電磁波放出はその温度と相関関係があり、これらの放出は、物体の表面下から来るということが示されている。この方法は、例えば、真菌類病原体により感染して治療中の爪板の表面下での温度を測定するのに使用され得る。この温度信号は、爪板下に爪床に好ましくない温度上昇を防ぐために使用され得るフィードバックループの部分を形成することができる。図5は放射分析機器(38)に連結されたアプリケーター(30)内部に放射分析レシーバー(36)を表示する。放射分析機器(38)に連結された放射分析レシーバー(36)は、組織(42)の温度を測定する。放射分析機器(38)は、電子式制御器(40)と電磁波エネルギー源(34)に連結され、次いで、ケーブル(32)とアプリケーター(30)に連結され得る。これらの連結された要素は、組織(42)で測定された温度に対して電磁波電力を制御するフィードバックループを形成する。
【0028】
特定の実施形態で、方法と機器は実際にマイクロ波エネルギーの吸収を防ぐため、非感染組織上に導電性マスクを配置することを含む。Ramo等(Fields and Waves in Communication Electronics, 3rd Ed.(New York, 1994))には、金属性表面は、完璧な導電体に接近し、従ってその表面で電場を反映するということが示されている。Kutner等により1993年9月28日付で登録された米国特許第5,248,478号には、殺菌するために使用された容器で接触レンズのマイクロ波加熱を防ぐため、金属保護膜又は反射鏡の用途が示されている。Kennedyにより2004年2月24日付で登録された米国特許第6,696,677号には、特定の食べ物からマイクロ波放射線を転換、即ち、マイクロ波料理の過程中、エネルギーを反射するため、金属箔からなるマイクロ波保護物の用途が示されている。一部の実施形態で、方法と装置は、実際にマイクロ波エネルギーの吸収を防ぐため、非感染した組織上に金属性塗装を配置することを含む。KutnerとKennedyは、選択された生体組織に電磁波エネルギーの吸収を実際に防ぐための導電性マスク又は反射鏡の用途は示していない。
【0029】
特定の実施例で、マイクロウェーブ放射線を吸収したり放散できる一つ以上の材料は、非感染した組織に配置し、これらの組織がマイクロ波エネルギーに露出されることを抑制したり、これらの組織に到達するマイクロ波エネルギーの量を減少させる。材料によりマイクロ波エネルギーの吸収は、一部の局部的な加熱を起こすが、このような加熱は、一般的に逆副作用を起こさない。物質を吸収する適当なマイクロ波エネルギーは、染料、フォーム、金属化されたり、されないテープ等が挙げられるが、これらに制限されない。物質を吸収する付加的な適当なマイクロウェーブは、本明細書に記載された利益を与えるものであれば、通常の当業者により容易に選択できる。
【0030】
特定の実施形態で、方法及び装置の例は、非経口、経口、局部又は一つ以上の他の薬物又は抗真菌剤:フルコナゾール、イトラコナゾール及びテルビナフィン等の治療剤の他の適当な投薬が挙げられる。Dahl(Dahl, O, "Interaction of heat and drugs in vitro and in vivo, Thermoradiotherapy and thermochemotherapy, Voll:Biology, Physiology, and Physics, Seegenschmiedt MH, Fessenden P, and Vernon CC, Eds.(Berlin:Springer-Verlag, 1995))には、癌治療法に使用される細胞毒性薬物は、熱治療により薬効を増加することができるということが示されている。特定の実施形態で、方法と装置は、携帯するのに十分に軽くて小さい電磁波エネルギー源とともに、一つ以上の適当な薬物又は治療剤の投薬が挙げられる。ここに記載された方法の利用は、本明細書に記載された利益を与えるものであれば、既存の治療法より更に低い投与量にしてどんな副作用も減少できるということが通常の当業者により認識される。例えば、ここに記載された方法と共に投与されたテルビナフィンの有効量は、テルビナフィン治療のみで要求されたテルビナフィンの有効量より、例えば、25%未満、50%未満又は75%未満(又はその間の範囲)であってもよい。一部の実施例で、ここに記載された治療方法は、存在する感染を殺菌する場合に免疫系を助け、感染菌を殺菌するために使用される治療剤の量を減らしあるいは全く治療剤を使用しない。
【0031】
一部の実施形態で、電磁波エネルギーの周波数を選択して所望の又は選択された値に浸透深さを減らす。例えば、爪板下にある組織は、爪板を超え相当に浸透されたエネルギーにより血流の冷却効果にもかかわらず、毒性温度まで加熱することができる。Croninにより2003年10月21日付で登録された米国特許第6,635,055には、8−12GHzでのマイクロ波放射線は、約5mmの厚さ組織の層にほぼ完璧に吸収される。更に低い周波数で、浸透深さが特に更に大きい。Ramo等は、例えば、脂肪以外の柔らかな組織で915MHz放射線の平面波の浸透深さは、約20mmであることを示している。このように、上記周波数のマイクロ波エネルギーの平面波は、厚い角化組織、例えば、蹄の治療に使用され得る。従って、浸透を制限するため、上述したように、更に高い周波数を使用することができる。
【0032】
一部の実施形態で、アプリケーターは、半波長より遥かに短い距離に離れた一つ以上の金属性導電体を含む。ここに使用されたように、「半分より遥かに短い」とは、波長の0.25倍より小さいか同じことである。非制限的な例で、マイクロ波エネルギーは、金属性導電体を近接又は接触して角化組織に連結することができる。組織へのマイクロ波エネルギーの浸透深さは、組織に接触した金属性導電体の間隔により調節することができる。即ち、浸透深さは、治療の解剖学的部位に適当な値に調節できる。Swicord and Davis(IEEE Trans. On Microwave Theory And Techniques, 29(11):1202-1208,1981)には、組織の近傍に非常に小さい金属性導電体は、更に短い距離を浸透するマイクロ波フィールドの周辺のパターンを作り、総距離が金属性導電体の間隔により決定される。ここに使用されたように、「非常に小さい」とは、半波長より遥かに小さい、例えば、1/4波長より遥かに小さいことを意味する。Swicord and Davishaveの学説は、例えば、角膜の後面上に内皮細胞を過熱せず、目の角膜を加熱するのに適用され成功している。Trembly and Keates(Trembly BS and Keates RH, IEEE Transactions on Biomedical Engineering 38(1):85-91,1991)には、この場合に、915MHzのマイクロ波エネルギーの浸透は、解剖学的構造に適当な数十ミリメートルに制限された。同一の方法は、表面と接触位置およびその近傍との間の狭い領域で、角化組織、例えば、爪の薄層を加熱するのに適当である。ここに使用されたように、「金属性導電体」とは、電流が容易に流す物質又は物体に関するものである。特定の実施形態で、金属性導電体は、銅、黄銅、銀、金、アルミニウム、ステンレススチール又は本明細書に記載された利益を有する当業者が使用する任意の他の物質からなり得る。
【0033】
特定の実施形態で、アプリケーターは、約2〜40個の金属性導電体を有する。一部の実施形態で、アプリケーターの金属性導電体は、約5〜40mmの長さと0.25mm〜2mmの幅を有する。一部の実施形態で、アプリケーターは、金属性導電体の間に約0.25mm〜2mmの間隔を有して、互いにかみ合うようにした構造を有する。一部の実施形態で、アプリケーターは、加熱される組織表面により定義された面に流す約0.25mm〜2mmの間隔を有する2つの導電体を有する。一部の実施形態で、上記アプリケーターは、約2mm〜40mmの直径の角の形状を有する一つの導電体を有する。一例として適当な金属性導電体は、例えば、Small Parts, Inc.(Miami Lakes, Florida)から得られる。ここに使用された「略」は、同一の値から更に低い値と更に高い値で20%の偏差を有するものである。例えば、数値の範囲は、約10〜20を与えられると、更に低い値は8〜12の範囲であり、更に高い値の範囲は16〜24である。非制限例として、非常に小さい金属性導電体の実際例は、爪の表面を覆うためにデザインされた互いにかみ合う構造である。
【0034】
特定の実施形態で、アプリケーターは、表面に接着するようにするため、接着剤を更に含む。適当な接着剤は本明細書に記載された利益を与えるものであれば、通常の当業者から容易に選択されるだろう。一部の実施形態で、金属性導電体及び基板は充分に薄膜であるため、せん断機等の機器を有する面で任意の形状で手入れする。一部の実施形態で、金属性導電体と基板は、充分に柔軟であるため、曲げられた解剖上の位置に順応するようにする。特定例でアプリケーターは、表面に接着力を提供するため、二重接着テープを有し得る。二重接着テープは、アプリケーターから容易に除去でき、新たな二重接着テープに代替され、アプリケーターを殺菌する必要なく、他の患者に同一なアプリケーターの利用を容易にすることができる。
【0035】
一部の実施形態で一つ以上の螺旋型コイルアンテナは、組織を加熱するために使用される。Ryan, TP "Comparison of six microwave antenna for hyperthermia treatment of cancer: SAR results for single antenna and array", International Journal of Radiation Oncology, Biology, and Physics 21:403-413,1991)には、螺旋型コイルアプリケーターは、従来のダイポールアンテナに比べ、アンテナから間隔を持ちエネルギー付与を急激に減少させる。Turner等により1990年11月6日付で登録された米国特許第4,967,765号には、尿道内の位置で前立腺を加熱するための螺旋型コイルアプリケーターの用途が示されている。Stauffer等により1989年5月2日付で登録された米国特許第4,825,880号には、人体内から癌組織を加熱するための螺旋型アプリケーターの用途が示されている。上記直接リストされた列挙には、病原体に感染した角化組織を加熱するための螺旋型コイルアンテナの利用は示されていない。
【0036】
一部の実施形態で、一つ以上の導電体は、螺旋型幾何を有する。一部の実施形態で、一つ以上の導電体はメンダリング幾何を有する。一部の実施形態で、導電体対は、ダイポール構造を有する。一部の実施形態で、アプリケーターの各導電体は、導波管と角を含む群から選択された幾何を有する。一部の実施形態で、放射能機器はホーンアンテナ、導波管アンテナ又は任意の他のアンテナ、又は本明細書に記載された利益を与える当業者が使用する放射能機器を含む。
【0037】
他の実施形態で、金属性導電体又は放射能機器は組織、例えば角質を囲んだ部分的に又は完璧に密閉されたチェンバーをマイクロ波オーブンの配列を形成し得る。例えば、電磁波エネルギーは、ケーブル又は導波管の入口を通じて中央空洞に提供できる。治療される蹄又は付属物は、アプリケーターに挿入でき、電磁波エネルギーが、治療するために供給される。
【0038】
下記実施例は、特定の好ましい実施形態を更に説明するために意図されるが、本発明の範囲を制限しない。
【0039】
図面は、スケールが必ずしも必要とされず、図面のある特性が下記に更に詳細に記載された説明的な様相と実施例をより理解させるために拡大され、変形され強調されたものが、本明細書に開示された利益を与えるものであれば、通常、当業者により認識されるだろう。
【0040】
特定の説明例と実施形態は、伴う図面を参照して後述される。
【実施例】
【0041】
実施例1:予備試験
2つの実施例が行われた。
1)Trichophyton speciesは、爪組織から分離し、従来の方法によりEmerson Hospital Mycology Labで確認した。真菌類はBBL Sab Dex Emmons dish(CM41, Oxoid Inc., Ogdensburg, NY)に置き、時間を変化させながら、2450MHzマイクロ波エネルギーに1100W(Panasonic Household Microwave Oven NN-S668BA)で露出させる。10秒以上露出時に成長が発見されなかった。
2)真菌類を含有する過ヨウ素酸シッフステイン(PAS)で以前に表示した爪を切ったものを、時間を変化しながら、2450MHzのマイクロ波エネルギーに、110Wで露出した。真菌類の分離は、フロラムフェニコール(0.05g/L)とシキロヘキシミド(5g/L)の有無により、BBL SabDex Emmons dish(CM41, Oxoid Inc., Ogdensburg, NY)上に室温で行われた。培養21日後、1分以上露出時、どんな成長も見られなかった。
【0042】
実施例2:致死量のマイクロ波エネルギーレベル測定
下記の方法を使用した。皮膚糸状菌は、臨床的に爪甲真菌症と診断された患者からの爪サンプルから得た。真菌類は顕微鏡によりPASステインを有するサンプルから確認され、クロラムフェニコールとシキロヘキシミドの有無により、Sabouraud'sブドウ糖寒天上で4週間培養し、Trichophyton spp.で真菌類を確認した。殺菌方法を使用し#11メスを使用して感染した爪から白色の角質破片を取り出して爪のサンプルを製造した。長さ4mmの爪の破片のサンプルを滅菌された2mm直径のプリウレタン管に置き、フェノール性の栓で密封した。51個のサンプルを作った。
【0043】
取り扱うバイアルは、デザインされたフレキシブルガラスバイアル容器内に入れてスロティッドライン内部に最大電場の位置のうちの一つに爪のサンプルを位置させる(Hewlett Packard Model 805C)。この装置は、外部導電体を共に形成する2個の垂直板の間の中央に固定された11mm直径の内部の導電体で構成される。電場は、外部と内部導電体との間で、ギャップ4.5mmの最近接位置で最も大きい。スロティッドラインは、開口回路にスロティッドラインの長軸に沿って正常波パターンを作る。電場の最大軸位置は、スロティッドラインに積分される電場探針で測定された。最大は、伝送線路理論により予想されたように、開口回路末端の点から半波長(164mm)と同様の距離で発見された。
【0044】
スロティッドラインは、6フィートのRG−214/Uケーブルを通じて915MHz発生器(American Microwave Technologies Model 1120)により駆動された。次いで、発生器は、二重方向性結合器(Narda Model 3020A)及び電力計(Hewlett Packard Model 435B)により測定された実際値と電力のセットポイントを比較した特別な目的の比例積分制御器で調節された。発生器はロード(Narda Model 369 BNF, 175 watt等級)で終わった循環器(Pamtech Model 1146)による反射力から保護された。バイアル1〜25に含有されたサンプルは、68Wの順方向電力で5分間加熱に露出した。バイアル26〜51のサンプルは対照群として使用された。
【0045】
サンプルは、Dermatophyte Test Medium(AcuDTM, Acuderm, Inc., Ft. Lauderdale, Fl.)に別々に接種された。これらは室温で培養した。試験媒体は2週間毎日、コロニー成長と色の変化を調査した。同時に、コロニー成長の有無により黄色から赤色に試験媒体が変化する場合、ポジティブ結果とした。色の変化のない場合はネガティブ結果とした。処理したサンプルのうち、14日後、1/25は目に見える皮膚糸状菌の存在を示した。対照群のサンプルのうち、14日後、13/25は目に見える皮膚糸状菌の存在を示した。DTM媒体上に色の変化がなく、注目されたコロニー成長はなかった。コロニー成長がなく、色の変化もなかった。資料のχ(カイ)二乗分析を実施した。0.05のアルファレベルを使用時に2つの治療条件の間で成長の大きさに相当な差があった。また、効果の大きさ(Cramer's V)が高い。30日にサンプルを再調査した。治療サンプルのうち新しい成長はなく、対照群のうち、2個の追加的なサンプルが成長を見せた。
【0046】
本実験の結果は、角質基板に皮膚糸状菌、Trichophyton spp.用致死量として上述したように、スロティッドライン装置にマイクロ波68Wを5分間照射した結果と一致する。実験の主要部は、Dermatophyte Test Mediumの色混合が、偽陽性の可能性のために疑わしいので、14日後に中断され、2%未満の培養液は色の変化を示すため、2週間が要求される。30日評価は、提供された致死量に比べ、かえって成長を遅延させるかの可否の疑問に回答するのに使用された。低い成長速度は、以前に記載された30%ポジティブ顕微鏡と一貫し、培養菌は、感染した爪からのサンプリング問題のために起こる。これは直径2mmのポリウレタン管により要求された特別に小さいサンプルの大きさのために上記実験で更に大きい可能性があった。
【0047】
実施例3:プロトタイプアプリケーターで致死量のマイクロ波エネルギーレベルの測定
マイクロ波アプリケーターが外部の導電体の一部が除去された同軸ケーブルからなるということを除いて、実施例2の方法を使用した。真菌類感染組織のバイアルを同軸ケーブルの導電体内部の近傍に置いた。5個のバイアルを、下記の各電力レベル、25W、40W、55Wで処理し、全ての場合の加熱時間は5分であった。11個の非処理バイアルを対照群として提供した。真菌類の成長は14日後、7〜11の対照群バイアルから観察された。処理されたバイアルでは、電力レベルに関係なく、真菌類の成長が観察されなかった。0.05のアルファレベル使用時に4つの処理条件の間で成長比率に相当な差があった。
【0048】
先で述べたように、本発明は分明な目的と理解のために詳細に説明し、上記記載された学識から当業者により、形態及び細部事項の各種変更、代替及び修正は、本発明と付加の請求項の実際の範囲から外れずに成し得る。
【0049】
ここに引用された登録特許、特許出願、及び参照文献はそれぞれ詳細で個別的に参照として含まれて示すように、同一の程度に参照してここに含む。ここに参照として引用された文献と本明細書の間が不一致の場合、後者が本発明の目的の効果を示す。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の様相の特定実施例によるアプリケーターの一例の分解図である。
【図2】本発明の様相の特定実施例による図1の組立てられたアプリケーターの斜視図である。
【図3】本発明の様相の特定実施例による図1のアプリケーターの他の実施形態の斜視図である。
【図4】本発明の様相の特定実施例によるアプリケーター、ケーブル、電磁波エネルギー源を含む実施形態の概略図である。
【図5】本発明の様相の特定実施例により治療された組織に温度を測定するために放射測定センサーを含む実施形態の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
角化組織を感染させる病原体を十分に殺菌するため、角化組織を約0.1mmより大きな波長を有する電磁波エネルギーの有効量に露出させる段階を含む病原体に感染した角化組織を治療する方法。
【請求項2】
前記病原体は真菌類であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記病原体はバクテリアであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記病原体は寄生菌であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記電磁波エネルギーの有効量は、約0.1mW/cm〜1000mW/cmの範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記マイクロ波エネルギーは、約15MHz〜10GHzの波動周波数を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記マイクロ波エネルギーは、約15MHz〜30GHzの波動周波数を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記電磁波エネルギーは、約10mm以上の波長を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記電磁波エネルギーは、約2.45GHzの波動周波数を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記感染した角化組織は、爪組織であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記爪組織は人間の爪組織であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記病原体は真菌類であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記角化組織は表皮組織の角質層であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記角化組織は毛髪であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記角化組織は角質組織であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
反応性充血により下部組織を冷却する段階を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項17】
マイクロ波エネルギー又はミリメートル波エネルギーの適用中に組織温度を測定する段階を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項18】
マイクロ波放射分析により組織温度を測定する段階を更に含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
角化組織を電磁波エネルギーに露出することは、患者の免疫系を刺激するように作用することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項20】
角化組織を電磁波エネルギーに露出することは、角化組織の近傍に血流を刺激する加熱工程により行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項21】
有効量の治療剤を投与する段階を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項22】
アプリケーターを使用する電磁波エネルギーに角化組織を露出する段階を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記アプリケーターと前記組織の間に導電性材料を配置し、前記組織での電磁波エネルギーの吸収を防ぐ段階を更に含むことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記アプリケーターと前記角化組織の間にエネルギー吸収性材料を配置し、電磁波エネルギーの吸収を低下させる段階を更に含むことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記角化組織を露出する段階は、病原体感染の臨床症状が表れる前に、角化組織に電磁波エネルギーを印加する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項26】
病原体に感染した角化組織に電磁波エネルギーを伝達するためのアプリケーターであって、前記アプリケーターは、外部の導電体の円周の一部のみを除去した同軸機器を含むアプリケーター。
【請求項27】
前記同軸機器の前記内部導電体は、末端キャップで終端していることを特徴とする請求項26に記載のアプリケーター。
【請求項28】
前記末端キャップの延長部分は、外部導電体と実質的に平行に配置されるように折り曲げられることを特徴とする請求項27に記載のアプリケーター。
【請求項29】
前記アプリケーターに結合されたケーブルと前記ケーブルに結合された電磁波エネルギー源を更に含むことを特徴とする請求項26に記載のアプリケーター。
【請求項30】
前記電磁波エネルギー源は、マグネトロンとソリッドステート振動器とからなる群から選択されることを特徴とする請求項29に記載のアプリケーター。
【請求項31】
波長より遥かに小さい間隔を置いて配置された1以上の金属性導電体を含み、湾曲した表面に合致することができる柔軟な基板を含む、病原体により感染した角化組織に電磁波エネルギーを伝達するアプリケーター。
【請求項32】
多数の金属性導電体を約2〜40個有することを特徴とする請求項31に記載のアプリケーター。
【請求項33】
前記金属性導電体は、約5mm〜40mmの長さを有することを特徴とする請求項31に記載のアプリケーター。
【請求項34】
前記金属性導電体は、約0.25mm〜2mmの幅を有することを特徴とする請求項31に記載のアプリケーター。
【請求項35】
前記導電体は互いにかみ合う構造を有することを特徴とする請求項31に記載のアプリケーター。
【請求項36】
前記基板は表面に接着させる接着剤を有することを特徴とする請求項31に記載のアプリケーター。
【請求項37】
前記金属性導電体と基板は、充分に薄膜であるため、任意の形状に整形可能であることを特徴とする請求項31に記載のアプリケーター。
【請求項38】
一つ以上の導電体は螺旋型構造を有することを特徴とする請求項31に記載のアプリケーター。
【請求項39】
前記導電体2つはダイポール構造を含むことを特徴とする請求項31に記載のアプリケーター。
【請求項40】
各導電体はウェーブガイド構造で配列されることを特徴とする請求項31に記載のアプリケーター。
【請求項41】
一つ以上の導電体は、蛇行構造で配列されることを特徴とする請求項31に記載のアプリケーター。
【請求項42】
一対の導電体は伝送線路構造で配列されることを特徴とする請求項31に記載のアプリケーター。
【請求項43】
一つ以上の導電体は螺旋型コイル構造で配列されることを特徴とする請求項31に記載のアプリケーター。
【請求項44】
前記互いにかみ合う構造は、金属性導電体間に約0.25mm〜2mmの間隔を有することを特徴とする請求項31に記載のアプリケーター。
【請求項45】
前記導電体2つは約0.25mm〜2mmの間隔を有し、蛇行形状を有することを特徴とする請求項31に記載のアプリケーター。
【請求項46】
前記アプリケーターは、約2mm〜40mmの直径を有し、角の形態を有する一つの導電体を有することを特徴とする請求項31に記載のアプリケーター。
【請求項47】
前記アプリケーターに結合されたケーブルと前記ケーブルに結合された電磁波エネルギー源を更に含むことを特徴とする請求項31に記載のアプリケーター。
【請求項48】
前記電磁波エネルギー源はマグネトロンとソリッドステート振動器からなる群から選択されることを特徴とする請求項31に記載のアプリケーター。
【請求項49】
角化組織に電磁波エネルギーの皮膚伝達のための開口又は窓を更に含むことを特徴とする請求項31に記載のアプリケーター。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2007−536987(P2007−536987A)
【公表日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−513118(P2007−513118)
【出願日】平成16年11月16日(2004.11.16)
【国際出願番号】PCT/US2004/038207
【国際公開番号】WO2005/110272
【国際公開日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(506377558)ウェイブレクス,インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】