説明

角度によって色が異なる多層変色顔料及びその製造方法

本発明は、従来既知の多層変色顔料の製造方法が複雑で、価格が高く、色の変化する範囲が狭い等の問題を解決する、角度によって色が異なる多層変色顔料及びその製造方法を提供する。本発明の変色顔料は、人工的に合成されたケイ酸塩薄片を基材とし、該ケイ酸塩薄片の表面を屈折率が1.8を超える金属酸化物層と屈折率が1.8未満である酸化物層で交互に被覆し、この被覆層は、少なくとも三層を有する層であるとともに、屈折率が1.8未満である酸化物層は、屈折率が1.8を超える二つの金属酸化物層の間に常に位置する。本発明の変色顔料を生産する方法は、湿式化学加水分解法を採用し、ケイ酸塩薄片の表面を高屈折率の酸化物層と低屈折率の酸化物層で交互に被覆する。本発明の変色顔料は、価格が低く、色の変色する範囲が広く、製造方法が簡単で、観察角度によって異なる強い干渉色を発する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変色顔料に関する。具体的には、観察角度によって異なる干渉色を発する変色顔料に関し、本発明は、この変色顔料の製造方法(又は生産方法)にも関する。
【背景技術】
【0002】
多層変色顔料は、観察角度によって二種又は複数種の強い干渉色の間で色が変化する。現在、この角度によって色が異なる顔料の多くは、基材の表面を、気相法、プラズマスパッタリング或いは湿式化学方法により金属酸化物と非金属酸化物で被覆し、多層が形成された構造を有する。基材によって、その顔料の製造方法も異なるが、いずれもプロセス的に複雑であり、価格が高く、色の変化する範囲が小さい等の問題がある。
【0003】
不透明な金属箔又は金属酸化物を基材とする多層変色顔料は、真空蒸着の方法を採用し、一定のメッシュ数の綱又は可溶膜に基材を形成し、さらに金属箔の一方の面、又は両面を金属酸化物で被覆し、この金属酸化物は、低屈折率と高屈折率の材料であり、これを交互に被覆し、その被覆層の光学厚さを制御することにより異なる色相変化と変色範囲を得、その後剥離脱落して得たものである。このプロセスは、高精度の設備、高純度の化学品を必要とし、高度のプロセス制御も必要とし、且つ生産量が小さいので、生産コストが高く、従って、それの大量生産への応用が制限され、又この顔料の色及び変化範囲は制御しにくい。
【0004】
アルミニウム粉又は人工的に合成された酸化鉄シート(該酸化鉄シートの製造は、高温高圧法を採用する)を基材とした多層変色顔料は、気相堆積法により基材の表面を低屈折率と高屈折率の金属酸化物で交互に被覆し、この金属酸化物は、有機金属化合物が不活性ガスにより沸騰床に取り込まれることにより、有機金属化合物を基材に付着させ、一定の温度で金属酸化物に分解させ、基材に堆積し、基材の表面に所望の厚さの被覆層を形成したものである。このプロセスには、基材が沸騰床内で効率的に分散しにくいという問題があり、計量を制御して加えることも困難であり、有機金属化合物を採用することにも環境保護の問題がある。この顔料の製造プロセスは、複雑であり、設備の要求が高く、基材の製造コストが高く、高いプロセス制御精度等を必要とするので、製品にも、価格が高く、汎用性が制限されるという問題がある。
【0005】
人工的に合成されたシリカを基材とした変色顔料(この基材は、一定の濃度の水ガラスを特製の設備で塗布して、それを乾燥し、剥離して製造したものである)は、湿式化学プロセスにより、可溶性無機金属化合物と可溶性非金属化合物を加水分解し、水和金属酸化物と非金属酸化物を生成し、基材に堆積させるとともに、基材を低屈折率の金属酸化物と高屈折率の金属酸化物で交互に被覆することもできる。このプロセスは、湿式化学方法であるので、所望の被覆層の光学的な厚さが操作及び制御しやすく、プロセスが簡単であり、大規模に生産しやすく、またシリカ基材の表面に高屈折率の金属酸化物で一層のみ被覆し、角度によって色が異なる効果を得ることもできるが、基材の厚さが1ミクロン未満であり、一般的に200〜500nmの範囲であり、これは、基材の製造に多大な困難をもたらし、基材の製造のコストが高く、産量が低く、該顔料にも、コストが高く、応用が広くないという問題がある。
【0006】
米国特許US6,692,561には、雲母を基材とした強色彩干渉色顔料が開示されている。該顔料は、雲母基材を第1層である低屈折率の金属酸化物層と、第2層である高屈折率の金属酸化物層とで被覆したものであり、酸化物層の厚さの最適値が提供されていないので、該発明は、実質的な問題を解決しなかったと認められる。かつ、テストデータによれば、該発明におけるテストは、固定された角度を採用している。該発明の色の変化範囲は非常に小さく、通常の変色顔料の範囲に属するので、角度によって色が異なるようにするという問題を解決しなかったことを見出す。
【0007】
基材上の酸化物被覆層の厚さは、非常に測定しにくく、一般的に、総顔料に占める被覆酸化物層の重量パーセントを測定すること、すなわち被覆率によって算出して得られる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、価格が低く、製造方法(又はプロセス)が簡単であり、観察角度によって異なる強い干渉色を呈する変色顔料を提供することを目的とする。
本発明は、更に上述の変色顔料の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の目的を実現するために、本発明の変色顔料は、人工的に合成されたケイ酸塩薄片を基材とし、該合成ケイ酸塩薄片の表面を屈折率が1.8を超える金属酸化物層と屈折率が1.8未満である酸化物層で交互に被覆し、この被覆層は、少なくとも三層有するものであるとともに、屈折率が1.8未満である酸化物層は、屈折率が1.8を超える二つの金属酸化物層の間に常に位置する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
前記合成ケイ酸塩薄片は、厚さが0.1〜10ミクロンであり、粒径が5〜1500ミクロンであるケイ酸カルシウムナトリウム薄片であり、厚さが1〜5ミクロンであり、粒径が30〜150ミクロンであるケイ酸カルシウムナトリウム薄片が好ましい。
【0011】
前記屈折率が1.8を超える金属酸化物層の被覆率は、1〜50%であり、3〜30%が好ましい。
前記屈折率が1.8未満である酸化物層の被覆率は、5〜80%であり、10〜60%が好ましい。
前記屈折率が1.8を超える金属酸化物は、TiO、SnO、Fe、Fe、CoO、Co、ZrO、Cr、或いはそれらの混合物、又は複合物である。
前記屈折率が1.8未満である酸化物は、SiO、Al、Al(OH)、B、或いはそれらの混合物、又は複合物である。
【0012】
本発明は、更に上述の変色顔料の製造方法を提供する。該方法は、
(1) 一定の規格の合成ケイ酸塩薄片を一定の量の脱イオン水に入れ、固体含有量が1〜20%の懸濁液になるまでに攪拌し分散し、この懸濁液を60〜90℃に加熱し、この懸濁液のpH値を2〜9に調整し、金属酸化物層の被覆率が1〜50%となるように可溶性無機金属塩の溶液を計量して加えるとともに、pH値を一定に維持し、溶液の注入が終了した後、定温で10〜30分間攪拌する工程と、
(2) 工程(1)における懸濁液のpH値を6〜14に調整し、更に酸化物層の被覆率が5〜80%となるように可溶性無機塩の溶液を計量して加えるとともに、この懸濁液のpH値を一定に維持し、溶液の注入が終了した後、定温で10〜30分間攪拌する工程と、
(3) 工程(2)における懸濁液のpHを2〜9に調整し、更に金属酸化物層の被覆率が1〜50%となるように可溶性無機金属塩の溶液を計量して加え、そのpH値を一定に維持し、溶液の注入が終了した後、定温で10〜30分間攪拌する工程と、
(4) 工程(3)における懸濁液を濾過し、脱イオン水で洗浄し、乾燥し、か焼し、ふるいを通す工程と、
を順次に含み、上述の工程(1)、(2)、(3)は、繰り返し、交互して行うことができ、前記可溶性無機金属塩の加水分解生成物の金属酸化物の屈折率は1.8を越え、かつ前記可溶性無機塩の加水分解生成物の酸化物の屈折率は1.8未満である。
【0013】
前記可溶性無機金属塩は、TiCl、TiOCl、SnCl、SnCl、FeCl、FeCl、CoCl、ZrOCl又はCrCl等から選択されるものである。
前記可溶性無機塩は、水ガラス、ケイ酸塩、AlCl、NaAlO又はホウ砂から選択されるものである。
前記工程(4)の乾燥温度は100〜150℃であり、か焼温度は250〜1000℃である。
【0014】
本発明の角度によって色が異なる多層変色顔料は、以下の長所がある。
本発明の顔料は、人工的に合成されたケイ酸塩薄片を採用して基材とし、材料を獲得することが容易で、低価格であり、不透明な金属箔又は金属酸化物、合成シリカ、有機珪素液晶片を基材とする場合に比べ、非常に低価格であり、顔料の価格を大きく下げ、その応用範囲を広げることになる。
【0015】
本発明の顔料は、合成ケイ酸塩薄片の表面を一定の厚さの高屈折率の金属酸化物で被覆し、ケイ酸塩薄片の表面の活性基を均一に分布させ、一貫(又は一致)した光学的性質を達成し、更に所望の厚さまで低屈折率の酸化物層で直接に被覆し、更に他の高屈折率の金属酸化物で被覆し、観察角度によって異なる干渉色を発する効果が得られる。
【0016】
本発明の顔料の基材は、合成ケイ酸塩薄片であり、合成ケイ酸塩薄片は、単層構造であり、その上に光が照射されると、光線の屈折の回数が雲母を基材とする顔料より遥かに少なく、反射強度は、遥かに大きく、合成ケイ酸塩薄片は、全体的に表される色の鮮やかさと明るさが、雲母を基材とする顔料より遥かに高い。
【0017】
本発明の方法は、湿式化学加水分解法(又はプロセス)を採用し、合成ケイ酸塩薄片の表面を高屈折率の酸化物層と低屈折率の酸化物層で交互に被覆し、この交互被覆は複数回でもよく、一回でもよいので、十分な融軟性があるので、複数種の色調と異なる変色領域を製造することができるので、この変色領域は、二色、三色又はそれより多い色変化でもよく、ひいては全ての色相領域を含むことができる。加水分解の被覆過程においては、無機塩溶液の量の制御により被覆金属酸化物の被覆率を制御し、その光学的厚さを制御し、顔料の色相変化の制御を達成する。
【0018】
本発明の方法によれば、操作が簡単で、製品の品質を制御しやすく、製品の品質が安定である。なお、湿式化学加水分解被覆法(又はプロセス)を採用したので、大規模の工業的生産を実現することができ、可溶性の無機金属化合物が加水分解反応した後の生成物を採用しているので、環境問題がほとんどなく、処理が簡単である。
【実施例1】
【0019】
Fe/SiO/Fe/ケイ酸塩薄片/Fe/SiO/Feの構造を有する顔料を例とする。
厚さが1〜5ミクロンで、粒径が30〜150ミクロンであるケイ酸カルシウムナトリウムケイ酸塩薄片粉100gを用意し、1000mLの脱イオン水に懸濁させ、攪拌し、75℃に加熱した。
懸濁液のpH値を18%の塩酸で3.5に調整し、更に200mLの10%の塩化第二鉄溶液を計量して加え、この過程において、懸濁液のpH値は、15%の水酸化ナトリウム溶液を一滴ずつ加えることにより一定に維持し、溶液の注入が終了した後、定温で15分間攪拌し続けた。
32%の水酸化ナトリウム溶液で懸濁液のpHを9.5に調整し、更に15分間攪拌した。
3Lのケイ酸ナトリウム溶液(13g/LのSiO)を計量しながら滴下して加え、この過程において、15%の塩酸を滴下して加えることによりそのpHを一定に維持し、溶液の注入が終了した後、更に定温で30分間攪拌した。
18%の塩酸で溶液懸濁液のpHを3.5に調整し、定温で30分間攪拌し、更に濃度が120g/Lの塩化第二鉄溶液70mLを滴下して加え、その加える過程において、懸濁液のpH値を、濃度が15%である水酸化ナトリウム溶液を加えることにより一定に維持し、溶液の注入が終了した後、さらに定温で15分間攪拌した。
懸濁液を濾過し、濾過した後の生成物を、脱イオン水で洗浄し、120℃で乾燥し、500℃でか焼し、100メッシュのふるいを通して、生成物(又は生産物)を得た。
得られた生成物の総酸化物の被覆率は、35.9%であり、その中で、第1層である三酸化二鉄被覆率は、7.6%であり、第2層であるシリカ被覆率は、25.7%であり、第3層である三酸化二鉄被覆率は、2.65%であった。
得られた生成物と硝酸セルロースから製造された無色の接着剤を一定の割合で混合し、白黒ベースの試料紙上にこそぎのばし、垂直から水平にかけて観察すると、示された色彩値は、赤紫色―黄緑色の色彩に変動するものであった。
【実施例2】
【0020】
Fe/SiO/Fe/ケイ酸塩薄片/Fe/SiO/Feの構造を有する顔料を例とする。
厚さが1〜5ミクロンで、粒径が10〜60ミクロンであるケイ酸カルシウムナトリウムケイ酸塩薄片粉100gを用意し、1000mLの脱イオン水に懸濁させ、攪拌し、75℃に加熱した。
懸濁液のpH値を18%の塩酸で3.5に調整し、300mLの10%の塩化第二鉄溶液を計量しながら加え、この過程において、懸濁液のpH値を、15%の水酸化ナトリウム溶液を滴下して加えることにより一定に維持し、溶液の注入が終了した後、定温で15分間攪拌し続けた。
32%の水酸化ナトリウム溶液で懸濁液のpHを9.5に調整し、更に15分間攪拌する。
4Lのケイ酸ナトリウム溶液(13g/LのSiO)を計量しながら滴下して加え、この過程において、15%の塩酸を滴下して加えることによりpHを一定に維持し、溶液の注入が終了した後、更に定温で30分間攪拌した。
18%の塩酸溶液で懸濁液のpHを3.5に調整し、定温で30分間攪拌し、更に濃度が120g/Lの塩化第二鉄溶液70mLを滴下して加え、その加える過程において、懸濁液のpH値を、濃度が15%である水酸化ナトリウム溶液を加えることにより一定に維持し、溶液の注入が終了した後、さらに定温で15分間攪拌した。
懸濁液を濾過し、濾過した後の生成物を、脱イオン水で洗浄し、120℃で乾燥し、500℃でか焼し、200メッシュのふるいを通して、生成物を得た。
得られた生成物の総酸化物被覆率は、41.25%であり、その中で、第1層である三酸化二鉄被覆率は、8.68%であり、第2層であるシリカ被覆率は、30.55%であり、第3層である三酸化二鉄二鉄被覆率は、2.04%であった。
得られた生成物と硝酸セルロースから製造された無色の接着剤を一定の割合で混合し、白黒ベースの試料紙にこそぎのばし、垂直から水平にかけて観察すると、示された色彩値は、赤紫色―黄緑色の色彩に変動するものであった。
上述の高屈折率の金属酸化物と低屈折率の金属酸化物の被覆は、交互に繰り返して行い、異なる構造、例えば、Fe/SiO/Fe/SiO/Fe/SiO/Fe/ケイ酸塩薄片/Fe/SiO/Fe/SiO/Fe/SiO/Fe/或いはTiO/Fe/SiO/Fe/TiO/ケイ酸塩薄片/TiO/Fe/SiO/Fe/TiOを形成することができ、このようにして複数種の色調と異なる変色領域の顔料が調製された。
【0021】
上述の実施例は、本発明の角度によって色が異なる多層変色顔料及びその製造方法を例を挙げて説明したにとどまり、これらの実施例は、本発明の保護範囲を制限するものではなく、本発明の技術的思想から遺脱しない同様の効果を有する実施形態及び変更は、全て本発明の範囲に含まれなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
変色顔料であって人工的に合成されたケイ酸塩薄片を基材とし、該合成ケイ酸塩薄片の表面を、屈折率が1.8を超える金属酸化物層と屈折率が1.8未満である酸化物層で交互に被覆し、この被覆層が、少なくとも三層を有する層であるとともに、屈折率が1.8未満である酸化物層が、屈折率が1.8を超える二つの金属酸化物層の間に常に位置することを特徴とする角度によって色が異なる多層変色顔料。
【請求項2】
前記合成ケイ酸塩薄片が、厚さが0.1〜10ミクロンであり、粒径が5〜1500ミクロンである合成ケイ酸カルシウムナトリウム薄片であることを特徴とする請求項1に記載の角度によって色が異なる変色顔料。
【請求項3】
前記屈折率が1.8を超える金属酸化物層の被覆率が、1〜50%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の角度によって色が異なる変色顔料。
【請求項4】
前記屈折率が1.8未満である酸化物層の被覆率が、5〜80%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の角度によって色が異なる変色顔料。
【請求項5】
前記屈折率が1.8を超える金属酸化物層の被覆率が、3〜30%であることを特徴とする請求項3に記載の角度によって色が異なる変色顔料。
【請求項6】
前記屈折率が1.8未満である酸化物層の被覆率が、10〜60%であることを特徴とする請求項4に記載の角度によって色が異なる変色顔料。
【請求項7】
前記屈折率が1.8を超える金属酸化物が、TiO、SnO、Fe、Fe、CoO、Co、ZrO、Cr、或いはそれらの混合物、又は複合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の角度によって色が異なる変色顔料。
【請求項8】
前記屈折率が1.8未満である酸化物が、SiO、Al、Al(OH)、B、或いはそれらの混合物、又は複合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の角度によって色が異なる変色顔料。
【請求項9】
(1) 一定の規格の人工的合成ケイ酸塩薄片を一定の量の脱イオン水に入れ、固体含有量が1〜20%の懸濁液になるまで攪拌し分散し、この懸濁液を60〜90℃に加熱し、この懸濁液のpH値を2〜9に調整し、金属酸化物層の被覆率が1〜50%となるように可溶性無機金属塩の溶液を計量して加えるとともに、pH値を一定に維持し、溶液の注入が終了した後、定温で10〜30分間攪拌する工程と、
(2) 工程(1)における懸濁液のpH値を6〜14に調整し、更に酸化物層の被覆率が5〜80%となるように可溶性無機塩の溶液を計量して加えるとともに、この懸濁液のpH値を一定に維持し、溶液の注入が終了した後、定温で10〜30分間攪拌する工程と、
(3) 工程(2)における懸濁液のpHを2〜9に調整し、更に金属酸化物層の被覆率が1〜50%となるように可溶性無機金属塩の溶液を計量して加えるとともに、pH値を一定に維持し、溶液の注入が終了した後、定温で10〜30分間攪拌する工程と、
(4) 工程(3)の懸濁液を濾過し、脱イオン水で洗浄し、乾燥、か焼し、ふるいを通す工程と、
を順次に含み、上述の工程(1)、(2)、(3)は、繰り返し、交互に行うことができ、前記可溶性無機金属塩の加水分解生成物の金属酸化物の屈折率は1.8を越え、前記可溶性無機塩の加水分解生成物の酸化物の屈折率は1.8未満である、請求項1に記載の変色顔料の製造方法。
【請求項10】
前記合成ケイ酸塩薄片が、厚さが0.1〜10ミクロンであり、粒径が5〜1500ミクロンである合成ケイ酸カルシウムナトリウム薄片であることを特徴とする請求項9に記載の製造方法。
【請求項11】
前記可溶性無機金属塩が、TiCl、TiOCl、SnCl、SnCl、FeCl、FeCl、CoCl、ZrOCl又はCrClから選択されるものであることを特徴とする請求項9又は10に記載の製造方法。
【請求項12】
前記可溶性無機塩が、水ガラス、ケイ酸塩、AlCl、NaAlO又はホウ砂から選択されるものであることを特徴とする請求項9又は10に記載の製造方法。
【請求項13】
前記工程(4)の乾燥温度が100〜150℃であり、か焼温度が250〜1000℃であることを特徴とする請求項9又は10に記載の製造方法。

【公表番号】特表2008−509068(P2008−509068A)
【公表日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−525148(P2007−525148)
【出願日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【国際出願番号】PCT/CN2005/000828
【国際公開番号】WO2006/015530
【国際公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(507045362)汕頭市龍華珠光顔料有限公司 (2)
【Fターム(参考)】