説明

角度を有して配向されるキー表面を有している結合器

機械的パイプ結合器は、中央スペースを取り囲む、端と端をつながれて取り付けられたセグメントから形成される。各セグメントは、中央スペースの方に突出する弓形のキーを有している。各キーは、1対の側部表面と、1対の側部表面の間の中間表面とから形成される。中間表面は、セグメントを含む面に垂直な長手方向軸に対して、角度を有して配向される。溝を有しているパイプ要素を結合するために用いられた場合、中間表面の角度の配向は、柔軟性を継手に提供する。パイプ要素を端と端をつないで接合する方法も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、端と端をつないだ関係にパイプ要素を柔軟につなぐ機械的結合器に関する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
機械的パイプ結合器は、パイプ要素を端と端をつないで接合する、他の技術よりも様々な利点を提供する。例えば、機械的パイプ結合器は、溶接された継手よりも据え付けが安価である。溶接された継手は、熟練された溶接工と、裸火またはアークの使用(これは、全ての環境において、実用的または安全というわけではない)とを必要とする。機械的結合器は、実質的に剛体である溶接された継手とは異なり、ある程度の柔軟性を継手に生むようにも設計され得る。配管ネットワークの設計および組み立てを容易にし、より大きな寸法および角度公差を許容するので、柔軟性が望ましい。柔軟性は、様々な継手の流体密な統一性を妥協することなく、温度変化の際のより大きな膨張および収縮も許容する。標準的な溝パイプと共に使用可能であり、継手の流体密な統一性を妥協することなく、パイプ要素の角度の柔軟性を提供する機械的パイプ結合器を有することが有利である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
(概要)
発明は、パイプ要素を端と端をつないだ関係に一緒に接合する結合器に関する。一実施形態において、結合器は、中央スペースを取り囲む、端と端をつないで取り付けられた複数のセグメントを含む。セグメントは、ファスナーのような、調節可能に締めることが可能な接続部材によって互いに接合される。セグメントのうちの少なくとも1つは、セグメントに沿って延在する弓形のキーを含む。キーは、中央スペースの方に内側方向に突出する。キーは、2つの反対に配置された側部表面と、側部表面の間に位置決めされた第一の中間表面とを含む。第一の中間表面は、中央スペースの方に、放射状に内側方向に向き、セグメントを含む面に垂直に配向された軸に対して、角度を有して配向される。第一の中間表面の一部は、パイプ要素が中央スペース内に位置決めされた場合、パイプ要素のうちの1つの外面と係合可能である。
【0004】
発明の一実施形態において、第一の中間表面は、第一の中間表面と軸との間の距離が、中央スペースから離れる方向に軸に沿って増加する距離と共に増加するように配向される。別の実施形態において、第一の中間表面は、第一の中間表面と軸との間の距離が、中央スペースの方に向かう方向に軸に沿って増加する距離と共に増加するように配向される。第一の中間表面は、約1°から約5°の間の配向角度を有し得る。第一の中間表面は、約3°の配向角度を有し得る。
【0005】
別の実施形態において、キーは、第一の中間表面と接触して位置決めされた第二の中間表面をさらに含む。第二の中間表面は、中央スペースの方に、放射状に内側方向に突出する。第二の中間表面は、上述の軸に対して、角度を有して配向される。第二の中間表面は、パイプ要素が中央スペース内に位置決めされた場合、パイプ要素のうちの1つの外面と係合可能である。
【0006】
第二の中間表面は、第一の中間表面の傾斜とは反対の傾斜である配向角度を有し得る。第二の中間表面は、第二の中間表面と軸との間の距離が、中央スペースから離れる方向に軸に沿って増加する距離と共に増加するように配向され得る。別の実施形態において、第二の中間表面は、第二の中間表面と軸との間の距離が、中央スペースの方に向かう方向に軸に沿って増加する距離と共に増加するように配向される。第二の中間表面は、約1°から約5°の間の配向角度を有し得る。第二の中間表面は、約3°の配向角度を有し得る。
【0007】
代替の実施形態において、発明に従う結合器は、中央スペースを取り囲む、端と端をつないで取り付けられた複数のセグメントを含む。セグメントは、ファスナーのような、調節可能に締めることが可能な接続部材によって、互いに接合される。セグメントの各々は、セグメントの各々に沿って延在する1対の弓形のキーを有している。キーは、中央スペースの方に、放射状に内側方向に突出する。各対のキーは、互いに離間された関係にある。キーの各々は、2つの反対に配置された側部表面と第一の中間表面とを含む。第一の中間表面の各々は、セグメントを含む面に垂直に配向された軸に対して、角度を有して配向される。第一の中間表面の各々の一部は、パイプ要素が中央スペース内に位置決めされた場合、パイプ要素の外面と係合可能である。
【0008】
別の実施形態において、キーの各々は、第一の中間表面と接触して位置決めされた第二の中間表面をさらに含む。第二の中間表面は、軸に対して、角度を有して配向される。第二の中間表面は、パイプ要素が中央スペース内に位置決めされた場合、パイプ要素のうちの1つの外面と係合可能である。
【0009】
第二の中間表面の各々は、第二の中間表面が接触している第一の中間表面の傾斜とは傾斜が反対である配向角度を有し得る。一実施形態において、第二の中間表面の各々は、第二の中間表面の各々と軸との間の距離が、中央スペースから離れる方向に軸に沿って増加する距離と共に増加するように配向される。別の実施形態において、第二の中間表面の各々は、第二の中間表面の各々と軸との間の距離が、中央スペースの方に向かう方向に軸に沿って増加する距離と共に増加するように配向される。
【0010】
結合器は、別のセグメントに1つの結合器のセグメントを調節可能に接続する、セグメントの各々の反対の端に位置決めされた接続部材をさらに含み得る。接続部材は、第一の中間表面を引いてパイプ要素の外面と係合させるために、調節可能に締めることが可能である。第一の中間表面は、180°未満の角度に対して限定し、パイプ要素の外面の湾曲の半径よりも大きい湾曲の最小半径を有している。セグメントの各々は、第一の中間表面の各々の一部の湾曲をパイプ要素の外面に実質的に一致させるように接続部材を調節可能に締める際、変形可能である。
【0011】
発明は、端と端をつないだ関係にパイプ要素を接合する方法も包含する。方法は、
(a)複数の調節可能に締めることが可能なファスナーによって、端と端をつないで接合された複数のセグメントから形成される結合器を提供することであって、セグメントは、中央スペースを取り囲み、セグメントのうちの少なくとも1つは、弓形のキーを含み、弓形のキーは、セグメントに沿って延在し、中央スペースの方に内側方向に突出し、キーは、2つの反対に配置された側部表面と、側部表面との間に位置決めされた第一の中間表面とを含み、第一の中間表面は、中央スペースの方に、放射状に内側方向に向き、第一の中間表面は、セグメントを含む面に垂直に配向された軸に対して、角度を有して配向される、ことと、
(b)パイプ要素を結合器の反対側から中央スペースの中に挿入することと、
(c)セグメントを互いの方に引くことによって、第一の中間表面の一部をパイプ要素のうちの少なくとも1つの外面と係合させるように、ファスナーを締めることとを含む。
【0012】
発明は、組合わせにおいて、1対のパイプ要素と、端と端をつないだ関係にパイプ要素を一緒に接合する結合器とをさらに含む。パイプ要素の各々は、各端に隣接して設けられた円周の溝を有している。溝の各々は、1対の反対に配置された側面および底を含む。結合器は、中央スペースを取り囲む、互いに端と端をつないで取り付けられた複数のセグメントを含む。セグメントのうちの少なくとも1つは、セグメントに沿って延在する弓形のキーを含む。キーは、中央スペースの方に内側方向に突出する。キーは、2つの反対に配置された側部表面と、側部表面の間に位置決めされた第一の中間表面とを含む。第一の中間表面は、中央スペースの方に、放射状に内側方向に向く。第一の中間表面は、溝の底に対して、角度を有して配向される。第一の中間表面の一部は、パイプ要素が中央スペース内に位置決めされた場合、底と係合可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、発明に従う結合器の等角図である。
【図2】図2は、図1の線2−2で取られた断面図である。
【図3】図3は、図2の円3から取った詳細な部分的断面図であり、拡大されて示される。
【図3a】図3a、図3b、図4、図4a、図4b、図5、図5aおよび図5bは、発明に従う結合器のさらなる実施形態の部分的断面図を示す。
【図3b】図3a、図3b、図4、図4a、図4b、図5、図5aおよび図5bは、発明に従う結合器のさらなる実施形態の部分的断面図を示す。
【図4】図3a、図3b、図4、図4a、図4b、図5、図5aおよび図5bは、発明に従う結合器のさらなる実施形態の部分的断面図を示す。
【図4a】図3a、図3b、図4、図4a、図4b、図5、図5aおよび図5bは、発明に従う結合器のさらなる実施形態の部分的断面図を示す。
【図4b】図3a、図3b、図4、図4a、図4b、図5、図5aおよび図5bは、発明に従う結合器のさらなる実施形態の部分的断面図を示す。
【図5】図3a、図3b、図4、図4a、図4b、図5、図5aおよび図5bは、発明に従う結合器のさらなる実施形態の部分的断面図を示す。
【図5a】図3a、図3b、図4、図4a、図4b、図5、図5aおよび図5bは、発明に従う結合器のさらなる実施形態の部分的断面図を示す。
【図5b】図3a、図3b、図4、図4a、図4b、図5、図5aおよび図5bは、発明に従う結合器のさらなる実施形態の部分的断面図を示す。
【図6】図6および図7は、発明に従う結合器を用いたパイプ継手の組み立てを例示する、長手方向の断面図である。
【図7】図6および図7は、発明に従う結合器を用いたパイプ継手の組み立てを例示する、長手方向の断面図である。
【図8】図8は、図7の円8から取った詳細な断面図であり、拡大されて示される。
【図9】図9は、発明に従う結合器の柔軟性を例示する長手方向の断面図である。
【図10】図10および図11は、パイプ要素と、ぞれぞれ係合された図4および図5の実施形態を示す部分的断面図である。
【図11】図10および図11は、パイプ要素と、ぞれぞれ係合された図4および図5の実施形態を示す部分的断面図である。
【図12】図12および図13は、発明に従う変形可能な結合器の断面図である。
【図13】図12および図13は、発明に従う変形可能な結合器の断面図である。
【図14】図14は、図13の線14−14で取られた断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施形態の詳細な説明)
図1は、発明に従う結合器10の等角図を示す。結合器10は、複数のセグメント12を含む。この例には、2つのセグメントが用いられ、ある直径を超えるパイプ要素を接合するために、3つ以上のセグメントもしばしば用いられることを理解されたい。各セグメント12は、ダクタイル鋳鉄から鋳造されるが、代替的に、金属ビレットから機械加工され得るか、またはプラスチック樹脂から成形され得る。
【0015】
セグメント12は、凹所16を規定する弓形のハウジング14を有している。凹所16は、リングシール18(図1には、明確にするために示されておらず、図6および図7を参照されたい)を受け取る。リングシール18は、接合されるパイプ要素を係合することによって、流体密な継手を作る。シール18は、EPDMのようなエラストマーから形成され、柔軟および弾性であり、パイプ要素の凹凸に適合し、継手を密閉する。2つのラグ20がセグメント12の反対の端でハウジング14に取り付けられる。ラグは、ファスナー(この場合、ボルト22およびナット24)を受け取る開口部を有している。ファスナーは、調節可能に締めることが可能であり、下記に説明されるように、セグメントを互いの方に引く。
【0016】
結合器10は、図1に示されるファスナーを用いて、セグメント12を端と端をつないだ関係に接合することによって形成される。組み立てられた場合、結合器は、中央スペース26を規定し、取り囲む。基準面28は、セグメント12を含む面として規定され得る。基準軸30も、実質的に垂直に面28に延在する軸として規定され得る。軸30を中央スペース26の中心に位置決めすることが有利である。軸は、結合器によって接合されるパイプ要素の長手方向軸と同軸である。
【0017】
図1および図2を比較することによって、最もよく示されるが、各セグメント12は、少なくとも1つ、しかし好ましくは1対のキー32を含む。各対のキー32は、各セグメント12上で離間された関係にある。キー32は、中央スペース26の方に、放射状に内側方向に突出し、ハウジング14に沿って、セグメント12の端間を延在する。図2に最もよく示されるが、各キー32は、反対に配置された側部表面34および36と、側部表面間に位置決めされた中間表面38とを含む。中間表面38は、中央スペース26の方に、放射状に内側方向に向いており、図3に示されるように、軸30に対して、角度を有して配向される。実際の設計として、配向角度40は、約1°から約5°の間で変動し、約3°の配向角度40が有利である。
【0018】
図2に示されるが、矢印44によって示される中央スペース26から離れる方向に軸30に沿って増加する距離と共に、中間表面と軸30との間の距離42が増加するように、中間表面38は配向される。このことは、距離42と42aとを比較することによって見られ得る。距離42aは、中央スペース26から矢印44の方向に、より遠く離れ、距離42よりも長い。
【0019】
図4に示される別の実施形態において、矢印44によって示される中央スペース26の方に向かう方向に軸30に沿って増加する距離と共に、中間表面と軸30との間の距離42が増加するように中間表面38は配向される。このことは、距離42と42aとを比較することによって、図4に見られ得る。距離42aは、矢印44の方向に中央スペース26の方に近づき、距離42よりも長い。図2に示される実施形態に類似して、中間表面38は、中央スペース26の方に、放射状に内側方向に向いており、図4に示されるように、中間表面は、軸30に対して、角度を有して配向される。この実施形態において、配向角度41の傾斜は、図3に示される配向角度40の傾斜とは反対である。実際の設計として、配向角度41は、約1°から約5°の間で変動し、約3°の配向角度41が有利である。
【0020】
図5に示されるさらに別の実施形態において、各キー32は、第一と名付けられた中間表面38と接触して配列された第二の中間表面46を有している。第一の中間表面と同様に、第二の中間表面46は、軸30に対して、角度を有して配向される。第二の中間表面も約1°から約5°の間の配向角度48を有し得る。中央スペースから離れて増加する距離、または中央スペースの方に向かい増加する距離と共に、第二の中間表面46から軸30までの距離50は増加し得る。後者は、図5に例示される。図5に示される例において、第二の中間表面46の傾斜は、第一の中間表面38の傾斜とは反対である。傾斜が反対ということは、符号が反対ということを意味しており、第一の中間表面38の配向角度40は、傾斜の符号が反対である第二の中間表面46の配向角度48とは異なり得るので、傾斜が必ずしも同じということを意味しない。
【0021】
中間表面または表面38および46は、図2〜図5に示されるような矢印44の方向に平面である必要はないが、この方向に凸または凹の湾曲を有し得る。図3aは、凸の湾曲を有している中間表面38を示す。表面の凸の曲線39は、断面において最もよく見られ、端点43および45を有している。凸状に屈曲された中間表面38の配向角度40は、端点43および45を通過する弦の線47と、軸30に平行な線との間で測定される。図4aは、同様に、図3aの傾斜とは傾斜が反対である凸状に屈曲された中間表面38を示す。配向角度41は、再び、(表面の曲線39の端点43および45を通過する)弦の線47と、軸30に平行な線との間で測定される。図5aは、(各々、それぞれの弦の線47および51と、軸30に平行な線との間で測定される)それぞれの配向角度40および48を有している、2つの接触している凸状に屈曲された中間表面38および46を有している実施形態を示す。弦の線47は、曲線39の端点43および45を通過し、弦の線51は、曲線55の端点43および53を通過する。
【0022】
図3bに示される代替の実施形態において、中間表面38は、凹の湾曲を有している。表面の凹の曲線57は、断面において最もよく見られ、端点59および61を有している。凸状に屈曲された中間表面38の配向角度40は、(端点59および61を通過する)弦の線63と、軸30に平行な線との間で測定される。図4bは、同様に、図3bの傾斜とは反対の傾斜を有している凹状に屈曲された中間表面38を示す。配向角度41は、再び、(表面の曲線57の端点59および61を通過する)弦の線63と、軸30に平行な線との間で測定される。図5bは、(各々、それぞれの弦の線63および65と、軸30に平行な線との間で測定される)それぞれの配向角度40および48を有している、2つの接触している凹状に屈曲された中間表面38および46を有している実施形態を示す。弦の線63は、曲線57の端点59および61を通過し、弦の線65は、曲線69の端点59および67を通過する。
【0023】
図6および図7は、発明に従う、端と端をつないだ関係にパイプ要素52および54を接合する方法を例示する。結合器10は、離間した関係(図1を参照されたい)にあるセグメント12と、ゆるくファスナー締めされただけのボルト22とを提供される。パイプ要素52が中央スペース26の中に挿入され、そこで、シール18を係合する。次に、パイプ要素54が、矢印56によって示されるような反対の方向から中央スペース26の中に挿入される。パイプ要素が挿入され、シール18と係合する。次いで、ボルト22が締められ、セグメント12が互いの方に引かれ、キー32を図7に示されるようなパイプ要素52および54の外面と係合させる。パイプ要素の外面は、キー32を受け取る円周の溝58および60を有している。溝を形成する表面もパイプ要素の外面の一部として考えられることに注意されたい。図8に最もよく示されるが、溝60は、反対に配置された側面62および64と底66とを有している。(溝58も同様に説明され得る。)この実施形態において、底66は、パイプの外面68の残りに実質的に平行である。シール18は、また、セグメントとパイプの外面との間の凹所16内に圧縮され、流体密な継手を確実にする役目を務める。
【0024】
図8に示されるように、中間表面38の角度の配向は、底66と中間表面との間に、すき間70が形成されることを可能にする。このすき間は、キーの周りを円周状に延在し、中央スペース26からの増加する距離と共に増加し、結合器とパイプ要素との間に柔軟性を提供することによって、大きな応力を結合器に課すことなく、パイプ要素52および54(図9を参照されたい)の相対的なゆがみを許容する。さらに、中間表面38の角度の配向は、はじめに角度を有して配向されたパイプの直線化を有意に導くものではない。
【0025】
図4および図10に示される結合器の実施形態によっても、パイプ要素と結合器との間の類似の柔軟性が付与される。図4および図10においては、中間表面38が角度を有して配向されることによって、中央スペース26の方に向かい、増加する距離と共に増加する中間表面と底66との間にすき間72を形成する。さらに、第一および第二の角度を有して配向された中間表面38および46をそれぞれ有している図5および図11に示される結合器の実施形態は、2つのすき間74および76を中間表面と溝の底66との間に提供することによって、パイプ要素の間に、結合器によって形成される継手に柔軟性を提供する。
【0026】
図12に示されるように、パイプ要素52および54が、結合器10を分解せずに、中央スペース26の中に挿入され得るように、セグメント12が互いに離間された関係に接続された場合、セグメント12の間に十分な間隔を提供するために、キー32の中間表面38の湾曲の最小半径78は、パイプ要素上の溝58および60の底66の半径80よりも大きいことが有利である。キー32に対する角度82は、180°未満であることがさらに有利である。図12に示されるように、この中間表面の半径の構成およびキーに対する角度は、パイプ要素の外面とセグメント12の端84および86との間に間隔を提供する。この端の間隔は、セグメントのより近いスペースを許容するが、パイプ要素の挿入もさらに可能にする。パイプ要素は、同様に、ファスナー22がより短くなることを可能にすることによって、実際の設計に至る。ファスナーが締められ、セグメントを互いの方に引き、溝の底66とキー32(図13を参照されたい)の中間表面38との間に係合をもたらした場合、セグメントは、中間表面38の一部88を図14に示される(溝の底66である)パイプ要素の外面に実質的に一致させるように変形する。一部88は、セグメント12の周りを円周状に延在するが、中間表面38の全範囲を含むわけではない。すき間70は、柔軟性を確実にし、パイプ要素52および54のゆがみを許容するために、まだ存在する。中間表面38の角度の配向は、変形可能な結合器の、継手を固くする傾向を和らげる。
【0027】
溝を有しているパイプを結合するために用いられた場合、発明に従う結合器10の角度を有して配向された中間表面は、継手の流体密な統一性を妥協することなく、有意な程度の角度の柔軟性を提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端と端をつないだ関係にパイプ要素を一緒に接合する結合器であって、
該結合器は、
端と端をつないで互いに取り付けられる複数のセグメントであって、該複数のセグメントは、中央スペースを取り囲む、複数のセグメントを含み、
該セグメントのうちの少なくと1つは、弓形のキーを含み、該弓形のキーは、該セグメントに沿って延在し、該中央スペースの方に内側方向に突出し、該キーは、2つの反対に配置された側部表面と、該2つの反対に配置された側部表面の間に位置決めされた第一の中間表面とを含み、該第一の中間表面は、該中央スペースの方に、放射状に内側方向に向き、該第一の中間表面は、該セグメントを含む面に垂直に配向された軸に対して角度を有して配向され、該第一の中間表面の一部分は、該パイプ要素が該中央スペース内に位置決めされた場合に、該パイプ要素のうちの1つの外面と係合可能である、結合器。
【請求項2】
前記第一の中間表面は、該第一の中間表面と前記軸との間の距離が、該中央スペースから離れる方向に、該軸に沿って増加する距離と共に増加するように配向されている、請求項1に記載の結合器。
【請求項3】
前記第一の中間表面は、該第一の中間表面と前記軸との間の距離が、前記中央スペースの方に向かう方向に、該軸に沿って増加する距離と共に増加するように配向される、請求項1に記載の結合器。
【請求項4】
前記第一の中間表面は、約1°から約5°の間の配向角度を有している、請求項1に記載の結合器。
【請求項5】
前記第一の中間表面は、約3°の配向角度を有している、請求項1に記載の結合器。
【請求項6】
前記中間表面は、屈曲されており、該第一の中間表面は、該第一の中間表面の端点を通る弦の線と前記軸との間で測定される配向角度を有している、請求項1に記載の結合器。
【請求項7】
前記第一の中間表面は、凸の湾曲を有している、請求項6に記載の結合器。
【請求項8】
前記第一の中間表面は、凹の湾曲を有している、請求項6に記載の結合器。
【請求項9】
前記キーは、前記第一の中間表面と接触して位置決めされた第二の中間表面をさらに含み、該第二の中間表面は、前記中央スペースの方に、放射状に内側方向に突出し、該第二の中間表面は、前記軸に対して、角度を有して配向され、該第二の中間表面は、前記パイプ要素が該中央スペース内に位置決めされた場合、該パイプ要素のうちの1つの外面と係合可能である、請求項1に記載の結合器。
【請求項10】
前記第二の中間表面は、前記第一の中間表面の傾斜とは傾斜が反対である配向角度を有してる、請求項9に記載の結合器。
【請求項11】
前記第二の中間表面は、該第二の中間表面と前記軸との間の距離が、前記中央スペースから離れる方向に、該軸に沿って増加する距離と共に増加するように配向される、請求項9に記載の結合器。
【請求項12】
前記第二の中間表面は、該第二の中間表面と前記軸との間の距離が、前記中央スペースの方に向かう方向に、該軸に沿って増加する距離と共に増加するように配向される、請求項9に記載の結合器。
【請求項13】
前記第二の中間表面は、約1°から約5°の間の配向角度を有している、請求項9に記載の結合器。
【請求項14】
前記第二の中間表面は、約3°の配向角度を有している、請求項9に記載の結合器。
【請求項15】
前記第二の中間表面は、屈曲され、該第二の中間表面は、該第二の中間表面の端点を通る弦の線と前記軸との間で測定される配向角度を有している、請求項9に記載の結合器。
【請求項16】
前記第二の中間表面は、凸の湾曲を有している、請求項15に記載の結合器。
【請求項17】
前記第二の中間表面は、凹の湾曲を有している、請求項15に記載の結合器。
【請求項18】
2つのセグメントを含む、請求項1に記載の結合器。
【請求項19】
前記セグメントは、離間した関係に互いに取り付けられる、請求項1に記載の結合器。
【請求項20】
前記セグメントの各々は、該セグメントの各々の中に穴を有しており、該セグメントの各々における該穴は、該セグメントに沿って縦に延在し、前記中央スペースに向き、シールが、該穴内に設けられる、請求項1に記載の結合器。
【請求項21】
前記セグメントの反対の端に位置決めされる接続部材をさらに含み、該接続部材は、1つの結合セグメントを別の結合セグメントに調節可能に接続し、該接続部材は、前記第一の中間表面を引くことによって、前記パイプ要素の外面と係合させるために、調節可能に締めつけ可能であり、
前記第一の中間表面は、180°未満の角度に対するものであり、かつ、該パイプ要素の外面の湾曲の半径よりも大きい湾曲の最小半径を有しており、少なくとも該1つのセグメントは、該接続部材を調節可能に締めつける際に変形可能であることにより、該第一の中間表面の一部の湾曲を該パイプ要素の外面に実質的に一致させる、請求項1に記載の結合器。
【請求項22】
前記セグメントは、離間された関係に互いに取り付けられる、請求項21に記載の結合器。
【請求項23】
端と端とをつないだ関係にパイプ要素を一緒に接合する結合器であって、
該結合器は、
端と端をつないで互いに取り付けられる複数のセグメントであって、該複数のセグメントは、中央スペースを取り囲む、複数のセグメントを含み、
該セグメントの各々は、1対の弓形のキーを有しており、該1対の弓形のキーは、該セグメントの各々に沿って延在し、該中央スペースの方に、放射状に内側方向に突出し、該対の各々のキーは、互いに離間された関係にあり、該キーの各々は、2つの反対に配置された側部表面と第一の中間表面とを含み、該第一の中間表面の各々は、該セグメントを含む面に垂直に配向された軸に対して、角度を有するように配向され、該第一の中間表面の一部は、該パイプ要素が該中央スペース内に位置決めされた場合、該パイプ要素の外面と係合可能である、結合器。
【請求項24】
前記対のキーの各々における前記第一の中間表面は、該第一の中間表面と前記軸との間の距離が、前記中央スペースから離れる方向に、該軸に沿って増加する距離と共に増加するように配向される、請求項23に記載の結合器。
【請求項25】
前記対のキーの各々における前記第一の中間表面は、該第一の中間表面と前記軸との間の距離が、前記中央スペースの方に向かう方向に、該軸に沿って増加する距離と共に増加するように配向される、請求項23に記載の結合器。
【請求項26】
前記第一の中間表面は、約1°から約5°の間の配向角度を有している、請求項23に記載の結合器。
【請求項27】
前記第一の中間表面の各々は、約3°の配向角度を有している、請求項23に記載の結合器。
【請求項28】
前記キーの各々は、前記第一の中間表面に接触して位置決めされた第二の中間表面をさらに含み、該第二の中間表面は、前記軸に対して、角度を有して配向され、該第二の中間表面は、前記パイプ要素が前記中央スペース内に位置決めされた場合、該パイプ要素のうちの1つの外面と係合可能である、請求項23に記載の結合器。
【請求項29】
前記第二の中間表面の各々は、該第二の中間表面が接触している前記第一の中間表面の傾斜とは傾斜が反対である配向角度を有している、請求項28に記載の結合器。
【請求項30】
前記第二の中間表面の各々は、該第二の中間表面の各々と前記軸との間の距離が、前記中央スペースから離れる方向に、該軸に沿って増加する距離と共に増加するように配向される、請求項28に記載の結合器。
【請求項31】
前記第二の中間表面の各々は、該第二の中間表面の各々と前記軸との間の距離が、前記中央スペースの方に向かう方向に、該軸に沿って増加する距離と共に増加するように配向される、請求項28に記載の結合器。
【請求項32】
前記第二の中間表面の各々は、約1°から約5°の間の配向角度を有している、請求項28に記載の結合器。
【請求項33】
前記第二の中間表面の各々は、約3°の配向角度を有している、請求項28に記載の結合器。
【請求項34】
2つの前記セグメントを含む、請求項23に記載の結合器。
【請求項35】
前記セグメントの各々は、該セグメントの各々の中に穴を有しており、該セグメントの各々における該穴は、該セグメントに沿って縦に延在し、前記中央スペースに向き、シールが、該穴内に設けられる、請求項23に記載の結合器。
【請求項36】
前記セグメントの反対の端に位置決めされる接続部材をさらに含み、該接続部材は、1つの結合セグメントを別の結合セグメントに調節可能に接続し、該接続部材は、前記第一の中間表面を引くことによって、前記パイプ要素の外面と係合させるために、調節可能に締めつけ可能であり、
前記第一の中間表面は、180°未満の角度に対するものであり、かつ、該パイプ要素の外面の湾曲の半径よりも大きい湾曲の最小半径を有しており、該セグメントの各々は、該接続部材を調節可能に締めつける際に変形可能であることにより、該第一の中間表面の各々の一部の湾曲を該パイプ要素の外面に実質的に一致させる、請求項23に記載の結合器。
【請求項37】
前記セグメントは、離間された関係に互いに取り付けられる、請求項36に記載の結合器。
【請求項38】
端と端をつないだ関係にパイプ要素を一緒に接合する方法であって、
該方法は、
複数の調節可能に締めることが可能なファスナーによって、端と端を接合された複数のセグメントから形成される結合器を提供することであって、該セグメントは、中央スペースを取り囲み、該セグメントのうちの少なくとも1つは、弓形のキーを含み、該弓形のキーは、該セグメントに沿って延在し、該中央スペースの方に、内側方向に突出し、該キーは、2つの反対に配置された側部表面と、該2つの反対に配置された側部表面の間に位置決めされた第一の中間表面とを含み、該第一の中間表面は、該中央スペースの方に、放射状に内側方向に向き、該第一の中間表面は、該セグメントを含む面に垂直に配向された軸に対して、角度を有して配向される、ことと、
該パイプ要素を該結合器の両側から該中央スペースの中に挿入することと、
該セグメントを互いの方に引くことによって、該第一の中間表面のある一部を該パイプ要素のうちの少なくとも1つの外面に係合するように該ファスナーを締めることと
を含む、方法。
【請求項39】
1対のパイプ要素と、端と端をつないだ関係に該パイプ要素を一緒に接合する結合器との組合わせ物であって、該パイプ要素の各々は、各端に隣接して設けられた円周の溝を有しており、該溝の各々は、1対の反対に配置された側面および底を含み、該結合器は、
中央スペースを取り囲む、端と端をつないで互いに取り付けられる複数のセグメントを含み、
該セグメントのうちの少なくとも1つは、弓形のキーを含み、該弓形のキーは、該セグメントに沿って延在し、該中央スペースの方に、内側方向に突出し、該キーは、2つの反対に配置された側部表面と、該2つの反対に配置された側部表面の間に位置決めされた第一の中間表面とを含み、該第一の中間表面は、該中央スペースの方に、放射状に内側方向に向き、該第一の中央表面は、該溝の底に対して、角度を有して配向され、該第一の中間表面の一部は、該パイプ要素が該中央スペース内に位置決めされた場合、該底と係合可能である、組合わせ物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2013−518231(P2013−518231A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551163(P2012−551163)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【国際出願番号】PCT/US2010/061790
【国際公開番号】WO2011/102875
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(510218928)ビクターリック カンパニー (7)
【Fターム(参考)】