説明

角度走査及び分散手順を用いて波長掃引レーザを利用するための方法、構成及び装置

【課題】電磁放射をフィルタリングするための例示的システム及び方法を提供できる。
【解決手段】例えば、少なくとも一つの第一の電磁放射を受け取り、少なくとも一つの第二の電磁放射を第一の電磁放射の入射方向に関して異なる角度で進行させることが可能な、少なくとも一つの第一の構成(4)を提供できる。第二の電磁放射を受け取り、少なくとも一つの第三の電磁放射を第一の構成(4)に進行させ、さらに少なくとも一つの第四の電磁放射を受け取るよう構成される、少なくとも一つの第二の波長分散構成(5)を提供できる。第三の電磁放射は、第二の電磁放射に基づくことが可能であり、第四の電磁放射は第三の電磁放射に基づくことが可能である。例えば、第二の構成は、少なくとも一つの特定の電磁放射の入射角に関して異なる角度で第二の電磁放射を進行させるよう構成できる。方法の例示的実施形態を提供し、このような例示的技法を実装できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)本発明は、2007年3月27日付け出願の米国特許出願第60/896630号の優先権を主張し、全開示を参照により本願明細書に援用する。
【0002】
(技術分野)本発明は、一般的に、ある電磁放射源を使用するための方法、構成及び装置に関し、より具体的には、例示的な光学波長フィルタ・システムを使用する波長同調及び波長掃引レーザのための方法、構成及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
光学反射計測、生体イメージング、センサ識別、及び試験並びに測定用の、高速で広範囲に同調可能な波長レーザ源を開発するために、多くの努力が払われてきた。キャビティ内の狭帯域波長走査フィルタの使用によって、狭隘な線幅、広領域及び高速同調が得られてきた。回折格子の設計を使用することにより、キャビティを拡大した半導体レーザ内において、モードホップフリーの単一周波数動作が実証された。しかしながら、単一周波数動作を得ること、及びモードホップフリー同調を確実にすることは、複雑な機構の装置を使用し、最高同調速度を制限する場合がある。これまでに実証された最高同調速度は、100nm/秒未満に制約されていた。生体イメージング等、あるアプリケーションにおいては、10GHz以上の瞬間線幅に対応する、複数の縦モード動作で十分な場合がある。このような線幅は、光学コヒレンス断層撮像において生体組織内の数ミリメートルの深さ範囲を、及びスペクトル・エンコードした共焦点顕微法においてマイクロメートル・レベルの水平解像度を提供できる。
【0004】
10GHzオーダーの線幅は、キャビティ内同調素子(音響光学ファイバ、ファブリ・ペロー・フィルタ、及びガルバノメータ駆動回折格子等)の使用により、達成可能である。しかしながら、以前に実証された掃引周波数は、有限のフィルタ同調速度によって1kHz未満であった。25kHzを超える繰り返し速度の高速同調が、ビデオレート(>30フレーム/秒)、生物医学アプリケーションにおける高解像度光学イメージングに対して求められる場合がある。
【0005】
回折格子及びポリゴン・スキャナを使用する波長掃引レーザは、20000nm/ミリ秒までの高速波長同調を提供してきた。高速ポリゴン系の波長掃引光源は、200フレーム/秒の速さの高速イメージングを可能にしたが、20000nm/ミリ秒の速さの波長同調速度が瞬間線幅を0.15nm未満に保持することは、すでにポリゴン系の波長掃引レーザの限界に達していた。加えて、7000nm/ミリ秒の同調速度は、65mWの電力を用いて波長範囲120nmにわたり達成され、瞬間線幅は約0.07nmである。
【0006】
したがって、より高速の同調と特に広い波長同調領域(約200nm)及び(又は)高速同調速度における狭隘な瞬間線幅(約0.07nm)に対して、さらなる波長走査フィルタ及びレーザ方式/手順を提供し、本願明細書に上記記載の欠点の少なくともいくつかを克服することには、利点がありうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的の一つは、従来技術の構成及び方法(本願明細書に上記記載のものを含む)のいくつかの欠点及び短所を克服し、例示的な光学波長フィルタ・システムを用いる波長同調及び波長掃引レーザのための構成及び方法の例示的実施形態を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の例示的な一実施形態によれば、広範囲のスペクトル同調範囲及び狭隘な瞬間線幅を有する高速波長掃引光を容易に得られる、光波長フィルタリングのための、装置及び光源構成を提供できる。本発明の例示的な一実施形態によれば、光学フィルタは、回折格子(又は複数の回折格子もしくはプリズム)、角度走査素子(ポリゴン・ミラー、回転シャフトに配置される(多面)平面鏡、ガルバノメータに配置される(多面)平面鏡、又は(複数)音響光学変調器を含むが限定しない)を備えることが可能である。回折格子(又は複数の回折格子)の例示的アライメントにより、狭隘な瞬間線幅(約0.07nm)を有する、広範囲の同調範囲(約120nm)にわたる高速波長掃引を容易に得ることが可能である。
【0009】
別の例示的な実施形態によれば、波長掃引フィルタは、波長同調可能な光源を実装するゲイン媒質と組み合わせることができる。フィルタ及びゲイン媒質は、さらにレーザ・キャビティ内に取り込まれてもよい。例えば、レーザは、中心波長が広範囲の波長範囲にわたって高速掃引される、狭帯域スペクトルを放出できる。レーザ共振器は、単一方向の光ファイバ・リング、単一方向結合ファイバ及び自由空間光リング、又はレーザのキャビティ長を最小化するために特別に設計された半導体光ゲイン媒質を有する全自由空間リニア・キャビティを備えてもよい。
【0010】
実際に、電磁放射をフィルタリングするための例示的システム及び方法を提供できる。例えば、少なくとも一つの第一の電磁放射を受け取り、少なくとも一つの第二の電磁放射を、第一の電磁放射の入射方向に関して異なる角度で進行させることができる、少なくとも一つの第一の構成を設けることが可能である。第二の電磁放射を受け取り、少なくとも一つの第三の電磁放射を第一の構成に進行させ、少なくとも一つの第四の電磁放射をさらに受け取るよう構成される、少なくとも一つの第二の波長分散構成を設けることが可能である。第三の電磁放射は第二の電磁放射に基づくことが可能であり、第四の電磁放射は第三の電磁放射に基づくことが可能である。
【0011】
例えば、第一の構成は、多面鏡構成でありうる。第一の電磁放射は、多面鏡構成の第一の小面に衝突でき、第三の電磁放射は、多面鏡構成の第二の小面に衝突でき、第一及び第二の小面は互いに異なる。第一の構成は、ポリゴン・ビーム走査構成でもありうる。第一の電磁放射は、ポリゴン・ビーム走査構成の第一の小面に衝突でき、第三の電磁放射は、ポリゴン・ビーム走査構成の第二の小面に衝突でき、第一及び第二の小面は互いに異なる。ポリゴン・ビーム走査構成は、連続的に回転されることが可能である。
【0012】
本発明の別の例示的実施形態によれば、第二の構成は、回折格子構成、プリズム構成及び/又はグリズム構成でありうる。第一及び第二の構成は、第一の電磁放射に基づく特定の電磁放射が、少なくとも一つの第一の構成によって、第二の構成から2回以上受け取るよう、位置決めされてもよい。特定の電磁放射の周波数に基づく特定の電磁放射の一以上の構成要素を、物理的に分離するよう構成される、少なくとも一つの第三の波長分散構成を設けることが可能である。第一の電磁放射は、特定の電磁放射に基づきうる。加えて、特定の電磁放射の一以上のさらなる構成要素を伴う第一の電磁放射を提供するために、一以上の構成要素の少なくともいくつかを受け取り、受け取った一以上の構成要素の少なくとも一つの特徴を変更するよう構成される、少なくとも一つの第四の構成を設けることが可能である。
【0013】
本発明のまた別の例示的実施形態を提供できる。例えば、光源構成は、少なくとも一つの特定の電磁放射を提供できる。このような例示的な光源構成は、少なくとも一つの電磁放射を提供するよう構成される少なくとも一つのエミッタ構成を備えることができる。特定の電磁放射を受け取り、特定の電磁放射の入射方向に関して異なる角度で少なくとも一つの第一の電磁放射を進行させることが可能な、少なくとも一つの第一の構成を設けてもよい。さらに、少なくとも一つの第一の電磁放射を受け取り、少なくとも一つの第一の構成に少なくとも一つの第二の電磁気放射を進行させ、少なくとも一つの第三の電磁放射をさらに受け取るよう構成される、少なくとも一つの第二の波長分散構成を設けることが可能である。第二の電磁放射は第一の電磁放射に基づくことが可能であり、第三の電磁放射は少なくとも一つの第二の電磁放射に基づくことが可能である。
【0014】
光源構成は、第三の電磁放射を受け取るよう構成される少なくとも一つのレーザ・キャビティも含むことができる。レーザ・キャビティは、リング・レーザ・キャビティでありうる。エミッタ構成は、半導体光学増幅器、レーザ・ダイオード、スーパー・ルミネセント・ダイオード、ドープした光ファイバ、ドープしたレーザ・クリスタル、ドープしたレーザ・ガラス、及び/又はレーザ・ダイでありうる。特定の電磁放射は、正の波長方向に連続掃引される周波数を有してもよい。光サーキュレータは、光源構成に含まれることも可能である。例えば、エミッタ構成の波長範囲は、互いに区別されうる。第一の構成は、多面鏡構成でありうる。特定の電磁放射は、多面鏡構成の第一の小面に衝突することが可能であり、第二の電磁放射波は、多面鏡構成の第二の小面に衝突することが可能であり、第一及び第二の小面は互いに異なる。
【0015】
本発明のまた別の例示的実施形態によれば、第一の構成は、ポリゴン・ビーム走査構成でありうる。特定の電磁放射は、ポリゴン・ビーム走査構成の第一の小面に衝突することが可能であり、第二の電磁放射は、ポリゴン・ビーム走査構成の第二の小面に衝突することが可能であり、第一及び第二の小面は互いに異なる。ポリゴン・ビーム走査構成は、連続的に回転されることが可能である。第二の構成は、回折格子構成、プリズム構成及び/又はグリズム構成でありうる。第一及び第二の構成は、第一の電磁放射に基づくさらなる電磁放射が、第一の構成によって、第二の構成から2回以上受け取られるよう位置決めすることが可能である。
【0016】
特定の電磁放射の周波数に基づくさらなる電磁放射の一以上の構成要素を物理的に分離するよう構成される、少なくとも一つの第三の波長分散構成も提供できる。特定の電磁放射は、さらなる電磁放射に基づいてもよい。さらなる電磁放射の一以上のさらなる構成要素を伴う少なくとも一つの特定の電磁放射を提供するために、一以上の構成要素の少なくともいくつかを受け取り、受け取った一以上の構成要素の少なくとも一つの特徴を変更するよう構成される、少なくとも一つの第四の構成も提供できる。
【0017】
本発明のさらに別の例示的な実施形態によれば、電磁放射の周波数に基づいて電磁放射の一以上の構成要素を物理的に分離するよう構成される、少なくとも一つのスペクトル分離構成を含む、電磁放射をフィルタリングするための装置及び光源を提供できる。装置及び光源は、一以上の構成要素に伴う少なくとも一つの信号を受け取るよう構成される、例えば、ポリゴン走査ミラー及び回転反射ディスクスキャナ等の、少なくとも一つの連続回転する光学構成も有してもよい。さらに、装置及び光源構成は、信号を受け取るよう構成される少なくとも一つのビーム選択構成を含むことができる。
【0018】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の本発明の実施形態の詳細な記載を、添付の特許請求の範囲と組み合わせて読み取ることにより明白となろう。
【0019】
本発明のさらなる目的、特徴及び利点は、本発明の図示の実施形態を示す添付図面と組み合わせて、以下の詳細な記載から明白となろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る、光学波長フィルタ構成/装置の、第一の例示的実施形態のブロック図である。
【図2A】本発明に係る、回折格子及びポリゴン・スキャナ系波長同調フィルタを備える構成/装置の、第二の例示的実施形態を示す図である。
【図2B】本発明に係る、回折格子及びポリゴン・スキャナ系波長同調フィルタを備える構成/装置の、第三の例示的実施形態を示す図である。
【図2C】本発明に係る、回折格子及びポリゴン・スキャナを備える構成/装置の、第四の例示的実施形態を示す図である。
【図2D】本発明に係る、回折格子及びポリゴン・スキャナを備える構成/装置の、第五の例示的実施形態を示す図である。
【図3A】本発明に係る、回折格子、ポリゴン・スキャナ、及び反射器を備える構成/装置の、第六の例示的実施形態を示す図である。
【図3B】本発明に係る、二つの回折格子及びポリゴン・スキャナを備える構成/装置の、第七の例示的実施形態を示す図である。
【図3C】本発明に係る、複数の回折格子、反射器及びポリゴン・スキャナを備える構成/装置の、第八の例示的実施形態を示す図である。
【図4A】本発明に係る、回折格子、反射器、及びポリゴン・スキャナ(又は他の例示的実施形態との組み合わせ)を備える構成/装置の、第九の例示的実施形態を示す図である。
【図4B】本発明に係る、二つの回折格子及びポリゴン・スキャナ(又は他の例示的実施形態との組み合わせ)を備える構成/装置の、第十の例示的実施形態を示す図である。
【図5A】本発明に係る、光学波長フィルタの、第十一の例示的実施形態を示すブロック図である。
【図5B】本発明に係る、二つの回折格子、望遠鏡、及びポリゴン・スキャナを備える構成/装置の、第十二の例示的実施形態を示す図である。
【図5C】本発明に係る、二つの回折格子、望遠鏡、反射器、及びポリゴン・スキャナを備える構成/装置の、第十三の例示的実施形態を示す図である。
【図5D】本発明に係る、三つの回折格子、望遠鏡、及びポリゴン・スキャナを備える構成/装置の、第十四の例示的実施形態を示す図である。
【図6A】本発明に係る、回折格子及び二つ(又はN)のゲイン媒質を用いるポリゴン・スキャナ系波長同調フィルタを備える構成/装置の、第十五の例示的実施形態を示す図である。
【図6B】本発明に係る、回折格子及び二つ(又はN)のゲイン媒質を直列又は並列に用いるポリゴン・スキャナ系波長同調フィルタを備える構成/装置の、第十六の例示的実施形態を示す図である。
【図7】本発明に係る、回折格子を用いる短いリニア・キャビティ・レーザ及びポリゴン・スキャナ系波長同調フィルタを備える構成/装置の、第十七の例示的実施形態を示す図である。
【図8A】本発明に係る、回折格子を用いるファイバ・リング・レーザ及びポリゴン・スキャナ系波長同調フィルタを備える構成/装置の、第十八の例示的実施形態を示す図である。
【図8B】本発明に係る、ファイバと回折格子を用いる全自由空間リングレーザとの組み合わせ及びポリゴン・スキャナ系波長同調フィルタを備える構成/装置の、第十九の例示的実施形態を示す図である。
【図8C】本発明に係る、回折格子を用いる共振キャビティ・ファイバ・リング・レーザ及びポリゴン・スキャナ系波長同調フィルタを備える構成/装置の、第二十の例示的実施形態を示す図である。
【図8D】本発明に係る、回折格子を用いる共振キャビティ・ファイバ・ラマン・リング・レーザ及びポリゴン・スキャナ系波長同調フィルタを備える構成/装置の、第二十一の例示的実施形態を示す図である。図面を通じて、同一の参照数字及び文字は、特に記載のない限り、図示される実施形態の同様の特徴、要素、構成要素又は部分を意味するために用いる。その上、図面を参照して主題の発明を詳細に記載する一方で、図示の実施形態と組み合わせてこれを行う。添付の特許請求の範囲によって定義される主題発明の真の範囲及び精神を離れることなく、記載された実施形態に対して、変更及び変形を行うことが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1に、本発明に係る、光学波長フィルタ1を備える構成/装置の、第一の例示的実施形態のブロック図を示す。この第一の例示的実施形態において、光学波長フィルタ1は、多様な種々のアプリケーション、すなわち以下に詳細を記載する一般的及び非限定的実施例に使用できる。図1に示す例において、フィルタ1は、光源2を介し、一以上のアプリケーション3に結合することができる。ある例示的アプリケーションにおいて、フィルタ1は、光源(例えば、受動的又は能動的光学素子)以外のデバイスを介し、アプリケーション(例えば、一以上のアプリケーション3)と共に又は接続して使用できることを理解すべきである。
【0022】
図1に示す第一の例示的実施形態において、広帯域スペクトル光源及び/又は制御部2(以後、「光制御部」として参照する)は、ビーム屈折デバイス4を照射し、次いで波長分散素子5に接続できる。波長分散素子5は、図8A〜図8Dを用いて詳細をさらに後述する種々の構成に接続でき、次いで光制御部2への経路を遡行する。光制御部2は、光学イメージング処理及び光学イメージング・システム、レーザ機械加工処理及びシステム、光リソグラフィ及び光リソグラフィ・システム、レーザ断層撮像システム、遠隔通信処理及びシステム等を含むが限定しないものに伴う、又はこれらのための一以上の役割を実施するよう適合される、一以上のアプリケーション3に、さらに接続できる。光制御部2は、広帯域周波数(f)スペクトルを有するビーム光を放出するよう構成される、様々なシステム及び/又は構成の一以上でありうる。
【0023】
本発明の例示的な一実施形態において、ビーム光は、平行化したビーム光でもよい。ビーム光は、可視光スペクトル(例えば、赤、青、緑)の範囲内に、複数の波長λ...λnを含むことができる。同様に、光制御部2によって提供されるビーム光は、可視光スペクトルの範囲外(例えば、紫外、近赤外又は赤外)に定義してもよい、複数の波長λ...λnを含むこともできる。本発明の別の例示的実施形態によれば、光制御部2は、単一方向の光透過リングを備えることができ、これは、波長同調レーザ源の例示的実施形態を示す図8A〜図8Dを用いて詳細をさらに後述する。
【0024】
さらに、本発明のまた別の例示的な実施形態において、光制御部2は、リニア共振器システムを含むことができ、これは図8A〜図8Dを用いて詳細をさらに後述する。本発明の例示的な一実施形態において、波長分散素子5は、光分散素子を含むことができ、これは、反射格子、回折格子、プリズム、又はこれらの素子の一以上の組み合わせを含むことができるが、限定しない。さらに、分散素子5は、ビーム屈折デバイス4上に配置される所定位置に、光の波長を進行、誘導及び/又は集束するように取り付けられる。加えて、分散素子5は、一以上の個別の波長の光を受け取り、選択的にビーム屈折デバイスに方向転換し、光制御部2に戻すよう制御されることが可能である。この後に、光制御部2は、受け取った個別の波長の光を、任意の一以上のアプリケーションに選択的に進行させることが可能である。デバイス4は、多くの異なるやり方で設けることができる。例えば、ビーム屈折デバイス4は、ポリゴン・ミラー(又はいくつかのポリゴン・ミラー)、回転シャフトに配置される(多面)平面鏡、ガルバノメータに配置される(多面)平面鏡、又は(複数)音響光学変調器を含むがこれらに限定しない、素子から設けることができる。
【0025】
図2Aは、本発明に係る、回折格子及びポリゴン・スキャナ系波長同調フィルタを備える構成/装置の例示的実施形態の概略図である。例示的な光学波長フィルタ1’は、ほぼ同一の入力及び出力ポートを有することが可能な反射型フィルタとして構成できる。入力/出力光ファイバ10及び平行化レンズ11は、光制御部2’(図1を参照して上記記載の光学制御部2とほぼ同様である場合がある)から光学波長フィルタ1’への入力を提供することができる。この光学波長フィルタは、平行化された入力/出力ビーム12、回折格子13、及び回転ポリゴン・スキャナ14を含むことができる。光学波長フィルタへの光入力は、平行化入力ビーム12として提供される。波長フィルタリングされた出力は、平行化出力ビーム12として逆反射される。ポリゴン構成14の鏡面は、ビーム光がゼロでない角度で(ポリゴン構成のミラー小面14から光制御部2’へ直接的に反射されるよりも)反射されるように、設置される。ポリゴン小面上においてビーム欠落を最小限とするために、例えば、次の条件にあてはめることができる。
【数1】

式中、D、L、Ψは、それぞれ、
【数2】

から、集束レンズ11における各波長構成要素の平行化ビーム12の幅を減算したもの、小面サイズ、及び入射角である。ポリゴン構成14からの反射光の掃引角度は、ポリゴン構成14の回転角16の2倍である。回折格子13は、回折格子13上におけるビーム変位を低減するため、ポリゴン・スキャナ小面(≦2cm)に近接して設置される。ポリゴン各部がそれぞれ角度
【数3】

だけ回転すると(例えば、ポリゴンの小面−小面角15)、Nをミラー小面の数として、反射光の掃引角度16は、ポリゴン構成14の回転角θに対して、2θである。ポリゴン・スキャナ小面14からの反射光は、リトロー(Littrow)角で回折格子13を照射した後、光制御部2への経路を戻る。
【0026】
図2Aに示す例示的実施形態に図示のように、ビーム屈折デバイス4(例えば、ポリゴン・ミラー又は構成14を含んでもよい)は、好適には、リトロー角の関数として狭通過帯域の範囲内にスペクトル構成要素のみを反射して戻すように取り付けられる。ポリゴン小面14の垂直軸に対する入射ビーム12の配向及びポリゴン構成14の回転方向17は、例えば、波長増加(正)スキャン又は波長減少(負)スキャン等の波長同調方向を決定するために用いることができる。図2Aに示す例示的実施形態は、負の波長掃引を生成できる。ポリゴン構成14は、図2Aにおいて12面を有するものとして示すが、12面よりも少なく、又は12面よりも多くを有するポリゴン構成も使用できることを理解すべきである。一般的には、実用的な機械的制約を考慮しないが、従来の製造技術に基づき、任意のアプリケーションにおいて使用するポリゴン構成14の小面の特定の数は、特定のアプリケーションにおける所望の走査速度及び走査範囲に依存する場合がある。
【0027】
さらに、例示的なポリゴン構成14のサイズは、特定のアプリケーションの優先度に基づいて選択されてもよく、好適には、ポリゴン構成14の製造性及び重量を含むが限定しない、ある要因を考慮する。異なるピッチを有する回折格子が設けられてもよいことも理解すべきである。加えて、回折格子は、同調範囲及び線幅を制御する調節可能なパラメータを提供してもよい。ガウス型ビーム12は、光ファイバ・コリメータ11から回折格子への広幅光学スペクトル入射に利用できる。例示的な回折式は、λ=2psin(α)として表され、式中、λは光学波長、pは格子ピッチ、αはリトロー角(又は格子の垂直軸18に対するビームの入射角(屈折角))である。フィルタの半値幅帯域は、次式により定義され、
【数4】

式中、mは回折次数であり、Dは、
【数5】

から、二重経路に対する光ファイバ・コリメータのガウス型ビーム幅を減算したものである。
【0028】
フィルタ同調範囲は、Δλ=2pΔαcos(α)と表すことができ、式中、αはλ(中心波長)におけるリトロー角である。フィルタの例示的デザイン・パラメータの一つは、ポリゴン・ミラーが複数小面であるという性質から、詳細を後述する自由スペクトル領域である。ポリゴン構成14は、θ=2π/N≒L/Rで与えられる小面−小面間の極角を有してもよく、式中、Lは小面の幅、Rはポリゴン半径であり、反射光の掃引角16は、ポリゴン構成14の回転角θに対して、2θである。例示的なポリゴン構成14は、好適には、リトロー角の範囲は掃引角に等しい、すなわちΔα=2θであるため、所与の時点において一以上のスペクトル構成要素を逆反射しない。同時に反射される複数のスペクトル構成要素の間隔、又は自由スペクトル範囲は、(Δλ)FSR=4pθcos(α)として定義できる。
【0029】
例示的なキャビティ内走査フィルタのアプリケーションにおいて、フィルタの自由スペクトル範囲は、複数の周波数帯域(ゲイン媒質が不均一に広がる場合)、又は同調範囲の制約(ゲイン媒質が均一に広がる場合)を避ける目的で、ゲイン媒質のスペクトル範囲を超過できる。
【0030】
フィルタによるレーザ同調のデューティ比は、例えば、次式の好適条件に一致するならば、ビーム欠落による超過損失がない場合に100%となりうる。
【数6】

この例示的な式は、ビーム照射するポリゴン小面が、ポリゴン小面の垂直軸18に対する最大ビーム入射角における小面の幅よりも小さくなければならないという条件に由来しうる。
【0031】
図2Bに、本発明に係る、同一のポリゴン回転速度を有するフィルタの半値幅を減少するための、波長同調可能フィルタ構成1を含む構成/装置の、第三の例示的実施形態を示す。この例示的実施形態において、ポリゴン・スキャナ小面14からの反射光は、角度α19(リトロー角とは等しくない)で回折格子13を照射する。格子からの角度β22における回折光20は、別のポリゴン小面21(必ずしもポリゴン小面14の隣接表面ではない)を照射した後、光制御部2への経路を戻る。
【0032】
本発明の第三の例示的実施形態に係る回折格子は、上述の一以上の特徴を提供すると共に、ポリゴン小面14からの発散ビームを、ポリゴン小面21上の回折格子13の後の集束する角分散に変換するよう動作可能である。このような結果は、フィルタの適切な動作に対して有利な場合がある。加えて、回折格子13及びポリゴン小面14上の光学ビーム12入射角は、同調範囲及び線幅を調節する、調整可能なパラメータを提供できる。この例示的実施形態において、回折式は、λ=p(sin(α)+sin(β))と表すことができ、式中、λは光学波長、pは格子ピッチ、α及びβは、それぞれ回折格子13の垂直軸18に対するビームの入射及び回折角である。単純な幾何学から、φ=βであることが見て取れ、ここにφは第二のポリゴン小面21と回折格子との間の角度である。フィルタの半値幅帯域は、次式により定義される。
【数7】

【0033】
フィルタ同調範囲は、Δλ=p(Δαcos(α)+Δβcos(β))と表すことができ、式中、α及びβは、λ(中心周波数)における入射角、回折角である。掃引角度が入射角の範囲と等しい、すなわちΔα=2θであり、回折スペクトル範囲が小面角に等しい、すなわちΔβ=θであれば、ポリゴン構成は所与の時点において一つのスペクトル構成要素を逆反射できる。同時に反射される複数のスペクトル構成要素の間隔、又は自由スペクトル範囲は、Δλ=pθ(2cos(α)+cos(β))と定義できる。
【0034】
フィルタによるレーザ同調のデューティ比は、例えば、好適な条件が次式に一致するならば、ビーム欠落による生じる超過損失がない、100%でありうる。
【数8】

第一式は、第一のポリゴン小面14を照射するビーム幅が小面の幅よりも小さくなければならないという条件に由来しうる。第二式は、第二のポリゴン小面21を照射する回折ビーム幅が小面の幅よりも小さくなければならないという条件に由来しうる。
【0035】
図2Cに、本発明に係る、同一のポリゴン回転速度を用いる、フィルタの半値幅帯域を低下させるための、波長同調可能フィルタ構成1の第四の例示的実施形態の概略図を示す。この例示的実施形態において、ポリゴン・スキャナ小面14からの反射光は、角度α19(リトロー角とは等しくない)において回折格子13を照射する。格子からの角度β22における回折光20は、別のポリゴン小面21(好適には、ポリゴン小面14の隣接表面)を照射し、リトロー角γ23で格子に戻された後、光制御部2に遡行できる。
【0036】
図2Bに示す本発明の第四の例示的実施形態に係る回折格子13は、上述の一以上の特徴を提供すると共に、ポリゴン小面14及び21からの発散ビームを、ポリゴン小面21上の回折格子13の後の集束する角分散に変換するよう動作可能である。このような結果は、フィルタの適切な動作に対して有利な場合がある。加えて、回折格子13及びポリゴン小面14上の光学ビーム12入射角は、同調範囲及び線幅を調節する、調整可能なパラメータを提供できる。この実施形態において、回折式は、λ=p(sin(α)+sin(β))及びλ=2psin(γ)と表すことができ、式中、λは光学波長、pは格子ピッチ、α、β及びγは、それぞれ回折格子13の垂直軸18に対するビームの入射、回折及びリトロー角である。単純な幾何学から、2φ=γ±βであることが見て取れ、ここにφは第二のポリゴン小面21と回折格子13との間の角度である。β及びγを消去することにより、上式は、入射角19及び第二のポリゴン小面21と回折格子13との角度のみに依存するλの2次方程式に展開される。この解は、次式のようになる。
【数9】

【0037】
この式に示されるように、フィルタの同調範囲は、基本的には格子ピッチ、入射角19、及び第二のポリゴン小面21と回折格子13との角度によって制限される。加えて、フィルタの半値幅帯域(瞬間線幅)は、次式で与えられる。
【数10】

式(5)は、本実施形態の線幅が、従来の実施形態に比較して、
【数11】

倍だけ改善できることを示している。
【0038】
フィルタ同調範囲は、Δλ=p(Δαcos(α)+Δβcos(β))、及びΔλ=2pΔγcos(γ)と表すことができ、式中、α、β及びγは、λ(中心周波数)における入射、回折、及びリトロー角である。掃引角度が入射角の範囲と等しい、すなわちΔα=2θであり、回折スペクトル範囲がこの式にしたがう、すなわち2θ=Δγ±Δβであれば、ポリゴン構成は所与の時点において一つのスペクトル構成要素を逆反射できる。同時に反射される複数のスペクトル構成要素の間隔、又は自由スペクトル範囲は、次のように定義できる。
【数12】

【0039】
フィルタによるレーザ同調のデューティ比は、例えば、次式の好適条件に一致するならば、ビーム欠落による超過損失がない場合に100%となりうる。
【数13】

【0040】
式(6)は、第一のポリゴン小面14を照射するビーム幅が小面の幅よりも小さくなければならないという条件に由来しうる。式(7)は、第二のポリゴン小面21を照射する回折ビーム幅が小面の幅よりも小さくなければならないという条件に由来しうる。
【0041】
図2Dに、本発明に係る、同一のポリゴン回転速度を用いる、フィルタの半値幅帯域を低下させるための、波長同調可能フィルタ構成1を含む構成/装置の第五の例示的実施形態の概略図を示す。この例示的実施形態において、ポリゴン・スキャナ小面14からの反射光は、角度α19(例えば、リトロー角と異なる場合がある)において回折格子13を照射する。格子からの角度β22における回折光20は、別のポリゴン小面21(必ずしもポリゴン小面14の隣接表面ではない)を照射し、角γ23(例えば、リトロー角と異なる場合がある)で格子に戻され、

が第三のポリゴン小面25(必ずしもポリゴン小面14及び21の隣接表面ではない)を照射した後、光制御部2に遡行する。
【0042】
本発明の第五の例示的実施形態に係る回折格子は、上述の一以上の特徴を提供すると共に、ポリゴン小面14及び21からの発散ビームを、ポリゴン小面21上の回折格子13の後の集束する角分散に変換するよう動作できる。このような結果は、フィルタの適切な動作に対して有利な場合がある。加えて、回折格子13及びポリゴン小面14上の光学ビーム12入射角は、同調範囲及び線幅を調節する、調整可能なパラメータを提供できる。この実施形態において、回折式は、λ=p(sin(α)+sin(β))及び

と表すことができ、式中、λは光学波長、pは格子ピッチ、

は、それぞれ回折格子13の垂直軸18に対するビームの入射及び回折角である。
【0043】
2φ=γ+βとすることも可能であり、ここに、φは第二のポリゴン小面24と回折格子13との間の角度である。加えて、

であり、ここにφは、第三のポリゴン小面25と回折格子13との間の角度である。

を消去することにより、上式は、入射角並びに第二のポリゴン及び第三のポリゴン小面21、25と回折格子13との角度のみに依存するλの2次方程式に展開される。例示の解は、次式のようにすることができる。
【数14】

この式に示されるように、フィルタの同調範囲は、基本的には格子ピッチ、入射角19、及び第二のポリゴン小面21と回折格子13との角度によって制限される。加えて、フィルタの半値幅帯域(瞬間線幅)は、次式で与えられる。
【数15】

式(8)は、本実施形態の線幅が、従来の実施形態に比較して、
【数16】

倍だけ改善できることを示している。
【0044】
フィルタ同調範囲は、Δλ=p(Δαcos(α)+Δβcos(β))、及び

と表すことができ、式中、

は、λ(中心周波数)における入射及び回折角である。掃引角度が入射角の範囲と等しい、すなわちΔα=2θであり、第一の回折スペクトルが前式、すなわち2θ=Δγ+Δβにしたがって、第二の回折スペクトル範囲が小面角に等しい、すなわち

であれば、ポリゴン構成は所与の時点において一つのスペクトル構成要素を逆反射できる。同時に反射される複数のスペクトル構成要素の間隔、又は自由スペクトル範囲は、次のように定義できる。
【数17】

【0045】
フィルタによるレーザ同調のデューティ比は、例えば、次式の好適条件に一致するならば、ビーム欠落による超過損失がない場合に100%となりうる。
【数18】

式(10)は、第一のポリゴン小面14を照射するビーム幅が小面の幅よりも小さくなければならないという条件に由来しうる。式(12)及び(12)は、第二及び第三のポリゴン小面21及び25を照射する回折ビーム幅が小面の幅よりも小さくなければならないという条件に由来しうる。フィルタの半値幅帯域は、同一又は異なるピッチを有する様々な異なる格子を照射することにより、さらに低下しうる。
【0046】
図3Aに、本発明に係る、同一のポリゴン回転速度を有する、波長同調可能フィルタ構成1を含む構成/装置の、第六の例示的実施形態を示す。この例示的実施形態において、ポリゴン・スキャナ小面14からの反射光は、角度α19(リトロー角とは等しくない)で回折格子13(格子ピッチはp1)を照射する。格子からの角度β22における回折光20は、反射器26を照射した後、光制御部2への経路を戻る。このフィルタの半値幅帯域(瞬間線幅)は、次のようになる。
【数19】

【0047】
図3Bに、本発明に係る、同一のポリゴン回転速度を有する、波長同調可能フィルタ構成1を含む構成/装置の、第七の例示的実施形態を示す。この例示的実施形態において、ポリゴン・スキャナ小面14からの反射光は、角度α19(リトロー角とは等しくない)で回折格子13(格子ピッチはp)を照射する。格子からの角度β22における回折光20は、リトロー角γ28で他の回折格子27(格子ピッチはp)を照射した後、光制御部2への経路を戻る。このフィルタの半値幅帯域(瞬間線幅)は、次のように表せる。
【数20】

【0048】
図3Cに、本発明に係る、同一のポリゴン回転速度を有する、波長同調可能フィルタ構成1を含む構成/装置の、第七の例示的実施形態を示す。この例示的実施形態において、ポリゴン・スキャナ小面14からの反射光は、角度α19(リトロー角とは等しくない)で回折格子13(格子ピッチはp)を照射する。格子からの角度β22における回折光20は、γ28(リトロー角と等しくない)で他の回折格子27(格子ピッチはp)を照射する。

における回折光は、反射器30を照射した後、光源への経路を遡行する。このフィルタの半値幅帯域(瞬間線幅)は、次のように表せる。
【数21】

【0049】
図3A〜図3Cに示すフィルタ構成の半値幅帯域は、回折格子の数を増すことにより、さらに低下しうる。
【0050】
図4Aに、本発明に係る、同一のポリゴン回転速度を用いる、フィルタのFSR(自由スペクトル範囲)を倍増するための、波長同調可能フィルタ構成を含む、構成/装置の第九の例示的実施形態の概略図を示す。この例示的実施形態において、ポリゴンスキャナ小面14からの反射光は、反射器(又はフォールデッド(folded)望遠鏡)を照射し、他のポリゴン小面を照射し、全ての前述のフィルタ構成に接続できる。ポリゴン構成からの反射光の掃引角度は、ポリゴン回転角の四倍である。ポリゴンの小面−小面角15が、例えば角θであるときに、反射光の掃引角度は、ポリゴン構成の角度θの回転に対して、4θである。回折格子におけるビーム変位を減少し、第二のポリゴン小面におけるビーム欠落を防ぐため、反射器は、ポリゴンスキャナ小面14の近傍に設置できる。
【0051】
図4Bに、本発明に係る、ポリゴン小面の数を増すことなく、同一のポリゴン回転速度を用いてフィルタの同調速度を上昇するための、波長同調可能フィルタ構成1を含む構成/装置の第十の例示的実施形態を示す。好適には、これは該ポリゴン構成から該ポリゴン構成及び光制御部2に戻る反射ビーム光を進行させる、二つ(又はN)の回折格子100、101を互いに2θ/Nの角度で設置することにより、一つの小面−小面角θのポリゴン回転に対して、λからλまでのN個の波長走査が達成される。この例示的実施形態において、フィルタのFSRは、次式まで低下する。
【数22】

【0052】
図5Aに、本発明に係る、光学波長フィルタ1’を含む構成/装置の第十一の例示的実施形態のブロック図を示す。この例示的実施形態において、光学波長フィルタ1’は、様々な異なるアプリケーション、後述する一般的な実施例に、用いることができる。この例において、フィルタ1’は、光源2’を介して一以上のアプリケーション3’に接続できる。ある例示的アプリケーションにおいて、フィルタ1’は、光源(例えば、受動的又は能動的光学素子)以外のデバイスを介し、アプリケーション(例えば、一以上のアプリケーション3’)と共に又は接続して使用できることを理解すべきである。図5Aに示す、この例示的実施形態において、広帯域スペクトル光源及び/又は制御部2’(以後、「光制御部」として参照する)は、波長分散素子4’に接続できる。光制御部2’は、光学イメージング処理及び光学イメージング・システム、レーザ機械加工処理及びシステム、光リソグラフィ及び光リソグラフィ・システム、レーザ断層撮像システム、遠隔通信処理及びシステム等を含むが限定しないものに伴う、又はこれらのための一以上の役割を実施するよう適合される、一以上のアプリケーション3’に、さらに接続できる。波長分散素子4’は、レンズシステム6’に接続でき、これはさらにビーム屈折デバイス5’及び波長分散素子7’に接続される。
【0053】
光制御部2’は、広帯域周波数(f)スペクトルを有するビーム光を放出するよう構成される、様々なシステム及び/又は構成の一以上でありうる。例示的な一実施形態において、ビーム光は、平行化したビーム光でもよい。ビーム光は、可視光スペクトル(例えば、赤、青、緑)の範囲内に、複数の波長λ...λnを含むことができる。同様に、光制御部2’によって提供されるビーム光は、可視光スペクトルの範囲外(例えば、紫外、近赤外又は赤外)に定義してもよい、複数の波長λ...λnを含むこともできる。本発明の一実施形態によれば、光制御部2’は、単一方向の光透過リングを備えることができ、これは、波長同調レーザ源の例示的実施形態を示す図8A〜図8Dを用いて詳細をさらに後述する。さらに、本発明の別の例示的な実施形態において、光制御部2’は、リニア共振器システムを含むことができ、これは図8A〜図8Dを用いて詳細をさらに後述する。
【0054】
光学波長フィルタ1’の波長分散素子4’は、光制御部2’からのビーム光を受け取り、従来のように該ビーム光を多数の方向を有する複数波長の光に分離するように特定して取り付けられる、一以上の素子を含むことができる。波長分散素子4’は、光軸に対して等しい角度の方向又は変位において、異なる波長を有する部分光を進行させるように、さらに動作可能である。本発明の例示的な一実施形態において、波長分散素子4’は、光分散素子を含むことができ、これは、反射格子、透過格子、プリズム、回折格子、音響光学回折セル又はこれらの素子の一以上の組み合わせを含むことができるが、限定しない。
【0055】
光学波長フィルタ1’のレンズシステム6’は、波長分散素子から分離した波長の光を受け取るよう取り付けられる、一以上の光学素子を備えることができる。各波長における光は、光軸3に対し、ある角度にある経路に沿って伝播する。この角度は、波長分散素子4’によって決定される。さらに、レンズシステム6’は、ビーム屈折デバイス5’上に配置される所定位置に、光の波長を進行、誘導及び/又は集束するように取り付けられる。
【0056】
ビーム屈折デバイス5’は、一以上の個別の波長の光を受け取り、選択的に波長分散素子7’に方向転換するよう制御されることが可能である。波長分散素子7は、一以上の個別の波長の光をビーム屈折デバイス5’に戻し、次いでレンズシステム6’を通過する光軸に沿って波長分散素子4’に向かわせ、光制御部2’に戻すよう方向転換する。この後に、光制御部2’は、受け取った個別の波長の光を、任意の一以上のアプリケーションに選択的に進行することができる。ビーム屈折デバイス5’は、様々なやり方で設けることができる。例えば、ビーム屈折デバイス5’は、ポリゴン・ミラー、回転シャフト上に配置される平面鏡、ガルバノメータ上に配置されるミラー、又は音響光学変調器を含むが限定しない、素子から設けることができる。
【0057】
図5Bに、光学波長フィルタ1’を含む構成/装置の、第十二の例示的実施形態の概略図を示す。例示的な光学波長フィルタ1’は、ほぼ同一の入力及び出力ポートを有することが可能な反射型フィルタとして構成できる。入力/出力光ファイバ53及び平行化レンズ56は、光制御部2’(図5Aを参照して上記記載の光学制御部2とほぼ同様である場合がある)から光学波長フィルタ1’への入力を提供することができる。光学波長フィルタ1’は、回折格子50、光学望遠素子5’(以後、「望遠鏡6’」として参照する場合があり、図1Aのレンズシステム6’と同様であってもよいと考えられる)、及びポリゴン・ミラー・スキャナ54を備える。望遠鏡6’は、例えば、4f光学系による第一及び第二レンズ51、52等の二つのレンズを備えることができる。
【0058】
図5Bに示す光学波長フィルタ1’の、この実施形態において、ポリゴン構成54のミラー表面は、レンズ22からほぼ距離F2に設置され、ビーム光はゼロでない角度で(ポリゴン構成54のミラー小面から望遠鏡へ直接的に反射されるよりも)反射される。ポリゴン構成54からの反射光の掃引角度は、ポリゴン構成54の回転角の2倍である。ポリゴン構成54に対するλ1とλNとの入射角差90が、例えば角度θのポリゴンの小面−小面角57におよそ等しいときには、反射光の掃引角度58は、ポリゴン構成54の回転角θに対して、2θである。好適には、ポリゴン構成54からの反射ビームを、ポリゴン構成54及び望遠鏡(例えば、図5Bの望遠鏡6’に同じ)に戻して進行させるリトロー角59において、回折格子55を照射することにより、互いの間で角度がθであれば、一つの小面−小面角のポリゴン回転に対して、λ1からλNまでの波長走査が2回達成される。加えて、この例示的なフィルタの線幅は、他の回折格子を照射することにより望遠鏡及び端部反射器を用いる従来のポリゴン・スキャナと比較して、改善することが可能である。
【0059】
第一のレンズ51は、波長分散素子4’(例えば、回折格子50)から第一の距離に配置され、第一のレンズ51の焦点長F1とほぼ等しくすることが可能である。第二のレンズ52は、第一のレンズ51から第二の距離に配置され、これは、第一のレンズ51の焦点長F1及び第二のレンズ52の焦点長F2の合計とほぼ等しくすることが可能である。このような例示的配置を用いて、第一のレンズ51は、一以上の平行化した個別波長の光を、波長分散素子4’から受けることができ、平行化した一以上の個別波長の光について効率的にフーリエ変換を実施し、画像平面IPに投影される一以上の実質的に等しい変換ビームを提供することができる。
【0060】
画像平面IPは、好適には、第一のレンズ51と第二のレンズ52との間の、第一のレンズ51から所定距離に配置できる。本発明の例示的実施形態によれば、このような所定距離は、第一のレンズ51の焦点長F1によって定義してもよい。このような一以上の変換ビームが画像平面IPを通じて伝播すると、これらの一以上の変換ビームは、第二のレンズ52に受け取られる一以上の発散ビームに等しいか又は対応するものを形成する。第二のレンズ52は、発散ビームを受け取るように取り付けられ、光軸に対して所定の角度変位を有する、ほぼ等しい数の平行化ビームを提供する。したがって、第二のレンズ52は、ビーム屈折デバイス5’の所定部分に、平行化ビームを進行、誘導及び/又は集束するように取り付けられる。
【0061】
本発明の例示的実施形態に係る望遠鏡6’は、前述のような一以上の特徴を提供すると共に、回折格子からの発散する角分散を、第二のレンズ52の後の発散する角分散に変換するよう動作できる。このような結果は、フィルタの適切な動作のために有利である場合がある。加えて、望遠鏡6’は、同調範囲及び線幅を制御し、ビーム欠落を避けるためにポリゴンミラーにおけるビームサイズを縮小する、調節可能なパラメータを提供できる。図5Bの例示的実施形態に図示するように、ビーム屈折デバイス5’(例えば、ポリゴン・ミラー又は構成54を含んでもよい)は、光軸38に対するポリゴン構成54の前方ミラー小面の角度の関数として、好適には、狭通過帯域内のスペクトル構成要素のみを反射するよう、取り付けられる。反射した狭帯域の光は、回折格子55を照射し、回折して光ファイバ53により受け取られる。
【0062】
この例示的実施形態において、式はλ=p1(sin(α)+sin(β))及びλ=2psin(γ)と表すことができ、式中、λは光学波長、P及びPは格子ピッチ、α、β及びγは、それぞれ回折格子50、55の垂直軸に対するビームの入射、回折、及びリトロー角である。
【0063】
フィルタの半値幅帯域(瞬間線幅)は、次式で与えられることが示せる。
【数23】

式(13)は、この実施形態の線幅が、従来の実施形態に比較して、
【数24】

倍だけ改善できることを示している。
【0064】
フィルタの同調範囲は、第一のレンズ51の有限開口数によって制約される場合がある。ビーム欠落のない第一のレンズ51の受光角は、Δβ=(D−Wcosβ/cosα)/Fと定義でき、式中、D1及びF1は、第一のレンズ51の口径及び焦点長である。このような定式化は、フィルタによるフィルタ同調範囲に関係し、同調範囲は、
【数25】

及び
【数26】

と表すことができ、式中、α、β、及びγは、λ(中心波長)における入射、回折、及びリトロー角である。ポリゴン・ミラーの複数小面の性質を起源とするフィルタの例示的デザイン・パラメータ一つは、自由スペクトル範囲であり、これについては後述する。第一のレンズ51及び第二のレンズ52を通じて進行した後のスペクトル構成要素は、光軸38に対して角度β’のビーム伝播軸を有し、例えば、β’=−(β−β)・(F/F)であり、式中、F及びFは、それぞれ第一のレンズ51及び第二のレンズ52の焦点長である。
【0065】
ポリゴン構成54は、θ=2π/N≒L/Rで与えられる小面−小面極角を有してもよく、式中、Lは小面の幅、Rはポリゴン半径、Nは小面の数である。入射スペクトルのβ’の範囲が小面角よりも大きければ、すなわち、Δβ’=Δβ・(F/F)>θであれば、ポリゴン構成24は、所与の時点において一以上のスペクトル構成要素を逆反射できる。掃引角度が入射角の範囲に等しい、すなわち、Δβ’=2θであり、回折スペクトルの範囲が次式にしたがう、すなわち、2θ=Δγであれば、ポリゴン構成は、所与の時点において一つのスペクトル構成要素を逆反射できる。同時に反射される複数のスペクトル構成要素の間隔、又は自由スペクトル範囲は、次式で定義できる。
【数27】

【0066】
フィルタによるレーザ同調のデューティ比は、例えば、次式の好適条件に一致するならば、ビーム欠落による超過損失がない場合に100%となりうる。
【数28】

【0067】
第一式は、第二のレンズ52の後のビーム幅が小面幅よりも小さくなければならないという条件に由来しうる。第二式は、同調範囲の最低波長60及び最高波長61における二つのビームが、それぞれ、ポリゴン構成54において互いに重複してはならないという条件に由来しうる。式(14)におけるSは、第二のレンズ52と、ポリゴン構成54の前方ミラーとの間の距離を意味する。
【0068】
図5Cに、光学波長フィルタ1’を含む構成/装置の、第十三の例示的実施形態の概略図を示す。この例示的実施形態において、回折格子55は、角度61(リトロー角とは等しくない)で照射される。格子からの角度βにおける回折光62は、反射器56を照射した後、光制御部2へ戻る経路を遡行する。このフィルタの半値幅帯域(瞬間線幅)は、次式で与えられることが示せる。
【数29】

【0069】
図5Dに、光学波長フィルタ1’を含む構成/装置の、第十四の例示的実施形態の概略図を示す。この例示的実施形態において、回折格子56は、フィルタの瞬間線幅を狭隘化するために、様々な格子を有する以前の実施形態に置き換えられる。
【0070】
図6Aに、二つの光入力及び出力を収容するポリゴン同調フィルタを設ける、本発明の構成/装置の、第十九の例示的実施形態を示す。例えば、このフィルタの二以上の入力及び出力をサポートするために、二組以上の光学構成は、各組がそれぞれ入力/出力ファイバ70、70’、平行化レンズ71、71’、回折格子(又は前述のフィルタ構成)72、72’を備えて、同一のポリゴン構成73を共有できる。ポリゴン構成73の走査ミラーは、構造的に回転軸回りに等方的であるため、ポリゴン構成73にビーム光を供給できる光学構成であれば、任意の方向から収容することが可能である。図6Aの実施形態における光学構成の組は、両方とも同一のポリゴン・スキャナを利用するので、これらのそれぞれの走査光学透過スペクトルは同期される。図6Aの実施形態は、それぞれが自身の入力及び出力光学チャネルを有する複数(例えば、2以上)の光学構成を含むよう拡張できることを理解すべきである。
【0071】
本発明の第十の実施形態に係る、上述の例示的ポリゴン同調フィルタ一実施例は、広帯域波長の走査光源であってもよい。本発明の第十五の実施形態を示す図6Aにおいて、第一の広帯域光源74は、波長λ1からλiを有することのできる光信号を提供し、第二の広帯域光源74’は、波長λi−jからλNを有する別の光信号を提供する。波長λ1からλi及び波長λi−jからλNをサポートする二つの光学構成は、それぞれ、同時にほぼ同一の波長を出力するよう同期され、このような例示的な構成は、λ1からλNへの直線走査速度を有する広帯域波長の走査光源となりうる。ポリゴン掃引フィルタのFSRは、光学性能を低下することなく350nm以上に調節できるので、中心波長の異なる二以上の広帯域光源が、このフィルタと組み合わされ、同調帯域幅350nmを超える直線走査光源を提供することが可能である。図6Aの実施形態は、複数(例えば、2以上)の光学構成、及び複数(例えば、2以上)の広帯域光源を含むよう拡張できることを理解すべきである。
【0072】
図6Aに示す構成/装置の例示的実施形態は、各光学構成及び広帯域光源の波長同調帯域が不連続であるように、構成することもできる。このような構成において、同調帯域は、連続的又は不連続的に続く様式で掃引されてもく、同時に掃引されてもよい。
【0073】
図6Bに、ゲイン媒質が別個である、二以上のゲイン媒質74及び75(並列又は直列)の組み合わせによりフィルタのFSRを増加するための構成/装置の、本発明の第十六の例示的実施形態を示す。この例示的構成/装置は、複数(例えば、2以上)の光学構成及び独立共振器の波長掃引を同期することに対して、感受性が低いために、第十二の実施形態に比較して利点を有する。
【0074】
図7に、格子及びポリゴン走査フィルタを用いる波長掃引レーザを含む、構成/装置の例示的実施形態を示す。半導体光学増幅器(SOA)81からの平行化した光出力80は、格子及びポリゴン・スキャナ・フィルタに直接的に結合する。SOA82の反射小面側からの光の小部分は、レーザ84の出力を設ける単一モード・ファイバ83に結合できる。
【0075】
光がSOAのゲイン媒質を通過するにつれ、帯域内4光波混合現象の結果として、キャビティ内レーザの光学スペクトルにおいて周波数ダウンシフトが発生しうる。周波数ダウンシフトが存在すると、正の周波数掃引方向に波長走査フィルタを動作することにより、より大きな出力を発生することができる。自己周波数シフトと正の同調とを組み合わせた動作は、より高い出力を得ることができ、レーザをより高速な同調速度で動作させることが可能になるので、正の波長走査は好適な操作でありうる。出力を減少することも可能であり、瞬間線幅は、同調速度を増大するにしたがい、広幅化しうる。同調速度に対する出力及び瞬間線幅の感受性を低下するためには、短いキャビティ長が望ましい場合がある。
【0076】
格子及びポリゴン走査フィルタに基づく波長走査フィルタ、及びゲイン媒質と光学波長フィルタと間の直接的な自由空間結合により、全キャビティ周回長は20cm未満とすることが可能であり、これは同調速度に対する出力及び瞬間線幅の感受性を低下させる利点がある。
【0077】
図8Aに、格子及びポリゴン・スキャナ・フィルタを用いる、波長掃引レーザを含む構成/装置の別の実施形態を示す。ファイバ・リング・キャビティ92は、集束レンズ95を介して格子及びポリゴン・スキャナ・フィルタに接続できる。比較的長いキャビティ長が許容できるような、高速同調が不可欠ではない場合のアプリケーションに対しては、通常のデュアル・ポートSOA93を有するファイバ・リング・キャビティを、任意構成とすることができる。
【0078】
図8Bに、格子及びポリゴン・スキャナ・フィルタを用いる、波長掃引レーザを含む構成/装置の別の実施形態を示す。ファイバ及び自由空間リング・キャビティは、集束レンズ106、ビーム・キューブ・スプリッタ108、及び適宜アイソレータ109を介して、格子及びポリゴン・スキャナ・フィルタに接続できる。短いキャビティ長が重要であるような、高速同調が不可欠ではある場合のアプリケーションに対して、通常のデュアル・ポートSOA103を有するファイバ及び自由空間リング・キャビティの組み合わせを、任意構成とすることができる。
【0079】
図8Cに、長いキャビティ長を有する、ファイバ・リング波長掃引レーザを含む構成/装置の例示的実施形態を示す。レーザ光がキャビティ周回の後に共鳴できるようキャビティ長を増すことは、出力電力への感受性と、同調速度に対する瞬間線幅を低減するための別のやり方である。ファイバ追加長91の長さは、同調繰り返し速度に依存し、リング・キャビティ92内において共鳴同調を可能にする。格子及びポリゴン・スキャナ・フィルタを用いる場合のレーザ・キャビティのキャビティ長変化は、ポリゴン・スキャナ系レーザのものよりも小さいため、より良好な共鳴が得られる場合がある。
【0080】
図8Dに、格子及びポリゴン・スキャナ・フィルタを用いる、共鳴キャビティ・ファイバ・ラマン・リング・レーザの例示的実施形態を示す。共鳴波長同調に対しては長目の光ファイバ90が必要であるため、WDMカプラ110を通じてポンプ光111を適切に供給することにより、長目の光ファイバ90内にラマン・ゲインを誘起できる。ラマン・ゲイン効率を増強するため、キャビティ内において、特別な種類のファイバを長目の光ファイバ90として使用できる。ラマン・ゲイン波長帯域は、ポンプ光の波長帯域によって決定されるため、適切な波長帯域を有するポンプ光が利用可能である限りにおいて、任意波長の同調帯域を有する波長掃引レーザを得ることができる。
【0081】
さらに、ポンプ光出力及びファイバ内ラマン・ゲイン効率に依存するが、高出力の波長掃引レーザを実装できる。ラマン・ゲイン用のポンプ光は、レーザ光と逆方向に設けることも可能であり、進行及び逆行ポンプの両方を同時に用いて、高ゲインを得ることが可能である。ポンプ光は、単一波長の構成要素を有する光に限定されない。広帯域のラマン・ゲインを得るために、好適には複数のポンプ光を利用することができる。この方式は、波長を互い違いにした複数のラマン・ポンプ光を用いることにより、フィルタ自由スペクトル領域を超えるレーザ同調範囲を達成するよう、さらに拡張でき、このゲイン帯域は、漸次オン・オフを循環するフィルタの自由スペクトル領域よりも広い。
【0082】
前述は、単に本発明の原理を示すにすぎない。当業者であれば、本願明細書の教示を参照し、記載の実施形態に対する様々な変更及び変更が明らかである。実際に、本発明の例示的実施形態に係る構成、システム及び方法は、任意のOCTシステム、OFDIシステム、SD−OCTシステム又は他の画像システム、及び例えば2004年9月8日出願の国際特許出願PCT/US2004/029148、2005年11月2日出願の米国特許出願第11/266779号、2004年7月9日出願の米国特許出願第10/501276号に記載のものと共に使用可能であり、これらの開示は参照により全体を援用する。したがって、当業者であれば、本願明細書に明確には図示又は記載がないが、本発明の原理を具現し、これにより本発明の精神と範囲内にある、数多くのシステム、構成及び方法の考案が可能であることを考慮されたい。加えて、上述の本願明細書においては明確には参照により援用されていない従来技術の知識の範囲においては、その全体が明確に本願明細書に援用されている。本願明細書において参照する全ての出版物は、その全体を参照により本願明細書に援用する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの第一の電磁放射を受け取り、少なくとも一つの第二の電磁放射を、前記少なくとも一つの第一の電磁放射の入射方向に関して異なる角度で進行させるよう構成される少なくとも一つの第一の構成と、
前記少なくとも一つの第二の電磁放射を受け取り、少なくとも一つの第三の電磁放射を前記少なくとも一つの第一の構成に進行させ、少なくとも一つの第四の電磁放射をさらに受け取るよう構成される少なくとも一つの第二の波長分散構成と、を含み、前記少なくとも一つの第三の電磁放射は前記少なくとも一つの第二の電磁放射に基づき、前記少なくとも一つの第四の電磁放射は前記少なくとも一つの第三の電磁放射に基づく、
電磁放射をフィルタリングする装置。
【請求項2】
前記少なくとも一つの第一の構成は、多面鏡構成である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも一つの第一の電磁放射は、前記多面鏡構成の第一の小面に衝突し、前記少なくとも一つの第三の電磁放射は、前記多面鏡構成の第二の小面に衝突し、前記第一及び第二の小面は互いに異なる、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも一つの第一の構成は、ポリゴン・ビーム走査構成である、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも一つの第一の電磁放射は、前記ポリゴン・ビーム走査構成の第一の小面に衝突し、前記少なくとも一つの第三の電磁放射は、前記ポリゴン・ビーム走査構成の第二の小面に衝突し、前記第一及び第二の小面は互いに異なる、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記ポリゴン・ビーム走査構成は、連続的に回転されることが可能である、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記少なくとも一つの第二の構成は、回折格子構成、プリズム構成又はグリズム構成の少なくとも一つである、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第一及び第二の構成は、前記第一の電磁放射に基づく特定の電磁放射が、前記少なくとも一つの第一の構成によって、前記少なくとも一つの第二の構成から2回以上受け取られるよう、位置決めされる、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
特定の電磁放射の周波数に基づく前記特定の電磁放射の一以上の構成要素を物理的に分離するよう構成される少なくとも一つの第三の波長分散構成であって、前記少なくとも一つの第一の電磁放射は、前記特定の電磁放射に基づく構成を、
さらに含む請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記特定の電磁放射の一以上のさらなる構成要素を伴う前記少なくとも一つの第一の電磁放射を提供するために、前記一以上の構成要素の少なくともいくつかを受け取り、前記受け取った一以上の構成要素の少なくとも一つの特徴を変更するよう構成される、少なくとも一つの第四の構成を、
さらに含む請求項9に記載の装置。
【請求項11】
少なくとも一つの電磁放射を提供するよう構成される少なくとも一つのエミッタ構成と、
前記少なくとも一つの特定の電磁放射を受け取り、前記少なくとも一つの特定の電磁放射の入射方向に関して異なる角度で少なくとも一つの第一の電磁放射を進行させるよう構成される少なくとも一つの第一の構成と、
前記少なくとも一つの第一の電磁放射を受け取り、前記少なくとも一つの第一の構成に少なくとも一つの第二の電子磁気放射を進行させ、少なくとも一つの第三の電磁放射をさらに受け取るよう構成される少なくとも一つの第二の波長分散構成であって、前記少なくとも一つの第二の電磁放射は前記少なくとも一つの第一の電磁放射に基づき、前記少なくとも一つの第三の電磁放射は前記少なくとも一つの第二の電磁放射に基づく構成と、を含む、
少なくとも一つの特定の電磁放射を提供するための光源構成。
【請求項12】
前記少なくとも一つの第三の電磁放射を受け取る少なくとも一つのレーザ・キャビティをさらに含む、請求項11に記載の光源構成。
【請求項13】
前記レーザ・キャビティは、リング・レーザ・キャビティである、請求項12に記載の光源構成。
【請求項14】
前記少なくとも一つのエミッタ構成は、半導体光学増幅器、レーザ・ダイオード、スーパー・ルミネセント・ダイオード、ドープした光ファイバ、ドープしたレーザ・クリスタル、ドープしたレーザ・ガラス、又はレーザ・ダイの少なくとも一つである、請求項9に記載の光源構成。
【請求項15】
前記少なくとも一つの特定の電磁放射は、正の波長方向に連続的に掃引される周波数を有する、請求項9に記載の光源構成。
【請求項16】
光サーキュレータをさらに含む、請求項9に記載の光源構成。
【請求項17】
前記少なくとも一つのエミッタ構成の波長範囲は、互いに区別される、請求項9に記載の光源構成。
【請求項18】
前記少なくとも一つの第一の構成は、多面鏡構成である、請求項9に記載の光源構成。
【請求項19】
前記少なくとも一つの特定の電磁放射は、前記多面鏡構成の第一の小面に衝突し、前記少なくとも一つの第二の電磁放射は、前記多面鏡構成の第二の小面に衝突し、前記第一及び第二の小面は互いに異なる、請求項16に記載の光源構成。
【請求項20】
前記少なくとも一つの第一の構成は、ポリゴン・ビーム走査構成である、請求項9に記載の光源構成。
【請求項21】
前記少なくとも一つの特定の電磁放射は、前記ポリゴン・ビーム走査構成の第一の小面に衝突し、前記少なくとも一つの第二の電磁放射は、前記ポリゴン・ビーム走査構成の第二の小面に衝突し、前記第一及び第二の小面は互いに異なる、請求項20に記載の光源構成。
【請求項22】
前記ポリゴン・ビーム走査構成は、連続的に回転されることが可能である、請求項21に記載の光源構成。
【請求項23】
前記少なくとも一つの第二の構成は、回折格子構成、プリズム構成又はグリズム構成の少なくとも一つである、請求項11に記載の光源構成。
【請求項24】
前記第一及び第二の構成は、前記第一の電磁放射に基づくさらなる電磁放射が、前記少なくとも一つの第一の構成によって、前記少なくとも一つの第二の構成から2回以上受け取られるよう、位置決めされる、請求項11に記載の光源構成。
【請求項25】
前記特定の電磁放射の周波数に基づくさらなる電磁放射の一以上の構成要素を物理的に分離するよう構成される少なくとも一つの第三の波長分散構成であって、前記少なくとも一つの特定の電磁放射は、前記さらなる電磁放射に基づく構成を、
さらに含む請求項11に記載の光源構成。
【請求項26】
前記さらなる電磁放射の一以上のさらなる構成要素を伴う少なくとも一つの特定の電磁放射を提供するために、前記一以上の構成要素の少なくともいくつかを受け取り、前記受け取った一以上の構成要素の少なくとも一つの特徴を変更するよう構成される、少なくとも一つの第四の構成を、
さらに含む請求項25に記載の光源構成。
【請求項27】
少なくとも一つの第一の電磁放射を受け取り、前記少なくとも一つの第一の電磁放射の入射方向に関して異なる角度で少なくとも一つの第二の電磁放射を進行させることと、
前記少なくとも一つの第二の電磁放射を受け取り、少なくとも一つの第三の電磁放射を前記少なくとも一つの第一の構成に進行させ、少なくとも一つの第四の電磁放射をさらに受け取ることと、を含み、
前記少なくとも一つの第三の電磁放射は前記少なくとも一つの第二の電磁放射に基づき、前記少なくとも一つの第四の電磁放射は前記少なくとも一つの第三の電磁放射に基づく、
電磁放射をフィルタリングする方法。
【請求項28】
少なくとも一つのエミッタ構成を用いて少なくとも一つの電磁放射を提供することと、
前記少なくとも一つの特定の電磁放射を受け取り、前記少なくとも一つの特定の電磁放射の入射方向に関して異なる角度で少なくとも一つの第一の電磁放射を進行させることと、
前記少なくとも一つの第一の電磁放射を受け取り、前記少なくとも一つの第一の構成に少なくとも一つの第二の電磁放射を進行させ、少なくとも一つの第二の波長分散構成を用いて少なくとも一つの第三の電磁放射をさらに受け取ることと、を含み、前記少なくとも一つの第二の電磁放射は、前記少なくとも一つの第一の電磁放射に基づき、前記少なくとも一つの第三の電磁放射は、前記少なくとも一つの第二の電磁放射に基づく、
少なくとも一つの特定の電磁放射を提供する方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【公表番号】特表2010−522437(P2010−522437A)
【公表日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−554772(P2009−554772)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際出願番号】PCT/US2008/057835
【国際公開番号】WO2008/118781
【国際公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願人】(592017633)ザ ジェネラル ホスピタル コーポレイション (177)
【Fターム(参考)】