説明

角形断面梁、およびその加工方法

【課題】 簡単で強固にT字接合ができる角形断面梁を提供する。
【解決手段】 一方の角形断面梁15の側面11には凹部12・12が設けられており、当該凹部12は前記側面11に対して傾斜した傾斜面13を有している。他方の角形断面梁21の側面22には凹条23が形成される。この構成で、角形断面梁15の端部を角形断面梁21の側面22に向かい合わせ、タップネジ14を傾斜面13に貫通させ、更に凹条23を貫通させて、2本の梁を接合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主要には、T字状の垂直接続をはじめとした任意な角度(平行も含む)での接続が容易な角形断面梁の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
角形断面梁を他の角形断面梁に対してT字状の継ぎ手接合を行う場合は、図16に示すように、L字状のアングル53及びタップネジ14等の締結具を用いて締結する方法が、従来から一般的に用いられている。
【非特許文献1】KC型スチールハウスAタイプ標準工事仕様書(「スチールハウス用接合金物」の部分)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記非特許文献1の構成は、アングル部材53が必要になるとともにネジ14等の必要本数が多くなってしまい、部品コストや施工工数が増大してしまう。また図17に示すように、一側の梁51に荷重が作用したときに接合部分のアングル部材53が変形して接合部にズレや傾きが生じてしまい易く、角形断面梁の曲げ剛性を効果的に発揮できない。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0004】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0005】
◆本発明の第1の観点によれば、角形断面梁であって、その側面に凹部が設けられており、当該凹部は前記側面に対して傾斜した傾斜面を有する、角形断面梁が提供される。なお「角形断面梁」とは、角パイプのように断面が閉じた形状であるものに限定されるものではなく、例えばコ形、L形、Z形、Σ形の断面を有する梁を含む。また、溝形鋼のような開断面の梁であっても良い。
【0006】
これにより、その傾斜面に公知のネジなどの締結具を貫通させて相手側の梁に直接接合させることができる。従って、L字アングル等が必要なくなり、締結具の必要数も低減できるので、部品点数及び製造工数を低減できる。また、締結具の締結力をそのまま利用できるので、強固な結合が得られる。
【0007】
◆本発明の第2の観点によれば、角形断面梁であって、その側面に半球状の凹部が設けられている、角形断面梁が提供される。
【0008】
これにより、垂直以外の斜めの角度で角形断面梁同士を接合する場合でも、締結具を凹部の壁面(内面)に対して垂直に貫通させることが可能であるので、強固な結合が確実に得られる。
【0009】
◆前記の角形断面梁においては、前記凹部の内面に多数の凹凸が形成されていることが好ましい。
【0010】
これにより、締結具の先端が凹部の内面に対して滑りにくくなり、凹部の狙った位置に締結具を確実に突入させることができる。この結果、強固な結合がより容易に実現される。
【0011】
◆本発明の第3の観点によれば、角形断面梁であって、その側面に梁の長手方向に沿う凹条を設け、この凹条は、前記側面に対して傾斜している凹条壁面を有する、角形断面梁が提供される。
【0012】
これにより、前記凹条壁面に締結具を貫通させることで、相手側の梁との結合が容易かつ強固になる。
【0013】
◆前記の角形断面梁においては、前記凹条壁面が、当該角形断面梁の側面に対して前述の凹部を形成した角形断面梁の端部を向かい合わせたときに、当該凹部の前記傾斜面とほぼ平行になっていることが好ましい。
【0014】
これにより、締結具を前記傾斜面に対し垂直に貫通させることで、その締結具が凹条壁面もほぼ垂直に貫通することとなるから、締結が一層容易かつ強固になる。
【0015】
◆本発明の第4の観点によれば、2本の角形断面梁の接合方法であって、それぞれの角形断面梁の側面には当該梁の長手方向に沿う凹条を設け、当該凹条は前記側面に対して傾斜している凹条壁面を有するように構成した上で、当該2本の角形断面梁を、一側の側面同士を向かい合わせるように、かつ上記凹条を設けた側面が前記向かい合う側面と垂直をなすように、平行に配置するとともに、前記凹条の凹条壁面に締結具を突入させて、当該締結具を、2本の角形断面梁の当該向かい合う側面を貫通させて結合する、角形断面梁の接合方法が提供される。
【0016】
これにより、容易かつ強固な結合が得られ、2本の角形断面梁を平行に結合することで剛性を容易に増大させ得る。また、凹条の内部に締結具の頭部を収納させるように構成すれば、角形断面梁の側面に他の部材を取り付ける際も、締結具の頭部と当該他の部材とが干渉しにくい構成とできる。
【0017】
◆前記の角形断面梁の接合方法においては、それぞれの角形断面梁の前記向かい合う側面には第2凹条を設け、この第2凹条は、前記向かい合う側面に対して傾斜している第2凹条壁面を有しているとともに、この第2凹条壁面が、前記凹条の凹条壁面とほぼ平行になっていることが好ましい。
【0018】
これにより、締結具を前記凹条壁面に対し垂直に貫通させることで、その締結具が第2凹条壁面もほぼ垂直に貫通することとなるから、締結が一層容易かつ強固になる。
【0019】
◆前記の角形断面梁の接合方法においては、前記向かい合う側面の間に介在部材を介在させることが好ましい。
【0020】
これにより、2本の角形断面梁の向かい合う側面同士の摩擦力を高めることができ、結合をより強固とできる。また角形断面梁が金属製の場合、金属同士が擦れ合う不快な音を防止できる。
【0021】
◆前記の角形断面梁の接合方法においては、前記角形断面梁の前記向かい合う側面には、前記介在部材に対面する凸部が設けられていることが好ましい。
【0022】
これにより、凸部が介在部材に食い込むようにして2本の角形断面梁が一層強固に結合される。
【0023】
◆本発明の第5の観点によれば、角形断面梁であってその側面に梁の長手方向に沿う凸条を設けた、角形断面梁が提供される。
【0024】
これにより、接合される相手側の断面梁との間の位置決めが容易かつ正確に行えるので、正確な位置での接合が実現される。
【0025】
◆前記の角形断面梁においては、前記凸条は1つの側面に複数本設けられていることが好ましい。
【0026】
これにより、接合時の位置決めが更に正確となる。
【0027】
◆前記の角形断面梁を接合する相手側の角形断面梁においては、その端部に切欠を設けて、当該角形断面梁の端部を前記の角形断面梁の側面に向かい合わせたときに、前記切欠が前記凸条に対面することが好ましい。
【0028】
これにより、凸条が切欠に嵌合することで、角形断面梁の接合時の位置決めが容易である。
【0029】
◆本発明の第6の観点によれば、中空角形断面梁であって、その長手方向端部の四隅に切れ目が形成されるとともに、その端部部分において4つの側面が拡開方向にほぼ垂直に折り曲げられている、角形断面梁が提供される。
【0030】
これにより、他の梁に対して端部をT字状に接合することが容易な角形断面梁が実現される。
【0031】
◆本発明の第7の観点によれば、中空角形断面梁の長手方向端部の加工方法であって、その端部の四隅に切れ目を形成し、当該切れ目を形成した端部をダイスに押し当てることにより、その端部部分の4つの側面を拡開方向に折り曲げる、中空角形断面梁の長手方向端部の加工方法が提供される。
【0032】
これにより、簡易な方法で、上記のT字接合が容易な角形断面梁を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
次に、発明の実施の形態を説明する。図1には本発明の第1実施形態に係る角形断面梁10の一端部が拡大して示されており、この図に示すように角形断面梁10は断面がほぼ正方形状に構成され、4つの側面11・11・・・を有している。4つの側面11のそれぞれには、その端部寄りの位置に、凹部12が2個ずつ形成されている。それぞれの凹部12は、それが形成されている側面11に対して傾斜する、傾斜面13を有している。具体的には傾斜面13は、凹部12の最深部から梁10の軸方向端部側に向かうにつれて徐々に浅くなるような傾斜を呈している。なお図2は図1のA−A断面矢視図であり、この図2に示すように、前記角形断面梁10は中空状に構成されている。
【0034】
この構成で図1に示すように、相手側の角形断面梁20の側面に本実施形態の角形断面梁10の端部を向かい合わせた状態で、各凹部12の傾斜面13に対しタップネジ(締結具)14を垂直に突入させて、当該ネジ14に、相手側の角形断面梁20の側面を斜めに貫通させる(図2参照)。
【0035】
こうして角形断面梁10を、相手側の角形断面梁20に対しT字状に接合することができる。この方法は図16に示すようなL字状のアングルを用いず、またタップネジ14の本数も少なくできるから、部品点数及び施工工数を低減できる。また、締結具たるタップネジ14の締結力をそのまま結合力として利用する結合が実現され、この結果、結合を強固とできる。なおこのとき、前記傾斜面13は、螺入されたタップネジ14の頭部が座する座面としての役割を果たす。
【0036】
凹部12の形状は、図1の例では、軸線を傾斜させた円柱状に切り欠いた形状とされている。ただし図3に示すように四角錘状に切り欠いた凹部12としても良いし、図4に示すように、軸線を傾斜させた三角柱状に切り欠いた凹部12としても良い。
【0037】
また、図5に示すように、凹部12を半球状に形成することもできる。この場合、角形断面梁10を相手側の角形断面梁20に対し、垂直のみならず、任意の角度で斜めに結合することも容易になる。図5にはトラス小屋組を構成する場合において、トラス下弦材たる角形断面梁10にトラス上弦材たる角形断面梁20を斜状に接合する例が示されている。図5において、角形断面梁10の端部は予め斜めに切断され、その切り口の近傍において、角形断面梁10の側面には半球状の凹部12が形成される。そして、その斜めの切り口を相手側の角形断面梁20の側面に向かい合わせた上で、タップネジ14を凹部12に突入させて、当該タップネジ14に相手側の角形断面梁20を貫通させることで結合している。図5のように凹部12を半球凹状に形成すると、いかなる角度で角形断面梁10・20同士を接合する場合でも、凹部12におけるタップネジ14の貫通箇所を適当に定めれば当該ネジ14を凹部12の壁面に対し垂直に貫通させることができ、接合が容易かつ確実となる。
【0038】
なお、図5の構成例において、半球状の凹部12の内面には多数の細かい凹凸が形成されており、これによりタップネジ14の先端を凹部12における狙った位置に突き刺すことが容易となり、接合が一層容易とされている。この凹凸の高低差をどのように定めるかは任意であるが、タップネジ14の先端が凹部12の内面に対し滑らずに引っ掛かる程度の高低差があることが好ましい。
【0039】
図6には第2実施形態の角形断面梁15及び第3実施形態の角形断面梁21が示される。図3中右側に示される角形断面梁15は、4つの側面11・11・・・のうち上下の面にのみ凹部12・12を形成しているほかは、図1の角形断面梁10の構成と同様である。
【0040】
図6、及びそのB−B断面矢視図としての図7に示すように、角形断面梁21の4つの側面のうち、互いに向かい合う2つの側面22・22には、それぞれ2本の凹条23・23が形成される。この凹条23・23は断面V字状とされ、角形断面梁21の長手方向に沿って設けられる。凹条23の一側の壁面である凹条壁面24は、前記側面22に対し傾斜状に構成されているとともに、その側面22に角形断面梁15の端部を向かい合わせたときに、凹部12の傾斜面13とほぼ平行に対面するように構成されている(図7を参照)。この結果、タップネジ14が傾斜面13及び凹条壁面24にほぼ垂直に貫通する形となって、タップネジ14での固定が容易かつ確実となっている。なお、角形断面梁21の両側の側面22・22に凹条23及び凸条25を設けたのは、角形断面梁21の側面22・22の何れかを任意に選択して(あるいは、両方の側面に)角形断面梁15を接合できるようにするためである。なお、凹条23の形状はV字状に限らず、例えば底部にアールを設けたV字状や、底部に前記側面22と平行な底面を有する形状に構成されていても良い。要するに凹条23は、前記側面22に対して傾斜する凹条壁面24を有する構成であればよく、その具体的な形状は限定されない。
【0041】
また図6に示すように、角形断面梁21の凹条23が設けられている側面22において、当該2本の凹条23の外側には、2本の凸条25が凹条23と平行に形成されている。図7に示すように、この凸条25・25の間隔は相手側の角形断面梁15の太さよりも若干大きく設定されており、角形断面梁15の端部を凸条25・25の間に差し込んだ状態でタップネジ14でネジ止めできるようになっている。この結果、2本の角形断面梁15・21同士を正確に位置決めして接合できる。特に、凸条25・25が複数本(2本)設けられているから、位置決めが一層正確かつ容易となっている。
【0042】
図8は図6・図7に示す角形断面梁15の変形例を示し、この変形例の角形断面梁16は相手側の角形断面梁21と略同じ太さに形成されており、前記の凸条25・25に対応する位置において、角形断面梁16の端部には切欠44・44が形成されている。この切欠44・44は、角形断面梁16の端部を前記角形断面梁21の側面22に向かい合わせたときに、その側面22の凸条25に対面するようになっている。従って、梁の接合時は凸条25が切欠44に嵌合することで、位置決めが一層正確かつ容易となる。なお図8の構成においては、タップネジ14の軸部に筒状のカラー19を外嵌しており、これによって、ネジ締結時の端部座屈を抑制できる。
【0043】
図9は切欠44を設ける場合の更なる変形例を示し、若干細い角形断面梁18を相手側の角形断面梁21に接合する場合を示している。
【0044】
次に、図10を参照して、互いに隣接して配置される角形断面梁26・27を接合する実施形態を説明する。2本の角形断面梁26・27は、一側の側面28・28同士を向かい合わせるようにして平行に配置されている。それぞれの角形断面梁26・27には、上記側面28と垂直をなす他の側面29にV字状の凹条30を形成している。この凹条30は、その凹条30が形成される側面29に対して傾斜した凹条壁面30aを有している。そして、当該凹条30の凹条壁面30aに対しタップネジ14を垂直に突入させ、このネジ14を、図10のC−C断面矢視図としての図11に示すように、2本の角形断面梁26・27の向かい合う前記側面28・28を斜めに貫通させることで、両梁26・27を結合している。
【0045】
これにより、2本の角形断面梁26・27の容易かつ強固な結合が得られ、2本の角形断面梁26・27を平行に結合することで剛性を容易に増大させ得る。
【0046】
なお、図10の2本の角形断面梁26・27の側面28・28の間には、介在部材31を介在させている。この結果、2本の角形断面梁26・27の側面28・28同士の摩擦力を高めることができ、結合をより強固とできる。また角形断面梁26・27が金属製であった場合、間に介在部材31を挟むことで、当該金属同士が擦れ合う不快な音を防止できる。上記介在部材31の形状は特に限定しないが、プレート状に形成されていることが好ましい。また介在部材31の材料としては、例えば、ゴム、プラスチック、木材、ゲル状材料、繊維系材料、コンクリート、金属などを使用できるが、タップネジ14などの係合具を貫通させ得る材料であることが好ましい。また介在部材31は、例えばゴム、プラスチック、木材など、表面の摩擦係数の比較的高い材料で形成されることが好ましい。
【0047】
図12には図10・図11の構成の変形例が示され、それぞれの角形断面梁32・33には、その上下面に前記凹条30を形成し、更に、互いに向かい合う側面35・35にもV字状の第2凹条34を上下一対で形成している。なお、前記第2凹条34においてタップネジ14が貫通される第2凹条壁面34a・34aは、前記向かい合う側面35に対して傾斜している。また、この第2凹条壁面34aは、前記凹条30においてタップネジ14が貫通される凹条壁面30aに対し、ほぼ平行になっている。この構成では、上下面の凹条30の凹条壁面30aに対しタップネジ14を垂直に突入させれば、そのネジ14は、当該突入させた側の角形断面梁32/33の前記第2凹条壁面34aをほぼ垂直に貫通し、更に、相手側の角形断面梁33/32の前記第2凹条壁面34aをほぼ垂直に貫通することで、両梁32・33を結合できる。従って、結合が一層確実かつ容易になる。
【0048】
なお、この図12の構成例においては、向かい合う側面35・35の前記介在部材37に対面する位置に、凸部としての凸条36・36を形成している。そして、介在部材37に凸条36を食い込ませるようにしてネジ14により両梁32・33を結合する結果、角形断面梁32・33同士の強力な結合が実現されている。この図12の構成の場合、介在部材37の材料としては、例えばゴム、プラスチック、木材などの、比較的柔らかく変形し易いものを使用することが好ましい。なお凸部は、凸条36のように細長いものに限らず、例えば複数配列された点状の凸部とすることも可能である。
【0049】
また、図12においては、上下面の凹条30は、タップネジ14の頭部のほぼ全部が収まるような深さとされている。従って、図12のように面材38を梁32・33の上面に貼り付ける場合でも、タップネジ14の頭部と面材38との干渉を回避できる。
【0050】
なお、図13には隣接する角形断面梁32・33同士を接合せずに上側に面材38を貼り付けた比較対照例が示される。この場合、両角形断面梁32・33の境界部分において面材38に下向きの力Fが作用すると、両角形断面梁32・33の下部が互いに離れるように移動しあるいは変形して、面材38が下に凸となるように変形するおそれがある。この点、図12(あるいは図11)のように隣接する角形断面梁同士を接合すれば、その上に貼り付けた面材38に下向きの強い力が加わったとしても、その力を、互いに結合することによって剛性の向上した角形断面梁で確実にサポートできる。
【0051】
図14には角形断面梁39の端部を他の角形断面梁に接合するための加工方法の例が示される。この図14において、中空状に形成した角形断面梁39の一端においては、その四隅に適宜の長さの切込み40を形成する。そして、その切込み40が形成された端部を、台形状(截頭四角錐状)のダイス41にあてがい、その上端を例えばハンマー等で叩くことで、4つの側面42の端部が拡開方向にほぼ垂直に折り曲げられ、フランジ部43が形成される。
【0052】
そして図15に示すように、上記加工を施した角形断面梁39の前記フランジ部43を相手側の角形断面梁20の側面に向かい合わせ、前記フランジ部43が形成される境目の折り目部分に適宜の本数のタップネジ14を斜めに螺設することで、2本の梁39・20を容易に接合することができる。
【0053】
以上に本発明の好適な複数の実施形態および変形例を説明したが、本発明は以上の構成に限定されるものではない。例えば、角形断面梁の断面形状は正方形に限らず、例えば長方形であっても良い。また、断面形状の隅部に若干のアールが形成されていても良い。また本発明は、角パイプのように断面が閉じた形状の梁のみを対象とするものではなく、例えばコ形、L形、Z形、Σ形の断面を有する梁についても本発明の適用は妨げられないし、溝形鋼のような開断面を有する梁であっても良い。また、角形断面梁同士を接合するための締結具はタップネジに限らず、例えば釘、スクリュー釘、ブラインドリベット、ネジなどを使用しても差し支えない。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】第1実施形態の角形断面梁を示す要部拡大斜視図。
【図2】図1のA−A断面矢視図。
【図3】凹部の形状の他の例を示す斜視図。
【図4】凹部の形状の更に他の例を示す斜視図。
【図5】凹部を半球状に形成した例を示す斜視図。
【図6】第2・第3実施形態の角形断面梁を示す要部拡大斜視図。
【図7】図6のB−B断面矢視図。
【図8】角形断面梁の変形例を示す断面図。
【図9】角形断面梁の変形例を示す断面図。
【図10】角形断面梁を平行に接合する場合の構成例を示す斜視図。
【図11】図10のC−C断面矢視図。
【図12】角形断面梁を平行に接合する他の構成例を示す断面図。
【図13】隣接する角形断面梁同士を接合せずに上側に面材を貼り付けた比較対照例を示す断面図。
【図14】角形断面梁の端部の加工方法を説明する斜視図。
【図15】端部が加工された角形断面梁を相手側の梁に接合する様子を示す要部拡大斜視図。
【図16】角形断面梁のT字状接合の従来例を示す斜視図。
【図17】角形断面梁のT字状接合の従来例の解決課題を説明する斜視図。
【符号の説明】
【0055】
10・15・16・17・20・21・26・27・32・33・39 角形断面梁
12 凹部
13 傾斜面
14 タップネジ(締結具)
23 凹条
25 凸条
44 切欠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
角形断面梁であって、その側面に凹部が設けられており、当該凹部は前記側面に対して傾斜した傾斜面を有することを特徴とする角形断面梁。
【請求項2】
角形断面梁であって、その側面に半球状の凹部が設けられていることを特徴とする角形断面梁。
【請求項3】
請求項2に記載の角形断面梁であって、前記凹部の内面に多数の凹凸が形成されていることを特徴とする角形断面梁。
【請求項4】
角形断面梁であって、その側面に梁の長手方向に沿う凹条を設け、その凹条は、前記側面に対して傾斜している凹条壁面を有することを特徴とする角形断面梁。
【請求項5】
請求項4に記載の角形断面梁であって、前記凹条壁面が、当該角形断面梁の側面に請求項1に記載の角形断面梁の端部を向かい合わせたときに、前記傾斜面とほぼ平行になっていることを特徴とする角形断面梁。
【請求項6】
2本の角形断面梁の接合方法であって、それぞれの角形断面梁の側面には当該梁の長手方向に沿う凹条を設け、当該凹条は前記側面に対して傾斜している凹条壁面を有するように構成した上で、当該2本の角形断面梁を、一側の側面同士を向かい合わせるように、かつ上記凹条を設けた側面が前記向かい合う側面と垂直をなすように、平行に配置するとともに、前記凹条の凹条壁面に締結具を突入させて、当該締結具を、2本の角形断面梁の当該向かい合う側面を貫通させて結合することを特徴とする、角形断面梁の接合方法。
【請求項7】
請求項6に記載の角形断面梁の接合方法であって、それぞれの角形断面梁の前記向かい合う側面には第2凹条を設け、この第2凹条は、前記向かい合う側面に対して傾斜している第2凹条壁面を有しているとともに、この第2凹条壁面が、前記凹条の凹条壁面とほぼ平行になっていることを特徴とする、角形断面梁の接合方法。
【請求項8】
請求項6又は請求項7に記載の角形断面梁の接合方法であって、前記向かい合う側面の間に介在部材を介在させることを特徴とする、角形断面梁の接合方法。
【請求項9】
請求項8に記載の角形断面梁の接合方法であって、前記角形断面梁の前記向かい合う側面には、前記介在部材に対面する凸部が設けられていることを特徴とする、角形断面梁の接合方法。
【請求項10】
角形断面梁であって、その側面に梁の長手方向に沿う凸条を設けたことを特徴とする角形断面梁。
【請求項11】
請求項10に記載の角形断面梁であって、前記凸条は1つの側面に複数本設けられていることを特徴とする角形断面梁。
【請求項12】
角形断面梁であって、その端部に切欠を設け、当該角形断面梁の端部を請求項10又は請求項11に記載の角形断面梁の前記側面に向かい合わせたときに、その側面の前記凸条に前記切欠が対面することを特徴とする角形断面梁。
【請求項13】
中空角形断面梁であって、その長手方向端部の四隅に切れ目が形成されるとともに、その端部部分において4つの側面が拡開方向にほぼ垂直に折り曲げられていることを特徴とする角形断面梁。
【請求項14】
中空角形断面梁の長手方向端部の加工方法であって、その端部の四隅に切れ目を形成し、当該切れ目を形成した端部をダイスに押し当てることにより、その端部部分の4つの側面を拡開方向に折り曲げることを特徴とする中空角形断面梁の長手方向端部の加工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−83647(P2006−83647A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−271402(P2004−271402)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】