角質剥離用粘着体
【課題】凹凸の大きい部位に適用した場合であっても、均一かつ効率よく角質を剥離することができる角質剥離用粘着体を提供すること。
【解決手段】角質剥離用粘着体10は、基材フィルム1と、基材フィルム1の一方の面に形成された粘着剤層2と、基材フィルム1上に設置された枠部材4とを有し、基材フィルム1の平均厚さが、1〜4.9μmである。また、基材フィルム1は、そのヤング率が、1〜10GPaであるのが好ましい。また、枠部材4は、基材フィルム1の周縁部に設けられている。また、粘着剤層2の平均厚さは、5〜200μmであるのが好ましい。
【解決手段】角質剥離用粘着体10は、基材フィルム1と、基材フィルム1の一方の面に形成された粘着剤層2と、基材フィルム1上に設置された枠部材4とを有し、基材フィルム1の平均厚さが、1〜4.9μmである。また、基材フィルム1は、そのヤング率が、1〜10GPaであるのが好ましい。また、枠部材4は、基材フィルム1の周縁部に設けられている。また、粘着剤層2の平均厚さは、5〜200μmであるのが好ましい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、角質剥離用粘着体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
皮膚の最外層にある角質は、生体内と外界を分ける界面であり、生体成分が外界に漏出するのを防いだり、有害成分が生体内に進入するのを防ぐバリアー機能を有する。
【0003】
このように、角質は生体にとって重要な機能を有するものであるが、例えば、薬物やワクチン等の有効成分を表皮から生体内に投与(経皮吸収)したり、臨床検査等を目的として吸引浸出液を皮膚から減圧吸引する際などにおいて、角質を除去することが必要な場合がある。
【0004】
従来、角質を除去する方法としては、例えば、皮膚表面に、粘着テープ(角質剥離用粘着シート)を粘着し、一定時間後に剥離することによって角質を除去する方法が知られている。(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
しかしながら、従来の粘着テープでは、鼻、肘、膝、踵等の凹凸の大きい部位に適用した場合には、大きな凹凸に対する追従性に劣るため、角質を均一に剥離することができないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−289672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、凹凸の大きい部位に適用した場合であっても、均一かつ効率よく角質を剥離することができる角質剥離用粘着体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的は、下記(1)〜(3)の本発明により達成される。
(1) 基材フィルムと、
前記基材フィルムの一方の面に形成された粘着剤層と、を有し、
前記基材フィルムの平均厚さが、1〜4.9μmであることを特徴とする角質剥離用粘着体。
【0009】
(2) 前記基材フィルムのヤング率は、1〜10GPaである上記(1)に記載の角質剥離用粘着体。
【0010】
(3) 前記基材フィルムの周縁部に設けられた枠部材を有する上記(1)または(2)に記載の角質剥離用粘着体。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、凹凸の大きい部位に適用した場合であっても、均一かつ効率よく角質層を剥離することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の角質剥離用粘着体の好適な実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明の角質剥離用粘着体の好適な実施形態を示す平面図である。
【図3】本発明の角質剥離用粘着体の他の実施形態を示す平面図である。
【図4】本発明の角質剥離用粘着体の他の実施形態を示す断面図である。
【図5】本発明の角質剥離用粘着体の他の実施形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
《角質剥離用粘着体》
まず、本発明の角質剥離用粘着体について説明する。
【0014】
図1は、本発明の角質剥離用粘着体の好適な実施形態を示した断面図、図2は、本発明の角質剥離用粘着体の好適な実施形態を示した平面図である。
【0015】
図1および図2に示すように、角質剥離用粘着体10は、基材フィルム1と、基材フィルム1上に形成された粘着剤層(角質剥離用粘着剤層)2と、基材フィルム1上に設置された枠部材4とを備えている。また、本実施形態では、角質剥離用粘着体10は、粘着剤層2の基材フィルム1とは反対側の面に設置された離型シート3を備えている。
【0016】
基材フィルム1は、粘着剤層2を支持する機能を備えている。特に、本発明の角質剥離用粘着体に適用される基材フィルム1の平均厚さは1〜4.9μmである。
【0017】
ところで、従来の角質剥離用粘着体では、鼻、肘、膝、踵等の凹凸の大きい部位に適用した場合には、大きな凹凸に対する追従性に劣るため、角質を均一に剥離することができないという問題があった。
【0018】
これに対して、本発明の角質剥離用粘着体は、基材フィルムとして、平均厚さ1〜4.9μmという薄いものを使用する点に特徴を有している。このような特徴を有することにより、皮膚の凹凸(特に、鼻、肘、膝、踵等の凹凸の大きい部位)に対する追従性が優れたものとなる。その結果、均一かつ効率よく角質を剥離することができる。
【0019】
本発明において、基材フィルム1の平均厚さは、1〜4.9μmであるが、1.5〜4.5μmであるのがより好ましい。これにより、本発明の効果をより顕著なものとすることができる。
【0020】
このような基材フィルム1のヤング率は、1〜10GPaであるのが好ましく、1.5〜5GPaであるのがより好ましい。基材フィルム1のヤング率がこのような範囲の値であると、患部へ貼着した後の患部からの剥がし易さを向上させることができる。また、鼻、肘、膝、踵等の凹凸の大きい部位への追従性をさらに高いものとすることができる。
【0021】
基材フィルム1の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアミド、アクリル樹脂等が挙げられる。
【0022】
なお、基材フィルム1の粘着剤層2が形成される側の面に、粘着剤層2との密着性を高めるために、プライマー処理、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
【0023】
粘着剤層2は、図1に示すように、基材フィルム1の一方の面に設けられており、粘着剤で構成されている。
【0024】
粘着剤層2を構成する粘着剤としては、その粘着力により古い角質層を除去することが可能なものであれば、いずれのものを用いてもよく、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤等を用いることができる。中でも、粘着力の制御が容易である観点から、アクリル系粘着剤を用いるのが好ましい。さらに、粘着剤の設計、塗工等の製造時に複雑な混合が不要であり、ポットライフを考慮する必要が無い等の観点から、一液タイプの内部架橋型アクリル系粘着剤を用いるのがより好ましい。
【0025】
内部架橋型アクリル系粘着剤は、アクリル系モノマー(ml)および内部架橋剤(m2、重合性不飽和基を複数有するモノマー)由来の繰り返し単位を含むアクリル系共重合体(p)からなり、外部架橋剤の配合が不要な粘着剤である。
【0026】
ここで内部架橋剤とは、重合時に、ポリマー分子内に架橋構造を導入し得る架橋型反応性単量体であり、外部架橋剤とは、重合体粒子間に架橋構造を導入し得る化合物である。
【0027】
アクリル系モノマー(ml)としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むことが好ましい。
【0028】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキルエステルを構成するアルキル基の炭素数は、3〜12であるのが好ましく、4〜8であるのが特により好ましい。これにより、粘着剤層2の粘着力を適度なものとすることができ、より効率よく角質を剥離することができる。
【0029】
上述したアクリル系共重合体(p)に用いられるアクリル系モノマ−(ml)としては、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸へキシル、(メタ)アクリル酸シクロへキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アラルキルエステル;(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル;等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのいずれかを意味し、以下、(メタ)は同じ意味を有するものとする。
【0030】
また、アクリル系共重合体(p)中におけるアクリル系モノマー(ml)由来の繰り返し単位の全繰り返し単位に対する割合(モル%)は特に限定されないが、50〜99モル%であるのが好ましく、60〜95モル%であるのがより好ましい。
【0031】
アクリル系共重合体(p)の製造に用いられる内部架橋剤(m2)は、アクリル系共重合体(p)の凝集力を向上させる機能を有している。すなわち、重合性不飽和基を複数有するモノマー(m2)の重合性不飽和基がアクリル系共重合体(p)の重合に関与することによって、アクリル系共重合体(p)を架橋した高分子とすることができる。
【0032】
内部架橋剤(m2)は、ポリマー分子内に架橋構造を導入し得る架橋型反応性単量体であり、具体例としては、分子内に重合性不飽和基を複数有するモノマーが挙げられる。かかる重合性不飽和基としては、例えば、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等が挙げられ、これらのうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、重合性不飽和基としてアクリロイル基を用いた場合、アクリル系共重合体(p)の凝集力を十分に高いものとすることができる。
【0033】
また、内部架橋剤(m2)中の重合性不飽和基は、複数あるものであればよいが、2〜5個であるのが好ましく、2〜3個であるのがより好ましく、2個であるのがさらに好ましい。これにより、アクリル系共重合体(p)を含む溶液の粘度を低いものとしつつ、アクリル系共重合体(p)の凝集力を十分に高いものとすることができる。
【0034】
内部架橋剤(m2)である架橋型反応性単量体としては、多官能性エチレン性不飽和単量体を用いるのが好ましい。
【0035】
多官能性エチレン性不飽和単量体としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレ−ト、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレ−ト、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレ−卜、トリメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレート.テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンメタクリレートアクリレート等のポリオール類のジまたはトリ(メタ)アルキル酸エステル類:トリス(メタ)アクリロイルオキシフォスフェート;ジアリルフタレート;ジアリルテレフタレート;テトラアリルオキシエタン;ジビニルベンゼン;トリ(メタ)アリルイソシアヌレート;等が挙げられる。
【0036】
また、アクリル系共重合体(p)における重合性不飽和基を複数有するモノマー(m2)由来の繰り返し単位の全繰り返し単位に対する割合(モル%)は、特に限定されないが、0.00005〜0.10モル%であるのが好ましく、0.0001〜0.05モル%であるのがより好ましい。
【0037】
また、アクリル系共重合体(p)は、上述したアクリル系モノマー(ml)と内部架橋剤(m2)以外のモノマー(m3)由来の繰り返し単位を含んでいてもよい。このようなモノマー(m3)としては、ビニルピロリドン等のラクタム環を有するビニルモノマー、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。これらの中でも、ラクタム環を有するビニルモノマーが特に好ましい。
【0038】
これらのモノマー(m3)由来の繰り返し単位の、全繰り返し単位に対する割合(モル%)は、特に限定されないが、0〜50モル%であるのが好ましく.1〜35モル%であるのがより好ましい。
【0039】
アクリル系共重合体(p)の質量平均分子量(Mw)は、通常100,000〜1,500.000であるのが好ましく、300,000〜1,200,000であるのがより好ましく、400,000−1,000,000であるのがさらに好ましい。なお、本発明において,質量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC分析)によって測定し、標準ポリスチレンで換算した値である。
【0040】
粘着剤層2の平均厚さは、5〜200μmであるのが好ましく、10〜100μmであるのがより好ましい。これにより、鼻、肘、膝、踵等の凹凸の大きい部位への追従性をさらに高いものとすることができる。
【0041】
離型シート3は、角質剥離用粘着体10の保管時(未使用時)において、粘着剤層2の貼着面を保護する機能を有している。
【0042】
このような離型シートとしては、例えば、上質紙、グラシン紙、コート紙、ポリエチレンラミネート紙、ポリプロピレンラミネート紙等の紙類;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系フィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系フィルム等の合成樹脂フィルム等が使用できる。また、離型シートは、必要に応じてこれらの材料の片面または両面にシリコーン樹脂等により剥離処理が施されたものを使用してもよい。
【0043】
また、離型シート3の平均厚さは、10〜200μmであることが好ましく、15〜100μmであることがより好ましい。
なお、このような離型シート3は無くてもよい。
【0044】
本実施形態では、図1および図2に示すように、基材フィルム1の粘着剤層2とは反対側の縁部に、リング状の枠部材4が設けられている。このような枠部材4を備えることにより、離型シート3から角質剥離用粘着体10を容易に剥離することができる。また、離型シート3から剥離した際に、角質剥離用粘着体10に皺が発生するのを効果的に防止することができる。また、角質剥離用粘着体10の患部への貼着をより容易に行うことができる。また、角質剥離用粘着体10を患部から剥がす際のガイド部としても機能する。
【0045】
枠部材4は、図1に示すように、枠部材本体41と枠部材用粘着剤層42とで構成されている。
【0046】
枠部材本体41としては、基材フィルム1よりも剛性が高く、かつ、フレキシブル(可撓)性を有するものであれば特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン,ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアミド、アクリル樹脂等の材料で構成されたものを用いるのが好ましい。
【0047】
枠部材本体41の平均厚さは、50〜1000μmであるのが好ましく、80〜300μmであるのがより好ましい。
【0048】
枠部材用粘着剤層42を構成する材料としては、特に限定されず、公知の粘着剤を用いることができる。
【0049】
以上、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0050】
例えば、前述した実施形態では、枠部材4が基材フィルム1の縁部の全周にわたって設けられたものとして説明したが、図3に示すように基材フィルム1の縁部の一部に設けられていない部分があってもよい。すなわち、枠部材4がC形状であってもよい。
【0051】
また、前述した実施形態では、枠部材4が基材フィルム1の粘着剤層2とは反対側に設けられたものとして説明したが、図4に示すように、枠部材4が基材フィルム1と粘着剤層2の間に設けられていてもよい。
【0052】
また、枠部材4は、図5に示すように、基材フィルム1および粘着剤層2の端面を覆うように設けられていてもよい。
【0053】
また、離型シート3を粘着剤層2上にリング状に残存させ、これを枠部材4としてもよい。
【実施例】
【0054】
次に、本発明の角質剥離用粘着体の具体的実施例について説明する。
[1]角質剥離用粘着体の作製
(実施例)
アクリル系ポリマー(アクリル酸−2−エチルヘキシル(2EHA)/N−ビニルピロリドン(VP)/ヘキサンジオールジメタクリレート(HDDM共重合体)=79.98/19.99/0.03[モル%]、Mw=約85万、固形分35%)を、離型シート(SP−PET381031、リンテック社製)上に、乾燥(100℃3分間)後の塗布量が20g/m2になるように塗布して粘着剤層を形成し、基材フィルムとして平均厚さ1.8μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを粘着剤層にラミネートし、粘着体を作製した。
【0055】
次いで、厚さ188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上にアクリル系粘着剤を塗布した枠部材用粘着シートを、リング状(直径:12cm、リングの縁の太さ1cm)に裁断したものを用意し、前記粘着体の基材フィルム上に貼り付けたのち、枠部材の外形よりはみ出した部分を裁断除去して角質剥離用粘着体を得た。
【0056】
(比較例1)
基材フィルムとして、平均厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、枠部材を設けなかった以外は、前記実施例1と同様にして角質剥離用粘着体を作製した。
【0057】
(比較例2)
基材フィルムとして、平均厚さ40μmの低密度ポリエチレン(PE)フィルムを用い、枠部材を設けなかった以外は、前記実施例1と同様にして角質剥離用粘着体を作製した。
【0058】
実施例および各比較例で使用した基材フィルムの材質、平均厚さ、ヤング率を表1に示した。
【0059】
[2]凹凸追従性の評価
実施例および各比較例の角質剥離用粘着体を準備し、離型シートを除去して露出した粘着剤層を被験者の鼻の部位にそれぞれ貼付し、下記の評価基準にて凹凸追従性を評価した。
【0060】
○ :鼻および鼻周辺の殆どの皮膚に粘着剤層面が密着している。
△ :鼻および鼻周辺の皮膚に粘着剤層面が密着していない部分が若干認められる。
× :鼻および鼻周辺の皮膚に粘着剤層面が密着していない部分がかなり認められる。
【0061】
[3]角質剥離効果
上記凹凸追従性を評価した後、角質剥離用粘着体を引き剥がしたときの角質剥離面積から、下記の評価基準にて角質剥離効果を評価した。
【0062】
○ :ほぼ全面でムラなく角質が剥離できている。
△ :角質が剥離できていない部分が若干認められる。
× :角質が剥離できていない部分がかなり認められる。
これらの結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
表1からわかるように、本発明の角質剥離用粘着体は、凹凸追従性に優れ、角質剥離能力にも優れていた。これに対して、比較例では、満足行く結果が得られなかった。
【符号の説明】
【0065】
10 角質剥離用粘着体
1 基材フィルム
2 粘着剤層(角質剥離用粘着層)
3 離型シート
4 枠部材
41 枠部材本体
42 枠部材用粘着剤層
【技術分野】
【0001】
本発明は、角質剥離用粘着体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
皮膚の最外層にある角質は、生体内と外界を分ける界面であり、生体成分が外界に漏出するのを防いだり、有害成分が生体内に進入するのを防ぐバリアー機能を有する。
【0003】
このように、角質は生体にとって重要な機能を有するものであるが、例えば、薬物やワクチン等の有効成分を表皮から生体内に投与(経皮吸収)したり、臨床検査等を目的として吸引浸出液を皮膚から減圧吸引する際などにおいて、角質を除去することが必要な場合がある。
【0004】
従来、角質を除去する方法としては、例えば、皮膚表面に、粘着テープ(角質剥離用粘着シート)を粘着し、一定時間後に剥離することによって角質を除去する方法が知られている。(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
しかしながら、従来の粘着テープでは、鼻、肘、膝、踵等の凹凸の大きい部位に適用した場合には、大きな凹凸に対する追従性に劣るため、角質を均一に剥離することができないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−289672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、凹凸の大きい部位に適用した場合であっても、均一かつ効率よく角質を剥離することができる角質剥離用粘着体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的は、下記(1)〜(3)の本発明により達成される。
(1) 基材フィルムと、
前記基材フィルムの一方の面に形成された粘着剤層と、を有し、
前記基材フィルムの平均厚さが、1〜4.9μmであることを特徴とする角質剥離用粘着体。
【0009】
(2) 前記基材フィルムのヤング率は、1〜10GPaである上記(1)に記載の角質剥離用粘着体。
【0010】
(3) 前記基材フィルムの周縁部に設けられた枠部材を有する上記(1)または(2)に記載の角質剥離用粘着体。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、凹凸の大きい部位に適用した場合であっても、均一かつ効率よく角質層を剥離することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の角質剥離用粘着体の好適な実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明の角質剥離用粘着体の好適な実施形態を示す平面図である。
【図3】本発明の角質剥離用粘着体の他の実施形態を示す平面図である。
【図4】本発明の角質剥離用粘着体の他の実施形態を示す断面図である。
【図5】本発明の角質剥離用粘着体の他の実施形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
《角質剥離用粘着体》
まず、本発明の角質剥離用粘着体について説明する。
【0014】
図1は、本発明の角質剥離用粘着体の好適な実施形態を示した断面図、図2は、本発明の角質剥離用粘着体の好適な実施形態を示した平面図である。
【0015】
図1および図2に示すように、角質剥離用粘着体10は、基材フィルム1と、基材フィルム1上に形成された粘着剤層(角質剥離用粘着剤層)2と、基材フィルム1上に設置された枠部材4とを備えている。また、本実施形態では、角質剥離用粘着体10は、粘着剤層2の基材フィルム1とは反対側の面に設置された離型シート3を備えている。
【0016】
基材フィルム1は、粘着剤層2を支持する機能を備えている。特に、本発明の角質剥離用粘着体に適用される基材フィルム1の平均厚さは1〜4.9μmである。
【0017】
ところで、従来の角質剥離用粘着体では、鼻、肘、膝、踵等の凹凸の大きい部位に適用した場合には、大きな凹凸に対する追従性に劣るため、角質を均一に剥離することができないという問題があった。
【0018】
これに対して、本発明の角質剥離用粘着体は、基材フィルムとして、平均厚さ1〜4.9μmという薄いものを使用する点に特徴を有している。このような特徴を有することにより、皮膚の凹凸(特に、鼻、肘、膝、踵等の凹凸の大きい部位)に対する追従性が優れたものとなる。その結果、均一かつ効率よく角質を剥離することができる。
【0019】
本発明において、基材フィルム1の平均厚さは、1〜4.9μmであるが、1.5〜4.5μmであるのがより好ましい。これにより、本発明の効果をより顕著なものとすることができる。
【0020】
このような基材フィルム1のヤング率は、1〜10GPaであるのが好ましく、1.5〜5GPaであるのがより好ましい。基材フィルム1のヤング率がこのような範囲の値であると、患部へ貼着した後の患部からの剥がし易さを向上させることができる。また、鼻、肘、膝、踵等の凹凸の大きい部位への追従性をさらに高いものとすることができる。
【0021】
基材フィルム1の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアミド、アクリル樹脂等が挙げられる。
【0022】
なお、基材フィルム1の粘着剤層2が形成される側の面に、粘着剤層2との密着性を高めるために、プライマー処理、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
【0023】
粘着剤層2は、図1に示すように、基材フィルム1の一方の面に設けられており、粘着剤で構成されている。
【0024】
粘着剤層2を構成する粘着剤としては、その粘着力により古い角質層を除去することが可能なものであれば、いずれのものを用いてもよく、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤等を用いることができる。中でも、粘着力の制御が容易である観点から、アクリル系粘着剤を用いるのが好ましい。さらに、粘着剤の設計、塗工等の製造時に複雑な混合が不要であり、ポットライフを考慮する必要が無い等の観点から、一液タイプの内部架橋型アクリル系粘着剤を用いるのがより好ましい。
【0025】
内部架橋型アクリル系粘着剤は、アクリル系モノマー(ml)および内部架橋剤(m2、重合性不飽和基を複数有するモノマー)由来の繰り返し単位を含むアクリル系共重合体(p)からなり、外部架橋剤の配合が不要な粘着剤である。
【0026】
ここで内部架橋剤とは、重合時に、ポリマー分子内に架橋構造を導入し得る架橋型反応性単量体であり、外部架橋剤とは、重合体粒子間に架橋構造を導入し得る化合物である。
【0027】
アクリル系モノマー(ml)としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むことが好ましい。
【0028】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキルエステルを構成するアルキル基の炭素数は、3〜12であるのが好ましく、4〜8であるのが特により好ましい。これにより、粘着剤層2の粘着力を適度なものとすることができ、より効率よく角質を剥離することができる。
【0029】
上述したアクリル系共重合体(p)に用いられるアクリル系モノマ−(ml)としては、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸へキシル、(メタ)アクリル酸シクロへキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アラルキルエステル;(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル;等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのいずれかを意味し、以下、(メタ)は同じ意味を有するものとする。
【0030】
また、アクリル系共重合体(p)中におけるアクリル系モノマー(ml)由来の繰り返し単位の全繰り返し単位に対する割合(モル%)は特に限定されないが、50〜99モル%であるのが好ましく、60〜95モル%であるのがより好ましい。
【0031】
アクリル系共重合体(p)の製造に用いられる内部架橋剤(m2)は、アクリル系共重合体(p)の凝集力を向上させる機能を有している。すなわち、重合性不飽和基を複数有するモノマー(m2)の重合性不飽和基がアクリル系共重合体(p)の重合に関与することによって、アクリル系共重合体(p)を架橋した高分子とすることができる。
【0032】
内部架橋剤(m2)は、ポリマー分子内に架橋構造を導入し得る架橋型反応性単量体であり、具体例としては、分子内に重合性不飽和基を複数有するモノマーが挙げられる。かかる重合性不飽和基としては、例えば、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等が挙げられ、これらのうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、重合性不飽和基としてアクリロイル基を用いた場合、アクリル系共重合体(p)の凝集力を十分に高いものとすることができる。
【0033】
また、内部架橋剤(m2)中の重合性不飽和基は、複数あるものであればよいが、2〜5個であるのが好ましく、2〜3個であるのがより好ましく、2個であるのがさらに好ましい。これにより、アクリル系共重合体(p)を含む溶液の粘度を低いものとしつつ、アクリル系共重合体(p)の凝集力を十分に高いものとすることができる。
【0034】
内部架橋剤(m2)である架橋型反応性単量体としては、多官能性エチレン性不飽和単量体を用いるのが好ましい。
【0035】
多官能性エチレン性不飽和単量体としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレ−ト、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレ−ト、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレ−卜、トリメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレート.テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンメタクリレートアクリレート等のポリオール類のジまたはトリ(メタ)アルキル酸エステル類:トリス(メタ)アクリロイルオキシフォスフェート;ジアリルフタレート;ジアリルテレフタレート;テトラアリルオキシエタン;ジビニルベンゼン;トリ(メタ)アリルイソシアヌレート;等が挙げられる。
【0036】
また、アクリル系共重合体(p)における重合性不飽和基を複数有するモノマー(m2)由来の繰り返し単位の全繰り返し単位に対する割合(モル%)は、特に限定されないが、0.00005〜0.10モル%であるのが好ましく、0.0001〜0.05モル%であるのがより好ましい。
【0037】
また、アクリル系共重合体(p)は、上述したアクリル系モノマー(ml)と内部架橋剤(m2)以外のモノマー(m3)由来の繰り返し単位を含んでいてもよい。このようなモノマー(m3)としては、ビニルピロリドン等のラクタム環を有するビニルモノマー、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。これらの中でも、ラクタム環を有するビニルモノマーが特に好ましい。
【0038】
これらのモノマー(m3)由来の繰り返し単位の、全繰り返し単位に対する割合(モル%)は、特に限定されないが、0〜50モル%であるのが好ましく.1〜35モル%であるのがより好ましい。
【0039】
アクリル系共重合体(p)の質量平均分子量(Mw)は、通常100,000〜1,500.000であるのが好ましく、300,000〜1,200,000であるのがより好ましく、400,000−1,000,000であるのがさらに好ましい。なお、本発明において,質量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC分析)によって測定し、標準ポリスチレンで換算した値である。
【0040】
粘着剤層2の平均厚さは、5〜200μmであるのが好ましく、10〜100μmであるのがより好ましい。これにより、鼻、肘、膝、踵等の凹凸の大きい部位への追従性をさらに高いものとすることができる。
【0041】
離型シート3は、角質剥離用粘着体10の保管時(未使用時)において、粘着剤層2の貼着面を保護する機能を有している。
【0042】
このような離型シートとしては、例えば、上質紙、グラシン紙、コート紙、ポリエチレンラミネート紙、ポリプロピレンラミネート紙等の紙類;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系フィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系フィルム等の合成樹脂フィルム等が使用できる。また、離型シートは、必要に応じてこれらの材料の片面または両面にシリコーン樹脂等により剥離処理が施されたものを使用してもよい。
【0043】
また、離型シート3の平均厚さは、10〜200μmであることが好ましく、15〜100μmであることがより好ましい。
なお、このような離型シート3は無くてもよい。
【0044】
本実施形態では、図1および図2に示すように、基材フィルム1の粘着剤層2とは反対側の縁部に、リング状の枠部材4が設けられている。このような枠部材4を備えることにより、離型シート3から角質剥離用粘着体10を容易に剥離することができる。また、離型シート3から剥離した際に、角質剥離用粘着体10に皺が発生するのを効果的に防止することができる。また、角質剥離用粘着体10の患部への貼着をより容易に行うことができる。また、角質剥離用粘着体10を患部から剥がす際のガイド部としても機能する。
【0045】
枠部材4は、図1に示すように、枠部材本体41と枠部材用粘着剤層42とで構成されている。
【0046】
枠部材本体41としては、基材フィルム1よりも剛性が高く、かつ、フレキシブル(可撓)性を有するものであれば特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン,ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアミド、アクリル樹脂等の材料で構成されたものを用いるのが好ましい。
【0047】
枠部材本体41の平均厚さは、50〜1000μmであるのが好ましく、80〜300μmであるのがより好ましい。
【0048】
枠部材用粘着剤層42を構成する材料としては、特に限定されず、公知の粘着剤を用いることができる。
【0049】
以上、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0050】
例えば、前述した実施形態では、枠部材4が基材フィルム1の縁部の全周にわたって設けられたものとして説明したが、図3に示すように基材フィルム1の縁部の一部に設けられていない部分があってもよい。すなわち、枠部材4がC形状であってもよい。
【0051】
また、前述した実施形態では、枠部材4が基材フィルム1の粘着剤層2とは反対側に設けられたものとして説明したが、図4に示すように、枠部材4が基材フィルム1と粘着剤層2の間に設けられていてもよい。
【0052】
また、枠部材4は、図5に示すように、基材フィルム1および粘着剤層2の端面を覆うように設けられていてもよい。
【0053】
また、離型シート3を粘着剤層2上にリング状に残存させ、これを枠部材4としてもよい。
【実施例】
【0054】
次に、本発明の角質剥離用粘着体の具体的実施例について説明する。
[1]角質剥離用粘着体の作製
(実施例)
アクリル系ポリマー(アクリル酸−2−エチルヘキシル(2EHA)/N−ビニルピロリドン(VP)/ヘキサンジオールジメタクリレート(HDDM共重合体)=79.98/19.99/0.03[モル%]、Mw=約85万、固形分35%)を、離型シート(SP−PET381031、リンテック社製)上に、乾燥(100℃3分間)後の塗布量が20g/m2になるように塗布して粘着剤層を形成し、基材フィルムとして平均厚さ1.8μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを粘着剤層にラミネートし、粘着体を作製した。
【0055】
次いで、厚さ188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上にアクリル系粘着剤を塗布した枠部材用粘着シートを、リング状(直径:12cm、リングの縁の太さ1cm)に裁断したものを用意し、前記粘着体の基材フィルム上に貼り付けたのち、枠部材の外形よりはみ出した部分を裁断除去して角質剥離用粘着体を得た。
【0056】
(比較例1)
基材フィルムとして、平均厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、枠部材を設けなかった以外は、前記実施例1と同様にして角質剥離用粘着体を作製した。
【0057】
(比較例2)
基材フィルムとして、平均厚さ40μmの低密度ポリエチレン(PE)フィルムを用い、枠部材を設けなかった以外は、前記実施例1と同様にして角質剥離用粘着体を作製した。
【0058】
実施例および各比較例で使用した基材フィルムの材質、平均厚さ、ヤング率を表1に示した。
【0059】
[2]凹凸追従性の評価
実施例および各比較例の角質剥離用粘着体を準備し、離型シートを除去して露出した粘着剤層を被験者の鼻の部位にそれぞれ貼付し、下記の評価基準にて凹凸追従性を評価した。
【0060】
○ :鼻および鼻周辺の殆どの皮膚に粘着剤層面が密着している。
△ :鼻および鼻周辺の皮膚に粘着剤層面が密着していない部分が若干認められる。
× :鼻および鼻周辺の皮膚に粘着剤層面が密着していない部分がかなり認められる。
【0061】
[3]角質剥離効果
上記凹凸追従性を評価した後、角質剥離用粘着体を引き剥がしたときの角質剥離面積から、下記の評価基準にて角質剥離効果を評価した。
【0062】
○ :ほぼ全面でムラなく角質が剥離できている。
△ :角質が剥離できていない部分が若干認められる。
× :角質が剥離できていない部分がかなり認められる。
これらの結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
表1からわかるように、本発明の角質剥離用粘着体は、凹凸追従性に優れ、角質剥離能力にも優れていた。これに対して、比較例では、満足行く結果が得られなかった。
【符号の説明】
【0065】
10 角質剥離用粘着体
1 基材フィルム
2 粘着剤層(角質剥離用粘着層)
3 離型シート
4 枠部材
41 枠部材本体
42 枠部材用粘着剤層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材フィルムと、
前記基材フィルムの一方の面に形成された粘着剤層と、を有し、
前記基材フィルムの平均厚さが、1〜4.9μmであることを特徴とする角質剥離用粘着体。
【請求項2】
前記基材フィルムのヤング率は、1〜10GPaである請求項1に記載の角質剥離用粘着体。
【請求項3】
前記基材フィルムの周縁部に設けられた枠部材を有する請求項1または2に記載の角質剥離用粘着体。
【請求項1】
基材フィルムと、
前記基材フィルムの一方の面に形成された粘着剤層と、を有し、
前記基材フィルムの平均厚さが、1〜4.9μmであることを特徴とする角質剥離用粘着体。
【請求項2】
前記基材フィルムのヤング率は、1〜10GPaである請求項1に記載の角質剥離用粘着体。
【請求項3】
前記基材フィルムの周縁部に設けられた枠部材を有する請求項1または2に記載の角質剥離用粘着体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2012−197244(P2012−197244A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62135(P2011−62135)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(000102980)リンテック株式会社 (1,750)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(000102980)リンテック株式会社 (1,750)
【Fターム(参考)】
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