説明

角速度センサ素子および角速度検出装置

【課題】櫛歯形状電極を有する静電アクチュエータを用いた角速度センサ素子の提供。
【解決手段】角速度センサ素子は、櫛歯凹凸形状の固定電極110と、櫛歯凹凸形状を成し、固定電極110の方向に振動する可動電極120とを備え、固定電極110およびと可動電極120は、一方の電極の凹部120bに他方の電極の凸部110aが入り込むように噛合し、かつ、互いに入り込んだ凹部120bと凸部110aとの間の2つの側方隙間Y1,Y2の大きさが互いに異なるように偏って対向配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、櫛歯電極を有する静電アクチュエータを用いた角速度センサおよび角速度検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
櫛歯ドライブで振動させたプローブにより原子間力を検出する原子間力顕微鏡装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。プローブに作用する原子間力は、櫛歯ドライブのアドミッタンスとして検出される。
【0003】
【特許文献1】特開2007−218608号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した装置では、櫛歯ドライブの振動方向の変位は検出できても、コリオリ力による振動方向と直交する方向の変位は検出できない。そのため、このような櫛歯ドライブではコリオリ力が検出できず、角速度センサとして用いることができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、角速度検出対象に固定され、前記角速度検出対象の角速度を検出するための角速度センサ素子に適用され、櫛歯凹凸形状の固定電極と、櫛歯凹凸形状を成し、固定電極の方向に振動する可動電極とを備え、固定電極およびと可動電極は、一方の電極の凹部に他方の電極の凸部が入り込むように噛合し、かつ、互いに入り込んだ凹部と凸部との間の2つの側方隙間の大きさが互いに異なるように偏って対向配置されていることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の角速度センサ素子において、固定電極と可動電極とを、フォトリソグラフィー法によりSOIウエハ上に一体に形成したものである。
請求項3の発明は、角速度検出対象に固定され、角速度検出対象の角速度を検出するための角速度センサ素子に適用され、櫛歯凹凸形状の第1の固定電極と、第1の固定電極と噛合して振動し、噛合する凹凸部間の2つの側方隙間の大きさが互いに異なるように偏って対向配置された櫛歯凹凸形状の第1の可動電極とを有する第1のセンサ部と、第1の固定電極と同一方向に櫛歯凹凸形状を成す第2の固定電極と、第2の固定電極と噛合して第1の可動電極と同一方向に振動し、噛合する凹凸部間の2つの側方隙間が等しくなるように対向配置された櫛歯凹凸形状の第2の可動電極とを有する第2のセンサ部と、を備えたことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3に記載の角速度センサ素子において、第1のセンサ部と第2のセンサ部とを、フォトリソグラフィー法により同一SOIウエハ上に一体に形成したものである。
請求項5の発明による角速度検出装置は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の角速度センサ素子と、可動電極を振動駆動するための電圧を固定電極とそれに対応する可動電極との間に印加する駆動部と、角速度検出対象の運動による可動電極の振動状態の変化に基づいて、角速度検出対象の角速度を検出する検出部とを備えたことを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項5に記載の角速度検出装置において、振動状態の変化による角速度センサ素子および駆動部を含む系のイミタンスの変化に基づいて、角速度検出対象の角速度を検出するようにしたものである。
請求項7の発明は、請求項5に記載の角速度検出装置において、駆動部は、角速度センサ素子が有する電気的等価回路を帰還回路として用いることにより自励発振させ、その自励発振により可動電極を振動させる増幅器を備える。
請求項8の発明は、請求項7に記載の角速度検出装置において、振動状態の変化としての振動周波数の変化に基づいて、角速度検出対象の角速度を検出するようにしたものである。
請求項9の発明は、請求項3または4に記載の角速度センサ素子を備えた角速度検出装置であって、一対の第1のセンサ部を直列接続したものと、第1のセンサ部と第2のセンサ部を直列接続したものとを並列接続してブリッジ回路を構成し、一方の直列接続の接続点と他方の直列接続の接続点との間の電位差に基づいて、角速度検出対象の角速度を検出する検出部を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、櫛歯凹凸形状の固定電極および可動電極を有する角速度センサ素子を用いて、角速度検出対象の角速度を検出することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は本発明に係る角速度検出装置の概略構成を示す図である。センサ部1は、固定部11と可動部12を有している。固定部11および可動部12の対向する部分には、櫛歯形状電極110,120が形成されている。
【0008】
櫛歯形状電極110,120は隙間を有して噛合するように配置されており、櫛歯形状電極110の凸部110aは櫛歯形状電極120の凹部120bに入り込み、櫛歯形状電極120の凸部120aは櫛歯形状電極110の凹部110bに入り込んでいる。凸部110a,120aは凹部110b,120bに対して、寸法Xだけ入り込んでいる。凸部110aは凹部120b対して右側(+y方向)に偏って配置されており、右側の隙間寸法Y1は左側の隙間寸法Y2よりも小さく設定されている。
【0009】
可動部12は、固定部11との間に形成された一対の支持部13によって支持されている。支持部13はx方向およびy方向に屈曲した形状をしており、y方向に延在する梁131,133,135と、x方向に延在する梁132,134とで構成されている。そのため、可動部12は支持部13によって弾性的に支持され、固定部11に対してx方向およびy方向に移動可能となっている。
【0010】
一対の櫛歯形状電極110,120は、可動部12をx方向に振動させる静電アクチュエータとして機能し、駆動部2によって駆動される。駆動部2には、DC電源21と、DC電源21に直列接続された交流電源22とが設けられている。DC電源21は櫛歯形状電極110,120にDCバイアス電圧Eを与え、交流電源22はバイアス電圧Eに重畳するように交流電圧eを与える。検出部3は、静電アクチュエータによる可動部12の振動状態を検出する。
【0011】
図2はセンサ部1の断面を示す図であり、(a)はA1−A1断面図、(b)はB1−B1断面図である。センサ部1は、絶縁層を挟んだ上下2つのシリコン層からなる3層構造の基板、例えばSOI(Silicon on Insulator)ウエハを用いて、半導体微細加工技術により一体で製作される。SOIウエハは上部Si層51、SiO層52および下部Si層53で構成され、2枚のSi単結晶板の一方にSiO層52を形成し、そのSiO層52を挟むように貼り合わせたものである。
【0012】
固定部11の櫛歯形状電極110、可動部12および支持部13は、上部Si層51により形成されている。固定部11の上部Si層51には、溝14が形成されている。その結果、櫛歯形状電極110が形成されている上部Si層51aと、支持部13によって可動部12が接続されている上部Si層51bとは、電気的に絶縁されている。
【0013】
図3は、角速度検出装置の解析モデルを示す図である。図3において、mは可動部12の質量、k、kは可動部12のx方向およびy方向のバネ定数、f,fは可動部12に作用するx方向およびy方向の外力、rfx,rfyは機械抵抗(x方向およびy方向)、Xは櫛歯の初期重なり量、Y,Yは上述した凸部と凹部の間のy方向隙間寸法、x、yは可動部12のx方向およびy方向の変位量、v,vは可動部12の振動速度(x方向およびy方向)、iは交流電流、eは交流電圧、Eは直流電圧(バイアス電圧)である。また、C(x,y)は櫛歯形状電極110,120全体の静電容量、Cstrayは浮遊容量である。なお、以下では、浮遊容量をCstray=0と仮定して説明をする
【0014】
DC電源21により櫛歯形状電極110,120間にDCバイアス電圧Eを印加すると、機械系と電気系とがカップリングした電気・機械結合系が構成される。図3に示す電気・機械結合系のラグランジアンLおよび散逸関数Fは、それぞれ次式(1),(2)のように表される。式(1)において、Qは櫛歯形状電極110,120の電荷であり、櫛歯形状電極110,120全体の静電容量C(x,y)は次式(3)のように表される。なお、式(3)において、nは凸部110aの総数、bは凹凸部のz方向の厚さ寸法、εは真空の誘電率、Rは電気的抵抗である。式(3)の第1項は櫛歯形状電極110,120の隙間寸法Y2の部分の静電容量であり、第2項は櫛歯形状電極110,120の隙間寸法Y1の部分の静電容量である。
【数1】

【0015】
上述したラグランジアンLおよび散逸関数Fから、(4),(5),(6)に示すような機械系の外力f,fおよび電気系の交流電圧eに関するラグランジュ方程式を導出する。式(4),(5)は機械的運動を表すものであり、式(6)は電気的レスポンスを表すものである。なお、Fx、Fyは、DCバイアス電圧Eによる力を示す。
【数2】

【0016】
ここで、角周波数ωの交流電圧eの大きさがバイアス電圧Eに対して十分小さく、かつ、R≒0であると仮定すると、式(4)〜(6)は式(7)で示すような線形近似基本方程式で表される。なお、式(7)は3つの式を行列を用いて表現したものである。また、C,Cは、変移量x、yがゼロの場合における、櫛歯形状電極110,120の隙間寸法YおよびYの部分の静電容量である。
【数3】

=nεbX/Y
=nεbX/Y
=nεbX(1/Y+1/Y
【0017】
式(7)において機械抵抗をゼロと仮定すると、式(7)は次式(7A)のように変形される。さらに、v=jω・yを用いると、式(7A)は式(7B)のような速度v、変位y、電流iに関する式に変形できる。式(7B)の外力fの式の第1項には、コリオリ力に起因する項(2mω)vが入っている。ωは角速度である。このように、櫛歯の噛み合いを左右非対称(Y≠Y)とすることで、コリオリの力による変位yが、電気系およびx方向の振動系とカップリングすることがわかる。
【数4】

【0018】
すなわち、センサ部1が取り付けられた測定対象物がz軸回りの角速度を有していた場合に、コリオリ力によるy方向の変位を電気系および振動系の変化として検出することができる。すなわち、角速度を検出するセンサとして用いることが可能となる。一方、櫛歯の噛み合いが左右対称(Y=Y)であった場合には(C/Y−C/Y)=0となり、変位yは電気系およびx方向の振動系とカップリングしない。
【0019】
振動状態の変化、すなわち振動系の変化は電気系のインピーダンスZまたはアドミッタンスYの変化(より一般的にはイミタンスの変化)を計測することにより検出することができる。周波数入力時の出力インピーダンスZは、次式(8)のように表される。図4は、交流電圧の角周波数に対するアドミッタンスYの絶対値|Y|の変化を示したものである。|Y|の値は、インピーダンスアナライザーによって直接に計測することができる。なお、アドミッタンスの検出方法については、特開2007−93231号公報に詳細に記載されており、ここでは説明を省略する。
【数5】

【0020】
図6は、電気的なアドミッタンスと駆動周波数との関係の一例を示す図である。縦軸はアドミッタンスの絶対値、横軸は周波数である。YおよびYをそれぞれ4μm、4.2μmに設定し、櫛歯の初期重なり量X=10μm、バネ定数k=500N/m、櫛歯の厚さb=25μm、可動部12の質量m=65ngとした。曲線は、機械的な共振周波数の近傍において鋭いピークを有している。
【0021】
また、図7は、角速度ωとアドミッタンスとの関係を示す図であり、縦軸はアドミッタンスの絶対値を、横軸は角速度を表している。角速度がゼロから大きくなるにつれてアドミッタンスの絶対値は小さくなり、アドミッタンスの絶対値の変化を計測することで、角速度を計測することが可能となる。
【0022】
[変形例]
ところで、図4に示す周波数特性は、(電気機械変換素子である)水晶振動子と同様の機能を有している。そのため、増幅器を付加し、櫛歯形状電極110,120を有する静電アクチュエータを共振回路として用いることで、静電アクチュエータを自励発振させることができる。そして、振動状態の変化として周波数変化を検出することにより、角速度や、外力の付加を検出することができる。
【0023】
図5は、自励発振させる場合の概略構成を示すブロック図である。ここでは、センサ部1は、それが本来的に有しているL,C,R共振回路に基づいて描いてある。すなわち、センサ部1を受動2端子素子とみなして示した。 駆動部2は、センサ部1を帰還回路として有する増幅器23と、センサ部1(櫛歯形状電極110,120)に対してDCバイアス電圧Eを印加するDC電源21とを備えている。
【0024】
なお、DCバイアス電圧Eを印加するDC電源21の内部抵抗は非常に小さいので、帰還信号がDC電源21側を通過しないようにする必要がある。そこで、本実施の形態では、高抵抗RhighをDC電源と直列に挿入してある。このことにより、DC電源21が帰還パスに影響を与えないようにしている。また、DC電源21が、増幅器23を含んだ回路系統からDC回路としてフローティング状態とされる同時に、増幅器23の端子(出力端子&入力端子)にDC電圧が直接印加されないよう、ブロッキング・コンデンサCを挿入してある。
【0025】
増幅器23とセンサ部(静電アクチュエータ)1とで発振回路を構成することにより、櫛歯形状電極110,120に電圧を印加すると、可動部12は共振周波数で振動することになる。外力やコリオリ力により可動部12に変位が生じると、等価回路のR,C,Lが変化して振動の振幅および周波数が変化する。増幅器23からの出力信号は、振動状態の変化を周波数変化として検出する検出部3に入力される。検出部3には、例えば、周波数コンパレータが設けられ、増幅器23から出力される信号の周波数を周波数コンパレータによりモニタする。
【0026】
ところで、式(7)からも分かるように、x方向の外力が加わった場合でも可動部12の振動状態は変化する。そのため、コリオリ力の影響だけを検出するには、櫛歯の噛み合いが左右対称(Y=Y)に設計された対称型センサ部を一緒に配置して、その振動状態の違いからコリオリ力の影響を推定する。対称型センサ部は、可動部の振動方向が非対称型センサ部1の振動方向と一致するように配置する。
【0027】
上述したように、対称型センサ部の場合には、(C/Y−C/Y)=0であるためコリオリ力を検出することができない。そのため、センサ部が設置された対象物が角速度を有していない場合には、対称型センサ部も非対称型センサ部1も、振動状態はほぼ同じとなる。また、x方向の外力が作用した場合には、いずれのセンサ部も振動状態が変化するが、その変化量は対称型センサ部も非対称型センサ部1もほぼ同じとなる。
【0028】
一方、z軸回りの角速度が発生すると、非対称型センサ部1にはコリオリ力の影響が現れるので、対称型センサ部と非対称型センサ部1とで振動状態に差が生じることになる。この差から、角速度を推定することができる。この振動状態の変化(例えば、アドミッタンス変化量)と角速度との関係は、予め実験データに基づいて計測しておき、テーブルとして用意しておく。
【0029】
例えば、図8に示すように、対称型センサ部1Bと非対称型センサ部1とでブリッジ回路を構成し、点a,b間の電圧Vを計測することでコリオリ力によるアドミッタンス変化を検出することができる。角速度=0の場合には、対称型センサ部1Bと非対称型センサ部1のアドミッタンスはほぼ等しくなるので、電圧Vはほぼゼロとなる。V≠0でない場合には、例えば、非対称型センサ部1に可変抵抗を直列接続しておき、角速度=0のときV=0となるように調整しておけば良い。一方、角速度が発生すると、非対称型センサ部1のアドミッタンスが図7のように変化するので、電圧Vがゼロから変化する。この変化分を計測することで角速度を推定することができる。
【0030】
なお、対称型センサ部と非対称型センサ部1とを別々に製作して、振動方向が揃うように基台上に固定して一つのセンサ素子としても良いし、対称型センサ部と非対称型センサ部1とを同一のSOIウエハに一体に形成しても良い。なお、以上の説明はあくまでも一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る角速度検出装置の概略構成を示す図である。
【図2】センサ部1の断面を示す図であり、(a)はA1−A1断面図、(b)はB1−B1断面図である。
【図3】角速度検出装置の解析モデルを示す図である。
【図4】交流電圧の角周波数に対するアドミッタンスYの絶対値|Y|の変化を示す図である。
【図5】自励発振させる場合の概略構成を示すブロック図である。
【図6】電気的なアドミッタンスと駆動周波数との関係を示す図である。
【図7】角速度ωとアドミッタンスとの関係を示す図である。
【図8】対称型センサ部1Bと非対称型センサ部1とで構成されたブリッジ回路を示す図である。
【符号の説明】
【0032】
1:センサ部、2:駆動部、3:検出部、11:固定部、12:可動部、13:支持部、21:DC電源、22:交流電源、51:上部Si層、52:SiO層、53:下部Si層、110,120:櫛歯形状電極、110a,120a:凸部、110b,120b:凹部、131〜135:梁、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
角速度検出対象に固定され、前記角速度検出対象の角速度を検出するための角速度センサ素子において、
櫛歯凹凸形状の固定電極と、
櫛歯凹凸形状を成し、前記固定電極の方向に振動する可動電極とを備え、
前記固定電極およびと前記可動電極は、一方の電極の凹部に他方の電極の凸部が入り込むように噛合し、かつ、互いに入り込んだ凹部と凸部との間の2つの側方隙間の大きさが互いに異なるように偏って対向配置されていることを特徴とする角速度センサ素子。
【請求項2】
請求項1に記載の角速度センサ素子において、
前記固定電極と前記可動電極とを、フォトリソグラフィー法によりSOIウエハ上に一体に形成したことを特徴とする角速度センサ素子。
【請求項3】
角速度検出対象に固定され、前記角速度検出対象の角速度を検出するための角速度センサ素子において、
櫛歯凹凸形状の第1の固定電極と、前記第1の固定電極と噛合して振動し、噛合する凹凸部間の2つの側方隙間の大きさが互いに異なるように偏って対向配置された櫛歯凹凸形状の第1の可動電極とを有する第1のセンサ部と、
前記第1の固定電極と同一方向に櫛歯凹凸形状を成す第2の固定電極と、前記第2の固定電極と噛合して前記第1の可動電極と同一方向に振動し、噛合する凹凸部間の2つの側方隙間が等しくなるように対向配置された櫛歯凹凸形状の第2の可動電極とを有する第2のセンサ部と、を備えたことを特徴とする角速度センサ素子。
【請求項4】
請求項3に記載の角速度センサ素子において、
前記第1のセンサ部と前記第2のセンサ部とを、フォトリソグラフィー法により同一SOIウエハ上に一体に形成したことを特徴と角速度センサ素子。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の角速度センサ素子と、
前記可動電極を振動駆動するための電圧を前記固定電極とそれに対応する前記可動電極との間に印加する駆動部と、
前記角速度検出対象の運動による前記可動電極の振動状態の変化に基づいて、前記角速度検出対象の角速度を検出する検出部とを備えたことを特徴とする角速度検出装置。
【請求項6】
請求項5に記載の角速度検出装置において、
前記検出部は、前記振動状態の変化による前記角速度センサ素子および前記駆動部を含む系のイミタンスの変化に基づいて、前記角速度検出対象の角速度を検出することを特徴とする角速度検出装置。
【請求項7】
請求項5に記載の角速度検出装置において、
前記駆動部は、前記角速度センサ素子が有する電気的等価回路を帰還回路として用いることにより自励発振させ、その自励発振により前記可動電極を振動させる増幅器を備えることを特徴とする角速度検出装置。
【請求項8】
請求項7に記載の角速度検出装置において、
前記検出部は、前記振動状態の変化としての振動周波数の変化に基づいて、前記角速度検出対象の角速度を検出することを特徴とする角速度検出装置。
【請求項9】
請求項3または4に記載の角速度センサ素子を備えた角速度検出装置であって、
一対の前記第1のセンサ部を直列接続したものと、前記第1のセンサ部と前記第2のセンサ部を直列接続したものとを並列接続してブリッジ回路を構成し、
一方の前記直列接続の接続点と他方の前記直列接続の接続点との間の電位差に基づいて、前記角速度検出対象の角速度を検出する検出部を備えたことを特徴とする角速度検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−74860(P2009−74860A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−242701(P2007−242701)
【出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【出願人】(390022471)アオイ電子株式会社 (85)
【出願人】(304028346)国立大学法人 香川大学 (285)
【Fターム(参考)】