説明

解析システム、脈波解析装置、およびプログラム

【課題】医師による遠隔診断を受ける者の生体情報データを医師の端末装置に送信してその診断に供するシステムにおいて、普遍性が担保された診断結果を提供する。
【解決手段】生体情報測定装置1は、利用者の脈波を検出し、検出した脈波を示す生体情報データを携帯電話機4からサーバ装置7に送信する。サーバ装置7は、生体情報データが示す脈波の異常部分BCを検索し、脈波における異常部分BCにマークを重ねた脈波画像の表示制御データを医師の端末装置6に送信する。端末装置6は、この脈波画像をディスプレイに表示させ、医師により入力された診断名を示す診断名情報データGDをサーバ装置7に送信する。サーバ装置7は、診断名情報データGDが示す診断の確度を求め、確度を示す確度情報データADを診断名情報データGDと併せて携帯電話機4に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脈波の計測結果を解析する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
患者の身体に装着した装置により測定される生体情報をネットワークを介して医師に送信し、医師の診断に供する遠隔診断システムが各種提案されている。この種のシステムは、システムの利用者である患者の指や手首などの測定部位に装着される脈波測定装置と、医療機関内の医師により利用される端末装置とから構成される。この種のシステムでは、脈波測定装置が測定部位から検出した生体情報を移動体パケット通信網などの通信網を介して医師の端末装置に送信する。医師は、端末装置のディスプレイに表示される生体情報から利用者に各種疾患の症状が現れているかを診断し、医師による診断結果である診断名を示すメッセージを通信網を介し脈波測定装置に送信する。利用者は、医師から送られてくる診断名を参照することにより、自身の健康状態が医療機関での検査を要するようなものであるか否かを判断することができる。この種のシステムに関する技術は、例えば、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−60807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のこの種のシステムでは、利用者の生体情報を用いた診断の診断結果は、その診断を行った1人の医師の経験のみに依存したものとなる。このため、従来のこの種のシステムでは、診断を行う医師によって診断結果の内容にばらつきが生じ、信頼性の高い遠隔診断サービスの提供が難しいという問題があった。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、医師による遠隔診断を受ける者の生体情報を医師の端末装置に送信して診断に供するシステムにおいて、システムの利用者に対して普遍性が担保された診断結果を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、本発明に係る解析システムは、生体情報測定装置と、端末装置と、サーバ装置とを有するものであって、前記生体情報測定装置は、利用者から生体情報を検出する検出手段と、前記検出手段により生体情報を検出して前記サーバ装置に送信する制御を行う制御手段とを具備し、前記端末装置は、表示手段と、前記サーバ装置から前記生体情報を受信し、受信した生体情報を示す画面を前記表示手段に表示させるとともに、診断名の入力を受付け、入力された診断名を示す診断名情報を前記サーバ装置へ送信する制御手段とを具備し、前記サーバ装置は、記憶手段と、前記生体情報測定装置から生体情報を受信し、受信した生体情報を前記記憶手段に記憶させる生体情報取得手段と、前記生体情報取得手段によって生体情報が受信される都度、受信された生体情報に所定の特徴をもった情報が含まれているか解析し、前記生体情報測定装置から受信された生体情報に前記所定の特徴を持った情報が含まれていた場合に、当該生体情報に含まれている特徴の種類を示す特徴情報を当該生体情報と対応づけて前記記憶手段に記憶させる解析手段と、前記記憶手段に記憶された生体情報の各々について、当該生体情報を前記端末装置に送信し、前記端末装置から診断名情報を受信し、受信した診断名情報を当該生体情報と対応付けて前記記憶手段に記憶させる診断支援手段と、前記記憶手段に記憶された任意の1つの生体情報を対象生体情報とし、前記記憶手段に記憶された当該対象生体情報以外の他の生体情報と当該他の生体情報に対応付けられた特徴情報および診断名情報に基づき、前記対象生体情報に対応付けられた診断名情報の確度を求め、この確度を示す確度情報を当該対象生体情報と対応付けて前記記憶手段に記憶させる診断確度算出手段と、生体情報の送信元から診断結果を求めるメッセージを受信した場合に、その生体情報と対応付けて前記記憶手段に記憶されている診断名情報および確度情報を読み出し、読み出した診断名情報および確度情報を前記送信元に宛てて送信する診断結果通知手段とを具備する。
【0007】
この発明によると、医師による診断結果である診断名を示す診断名情報と、その診断名の確度を示す確度情報とが生体情報測定装置に宛てて送信される。自身の身体から検出された生体情報をサーバ装置に送って診断を受ける利用者は、サーバ装置から診断名情報とともに送信されてくる確度情報が示す確度を参照することにより、自身と同じような生体情報が検出された人のうちのどの程度の人が同じ診断名の診断を下されていたのかを知ることができる。よって、本発明によると、利用者に対して普遍性が担保された診断結果を提供できることができる。
【0008】
上述した解析システムにおいて、前記診断支援手段は、前記生体情報とともに前記特徴情報を前記端末装置に送信し、前記端末装置の制御手段は、前記生体情報とともに前記特徴情報を受信し、受信した生体情報および特徴情報を示す画面を前記表示手段に表示させるようにしてもよい。これによると、医師は、画面内における特徴情報を活用することにより、診断を効率的に行うことができる。
【0009】
また、上述した解析システムにおいて、前記診断確度算出手段は、前記記憶手段において、前記対象生体情報と同じ種類の特徴情報と対応付けられている他の生体情報のうち、当該生体情報と同じ診断名情報と対応付けられている生体情報である診断名合致生体情報の個数と、当該生体情報と異なる診断名情報と対応付けられている生体情報である診断名非合致生体情報の個数とを集計し、集計した2種類の個数の関係から、当該生体情報についての診断名情報の確度を求めるようにしてもよい。これによると、信頼性の高い確度情報を求めることができる。
【0010】
また、上述した解析システムにおいて、前記生体情報は、利用者の脈波を示すものとし、前記診断支援手段は、前記生体情報が示す脈波内における前記所定の特徴が現れている部分を示す情報を前記特徴情報として前記端末装置に送信するようにしてもよい。これによると、端末装置の表示手段には、脈波内における所定の特徴が現れている部分を示す情報が表示される。よって、医師は、脈波における該当部分に注意を払うことにより、脈波の全波形のうち注意深く観察する必要がある部分を容易に探し出すことができる。従って、これによると、医師による診断の負担を軽減することができる。
【0011】
次に、本発明に係る生体情報解析装置は、記憶手段と、生体情報測定装置から生体情報を受信し、受信した生体情報を前記記憶手段に記憶させる生体情報取得手段と、前記生体情報取得手段によって生体情報が受信される都度、受信された生体情報に所定の特徴をもった情報が含まれているか解析し、前記生体情報測定装置から受信された生体情報に前記所定の特徴を持った情報が含まれていた場合に、当該生体情報に含まれている特徴の種類を示す特徴情報を当該生体情報と対応づけて前記記憶手段に記憶させる解析手段と、前記記憶手段に記憶された生体情報の各々について、当該生体情報を前記端末装置に送信し、前記端末装置から診断名情報を受信し、受信した診断名情報を当該生体情報と対応付けて前記記憶手段に記憶させる診断支援手段と、前記記憶手段に記憶された任意の1つの生体情報を対象生体情報とし、前記記憶手段に記憶された当該対象生体情報以外の他の生体情報と当該他の生体情報に対応付けられた特徴情報および診断名情報に基づき、前記対象生体情報に対応付けられた診断名情報の確度を求め、この確度を示す確度情報を当該対象生体情報と対応付けて前記記憶手段に記憶させる診断確度算出手段と、生体情報の送信元から診断結果を求めるメッセージを受信した場合に、その生体情報と対応付けて前記記憶手段に記憶されている診断名情報および確度情報を読み出し、読み出した診断名情報および確度情報を前記送信元に宛てて送信する診断結果通知手段とを具備する。
【0012】
この発明によると、生体情報解析装置は、医師による診断結果である診断名を示す診断名情報と、その診断名の確度を示す確度情報とを生体情報の発信元に宛てて送信する。自身の身体から検出された生体情報を生体情報解析装置に送って診断を受ける利用者は、生体情報解析装置から診断名情報とともに送信されてくる確度情報が示す確度を参照することにより、自身と同じような生体情報が検出された人のうちのどの程度の人が同じ診断名の診断を下されていたのかを知ることができる。よって、本発明によると、利用者に対して普遍性が担保された診断結果を提供できることができる。
【0013】
上述した生体情報解析装置において、前記診断支援手段は、前記生体情報とともに前記特徴情報を前記端末装置に送信し、前記端末装置の制御手段は、前記生体情報とともに前記特徴情報を受信し、受信した生体情報および特徴情報を示す画面を前記表示手段に表示させるようにしてもよい。これによると、端末装置の画面を参照する医師は、画面内における特徴情報を活用することにより、診断を効率的に行うことができる。
【0014】
また、上述した生体情報解析装置において、前記診断確度算出手段は、前記記憶手段において、前記対象生体情報と同じ種類の特徴情報と対応付けられている他の生体情報のうち、当該生体情報と同じ診断名情報と対応付けられている生体情報である診断名合致生体情報の個数と、当該生体情報と異なる診断名情報と対応付けられている生体情報である診断名非合致生体情報の個数とを集計し、集計した2種類の個数の関係から、当該生体情報についての診断名情報の確度を求めるようにしてもよい。これによると、信頼性の高い確度情報を求めることができる。
【0015】
ここで、生体情報解析装置において、前記生体情報は、利用者の脈波を示すものであり、前記診断支援手段は、前記生体情報が示す脈波内における前記所定の特徴が現れている部分を示す情報を前記特徴情報として前記端末装置に送信するようにしてもよい。脈波は血液の循環の状態を示す情報であるので、脈波を解析することによって、各種の疾患を知ることができる。これによると、端末装置の表示手段には、脈波内における所定の特徴が現れている部分を示す情報が表示される。よって、医師は、脈波における該当部分に注意を払うことにより、脈波の全波形のうち注意深く観察する必要がある部分を容易に探し出すことができる。従って、これによると、医師による診断の負担を軽減することができる。
【0016】
次に、本発明はプログラムとして把握することができる。そのようなプログラムは、コンピュータに、生体情報測定装置から生体情報を受信し、受信した生体情報を前記記憶手段に記憶させる生体情報取得手段と、前記生体情報取得手段によって生体情報が受信される都度、受信された生体情報に所定の特徴をもった情報が含まれているか解析し、前記生体情報測定装置から受信された生体情報に前記所定の特徴を持った情報が含まれていた場合に、当該生体情報に含まれている特徴の種類を示す特徴情報を当該生体情報と対応づけて前記記憶手段に記憶させる解析手段と、前記記憶手段に記憶された生体情報の各々について、当該生体情報を前記端末装置に送信し、前記端末装置から診断名情報を受信し、受信した診断名情報を当該生体情報と対応付けて前記記憶手段に記憶させる診断支援手段と、前記記憶手段に記憶された任意の1つの生体情報を対象生体情報とし、前記記憶手段に記憶された当該対象生体情報以外の他の生体情報と当該他の生体情報に対応付けられた特徴情報および診断名情報に基づき、前記対象生体情報に対応付けられた診断名情報の確度を求め、この確度を示す確度情報を当該対象生体情報と対応付けて前記記憶手段に記憶させる診断確度算出手段と、生体情報の送信元から診断結果を求めるメッセージを受信した場合に、その生体情報と対応付けて前記記憶手段に記憶されている診断名情報および確度情報を読み出し、読み出した診断名情報および確度情報を前記送信元に宛てて送信する診断結果通知手段とを実現させるものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態である解析システムの全体構成を示す図である。
【図2】同システムの生体情報測定装置の外観を示す図である。
【図3】同システムの生体情報測定装置の構成を示すブロック図である。
【図4】同システムの携帯電話機の外観及び構成を示す図である。
【図5】同システムの端末装置の構成を示すブロック図である。
【図6】同システムのサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【図7】同システムのサーバ装置に記憶されている生体情報データベースのデータ構造図である。
【図8】同システムのサーバ装置に記憶されている解析結果データベースのデータ構造図である。
【図9】同システムのサーバ装置に記憶されている診断結果データベースのデータ構造図である。
【図10】同システムにおいて行われる脈波記録処理を示すフローチャートである。
【図11】生体情報データファイルWDFのデータフォーマットを示す図である。
【図12】同システムにおいて行われるデータ伝送処理を示すフローチャートである。
【図13】同システムにおいて行われるアップロード処理を示すフローチャートである。
【図14】生体情報データファイルWDF'のデータフォーマットを示す図である。
【図15】同システムにおいて行われる解析処理を示すフローチャートである。
【図16】同システムにおいて行われる診断支援処理を示すフローチャートである。
【図17】診断結果受付け画面を示す図である。
【図18】同システムにおいて行われる診断確度算出処理を示すフローチャートである。
【図19】同システムにおける診断結果通知処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(A:構成)
図1は、本発明の一実施形態である解析システムの構成を示すブロック図である。このシステムは、利用者Y−k(k=1,2…)の身体に装着される生体情報測定装置1−k(k=1,2…)と、利用者Y−k(k=1,2…)に携帯される携帯電話機4−k(k=1,2…)と、医療機関における医師D−m(m=1,2…)の利用に供される端末装置6−m(m=1,2…)と、システムを運営する事業者らの管理の下に稼働するサーバ装置7とを有する。ここで、各利用者Y−kは、運営事業者から固有のID−kの発行を受けている。医師D−mは、運営事業者から固有のID−mの発行を受けている。また、図1では、簡便のため、生体情報測定装置1−k(k=1,2…)、携帯電話機4−k(k=1,2…)、及び端末装置6−m(m=1,2…)の図示数を各々1つずつとしている。
【0019】
図2は、生体情報測定装置1−kの外観を示す図である。図3は、生体情報測定装置1−kの構成を示すブロック図である。図2に示すように、生体情報測定装置1−kは、脈波センサー30と、装置本体10と、これらを接続するケーブル20とを有する。脈波センサー30は、利用者Y−kの左手人差指を測定部位とし、この部位の血管への血液の流入によって生じる血管の容積変化を生体情報として検出する検出手段としての役割を果たす。脈波センサー30は、左手人差指の幅よりも小さな寸法を持った扁平な板状をなしている。脈波センサー30は、発光素子32aと受光素子32bを併有している。発光素子32aは、血液に吸収され易い波長の発光色(例えば、青色とする)を持ったLED(Light Emitting Diode)である。受光素子32bは、フォドダイオードである。脈波センサー30には、センサ固定用バンド34が取り付けられている。
【0020】
脈波センサー30は、測定部位に発光素子32a及び受光素子32bを向けるようにして測定部位の周りにセンサ固定用バンド34を巻きつけることにより、利用者Y−kの身体に装着される。この装着状態において、脈波センサー30の発光素子32aは、装置本体10からケーブル20を介して当該発光素子32aに供給される電流に応じた強度の光を測定部位に向けて照射する。発光素子32aから照射された光は、測定部位の表皮を透過してその奥の真皮の毛細血管に到達する。血管に到達した光の一部は血管内を流れる血液により吸収される。また、血管に到達した光のうち血管内の血液により吸収されなかった光は、一部は測定部位を透過し、残りは生体組織における散乱等を経た後に反射光として受光素子32bに到達する。受光素子32bには、この反射光の受光強度に応じた大きさの電流が流れる。ここで、測定部位における血管は、心拍と同じ周期で膨張と収縮を繰り返している。そして、血管の膨張と収縮の周期と同じ周期で光の吸収量が増減し、これに合わせて反射光の強度も変化する。このため、受光素子32bに流れる電流は、測定部位における血管の容積変化を示す成分をもったものとなる。
【0021】
装置本体10は、腕時計を模した形状を有している。装置本体10の表面には、長方形状の表示面を持った表示部14が設けられている。表示部14には、当該生体情報測定装置1−kによる計測結果である脈間隔、脈拍数、その他の各種情報が表示される。装置本体10の筐体の外周部にはボタンスイッチ16が設けられている。ボタンスイッチ16は、脈波の計測開始や計測終了、計測結果のリセットなどの各種指示の入力に用いられる。装置本体10の外周部における表示部14を挟んで対向する部分には、リストバンド12の一端と他端が取り付けられている。装置本体10は、リストバンド12を利用者Y−kの手首に巻きつけることにより、利用者Y−kの身体に装着される。
【0022】
図3に示すように、生体情報測定装置1−kの装置本体10には、通信インターフェース150、アナログ回路部110、A/D変換回路120、および制御回路部130が内蔵されている。通信インターフェース150は、Bluetooth(登録商標)に準拠した無線通信を行う装置である。装置本体10は、この通信インターフェース150により携帯電話機4−kと接続される。アナログ回路部110は、駆動回路1120、IV変換回路1112、及びアンプ1116を有する。駆動回路1120は、脈波センサー30の発光素子32aを駆動させる回路である。この駆動回路1120は、制御回路部130による制御の下、脈波センサー30の発光素子32aに電流を供給する。これにより、発光素子32aから測定部位に向けて光が照射され、その反射光の受光強度に応じて受光素子32bを流れる電流が変化する。受光素子32bを流れる電流が測定部位における血管の容積変化を示す成分をもったものとなることは、上述した通りである。IV変換回路1112は、受光素子32bに流れる電流に応じた電圧をアンプ1116へ出力する。アンプ1116は、IV変換回路1112の出力電圧を増幅し、増幅した信号を制御回路部130に出力する。
【0023】
A/D変換回路120は、アンプ1116の出力信号をデジタル形式に変換し、変換した信号を制御回路部130に出力する。制御回路部130は、生体情報測定装置1−kの制御中枢としての役割を果たす装置である。制御回路部130は、CPU(Central Processing Unit)1315、RAM(Random Access Memory)1316、ROM(Read Only Memory)1317、及びEEPROM(Electrically Erasable Programable Read-Only Memory)1318を含んでいる。
【0024】
CPU1315は、RAM1316をワークエリアとして利用しつつ、ROM1317に記憶された脈波計測プログラムを実行する。この脈波計測プログラムは、次の2つの機能を有する。
a1.検出機能
これは、A/D変換回路120の出力信号を利用者Y−kの脈波を示す生体情報データWDとして検出する機能である。
b1.通信制御機能
これは、生体情報データWDを携帯電話機4−kを介してサーバ装置7に送信する機能である。
【0025】
図4は、携帯電話機4−kの外観及び構成を示すブロック図である。この携帯電話機4−kは、筐体410及び筐体420とこれらを連結するヒンジ部材430とを有する。筐体410の表面にはスピーカ4213とディスプレイ4113が設けられている。筐体420の表面には操作キー4212とマイクロホン4112が設けられている。
【0026】
筐体420には、通信インターフェース4214と、制御部440と、当該携帯電話機4−kにおける電力の供給源であるバッテリ450とが内蔵されている。通信インターフェース4214は、Bluetoothに準拠した無線通信を行う装置である。携帯電話機4−kは、この通信インターフェース4214により生体情報測定装置1−kと接続される。制御部440は、無線通信部4511、音声処理部4512、表示処理部4513、CPU4514、RAM4515、ROM4516、及びEEPROM4517を有する。無線通信部4511は、CPU4514による制御の下、移動体パケット通信網8における基地局とコネクションを確立し、移動体パケット通信網8やインターネット9に接続されている他の装置との間でデータを送受信する。音声処理部4512は、CPU4514による制御の下、スピーカ4213及びマイクロホン4112とCPU4514との間の音信号の送受信を仲介する。表示処理部4513は、CPU4514による制御の下、ディスプレイ4113に画像を表示させる。EEPROM4517には、利用者Y−kのID−kが記憶されている。CPU4514は、RAM4514をワークエリアとして利用しつつ、ROM4516に記憶された制御プログラムを実行する。この制御プログラムは、次の2つの機能を有する。
【0027】
a2.アップロード機能
これは、生体情報データWDのアップロードを指示する操作が行われた場合に、生体情報測定装置1−kにコマンドCMを送って以後に同装置1−kから伝送されてくる生体情報データWDをEEPROM4517に記憶し、この生体情報データWDをサーバ装置7に送信する機能である。
【0028】
b2.診断結果閲覧機能
これは、医師D−mによる診断の結果の閲覧を指示する操作が行われた場合に、診断結果を求めるメッセージMSDGNをサーバ装置7に送信し、診断結果である診断名を示す診断名情報データGDとその確度を示す確度情報データADとが埋め込まれた画面の表示制御データDDDGNを受信し、この表示制御データDDDGNが示す画面をディスプレイ640に表示させる機能である。
【0029】
図5は、端末装置6−mの構成を示すブロック図である。端末装置6−mは、制御部610、ハードディスク620、NIC630、ディスプレイ640、キーボード650、及びマウス660を有する。制御部610は、CPU611、RAM612、及びROM613を有する。CPU611は、RAM612をワークエリアとして利用しつつ、ROM613やハードディスク620に記憶された各種プログラムを実行する。ハードディスク620には、制御プログラムが記憶されている。この制御プログラムは、次の2つの機能を有する。
【0030】
a3.脈波閲覧機能
これは、利用者Y−kの脈波を指定する操作が行われた場合に、その利用者Y−kの脈波を求めるメッセージMSREQ2をサーバ装置7に送信し、その利用者Y−kの生体情報データWDが示す脈波における異常部分BCにマークMKが重ねられた脈波画像WIを含む画面の表示制御データDDREQ2を受信し、この表示制御データDDREQ2が示す画面をディスプレイ640に表示させる機能である。
【0031】
b3.診断結果送信機能
これは、医師D−mにより決定された診断名を入力する操作を受け付け、入力された診断名を示す診断名情報データGDをサーバ装置7に送信する機能である。
【0032】
図6は、サーバ装置7の構成を示すブロック図である。サーバ装置7は、制御部710、ハードディスク720、及びNIC730を有する。制御部710は、CPU711、RAM712、及びROM713を有する。CPU711は、RAM712をワークエリアとして利用しつつ、ROM713やハードディスク720に記憶された各種プログラムを実行する。ハードディスク720には、次の3種類のデータベースが記憶されている。
【0033】
a4.生体情報データベースWDB
図7は、生体情報データベースWDBのデータ構造を示す図である。生体情報データベースWDBは、利用者Y−kの携帯電話機4−kからサーバ装置7にアップロードされた生体情報データWDと対応するレコードの集合体である。図7に示すように、生体情報データベースWDBにおける各レコードは、「利用者ID」、「時刻」、「脈波ID」の3つのフィールドを有する。「利用者ID」のフィールドは、サーバ装置7への生体情報データWDのアップロードを行った利用者Y−kのID−kを示す。また、「時刻」のフィールドは、生体情報データWDの記録開始時刻tssの時刻データDtssを示し、「脈波ID」のフィールドは、その生体情報データWDに固有のID(より具体的には、ハードディスク720内における当該生体情報データWDの格納アドレスと生体情報データWDのファイル名を結合した文字列)を示す。
【0034】
b4.解析結果データベースRDB−k
図8は、解析結果データベースRDB−kのデータ構造を示す図である。ここで、ハードディスク720には、利用者Y−k(k=1,2…)毎の個別の解析結果データベースRDB−k(k=1,2…)が記憶されている。1人の利用者Y−kの解析結果データベースRDB−kは、その利用者Y−kの携帯電話機4−kからサーバ装置7にアップロードされた生体情報データWDであって、不整脈を患う者の脈波に現れる特徴を示す波形パターンP−n(n=1,2…N:nは波形パターンの種類を示すインデックスである)を含んでいるものと対応するレコードの集合体である。ここで、波形パターンP−n(n=1,2…N)には、短RR間隔(脈波に本来の周期通りに現れるピークとその周期より早く現れるピークが混在する不整脈)の特徴を示すものや、頻脈(脈波の1分あたりのピーク数が100回を超える不整脈)の特徴を示すもの、徐脈(脈波の1分あたりのピーク数が30回〜40回である不整脈)の特徴を示すものなどがある。本実施形態では、利用者Y−kの携帯電話機4−kからサーバ装置7に生体情報データWDがアップロードされる都度、その生体情報データWDが示す脈波が波形パターンP−nのいずれかと一致する波形部分を含んでいるか解析し、生体情報データWDが波形パターンP−nと一致する波形部分を含んでいる場合に、その波形部分を脈波の異常部分BCとし、解析結果に関わる情報を管理するためのレコードをこのデータベースRDB−k内に形成する。生体情報データWDの解析に関わる処理の詳細については、後述する。
【0035】
図8に示すように、解析結果データベースRDB−kにおける各レコードは、「利用者ID」、「時刻」、「波形タイプ」の3つのフィールドを有する。「利用者ID」のフィールドは、利用者のID−kを示す。「時刻」のフィールドは、生体情報データWDが示す脈波内における異常部分BCの出現時刻tbcの時刻データDtbcを示す。また、「波形タイプ」は、生体情報データWDが示す脈波に現れた波形パターンP−nに固有の特徴情報ID−nを示す。
【0036】
c4.診断結果データベースSDB
図9は、診断結果データベースSDBのデータ構造を示す図である。診断結果データベースSDBは、利用者Y−kの携帯電話機4−kからサーバ装置7にアップロードされた生体情報データWDと対応するレコードの集合体である。
【0037】
図9に示すように、診断結果データベースSDBにおける各レコードは、「利用者ID」、「時刻」、「診断名」、「医師コメント」、「医師ID」、「確度」の6つのフィールドを有する。「利用者ID」のフィールドは、利用者Y−kのID−kを示す。「時刻」のフィールドは、医師D−mが生体情報データWDについて診断の根拠とした異常部分BCの発生時刻である時刻データDtdcを示す。「診断名」のフィールドは、生体情報データWDが示す脈波についての診断名の診断名情報データGDを示す。「コメント」のフィールドは、診断を行った医師D−mから利用者Y−kに向けられたコメントのコメントデータCDを示す。「医師ID」は、診断を行った医師D−mのID−mを示す。「確度」のフィールドは、医師D−mによる診断の結果の確度を示す確度情報データADを示す。
【0038】
また、ハードディスク720には、制御プログラムが記憶されている。この制御プログラムは、次の5つの機能を有する。
a5.生体情報取得機能
これは、利用者Y−kの生体情報測定装置1−kから生体情報データWDを受信し、受信した生体情報データWDをハードディスク720に記憶させる機能である。
【0039】
b5.解析機能
これは、生体情報データWDが受信される都度、受信した生体情報データWDが示す脈波に不整脈とみなし得る波形の特徴である波形パターンP−n(n=1,2…N)が含まれているか解析し、受信された生体情報データWDに波形パターンP−nと一致する波形部分が含まれている場合に、当該生体情報データWDに含まれている波形パターンP−nの種類を示す特徴情報ID−nを当該生体情報データWDと対応付けてハードディスク720に記憶する機能である。
【0040】
c5.診断支援機能
これは、ハードディスク720に記憶された生体情報データWDの各々について、当該生体情報データWDを含む画面の表示制御データDDREQ2を生成し、この表示制御データDDREQ2を端末装置6−mに送信し、端末装置6−mから当該生体情報データWDが示す脈波についての診断名を示す診断名情報データGDを受信し、受信した診断名情報データGDを当該生体情報データWDと対応付けてハードディスク720に記憶する機能である。
【0041】
d5.診断確度算出機能
これは、ハードディスク720に記憶された任意の生体情報データWDを対象生体情報データWDTRGTとし、ハードディスク720に記憶された対象生体情報データWDTRGT以外の他の生体情報データWDと当該他の生体情報データWDに対応付けられた特徴情報ID−n及び診断名情報データGDに基づき、対象生体情報データWDTRGTに対応付けられた診断名情報データGDの確度を求め、この確度を示す確度情報データADを当該対象生体情報データWDTRGTと対応付けてハードディスク720に記憶させる機能である。
【0042】
e5.診断結果通知機能
これは、生体情報データWDの送信元の携帯電話機4−kからメッセージMSDGNを受信した場合に、その生体情報データWDと対応付けてハードディスク720に記憶されている診断名情報データGDおよび確度情報データADを読み出し、読み出した診断名情報データGD及び確度情報データADを埋め込んだ画面の表示制御データDDDGNを送信元の携帯電話機4−kに宛てて送信する機能である。
【0043】
(B:動作)
次に、本実施形態の動作を説明する。本実施形態では、脈波記録処理、データ伝送処理、アップロード処理、解析処理、診断支援処理、診断確度算出処理、及び診断結果通知処理が行われる。以下、各処理について詳細に説明する。
【0044】
図10は、脈波記録処理を示すフローチャートである。この処理は、生体情報測定装置1−kにより実行される処理である。生体情報測定装置1−kは、測定モードと通信モードの2つのモードを有している。この処理は、生体情報測定装置1−kを測定モードにした状態において、生体情報測定装置1−kのボタンスイッチ16によって脈波の記録を指示する操作が行われると開始される。
【0045】
脈波記録処理において、CPU1315は、脈波の記録を指示する操作が行われると、この操作が行われてから時間T1(例えば、T1=10分間とする)が経過する度にその経過時点の時刻を記録開始時刻tssとしてRAM1316に記憶するとともに(S1001)、各記録開始時刻tssから時間T2(例えば、T2=1分間とする)が経過するまでの間のA/D変換回路120の出力信号を生体情報データWDとしてRAM1316に記憶する(S1002)。従って、時間T1が経過するとT1/T2個の生体情報データWDがRAM1316に一時的に記憶される。CPU1315は、T1/T2個の生体情報データWDが生成される度に、生体情報データWDと記録開始時刻tssを示す時刻データDtssとを含む生体情報データファイルWDFを生成し、この生体情報データファイルWDFをEEPROM1318に記憶する(S1003)。図11は、生体情報データファイルWDFのデータフォーマットを示す図である。即ち、時間T1ごとに、T1/T2個の生体情報データWDをまとめ、これに記録開始時刻tssを付加して1個の生体情報データファイルWDFを生成している。このように、時間T1といった単位で記録開始時刻tssを記録した生体情報データファイルWDFを生成するが、サーバ装置7においては、記録開始時刻tssからのサンプル数に基づいて生体情報データWDの波形のうち異常部分BCの出現時刻tdcを特定する。例えば、記録開始時刻tssが「10:00」であり、その32000サンプル目のデータ付近に異常部分BCがあり、サンプリング周期が1/32秒(1秒間に32個のサンプルがある)であったとする。この場合、特徴点は開始から1000秒後(=32000/32)であり、10:16’40が異常部分BCの出現時刻tdcあると特定できる。
【0046】
図12は、データ伝送処理を示すフローチャートである。この処理は、生体情報測定装置1−kと携帯電話機4−kにより実行される処理である。この処理は、生体情報測定装置1−kを通信モードにした状態において、携帯電話機4−kの操作キー4212によってデータ伝送を指示する操作が行われると開始される。
【0047】
データ伝送処理において、携帯電話機4−kのCPU4514は、データ伝送を指示する操作が行われると、コマンドCMを生体情報測定装置1−kに伝送する(S1011)。生体情報測定装置1−kのCPU1315は、前回のコマンドCMの受領時から今回のコマンドCMの受領時までの間にEEPROM1318に記憶された生体情報データファイルWDFをEEPROM1318から読み出し、無線区間を介して携帯電話機4−kに伝送する(S1012)。この伝送は、XMODEMなどのバイナリ転送プロトコルに従って行う。携帯電話機4−kのCPU4514は、生体情報測定装置1−kから伝送されてくる生体情報データファイルWDFをEEPROM4517に記憶する(S1013)。
【0048】
図13は、アップロード処理を示すフローチャートである。この処理は、携帯電話機4−kとサーバ装置7とにより実行される処理である。この処理は、携帯電話機4−kのブラウザアプリケーションを起動させた状態において、サーバ装置7のアップロードサービスページへのアクセスを指示する操作が行われると開始される。
【0049】
アップロード処理において、携帯電話機4−kのCPU4514は、アップロードサービスページへのアクセスを指示する操作が行われると、同ページの閲覧を求めるメッセージMSSVC1をサーバ装置7に宛てて送信する(S1021)。このメッセージMSSVC1は、移動体パケット通信網8及びインターネット9を介してサーバ装置7に送られる。サーバ装置7のCPU711は、メッセージMSSVC1を受信すると、アップロードサービスページの表示制御データDDSVC1を携帯電話機4−kに宛てて送信する(S1022)。表示制御データDDSVC1は、インターネット9及び移動体パケット通信網8を介して携帯電話機4−kに送られる。
【0050】
携帯電話機4−kは、表示制御データDDSVC1が示す画面をディスプレイ4113に表示させる(S1023)。この画面には、IDの入力を促す内容の文字列とID入力欄とが表示されている。利用者Y−kは、携帯電話機4−kの操作キー4212を操作し、ID入力欄に自身のID−kを入力する。携帯電話機4−kのCPU4514は、操作キー4212によって入力されたID−kを含むメッセージMSUP1をサーバ装置7に送信する(S1024)。メッセージMSUP1は、移動体パケット通信網8及びインターネット9を介してサーバ装置7に送られる。サーバ装置7のCPU711は、このメッセージMSUP1からID−kを取り出し、このID−kを用いた所定の認証処理を行った後、アップロード用画面の表示制御データDDUP1を携帯電話機4−kに宛てて送信する(S1025)。表示制御データDDUP1は、インターネット9及び移動体パケット通信網8を介して携帯電話機4−kに送られる。
【0051】
携帯電話機4−kは、サーバ装置7から表示制御データDDUP1を受信すると、その表示制御データDDUP1が示す画面をディスプレイ4113に表示させる(S1026)。この画面には、生体情報データWDのアップロードを促す内容の文字列が表示されている。利用者Y−kは、携帯電話機4−kの操作キー4212を操作し、生体情報データWDのアップロードを指示する。携帯電話機4−kのCPU4514は、生体情報データWDのアップロードが指示されると、EEPROM4517に記憶されている生体情報データファイルWDFに利用者Y−kのID−kを埋め込んだ生体情報データファイルWDF’を生成し、この生体情報データファイルWDF’をサーバ装置7に送信する(S1027)。図14は、生体情報データファイルWDF’のデータ構造を示す図である。生体情報データファイルWDF’は、移動体パケット通信網8及びインターネット9を介してサーバ装置7に送られる。
【0052】
サーバ装置7のCPU711は、生体情報データファイルWDF’を受信すると、その生体情報データファイルWDF’内における生体情報データWDをハードディスク720の空き領域に記憶する(S1028)。また、CPU711は、生体情報データファイルWDF’内における利用者Y−kのID−k、記録開始時刻tss、及び生体情報データWDの固有のID(ハードディスク720内における当該生体情報データWDの格納アドレスと生体情報データWDのファイル名を結合した文字列)を含むレコードを生体情報データベースWDBに登録する(S1029)。
【0053】
図15は、解析処理を示すフローチャートである。この処理は、サーバ装置7により実行される処理である。この処理は、生体情報データベースWDBに新たなレコードが登録される都度、実行される。
【0054】
解析処理において、サーバ装置7のCPU711は、利用者Y−kの生体情報データベースWDBに新たなレコードが登録されると、そのレコードを生体情報データベースWDBから読み出してRAM712に記憶するとともに、そのレコードにおけるIDと対応する生体情報データWDをハードディスク720における該当の記憶領域から読み出してRAM712に記憶する(S1031)。
【0055】
CPU711は、RAM712内における生体情報データWDを解析し、当該生体情報データWDが示す脈波に波形パターンP−nと一致する波形部分が含まれているか判定する(S1032)。CPU711は、生体情報データWDが示す脈波に波形パターンP−nと一致する波形部分がある場合には、当該生体情報データWDが示す脈波における波形パターンP−nと一致する波形部分を脈波の異常部分BCとみなし、利用者Y−kのID−k、異常部分BCの出現時刻tbcを示す時刻データDtbc、及び該当する波形パターンP−nの特徴情報ID−nを含むレコードを利用者Y−kの解析結果データベースRDB−kに追加する(S1033)。ここで、生体情報データWDにおける先頭のサンプルから異常部分BCのサンプルまでのサンプル数とサンプリング周期の積を記録開始時刻tssに加算することにより異常部分BCの出現時刻tbcが求まることは、上述した通りである。
【0056】
図16は、診断支援処理を示すフローチャートである。診断支援処理は、端末装置6−mとサーバ装置7とにより実行される処理である。この処理は、端末装置6−mのブラウザアプリケーションを起動させた状態において、診断支援サービスページへのアクセスを指示する操作が行われると開始される。
【0057】
診断支援処理において、端末装置6−mのCPU611は、診断支援サービスページへのアクセスを指示する操作が行われると、診断支援サービスページの閲覧を求めるメッセージMSSVC2をサーバ装置7に宛てて送信する(S1061)。このメッセージMSSVC2は、インターネット9を介してサーバ装置7に送られる。サーバ装置7のCPU711は、診断支援サービスページの表示制御データDDSVC2を端末装置6−mに宛てて送信する(S1062)。表示制御データDDSVC2は、インターネット9を介して端末装置6−mに送られる。
【0058】
端末装置6−mのCPU611は、表示制御データDDSVC2を受信すると、この表示制御データDDSVC2が示す画面をディスプレイ640に表示させる(S1063)。この画面には、IDの入力を促す内容の文字列とID入力欄とが表示されている。医師D−mは、マウス760及びキーボード750を操作し、ID入力欄に自身のID−mを入力する。端末装置6−mのCPU611は、操作キー4212によって入力されたID−mを含むメッセージMSREQ1をサーバ装置7に送信する(S1064)。メッセージMSREQ1は、インターネット9を介してサーバ装置7に送られる。サーバ装置7のCPU711は、このメッセージMSREQ1からID−mを取り出し、このID−mを用いた所定の認証処理を行った後、診断対象者問合せ画面の表示制御データDDREQ1を端末装置6−mに宛てて送信する(S1065)。この表示制御データDDREQ1はインターネット9を介して端末装置6−mに送られる。
【0059】
端末装置6−mのCPU611は、表示制御データDDREQ1を受信すると、その表示制御データDDREQ1が示す画面である診断対象者問合せ画面をディスプレイ640に表示させる(S1066)。診断対象者問合せ画面には、診断の対象者となる利用者Y−kのID−k、診断の対象期間T3の始点となる時刻trsと終点となる時刻treの入力を促す文字列と、各々を入力する3つの入力欄とが表示されている。医師D−mは、キーボード750及びマウス760を操作し、各入力欄にID−kと時刻trs及びtreを入力する。CPU611は、このID−kと、時刻trsを示す時刻データDtrsと、時刻treを示す時刻データDtreとをRAM612に記憶する(S1067)。CPU611は、このID−k、時刻データDtrs、時刻データDtreを含むメッセージMSREQ2をサーバ装置7に宛てて送信する(S1068)。メッセージMSREQ2は、インターネット9を介してサーバ装置7に送られる。
【0060】
サーバ装置7のCPU711は、メッセージMSREQ2を受信すると、そのメッセージMSREQ2から、ID−k、時刻データDtrs、時刻データDtreを取り出してRAM712に記憶する(S1069)。CPU711は、時刻trsから時刻treまでの期間を診断の対象期間T3として決定する(S1070)。CPU711は、生体情報データベースWDBからRAM712内のID−kとこの期間T3内の記録開始時刻tssとを含むレコードを抽出し(S1071)、抽出したレコードにおけるIDと対応する記憶領域に記憶されている生体情報データWDをRAM712に読み出す(S1072)。CPU711は、この生体情報データWDが示す脈波における異常部分BCにマークMKを重ねた脈波画像WIを含む画面を診断結果受付け画面とし、この診断結果付け付け画面の表示制御データDDREQ2を生成し、この表示制御データDDREQ2を端末装置6−mに宛てて送信する(S1073)。表示制御データDDREQ2は、インターネット9を介して端末装置6−mに送られる。
【0061】
端末装置6−mのCPU611は、表示制御データDDREQ2が示す画面である診断結果受付け画面をディスプレイ640に表示させる(S1074)。図17は、診断結果受付け画面を示す図である。この画面の上部には脈波画像WIが表示されている。脈波画像WIの下にはダイアログ領域DRがある。このダイアログ領域DRには、診断名選択用のプルダウンメニューPMと、コメント入力用のテキストボックスBXと、「送信」の文字を有するボタンBTとが配されている。
【0062】
端末装置6−mのディスプレイ640に診断結果受付け画面が表示された状態において、医師D−mは、利用者Y−kの症状を診断し、その診断結果である診断名をサーバ装置7内のデータベースに登録するための操作を行う。操作の具体的な手順は次の通りである。まず、医師D−mは、診断結果受付け画面の脈波画像WIにおいてマークMKが付されている異常部分BCの波形形状や相前後する異常部分BCの時間間隔などを確認し、該当する診断名を決定する。ここで、医師D−mにより如何なる診断が下されるかは、各医師D−mの各々の経験や利用者Y−kの過去の診断履歴などに依存する。
【0063】
医師D−mは、脈波画像WIにおける異常部分BCを示すマークMKのうち所望のものにマウスポインタを移動させる第1の操作を行う。端末装置6−mのCPU611は、第1の操作が行われると、この操作により選択された異常部分BCの出現時刻tbc(図17の例では、12:00’20)とステップS1062でRAMに記憶したID−k(図17の例ではSuzuki)とを埋め込んだ「tbc頃の脈波へのID−k先生の診断」の文字列をプルダウンメニューPDの上部に表示させる。次に、医師D−mは、プルダウンメニューPDの左の展開ボタンPDBTにマウスポインタを移動させてクリックする第2の操作を行う。端末装置6−mのCPU611は、第2の操作が行われると、複数種類の診断名を下方向に列記したリストを表示させる。次に、医師D−mは、リストにおける診断名の中から自らが診断した診断名と一致するものを選択する第3の操作を行う。端末装置6−mのCPU611は、第3の操作が行われると、リスト内から選択された診断名の診断名情報データGDをRAM612に記憶させる。次に、医師D−mは、利用者Y−kに向けたコメントである文字列をテキストボックスBX内に入力する第4の操作を行う。端末装置6−mのCPU611は、第4の操作が行われると、テキストボックスBX内における文字列を示すコメントデータCDをRAM612に記憶させる。次に、医師D−mは、ボタンBTにマウスポインタを移動させてクリックする第5の操作を行う。端末装置6−mのCPU611は、第5の操作が行われると、RAM612内におけるID−k、時刻データDtbc、診断名情報データGD、コメントデータCD、IDを含むメッセージMSUP2をサーバ装置7に宛てて送信する(S1075)。ここで、時刻データDtbcは、医師D−mが、第1の操作で指定した異常部分BCの発生時刻を示す。すなわち、医師D−mの診断の根拠となる異常部分BCが特定される。このメッセージMSUP2は、インターネット9を介してサーバ装置7に送られる。
【0064】
サーバ装置7のCPU711は、メッセージMSUP2を受信すると、そのメッセージMSUP2から、ID−k、時刻データDtdc、診断名情報データGD、コメントデータCD、およびIDを取り出し、これらを含むレコードを、IDが示す生体情報データWDについての診断結果を示すレコードとして診断結果データベースSDBに追加する(S1076)。
【0065】
図18は、診断確度算出処理を示すフローチャートである。診断確度算出処理は、サーバ装置7により実行される処理である。この処理は、生体情報データWDについての診断結果を示すレコードが診断結果データベースSDBに追加されると、その生体情報データWDを対象生体情報データWDTRGTとして開始される。
【0066】
診断確度算出処理において、サーバ装置7のCPU711は、対象生体情報データWDTRGTをハードディスク720から読み出してRAMに記憶する(S1081)。CPU711は、診断名合致生体情報データWDMTCHの個数NumMTCHと診断名非合致生体情報データWDMISの個数NumMISとを集計する(S1082)。このステップS1082では、CPU711は、次のような処理を行う。まず、CPU711は、解析結果データベースRDB−k(k=1,2…)を検索対象として第1の検索処理を行う。この第1の検索処理では、対象生体情報データWDTRGTの送信元の利用者Y−k(例えば、利用者Y−1とする)の解析結果データベースRDB−1の各レコードの中から、解析処理においてこの対象生体情報データWDTRGTの解析結果として追加されたレコードを抽出し、このレコード内の特徴情報ID−nを検索条件SQRDBとする。その上で、CPU711は、解析結果データベースRDB−k(k≠1)の各レコードの中から、検索条件SQRDBである特徴情報ID−nと同じ特徴情報ID−nを含むレコードを抽出し、このレコードを検索結果SRRDBとする。
【0067】
次に、CPU711は、生体情報データベースWDBを検索対象とする第2の検索処理を行う。この第2の検索処理では、CPU711は、検索結果SRRDBである各レコードについて、当該レコード内のID−kを第1の検索条件SQ1WDBとし、当該レコード内の時刻データDtssが示す時刻tssを第2の検索条件SQ2WDBとする。そして、CPU711は、生体情報データベースWDBの各レコードの中から、検索条件SQ1WDBと同じID−kを有する利用者Y−kから送信され、且つ検索条件SQ2WDBである時刻tssを始点とする時間T2の間に測定された生体情報データWDについてのレコードを抽出し、このレコードを検索結果SRWDBとする。
【0068】
次に、CPU711は、診断結果データベースSDBを検索対象とする第3の検索処理を行う。この第3の検索処理では、CPU711は、検索結果SRWDBである各レコードについて、当該レコード内のID−kを第1の検索条件SQ1SDBとし、当該レコード内の時刻データDtbcが示す時刻tbcを第2の検索条件SQ2SDBとする。そして、CPU711は、診断結果データベースSDBの各レコードの中から、検索条件SQ1SDBであるID−kを含み且つ検索条件SQ2SDBと時刻tssを始点とする時間T2(T2=1分間)内の診断時刻tdcの時刻データDtdcを含むレコードを抽出し、このレコードを検索結果SRSDBとする。
【0069】
以上の検索を行った後、CPU711は、検索結果SRSDBであるレコード群を、次の2つのグループに分類する。
a6.グループGPMTCH
これは、検索結果SRSDBであるレコード群のうち、対象生体情報データWDTRGTについての診断結果を示すものと同じ診断名情報データGDを含むレコードのグループである。
b6.グループGPMIS
これは、検索結果SRSDBであるレコード群のうち、対象生体情報データWDTRGTについての診断結果を示すものと異なる診断名情報データGDを含むレコードのグループである。
CPU711は、グループGPMTCHに分類したレコードの総数を個数NumMTCHとし、グループGPMISに分類したレコードの総数を個数NumMISとする。
【0070】
サーバ装置7のCPU711は、集計した2種類の個数NumMTCHおよび個数NumMISの関係から、対象生体情報データWDTRGTについての診断の確度を算出する(S1083)。より詳細に説明すると、このステップS1083では、CPU711は、NumMTCH/(NumMTCH+NumMIS)を対象生体情報データWDTRGTについての診断の確度とし、この確度を示す確度情報データADを診断結果データベースSDBにおける新規レコードに収録する。
【0071】
図19は、診断結果通知処理を示すフローチャートである。診断結果通知処理は、携帯電話機4−kとサーバ装置7とにより実行される処理である。この処理は、携帯電話機4−kの操作キー4212によって診断結果の閲覧を指示する操作が行われると開始される。
【0072】
診断結果通知処理において、携帯電話機4−kのCPU711は、診断結果閲覧サービスページへのアクセスを指示する操作が行われると、同サービスページの閲覧を求めるメッセージMSSVC3をサーバ装置7に宛てて送信する(S1091)。このメッセージMSSVC3は、移動体パケット通信網8及びインターネット9を介してサーバ装置7に送られる。サーバ装置7のCPU711は、メッセージMSSVC3を受信すると、診断結果閲覧サービスページの表示制御データDDSVC3を端末装置6−mに宛てて送信する(S1092)。表示制御データDDSVC3は、インターネット9を介して端末装置6−mに送られる。
【0073】
携帯電話機4−kのCPU4514は、表示制御データDDSVC3が示す画面をディスプレイ4113に表示させる(S1093)。この画面には、IDの入力を促す内容の文字列とID入力欄とが表示されている。利用者Y−kは、端末装置6−mのマウス760及びキーボード750を操作し、画面のID入力欄に自身のID−kを入力する。携帯電話機4−kのCPU4514は、操作キー4212によって入力されたID−kをRAM4514に記憶する(S1094)。CPU4514は、このID−kを含むメッセージMSDGNをサーバ装置7に送信する(S1095)。メッセージMSDGNは、移動体パケット通信網8及びインターネット9を介してサーバ装置7に送られる。
【0074】
サーバ装置7のCPU4514は、このメッセージMSDGNからID−kを取り出し、このID−kを用いた所定の認証処理を行った後、診断結果データベースSDBからこのID−kと対応付けられた診断名情報データGD及び確度情報データADを取得してRAM4514に記憶する(S1096)。CPU4514は、この診断名情報データGD及び確度情報データADを埋め込んだ診断結果通知画面の表示制御データDDDGNを生成し、この表示制御データDDDGNを携帯電話機4−kに宛てて送信する(S1097)。表示制御データDDDGNは、インターネット9及び移動体パケット通信網8を介して携帯電話機4−kに送られる。
【0075】
携帯電話機4−kのCPU4514は、表示制御データDDDGNを受信すると、この表示制御データDDDGNが示す画面である診断結果通知画面をディスプレイ4113に表示させる(S1098)。利用者Y−kは、この画面を参照することにより、自身の脈波についての医師D−mの診断結果である診断名と、その確度とを知ることができる。
【0076】
以上説明した本実施形態によると、次のような効果が得られる。
第1に、本実施形態では、医師による診断結果である診断名を示す診断名情報データGDと、その確度を示す確度情報データADとが携帯電話機4−kに宛てて送信される。自身の身体から検出された生体情報データWDをサーバ装置7に送って診断を受ける利用者Y−kは、サーバ装置7から診断名情報データGDとともに送信されてくる確度情報データADが示す確度を参照することにより、自身と同じような生体情報データWDが検出された人のうちのどの程度の人が同じ診断名の診断を下されていたのかを知ることができる。よって、本発明によると、利用者Y−kに対して普遍性が担保された診断結果を提供できることができる。
【0077】
第2に、本実施形態では、端末装置6−mは、利用者Y−kの生体情報データWDが示す脈波と特徴情報ID−nを示すマークMKを含む画面の表示制御データDDREQ2をを受信し、受信した表示制御データDDREQ2をディスプレイ640に表示させる。これによると、医師D−mは、画面内におけるマークMKを活用することにより、診断を効率的に行うことができる。
【0078】
第3に、本実施形態では、ハードディスク720において、対象生体情報データWDTRGTと同じ種類の特徴情報ID−nと対応付けられている他の生体情報データWDのうち、当該生体情報データWDTRGTと同じ診断名情報ID−nと対応付けられている生体情報データWDである診断名合致生体情報データWDMTCHの個数NumMTCHと、当該生体情報データWDTRGTと異なる診断名情報ID−nと対応付けられている生体情報データWDである診断名非合致生体情報データWDMTCHの個数NumMISとを集計し、集計した2種類の個数NumMTCH及びNumMISの関係から、当該生体情報データWDTRGTについての確度を求める。よって、信頼性の高い確度情報データADを求めることができる。
【0079】
(C:変形)
以上、本発明の実施形態について説明したが、この実施形態に以下に述べる変形を加えても勿論良い。
(1)上記実施形態では、生体情報測定装置1−kに接続される装置である携帯電話機4が、サーバ装置7に対して診断結果を求めるメッセージMSDGNを送信し、サーバ装置7から診断結果通知画面の表示制御データDDDGNを受信し、この表示制御データDDDGNが示す画面をディスプレイ4113に表示させた。しかし、生体情報測定装置1−kがメッセージMSDGNをサーバ装置7に送信してもよい。また、携帯電話機4が、サーバ装置7から受信した表示制御データDDDGNを生体情報測定装置1に伝送し、生体情報測定装置1がその表示部14に診断結果通知画面を表示させてもよい。
【0080】
(2)上記実施形態における診断確度算出処理では、CPU711は、NumMTCH/(NumMTCH+NumMIS)を確度算出対象である診断名情報データGDについての診断の確度とした。しかし、この確度の算出方法は一例に過ぎない。例えば、診断名合致生体情報データWDMTCHの個数NumMTCHと、診断名非合致生体情報データWDMISの個数NumMISとの関係を示す別の値(例えば、NumMTCH/NumMIS)を確度算出対象である診断名情報データGDについての診断の確度としてもよい。また、診断結果データベースSDB内における各レコードのうち、医師D−mによる診断が下されていないものを診断名非合致生体情報データWDMISの個数NumMISに含めてカウントしてもよい。より具体的に説明すると、この算出方法では、CPU711は、上述した第3の検索処理において、診断結果データベースSDBの各レコードの中から、検索条件SQ1SDB及びSQ2SDBにマッチしているものの診断名情報データGDが未だ収録されていないレコードを抽出し、抽出したレコードの個数NumMIS’を集計する。そして、CPU711は、NumMTCH/(NumMTCH+NumMIS+NumMIS’)を確度算出対象である診断名情報データGDについての診断の確度とする。
【0081】
(3)上記実施形態では、生体情報測定装置1−kは、利用者Y−kの脈波を生体情報データWDとして検出した。しかし、利用者Y−kの血圧や心拍などを生体情報データWDとして検出してもよい。
【0082】
(4)上記実施形態では、ハードディスク720に記憶された全ての生体情報データWDを対象生体情報データWDTRGTとして診断確度算出処理を行った。しかし、ハードディスク720内の生体情報データWDのうち所定の条件を満たす生体情報データWD(例えば、確度の算出を希望する利用者Y−kの生体情報測定装置1−kから送信された生体情報データWD)だけを対象生体情報データWDTRGTとして診断確度算出処理を行ってもよい。
【0083】
(5)また、上述した実施形態では、脈波センサー30はセンサー固定用バンド34により被験者の人指し指の根元から第2指関節までの間の部分に巻きつけられているが、脈波脈波センサー30をカフ(腕帯)により被験者の上腕部または前腕部に巻き付ける構造にしても良い。
さらに、上述した実施形態では、生体情報測定装置1−kは、手首に装着される装置本体10と、人指し指の根元から第2指関節までの間の部分に装着される脈波センサー30とを備え、これらはケーブル20を介して接続される構造を有しているが、脈波センサー30と装置本体10とが一体として構成され、共にリストバンド12により被験者の手首に装着する構造にしても良い。この場合、ケーブル20が不要となり、装置本体10と脈波センサー30とが一体となった腕時計構造を有するため、生体情報測定装置1−kの使い勝手の向上が可能となる。
また、上述した実施形態では、装置本体10を腕時計構造とし、リストバンド12により被験者の手首に巻き付ける構造を有しているが、装置本体10を携帯電話等の外部の機器上に設け、装置本体10が設けられた携帯電話等と脈波センサー30との間で無線通信を実行してもよい。この場合、脈波センサー30は、手首、上腕部あるいは前腕部に巻きつけるカフ(腕帯)としてもよい。あるいは、耳朶に装着する構成としてもよい。装置本体10は、携帯電話の有する表示機能、入力機能、及びCPUを利用できるため、生体情報測定装置1−kの低コスト化が可能となる。
【0084】
(6)上記実施形態の診断支援処理では、CPU711は、脈波画像WIにおける異常部分BCを示す複数のマークMKのうち、医師D−mが選択した診断の根拠となる一つの異常部分BCの発生時刻を示す時刻データDtbcをサーバ装置7に送信したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の異常部分BCの各発生時刻を時刻データDtbcとしてサーバ装置7に送信してもよい。より具体的には、医師D−mが選択した異常部分BCを中心とする所定期間(例えば、3分)に発生した各異常部分BCの発生時刻を時刻データDtbcとしてサーバ装置7に送信してもよい。あるいは、医師D−mが2個以上の異常部分BCを選択可能とし、これらの発生時刻を時刻データDtbcとしてサーバ装置7に送信してもよい。この場合には、例えば、医師D−mが、キーボードのシフトキーを押しながら2個以上の異常部分BCをマウスポインタで選択することにより、診断の根拠となる異常部分BCを複数指定してもよい。
【符号の説明】
【0085】
1…生体情報測定装置、4…携帯電話機、6…端末装置、7…サーバ装置、8…移動体パケット通信網、9…インターネット、10…装置本体、12…リストバンド、14…表示部、16…ボタンスイッチ、20…ケーブル、30…脈波センサ、32a…発光素子、32b…受光素子、34…センサ固定用バンド、110…アナログ回路部、1112…IV変換回路、1116…アンプ、1120…駆動回路、120…A/D変換回路、130…制御回路部、611,711,1315,4514…CPU、612,712,1316,4515…RAM、613,713,1317,4516…ROM、1318,4517…EEPROM、150,4214…通信インターフェース、440,610,710…制御部、620,720…ハードディスク、450…バッテリ、630,730…NIC、640,4113…ディスプレイ、650…キーボード、660…マウス、4511…無線通信部、4242…操作キー、4512…音声処理部、4513…表示処理部、4213…スピーカ、4112…マイクロホン。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体情報測定装置と、端末装置と、サーバ装置とを有する解析システムであって、
前記生体情報測定装置は、
利用者から生体情報を検出する検出手段と、
前記検出手段により生体情報を検出して前記サーバ装置に送信する制御を行う制御手段と
を具備し、
前記端末装置は、
表示手段と、
前記サーバ装置から前記生体情報を受信し、受信した生体情報を示す画面を前記表示手段に表示させるとともに、診断名の入力を受付け、入力された診断名を示す診断名情報を前記サーバ装置へ送信する制御手段と
を具備し、
前記サーバ装置は、
記憶手段と、
前記生体情報測定装置から生体情報を受信し、受信した生体情報を前記記憶手段に記憶させる生体情報取得手段と、
前記生体情報取得手段によって生体情報が受信される都度、受信された生体情報に所定の特徴をもった情報が含まれているか解析し、前記生体情報測定装置から受信された生体情報に前記所定の特徴を持った情報が含まれていた場合に、当該生体情報に含まれている特徴の種類を示す特徴情報を当該生体情報と対応づけて前記記憶手段に記憶させる解析手段と、
前記記憶手段に記憶された生体情報の各々について、当該生体情報を前記端末装置に送信し、前記端末装置から診断名情報を受信し、受信した診断名情報を当該生体情報と対応付けて前記記憶手段に記憶させる診断支援手段と、
前記記憶手段に記憶された任意の1つの生体情報を対象生体情報とし、前記記憶手段に記憶された当該対象生体情報以外の他の生体情報と当該他の生体情報に対応付けられた特徴情報および診断名情報に基づき、前記対象生体情報に対応付けられた診断名情報の確度を求め、この確度を示す確度情報を当該対象生体情報と対応付けて前記記憶手段に記憶させる診断確度算出手段と、
生体情報の送信元から診断結果を求めるメッセージを受信した場合に、その生体情報と対応付けて前記記憶手段に記憶されている診断名情報および確度情報を読み出し、読み出した診断名情報および確度情報を前記送信元に宛てて送信する診断結果通知手段と
を具備することを特徴とする解析システム。
【請求項2】
前記診断支援手段は、前記生体情報とともに前記特徴情報を前記端末装置に送信し、
前記端末装置の制御手段は、前記生体情報とともに前記特徴情報を受信し、受信した生体情報および特徴情報を示す画面を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1に記載の解析システム。
【請求項3】
前記診断確度算出手段は、前記記憶手段において、前記対象生体情報と同じ種類の特徴情報と対応付けられている他の生体情報のうち、当該生体情報と同じ診断名情報と対応付けられている生体情報である診断名合致生体情報の個数と、当該生体情報と異なる診断名情報と対応付けられている生体情報である診断名非合致生体情報の個数とを集計し、集計した2種類の個数の関係から、当該生体情報についての診断名情報の確度を求めることを特徴とする請求項1または2に記載の解析システム。
【請求項4】
前記生体情報は、利用者の脈波を示すものであり、
前記診断支援手段は、前記生体情報が示す脈波内における前記所定の特徴が現れている部分を示す情報を前記特徴情報として前記端末装置に送信することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の解析システム。
【請求項5】
記憶手段と、
生体情報測定装置から生体情報を受信し、受信した生体情報を前記記憶手段に記憶させる生体情報取得手段と、
前記生体情報取得手段によって生体情報が受信される都度、受信された生体情報に所定の特徴をもった情報が含まれているか解析し、前記生体情報測定装置から受信された生体情報に前記所定の特徴を持った情報が含まれていた場合に、当該生体情報に含まれている特徴の種類を示す特徴情報を当該生体情報と対応づけて前記記憶手段に記憶させる解析手段と、
前記記憶手段に記憶された生体情報の各々について、当該生体情報を前記端末装置に送信し、前記端末装置から診断名情報を受信し、受信した診断名情報を当該生体情報と対応付けて前記記憶手段に記憶させる診断支援手段と、
前記記憶手段に記憶された任意の1つの生体情報を対象生体情報とし、前記記憶手段に記憶された当該対象生体情報以外の他の生体情報と当該他の生体情報に対応付けられた特徴情報および診断名情報に基づき、前記対象生体情報に対応付けられた診断名情報の確度を求め、この確度を示す確度情報を当該対象生体情報と対応付けて前記記憶手段に記憶させる診断確度算出手段と、
生体情報の送信元から診断結果を求めるメッセージを受信した場合に、その生体情報と対応付けて前記記憶手段に記憶されている診断名情報および確度情報を読み出し、読み出した診断名情報および確度情報を前記送信元に宛てて送信する診断結果通知手段と
を具備することを特徴とする生体情報解析装置。
【請求項6】
前記診断支援手段は、前記生体情報とともに前記特徴情報を前記端末装置に送信し、
前記端末装置の制御手段は、前記生体情報とともに前記特徴情報を受信し、受信した生体情報および特徴情報を示す画面を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項5に記載の生体情報解析装置。
【請求項7】
前記診断確度算出手段は、前記記憶手段において、前記対象生体情報と同じ種類の特徴情報と対応付けられている他の生体情報のうち、当該生体情報と同じ診断名情報と対応付けられている生体情報である診断名合致生体情報の個数と、当該生体情報と異なる診断名情報と対応付けられている生体情報である診断名非合致生体情報の個数とを集計し、集計した2種類の個数の関係から、当該生体情報についての診断名情報の確度を求めることを特徴とする請求項5または6に記載の生体情報解析装置。
【請求項8】
前記生体情報は、利用者の脈波を示すものであり、
前記診断支援手段は、前記生体情報が示す脈波内における前記所定の特徴が現れている部分を示す情報を前記特徴情報として前記端末装置に送信することを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の生体情報解析装置。
【請求項9】
コンピュータに、
生体情報測定装置から生体情報を受信し、受信した生体情報を前記記憶手段に記憶させる生体情報取得手段と、
前記生体情報取得手段によって生体情報が受信される都度、受信された生体情報に所定の特徴をもった情報が含まれているか解析し、前記生体情報測定装置から受信された生体情報に前記所定の特徴を持った情報が含まれていた場合に、当該生体情報に含まれている特徴の種類を示す特徴情報を当該生体情報と対応づけて前記記憶手段に記憶させる解析手段と、
前記記憶手段に記憶された生体情報の各々について、当該生体情報を前記端末装置に送信し、前記端末装置から診断名情報を受信し、受信した診断名情報を当該生体情報と対応付けて前記記憶手段に記憶させる診断支援手段と、
前記記憶手段に記憶された任意の1つの生体情報を対象生体情報とし、前記記憶手段に記憶された当該対象生体情報以外の他の生体情報と当該他の生体情報に対応付けられた特徴情報および診断名情報に基づき、前記対象生体情報に対応付けられた診断名情報の確度を求め、この確度を示す確度情報を当該対象生体情報と対応付けて前記記憶手段に記憶させる診断確度算出手段と、
生体情報の送信元から診断結果を求めるメッセージを受信した場合に、その生体情報と対応付けて前記記憶手段に記憶されている診断名情報および確度情報を読み出し、読み出した診断名情報および確度情報を前記送信元に宛てて送信する診断結果通知手段と
を実現させるプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−183215(P2012−183215A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−48719(P2011−48719)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】