説明

触媒を用いた無電解めっきによりパターン化された絶縁体上に金属層を形成する方法

金属層は、触媒により活性化された下地材料の表面領域上に、めっきプロセスによって形成されうる。この触媒はCVD、PVDまたはALDによって堆積されるかまたは下地材料を堆積する際に少なくとも部分的に取り込まれる。このようにして、メタライゼーション構造の高アスペクト比のビアに優れた金属シード層を形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に集積回路の製造の分野に関し、より詳細には、無電解めっきなどの湿式化学的堆積プロセスによる、トレンチやビア等のパターン化された絶縁体上への金属層の形成に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路においては、適切な基板に、膨大な数のトランジスタ、コンデンサ、抵抗器等の回路素子が通常は実質的に平面構成で形成される。膨大な数の回路素子が存在し、複雑なレイアウトの集積回路が要求されるために、一般に、個々の回路素子の電気的接続は、その回路素子が作製されているのと同じレベルで行うことができず、1層以上の追加の「配線」層(メタライゼーション層とも呼ばれる)が必要となる。このメタライゼーション層は、一般に層内の電気的接続を行っている金属配線を有するほか、複数の層間接続(ビアとも呼ばれる)も有しており、金属配線とビアは一般に相互接続とも呼ばれることがある。
【0003】
最新の集積回路の回路素子で構造(feature)の縮小化が絶えず進んでいるため、所定のチップ面積に対する回路素子数(すなわち実装密度)も増加しており、所望の回路機能を提供するには、さらに多くの電気的相互接続が必要となっている。このため、チップ面積あたりの回路素子数が増加するのに伴い、積層するメタライゼーション層の数が増えることがある。例えば、アルミニウムをベースとした高性能のマイクロプロセッサでは、最大12層の必要な積層メタライゼーション層の機械的信頼性、熱的信頼性、電気的信頼性など、多層メタライゼーション層の製造には解決を要する極めて困難な問題がついて回るため、半導体メーカーが、公知のメタライゼーション金属であるアルミニウムを、より高い電流密度を許容でき、このため相互接続の寸法を縮小可能な金属で置き換える動きが進んでいる。例えば、一般に銅は、アルミニウムと比べてエレクトロマイグレーション耐性が高く、抵抗率が大幅に低いことから、その優れた特性により、アルミニウムに代わる使用可能な候補とされている金属である。銅は、このような利点を有しているものの、半導体施設での銅の処理および取り扱いの面で多くの欠点がある。例えば、銅は、化学気相成長法(CVD)および物理蒸着法(PVD)等の確立されている堆積法によって基板上に多くの量を能率よく施すことができず、さらに、銅は不揮発性の反応生成物を生成する性質を有するため、通常用いられる異方性エッチング法によって効果的にパターニングすることができない。このため、銅を含むメタライゼーション層の製造では、最初に絶縁体層を施し、次にパターニングによりトレンチおよびビアを形成して、続いてトレンチおよびビアに銅を埋め込む、いわゆるダマシン技術が好ましくは用いられる。銅のさらに大きな欠点として、二酸化シリコンおよびその他の絶縁体材料に拡散しやすい性質がある。
【0004】
このため、銅が、その後、影響を受けやすい半導体領域に容易に移動して、その特性を大きく変えかねないため、周囲の絶縁体材料への銅の外方拡散(out-siffusion)を実質的に防止するために、いわゆるバリア材料を、銅をベースとしたメタライゼーションと組み合わせて用いる必要がある。現在、トレンチおよびビアの寸法が幅または直径で約0.1μmかそれ以下に、ビアのアスペクト比が約5以上に迫っているため、ビアおよびトレンチの全面にバリア層を確実に堆積し、次にそこにほぼ空隙なく銅を埋め込むことは、最新の集積回路の製造における最も困難な問題の1つとなっている。
【0005】
現在のところ、銅をベースとしたメタライゼーション層の形成は、適切な絶縁体層をパターニングして、スパッタ堆積等の高性能のPVD法によって、例えばタンタルおよび/または窒化タンタルを含むバリア層を堆積させて行う。通常、アスペクト比5またはそれ以上のビアに10〜50nmのバリア層を堆積させるには、高性能のスパッタ装置を用いる。このような装置は、ターゲットからスパッタさせたターゲット原子を所望の割合(desired fraction)でイオン化させる機能を備えており、ビアの底部の被覆率および側壁の被覆率をある程度は制御可能である。その後、ビアおよびトレンチに銅が埋め込まれるが、その際、電気めっき法が現実的なプロセス技術であることが実証されており、これは、底部を起点として開口部にほぼ隙間なく埋め込むいわゆるボトムアップ方式において、CVDおよびPVDの成膜速度と比べて高い成膜速度でビアおよびトレンチを埋め込むことが可能なためである。一般に、金属の電気めっきでは、被めっき面とめっき液の間に外部電場を印加する必要がある。半導体製造用の基板は、接触が狭い領域(通常は基板の周縁部)に限られるため、金属を施す対象の基板とその表面を導電層で覆う必要がある。パターン付き絶縁体の上に前もって堆積されるバリア層が電流分布(current distribution)層として機能し得るものの、所望の電気的特性と機械的特性を有する銅のトレンチおよびビアを得るには、現在のところ、結晶性、均一性および密着性の点でその後実施する電気めっきプロセスにおいていわゆる銅のシード層が結局必要となる。銅のシード層は、通常は、スパッタ堆積により、バリア層の堆積に使用するのと実質的に同じプロセス装置を使用して施される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
スパッタ装置の被覆特性は、上記の高性能のスパッタ装置の大幅な改造(この開発は一筋縄ではいかないように思われる)なしにはさらに向上させることができないため、将来の世代のデバイスの寸法0.1μm以下のビアでは、バリア層およびシード層に求められる高い共形性(conformity)を有する極めて薄い金属層をスパッタ堆積することが制限要因となる場合がある。開口部の内面の十分かつ完全な被覆率のみが要求されるバリア層とは異なり、シード層の均一性によって電気めっきプロセスの均一性がある程度決まってしまうため、特にシード層の堆積は、PVDによって簡単な方法で行うことができないことがある。さらに、バリア層に適した極めて薄い層を形成するPVD法をシード層の形成に適用すると、電気抵抗の上昇を招くことがあり、その後実施する電気めっきプロセスの初期成膜速度が低下してしまう場合がある。
【0007】
プリント配線基板業界では、非導電性のパターン構造に銅層を形成するため、一般に無電解銅めっきが多く用いられる。無電解めっきでは、銅を還元して、構造体に銅層を堆積するため、めっき液に含まれる薬剤の化学反応を能動的に開始させる必要がある。反応の開始は、触媒物質によって行っても、現在プリント配線基板に用いられているように、コロイドを含有するめっき液によって行ってもよい。コロイド含有めっき液は、ビアの大きさが数十μmのプリント基板にうまく用いることができるものの、この堆積法は、以下に挙げる理由により、高度な集積回路のメタライゼーション層には全く適していない。コロイド状のめっき液は、対象となる回路の特徴のサイズより相当大きなサイズのクラスタを形成し易い。さらに、めっき銅の密着性は半導体産業の要求基準に達していないが、これは、通常は余分な銅を化学的機械研磨によって除去するので、銅に高い機械的安定度と、隣接する物質に対する密着性とが要求されるためである。この結果、クラスタの形成は、クラスタのサイズがクリティカルなレベル以下に保たれるとしても、低い密着性と相まって、銅の配線およびビアのエレクトロマイグレーション効果を増大させ、このため対応する方法がさほど望ましいものではなくなる。
【0008】
このため、上記の状況に鑑み、銅層および/または銅合金層などの金属層を、無電解めっきによって効果的に形成できるようにして、前述の問題の1つ以上を回避するかまたは少なくとも緩和する技術を提供することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一般に、本発明は、パターン化された構造に無電解めっき堆積によって金属層を形成するための改善された手法を対象とするものであり、CVD、PVDおよび原子層堆積(ALD)の少なくともいずれかによって、触媒物質(すなわちめっき液中の被堆積金属を還元する化学反応を活性化する物質)が、パターン付き構造の少なくとも表面部分に提供される。化学的に堆積された金属層は、その後、パターン付き構造のトレンチおよびビアにバルクの金属を埋め込むための電気めっきプロセスのシード層として作用し得る。
【0010】
本発明の例示的な一実施形態によれば、基板に形成されたパターン化された絶縁体に金属層を形成するための方法は、触媒物質を少なくとも一時的に含む気体状の堆積雰囲気において、パターン化された絶縁体に第1材料層を堆積するステップを有する。第1材料層は、堆積しようとしている金属のイオンを含むめっき液に曝され、第1材料層に取り込まれる触媒物質は、金属イオンを還元して、第1材料層上に金属層を形成する反応を開始させる。
【0011】
本発明の別の実施形態によれば、メタライゼーション層を形成する方法は、化学気相成長法、物理蒸着法、および原子層堆積の少なくともいずれかによって、パターン化された構造の表面部分に触媒物質を堆積するステップを有する。さらに、金属層は、めっき液を使用する無電解めっき堆積によって、パターン化された構造の上部に形成され、触媒物質はめっき液の薬剤間の反応を開始させる。
【0012】
本発明のさらに別の例示的な実施形態によれば、集積回路内のメタライゼーション構造は、絶縁体層と、当該絶縁体層に形成された開口部と、この開口部に埋め込まれた金属とを有する。さらに、少なくとも金属と絶縁体層の間の界面は、白金、パラジウム、銀、銅およびコバルトの少なくともいずれかを含む。
【0013】
本発明のさらに別の例示的な実施形態によれば、集積回路内のメタライゼーション構造は、開口部が形成された絶縁体層と、この開口部に埋め込まれた金属とを有する。さらに、金属と絶縁体層の間にバリア層が形成されており、少なくとも金属とバリア層の間の界面は、白金、パラジウム、銀、銅およびコバルトの少なくともいずれかを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、添付の図面と併せて以下の説明を読めば理解できるであろう。添付の図面においては、同一の参照符号は同じ要素を参照している。
【0015】
本発明は、種々の変形および代替形態を取り得るが、その特定の実施形態が、図面に例として図示され、ここに詳細に記載されているに過ぎない。しかし、特定の実施形態の説明は、本発明を開示した特定の形態に限定することを意図するものではなく、反対に、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の趣旨ならびに範囲に含まれるすべての変形例、均等物および代替例を含むことを理解すべきである。
【0016】
本発明の例示的な実施形態を以下に記載する。簡潔を期すために、実際の実装の特徴を全て本明細書に記載することはしない。当然、実際の実施形態の開発においては、システム上の制約およびビジネス上の制約に適合させるなど、開発の具体的な目的を達するために、実装に固有の判断が数多く必要とされ、これは実装によって変わるということが理解されよう。さらに、この種の開発作業は複雑かつ時間がかかるものであるが、本開示の利益を受ける当業者にとって日常的な作業であるということが理解されよう。
【0017】
添付の図面を参照して本発明を説明する。半導体デバイスの各種領域および構造は、非常に正確かつはっきりとした輪郭を持つ構成およびプロファイルを有するものとして図示されているが、これら領域および構造が、実際には図面に記載されているように正確なわけではないことを当業者は理解する。さらに、図面に記載した各種構造およびドープ領域の相対的な寸法は、製造されたデバイスでのこれらの構造および領域のサイズよりも大きく図示されていることもあれば、小さく図示されていることもある。それにも関わらず、添付の図面は、本発明の例を記載および説明するために添付される。本明細書において使用される語句は、関連技術の当業者が理解している意味と同じ意味に使用されていると理解および解釈すべきである。本明細書においてある語句が一貫して用いられている場合、その語句が特別な定義を有する、すなわち通常かつ慣用的に用いられ、当業者が理解している意味と異なる定義を有することはない。ある語句が特別な意味を有する、すなわち当業者の理解とは異なる意味に用いられる場合は、そのような特別な定義を本明細書に明示的に記載して、その特別な定義を直接的かつ明確に示す。
【0018】
本発明は、CVD、PVD、ALD等の高性能の堆積法を用いて、絶縁体層または絶縁体に形成したバリア層に触媒物質を取り込むことができるという概念に基づくものであるが、還元反応を開始させ、金属を堆積させるのに十分な、微量の触媒物質が、めっき槽と接触する表面上にあれば、触媒物質の堆積は、被覆率および均一性の点で厳しい要求基準を必ずしも満たしていなくてもよい。このようにして、極めて共形的な(conformal)金属層を形成でき、これにより、前述のコロイド状めっき液を使用する無電解めっきプロセスの欠点を回避でき、この金属層は、バルク金属を堆積するために後から実施する電気めっきプロセスのシード層として用いることができる。無電解法によって堆積されるシード層は優れた共形性と均一性を有するため、後の電気めっきプロセスは、PVDによって堆積したシード層をベースとするプロセスと比べて高い均一性で実施することができる。そのうえ、本発明によるシード層は高い成膜速度で形成されるので、非常に複雑な高度CVD法およびALD法と比べて、メタライゼーション層の形成の総プロセス時間を短縮できる一方、高度に共形的な無電解めっきによりデバイス寸法を0.1μm以下に微細化できるようになる。
【0019】
以下の例示的な実施形態では、銅と適切な絶縁体材料(二酸化シリコン、あるいは高性能の半導体デバイスではlow−k(低誘電率)絶縁体材料など)とを含むメタライゼーション層に言及するが、これは、詳しくは、銅とlow−k絶縁体の組合せが、集積回路のさらなる開発において最も有望な方式(regime)であると考えられているからである点にさらに留意されたい。本発明の原理は、直径約0.1μm以下のビアを有するデバイスに限定されず、金属層のめっき堆積がCVD、PVDまたはALDによる「乾式」堆積の有望な代替法である場合には、どのような半導体デバイスにも適用できる。さらに、本発明は、銅合金、錫、鉛など、銅以外の金属との組み合わせに応用することもできる。このため、本発明は、添付の特許請求の範囲に限定事項が明示されている場合を除き、ここに開示した特定の実施形態に限定されるとみなすべきではない。
【0020】
図1a〜1c,図2および図3を参照して、本発明のさらに例示的な実施形態をより詳細に記載する。図1aにおいて、メタライゼーション構造100は基板101を有し、基板101には、例えば銅を含む金属領域103、第1バリア層105、および第2バリア層106を有する金属配線104を含む第1絶縁体層102が形成されている。金属配線104は、ダマシン方式の典型的な構造であるために例に採り上げたに過ぎない。しかし、金属配線104は、そこに接続するビアまたはトレンチの形成が必要な任意の回路素子であってもよい。第2絶縁体層107は、例えば二酸化シリコンまたはlow−k材料を含み、第1絶縁体層102の上部に形成されており、金属領域103に接続しているビア108が第2絶縁体層107に形成されている。絶縁体層107上とビア108の内面領域110上に、バリア層109が形成されている。バリア層109は、所望のバリア性および密着性を提供するための下位層(sub-layer)を1層以上有していてもよい。例えば、バリア層109は、表面領域110、特にビア108底部のコーナー111を確実かつ完全に覆う厚さのタンタル層および/または窒化タンタル層を有していてもよい。
【0021】
バリア層109は、少なくとも、表面領域110と対向している表面部分において触媒物質112を含んでおり、後述するように、この触媒物質は、その後実施する金属層の堆積に用いるめっき液に含まれる金属塩と還元剤間の化学反応を開始することができるように選択される。無電解めっきによって銅または銅合金を堆積する場合、この触媒物質は、白金、パラジウム、銅、銀、コバルト等の少なくともいずれかを含み得る。ある実施形態では、触媒物質112が、バリア層109上に実質的に連続する層として設けられてもよいが、別の実施形態では、少なくともバリア層109の表面が、バリア材料に対する化学量論的比で約0.01以上の触媒物質112を含むように、バリア層109に微量の触媒物質112を取り込ませてもよい。
【0022】
さらに別の例示的な実施形態では、ビア108に堆積する金属が絶縁体層107に十分に密着し、高温においてほとんど拡散しない場合には、バリア層109が、絶縁体層、または第2絶縁体層107の表面層であってもよい。例えば、窒化シリコンは、銅の拡散に対して優れたバリア性を有しており、窒化シリコンの比較的高い誘電率(k)によって生じる寄生容量が問題とならない場合には、誘電性の拡散バリアとして使用することができる。
【0023】
メタライゼーション構造100を形成するための代表的なプロセス・フローには、以下のプロセスが含まれ得る。第1絶縁体層102に金属配線104を形成したのち、例えばCVDによって第2絶縁体層107を堆積するが、その際、絶縁体層107の形成前に、追加のエッチストップ層(図示せず)を堆積してもよい。続いて、適切なフォトリソグラフィ法と異方性エッチング法によってビア108を形成する。その後、図2,3を参照してさらに詳細に後述するように、適切な堆積法によってバリア層109を形成する。
【0024】
図2は、化学気相成長法によって材料層を堆積させるように構成された堆積装置200を概略的に示している。装置200は、処理チャンバ201と、処理チャンバ201内を所望の圧力に能動的に保持するのに適したポンプ源203に接続されている排気口202を有する。シャワー・ヘッド205の下に基板ホルダ204が配置されており、シャワー・ヘッド205は、導入口207を介して前駆体およびキャリア・ガスの供給源206に接続されている。処理対象の基板上で所望の堆積条件が、チャンバ201内で適切な堆積雰囲気がそれぞれ得られるように、基板ホルダ204と処理チャンバ201は、基板上とチャンバ20内をそれぞれ所望の温度にするように構成されている。便宜上、ラジエータおよび/またはヒーターなどの関連する手段は図示していない。さらに、シャワー・ヘッド205は、プラズマCVDプロセスに要求されるように、プラズマ環境を形成するためのプラズマ励起手段(図示せず)を有していてもよい。
【0025】
動作時に、パターン付き絶縁体層107が形成されている基板101などの基板が、基板ホルダ204に載置され、ポンプ源203が作動されて、特定の前駆体を気化状態に維持するのに必要な圧力にする。例えば、バリア層109は窒化チタン層として形成することができ、このため有機金属の前駆体から堆積させることができる。別の実施形態では、バリア層109が窒化タンタルを実質的に含んでもよく、ソース206により適切な窒化タンタルの前駆体を供給することができる。所定のパラメータの組に対する成膜速度を事前に決定することができるので、バリア層109用の初期のバリア材料を堆積するプロセスを、特に底部のコーナー111で所望の厚さのバリア層109が得られるまで実施し得る。次に、バリア層109の堆積を続行する一方で、バリア層109の表面部分に触媒物質を取り込ませるために、触媒物質112を含む前駆体を堆積雰囲気に加える。触媒含有前駆体として好適なものには、Pt(hfac)(ヘキサフルオロアセチルアセトナート白金)の形の錯体か、白金をパラジウムで置換した同様の化合物がある。前述のように、触媒112が微量であっても、その後実施する電気化学的プロセスにおいてバリア層109の表面を十分に活性化できるため、少量の触媒含有前駆体のみが、バリア材料を含む前駆体に混合され得る。別の実施形態では、所望の厚さのバリア層109を堆積したのち、使用する触媒含有前駆体に合わせて調整した堆積雰囲気下で触媒物質112を堆積する。バリア層109上に触媒物質112の連続した層を設ける必要がないため、一実施形態では、バリア層109の堆積を停止した直後に、処理チャンバ201を入念にパージしたり、別の堆積装置を使用することなく、触媒物質112の堆積を実施することができる。適した圧力条件および/または温度条件の設定は、触媒含有前駆体の供給中に行っても、バリアを堆積後、触媒含有前駆体を供給する前に調整してもよい。必要とされる触媒112は微量であるため、堆積時間は、約1〜10秒の範囲であり得る。例えば、触媒物質112の、バリア層109等の下地材料に対する表面被覆率は約5〜15%、実施形態によっては約10%であり、この値はその後実施するめっき処理に必要とされる活性化特性を付与するのに十分であり得る。触媒含有前駆体の量は、所望の程度の表面被覆率が得られるように選択される。
【0026】
別の実施形態では、触媒物質112は実質的に連続する層として設けてもよく、このためバリア層109の表面部分を形成していてもよい。触媒物質がバリア層109に形成する金属に対して優れた密着性および/またはバリア性を示す場合、この実施形態は有利となり得る。
【0027】
別の実施形態では、異物を発生させない範囲での層の堆積の等角性と、その抵抗率に鑑みた制約条件を、メタライゼーション構造100の各種の形状(topographies)に対して、および特定のバリア材料(銅金属配線内のバリア層としてよく用いられる窒化タンタルなど)に対して能率的に満足させることができないことがある。このような場合、原子層堆積(ALD)法が優れた候補となり得るが、これは、CVDに使用する反応ガスを混合する際に生じる異物をほとんど発生させることなく、高アスペクト比のビアにおいても優れた等角性を示す薄膜を成長させることができるからである。さらに、ALDとプラズマALDでは、プロセスのデジタル的な性質のため、原子レベルで層厚を制御できる。これらにおいては、各堆積サイクルで、少なくとも2種類の反応剤を順次供給する必要があり、その後、これらの反応剤が基板の表面で反応し、窒化タンタル等の所望のバリア材料を堆積する。ALDプロセスまたはプラズマALDプロセスには、原則的に図2を参照して記載したのと同じ堆積装置を使用することができ、このため以下の説明では堆積装置を堆積装置200として参照する。
【0028】
第1のサイクルでは、TBTDET((NetTa)などの窒化タンタルの前駆体が、アルゴンなどのキャリア・ガスによって適正な圧力で基板101に供給される。その後、パージ・ステップが実施され得、続いて還元ガスが供給されるか、あるいはプラズマALDプロセスの場合、プラズマによって還元ラジカルが生成される。例えば、メタライゼーション構造100上にタンタルまたは窒化タンタルの層を形成するには、水素プラズマまたはアンモニア・プラズマが生成され得る。その後、別のパージ工程が実施され得、上記のシーケンスが所望の厚さが得られるまで繰り返され得る。次に、適切な堆積温度と圧力に設定したら、Pt(hfac)またはPd(hfac)などの触媒含有前駆体が処理チャンバに導入され得る。その後、バリア層109上に、連続あるいは不連続の(これは触媒の堆積時間に応じて決まる)触媒物質の層112が形成される。
【0029】
別の実施形態では、その後の工程で銅を電気化学的に堆積するための活性化表面を形成させるため、プラズマによって生成された白金原子またはパラジウム原子などの触媒原子がバリア層109に取り込まれ得る。さらに別の実施形態では、微量の触媒含有前駆体の存在下で、最終堆積サイクルを1回以上実施して前述の表面被覆率を得てもよく、これにより、堆積の速度論(kinetics)、ひいては層109のバリア性に大きな影響を与えることなく層109上に微量の触媒112を取り込ませることができる。例えば、微量の触媒含有前駆体を、バリア前駆体の供給時、還元剤の供給時、間欠的に実施するパージ工程中の少なくともいずれかにおいて添加してもよい。この結果、バリア層109の堆積のプロセスを、少量の触媒含有前駆体ガスの追加の供給以外は、優れたプロセス性能および/またはバリア層109の優れた特性が得られるように選択したプロセス・パラメータを使用して実施することができる。触媒を取り込ませるための堆積時間は、約10〜30秒の範囲であり得る。
【0030】
図3を参照して、さらに別の実施形態について記載する。この実施形態では、バリア層109と触媒物質が、スパッタ堆積等の物理蒸着法(PVD)によって形成される。図3において、スパッタ堆積装置300は、適切なポンプ源(図示せず)に接続された排気口302と、前駆体ガスとキャリア・ガスの供給源(図示せず)に接続されている導入口307とを有する処理チャンバ301を有する。イオン化手段303の下流側に基板ホルダ304が配置されており、イオン化手段303は、原子をイオン化して、アース電位に電気的に接続された基板ホルダ304に載置されている基板上に向かわせるように構成されている。プラズマ励起手段306がスパッタ・ターゲット305の近くに配置されており、スパッタ・ターゲット305は、一実施形態ではバリア材料の成分308(タンタルなど)を含み、白金、パラジウム等の触媒物質309が分散されている。バリア材料308と触媒309の比は、約100:5の範囲であり得る。触媒309は、少なくともターゲット305の表面部分において実質的に均一に分散されうるが、ここで「均一な分散」との用語は、ターゲット305全体に関するものであり、スパッタ装置300の所定の動作条件の組に対して、触媒原子が実質的に均一に放出される(すなわち、実質的に一定数の触媒原子がターゲット305からスパッタされる)状態をいう。このため、所定の装置動作条件に対してスパッタ速度が実質的に一定である限り、触媒物質309を、連続的に、あるいは不連続な量で供給することができ、その際、所定の装置動作条件に対する堆積環境での触媒原子の比は、ターゲット305中のバリア材料308と触媒物質309の比によって決まる。
【0031】
別の実施形態では、ターゲット305が、バリア材料308を含む1つ以上の部分と、触媒物質309を含む1つ以上の部分から形成されていてもよく、その場合、1つ以上のバリア材料部分308の表面積と1つ以上の触媒分309との比が、ターゲット305への衝突により放出されるスパッタ原子の比を実質的に決定する。一実施形態では、実質的に円盤形状のターゲット305の周縁部に触媒物質309が配置されており、プラズマ励起手段306と、場合によっては組み合わせて使用する磁石アセンブリ(図示せず)とが、ターゲット305の周縁部に衝突する粒子の量を調整するように作動されてもよく、これにより放出される触媒物質309の量が制御される。別の実施形態では、ターゲット305が、触媒物質309の一部分以上を覆って、放出される触媒原子の量を制御するための制御可能なシールド(図示せず)を備えていてもよい。
【0032】
堆積装置300は例として採り上げたに過ぎず、このため他の適切な任意のスパッタ装置を使用してもよいことを理解されたい。例えば、従来の装置の中にはホローカソード構成を備えたものがあり、このカソード(すなわちターゲット)は基板ホルダ304に接近する原子とイオンを高度にコリメートさせるように形成されている。別の装置では、ターゲット305と基板ホルダ304の間に任意の種類のコリメータを配置して、高アスペクト比のビアおよびトレンチを有する回路形状に要求されるように、ターゲット・イオンを実質的に垂直に基板に衝突させてもよい。このような装置では、ターゲットのほかに、あるいはターゲットの代わりにコリメータに触媒物質309を設けてもよく、これにより、ターゲット305に必要な触媒物質309を減らすか、あるいは完全になくすことができるため、ターゲット305の構成を簡略化できる。別のスパッタ装置では、プラズマを生成するための関連するコイルにバリア材料308と触媒物質309がコーティングされていてもよい。触媒物質309の配置に関しては、図3に示すターゲット305に関して上記したのと同じ基準が該当する。
【0033】
動作時に、ターゲット・イオンおよび/またはターゲット原子の衝突が所望の指向性で起こるように、プラズマ励起手段306に供給する電力、イオン化手段303に供給する電力、チャンバ301内の圧力等のプロセス・パラメータが調整される。上記の実施形態の1つ以上にしたがって触媒物質309を配置したことにより、この触媒物質は、基板ホルダ304の周囲の雰囲気、ひいてはその上に載置されている基板101等の基板にも規定の割合で存在するようになる。このため、触媒物質309もバリア層109に堆積されて取り込まれ、部分112を形成し、一部の実施形態では、触媒物質309がバリア層109の全厚さにわたって実質的に均一に分散し得る。
【0034】
別の実施形態では、前述のように、ターゲット305の、触媒を含む一部分以上を一時的にシールドすることによって、触媒物質309の放出を制御してもよい。この結果、堆積プロセスの最終段階において、触媒物質309の堆積は、バリア層109中の触媒物質112が実質的にバリア層109の表面領域に形成されるように有利に堆積でき、これにより、バリア層109の全体的な特性に過度に影響を与えずに、所望の触媒特性を付与することができる。
【0035】
さらに別の実施形態では、バリア層109に窒化物層または窒化物の下位層を形成するために、例えば窒素含有ガス等の適切な前駆体ガスの存在下でバリア層109を堆積させてもよい。同様に、表面積の大きな多孔質様の白金、パラジウム、銀、銅、コバルト等の触媒物質309を含有する適切な前駆体ガスを、常時、あるいは最終段階で添加して、バリア層109内に触媒309を取り込ませて部分112を形成してもよい。バリア層109に取り込まれる触媒309の量は、量(すなわち、チャンバ301内の堆積雰囲気に加える触媒含有前駆体の流量および/または触媒含有前駆体の供給時間)によって制御することができる。一実施形態では、触媒309を堆積する場合、白金またはパラジウムを含有するhfac錯体を、CVD様のプロセスでは約2〜10秒の範囲の時間間隔にわたり、ALD様のプロセスでは約10〜30秒の範囲の時間間隔にわたり、約10〜100sccmの流量で添加してもよく、その際、チャンバ301内の圧力は、触媒含有前駆体の蒸気圧である約0.15Torr以下に保持される。一実施形態では、バリア層109の所望の特性および品質が確実に得られるように、バリア層109の堆積は、所望の組成および厚さを得るまで、確立しているプロセス・パラメータを使用して行う。その後、触媒含有前駆体を添加して、バリア層109の実質的に表面の部分112を形成し、これにより層109のバリア特性が保持されるようにする。
【0036】
本発明は、バリア層109としてタンタル、チタン、窒化タンタルまたは窒化チタンの層を使用する場合に限定されるべきではなく、現在使用されているメタライゼーション構造、および今後登場するメタライゼーション構造に要求される任意の適切な層または積層体に適用することができる点に留意すべきである。また、想定している堆積プロセスに応じて、触媒および/または触媒含有前駆体を含む適切なスパッタ・ターゲットを使用することができる。場合によっては、バリア積層体の複雑さに応じて、バリア層109の堆積を2以上の堆積工程に分割することが便利な場合や必要となる場合があり、その場合、バリア層109に触媒物質を添加するために適合させる必要があるのは最後の堆積工程のみとなる。別の実施形態では、触媒物質の堆積を、触媒物質112を含むバリア層109を実質的に表面領域に形成するための1以上の工程を含む対応する形成シーケンスの最終工程として実施するのが適切と考えられることがある。ある特定の実施形態では、触媒物質を堆積して触媒部分112を形成するためのこの最終工程は、真空を解放せずに、バリア層109またはその一部を形成する先行工程と同じ処理チャンバ内で実施される。例えば、スパッタ堆積、プラズマCVD、プラズマALDでよくあるように、堆積チャンバがプラズマ励起手段を備える場合、触媒を含有するプラズマ環境を生成して、バリア層109に触媒を「ドープ」させてもよく、その場合、例えば、触媒イオンの量および/または侵入深さを、プラズマの特性と、プラズマ−基板間に印加するバイアス電圧とによって制御できる。このようにして、所望の量の触媒を、深さを制御してバリア層109に取り込ませることができ、これは、厚さ10nmまたはこれ以下のバリア層を有する非常に高度なメタライゼーション構造にとって有利となり得る。取り込まれる触媒の量および/または深さを制御することにより、層109のバリア性および接着性にほとんど悪影響を与えないようにすることが可能である。
【0037】
バリア層109を形成するためのプロセス・シーケンスによっては、一部の実施形態で上記の堆積法(すなわちCVD、ALDおよびPVD)のうちの2つ以上を組み合わせるのが好適な場合があり、その際、これらの手法の1つ以上では、前述の方法で触媒部分112を形成することができる。
【0038】
図1bを参照すると、メタライゼーション構造100は銅層などの金属層113を有しており、1つの具体的な実施形態では、金属層113はその後実施する堆積プロセスのシード層として作用する。金属層113は、無電解めっきにより、堆積させる金属の塩と還元剤とを含有する電解質槽(図示せず)にメタライゼーション構造100を曝すことによって形成する。例えば、銅層の場合、現在入手可能であり、定評のある(approved)任意の槽の配合(例えば銅、EDTA NaOHおよびHCHO、または銅、酒石酸KNa、NaOH、HCHO)を使用することができる。バリア層109内の触媒部分112により、堆積反応が自動的に開始され、優れた結晶性を示す高度に均一な金属堆積物が得られる。メタライゼーション構造100を電解質槽に曝す時間を調整することで、金属層113の厚さを容易に制御することができる。例えば、スパッタ堆積やCVDのような、高アスペクト比のビアに銅のシード層を形成するための従来の堆積法と比較して、無電解めっきでは格段に高い成膜速度が得られるほか、スパッタ堆積ではほとんど実現不可能な高い共形性も達成される。
【0039】
金属層113の形成プロセスを最適化するために、複数のテスト・ランを実行して、高速の反応のほか、金属層113の所望の程度の共形性と品質が得られるような、バリア層109中の触媒物質112の適正な量と種類を決定してもよい。例えば、図1aを参照して記載した層109中の白金とバリア材料の比により、直径0.1μm以下、深さ1μm以上のビアに、約5〜20秒の時間間隔で約2〜50nmの範囲の厚さの銅層を形成できる。
【0040】
図1cは、電気めっきによってビア108に金属を埋め込み、これにより構造100の上に余分な金属の層114が形成された後のメタライゼーション構造100を概略的に示している。金属の埋め込みプロセスは、既に確立されている「ボトムアップ」方式の電気めっき堆積法によって行うことができ、この方法では電気めっき槽(図示せず)にメタライゼーション構造100が入れられ、電気めっき槽は、ビア108に空隙および継ぎ目がほとんどない状態で、金属を極めて非共形的(non-conformal)に堆積できるようにする適切な添加剤を含み得る。これにより、シード層として作用する金属層113は、実質的に均一な厚さを有しており、電流分布を均一化するため、電気めっきプロセスの埋め込み能を向上させる作用も果たす。その後、CMPなどの任意の適したプロセスによって余分な金属層114を除去することができ、その際、ビア108に埋め込まれた金属の機械的安定性は、シード層を電気化学的に形成しない従来のメタライゼーション・シーケンスのものと基本的に同程度となり、場合によっては、金属層113の特性の改善により、スパッタ堆積によって高アスペクト比のビアに形成したシード層と比べて優れた安定性を示しさえする。上で指摘したように、CMPプロセスおよびその後実施する任意のプロセス段階において、バリア層109の密着性が実質的に低下しないように、バリア層109中の触媒層部分112の形成が調整し得る。
【0041】
上記の例示的な実施形態は、金属層113をシード層として使用して、電気めっきプロセスによってメタライゼーション構造を形成することに言及しており、これは、電気めっきプロセスの既に確立されている「ボトムアップ」方式のため、特にディープ・サブミクロン・サイズの特徴を有する高度な超小形構造に有利である。しかし、特にメタライゼーション構造100の形状がさほどクリティカルではない場合には、金属層114も無電解めっきによって形成してもよく、その場合、層113は、最初の堆積段階において、または1つの堆積段階でビア108に埋め込む場合は最初の期間に形成できることを理解されたい。
【0042】
上記に記載した特定の実施形態は例に過ぎず、本発明は、本開示の教示の利益を得る当業者にとって明らかな、均等な別法によって変更および実施されてもよい。例えば、上記のプロセス工程を異なる順序で実施してもよい。さらに、添付の特許請求の範囲以外によって、ここに記載した構成または設計の詳細に本発明が限定されることはない。このため、上記に記載した特定の実施形態を変形または変更することが可能であり、このような変形例はすべて本発明の範囲ならびに趣旨に含まれることが意図されることが明らかである。したがって、ここに保護を請求する対象は、添付の特許請求の範囲に記載したとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1a】本発明の例示的な実施形態による、各種製造段階における銅含有メタライゼーション構造の断面図を概略的に示す。
【図1b】本発明の例示的な実施形態による、各種製造段階における銅含有メタライゼーション構造の断面図を概略的に示す。
【図1c】本発明の例示的な実施形態による、各種製造段階における銅含有メタライゼーション構造の断面図を概略的に示す。
【図2】図1a〜1cに示すメタライゼーション構造を形成するために使用できる、CVDまたはALD用の堆積装置を概略的に示す。
【図3】図1a〜1cに示すメタライゼーション構造を形成するための触媒物質層を形成するよう好適に構成されたPVD装置を概略的に示す。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に形成されたパターン化された絶縁体(107)に金属層を形成するための方法であって、
触媒物質(112)を少なくとも一時的に含む気体状の堆積雰囲気において、前記パターン化された絶縁体に第1材料層(109)を堆積するステップと、
堆積しようとしている前記金属のイオンを含むめっき液に前記第1材料層(109)を曝すステップとを有し、前記第1材料層(109)に取り込まれる前記触媒物質(112)は、金属イオンを還元して前記第1材料層上に金属層を形成する反応を開始させる方法。
【請求項2】
前記触媒物質(112)は、白金、パラジウム、銀、銅およびコバルトの少なくともいずれかを含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記第1材料層(109)を堆積するステップは、前記第1材料の原子と少なくとも一時的に触媒原子とをターゲットからスパッタすることによって前記気体状の堆積雰囲気を生成するステップを有する請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記触媒物質(112)は前記ターゲットに実質的に均一に分散されている請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記触媒物質(112)は前記ターゲットの1つ以上の別個の部分に設けられている請求項3記載の方法。
【請求項6】
前記第1材料層(109)を堆積するステップは、前記第1材料の原子をターゲットからスパッタすることによって前記気体状の堆積雰囲気を生成するステップと、前記触媒物質を含有する前駆体を供給するステップとを有する請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記気体状の堆積雰囲気中の前記第1材料の原子と前記触媒物質の原子との比率を調整するステップをさらに有する請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記第1材料層を堆積するステップは、1種類以上の前駆体ガスを供給することによって前記気体状の堆積雰囲気を生成し、これにより前記前駆体ガスの少なくとも1つが前記触媒物質を含むようにするステップを有する請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記触媒物質を含有する前駆体ガスの流量および供給時間の少なくとも一方を制御することによって、前記第1材料層に取り込まれる触媒物質(112)の量を制御するステップをさらに有する請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記触媒物質(112)を含有する前駆体ガスは、前記第1材料層(109)が所定の厚さに堆積された後に供給される請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記触媒物質を含有する前駆体ガスは前記第1材料層の堆積を停止した後に供給される請求項6または9記載の方法。
【請求項12】
前記第1材料層を堆積するため少なくとも2種類の異なる前駆体ガスがデジタル制御方式で順次供給される請求項8記載の方法。
【請求項13】
前記第1材料層(109)はバリア層を有し、前記バリア層はそのバリア層で覆われた基板部分への前記金属の拡散を実質的に防止する請求項1記載の方法。
【請求項14】
電気めっきによって前記金属層に第2金属層を形成するステップをさらに有し、前記金属層はシード層として作用する請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記金属層は銅を含む請求項1記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板(101)に形成されたパターン付き絶縁体107に金属層(113,114)を形成するための方法であって、
触媒物質112,309)を少なくとも一時的に含む気体状の堆積雰囲気において、前記パターン付き絶縁体(107)に第1材料層109を堆積するステップと、
堆積しようとしている前記金属のイオンを含むめっき液に前記第1材料層109を曝すステップであって、前記第1材料層109に取り込まれる前記触媒物質112は、無電解めっき堆積によって金属イオンを還元して前記第1材料層(109)上に金属層(113)を形成する反応を開始させるステップと、
電気めっきによって前記金属層(113)に第2金属層(114)を形成するステップとを有し、前記金属層(113)はシード層として作用する方法。
【請求項2】
前記触媒物質(112,309)は、白金、パラジウム、銀、銅およびコバルトの少なくともいずれかを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1材料層(109)を堆積するステップは、前記第1材料の原子と少なくとも一時的に触媒原子(309)とをターゲット(305)からスパッタすることによって前記気体状の堆積雰囲気を生成するステップを有する請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記触媒物質(112,309)は前記ターゲット(305)に実質的に均一に分散されている請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記触媒物質(112,309)は前記ターゲット(305)の1つ以上の別個の部分に設けられている請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記第1材料層(109)を堆積するステップは、前記第1材料の原子をターゲット(305)からスパッタすることによって前記気体状の堆積雰囲気を生成するステップと、前記触媒物質(112)を含有する前駆体を供給するステップと、を有する請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記気体状の堆積雰囲気中の前記第1材料の原子と前記触媒物質(112)の原子との比率を調整するステップをさらに有する請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1材料層(109)を堆積するステップは、1種類以上の前駆体ガスを供給することによって前記気体状の堆積雰囲気を生成し、これにより前記前駆体ガスの少なくとも1つが前記触媒物質(112)を含むようにするステップを有する請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記触媒物質(112)を含有する前駆体ガスの流量および供給時間の少なくとも一方を制御することによって、前記第1材料層(109)に取り込まれる触媒物質(112)の量を制御するステップをさらに有する請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記触媒物質(112)を含有する前駆体ガスは、前記第1材料層(109)が所定の厚さに堆積された後に供給される請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記触媒物質を含有する前駆体ガスは前記第1材料層(109)バリア部分の堆積を停止した後に供給される請求項6または9に記載の方法。
【請求項12】
前記第1材料層(109)を堆積するため少なくとも2種類の異なる前駆体ガスがデジタル制御方式で順次供給される請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記第1材料層(109)はバリア層を有し、前記バリア層はそのバリア層で覆われた基板部分への前記金属の拡散を実質的に防止する請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記金属層(113)は銅を含む請求項1に記載の方法。

【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−513325(P2006−513325A)
【公表日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−567443(P2004−567443)
【出願日】平成15年12月22日(2003.12.22)
【国際出願番号】PCT/US2003/041185
【国際公開番号】WO2004/068576
【国際公開日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【出願人】(591016172)アドバンスト・マイクロ・ディバイシズ・インコーポレイテッド (439)
【氏名又は名称原語表記】ADVANCED MICRO DEVICES INCORPORATED
【Fターム(参考)】