説明

触媒コンバータの車体取付構造

【課題】触媒担体の破損を防止し、且つ触媒担体のケース内固定位置のずれを防止する。
【解決手段】車体に触媒コンバータ10をアンダバンド30とアッパバンド48とによって固定する際に、ボルト54をナット56に締結すると、アンダバンド30に設けた凸部32の先端部32Aが、ケース24の凹部26の底部26Aを保持材22側に向かって突出変形させるようになっている。このため、ケース24の変形部によって、触媒担体20とケース24との間に介在する保持材22が圧縮されることで、保持材22による触媒担体20の保持力が上がるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディーゼルエンジン自動車等の車両に適用される触媒コンバータの車体取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ディーゼルエンジン自動車等の車両に適用される触媒コンバータとしては、触媒担体と金属製ケーシングとの間にアルミナ質繊維マットを介在させた構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。なお、この触媒コンバータでは、アルミナ質繊維マットの熱膨張により、金属製ケーシングの内部に触媒担体を安定的に固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−201514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記構成のような触媒コンバータでは、アルミナ質繊維マットの厚さに対して、アルミナ質繊維マットが介在する触媒担体と金属製ケーシングとの隙間寸法が小さ過ぎると、アルミナ質繊維マットが熱膨張する際に膨張圧によって触媒担体が破損する恐れがある。一方、アルミナ質繊維マットの厚さに対して、アルミナ質繊維マットが介在する触媒担体と金属製ケーシングとの隙間寸法が大きいと、触媒担体を安定的に固定できない。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、触媒担体の破損を防止し、且つ触媒担体のケース内固定位置のずれを防止できる触媒コンバータの車体取付構造を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明に係る触媒コンバータの車体取付構造は、排気ガス浄化用の触媒担体と、該触媒担体を収納する金属製のケースと、前記触媒担体と前記ケースとの間に介在し前記触媒担体を保持する保持材と、前記ケースを車体に取付けると共に、前記ケースとの当接部に前記ケースを前記保持材側に向かって突出変形させる凸部が形成されたバンドと、を有する。
【0007】
請求項1に記載の触媒コンバータの車体取付構造では、車体に触媒コンバータをバンドによって固定すると、バンドに形成した凸部がケースに当たり、ケースを保持材側に向かって突出変形させる。この結果、変形したケースの部位によって、触媒担体とケースとの間に介在し触媒担体を保持する保持材が圧縮される。このため、触媒担体を安定的に固定できる。また、ケースの変形部がバンドによって保持材側に向かって突出変形する部位以外では、ケースと触媒担体との隙間寸法を保持材の厚さに対して大きくできる。このため、保持材が熱膨張する際に膨張圧によって触媒担体が破損することもない。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の触媒コンバータの車体取付構造において、前記ケースは前記バンドの凸部と当接するの部位に脆弱部を有することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の触媒コンバータの車体取付構造では、車体に触媒コンバータをバンドによって固定する際に、バンドの凸部と当接するケースの部位に設けた脆弱部によって、ケースが容易に変形する。この結果、触媒担体が確実に保持されると共に組付作業性が向上する。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の触媒コンバータの車体取付構造において、前記バンドは放熱手段を有することを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の触媒コンバータの車体取付構造では、バンドに設けた放熱手段によって、ケースの温度が下がり、ケースの熱膨張が抑制される。この結果、ケースの熱膨張による触媒担体の保持力低下を抑制できる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の触媒コンバータの車体取付構造において、前記脆弱部はスリット又は薄肉部によって形成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の触媒コンバータの車体取付構造では、車体に触媒コンバータをバンドによって固定する際に、バンドの凸部と当接するケースの部位に設けたスリット又は薄肉部によって形成された脆弱部によって、ケースが容易に変形する。この結果、触媒担体が確実に保持されると共に組付作業性が向上する。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は請求項4に記載の触媒コンバータの車体取付構造において、前記バンドの放熱手段がゴムマウントを備えたサポートを介して車体床下に支持されていることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の触媒コンバータの車体取付構造では、バンドの放熱手段がゴムマウントを備えたサポートを介して車体床下に支持されているため、サポートからの放熱によりさらにケースの温度が下がり、ケースの熱膨張がさらに抑制される。この結果、ケースの熱膨張による触媒担体の保持力低下をさらに抑制できる。また、触媒コンバータを車体に支持するためのサポートを取付けるための取付手段と、放熱手段とを別部材とする場合に比べて、部品点数を削減できる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明の請求項1に係る触媒コンバータの車体取付構造では、触媒担体の破損を防止し、且つ触媒担体のケース内固定位置のずれを防止できる。
【0017】
また、本発明の請求項2に係る触媒コンバータの車体取付構造では、触媒担体を確実に保持できると共に組付作業性を向上できる。
【0018】
また、本発明の請求項3に係る触媒コンバータの車体取付構造では、ケースの熱膨張による触媒担体の保持力低下を抑制できる。
【0019】
また、本発明の請求項4に係る触媒コンバータの車体取付構造では、触媒担体を確実に保持できると共に組付作業性を向上できる。
【0020】
また、本発明の請求項5に係る触媒コンバータの車体取付構造では、ケースの熱膨張による触媒担体の保持力低下をさらに抑制できると共に部品点数を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態に係る触媒コンバータの車体取付構造を示す車体斜め前方から見た斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る触媒コンバータの車体取付構造を示す車体斜め前方から見た分解斜視図である。
【図3】図1の3−3断面線に沿った断面図である。
【図4】図3の4−4断面線に沿った拡大断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る触媒コンバータの車体取付構造の組付け途中の状態を示す図4に対応する断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る触媒コンバータの車体取付構造を示す車体斜め前方から見た分解斜視図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る触媒コンバータの車体取付構造を示す車体斜め前方から見た分解斜視図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係る触媒コンバータの車体取付構造を示す車体斜め前方から見た分解斜視図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係る触媒コンバータの車体取付構造を示す図4に対応する断面図である。
【図10】本発明の第5実施形態に係る触媒コンバータの車体取付構造を示す図4に対応する断面図である。
【図11】本発明の第6実施形態に係る触媒コンバータの車体取付構造を示す図4に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[第1実施形態]
【0023】
以下、図1〜図5を用いて、本発明に係る触媒コンバータの車体取付構造の第1実施形態について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印UPは車体上方方向を示し、矢印FRは車体前方方向を示している。
【0024】
(排気系の全体構成)
【0025】
内燃機関エンジン(例えば、ディーゼルエンジン)搭載の自動車における排気系構造は、上流から順に、排気ガスを浄化するための触媒コンバータ、エンジンの暖機促進や暖房維持のために排気ガスの熱回収する排気系熱交換器、排気音を低減(消音)するためのマフラが設けられ、これらの機器が排気管により直列に連通されている。
【0026】
これらの機器のなかで、図1に示す触媒コンバータ10の上流側に接続された排気管12は、上流端が図示しない内燃機関エンジンの排気マニホルドに接続されており、該内燃機関エンジンの排気ガスが導入されるようになっている。また、触媒コンバータ10の下流側に接続された排気管14は、図示しない排気系熱交換器に連結されている。
【0027】
(触媒コンバータの構成及び車体への取付構造)
【0028】
図3に示すように、触媒コンバータ10は、中央部に排気ガス浄化用のセラミック等からなる触媒担体20が円筒形状に配置されており、触媒担体20の外周を取り巻くようにアルミナファイバーマット等からなる保持材22が設けられている。また、触媒担体20と保持材22はステンレス等の金属製のケース24に収納されており、保持材22は触媒担体20とケース24との間に介在し触媒担体20をケース24の内部の所定の位置に保持している。
【0029】
図2に示すように、触媒コンバータ10のケース24は長手方向を車体前後方向に沿って配置されており、長手方向中間部24Aが円筒形状とされている。また、ケース24の前端部24Bは車体前方へ向かって縮径されており、前端が排気管12との連結部24Cとなっている。一方、ケース24の後端部24Dは車体後方へ向かって縮径されており、後端が排気管14との連結部24Eとなっている。
【0030】
ケース24の長手方向中間部24Aにおける長手方向中央部には、ケース24の内側に凹んだ凹部26が周方向に沿って全周に形成されている。この凹部26には、触媒コンバータ10のケース24を車体側に固定するための金属製のアンダーバンド30が下方側から係合するようになっている。また、アンダーバンド30の車体前後方向から見た形状は、本体部30Aが開口部を車体上方へ向けたU字状となっており、本体部30Aの両端部には、互いに離間する方向に延びる取付部30Bがそれぞれ形成されている。
【0031】
アンダーバンド30の本体部30Aには、本体部30Aの内周側(触媒コンバータ10のケース24側)に向かって凸部32が突出形成されている。この凸部32は本体部30Aの前後方向中央部(幅方向中央部)に本体部30Aの周方向に沿って連続形成されている。また、アンダーバンド30の各取付部30Bにはそれぞれ取付孔34が形成されている。
【0032】
図5に示すように、アンダーバンド30の凸部32の長手方向(周方向)から見た断面形状は先端部32Aが尖った三角形状となっており、先端部32Aがケース24の凹部26の幅方向中央部に当たるようになっている。なお、ケース24の凹部26の長手方向(周方向)から見た断面形状は台形状となって
【0033】
図2に示すように、アンダーバンド30の本体部30Aの前後方向両端部には、外周側に向かってフランジ30Cが形成されており、これらのフランジ30Cは、アンダーバンド30の各取付部30Bの前後方向両端部に車体下方へ向かって形成されたフランジ30Dと連結されている。
【0034】
図1に示すように、車体床下に車幅方向に沿って配設されたクロスメンバ40の下面40Aには、触媒コンバータ10を車体に対し支持するための左右一対のサポートロッド42が固定されている。これらのサポートロッド42は、側面視で略コ字状に屈曲されており、上側屈曲部42Aがクロスメンバ40の下面40Aに溶接によってそれぞれ固定されている。また、各サポートロッド42の下側屈曲部42Bは、それぞれゴムマウントとしてのサポートゴム44の上部に連結されている。
【0035】
左右のサポートゴム44には、左右のサポートロッド46を介してアッパバンド48が取付けられている。即ち、各サポートロッド46はそれぞれ側面視で略コ字状に形成されており、上側屈曲部46Aがサポートゴム44の下部に連結され、下側屈曲部46Bがアッパバンド48の上面48Aに溶接によって固定されている。
【0036】
図2に示すように、アッパバンド48は車幅方向に直線状に延在しており、車幅方向両端部48Bには、取付孔50がそれぞれ形成されている。また、アンダーバンド30の取付孔34及びアッパバンド48の取付孔50には、それぞれ車体下方側から車体上方側に向かってボルト54が挿入されており、これらのボルト54は、アッパバンド48の上面48Aに設けられたナット56に締結されている。
【0037】
図3に示すように、ボルト54をナット56に締結すると、図5に示すように、アンダーバンド30に設けた凸部32の先端部32Aが、ケース24の凹部26の底部26Aに当接すると共に、ボルト54をナット56にさらに締め込むと、図4に示すように、アンダーバンド30に設けた凸部32の先端部32Aが、ケース24の凹部26の底部26Aを保持材22側に向かって突出変形させるようになっている。
【0038】
従って、ケース24の変形部60によって、触媒担体20の外周を取り巻き、ケース24と触媒担体20との間に介在する保持材22が圧縮され、保持材22が触媒担体20を押圧するようになっている。また、アンダーバンド30によって保持材22側に向かって突出変形する部位以外では、ケース24と触媒担体20との隙間寸法M1を大きくできるようになっている。
【0039】
また、本実施形態では、図1に示すように、アンダーバンド30の各取付部30B、各取付部30Bに連続する本体部30Aの上部30E及びアッパバンド48が、車両走行風(図1の矢印W1)に対して、触媒コンバータ10の熱を放熱する放熱手段として作用するようになっている。
【0040】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0041】
本実施形態では、車体のクロスメンバ40に触媒コンバータ10をアッパバンド48とアンダーバンド30とによって固定する際に、左右のボルト54をそれぞれナット56に締結すると、図5に示すように、アンダーバンド30に設けた凸部32の先端部32Aが、ケース24の凹部26の底部26Aに当接する。
【0042】
また、ボルト54をナット56にさらに締め込むと、図4に示すように、アンダーバンド30に設けた凸部32の先端部32Aが、ケース24の凹部26の底部26Aを保持材22側に向かって突出変形させる。
【0043】
この結果、ケース24の変形部60によって、触媒担体20の外周を取り巻き、ケース24と触媒担体20との間に介在する保持材22が圧縮され、保持材22が触媒担体20を押圧する。このため、保持材22による触媒担体20の保持力が上がり、ケース24内に触媒担体20を安定的に固定できるので、触媒担体20のケース内固定位置のずれを防止できる。
【0044】
また、ケース24の変形部60がアンダーバンド30によって保持材22側に向かって突出変形する部位以外では、ケース24と触媒担体20との隙間寸法M1を大きくできる。このため、保持材22が熱膨張する際に膨張圧によって触媒担体20が破損することもない。
【0045】
また、本実施形態では、アンダーバンド30の各取付部30B、各取付部30Bに連続する本体部30Aの上部30E及びアッパバンド48が、触媒コンバータ10の熱を放熱する放熱手段(冷却フィン)として作用する。このため、車両走行風(図1の矢印W1)によって触媒コンバータ10の温度上昇を抑制できる。この結果、ケース24の熱膨張を抑制することができ、触媒担体20が高温になっても保持力の低下を抑制できる。
【0046】
また、本実施形態では、冷却フィンとして作用するアッパバンド48をサポートロッド46、サポートゴム44及びサポートロッド42を介して車体のクロスメンバ40に固定した。このため、サポートロッド46、サポートゴム44及びサポートロッド42からの放熱によりさらにケース24の温度が下がるためケース24の熱膨張がさらに抑制される。この結果、ケース24の熱膨張による触媒担体20の保持力低下をさらに抑制できる。また、車体のクロスメンバ40に支持するためのサポートを取付けるための取付手段と、と、放熱手段とを別部材とする場合に比べて、部品点数を削減できる。
【0047】
[第2実施形態]
【0048】
次に、本発明の触媒コンバータの車体取付構造の第2実施形態を図6に従って説明する。
【0049】
なお、第1実施形態と同一部材に付いては、同一符号を付してその説明を省略する。
【0050】
図6に示すように、本実施形態では、先端部64Aを有する複数の凸部64が、アンダーバンド30の本体部30Aの前後方向中央部(幅方向中央)に、本体部30Aの内周側(触媒コンバータ10のケース24側)に向かって、本体部30Aの周方向に沿って隙間66を開けて不連続に突出形成されている。
【0051】
従って、本実施形態においても第1実施形態と同様の作用効果を有する。
【0052】
[第3実施形態]
【0053】
次に、本発明の触媒コンバータの車体取付構造の第3実施形態を図7に従って説明する。
【0054】
なお、第1実施形態と同一部材に付いては、同一符号を付してその説明を省略する。
【0055】
図7に示すように、本実施形態では、複数の半球状の凸部68が、アンダーバンド30の本体部30Aの前後方向中央部(幅方向中央)に、本体部30Aの内周側(触媒コンバータ10のケース24側)に向かって、本体部30Aの周方向に沿って隙間70を開けて形成されている。
【0056】
従って、本実施形態においても第1実施形態と同様の作用効果を有する。
【0057】
[第4実施形態]
【0058】
次に、本発明の触媒コンバータの車体取付構造の第4実施形態を図8及び図9に従って説明する。
【0059】
なお、第1実施形態と同一部材に付いては、同一符号を付してその説明を省略する。
【0060】
図8に示すように、本実施形態では、アンダーバンド30に設けた凸部32の先端部32Aが当接するケース24の部位にスリット74が周方向に沿って複数形成されており、周方向に沿った脆弱部76が形成されている。
【0061】
図9に示すように各スリット74はケース24を貫通している。なお、各スリット74の内周側(排気ガス通路側)には、保持材22があるため、排気ガスが各スリット74からケース24の外部に漏れることはない。
【0062】
従って、本実施形態では、第1実施形態と同様の作用効果に加えて、スリット74を設けたことで、アンダーバンド30に設けた凸部32の先端部32Aが、ケース24に当接した際に、脆弱部76が容易に変形する。この結果、触媒担体20を確実に保持できると共に組付作業性が向上する。
【0063】
なお、スリット74に代えて長孔や丸孔を形成することによって脆弱部76としてもよい。また、スリット74に代えて、アンダーバンド30に設けた凸部32の先端部32Aが当接するケース24の部位に薄肉部を周方向に沿って形成することで脆弱部76としてもよい。
【0064】
〔上記実施形態の補足説明〕
【0065】
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、ケース24の凹部26をケース24の他の部位に比べて薄肉としてもよい。
【0066】
また、図10に示す第5実施形態のように、アンダーバンド30の凸部32の断面形状と、ケース24の凹部26の断面形状とを同じ三角形状とし、アンダーバンド30の凸部32に押圧されたケース24の凹部26がさらにケース内側へ変形する構成としてもよい。
【0067】
また、図11に示す第6実施形態のように、アンダーバンド30の凸部32の断面形状と、ケース24の凹部26の断面形状とを同じ台形状とし、アンダーバンド30の凸部32に押圧されたケース24の凹部26がさらにケース内側へ変形する構成としてもよい。
【0068】
また、上記各実施形態では、触媒コンバータ10をクロスメンバ40で車体前後方向に沿って支持したが、触媒コンバータ10は、クロスメンバ40以外となる車体床下の他の部位で支持してもよい。また、触媒コンバータ10の支持方向も車幅方向等の他の方向でもよい。
【符号の説明】
【0069】
10 触媒コンバータ
20 触媒担体
22 保持材
24 ケース
26 ケースの凹部
30 アンダーバンド
30B アンダーバンドの取付部(放熱手段)
30E アンダーバンドの本体部の上部(放熱手段)
32 アンダーバンドの凸部
40 クロスメンバ(車体)
42 サポートロッド(サポート)
44 サポートゴム(サポート、ゴムマウント)
46 サポートロッド(サポート)
48 アッパバンド(放熱手段)
60 ケースの変形部
64 バンドの凸部
68 バンドの凸部
74 ケースのスリット
76 ケースの脆弱部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気ガス浄化用の触媒担体と、
該触媒担体を収納する金属製のケースと、
前記触媒担体と前記ケースとの間に介在し前記触媒担体を保持する保持材と、
前記ケースを車体に取付けると共に、前記ケースとの当接部に前記ケースを前記保持材側に向かって突出変形させる凸部が形成されたバンドと、
を有する触媒コンバータの車体取付構造。
【請求項2】
前記ケースは前記バンドの凸部と当接するの部位に脆弱部を有することを特徴とする請求項1に記載の触媒コンバータの車体取付構造。
【請求項3】
前記バンドは放熱手段を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の触媒コンバータの車体取付構造。
【請求項4】
前記脆弱部はスリット又は薄肉部によって形成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の触媒コンバータの車体取付構造。
【請求項5】
前記バンドの放熱手段がゴムマウントを備えたサポートを介して車体床下に支持されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の触媒コンバータの車体取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−214354(P2010−214354A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−67706(P2009−67706)
【出願日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】