説明

触媒再生装置および関連再生プロセス

【解決手段】本発明による続触媒再生装置は、再生器の縦軸(A)に沿って中央に置かれかつ触媒が循環させられる少なくとも一つの環状燃焼ゾーン(3)により形成された少なくとも一つの焼成ゾーンと、触媒の入口導管(4)および触媒の出口導管(4')と、前記環状燃焼ゾーン(3)周辺に配置されている燃焼ガス(13)を循環させるための外部循環ゾーン(11)および前記環状燃焼ゾーン(3)内側に配置されている内部循環ゾーン(15)とを備えており、前記焼成ゾーンは、前記再生器の縦軸(A)と関連して放射状に配置された長手方向気密状プレート(10)によってセクター(14)に分けられているものである。
本発明は、この装置を使用する方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒再生の分野、より詳しくは、連続触媒再生装置およびこの装置を使用す再生プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
非活性化をもたらせる急速なコーキングを生じさせる触媒プロセスにおいて、触媒を連続的に再生することは、既知である。これは、例えば、非常に過酷な触媒改質のをケースで、高反応炉入口温度(500−520℃)、低圧(3−6バール)および低水素再利用率(1.5−2.5)においてである。このケースにおいて、触媒は、反応炉から連続的に取出される。反応炉の水素は、取り除かれて、再生器に送られる。再生器では、触媒の活性を再確立するために制御される方法でコークスが燃焼する。従って、重要であるのは、触媒性能レベルを損なわないために、この再生動作の間、触媒の過剰な加熱を回避することである。これには、希ガス(例えば、窒素および二酸化炭素)によって非常に希釈された酸素によって、コークスを焼成することが必要である。また、従来例として公知であることは、酸素分が十分に低くなるように少量の空気を注入することによって、希釈剤として役立つ低い酸素分の燃焼ガスを再利用することである。それは、2つのステップで実行させることによって達成される。その第1は、特定温度で大部分のコークスを燃焼させる低温ステップであり、第2のステップでは、少量の残留コークスのために、より高い温度で燃焼を終了させる。特に、特許文献1を参照すると、これには、再生装置が記載されている。この装置は、2つの連続した焼成ゾーンを有している。これらの焼成ゾーンでは、コークスがより良好に燃焼され、従って、触媒のより良好な再生を可能としている。
【0003】
前記従来技術においては、焼成は、リング状に配置された薄い放射状ベッド内で実行される。ベッド内において、触媒は、重力によって微速度で下方へ循環させられ、燃焼ガスは、しばし、ベッドの外側から内側に、ベッド内を放射状に循環させられる。再生ガス回路は、リサイクル圧縮器およびしばしば乾燥機を含むさまざまな機材を備えている。
【0004】
これらの器材の欠点の1つは、それらが大量の燃焼ガス、従って、大量のエネルギーの使用を必要とすることである。それらの使用は、とくに、大容量のために使われるときに、非常に高価である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】フランス特許2 651 154
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明の目的は、上記従来技術の欠点を克服することであり、それは、新規な再生器および関連プロセスを提供することであり、同一量の触媒を再生するための機器のサイズを低減させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による連続触媒再生装置は、再生器の縦軸に沿って中央に置かれかつ触媒が循環させられる少なくとも一つの環状燃焼ゾーンにより形成された少なくとも一つの焼成ゾーンと、触媒の入口導管および触媒の出口導管と、前記環状燃焼ゾーン周辺に配置されている燃焼ガスを循環させるための外部循環ゾーンおよび前記環状燃焼ゾーン内側に配置されている内部循環ゾーンとを備えており、前記焼成ゾーンは、前記再生器の縦軸と関連して放射状に配置された長手方向気密状プレートによってセクターに分けられているものである。
【0008】
本発明の1つの実施の形態によれば、前記セクターの数は、3〜12である。
【0009】
本発明の1つの実施の形態によれば、前記セクターの各々は、前記燃焼ガスを循環させる結合導管によって、つぎのセクターと連絡されている。
【0010】
本発明による再生装置において、前記セクターの各々に、前記結合導管に通じている酸素導管によって、酸素が供給される。
【0011】
本発明による再生装置は、最初のセクターの前記環状外部循環ゾーンに通じている、前記燃焼ガスを供給するための供給導管と、最後のセクターの前記環状内部循環ゾーンから出ている、前記燃焼ガスを排出するための排出導管とを備えている。
【0012】
本発明の変形例によれば、再生装置は、最初のセクターの環状内部循環ゾーンに通じている、前記燃焼ガスを供給するための供給導管と、最後のセクターの環状外部循環ゾーンから出ている、前記燃焼ガスを排出するための排出導管とを備えている。
【0013】
本発明の1つの実施の形態によれば、2つの焼成ゾーンがあり、その第1焼成ゾーンの温度が、その第2焼成ゾーンの温度よりも低い。
【0014】
本発明の1つの実施の形態によれば、前記第1焼成ゾーンは、環状内部循環ゾーン内側に配置された第3環状循環ゾーンを備えており、前記第3環状循環ゾーンによって、前記燃焼ガスが、最初のセクターの前記第2焼成ゾーンの前記環状内部循環ゾーンおよび第2セクターの前記第1焼成ゾーンの前記環状外部循環ゾーン間で循環可能である。
【0015】
本発明の1つの実施の形態によれば、第2酸素導管を備えており、前記第2酸素導管は、前記2つの焼成ゾーン間に通じておりかつ酸素を付加的に供給可能である。
【0016】
本発明の1つの実施の形態によれば、前記焼成ゾーンは、上部スクリーンおよび下部スクリーンを備えており、これらの両スクリーンは、前記燃焼ガスを、前記触媒を通過させることなく、前記供給導管から前記排出導管に直接的に循環させることを防止する。
【0017】
本発明は、前記触媒は、セクターに分けられた環状燃焼ゾーンに重力によって下降し、前記燃焼ガスは、各セクターを連続して通過し、燃焼ガスは、各セクター間で、冷却されかつ酸素を補充される触媒再生プロセスに関する。
【0018】
本発明によるプロセスにおいて、前記燃焼ガスは、前記環状燃焼ゾーンを外側から内側まで通過する。
【0019】
本発明の1つの実施の形態によれば、前記触媒は、触媒改質触媒である。
【0020】
本発明の1つの実施の形態によれば、前記触媒は、2つの環状燃焼ゾーンを通過させられ、これらの環状燃焼ゾーンは、上下に配置されておりかつセクターに分けられており、前記触媒は、最初に、前記第1環状燃焼ゾーンに循環させられ、それから、中間導管によって、前記第2環状燃焼ゾーンに循環させられ、前記燃焼ガスは、最初に、第1セクターの前記第1環状燃焼ゾーンへ循環させられ、それから、酸素を補給の後で、前記第1セクターの前記第2環状燃焼ゾーンへ循環させられ、それから、全ての他のセクターへ連続して循環させられ、その一方で、各セクターの前でおよび各環状燃焼ゾーン間で、それぞれに酸素を補充されて、各セクターの前に冷やされる。
【0021】
本発明の1つの実施の形態によれば、前記第1環状燃焼ゾーンの温度は、400℃〜550℃であり、前記第2環状燃焼ゾーンの温度は、前記第1環状燃焼ゾーンの温度より、少なくとも10℃、高くても40℃高い。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】従来技術による焼成ゾーンの模式的な側面図である、
【図2】従来技術による焼成ゾーンの概略平面図である
【図3】本発明による焼成ゾーンの模式的な側面図である
【図4】本発明による焼成ゾーンの概略平面図である
【図5】本発明による装置のセクターの斜視図である
【図6】本発明の変形例による焼成ゾーンの模式的な側面図である
【図7】本発明の変形例による焼成ゾーンの概略平面図である
【図8】本発明の変形例による装置のセクターの斜視図である
【図9】再生回路の略図である
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1および2は、従来技術による触媒再生装置または再生器を例示する。ここで示される装置は、縦軸(A)にそう円筒形状である。前記装置は、再生器の縦軸を中心とする環状燃焼ゾーン(3)を含んでいる。燃焼ゾーン内では、コークスが焼成させられる。この環状燃焼ゾーン(3)には、触媒が下降する入口導管(4)によって触媒が供給される。再生器は、また、環状燃焼ゾーン(3)を囲んでいる、燃焼ガスを循環させるための環状外部循環ゾーン(11)と、環状燃焼ゾーン(3)内の環状内部循環ゾーン(15)とを備えている。環状燃焼ゾーン(3)、外部循環ゾーン(11)および内部循環ゾーン(15)のセットによって、再生器の焼成ゾーンが形成されている。触媒は、入口導管(4)から送られて、環状燃焼ゾーン(3)を通過し、触媒を下降させる出口導管(4')により排出される。燃焼ガス(13)を形成している燃焼混合物は、窒素/二酸化炭素混合物で希釈された低比率酸素から成り、供給導管(1)から環状燃焼ゾーン(3)に入る。上部スクリーン(5、5')は、燃焼ガス(13)を供給導管(1)によって環状外部循環ゾーン(11)に循環させ、それから、環状燃焼ゾーン(3)内の再生器の中心(15)を下降する前に、環状燃焼ゾーン(3)内の触媒を通過させる。燃焼ガスは、従って、触媒を放射状に循環する。燃焼ガス(13)は、それから、触媒出口導管(4')の間を通過して、焼成ゾーンの下部排出導管(2)で排出される。下部スクリーン(6)は、焼成ゾーンの入口および出口間の直通を防止し、こうして、触媒を通過させる前に、供給導管(1)から排出導管(2)にガス(13)を直接に通過することを防止する。
【0024】
この従来技術の装置に関して、触媒が循環しかつ燃焼ガス(13)により通過される環状触媒燃焼ゾーン(3)を考慮すると、本発明の原理(図3〜9に例示)は、この環状触媒燃焼ゾーン(3)を複数のセクターに分割することであり、これには、燃焼ガス(13)が連続して通過させられ、各セクターの入口では、より冷たい希ガスを混ぜ合わされたガスを含んだ酸素が注入され、その結果、各セクターの入口では、同じ温度および同じ酸素分となる。
【0025】
図3〜8に図示するように、本発明による装置は、セクター(14)を備えている。これらのセクターは、気密状長手方向プレート(10)により形成されている。これらのプレートは、環状ゾーンとして同一材料でできおり、放射状に、すなわち、再生器の半径に沿って配置されている。本発明の範囲内で、用語「最初のセクター」は、燃焼ガス(13)を供給される再生器のセクターを表す。他のセクターは、再生器の燃焼ガス(13)の循環方向に見て、第2セクター、第3セクター、等々、最後のセクターと命名される。図3〜8において、示されるセクターは、同一の大きさである。但し、場合によっては、特定のセクターが異なるサイズであってもよい。
【0026】
再生器の動作の間、図3〜5に例示されるように、燃焼ガス(13)は、供給導管(1)によって、第1セクター(14)の環状外部循環ゾーン(11)に供給され(図4に示される)、それから、環状燃焼ゾーン(3)の触媒を通過する。それから、燃焼ガス(13)は、再び、結合導管(7)によって第2セクター(14')の環状外部循環ゾーン(11)に搬送されるために(図4に示す)、環状燃焼ゾーン(3)に配置された内部循環ゾーン(15)を通過して燃焼ゾーンの頂部まで上昇する。第2セクター(14')のコークスを燃焼させるために必要な酸素は、酸素導管(8)によって結合導管(7)に運ばれる。燃焼ガス(13)を1つのセクター(14)から他のセクター(14')に循環させるのは、この結合導管(7)である。使用する酸素は、前もって冷たいガスによって希釈されている。そのガスを第2セクター(14'')の入口でも冷却できる。それから最後のセクター(14'')まで、燃焼ゾーンの全てのセクター(14)に同様に循環して、それから排出導管(2)で排出される。この装置において、燃焼ガス(13)は、従って、再生器を形成しているシリンダの外側から内部側まで、各セクターを通じて、循環する。
【0027】
使用する燃焼ガス(13)は、窒素/二酸化炭素混合物で希釈された低比率の酸素を備えている。酸素の量は、0.2〜0.8%(約0.5%)である。
【0028】
システムは、2〜10バール、好ましくは、4〜7バールの圧力で作動する。
【0029】
環状燃焼ゾーンは、400〜550℃の温度で、好ましくは、450℃〜520℃の温度である。
【0030】
この装置の変形例(図示せず)は、燃焼ガス(13)を再生器の内側から外側まで循環させる。このためには、供給導管(1)は環状内部循環ゾーン(15)に通じている。そして、それから、結合導管(7)は、第1セクター(14)の環状外部循環ゾーン(11)をつぎのセクター(14')の環状内部循環ゾーン(15)に接続する。
【0031】
焼成ゾーンは、従って、燃焼ガス(13)が循環する少なくとも2つの相互に別々のセクター(14、14')を含む。各セクターによって、一定量の触媒が処理される。
【0032】
本発明による装置は、付加的な中央ゾーン(9)を備えている。中央ゾーンは、再生器の中心にあって、装置の取付を推奨する自由ゾーンである。
【0033】
このセクター装置の効果は、燃焼ガスの量を非常に減らせることである。すなわち、1つのセクター(14)から他のセクター(14')に循環させられるガス(13)として、1つのセクター(14)のために必要な量だけの燃焼ガス(13)を使用する。これによって、このガスの循環、加熱、冷却および乾燥を提供する器材の全ての部材を節約することができる。
【0034】
図4は、プレート(10)によってセクターに分けられた本発明の焼成ゾーンを例示し、8つのセクター(14)を有する燃焼ゾーンを示す。但し、この数には限定されない。燃焼ゾーンは、図7に示すように、3〜12のセクター(14)、好ましくは4〜8のセクターを含むことができる。
【0035】
図6、7および8において例示された本発明の好ましい実施例によれば、本発明による装置は、上下に配置した2つの異なる温度の2つの連続的な焼成ゾーンを備えいる。下部ゾーンの入口温度は、第1ゾーンよりも、10℃〜40℃だけ、僅かに高い。第1ゾーンの出口で、酸素の不足のために燃焼は終了し、ほとんどコークスは残されない。第2ゾーンにおいて、燃焼を達成するために、温度はより高く、そして、より多くの酸素がある。コークスの残余の量が低いので、オーバヒートの危険度がなく、そして、加熱(ΔT)がほとんどない。出力流れに酸素がまだある場合、燃焼が完全であると告げることが可能である。
【0036】
2つのゾーンは、各々に、燃焼ガス(13)の循環のための、環状外部ゾーン(11、11')および内部ゾーン(15、15')と、環状燃焼ゾーン(3、3')とを備えている。環状燃焼ゾーン(3、3')は、中間導管(4'')により接続されている。従って、装置は、2つの燃焼ゾーンの一部のからなるセクターを形成している。各セクター間の接続は、燃焼ガス(13)が循環する結合導管(7)による。酸素は、酸素導管(8)を通して到着する。第1の燃焼ゾーンは、第3環状循環ゾーン(12)を備えている。このゾーンは、第1環状内部循環ゾーン(15)内に配置されかつ燃焼ガス(13)の循環が第2燃焼ゾーンの第2環状循環ゾーン(15')から生じることを可能とする。第3環状循環ゾーン(12)によって、各セクター(14)(最後のものは別として)は、次のゾーン(14')へ接続されている。このように、結合導管(7)は、第3環状循環ゾーン(12)によって、1つのセクターの第2焼成ゾーンをつぎのセクターの第1の焼成ゾーンに接続している。
【0037】
第1の燃焼ゾーンの上部は、導管(4)および(7)が通過する上部スクリーン(5)によって閉鎖されている。第1の環状循環ゾーンの下部および第1の燃焼ゾーンの環状燃焼ゾーンは、また、中間の下部スクリーン(51)によって閉鎖されている。
【0038】
逆の視点から、第2燃焼ゾーンは、同じ閉鎖システムを有する。すなわち、燃焼ゾーンの下部が下部スクリーン(6)によって閉鎖され、第2環状循環ゾーンおよび環状燃焼ゾーンの上部が中間の上部スクリーン(61)によって閉鎖されている。
【0039】
再生器の動作の間、第1環状燃焼ゾーン(3)は、第2環状燃焼ゾーン(3')より低い温度であって、少量の酸素を含み、第2環状燃焼ゾーン(3')はより高い温度であって、コークスの燃焼を終了させられる酸素のより多くの量を含む。この変形例において、燃焼ガス(13)は、供給導管(1)によって第1セクター(14)に導かれ、触媒が循環する第1環状燃焼ゾーン(3)を通過し、第1焼成ゾーンの底部へ運搬される。燃焼ガス(13)は、それから、希釈された補足的な酸素を混ぜ合わせられる。酸素は、2つの燃焼ゾーン間に開口する第2酸素導管(16)で運搬される。それから、まだ同一のセクター内で、第2燃焼ゾーンの第2環状外部循環ゾーン(11')に戻され、コークスの燃焼を達成するために環状燃焼ゾーン(3')を通過して、第2環状内部循環ゾーン(15')に到着し、第3環状内部循環ゾーン(12)を通じて、導管(7)によってつぎのセクターに送られる焼成ゾーンの頂部に送られる。最後のセクター(14'')の出口で、ガスは、出口導管(2)に向かって第2焼成ゾーンの底部に送られる。
【0040】
本発明による再生器(100)が、図9に示される再生回路において使用される。第1回路は、燃焼ガスの回路であり、圧縮器(33)により循環させられる。循環させられるガスは、基本的に窒素および二酸化炭素であり、酸素の非常に少ないものである。燃焼によってできる水は、乾燥機(39)によって除去される。圧縮器(33)を出たガスは、2つの流れ(330、331)に分けられる。第1流れ(331)は、出力ガス(2)との交換のために熱交換器(34)により加熱されて、それから、導管(1)により焼成ゾーンに供給される前に、導管(340)によりオーブン(35)に送られる。圧縮器(33)から出る第2流れ(330)は、圧縮器の出口で、制御弁(40)を通じて、ディストリビュータ(400)に送られる。ディストリビュータは、各セクターの導管(8)に同一流量の冷たいガスを送る。高い酸素分を有かつ他の回路(410)から生じるガスは、また、この流れに注入される。
【0041】
焼成ゾーンの出口で、燃焼ガスは、導管(2)から出て、入力ガスとの交換によって熱交換器(34)において連続して冷却されて、それから、導管(341)により冷却塔(36)に移されて、導管(360)によりセパレータ・フラスコ(37)に入る前に、ポンプ(38)の導管(380)から生じる液体と混合される。このフラスコは、また、水酸化ナトリウム(図示せず)の注入によって、塩素を含む燃焼ガスを中和するのに役立つ。水酸化ナトリウムを混ぜ合わせられた凝結水が、導管(370)によって抜かれて、腐食を予防するために凝結ゾーンを洗浄しかつ中立するために使われる。水の残りは、除去される(ラインを示さない)。
【0042】
精製された湿性のガスは、その後導管(391)による乾燥機(39)に送られ、それから、導管(390)によって再循環圧縮機(33)に送られる。導管(32)により除去されるガスは、余剰ガスを除去しかつされるおよび第1回路のループの圧力を一定に保つことができる。
【0043】
第2回路は、特に、再生器の他のゾーンの触媒の高温乾燥のために用いられる。乾燥ガスは、窒素および5〜10%の空気からなり、乾燥機(29)によって乾燥されかつ圧縮のために導管(220)によって圧縮器(23)に運搬される。燃焼ガスの一部(231)は、弁(41)および(42)によって触媒の焼成ゾーンに送られる。弁(41)によって、様々なセクターの上部床における燃焼のために必要な酸素が送られる。弁(42)は、様々なセクターの下部床における燃焼のための酸素の量を調整する(導管16の給液)。流量-流量制御装置(FFC)がある。であるから、2つの調整弁(41)および(42)によって上部リングおよび下部リング間に固定割合で分配される、希釈された空気の充分な量を注入することよって、出力酸素含有量が制御される(残った酸素がある場合、全てのコークスが燃焼することを意味する)。それから、希釈された空気は、各セクターの入口に配置されたオリフィスシステムによって様々なセクターの間に等しく分配される。
【0044】
剰余のガス(230)は、乾燥温度に到達するために、熱交換器(24)において加熱され、それから、オーブン(25)で連続して加熱され(導管242によって)、それから、乾燥床に送られる(導管250によって)。乾燥床の出口(240)で、ガスは、導管(241)により結合された熱交換器(24)および冷却塔(26)において冷却される。ガスは、それから、ポンプ(28)によって汲み出された洗浄液(280)と混合される(260)。冷却されたガス/洗浄液混合物が導管(260)によって洗浄フラスコ(27)に運ばれ、フラスコ(27)からのびた導管(270)によってポンプ(28)に供給される。混合物は、導管(290)によって乾燥機(29)に運ばれる。補給のために、導管(22)によって運ばれたガスが圧縮器によって引き出される。この構造は、一方では、通常、約5〜7バールで、乾燥質で非油脂加工した機械用空気よりなり、他方では、窒素よりなり、その結果、循環ガス定数の組成が保たれる。
【0045】
<従来技術による実施例1>
この実施例1は、下部ゾーンおよび上部ゾーンの2つの燃焼ゾーンを有する従来技術の再生器を使用する。
【0046】
この実施例は、非常に過酷な大容量接触改質装置に関する。これには、毎日40トン、6%のコークスの充填した使用済触媒を再生させることが必要である。従って、毎日2,400kgのコークス、すなわち、毎時100kgのコークスを燃焼させることが必要である。従って、必要な酸素の量は370kg/hである。
【0047】
燃焼ガスは、85%の窒素と、14.5%の二酸化炭素と、0.5%の希釈された酸素とを含んでいる。温度があまりに高くなるのを防止するためである。
【0048】
つぎの表Aは、再生装置に関係する流量、温度およびO2の%値を例示する。
【0049】

圧力および乾燥を維持するためにセパレータでパージした後、圧縮器の流量は、45.5トン/hである。単なる燃焼ゾーンを有する再生器のためでは、58トン/hであった。圧縮器の消費は、約730kW(吸引圧力4.8バール、背圧8バール、ポリトロピック効率82%)、そして、空気圧縮機は、約100kW、すなわち、全体で830kWを消費する。
【0050】
<本発明による実施例2>
この実施例2は、図4および6に示される再生器、すなわち8つのセクターおよび2つの焼成ゾーンを有する再生器を使用する。
【0051】
この実施例は、非常に過酷な大容量接触改質装置に関する(反応炉絶対圧力約5バール、入口温度510℃、水素リサイクリング率1.8)。これには、毎日、6%のコークスを充填した40トンの触媒を再生させることが必要である。従って、毎時100kgのコークスを燃焼させることが必要である。そして、このコークスを燃焼させるのに必要な酸素の量は370kg/hである。
【0052】
燃焼ガスは、91.5%の窒素と、8%の二酸化炭素と、0.5%の希釈された酸素とを含んでいる。温度があまりに高くなるのを防止するためである。2つケースに対する燃焼ガスの組成の相違は、窒素および二酸化炭素の量に関して、以下の事実が原因である。第2のケースにおいて、生成物が、酸素塩素化回路から生じる窒素を希釈した空気を使用して運ばれるので、空気が同じ状況の下でつくりだされないからである。しかしながら、酸素分はいずれの場合においても同じことのままである。そして、これは燃焼の観点からの興味深い要因である。
【0053】
流量の制御を単純化するために、同一量の補給酸素が、制限オリフィスのシステムによって8つのセクターの各々に噴射される。この簡略化したものにもかかわらず、温度および組成物は、各セクターにおいてほぼ同様である。
【0054】
つぎの表Bは、各セクターの下部および上部に含まれる流量、温度およびO2の%を例す。
【0055】

圧力およびを維持するために、セパレータ(37)でパージし、乾燥(39)の後に、圧縮器(33)の燃焼ガスの流速は、13.5トン/h(7.03+ 7×0.92)である。吸引圧力4.8バール、背圧8バール、ポリトロピック効率82%、エネルギー収支225kWである。
【0056】
乾燥ガス圧縮機(23)のガスの流速は、4.35トン/h、吸引圧力4.8バール、背圧8バール、ポリトロピック効率82%、消費74kWである。
【0057】
全体で、両方の圧縮器消費は、315kWである。これは、実施例1の830kWよりも非常に少ない。
【0058】
これらの結果と従来技術の結果との比較で、本発明による装置で使用する燃焼ガスの量が従来技術による装置で使用する燃焼ガスの量の30%に相当することが分かる。エネルギー収支も、従来技術の装置の消費の30%に相当する。
【0059】
本発明によるセクター再生装置は、燃焼ガスの量およびエネルギー量に関して大きな改善が可能となる。
【0060】
本発明が先に提供される詳細に限られている必要はなくて、本発明の応用分野から逸脱することなく、多数の他の特定の形の実施例を可能にすることは、当業者にとって明らかである。従って、本実施例は、例証として考慮されなければならなくて、しかしながら、添付の請求の範囲により定義される範囲から逸脱せずに修正されることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生器の縦軸(A)に沿って中央に置かれかつ触媒が循環させられる少なくとも一つの環状燃焼ゾーン(3)により形成された少なくとも一つの焼成ゾーンと、触媒の入口導管(4)および触媒の出口導管(4')と、前記環状燃焼ゾーン(3)周辺に配置されている燃焼ガス(13)を循環させるための外部循環ゾーン(11)および前記環状燃焼ゾーン(3)内側に配置されている内部循環ゾーン(15)とを備えており、前記焼成ゾーンは、前記再生器の縦軸(A)と関連して放射状に配置された長手方向気密状プレート(10)によってセクター(14)に分けられており、前記セクター(14)の各々は、前記燃焼ガス(13)を循環させる結合導管(7)によって、つぎのセクターと連絡されており、前記セクターの各々に、前記結合導管に通じている酸素導管(8)によって、酸素が供給される連続触媒再生装置。
【請求項2】
請求項1に記載の再生装置であって、前記セクター(14)の数は、3〜12である再生装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の再生装置であって、最初のセクター(14)の前記環状外部循環ゾーン(11)に通じている、前記燃焼ガスを供給するための供給導管(1)と、最後のセクター(14'')の前記環状内部循環ゾーン(15)から出ている、前記燃焼ガスを排出するための排出導管(2)とを備えている再生装置。
【請求項4】
請求項1〜3のうちの1つに記載の再生装置であって、最初のセクター(14)の環状内部循環ゾーン(15)に通じている、前記燃焼ガス(13)を供給するための供給導管(1)と、最後のセクター(14'')の環状外部循環ゾーン(11)から出ている、前記燃焼ガス(13)を排出するための排出導管(2)とを備えている再生装置。
【請求項5】
請求項1〜4のうちの1つに記載の再生装置であって、2つの焼成ゾーンがあり、その第1焼成ゾーンの温度が、その第2焼成ゾーンの温度よりも低い再生装置。
【請求項6】
請求項5に記載の再生装置であって、前記第1焼成ゾーンは、環状内部循環ゾーン(15)内側に配置された第3環状循環ゾーン(12)を備えており、前記第3環状循環ゾーンによって、前記燃焼ガス(13)が、最初のセクターの前記第2焼成ゾーンの前記環状内部循環ゾーン(15')および第2セクター(14')の前記第1焼成ゾーンの前記環状外部循環ゾーン(11)間で循環可能である再生装置。
【請求項7】
請求項5または6に記載の再生装置であって、第2酸素導管(16)を備えており、前記第2酸素導管は、前記2つの焼成ゾーン間に通じておりかつ酸素を付加的に供給可能である再生装置。
【請求項8】
請求項1〜7のうちの1つに記載の再生装置であって、前記焼成ゾーンは、上部スクリーン(5、61)および下部スクリーン(6、51)を備えており、これらの両スクリーンは、前記燃焼ガスを、前記触媒を通過させることなく、前記供給導管(1)から前記排出導管(2)に直接的に循環させることを防止する再生装置。
【請求項9】
請求項1〜8のうちの1つに記載の装置を用いた触媒再生プロセスであって、前記触媒は、セクター(14)に分けられた環状燃焼ゾーン(3)に重力によって下降し、前記燃焼ガス(13)は、各セクターを連続して通過し、燃焼ガス(13)は、各セクター間で、冷却されかつ酸素を補充される触媒再生プロセス。
【請求項10】
請求項9に記載の触媒再生プロセスであって、前記燃焼ガス(13)は、前記環状燃焼ゾーン(3)を外側から内側まで通過する触媒再生プロセス。
【請求項11】
請求項9〜10のうちの1つに記載の触媒再生プロセスであって、前記触媒は、触媒改質触媒である触媒再生プロセス。
【請求項12】
請求項9〜11のうちの1つに記載の触媒再生プロセスであって、前記触媒は、2つの環状燃焼ゾーン(3、3')を通過させられ、これらの環状燃焼ゾーンは、上下に配置されておりかつセクター(14)に分けられており、前記触媒は、最初に、前記第1環状燃焼ゾーン(3)に循環させられ、それから、中間導管(4')によって、前記第2環状燃焼ゾーン(3')に循環させられ、前記燃焼ガス(13)は、最初に、第1セクターの前記第1環状燃焼ゾーン(3)へ循環させられ、それから、酸素を補給の後で、前記第1セクターの前記第2環状燃焼ゾーン(11')へ循環させられ、それから、全ての他のセクターへ連続して循環させられ、その一方で、各セクターの前でおよび各環状燃焼ゾーン間で、それぞれに酸素を補充されて、各セクターの前に冷やされる触媒再生プロセス。
【請求項13】
請求項9〜12のうちの1つに記載の触媒再生プロセスであって、前記第1環状燃焼ゾーン(3)の温度は、400℃〜550℃であり、前記第2環状燃焼ゾーン(3')の温度は、前記第1環状燃焼ゾーンの温度より、少なくとも10℃、高くても40℃高い触媒再生プロセス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−530407(P2011−530407A)
【公表日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−522535(P2011−522535)
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際出願番号】PCT/FR2009/000914
【国際公開番号】WO2010/018318
【国際公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(591007826)イエフペ エネルジ ヌヴェル (261)
【氏名又は名称原語表記】IFP ENERGIES NOUVELLES