説明

触覚フィードバック(TactileFeedback)モジュール

【課題】複数方向の触覚フィードバックモジュールにより、振動板に横方向、縦方向、斜方向、回転又は垂直方向のズレや振動の触覚フィードバックが生じることから、触覚フィードバックの応用への多様性が拡大する。
【解決手段】振動板と、前記振動板周縁の横方向側面に設けられた少なくとも1つの第1アクチュエータとを含む。振動板は上板状部材に接触し、第1アクチュエータが振動板を動かすと、振動板の振動エネルギーが上板状部材に伝達されて触覚フィードバックを生じる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータに関し、より詳しくは、スクリーンの触覚フィードバックモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
アクチュエータ(actuator)は電気エネルギーを機械エネルギーに転換して、音響波や触覚フィードバック(haptic feedback)を生じる様なエネルギー変換素子である。アクチュエータはスマート・マテリアル(smart material)で設計実現が可能であり、圧電材料(piezoelectric material)、電気活性ポリマー(Electro−Active Polymer、 EAP)、形状記憶合金(Shape Memory Alloy、 SMA)、磁気歪み材料(Magnetostrictive Material)、電歪材料(Electrostrictive Material)等といったありふれたスマート・マテリアルがある。
【0003】
公知の触覚フィードバックモジュールのアクチュエータは一般に振動板(例:タッチスクリーン)の下表面に設けられる。アクチュエータが駆動されると、電気エネルギーを機械エネルギーに転換して、機械エネルギーで前記タッチスクリーンに振動を発生させて、振動によって触覚フィードバックを生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した従来の技術では、公知の触覚フィードバックモジュールは振動板に垂直な一方向の振動しか生じないため、触覚フィードバックモジュールの応用範囲を拡大することができなかった。
【0005】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものである。上記課題解決のため、本発明は、複数方向の触覚フィードバックモジュールにより、振動板に横方向、縦方向、斜方向、回転又は垂直方向のズレや振動の触覚フィードバックが生じることから、触覚フィードバックの応用への多様性が拡大することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る触覚フィードバックモジュールは、振動板と、前記振動板周縁の横方向側面に設けられた少なくとも1つの第1アクチュエータとを含み、前記振動板は上板状部材に接触し、前記第1アクチュエータが前記振動板を動かすと、前記振動板の振動エネルギーが前記上板状部材に伝達されて触覚フィードバックを生じることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る別の実施形態に基づき、触覚フィードバックモジュールはさらに前記振動板周縁の縦方向側面に設けられた少なくとも1つの第2アクチュエータを含むことを特徴とする。
【0008】
本発明に係る別の実施形態に基づき、触覚フィードバックモジュールはさらに前記振動板の底面に設けられた少なくとも1つの第3アクチュエータを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、上記欠点を改善するための斬新な触覚フィードバックモジュールが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る第1実施形態における触覚フィードバックモジュールを含む携帯用電子機器のユニットの分解図である。
【図2A】第1実施形態の透視図である。
【図2B】第1実施形態の透視図である。
【図3A】第1実施形態の構成の断面図である。
【図3B】第1実施形態の構成の透視図である。
【図4】第1実施形態の構成の透視図である。
【図5A】本発明に係る第2実施形態における触覚フィードバックモジュールのユニットの分解図である。
【図5B】第2実施形態の構成の透視図である。
【図6A】第2実施形態の構成の分解図である。
【図6B】第2実施形態の構成の透視図である。
【図7A】本発明に係る第3実施形態における触覚フィードバックモジュールのユニットの分解図である。
【図7B】第3実施形態の構成の透視図である。
【図8A】第3実施形態の構成の透視図である。
【図8B】第3実施形態の構成の透視図である。
【図8C】第3実施形態の構成の透視図である。
【図8D】第3実施形態の構成の透視図である。
【図8E】第3実施形態の構成の透視図である。
【図9】本発明に係る第4実施形態における触覚フィードバックモジュールを含む携帯用電子機器のユニットの分解図である。
【図10A】第4実施形態の上透視図である。
【図10B】第4実施形態の下透視図である。
【図11】本発明に係る第5実施形態における触覚フィードバックモジュールのユニットの分解図である。
【図12A】第5実施形態の上透視図である。
【図12B】第5実施形態の下透視図である。
【図13】第3アクチュエータと慣性質量マスの下透視図である。
【図14】本発明に係る第6実施形態における触覚フィードバックモジュールのユニットの分解図である。
【図15】本発明に係る第7実施形態における触覚フィードバックモジュールのユニットの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に図面を参照して本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
【実施例1】
【0012】
まず、本発明の触覚フィードバックモジュールの第1実施形態について説明する。
【0013】
図1は本発明に係る第1実施形態における触覚フィードバック(haptic feedback)モジュールを含む携帯用電子機器ユニットの分解図であり、図は触覚フィードバックモジュール関連のユニットを図示したに過ぎず、電子装置100は携帯電話(mobile phone)、スマートフォン(smart phone)、PDA(personal digital assistant; PDA)、タブレットPC(tablet;slate)、電子書籍(E−Reader)、デジタルフォトフレーム(digital photo frame)又はデジタルカメラ(digital camera)、マルチメディア機器等でよい。本実施形態では、上から下に順番に上板状部材11、振動板12、第1アクチュエータ13、ブラケット14、フレーム15、及び下ハウジング16を含む。
上板状部材11は保護ガラス(cover lens)、完成されたタッチセンサモジュール又は傷防止層でよく、ありふれたタッチセンサモジュールは抵抗型(resistive type)、投射容量型(projected capacitive type)、赤外線方式(infrared)、表面音響波方式(surface acoustic wave;SAW)、表面型静電容量型(surface capacitive type)等を含む。高水準のスマートフォン又はタブレットPCについては、タッチ操作のスムーズさや複数のマルチタッチ(Multi−touch)のサポートが求められることから、こうした携帯用電子機器は投射容量方式のタッチ技術がよく使用される。従来の投射容量方式タッチの解決方法は両面ITO(Double−sided ITO)であるが、その構造が複雜でコストが高価であるため、最近では次第に多くのメーカーがワン・ガラス・ソリューション(One−Glass solution)の開発に力を入れており、即ち、保護ガラスの背面に直接容量式センサアレイ(Capacitive Sensor Arrays)を形成する。
本発明では、上板状部材11と振動板12は一緒に接着していることから、第1アクチュエータ13が振動板12を動かすと、振動板12の振動エネルギーが上板状部材11に伝達されて、オペレータは触覚フィードバックを感受する。携帯用電子機器100が側面の触覚フィードバック効果をも生じられるために、図2Aのように、少なくとも1つの第1アクチュエータ13が直接又は間接的に振動板12周縁のどの側面にも設けられる。
換言すると、第1アクチュエータ13は振動板12の側面、又は振動板12に近傍する側面に実際に接触する。図2Bは2つの第1アクチュエータ13がそれぞれ振動板12周縁の2つの対向側に設けられたことを例示している。こうして、電子装置100が操作されると、第1アクチュエータ13が駆動されて、電気エネルギーを機械エネルギーに転換して、前記機械エネルギーが振動板12に対して横方向(図示した方向X)の作用力を加えて、振動板12が横方向へのズレ又は振動の触覚フィードバックを生じる。
例えば、電子装置でゲームをする時、ゲーム画面や音声に応じて、触覚フィードバックモジュールがこれに対応する触覚フィードバック等を提供する。某側面方向(図示した方向X、又は方向Y)に触覚フィードバックのパワーを増強しようとすると、前記側面方向に垂直な振動板12の一側面又は両側面に、複数個の第1アクチュエータ13を設けることができる。第1アクチュエータ13と振動板12との連結関係は当接、接着、嵌設、嵌設固定、螺合固定又は一体成型でよいが、これらに限られない。
【0014】
本実施形態では、さらに振動板12を支持するためのブラケット14を選択的に使用して、第1アクチュエータ13がブラケット14と振動板12の間に挟持される。ブラケット14は主に底部14Aと、底部14Aから垂直に延在する側面位置決め部材14Bを含む。側面位置決め部材14Bの長さは第1アクチュエータ13の数によって決められ、複数のブッロクとして不連続状にすることもできるが、第1アクチュエータ13が固定出来ればよい。また、ブラケット14の2つの側面位置決め部材14Bの構造は全く同じである必要は無く、第1アクチュエータ13のレイアウト又は電子装置100の内部構造の最適化によって決められる。図3Aは触覚フィードバックモジュールの構成の断面図であり、図3Bはその透視図である。第1アクチュエータ13とブラケット14の連結関係は当接、接着、嵌設、嵌設固定、螺合固定又は一体成型でよいが、これらに限られない。
【0015】
本実施形態では、振動板12は液晶顯示モジュール、電子ペーパー、又は他の表示インターフェイスでよい。第1アクチュエータ13の材質は圧電(piezoelectric)材料(例:ジルコン酸チタン酸鉛(lead zirconate titanate、PZT))、電気活性ポリマー(electroactive polymer、EAP)、形状記憶合金(shape memory alloy、 SMA)、磁性歪み材料(magnetostrictive material)、ボイスコイルモータ(voice coil motor)、又はリニア共振アクチュエータ(linear resonance actuator、LRA)でよいが、これらに限られない。本実施形態の第1アクチュエータ13の数とその相対的な位置は実際の応用、及び電子装置100の内部構造の最適化に応じて決められ、図4に示される第1アクチュエータ13とブラケット14の構成の透視図のように、振動板12(図示せず)の両側面にそれぞれ2つの第1アクチュエータ13を設けた。
【実施例2】
【0016】
次は、本発明の触覚フィードバックモジュールの第2実施形態について説明する。
【0017】
図5Aは本発明に係る第2実施形態における触覚フィードバックモジュールのユニットの分解図(上板状部材11、フレーム15、及び下ハウジング16は図示せず)であり、図5Bはその構成の透視図である。本実施形態では、振動板12周縁の横方向(例:方向X)側面に第1アクチュエータ13を設ける他に、さらに振動板12周縁の縦方向(例:方向Y)側面に直接又は間接的に少なくとも1つの第2アクチュエータ17を設ける。
こうして、第2アクチュエータ17が駆動されると、電気エネルギーを機械エネルギーに転換して、前記機械エネルギーが振動板12に縦方向(図示した方向Y)に作用力を加えて、振動板12に縦方向のズレ、又は振動の触覚フィードバックを生じる。なお、第2アクチュエータ17の材質、第2アクチュエータ17と振動板12との連結関係、第2アクチュエータ17とブラケット14の連結関係は、第1実施形態と同じであるので、詳述しないこととする。また、本明細書に云う横方向と縦方向は振動板12の方向に平行であることをいう。
【0018】
本実施形態の第2アクチュエータ17の数は実際の応用に応じて調整可能で、図6Aに示された触覚フィードバックモジュールの構成の分解図のように、振動板12の2つの縦方向側面にそれぞれ2つの第2アクチュエータ17を設けた。図6Bは別の触覚フィードバックモジュールの構成の透視図であり、振動板12(図示せず)の2つの縦方向側面にそれぞれ第2アクチュエータ17を設けた。本実施形態では、必要とされる触覚フィードバックのパワーの大きさに応じて、縦方向又は横方向の1辺又は2辺に選択的に第1アクチュエータ13と第2アクチュエータ17を設けることができる。
ブラケット14の構造の外型は第1アクチュエータ13と第2アクチュエータ17の数、大きさ、相対的な位置、又は電子装置の内部構造の最適化に応じて決められ、図6A又は図6Bの形状に限られない。以上の実施形態についての説明から、第1アクチュエータ13と第2アクチュエータ17を組合せた動きによって、振動板12の平面と平行な2つの自由度を持つ触覚フィードバックが得られることが分かる。
【実施例3】
【0019】
次は、本発明の触覚フィードバックモジュールの第3実施形態について説明する。
【0020】
図7Aは本発明に係る第3実施形態における触覚フィードバックモジュールのユニットの分解図(上板状部材11、フレーム15、及び下ハウジング16は図示せず)であり、図7Bはその構成の透視図(振動板12は図示せず)である。本実施形態では、振動板12周縁の側面(例:横方向の側面)に第1アクチュエータ13を設ける他に、さらに振動板12の底面に直接又は間接的に少なくとも1つの第3アクチュエータ18を設ける。
こうして、第3アクチュエータ18が駆動されると、電気エネルギーを機械エネルギーに転換して、前記機械エネルギーが振動板12に垂直方向(図示された方向X、方向Yと直交する方向Z)の作用力を加えて、振動板12が垂直方向のズレ、又は振動の触覚フィードバックを生じる。なお、第3アクチュエータ18の材質、第3アクチュエータ18と振動板12との連結関係、第3アクチュエータ18とブラケット14との連結関係は第1実施形態と同じであるので、詳述しないこととする。また、本明細書に云う垂直方向とは、振動板12に垂直な方向をいう。第1アクチュエータ13と第3アクチュエータ18を組合せた動きにより、振動板12の平面の1辺と平行で、且つ前記平面に垂直な2つの自由度を持つ触覚フィードバックが得られる。
【0021】
本実施形態の第3アクチュエータ18の数は実際の応用に応じて調整可能であり、図8Aに示された触覚フィードバックモジュールの構成の透視図のように、振動板12の底面に4つの第3アクチュエータ18を設けた。図8Bは別の触覚フィードバックモジュールの構成の透視図であり、第3アクチュエータ18はブラケット14の底面(例:ブラケット14の底面中心部)に設けられる。
【0022】
前記実施形態(図7A/Bと図8A)で示された触覚フィードバックモジュールでは、第3アクチュエータ18はブラケット14の開孔を貫通して、ブラケット14に固設されるが、他の方法を採用することもできる。図8Cは別の触覚フィードバックモジュールの構成の透視図であり、第3アクチュエータ18はブラケット14の溝内に嵌設される。図8Dは別の触覚フィードバックモジュールの構成の透視図であり、第3アクチュエータ18はブラケット14の挟持部14Cにより、ブラケット14上に嵌設固定される。上記は図8Cに開示のブラケット14の溝、及び図8Dに開示のブラケット14の支持部14Cが第3アクチュエータ18を嵌設或いは嵌設固定する様子を例示説明しているものの、こうした仕組みは第1アクチュエータ13や第2アクチュエータ17を固定するのにも適用可能である。
【0023】
図8Eは別の触覚フィードバックモジュールの構成の透視図であり、第1アクチュエータ13と第2アクチュエータ17はブラケット14の溝内に嵌設される。上記は図8Eに開示のブラケット14の溝が第1アクチュエータ13と第2アクチュエータ17を嵌設する様子を例示説明しているものの、こうした仕組みは第3アクチュエータ18を固定するのにも適用可能である。
【0024】
本実施形態では、第1アクチュエータ13、第2アクチュエータ17、及び第3アクチュエータ18を組合せた動きにより、3つの自由度を持つ触覚フィードバックモジュールが得られる。
【実施例4】
【0025】
次は、本発明の触覚フィードバックモジュールの第4実施形態について説明する。
【0026】
図9は本発明に係る第4実施形態における触覚フィードバックモジュールを含む携帯用電子機器100のユニットの分解図である。前記実施形態と異なる点は、本実施形態の振動板14はフレーム15内に収容され、ブラケット14上に支持されないことにある。本実施形態では、フレーム15は開口を有する。詳述すると、フレーム15は外枠15Aと、外枠15Aの底部から内向きに延在し、振動板14と第1/第2アクチュエータ13/17を載置するための延在部15Bを含む。換言すると、延在部15Bの間に開口を有する。第1/第2アクチュエータ13/17とフレーム15との連結関係は当接、接着、嵌設、嵌設固定、螺合固定又は一体成型でよいが、これらに限られない。
【0027】
図10Aに示されるフレーム15の局部の上透視図、図10Bに示される下透視図のように、本実施形態のフレーム15はさらに、フレーム15の延在部15Bに設けられ、第3アクチュエータ18を嵌設するための支持溝15Cを含む。また、前記支持溝15C上にさらに、当接部材15Dを備えることができ、第3アクチュエータ18を固定するほかに、振動スペースをも提供することができる。触覚フィードバックのパワーを増強しようとすれば、第3アクチュエータ18の左右両端に慣性質量マス(inertial mass)を設けることもできる。
【実施例5】
【0028】
次は、本発明の触覚フィードバックモジュールの第5実施形態について説明する。
【0029】
図11は本発明に係る第5実施形態における触覚フィードバックモジュールのユニットの分解図である。第4実施形態(図9)と異なる点は、本実施形態のフレーム15はクローズされており、開口を有しないことにある。換言すると、本実施形態のフレーム15の延在部15Bは開口を有しない。
【0030】
図12Aに示されるフレーム15の局部の上透視図と図12Bに示される下透視図のように、本実施形態のフレーム15はさらに、フレーム15の延在部15Bに設けられ、第3アクチュエータ18を嵌設するための支持溝15Cを備えることができる。また、前記支持溝15C上にさらに当接部材15Dを備えることができ、第3アクチュエータ18を固定するほかに、振動スペースをも提供することができる。
【0031】
第4実施形態(図10A/B)や第5実施形態(図12A/B)の第3アクチュエータ18については、図13に示す下透視図のように、さらに選択的に第3アクチュエータ18の下表面に振動機能を強化するための慣性質量マス19を余分に設けることができる。
【実施例6】
【0032】
次は、本発明の触覚フィードバックモジュールの第6実施形態について説明する。
【0033】
図14は本発明に係る第6実施形態における触覚フィードバックモジュールのユニットの分解図で、第1実施形態の変化した形態である。本実施形態では、振動板12周縁の横方向(例:方向Y)側面の一端に第1アクチュエータ13を設け、他端に弾性ダンパ20を設け、且つ横方向のもう一方の側面の一端に第1アクチュエータ13を設け、他端に弾性ダンパ20を設け、側面の第1アクチュエータ13がもう一方の側面の弾性ダンパ20に対向して、各第1アクチュエータ13が振動板12のコーナーに近接する。
上記弾性ダンパ20は振動板12を弾力的に固持することができる上に、さらに振動板12に弾性振動領域を提供することもできる。弾性ダンパ20の材質はシリカゲルやシリコンゴムのようなシリコン化合物を含むものでよいが、これらに限られない。前記2つの第1アクチュエータ13を駆動すると、それぞれ正X軸方向と負X軸方向の振動慣性力(矢印又はFで示す)を生じ、それぞれ振動板12両側の弾性ダンパ20が圧迫されて、振動板12両側に正X軸方向と負X軸方向のズレを生じるため、振動板12がZ軸方向に回転のズレを生じる。
【実施例7】
【0034】
次は、本発明の触覚フィードバックモジュールの第7実施形態について説明する。
【0035】
図15は本発明に係る第7実施形態における触覚フィードバックモジュールのユニットの分解図で、第2実施形態の変化した形態である。本実施形態では、振動板12周縁の横方向側面の一端に第1アクチュエータ13を設け、縦方向側面の隣接する一端に第2アクチュエータ17を設ける。また、上記第1アクチュエータ13、第2アクチュエータ17と対向する横方向と縦方向の側面の2つの隣接する端にそれぞれ弾性ダンパ20を設ける。上記弾性ダンパ20は振動板12を弾力的に固持することができる上に、さらに振動板12に弾性振動領域を提供することもできる。前記第1アクチュエータ13、第2アクチュエータ17を駆動すると、それぞれ負X軸方向と正Y軸方向の振動慣性力を振動板12に生じ、弾性ダンパ20が圧迫されて、この2つの振動慣性力は合力(矢印又はΣFで示す)を形成して、前記2つの弾性ダンパ20を指向して、振動板12に斜方向のズレを生じる。
【0036】
上記弾性ダンパ20に関する配置は、第6実施形態と第7実施形態でそれぞれ、弾性ダンパ20を第1実施形態と第2実施形態の触覚フィードバックモジュールに使用する様子を例示している。然しながら、弾性ダンパ20は第3実施形態から第5実施形態の触覚フィードバックモジュールといった他の実施形態にも配置可能である。
【0037】
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0038】
11 上板状部材
12 振動板
13 第1アクチュエータ
14 ブラケット
14A 底部
14B 側面位置決め部材
14C 挟持部
15 フレーム
15A 外枠
15B 延在部
15C 支持溝
15D 当接部材
16 下ハウジング
17 第2アクチュエータ
18 第3アクチュエータ
19 慣性質量マス
20 弾性ダンパ
100 携帯用電子機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動板と、
前記振動板周縁の横方向側面に設けられた少なくとも1つの第1アクチュエータと、
を含み、前記振動板は上板状部材に接触し、前記第1アクチュエータが前記振動板を動かすと、前記振動板の振動エネルギーが前記上板状部材に伝達されて触覚フィードバックを生じることを特徴とする触覚フィードバックモジュール。
【請求項2】
さらに前記振動板周縁の縦方向側面に設けられた少なくとも1つの第2アクチュエータを含むことを特徴とする請求項1に記載の触覚フィードバックモジュール。
【請求項3】
さらに前記振動板の底面に設けられた少なくとも1つの第3アクチュエータを含むことを特徴とする請求項1に記載の触覚フィードバックモジュール。
【請求項4】
さらに前記第3アクチュエータの下表面に設けられた少なくとも1つの慣性質量マスを含むことを特徴とする請求項3に記載の触覚フィードバックモジュール。
【請求項5】
前記第1アクチュエータ、前記第2アクチュエータ、又は前記第3アクチュエータと、前記振動板との連結関係は、当接、接着、嵌設、嵌設固定、螺合固定又は一体成型でよいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の触覚フィードバックモジュール。
【請求項6】
さらに、前記振動板を支持するためのブラケットを含み、前記ブラケットは底部と、前記底部から垂直に延在する側面位置決め部材とを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の触覚フィードバックモジュール。
【請求項7】
前記第1アクチュエータ、前記第2アクチュエータ、又は前記第3アクチュエータと、前記ブラケットとの連結関係は、当接、接着、嵌設、嵌設固定、螺合固定又は一体成型でよいことを特徴とする請求項6に記載の触覚フィードバックモジュール。
【請求項8】
前記ブラケットは前記第3アクチュエータを通すための開孔を有することを特徴とする請求項6に記載の触覚フィードバックモジュール。
【請求項9】
前記ブラケットは、第1アクチュエータ、前記第2アクチュエータ、又は前記第3アクチュエータを嵌設するための溝を有することを特徴とする請求項6に記載の触覚フィードバックモジュール。
【請求項10】
前記ブラケットはさらに前記第3アクチュエータを前記ブラケット上に嵌設固定するための挟持部を含むことを特徴とする請求項6に記載の触覚フィードバックモジュール。
【請求項11】
さらに前記振動板を収容するためのフレームを含み、前記フレームは外枠と、前記外枠の底部から内向きに延在する延在部とを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の触覚フィードバックモジュール。
【請求項12】
前記第1アクチュエータ、前記第2アクチュエータ、又は前記第3アクチュエータと、前記フレームとの連結関係は当接、接着、嵌設、嵌設固定、螺合固定又は一体成型でよいことを特徴とする請求項11に記載の触覚フィードバックモジュール。
【請求項13】
さらに、前記フレームの延在部に設けられ、前記第3アクチュエータを嵌設するための支持溝を含むことを特徴とする請求項11に記載の触覚フィードバックモジュール。
【請求項14】
さらに、前記支持溝上に設けられ、前記第3アクチュエータを固定して振動スペースを提供するための当接部材を含むことを特徴とする請求項13に記載の触覚フィードバックモジュール。
【請求項15】
さらに、前記振動板周縁の横方向、縦方向側面又は底部に設けられた少なくとも1つの弾性ダンパを含むことを特徴とする請求項1に記載の触覚フィードバックモジュール。
【請求項16】
前記弾性ダンパはシリコン化合物を含むことを特徴とする請求項15に記載の触覚フィードバックモジュール。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−93006(P2013−93006A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−257650(P2011−257650)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(510147710)慶良電子股▲分▼有限公司 (9)
【Fターム(参考)】