触覚制御用可変形パッド
触覚制御用に構成された可変形パッドおよび表示部に関するシステムおよび方法を開示する。前記システムは、車両特徴コントローラのレイアウトを構成するユーザインターフェイスを表示する表示部を備える。前記表示部は、受信した強調表示入力情報に対応する前記レイアウトの一部を強調表示するとともに、受信した選択入力情報に基づいて前記レイアウトを更新する。可変形パッドは、前記表示部に接続されているとともに、複数のスイッチからなるスイッチ配列を備える。スイッチの各々は、強調表示入力情報および選択入力情報を受信するように構成されている。前記スイッチはまた、前記レイアウトに一致するように感触を調整し、前記レイアウトの変化に応じて感触の再構成を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、2009年12月18日に出願された米国仮出願第61/288,203号を基礎として優先権を主張するものであり、基礎となるこの出願の内容の全体は、参照することにより本明細書中に組み込まれている。
【0002】
(発明の技術分野)
本明細書に記載された実施形態は、車両インターフェイスの技術分野に関し、より具体的には、車両内の動的入力インターフェイスに関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
自動車などの現代の車両には、多数の特徴(車両特徴。「自動車特徴」と称する場合もある。)が組み込まれており、運転手または同乗者は、前記した特徴を利用する。前記した特徴の各々には、ユーザが操作して前記特徴を調整するためのノブ、ボタン、またはダイアルが対応している。例えば、現代のカーステレオには、AM/FMラジオの操作用の多数の異なるボタンが備わっている。前記したボタンには、音量を制御するためのダイアルと、ラジオのチャンネルを切り替えるためのスキャン機能およびシーク機能用のものと、好みのラジオ局を探すための選局用プリセットボタン、が含まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、現代の自動車のなかには、複数の自動車特徴に対応する多数のコントローラに代わって、タッチセンサ式の表示装置を組み込んだものがある。しかしながら、タッチセンサ式の表示装置は、ユーザに対して物理的なフィードバックを与えることはない。結果として、ユーザは、適切なタッチ入力情報が受信されることを確実にするために、表示装置を見なければならない。したがって、自動車に搭載された多くの異なるコントローラを操作することの複雑さに対処しないといけなかった代わりに、運転手は、自動車特徴を制御するために、定期的に道路から目を逸らさなければならない、という必要性に対処しないといけない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の要約)
本発明の一実施形態は、ユーザが自動車特徴を制御できるようにする可変形パッドおよび表示装置を備える。前記表示装置は、自動車内に組み込まれた特徴の各々に対応するさまざまなコントローラのレイアウトを有するユーザインターフェイスを表示する。可変形パッドは、選択入力情報を受信すること、一般的にはスイッチを押すことによって、表示装置に表示されたユーザインターフェイスの自動車特徴コントローラ(車両特徴コントローラ。単に、「コントローラ」と称する場合もある。)のレイアウトと一致するように多数の独立したスイッチの感触を調整する。スイッチの各々を押すことによって実行される機能は、表示されたユーザインターフェイスに基づく。表示装置は、選択入力情報を用いて、前記した入力情報に適切に基づくユーザインターフェイスおよび可変形パッドのレイアウトを更新し、ユーザインターフェイスの該当部分に対応する自動車特徴を調整する。
【0006】
可変形パッドのスイッチはさらに、ユーザからの強調表示入力情報を受信する。前記強調表示入力情報を入力するときの押圧は概ね、可変形パッドのどのスイッチであっても作動させるには不十分となる程度のものである。強調表示入力情報を用いて、ユーザが触れるスイッチ、または前記スイッチの近傍に相当するユーザインターフェイスの部分を強調表示する。
【0007】
本発明の一実施形態の利点は、多くの自動車内に存在する複数の異なるコントローラからなる配列を非常に大きくしないといけない、という必要性を無くすことができることである。むしろ、可変形パッドと表示部とを組み合わせることで、自動車特徴を制御するシステムを、空間を有効に使い、かつ、直感的に理解できるシステムとすることができる。可変形パッドおよび表示部は、構造上は何ら変化させること無く、現在表示されている、または画面が遷移するにつれて表示されることになる任意の種類の自動車特徴に対応することができる。
【0008】
他の利点としては、可変形パッドおよび表示部の位置を最適化できることである。可変形パッドは、中央コンソール内、またはその他の人間工学的に好都合な領域内に配置することができる。その一方、表示部は、運転時の運転手の視線により近づけて配置することができる。さらに、可変形パッドおよび表示部は、ユーザが自動車特徴を制御できるようにしつつも可変形パッドを見る必要性を最小限に留めるように設計される。ユーザインターフェイスのレイアウトと合致するように可変形パッドを物理的に変形させた結果、ユーザは、ユーザインターフェイスを単に見るだけということでなく、触って制御することができる。よって、運転手は、道路上を注視し続けながらも、自動車特徴を制御できる。
【0009】
本明細書に記載された特徴および効果は包括的ではない。具体的には、図面および明細書を考慮すれば、一当業者にとっては多くの他の特徴および効果があることは明らかである。さらに、明細書に用いられる言語は、主に読み易さおよび教育上の目的から選択されたのであり、発明特定事項を詳しく説明するために、または制限するために選択されたわけではない、ということに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
(図面の簡単な説明)
【図1】一般的な自動車内装を運転手側から視たときの図であって、多くの自動車の中央コンソールおよびハンドルの一面に広がる自動車特徴用のさまざまなコントローラを説明する図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る触覚制御用可変形パッドおよび表示部を備える自動車内装を運転手側から視たときの図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る自動車特徴の触覚制御システムのシステム概略図である。
【図4a】本発明の一実施形態に係る可変形パッドを説明する図である。
【図4b】スイッチがいくつかの異なる高さに位置する可変形パッドのスイッチ配列の側面図である。
【図5a】本発明の一実施形態に係る可変形パッドの1個のスイッチ(またはセル)に関する図である。
【図5b】本発明の一実施形態に係る可変形パッドの1個のスイッチ(またはセル)に関する図である。
【図5c】本発明の一実施形態に係る可変形パッドの1個のスイッチ(またはセル)に関する図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る可変形パッドのレイアウトが、表示部に表示されたユーザインターフェイスとどのように一致するかを説明する図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る可変形パッドにて受信した入力情報にユーザインターフェイスが一致するように変更する可変形パッドおよび表示部とやり取りするユーザの使用例を説明する図である。
【図8】本発明の他の実施形態を説明する図であって、可変形パッドが自動車のハンドル上に配置されており、表示部がヘッドアップディスプレイ上、または従来の計器群の近くにあるハンドルのすぐ背後の空間内に配置されている様子を示す図である。
【図9】本発明のさらに他の実施形態を説明する図であって、可変形パッドが複数の所定の部分スイッチから構成されている様子を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る可変形パッドが入力情報を受信して自動車特徴を調整すること、および表示部がユーザインターフェイスを調整して前記受信した入力情報に一致することを説明するフローチャートである。
【0011】
前記した図面は、説明だけのためにさまざまな実施形態を描写している。一当業者であれば、本明細書で説明される構造および方法に関する他の実施形態を、本明細書で説明される実施形態の原理から逸脱することなく採用できることを、以下の説明から容易に理解するであろう。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(発明の詳細な説明)
図1は、一般的な自動車内装を運転手側から視たときの図であって、多くの自動車の中央コンソールおよびハンドルの一面に広がる自動車特徴用のさまざまなコントローラを説明する図である。自動車内装は、運転手の手の届く範囲内に自動車特徴の各々のコントローラを配置するように設計されており、その結果、運転手は、運転中であっても同乗者の支援を受けることなくコントローラを操作できる。こうした要求を満たそうとする結果、コントローラを配置し、運転手が容易に操ることができる空間が制限される。
運転手または同乗者が制御することを望む自動車特徴の例としては、特に、カーステレオ、ナビゲーションシステム、温度調節、車ドアロック、後部座席にあるDVDプレーヤー、空調、クルーズ制御、自動駐車支援、暖房座席、サンルーフ、路上支援、スマートフォンとの相互運用、ソーシャルネットワーキング機能、または非純正品ソフトウェアアプリケーション(または“アプリ”)がある。自動車特徴を制御している間に運転手が道路を見ない時間を短くすることが好ましい。
【0013】
図2は、本発明の一実施形態に係る触覚制御用可変形パッドおよび表示部を備える自動車内装を運転手側から視たときの図である。図1とは対照的に、コントローラの多くは、可変形パッド210に置き換わっている。
【0014】
可変形パッド210は、自動車特徴を制御するのに必要となるユーザ入力情報のすべてまたは大部分を受信する。複数の自動車特徴に対応する別々のコントローラを可変形パッド210に置き換えているので、可変形パッド210は、運転手の手の届く好都合な範囲内の任意の場所に配置することができる。図2は、可変形パッド210がシフトレバー230の自動車のすぐ後方側に配置されている様子を示すが、このような配置は一例にすぎない。
他の例では、可変形パッド210は、表示部220の下方にある中央スタック(そうでなければ、中央コンソールと称される)の立ち上がり部分上に配置することができる。可変形パッド210はまた、表示部220の上方に配置することもできる。可変形パッド210は、表示部220に電気的に接続される。可変形パッド210は、受信したユーザ入力情報を表示部220に送信する。いくつかの実施形態では、可変形パッド210にて受信したユーザ入力情報は、電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)(図示せず)に送信され、それから、ECUがユーザ入力情報を表示部220に送信する。
【0015】
表示部220は、さまざまな自動車特徴の動作状況を変更するようにユーザが調整できる複数のコントローラからなる1つのレイアウトを有するユーザインターフェイスを表示する。表示部220は、可変形パッド210から受信したユーザ入力情報に応じてユーザインターフェイスのレイアウトを調整する。いくつかの実施形態では、表示部220はまた、受信したユーザ入力情報に応じて自動車特徴の作用も調整する。他の実施形態では、ECUが自動車特徴の調整を担当する。
【0016】
可変形パッド210を作り上げるスイッチ配列の物理的形状が、表示部220上のユーザインターフェイスの一部として表示されている自動車特徴コントローラのレイアウトに合致するように、可変形パッド210および表示部220は、互いに一致するように構成され、例えば同期している。可変形パッド210にてユーザから入力情報を受信すると、表示部220は、調整し、例えば再構成または再同期され、前記した入力情報に基づいてユーザインターフェイスのレイアウトを変更する。可変形パッド210は、表示部220の前記した調整に応答し、表示部220上に表示されるユーザインターフェイスの更新内容に一致するように調整される(または“変形する”)。一実施形態では、可変形パッド210および表示部220は、単一の装置内に配列される。
【0017】
図3は、本発明の一実施形態に係る自動車特徴を制御する触覚制御システムのシステム概略図である。触覚制御システム300は、可変形パッド210と、表示部220と、記憶部350と、ECU340と、を備える。一実施形態では、触覚制御システム300の構成要素は、1台の車両を駆け巡る配線または電気回路によって電気的に接続される。
【0018】
記憶部350は、自動車特徴に関する情報を記憶する。前記した情報は、自動車特徴の各々のための設定情報を含む。例えば、自動車の温度制御については、空調、自動車内への空気流入、または自動車の暖房などのさまざまな機構によって、自動車が自動車内装の内部で調整可能な温度範囲が設定情報として含まれる。このような例では、記憶部350は、自動車が自動車内装用に作り出すことのできる温度範囲を記憶する。ユーザからの入力情報は、どのくらいの内部温度になったら温度制御の設定を行うかを決定するのに用いられる。
【0019】
さらに記憶部350は、自動車特徴用のユーザインターフェイスのさまざまなレイアウトを記憶する。記憶部に記憶されているユーザインターフェイスの要素としては、ユーザインターフェイスの画像と、ユーザインターフェイスのボタンのサイズ、形状およびレイアウトと、ユーザインターフェイスの強調表示情報と、を含む。
さらに記憶部350は、ユーザインターフェイスの要素間の関連付け情報を記憶している。そのため、可変形パッド210がユーザから入力情報を受信するときはいつでも、現在表示中のユーザインターフェイスは、受信した入力情報に応じた関連のあるレイアウトに適切に更新される。記憶部は、コンピュータ読み取り可能記憶媒体としてよいが、コンピュータ読み取り可能記憶媒体のいろいろな実施態様についての例は、後記する。
【0020】
一実施形態では、ユーザは、自動車特徴コントローラとなるユーザインターフェイスの要素の外観または調整方法を修正またはカスタマイズすることができる。前記したカスタマイズは、自動車特徴コントローラに関するユーザインターフェイスのレイアウトの外観を単に変えるだけでもよいし、またはユーザによる自動車特徴コントローラの調整方法を変更してもよい。
例えば、垂直方向に延びる形状を呈する音量ボタンを、円形つまみの形状を呈する音量ボタンに変えるように外観を変更して、カーステレオ音量に関する特徴を変えることができる。他の例では、連続的に変えることができる音量の範囲を、複数の離散的な音量レベルしかとれないように調整方法を変更して、カーステレオ音量に関する特徴を変えることができる。
【0021】
ECU340は、受信したユーザ入力情報に応じて自動車特徴を調整する。ECU340は、ユーザ入力情報を、自動車特徴について行う調整に関する処理に変換する。例えば、ユーザ入力情報が、自動車内装の温度を上げることを指示する情報である場合、ECU340は、自動車の他の従属構成要素(図示せず)と通信し、自動車特徴の調整に関する処理を実行する。
いくつかの実施形態では、ECU340はさらに、可変形パッド210および表示部220と通信し、ユーザ入力情報を受信した後の一致状態を維持することを確実にする。他の実施形態では、ECUの代わりに、表示部220がこれらの役割を果たす。
【0022】
一実施形態では、触覚制御システム300は、外部サーバ370によって外部から制御される。この実施形態では、外部サーバ370は、前記したECU340および記憶部350に事実上取って代わって、ECU340および記憶部350の役割を果たす。触覚制御システム300は、制御部350および車両テレマティックスユニット360を介して外部サーバ370と通信する。車両テレマティックスユニット360は、例えば、ショートメッセージサービス(SMS)、無線通信、他の無線通信規格を含むいくつもの通信プロトコルによって外部サーバ370と通信することができる。
【0023】
図4(図4aおよび図4bの総称)は、本発明の一実施形態に係る可変形パッドのいくつかの説明図を含む。可変形パッド210は、それぞれのスイッチの高さを独立して変えることができるスイッチ配列を備える。互いに独立したスイッチの高さを調整することによって、可変形パッド210は、ユーザインターフェイスに表示されている自動車特徴コントローラの輪郭を模倣できる。
結果として、ユーザは、可変形パッド210を触った感覚によってユーザインターフェイスと情報のやり取りを行うことができる。ユーザは、表示部220を見てどの特徴を調整するかを決定するために表示部220を見ることはできるけれども、最終的には、ユーザは、自動車特徴を制御するために、可変形パッド210のみを(つまり、見ないで)使用することができるようになる。
【0024】
可変形パッド210は、ユーザインターフェイスを表現するレイアウト情報を受信する。可変形パッド210のスイッチを多くのさまざまな高さの位置に変化させることでユーザインターフェイスのレイアウトを正確に再現することができる。
図4aは、車両の電源を入れる前、または表示部220上のユーザインターフェイスを作動する前となる標準状態にある可変形パッド210を図示している。図4aはまた、変形/駆動状態を図示している。前記した変形/駆動状態では、ユーザインターフェイスの物理的表現を作り出すために可変形パッド210の物理的構造を再形成することによって、可変形パッド210は、表示中のユーザインターフェイスと一致している。
【0025】
図4bは、スイッチがいくつかの異なる高さに位置する可変形パッド210のスイッチ配列の側面図である。配列されたスイッチの高さが異なることは、ユーザが触覚によって識別できる物理的輪郭をもたらす。例えば、1個の高い位置にあるスイッチ、または(スイッチ密度に依存している)連続して複数の高い位置にあるスイッチは、ユーザインターフェイス上の1つのボタンを意味する。
高い位置にあるスイッチの物理的パターンを検出することによって、そして前記したスイッチのレイアウトに対応するユーザインターフェイスを記憶することによって、ユーザは、どのスイッチまたは連続した複数のスイッチを押して、ユーザインターフェイスの所望の部分を作動させるかを、触覚によって決定することができる。図4bはまた、スイッチの各々の上部が、ユーザからの強調表示入力情報を受信するための表面を構成することを図示する。
【0026】
前記したスイッチ配列の形状を可変にすることができる。図4aに図示した実施例では、スイッチ配列のレイアウトは、5×6の計30個のスイッチからなる正方格子である。しかしながら、可変形パッド210は、前記したレイアウトに限定されない。
他の実施形態では、前記したスイッチ配列は、矩形、円形、または他の多角形の形状に配置することができる。可変形パッド210のレイアウトは、さまざまな形態をとる表示部220およびユーザインターフェイスとともに用いることができるほどに可変的である。
【0027】
前記したスイッチ配列の密度を可変にすることができる。図4aに図示した実施例では、スイッチ配列は、計30個のスイッチからなる5×6の配列である。他の実施形態では、スイッチ配列は、何百もの、さらには何千ものスイッチを有してもよい。可変形パッド210のスイッチの合計数が数千の単位に及ぶ実施形態では、スイッチの各々は極端に小さくなる。例えば、そのような実施形態では、スイッチの各々は、縦1ミリ×横1ミリである。配列内に存在するスイッチが多いほど、可変形パッド210によるユーザインターフェイスの再現性がよりきめ細かくなるであろう。
【0028】
ユーザインターフェイスのボタンを再現する複数のスイッチのうち任意の1つを押すことにより、ユーザ入力情報を受信する。いくつかの実施形態では、複数のスイッチが単一のボタンを形成するように調整される場合、ユーザ入力情報の入力によって、前記した複数のスイッチの各々のうちいずれかのスイッチに圧力をかけると、前記した複数のスイッチのすべてが一様に反応するように、可変形パッド210はさらに、前記した複数のスイッチの各々の間に支援装置を備える。多数のスイッチを同じ機能に対応させることは、1つのスイッチまたは連続した複数のスイッチ上で、ユーザがマルチタッチ動作をとることができることにおいて役に立つ。
例えば、動作には、コンパクトディスク(CD:Compact Disc)のトラックを変更することを意味する、手または指の水平方向の滑らせ動作、および音量を変更することを意味する垂直方向の滑らせ動作、などが含まれる。一実施例では、多数のスイッチがドーナツ型の形状となるようにわずかに立ち上がり、IPOD(登録商標)型の装置、または有線または無線で車両に接続される他の非純正品が有するトラックホイールを再現する。
【0029】
図5(図5a、図5b、図5cの総称)は、本発明の一実施形態に係る可変形パッドの1個のスイッチに関するいくつかの説明図を含む。スイッチの幅は可変にすることができ、実施形態によって、可変の高さまたは可変の表面形状を実現することができる。一実施形態では、スイッチの各々は、スイッチの上面付近に強調表示用の感知部を有する。したがって、スイッチの各々は、2種類の入力情報、つまり強調表示入力情報と選択入力情報とを受信することができる。
【0030】
選択入力情報は、ユーザインターフェイス上に表示されている項目の選択を示し、ユーザから受信した触覚入力情報を意味する。可変形パッド210のスイッチの各々は、スイッチを作動させる前提条件として、最小限の入力用押圧力を要求するように設計される。物理的圧力に対するスイッチの抵抗力は、前記した入力用押圧力の大きさに合わせてあり、その結果、スイッチが入力用押圧力の必要量を受ければ、選択入力情報を受信することなる。選択入力情報は、作動するための最小限の力を要求することで、とりわけ見ないで使用している最中におけるユーザによる誤作動を防ぐことができる。
いくつかの実施形態では、圧力を加えたことによる、その後のスイッチの押下、つまり“凹み”は、触覚的フィードバックをユーザに与える。つまり、スイッチが作動したという物理的なフィードバックをユーザに提供する。可変形パッド210のスイッチは、選択入力情報を受信すると、ユーザインターフェイス上に表示されるボタンまたはコントローラを作動するように設計される。例えば、選択入力情報は、ステレオの状態を変更でき、またはユーザインターフェイス内部のメニューを選択してより詳細なコントローラの設定情報にアクセスできる。
【0031】
いくつかの実施形態では、スイッチの下にあり、またはスイッチを支持する装置は、選択入力情報を受信するのであって、スイッチ自身を受け止めるわけではない。このような支持装置は、力検知の装置または表面とすることができる。前記した装置または表面は、多数のスイッチから選択入力情報を検出し、選択入力情報を受信したスイッチがどれであるかを決定することができる。
【0032】
一方、強調表示入力情報は、表示部220上のユーザインターフェイスを強調表示するために用いられ、ユーザが、可変形パッド210の上方にある指の位置と、ユーザインターフェイス上のコントローラとを対応させるための案内手段としての役割を果たす。一実施形態では、スイッチの強調表示用の感知部は、タッチセンサ式とすることができる。スイッチの上部は、数多くある既存の装置のうちの任意の一つを用いたタッチセンサ式とすることができる。
スイッチ上に実装される従来のタッチセンサ式の技術の例としては、抵抗膜方式、表面弾性波(SAW:Surface Acoustic Wave)方式、静電容量方式、赤外線方式、歪ゲージ方式、光画像方式、分散信号方式、または音響波照合(APR:Acoustic Pulse Recognition)方式がある。これらの技術の各々に関するより詳細な説明は、米国特許第7,250,940号“タッチ画面装置およびそれによる方法”(ジャヤネッティなど 著)と、米国特許第5,723,934号“表面弾性波方式の位置検出装置”(トダ 著)と、米国特許第4,136,291号“動的バイアスを有する静電容量方式のタッチパッド装置”(ウォルドロン 著)と、米国特許第5,162,783号“ビデオモニター用赤外線方式のタッチ画面装置”(モレノ 著)と、米国特許第5,241,308号“圧力式のタッチパネル”(ヤング 著)と、米国特許出願2008/0084539号“ヒューマン・マシン・インターフェース装置および方法”(ダニエル 著)と、米国特許第7,315,300号“インパルス再構成を用いたタッチセンサ式装置”(ヒルなど 著)と、米国特許第7,265,746号“音響波方式のタッチ検出回路および方法”(ノールズなど 著)と、に(それぞれ)記載または図示されている。上記の文献のすべては、参照することにより、本明細書に組み込まれる。
【0033】
いくつかの実施形態では、強調表示入力情報は、必ずしも物理的接触によって入力されなくともよく、むしろ、ユーザの指または他のポインティングデバイスなどの対象物がスイッチに十分近くにあることを検出すれば入力される。一実施形態では、強調表示入力情報は、光学的に感知される。この場合、前記した対象物は、スイッチに触れていてもよいが、単にスイッチに近づくだけでよい。他の実施形態では、前記した抵抗膜方式、表面弾性波方式、静電容量方式、赤外線方式、歪ゲージ方式、光画像方式、分散信号方式、または音響波照合方式などの他のセンサ技術を用いて、対象物がスイッチに近づいたことで強調表示入力情報を検出することができる。
【0034】
前記したスイッチは、いくつかの異なる技術を用いて構成することができる。図5には、前記した技術のいくつかについての図が示されている。スイッチを構成するのにどのような技術を用いるかに関係なく、ユーザは感触の違いによって、複数のスイッチを互いに区別することができる。いくつかの実施形態では、スイッチの高さに十分な変化をつけることができ、これにより、ユーザは、スイッチの高さの変化を触覚でわかるようになる。
他の実施形態では、(例えば、表面弾性波によって)スイッチの各々の表面上に異なる表面形状を持たせることによってスイッチを区別することができる。選択入力情報と、強調表示入力情報とは、物理的に区別することができるので、表示部およびECUは、選択入力情報と、強調表示入力情報とを混同することはない。スイッチの抵抗および押下という特性は、そのスイッチと、スイッチ配列を収容する可変形パッド210組立品との間にある接合部内に組み込むことができる。代替的には、前記した押下という特性は、スイッチ自身が有する特性の一部とすることができる。
【0035】
スイッチの各々を構成する技術の例としては、小型モータスイッチ(図5a)、圧電スイッチ(図5b)、電気活性ポリマースイッチ(図5c)、または音響定常波(図示せず)がある。モータスイッチは、小型モータによって所定距離だけ駆動する小型ピストンを有する。ピストンは、モータに流れる電流に応じてスイッチを、一束のワイヤに亘って上下に動かす。モータスイッチを実装するのに用いられるモータの例としては、SQUIGGLE(登録商標)モータがある。
【0036】
圧電スイッチは、電荷を加えることによって、特定の方向に変形する圧電セラミック材料でできている。いくつかの実施形態では、圧電スイッチは、圧電物質の変位を大きくする油圧装置と結合している。
【0037】
電気活性ポリマーは、電荷または電場を加えることによって、ある方向に変形するポリマーである。電気活性ポリマーは一般的に、圧電スイッチよりも大きく変形するので、スイッチ高さの変形範囲をさらに大きくしたい実装体内に用いることができる。電気活性ポリマーを利用するいくつかの実施形態では、スイッチの各々は、スイッチの各々を形作る分離型電気活性ポリマーである。他の実施形態では、スイッチ配列は、単一の電気活性ポリマー配列からなっており、前記した電気活性ポリマー配列の1つ1つの領域が個別に作動することで、1つ1つのスイッチとして振る舞うことができる。
【0038】
表面弾性波は、可変形パッド210の表面を実際に変形することなく、人間の触覚で感知できる物理的表面形状を再現する。例えば、表面弾性波を用いて、人が木または金属を触れたときに感じる感触を再現することができる。スイッチの表面上の表面弾性波を用いて実装されたスイッチは、前記した他の種類のスイッチが要求するような高さの変更を行わない。むしろ、表面弾性波方式のスイッチは、ユーザインターフェイスのレイアウトに応じて可変形パッドの複数の部分の表面形状を変える。
これらの実施形態では、代わりにスイッチ配列が、可変形パッド210の表面を構成している。可変形パッド210は、個々のスイッチを上げたり下げたりするということではなく、可変形パッド210の表面を、ユーザインターフェイス内の複数の異なるボタンおよびコントローラの表面形状を表現する複数の異なる表面弾性波で構成する。例えば、表面の一部を粗くし、残りを滑らかにすることにより、表面弾性波は、ユーザインターフェイスを再現することができる。
【0039】
他の実施形態では、形状記憶合金または液晶エラストマーからスイッチを構成することができる。これらの技術の各々に関するより詳細な説明は、米国特許第5,410,290号“形状記憶合金およびスイッチ”(チョ 著)と、米国特許第7,116,857号“レーザーまたは光可動液晶を用いる光学機械スイッチ”(ファリス 著)と、に(それぞれ)記載または図示されている。上記の文献のすべては、参照することにより、本明細書に組み込まれる。
【0040】
一実施形態では、車両内において、可変形パッド210を、遠隔タッチ画面(図示せず)に置き換える。前記した遠隔タッチ画面は、強調表示入力情報および選択入力情報を受信することはできるが、ユーザインターフェイスのレイアウトを再現するために変形することはない。この実施形態では、受信した強調表示入力情報は、表示部220上に視覚的なフィードバックをもたらすのであって可変形パッド210がもたらすような触覚的なフィードバックをもたらすわけではない。遠隔タッチ画面は、強調表示入力情報および選択入力情報をユーザから受信すると、前記した入力情報をシステムの残りの構成要素に送信し、本明細書で述べたユーザインターフェイスおよび/または自動車特徴コントローラを調整する。
【0041】
図6は、本発明の一実施形態に係る可変形パッドが、表示部に表示されたユーザインターフェイスのレイアウトとどのように一致するかを説明する図である。図6の実施例において、ユーザインターフェイスは、表示部620の左側の大部分を覆う。可変形パッド650は、ユーザインターフェイスの表示レイアウトと一致する。可変形パッド650は、表示部のすべて、または表示部のうち自動車特徴用のコントローラまたは設定情報が表示される部分だけを再現することができる。
【0042】
図6の例では、表示部の一部は、ユーザインターフェイスの簡易ナビゲーションを手助けするナビゲーションボタン630を有する。いくつかの実施形態では、前記したナビゲーションボタン630は、可変形パッド650上のナビゲーションボタン640として再現されるが、前記ナビゲーションボタン640は、あたかも任意のもう一方のボタンまたはコントローラであるかのようである。
他の実施形態では、ナビゲーションボタン640は可変形パッド650とは独立した、ユーザ用の固定式の案内手段としての役割を果たし、ユーザインターフェイスのナビゲーションの支援を行う。このような実施形態では、ナビゲーションボタン640は、可変形パッド650の一部を構成しない、別体の複数のスイッチでできている。ナビゲーションボタン640には、自身の機能を表示する所定のテキストが記載されている。例えば、前記したボタンには、“メニュー1”、“メニュー2”、“電話”、“メニュー3”が記載されており、自身の機能をより明らかに説明することができる。
【0043】
ユーザからの強調表示入力情報660は、可変形パッド650上に表示される。図6は、強調表示入力情報660に応じて、表示部620上にある“電話番号”ボタン670をどのようにして強調表示し、ユーザが現在どのボタンに触れているかを通知する通知手段をユーザに提供する様子を説明している。ユーザは、見ないで可変形パッド650を操作することができるが、表示部620を一瞥することで、ユーザの手が可変形パッド650上のどこにあるか、という視覚的な確認を行う必要はある。強調表示入力情報660と、ユーザインターフェイス670上の強調表示とを一致させることによって、ユーザにフィードバックを与え、見ないで可変形パッドを使用することをより上手に身につけることができる。
【0044】
ユーザインターフェイスの強調表示は、ユーザインターフェイスが実行する機能であり、または表示部が実行する機能であることに留意されたい。強調表示によって、ユーザインターフェイスの特定の部分の輝度を変えることができる。また強調表示によって、ユーザインターフェイスの強調表示すべき部分の色を変えることができる。例えば、あるボタンを強調表示する場合、そのボタンの色および/または輝度を変えればよい。さらに、いくつかの実施形態では、強調表示されたボタンの周辺領域も同様にして色または輝度を変えてもよい。
【0045】
図7は、本発明の一実施形態に係る可変形パッドにて受信した入力情報にユーザインターフェイスが一致するように変更する可変形パッドおよび表示部とやり取りするユーザの使用例を説明する図である。図7では、可変形パッド710およびユーザインターフェイス720を操作して電話機能を利用する。
【0046】
前記した使用例ではまず、可変形パッド710およびユーザインターフェイス720を初期化して、お互いに一致させる(図7の(a)参照)。この使用例では、初期化の後、ユーザは元々、ユーザインターフェイス720にてカーステレオの画面を表示していたとする。可変形パッド710は、“電話”ボタン730上で強調表示入力情報を受信する。この例では、“電話”ボタンは、ユーザインターフェイス720の一部であり、また可変形パッド710の一部でもある。ユーザインターフェイス720の“電話”ボタン740に相当する部分は、可変形パッド710に強調表示入力情報730が入力されると強調表示される。
“電話”ボタン上で選択入力情報を受信すると、その受信に応じてユーザインターフェイス720は、ユーザインターフェイス722に切り替わる(図7の(b)参照)。“電話”ボタン740に相当する可変形パッド730の部分にて、ユーザからの選択入力情報を受信したので、ユーザインターフェイス722では、電話関連オプションが表示される。可変形パッド710は、可変形パッド710のボタンのレイアウト712を再構成し、ユーザインターフェイス722と一致する。
【0047】
ユーザインターフェイス722上の“電話番号”オプション760に一致するボタンを強調表示する強調表示入力情報750をユーザから受信する。その後、選択入力情報を受信すると、その受信に応じて、表示部720は再び、ユーザインターフェイス724に切り替える(図7の(c)参照)。ここで、ユーザインターフェイス724は、電話番号インターフェイスを表示する。可変形パッド710は再び、ユーザインターフェイス724に基づいて可変形パッド710のボタンのレイアウト714を再構成する。ユーザインターフェイス724上の“4”オプション780に相当するボタンを強調表示する強調表示入力情報770をユーザから受信する。
【0048】
この例では、4”の前に“800 227 45”といった選択入力情報を含んだ、すでにいくつかの番号が入力されている。このことは、ユーザインターフェイスのレイアウトを変更せず、代わりに自動車特徴の設定情報を変更する選択入力情報があるということを説明するよい例である。このような場合には、電話番号を入力すると、接続されている電話機を、入力された電話番号で呼び出すことになる。ユーザインターフェイスのレイアウトが選択入力情報に応じて変更するか否かは、前記した設定情報が変更される自動車特徴次第である。
【0049】
図8は、本発明の他の実施形態を説明する図であって、可変形パッドが自動車のハンドル上に配置されており、表示部がヘッドアップディスプレイ上、または従来の計器群の近くにあるハンドルのすぐ背後の空間内に配置されている様子を示す図である。一実施形態では、表示部は、車両のフロントガラス上に見えるヘッドアップディスプレイである。
【0050】
本実施形態では、ハンドル830は、ハンドル830内に組み込まれた可変形パッド810を備える。可変形パッド810は、ハンドルの表面上であればどこにでも導入することができる。表示部820は、自動車のフロントガラス上に投影された、または組み込まれたヘッドアップディスプレイとすることができる。代わりに、表示部820は、ハンドルのすぐ裏側の空間内に配置することができる。
いくつかの実施形態では、表示部820は、走行距離計または速度計などの計器からの情報を有するより大型の表示部の一部となるであろう。他の実施形態では、表示部820は、これら計器の近くに、または中央コンソールの表示部220内に配置されるであろう。
【0051】
図9は、本発明のさらに他の実施形態を説明する図であって、可変形パッドが複数の所定の“部分”型スイッチ910(910a〜cの総称)から構成されている様子を示す図である。本実施形態では、可変形パッドは、より数を少なくした大型の複数のスイッチから作り出されている。可変形パッドを構成する複数の大型の切片を覆う部分スイッチ910の各々は、ユーザインターフェイスから提供される単一の機能または一機能の一部に対応しており、前記した機能が使用されているときはいつでも上下に変位する。本実施形態のスイッチは、“部分”スイッチ910と称する。なぜならば、スイッチの各々の形状を、当該スイッチに対応しており、ユーザインターフェイスから提供される機能に合わせて変えることで、可変形パッドの総コストを下げたり、または可変形パッドの全体的な複雑さを緩和させたりできるからである。
例えば、ユーザインターフェイスが、1つの特定の自動車特徴につき、その特徴に対応する1つの楕円形状のボタンを表示する場合、前記した特徴に相当する可変形パッド上の3つのスイッチ910bを一緒に上下に変位させることで、ユーザインターフェイスのボタンの楕円形状を再現させればよい。
ユーザインターフェイス次第では、すべてのスイッチは、特定の機能に対応しているが、可変形パッドにおいて、前記した特定の機能に何ら対応していないスイッチが占める複数の部分(領域)が存在する場合があってもよい。前記した領域内では、プラスチックなどの平らな表面を持つ材料を用いることで、立ち上がったスイッチとの差異を際立たせる。したがって、本実施形態では、可変形パッドは、同一形状の複数のスイッチからなる一様な配列とするのではなくむしろ、可変形パッドの表面を覆う面積が異なっている複数の部分スイッチ910の寄せ集めとなる。
【0052】
図10は、本発明の一実施形態に係る可変形パッドが入力情報をどのように受信して自動車特徴を調整するか、そして表示部がユーザインターフェイスをどのように調整して可変形パッドの状態と一致するか、を説明するフローチャートである。
【0053】
本処理では、はじめに、表示部の状態と、可変形パッドの状態とを初期化し、同期させる(ステップ1000)。これにより、表示部に表示されたユーザインターフェイスは、可変形パッドのスイッチの高さと一致する。
可変形パッドは、強調表示入力情報を受信する(ステップ1010)。強調表示入力情報は、表示部に送信される。
ユーザインターフェイスは、強調表示入力情報に対応するユーザインターフェイスの部分を強調表示して調整される(ステップ1020)。
可変形パッドは、前記したユーザインターフェイスまたはある自動車特徴の設定情報に関するユーザの選択に一致する選択入力情報を受信する(ステップ1030)。選択入力情報は、表示部に送信される。
ユーザインターフェイスは、選択入力情報に基づいて更新される(ステップ1040)。
その後、可変形パッドは、更新されたユーザインターフェイスに基づいて再構成される(ステップ1050)。さらに、もし、選択入力情報がある自動車特徴の設定情報の変更を示す情報である場合には、ECUは、前記した選択入力情報に応じて、設定情報が変更される特別な自動車特徴を調整する。
【0054】
(さらなる考察)
本発明の実施形態を実行する車両は、少なくとも1つの計算ユニットを含む。前記した計算ユニットとは、例えば、プロセッサの実行により、本明細書で説明されたさまざまな機能を実現するコンピュータプログラムの命令文を記憶することができるストレージおよび/またはメモリを有するプロセッサである。前記したプロセッサは、電子制御ユニット(ECU)の一部とすることができる。
【0055】
本明細書において、“一実施形態”又は“ある実施形態”と言う場合は、本発明の少なくとも1つの実施形態に、その実施形態に関連して記述される1つの特徴又は構造が含まれていることを意味する。本明細書のあちこちに“ある実施形態では”という語が出現しても、必ずしも同一の実施形態を指しているわけではない。
【0056】
後記する詳細説明のいくつかの部分は、アルゴリズム用語や、コンピュータメモリ内のデータビット作業を示す象徴的な表現による。これらのアルゴリズム的な説明や表現は、情報処理分野の当業者が、自らの業績の要旨を、同分野の他の当業者に最も効率的に伝えるために用いる手段である。アルゴリズムとは、ここでは、そして一般的にも、ある所望の結果に至る複数のステップ(命令)の首尾一貫したシーケンスのことを言う。ステップとは、物理量に対する物理的操作を要求するステップのことである。通常、必ずしも必要条件ではないが、それらの数値は、記憶され、送信され、合成され、比較されかつ操作され得る、電子的、磁気的又は光学的信号の形を取る。これらの信号のことを、ビット、値、要素、シンボル、文字、語又は番号等と呼ぶことが主として用語の共通化の理由から便宜である。さらに、物理量に対する物理的操作または物理的変形、または物理量に対する表現を要求するステップの配列のうちいくつかのものは、一般性を失うことなく、モジュール又はコードデバイスと呼ぶことが便宜である。
【0057】
しかしながら、このような用語の全ては適当な物理量と関連付けられており、これらの物理量に付された単なる便宜的なラベルに過ぎない。後記において特段の説明がない限り、明細書本文全体を通じて、“処理”、“計算”、“算出”、“決定”又は“表示”等の用語を用いた説明は、(電子的な)物理量としてのデータを、コンピュータシステムのメモリ、レジスタ又は他の情報ストレージのなかで操作しかつ変形するコンピュータシステムや同様の電子的コンピューティングデバイス(例えば、特定の計算機)の動作や処理のことを言う。
【0058】
いくつかの側面は、アルゴリズムの形になったプロセスステップや命令を含む。プロセスステップや命令は、ソフトウエア、ファームウエア又はハードウエアによって実装され、ソフトウエアで実施される場合は、ダウンロードされることが可能であり、多様なオペレーティングシステムが用いる別のプラットフォームから操作されることも可能であることに留意されたい。ある実施形態はまた、コンピュータシステム上で実行可能なコンピュータプログラム製品内にあってもよい。
【0059】
ある実施形態は、操作を実行する装置にも関する。この装置は、例えば、車両内の特定のコンピュータなどの、所与の目的を達成する専用装置であってもよいし、車両内に配置可能なコンピュータに記憶されたコンピュータプログラムによって動作する汎用コンピュータであってもよい。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータが読取り可能な媒体に記憶され得る。その媒体とは、コンピュータシステムバスに接続可能な、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、CD−ROM、電磁光学的ディスク、ROM、RAM、EPROM、EEPROM、電磁的又は光学的カード、ASIC又は電子的命令を記憶し得るあらゆる媒体を含むが、これらに限定されない。さらに、本明細書で言うコンピュータは、単体のプロセッサを含んでもよいし、コンピュータ能力を増加させるために複数のプロセッサを用いた装置であってもよい。
【0060】
ここでいうアルゴリズムやディスプレイは、もともと特定のコンピュータや他の装置に関係している訳ではない。ここで教示される内容に従って、プログラムとともに多様な一般目的システムが使用され得る。又は、必要とされる方法ステップを実行するためにさらに特化した装置を作成することも便宜である。これらのシステムのそれぞれについてどのような構成が必要となるかは、後記する明細書本文から明らかになる。さらには、ある実施形態は特定のプログラム言語を参照して記載されるものではない。本発明の教示を実施するために、多様なプログラム言語が使用され得る。後記において特定の言語に言及した場合、それは実施可能性及びベストモードを開示するためである。
【0061】
さらに、本明細書で使用される言語は、主として意味の取りやすさ及び教示目的から選択されているのであって、本発明の主旨を限定するために選択されているのではない。従って、本発明の開示内容は、特許請求の範囲にて記述されている本実施形態の範囲を例示するものであるが限定するものではない。
【0062】
本明細書には、特定の実施形態および応用例が説明および記載されている。しかしその一方で、前記した実施形態は、本明細書に開示された精密な製品、部品、およびそれらのさまざまな修正品、変更品に限定されることはないことと、本実施形態の精神および範囲から逸脱することなく、設定、演算、そして方法および装置の詳細を変更できること、が理解されるであろう。
【符号の説明】
【0063】
210 可変形パッド
220 表示部
300 触覚制御システム
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、2009年12月18日に出願された米国仮出願第61/288,203号を基礎として優先権を主張するものであり、基礎となるこの出願の内容の全体は、参照することにより本明細書中に組み込まれている。
【0002】
(発明の技術分野)
本明細書に記載された実施形態は、車両インターフェイスの技術分野に関し、より具体的には、車両内の動的入力インターフェイスに関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
自動車などの現代の車両には、多数の特徴(車両特徴。「自動車特徴」と称する場合もある。)が組み込まれており、運転手または同乗者は、前記した特徴を利用する。前記した特徴の各々には、ユーザが操作して前記特徴を調整するためのノブ、ボタン、またはダイアルが対応している。例えば、現代のカーステレオには、AM/FMラジオの操作用の多数の異なるボタンが備わっている。前記したボタンには、音量を制御するためのダイアルと、ラジオのチャンネルを切り替えるためのスキャン機能およびシーク機能用のものと、好みのラジオ局を探すための選局用プリセットボタン、が含まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、現代の自動車のなかには、複数の自動車特徴に対応する多数のコントローラに代わって、タッチセンサ式の表示装置を組み込んだものがある。しかしながら、タッチセンサ式の表示装置は、ユーザに対して物理的なフィードバックを与えることはない。結果として、ユーザは、適切なタッチ入力情報が受信されることを確実にするために、表示装置を見なければならない。したがって、自動車に搭載された多くの異なるコントローラを操作することの複雑さに対処しないといけなかった代わりに、運転手は、自動車特徴を制御するために、定期的に道路から目を逸らさなければならない、という必要性に対処しないといけない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の要約)
本発明の一実施形態は、ユーザが自動車特徴を制御できるようにする可変形パッドおよび表示装置を備える。前記表示装置は、自動車内に組み込まれた特徴の各々に対応するさまざまなコントローラのレイアウトを有するユーザインターフェイスを表示する。可変形パッドは、選択入力情報を受信すること、一般的にはスイッチを押すことによって、表示装置に表示されたユーザインターフェイスの自動車特徴コントローラ(車両特徴コントローラ。単に、「コントローラ」と称する場合もある。)のレイアウトと一致するように多数の独立したスイッチの感触を調整する。スイッチの各々を押すことによって実行される機能は、表示されたユーザインターフェイスに基づく。表示装置は、選択入力情報を用いて、前記した入力情報に適切に基づくユーザインターフェイスおよび可変形パッドのレイアウトを更新し、ユーザインターフェイスの該当部分に対応する自動車特徴を調整する。
【0006】
可変形パッドのスイッチはさらに、ユーザからの強調表示入力情報を受信する。前記強調表示入力情報を入力するときの押圧は概ね、可変形パッドのどのスイッチであっても作動させるには不十分となる程度のものである。強調表示入力情報を用いて、ユーザが触れるスイッチ、または前記スイッチの近傍に相当するユーザインターフェイスの部分を強調表示する。
【0007】
本発明の一実施形態の利点は、多くの自動車内に存在する複数の異なるコントローラからなる配列を非常に大きくしないといけない、という必要性を無くすことができることである。むしろ、可変形パッドと表示部とを組み合わせることで、自動車特徴を制御するシステムを、空間を有効に使い、かつ、直感的に理解できるシステムとすることができる。可変形パッドおよび表示部は、構造上は何ら変化させること無く、現在表示されている、または画面が遷移するにつれて表示されることになる任意の種類の自動車特徴に対応することができる。
【0008】
他の利点としては、可変形パッドおよび表示部の位置を最適化できることである。可変形パッドは、中央コンソール内、またはその他の人間工学的に好都合な領域内に配置することができる。その一方、表示部は、運転時の運転手の視線により近づけて配置することができる。さらに、可変形パッドおよび表示部は、ユーザが自動車特徴を制御できるようにしつつも可変形パッドを見る必要性を最小限に留めるように設計される。ユーザインターフェイスのレイアウトと合致するように可変形パッドを物理的に変形させた結果、ユーザは、ユーザインターフェイスを単に見るだけということでなく、触って制御することができる。よって、運転手は、道路上を注視し続けながらも、自動車特徴を制御できる。
【0009】
本明細書に記載された特徴および効果は包括的ではない。具体的には、図面および明細書を考慮すれば、一当業者にとっては多くの他の特徴および効果があることは明らかである。さらに、明細書に用いられる言語は、主に読み易さおよび教育上の目的から選択されたのであり、発明特定事項を詳しく説明するために、または制限するために選択されたわけではない、ということに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
(図面の簡単な説明)
【図1】一般的な自動車内装を運転手側から視たときの図であって、多くの自動車の中央コンソールおよびハンドルの一面に広がる自動車特徴用のさまざまなコントローラを説明する図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る触覚制御用可変形パッドおよび表示部を備える自動車内装を運転手側から視たときの図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る自動車特徴の触覚制御システムのシステム概略図である。
【図4a】本発明の一実施形態に係る可変形パッドを説明する図である。
【図4b】スイッチがいくつかの異なる高さに位置する可変形パッドのスイッチ配列の側面図である。
【図5a】本発明の一実施形態に係る可変形パッドの1個のスイッチ(またはセル)に関する図である。
【図5b】本発明の一実施形態に係る可変形パッドの1個のスイッチ(またはセル)に関する図である。
【図5c】本発明の一実施形態に係る可変形パッドの1個のスイッチ(またはセル)に関する図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る可変形パッドのレイアウトが、表示部に表示されたユーザインターフェイスとどのように一致するかを説明する図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る可変形パッドにて受信した入力情報にユーザインターフェイスが一致するように変更する可変形パッドおよび表示部とやり取りするユーザの使用例を説明する図である。
【図8】本発明の他の実施形態を説明する図であって、可変形パッドが自動車のハンドル上に配置されており、表示部がヘッドアップディスプレイ上、または従来の計器群の近くにあるハンドルのすぐ背後の空間内に配置されている様子を示す図である。
【図9】本発明のさらに他の実施形態を説明する図であって、可変形パッドが複数の所定の部分スイッチから構成されている様子を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る可変形パッドが入力情報を受信して自動車特徴を調整すること、および表示部がユーザインターフェイスを調整して前記受信した入力情報に一致することを説明するフローチャートである。
【0011】
前記した図面は、説明だけのためにさまざまな実施形態を描写している。一当業者であれば、本明細書で説明される構造および方法に関する他の実施形態を、本明細書で説明される実施形態の原理から逸脱することなく採用できることを、以下の説明から容易に理解するであろう。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(発明の詳細な説明)
図1は、一般的な自動車内装を運転手側から視たときの図であって、多くの自動車の中央コンソールおよびハンドルの一面に広がる自動車特徴用のさまざまなコントローラを説明する図である。自動車内装は、運転手の手の届く範囲内に自動車特徴の各々のコントローラを配置するように設計されており、その結果、運転手は、運転中であっても同乗者の支援を受けることなくコントローラを操作できる。こうした要求を満たそうとする結果、コントローラを配置し、運転手が容易に操ることができる空間が制限される。
運転手または同乗者が制御することを望む自動車特徴の例としては、特に、カーステレオ、ナビゲーションシステム、温度調節、車ドアロック、後部座席にあるDVDプレーヤー、空調、クルーズ制御、自動駐車支援、暖房座席、サンルーフ、路上支援、スマートフォンとの相互運用、ソーシャルネットワーキング機能、または非純正品ソフトウェアアプリケーション(または“アプリ”)がある。自動車特徴を制御している間に運転手が道路を見ない時間を短くすることが好ましい。
【0013】
図2は、本発明の一実施形態に係る触覚制御用可変形パッドおよび表示部を備える自動車内装を運転手側から視たときの図である。図1とは対照的に、コントローラの多くは、可変形パッド210に置き換わっている。
【0014】
可変形パッド210は、自動車特徴を制御するのに必要となるユーザ入力情報のすべてまたは大部分を受信する。複数の自動車特徴に対応する別々のコントローラを可変形パッド210に置き換えているので、可変形パッド210は、運転手の手の届く好都合な範囲内の任意の場所に配置することができる。図2は、可変形パッド210がシフトレバー230の自動車のすぐ後方側に配置されている様子を示すが、このような配置は一例にすぎない。
他の例では、可変形パッド210は、表示部220の下方にある中央スタック(そうでなければ、中央コンソールと称される)の立ち上がり部分上に配置することができる。可変形パッド210はまた、表示部220の上方に配置することもできる。可変形パッド210は、表示部220に電気的に接続される。可変形パッド210は、受信したユーザ入力情報を表示部220に送信する。いくつかの実施形態では、可変形パッド210にて受信したユーザ入力情報は、電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)(図示せず)に送信され、それから、ECUがユーザ入力情報を表示部220に送信する。
【0015】
表示部220は、さまざまな自動車特徴の動作状況を変更するようにユーザが調整できる複数のコントローラからなる1つのレイアウトを有するユーザインターフェイスを表示する。表示部220は、可変形パッド210から受信したユーザ入力情報に応じてユーザインターフェイスのレイアウトを調整する。いくつかの実施形態では、表示部220はまた、受信したユーザ入力情報に応じて自動車特徴の作用も調整する。他の実施形態では、ECUが自動車特徴の調整を担当する。
【0016】
可変形パッド210を作り上げるスイッチ配列の物理的形状が、表示部220上のユーザインターフェイスの一部として表示されている自動車特徴コントローラのレイアウトに合致するように、可変形パッド210および表示部220は、互いに一致するように構成され、例えば同期している。可変形パッド210にてユーザから入力情報を受信すると、表示部220は、調整し、例えば再構成または再同期され、前記した入力情報に基づいてユーザインターフェイスのレイアウトを変更する。可変形パッド210は、表示部220の前記した調整に応答し、表示部220上に表示されるユーザインターフェイスの更新内容に一致するように調整される(または“変形する”)。一実施形態では、可変形パッド210および表示部220は、単一の装置内に配列される。
【0017】
図3は、本発明の一実施形態に係る自動車特徴を制御する触覚制御システムのシステム概略図である。触覚制御システム300は、可変形パッド210と、表示部220と、記憶部350と、ECU340と、を備える。一実施形態では、触覚制御システム300の構成要素は、1台の車両を駆け巡る配線または電気回路によって電気的に接続される。
【0018】
記憶部350は、自動車特徴に関する情報を記憶する。前記した情報は、自動車特徴の各々のための設定情報を含む。例えば、自動車の温度制御については、空調、自動車内への空気流入、または自動車の暖房などのさまざまな機構によって、自動車が自動車内装の内部で調整可能な温度範囲が設定情報として含まれる。このような例では、記憶部350は、自動車が自動車内装用に作り出すことのできる温度範囲を記憶する。ユーザからの入力情報は、どのくらいの内部温度になったら温度制御の設定を行うかを決定するのに用いられる。
【0019】
さらに記憶部350は、自動車特徴用のユーザインターフェイスのさまざまなレイアウトを記憶する。記憶部に記憶されているユーザインターフェイスの要素としては、ユーザインターフェイスの画像と、ユーザインターフェイスのボタンのサイズ、形状およびレイアウトと、ユーザインターフェイスの強調表示情報と、を含む。
さらに記憶部350は、ユーザインターフェイスの要素間の関連付け情報を記憶している。そのため、可変形パッド210がユーザから入力情報を受信するときはいつでも、現在表示中のユーザインターフェイスは、受信した入力情報に応じた関連のあるレイアウトに適切に更新される。記憶部は、コンピュータ読み取り可能記憶媒体としてよいが、コンピュータ読み取り可能記憶媒体のいろいろな実施態様についての例は、後記する。
【0020】
一実施形態では、ユーザは、自動車特徴コントローラとなるユーザインターフェイスの要素の外観または調整方法を修正またはカスタマイズすることができる。前記したカスタマイズは、自動車特徴コントローラに関するユーザインターフェイスのレイアウトの外観を単に変えるだけでもよいし、またはユーザによる自動車特徴コントローラの調整方法を変更してもよい。
例えば、垂直方向に延びる形状を呈する音量ボタンを、円形つまみの形状を呈する音量ボタンに変えるように外観を変更して、カーステレオ音量に関する特徴を変えることができる。他の例では、連続的に変えることができる音量の範囲を、複数の離散的な音量レベルしかとれないように調整方法を変更して、カーステレオ音量に関する特徴を変えることができる。
【0021】
ECU340は、受信したユーザ入力情報に応じて自動車特徴を調整する。ECU340は、ユーザ入力情報を、自動車特徴について行う調整に関する処理に変換する。例えば、ユーザ入力情報が、自動車内装の温度を上げることを指示する情報である場合、ECU340は、自動車の他の従属構成要素(図示せず)と通信し、自動車特徴の調整に関する処理を実行する。
いくつかの実施形態では、ECU340はさらに、可変形パッド210および表示部220と通信し、ユーザ入力情報を受信した後の一致状態を維持することを確実にする。他の実施形態では、ECUの代わりに、表示部220がこれらの役割を果たす。
【0022】
一実施形態では、触覚制御システム300は、外部サーバ370によって外部から制御される。この実施形態では、外部サーバ370は、前記したECU340および記憶部350に事実上取って代わって、ECU340および記憶部350の役割を果たす。触覚制御システム300は、制御部350および車両テレマティックスユニット360を介して外部サーバ370と通信する。車両テレマティックスユニット360は、例えば、ショートメッセージサービス(SMS)、無線通信、他の無線通信規格を含むいくつもの通信プロトコルによって外部サーバ370と通信することができる。
【0023】
図4(図4aおよび図4bの総称)は、本発明の一実施形態に係る可変形パッドのいくつかの説明図を含む。可変形パッド210は、それぞれのスイッチの高さを独立して変えることができるスイッチ配列を備える。互いに独立したスイッチの高さを調整することによって、可変形パッド210は、ユーザインターフェイスに表示されている自動車特徴コントローラの輪郭を模倣できる。
結果として、ユーザは、可変形パッド210を触った感覚によってユーザインターフェイスと情報のやり取りを行うことができる。ユーザは、表示部220を見てどの特徴を調整するかを決定するために表示部220を見ることはできるけれども、最終的には、ユーザは、自動車特徴を制御するために、可変形パッド210のみを(つまり、見ないで)使用することができるようになる。
【0024】
可変形パッド210は、ユーザインターフェイスを表現するレイアウト情報を受信する。可変形パッド210のスイッチを多くのさまざまな高さの位置に変化させることでユーザインターフェイスのレイアウトを正確に再現することができる。
図4aは、車両の電源を入れる前、または表示部220上のユーザインターフェイスを作動する前となる標準状態にある可変形パッド210を図示している。図4aはまた、変形/駆動状態を図示している。前記した変形/駆動状態では、ユーザインターフェイスの物理的表現を作り出すために可変形パッド210の物理的構造を再形成することによって、可変形パッド210は、表示中のユーザインターフェイスと一致している。
【0025】
図4bは、スイッチがいくつかの異なる高さに位置する可変形パッド210のスイッチ配列の側面図である。配列されたスイッチの高さが異なることは、ユーザが触覚によって識別できる物理的輪郭をもたらす。例えば、1個の高い位置にあるスイッチ、または(スイッチ密度に依存している)連続して複数の高い位置にあるスイッチは、ユーザインターフェイス上の1つのボタンを意味する。
高い位置にあるスイッチの物理的パターンを検出することによって、そして前記したスイッチのレイアウトに対応するユーザインターフェイスを記憶することによって、ユーザは、どのスイッチまたは連続した複数のスイッチを押して、ユーザインターフェイスの所望の部分を作動させるかを、触覚によって決定することができる。図4bはまた、スイッチの各々の上部が、ユーザからの強調表示入力情報を受信するための表面を構成することを図示する。
【0026】
前記したスイッチ配列の形状を可変にすることができる。図4aに図示した実施例では、スイッチ配列のレイアウトは、5×6の計30個のスイッチからなる正方格子である。しかしながら、可変形パッド210は、前記したレイアウトに限定されない。
他の実施形態では、前記したスイッチ配列は、矩形、円形、または他の多角形の形状に配置することができる。可変形パッド210のレイアウトは、さまざまな形態をとる表示部220およびユーザインターフェイスとともに用いることができるほどに可変的である。
【0027】
前記したスイッチ配列の密度を可変にすることができる。図4aに図示した実施例では、スイッチ配列は、計30個のスイッチからなる5×6の配列である。他の実施形態では、スイッチ配列は、何百もの、さらには何千ものスイッチを有してもよい。可変形パッド210のスイッチの合計数が数千の単位に及ぶ実施形態では、スイッチの各々は極端に小さくなる。例えば、そのような実施形態では、スイッチの各々は、縦1ミリ×横1ミリである。配列内に存在するスイッチが多いほど、可変形パッド210によるユーザインターフェイスの再現性がよりきめ細かくなるであろう。
【0028】
ユーザインターフェイスのボタンを再現する複数のスイッチのうち任意の1つを押すことにより、ユーザ入力情報を受信する。いくつかの実施形態では、複数のスイッチが単一のボタンを形成するように調整される場合、ユーザ入力情報の入力によって、前記した複数のスイッチの各々のうちいずれかのスイッチに圧力をかけると、前記した複数のスイッチのすべてが一様に反応するように、可変形パッド210はさらに、前記した複数のスイッチの各々の間に支援装置を備える。多数のスイッチを同じ機能に対応させることは、1つのスイッチまたは連続した複数のスイッチ上で、ユーザがマルチタッチ動作をとることができることにおいて役に立つ。
例えば、動作には、コンパクトディスク(CD:Compact Disc)のトラックを変更することを意味する、手または指の水平方向の滑らせ動作、および音量を変更することを意味する垂直方向の滑らせ動作、などが含まれる。一実施例では、多数のスイッチがドーナツ型の形状となるようにわずかに立ち上がり、IPOD(登録商標)型の装置、または有線または無線で車両に接続される他の非純正品が有するトラックホイールを再現する。
【0029】
図5(図5a、図5b、図5cの総称)は、本発明の一実施形態に係る可変形パッドの1個のスイッチに関するいくつかの説明図を含む。スイッチの幅は可変にすることができ、実施形態によって、可変の高さまたは可変の表面形状を実現することができる。一実施形態では、スイッチの各々は、スイッチの上面付近に強調表示用の感知部を有する。したがって、スイッチの各々は、2種類の入力情報、つまり強調表示入力情報と選択入力情報とを受信することができる。
【0030】
選択入力情報は、ユーザインターフェイス上に表示されている項目の選択を示し、ユーザから受信した触覚入力情報を意味する。可変形パッド210のスイッチの各々は、スイッチを作動させる前提条件として、最小限の入力用押圧力を要求するように設計される。物理的圧力に対するスイッチの抵抗力は、前記した入力用押圧力の大きさに合わせてあり、その結果、スイッチが入力用押圧力の必要量を受ければ、選択入力情報を受信することなる。選択入力情報は、作動するための最小限の力を要求することで、とりわけ見ないで使用している最中におけるユーザによる誤作動を防ぐことができる。
いくつかの実施形態では、圧力を加えたことによる、その後のスイッチの押下、つまり“凹み”は、触覚的フィードバックをユーザに与える。つまり、スイッチが作動したという物理的なフィードバックをユーザに提供する。可変形パッド210のスイッチは、選択入力情報を受信すると、ユーザインターフェイス上に表示されるボタンまたはコントローラを作動するように設計される。例えば、選択入力情報は、ステレオの状態を変更でき、またはユーザインターフェイス内部のメニューを選択してより詳細なコントローラの設定情報にアクセスできる。
【0031】
いくつかの実施形態では、スイッチの下にあり、またはスイッチを支持する装置は、選択入力情報を受信するのであって、スイッチ自身を受け止めるわけではない。このような支持装置は、力検知の装置または表面とすることができる。前記した装置または表面は、多数のスイッチから選択入力情報を検出し、選択入力情報を受信したスイッチがどれであるかを決定することができる。
【0032】
一方、強調表示入力情報は、表示部220上のユーザインターフェイスを強調表示するために用いられ、ユーザが、可変形パッド210の上方にある指の位置と、ユーザインターフェイス上のコントローラとを対応させるための案内手段としての役割を果たす。一実施形態では、スイッチの強調表示用の感知部は、タッチセンサ式とすることができる。スイッチの上部は、数多くある既存の装置のうちの任意の一つを用いたタッチセンサ式とすることができる。
スイッチ上に実装される従来のタッチセンサ式の技術の例としては、抵抗膜方式、表面弾性波(SAW:Surface Acoustic Wave)方式、静電容量方式、赤外線方式、歪ゲージ方式、光画像方式、分散信号方式、または音響波照合(APR:Acoustic Pulse Recognition)方式がある。これらの技術の各々に関するより詳細な説明は、米国特許第7,250,940号“タッチ画面装置およびそれによる方法”(ジャヤネッティなど 著)と、米国特許第5,723,934号“表面弾性波方式の位置検出装置”(トダ 著)と、米国特許第4,136,291号“動的バイアスを有する静電容量方式のタッチパッド装置”(ウォルドロン 著)と、米国特許第5,162,783号“ビデオモニター用赤外線方式のタッチ画面装置”(モレノ 著)と、米国特許第5,241,308号“圧力式のタッチパネル”(ヤング 著)と、米国特許出願2008/0084539号“ヒューマン・マシン・インターフェース装置および方法”(ダニエル 著)と、米国特許第7,315,300号“インパルス再構成を用いたタッチセンサ式装置”(ヒルなど 著)と、米国特許第7,265,746号“音響波方式のタッチ検出回路および方法”(ノールズなど 著)と、に(それぞれ)記載または図示されている。上記の文献のすべては、参照することにより、本明細書に組み込まれる。
【0033】
いくつかの実施形態では、強調表示入力情報は、必ずしも物理的接触によって入力されなくともよく、むしろ、ユーザの指または他のポインティングデバイスなどの対象物がスイッチに十分近くにあることを検出すれば入力される。一実施形態では、強調表示入力情報は、光学的に感知される。この場合、前記した対象物は、スイッチに触れていてもよいが、単にスイッチに近づくだけでよい。他の実施形態では、前記した抵抗膜方式、表面弾性波方式、静電容量方式、赤外線方式、歪ゲージ方式、光画像方式、分散信号方式、または音響波照合方式などの他のセンサ技術を用いて、対象物がスイッチに近づいたことで強調表示入力情報を検出することができる。
【0034】
前記したスイッチは、いくつかの異なる技術を用いて構成することができる。図5には、前記した技術のいくつかについての図が示されている。スイッチを構成するのにどのような技術を用いるかに関係なく、ユーザは感触の違いによって、複数のスイッチを互いに区別することができる。いくつかの実施形態では、スイッチの高さに十分な変化をつけることができ、これにより、ユーザは、スイッチの高さの変化を触覚でわかるようになる。
他の実施形態では、(例えば、表面弾性波によって)スイッチの各々の表面上に異なる表面形状を持たせることによってスイッチを区別することができる。選択入力情報と、強調表示入力情報とは、物理的に区別することができるので、表示部およびECUは、選択入力情報と、強調表示入力情報とを混同することはない。スイッチの抵抗および押下という特性は、そのスイッチと、スイッチ配列を収容する可変形パッド210組立品との間にある接合部内に組み込むことができる。代替的には、前記した押下という特性は、スイッチ自身が有する特性の一部とすることができる。
【0035】
スイッチの各々を構成する技術の例としては、小型モータスイッチ(図5a)、圧電スイッチ(図5b)、電気活性ポリマースイッチ(図5c)、または音響定常波(図示せず)がある。モータスイッチは、小型モータによって所定距離だけ駆動する小型ピストンを有する。ピストンは、モータに流れる電流に応じてスイッチを、一束のワイヤに亘って上下に動かす。モータスイッチを実装するのに用いられるモータの例としては、SQUIGGLE(登録商標)モータがある。
【0036】
圧電スイッチは、電荷を加えることによって、特定の方向に変形する圧電セラミック材料でできている。いくつかの実施形態では、圧電スイッチは、圧電物質の変位を大きくする油圧装置と結合している。
【0037】
電気活性ポリマーは、電荷または電場を加えることによって、ある方向に変形するポリマーである。電気活性ポリマーは一般的に、圧電スイッチよりも大きく変形するので、スイッチ高さの変形範囲をさらに大きくしたい実装体内に用いることができる。電気活性ポリマーを利用するいくつかの実施形態では、スイッチの各々は、スイッチの各々を形作る分離型電気活性ポリマーである。他の実施形態では、スイッチ配列は、単一の電気活性ポリマー配列からなっており、前記した電気活性ポリマー配列の1つ1つの領域が個別に作動することで、1つ1つのスイッチとして振る舞うことができる。
【0038】
表面弾性波は、可変形パッド210の表面を実際に変形することなく、人間の触覚で感知できる物理的表面形状を再現する。例えば、表面弾性波を用いて、人が木または金属を触れたときに感じる感触を再現することができる。スイッチの表面上の表面弾性波を用いて実装されたスイッチは、前記した他の種類のスイッチが要求するような高さの変更を行わない。むしろ、表面弾性波方式のスイッチは、ユーザインターフェイスのレイアウトに応じて可変形パッドの複数の部分の表面形状を変える。
これらの実施形態では、代わりにスイッチ配列が、可変形パッド210の表面を構成している。可変形パッド210は、個々のスイッチを上げたり下げたりするということではなく、可変形パッド210の表面を、ユーザインターフェイス内の複数の異なるボタンおよびコントローラの表面形状を表現する複数の異なる表面弾性波で構成する。例えば、表面の一部を粗くし、残りを滑らかにすることにより、表面弾性波は、ユーザインターフェイスを再現することができる。
【0039】
他の実施形態では、形状記憶合金または液晶エラストマーからスイッチを構成することができる。これらの技術の各々に関するより詳細な説明は、米国特許第5,410,290号“形状記憶合金およびスイッチ”(チョ 著)と、米国特許第7,116,857号“レーザーまたは光可動液晶を用いる光学機械スイッチ”(ファリス 著)と、に(それぞれ)記載または図示されている。上記の文献のすべては、参照することにより、本明細書に組み込まれる。
【0040】
一実施形態では、車両内において、可変形パッド210を、遠隔タッチ画面(図示せず)に置き換える。前記した遠隔タッチ画面は、強調表示入力情報および選択入力情報を受信することはできるが、ユーザインターフェイスのレイアウトを再現するために変形することはない。この実施形態では、受信した強調表示入力情報は、表示部220上に視覚的なフィードバックをもたらすのであって可変形パッド210がもたらすような触覚的なフィードバックをもたらすわけではない。遠隔タッチ画面は、強調表示入力情報および選択入力情報をユーザから受信すると、前記した入力情報をシステムの残りの構成要素に送信し、本明細書で述べたユーザインターフェイスおよび/または自動車特徴コントローラを調整する。
【0041】
図6は、本発明の一実施形態に係る可変形パッドが、表示部に表示されたユーザインターフェイスのレイアウトとどのように一致するかを説明する図である。図6の実施例において、ユーザインターフェイスは、表示部620の左側の大部分を覆う。可変形パッド650は、ユーザインターフェイスの表示レイアウトと一致する。可変形パッド650は、表示部のすべて、または表示部のうち自動車特徴用のコントローラまたは設定情報が表示される部分だけを再現することができる。
【0042】
図6の例では、表示部の一部は、ユーザインターフェイスの簡易ナビゲーションを手助けするナビゲーションボタン630を有する。いくつかの実施形態では、前記したナビゲーションボタン630は、可変形パッド650上のナビゲーションボタン640として再現されるが、前記ナビゲーションボタン640は、あたかも任意のもう一方のボタンまたはコントローラであるかのようである。
他の実施形態では、ナビゲーションボタン640は可変形パッド650とは独立した、ユーザ用の固定式の案内手段としての役割を果たし、ユーザインターフェイスのナビゲーションの支援を行う。このような実施形態では、ナビゲーションボタン640は、可変形パッド650の一部を構成しない、別体の複数のスイッチでできている。ナビゲーションボタン640には、自身の機能を表示する所定のテキストが記載されている。例えば、前記したボタンには、“メニュー1”、“メニュー2”、“電話”、“メニュー3”が記載されており、自身の機能をより明らかに説明することができる。
【0043】
ユーザからの強調表示入力情報660は、可変形パッド650上に表示される。図6は、強調表示入力情報660に応じて、表示部620上にある“電話番号”ボタン670をどのようにして強調表示し、ユーザが現在どのボタンに触れているかを通知する通知手段をユーザに提供する様子を説明している。ユーザは、見ないで可変形パッド650を操作することができるが、表示部620を一瞥することで、ユーザの手が可変形パッド650上のどこにあるか、という視覚的な確認を行う必要はある。強調表示入力情報660と、ユーザインターフェイス670上の強調表示とを一致させることによって、ユーザにフィードバックを与え、見ないで可変形パッドを使用することをより上手に身につけることができる。
【0044】
ユーザインターフェイスの強調表示は、ユーザインターフェイスが実行する機能であり、または表示部が実行する機能であることに留意されたい。強調表示によって、ユーザインターフェイスの特定の部分の輝度を変えることができる。また強調表示によって、ユーザインターフェイスの強調表示すべき部分の色を変えることができる。例えば、あるボタンを強調表示する場合、そのボタンの色および/または輝度を変えればよい。さらに、いくつかの実施形態では、強調表示されたボタンの周辺領域も同様にして色または輝度を変えてもよい。
【0045】
図7は、本発明の一実施形態に係る可変形パッドにて受信した入力情報にユーザインターフェイスが一致するように変更する可変形パッドおよび表示部とやり取りするユーザの使用例を説明する図である。図7では、可変形パッド710およびユーザインターフェイス720を操作して電話機能を利用する。
【0046】
前記した使用例ではまず、可変形パッド710およびユーザインターフェイス720を初期化して、お互いに一致させる(図7の(a)参照)。この使用例では、初期化の後、ユーザは元々、ユーザインターフェイス720にてカーステレオの画面を表示していたとする。可変形パッド710は、“電話”ボタン730上で強調表示入力情報を受信する。この例では、“電話”ボタンは、ユーザインターフェイス720の一部であり、また可変形パッド710の一部でもある。ユーザインターフェイス720の“電話”ボタン740に相当する部分は、可変形パッド710に強調表示入力情報730が入力されると強調表示される。
“電話”ボタン上で選択入力情報を受信すると、その受信に応じてユーザインターフェイス720は、ユーザインターフェイス722に切り替わる(図7の(b)参照)。“電話”ボタン740に相当する可変形パッド730の部分にて、ユーザからの選択入力情報を受信したので、ユーザインターフェイス722では、電話関連オプションが表示される。可変形パッド710は、可変形パッド710のボタンのレイアウト712を再構成し、ユーザインターフェイス722と一致する。
【0047】
ユーザインターフェイス722上の“電話番号”オプション760に一致するボタンを強調表示する強調表示入力情報750をユーザから受信する。その後、選択入力情報を受信すると、その受信に応じて、表示部720は再び、ユーザインターフェイス724に切り替える(図7の(c)参照)。ここで、ユーザインターフェイス724は、電話番号インターフェイスを表示する。可変形パッド710は再び、ユーザインターフェイス724に基づいて可変形パッド710のボタンのレイアウト714を再構成する。ユーザインターフェイス724上の“4”オプション780に相当するボタンを強調表示する強調表示入力情報770をユーザから受信する。
【0048】
この例では、4”の前に“800 227 45”といった選択入力情報を含んだ、すでにいくつかの番号が入力されている。このことは、ユーザインターフェイスのレイアウトを変更せず、代わりに自動車特徴の設定情報を変更する選択入力情報があるということを説明するよい例である。このような場合には、電話番号を入力すると、接続されている電話機を、入力された電話番号で呼び出すことになる。ユーザインターフェイスのレイアウトが選択入力情報に応じて変更するか否かは、前記した設定情報が変更される自動車特徴次第である。
【0049】
図8は、本発明の他の実施形態を説明する図であって、可変形パッドが自動車のハンドル上に配置されており、表示部がヘッドアップディスプレイ上、または従来の計器群の近くにあるハンドルのすぐ背後の空間内に配置されている様子を示す図である。一実施形態では、表示部は、車両のフロントガラス上に見えるヘッドアップディスプレイである。
【0050】
本実施形態では、ハンドル830は、ハンドル830内に組み込まれた可変形パッド810を備える。可変形パッド810は、ハンドルの表面上であればどこにでも導入することができる。表示部820は、自動車のフロントガラス上に投影された、または組み込まれたヘッドアップディスプレイとすることができる。代わりに、表示部820は、ハンドルのすぐ裏側の空間内に配置することができる。
いくつかの実施形態では、表示部820は、走行距離計または速度計などの計器からの情報を有するより大型の表示部の一部となるであろう。他の実施形態では、表示部820は、これら計器の近くに、または中央コンソールの表示部220内に配置されるであろう。
【0051】
図9は、本発明のさらに他の実施形態を説明する図であって、可変形パッドが複数の所定の“部分”型スイッチ910(910a〜cの総称)から構成されている様子を示す図である。本実施形態では、可変形パッドは、より数を少なくした大型の複数のスイッチから作り出されている。可変形パッドを構成する複数の大型の切片を覆う部分スイッチ910の各々は、ユーザインターフェイスから提供される単一の機能または一機能の一部に対応しており、前記した機能が使用されているときはいつでも上下に変位する。本実施形態のスイッチは、“部分”スイッチ910と称する。なぜならば、スイッチの各々の形状を、当該スイッチに対応しており、ユーザインターフェイスから提供される機能に合わせて変えることで、可変形パッドの総コストを下げたり、または可変形パッドの全体的な複雑さを緩和させたりできるからである。
例えば、ユーザインターフェイスが、1つの特定の自動車特徴につき、その特徴に対応する1つの楕円形状のボタンを表示する場合、前記した特徴に相当する可変形パッド上の3つのスイッチ910bを一緒に上下に変位させることで、ユーザインターフェイスのボタンの楕円形状を再現させればよい。
ユーザインターフェイス次第では、すべてのスイッチは、特定の機能に対応しているが、可変形パッドにおいて、前記した特定の機能に何ら対応していないスイッチが占める複数の部分(領域)が存在する場合があってもよい。前記した領域内では、プラスチックなどの平らな表面を持つ材料を用いることで、立ち上がったスイッチとの差異を際立たせる。したがって、本実施形態では、可変形パッドは、同一形状の複数のスイッチからなる一様な配列とするのではなくむしろ、可変形パッドの表面を覆う面積が異なっている複数の部分スイッチ910の寄せ集めとなる。
【0052】
図10は、本発明の一実施形態に係る可変形パッドが入力情報をどのように受信して自動車特徴を調整するか、そして表示部がユーザインターフェイスをどのように調整して可変形パッドの状態と一致するか、を説明するフローチャートである。
【0053】
本処理では、はじめに、表示部の状態と、可変形パッドの状態とを初期化し、同期させる(ステップ1000)。これにより、表示部に表示されたユーザインターフェイスは、可変形パッドのスイッチの高さと一致する。
可変形パッドは、強調表示入力情報を受信する(ステップ1010)。強調表示入力情報は、表示部に送信される。
ユーザインターフェイスは、強調表示入力情報に対応するユーザインターフェイスの部分を強調表示して調整される(ステップ1020)。
可変形パッドは、前記したユーザインターフェイスまたはある自動車特徴の設定情報に関するユーザの選択に一致する選択入力情報を受信する(ステップ1030)。選択入力情報は、表示部に送信される。
ユーザインターフェイスは、選択入力情報に基づいて更新される(ステップ1040)。
その後、可変形パッドは、更新されたユーザインターフェイスに基づいて再構成される(ステップ1050)。さらに、もし、選択入力情報がある自動車特徴の設定情報の変更を示す情報である場合には、ECUは、前記した選択入力情報に応じて、設定情報が変更される特別な自動車特徴を調整する。
【0054】
(さらなる考察)
本発明の実施形態を実行する車両は、少なくとも1つの計算ユニットを含む。前記した計算ユニットとは、例えば、プロセッサの実行により、本明細書で説明されたさまざまな機能を実現するコンピュータプログラムの命令文を記憶することができるストレージおよび/またはメモリを有するプロセッサである。前記したプロセッサは、電子制御ユニット(ECU)の一部とすることができる。
【0055】
本明細書において、“一実施形態”又は“ある実施形態”と言う場合は、本発明の少なくとも1つの実施形態に、その実施形態に関連して記述される1つの特徴又は構造が含まれていることを意味する。本明細書のあちこちに“ある実施形態では”という語が出現しても、必ずしも同一の実施形態を指しているわけではない。
【0056】
後記する詳細説明のいくつかの部分は、アルゴリズム用語や、コンピュータメモリ内のデータビット作業を示す象徴的な表現による。これらのアルゴリズム的な説明や表現は、情報処理分野の当業者が、自らの業績の要旨を、同分野の他の当業者に最も効率的に伝えるために用いる手段である。アルゴリズムとは、ここでは、そして一般的にも、ある所望の結果に至る複数のステップ(命令)の首尾一貫したシーケンスのことを言う。ステップとは、物理量に対する物理的操作を要求するステップのことである。通常、必ずしも必要条件ではないが、それらの数値は、記憶され、送信され、合成され、比較されかつ操作され得る、電子的、磁気的又は光学的信号の形を取る。これらの信号のことを、ビット、値、要素、シンボル、文字、語又は番号等と呼ぶことが主として用語の共通化の理由から便宜である。さらに、物理量に対する物理的操作または物理的変形、または物理量に対する表現を要求するステップの配列のうちいくつかのものは、一般性を失うことなく、モジュール又はコードデバイスと呼ぶことが便宜である。
【0057】
しかしながら、このような用語の全ては適当な物理量と関連付けられており、これらの物理量に付された単なる便宜的なラベルに過ぎない。後記において特段の説明がない限り、明細書本文全体を通じて、“処理”、“計算”、“算出”、“決定”又は“表示”等の用語を用いた説明は、(電子的な)物理量としてのデータを、コンピュータシステムのメモリ、レジスタ又は他の情報ストレージのなかで操作しかつ変形するコンピュータシステムや同様の電子的コンピューティングデバイス(例えば、特定の計算機)の動作や処理のことを言う。
【0058】
いくつかの側面は、アルゴリズムの形になったプロセスステップや命令を含む。プロセスステップや命令は、ソフトウエア、ファームウエア又はハードウエアによって実装され、ソフトウエアで実施される場合は、ダウンロードされることが可能であり、多様なオペレーティングシステムが用いる別のプラットフォームから操作されることも可能であることに留意されたい。ある実施形態はまた、コンピュータシステム上で実行可能なコンピュータプログラム製品内にあってもよい。
【0059】
ある実施形態は、操作を実行する装置にも関する。この装置は、例えば、車両内の特定のコンピュータなどの、所与の目的を達成する専用装置であってもよいし、車両内に配置可能なコンピュータに記憶されたコンピュータプログラムによって動作する汎用コンピュータであってもよい。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータが読取り可能な媒体に記憶され得る。その媒体とは、コンピュータシステムバスに接続可能な、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、CD−ROM、電磁光学的ディスク、ROM、RAM、EPROM、EEPROM、電磁的又は光学的カード、ASIC又は電子的命令を記憶し得るあらゆる媒体を含むが、これらに限定されない。さらに、本明細書で言うコンピュータは、単体のプロセッサを含んでもよいし、コンピュータ能力を増加させるために複数のプロセッサを用いた装置であってもよい。
【0060】
ここでいうアルゴリズムやディスプレイは、もともと特定のコンピュータや他の装置に関係している訳ではない。ここで教示される内容に従って、プログラムとともに多様な一般目的システムが使用され得る。又は、必要とされる方法ステップを実行するためにさらに特化した装置を作成することも便宜である。これらのシステムのそれぞれについてどのような構成が必要となるかは、後記する明細書本文から明らかになる。さらには、ある実施形態は特定のプログラム言語を参照して記載されるものではない。本発明の教示を実施するために、多様なプログラム言語が使用され得る。後記において特定の言語に言及した場合、それは実施可能性及びベストモードを開示するためである。
【0061】
さらに、本明細書で使用される言語は、主として意味の取りやすさ及び教示目的から選択されているのであって、本発明の主旨を限定するために選択されているのではない。従って、本発明の開示内容は、特許請求の範囲にて記述されている本実施形態の範囲を例示するものであるが限定するものではない。
【0062】
本明細書には、特定の実施形態および応用例が説明および記載されている。しかしその一方で、前記した実施形態は、本明細書に開示された精密な製品、部品、およびそれらのさまざまな修正品、変更品に限定されることはないことと、本実施形態の精神および範囲から逸脱することなく、設定、演算、そして方法および装置の詳細を変更できること、が理解されるであろう。
【符号の説明】
【0063】
210 可変形パッド
220 表示部
300 触覚制御システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のスイッチからなるスイッチ配列を有する可変形パッドおよびユーザインターフェイスを表示する表示部を備える車両特徴制御装置を制御する方法であって、
前記ユーザインターフェイス上の車両特徴コントローラのレイアウトに基づいて、前記可変形パッドの前記複数のスイッチからなるスイッチ配列のうちの第1の部分集合の感触を形成するステップと、
前記可変形パッドのスイッチにて選択入力情報を受信するステップと、
前記選択入力情報に基づいて前記ユーザインターフェイスの前記レイアウトを更新するステップと、
前記ユーザインターフェイスの前記レイアウトの前記更新に応じて、前記可変形パッドの前記複数のスイッチからなるスイッチ配列のうちの少なくともいくつかのスイッチの感触を再形成するステップと、を実行する
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記複数のスイッチからなるスイッチ配列のうちの少なくともいくつかのスイッチの感触を形成するステップにおいて、さらに、
前記ユーザインターフェイス内の車両特徴コントローラに対応する前記複数のスイッチからなるスイッチ配列内のスイッチを上方に移動させるように調整するステップ、を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数のスイッチからなるスイッチ配列のうちの少なくともいくつかのスイッチの感触を形成するステップにおいて、さらに、
前記ユーザインターフェイス内の車両特徴コントローラに対応する前記複数のスイッチからなるスイッチ配列内のスイッチの表面形状を調整するステップ、を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記選択入力情報に基づいて前記ユーザインターフェイスの前記レイアウトを更新するステップにおいて、さらに、
前記ユーザインターフェイス上の車両特徴コントローラの前記レイアウトの一部として表示されている、選択された車両特徴コントローラを、前記選択入力情報と対応付けるステップと、
前記選択された車両特徴コントローラに基づいて前記ユーザインターフェイス用の車両特徴コントローラの新たなレイアウトを、記憶部から読み出すステップと、
前記表示部上に、前記ユーザインターフェイスの前記新たなレイアウトを表示するステップと、を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のスイッチからなるスイッチ配列のうちの少なくともいくつかのスイッチの感触を再形成するステップにおいて、さらに、
前記ユーザインターフェイスの前記更新されたレイアウトの一部が、車両特徴コントローラに一致するか否か判定するステップと、
前記一部が車両特徴コントローラに一致するという決定に応じて、前記車両特徴コントローラに一致する前記複数のスイッチからなるスイッチ配列内の第1のスイッチの感触を修正するステップと、を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
さらに、前記選択入力情報に基づいて車両特徴の設定情報を修正するステップ、を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記複数のスイッチからなるスイッチ配列内のスイッチの各々の縦幅または横幅は、1ミリメートル以下である
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
スイッチの各々は、隣接する未調整のスイッチに対して人の触覚によって感触の変化を検出できる程度に、感触の調整を行うことが可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記可変形パッドは、車両のハンドル上に配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
さらに、
前記複数のスイッチからなるスイッチ配列のうちの1つのスイッチにて強調表示情報を受信するステップと、
前記ユーザインターフェイスを調整して、前記強調表示情報を受信した前記スイッチに対応する車両特徴コントローラの前記レイアウトの一部を強調表示するステップと、を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記可変形パッドは、車両の中央コンソール上に配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記複数のスイッチからなるスイッチ配列内のスイッチの各々は、小型モータを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記複数のスイッチからなるスイッチ配列内のスイッチの各々は、圧電材料を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記複数のスイッチからなるスイッチ配列内のスイッチの各々は、電気活性ポリマーを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
車両特徴の設定情報を制御するシステムであって、
車両特徴コントローラのレイアウトを構成するユーザインターフェイスを表示し、受信した選択入力情報に基づいて前記レイアウトを更新する表示部と、
前記表示部に接続され、スイッチの各々が前記選択入力情報を受信するように構成され、複数のスイッチからなるスイッチ配列を備える可変形パッドと、を備え、
前記スイッチは、前記レイアウトに一致するように感触を調整するとともに、前記レイアウトの変化に応じて感触を再形成する
ことを特徴とするシステム。
【請求項16】
前記スイッチは、さらに、
前記レイアウト内に表示されている車両特徴コントローラに対応する高さの分だけ、上方へ移動するように調整される
ことを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記スイッチは、さらに、
前記レイアウト内に表示されている車両特徴コントローラに対応して、表面形状を調整する
ことを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
さらに、
前記表示部および前記可変形パッドに接続され、前記受信した選択入力情報を、前記レイアウト内に表示されている、選択された車両特徴コントローラと対応付ける電子制御ユニット(ECU)と、
前記ECUに接続され、前記選択された車両特徴コントローラに関連する前記ユーザインターフェイス用の車両特徴コントローラの新たなレイアウトを記憶する記憶部と、を備え、
前記表示部は、さらに、前記ユーザインターフェイスの前記新たなレイアウトを表示する
ことを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記ECUは、さらに、
前記表示部が前記新たなレイアウトを表示していることに応じて、前記複数のスイッチからなるスイッチ配列の少なくともいくつかのスイッチの感触を再形成する
ことを特徴とする請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記ECUは、さらに、
前記新たなレイアウトの一部が、車両特徴コントローラに一致するか否か判定し、
前記一部が車両特徴コントローラに一致するという決定に応じて、前記車両特徴コントローラに一致する前記複数のスイッチからなるスイッチ配列の第1のスイッチの感触を修正する
ことを特徴とする請求項18に記載のシステム。
【請求項1】
複数のスイッチからなるスイッチ配列を有する可変形パッドおよびユーザインターフェイスを表示する表示部を備える車両特徴制御装置を制御する方法であって、
前記ユーザインターフェイス上の車両特徴コントローラのレイアウトに基づいて、前記可変形パッドの前記複数のスイッチからなるスイッチ配列のうちの第1の部分集合の感触を形成するステップと、
前記可変形パッドのスイッチにて選択入力情報を受信するステップと、
前記選択入力情報に基づいて前記ユーザインターフェイスの前記レイアウトを更新するステップと、
前記ユーザインターフェイスの前記レイアウトの前記更新に応じて、前記可変形パッドの前記複数のスイッチからなるスイッチ配列のうちの少なくともいくつかのスイッチの感触を再形成するステップと、を実行する
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記複数のスイッチからなるスイッチ配列のうちの少なくともいくつかのスイッチの感触を形成するステップにおいて、さらに、
前記ユーザインターフェイス内の車両特徴コントローラに対応する前記複数のスイッチからなるスイッチ配列内のスイッチを上方に移動させるように調整するステップ、を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数のスイッチからなるスイッチ配列のうちの少なくともいくつかのスイッチの感触を形成するステップにおいて、さらに、
前記ユーザインターフェイス内の車両特徴コントローラに対応する前記複数のスイッチからなるスイッチ配列内のスイッチの表面形状を調整するステップ、を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記選択入力情報に基づいて前記ユーザインターフェイスの前記レイアウトを更新するステップにおいて、さらに、
前記ユーザインターフェイス上の車両特徴コントローラの前記レイアウトの一部として表示されている、選択された車両特徴コントローラを、前記選択入力情報と対応付けるステップと、
前記選択された車両特徴コントローラに基づいて前記ユーザインターフェイス用の車両特徴コントローラの新たなレイアウトを、記憶部から読み出すステップと、
前記表示部上に、前記ユーザインターフェイスの前記新たなレイアウトを表示するステップと、を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のスイッチからなるスイッチ配列のうちの少なくともいくつかのスイッチの感触を再形成するステップにおいて、さらに、
前記ユーザインターフェイスの前記更新されたレイアウトの一部が、車両特徴コントローラに一致するか否か判定するステップと、
前記一部が車両特徴コントローラに一致するという決定に応じて、前記車両特徴コントローラに一致する前記複数のスイッチからなるスイッチ配列内の第1のスイッチの感触を修正するステップと、を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
さらに、前記選択入力情報に基づいて車両特徴の設定情報を修正するステップ、を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記複数のスイッチからなるスイッチ配列内のスイッチの各々の縦幅または横幅は、1ミリメートル以下である
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
スイッチの各々は、隣接する未調整のスイッチに対して人の触覚によって感触の変化を検出できる程度に、感触の調整を行うことが可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記可変形パッドは、車両のハンドル上に配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
さらに、
前記複数のスイッチからなるスイッチ配列のうちの1つのスイッチにて強調表示情報を受信するステップと、
前記ユーザインターフェイスを調整して、前記強調表示情報を受信した前記スイッチに対応する車両特徴コントローラの前記レイアウトの一部を強調表示するステップと、を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記可変形パッドは、車両の中央コンソール上に配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記複数のスイッチからなるスイッチ配列内のスイッチの各々は、小型モータを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記複数のスイッチからなるスイッチ配列内のスイッチの各々は、圧電材料を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記複数のスイッチからなるスイッチ配列内のスイッチの各々は、電気活性ポリマーを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
車両特徴の設定情報を制御するシステムであって、
車両特徴コントローラのレイアウトを構成するユーザインターフェイスを表示し、受信した選択入力情報に基づいて前記レイアウトを更新する表示部と、
前記表示部に接続され、スイッチの各々が前記選択入力情報を受信するように構成され、複数のスイッチからなるスイッチ配列を備える可変形パッドと、を備え、
前記スイッチは、前記レイアウトに一致するように感触を調整するとともに、前記レイアウトの変化に応じて感触を再形成する
ことを特徴とするシステム。
【請求項16】
前記スイッチは、さらに、
前記レイアウト内に表示されている車両特徴コントローラに対応する高さの分だけ、上方へ移動するように調整される
ことを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記スイッチは、さらに、
前記レイアウト内に表示されている車両特徴コントローラに対応して、表面形状を調整する
ことを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
さらに、
前記表示部および前記可変形パッドに接続され、前記受信した選択入力情報を、前記レイアウト内に表示されている、選択された車両特徴コントローラと対応付ける電子制御ユニット(ECU)と、
前記ECUに接続され、前記選択された車両特徴コントローラに関連する前記ユーザインターフェイス用の車両特徴コントローラの新たなレイアウトを記憶する記憶部と、を備え、
前記表示部は、さらに、前記ユーザインターフェイスの前記新たなレイアウトを表示する
ことを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記ECUは、さらに、
前記表示部が前記新たなレイアウトを表示していることに応じて、前記複数のスイッチからなるスイッチ配列の少なくともいくつかのスイッチの感触を再形成する
ことを特徴とする請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記ECUは、さらに、
前記新たなレイアウトの一部が、車両特徴コントローラに一致するか否か判定し、
前記一部が車両特徴コントローラに一致するという決定に応じて、前記車両特徴コントローラに一致する前記複数のスイッチからなるスイッチ配列の第1のスイッチの感触を修正する
ことを特徴とする請求項18に記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2013−514237(P2013−514237A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544645(P2012−544645)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際出願番号】PCT/US2010/059700
【国際公開番号】WO2011/075390
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際出願番号】PCT/US2010/059700
【国際公開番号】WO2011/075390
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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