説明

言語学習支援システム、及び言語学習支援プログラム

【課題】 訛りや専門用語を含んだ言語の学習を、ネットワーク等を通じて支援することが可能な言語学習支援システムを提供することを課題とする。
【解決手段】 言語学習支援システム1は、動画情報を有する教材コンテンツを記憶し、インターネット100を通じてストリーミング配信可能なサーバ2と、教材コンテンツの配信をサーバ2に対して要求し、教材コンテンツ及び教材コンテンツに対応して記憶された音声またはテキストを学習者101に対して表示または出力可能な複数のクライアント端末3とを具備して主に構成されている。ここで、教材コンテンツ5の配信に時系列を同期させ、訛りを含んだ音声を出力可能な音声データ、音声データ等をテキスト化したテキストデータ、及び教材コンテンツの内容に関する注釈を示す注釈データがクライアント端末3に対して併せて配信されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、言語学習支援システム、及び言語学習支援プログラムに関するものであり、特に、通常の語学スクールなどで開講される講座では教授されることが少なく、訛り(方言)や特定分野及び業種において限定的に使用される専門用語や隠語などを含んだ言語を、実際の企業活動において遭遇する機会の高い、より実用的な場面を想定して学習することを支援する言語学習支援システム、及び言語学習支援プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年に入り、インターネット等の情報通信技術の飛躍的な進歩、及びこれに伴って開発される情報通信機器の普及及び高機能化によって、海外メディアから発信される種々の情報を、一般の人々が容易に、かつ直接触れる機会が増加している。例えば、インターネットによって直接外国のホームページにアクセスすることが可能となったり、或いはデジタル衛星放送や通信放送(CS放送)の普及によって、家庭内におけるマルチチャンネル化が進行し、海外ニュースやドラマなどを日本国内に居ながらにして生の映像を入手することができるようになっている。そのため、これらの種々の情報を発信する国々に対し、より詳細な情報を得ようとするような関心及び興味が高まるようになり、これらの国の文化や生活習慣の違いを理解したり、その国に居住する人々の生活に触れようと傾向も強くなっている。そのため、係る国の言語(語学)を習得するための語学スクールが数多く設立され、当該言語を学習する学習人口も大幅に増加している。
【0003】
一方、高度成長期以降の日本の産業形態は、主として鉄鉱石や原油等の石油資源など、種々の原材料を輸入し、これらを国内の工場で加工することにより、自動車や家電製品などの工業製品を製造し、日本国内に限らず、海外で消費するために輸出を行っていた。すなわち、日本の産業形態は、主に輸出産業を重視する傾向が強かった。ところが、国内人件費等の高騰や、近年の景気・経済状況の変化から、日本国内に生産拠点を構えず、人件費等の安価な中国地域等で製品を製造し、日本国内に完成品を輸入するような場合も多くなっている。さらに、国内の製造工場でも、製品を製造するための労働力として日本人以外の外国人を雇用するケースも増えている。さらに、外国資本を導入し、経営を行う企業も増加し、これらの場合には代表取締役社長や経営最高責任者に外国人が就任することもある。したがって、上述した企業等では、会議を英語で実施したり、社内公用語を英語にするなど日本語以外の言語を用いてコミュニケーションを図る必要が求められている。
【0004】
さらに、海外の顧客との取引の際、或いは海外の顧客からの電話や電子メールによる連絡の際にも頻繁に外国語が使用されるなど、企業において英語等の外国語の能力が重要視される傾向が強い。特に、これまでの海外と取引を直接行う海外事業部などの部署に限られず、例えば、海外からの電話に対して応答する社員など、企業のすべての部署においてその必要性があることが理解されるようになっている。また、外国人を工場内の労働力として雇用する場合には、日本人向けに日本語で作成された作業指示書は製品製造上のマニュアルなどを、当該外国人が使用する母国語に予め翻訳し、係る作業の後に外国人従業員に対し、適切な指導を行う必要がある。
【0005】
以上の従来技術は、当業者において公然実施されているものであり、出願人は、係る従来技術が記載された文献を、本願出願時においては特に知見していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の企業等で使用される英語等の言語は、多岐にわたることがあった。また、同一の言語(例えば、英語)であったとしても、使用される地域によって変化したり、或いは英語圏以外の国民(例えば、日本人など)が使用することによって発音、語尾、及びアクセントが変化した訛りが使用されることあった。さらに、企業等では特定の技術分野や業態において、特に限定して使用されるような専門用語や語句を用いた会話や文書の取引が行われることがあった。例えば、機械系の製造メーカであれば、当該機械分野における専門用語が頻繁に使用された会話や文書の作成が行われ、一方、コンピュータ関連に係るメーカであれば、コンピュータに関する専門用語等が多用されていた。
【0007】
これらの訛りを含んだ言語や、専門用語を含んだ言語等については、通常の語学スクール等で教授されることがほとんどなく、一般の英会話を習得した程度の語学力では、取引相手との交渉やコミュニケーションがスムーズに図れないことが多かった。すなわち、外国語の言語を学習する際には、個々の言語が標準的に使用される地域の発音等からなる「共通語」を学習することが一般的であった。そのため、使用される地域が異なったり、母国語以外の外国人が発音する当該言語の場合、発音、語尾変化、及びアクセントなどが若干異なり、訛りとして学習者に理解されることとなった。このような場合、共通語のみを学習してきた学習者は、会話の内容を十分に理解することができず、相手とのコミュニケーションを完全に図ることができなかった。さらに、母国語以外の外国人が発音する言語は、例えば、日本人や韓国人などは、母国語の発音の関係から、「L」と「R」の区別を明確にしないで単語を発音し、会話することがよく知られている。そのため、ネイティブスピーカ以外の訛りについても理解する必要があった。なお、このケースは、日本語を習得しようとする外国人についても適用することが可能であり、例えば、標準的な発音の日本語をマスターした外国人であっても、関西弁や東北弁などの方言を用いて会話がなされた場合には、その内容を十分に理解できないことがあった。
【0008】
一方、専門用語については、当該分野における専門的な辞書を活用することにより、その内容を目で確認し、視覚情報として大凡は理解することができた。ところが、これらの訛りや専門用語を実際にリスニングする機会はほとんどなく、特にこのリスニング能力が低く、相手との意思疎通が十分にできないことがあった。これらの訛りまたは専門用語の問題は、互いのコミュニケーション不足を惹起し、企業等における取引が不調に終わるケースもあり、そして、これらの訛りや専門用語に特化して言語を学習するためのシステムはほとんど提供されておらず、各企業等ではこれらの言語を如何にして社員に習得させるかなどの課題に悩まされているケースもあった。社員の教育用に活用することができ、かつ専門用語や訛りを含んだ言語を学習することが可能な言語学習を学習者に対して支援するためのシステムが求められていた。
【0009】
そこで、本発明は、上記実情に鑑み、通常の言語学習では学習する機会の少ない専門用語や訛りを含んだ言語の学習を、ネットワーク等を通じて支援することが可能な言語学習支援システム、及び言語学習支援プログラムの提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明の言語学習支援システムは、「通信ネットワークに接続されたサーバを利用し、学習者の言語学習を支援する言語学習支援システムであって、前記サーバは、学習対象の言語を実際に使用する場面を想定して撮像された動画情報、及び前記言語を使用して作成された文書を電子化したドキュメント情報の少なくともいずれか一方を含んで構成される複数の教材コンテンツをデータベース化して記憶するコンテンツ記憶手段と、前記教材コンテンツの前記動画情報の前記場面で交わされる会話、または前記ドキュメント情報の前記文書の内容を、前記言語の共通語、前記学習者の母国語、及び前記言語の訛り、または特定分野及び業種内で使用される専門用語や隠語を含んで構成される実用性の高い実用英語の少なくともいずれか一つで音声出力するための音声データを前記教材コンテンツに対応させて記憶する音声データ記憶手段と、前記教材コンテンツ及び前記音声データに対応して作成され、前記会話または文書の内容を文字情報として表示出力するためのテキストデータを記憶するテキストデータ記憶手段と、前記学習者の利用するクライアント端末から前記通信ネットワークを介し、配信を要求する前記教材コンテンツ、及び前記教材コンテンツに対応する前記音声データ及び前記テキストデータの指定を含む配信要求データを受付ける要求データ受付手段と、受付けた前記配信要求データに基づいて、指定された前記教材コンテンツを前記コンテンツ記憶手段から抽出し、前記通信ネットワークを介して配信要求先の前記クライアント端末に配信するコンテンツ配信手段と、前記配信要求データに基づいて、配信される前記教材コンテンツに時系列を同期させ、前記共通語、前記母国語、前記実用言語の少なくともいずれか一つの前記音声データを抽出し、前記通信ネットワークを介して前記クライアント端末に配信する音声データ同期配信手段と、前記配信要求データに基づいて、配信される前記教材コンテンツに時系列を同期させ、前記教材コンテンツ及び前記音声データに対応する前記テキストデータを抽出し、前記通信ネットワークを介して前記クライアント端末に配信するテキストデータ同期配信手段と」を主に具備して構成されている。
【0011】
さらに、本発明の言語学習支援システムは、上記構成に加え、「前記通信ネットワークに接続された前記クライアント端末は、前記配信要求データを、前記通信ネットワークを介して前記サーバに送出する要求データ送出手段と、前記サーバから配信される前記教材コンテンツを受信し、表示するコンテンツ表示制御手段と、前記サーバから前記教材コンテンツに同期して配信される前記音声データを受信し、音声出力する音声データ出力制御手段と、前記サーバから前記教材コンテンツに同期して配信される前記テキストデータを受信し、前記教材コンテンツが表示される同一表示画面に表示するテキストデータ表示制御手段と」を具備して構成されている。
【0012】
ここで、教材コンテンツとは、英語等の外国語の言語を学習する際の教材として使用されるものであり、本発明においてはインターネット等の通信ネットワークを介して配信するために電子データの形式で保存されている。この教材コンテンツは、企業活動等で実際に遭遇する機会の多い場面を予め想定して撮像された動画情報や、専門用語等を含んで構成された社内文書を電子化したドキュメント情報などを含んで構成された動画、静止画、及びテキストなどを含んだマルチメディアコンテンツとして構成されている。なお、係る教材コンテンツの構成は、本発明のシステムを利用して言語学習の支援を行う企業の業務内容や業種によって変化するため、基本的には各企業毎に教材コンテンツを作成し、データベースを形成する必要がある。なお、例えば、電話の応対や接客の様子など、社員教育の基礎的な事項として教授される汎用性の高い教材コンテンツについては、本システムに参加する全てのクライアント端末に対して公開可能にする設定を行うものであってもよい。また、この教材コンテンツは、クライアント端末に配信する際にサーバや通信ネットワークのネットワーク回線への負担を考慮し、ストリーミングサーバに構築されていることが好ましい。これにより、クライアント端末は、係る教材コンテンツを受信しながら、その内容を確認することができる。
【0013】
一方、音声データとは、上述の教材コンテンツに含まれる動画情報のそれぞれの場面で交わされる会話、或いはドキュメント情報の各ページに記載された内容を音声によって出力し、学習者の聴覚を通じて学習理解を高めるようにするものである。そして、この音声データは、学習対象となる言語が標準的に発音される共通語(例えば、英語)、学習者の使用する母国語(例えば、日本語)、及び訛りや専門用語等を含み、実際に使用される可能性の高い実用言語をそれぞれ音声化するための複数の音声データによって構成されており、クライアント端末からの配信要求に応じ、任意に指定された音声データが抽出され、クライアント端末に配信される。すなわち、一つの教材コンテンツに対して複数の音声データが予め用意され、学習者は係る音声データを教材コンテンツの再生時に任意に選択して聴くことができる。さらに、教材コンテンツの配信の途中であっても、クライアント端末からの操作によって、配信される音声データの種類を変更することも可能である。なお、係る音声データは、教材コンテンツに時系列(タイミング)を同期させて配信するために、例えば、既存のSMIL技術(Synchronized Multimedia Integration Language技術)、XML技術等によってコーディングを行うことが可能である。
【0014】
一方、テキストデータは、教材コンテンツ及び音声データに対応する文字情報として出力するためのものであり、動画情報に含まれる場面に登場する人物等の台詞や、ドキュメント情報の内容をテキスト化したものなどが挙げられ、例えば、汎用性の高いHTML形式のファイルや、動画作成・表示用のソフトウェアなどを用いて作成された静止画の状態で保存されている。なお、係るテキストデータも上述のSMIL技術等を用いて教材コンテンツにシンクロするように配信が制御される。
【0015】
したがって、本発明の言語学習支援システムによれば、サーバはクライアント端末からの配信要求データを受付け、該配信要求データの指定に基づいて、それぞれ記憶された教材コンテンツ、音声データ、及びテキストデータを、通信ネットワークを介して配信要求先のクライアント端末に配信することができる。このとき、教材コンテンツとともに配信される音声データ及びテキストデータは、ともに教材コンテンツと時系列を同期させた状態で配信が行われる。これにより、クライアント端末を利用する学習者は、配信された教材コンテンツの動き等を伴う内容を、視覚を通じて認証し、さらに同時に出力される音声データによって聴覚を通じて認証することができる。加えて、教材コンテンツが表示される表示画面と同一の表示画面上に、同期して配信されたテキストデータが表示される。このテキストデータは教材コンテンツの会話の台詞等を表示するためのものであり、学習者は当該教材コンテンツの会話の内容を、テキストデータによって文字として認識することができる。これにより、例え、リスニングによって聴き取ることができず、会話の内容を理解することができなかった場合でも、表示されたテキストデータを確認することによって、学習者はその場面で交わされる会話の内容を把握することができる。
【0016】
すなわち、クライアント端末を利用して言語を学習しようとする学習者は、会話が交わされる場面を動画情報によってその動きを目で確認し、さらにその会話を音声データによって耳で確認し、さらにその会話の台詞をテキストデータによって目で確認することができる。これにより、習得しようとする言語を視覚及び聴覚の双方を活用して認識することができる。これにより、当該言語の理解をさらに進めることができる。
【0017】
特に、このとき教材コンテンツに同期して配信される音声データ及びテキストデータは、共通語に相当するデータの他に、学習者の母国語及び実用英語等の複数のタイプのものが予め記憶されている。そのため、学習者は自らが出力されることを希望する音声データ及びテキストデータのタイプを任意に指定し、サーバに対して要求することができる。これにより、始めに学習者の母国語で当該場面の状況を予め理解した上で、共通語或いは実用言語の音声データの出力とともに教材コンテンツを表示させることにより、その内容の理解をさらに進めることができる。或いは、始めに共通語または訛り等を含む実用言語の音声データを指定し、その後、母国語を出力し、自らの言語の理解度を確認することも可能となる。なお、この音声データ及びテキストデータの指定及び出力を任意にすることにより、当該学習のスタイルを学習者の習熟度に合わせることができる。
【0018】
これにより、特に、通常の語学スクールでは教授される機会のほとんどない、訛りや専門用語を含んだ実用言語の音声及びテキストの出力を、インターネット等の通信ネットワークを利用することによって可能となり、学習者の訛りを含んだ言語のリスニング能力や単語力を向上させることができる。なお、学習対象となる言語は、前述した英語に限定されるものではなく、教材コンテンツ及び音声データ等のデータベースをそれぞれ構築することにより、ドイツ語、フランス語、ポルトガル語、中国語、及び韓国語等の世界のあらゆる国の言語を対象とすることができる。また、外国人が日本語を習得する場合にも本発明の言語学習支援システムを適用することは言うまでもない。
【0019】
さらに、本発明の言語学習支援システムは、上記構成に加え、「前記サーバは、前記教材コンテンツの前記会話及び前記文書の内容に関する注釈を、前記学習者の視覚及び聴覚の少なくともいずれか一方を通じて認識可能に提示するための注釈データを、前記教材コンテンツに関連付けて記憶する注釈データ記憶手段と、配信される前記教材コンテンツに時系列を同期させ、前記通信ネットワークを介して前記クライアント端末に配信する注釈データ同期配信手段とをさらに具備し、前記クライアント端末は、前記サーバから前記教材コンテンツに同期して配信される前記注釈データを受信し、出力する注釈データ出力制御手段と」を具備するものであっても構わない。
【0020】
したがって、本発明の言語学習支援システムによれば、教材コンテンツの内容に合わせ、言語学習に関する事項或いは教材コンテンツの内容自体に関するポイント、補足事項等の注釈を示す注釈データがクライアント端末に配信される。そして、クライアント端末は、係る注釈データを受付け出力する。このとき、注釈データの出力は、教材コンテンツと同一の表示画面に文字情報として表示するもの、或いは音声で学習者に対して注釈を説明するもの、及び双方を実施するものなどが挙げられる。ここで、注釈データは、例えば、HTML形式のファイルで作成され、テキストデータと同じくWebサーバに格納されている。これにより、サーバは教材コンテンツの注意する点をクライアント端末に提示しながら、教材コンテンツの配信が行える。一方、クライアント端末を利用する学習者は、注釈データを確認することにより、教材コンテンツの内容を十分に理解することができる。
【0021】
さらに、本発明の言語学習支援システムは、「前記教材コンテンツは、前記動画情報の前記場面或いは前記ドキュメントの内容に応じ、それぞれの項目毎にインデックスファイル化して記憶され、前記クライアント端末は、インデックスファイル化された前記教材コンテンツの一部の配信を選択的に要求する選択要求データの入力を受付け、前記通信ネットワークを介して前記サーバに送出する選択要求データ送出手段をさらに具備し、前記サーバは、前記クライアント端末から送出された前記選択要求データを、前記通信ネットワークを介して受付ける選択要求データ受付手段と、受付けた前記選択要求データに基づいて、配信する前記教材コンテンツの一部を抽出し、前記通信ネットワークを介して配信する選択配信手段と、前記選択要求データに基づいて、配信される前記教材コンテンツの一部と時系列を同期させ、対応する前記音声データ、前記テキストデータ、及び前記注釈データの少なくともいずれか一つを配信する選択データ配信手段と」を具備するものであっても構わない。
【0022】
したがって、本発明の言語学習支援システムによれば、学習者は教材コンテンツの内容を任意に選択し、その部分に限定して教材コンテンツ等の配信を求めることができる。すなわち、学習者の理解が不十分な箇所がある場合などに、その部分だけを繰り返し配信し、出力させることができる。これにより、学習者にその部分を復習させることができる。ここで、選択要求データを送出するための教材コンテンツの内容を選択して指定する手法は、特に限定されないが、例えば、クライアント端末の表示画面上に、インデックスファイル化された教材コンテンツの内容を示す項目を列記し、学習者がマウス操作等によって当該項目をクリックすることにより指定する手法や、教材コンテンツに同期して配信されるテキストデータ及び注釈データの文字部分をマウス操作等によってクリックすることにより指定する手法などが挙げられる。
【0023】
さらに、本発明の言語学習支援システムは、上記構成に加え、「前記サーバは、配信される前記テキストデータ及び前記注釈データが表示される際の文字の色を指定する文字色指定手段と、前記教材コンテンツに時系列を同期して配信される前記音声データの出力に合わせ、前記クライアント端末の表示画面に表示される前記テキストデータ及び前記注釈データの少なくともいずれか一方の文字の色を変化させる文字色変化制御手段と」を具備するものであっても構わない。
【0024】
したがって、本発明の言語学習支援システムによれば、配信されるテキストデータ及び注釈データの少なくともいずれか一方を、教材コンテンツに同期させてクライアント端末に表示させるときに、当該場面に対応した箇所だけ文字の色を変化させることが可能となる。これにより、学習者は教材コンテンツがどの部分まで進行しているのか等を、視覚を通じて認識することができる。
【0025】
一方、本発明の言語学習支援プログラムは、上述のシステムを構成するサーバ及びクライアント端末を本システムに適するように機能させるものであり、プログラムを実行することにより、前述の言語学習支援システムにおける優れた作用を奏させることが可能となる。さらに、本発明の言語学習支援プログラムをCD−ROMやDVD−ROMなどの記憶媒体に格納し、インターネット等の通信ネットワークに接続していない、「スタンドアロン型」のコンピュータにインストール等によって適用することも可能である。これにより、通信ネットワークへの接続環境がない場合であっても上述のシステムによる作用を享受することが可能となる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の効果として、学習者は訛りや特定分野の専門用語等が用いられ、実際に企業等において遭遇する機会の多い言語(実用言語)を、動画情報を含む教材コンテンツ、音声データ、テキストデータ、及び注釈データ等を活用しながら学習することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の一実施形態である言語学習支援システム1について、図1乃至図6に基づいて説明する。ここで、図1は本実施形態の言語学習支援システム1の概略構成を示す説明図であり、図2は言語学習支援システム1におけるサーバ2の機能的構成を示すブロック図であり、図3は言語学習支援システム1におけるクライアント端末3の機能的構成を示すブロック図であり、図4及び図5はサーバ2及びクライアント端末3のそれぞれの処理の流れを示すフローチャートであり、図6はクライアント端末3の表示画面4の一例を示す説明図である。
【0028】
ここで、本実施形態の言語学習支援システム1は、学習対象の言語として英語を採用し、企業における社員教育の一つのカリキュラムとして設定された”電話の応対”について、訛りを含む英語、及び日本語の双方の応対の仕方について学習することが可能な教材コンテンツ5に基づいて説明を行うものとする。そして、この”電話の応対”の場面が撮像された動画情報6によって教材コンテンツ5が構成され、係るそれぞれの場面で、電話を受けた人物及び電話をかけた人物の間で交わされる会話を英語及び日本語でそれぞれ記録した第一音声データ7a、第二音声データ7bが収録されている。なお、第一音声データ7aは、共通語の発音に対し、訛りを含んだ音声で収録されているものであり、本システムでは、共通語で発音した第三音声データ7cも比較対象のため合わせて収録されている。
【0029】
本実施形態の言語学習支援システム1は、図1に主として示すように、インターネット100に接続し、企業活動において実際に遭遇する機会の多い複数の状況を撮像した動画情報6を有する教材コンテンツ5を記憶し、この教材コンテンツ5を、インターネット100を通じてストリーミング配信可能なサーバ2と、教材コンテンツ5の配信をサーバ2に対して要求し、教材コンテンツ5及び教材コンテンツ5に対応して記憶された音声またはテキストを学習者101に対して表示または出力可能な複数のクライアント端末3とを具備して主に構成されている。ここで、インターネット100が本発明における通信ネットワークに相当する。なお、サーバ2は本システム1を実施するコンテンツ提供会社102によって設置され、管理運営されている。
【0030】
さらに、詳細に説明すると、本実施形態の言語学習支援システム1におけるサーバ2は、その機能的構成として、図2に示すように、動画情報6及び動画情報6の各場面を項目毎に分類し、インデックスファイル化したインデックス情報5aを含んでなる教材コンテンツ5を記憶したコンテンツ記憶手段11と、教材コンテンツ5の動画情報6の各場面で交わされる会話を第一音声データ7a、第二音声データ7b、第三音声データ7c(詳細は前述)として教材コンテンツ5にそれぞれ対応させて記憶する音声データ記憶手段12と、教材コンテンツ5及びそれぞれの音声データ7a等に対し、動画情報6の各場面で交わされる会話の台詞を文字情報として出力するための第一音声データ7aに対応した第一テキストデータ8a(以下、同じ)、第二テキストデータ8b、第三テキストデータ8cを記憶するテキストデータ記憶手段13と、教材コンテンツ5の内容に関する社員教育上の注釈を学習者101に対して文字を表示して視覚を通じ、及び音声出力にによって聴覚を通じてそれぞれ提示可能な複数の注釈データ9を、教材コンテンツ5に対応させて記憶する注釈データ記憶手段14とを具備して主に構成されている。
【0031】
さらに、本実施形態のサーバ2は、上記の構成に加え、学習者101の利用するクライアント端末3からインターネット100を通じて、学習者101が配信を希望する教材コンテンツ5、教材コンテンツ5に対応する音声データ7a等、テキストデータ8a等、及び注釈データ9の指定を含む配信要求データ10を受付ける要求データ受付手段15と、受付けた配信要求データ10に基づいて、コンテンツ記憶手段11から指定された教材コンテンツ5を抽出し、クライアント端末3に対して配信するコンテンツ配信手段16と、抽出された教材コンテンツ5に時系列を同期させ、指定された音声データ7a等をクライアント端末3に対して配信する音声データ同期配信手段17と、抽出された教材コンテンツ5に時系列を同期させ、指定されたテキストデータ8a等をクライアント端末3に対して配信するテキストデータ同期配信手段18と、教材コンテンツ5に時系列を同期させ、注釈データ9をクライアント端末3に対して配信する注釈データ同期配信手段19と、テキストデータ同期配信手段18及び注釈データ同期配信手段19によってそれぞれ配信されるテキストデータ8a等及び注釈データ9が、クライアント端末3の表示画面4に表示される際の文字色を指定する文字色指定手段20と、教材コンテンツ5の動画情報6の配信(再生)の状況に応じ、動画情報6で再生されている場面の会話または注釈を示すテキストデータ8a等及び注釈データ9の当該部位を、時系列にしたがって文字色を変化させて表示する文字色変化制御手段21とを具備して主に構成されている。ここで、本発明の要求データ受付手段15及びそれによって受付ける配信要求データ10は、学習者101によって指定された教材コンテンツ5を一部またはその全てを指定して要求することができ、以下、コンテンツ配信手段16及びその他のデータ同期配信手段17,18,19も係る指定された教材コンテンツ5の一部またはその全てを選択的に配信することができる。すなわち、本発明の配信要求データ10及び要求データ受付手段15のそれぞれは、教材コンテンツ5の一部を選択し、サーバ2に対して要求する選択要求データ及び選択要求データ受付手段としての機能を併せて有し、本発明のコンテンツ配信手段16、音声データ同期配信手段17、テキストデータ同期配信手段18、及び注釈データ同期配信手段19は、選択データ配信手段としての機能を併せて有している。
【0032】
ここで、コンテンツ記憶手段11及び音声データ記憶手段12は、ストリーミング配信技術を利用して、クライアント端末3が教材コンテンツ5等を受信しながら、教材コンテンツ5の動画情報6の再生及び音声データ7a等の出力を可能とするためにストリーミングサーバ2aに格納されており、一方、テキストデータ記憶手段13及び注釈データ記憶手段14は、文字情報を主とするテキストデータ8a等及び注釈データ9をHTML形式で保存したWebサーバ2b(または、HTTPサーバと呼称される)に格納されている。さらに、教材コンテンツ5と同期して音声データ7a等、テキストデータ8a等、注釈データ9をそれぞれ配信するために、SMIL技術が用いられている。さらに、配信される教材コンテンツ5の中には、動画情報6の各場面を項目毎に列記するためのインデックスファイル化したインデックス情報5aが含まれ、該インデックス情報5aもクライアント端末3に対して同時に配信されている。
【0033】
なお、本実施形態のサーバ2は、その他の機能的構成として、インターネット100を介して種々の情報及びデータの送受を行うためのサーバ側送信制御手段22及びサーバ側受信制御手段23に接続したサーバ側通信手段24と、教材コンテンツ5等のデータの入力及びサーバ2に対する各種操作を行うキーボード及びマウスなどのポインティングデバイスに相当する操作手段25に接続したサーバ側操作制御手段26と、種々のデータ及び情報を視覚を通じて認識可能に表示するディスプレーなどの表示手段27に接続したサーバ側表示制御手段28とを具備して構成されている。なお、本実施形態のサーバ2は、市販の汎用サーバを利用して構築されている。
【0034】
一方、学習者101が利用するクライアント端末3は、図3に示すように、その機能的構成として、配信要求データ10をインターネット100を介してサーバ2に送出する要求データ送出手段31と、サーバ2から配信される教材コンテンツ5を受信し、学習者101に対し、視覚を通じて認識可能に表示画面4(図6参照)に表示するコンテンツ表示制御手段32と、サーバ2から教材コンテンツ5に時系列を同期させて配信される音声データ7a等を受信し、聴覚を通じて認識可能に音声出力する音声データ出力制御手段33と、サーバ2から教材コンテンツ5に時系列を同期させて配信されるテキストデータ8a等を受信し、教材コンテンツ5の表示された同一の表示画面4に表示するテキストデータ表示制御手段34と、配信された注釈データ9を受信し、教材コンテンツ5に時系列を同期させ、聴覚及び視覚を通じて出力する注釈データ出力制御手段35とを主に具備して構成されている。
【0035】
さらに、クライアント端末3は、上述したサーバ2と同様に、その他の一般的な構成として、種々のデータ及び情報を、インターネット100を通じて送受するためのクライアント側送信制御手段36及びクライアント側受信制御手段37に接続したクライアント側通信手段38と、クライアント端末3を操作するためのキーボード等の操作手段25と接続したクライアント側操作制御手段39とを具備して構成されている。さらに、配信された教材コンテンツ5等を、視覚を通じて認識可能に表示するために、コンテンツ表示制御手段32、テキストデータ表示制御手段34、及び注釈データ出力制御手段35は、前述の表示画面4を備えるモニタディスプレイからなるクライアント側表示手段40と接続されている。また、クライアント端末3は、受信したテキストデータ7a等及び注釈データ9を音声出力するためのクライアント側音声出力手段41とを具備して構成されている。ここで、クライアント側音声出力手段41としては、周知のスピーカセットを例示することができる。なお、クライアント端末3は、上述の機能及び構成を有し、配信された教材コンテンツ5を受信し、表示及び音声出力することが可能なものであればよく、例えば、市販のパーソナルコンピュータ、或いはインターネット100への接続機能を有する携帯電話、及び通信機能を有する携帯情報端末(PDA)などを利用することが可能である。
【0036】
次に、本実施形態の言語学習支援システム1におけるサーバ2及びクライアント端末3のそれぞれの処理の流れについて、図4及び図5のフローチャート及び図6のクライアント端末3の表示画面4の表示例(a)英語版、(b)日本語版に基づいて説明する。ここで、図4及び図5のフローチャートにおけるステップS1からステップS14、及びステップT1からステップT12が本発明の言語学習支援プログラムに相当する。
【0037】
まず始めに、本実施形態の言語学習支援システム1におけるサーバ2は、予め、撮像され、ストリーミングサーバ2aに格納された複数の教材コンテンツ5をインターネット100を介してクライアント端末3に公開可能な状態にする(ステップS1)。このとき、教材コンテンツ5の公開は、予めパスワード及びID等が付与されたクライアント端末3に限定してインターネット100を通じて行われ、一般のインターネットユーザが利用する不特定多数の端末からの本システムへのアクセスは制限されている。これにより、サーバ2に対するアクセスが集中することを防ぎ、サーバ2の処理の負担を軽減することができる。さらに、公開される教材コンテンツ5の内容は、サーバ2を管理及び運営するコンテンツ提供会社102と個々に契約を締結した企業等が選定を行い、サーバ2内の記憶手段11等に格納されたものであり、企業等の機密事項に該当するものも含まれている場合がある。なお、パスワード及びID等を利用するクライアント端末3の認証の方式は、周知の技術を利用することによって構築可能であり、ここでは詳細な説明は省略するものとする。
【0038】
一方、サーバ2へのアクセスが許可されたクライアント端末3は、公開された教材コンテンツ5のタイトルを閲覧可能に表示し(ステップT1)、その後、クライアント端末3を利用する学習者101の指示に基づいて、学習を希望する教材コンテンツ5の指定を含む配信要求データ10を、インターネット100を通じてサーバ2に送出する(ステップT2)。このとき、配信要求データ10には、教材コンテンツ5の指定とともに、教材コンテンツ5と時系列を同期させて配信される音声データ7a等、及び教材コンテンツ5の各場面で交わされる会話を文字情報として表示するためのテキストデータ8a等のそれぞれの指定を含んで構成されている。
【0039】
そして、サーバ2は、公開した教材コンテンツ5に対するクライアント端末3からの配信要求を示す当該配信要求データ10の送出の有無を検出する(ステップS2)。このとき、クライアント端末3からの配信要求データ10の送出が検出されると(ステップS2においてYES)、サーバ2はこれを受付け(ステップS3)、配信要求データ10に基づいて配信する教材コンテンツ5の抽出を行う(ステップS4)。一方、配信要求データ10の送出が検出されない場合(ステップS2においてNO)、ステップS2の処理を継続し、配信要求データ10の検出処理を続ける。
【0040】
さらに、サーバ2は抽出された教材コンテンツ5に同期させて配信される音声データ7a等及びテキストデータ8a等、及び教材コンテンツ5に関連する注釈データ9を抽出する(ステップS5乃至ステップS7)。ここで、配信要求データ10によって、訛りを含んだ英語の音声を出力するための第一音声データ7a、及び第一音声データ7aの会話を文字情報に変換した第一テキストデータ8aが本実施形態においては指定されている。
【0041】
そして、サーバ2は上述の教材コンテンツ5に同期させ、各記憶手段12,13,14から抽出された第一音声データ7a、第一テキストデータ8a、及び注釈データ9を教材コンテンツ5とともにクライアント端末3に対して配信する(ステップS8)。一方、配信要求データ10を送出した後のクライアント端末3は、サーバ2からインターネット100を通じて、指定した教材コンテンツ5及び第一音声データ7a等を受信し(ステップT3)、教材コンテンツ5の再生をする(ステップT4)。このとき、教材コンテンツ5及び第一音声データ7aは、前述したストリーミングサーバ2aからストリーミング配信技術を利用して各クライアント端末3に対して配信されるため、教材コンテンツ5及び第一音声データ7aの受信を継続しながらそれぞれ再生させることができる。なお、教材コンテンツ5は主として動画情報6によって形成されているものであり、クライアント端末3ではこの動画情報6を、コンテンツ表示制御手段32の信号制御により、クライアント側表示手段40の表示画面4にレイアウトされたコンテンツ表示部42に表示出力している(図6参照)。加えて、コンテンツ表示部42の下には教材コンテンツ5に含まれ、動画の各場面を項目毎に分類したインデックス情報5aを表示するインデックス表示部43が設けられている(図6参照)。
【0042】
さらに、同様にストリーミングサーバ2aに記憶された第一音声データ7aを受信したクライアント端末3は、クライアント側音声出力手段41によって第一音声データ7aを音声出力する(ステップT5)。このとき、第一音声データ7aは、上述の教材コンテンツ5の動画情報6と同期して再生される。このとき、出力される第一音声データ7aは、訛りを含む英語を音声で出力したものであり、学習者101の視覚を通じて各々の場面の動きを確認しながら、当該場面の会話を聴くことができる。これにより、本実施形態では、クライアント端末3のコンテンツ表示部42は、会社に架けられた電話に対して応対する社員の様子、及び電話相手の間で交わされる会話を含む動画及び音声が再生される。
【0043】
また、クライアント端末3は、教材コンテンツ5及び第一音声データ7aとともに受信した第一テキストデータ8a及び注釈データ9を、表示画面4にレイアウトされたテキスト表示部44及び注釈表示部45に表示、または表示及び出力をする(ステップT6、ステップT7)。ここで、第一テキストデータ8aは、教材コンテンツ5の各場面で交わされ、かつ第一音声データ7aによって音声化して出力される会話等を文字情報として出力するものであり、係るステップの処理によって学習者101は、耳のみで聴いていた訛りのある英語を、視覚を通じて認識することができる。その結果、仮にリスニングで聴き取ることができなかった単語やセンテンスがあった場合でも、該テキスト表示部44に表示された文字を確認することによってその場で理解が可能となる。さらに、聴覚を通じて認識した英語を文字によって確認する作業を行うことができる。
【0044】
一方、注釈データ9が注釈表示部45に出力されることにより、学習者101は当該場面における学習の上で重要なポイントを認識することができる。例えば、”電話の応対”の場面の場合、”会社名をはっきり言う”、”相手の電話番号を復唱する”などのコメントが表示される。これにより、英語の学習とともに、教材の本来の目的である社員教育を英語で行うことができる。なお、この注釈データ9には、言語学習に関する内容を含めることも当然可能であり、例えば、訛りを含んだ言語を発音する際の発音のポイントや、特定の分野や業種で使用される専門用語や隠語の訳或いは解説、説明などを含んでもよい。さらに、注釈データ9は、上述した注釈表示部45への文字情報としての出力表示の他に、音声によっても学習者101に各場面のポイントを提示することができる。すなわち、教材コンテンツ5に同期して配信されている第一音声データ7aの音声出力に被さるようにして、或いは第一音声データ7aの無音時に挿入するようにして、注釈データ9の音声を出力することも可能である。これにより、視覚及び聴覚の双方を活用し、当該場面の内容を学習者101は認識することができる。
【0045】
ここで、クライアント端末3の表示画面4の表示例についてさらに説明すると、本実施形態の言語学習支援システム1においては、図6(a)または図6(b)に示すように、画面の左上部に教材コンテンツ5の動画情報6が再生出力されるコンテンツ表示部42が配され、さらにその右側に、再生される教材コンテンツ5で交わされる会話の台詞が文字情報として出力されるテキスト表示部44が配されている。このテキスト表示部44に表示される文字は、前述したように左側のコンテンツ表示部42の表示に同期するようにして文字の色を変化させる処理(図6(a)または図6(b)における文字44aに対する処理)がなされている。さらに、コンテンツ表示部42及びテキスト表示部44の下には、再生開始及び停止、早送り、巻き戻しなどの各処理を行うためのコントロールバー46が設けられている。
【0046】
なお、コントロールバー46の再生開始ボタン47は、係るコントロールバー46から離れ、表示画面4の下部に大きな円形状で形成されている。さらに再生開始ボタン47の右側には注釈データ9を表示するための注釈表示部45が設けられている。この注釈データ9の表示も前述のテキスト表示部44と同様に、コンテンツ表示部42の内容に併せて当該部分の文字が変化する処理が行われている(図示しない)。加えて、再生開始ボタン47の左側には、教材コンテンツ5の内容に関する項目がインデックス化されたインデックス表示部43が設けられている。さらに、画面の中央付近には、出力する音声及びテキスト等を日本語及び英語にそれぞれ切換えるための切換ボタン48a,48bがそれぞれレイアウトされている。係る切換ボタン48a等を操作することにより、学習者101に対して英語または日本語の出力が切換えられる。なお、既に説明したように、本実施形態の言語学習支援システム1によれば、サーバ2の記憶手段12,13に、学習者101の母国語である日本語の他に、共通語及び訛りを含んだ実用英語の二種類の音声データ7a,7c、及びテキストデータ8a,8cが記憶されている。そのため、例えば、上述の切換ボタン48bのクリック操作を二回連続して行うことにより、当該共通語及び訛りを含んだ実用英語の出力を切換えることができる。
【0047】
また、サーバ2は、配信される教材コンテンツ5の配信終了のタイミングを検出する(ステップ9)。ここで、配信終了が検出されない場合(ステップS9においてYES)、換言すると教材コンテンツ5の配信が継続している場合、サーバ2はその教材コンテンツ5に同期して配信される第一テキストデータ8a及び注釈データ9の当該場面における文字の表示を変化させる処理を行い(ステップS10)、教材コンテンツ5等の配信処理(ステップS8)を継続する。これにより、学習者101は、場面で交わされる会話の台詞を、視覚を通じて認識することができる。加えて、注釈データ9も同様に場面に応じて注釈箇所の文字色が変化するため、さらに学習において重要なポイントを学習者101に対して明確に提示することができる。
【0048】
また、教材コンテンツ5の動画情報6の再生が完了し、配信の終了が検出されると(ステップS9においてNO)、サーバ2は、クライアント端末3からの再配信または一部を抽出した部分配信を要求する旨の指示の有無を検出する(ステップS11)。このとき、クライアント端末3は、サーバ2からの教材コンテンツ5等の配信が終了すると、ステップT4乃至ステップT7の表示・出力の処理を停止する(ステップT8)。その後、クライアント端末3はサーバ2に対し、配信された教材コンテンツ5の再配信若しくは教材コンテンツ5に含まれる一部の配信(部分配信)を選択して要求する旨の指示を学習者101から受付けると(ステップT9においてYES)、これをサーバ2に対して送信する(ステップT10)。一方、再配信・部分配信を要求する旨の指示がない場合(ステップT9においてNO)、ステップT10の処理はキャンセルされる。
【0049】
ここで、教材コンテンツ5の再配信、或いは部分配信の指定は、例えば、表示画面4のインデックス表示部43に表示された各場面の項目を示すインデックス部分5a(図6参照)をマウスのポインタでクリックしたり、或いは注釈データ9が表示された注釈表示部45の該当部分を、同様にマウスのポインタでクリックすることにより、教材コンテンツ5のその部分を選択することができる。また、教材コンテンツ5の再配信を希望する場合には、画面上に”再配信”ボタンを設け、係る箇所をクリックすることにより、上述の操作を行うことができる。
【0050】
そして、クライアント端末3からの再・部分配信等の要求がある場合(ステップS11においてYES)、記憶手段11等から所望の教材コンテンツ5の一部、及び該教材コンテンツ5に同期して配信されるそれぞれのデータ7a,8a,9等を抽出し(ステップS12)、その後、ステップS8の処理に戻り、クライアント端末3に対する配信を行う。一方、クライアント端末3からの再配信等の要求がない場合(ステップS11においてNO)、ステップS12の処理をキャンセルし、システムを終了する旨の有無を検出する(ステップS13)。ここで、係る旨の指示が検出される場合(ステップS13においてYES)、システムを終了する(ステップS14)。一方、システムを終了する旨の指示がない場合(ステップS13においてNO)、ステップS1の処理に戻り、再び教材コンテンツ5を公開し、クライアント端末3から配信要求データが送信されるまで待機する。
【0051】
一方、クライアント端末3は、サーバ2に対し教材コンテンツ5の再配信等を要求しない場合(ステップT9においてNO)、ステップT10の処理をキャンセルし、システムを終了する旨の有無を検出する(ステップT11)。ここで、係る旨の指示が検出される場合(ステップT11においてYES)、システムを終了する(ステップT12)。一方、システムを終了する旨の指示がない場合(ステップT11においてNO)、ステップT1の処理に戻り、再び教材コンテンツ5のタイトルを閲覧可能に表示する。
【0052】
以上、本実施形態の言語学習支援システム1によれば、学習者101は訛りや特定分野の専門用語等が用いられ、実際に企業等において遭遇する機会の多い言語(実用言語)を、動画情報6を含む教材コンテンツ5、音声データ7a等、テキストデータ8a等、及び注釈データ9を活用しながら学習することが可能となる。加えて、個々のデータ7a等が教材コンテンツ5に時系列を同期させて配信されるため、学習者101が教材コンテンツ5の内容を視覚及び聴覚の双方を介して理解することができる。これにより、係る言語の習熟度がさらに向上する。さらに、同じ場面を繰り返し見たい場合であってもインデックス情報5aを含んで構成された教材コンテンツ5の所定の項目を指定することにより、容易に当該部位にアクセスすることが可能となる。その結果、企業等で使用されるより実用的な訛りや専門用語を含んだ言語を習得することが可能となり、取引等において相手先とのコミュニケーションを十分に図るようになれる。
【0053】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
【0054】
すなわち、本実施形態の言語学習支援システム1において、企業等で実施される社員教育の”電話応対”の場面について、それぞれ訛りを含んだ英語及び日本語で、クライアント端末3にそれぞれ配信し、出力するものを示したがこれに限定されるものではなく、その他の社員教育に関する場面、或いは社内において実用的に英語等を使用する場面を含んだ内容の教材コンテンツ5を作成し、使用するものであっても構わない。さらに、英語等の言語を実際に使用し、直接会話を交わすものについて示したが、これに限定されるものではなく、例えば、社内で使用される文書を利用して言語学習を支援するものであってもよい。すなわち、製造工程などで発行されている作業指示書や工程表などの社内文書を、学習対象の言語に翻訳したものを教材コンテンツ5の一資料として活用するものであっても構わない。
【0055】
また、本実施形態において、教材コンテンツ5等をサーバ2からインターネット100を通じて各クライアント端末3に配信するものを示したが、これに限定されるものではなく、教材コンテンツ5等の各種データをCD−ROMやDVD−ROMなどの大容量の記憶媒体に記憶し、スタンドアロン型のパーソナルコンピュータの個々の端末に係るプログラムをインストールし、再生可能にするものであっても構わない。これにより、インターネット100への接続環境を整える必要がなく、初期投資コストを低く抑えることができる。しかしながら、これらはサーバ2上に配信可能に記憶される教材コンテンツ5等の更新に対応することができない。そのため、本実施形態で示したような通信ネットワークへの接続機能を有するものがさらに好適と思われる。
【0056】
さらに、本実施形態の言語学習支援システム1において、クライアント端末3に対して配信する動画情報からなる教材コンテンツ5及び音声データ7aをそれぞれ独立してコンテンツ記憶手段11及び音声データ記憶手段12に記憶するものを示したが、これに限定されるものではなく、動画及び音声を一つにまとめた形式で記憶するものであってももちろん構わない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本実施形態の言語学習支援システムの概略構成を示す説明図である。
【図2】言語学習支援システムにおけるサーバの機能的構成を示すブロック図である。
【図3】言語学習支援システムにおけるクライアント端末の機能的構成を示すブロック図である。
【図4】サーバ及びクライアント端末のそれぞれの処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】サーバ及びクライアント端末のそれぞれの処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】クライアント端末の表示画面の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0058】
1 言語学習支援システム
2 サーバ
2a ストリーミングサーバ
2b Webサーバ
3 クライアント端末
5 教材コンテンツ
5a インデックス情報
6 動画情報
7a,7b,7c 音声データ
8a,8b,8c テキストデータ
9 注釈データ
10 配信要求データ
11 コンテンツ記憶手段
12 音声データ記憶手段
13 テキストデータ記憶手段
14 注釈データ記憶手段
15 要求データ受付手段
16 コンテンツ配信手段
17 音声データ同期配信手段
18 テキストデータ同期配信手段
19 注釈データ同期配信手段
20 文字色指定手段
21 文字色変化制御手段
31 要求データ送出手段
32 コンテンツ表示制御手段
33 音声データ出力制御手段
34 テキストデータ表示制御手段
35 注釈データ出力制御手段
100 インターネット(通信ネットワーク)
101 学習者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークに接続されたサーバを利用し、学習者の言語学習を支援する言語学習支援システムであって、
前記サーバは、
学習対象の言語を実際に使用する場面を想定して撮像された動画情報、及び前記言語を使用して作成された文書を電子化したドキュメント情報の少なくともいずれか一方を含んで構成される複数の教材コンテンツをデータベース化して記憶するコンテンツ記憶手段と、
前記教材コンテンツの前記動画情報の前記場面で交わされる会話、または前記ドキュメント情報の前記文書の内容を、前記言語の共通語、前記学習者の母国語、及び前記言語の訛り、または特定分野及び業種内で使用される専門用語や隠語を含んで構成される実用性の高い実用英語の少なくともいずれか一つで音声出力するための音声データを前記教材コンテンツに対応させて記憶する音声データ記憶手段と、
前記学習者の利用するクライアント端末から前記通信ネットワークを介し、配信を要求する前記教材コンテンツ、及び前記教材コンテンツに対応する前記音声データ及び前記テキストデータの指定を含む配信要求データを受付ける要求データ受付手段と、
受付けた前記配信要求データに基づいて、指定された前記教材コンテンツを前記コンテンツ記憶手段から抽出し、前記通信ネットワークを介して配信要求先の前記クライアント端末に配信するコンテンツ配信手段と、
前記配信要求データに基づいて、配信される前記教材コンテンツに時系列を同期させ、前記共通語、前記母国語、前記実用言語の少なくともいずれか一つの前記音声データを抽出し、前記通信ネットワークを介して前記クライアント端末に配信する音声データ同期配信手段と、
前記配信要求データに基づいて、配信される前記教材コンテンツに時系列を同期させ、前記教材コンテンツ及び前記音声データに対応する前記テキストデータを抽出し、前記通信ネットワークを介して前記クライアント端末に配信するテキストデータ同期配信手段と
を具備することを特徴とする言語学習支援システム。
【請求項2】
前記通信ネットワークに接続された前記クライアント端末は、
前記配信要求データを、前記通信ネットワークを介して前記サーバに送出する要求データ送出手段と、
前記サーバから配信される前記教材コンテンツを受信し、表示するコンテンツ表示制御手段と、
前記サーバから前記教材コンテンツに同期して配信される前記音声データを受信し、音声出力する音声データ出力制御手段と、
前記サーバから前記教材コンテンツに同期して配信される前記テキストデータを受信し、前記教材コンテンツが表示される同一表示画面に表示するテキストデータ表示制御手段と
を具備することを特徴とする請求項1に記載の言語学習支援システム。
【請求項3】
前記サーバは、
前記教材コンテンツの前記会話及び前記文書の内容に関する注釈を、前記学習者の視覚及び聴覚の少なくともいずれか一方を通じて認識可能に提示するための注釈データを、前記教材コンテンツに関連付けて記憶する注釈データ記憶手段と、
配信される前記教材コンテンツに時系列を同期させ、前記通信ネットワークを介して前記クライアント端末に配信する注釈データ同期配信手段とをさらに具備し、
前記クライアント端末は、
前記サーバから前記教材コンテンツに同期して配信される前記注釈データを受信し、出力する注釈データ出力制御手段と
をさらに具備することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の言語学習支援システム。
【請求項4】
前記教材コンテンツは、
前記動画情報の前記場面或いは前記ドキュメントの内容に応じ、それぞれの項目毎にインデックスファイル化して記憶され、
前記クライアント端末は、
インデックスファイル化された前記教材コンテンツの一部の配信を選択的に要求する選択要求データの入力を受付け、前記通信ネットワークを介して前記サーバに送出する選択要求データ送出手段をさらに具備し、
前記サーバは、
前記クライアント端末から送出された前記選択要求データを、前記通信ネットワークを介して受付ける選択要求データ受付手段と、
受付けた前記選択要求データに基づいて、配信する前記教材コンテンツの一部を抽出し、前記通信ネットワークを介して配信する選択配信手段と、
前記選択要求データに基づいて、配信される前記教材コンテンツの一部と時系列を同期させ、対応する前記音声データ、前記テキストデータ、及び前記注釈データの少なくともいずれか一つを配信する選択データ配信手段と
をさらに具備することを特徴とする請求項3に記載の言語学習支援システム。
【請求項5】
前記サーバは、
配信される前記テキストデータ及び前記注釈データが表示される際の文字の色を指定する文字色指定手段と、
前記教材コンテンツに時系列を同期して配信される前記音声データの出力に合わせ、前記クライアント端末の表示画面に表示される前記テキストデータ及び前記注釈データの少なくともいずれか一方の文字の色を変化させる文字色変化制御手段と
をさらに具備することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の言語学習支援システム。
【請求項6】
学習対象の言語を実際に使用する場面を想定して撮像された動画情報、及び前記言語を使用して作成された文書を電子化したドキュメント情報の少なくともいずれか一方を含んで構成される複数の教材コンテンツをデータベース化して記憶するコンテンツ記憶手段、前記教材コンテンツの前記動画情報の前記場面で交わされる会話、または前記ドキュメント情報の前記文書の内容を、前記言語の共通語、前記学習者の母国語、及び前記言語の訛り、または特定分野及び業種内で使用される専門用語や隠語を含んで構成される実用性の高い実用英語の少なくともいずれか一つで音声出力するための音声データを前記教材コンテンツに対応させて記憶する音声データ記憶手段、前記教材コンテンツ及び前記音声データに対応して作成され、前記会話または文書の内容を文字情報として表示出力するためのテキストデータを記憶するテキストデータ記憶手段、前記学習者の利用するクライアント端末から通信ネットワークを介し、配信を要求する前記教材コンテンツ、及び前記教材コンテンツに対応する前記音声データ及び前記テキストデータの指定を含む配信要求データを受付ける要求データ受付手段、受付けた前記配信要求データに基づいて、指定された前記教材コンテンツを前記コンテンツ記憶手段から抽出し、前記通信ネットワークを介して配信要求先の前記クライアント端末に配信するコンテンツ配信手段、前記配信要求データに基づいて、配信される前記教材コンテンツに時系列を同期させ、前記共通語、前記母国語、前記実用言語の少なくともいずれか一つの前記音声データを抽出し、前記通信ネットワークを介して前記クライアント端末に配信する音声データ同期配信手段、及び前記配信要求データに基づいて、配信される前記教材コンテンツに時系列を同期させ、前記教材コンテンツ及び前記音声データに対応する前記テキストデータを抽出し、前記通信ネットワークを介して前記クライアント端末に配信するテキストデータ同期配信手段として、前記通信ネットワークに接続されたサーバを機能させることを特徴とする言語学習支援プログラム。
【請求項7】
前記教材コンテンツの前記会話及び前記文書の内容に関する注釈を、前記学習者の視覚及び聴覚の少なくともいずれか一方を通じて認識可能に提示するための注釈データを、前記教材コンテンツに関連付けて記憶する注釈データ記憶手段、配信される前記教材コンテンツに時系列を同期させ、前記通信ネットワークを介して前記クライアント端末に配信する注釈データ同期配信手段として、前記サーバをさらに機能させ、
前記サーバから前記教材コンテンツに同期して配信される前記注釈データを受信し、出力する注釈データ出力制御手段として、前記クライアント端末を機能させることを特徴とする請求項6に記載の言語学習支援プログラム。
【請求項8】
前記動画情報の前記場面或いは前記ドキュメントの内容に応じ、それぞれの項目毎にインデックスファイル化された前記教材コンテンツの一部の配信を選択的に要求する選択要求データの入力を受付け、前記通信ネットワークを介して前記サーバに送出する選択要求データ送出手段として、前記クライアント端末をさらに機能させ、
前記クライアント端末から送出された前記選択要求データを、前記通信ネットワークを介して受付ける選択要求データ受付手段、受付けた前記選択要求データに基づいて、配信する前記教材コンテンツの一部を抽出し、前記通信ネットワークを介して配信する選択配信手段、前記選択要求データに基づいて、配信される前記教材コンテンツの一部と時系列を同期させ、対応する前記音声データ、前記テキストデータ、及び前記注釈データの少なくともいずれか一つを配信する選択データ配信手段として前記サーバをさらに機能させることを特徴とする請求項7に記載の言語学習支援プログラム。
【請求項9】
配信される前記テキストデータ及び前記注釈データが表示される際の文字の色を指定する文字色指定手段、及び前記教材コンテンツに時系列を同期して配信される前記音声データの出力に合わせ、前記クライアント端末の表示画面に表示される前記テキストデータ及び前記注釈データの少なくともいずれか一方の文字の色を、前記文字色指定手段によって指定された通常状態の文字色から変化させる文字色変化制御手段として、前記サーバをさらに機能させることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の言語学習支援プログラム。
【請求項10】
学習対象の言語を実際に使用する場面を想定して撮像された動画情報、及び前記言語を使用して作成された文書を電子化したドキュメント情報の少なくともいずれか一方を含んで構成される複数の教材コンテンツをデータベース化して記憶するコンテンツ記憶手段、前記教材コンテンツの前記動画情報の前記場面で交わされる会話、または前記ドキュメント情報の前記文書の内容を、前記言語の共通語、前記学習者の母国語、及び前記言語の訛り、または特定分野及び業種内で使用される専門用語や隠語を含んで構成される実用性の高い実用英語の少なくともいずれか一つで音声出力するための音声データを前記教材コンテンツに対応させて記憶する音声データ記憶手段、前記教材コンテンツ及び前記音声データに対応して作成され、前記会話または文書の内容を文字情報として表示出力するためのテキストデータを記憶するテキストデータ記憶手段、前記教材コンテンツの前記会話及び前記文書の内容に関する注釈を、前記学習者の視覚及び聴覚の少なくともいずれか一方を通じて認識可能に提示するための注釈データを、前記教材コンテンツに関連付けて記憶する注釈データ記憶手段、出力する前記教材コンテンツ、及び前記教材コンテンツに対応する前記音声データ及び前記テキストデータの指定及びインデックスファイル化された前記教材コンテンツの全体または一部を選択的に出力する指定を含む指示を受付ける出力指示受付手段と、受付けた出力指示に基づいて、指定された前記教材コンテンツを前記コンテンツ記憶手段から抽出し、表示画面に表示するコンテンツ表示制御手段、受付けた出力指示に基づいて、前記共通語、前記母国語、前記実用言語の少なくともいずれか一つの前記音声データを抽出し、前記教材コンテンツに時系列を同期させて出力する音声データ出力制御手段、受付けた出力指示に基づいて、前記教材コンテンツ及び前記音声データに対応する前記テキストデータを抽出し、前記教材コンテンツに時系列を同期させて出力するテキストデータ表示制御手段、受付けた出力指示に基づいて、前記注釈データを抽出し、前記教材コンテンツに時系列を同期させて出力する注釈データ出力制御手段、前記テキストデータ及び前記注釈データが表示される際の文字の色を指定する文字色指定手段、前記教材コンテンツに時系列を同期して出力される前記音声データに合わせ、前記表示画面に表示される前記テキストデータ及び前記注釈データの少なくともいずれか一方の文字の色を変化させる文字色変化制御手段として、スタンドアロン型のコンピュータを機能させることを特徴とする言語学習支援プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate