説明

計器装置

【課題】指針と輪郭部との間に照明室を設けても、同一の導光体で輪郭部及び報知部を効率良く照明することが出来る計器装置を提供する。
【解決手段】計器装置は、指針60の指示対象となる、目盛を含む指標部と、指針を基準として指標部の反対側に位置し、所定の情報を報知する報知部と、報知部と指針及び指標部とを囲み、計器の輪郭を表す輪郭部と、が設けられ、指針の背後に位置する計器板を備える。計器装置は、さらに、光を出射する第1光源57及び第2光源58が設けられ、計器板の背後に位置して計器板と対向する回路基板50と、第1光源が出射した光を受光し、受光した光を指標部及び輪郭部へと導光する導光体80と、回路基板と計器板との間に配置され、導光体を収納する導光体ケース70と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計器装置に関する。
【背景技術】
【0002】
計器装置として、例えば、基板上の光源によって、計器装置の輪郭を表す輪郭部と計器装置の指針の指示対象である指標部とを照明する計器装置が知られている。例えば、引用文献1には、光源がリフレクタ(導光体ケース)に収納された導光体を介して指標部及び輪郭部の両方を照明する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−194636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示されている技術では、同一の導光体によって指標部と輪郭部とを照明できるが、導光体が指針近傍から輪郭部に連続して存在しているために、この導光体が邪魔をし、例えば、計器板の報知部を照明するための照明室や、所定の表示装置を収納する収納室を指針と輪郭部との間の、指針を基準として指標部の反対側の位置に設けることが困難であった。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、指針と輪郭部との間の、指針を基準として指標部の反対側の位置に照明室や収納室を設けても、同一の導光体で輪郭部及び指標部を効率良く照明することが出来る計器装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る計器装置は、
1つ以上の計器を含む計器装置であって、
指針と、
前記指針の指示対象となる、目盛を含む指標部と、前記指針を基準として前記指標部の反対側に位置し、所定の情報を報知する報知部と、前記報知部と前記指針及び前記指標部とを囲み、前記計器の輪郭を表す輪郭部と、が設けられ、前記指針の背後に位置する計器板と、
光を出射する第1光源及び第2光源が設けられ、前記計器板の背後に位置して前記計器板と対向する回路基板と、
前記第1光源が出射した光を受光し、受光した光を前記指標部及び前記輪郭部へと導光する導光体と、
前記回路基板と前記計器板との間に配置され、前記導光体を収納する導光体ケースと、を備え、
前記第2光源は、前記報知部と対向しており、
前記導光体は、前記指標部の背後から前記指標部と前記輪郭部のうちの前記指標部近傍の部分とを覆う第1導光部と、前記第1導光部と繋がっており前記輪郭部の背後から前記輪郭部の他の部分を覆う第2導光部と、を備え、
前記第1導光部と前記第2導光部とによって、前記計器板の厚さ方向から見た場合に前記第2光源及び前記報知部が内部に位置する貫通孔が前記導光体に形成され、
前記導光体ケースは、前記計器板の厚さ方向から見た場合に前記第2光源及び前記報知部を囲むとともに前記貫通孔を貫き、前記第2光源によって前記報知部を照明させる照明室と、前記計器板の厚さ方向から見た場合に前記第1導光部と略同様の形状であり、前記第1導光部を収納する第1凹部と、前記第1凹部とで前記照明室を囲み、前記計器板の厚さ方向から見た場合に前記第2導光部と略同様の形状であり、前記第2導光部を収納する第2凹部と、を備え、
少なくとも前記第2凹部の側面は、前記導光体から到達した光を前記導光体へ反射する反射面を構成することによって、前記導光体による光の導光を補助し、
前記導光体は、導光した光を、前記第1導光部から出射することで前記指標部と前記輪郭部のうちの前記指標部近傍の部分とを照明するとともに、前記第2導光部から出射することで前記輪郭部の他の部分を照明する、
ことを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る計器装置は、
1つ以上の計器を含む計器装置であって、
指針と、
表示装置と、
前記指針の指示対象となる、目盛を含む指標部と、前記指針を基準として前記指標部の反対側に位置し、前記表示装置の表示面から出射される光を透過し、前記表示面を視認可能にする透過部と、前記表示装置と前記指針及び前記指標部とを囲み、前記計器の輪郭を表す輪郭部と、が設けられ、前記指針の背後に位置する計器板と、
光を出射する第1光源が設けられ、前記計器板の背後に位置して前記計器板と対向する回路基板と、
前記第1光源が出射した光を受光し、受光した光を前記指標部及び前記輪郭部へと導光する導光体と、
前記回路基板と前記計器板との間に配置され、前記導光体を収納する導光体ケースと、
を備え、
前記導光体は、前記指標部の背後から前記指標部と前記輪郭部のうちの前記指標部近傍の部分とを覆う第1導光部と、前記第1導光部と繋がっており前記輪郭部の背後から前記輪郭部の他の部分を覆う第2導光部と、を備え、
前記第1導光部と前記第2導光部とによって、前記計器板の厚さ方向から見た場合に前記透過部及び前記表示装置が内部に位置する貫通孔が前記導光体に形成され、
前記導光体ケースは、前記計器板の厚さ方向から見た場合に前記透過部に対応した位置で前記貫通孔を貫き、前記表示装置を収納する収納室と、前記計器板の厚さ方向から見た場合に前記第1導光部と略同様の形状であり、前記第1導光部を収納する第1凹部と、前記第1凹部とで前記収納室を囲み、前記計器板の厚さ方向から見た場合に前記第2導光部と略同様の形状であり、前記第2導光部を収納する第2凹部と、を備え、
少なくとも前記第2凹部の側面は、前記導光体から到達した光を前記導光体へ反射する反射面を構成することによって、前記導光体による光の導光を補助し、
前記導光体は、導光した光を、前記第1導光部から出射することで前記指標部と前記輪郭部のうちの前記指標部近傍の部分とを照明するとともに、前記第2導光部から出射することで前記輪郭部の他の部分を照明する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の第1の観点に係る計器装置によれば、指針と輪郭部との間の、指針を基準として指標部の反対側の位置に照明室を設けても、同一の導光体で輪郭部及び指標部を効率良く照明することが出来る計器装置を提供することができる。
本発明の第2の観点に係る計器装置によれば、指針と輪郭部との間の、指針を基準として指標部の反対側の位置に収納室を設けても、同一の導光体で輪郭部及び指標部を効率良く照明することが出来る計器装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係る計器装置の正面図である。
【図2】図1におけるA−A概略断面図である。
【図3】図2の回路基板及び導光体ケースの正面図である。
【図4】図2の導光体及び導光体ケースの分解斜視図である。
【図5】図1の計器装置における導光体ケースの平面図である。
【図6】図1におけるC−C概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。また、以下では、計器装置100を正面視するユーザ側の方向を「表」とし、その逆方向を「裏」として説明する。さらに、計器装置100が正面視するユーザから見て、上方向を「上」、下方向を「下」、左方向を「左」、右方向を「右」として説明する。
【0011】
(第1実施形態)
第1実施形態に係る計器装置100は、図1に示すように、左から順に、水温計10と、速度計20と、燃料計30と、を備える。第1実施形態に係る計器装置100は、例えば自動車、二輪車等の車両に搭載され、速度計20は車両の速度を、水温計10は車両のエンジンオイルの温度を、燃料計30は燃料残量を、ユーザ(車両の運転者)に報知する。以下では、計器装置100の詳細な構造を説明するに当たって、適宜燃料計30を例として説明する。速度計20及び水温計10は、燃料計30と同様の構成を有するので、詳細な説明は燃料計30に準じる。
【0012】
計器装置100は、図2に示すように、計器板40と、回路基板50と、指針60と、導光体ケース70と、導光体80と、表側ケース90と、裏側ケース95と、を備える。ここで、計器板40と、回路基板50と、導光体ケース70と、表側ケース90と、裏側ケース95と、の各部材は、水温計10と、速度計20と、燃料計30とに共通して設けられるものである。
【0013】
図2に示す計器板40は、合成樹脂等から形成され、透光性を有するシート状の部材である基板42と、基板42の表面及び/又は裏面に、例えば、インクを印刷、塗装することによって形成された、基板42を加飾する加飾層と、を備える。この加飾層によって、図1に示すような、指標部46と、警告報知部48と、輪郭部49と、が表現される。つまり、基板42に上記のように加飾層を設けることによって基板42が加飾され、指標部46と、警告報知部48と、輪郭部49と、が基板に形成され、計器板40は、これら各部を備えることになる。なお、加飾層によって、水温計10及び速度計20についての指標部や輪郭なども表現されている。計器板40は、指針60の背後(裏)に位置する。
【0014】
指標部46は、燃料計30の指標部である。指標部46は、燃料計30の指針60によって指示される指示対象である。具体的には、燃料計30の指標部46は、図1に示すように、略半円弧形状に沿って配列される複数の目盛46aと、目盛46aに対応して配列されている記号46bと、を含む領域から形成されている。記号46bは、図1に示すように、燃料が空であることを示す「E」(Empty)、及び燃料が満タンであることを示す「F」(Full)という文字、「F」と「E」の間で燃料計30が燃料残量についての計器であることを示す図形などからなっている。例えば、目盛46a及び記号46bとその周囲の所定領域が異なる色で色分けられることによって、指標部46が表現される。また、目盛46a及び記号46bは遮光性を有し、その周囲の所定領域は透光性を有するように、両者は形成される。指標部46の前記所定領域は、計器板40(指標部46)の裏からの光を透過するが、目盛46a及び記号46bの部分は光を透過しない。このような透過と非透過との差違によって、暗い場所でもユーザは指標部46を視認できる(つまり、指標部46の目盛46aなどを視認できる)。明るい場所においては、ユーザは、目盛46a及び記号46bとその周囲の所定領域との外光の反射の差違(色分けによって生じる差異)によって、指標部46を視認できる(つまり、指標部46の目盛46aなどを視認できる)。
なお、指標部46は、目盛46a及び記号46bが透光性を有し、その周囲が遮光性を有するように、形成されてもよい(所謂抜き文字印刷など)。これによっても、上記と同様に、ユーザは指標部46を視認できる(つまり、指標部46の目盛46aなどを視認できる)。
【0015】
警告報知部48は、図1に示すように、指針60近傍に位置し、所定の警報情報を表す複数の警告マーク48a(具体的な図形は図示しない)等からなる。各警告マーク48aは、警告報知部48が占める領域内の所定の位置に配置されている。少なくとも一部の警告マーク48a(報知部)は、図1に示すように、計器装置100を表側(計器板40の厚み方向)から見た場合に指針60を基準にして指標部46の反対側の、すなわち右側の領域に位置する。各警告マーク48a(報知部)は、図2及び図5に示すように、後述の第2光源58と対向することにより第2光源58によって照明される(図5において、警告マーク48aを想像線で表した)。各警告マーク48aは、例えば、ユーザがエンジン始動中にシートベルトを着用していないこと(以下、シートベルト非着用警告灯という)、燃料タンク内の燃料残量が所定の量以下になったこと(以下、燃料残量警告灯という)、ドアやトランク等が完全に閉まっていないこと(以下、ドア/テールゲート開閉警告灯という)等の所定の情報を報知するマーク(図形)である。つまり、警告報知部48(各警告マーク48a)は、所定の警告をユーザに報知するものである。燃料残量警告灯は、例えば、燃料タンク内の燃料残量が所定の量以下になったことを表す図形が透光性を有し、その周囲の所定領域が遮光性(例えば、遮光性を有する白色)を有するように形成される。これによって、燃料残量警告灯が燃料タンク内の燃料残量が所定の量以下になったことを表現する。他の警告マーク48aも同様に、透光性を有する部分と遮光性を有する部分とで形成される。警告マーク48aの前記所定領域(遮光性の領域)は、計器板40(警告マーク48a)の裏からの光を透過しないが、所定の警報情報を表す図形(透光性の領域)は光を透過する。このような警告マーク48aの裏側からの照明によって、ユーザは、警告マーク48aを視認できる。つまり、警告がユーザに報知される。なお、警告マーク48aは、前記裏からの光(後述の第2光源58からの光)によって照明されたときにのみ(つまり、警告マーク48aによってユーザに警告を報知したい場合にのみ)、ユーザが視認可能であるように形成されている。例えば、遮光性を有する部分と透光性を有する部分(図形部分)との上に透光性を有する白色層を形成するようにして、透光性を有する部分と遮光性を有する部分との色分けを行わないことによって、外光の反射では警告マーク48aをユーザが視認出来ないように形成する。
なお、警告マーク48aは、前記図形が透光性を有し、前記所定領域が遮光性を有するように形成されてもよい(所謂抜き文字印刷など)。これによっても、透光性を有する部分と遮光性を有する部分とにおける光の透過/非透過によって、ユーザは警告マーク48aを視認できる(つまり、シートベルト非着用警告灯、燃料残量警告灯などを視認できる)。
なお、本実施形態では報知部の一例として、警告マーク48aを採用しているが、報知部は、所定の情報をユーザに報知するものであればよく、他のマークなどから構成されるものであってもよい。
【0016】
輪郭部49は、図1に示すように、燃料計30の輪郭を表す。なお、輪郭とは、各計器の領域や、他の計器との境界等を表すものである。輪郭部49は、図1に示すように、円環状に形成され、計器装置100を表側から見た場合に指標部46、指針60、及び警告報知部48の外周を取り囲んで設けられている。輪郭部49は、輪郭部49の部分とその周囲の所定領域とが異なる色で色分けられることによって表現される。また、輪郭部49は、透光性又は遮光性を有する。例えば、目盛46a及び記号46bが透光性を有し、かつ目盛46a及び記号46bの周囲が遮光性を有している場合には、輪郭部49に透光性を持たせ、その周囲の領域を非透過の領域とすることで、暗い場所でも輪郭部49の裏側から光を透過させることで燃料計30の輪郭を表すことができる。また、輪郭部49に遮光性を持たせ、その周囲の領域を透光性の領域とすることで、暗い場所でも輪郭部49の裏側から光を透過させることで燃料計30の輪郭を表すことができる。なお、目盛46a及び記号46bが遮光性を有し、かつ輪郭部49が透光性を有している場合には、輪郭部49と指標部46(特に目盛46a)とが重なってもいてもよい。つまり、目盛46a及び記号46b(又は目盛46aのみ)は、輪郭部49上に配列されていてもよい。
輪郭部49は、図1又は図5に示すように、半円弧状の形状である左輪郭部49aと、半円弧状の形状である右輪郭部49bと、から構成される(図5において、輪郭部49を想像線で表した。)。左輪郭部49aは、指針60を介して警告報知部48と対向する部分、すなわち指針60を基準に指標部46側の部分(指標部46近傍の部分)である。右輪郭部49bは、指針60を介して指標部46と対向する(指針60を介して指標部46の反対にある)部分、すなわち警告報知部48側の部分である。本実施形態では、左輪郭部49aと右輪郭部49bとは、図1に示すように、指針60の中心(回転軸56aの中心)を通って上下方向に延びる線B−Bを境界とするものとする。
【0017】
計器板40には、例えば、燃料計30の中心の位置に、基板42の厚さ方向に沿って貫通する孔44がさらに設けられている。孔44には、指針60(後述の回転軸56aであってもよい。)が回転可能に挿通されている。なお、同様に、計器板40には、速度計20の指針及び水温計10の指針それぞれが回転可能に挿通された孔が形成されている。
【0018】
回路基板50は、図2に示すように、基材52と、孔54と、駆動本体56と、複数の第1光源57と、複数の第2光源58と、複数の第3光源59と、制御部(図示しない)と、各種配線(図示しない)と、を備える。回路基板50は、計器板40の背後(裏)に位置し、計器板40と対向している。制御部は、CPU(Central Processing Unit)等の電子部品を含む電子回路である。制御部は、計器装置100の外部装置、駆動本体56、各光源等に所定の配線を介して接続されている。制御部は、燃料残量を監視している外部装置から送られた信号(燃料残量データを表す信号等)に応じて駆動本体56等を駆動・制御する。また、ECU(Electronic Control Unit)等の外部装置から送られた信号に応じて各光源等を駆動・制御する。なお、回路基板50は、水銀計10、速度計20、及び燃料計30に共有されているものである。
【0019】
基材52は、ガラスエポキシ等から形成される板状の部材である。基材52には、図2に示すように、表側から見た場合、孔44と重なるように孔54が形成さえている。
【0020】
駆動本体56は、例えば、ステッピングモータ等で構成されている。駆動本体56は、図2に示すように基材52の裏面に実装されている。駆動本体56は、回路基板50の裏側から表側に向かって延びる回転軸56aを有する。回転軸56aは、孔54、後述の光案内路72、孔44を通って、計器板40の表側に突き出す。駆動本体56は、制御部の制御の下で回転軸56aを回転させる。
【0021】
各第1光源57は、トップビュー型のLED(Light Emitting Diode)等から構成されている。各第1光源57は、図2又は図3に示すように、回路基板50の表面に取り付けられている(第1光源57の断面を表すハッチングは省略されている)。各第1光源57は、回路基板50の表面から略法線方向(計器板の厚み方向)に向かって光を出射し、導光体80を介して指標部46及び輪郭部49を照明する。なお、図3において、第1光源57は、基材52上に4つ取り付けられているが、この数に限られない。上述の制御部は、外部から供給される信号に応じて、第1光源57を発光させたり消灯させたりする。
【0022】
各第2光源58は、トップビュー型のLED等から構成されている。各第2光源58は、図2に示すように、警告マーク48aの裏側に位置し(警告マーク48aと対向し)、回路基板50の表側の面に取り付けられている(第2光源58の断面を表すハッチングは省略されている)。また、計器装置100を表側から見た場合には、各第2光源58は、図2又は図5に示すように、指針60と輪郭部49との間に位置する(図5において、第2光源58を想像線で表した)。第2光源58は、それぞれ対応(対向)する警告マーク48aを照明する。つまり、第2光源58は、警告マーク48aと同じ数だけ回路基板50に取り付けられ、回路基板50の表面から略法線方向(計器板の厚み方向)に向かって光を出射し、対応する警告マーク48aをそれぞれ照明する。例えば、燃料残量警告灯には、専用の(燃料残量警告灯を照明するための)第2光源58が回路基板50に1つ取り付けられている。なお、図3において、第2光源58は、基材52上に5つ取り付けられているが、この数に限られず、設けたい警告マーク48aの数によって変わる。例えば、警告マーク48aが10個ある場合には、第2光源58も基材52上に10個だけ取り付ける。上述の制御部は、外部から供給される信号に応じて、第2光源58を発光させたり消灯させたりする。
【0023】
各第3光源59は、トップビュー型のLED等から構成されている。各第3光源59は、図2又は図3に示すように、回路基板50の表側の面、かつ孔54の近傍に取り付けられている(第3光源59の断面を表すハッチングは省略されている)。第3光源59は、回路基板50の表面から略法線方向(計器板の厚み方向)に向かって光を出射し、指針60を照明する。なお、図3において、孔54の近傍に第3光源59は、基材52上に2つ取り付けられているが、この数に限られない。上述の制御部は、外部から供給される信号に応じて、第3光源59を発光させたり消灯させたりする。
【0024】
指針60は、図2に示すように、回転軸56aの先端に取り付けられている。指針60は、例えば合成樹脂等から形成されている。指針60は、回転軸56aの回転により計器板40上(つまり、計器板40は指針60の背後に位置している。)を回転し、指標部46における、目盛46aや目盛46a又は記号46bの間等を指示する。上述の制御部は、外部から供給される燃料残量データ(計測量)に応じた回転角で、回転軸56aを回転させる。この回転に伴って指針60は軸周りで回転するので、指針60は燃料残量に応じた角度で回転して指標部46を指示し、燃料残量をユーザに報知する。
【0025】
導光体80は、図4に示すように、複数の受光部82と、貫通孔83と、第1導光部84と、第2導光部86と、を備える(図2において、導光体80の断面を表すハッチングを省略した)。導光体80は、合成樹脂等で一体成形され、透明の部材である。導光体80は、指標部46及び輪郭部49と重なり合うような形状である。
【0026】
受光部82は、図2に示すように、第1光源57と対向する。受光部82は、第1光源57が出射した光を受光し、受光した光を第1導光部84に導光する。なお、受光部82は、第1光源57と同じ数だけ設ける。
【0027】
第1導光部84は、図2及び図4に示すように、略方形に形成され、表側から見た場合に指標部46の裏側、及び、本実施形態において輪郭部49のうちの指標部46近傍の部分に該当する左輪郭部49aの裏側(背後)に位置し、指標部46及び左輪郭部49a(特に透光性を有する領域)を裏側から覆う。
【0028】
第2導光部86は、図4に示すように、計器装置100を表側から見た場合、右輪郭部49bに対応した形状であり、具体的には半円弧状の形状である。第2導光部86は、図2又は図4に示すように、計器装置100を表側から見た場合、右輪郭部49bの裏側(背後)に位置し、本実施形態において輪郭部49の指標部46近傍以外の部分に該当する右輪郭部49b(特に透光性を有する領域)を裏側から覆う。第2導光部86は、両端が第1導光部84と繋がっており、第1導光部84と第2導光部86とは、後述の照明室74を取り囲むように設けられる。
【0029】
貫通孔83は、略半円形状で形成された空間である。貫通孔83は、第2導光部86の両端が第1導光部84に繋がることによって形成され、計器装置100を表側から見た場合に、内部に、複数の第2光源58と後述の照明室74とが位置している。
【0030】
なお、導光体80は、裏面に複数の微小な凹凸形状の凹凸部80a(反射部として機能するものである。)を備えてもよい(図2参照)。この凹凸形状により、導光体80の裏面に到達した光は、計器板40の方向へ拡散反射する。このような凹凸部80aによって、導光体80の導光効率が良くなる(詳しくは後述)。凹凸部80aは、第1光源57から遠くなるほど凹凸の密度が高くなるように形成される。
【0031】
導光体ケース70は、図4に示すように、光案内路72と、複数の照明室74と、第1凹部76a及び第2凹部76bから構成される凹部76と、孔79と、を備える。導光体ケース70は、例えば、ポリプロピレン(PP)樹脂の射出成形で形成された、白色の部材である。導光体ケース70は、図2に示すように、計器板40と回路基板50との間に配置されている。導光体ケース70は、導光体80を収納する。孔79は、回路基板50方向に貫通しており、後述する、第1導光部84の一部及び受光部82が挿入される。
【0032】
各照明室74は、側壁部74aと、底面部74bと、空間部74cと、を備える。各照明室74は、図2又は図3に示すように、回路基板50から計器板40の方向に延びた形状で形成され、貫通孔83を貫く(導光体ケース70の立体形状についての詳細は後述する)。各照明室74は、計器装置100を表側から見た場合に、第2光源58及び警告報知部48を囲む。各照明室74は、各第2光源58から計器板40の警告マーク48aに至る空間(第2光源58からの光を警告マーク48aまで到達させる光路を構成する空間)を形成し、各第2光源58によって警告マーク48aを照明させる。各照明室74は、設けられている位置などに応じて、表側から見たときの形状が異なる。例えば図3に示すように、各照明室74は、計器装置100を表側から見た場合にそれぞれ略四角形状や略四分円形状で設けられている。照明室74は、各第2光源58に対してそれぞれ設けられている。つまり、1つの第2光源58につき、1つの照明室74が割り当てられる。側壁部74aは、図4に示すように、回路基板50から計器板40の方向に延び、第2光源58を取り囲むような形状で形成されている。側壁部74aは、図3又は図4に示すように、各第2光源58から出射した光が互いに干渉しないように、隣り合う照明室74(光案内路72も含む)との間を仕切る。底面部74bには、図2に示すように、表側から見た場合に、略中央に貫通孔が形成されている(図3において、底面部74bを省略した)。空間部74cは、側壁部74aによって形成された空間部である。第2光源58からの光は、前記貫通孔を介して空間部74cに入射する。これによって、光が回路基板50側から漏れることを軽減する。
【0033】
第1凹部76aは、図4に示すように、表から裏方向に凹み、表側から見た場合に第1導光部84と略同様の形状である。また、第1凹部76aは、図5に示すように、表側から見た場合に指標部46と重なる(図5において、指標部46を想像線で表した)。第1凹部76aは、図2又は図4に示すように、第1導光部84を収納し、その内面は、第1導光部84と近接又は当接している。第1凹部76aの内面(側面及び底面)は、導光体ケース70が白色で形成されているため、反射面として機能する。
【0034】
第2凹部76bは、図4に示すように、表から裏方向に凹み、表側から見た場合に第2導光部86と略同様の形状である。第2凹部76bは、図2又は図4に示すように、第2導光部86を収納し、その内面は、第2導光部86と近接又は当接している。第2凹部76bの側面及び底面は、導光体ケース70が白色で形成されているため、反射面として機能する。第1凹部76aと第2凹部76bとによって、照明室74が囲まれている。
【0035】
なお、各凹部の側面及び底面に金属調のメッキを施してもよいが、導光体ケース70が白色で形成されているため、そのようなメッキを施すことなく光を反射できる。このため、メッキを施すなどの作業を必ずしも必要としないので、製造コストを抑えることができる。
【0036】
光案内路72は、図2に示すように、計器板40の孔44及び回路基板50の孔54に対応する位置で、複数の第3光源59を囲むように形成された空間である。
【0037】
ここで、図3を参照しながら、導光体ケース70がどのような立体形状になっているかを更に詳しく説明する。図3において、格子状の線を付した箇所は、回路基板50を表し、斜線状の線を付した箇所、ドットを付した箇所、及び白抜きで表した箇所は、導光体ケース70を示す(なお、第1光源57、第2光源58、第3光源59、回転軸56a、孔54も白抜きで表した)。導光体ケース70は、斜線状の線を付した箇所、ドットを付した箇所、白抜きで表した箇所の順に繋がっている。斜線状の線を付した導光体ケース70は回路基板50から表に向かう傾斜の形状で形成されている。ドットを付した部分は、回路基板50に対して略平行であり、略平坦な形状で形成されている。白抜きで表した部分は、側壁部74aの表側の面を示し、表側方向に対して同じ高さである。つまり、白抜きで表した部分は、ドットを付した部分から表方向に同じ高さで立設している。
【0038】
図2に戻って、表側ケース90は、ガラスケース90aと、バイザー90bと、を備える。ガラスケース90aは、例えば、視光透過性のあるガラス又は合成樹脂等から形成された、透明の部材である。バイザー90bは、例えば、硬質合成樹脂から形成され、黒色系であり、光を遮光する。ガラスケース90aとバイザー90bとは、一体化し表側ケース90を構成する。
【0039】
裏側ケース95は、例えば硬質合成樹脂等で形成されている。裏側ケース95は、表側及び裏側が開口状で形成され、回路基板50と、指針60と、計器板40と、導光体ケース70と、導光体80とを挟み込んで表側ケース90と一体化する。
【0040】
次に、第1光源57から出射した光の経路について説明する。
【0041】
左輪郭部49a及び指標部46を照明する光の経路について説明する。第1光源57が出射した光は、導光体80の受光部82に向かって進む。受光部82に到達した光は、第1導光部84の内部に導かれ、第1導光部84内で導光される。このとき、第1導光部84の側面、底面から出射される光は、適宜、第1凹部76aの側面、底面で反射され、第1導光部84内に再度入射されるので、第1導光部84で導光される光は、導光損失(導光される光の光量の減少度)が少なくなっている。第1導光部84内部で導光された光の一部は、第1導光部84の表面から計器板40方向に面状に出射される。この第1導光部84の表側から出射された光は、計器板40(左輪郭部49a及び指標部46)に到達する。これによって、左輪郭部49a及び指標部46は照明され、照明光は透過性を有する部分を透過し、ユーザは、左輪郭部49a及び指標部46を視認できる。
【0042】
右輪郭部49bを照明する光の経路について説明する。上記第1導光部84内部で導光された光の他の一部は、第2導光部86に導かれ、第2導光部86内で導光される。このとき、第2導光部86の側面、底面から出射される光は、適宜、第2凹部76bの側面、底面で反射され、第2導光部86内に再度入射されるので、第2導光部86で導光される光は、導光損失が少なくなっている。そして、第2導光部86内部で導光された光は、第2導光部86の表面から計器板40方向に面状に出射される。第2導光部86の表面から出射された光は、計器板40(右輪郭部49b)に到達する。これによって、右輪郭部49bは照明され、照明光は透過性を有する部分を透過し、ユーザは、右輪郭部49bを視認できる。
【0043】
次に、第2光源58から出射した光の経路(警告報知部48(各警告マーク48a)が発光するまでの過程)について、燃料残量が所定の量以下になった場合を用いて説明する。水銀計10の外部装置(燃料残量を監視している装置)は、燃料残量が所定の量以下になったと判断すると、この判断(情報)を電気信号として上記制御部へ伝達する。上記制御部は、この電気信号を受け取ったのちに、燃料残量警告灯に対向する第2光源58を制御して点灯させ、第2光源58から光を出射させる。そして、第2光源58から出射した光が燃料残量警告灯裏側の照明室74を介して計器板40(燃料残量警告灯)に到達する。このとき、照明室74の内壁で、第2光源58からの光は、適宜反射されるので、損失が少なく計器板40に到達する。このようにして、警告マーク48aは照明され、光は透過性を有する部分を透過し、ユーザは、警告マーク48aを視認できる。なお、上記制御部の制御の下、燃料残量警告灯(警告マーク48a)を点滅させることで報知をしてもよい。
【0044】
次に、第3光源59から出射した光の経路について説明する。第3光源59は、指針60(指針60における、回転軸56aに取り付けられた箇所の近傍)に向かって光を出射する。そして、指針60は、図示しない受光面で光を受光して発光する。
【0045】
次に導光体ケース70について説明する。仮に凹部76(第1凹部76a及び第2凹部76b)の側面が反射面(白色)でない場合、導光体80の側面から出射された光が凹部76の側面に到達しても、凹部76の側面が反射面でないため凹部76の側面で反射されない。このため、導光体80から各凹部の側面に到達した光が導光体80に反射されて導光体80に戻される可能性は低くなり、導光体80に戻らない分だけ導光体80によって指標部46及び輪郭部49に導光される光が減少する。つまり、導光体80が導光する光の光量が減少する。そこで、本実施形態では、第1凹部76a及び第2凹部76bから構成される凹部76の側面に反射面を形成し、この反射面によって導光体80から凹部76の側面に到達した光を導光体80に反射することで、導光体80によって導光される光が減少しにくくなる。よって、本実施形態では、導光される光の減少度が少なくなった分だけ、導光体80が輪郭部49又は指標部46へ効率よく光を導光するので、輪郭部49又は指標部46を効率よく照明することができる。
【0046】
次に、導光体80及び導光体ケース70について説明する。本実施形態に係る導光体80は、第1導光部84と第2導光部86とによって、指標部46と輪郭部49とを裏から覆いつつも、計器装置100を表側から見た場合に光案内路72及び照明室74が貫通孔83の内部に位置するように形成されている。この結果、導光体80は、光案内路72及び照明室74の邪魔にならない。この導光体80を用いて光を導光した場合に、通常光は真っ直ぐに進む性質があるので、第2導光部86が、半円弧状の形状になっていると、光を導光することが困難である。しかし、本実施形態では、第2凹部76bの側面に反射面を形成し、この反射面によって第2導光部86から第2凹部76bの側面に到達した光を第2導光部86に反射させることで、導光体80によって導光される光が全体として円弧形状に沿って進む。つまり、本実施形態に係る第2凹部76bによって、第2導光部86は、真っ直ぐ進むはずの光を、半円弧状の形状に沿って導光することができる(導光を補助することが出来る)。以上のように、導光体80は、光案内路72及び照明室74を避けながら指標部46と輪郭部49とを裏から覆っているとともに、第2凹部76bによって導光が補助されるので、指標部46と輪郭部49とを効率よく照明することができる。
【0047】
このように、本実施形態に係る計器装置100は、指標部46と、指針60を基準として指標部46の反対側に位置する警告マーク48aと、警告マーク48aと指針60とを囲む輪郭部49と、が設けられ、指針60の背後に位置する計器板40と、第1光源57及び第2光源58が設けられて計器板40と対向する回路基板50と、第1光源57が出射した光を受光し、受光した光を指標部46及び輪郭部49へと導光する導光体80と、回路基板50と計器板40との間に配置され、導光体80を収納する導光体ケース70と、を備える。そして、第2光源58は、警告マーク48aと対向し、導光体80は、指標部46と左輪郭部49aとを背後から覆う第1導光部84と、第1導光部84と繋がっており右輪郭部49bを背後から覆う第2導光部86と、を備える。そして、第1導光部84と第2導光部86とによって、計器板40の厚さ方向から見た場合に第2光源58及び警告マーク48aが内部に位置する貫通孔83が導光体80に形成される。さらに、導光体ケース70は、計器板40の厚さ方向から見た場合に第2光源58及び警告マーク48aを囲むとともに貫通孔83を貫き、第2光源58によって警告マーク48aを照明させる照明室74と、第1導光部84と略同様の形状であり、第1導光部84を収納する第1凹部76aと、第1凹部76aとで照明室74を囲み、第2導光部86と略同様の形状であり、第2導光部86を収納する第2凹部76bと、を備える。そして、少なくとも第2凹部76bの側面は、導光体80(第2導光部86)から出射され到達した光を導光体80(第2導光部86)へ反射する反射面を構成することによって、導光体80(第2導光部86)による光の導光を補助し、導光体80は、導光した光を、第1導光部84から出射することで指標部46及び左輪郭部49aを照明するとともに、第2導光部86から出射することで右輪郭部49bを照明する。このような構成によって、本実施形態に係る計器装置100では、指針60と輪郭部49との間の、指針60を基準として指標部46の反対側の位置に照明室74を設けても、同一の導光体80で輪郭部49及び指標部46を効率良く照明することが出来る。
【0048】
なお、一般に、導光体の光源に近い部分では光源から供給され導光される光の量は多いが、第1光源57に遠い部分では光源から供給され導光される光の量は少なくなる場合がある。つまり、照明ムラが発生する場合がある。本実施形態では、導光体80の裏面に、第1光源57から遠くなるほど凹凸の密度が高くなる凹凸部80aを設けることで、導光体80は、第1光源57から遠い箇所すなわち到達する光の量が少ない箇所で、より多くの光を裏面から拡散反射させる。このように導光体80に設けられた凹凸部80aは、反射部として機能する。このため、輪郭部49及び指標部46における第1光源57から遠い部分が、凹凸部80aを設けていない場合に比べて光をより多く受光する。よって、第1光源57から近い部分と遠い部分とで照明の明るさの差が縮まり、輪郭部49及び指標部46の照明ムラが軽減される。凹凸部80aは、例えば、導光体80の裏面に円錐状(例えば、底面と側面とのなす角が45°の円錐)の窪みが複数設けられることにより形成される。なお、本実施形態では、凹凸部80aを導光体が導光する光を反射する反射部として機能させたが、導光体80の裏面に金属調のメッキを施すことによって、このメッキを反射部として機能させてもよい。
【0049】
なお、第1導光部84は、表面に表方向に突出し、計器板40の裏面と当接する凸部85をさらに有している。第1導光部84の表面を基準としたときに、凸部85の高さは、第1凹部76aの側面(前記第1凹部を構成する側壁)の高さと略同じである。この凸部85を計器板40に当接させることで、製造過程で生じてしまう、導光体80と計器板40との隙間を調節することができ、車両の走行中における外部からの様々な衝撃、振動等による計器板40又は導光体ケース70との接触を抑えることができる。仮に、凸部85を計器板40に当接させないと、導光体80と計器板40との隙間によって、導光体80が計器板40と導光体ケース70との間で振動する。以上のように、変形例2では、凸部85を計器板40に当接させることで、導光体80が計器板40と導光体ケース70との間で振動することが抑えられ、この振動による計器板40、導光体ケース70、導光体80等の破損をおさえる。特に、計器板40の裏面に形成された各指標部の塗装がはがれにくくなる。
【0050】
(第2実施形態)
第2実施形態では、警告報知部48の代わりに液晶ディスプレイなどの表示装置が用いられる。このような構成を、第1実施形態の速度計20によって説明する。速度計20の表示装置以外の構成については、第1実施形態と略同様である。したがって、速度計20の説明にあたって、同様の構成について適宜省略して説明し、速度計20の表示装置を中心に説明する。
【0051】
図1に示すように、速度計20は、所定の情報を表示する表示装置28を備える。表示装置28は、例えば、表示装置照明用光源29によって照明される液晶ディスプレイなどの表示装置である。計器板40は、図6に示すように、表示装置28用の透過部27を備える。透過部27は、表示装置28の表示面を露出させ、ユーザに表示面(表示装置28によって表示された情報)を視認させるための光(表示装置28の表示面から出射される光)を透過する部分である。透過部27は、例えば、計器板40に形成された貫通孔であってもよいし、透明な部分(例えば、基板42の加飾層が形成されていない部分)によって構成されてもよい。導光体ケース70は、複数の照明室74ではなく、図6に示すように、表示装置28を収納できるような形状の照明室25を1つ備える。この照明室25に対応して、回路基板50は、照明室25に囲まれた、表示装置照明用光源29を1つ備える。表示装置照明用光源29は、表示装置28に対向している。透過部27は、計器板40の下側(第1実施形態では警告報知部48に相当する場所)に位置し、表示装置照明用光源29と対向する。透過部27は、計器装置100を表側から見た場合に導光体80の貫通孔83の内部に位置する。表示装置28は、計器板40の表面から突き出ることなく照明室25内に収納されている。本実施形態では、照明室25は、表示装置28の収納室としても機能している。表示装置28は、照明室25に囲まれた表示装置照明用光源29と対向しているので、照明室25を介して照明される。表示装置28は、上記制御部の制御の下で、所定の情報(例えば、走行距離等)を報知する。
【0052】
このように、複数の照明室74が表示装置28を収納する一つの照明室25に変わり、警告マーク48aが透過部27に変わっても、速度計20の構成は、第1実施形態の燃料計30の構成と略同様である。このため、速度計20における、指針、輪郭部、及び指標部において、指針と輪郭部との間の、指針を基準として指標部の反対側の位置に比較的に大きな部屋からなる照明室25を設けても、同一の導光体80で輪郭部及び指標部を効率良く照明することが出来る。
【0053】
(変形例)
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、上記実施形態の内容は適宜変更可能である。以下に、上記実施形態の変形例を示すが、下記の変形例は適宜組み合わせることができる。また、上記各実施形態の構成も適宜組合せることができる。
【0054】
(変形例1)
なお、輪郭部49は、略円環状や略多角環状(多角形の輪郭に沿った形状)の形状であればよい。略円環状の形状には、略真円(真円も含む)の円環状の形状(上記実施形態参照)や、略楕円(楕円も含む)の円環状の形状が含まれる。輪郭部49は、上記実施形態では、連続的に繋がったものであるが、途切れ途切れの不連続の形状(例えば、破線状、点線状の形状)であってもよい。右輪郭部49bも、指針60を介して、指標部46に対向するものであればよく、その形状は特に限定されない。左輪郭部49aも同様である。左輪郭部49a及び右輪郭部49bは、上記実施形態では半円弧形状に形成されているが、略円弧形状に形成されていればよく、半円弧形状でなくてもよい。略円弧には、略真円の円弧及び略楕円の円弧が含まれる。
【0055】
(変形例2)
表示装置28は、自発光型のディスプレイ(例えば、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ)であってもよい。この場合、照明室25は表示装置28を収納する収納室であればよく、表示装置照明用光源29や、表示装置照明用光源29からの光を導く部分は適宜省略されてもよい。
【0056】
以上では、計器装置100を車両用計器として説明したが、これに限られない。計器装置100は、航空用計器、船舶用計器等であってもよい。
【0057】
なお、以上の説明では、本発明の理解を容易にするために、公知の技術的事項の説明を適宜省略した。
【符号の説明】
【0058】
100 計器装置
10 水温計
20 速度計
25 照明室
27 透過部
28 表示装置
29 表示装置照明用光源
30 燃料計
40 計器板
42 基板
44 孔
46 指標部
46a 目盛
46b 記号
48 警告報知部
48a 警告マーク
49 輪郭部
49a 左輪郭部
49b 右輪郭部
50 回路基板
52 基材
54 孔
56 駆動本体
56a 回転軸
57 第1光源
58 第2光源
59 第3光源
60 指針
70 導光体ケース
72 光案内路
74 照明室
74a 側壁部
74b 底面部
74c 空間部
76 凹部
76a 第1凹部
76b 第2凹部
79 孔
80 導光体
80a 凹凸部(反射部の一例)
82 受光部
83 貫通孔
84 第1導光部
85 凸部
86 第2導光部
90 表側ケース
90a ガラスケース
90b バイザー
95 裏側ケース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の計器を含む計器装置であって、
指針と、
前記指針の指示対象となる、目盛を含む指標部と、前記指針を基準として前記指標部の反対側に位置し、所定の情報を報知する報知部と、前記報知部と前記指針及び前記指標部とを囲み、前記計器の輪郭を表す輪郭部と、が設けられ、前記指針の背後に位置する計器板と、
光を出射する第1光源及び第2光源が設けられ、前記計器板の背後に位置して前記計器板と対向する回路基板と、
前記第1光源が出射した光を受光し、受光した光を前記指標部及び前記輪郭部へと導光する導光体と、
前記回路基板と前記計器板との間に配置され、前記導光体を収納する導光体ケースと、を備え、
前記第2光源は、前記報知部と対向しており、
前記導光体は、前記指標部の背後から前記指標部と前記輪郭部のうちの前記指標部近傍の部分とを覆う第1導光部と、前記第1導光部と繋がっており前記輪郭部の背後から前記輪郭部の他の部分を覆う第2導光部と、を備え、
前記第1導光部と前記第2導光部とによって、前記計器板の厚さ方向から見た場合に前記第2光源及び前記報知部が内部に位置する貫通孔が前記導光体に形成され、
前記導光体ケースは、前記計器板の厚さ方向から見た場合に前記第2光源及び前記報知部を囲むとともに前記貫通孔を貫き、前記第2光源によって前記報知部を照明させる照明室と、前記計器板の厚さ方向から見た場合に前記第1導光部と略同様の形状であり、前記第1導光部を収納する第1凹部と、前記第1凹部とで前記照明室を囲み、前記計器板の厚さ方向から見た場合に前記第2導光部と略同様の形状であり、前記第2導光部を収納する第2凹部と、を備え、
少なくとも前記第2凹部の側面は、前記導光体から到達した光を前記導光体へ反射する反射面を構成することによって、前記導光体による光の導光を補助し、
前記導光体は、導光した光を、前記第1導光部から出射することで前記指標部と前記輪郭部のうちの前記指標部近傍の部分とを照明するとともに、前記第2導光部から出射することで前記輪郭部の他の部分を照明する、
ことを特徴とする計器装置。
【請求項2】
1つ以上の計器を含む計器装置であって、
指針と、
表示装置と、
前記指針の指示対象となる、目盛を含む指標部と、前記指針を基準として前記指標部の反対側に位置し、前記表示装置の表示面から出射される光を透過し、前記表示面を視認可能にする透過部と、前記表示装置と前記指針及び前記指標部とを囲み、前記計器の輪郭を表す輪郭部と、が設けられ、前記指針の背後に位置する計器板と、
光を出射する第1光源が設けられ、前記計器板の背後に位置して前記計器板と対向する回路基板と、
前記第1光源が出射した光を受光し、受光した光を前記指標部及び前記輪郭部へと導光する導光体と、
前記回路基板と前記計器板との間に配置され、前記導光体を収納する導光体ケースと、
を備え、
前記導光体は、前記指標部の背後から前記指標部と前記輪郭部のうちの前記指標部近傍の部分とを覆う第1導光部と、前記第1導光部と繋がっており前記輪郭部の背後から前記輪郭部の他の部分を覆う第2導光部と、を備え、
前記第1導光部と前記第2導光部とによって、前記計器板の厚さ方向から見た場合に前記透過部及び前記表示装置が内部に位置する貫通孔が前記導光体に形成され、
前記導光体ケースは、前記計器板の厚さ方向から見た場合に前記透過部に対応した位置で前記貫通孔を貫き、前記表示装置を収納する収納室と、前記計器板の厚さ方向から見た場合に前記第1導光部と略同様の形状であり、前記第1導光部を収納する第1凹部と、前記第1凹部とで前記収納室を囲み、前記計器板の厚さ方向から見た場合に前記第2導光部と略同様の形状であり、前記第2導光部を収納する第2凹部と、を備え、
少なくとも前記第2凹部の側面は、前記導光体から到達した光を前記導光体へ反射する反射面を構成することによって、前記導光体による光の導光を補助し、
前記導光体は、導光した光を、前記第1導光部から出射することで前記指標部と前記輪郭部のうちの前記指標部近傍の部分とを照明するとともに、前記第2導光部から出射することで前記輪郭部の他の部分を照明する、
ことを特徴とする計器装置。
【請求項3】
前記回路基板は、前記表示装置と対向する位置に表示装置照明用光源を備え、
前記収納室は、前記表示装置を収納するとともに、前記計器板の厚さ方向から見た場合に前記表示装置照明用光源を取り囲み、かつ、前記表示装置照明用光源によって前記表示装置を照明させる照明室である、
ことを特徴とする請求項2に記載の計器装置。
【請求項4】
前記導光体は、背面に導光した光を反射する反射部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の計器装置。
【請求項5】
前記第1導光部は、前記第1導光部の表面から前記計器板に向かって突出する凸部をさらに有し、
前記第1導光部の表面を基準とした前記凸部の高さは、前記第1凹部を構成する側壁の前記第1導光部の表面からの高さと略同じであり、前記凸部の先端は計器板と当接する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の計器装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−113816(P2013−113816A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−263101(P2011−263101)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000231512)日本精機株式会社 (1,561)
【Fターム(参考)】