説明

計測装置および計測方法

【課題】アナログアンプを不要とするとともに、簡単で安価な回路構成で、温度等の環境変化があっても測定対象の物理量を高精度に測定することが可能な計測装置を提供すること。
【解決手段】該検出用抵抗素子110が接続された発振部120の出力信号の周波数から測定対象の物理量を演算部130で演算して測定対象Tの物理量を測定する計測装置100であって、発振部120が、既知の電気抵抗値を持つ基準抵抗素子121を少なくとも1つ有し、検出用抵抗素子110と該基準抵抗素子121とを切替えて接続可能に構成されていること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定対象の物理量の変化を電気抵抗値の変化に変換する検出用抵抗素子を用いた計測装置に関し、特に、検出用抵抗素子の電気抵抗値を周波数に変換して測定対象の物理量を測定する計測装置および計測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、歪みゲージ等の物理量の変化を電気抵抗値の変化に変換する検出用抵抗素子を測定対象に固定して、歪み等の測定対象の物理量の変化を電気抵抗値の変化として測定するものが周知である。
検出用抵抗素子の電気抵抗値を測定する方法としては、ホイートストンブリッジ等の抵抗ブリッジを利用して電圧変化に変換するものが慣用されており、該電圧をアナログアンプで増幅してA/D変換器でデジタル値に変換して出力するものが公知である(特許文献1等参照。)。
【0003】
しかしながら、検出用抵抗素子の電気抵抗値の変化は微小で変換後の電圧変化も微小であることから、これを増幅するためのアナログアンプは、精度が高く、温度等の環境による特性変化の少ないものとする必要があり、安定化や補償等のために回路規模が増大したり、高精度のパーツを使用して、高価なものとなるという問題があった。
このような、アナログアンプの問題を解消するために、発振回路を用いて検出用抵抗素子の電気抵抗値の変化を周波数の変化に変換して出力することで、アナログアンプを省略した回路構成のものが公知である(特許文献2等参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−163683号公報
【特許文献2】特開2005−300519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、公知の前記特許文献2によっても、高価なアナログアンプは不要となるものの、発振回路に含まれるキャパシタを始めとする回路素子の周波数特性や温度等の環境による特性変化が計測値の精度に影響を与えるという問題があった。
特に、検出用抵抗素子の電気抵抗値の変化が微小であるため、回路自身が有する内部抵抗等,回路自身の状態変化の影響が極めて大きく、計測値の精度に与える影響は極めて大きいという問題があった。
これらの影響を軽減するためには、発振回路を温度等の環境による特性変化の少ないものとする必要があり、その安定化や補償等のために高精度のパーツを使用し、複雑な回路構成としなければならず、極めて高価なものとなるという問題があった。
また、長期間にわたって測定対象の物理量の変化をモニタリングするような場合は、これらの特性変化を完全に排除することは困難であることから、測定開始前に正確に校正したとしても、長期間にわたったモニタリングには対処できなかった。
【0006】
そこで、本発明は、前記した問題点を解決するものであり、アナログアンプを不要とするとともに、簡単で安価な回路構成で、温度等の環境変化があっても測定対象の物理量を高精度に測定することが可能な計測装置および計測方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本請求項1に係る発明は、測定対象の物理量の変化を電気抵抗値の変化に変換する検出用抵抗素子と、該検出用抵抗素子が接続されその電気抵抗値に応じた周波数の出力信号を出力する発振部と、前記出力信号の周波数から測定対象の物理量を演算する演算部とを有して、測定対象の物理量を測定する計測装置であって、前記発振部が、既知の電気抵抗値を持つ基準抵抗素子を少なくとも1つ有し、前記検出用抵抗素子と該基準抵抗素子とを切替えて接続可能に構成されていることにより、前記課題を解決するものである。
【0008】
本請求項2に係る発明は、請求項1に係る計測装置の構成に加え、前記発振部が、異なる電気抵抗値を持つ複数の基準抵抗素子を有し、前記検出用抵抗素子と該複数の基準抵抗素子とを切替えて接続可能に構成されていることにより、前記課題を解決するものである。
【0009】
本請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に係る計測装置の構成に加え、前記発振部が、前記検出用抵抗素子と基準抵抗素子の切替えを自動的に行うことにより、前記課題を解決するものである。
【0010】
本請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに係る計測装置の構成に加え、前記発振部が、温度影響特性が既知の温度補償用抵抗素子をさらに有していることにより、前記課題を解決するものである。
【0011】
本請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに係る計測装置の構成に加え、前記演算部が、所定時間の前記出力信号の波数を計数し、該波数から前記所定時間の平均周波数を算出して測定対象の物理量を演算することにより、前記課題を解決するものである。
【0012】
本請求項6に係る発明は、請求項5に係る計測装置の構成に加え、前記演算部が、前記所定時間を変更設定可能に構成されていることにより、前記課題を解決するものである。
【0013】
本請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに係る計測装置の構成に加え、前記発振部が、CMOSインバータを有し、接続された前記検出用抵抗素子の電気抵抗値に応じた周波数のパルス信号を出力することにより、前記課題を解決するものである。
【0014】
本請求項8に係る発明は、測定対象の物理量の変化を電気抵抗値の変化に変換する検出用抵抗素子と、該検出用抵抗素子が接続されその電気抵抗値に応じた周波数の出力信号を出力する発振部と、前記出力信号の周波数から測定対象の物理量を演算する演算部とを有して、測定対象の物理量を測定する計測方法であって、前記発振部が、既知の電気抵抗値を持つ基準抵抗素子を少なくとも1つ有し、前記検出用抵抗素子と該基準抵抗素子とを切替えて接続可能に構成されており、基準抵抗素子を接続した際の出力信号の周波数と該基準抵抗素子の電気抵抗値との積から、積が周波数の1次関数となるように関数を設定し、検出用抵抗素子を接続した際の周波数を、前記関数に代入して検出用抵抗素子の電気抵抗値を演算し、該演算された電気抵抗値から測定対象の物理量を測定することにより、前記課題を解決するものである。
【0015】
本請求項9に係る発明は、請求項8に係る計測方法の構成に加え、前記発振部が、異なる電気抵抗値を持つ複数の基準抵抗素子を有し、前記周波数の1次関数となるように関数を設定する際に、複数の基準抵抗素子の電気抵抗値とそれぞれの計測された周波数の積を求め、求められた複数の積から、最小二乗法によって積が周波数の1次関数となるように関数を設定することにより、前記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0016】
本請求項1に係る計測装置および本請求項8に係る計測方法によれば、測定対象の物理量の計測前、あるいは、計測中に既知の電気抵抗値を持つ基準抵抗素子に切替えることが可能となり、基準抵抗素子が接続された際の周波数を計測することで、随時、温度等の環境変化による発振回路の特性変化を特定し、測定された周波数と測定対象の物理量との関係を簡単に校正することができる。
したがって、発振回路の環境変動に対する安定化や補償等のために高精度のパーツを使用したり、複雑な回路構成とする必要がなく、簡単で安価な回路構成で、温度等の環境変化があっても測定対象の物理量を高精度に測定することが可能となる。
本請求項9に記載の構成によれば、測定された周波数と測定対象の物理量との関係をより高精度に校正することができ、測定対象の物理量をさらに高精度に測定することが可能となる。
【0017】
本請求項2に記載の構成によれば、複数の既知の電気抵抗値を持つ基準抵抗素子が接続された際の周波数を計測することで、より精度良く温度等の環境変化による特性変化の影響を特定することが可能となり、より正確に測定された周波数と測定対象の物理量との関係を校正することができる。
本請求項3に記載の構成によれば、長期間にわたって測定対象の物理量の変化をモニタリングするような場合であっても、人手を介することなく、適宜の間隔で基準抵抗素子に切り替えて自動的に温度等の環境変化による特性変化を特定し、測定された周波数と測定対象の物理量との関係を正確に校正することで、常に測定対象の物理量を高精度に測定することが可能となる。
本請求項4に記載の構成によれば、基準抵抗素子や回路内部の電気抵抗値、静電容量等の温度による変化があったとしても、温度補償用抵抗素子によってさらにそれを校正することが可能となるため、測定された周波数と測定対象の物理量との関係を正確に校正することが可能となり、基準抵抗素子として温度による特性変化のない高価なものを使用することなく、より高精度に測定することが可能となる。
【0018】
本請求項5に記載の構成によれば、所定時間内の平均周波数を算出して測定対象の物理量を演算することにより、発振部から出力される出力信号に高周波ノイズ等が含まれても、その影響を排除することが可能となり、フィルタ回路等を付加することなく簡単な構成で測定対象の物理量を高精度に測定することが可能となる。
本請求項6に記載の構成によれば、測定対象の物理量の長期間にわたる微小な変化をモニタリングする際に計測のサンプリング周期を大きくしても、所定時間を長く設定することにより、計測時以外に発生した一時的な測定対象の物理量の変化を所定時間内の平均周波数の変化として検出することが可能となり、測定対象の物理量の測定の態様に応じた測定値を得ることが可能となる。
本請求項7に記載の構成によれば、出力信号がパルス状となることにより、発振部の出力信号にノイズ等が含まれていても、複雑なフィルタ回路等を設けることなく正確に波数の計数が可能となり、発振部や演算部の構成をより簡単なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の計測装置の基本構成概略図。
【図2】本発明の第1実施例である計測装置の発振部の回路説明図。
【図3】連続モニタリング時の計測結果を示す説明図。
【図4】基準抵抗素子による補正の有無による計測結果の比較図。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0020】
本発明の一実施例の計測装置100は、図1に模式的に示すように、測定対象Tに検出用抵抗素子である歪センサー110を貼付し、該歪センサー110の電気抵抗値を測定することで、測定対象Tの歪を測定するものである。
歪センサー110は、発振部120に接続され、発振部120は歪センサー110の電気抵抗値に応じた周波数のパルス信号を出力信号として出力する。
発振部120から出力された出力信号は、演算部130に入力され、演算部130は、任意に設定される所定時間(以下「ゲート時間」と言う)の出力信号のパルス波数を計数することで、ゲート時間における平均周波数を算出し、該周波数から測定対象Tの歪量を演算する。
なお、演算部130で演算された測定対象Tの歪量は、演算部130が表示部を備えて直接表示されるようにしても良く、計測データとしてさらに外部に出力するようにしても良い。
また、演算部130に記憶部を設けて、複数回の計測データを演算部内に記憶し、履歴として保持するようにしても良い。
【0021】
計測装置100の具体的な機器の形態として、検出用抵抗素子である歪センサー110は従来慣用されたもので良く、発振部120と演算部130は、別個の筐体であっても同一の筐体に組み込まれても良く、発振部120と演算部130の機能が存在すれば、どのような形態であっても良い。
また、発振部120あるいは演算部130の機能の他に、様々な付加的な機能が組み込まれても良く、複数の発振部120あるいは演算部130の機能を物理的に1つの装置内で実現させても良い。
【0022】
発振部120は、図2に示すように、前段のCMOSインバータ124の出力を後段のCMOSインバータ125の入力に接続するとともに、測定すべき検出用抵抗素子である歪センサー110の一方の端子を、前段のCMOSインバータ124の出力(後段のCMOSインバータ125の入力)に、測定すべき検出用抵抗素子である歪センサー110の他方の端子を、前段のCMOSインバータ124の入力、および、キャパシタ126を介して後段のCMOSインバータ125の出力に接続することで、後段のCMOSインバータ125の出力から、測定すべき検出用抵抗素子である歪センサー110の電気抵抗値に応じた周波数を有するパルス状の出力信号127を生成するように構成されている。
【0023】
接続される歪センサー110は、切替回路122によって複数の既知の電気抵抗値を持つ基準抵抗素子121(本実施例では電気抵抗値の異なる3つの基準抵抗素子121)と切り替えることが可能に構成されている。
なお、内部抵抗123は発振回路の周波数に影響する内部抵抗を代表して図示したものであり、また、CMOSインバータ124、125に供給する電源回路は図示を省略している。
【0024】
以上の構成の計測装置100の計測動作について説明する。
演算部130は、発振部120の出力信号127の周波数と電気抵抗値の関係、および該電気抵抗値と測定対象Tの歪量の関係の演算式、あるいは、直接の対応マップ等を記憶保持している。
温度等の環境変化によって内部抵抗123、CMOSインバータ124、125、キャパシタ126の特性が変化するため、実際の計測に先立ち、発振部120の切替回路によって基準抵抗素子121を接続して発振部120の出力信号127の周波数を測定し、前記記憶保持されている出力信号127の周波数と電気抵抗値の関係を校正する。
この時、異なる電気抵抗を持つ複数の基準抵抗素子121を接続して、それぞれの発振部120の出力信号127の周波数を測定することで、より正確に校正をすることが可能となる。
また、複数の基準抵抗素子121の内の少なくとも1つを、温度と電気抵抗値の関係が既知の温度補償用抵抗素子とすることで、さらに正確に校正をすることが可能となる。
【0025】
演算部130における発振部120の出力信号127の周波数の測定は、任意に設定されるゲート時間の出力信号127のパルス波数を計数することで、ゲート時間における平均周波数として算出することで測定するように構成されている。
したがって、測定対象Tの微小な歪の増減であっても、ゲート時間を長く設定することによって、ノイズ等による計測誤差の影響を低減することが可能となる。
また、測定対象Tの歪を長期間にわたってモニタリングする場合、適宜の周期で前述した校正動作を自動的に行うことで、環境変化が生じた場合でも常に正確な計測を行うことができる。
【0026】
さらに、長期間のモニタリングの際の計測値のサンプリング周期を長くとった場合でも、当該サンプリング周期と同等のゲート時間を設定することによって、サンプリング周期中の測定対象Tの歪の変化も、測定される平均周波数の変化として計測することが可能となる。
例えば、図3に示すように、t1およびt2の時点で計測するようなサンプリング周期が設定されており、測定対象Tの歪の変化がt1とt2の間にAからBに変化し再びAに戻ったような場合、従来のホイートストンブリッジ等による測定では、図3(a)に示すようにt1でもt2でも計測値はAとなるため、そのサンプリング期間の測定対象Tの歪はAであると推定することとなり、変化があったことを検出することが出来ない。
しかしながら、本発明の実施例によれば、図3(b)に示すように、ゲート時間Gをサンプリング周期と同等とすることにより、t1からt2までの波数を計数してその平均周波数からそのサンプリング期間の測定対象Tの歪の平均値はCであると推定することが可能となり、その変化を検出することが可能となる。
【実施例2】
【0027】
次に、本発明の計測方法の一実施例について説明する。
まず、上述した計測装置100において、歪センサー110による計測前に、複数の基準抵抗素子121を切り替えて接続して、それぞれの基準抵抗素子121が接続された際の発振部120の出力信号127の周波数を演算部130で計測する。
演算部130では、複数の基準抵抗素子121の電気抵抗値とそれぞれの計測された周波数の積を求め、求められた複数の積から、最小二乗法により積が周波数の1次関数となるように関数を設定する。
その後、歪センサー110を接続して、発振部120の出力信号127の周波数を演算部130で計測し、該周波数を前記設定された関数に代入して歪センサー110の電気抵抗値を演算し、該演算された電気抵抗値から測定対象の物理量を測定する。
【0028】
図4(a)は、上記の基準抵抗素子121による校正を行わず、計測装置の理論値のみによる測定対象の物理量の測定結果を示し、図4(b)は、上記の基準抵抗素子121による計測を行って校正した場合の測定対象の物理量の測定結果を示している。
なお、両図とも、計測精度の高いブリッジ回路による測定対象の物理量の測定結果を◆で示している。
【0029】
図4に示すとおり、発振部120の出力をそのまま理論値のみで物理量に換算しただけでは、計測精度が大幅に下がっているのに対し、本発明の計測方法を適用して校正した場合は精度が大幅に向上していることがわかる。
すなわち、未知の内部抵抗値や静電容量の変動誤差分が存在していても、複数の電気抵抗値と周波数の積から最小二乗法で関数を設定することで、それらの誤差分を含めて校正することが可能となり、精度が大幅に向上する。
なお、電気抵抗値の変化が数%程度の歪センサー110においては、上述したような1次関数近似でも十分な精度が得られるが、当然、さらに精度を高めるよう関数を多項式として設定しても良い。
また、図4から見て明らかなように、荷重ゼロの場合、測定対象の物理量の測定結果の誤差はほとんどないことから、基準抵抗素子121による計測を1つの基準抵抗素子121での1回のみとして、1次関数を設定し、校正のための演算量や処理時間を短縮しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明の計測装置および計測方法は、上記実施例では、検出用抵抗素子として歪センサー110を用い、測定対象Tの歪を計測するものとしたが、検出用抵抗素子として、温度、圧力、磁気等の他のいかなる物理量によって抵抗が変化するものを使用してもよく、歪のみならず、様々な物理量の計測装置および計測方法として利用可能である。
【符号の説明】
【0031】
100 ・・・ 計測装置
110 ・・・ 歪センサー(検出用抵抗素子)
120 ・・・ 発振部
121 ・・・ 基準抵抗素子
122 ・・・ 切替回路
123 ・・・ 内部抵抗
124 ・・・ CMOSインバータ
125 ・・・ CMOSインバータ
126 ・・・ キャパシタ
127 ・・・ 出力信号
130 ・・・ 演算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象の物理量の変化を電気抵抗値の変化に変換する検出用抵抗素子と、該検出用抵抗素子が接続されその電気抵抗値に応じた周波数の出力信号を出力する発振部と、前記出力信号の周波数から測定対象の物理量を演算する演算部とを有して、測定対象の物理量を測定する計測装置であって、
前記発振部が、既知の電気抵抗値を持つ基準抵抗素子を少なくとも1つ有し、前記検出用抵抗素子と該基準抵抗素子とを切替えて接続可能に構成されていることを特徴とする計測装置。
【請求項2】
前記発振部が、異なる電気抵抗値を持つ複数の基準抵抗素子を有し、前記検出用抵抗素子と該複数の基準抵抗素子とを切替えて接続可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の計測装置。
【請求項3】
前記発振部が、前記検出用抵抗素子と基準抵抗素子の切替えを自動的に行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の計測装置。
【請求項4】
前記発振部が、温度影響特性が既知の温度補償用抵抗素子をさらに有していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の計測装置。
【請求項5】
前記演算部が、所定時間の前記出力信号の波数を計数し、該波数から前記所定時間の平均周波数を算出して測定対象の物理量を演算することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の計測装置。
【請求項6】
前記演算部が、前記所定時間を変更設定可能に構成されていることを特徴とする請求項5に記載の計測装置。
【請求項7】
前記発振部が、CMOSインバータを有し、接続された前記検出用抵抗素子の電気抵抗値に応じた周波数のパルス信号を出力することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の計測装置。
【請求項8】
測定対象の物理量の変化を電気抵抗値の変化に変換する検出用抵抗素子と、該検出用抵抗素子が接続されその電気抵抗値に応じた周波数の出力信号を出力する発振部と、前記出力信号の周波数から測定対象の物理量を演算する演算部とを有して、測定対象の物理量を測定する計測方法であって、
前記発振部が、既知の電気抵抗値を持つ基準抵抗素子を少なくとも1つ有し、前記検出用抵抗素子と該基準抵抗素子とを切替えて接続可能に構成されており、
基準抵抗素子を接続した際の出力信号の周波数と該基準抵抗素子の電気抵抗値との積から、積が周波数の1次関数となるように関数を設定し、
検出用抵抗素子を接続した際の周波数を、前記関数に代入して検出用抵抗素子の電気抵抗値を演算し、
該演算された電気抵抗値から測定対象の物理量を測定することを特徴とする計測方法。
【請求項9】
前記発振部が、異なる電気抵抗値を持つ複数の基準抵抗素子を有し、
前記周波数の1次関数となるように関数を設定する際に、複数の基準抵抗素子の電気抵抗値とそれぞれの計測された周波数の積を求め、
求められた複数の積から、最小二乗法によって積が周波数の1次関数となるように関数を設定することを特徴とする請求項8に記載の計測方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−24808(P2013−24808A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−162190(P2011−162190)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(503361400)独立行政法人 宇宙航空研究開発機構 (453)
【出願人】(599016431)学校法人 芝浦工業大学 (109)
【Fターム(参考)】