計算機とともに使用するスタイラス
【解決手段】計算機において使用されるスタイラスは細長い軸62、先端、および細長い軸に取り付けられる固定装置66を含む。固定装置は、スタイラスが保管される計算機の保管穴の内面上の突起72と相互作用するように設計される。固定装置は低反発素材のような変形可能な弾性材料から形成され得る。計算機の保管穴30中へスタイラスを挿入するとき、保管穴の内表面上の保持突起を通過するとき固定装置の材料が変形する。固定装置が一旦その突起を越えて挿入されてしまうと、固定装置の弾性材料はその元の形状に戻り、そのために突起と干渉して、スタイラスが保管穴から誤って離脱するのを防止する。
【効果】スタイラスを保管穴に確実に保持できる。
【効果】スタイラスを保管穴に確実に保持できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この技術は、種々の異なる入力操作を行うために、手持ちスタイラス(stylus)を使用させる計算機に関する。
【背景技術】
【0002】
スタイラスとともに使用する、典型的な携帯計算機10が図1に示される。図1に示すように、計算機はベース部13および蓋部11を含む。蓋部11はヒンジ接続24を介してベース部13へ取り付けられる。図2に示すように、蓋部11は、その蓋部がベース部13に対して密着可能なように、回転され得る。
【0003】
計算機は2つの表示画面12および14を含む。これらの表示画面12および14の一方もしくは両方はタッチ感応式であり得る。結果として、スタイラスによってそのタッチ感応式表示画面にタッチして、様々な入力操作を行うことができる。
【0004】
携帯計算機10はまた、様々な入力操作を行うために使用される、十字スイッチ16ならびに種々の入力ボタン18および20を含む。さらに、蓋部11に2つのスピーカグリル22が配置されていて、この蓋部に組み込まれているスピーカによって発生された音声がユーザへ向けて放出され得る。
【0005】
そのようなタッチ感応式画面を用いて入力操作を行うためにスタイラスを使用することは一般的である。スタイラスによって、ユーザは、もしユーザが指を使っていたとしたら可能ではない精度で、画面上の比較的小さい領域を選択することができる。
【0006】
この目的のための典型的なスタイラスが図3に示される。図3に示すように、スタイラス40は、先端44を有する細長い軸42を含む。スタイラスの後端46は複数の突起52を有する係合部47を含む。以下に一層詳しく説明するが、この係合部47によって、ユーザは、計算機の保管穴(storage hole)からスタイラスを取り外すために、スタイラスをつかむことができる。
【0007】
図2に示すように、計算機は保管穴30を有することができ、スタイラスを使用しないとき、スタイラスはその保管穴30に保管され得る。このことによって、入力操作を行うためにユーザがスタイラスを常に利用できるように、スタイラスは常に計算機と同じ場所に配置される。
【0008】
図4は、図1および図2に示す計算機のベース部13の部分断面図である。この部分断面図は、図2における断面線4−4に沿うものであり、保管穴30中へ部分的に挿入されたスタイラス40を図解する。
【0009】
図3に示すように、スタイラス40の後端46は突起48および長孔50を含む。長孔50によって、スタイラスの、その上に突起48が設けられた外面が、スタイラスの中心軸に向かって内方に変形できる。
【0010】
図4に示すように、保管穴30中へスタイラス40が挿入されるとき、スタイラスの外面上の突起48がやがて、その保管穴30の内壁上に形成されている保持突起17へ接触する。スタイラスが保管穴30中へさらに押し込まれると、スタイラスの外面上の突起48は、長孔50によって許容されるので、内方に向かって変形する。このことによって、スタイラスの外面上の突起48は、保管穴30の内壁上の固定突起ないし保持突起17を越えて動くことができる。スタイラス上の突起48が一旦その保持突起17を越えて動くと、スタイラスの外面はそれの元の形状に戻る。
【0011】
計算機のベース部13の底部上に切欠き部15があることに注目されたい。この切欠き部15はスタイラスの係合部47を受容するように設計されている。スタイラスが一旦その挿入穴30中へ完全に挿入されると、スタイラス上のその係合部47は、計算機のベース部13の底部にある切欠き部15に完全に受容される。さらに、スタイラスの外面上の突起48は、保管穴中において、保管穴30の内壁上の保持突起17より深く入る。保持突起17とスタイラス上の突起48との干渉が、スタイラスが保管穴の外へ脱落するのを防止する。
【0012】
ユーザが保管穴30からスタイラスを取り出したいと思うとき、ユーザは親指や他の指で係合部47をつかみ、そしてスタイラスを保管穴30の外へ押し戻す。スタイラスが保管穴から取り出されているとき、突起48と長孔50との間のスタイラスの外面が、突起48が保管穴30の保持突起17を越えて引っ張られるにつれて、再び内方へ向かって変形する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
保管穴内にスタイラスを保持するための上述の機構は大体満足できるが、長期間の使用の後では、スタイラスまたは保管穴がすり減らされあるいは破損されることがあり、したがって、スタイラスをその保管穴内に確実に保持するのが難しい。たとえば、保管穴30の内壁上の保持突起17が破損されあるいはすり減らされ得る。同じように、スタイラスの外面上の突起48が破損されまたはすり減らされる。これらのどちらが発生しても、スタイラスを保管穴内に保持するのが難しい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1はスタイラスを使用させる携帯計算機の概略図である。
【図2】図2は図1に示す携帯計算機の、蓋部を部分的に開いた、側面図である。
【図3】図3は図1および図2に示す携帯計算機とともに使用され得るスタイラスの図解図である。
【図4】図4は図1および図2に示す携帯計算機の底部の、図2における断面線4−4に沿った部分断面図である。
【図5A】図5Aは計算機とともに使用され得るスタイラスの正面図である。
【図5B】図5Bは図5Aに示すスタイラスの側面図である。
【図6A】図6Aは保管穴中へ部分的に挿入されている、図5Aおよび図5Bに示すスタイラスを有する計算機の部分断面図である。
【図6B】図6Bは保管穴中へ完全に挿入されている、図5Aおよび図5Bに示すスタイラスを有する計算機の部分断面図である。
【図7】図7は2層の固定装置を有するスタイラスの一部の部分断面図である。
【図8A】図8Aは計算機とともに使用され得る他のスタイラスの正面図である。
【図8B】図8Bは図8Aに示すスタイラスの側面図である。
【図9A】図9Aは計算機とともに使用され得る他のスタイラスの正面図である。
【図9B】図9Bは図9Aのスタイラスの側面図である。
【図10A】図10Aは計算機とともに使用され得る他のスタイラスの正面図である。
【図10B】図10Bは図10Aのスタイラスの側面図である。
【図11A】図11Aは計算機とともに使用され得る他のスタイラスの正面図である。
【図11B】図11Bは図11Aのスタイラスの側面図である。
【図12】図12は計算機とともに使用され得る他のスタイラスの正面図である。
【図13】図13は図12に示すスタイラスの線13−13に沿った部分断面図である。
【図14A】図14Aは計算機とともに使用され得る他のスタイラスの正面図である。
【図14B】図14Bは図14Aのスタイラスの側面図である。
【図15A】図15Aは保管穴中へ部分的に挿入されている、スタイラスを有する他の計算機の部分断面図である。
【図15B】図15Bはスタイラスが保管穴中へ完全に挿入されている、図15Aに示すスタイラスを有する計算機の部分断面図である。
【図16】図16は計算機のスタイラスへ取り付けられ得る保持補助装置を示す。
【図17】図17は計算機のスタイラスへ取り付けられ得る保持補助装置の他の実施例を示す。
【図18】図18は計算機のスタイラスへ取り付けられ得る保持補助装置の他の実施例を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図5Aおよび図5Bは計算機とともに使用され得るスタイラスの第1の実施例を示す。スタイラス60は、先端64を有する細長い軸62を含む。スタイラス60の後端は隆起した突起72を有する係合部67を含む。さらに、変形可能な弾性固定装置(fixing device)66がまたスタイラスの後端に形成される。この固定装置は変形可能な弾性材料のU字形状の層を含む。
【0016】
図6Aおよび図6Bは、図5Aおよび図5Bに示すスタイラスがどのようにして計算機90の保管穴30中へ挿入され得るかを示す。保管穴30は保管穴の開口に隣接する保管穴の内壁上に配置された保持突起(fixing projection)92を含む。図6Aおよび図6Bに示すように、スタイラス60が保管穴中へ挿入されるとき、スタイラスの端部上の固定装置66は保管穴30内において保持突起92とやがて接触する。固定装置が変形可能な弾性材料から形成されているので、固定装置は、それが保持突起92を越えて押し込まれるにつれて、変形し得る。スタイラスが保管穴中へ一旦完全に挿入されると、図6Bに示すように、固定装置の弾性材料が外方へ広がり、図6Bに示すように再び元の形状に戻る。この点において、固定装置66の弾性材料と保持突起92との間の干渉が、スタイラスが保管穴30の外へ誤って脱落するのを防止する。
【0017】
固定装置66は、保管穴上の保持突起を越えて移動するために変形でき、かつまた、スタイラスが保管穴から誤って取り外されるのを防止する干渉嵌り(interference fit)を提供するためにその後元の形状に戻ることができる、任意の適宜の材料から形成され得る。おそらく、種々のタイプの合成材料や弾性フォーム材料が固定装置66を形成するために適合する。たとえば、固定装置66は低反発素材(memory foam material)から形成され得る。
【0018】
いくつかの実施例において、保管穴30は保持突起を含んでいなくてもよい。これらの実施例においては、固定装置は、保管穴中へスタイラスが完全に挿入されたときそのスタイラスを支える、保管穴の部分より大きい膨張した(expanded)形状を有する。スタイラスを保管穴中へ挿入することによって、固定装置は部分的に保管穴の壁に対して圧縮され、この圧縮によって与えられる摩擦が保管穴中にスタイラスを保持するように作用する。
【0019】
また、いくつかの実施例においては、スタイラスは図4に示すような保持突起17を含んでもよく、対応する突起48が同じく図4に示すような保管穴の壁上に設けられてもよい。しかしながら、スタイラスはまた図5Aおよび図5Bに示すものと同様の圧縮可能な固定装置66を含む。圧縮可能な固定装置66は、保持突起17よりスタイラスのさらに後端へ向かうスタイラス上に配置され、そのために圧縮可能な固定装置66は保管穴の壁上の対応する突起48に接触しない。
【0020】
このタイプの実施例では、別の保持突起92が保管穴の内壁上に設けられてもいいし、あるいは設けられなくてもよい。保持突起92が設けられていないと、圧縮可能な固定装置の膨張した形状が、保管穴の内径より大きくなる。結果として、保管穴の壁と圧縮可能な固定装置の外面との間の摩擦は、スタイラス上の保持突起17と保管穴の壁上の対応する突起48との間の干渉と同様に、スタイラスを保管穴内へ保持するのを助ける。
【0021】
図7に示すように、固定装置は多層から形成されてもよい。この実施例において、固定装置はスタイラスの細長い軸62の外周の周りの全方向に広がる。固定装置は耐久力のある外被層79Aおよびスタイラスの軸62と外被層79Aとの間に位置決めされている弾性材料層79Bを含む。外被層79Aは固定装置が保管穴中の保持突起を滑って越えるのを助けるように、比較的低い摩擦係数を有する。外被層79Aは、スタイラスが保管穴内の保持突起を越えて押されるときに弾性材料層79Bが破損されるのを防止する。
【0022】
別の実施例では、2層以上が固定装置を形成するために使用され得る。たとえば、固定装置は、外被層と2つの弾性材料層とを含み、そこでは弾性材料層の各々が異なる特性を有する。
【0023】
固定装置は、スタイラスの長さに沿ういろいろな異なる位置に配置されてもよい。スタイラスの別の実施例が図8Aおよび図8Bに示される。そこに示すように、この実施例の固定装置68はスタイラスの細長い軸62の中程に配置される。この実施例では、固定装置68はU字形状の構造物を有し、その構造物は、細長い軸62の外周の周りに部分的に広がる。
【0024】
図9Aおよび図9Bはスタイラスの他の実施例を示す。この実施例において、固定装置69を形成する弾性材料は軸62の外周の周りに幅広く広がる。さらに、固定装置69を形成する弾性材料のバンド(band:帯状のもの)の前縁および後縁は細長い軸62の外面に向かって先細りになる。図9Bに示すようにテーパが付けられた表面として前縁および後縁を形成することは、計算機内における保管穴へのそしてそれからのスタイラスの挿入および取り外しを容易にするのを助ける。
【0025】
図10Aおよび図10Bに示す実施例では、2つの別々の固定装置が細長い軸62の長さに沿って配置される。第1の固定装置66はスタイラスの後端に形成され、第2の固定装置71は細長い軸62の長さに沿う中程に配置される。この実施例において、第1固定装置62は、図5Aおよび図5Bに示すものと同様の弾性材料のU字形状のバンドである。しかしながら、第2固定装置71は細長い軸62の外周の周りに幅広く広がる弾性材料のバンドである。この実施例では、第2固定装置71はテーパが付けられた前縁および後縁を持っていない。
【0026】
図11Aおよび図11Bはスタイラスの他の実施例を示す。この実施例においては、固定装置73が、スタイラスの先端に隣接する細長い軸62の周囲の周りに幅広く広がる、弾性材料の幅広のバンドとして形成される。この実施例では、固定装置73は、スタイラスが保管穴から誤って取り外されるのを防止するための固定機構およびユーザによってつかまれるスタイラスの一部としての、二重の目的で働く。
【0027】
携帯計算機とともに用いられる多くのスタイラス装置はまったく細い。計算機上に配置されなければならない保管穴のサイズを最小にするために細くされる。しかしながら、このことが一般的に、スタイラスを普通の筆記具より細くしている。そして、その結果として、多くのユーザは細いスタイラスが普通の筆記具より使いにくいと考えている。
【0028】
もし固定装置73が、スタイラスのユーザがつかむ場所の、スタイラス上に設けられると、ユーザによってつかまれるスタイラスのその部分の直径が大きくなり、スタイラスを普通の筆記具と同様の感覚にする。したがって、図11Aに示すように、スタイラスの軸をユーザがつかむ場所に固定装置73を配置するということは、スタイラスのより自然な感覚をユーザに与える助けになる。
【0029】
図12はスタイラスの他の実施例を示す。この実施例では、弾性材料の複数の長手ストリップ74が固定装置を形成する。長手ストリップは細長い軸62の外面に取り付けられ、そしてストリップはスタイラスの軸に平行な方向に延びる。
【0030】
図13は図12の断面線13−13に沿った断面図である。図13に示すように、弾性材料のストリップ74はスタイラスの軸62から、互いに90°の間隔を隔てた場所で、外方に広がる。別の実施例では、弾性材料の異なる数のストリップが軸62の外面に取り付けられ得る。いくつかの実施例では、ストリップ74は軸62の周囲周りに対称的に間隔を隔てられる。結果として、スタイラスが保管穴中へ挿入されるとき、スタイラスはストリップ74によって保管穴の実質的に中心に置かれる。
【0031】
図14Aおよび図14Bはスタイラスの他の実施例を示す。この実施例においては、弾性材料の1つの長手ストリップが固定装置76を形成する。この1つの長手ストリップ76は、保管穴の内周の周りに部分的にあるいは幅広く広がる、保管穴の内表面上の保持突起と干渉するように設計され得る。
【0032】
いくつかの実施例において、スタイラスの係合部67は、スタイラスが保管穴中へ1つの回転位置でのみ挿入されるということを確実にする作用も行う。係合部67は図6Aおよび図6Bに示すように、保管穴上の規定した場所で、切欠きスロット中へ挿入される。このタイプの係合によって、保管穴の内面上に形成される保持突起は、それが細長い軸62の外面上の、長手ストリップ76と干渉するであろう位置にのみ配置される必要がある。図11Aおよび図11Bに示す実施例においては、係合部を受容するための切欠きスロットは、長手ストリップ76に係合するであろう保持突起から180°離れて配置される。
【0033】
上で説明した実施例においては、弾性材料がスタイラス上に設けられ、その圧縮可能な弾性材料が、保管穴の内壁、または保管穴の内壁上の突起と相互作用する。別の実施例では、圧縮可能な弾性材料は保管穴の内壁上に配置されてもよい。
【0034】
図15Aは保管穴30を有する計算機の一部の断面図である。スタイラスは保管穴中に部分的に挿入される。この実施例において、圧縮可能な弾性材料のストリップ166が保管穴30の内壁上に設けられる。さらに、固い(solid)突起192がスタイラスの軸62上に配置される。
【0035】
スタイラスが保管穴中へ挿入されるとき、スタイラスの軸上の固い突起192が保管穴の内壁上の弾性材料ストリップ166とついには接触する。スタイラスがその保管穴中へさらに押し込まれると、弾性材料ストリップ166は固い突起192の通路に適応させるように変形する。スタイラスが一旦保管穴中へ完全に挿入されると、図15Bに示すように、スタイラスの軸上の固い突起192が、保管穴中の弾性材料ストリップ166の場所より深くなる。弾性材料ストリップ166は再び内方に広がる。そして、弾性材料ストリップ166と固い突起192との間の干渉が、スタイラスを保管穴30中へ保持するように作用する。
【0036】
なおも別の実施例においては、保管穴の側壁上の弾性材料ストリップ166は保管穴中の異なる場所に配置されてもよい。同じように、弾性材料ストリップが異なる形態を持つこともできる。弾性材料ストリップ166は保管穴の内壁の周りに同心リングを形成する。もしくは、弾性材料ストリップ166は、保管穴の長手方向に延びる材料のストリップとして形成される。弾性材料ストリップ166はスタイラスが保管穴中へ保持されるのを確実に助ける、任意の形態を採ってもよい。
【0037】
また、保管穴の内壁上に弾性材料ストリップが配置されるいくつかの実施例においては、スタイラスは対応する固い突起を含まなくてもよい。その代わり、弾性材料ストリップは、その弾性材料ストリップが完全に広がったとき、弾性材料ストリップ内部の利用可能な自由空間および保管穴の内壁がスタイラスの直径より小さい。そのために、スタイラスが保管穴中へ挿入されるときにはいつでも、弾性材料ストリップが圧縮され、弾性材料ストリップとスタイラスの軸との間の摩擦がスタイラスをその保管穴中へ保持するように作用する。
【0038】
図16ないし図18は、スタイラスが計算機の保管穴の内部へとどまるのを助けるためにスタイラスへ取り付けられ得る種々の異なる保持補助装置を示す。各々の場合において、保持補助装置は弾性材料から形成される。そして、保持補助装置はスタイラスの外面上に取り付けられる。
【0039】
図16に示す保持補助装置166は、上で説明した図5Aおよび図5Bに示す実施例における圧縮可能な固定装置66と類似する形状を有する。
【0040】
図17に示す保持補助装置167は、上で説明した図10Aおよび図10Bに示す圧縮可能な固定装置71に類似する形状を有する。
【0041】
図18に示す保持補助装置は、上で説明した図9Aおよび図9Bに示す圧縮可能な固定装置69と類似する形状を有する。この実施例においては、中間部268Bは端部268Aより大きな直径を有する。
【0042】
各々の場合、保持補助装置は計算機の保管穴中へスタイラスが挿入されるときにその圧縮可能な弾性材料が結果的に圧縮されるサイズや形状を有する。結果として、弾性材料と保管穴の内壁との間の摩擦がスタイラスを保管穴中へ保持するのを助ける。
【0043】
図16ないし図18に示す実施例においては、スタイラスの軸に接触する保持補助装置の内面に接着層が設けられてもよい。この接着層は剥離シートによって覆われる。したがって、ユーザはこの剥離シートを除去し、次いで、スタイラスの軸へ保持補助装置を取り付けることができる。
【0044】
図16ないし図18に示す保持補助装置のサイズや形状は単なる例示である。保持補助装置の異なる実施例が異なる形状やサイズを持つことができる。
【符号の説明】
【0045】
10…携帯計算機
30…保管穴
60…スタイラス
62…細長い軸
64…先端
66…固定装置(第1固定装置)
67…係合部
68…固定装置
69…固定装置
71…第2固定装置
72…突起
73…固定装置
74…ストリップ
76…長手ストリップ
79A…外被層
79B…弾性材料層
90…計算機
92…保持突起
166…弾性材料ストリップ
192…固い突起
266…保持補助装置
267…保持補助装置
268…保持補助装置
【技術分野】
【0001】
この技術は、種々の異なる入力操作を行うために、手持ちスタイラス(stylus)を使用させる計算機に関する。
【背景技術】
【0002】
スタイラスとともに使用する、典型的な携帯計算機10が図1に示される。図1に示すように、計算機はベース部13および蓋部11を含む。蓋部11はヒンジ接続24を介してベース部13へ取り付けられる。図2に示すように、蓋部11は、その蓋部がベース部13に対して密着可能なように、回転され得る。
【0003】
計算機は2つの表示画面12および14を含む。これらの表示画面12および14の一方もしくは両方はタッチ感応式であり得る。結果として、スタイラスによってそのタッチ感応式表示画面にタッチして、様々な入力操作を行うことができる。
【0004】
携帯計算機10はまた、様々な入力操作を行うために使用される、十字スイッチ16ならびに種々の入力ボタン18および20を含む。さらに、蓋部11に2つのスピーカグリル22が配置されていて、この蓋部に組み込まれているスピーカによって発生された音声がユーザへ向けて放出され得る。
【0005】
そのようなタッチ感応式画面を用いて入力操作を行うためにスタイラスを使用することは一般的である。スタイラスによって、ユーザは、もしユーザが指を使っていたとしたら可能ではない精度で、画面上の比較的小さい領域を選択することができる。
【0006】
この目的のための典型的なスタイラスが図3に示される。図3に示すように、スタイラス40は、先端44を有する細長い軸42を含む。スタイラスの後端46は複数の突起52を有する係合部47を含む。以下に一層詳しく説明するが、この係合部47によって、ユーザは、計算機の保管穴(storage hole)からスタイラスを取り外すために、スタイラスをつかむことができる。
【0007】
図2に示すように、計算機は保管穴30を有することができ、スタイラスを使用しないとき、スタイラスはその保管穴30に保管され得る。このことによって、入力操作を行うためにユーザがスタイラスを常に利用できるように、スタイラスは常に計算機と同じ場所に配置される。
【0008】
図4は、図1および図2に示す計算機のベース部13の部分断面図である。この部分断面図は、図2における断面線4−4に沿うものであり、保管穴30中へ部分的に挿入されたスタイラス40を図解する。
【0009】
図3に示すように、スタイラス40の後端46は突起48および長孔50を含む。長孔50によって、スタイラスの、その上に突起48が設けられた外面が、スタイラスの中心軸に向かって内方に変形できる。
【0010】
図4に示すように、保管穴30中へスタイラス40が挿入されるとき、スタイラスの外面上の突起48がやがて、その保管穴30の内壁上に形成されている保持突起17へ接触する。スタイラスが保管穴30中へさらに押し込まれると、スタイラスの外面上の突起48は、長孔50によって許容されるので、内方に向かって変形する。このことによって、スタイラスの外面上の突起48は、保管穴30の内壁上の固定突起ないし保持突起17を越えて動くことができる。スタイラス上の突起48が一旦その保持突起17を越えて動くと、スタイラスの外面はそれの元の形状に戻る。
【0011】
計算機のベース部13の底部上に切欠き部15があることに注目されたい。この切欠き部15はスタイラスの係合部47を受容するように設計されている。スタイラスが一旦その挿入穴30中へ完全に挿入されると、スタイラス上のその係合部47は、計算機のベース部13の底部にある切欠き部15に完全に受容される。さらに、スタイラスの外面上の突起48は、保管穴中において、保管穴30の内壁上の保持突起17より深く入る。保持突起17とスタイラス上の突起48との干渉が、スタイラスが保管穴の外へ脱落するのを防止する。
【0012】
ユーザが保管穴30からスタイラスを取り出したいと思うとき、ユーザは親指や他の指で係合部47をつかみ、そしてスタイラスを保管穴30の外へ押し戻す。スタイラスが保管穴から取り出されているとき、突起48と長孔50との間のスタイラスの外面が、突起48が保管穴30の保持突起17を越えて引っ張られるにつれて、再び内方へ向かって変形する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
保管穴内にスタイラスを保持するための上述の機構は大体満足できるが、長期間の使用の後では、スタイラスまたは保管穴がすり減らされあるいは破損されることがあり、したがって、スタイラスをその保管穴内に確実に保持するのが難しい。たとえば、保管穴30の内壁上の保持突起17が破損されあるいはすり減らされ得る。同じように、スタイラスの外面上の突起48が破損されまたはすり減らされる。これらのどちらが発生しても、スタイラスを保管穴内に保持するのが難しい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1はスタイラスを使用させる携帯計算機の概略図である。
【図2】図2は図1に示す携帯計算機の、蓋部を部分的に開いた、側面図である。
【図3】図3は図1および図2に示す携帯計算機とともに使用され得るスタイラスの図解図である。
【図4】図4は図1および図2に示す携帯計算機の底部の、図2における断面線4−4に沿った部分断面図である。
【図5A】図5Aは計算機とともに使用され得るスタイラスの正面図である。
【図5B】図5Bは図5Aに示すスタイラスの側面図である。
【図6A】図6Aは保管穴中へ部分的に挿入されている、図5Aおよび図5Bに示すスタイラスを有する計算機の部分断面図である。
【図6B】図6Bは保管穴中へ完全に挿入されている、図5Aおよび図5Bに示すスタイラスを有する計算機の部分断面図である。
【図7】図7は2層の固定装置を有するスタイラスの一部の部分断面図である。
【図8A】図8Aは計算機とともに使用され得る他のスタイラスの正面図である。
【図8B】図8Bは図8Aに示すスタイラスの側面図である。
【図9A】図9Aは計算機とともに使用され得る他のスタイラスの正面図である。
【図9B】図9Bは図9Aのスタイラスの側面図である。
【図10A】図10Aは計算機とともに使用され得る他のスタイラスの正面図である。
【図10B】図10Bは図10Aのスタイラスの側面図である。
【図11A】図11Aは計算機とともに使用され得る他のスタイラスの正面図である。
【図11B】図11Bは図11Aのスタイラスの側面図である。
【図12】図12は計算機とともに使用され得る他のスタイラスの正面図である。
【図13】図13は図12に示すスタイラスの線13−13に沿った部分断面図である。
【図14A】図14Aは計算機とともに使用され得る他のスタイラスの正面図である。
【図14B】図14Bは図14Aのスタイラスの側面図である。
【図15A】図15Aは保管穴中へ部分的に挿入されている、スタイラスを有する他の計算機の部分断面図である。
【図15B】図15Bはスタイラスが保管穴中へ完全に挿入されている、図15Aに示すスタイラスを有する計算機の部分断面図である。
【図16】図16は計算機のスタイラスへ取り付けられ得る保持補助装置を示す。
【図17】図17は計算機のスタイラスへ取り付けられ得る保持補助装置の他の実施例を示す。
【図18】図18は計算機のスタイラスへ取り付けられ得る保持補助装置の他の実施例を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図5Aおよび図5Bは計算機とともに使用され得るスタイラスの第1の実施例を示す。スタイラス60は、先端64を有する細長い軸62を含む。スタイラス60の後端は隆起した突起72を有する係合部67を含む。さらに、変形可能な弾性固定装置(fixing device)66がまたスタイラスの後端に形成される。この固定装置は変形可能な弾性材料のU字形状の層を含む。
【0016】
図6Aおよび図6Bは、図5Aおよび図5Bに示すスタイラスがどのようにして計算機90の保管穴30中へ挿入され得るかを示す。保管穴30は保管穴の開口に隣接する保管穴の内壁上に配置された保持突起(fixing projection)92を含む。図6Aおよび図6Bに示すように、スタイラス60が保管穴中へ挿入されるとき、スタイラスの端部上の固定装置66は保管穴30内において保持突起92とやがて接触する。固定装置が変形可能な弾性材料から形成されているので、固定装置は、それが保持突起92を越えて押し込まれるにつれて、変形し得る。スタイラスが保管穴中へ一旦完全に挿入されると、図6Bに示すように、固定装置の弾性材料が外方へ広がり、図6Bに示すように再び元の形状に戻る。この点において、固定装置66の弾性材料と保持突起92との間の干渉が、スタイラスが保管穴30の外へ誤って脱落するのを防止する。
【0017】
固定装置66は、保管穴上の保持突起を越えて移動するために変形でき、かつまた、スタイラスが保管穴から誤って取り外されるのを防止する干渉嵌り(interference fit)を提供するためにその後元の形状に戻ることができる、任意の適宜の材料から形成され得る。おそらく、種々のタイプの合成材料や弾性フォーム材料が固定装置66を形成するために適合する。たとえば、固定装置66は低反発素材(memory foam material)から形成され得る。
【0018】
いくつかの実施例において、保管穴30は保持突起を含んでいなくてもよい。これらの実施例においては、固定装置は、保管穴中へスタイラスが完全に挿入されたときそのスタイラスを支える、保管穴の部分より大きい膨張した(expanded)形状を有する。スタイラスを保管穴中へ挿入することによって、固定装置は部分的に保管穴の壁に対して圧縮され、この圧縮によって与えられる摩擦が保管穴中にスタイラスを保持するように作用する。
【0019】
また、いくつかの実施例においては、スタイラスは図4に示すような保持突起17を含んでもよく、対応する突起48が同じく図4に示すような保管穴の壁上に設けられてもよい。しかしながら、スタイラスはまた図5Aおよび図5Bに示すものと同様の圧縮可能な固定装置66を含む。圧縮可能な固定装置66は、保持突起17よりスタイラスのさらに後端へ向かうスタイラス上に配置され、そのために圧縮可能な固定装置66は保管穴の壁上の対応する突起48に接触しない。
【0020】
このタイプの実施例では、別の保持突起92が保管穴の内壁上に設けられてもいいし、あるいは設けられなくてもよい。保持突起92が設けられていないと、圧縮可能な固定装置の膨張した形状が、保管穴の内径より大きくなる。結果として、保管穴の壁と圧縮可能な固定装置の外面との間の摩擦は、スタイラス上の保持突起17と保管穴の壁上の対応する突起48との間の干渉と同様に、スタイラスを保管穴内へ保持するのを助ける。
【0021】
図7に示すように、固定装置は多層から形成されてもよい。この実施例において、固定装置はスタイラスの細長い軸62の外周の周りの全方向に広がる。固定装置は耐久力のある外被層79Aおよびスタイラスの軸62と外被層79Aとの間に位置決めされている弾性材料層79Bを含む。外被層79Aは固定装置が保管穴中の保持突起を滑って越えるのを助けるように、比較的低い摩擦係数を有する。外被層79Aは、スタイラスが保管穴内の保持突起を越えて押されるときに弾性材料層79Bが破損されるのを防止する。
【0022】
別の実施例では、2層以上が固定装置を形成するために使用され得る。たとえば、固定装置は、外被層と2つの弾性材料層とを含み、そこでは弾性材料層の各々が異なる特性を有する。
【0023】
固定装置は、スタイラスの長さに沿ういろいろな異なる位置に配置されてもよい。スタイラスの別の実施例が図8Aおよび図8Bに示される。そこに示すように、この実施例の固定装置68はスタイラスの細長い軸62の中程に配置される。この実施例では、固定装置68はU字形状の構造物を有し、その構造物は、細長い軸62の外周の周りに部分的に広がる。
【0024】
図9Aおよび図9Bはスタイラスの他の実施例を示す。この実施例において、固定装置69を形成する弾性材料は軸62の外周の周りに幅広く広がる。さらに、固定装置69を形成する弾性材料のバンド(band:帯状のもの)の前縁および後縁は細長い軸62の外面に向かって先細りになる。図9Bに示すようにテーパが付けられた表面として前縁および後縁を形成することは、計算機内における保管穴へのそしてそれからのスタイラスの挿入および取り外しを容易にするのを助ける。
【0025】
図10Aおよび図10Bに示す実施例では、2つの別々の固定装置が細長い軸62の長さに沿って配置される。第1の固定装置66はスタイラスの後端に形成され、第2の固定装置71は細長い軸62の長さに沿う中程に配置される。この実施例において、第1固定装置62は、図5Aおよび図5Bに示すものと同様の弾性材料のU字形状のバンドである。しかしながら、第2固定装置71は細長い軸62の外周の周りに幅広く広がる弾性材料のバンドである。この実施例では、第2固定装置71はテーパが付けられた前縁および後縁を持っていない。
【0026】
図11Aおよび図11Bはスタイラスの他の実施例を示す。この実施例においては、固定装置73が、スタイラスの先端に隣接する細長い軸62の周囲の周りに幅広く広がる、弾性材料の幅広のバンドとして形成される。この実施例では、固定装置73は、スタイラスが保管穴から誤って取り外されるのを防止するための固定機構およびユーザによってつかまれるスタイラスの一部としての、二重の目的で働く。
【0027】
携帯計算機とともに用いられる多くのスタイラス装置はまったく細い。計算機上に配置されなければならない保管穴のサイズを最小にするために細くされる。しかしながら、このことが一般的に、スタイラスを普通の筆記具より細くしている。そして、その結果として、多くのユーザは細いスタイラスが普通の筆記具より使いにくいと考えている。
【0028】
もし固定装置73が、スタイラスのユーザがつかむ場所の、スタイラス上に設けられると、ユーザによってつかまれるスタイラスのその部分の直径が大きくなり、スタイラスを普通の筆記具と同様の感覚にする。したがって、図11Aに示すように、スタイラスの軸をユーザがつかむ場所に固定装置73を配置するということは、スタイラスのより自然な感覚をユーザに与える助けになる。
【0029】
図12はスタイラスの他の実施例を示す。この実施例では、弾性材料の複数の長手ストリップ74が固定装置を形成する。長手ストリップは細長い軸62の外面に取り付けられ、そしてストリップはスタイラスの軸に平行な方向に延びる。
【0030】
図13は図12の断面線13−13に沿った断面図である。図13に示すように、弾性材料のストリップ74はスタイラスの軸62から、互いに90°の間隔を隔てた場所で、外方に広がる。別の実施例では、弾性材料の異なる数のストリップが軸62の外面に取り付けられ得る。いくつかの実施例では、ストリップ74は軸62の周囲周りに対称的に間隔を隔てられる。結果として、スタイラスが保管穴中へ挿入されるとき、スタイラスはストリップ74によって保管穴の実質的に中心に置かれる。
【0031】
図14Aおよび図14Bはスタイラスの他の実施例を示す。この実施例においては、弾性材料の1つの長手ストリップが固定装置76を形成する。この1つの長手ストリップ76は、保管穴の内周の周りに部分的にあるいは幅広く広がる、保管穴の内表面上の保持突起と干渉するように設計され得る。
【0032】
いくつかの実施例において、スタイラスの係合部67は、スタイラスが保管穴中へ1つの回転位置でのみ挿入されるということを確実にする作用も行う。係合部67は図6Aおよび図6Bに示すように、保管穴上の規定した場所で、切欠きスロット中へ挿入される。このタイプの係合によって、保管穴の内面上に形成される保持突起は、それが細長い軸62の外面上の、長手ストリップ76と干渉するであろう位置にのみ配置される必要がある。図11Aおよび図11Bに示す実施例においては、係合部を受容するための切欠きスロットは、長手ストリップ76に係合するであろう保持突起から180°離れて配置される。
【0033】
上で説明した実施例においては、弾性材料がスタイラス上に設けられ、その圧縮可能な弾性材料が、保管穴の内壁、または保管穴の内壁上の突起と相互作用する。別の実施例では、圧縮可能な弾性材料は保管穴の内壁上に配置されてもよい。
【0034】
図15Aは保管穴30を有する計算機の一部の断面図である。スタイラスは保管穴中に部分的に挿入される。この実施例において、圧縮可能な弾性材料のストリップ166が保管穴30の内壁上に設けられる。さらに、固い(solid)突起192がスタイラスの軸62上に配置される。
【0035】
スタイラスが保管穴中へ挿入されるとき、スタイラスの軸上の固い突起192が保管穴の内壁上の弾性材料ストリップ166とついには接触する。スタイラスがその保管穴中へさらに押し込まれると、弾性材料ストリップ166は固い突起192の通路に適応させるように変形する。スタイラスが一旦保管穴中へ完全に挿入されると、図15Bに示すように、スタイラスの軸上の固い突起192が、保管穴中の弾性材料ストリップ166の場所より深くなる。弾性材料ストリップ166は再び内方に広がる。そして、弾性材料ストリップ166と固い突起192との間の干渉が、スタイラスを保管穴30中へ保持するように作用する。
【0036】
なおも別の実施例においては、保管穴の側壁上の弾性材料ストリップ166は保管穴中の異なる場所に配置されてもよい。同じように、弾性材料ストリップが異なる形態を持つこともできる。弾性材料ストリップ166は保管穴の内壁の周りに同心リングを形成する。もしくは、弾性材料ストリップ166は、保管穴の長手方向に延びる材料のストリップとして形成される。弾性材料ストリップ166はスタイラスが保管穴中へ保持されるのを確実に助ける、任意の形態を採ってもよい。
【0037】
また、保管穴の内壁上に弾性材料ストリップが配置されるいくつかの実施例においては、スタイラスは対応する固い突起を含まなくてもよい。その代わり、弾性材料ストリップは、その弾性材料ストリップが完全に広がったとき、弾性材料ストリップ内部の利用可能な自由空間および保管穴の内壁がスタイラスの直径より小さい。そのために、スタイラスが保管穴中へ挿入されるときにはいつでも、弾性材料ストリップが圧縮され、弾性材料ストリップとスタイラスの軸との間の摩擦がスタイラスをその保管穴中へ保持するように作用する。
【0038】
図16ないし図18は、スタイラスが計算機の保管穴の内部へとどまるのを助けるためにスタイラスへ取り付けられ得る種々の異なる保持補助装置を示す。各々の場合において、保持補助装置は弾性材料から形成される。そして、保持補助装置はスタイラスの外面上に取り付けられる。
【0039】
図16に示す保持補助装置166は、上で説明した図5Aおよび図5Bに示す実施例における圧縮可能な固定装置66と類似する形状を有する。
【0040】
図17に示す保持補助装置167は、上で説明した図10Aおよび図10Bに示す圧縮可能な固定装置71に類似する形状を有する。
【0041】
図18に示す保持補助装置は、上で説明した図9Aおよび図9Bに示す圧縮可能な固定装置69と類似する形状を有する。この実施例においては、中間部268Bは端部268Aより大きな直径を有する。
【0042】
各々の場合、保持補助装置は計算機の保管穴中へスタイラスが挿入されるときにその圧縮可能な弾性材料が結果的に圧縮されるサイズや形状を有する。結果として、弾性材料と保管穴の内壁との間の摩擦がスタイラスを保管穴中へ保持するのを助ける。
【0043】
図16ないし図18に示す実施例においては、スタイラスの軸に接触する保持補助装置の内面に接着層が設けられてもよい。この接着層は剥離シートによって覆われる。したがって、ユーザはこの剥離シートを除去し、次いで、スタイラスの軸へ保持補助装置を取り付けることができる。
【0044】
図16ないし図18に示す保持補助装置のサイズや形状は単なる例示である。保持補助装置の異なる実施例が異なる形状やサイズを持つことができる。
【符号の説明】
【0045】
10…携帯計算機
30…保管穴
60…スタイラス
62…細長い軸
64…先端
66…固定装置(第1固定装置)
67…係合部
68…固定装置
69…固定装置
71…第2固定装置
72…突起
73…固定装置
74…ストリップ
76…長手ストリップ
79A…外被層
79B…弾性材料層
90…計算機
92…保持突起
166…弾性材料ストリップ
192…固い突起
266…保持補助装置
267…保持補助装置
268…保持補助装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
計算機とともに使用するためのスタイラスであって、
細長い軸、
細長い軸の第1端部における先端、および
細長い軸の外面上に、細長い軸から外方へ突出するように設けられる固定装置を備え、固定装置は変形可能な弾性材料を含む、スタイラス。
【請求項2】
固定装置は、スタイラスが計算機の保管穴中へ挿入されるとき、弾性材料が、保管穴の内表面上の突起を越えてその固定装置が押し込まれるにつれて前記軸の長さ方向の軸へ向かって内方へ変形し、かつ固定装置が一旦その突起を越えて押し込まれる、再び外方へ広がる、ように構成される、請求項1記載のスタイラス。
【請求項3】
固定装置は、細長い軸の外面上に設けられる弾性材料層と、弾性材料層上の設けられる被覆とを含み、その被覆は弾性材料層より低い摩擦係数を有する、請求項1記載のスタイラス。
【請求項4】
弾性材料層は低反発素材を含む、請求項3記載のスタイラス。
【請求項5】
固定装置は細長い軸の外面の周りに周方向リングを形成する弾性材料のバンドを含む、請求項1記載のスタイラス。
【請求項6】
固定装置は、細長い軸の外周の周りに部分的に延びる弾性材料のU字形状のバンドを含む、請求項1記載のスタイラス。
【請求項7】
1つの回転位置でスタイラスが計算機の保管穴中へ挿入されるのを確実にする方向づけ機構をさらに備える、請求項1記載のスタイラス。
【請求項8】
限られた数の回転位置でスタイラスが計算機の保管穴中へ挿入されるのを確実にする方向づけ機構をさらに備える、請求項1ないし6のいずれかに記載のスタイラス。
【請求項9】
固定装置は、細長い軸の第1部分に設けられる変形可能な弾性材料の第1部および細長い軸の第2部分に設けられる変形可能な弾性材料の第2部を含む、請求項1記載のスタイラス。
【請求項10】
変形可能な弾性材料の第1部は細長い軸の外面の周りに周方向リングを形成する弾性材料のバンドを含み、変形可能な弾性材料の第2部は細長い軸の外周の周りに部分的に広がるU字形状のバンドを含む、請求項9記載のスタイラス。
【請求項11】
変形可能な弾性材料の第1部は細長い軸の外面の周りに周方向リングを形成する弾性材料のバンドを含み、変形可能な弾性材料の第2部は細長い軸の長さ方向の軸に平行な方向においてその細長い軸の外面に沿って延びる弾性材料の薄いストリップを含む、請求項9記載のスタイラス。
【請求項12】
固定装置は、細長い軸の長さ方向の軸に平行な方向においてその細長い軸の外面に沿って延びる弾性材料の少なくとも1つの薄いストリップを含む、請求項1記載のスタイラス。
【請求項13】
弾性材料の少なくとも1つの薄いストリップの端部は、細長い軸の外面に向かって内方に先き細になる、請求項1記載のスタイラス。
【請求項14】
固定装置は、細長い軸の軸に平行な方向においてその細長い軸の外面に沿って延びる弾性材料の複数の薄いストリップを含み、その弾性材料の複数の薄いストリップは細長い軸の外周の周りに対称的に配置される、請求項1記載のスタイラス。
【請求項15】
弾性材料の複数の薄いストリップの端部は、細長い軸の外面に向かって内方に先き細になる、請求項1記載のスタイラス。
【請求項16】
計算機の保管穴からスタイラスを取り外すのを助けるためにユーザによって係合され得る引出し機構をさらに備える、請求項1記載のスタイラス。
【請求項17】
引出機構は、先端に対向する細長い軸の第2端部に配置されかつスタイラスが保管穴内に取り付けられたとき計算機の保管穴から露出される、係合面を含む、請求項16記載のスタイラス。
【請求項18】
引出機構はまた、1つの回転方向においてのみ計算機の保管穴中ヘ挿入されるのを確実にするように作用する、請求項16記載のスタイラス。
【請求項19】
請求項1のスタイラスを備える、計算機。
【請求項20】
計算機は、さらに、スタイラスを受容するように構成される保管穴を備え、保管穴の内面上に少なくとも1つの突起が形成され、その少なくとも1つの突起は、保管穴ちゅうへスタイラスが挿入されるとき少なくとも1つの突起がスタイラス上の固定装置より保管穴の開口により近く配置されように、保管穴に沿って配置される、請求項19記載の計算機。
【請求項1】
計算機とともに使用するためのスタイラスであって、
細長い軸、
細長い軸の第1端部における先端、および
細長い軸の外面上に、細長い軸から外方へ突出するように設けられる固定装置を備え、固定装置は変形可能な弾性材料を含む、スタイラス。
【請求項2】
固定装置は、スタイラスが計算機の保管穴中へ挿入されるとき、弾性材料が、保管穴の内表面上の突起を越えてその固定装置が押し込まれるにつれて前記軸の長さ方向の軸へ向かって内方へ変形し、かつ固定装置が一旦その突起を越えて押し込まれる、再び外方へ広がる、ように構成される、請求項1記載のスタイラス。
【請求項3】
固定装置は、細長い軸の外面上に設けられる弾性材料層と、弾性材料層上の設けられる被覆とを含み、その被覆は弾性材料層より低い摩擦係数を有する、請求項1記載のスタイラス。
【請求項4】
弾性材料層は低反発素材を含む、請求項3記載のスタイラス。
【請求項5】
固定装置は細長い軸の外面の周りに周方向リングを形成する弾性材料のバンドを含む、請求項1記載のスタイラス。
【請求項6】
固定装置は、細長い軸の外周の周りに部分的に延びる弾性材料のU字形状のバンドを含む、請求項1記載のスタイラス。
【請求項7】
1つの回転位置でスタイラスが計算機の保管穴中へ挿入されるのを確実にする方向づけ機構をさらに備える、請求項1記載のスタイラス。
【請求項8】
限られた数の回転位置でスタイラスが計算機の保管穴中へ挿入されるのを確実にする方向づけ機構をさらに備える、請求項1ないし6のいずれかに記載のスタイラス。
【請求項9】
固定装置は、細長い軸の第1部分に設けられる変形可能な弾性材料の第1部および細長い軸の第2部分に設けられる変形可能な弾性材料の第2部を含む、請求項1記載のスタイラス。
【請求項10】
変形可能な弾性材料の第1部は細長い軸の外面の周りに周方向リングを形成する弾性材料のバンドを含み、変形可能な弾性材料の第2部は細長い軸の外周の周りに部分的に広がるU字形状のバンドを含む、請求項9記載のスタイラス。
【請求項11】
変形可能な弾性材料の第1部は細長い軸の外面の周りに周方向リングを形成する弾性材料のバンドを含み、変形可能な弾性材料の第2部は細長い軸の長さ方向の軸に平行な方向においてその細長い軸の外面に沿って延びる弾性材料の薄いストリップを含む、請求項9記載のスタイラス。
【請求項12】
固定装置は、細長い軸の長さ方向の軸に平行な方向においてその細長い軸の外面に沿って延びる弾性材料の少なくとも1つの薄いストリップを含む、請求項1記載のスタイラス。
【請求項13】
弾性材料の少なくとも1つの薄いストリップの端部は、細長い軸の外面に向かって内方に先き細になる、請求項1記載のスタイラス。
【請求項14】
固定装置は、細長い軸の軸に平行な方向においてその細長い軸の外面に沿って延びる弾性材料の複数の薄いストリップを含み、その弾性材料の複数の薄いストリップは細長い軸の外周の周りに対称的に配置される、請求項1記載のスタイラス。
【請求項15】
弾性材料の複数の薄いストリップの端部は、細長い軸の外面に向かって内方に先き細になる、請求項1記載のスタイラス。
【請求項16】
計算機の保管穴からスタイラスを取り外すのを助けるためにユーザによって係合され得る引出し機構をさらに備える、請求項1記載のスタイラス。
【請求項17】
引出機構は、先端に対向する細長い軸の第2端部に配置されかつスタイラスが保管穴内に取り付けられたとき計算機の保管穴から露出される、係合面を含む、請求項16記載のスタイラス。
【請求項18】
引出機構はまた、1つの回転方向においてのみ計算機の保管穴中ヘ挿入されるのを確実にするように作用する、請求項16記載のスタイラス。
【請求項19】
請求項1のスタイラスを備える、計算機。
【請求項20】
計算機は、さらに、スタイラスを受容するように構成される保管穴を備え、保管穴の内面上に少なくとも1つの突起が形成され、その少なくとも1つの突起は、保管穴ちゅうへスタイラスが挿入されるとき少なくとも1つの突起がスタイラス上の固定装置より保管穴の開口により近く配置されように、保管穴に沿って配置される、請求項19記載の計算機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−89130(P2012−89130A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−226325(P2011−226325)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(594106612)ニンテンドウ・オブ・アメリカ・インコーポレーテッド (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(594106612)ニンテンドウ・オブ・アメリカ・インコーポレーテッド (5)
【Fターム(参考)】
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