計算機式断層写真法(CT)撮像用の低分解能シンチレート式アレイ、及び該アレイを実装する方法
【課題】完全視野(FOV)及び限定型FOVでの撮像能力を提供しつつ、計算機式断層写真法(CT)システムの費用を削減する。
【解決手段】検出器アレイ18は、検出器アレイ18まで、第一のFOV120の外部で第二のFOV122まで通過したX線108を受光するように配置され、第一の分解能を提供する第一のピクセル・アレイ110と、第一のFOV120を通過したX線112を受光するように配置され、第一の分解能とは異なる第二の分解能を提供する第二のピクセル・アレイ114とを含んでいる。システムは、検出器アレイからの出力を受け取るように構成されているデータ取得システム(DAS)と、対象の撮像データの投影を取得して、撮像データを用いて対象の画像を形成する。
【解決手段】検出器アレイ18は、検出器アレイ18まで、第一のFOV120の外部で第二のFOV122まで通過したX線108を受光するように配置され、第一の分解能を提供する第一のピクセル・アレイ110と、第一のFOV120を通過したX線112を受光するように配置され、第一の分解能とは異なる第二の分解能を提供する第二のピクセル・アレイ114とを含んでいる。システムは、検出器アレイからの出力を受け取るように構成されているデータ取得システム(DAS)と、対象の撮像データの投影を取得して、撮像データを用いて対象の画像を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の各実施形態は一般的には、診断撮像に関し、さらに具体的には、撮像応用において低分解能の撮像用アレイを用いる方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的には、計算機式断層写真法(CT)イメージング・システムでは、X線源が患者又は手荷物のような被検体又は物体へ向けてファン(扇形)形状のビームを放出する。以下では、「被検体」及び「対象」「物体」等の用語は、撮像されることが可能な任意の物体を含むものとする。ビームは被検体によって減弱された後に放射線検出器のアレイに入射する。検出器アレイにおいて受光される減弱後のビーム放射線の強度は典型的には、被検体によるX線ビームの減弱量に依存する。検出器アレイの各々の検出器素子が、各々の検出器素子によって受光される減弱後のビームを示す別個の電気信号を発生する。電気信号はデータ処理システムへ伝送されて解析され、これにより最終的に画像を形成する。
【0003】
一般的には、X線源及び検出器アレイは、撮像平面内で被検体を中心としてガントリの周りを回転する。X線源は典型的には、焦点においてX線ビームを放出するX線管を含んでいる。X線検出器は典型的には、検出器において受光されるX線ビームをコリメートするコリメータと、コリメータに隣接して設けられておりX線を光エネルギへ変換するシンチレータと、隣接するシンチレータから光エネルギを受け取ってここから電気信号を発生するフォトダイオードとを含んでいる。
【0004】
典型的には、シンチレータ・アレイの各々のシンチレータがX線を光エネルギへ変換する。各々のシンチレータは、これらシンチレータに隣接するフォトダイオードに光エネルギを放出する。各々のフォトダイオードが光エネルギを検出して、対応する電気信号を発生する。次いで、フォトダイオードの出力はデータ処理システムへ伝送されて、画像再構成を施される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
CT臨床応用の近年の発展に伴って、一つの器官全体を単一のガントリ回転及び単一の投影で網羅することが望ましく、このため心取得全体を単一の心サイクルで完了し得るようになっている。心臓は典型的には、殆どの患者について径が25cm(x−y平面において)及び長さが12cm(スライス方向又はz方向において)の円筒形領域で網羅され得る。神経灌流検査では、造影剤摂取及び流失の間に患者を絶えず走査しつつ患者長軸(z方向)に沿って少なくとも12cmを網羅することが望ましい。市場には、心臓及び神経灌流検査の撮像情報を提供するのに必要な撮影範囲を優に超えた例えばz軸に沿って16cm及び患者を横断して(x−y平面において)50cm視野(FOV)を網羅するCTスキャナが存在している。このように、心臓及び神経灌流検査では、x−y平面の着目部位(ROI)は、完全検出器撮影範囲である50cmよりも著しく小さい。
【0006】
50cmFOVによって典型的な器官(すなわち心臓又は脳)を走査しても付加的な関連撮像情報を殆ど与えない場合が多く、このように、多くの器官撮像応用に典型的には35cmFOVで十分である。このように、設計及び費用の観点からは、撮像されている着目対象よりも僅かに大きいFOV(x−y平面において)まで撮影範囲を縮小することが望ましい。しかしながら、CT再構成では、限定されたFOVであってもFOVの範囲内の着目対象を忠実に再構成するためにはROIの外部の情報が必要な場合がある。この情報が存在しなければ、典型的な打ち切り(トランケーション)アーティファクトが生じ得る。打ち切られた投影に基づいて画像を再構成する試みが近年為されているが、これらの再構成手法は典型的には、不安定解を与えるか、又は再構成FOVの内部の特定の知見を要求する。比較的大きいFOVにおいて対象又は患者を撮像すると、関連撮像情報がFOV(上の例では50cm)全体にわたって実際に提供され得る。このように、撮像応用によっては、打ち切り誤差を回避するためにFOVの外部の限定された追加情報を用いることにより35cmFOVにわたり十分な撮像データを提供する場合もあれば、50cmFOV全体にわたり関連撮像データを得ることから利益を享受する撮像応用もある。両方の場合(限定型FOV及び完全FOV)において、完全な50cmFOVを有する検出器を用いて撮像データを得ることが望ましい。しかしながら、かかるスキャナの費用は極端に高くなる場合がある。
【0007】
従って、完全FOV及び限定型FOVでの撮像能力を提供しつつ、CTシステムの費用を削減する装置及び方法を設計することができると望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、低分解能シンチレート式アレイを用いて撮像を行なう方法及び装置に関するものである。
【0009】
一観点によれば、CTシステムが、走査対象を収容する開口を有する回転式ガントリと、対象へ向けてX線ビームを投射するように構成されているX線源と、対象を通過したX線を検出するように構成されている検出器アレイとを含んでいる。検出器アレイは、当該検出器アレイまで、第一の視野(FOV)の外部で第二のFOVまで通過したX線を受光するように配置されており、第一の分解能を提供する第一のピクセル・アレイと、第一のFOVを通過したX線を受光するように配置されており、第一の分解能とは異なる第二の分解能を提供する第二のピクセル・アレイとを含んでいる。このシステムは、検出器アレイからの出力を受け取るように構成されているデータ取得システム(DAS)と、対象の撮像データの投影を取得して、撮像データを用いて対象の画像を形成するようにプログラムされているコンピュータとを含んでいる。
【0010】
もう一つの観点によれば、検出器アセンブリを製造する方法が、第一の分解能を含んでおり、第一の視野(FOV)の外部で第二のFOVにわたり撮像データを受け取る検出器モジュールを有する第一の検出器アレイを配置するステップと、第一の分解能とは異なる第二の分解能を含んでおり、第一のFOVにわたり撮像データを受け取る検出器モジュールを有する第二の検出器アレイを配置するステップとを含んでいる。
【0011】
さらにもう一つの観点によれば、命令を含むコンピュータ・プログラムを記憶した非一時的なコンピュータ可読の記憶媒体が、命令がコンピュータによって実行されると、第一の分解能を有し、第一の視野(FOV)の外部の第二のFOVにわたり第一の撮像データを受け取るように配置されている第一の複数の検出器モジュールから第一の撮像データを取得し、第一の分解能よりも大きい第二の分解能を有し、第一のFOVにわたり第二の撮像データを受け取るように配置されている第二の複数の検出器モジュールから第二の撮像データを取得し、撮像データを用いて画像を再構成することをコンピュータに行なわせる。
【0012】
他の様々な特徴及び利点が、以下の詳細な説明及び図面から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図面は、本発明を実施するために現状で思量される好ましい各実施形態を示す。
【図1】CTイメージング・システムの見取り図である。
【図2】図1に示すシステムのブロック概略図である。
【図3】CTシステム検出器アレイの一実施形態の遠近図である。
【図4】検出器の一実施形態の遠近図である。
【図5】本発明の一実施形態によるイメージング・システムの構成要素の遠近図であって、検出器アレイに対応している視野の説明のための図である。
【図6】本発明の一実施形態による検出器アレイの平面図である。
【図7】本発明の一実施形態による低分解能検出器モジュールの端部図である。
【図8】本発明の一実施形態による代替的な低分解能検出器モジュールを示す図である。
【図9】本発明の一実施形態による代替的な低分解能検出器モジュールを示す図である。
【図10】本発明の一実施形態による代替的な低分解能検出器モジュールを示す図である。
【図11】本発明の一実施形態による代替的な低分解能検出器モジュールを示す図である。
【図12】非侵襲型小包検査システムと共に用いられるCTシステムの見取り図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の動作環境を64スライス型計算機式断層写真法(CT)システムに関して説明する。但し、当業者には、本発明が他のマルチ・スライス型構成での利用にも同等に適用可能であることが認められよう。また、本発明をX線の検出及び変換に関して説明する。但し、当業者はさらに、本発明が他の高周波電磁エネルギの検出及び変換にも同等に適用可能であることを認められよう。本発明を「第三世代」CTスキャナに関して説明するが、本発明は他のCTシステムでも同等に適用可能である。
【0015】
図1及び図2には、計算機式断層写真法(CT)イメージング・システム10が、「第三世代」CTスキャナに典型的なガントリ12を含むものとして示されている。ガントリ12はX線源14を有し、X線源14は、ガントリ12の反対側に位置する検出器アセンブリ18へ向けてX線のビーム16を投射する。イメージング・システム10は、患者前置(プリ・ペイシェント)コリメータ27及びボウタイ・フィルタ29を含んでいる。患者前置コリメータ27は、当技術分野で公知のようにX線源14と検出器アセンブリ18との間でz方向のビーム幅を制御するように構成されている。検出器アセンブリ18は、複数の検出器20及びデータ取得システム(DAS)32によって形成されている。複数の検出器20は、患者22を通過する投射X線16を感知する。DAS32は検出器20からのデータを後続の処理のためにディジタル信号へ変換する。各々の検出器20が、入射X線ビームの強度を表わし従って患者22を透過した減弱後のビームを表わすアナログ電気信号を発生する。X線投影データを取得するための1回の走査の間に、ガントリ12及びガントリ12に装着されている構成部品は回転中心24の周りを回転する。
【0016】
ガントリ12の回転及びX線源14の動作は、CTシステム10の制御機構26によって制御される。制御機構26は、X線源14に電力信号及びタイミング信号を供給すると共に、患者前置コリメータ27及びボウタイ・フィルタ29の動作の移動制御を行なう制御器28を含んでおり、また制御機構26は、ガントリ12の回転速度及び位置を制御するガントリ・モータ制御器30を含んでいる。画像再構成器34が、標本化されてディジタル化されたX線データをDAS32から受け取って高速再構成を実行する。再構成された画像はコンピュータ36への入力として印加され、コンピュータ36は大容量記憶装置38に画像を記憶させる。
【0017】
コンピュータ36はまた、キーボード、マウス、音声作動式コントローラ、又は他の任意の適当な入力装置のような何らかの形態の操作者インタフェイスを有するコンソール40を介して、操作者から命令及び走査用パラメータを受け取る。付設されている表示器42によって、操作者は、再構成された画像及びコンピュータ36からの他データを観察することができる。操作者が供給した命令及びパラメータはコンピュータ36によって用いられて、DAS32、制御器28及びガントリ・モータ制御器30に制御信号及び情報を供給する。加えて、コンピュータ36は、電動テーブル46を制御するテーブル・モータ制御器44を動作させて、患者24及びガントリ12を配置する。具体的には、テーブル46は患者22を図1のガントリ開口48を通して全体として又は部分的に移動させる。
【0018】
当技術分野で広く理解されているように、患者22は、ガントリ12のスライス方向と一般に呼ばれるz方向21に全体的に平行移動される。また、やはり当技術分野で広く理解されているように、検出器アセンブリ18は、ガントリ12のx方向23すなわちチャネル方向に円周方向に回転させられる。このように、X線16はX線源14から放出されて患者22を通過しつつ、全体的にy方向25に走行して検出器アセンブリ18を通過する。
【0019】
図3に示すように、検出器アセンブリ18は、レール17を含んでいる。一般的には、検出器アセンブリ18はコリメート用ブレード又はプレート19をレール17の間に配置して含み得る。プレート19は、X線ビーム16が例えば検出器アセンブリ18に配置された図4の検出器20に入射する前にX線16をコリメートするように配置されている。一実施形態では、検出器アセンブリ18は、64×16個のピクセル素子50(64スライス型検出器20の場合)のアレイ寸法について、x方向23に沿って57個の検出器20を含んでいる。結果として、検出器アセンブリ18は912列の縦列(16×57個の検出器)を含んでおり、これにより、ガントリ12の各々の回転によってデータの多数の同時的なスライスを収集することを可能にしている。このように、図1及び図2と一致して、z方向21(又はスライス方向)、x方向23(又はチャネル方向)、及びy方向25が図示されている。一例では、z方向21に沿って2個の検出器20が配置されて、検出器アセンブリ18においてこの例では2×64=128スライス分のz撮影範囲を可能にする。もう一つの例では、z方向21に沿って8つの検出器20が配置されて、検出器アセンブリ18においてこの例では8×64=512スライス分のz撮影範囲を可能にする。実際に、本発明によればz方向21に沿って任意の数の検出器20を配置することができ、網羅されるスライスの数及び様々な量のz撮影範囲について対応する多数の選択肢を有する多数の設計を可能にしている。尚、検出器20はx方向23に16チャネル又はz方向21に64スライスを有することに限定されず、本発明によれば任意の数のスライス及びチャネルが検出器20に含まれ得ることを理解されたい。例えば、各々の検出器20は、x方向23に16チャネル及びz方向21に32チャネルで構成され得る。
【0020】
図4を参照すると、検出器20はDAS32を含んでおり、各々の検出器20が、パック51として構成されている一定数の検出器素子50を含んでいる。検出器20は、検出器素子50に対してパック51の内部に配置されたピン52を含んでいる。パック51は、複数のダイオード59を有する背面照射型ダイオード・アレイ53の上に配置されている。次に、背面照射型ダイオード・アレイ53は多層基材54の上に配置されている。スペーサ55が多層基材54の上に配置されている。検出器素子50は背面照射型ダイオード・アレイ53に光学的に結合され、次に背面照射型ダイオード・アレイ53は多層基材54に電気的に結合されている。軟質(フレックス)回路56が、多層基材54の面57及びDAS32に取り付けられている。検出器20は、ピン52の利用によって検出器アセンブリ18の内部に配置される。
【0021】
一実施形態の動作時には、検出器素子50の内部に入射するX線がフォトンを発生し、フォトンがパック51を横断することによりアナログ信号を発生して、この信号が背面照射型ダイオード・アレイ53の内部のダイオードにおいて検出される。発生されるアナログ信号は、多層基材54を通り、フレックス回路56を通ってDAS32まで運ばれて、ここでアナログ信号がディジタル信号へ変換される。前述と一致して、z方向21がやはりスライス方向を画定しており、当技術分野で理解されるように、検出器20においてz方向21に沿って配置される検出器素子50の数は、図1及び図2のイメージング・システム10のようなイメージング・システムにおいて取得され得る撮像スライスの数を画定する。典型的には、上述のように、z方向21に沿ったスライス又は検出器素子50の数は、16、64、256、又は512の何れであってもよい。しかしながら、本発明はこのように限定されず、本発明によれば任意の数のスライスがx方向23に沿ってコリメートされ得るものと思量される。x方向23すなわちチャネル方向も、検出器20に関して図示されている。典型的には、各々の検出器20がx方向23に16個の検出器素子50を含んでおり、典型的には、57個のかかる検出器20が検出器アセンブリ18に配置されて存在する。しかしながら、本発明はこのように限定されず、本発明によれば任意の数のチャネルがコリメートされ得るものと思量される。y方向25は、DAS32と全体的に平行な方向60を有するものとして図示されている。
【0022】
図3に戻ると、同図には3個の例示的な検出器20(検出器モジュールとも呼ぶ)が図示されている(例えば上述の57個のモジュールのうち)。例えば図1及び図2の患者22の撮像時に、着目部位(ROI)62が、検出器アセンブリ18に装着された検出器20から撮像データを取得することにより撮像され得る。このように、ガントリ12が回転するのに伴って、X線16が線源14から発して患者22を通過し、検出器20によって受光される。典型的には、撮像データは、当技術分野で公知のようにヘリカル・スキャン又はアキシャル・スキャンの何れかを行なってROI62から取得される。一般的には、検出器アセンブリ18のx方向23に沿った中心に位置する真中のチャネルが、アイソチャネル又はアイソセンタと画定され、このチャネルは、真中の射線66に沿って検出器アセンブリ18まで通過したX線を受光する。さらに詳細に説明するために図2に戻ると、射線66は全体的に回転中心24を通過する真中の射線66を示している。
【0023】
図5を参照すると、システム10はX線源14の焦点スポット100を含んでおり、ここからX線16が検出器アレイ18へ向けて発する。ボウタイ・フィルタ29は第一のX線濾波領域102(ボウタイ・フィルタ29の最も外側の二つの領域)と、第二のX線濾波領域104(ボウタイ・フィルタ29の中央の領域)とを含んでおり、これらの領域はX線減弱材料106で製造されている。ボウタイ・フィルタ29は、焦点スポット100から検出器アレイ18まで通過するX線16を減弱させるように配置されている。ボウタイ・フィルタ29の第一のX線濾波領域102を通過したX線108は、検出器アレイ18の第一のピクセル・アレイ110まで通過し、ボウタイ・フィルタ29の第二のX線濾波領域104を通過したX線112は、検出器アレイ18の第二のピクセル・アレイ114まで通過する。X線112は、真中の射線66に沿って通過したX線16を受光するように配置されているチャネルであるアイソチャネル116を含む第二のピクセル・アレイ114まで通過する。既述のように、検出器アレイ18はDAS32に電気的に結合され、DAS32はコンピュータ36に結合されている。従って、コンピュータ36は、検出器アレイ18からの画像データを取得するように構成されているDAS32からの画像データの投影を取得するようにプログラムされている。
【0024】
第二のピクセル・アレイ114及び第一のピクセル・アレイ110は境界118によって分離されている。第一及び第二のX線濾波領域102、104は、対応する第一及び第二のピクセル・アレイ110、114と共に、第一の視野(FOV)120がROI62に全体的に対応し、第一のFOV120よりも大きい第二のFOV122が第一及び第二のピクセル・アレイ110、114に全体的に対応するようにするために選択される。すなわち、第一のピクセル・アレイ110は、第一のFOV120の外部で第二のFOV122を通して延在する検出器アレイ18を通過するX線108を受光するように配置され、第二のピクセル・アレイ114は、第一のFOV120を通過したX線108を受光するように配置されている。さらに、上述のように、境界118は、第二のピクセル・アレイ114と第一のピクセル・アレイ110とを分離している。図示のように、境界118は、第一の境界119及び第二の境界121を含んでいる。第一の境界119はアイソチャネル116から第一の距離123に配置され、第二の境界121はアイソチャネル116から第二の距離125に配置される。一実施形態によれば、第一及び第二の距離123、125は互いに等しく、結果として第一のピクセル・アレイ110はアイソチャネル116に関して対称に配置される。しかしながら、もう一つの実施形態によれば、第一及び第二の距離123、125は互いに異なり、結果として第一のピクセル・アレイ110はアイソチャネル116に関して非対称に配置される。さらに、図5で分かるように、境界119、121の非対称位置は、システム10において回転させられる線源14及び検出器アセンブリ18の回転平面に関して上述のようなものとして配置される。
【0025】
本発明によれば、検出器アレイ18は、例として16、64、256、又は512スライスを含み得るz幅を包含するように構成され得る。しかしながら、本発明によれば、モジュール又は検出器20は、異なる分解能レベルを有して検出器アレイ18に配置され得る。ここで図6を参照すると、本発明に従って複数の検出器モジュール20を含む検出器アレイ18の平面図が示されている。図5と一致して、検出器アレイ18は、境界118によって各々分離された第一のピクセル・アレイ110及び第二のピクセル・アレイ114を含むモジュール20を含んでいる。第二のピクセル・アレイ114は、本実施形態では、z方向21に沿って8個のブロックを成すパックを有するモジュールを含んでおり、各々のパックが32のピクセル・スライスを内部に有する。すなわち、図4の検出器20は64のピクセル・スライスを有する単一のパック51を有するものとして図示されていたが、例えば整列ピン52(図4の検出器20に関して図示されているようなもの)によって分離され得る任意の数のパックを用いてz方向21に所望の数のピクセルを得ることができる。このように、図示の実施形態では、8個のパック124が示されており、各々のパックが32のピクセル・スライスを有し、撮影範囲は256スライスとなる。一実施形態では、z方向21に沿った32スライス分の撮影範囲は、約20mmの撮影範囲に対応し(アイソセンタにおいて)、従って図6の例では合計z撮影範囲は8×20=160mmとなる。(当技術分野で公知のように、撮影範囲はしばしば、アイソセンタすなわち図2に示す回転中心24での撮影範囲として測定され指定される)。
【0026】
図示の実施形態によれば、第二のピクセル・アレイ114は、ピクセル寸法が約1mm×1mmのパック124を含んでいる。第二のピクセル・アレイ114の各々の矩形ブロック126はx方向23に沿って16のチャネル、及びz方向21に沿って32のスライスを含んでおり、合計撮影範囲はx方向23に約16mm、及びz方向21に約32mmとなる。このようなものとして、ピクセルの各々の矩形ブロック126は、x方向23に沿って約16mmの撮影範囲を提供し、8個のブロックはz方向21に沿って約256mmの撮影範囲を提供し、アイソセンタにおいてはz方向21に沿って約160mmの撮影範囲に対応している。このように、本実施形態では、z方向21に沿って約160mmの撮影範囲が図示の256ピクセルにおいて提供される。さらに、本実施形態によれば、第一のピクセル・アレイ110は、第二のピクセル・アレイ114の各ピクセルよりも低い分解能を有するピクセルのパック128を含んでいる。既述のように、境界118は検出器アセンブリ18において第一のFOV120と第二のFOV122との間で撮影範囲を画定することに全体的に対応している。このようなものとして、検出器アセンブリ18は第一のFOV120にわたっては、第二のFOV122にわたり得られる撮像データとは異なる分解能(本実施形態ではより高い分解能)において対象の撮像データを提供する。
【0027】
さらに、図6に示すように、第一のピクセル・アレイ110は、向上した分解能を提供する幾つかの検出器パックを内部に含み得る。このように、本実施形態によれば、2個の中央パック130がz方向21に沿って中央に位置するように図示されており、これらのパック130は、第二のピクセル・アレイ114に設けられている検出器モジュール20によって提供される分解能と同等の分解能を有する。このように、本実施形態は、第二のピクセル・アレイ114及び2個の中央パック130の内部に位置する第一のピクセル・アレイ110のパックよりも低い分解能を有する4組の隅角パック集合132を含んでいる。
【0028】
従って、検出器アレイ18は、少なくとも二つの動作モードにおいて用いられることができ、これらの動作モードは、
1)完全z撮影範囲134にわたり提供される高分解能の第二のピクセル・アレイ114に位置する検出器20を用いると共に、低分解能の第一のピクセル・アレイ110に位置する検出器20を用いる第一のモード(打ち切り誤差、及び第一のFOV120にわたる限定型FOVに起因して生じ得る他の誤差を低減するためのモード)、並びに
2)第一及び第二のピクセル・アレイ110、114に位置する検出器20を用いるが、2個の中央パック130によって提供されるさらに限定されたz撮影範囲にわたる第二のモードである。第二のモードでは、患者前置コリメータ27を用いてzに沿ってコリメートすることによりz方向21に限定されたX線が提供され得る。
【0029】
さらに、図5に戻り、図示していないが、参照されている二つの動作モードは、2個の対応するボウタイ・フィルタを用いて達成されることができ、すなわち第一の動作モードに対応しており、第一及び第二のピクセル・アレイ110、114に全体的に対応する第一及び第二のX線濾波領域102、104を有する第一のボウタイ・フィルタと、第一のピクセル・アレイ110に全体的に対応しており、第二のFOV122の完全撮影範囲を提供する拡大された第二のX線濾波領域104を有する第二のボウタイ・フィルタ(図示しない)とを用いて達成され得る。
【0030】
図4に関して図示されているように、パック51はx方向23に沿って16個のピクセルを含んでいる。図6に関してさらに詳述されるように、8個のパック124が、各々z方向21に沿って32個のピクセルを有する一つのモジュールとして示されている。図6はまた、検出器アレイ18の他の部分よりも低い分解能を有する4組の隅角パック集合132を含んでいる。一実施形態では、図7を参照すると、4組の隅角パック集合132の各々のパックが、背面照射型フォトダイオード204の上に配置されたシンチレータの4個のピクセル202を有する検出器モジュール200の端部図として、x方向23に沿って示されている。各々のシンチレータ・ピクセル202は反射体206によって分離されると共に被覆されており、反射体206は、ピクセル同士の間のクロストークを減少させる又は解消するために、例えばTiO2を含む材質であってよい。背面照射型フォトダイオード204は、作用領域208によるピクセルの画定を含んでいる。すなわち、当技術分野で公知のように、背面照射型フォトダイオード204の作用領域208は、各々のシンチレータ・ピクセル202において発生されるフォトンが背面照射型フォトダイオード204の別個のそれぞれの区域208において読み取られるように、シンチレータ・ピクセル202と共に配置され得る。
【0031】
このように、本実施形態によれば、ピクセル202は全体的に方形(本実施形態では約4mm×4mmであるが、他の実施形態では例えば2mm×2mmであってよい)であり、端部図200として示す4個のピクセル202及びz方向21に沿って8個のピクセルを有し(図示しないが図の紙面の奥及び手前の方向)、相対的に低分解能の4×8アレイとなる。このアレイは、第二のピクセル・アレイ114におけるパック124、及び第二のFOV122にわたり延在する2個の中央パック130のような高分解能の16×32パックを有するモジュールと同等である。換言すると、図6を参照すると、第二のピクセル・アレイ114及びアレイ136は、高分解能の16×32のピクセル集合を有するパックを含んでおり、第一のピクセル・アレイ110は、低分解能の4×8のピクセル集合(又は他の設定)を有するパックを含んでいる。このようなものとして、上述の両動作モードとも、図6に示す検出器アレイ18を用い、4組の隅角モジュール集合132では図7に示すような低分解能検出器モジュール200を用いて達成されることができ、これにより低分解能パックの利用によるかなりの費用節減をしつつ所望の作用性を提供する。すなわち、ピクセル202は相対的に大きいので、ここから得られる撮像データは、製造許容誤差及びシンチレータ均一性等に対する感受性が相対的に小さい。このように、相対的に低分解能のピクセルを有するように製造されるモジュールは、全体費用をかなり削減して製造され得る。例えば、セル寸法が大きいほど高いパック歩留まりが期待され、またセルのダイス加工も少なくて済む。さらに、低費用のダイオードを用いることができ(セル画定が少ない)、また少ない相互接続しか必要とされないため、ASICが少なくなり、インタコネクトが少なくなり、フレックス回路が内部に有する電気路線又はインタコネクトが、少なく、また低密度になる。このようなものとして、より高い全体的なモジュール製造歩留まりも期待され得る。
【0032】
4組の隅角モジュール集合132の低分解能モジュールは、本発明による他の各実施形態に従って製造されてもよい。図8〜図11は、図7に示す検出器モジュール200の代わりに用いられ得る低分解能モジュールを製造する付加的な代替的な実施形態を示す。図8は、個々のシンチレータを有するピクセル202の代わりに背面照射型フォトダイオード204の上に配置されている単一の(ダイス加工されていない)シンチレータ210を有するモジュール200の端部図を示す。図7に示すような別個のシンチレータ・ピクセルを設ける代わりに、背面照射型フォトダイオード204の作用領域208に対応する開口214を内部に設けた例えばタングステンの蝕刻金属グリッドのようなX線遮断材料212を用いて各ピクセルを画定する。さらに、4組の隅角モジュール集合132の分解能は相対的に低いので、量子検出効率(QDE)要件も緩和される。例えば、おそらく98%QDEを有する高分解能シンチレータを有することが望ましいと考えられるが、低分解能モジュールでは85%QDEが望まれ得る。このように、QDEが相対的に低いため、相対的に薄いシンチレータ及び相対的に安価なシンチレータを用いることが可能になる。
【0033】
もう一つの実施形態によれば、図9は、図8と同様に背面照射型フォトダイオード204の作用領域208に対応する開口214を内部に設けた単一のシンチレータ210及びX線遮断材料212を有するモジュール200を示している。ピクセル同士の間のクロストークを低減するために、ピクセルを内部でさらに画定するノッチ216が含められている。また、ノッチ216は、当技術分野で理解されるように端部図ではy−z平面に沿ってのみ示されているが、シンチレータ210の内部でピクセルを画定するために対応するノッチがx−y平面にも配置されていることを理解されたい。実際に、端部図を示す全ての実施形態について、当技術分野で理解されるように、ピクセルはx−y平面に沿っても画定されている。本実施形態によれば、ノッチ216は、単一のシンチレータ210と背面照射型フォトダイオード204との間のシンチレータの面218に位置しており、クロストークを低減し得る任意の深さまで設けられていてよい。ノッチ216は、開口214同士の間のX線遮断材料212に対応するように配置されている。例えば厚みが4mmの単一のシンチレータ210では、ノッチ216は深さが1mm〜3mmであってよく、クロストークの低減を提供しつつ製造時の取り扱いに十分な健全性を単一のシンチレータ210に残す。一実施形態によれば、ノッチ216は、前述の反射体206のような反射体で充填され得る。
【0034】
さらにもう一つの実施形態によれば、図10は、単一のシンチレータ210、及び開口214を設けたX線遮断材料212を用いたピクセル画定を有するモジュール200を示す。図9の実施形態によってモジュール200は面218にノッチ216を含んでいる。しかしながら、クロストークをさらに低減するために、単一のシンチレータ210の第二の面222に第二のノッチ集合220が配置され得る。図10に示す実施形態では、ノッチ216、220は互いに同位置に位置し又は同一直線に並んでいる。すなわち、ノッチ216、220は、全体クロストークが低減されるように互いに近接して配置されている。このようなものとして、ノッチ216、220は同位置に位置しているので、各ノッチの深さの和が単一のシンチレータ210の合計厚み224を上回ることができないことは明らかである。
【0035】
さらにもう一つの実施形態によれば、図11は、単一のシンチレータ210、及び開口214を設けたX線遮断材料212を用いたピクセル画定を有するモジュール200を示す。クロストークを低減するために、モジュール200は、X線遮断材料212に近接して配置されており、開口214同士の間に配置された2個のオフセット・ノッチ226を含んでいる。本実施形態によれば、2個のオフセット・ノッチ226は各々、第一のノッチ228及び第二のノッチ230を含んでいる。ノッチ226は互いからずれているので、各ノッチの深さの和は単一のシンチレータ210の合計厚み224よりも大きくなってもよい。このように、第一のノッチ228は各々、合計厚み224の2分の1よりも大きい深さを有し、第二のノッチ230も同様に、やはり合計厚み224の2分の1よりも深さを有していてよい。このようなものとして、各々のオフセット・ノッチ集合226の合計厚みが単一のシンチレータ210の合計厚み224を上回っていてもよく、ピクセル同士の間の合計クロストークがこれにより低減される。
【0036】
尚、図7〜図11に示すモジュール200の各実施形態の分解能は、図示のものよりも大きくても小さくてもよいものと思量される。すなわち、図示の各実施形態では、チャネル方向に沿って4個のピクセル又はピクセル画定が示され、呼応してスライス方向又はz方向(それぞれの図の紙面の奥及び手前の方向)に8個のピクセル又はピクセル画定が含まれている。しかしながら、本発明はこのように限定されず、例として2×4又は3×6を有するパックのようにさらに大きい寸法のピクセルが含まれていてもよい。また、5×10又は6×12を有するパックのようにさらに小さいピクセル寸法が含まれていてもよい。しかしながら、認められるように、ピクセル・アレイ寸法を8×16とすると図4に関して前述されたアレイ寸法に対応するものとなる。このように、本発明によれば、任意のピクセル・アレイ寸法を検出器アレイ18の「高分解能」ピクセル寸法と呼び、任意のピクセル・アレイ寸法を「低分解能」ピクセル寸法と呼ぶことができ(例えば検出器アレイ18の4組の隅角モジュール集合132についての寸法)、またかかる呼称は相対的なものであって、低分解能検出器を4組の隅角パック集合132として配置することにより、本発明による改善及び費用節減を提供することを認められたい。さらに、相対的なピクセル・アレイ寸法は、費用を計りながら選択されるばかりでなく、例えば一例として当技術分野で理解されるようにクロストークと量子検出効率(QDE)との間の兼ね合いも計りながら選択され得ることを理解されたい。
【0037】
図12を参照すると、小包/手荷物検査システム500が、小包又は手荷物を通過させ得る開口504を内部に有する回転式ガントリ502を含んでいる。回転式ガントリ502は、高周波電磁エネルギ源506と、図1又は図2に示されるものと同様のシンチレータ・セルで構成されたシンチレータ・アレイを有する検出器アセンブリ508とを収容している。また、コンベヤ・システム510が設けられており、コンベヤ・システム510は、構造514によって支持されて走査のために小包又は手荷物516を自動的に且つ連続的に開口504に通すコンベヤ・ベルト512を含んでいる。物体516をコンベヤ・ベルト512によって開口504に送り込み、次いで撮像データを取得し、コンベヤ・ベルト512によって開口504から小包516を除去することを、制御された連続的な態様で行なう。結果として、郵便物検査官、手荷物積み降ろし員及び他の警備人員が、爆発物、刃物、銃及び密輸品等について小包516の内容を非侵襲的に検査することができる。
【0038】
開示された方法及び装置の技術的寄与は、撮像応用において低分解能撮像を行なうコンピュータ実装型の方法及び装置を提供することである。
【0039】
当業者は、本発明の各実施形態が、コンピュータ・プログラムを記憶したコンピュータ可読の記憶媒体に結び付けられて制御され得ることを認められよう。コンピュータ可読の記憶媒体は、電子的構成要素、ハードウェア構成要素、及び/又はコンピュータ・ソフトウェア構成要素の1又は複数のような複数の構成要素を含んでいる。これらの構成要素は、連鎖を成す1若しくは複数の具現化形態又は実施形態の1若しくは複数の部分を実行するソフトウェア、ファームウェア、及び/又はアセンブリ言語のような命令を一般に記憶する1又は複数のコンピュータ可読の記憶媒体を含み得る。これらのコンピュータ可読の記憶媒体は一般的には、非一時的であり且つ/又は有形である。かかるコンピュータ可読の記憶媒体の例としては、コンピュータの記録可能なデータ記憶媒体及び/又は記憶装置等がある。コンピュータ可読の記憶媒体は例えば磁気式、電気式、光学式、生物式、及び/又は原子式のデータ記憶媒体の1又は複数を用いていてよい。さらに、かかる媒体は、例えばフレキシブル・ディスク、磁気テープ、CD−ROM、DVD−ROM、ハード・ディスク・ドライブ、及び/又は電子メモリの形態を取り得る。列挙されていない他の形態の非一時的であり且つ/又は有形であるコンピュータ可読の記憶媒体を本発明の各実施形態と共に用いてもよい。
【0040】
多数のかかる構成要素がシステムの具現化形態において結合され又は分割され得る。さらに、かかる構成要素は、当業者には認められるように多数のプログラミング言語の任意のもので書かれ又は具現化された一組及び/又は一連のコンピュータ命令を含み得る。加えて、搬送波のような他の形態のコンピュータ可読の媒体を用いて、1又は複数のコンピュータによって実行されると、連鎖を成す1若しくは複数の具現化形態又は実施形態の1若しくは複数の部分を実行することを当該1又は複数のコンピュータに行なわせる命令の系列を表わすコンピュータ・データ信号を具現化することができる。
【0041】
本発明の一実施形態によれば、CTシステムが、走査対象を収容する開口を有する回転式ガントリと、対象へ向けてX線ビームを投射するように構成されているX線源と、対象を通過したX線を検出するように構成されている検出器アレイとを含んでいる。検出器アレイは、当該検出器アレイまで、第一の視野(FOV)の外部で第二のFOVまで通過したX線を受光するように配置されており、第一の分解能を提供する第一のピクセル・アレイと、第一のFOVを通過したX線を受光するように配置されており、第一の分解能とは異なる第二の分解能を提供する第二のピクセル・アレイとを含んでいる。このシステムは、検出器アレイからの出力を受け取るように構成されているデータ取得システム(DAS)と、対象の撮像データの投影を取得して、撮像データを用いて対象の画像を形成するようにプログラムされているコンピュータとを含んでいる。
【0042】
本発明のもう一つの実施形態によれば、検出器アセンブリを製造する方法が、第一の分解能を含んでおり、第一の視野(FOV)の外部で第二のFOVにわたり撮像データを受け取る検出器モジュールを有する第一の検出器アレイを配置するステップと、第一の分解能とは異なる第二の分解能を含んでおり、第一のFOVにわたり撮像データを受け取る検出器モジュールを有する第二の検出器アレイを配置するステップとを含んでいる。
【0043】
本発明のもう一つの実施形態によれば、命令を含むコンピュータ・プログラムを記憶した非一時的なコンピュータ可読の記憶媒体が、命令がコンピュータによって実行されると、第一の分解能を有し、第一の視野(FOV)の外部の第二のFOVにわたり第一の撮像データを受け取るように配置されている第一の複数の検出器モジュールから第一の撮像データを取得し、第一の分解能よりも大きい第二の分解能を有し、第一のFOVにわたり第二の撮像データを受け取るように配置されている第二の複数の検出器モジュールから第二の撮像データを取得し、撮像データを用いて画像を再構成することをコンピュータに行なわせる。
【0044】
この書面の記載は、最適な態様を含めて発明を開示し、また任意の装置又はシステムを製造して利用すること及び任意の組み込まれた方法を実行することを含めてあらゆる当業者が発明を実施することを可能にするように実例を用いている。特許付与可能な発明の範囲は特許請求の範囲によって画定されており、当業者に想到される他の実例を含み得る。かかる他の実例は、特許請求の範囲の書字言語に相違しない構造要素を有する場合、又は特許請求の範囲の書字言語と非実質的な相違を有する等価な構造要素を含む場合には、特許請求の範囲内にあるものとする。
【符号の説明】
【0045】
10:計算機式断層写真法(CT)イメージング・システム
12:ガントリ
14:X線源
16:投射X線
17:レール
18:検出器アセンブリ
19:コリメート用プレート
20:複数の検出器
21:z方向
22:患者
23:x方向
24:回転中心
25:y方向
26:制御機構
27:患者前置(プリ・ペイシェント)コリメータ
28:制御器
29:ボウタイ・フィルタ
30:ガントリ・モータ制御器
32:データ取得システム(DAS)
34:画像再構成器
36:コンピュータ
38:大容量記憶装置
40:コンソール
42:表示器
44:テーブル・モータ制御器
46:電動テーブル
48:ガントリ開口
50:ピクセル素子
51:パック
52:ピン
53:背面照射型ダイオード・アレイ
54:多層基材
55:スペーサ
56:軟質(フレックス)回路
57:面
59:複数のダイオード
60:DAS32と全体的に平行な方向
62:着目部位(ROI)
66:真中の射線
100:焦点スポット
102:第一のX線濾波領域
104:第二のX線濾波領域
106:X線減弱材料
108:第一のX線濾波領域を通過したX線
110:第一のピクセル・アレイ
112:第二のX線濾波領域を通過したX線
114:第二のピクセル・アレイ
116:アイソチャネル
118:境界
119:第一の境界
120:第一のFOV
121:第二の境界
122:第二のFOV
123:第一の距離
124:パック
125:第二の距離
128:低分解能を有するピクセルのパック
126:アレイの矩形ブロック
130:中央パック
132:隅角パック集合
134:完全z撮影範囲
136:ピクセルのアレイ
200:検出器モジュール
202:ピクセル
204:背面照射型フォトダイオード
206:反射体
208:作用領域
210:単一のシンチレータ
212:X線遮断材料
214:開口
216:ノッチ
218:シンチレータの面
220:第二のノッチ集合
222:第二の面
224:単一のシンチレータの合計厚み
226:オフセット・ノッチ
228:第一のノッチ
230:第二のノッチ
500:小包/手荷物検査システム
502:回転式ガントリ
504:開口
506:高周波電磁エネルギ源
508:検出器アセンブリ
510:コンベヤ・システム
512:コンベヤ・ベルト
514:構造
516:小包又は手荷物
【技術分野】
【0001】
本発明の各実施形態は一般的には、診断撮像に関し、さらに具体的には、撮像応用において低分解能の撮像用アレイを用いる方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的には、計算機式断層写真法(CT)イメージング・システムでは、X線源が患者又は手荷物のような被検体又は物体へ向けてファン(扇形)形状のビームを放出する。以下では、「被検体」及び「対象」「物体」等の用語は、撮像されることが可能な任意の物体を含むものとする。ビームは被検体によって減弱された後に放射線検出器のアレイに入射する。検出器アレイにおいて受光される減弱後のビーム放射線の強度は典型的には、被検体によるX線ビームの減弱量に依存する。検出器アレイの各々の検出器素子が、各々の検出器素子によって受光される減弱後のビームを示す別個の電気信号を発生する。電気信号はデータ処理システムへ伝送されて解析され、これにより最終的に画像を形成する。
【0003】
一般的には、X線源及び検出器アレイは、撮像平面内で被検体を中心としてガントリの周りを回転する。X線源は典型的には、焦点においてX線ビームを放出するX線管を含んでいる。X線検出器は典型的には、検出器において受光されるX線ビームをコリメートするコリメータと、コリメータに隣接して設けられておりX線を光エネルギへ変換するシンチレータと、隣接するシンチレータから光エネルギを受け取ってここから電気信号を発生するフォトダイオードとを含んでいる。
【0004】
典型的には、シンチレータ・アレイの各々のシンチレータがX線を光エネルギへ変換する。各々のシンチレータは、これらシンチレータに隣接するフォトダイオードに光エネルギを放出する。各々のフォトダイオードが光エネルギを検出して、対応する電気信号を発生する。次いで、フォトダイオードの出力はデータ処理システムへ伝送されて、画像再構成を施される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
CT臨床応用の近年の発展に伴って、一つの器官全体を単一のガントリ回転及び単一の投影で網羅することが望ましく、このため心取得全体を単一の心サイクルで完了し得るようになっている。心臓は典型的には、殆どの患者について径が25cm(x−y平面において)及び長さが12cm(スライス方向又はz方向において)の円筒形領域で網羅され得る。神経灌流検査では、造影剤摂取及び流失の間に患者を絶えず走査しつつ患者長軸(z方向)に沿って少なくとも12cmを網羅することが望ましい。市場には、心臓及び神経灌流検査の撮像情報を提供するのに必要な撮影範囲を優に超えた例えばz軸に沿って16cm及び患者を横断して(x−y平面において)50cm視野(FOV)を網羅するCTスキャナが存在している。このように、心臓及び神経灌流検査では、x−y平面の着目部位(ROI)は、完全検出器撮影範囲である50cmよりも著しく小さい。
【0006】
50cmFOVによって典型的な器官(すなわち心臓又は脳)を走査しても付加的な関連撮像情報を殆ど与えない場合が多く、このように、多くの器官撮像応用に典型的には35cmFOVで十分である。このように、設計及び費用の観点からは、撮像されている着目対象よりも僅かに大きいFOV(x−y平面において)まで撮影範囲を縮小することが望ましい。しかしながら、CT再構成では、限定されたFOVであってもFOVの範囲内の着目対象を忠実に再構成するためにはROIの外部の情報が必要な場合がある。この情報が存在しなければ、典型的な打ち切り(トランケーション)アーティファクトが生じ得る。打ち切られた投影に基づいて画像を再構成する試みが近年為されているが、これらの再構成手法は典型的には、不安定解を与えるか、又は再構成FOVの内部の特定の知見を要求する。比較的大きいFOVにおいて対象又は患者を撮像すると、関連撮像情報がFOV(上の例では50cm)全体にわたって実際に提供され得る。このように、撮像応用によっては、打ち切り誤差を回避するためにFOVの外部の限定された追加情報を用いることにより35cmFOVにわたり十分な撮像データを提供する場合もあれば、50cmFOV全体にわたり関連撮像データを得ることから利益を享受する撮像応用もある。両方の場合(限定型FOV及び完全FOV)において、完全な50cmFOVを有する検出器を用いて撮像データを得ることが望ましい。しかしながら、かかるスキャナの費用は極端に高くなる場合がある。
【0007】
従って、完全FOV及び限定型FOVでの撮像能力を提供しつつ、CTシステムの費用を削減する装置及び方法を設計することができると望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、低分解能シンチレート式アレイを用いて撮像を行なう方法及び装置に関するものである。
【0009】
一観点によれば、CTシステムが、走査対象を収容する開口を有する回転式ガントリと、対象へ向けてX線ビームを投射するように構成されているX線源と、対象を通過したX線を検出するように構成されている検出器アレイとを含んでいる。検出器アレイは、当該検出器アレイまで、第一の視野(FOV)の外部で第二のFOVまで通過したX線を受光するように配置されており、第一の分解能を提供する第一のピクセル・アレイと、第一のFOVを通過したX線を受光するように配置されており、第一の分解能とは異なる第二の分解能を提供する第二のピクセル・アレイとを含んでいる。このシステムは、検出器アレイからの出力を受け取るように構成されているデータ取得システム(DAS)と、対象の撮像データの投影を取得して、撮像データを用いて対象の画像を形成するようにプログラムされているコンピュータとを含んでいる。
【0010】
もう一つの観点によれば、検出器アセンブリを製造する方法が、第一の分解能を含んでおり、第一の視野(FOV)の外部で第二のFOVにわたり撮像データを受け取る検出器モジュールを有する第一の検出器アレイを配置するステップと、第一の分解能とは異なる第二の分解能を含んでおり、第一のFOVにわたり撮像データを受け取る検出器モジュールを有する第二の検出器アレイを配置するステップとを含んでいる。
【0011】
さらにもう一つの観点によれば、命令を含むコンピュータ・プログラムを記憶した非一時的なコンピュータ可読の記憶媒体が、命令がコンピュータによって実行されると、第一の分解能を有し、第一の視野(FOV)の外部の第二のFOVにわたり第一の撮像データを受け取るように配置されている第一の複数の検出器モジュールから第一の撮像データを取得し、第一の分解能よりも大きい第二の分解能を有し、第一のFOVにわたり第二の撮像データを受け取るように配置されている第二の複数の検出器モジュールから第二の撮像データを取得し、撮像データを用いて画像を再構成することをコンピュータに行なわせる。
【0012】
他の様々な特徴及び利点が、以下の詳細な説明及び図面から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図面は、本発明を実施するために現状で思量される好ましい各実施形態を示す。
【図1】CTイメージング・システムの見取り図である。
【図2】図1に示すシステムのブロック概略図である。
【図3】CTシステム検出器アレイの一実施形態の遠近図である。
【図4】検出器の一実施形態の遠近図である。
【図5】本発明の一実施形態によるイメージング・システムの構成要素の遠近図であって、検出器アレイに対応している視野の説明のための図である。
【図6】本発明の一実施形態による検出器アレイの平面図である。
【図7】本発明の一実施形態による低分解能検出器モジュールの端部図である。
【図8】本発明の一実施形態による代替的な低分解能検出器モジュールを示す図である。
【図9】本発明の一実施形態による代替的な低分解能検出器モジュールを示す図である。
【図10】本発明の一実施形態による代替的な低分解能検出器モジュールを示す図である。
【図11】本発明の一実施形態による代替的な低分解能検出器モジュールを示す図である。
【図12】非侵襲型小包検査システムと共に用いられるCTシステムの見取り図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の動作環境を64スライス型計算機式断層写真法(CT)システムに関して説明する。但し、当業者には、本発明が他のマルチ・スライス型構成での利用にも同等に適用可能であることが認められよう。また、本発明をX線の検出及び変換に関して説明する。但し、当業者はさらに、本発明が他の高周波電磁エネルギの検出及び変換にも同等に適用可能であることを認められよう。本発明を「第三世代」CTスキャナに関して説明するが、本発明は他のCTシステムでも同等に適用可能である。
【0015】
図1及び図2には、計算機式断層写真法(CT)イメージング・システム10が、「第三世代」CTスキャナに典型的なガントリ12を含むものとして示されている。ガントリ12はX線源14を有し、X線源14は、ガントリ12の反対側に位置する検出器アセンブリ18へ向けてX線のビーム16を投射する。イメージング・システム10は、患者前置(プリ・ペイシェント)コリメータ27及びボウタイ・フィルタ29を含んでいる。患者前置コリメータ27は、当技術分野で公知のようにX線源14と検出器アセンブリ18との間でz方向のビーム幅を制御するように構成されている。検出器アセンブリ18は、複数の検出器20及びデータ取得システム(DAS)32によって形成されている。複数の検出器20は、患者22を通過する投射X線16を感知する。DAS32は検出器20からのデータを後続の処理のためにディジタル信号へ変換する。各々の検出器20が、入射X線ビームの強度を表わし従って患者22を透過した減弱後のビームを表わすアナログ電気信号を発生する。X線投影データを取得するための1回の走査の間に、ガントリ12及びガントリ12に装着されている構成部品は回転中心24の周りを回転する。
【0016】
ガントリ12の回転及びX線源14の動作は、CTシステム10の制御機構26によって制御される。制御機構26は、X線源14に電力信号及びタイミング信号を供給すると共に、患者前置コリメータ27及びボウタイ・フィルタ29の動作の移動制御を行なう制御器28を含んでおり、また制御機構26は、ガントリ12の回転速度及び位置を制御するガントリ・モータ制御器30を含んでいる。画像再構成器34が、標本化されてディジタル化されたX線データをDAS32から受け取って高速再構成を実行する。再構成された画像はコンピュータ36への入力として印加され、コンピュータ36は大容量記憶装置38に画像を記憶させる。
【0017】
コンピュータ36はまた、キーボード、マウス、音声作動式コントローラ、又は他の任意の適当な入力装置のような何らかの形態の操作者インタフェイスを有するコンソール40を介して、操作者から命令及び走査用パラメータを受け取る。付設されている表示器42によって、操作者は、再構成された画像及びコンピュータ36からの他データを観察することができる。操作者が供給した命令及びパラメータはコンピュータ36によって用いられて、DAS32、制御器28及びガントリ・モータ制御器30に制御信号及び情報を供給する。加えて、コンピュータ36は、電動テーブル46を制御するテーブル・モータ制御器44を動作させて、患者24及びガントリ12を配置する。具体的には、テーブル46は患者22を図1のガントリ開口48を通して全体として又は部分的に移動させる。
【0018】
当技術分野で広く理解されているように、患者22は、ガントリ12のスライス方向と一般に呼ばれるz方向21に全体的に平行移動される。また、やはり当技術分野で広く理解されているように、検出器アセンブリ18は、ガントリ12のx方向23すなわちチャネル方向に円周方向に回転させられる。このように、X線16はX線源14から放出されて患者22を通過しつつ、全体的にy方向25に走行して検出器アセンブリ18を通過する。
【0019】
図3に示すように、検出器アセンブリ18は、レール17を含んでいる。一般的には、検出器アセンブリ18はコリメート用ブレード又はプレート19をレール17の間に配置して含み得る。プレート19は、X線ビーム16が例えば検出器アセンブリ18に配置された図4の検出器20に入射する前にX線16をコリメートするように配置されている。一実施形態では、検出器アセンブリ18は、64×16個のピクセル素子50(64スライス型検出器20の場合)のアレイ寸法について、x方向23に沿って57個の検出器20を含んでいる。結果として、検出器アセンブリ18は912列の縦列(16×57個の検出器)を含んでおり、これにより、ガントリ12の各々の回転によってデータの多数の同時的なスライスを収集することを可能にしている。このように、図1及び図2と一致して、z方向21(又はスライス方向)、x方向23(又はチャネル方向)、及びy方向25が図示されている。一例では、z方向21に沿って2個の検出器20が配置されて、検出器アセンブリ18においてこの例では2×64=128スライス分のz撮影範囲を可能にする。もう一つの例では、z方向21に沿って8つの検出器20が配置されて、検出器アセンブリ18においてこの例では8×64=512スライス分のz撮影範囲を可能にする。実際に、本発明によればz方向21に沿って任意の数の検出器20を配置することができ、網羅されるスライスの数及び様々な量のz撮影範囲について対応する多数の選択肢を有する多数の設計を可能にしている。尚、検出器20はx方向23に16チャネル又はz方向21に64スライスを有することに限定されず、本発明によれば任意の数のスライス及びチャネルが検出器20に含まれ得ることを理解されたい。例えば、各々の検出器20は、x方向23に16チャネル及びz方向21に32チャネルで構成され得る。
【0020】
図4を参照すると、検出器20はDAS32を含んでおり、各々の検出器20が、パック51として構成されている一定数の検出器素子50を含んでいる。検出器20は、検出器素子50に対してパック51の内部に配置されたピン52を含んでいる。パック51は、複数のダイオード59を有する背面照射型ダイオード・アレイ53の上に配置されている。次に、背面照射型ダイオード・アレイ53は多層基材54の上に配置されている。スペーサ55が多層基材54の上に配置されている。検出器素子50は背面照射型ダイオード・アレイ53に光学的に結合され、次に背面照射型ダイオード・アレイ53は多層基材54に電気的に結合されている。軟質(フレックス)回路56が、多層基材54の面57及びDAS32に取り付けられている。検出器20は、ピン52の利用によって検出器アセンブリ18の内部に配置される。
【0021】
一実施形態の動作時には、検出器素子50の内部に入射するX線がフォトンを発生し、フォトンがパック51を横断することによりアナログ信号を発生して、この信号が背面照射型ダイオード・アレイ53の内部のダイオードにおいて検出される。発生されるアナログ信号は、多層基材54を通り、フレックス回路56を通ってDAS32まで運ばれて、ここでアナログ信号がディジタル信号へ変換される。前述と一致して、z方向21がやはりスライス方向を画定しており、当技術分野で理解されるように、検出器20においてz方向21に沿って配置される検出器素子50の数は、図1及び図2のイメージング・システム10のようなイメージング・システムにおいて取得され得る撮像スライスの数を画定する。典型的には、上述のように、z方向21に沿ったスライス又は検出器素子50の数は、16、64、256、又は512の何れであってもよい。しかしながら、本発明はこのように限定されず、本発明によれば任意の数のスライスがx方向23に沿ってコリメートされ得るものと思量される。x方向23すなわちチャネル方向も、検出器20に関して図示されている。典型的には、各々の検出器20がx方向23に16個の検出器素子50を含んでおり、典型的には、57個のかかる検出器20が検出器アセンブリ18に配置されて存在する。しかしながら、本発明はこのように限定されず、本発明によれば任意の数のチャネルがコリメートされ得るものと思量される。y方向25は、DAS32と全体的に平行な方向60を有するものとして図示されている。
【0022】
図3に戻ると、同図には3個の例示的な検出器20(検出器モジュールとも呼ぶ)が図示されている(例えば上述の57個のモジュールのうち)。例えば図1及び図2の患者22の撮像時に、着目部位(ROI)62が、検出器アセンブリ18に装着された検出器20から撮像データを取得することにより撮像され得る。このように、ガントリ12が回転するのに伴って、X線16が線源14から発して患者22を通過し、検出器20によって受光される。典型的には、撮像データは、当技術分野で公知のようにヘリカル・スキャン又はアキシャル・スキャンの何れかを行なってROI62から取得される。一般的には、検出器アセンブリ18のx方向23に沿った中心に位置する真中のチャネルが、アイソチャネル又はアイソセンタと画定され、このチャネルは、真中の射線66に沿って検出器アセンブリ18まで通過したX線を受光する。さらに詳細に説明するために図2に戻ると、射線66は全体的に回転中心24を通過する真中の射線66を示している。
【0023】
図5を参照すると、システム10はX線源14の焦点スポット100を含んでおり、ここからX線16が検出器アレイ18へ向けて発する。ボウタイ・フィルタ29は第一のX線濾波領域102(ボウタイ・フィルタ29の最も外側の二つの領域)と、第二のX線濾波領域104(ボウタイ・フィルタ29の中央の領域)とを含んでおり、これらの領域はX線減弱材料106で製造されている。ボウタイ・フィルタ29は、焦点スポット100から検出器アレイ18まで通過するX線16を減弱させるように配置されている。ボウタイ・フィルタ29の第一のX線濾波領域102を通過したX線108は、検出器アレイ18の第一のピクセル・アレイ110まで通過し、ボウタイ・フィルタ29の第二のX線濾波領域104を通過したX線112は、検出器アレイ18の第二のピクセル・アレイ114まで通過する。X線112は、真中の射線66に沿って通過したX線16を受光するように配置されているチャネルであるアイソチャネル116を含む第二のピクセル・アレイ114まで通過する。既述のように、検出器アレイ18はDAS32に電気的に結合され、DAS32はコンピュータ36に結合されている。従って、コンピュータ36は、検出器アレイ18からの画像データを取得するように構成されているDAS32からの画像データの投影を取得するようにプログラムされている。
【0024】
第二のピクセル・アレイ114及び第一のピクセル・アレイ110は境界118によって分離されている。第一及び第二のX線濾波領域102、104は、対応する第一及び第二のピクセル・アレイ110、114と共に、第一の視野(FOV)120がROI62に全体的に対応し、第一のFOV120よりも大きい第二のFOV122が第一及び第二のピクセル・アレイ110、114に全体的に対応するようにするために選択される。すなわち、第一のピクセル・アレイ110は、第一のFOV120の外部で第二のFOV122を通して延在する検出器アレイ18を通過するX線108を受光するように配置され、第二のピクセル・アレイ114は、第一のFOV120を通過したX線108を受光するように配置されている。さらに、上述のように、境界118は、第二のピクセル・アレイ114と第一のピクセル・アレイ110とを分離している。図示のように、境界118は、第一の境界119及び第二の境界121を含んでいる。第一の境界119はアイソチャネル116から第一の距離123に配置され、第二の境界121はアイソチャネル116から第二の距離125に配置される。一実施形態によれば、第一及び第二の距離123、125は互いに等しく、結果として第一のピクセル・アレイ110はアイソチャネル116に関して対称に配置される。しかしながら、もう一つの実施形態によれば、第一及び第二の距離123、125は互いに異なり、結果として第一のピクセル・アレイ110はアイソチャネル116に関して非対称に配置される。さらに、図5で分かるように、境界119、121の非対称位置は、システム10において回転させられる線源14及び検出器アセンブリ18の回転平面に関して上述のようなものとして配置される。
【0025】
本発明によれば、検出器アレイ18は、例として16、64、256、又は512スライスを含み得るz幅を包含するように構成され得る。しかしながら、本発明によれば、モジュール又は検出器20は、異なる分解能レベルを有して検出器アレイ18に配置され得る。ここで図6を参照すると、本発明に従って複数の検出器モジュール20を含む検出器アレイ18の平面図が示されている。図5と一致して、検出器アレイ18は、境界118によって各々分離された第一のピクセル・アレイ110及び第二のピクセル・アレイ114を含むモジュール20を含んでいる。第二のピクセル・アレイ114は、本実施形態では、z方向21に沿って8個のブロックを成すパックを有するモジュールを含んでおり、各々のパックが32のピクセル・スライスを内部に有する。すなわち、図4の検出器20は64のピクセル・スライスを有する単一のパック51を有するものとして図示されていたが、例えば整列ピン52(図4の検出器20に関して図示されているようなもの)によって分離され得る任意の数のパックを用いてz方向21に所望の数のピクセルを得ることができる。このように、図示の実施形態では、8個のパック124が示されており、各々のパックが32のピクセル・スライスを有し、撮影範囲は256スライスとなる。一実施形態では、z方向21に沿った32スライス分の撮影範囲は、約20mmの撮影範囲に対応し(アイソセンタにおいて)、従って図6の例では合計z撮影範囲は8×20=160mmとなる。(当技術分野で公知のように、撮影範囲はしばしば、アイソセンタすなわち図2に示す回転中心24での撮影範囲として測定され指定される)。
【0026】
図示の実施形態によれば、第二のピクセル・アレイ114は、ピクセル寸法が約1mm×1mmのパック124を含んでいる。第二のピクセル・アレイ114の各々の矩形ブロック126はx方向23に沿って16のチャネル、及びz方向21に沿って32のスライスを含んでおり、合計撮影範囲はx方向23に約16mm、及びz方向21に約32mmとなる。このようなものとして、ピクセルの各々の矩形ブロック126は、x方向23に沿って約16mmの撮影範囲を提供し、8個のブロックはz方向21に沿って約256mmの撮影範囲を提供し、アイソセンタにおいてはz方向21に沿って約160mmの撮影範囲に対応している。このように、本実施形態では、z方向21に沿って約160mmの撮影範囲が図示の256ピクセルにおいて提供される。さらに、本実施形態によれば、第一のピクセル・アレイ110は、第二のピクセル・アレイ114の各ピクセルよりも低い分解能を有するピクセルのパック128を含んでいる。既述のように、境界118は検出器アセンブリ18において第一のFOV120と第二のFOV122との間で撮影範囲を画定することに全体的に対応している。このようなものとして、検出器アセンブリ18は第一のFOV120にわたっては、第二のFOV122にわたり得られる撮像データとは異なる分解能(本実施形態ではより高い分解能)において対象の撮像データを提供する。
【0027】
さらに、図6に示すように、第一のピクセル・アレイ110は、向上した分解能を提供する幾つかの検出器パックを内部に含み得る。このように、本実施形態によれば、2個の中央パック130がz方向21に沿って中央に位置するように図示されており、これらのパック130は、第二のピクセル・アレイ114に設けられている検出器モジュール20によって提供される分解能と同等の分解能を有する。このように、本実施形態は、第二のピクセル・アレイ114及び2個の中央パック130の内部に位置する第一のピクセル・アレイ110のパックよりも低い分解能を有する4組の隅角パック集合132を含んでいる。
【0028】
従って、検出器アレイ18は、少なくとも二つの動作モードにおいて用いられることができ、これらの動作モードは、
1)完全z撮影範囲134にわたり提供される高分解能の第二のピクセル・アレイ114に位置する検出器20を用いると共に、低分解能の第一のピクセル・アレイ110に位置する検出器20を用いる第一のモード(打ち切り誤差、及び第一のFOV120にわたる限定型FOVに起因して生じ得る他の誤差を低減するためのモード)、並びに
2)第一及び第二のピクセル・アレイ110、114に位置する検出器20を用いるが、2個の中央パック130によって提供されるさらに限定されたz撮影範囲にわたる第二のモードである。第二のモードでは、患者前置コリメータ27を用いてzに沿ってコリメートすることによりz方向21に限定されたX線が提供され得る。
【0029】
さらに、図5に戻り、図示していないが、参照されている二つの動作モードは、2個の対応するボウタイ・フィルタを用いて達成されることができ、すなわち第一の動作モードに対応しており、第一及び第二のピクセル・アレイ110、114に全体的に対応する第一及び第二のX線濾波領域102、104を有する第一のボウタイ・フィルタと、第一のピクセル・アレイ110に全体的に対応しており、第二のFOV122の完全撮影範囲を提供する拡大された第二のX線濾波領域104を有する第二のボウタイ・フィルタ(図示しない)とを用いて達成され得る。
【0030】
図4に関して図示されているように、パック51はx方向23に沿って16個のピクセルを含んでいる。図6に関してさらに詳述されるように、8個のパック124が、各々z方向21に沿って32個のピクセルを有する一つのモジュールとして示されている。図6はまた、検出器アレイ18の他の部分よりも低い分解能を有する4組の隅角パック集合132を含んでいる。一実施形態では、図7を参照すると、4組の隅角パック集合132の各々のパックが、背面照射型フォトダイオード204の上に配置されたシンチレータの4個のピクセル202を有する検出器モジュール200の端部図として、x方向23に沿って示されている。各々のシンチレータ・ピクセル202は反射体206によって分離されると共に被覆されており、反射体206は、ピクセル同士の間のクロストークを減少させる又は解消するために、例えばTiO2を含む材質であってよい。背面照射型フォトダイオード204は、作用領域208によるピクセルの画定を含んでいる。すなわち、当技術分野で公知のように、背面照射型フォトダイオード204の作用領域208は、各々のシンチレータ・ピクセル202において発生されるフォトンが背面照射型フォトダイオード204の別個のそれぞれの区域208において読み取られるように、シンチレータ・ピクセル202と共に配置され得る。
【0031】
このように、本実施形態によれば、ピクセル202は全体的に方形(本実施形態では約4mm×4mmであるが、他の実施形態では例えば2mm×2mmであってよい)であり、端部図200として示す4個のピクセル202及びz方向21に沿って8個のピクセルを有し(図示しないが図の紙面の奥及び手前の方向)、相対的に低分解能の4×8アレイとなる。このアレイは、第二のピクセル・アレイ114におけるパック124、及び第二のFOV122にわたり延在する2個の中央パック130のような高分解能の16×32パックを有するモジュールと同等である。換言すると、図6を参照すると、第二のピクセル・アレイ114及びアレイ136は、高分解能の16×32のピクセル集合を有するパックを含んでおり、第一のピクセル・アレイ110は、低分解能の4×8のピクセル集合(又は他の設定)を有するパックを含んでいる。このようなものとして、上述の両動作モードとも、図6に示す検出器アレイ18を用い、4組の隅角モジュール集合132では図7に示すような低分解能検出器モジュール200を用いて達成されることができ、これにより低分解能パックの利用によるかなりの費用節減をしつつ所望の作用性を提供する。すなわち、ピクセル202は相対的に大きいので、ここから得られる撮像データは、製造許容誤差及びシンチレータ均一性等に対する感受性が相対的に小さい。このように、相対的に低分解能のピクセルを有するように製造されるモジュールは、全体費用をかなり削減して製造され得る。例えば、セル寸法が大きいほど高いパック歩留まりが期待され、またセルのダイス加工も少なくて済む。さらに、低費用のダイオードを用いることができ(セル画定が少ない)、また少ない相互接続しか必要とされないため、ASICが少なくなり、インタコネクトが少なくなり、フレックス回路が内部に有する電気路線又はインタコネクトが、少なく、また低密度になる。このようなものとして、より高い全体的なモジュール製造歩留まりも期待され得る。
【0032】
4組の隅角モジュール集合132の低分解能モジュールは、本発明による他の各実施形態に従って製造されてもよい。図8〜図11は、図7に示す検出器モジュール200の代わりに用いられ得る低分解能モジュールを製造する付加的な代替的な実施形態を示す。図8は、個々のシンチレータを有するピクセル202の代わりに背面照射型フォトダイオード204の上に配置されている単一の(ダイス加工されていない)シンチレータ210を有するモジュール200の端部図を示す。図7に示すような別個のシンチレータ・ピクセルを設ける代わりに、背面照射型フォトダイオード204の作用領域208に対応する開口214を内部に設けた例えばタングステンの蝕刻金属グリッドのようなX線遮断材料212を用いて各ピクセルを画定する。さらに、4組の隅角モジュール集合132の分解能は相対的に低いので、量子検出効率(QDE)要件も緩和される。例えば、おそらく98%QDEを有する高分解能シンチレータを有することが望ましいと考えられるが、低分解能モジュールでは85%QDEが望まれ得る。このように、QDEが相対的に低いため、相対的に薄いシンチレータ及び相対的に安価なシンチレータを用いることが可能になる。
【0033】
もう一つの実施形態によれば、図9は、図8と同様に背面照射型フォトダイオード204の作用領域208に対応する開口214を内部に設けた単一のシンチレータ210及びX線遮断材料212を有するモジュール200を示している。ピクセル同士の間のクロストークを低減するために、ピクセルを内部でさらに画定するノッチ216が含められている。また、ノッチ216は、当技術分野で理解されるように端部図ではy−z平面に沿ってのみ示されているが、シンチレータ210の内部でピクセルを画定するために対応するノッチがx−y平面にも配置されていることを理解されたい。実際に、端部図を示す全ての実施形態について、当技術分野で理解されるように、ピクセルはx−y平面に沿っても画定されている。本実施形態によれば、ノッチ216は、単一のシンチレータ210と背面照射型フォトダイオード204との間のシンチレータの面218に位置しており、クロストークを低減し得る任意の深さまで設けられていてよい。ノッチ216は、開口214同士の間のX線遮断材料212に対応するように配置されている。例えば厚みが4mmの単一のシンチレータ210では、ノッチ216は深さが1mm〜3mmであってよく、クロストークの低減を提供しつつ製造時の取り扱いに十分な健全性を単一のシンチレータ210に残す。一実施形態によれば、ノッチ216は、前述の反射体206のような反射体で充填され得る。
【0034】
さらにもう一つの実施形態によれば、図10は、単一のシンチレータ210、及び開口214を設けたX線遮断材料212を用いたピクセル画定を有するモジュール200を示す。図9の実施形態によってモジュール200は面218にノッチ216を含んでいる。しかしながら、クロストークをさらに低減するために、単一のシンチレータ210の第二の面222に第二のノッチ集合220が配置され得る。図10に示す実施形態では、ノッチ216、220は互いに同位置に位置し又は同一直線に並んでいる。すなわち、ノッチ216、220は、全体クロストークが低減されるように互いに近接して配置されている。このようなものとして、ノッチ216、220は同位置に位置しているので、各ノッチの深さの和が単一のシンチレータ210の合計厚み224を上回ることができないことは明らかである。
【0035】
さらにもう一つの実施形態によれば、図11は、単一のシンチレータ210、及び開口214を設けたX線遮断材料212を用いたピクセル画定を有するモジュール200を示す。クロストークを低減するために、モジュール200は、X線遮断材料212に近接して配置されており、開口214同士の間に配置された2個のオフセット・ノッチ226を含んでいる。本実施形態によれば、2個のオフセット・ノッチ226は各々、第一のノッチ228及び第二のノッチ230を含んでいる。ノッチ226は互いからずれているので、各ノッチの深さの和は単一のシンチレータ210の合計厚み224よりも大きくなってもよい。このように、第一のノッチ228は各々、合計厚み224の2分の1よりも大きい深さを有し、第二のノッチ230も同様に、やはり合計厚み224の2分の1よりも深さを有していてよい。このようなものとして、各々のオフセット・ノッチ集合226の合計厚みが単一のシンチレータ210の合計厚み224を上回っていてもよく、ピクセル同士の間の合計クロストークがこれにより低減される。
【0036】
尚、図7〜図11に示すモジュール200の各実施形態の分解能は、図示のものよりも大きくても小さくてもよいものと思量される。すなわち、図示の各実施形態では、チャネル方向に沿って4個のピクセル又はピクセル画定が示され、呼応してスライス方向又はz方向(それぞれの図の紙面の奥及び手前の方向)に8個のピクセル又はピクセル画定が含まれている。しかしながら、本発明はこのように限定されず、例として2×4又は3×6を有するパックのようにさらに大きい寸法のピクセルが含まれていてもよい。また、5×10又は6×12を有するパックのようにさらに小さいピクセル寸法が含まれていてもよい。しかしながら、認められるように、ピクセル・アレイ寸法を8×16とすると図4に関して前述されたアレイ寸法に対応するものとなる。このように、本発明によれば、任意のピクセル・アレイ寸法を検出器アレイ18の「高分解能」ピクセル寸法と呼び、任意のピクセル・アレイ寸法を「低分解能」ピクセル寸法と呼ぶことができ(例えば検出器アレイ18の4組の隅角モジュール集合132についての寸法)、またかかる呼称は相対的なものであって、低分解能検出器を4組の隅角パック集合132として配置することにより、本発明による改善及び費用節減を提供することを認められたい。さらに、相対的なピクセル・アレイ寸法は、費用を計りながら選択されるばかりでなく、例えば一例として当技術分野で理解されるようにクロストークと量子検出効率(QDE)との間の兼ね合いも計りながら選択され得ることを理解されたい。
【0037】
図12を参照すると、小包/手荷物検査システム500が、小包又は手荷物を通過させ得る開口504を内部に有する回転式ガントリ502を含んでいる。回転式ガントリ502は、高周波電磁エネルギ源506と、図1又は図2に示されるものと同様のシンチレータ・セルで構成されたシンチレータ・アレイを有する検出器アセンブリ508とを収容している。また、コンベヤ・システム510が設けられており、コンベヤ・システム510は、構造514によって支持されて走査のために小包又は手荷物516を自動的に且つ連続的に開口504に通すコンベヤ・ベルト512を含んでいる。物体516をコンベヤ・ベルト512によって開口504に送り込み、次いで撮像データを取得し、コンベヤ・ベルト512によって開口504から小包516を除去することを、制御された連続的な態様で行なう。結果として、郵便物検査官、手荷物積み降ろし員及び他の警備人員が、爆発物、刃物、銃及び密輸品等について小包516の内容を非侵襲的に検査することができる。
【0038】
開示された方法及び装置の技術的寄与は、撮像応用において低分解能撮像を行なうコンピュータ実装型の方法及び装置を提供することである。
【0039】
当業者は、本発明の各実施形態が、コンピュータ・プログラムを記憶したコンピュータ可読の記憶媒体に結び付けられて制御され得ることを認められよう。コンピュータ可読の記憶媒体は、電子的構成要素、ハードウェア構成要素、及び/又はコンピュータ・ソフトウェア構成要素の1又は複数のような複数の構成要素を含んでいる。これらの構成要素は、連鎖を成す1若しくは複数の具現化形態又は実施形態の1若しくは複数の部分を実行するソフトウェア、ファームウェア、及び/又はアセンブリ言語のような命令を一般に記憶する1又は複数のコンピュータ可読の記憶媒体を含み得る。これらのコンピュータ可読の記憶媒体は一般的には、非一時的であり且つ/又は有形である。かかるコンピュータ可読の記憶媒体の例としては、コンピュータの記録可能なデータ記憶媒体及び/又は記憶装置等がある。コンピュータ可読の記憶媒体は例えば磁気式、電気式、光学式、生物式、及び/又は原子式のデータ記憶媒体の1又は複数を用いていてよい。さらに、かかる媒体は、例えばフレキシブル・ディスク、磁気テープ、CD−ROM、DVD−ROM、ハード・ディスク・ドライブ、及び/又は電子メモリの形態を取り得る。列挙されていない他の形態の非一時的であり且つ/又は有形であるコンピュータ可読の記憶媒体を本発明の各実施形態と共に用いてもよい。
【0040】
多数のかかる構成要素がシステムの具現化形態において結合され又は分割され得る。さらに、かかる構成要素は、当業者には認められるように多数のプログラミング言語の任意のもので書かれ又は具現化された一組及び/又は一連のコンピュータ命令を含み得る。加えて、搬送波のような他の形態のコンピュータ可読の媒体を用いて、1又は複数のコンピュータによって実行されると、連鎖を成す1若しくは複数の具現化形態又は実施形態の1若しくは複数の部分を実行することを当該1又は複数のコンピュータに行なわせる命令の系列を表わすコンピュータ・データ信号を具現化することができる。
【0041】
本発明の一実施形態によれば、CTシステムが、走査対象を収容する開口を有する回転式ガントリと、対象へ向けてX線ビームを投射するように構成されているX線源と、対象を通過したX線を検出するように構成されている検出器アレイとを含んでいる。検出器アレイは、当該検出器アレイまで、第一の視野(FOV)の外部で第二のFOVまで通過したX線を受光するように配置されており、第一の分解能を提供する第一のピクセル・アレイと、第一のFOVを通過したX線を受光するように配置されており、第一の分解能とは異なる第二の分解能を提供する第二のピクセル・アレイとを含んでいる。このシステムは、検出器アレイからの出力を受け取るように構成されているデータ取得システム(DAS)と、対象の撮像データの投影を取得して、撮像データを用いて対象の画像を形成するようにプログラムされているコンピュータとを含んでいる。
【0042】
本発明のもう一つの実施形態によれば、検出器アセンブリを製造する方法が、第一の分解能を含んでおり、第一の視野(FOV)の外部で第二のFOVにわたり撮像データを受け取る検出器モジュールを有する第一の検出器アレイを配置するステップと、第一の分解能とは異なる第二の分解能を含んでおり、第一のFOVにわたり撮像データを受け取る検出器モジュールを有する第二の検出器アレイを配置するステップとを含んでいる。
【0043】
本発明のもう一つの実施形態によれば、命令を含むコンピュータ・プログラムを記憶した非一時的なコンピュータ可読の記憶媒体が、命令がコンピュータによって実行されると、第一の分解能を有し、第一の視野(FOV)の外部の第二のFOVにわたり第一の撮像データを受け取るように配置されている第一の複数の検出器モジュールから第一の撮像データを取得し、第一の分解能よりも大きい第二の分解能を有し、第一のFOVにわたり第二の撮像データを受け取るように配置されている第二の複数の検出器モジュールから第二の撮像データを取得し、撮像データを用いて画像を再構成することをコンピュータに行なわせる。
【0044】
この書面の記載は、最適な態様を含めて発明を開示し、また任意の装置又はシステムを製造して利用すること及び任意の組み込まれた方法を実行することを含めてあらゆる当業者が発明を実施することを可能にするように実例を用いている。特許付与可能な発明の範囲は特許請求の範囲によって画定されており、当業者に想到される他の実例を含み得る。かかる他の実例は、特許請求の範囲の書字言語に相違しない構造要素を有する場合、又は特許請求の範囲の書字言語と非実質的な相違を有する等価な構造要素を含む場合には、特許請求の範囲内にあるものとする。
【符号の説明】
【0045】
10:計算機式断層写真法(CT)イメージング・システム
12:ガントリ
14:X線源
16:投射X線
17:レール
18:検出器アセンブリ
19:コリメート用プレート
20:複数の検出器
21:z方向
22:患者
23:x方向
24:回転中心
25:y方向
26:制御機構
27:患者前置(プリ・ペイシェント)コリメータ
28:制御器
29:ボウタイ・フィルタ
30:ガントリ・モータ制御器
32:データ取得システム(DAS)
34:画像再構成器
36:コンピュータ
38:大容量記憶装置
40:コンソール
42:表示器
44:テーブル・モータ制御器
46:電動テーブル
48:ガントリ開口
50:ピクセル素子
51:パック
52:ピン
53:背面照射型ダイオード・アレイ
54:多層基材
55:スペーサ
56:軟質(フレックス)回路
57:面
59:複数のダイオード
60:DAS32と全体的に平行な方向
62:着目部位(ROI)
66:真中の射線
100:焦点スポット
102:第一のX線濾波領域
104:第二のX線濾波領域
106:X線減弱材料
108:第一のX線濾波領域を通過したX線
110:第一のピクセル・アレイ
112:第二のX線濾波領域を通過したX線
114:第二のピクセル・アレイ
116:アイソチャネル
118:境界
119:第一の境界
120:第一のFOV
121:第二の境界
122:第二のFOV
123:第一の距離
124:パック
125:第二の距離
128:低分解能を有するピクセルのパック
126:アレイの矩形ブロック
130:中央パック
132:隅角パック集合
134:完全z撮影範囲
136:ピクセルのアレイ
200:検出器モジュール
202:ピクセル
204:背面照射型フォトダイオード
206:反射体
208:作用領域
210:単一のシンチレータ
212:X線遮断材料
214:開口
216:ノッチ
218:シンチレータの面
220:第二のノッチ集合
222:第二の面
224:単一のシンチレータの合計厚み
226:オフセット・ノッチ
228:第一のノッチ
230:第二のノッチ
500:小包/手荷物検査システム
502:回転式ガントリ
504:開口
506:高周波電磁エネルギ源
508:検出器アセンブリ
510:コンベヤ・システム
512:コンベヤ・ベルト
514:構造
516:小包又は手荷物
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走査対象(22)を収容する開口(48)を有する回転式ガントリ(12)と、
前記対象(22)へ向けてX線ビーム(16)を投射するように構成されているX線源(14)と、
前記対象(22)を通過したX線(16)を検出するように構成されている検出器アレイ(18)であって、
・当該検出器アレイ(18)まで、第一の視野(FOV)(120)の外部で第二のFOV(122)まで通過したX線(108)を受光するように配置されており、第一の分解能を提供する第一のピクセル・アレイ(110)と、
・前記第一のFOV(120)を通過したX線(112)を受光するように配置されており、前記第一の分解能とは異なる第二の分解能を提供する第二のピクセル・アレイ(114)と
を含む検出器アレイ(18)と、
該検出器アレイ(18)に接続されており、該検出器アレイ(18)からの出力を受け取るように構成されているデータ取得システム(DAS)(32)と、
・該DAS(32)から前記対象の撮像データの投影を取得して、
・該撮像データを用いて前記対象(22)の画像を形成する
ようにプログラムされているコンピュータ(36)と
を備えた計算機式断層写真法(CT)システム(10)。
【請求項2】
前記第二の分解能は前記第一の分解能よりも高い、請求項1に記載の計算機式断層写真法(CT)システム(10)。
【請求項3】
前記第一のピクセル・アレイ(110)は、前記第二のFOV(122)全体を通して延在する第三のピクセル・アレイ(110)を含んでおり、
該第三のピクセル・アレイ(110)は、前記第二の分解能に対応する検出器分解能を提供し、
前記第三のピクセル・アレイ(110)は、前記検出器アレイ(18)の合計z撮影範囲(134)よりも小さい量のz撮影範囲(130)を提供する、
請求項2に記載の計算機式断層写真法(CT)システム(10)。
【請求項4】
前記第二のピクセル・アレイ(114)は、前記検出器アレイ(18)のアイソチャネル(116)を含んでいる、請求項1に記載の計算機式断層写真法(CT)システム(10)。
【請求項5】
前記第一のピクセル・アレイ(110)は、第一のフォトダイオード(204)に結合された第一のシンチレータ(202)を有する検出器モジュール(200)で構成されており、前記第一のシンチレータ(202)は、前記X線源(14)から当該第一のシンチレータ(202)まで通過した前記X線ビーム(16)のX線(108)に本質的に直交する第一の断面積を含んでいる、請求項1に記載の計算機式断層写真法(CT)システム(10)。
【請求項6】
前記第二のピクセル・アレイ(114)は、第二のフォトダイオード(53)に結合された第二のシンチレータ(51)を有する検出器モジュール(20)を含んでおり、
前記第二のシンチレータ(51)は、前記X線源(14)から当該第二のシンチレータ(51)まで通過した前記X線ビーム(16)のX線(112)に本質的に直交する第二の断面積を含んでおり、
前記第一のシンチレータ(202)の前記第一の断面積は前記第二のシンチレータ(51)の前記第二の断面積よりも大きい、
請求項5に記載の計算機式断層写真法(CT)システム(10)。
【請求項7】
前記第一のピクセル・アレイの幾つかのピクセルが単一のシンチレータ(210)で構成されており、前記検出器アレイ(18)は、前記単一のシンチレータ(210)の第一の表面に結合されたX線遮断材料(212)を含んでおり、該X線遮断材料(212)は、前記第一のピクセル・アレイ(110)を画定する複数の開口(214)を内部に形成する複数の桟材を有し、該桟材は、前記X線源(14)から前記単一のシンチレータ(210)まで通過するX線(16)を遮断するように配置されている、請求項5に記載の計算機式断層写真法(CT)システム(10)。
【請求項8】
前記単一のシンチレータ(110)は、前記第一の表面の反対側の前記単一のシンチレータの第二の表面において内部に配置された第一の複数のノッチ(216)を含んでおり、該第一の複数のノッチ(216)の各々のノッチが、前記複数の桟材(212)のそれぞれの桟材位置に対応しており、前記第一の複数のノッチ(216)の第一のノッチが第一の深さまで切り込まれており、前記各ノッチ(216)はx方向(23)及びz方向(21)の両方向にピクセルを形成し、互いに直交している、請求項7に記載の計算機式断層写真法(CT)システム(10)。
【請求項9】
前記単一のシンチレータ(210)は、内部に配置された第二の複数のノッチ(220)を含んでおり、該第二の複数のノッチの各々が、前記複数の桟材(212)のそれぞれの桟材位置に対応しており、前記第二の複数のノッチの各々が、前記単一のシンチレータ(210)の前記第一の表面に位置しており、前記第二の複数のノッチ(220)の第二のノッチが第二の深さまで切り込まれている、請求項8に記載の計算機式断層写真法(CT)システム(10)。
【請求項10】
前記第一の深さと第二の深さとの和が前記単一のシンチレータ(210)の厚み(224)よりも小さい値になり、
前記第一のノッチ及び前記第二のノッチは、前記X線源(14)から前記第一のノッチを通過したX線(16)が前記第二のノッチも通過するように同一直線に並んで配置されており、
各ノッチは、前記単一のシンチレータ(210)にピクセルを画定するために、x方向(23)及びz方向(21)の両方向に配置されて、互いに直交している、
請求項9に記載の計算機式断層写真法(CT)システム(10)。
【請求項11】
前記第一の深さと第二の深さとの和が前記単一のシンチレータ(224)の厚みよりも大きい値になり、
前記第一のノッチ及び前記第二のノッチは、前記第一のノッチを通過した一次X線(16)が前記第二のノッチは通過しないように互いからずらされており、
各ノッチは、前記単一のシンチレータ(210)にピクセルを画定するために、x方向(23)及びz方向(21)の両方向に設けられて、互いに直交している、
請求項9に記載の計算機式断層写真法(CT)システム(10)。
【請求項1】
走査対象(22)を収容する開口(48)を有する回転式ガントリ(12)と、
前記対象(22)へ向けてX線ビーム(16)を投射するように構成されているX線源(14)と、
前記対象(22)を通過したX線(16)を検出するように構成されている検出器アレイ(18)であって、
・当該検出器アレイ(18)まで、第一の視野(FOV)(120)の外部で第二のFOV(122)まで通過したX線(108)を受光するように配置されており、第一の分解能を提供する第一のピクセル・アレイ(110)と、
・前記第一のFOV(120)を通過したX線(112)を受光するように配置されており、前記第一の分解能とは異なる第二の分解能を提供する第二のピクセル・アレイ(114)と
を含む検出器アレイ(18)と、
該検出器アレイ(18)に接続されており、該検出器アレイ(18)からの出力を受け取るように構成されているデータ取得システム(DAS)(32)と、
・該DAS(32)から前記対象の撮像データの投影を取得して、
・該撮像データを用いて前記対象(22)の画像を形成する
ようにプログラムされているコンピュータ(36)と
を備えた計算機式断層写真法(CT)システム(10)。
【請求項2】
前記第二の分解能は前記第一の分解能よりも高い、請求項1に記載の計算機式断層写真法(CT)システム(10)。
【請求項3】
前記第一のピクセル・アレイ(110)は、前記第二のFOV(122)全体を通して延在する第三のピクセル・アレイ(110)を含んでおり、
該第三のピクセル・アレイ(110)は、前記第二の分解能に対応する検出器分解能を提供し、
前記第三のピクセル・アレイ(110)は、前記検出器アレイ(18)の合計z撮影範囲(134)よりも小さい量のz撮影範囲(130)を提供する、
請求項2に記載の計算機式断層写真法(CT)システム(10)。
【請求項4】
前記第二のピクセル・アレイ(114)は、前記検出器アレイ(18)のアイソチャネル(116)を含んでいる、請求項1に記載の計算機式断層写真法(CT)システム(10)。
【請求項5】
前記第一のピクセル・アレイ(110)は、第一のフォトダイオード(204)に結合された第一のシンチレータ(202)を有する検出器モジュール(200)で構成されており、前記第一のシンチレータ(202)は、前記X線源(14)から当該第一のシンチレータ(202)まで通過した前記X線ビーム(16)のX線(108)に本質的に直交する第一の断面積を含んでいる、請求項1に記載の計算機式断層写真法(CT)システム(10)。
【請求項6】
前記第二のピクセル・アレイ(114)は、第二のフォトダイオード(53)に結合された第二のシンチレータ(51)を有する検出器モジュール(20)を含んでおり、
前記第二のシンチレータ(51)は、前記X線源(14)から当該第二のシンチレータ(51)まで通過した前記X線ビーム(16)のX線(112)に本質的に直交する第二の断面積を含んでおり、
前記第一のシンチレータ(202)の前記第一の断面積は前記第二のシンチレータ(51)の前記第二の断面積よりも大きい、
請求項5に記載の計算機式断層写真法(CT)システム(10)。
【請求項7】
前記第一のピクセル・アレイの幾つかのピクセルが単一のシンチレータ(210)で構成されており、前記検出器アレイ(18)は、前記単一のシンチレータ(210)の第一の表面に結合されたX線遮断材料(212)を含んでおり、該X線遮断材料(212)は、前記第一のピクセル・アレイ(110)を画定する複数の開口(214)を内部に形成する複数の桟材を有し、該桟材は、前記X線源(14)から前記単一のシンチレータ(210)まで通過するX線(16)を遮断するように配置されている、請求項5に記載の計算機式断層写真法(CT)システム(10)。
【請求項8】
前記単一のシンチレータ(110)は、前記第一の表面の反対側の前記単一のシンチレータの第二の表面において内部に配置された第一の複数のノッチ(216)を含んでおり、該第一の複数のノッチ(216)の各々のノッチが、前記複数の桟材(212)のそれぞれの桟材位置に対応しており、前記第一の複数のノッチ(216)の第一のノッチが第一の深さまで切り込まれており、前記各ノッチ(216)はx方向(23)及びz方向(21)の両方向にピクセルを形成し、互いに直交している、請求項7に記載の計算機式断層写真法(CT)システム(10)。
【請求項9】
前記単一のシンチレータ(210)は、内部に配置された第二の複数のノッチ(220)を含んでおり、該第二の複数のノッチの各々が、前記複数の桟材(212)のそれぞれの桟材位置に対応しており、前記第二の複数のノッチの各々が、前記単一のシンチレータ(210)の前記第一の表面に位置しており、前記第二の複数のノッチ(220)の第二のノッチが第二の深さまで切り込まれている、請求項8に記載の計算機式断層写真法(CT)システム(10)。
【請求項10】
前記第一の深さと第二の深さとの和が前記単一のシンチレータ(210)の厚み(224)よりも小さい値になり、
前記第一のノッチ及び前記第二のノッチは、前記X線源(14)から前記第一のノッチを通過したX線(16)が前記第二のノッチも通過するように同一直線に並んで配置されており、
各ノッチは、前記単一のシンチレータ(210)にピクセルを画定するために、x方向(23)及びz方向(21)の両方向に配置されて、互いに直交している、
請求項9に記載の計算機式断層写真法(CT)システム(10)。
【請求項11】
前記第一の深さと第二の深さとの和が前記単一のシンチレータ(224)の厚みよりも大きい値になり、
前記第一のノッチ及び前記第二のノッチは、前記第一のノッチを通過した一次X線(16)が前記第二のノッチは通過しないように互いからずらされており、
各ノッチは、前記単一のシンチレータ(210)にピクセルを画定するために、x方向(23)及びz方向(21)の両方向に設けられて、互いに直交している、
請求項9に記載の計算機式断層写真法(CT)システム(10)。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−39363(P2013−39363A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−170695(P2012−170695)
【出願日】平成24年8月1日(2012.8.1)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−170695(P2012−170695)
【出願日】平成24年8月1日(2012.8.1)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】
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