説明

計装ピペット先端

近位端(116)と遠位端(114)との間にわたる細長本体を含む改良されたピペット先端(100)。本体(112)は、遠位端から近位端に向かって延びる流体経路を設けるために構成および配置された複数の層(例えば、130、132、134、136、138)から典型的に製造される。改良されたピペット先端(100)は、流体経路に沿って流れる流体を電気的に識別するために配置された検知器構成要素を含む。機能可能な検知器構成要素は、流体経路中の流体と接触するために、流体経路の中に配置される電極(例えば、154、192)を含む。ピペット先端(100)は、他の用途がある中でとりわけ、微粒子を計数し、試料の完全性(例えば、泡がないこと)を確証し、試料流量を監視し、かつ吸引された容積を確認するために具現化され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、「計装ピペット先端」として、2007年9月29日に出願の米国仮特許出願第60/995,752号の出願日の合衆国法典第35巻第119条(e)に基づく利益を主張するものであり、その内容全体が、この参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、バルク流体容器から流体試料を抽出し、他方でこの試料を電気的に識別する装置に関する。
【背景技術】
【0003】
流体の精密な容積測定および送出に使用される手持ちピペットは、今日では科学者にとって利用可能な最も普通で広く使用される実験室道具の1つである。生物学的および化学的液体試料の殆どすべての低容積流体の取扱いは、適正で、一貫した実験処理を保証するために、その使い勝手、精密性、および反復性に依存する。市販のピペットは、多様な定容積および調整可能な容積で入手可能である。市販で入手可能なピペットは、大規模、高処理量の実験で使用されるとき、しばしば多チャンネルであり、ボタンを一押しすることで、同時に12個までの異なる試料を精密に流体定量供給することを可能にする。典型的なピペット器具は、使い捨てピペット先端に対して規定流体容積を押し入れまたは押し出すのに必要とされる圧力を生成するために、容積式システム(例えば、手操作式プランジャシステムか、または電子式ポンプ)に依存する。一旦試料が射出されると、ピペット先端は廃棄される。最新技術のピペット器具は、1ミリリットル未満の流体容積を正確に定量供給でき、容積制御および流体定量供給用にサーボポンプを使用する。集積電子制御装置を備えるディジタル表示器は、操作者のためにピペット器具の使い勝手を高める。
【0004】
実験室では、ピペットが、濡れた実験台環境の中で見られ、流体混合から試料単離および調製にわたる無数の流体定量供給用途で使用される。実験的な細胞生物学では、ピペットが、培地の中で細胞の微容積懸濁液を単離するために日常的に使用される。最も一般的な手順の1つは、精密に定量供給された容積中の細胞の僅かな部分を手操作によって(顕微鏡観察下で)計数することによって、使用者が、培地中の細胞の容積全体に対する個体数および細胞生存能力を推定することを可能にする。残念なことであるが、この方策を使用して顕微鏡下で細胞を計数することは、非常に時間および労力を集約するものであり、計数精度は、使用者が、所与の容積の中で実際にいとわずに計数する細胞の個数にすべてが掛かっている。
【0005】
導電性流体の2つの容器間における小さい開口を通って流れる微粒子によって引き起こされる電気インピーダンス偏差の測定による微粒子検出における先駆的業績が、W.H,Coulterへの米国特許第2,656,508号に開示されている。今では、この発明者の名前から、微粒子が開口の一部を塞ぐと微粒子は電気インピーダンスの変化を引き起こすという原理が連想される。彼の特許が公開されて以来、相当な努力がCoulter原理下で動作する検知装置の開発および改良のために傾注されてきた。関連する米国特許には、Fisherへの第5,376,878号、Gascoyneらへの第6,703,819号、Krulevitchらへの第6,437,551号、Mehtaへの第6,426,615号、Frazierらへの第6,169,394号、Weiglらへの第6,454,945号および第6,488,896号、Hollらへの第6,656,431号、ならびにBolmbergらへの第6,794,877号が含まれる。以上に参照した文書のすべては、これらの技術および様々な検知器配置の開示に関して、その全体が本明細書において記載されたものとして、ここに参照により組み込まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
試料を形成するために、非常に精密な分量の流体を定量供給でき、かつ単位容積当たりの微粒子個数のような1つまたは複数の特徴を特定するために、当該試料を電気的に識別できる精密流体識別装置を提供することは改良となるであろう。本装置が、低費用、1回使用で、堅牢であり、使い捨て可能な装置として具現化されることは、さらなる進歩となるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、流体のバルク容器から流体試料を抽出する装置および方法を提供する。現時点で推奨される実施形態は、他に機能がある中でもとりわけ、単位容積当たりの微粒子個数のような、流体試料の1つまたは複数の部分に対するいくつかの試験を実行するために機能可能であり、かつ/あるいは試料の、もしくはその試料の一部分の容積サイズまたは流量を確証することができる。
【0008】
現時点で推奨される実施形態は、近位端と遠位端との間にわたる細長本体を有し、流体流路がこの本体を貫いて遠位端から近位端に向かって延びるピペット先端を形成する。この推奨される実施形態は、流体経路に沿って流れる流体を電気的に識別するために配置された検知器構成要素を含む。望ましくは、機能可能な検知器構成要素の実施形態が、容積微粒子個数を測定するように構成および配置される。時として、検知器構成要素は、流体経路に沿って流体流量を測定するように構成および配置され得る。随意選択的に、検知器構成要素は、流体経路に沿って特定の位置に流体境界縁が存在することを検出するように構成および配置され得る。
【0009】
いくつかの事例では、この本体は、流体経路の少なくとも一部分を設けるように構成および配置された複数の層を含むように作製される。このような事例では、実行可能な検知器構成要素が、第1の隣接層と第2の隣接層との間に支持された第1の導電配線を含み、この第1の配線の少なくとも第1の部分は、流体経路に沿って流れる流体と接触するように配置されている。いくつかの事例では、第2の導電配線が、隣接層間に支持され得るが、この第2の配線の少なくとも第2の部分は、流体経路に沿って流れる流体と接触するように配置されている。時として、第1の部分および第2の部分は、流体経路に沿って離間されて、同じ層間に支持される。それ以外のときには、第1の部分および第2の部分は、流体経路に沿って離間されて、異なる層間に支持される。
【0010】
いくつかの実施形態では、流体経路の一部が、既知の容積を網羅する内腔の長さによって画定される。さらには、第1の部分は、当該既知の容積に対応する試料容積を含むある量の流体が、ピペット先端を通過することを示すのに効果的な内腔の長さに対して配置され得る。
【0011】
いくつかの実施形態は、この先端がピペットの中に組み込まれたときに、この先端を検出することを可能にするように適合された構造を含み得る。ピペット先端は、ピペット先端の近位端と結合するように構成および配置されるピペットと組み合わせて有利に使用され得る。望ましくは、先端をピペットに結合することが、流体経路の近位部分に吸引力を付与することを可能にするのに効果的である。さらには、先端およびピペットを結合する動作は、検知器構成要素を電気的識別装置と回路内配置することが望ましい。
【0012】
検知器構成要素を電気的識別装置と電気連通状態にするのに、かつ流体経路の近位端を吸引力源と連通状態にするのに効果的な装置が、本発明の原理に従って作製されたピペット先端構造を協働的に作製されたピペットに結合することによって使用され得る。次いで、試料をピペット先端の中へ引き込むのに効果的な、流体を動かす圧力が付与される。試料の少なくとも一部分は、当該部分が流体経路に沿って流れ、かつ検知器構成要素を通過するときに電気的に識別される。検知器構成要素によって収集されたデータは、ピペットに関連する表示器画面上に示され、かつ/またはさらなる分析もしくは記憶のためにコンピュータに転送され得る。流体試料の分析の終了に引き続いて、使用済みのピペット先端は廃棄される。
【0013】
吸引力を付与する推奨される方法は、過剰吸引圧力を生成するステップを含み、次いで、この過剰吸引圧力は、i)試料をピペット先端の中へ引き込むように機能可能な第1の吸引圧力と、ii)経時的に引き続く所望の吸引圧力分布とを付与するのに効果的な、ピペットに関連する構造によって下方調整され得る。
【0014】
本発明のこれらの特徴、利点、および別法の態様は、添付の図面と組み合わせて採用された以下の詳細な説明を検討することから当業者には明白であろう。
図面では、本発明を実施するための現時点における最良の様式であると考えられるものを例示する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】ピペット、および組み込まれたピペット先端の斜視図である。
【図2】現時点で推奨されるピペット先端の斜視図である。
【図3】図2に図示されたピペット先端の上面図である。
【図4】図2に図示されたピペット先端の底面図である。
【図5】図2に図示されたピペット先端の上方から眺めた分解組立図である。
【図6】図2に図示されたピペット先端の下方から眺めた分解組立図である。
【図7】図2に図示されたピペット先端の基板部分の上面図である。
【図8】図2に図示されたピペット先端の基板部分の底面図である。
【図9】図2に図示されたピペット先端の分解側面図である。
【図10】本発明のいくつかの原理に従って作製された、いくつかのピペット先端の中に存在し得る構造の断面図である。
【図11】ピペット先端および例示的な試験台上ピペットの分解組立図である。
【図12】本発明のいくつかの原理に従って作製された一実施形態の例示的な使用時において所望の付与された(吸引)圧力分布を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の様々な要素に符号が与えられた図面が参照され、当業者が本発明を製造しかつ使用することを可能とするように、本発明が論じられる。以下の説明は、本発明の原理の単なる例示にすぎず、以下に続く特許請求の範囲を狭めるものと見なされるべきではないことが理解されるべきである。
【0017】
本開示において典型的に使用されるように、かつ文脈において別様に明白でなければ、「流体」という用語は、液体のみを包含するか、混合液の状態で1つまたは複数の液体を包含するか、あるいは1つまたは複数の液体およびその中に同伴もしくは懸濁された微粒子を包含し得る。望ましくは、流体が電解特性を有する。
【0018】
「微粒子」という用語およびその変形は、生きているまたは死んでいる生物学的細胞を非排他的に含む1個の微小物質と、分子とを包含しようとするものである。
文脈において別様に明白でなければ、「圧力」および「吸引力」とは、局部大気圧に関して測定されることが意図されている。
【0019】
ピペット先端は、バルク流体源からピペットに向かう試料流体流のためのつなぎを形成する着脱可能な延長導管として定義され得る。ピペット先端は、微量の流体が、移転、測定、または分析のために中へ吸引される典型的に細身の本体を含む。ピペット先端の近位端は、ピペットの協働する繋止構造に着脱可能に装着されるように作製される。ピペット先端の遠位端は、それが、試験管のような、典型的に小サイズの開口部を有する試料容器の内側に受け入れられるように作製される。例示的なピペット先端100が、図1に図示されている。
【0020】
ピペットは、ピペット先端と結合するように、かつその中へ流体の試料を引き込むように適合される器具または装置として定義される。このピペットは、真空をピペット先端の近位端に付与するように作製される。ピペットは、図1に図示されたピペット102のように手持ちされ得る。ピペット102は、親指操作式プランジャ104および表示器画面106を含む。別法として、ピペットは、図12に図示されたピペット108のような、試験台上装置として具現化され得る。いずれの場合においても、ピペットは、典型的には1つまたは複数の流体試料を獲得するために使用され、それぞれの試料は、1マイクロリットル未満から数マイクロリットル、恐らくは1,000マイクロリットル以上にわたる反復可能なサイズを有する。
【0021】
現時点で推奨されるピペット先端が、図2から図6に全体として110で示されている。ピペット先端110は、1.5ミリリットル小瓶のような、相対的に小さい出し入れ開口部を有するバルク流体容器から流体試料を抽出するように作製される。ピペット先端110は、遠位端114から近位端116に向かって延びる流体経路に沿って流体を抜き取るように構成される本体112を含む。一般に、流体は、流体を動かす差圧を流体経路に付与することによって、本体112を通って流れるように強制され得る。典型的には、流体を動かす圧力は、低い圧力(または吸引力)を流体経路の近位部分に付与することによって引き起こされる。ピペット先端110は、本体112を貫く流体経路の近位部分と連通状態にある吸引力孔118を含む(図4参照)。吸引力は一般に、ピペット102または108のような、ピペットによって孔118に付与される。
【0022】
ピペット先端110は、近位端116上に支持される複数の電気接点パッド(全体として120)を含む。以下でさらに詳細に説明されるように、このような接点パッドは導電配線の可視部分であるが、これらの配線は模様化されており、本体112を通って様々な箇所に延びる。望ましくは、少なくとも1本のこのような配線の少なくとも一部分が、本体112の中の流体経路に沿って流れる流体に接触するように配置される。このような構造は、流体経路に沿って流れる流体を電気的に識別するために効果的な検知器構成要素(例えば、配線の液浸部分)を流体経路の中に配置する。
【0023】
望ましくは、本体112の近位端に配置された構造は、先端110が機能可能な配向のみで組み込まれ得るように、ピペットの結合構造と調和して構成および配置される。図2を参照すると、図示された近位端116は、ピペットの協働的に形成された受入れ用受口の内側に係合され得る舌部を形成する。図2および図3に示されたように、本体112の近位端116付近に配置された肩部122は、切込み124を形成するように構成される。それによって、近位端116の断面は、ピペットの協働するように形成された受入れ用受口の中に所望の配向のみで納まって受け入れられる。近位端116を受入れ用受口の中へ挿入すると、ピペットに関連する吸引力源を孔118と連通状態にする。また先端110をピペットの中に組み込まれると、望ましく電気コネクタの電気接点を接点パッド120と機能可能な連通状態にする。翼部126の近位部分は、先端110をピペットの受入れ用受口の中へ挿入する深さを制限するための止めとして作製される。
【0024】
ここで図5および図6を参照すると、機能可能なピペット先端110は複数の層を含むことが理解され得る。図示された基部層130は、医療用等級プラスチックから射出成形される。チャンネル層132は、両面接着ポリエステルテープから形成される。基板層134はポリエステル薄膜から形成される。チャンネル層136は両面接着ポリエステルテープから形成される。蓋層138はポリエステル薄膜から形成される。時として、図示されたフィルタ140のようなフィルタが含まれ得る。図示されたフィルタ140は、30ミクロンの細孔を有するナイロン網フィルタであり、血液細胞識別に応用する際に使用されるいくつかのピペット先端で使用される。
【0025】
ピペット先端110は、ピペット先端110の遠位先端に配置された遠位に開く試料孔(全体として142)を含む。孔142が基部層130の中のみに配置されるものとして図示されるが、この遠位開口部142は、1つまたは複数の層の中に配置されたチャンネルによって形成され得ることは想定の範囲内にある。図示されたように、孔142は、先端110の縁部上に典型的に配置される。機能可能な別の試料開口部が、ピペット先端の側部を貫いて横断する開口部を有するように構成され得る。いずれの場合においても、孔142は、流体試料が遠位室144の中へ引き込まれることを可能にする。層132の中に配置された随意選択の遠位チャンネル146が、遠位室144の容積を増やすために設けられ得る。
【0026】
室144の近位端は、開口148、フィルタ140、および開口150を介してチャンネル152の遠位部分に連通する。チャンネル152は、吸入された試料流体を誘導電極154のような1つまたは複数の表面電極の上を流れさせるように構成される。チャンネル152の近位部分は、識別開口158を経由してチャンネル156の近位部分と連通する。またチャンネル156は、吸入された試料流体を1つまたは複数の表面電極の上を流れさせるように構成される。チャンネル158の遠位部分は、流体をチャンネル160の遠位部分に連通する。次いで流体は、チャンネル160に沿って受入れ室162に向かって引き込まれ得る。吸引力孔118に付与された吸引力は、室162と連通して流体流をバルク容器から試料孔142の中へ押し入れ、室162に向かって流れるように強制するのに効果的な、流体を動かす力を供給する。チャンネル160の近位端付近の流体が、基板層134の下部に支持された表面電極と接触することを可能にするために、窓164が、チャンネル層132の中に設けられる。
【0027】
時として、図4および図6に示されたように、ピペット先端は、ピペットとの結合位置合せ状態から先端を解除する際の助けとなるように構成された抜取り構造を含み得る。一実施例として、傾斜路166が、全体として168に示された捕捉表面を設けるために先端110の中に含まれ得るが、この捕捉表面に対して、先端解除構造が、軸方向に配向された解除力を先端100の中へ付与するために押し付けられ得る。
【0028】
ここで、図7および図8を参照すると、複数の導電配線が、基板134の上部および下部表面の上に模様化されている。図示された実施形態では、導電配線の近位端が、10本の電気接点パッド(全体として120に示されている)を形成し、このうちの奇数のパッドが、1、3、5、7、および9と番号付けされる。接点パッドのすべてが、基板134の片側に、かつ市販で入手可能な10本ピン電気コネクタと結合するように一致して配置された構成で配置されることが現時点で推奨される。当然のことであるが、配線の数および配置は、得られるピペット先端の所望の能力に応じる。
【0029】
全体として170および172に示されたようなビアは、いくつかの接点パッドが、基板134の対向側に配置される電極および/または配線要素に厚さを貫いて連通することを可能にするために設けられることに留意されたい。ビアは、基板134の中に形成された穴と考えられてよい。基板134の各側に所望の模様で塗布される、現時点で推奨される導電性インクのような導電性材料は、ビアを貫通する(基板134の片側から他方の側に)電気接続を形成する。
【0030】
配線要素174は、接点パッド1番を接点パッド10番と固定電気連通状態にするために、基本的にはジャンパとして基板134の下部に配置される。このような配置は、先端110をピペット102のようなピペットと、着座位置合せ状態に正確に組み込まれたことの確証を可能にするなど、様々な用途のために、帰還信号を供給するために使用され得る。ピペットが、このような帰還に基づいてピペット先端を検出でき、次いで検出される先端の種類に基づいて選択された試験を実行し得ることは想定の範囲内である。例えば、様々な個々の接点パッド間の電気連続性試験が、10本ピン接点パッド配置120を有するピペット先端のいくつかの異なる配線構成を区別するために使用され得る。図示された事例では、接点パッド1番と10番との間の電気的連続性も、ピペット110が、他に用途がある中でもとりわけ、微粒子計数器として構成されることを示すために使用され得る。異なるピペット先端が、例えば、1つまたは複数の連続計量分注もしくは吸入された試料の流体分量を精密に測定するためのみに製作される事例では、配線要素174は、切断状態に残されてもよいし、または異なる電子的「署名」を供給するために、異なる接点パッド間でコネクタとして使用されてもよい。
【0031】
配線要素175の近位部分は、接点パッド2番を形成する。配線要素175の遠位部分は、誘導電極154を形成する。配線要素176の近位部分は、接点パッド3番を形成する。配線要素176の遠位部分は、検出電極178を形成する。電極154および178は、チャンネル152を通って流れる流体と接触する相対的に大きな表面積を配置するように構成される(図5参照)。
【0032】
配線要素180の近位部分は、接点パッド4番を形成する。配線要素180は、ビア182を介して基板134の上部表面と下部表面との間を連通する。配線要素180の遠位部分は、検出電極184を形成する。配線要素186の近位部分は、接点パッド5番を形成する。配線要素186は、ビア188を介して基板134の上部表面と下部表面との間を連通する。配線要素186の遠位部分は、誘導電極190を形成する。電極184および190は、チャンネル156を通って流れる流体と接触する相対的に大きな表面積を配置するように構成される(図6参照)。電極154および190のような、いくつかの電極の大きな表面積は、このような電極間の所望の電流の流れを獲得するために、対応する接点パッドに電気信号を印加することを可能にする。
【0033】
配線要素192の近位部分は、接点パッド6番を形成する。配線要素192(基板134の下部に配置される)の遠位部分は、チャンネル160に沿って移動する電解質のカラムの先縁または後縁のような流体前面を検出するために配置される表面電極を形成する。電極における信号の変化の検出は、ある時点の流体境界の位置を測定するために使用され得る。このような情報は、流体流量を測定するために、既知の容積(この容積を通って流体が吸引された)と組み合わせて使用され得る。境界位置情報も、所望の容積の抽出を確証するために、または試料中の気泡を確認するために使用され得る。
【0034】
簡素な配置では、計装ピペット先端は、先端を貫く流体流チャンネル中の既知の位置に配置された単一の電極を含み得る。電気信号は、電解質流体のバルク容器に印加され得る。この流体は、計装ピペット先端の中へ吸引されてよく、流体の先縁の位置は、電極で信号を監視することによって検出され得る。一旦電解質のカラムが電極に到達すると、信号が、当該電極で検出され得る。電極で獲得された信号は、試験手順の開始または流体の吸引停止のような、トリガ事象として使用され得る。
【0035】
配線要素194の近位端部分は、接点パッド7番を形成する。配線要素196の近位端部分は、接点パッド8番を形成する。接点パッド9番は、図示されたピペット先端110の中で電気的機能性を有していない。配線要素194および196の遠位部分は、チャンネル156の遠位部分に沿って離間された位置に流体境界が存在することを判定するのに効果的である表面電極として配置される。チャンネル160によって網羅され、かつ電極192と194との間に配置された容積は、所望の流体試料サイズと相関するように画定され得る。
【0036】
ピペット先端110を貫く流体流路は、図9の流体流の異なる範囲を示す一連の破線と近似される。従来型ピペット先端の中の実質的に単一方向の流体流とは異なり、ピペット先端110を貫く流路は、蛇行指定経路を辿る。本発明のいくつかの原理に従って作製されたピペット先端のいくつかの実施形態では、蛇行指定経路に沿う流体流の中心線軸は、3次元空間を画定すると言われ得る。すなわち、様々な時点で、流体は、長さ方向で、幅方向で、厚さ方向で、またはこれらの何らかの組合せで流れ得る。例えば、チャンネル144に沿い、範囲198によって示された流体流は、近位(および長さ)方向にある。識別開口158を通り、範囲200によって示された流体流は、横断(および厚さ)方向にある。チャンネル156のバルクに沿い、範囲202によって示された流体流は、遠位(および長さ)方向にある。チャンネル156の遠位部分にあり、範囲204によって示された流体流は、チャンネル160のグーズネック部分を通る流れのように、概横断(幅)方向にある。
【0037】
流体中に同伴された微粒子を検出および計数するように機能可能な現時点で推奨される配置を模式的に示す断面が、図10に図示され、全体として210で示されている。流体流路212は、層内部の流体閉込め空隙によって形成されたチャンネル構造として形成される。望ましくは、少なくともいくつかの実施形態では、貫通穴、すなわち識別開口158が、この開口を通って流れる電解質流体の中に同伴される微粒子を実質的に一列で強制して流れるようにサイズ決めされる。識別開口158は、全血を識別するために使用されるいくつかのピペット先端100の中で、約50ナノメートルと200ミクロンとの間の特徴的なサイズ(直径)を典型的に有する。図10に図示されたように、1対の細胞計数電極178および184が、貫通穴158の両側に配置される。協働する誘導電極154および190も、識別開口158を網羅する4個電極識別区域を形成するために、貫通穴の両側に(1つが上流にかつ1つが下流に)配置される。
【0038】
図示されたように、検出電極は、流体が流路212に沿って流れると、これらの電極が完全に液浸されることを保証するような様態で構成されることが現時点で推奨される。すなわち、電極178および184は、開口158から流路に沿って「引き戻される」。図示された構成は、恐らくは電極の一部の上方にある泡の存在により、電極の液浸面積が変化すると、信号の振幅または質の変化に対する抵抗となる。
【0039】
微粒子を検出しかつ計数するために、図示された装置210を使用する際に、定電流時間依存性の信号が、信号発生器214によって誘導電極154および190に印加され得る。誘導電極は、電流を流体および識別区域158の中へ駆動するのを容易にするために、かなりの液浸表面積を設けるように望ましくサイズ決めされる。検出または計数電極178および184は、識別穴158にわたる差動電圧変化を測定するために回路内配置される。
【0040】
別法として2個電極、または3個電極識別区域を形成することも想定の範囲内である。例えば、一方または他方の検出電極178および184は、別法として、識別開口158の他方側に配置された誘導電極の一方に対して、または接地に対して測定された信号の変化を検出するために回路内配置されてもよい。印加された(例えば、信号発生器214によって印加された)電気信号は、獲得されるべき所望の1つのデータに応じて、実質的に一定(直流)であるか、または時間依存性(交流)であり得ることに留意されるべきである。
【0041】
検出電極178は、その表面積の一部分を通過するチャンネルの流路外周の一部分のみの上で流体に接触する表面電極であると考えられ得る。さらには、例えば、流体流チャンネルまたは経路の外周全体を形成するために配置された層厚電極を有する識別区域を別法として形成することも想定の範囲内である。このような電極は、流路に沿って直列に配置され得る。例えば、1対の表面電極が、第1の基板の両側に配置され得る。追加的な表面電極が、1つまたは複数の追加的な基板によって支持されてよく、絶縁スペーサがこのような隣接電極間に設けられてよく、かつ複数の基板が、表面電極の積層された集合体を横に連続して配置するために、積み重ねられかつ一体に接合されてよい。次いで、識別開口158が、識別区域の長さに沿って配置された複数の層厚電極を有する識別区域(穴開けされた導管)を形成するために、積み重ねられた電極および絶縁層を横方向に貫いて穴開けされ得る。
【0042】
全体として218に示される、異なる構成を備える取付け構造を有するピペット先端100’が、図11に図示されている。取付け構造218は、基部層130に固定された受口220を具備する。受口220は、先端100’を吸引口224と流体連通で結合することを可能にするために、試験台上ピペット108の舌部222と調和して構成される。また受口220および舌部222を係合すると、接点パッド120を縁部コネクタ226と電気連通状態にする。基板134’の近位端は、先端100’によって支持された検知器構成要素とピペット108に関連する識別装置230との間を連通するための電気接続を行うために、細穴228の中へ挿入するように適合される。
【0043】
ピペット先端110のようなピペット先端を使用する代表的な方法は、ピペット先端110の近位端をピペット、例えば、図1のピペット102の協働する受入れ構造の中へ、このピペット先端を組み込むステップを含む。ピペット102は、流体を動かす圧力源(吸引力)を組み込まれた先端110の孔118に結合するように作製される。また先端110をピペット102の中に組み込むと、先端110の電気を基本とする検知器をピペット102に関連する電気的識別装置と連通状態にする。先端110の遠位端114は、1.5ミリリットル小瓶のようなバルク流体容器の中へ浸され、試料が、流体の分析を開始するために抽出される。分析の終了に引き続いて、先端110は廃棄される。本開示の目的では、「分析」という用語は、1つまたは複数の容積を吸引または計量分注するステップ、微粒子を検出および/または計数するステップ、試料流量を測定するステップ、および同様のステップの1つまたは複数を含むことが意図されている。典型的には、検知器構成要素から集められたデータは、表示器106上で操作されかつ表示されて、さらなる分析または記憶のためにコンピュータに転送され得る。
【0044】
推奨されるピペット102は、単にプランジャ104を押下することによって過剰な吸引力を生成することができる。次いで、この過剰な吸引力は、経時的に所望の圧力分布を孔118に付与するために、(例えば、電子機器、1つまたは複数の圧力変換器、およびピペット102に関連する弁構造によって)下方調整され得る。1つの有用な試験用の代表的な圧力分布が、図12に示されている。
【0045】
図12を参照すると、Aで、相対的に低い吸引圧力(例えば、約10インチの水)が、AとBとの間の時間増分の間に完全な流体試料を先端110の中へ引き込むために液中のピペット先端114に付与される。多くの環境下で、流体試料は、小穴中の表面張力により、細胞検出区域(開口158)で自然に止まる。別法として、電極からの帰還が、完全な試料取得を判定するために使用され得る。BとCとの間の時間増分にわたって、短い真空スパイク(例えば、約30インチの水)が、識別穴158を通して流体を引き込むために短く付与される。典型的には、試験継続時間(DからEまで)の間の圧力は、低減されかつ実質的に一定に(例えば、変数が他にある中でもとりわけ、穴のサイズ、担体流体、識別されるべき微粒子(複数可)に応じて、約7kPaから175kPa(約1から25ポンド毎平方インチ)の間から選択された値に)望ましく保持される。試料がピペット先端110の一実施形態の中へ充填される間の代表的な時間増分は、約5秒以下である。真空スパイクが付与される代表的な時間増分は、約1秒である。すなわち、真空スパイクは、必ずしも常に必要とされるわけではない。最小限の1回の真空設定でも、これが実行可能であり得る。所望の真空分布は、1つには、使用中の検出検知器穴158のサイズによる。より大きな穴158は、スパイクなどがなくてもよい。特定の代表的な微粒子懸濁試料に対する微粒子計数試験のデータ取得段階には、約30秒を要する。
【0046】
ピペット先端110と同様に作製された、現時点で推奨されるピペット先端は、試料サイズとして約25マイクロリットルを使用する。より小さいサイズ(遙かに小さいものを含む)またはより大きなサイズを有する試料を分析できるピペット先端を提供することも想定の範囲内である。微粒子分析に使用するために想定された1つのピペット先端は、50マイクロリットル、または遙かにもっと多量に吸引することができる。一般に、より大きな試料は、さらにより高い精密性を意味するが(有利な点)、より多くの試料を意味する(しばしば、不利な点)。
【0047】
機能可能なピペット先端100は、ピック・アンド・プレース(pick−and−place)、またはリール・トゥ・リール(reel−to−reel)技法を使用して製造され得る。電気絶縁層が、それぞれMylarおよびKaptonのようなポリアミドおよびポリエステルを含めて、柔軟な薄膜様プラスチック材料から形成されることが現時点で推奨される。チャンネル156のようなチャンネルは、打ち抜きされるか、または噴射水もしくはレーザによって機械加工され得る。導電配線は、1つまたは複数の層の所望部分に貼り付けられる。現時点で推奨されるピペット先端100の識別開口158は、隣接層を組み立てる前に、基板134を貫いてレーザ穴開けされる。層は、典型的に位置合わせされて積み重ねられ、かつ一体に接合される。大量生産では、個々の組立て済みのピペット先端100が、バルク積層シートまたは長い積層テープから打ち抜かれ得る。いくつかの機能可能なポリエステル薄膜は、Dupont Teijinから市販されている。
【0048】
導電性配線要素は、任意の他の機能可能な導電性材料で事足りるであろうが、アルミニウム、プラチナ、金、銅、銀、クロム、チタン、および同様物を含めて、金属または金属合金から形成され得る。ピペット先端の組立時に材料の受け渡し特徴を向上させるために配線要素を電気絶縁薄膜基板の上に貼り付けることが現時点で推奨される。配線要素を支持層に貼り付けるのは、電気メッキを施すことによって、またはスクリーン印刷技法、インクジェット技術、レーザエッチング、スパッタリングまたは電気堆積技法、または同様の技法など、いくつかの他の知られた堆積方法を使用して実施され得る。マスキングおよびエッチングのような超微細機械加工法も、個々の導電配線要素構造を作製するために使用され得る。
【0049】
現時点で推奨される製造方法では、厚さを貫通するビアが、基板中に予め形成され、次いで電極が、このようなビアを通る導電経路を形成するために印刷される。典型的には、配線が、最初に基板の片側に印刷される。次いで、この基板は、裏側から再度印刷されて、配線間の不要な接続を防止するために、いかにインクがどのビア(穴)からも流出するかを慎重に制御する。インクがビアを通って各側から流れて乾燥すると、電気接続が作製される。配線模様を生み出すシルクスクリーンは、印刷後に取り除かれ、基板は、典型的に乾燥機の中に配置される。インクは、裏面印刷の前に、概ね硬化される(少なくともある程度まで)。貫通ビアは、現時点ではレーザで穴開けされる(貫通ビアは、打抜き台、打抜き型、および回転打抜きなどを用いるような、他の技法を利用して形成され得るけれども)。印刷されたパネルは、工業用乾燥機中の各印刷工程の後で概ね乾燥される。いくつかの印刷されたインクは、紫外光で硬化される。高容積製造用のスクリーン印刷は、網型、ロール形式、またはシート送り型を応用して行われ得る。
【0050】
機能可能な導電性インクは、Dupon5870銀/塩化銀のような銀/銀塩化物溶液を含む。いくつかの他の機能可能なインクが、ワールドワイドウェブ上のhttp://www2.dupon.com/MCM/en_US/PDF/biosensor−H9156101.pdfに記載されている。同様の印刷可能な導電性インクが、http://www.conductivetech.comにあるウェブサイトを有するConductive Technologiesから入手可能である。約0.2ミリメートルの、配線要素を形成する線幅と配線要素間の間隔とが可能である。幅および間隔は、殆どの用途に関して0.3ミリメートル以上であることが一般に推奨される。堆積された材料の厚さは、かなりの程度まで、シルクスクリーン自体の厚さによって制御される。
【0051】
担体流体中の懸濁微粒子を含む、いくつかの流体試料を識別するために使用される現時点で推奨されるピペット先端の中の4つの薄い薄膜層の厚さは、それぞれ約0.013cm(約0.005インチ)の厚さである。より多くのまたはより少ない層、および異なる厚さを有する層の混合は、想定の範囲内である。各層は、恐らくは厚さ約0.001cm(約0.0005インチ)と0.089cm(0.035インチ)との間あたりの薄膜を使用して潜在的に作製され得る。微粒子検出または特徴付けに使用されるいくつかの電極に関する機能可能な厚さの範囲は、約0.1ミクロン(約0.00001cm(0.000004インチ))と約127ミクロン(約0.013cm(0.005インチ))との間あたりである。微粒子検出/計数で使用される誘導電極154、190は、試料溶液と接触して配置された相対的に大きな表面積(例えば、70cm)を有するように典型的に配置される(この表面積は、電極/電解質境界面インピーダンスを低く維持する)。識別開口の特徴的なサイズ(直径)は、約50ミクロンである。識別開口の長さ(例えば、127ミクロン)対直径比は、いくつかの微粒子特徴付け手順に重要であり得るが、それは現時点でおよそ2.5に維持される。チャンネル深さ対幅の比は、1つには、使用されているテープ厚さによって決まり、一般には設計における重要な動機付けとなるものではない。
【0052】
検知器構造との接触および流体がそれを通過することによる衝撃を軽減するために、本発明のいくつかの原理に従って作製された検知器の上に表面被覆を設けることは想定の範囲内である。このような被覆配置は、例えば、全血試料中の凝固カスケードを軽減するために設けられ得る。このような血液試料に使用する検知器において機能可能な被覆には、Teflon、ヘパリン、およびPROを基本とする材料が含まれる。
【0053】
本発明が、いくつかの図示された実施形態を参照して具体的に説明されてきたが、このようなものは、本発明の範囲を限定しようとするものではない。本発明は、その趣旨または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で具現化され得る。非限定的な実施例では、層が、平坦ではない立体配置を有してよく、ピペット先端の長さの一部分のみに沿って延びてよい。説明された実施形態は、例示的であり、非限定的であると考えられるべきである。したがって、本発明の範囲は、以上の説明によってではなく、添付された特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の均等性の意義および範囲内に入るすべての変更は、特許請求の範囲内に包含されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピペット先端であって、近位端と遠位端との間に延びる細長本体を有し、前記細長本体は流体経路が前記本体を貫いて前記遠位端から前記近位端に向かって延びる、ピペット先端において、改良部が、
前記流体経路に沿って流れる流体を電気的に識別するために配置された検知器構成要素を備えた、改良部。
【請求項2】
請求項1に記載の改良部において、
前記本体は、前記流体経路の少なくとも一部分を設けるように構成および配置された複数の層を備え、
前記検知器構成要素は、第1の隣接層と第2の隣接層との間に支持された第1の導電配線を備え、前記第1の配線の少なくとも第1の部分は、前記流体経路に沿って流れる流体と接触するように配置された、改良部。
【請求項3】
請求項2に記載の改良部において、
隣接層間に支持された第2の導電配線をさらに備え、前記第2の配線の少なくとも第2の部分は、前記流体経路に沿って流れる流体と接触するように配置された、改良部。
【請求項4】
請求項3に記載の改良部において、
前記第1の部分および前記第2の部分は、前記流体経路に沿って離間されて、同じ層間に支持された、改良部。
【請求項5】
請求項3に記載の改良部において、
前記第1の部分および前記第2の部分は、前記流体経路に沿って離間されて、異なる層間に支持された、改良部。
【請求項6】
請求項1に記載の改良部において、
前記検知器構成要素は、容積微粒子個数を測定するように構成および配置された、改良部。
【請求項7】
請求項1に記載の改良部において、
前記検知器構成要素は、前記流体経路に沿った流体流量を測定するように構成および配置された、改良部。
【請求項8】
請求項1に記載の改良部において、
前記検知器構成要素は、前記流体経路に沿った特定の位置に流体境界縁が存在することを検出するように構成および配置された、改良部。
【請求項9】
請求項2に記載の改良部において、
前記流体経路の一部は、既知の容積を網羅する内腔の長さによって画定され、前記第1の部分は、前記既知の容積に対応する試料容積を含む量の流体が前記ピペット先端を通過することを示すのに効果的な前記内腔の長さに関連して配置された、改良部。
【請求項10】
請求項1に記載の改良部において、
前記先端がピペットの中に組み込まれたときに、前記先端の検出を可能にするように適合された構造をさらに備えた、改良部。
【請求項11】
請求項1に記載の改良部において、
ピペットであって、前記ピペットは、前記流体経路の近位部分に対して吸引力を付与することを可能にするとともに、前記検知器構成要素を電気的識別装置と回路内に配置するのに、効果的な前記ピペット先端の前記近位端と結合するように構成および配置された、ピペットと結合された、改良部。
【請求項12】
請求項1に記載の改良部を使用する方法において、
請求項1に従って作製されたピペット先端を設けるステップと、
前記検知器構成要素を電気的識別装置と電気連通状態にするとともに、前記流体経路の近位端を吸引力源と連通状態にするのに効果的なピペットに前記ピペット先端を結合するステップと、
試料を前記ピペット先端の中へ引き込むのに効果的な前記吸引力源を付与するステップと、
前記試料の一部分が前記流体経路に沿って流れるときに、前記試料の一部分を電気的に識別するステップと、
前記ピペット先端を廃棄するステップと、
を含む、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法において、
前記吸引力源を付与するステップは、
過剰な吸引圧力であって、
試料を前記ピペット先端の中へ引き込むように機能可能な第1の吸引圧力と、
引き続く所望の吸引圧力分布と、
を付与するのに効果的な、前記ピペットに関連する構造によって後に下方調整される、過剰な吸引圧力を生成する、方法。
【請求項14】
装置において、
細長本体であって、遠位先端から前記本体の近位端に配置された取付け構造に向かって延びる流体経路を設けるように構成および配置された複数の層を備え、
前記取付け構造は、前記取付け構造が、流体を動かす差圧を前記流体経路に付与するのに効果的な装置に結合されたときに、前記遠位先端を自立型の片持ち式要素として配置するために、前記本体と調和して構成および配置された、細長本体と、
前記流体経路に沿って流れる流体を電気的に識別するのに効果的な、前記流体経路の中に配置された検知器構成要素とを備えた、装置。
【請求項15】
請求項14に記載の装置において、
前記流体経路の前記遠位端は、遠位に開く試料孔を介して連通する、装置。
【請求項16】
請求項14に記載の装置において、
前記流体経路は、蛇行指定経路であり、
流体流ベクトルを実質的に近位方向へ配向させるように構成および配置された第1の範囲と、
流体流ベクトルに、横断方向へ配向された成分を持たせるように構成および配置された第2の範囲と、
を含む、装置。
【請求項17】
請求項16に記載の装置において、
前記蛇行指定経路は、
流体流ベクトルを実質的に遠位方向へ配向させるように構成および配置された第3の範囲をさらに含む、装置。
【請求項18】
請求項16に記載の装置において、
前記蛇行指定経路に沿った流体流の中心線軸は、3次元空間を画定する、装置。
【請求項19】
請求項14に記載の装置において、
前記取付け構造は、電気的識別装置の協働する受口の中に受け入れられるように構成された舌部を備えた、装置。
【請求項20】
請求項14に記載の装置において、
前記取付け構造は、電気的識別装置の協働する舌部を受け入れるように構成された受口を備えた、装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2010−540226(P2010−540226A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−526963(P2010−526963)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【国際出願番号】PCT/US2008/011205
【国際公開番号】WO2009/045343
【国際公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(510086338)イーアイ・スペクトラ・エルエルシー (4)
【Fターム(参考)】