説明

計量装置、計量方法、及びプログラム

【課題】構造の簡易化によって装置コストの増大化を抑制しつつ、計量精度の向上を図り得る、計量装置、計量方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】計量装置50は、メイン流路11と、サブ流路12と、サブ流路13とを備えている。サブ流路12及びサブ流路13は、メイン流路11の一端から分岐している。メイン流路11は、その他端に、試料の吸引口及び吐出口のいずれか又は両方として機能する開口11aを備えている。また、メイン流路11は、サブ流路13側から加圧が行われたときに、メイン流路11の内部に充填された試料を保持する機能が、サブ流路12における、サブ流路13側から加圧が行われたときにサブ流路12の内部に充填された試料を保持する機能よりも高くなるように、形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料を計量するための計量装置、計量方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、化学分析の分野において、試料の正確な計量は重要であり、種々の計量装置が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
【0003】
特許文献1は、流路が形成されたチップと、チップ内部に試料を供給するポンプユニットとを備えた計量装置を開示している。この計量装置では、ポンプユニットは、ポンプと、アキュムレータと、ノズルと、調製バルブとを備えている。調製バルブは、ノズルとアキュムレータとの間に設けられ、供給される試料の量を調製する。
【0004】
チップには、流路Aと、それと平行に配置された流路Bと、これらを橋掛けする流路Cとが形成されている。流路Cの流路B側の端部には、幅が狭まった部分(オリフィス)が設けられている。試料は、ポンプユニットのノズルから、流路Aの端部を経由して、流路A及び流路Cへと供給される。このとき、試料が流路B内部に流出しないように、ポンプユニットの供給圧力が調整される。
【0005】
その後、ポンプユニットから、空気を送り込み、流路A内の試料をチップから排出する。その際、ポンプユニットの圧力は、流路Cの試料が移動しないように調整される。そして、流路Cの容積分の試料のみが、チップ内に残存した状態となり、結果、流路Cの容積分の試料が計量される。
【0006】
また、特許文献2は、ノズルと、シリンジポンプと、液体供給ポンプとを備えた計量装置(分注装置)を開示している。この計量装置では、シリンジポンプのシリンダーは、ノズル及び液体供給ポンプそれぞれにチューブを介して接続されている。また、液体供給ポンプは、各チューブ、シリンジポンプのシリンダー、及びノズルに、与圧用の液体を供給し、これらの内部をこの液体で充填する。
【0007】
よって、シリンジポンプのプランジャーを移動させることにより、与圧用の液体を介してノズル先端に吸引圧及び吐出圧を印可することができ、この圧力の印可により、試料の吸引及び吐出が行われる。このように、特許文献2に開示の計量装置では、与圧用の液体を介して、試料の吸引及び吐出が行われるので、流路内部に存在する空気層の体積変動による計量誤差の発生が排除される。
【0008】
以上のように、特許文献1及び特許文献2に開示された計量装置を用いれば、精度の高い計量を実行することが可能であると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−114430号公報
【特許文献2】特開2008−197051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に開示された計量装置において、計量精度を高めるには、流路の容積精度だけでなく、ポンプユニットにおける圧力調整精度も高める必要があり、高価なポンプユニットが必要となる。このことから、特許文献1に開示された計量装置には、計量精度を高めようとすると、それに比例して、コストが増大するという問題が存在する。
【0011】
また、特許文献2に開示された計量装置においても、計量精度を高めるには、シリンジポンプの圧力調整精度を高める必要がある。具体的には、シリンジポンプのプランジャーを駆動するモータとして、位置決め精度の高いモータ、例えば、リニアモータを用いる必要がある。つまり、特許文献2においても、特許文献1の場合と同様に、計量精度と比例してコストが増大するという問題がある。
【0012】
本発明の目的は、上記問題を解消し、構造の簡易化によって装置コストの増大化を抑制しつつ、計量精度の向上を図り得る、計量装置、計量方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明における計量装置は、メイン流路と、第1のサブ流路と、第2のサブ流路とを備え、前記第1のサブ流路及び前記第2のサブ流路は、前記メイン流路の一端から分岐し、前記メイン流路は、その他端に、試料の吸引口及び吐出口のいずれか又は両方として機能する開口を備え、且つ、前記第2のサブ流路側から加圧が行われたときに、前記メイン流路の内部に充填された前記試料を保持する機能が、前記第1のサブ流路における、前記第2のサブ流路側から加圧が行われたときに前記第1のサブ流路の内部に充填された前記試料を保持する機能よりも高くなるように、形成されている、ことを特徴とする。
【0014】
本発明における計量装置では、その構成により、メイン流路及び第1のサブ流路に試料を充填した状態で、第2のサブ流路を介して、メイン流路を加圧すると、試料は、メイン流路と第1の流路との境界部分で分断される。そして、メイン流路の試料を保持する機能が第1のサブ流路の試料を保持する機能よりも高くなっているため、メイン流路に存在している試料の一部が、第1の流路に移動してしまう事態の発生が抑制される。従って、メイン流路には設定量の試料のみが存在している状態となる。つまり、上記特徴によれば、簡単な構成で、精度良く、設定量の試料の取得が可能となる。このことから、本発明における計量装置によれば、装置コストの増大化を抑制しつつ、計量精度の向上を図ることができる。
【0015】
上記本発明における計量装置において、具体的には、前記メイン流路は、前記メイン流路及び前記第1のサブ流路に前記試料が充填された状態で、前記第2のサブ流路側から加圧が行われた場合に、前記第1のサブ流路に充填されている前記試料が、前記メイン流路に充填されている前記試料よりも早期に移動を開始するように、形成されている。
【0016】
また、上記本発明における計量装置は、前記第1のサブ流路に設けられた第1のバルブと、前記第1のサブ流路を介して、前記メイン流路の内部に対して吸引を行う吸引ユニットと、前記第2のサブ流路を介して、前記メイン流路の内部に対して加圧を行う加圧ユニットと、前記第1のバルブの開閉動作、前記吸引ユニットによる吸引動作、及び前記加圧ユニットによる加圧動作を制御する制御部と、を更に備え、前記制御部は、先ず、前記第1のバルブを開動作させ、前記試料が、前記メイン流路内及び前記第1のサブ流路内に充填されるまで、前記吸引ユニットに吸引動作を行わせ、次に、前記試料が前記メイン流路内及び前記第1のサブ流路内に充填された状態で、前記第1のバルブを閉動作させ、その後、前記加圧ユニットに加圧動作を行わせて、前記第1のサブ流路に充填された試料と前記メイン流路に充填された試料とを、前記第1のサブ流路の前記メイン流路から分岐している部分で分断し、分断された、前記メイン流路に充填された試料を、前記メイン流路の前記開口から、外部に吐出させる、態様とするのが良い。
【0017】
上記態様においては、本発明における計量装置は、更に、前記第2のサブ流路に設けられた第2のバルブを備え、前記制御部が、前記吸引ユニットに吸引動作を行わせる際に、前記第2のバルブを閉動作させ、前記加圧ユニットに加圧動作を行わせる際に、前記第2のバルブを開動作させる、のが良い。また、上記態様では、前記第1のサブ流路及び第2のサブ流路に接続されたポンプが、それぞれ、前記吸引ユニット及び前記加圧ユニットとして機能していても良い。
【0018】
また、上記本発明における計量装置は、前記第2のサブ流路から分岐する、第3のサブ流路と、前記第3のサブ流路に接続され、且つ、液を貯留する容器と、を更に備えている態様とするのが良い。このような態様では、メイン流路で取得された設定量の試料を、容器に貯留された液と共に吐出でき、試料の吐出と同時にメイン流路の洗浄を実行することもできる。
【0019】
上記の態様では、本発明における計量装置は、前記第1のサブ流路に設けられた第1のバルブと、前記第2のサブ流路に設けられた第2のバルブと、前記第3のサブ流路に設けられた第3のバルブと、前記第1のサブ流路を介して、前記メイン流路の内部に対して吸引を行う吸引ユニットと、前記第2のサブ流路を介して、前記メイン流路の内部に対して加圧を行う加圧ユニットと、前記第1〜第3のバルブの開閉動作、前記吸引ユニットによる吸引動作、及び前記加圧ユニットによる加圧動作を制御する制御部と、を更に備え、
前記第3のサブ流路が、前記第2のサブ流路における、前記第2のバルブが設けられた位置よりも前記メイン流路側から分岐し、前記制御部は、先ず、前記第1のバルブ及び前記第2のバルブを閉動作させた状態で、前記容器に貯留されている前記液が前記第2のサブ流路内に充填されるまで、前記第3のバルブを開動作させ、次に、前記第3のバルブを閉動作させた後、前記第2のサブ流路内に前記液が充填された状態で、前記第1のバルブを開動作させ、前記試料が、前記メイン流路内及び前記第1のサブ流路内に充填されるまで、前記吸引ユニットに吸引動作を行わせ、次に、前記第1のバルブを閉動作させた後、前記第2のサブ流路内に前記液が充填され、且つ前記第1のサブ流路内及び前記メイン流路に前記試料が充填された状態で、前記第2のバルブを開動作させ、その後、前記加圧ユニットに加圧動作を行わせて、前記第2のサブ流路内に充填されている前記液を前記メイン流路側へ押し進め、前記液の押し進めによって、前記第1のサブ流路に充填された試料と前記メイン流路に充填された試料とを、前記第1のサブ流路の前記メイン流路から分岐している部分で分断し、分断された、前記メイン流路に充填された試料を、前記メイン流路の前記開口から、外部に吐出させる、のが良い。
【0020】
更に、上記の態様では、本発明における計量装置は、前記容器に貯留されている前記液を前記第3のサブ流路へと送り出す、送液ユニットを、更に備え、前記制御部が、前記第3のバルブを開動作させる際に、前記送液ユニットを動作させて、前記液を前記第2のサブ流路内に充填させても良い。また、上記態様では、前記第1のサブ流路及び第2のサブ流路に接続されたポンプが、前記吸引ユニット及び前記加圧ユニットとして機能していても良い。
【0021】
上記本発明における計量装置においては、前記第1のサブ流路は、流体が前記メイン流路から前記第1のサブ流路へと流れ込むときに、流体の流れ方向が5度〜175度の範囲で変わるように、前記メイン流路から分岐し、前記第2のサブ流路は、流体が前記第2のサブ流路から前記メイン流路へと流れ込むときに、流体の流れ方向が、前記流体が前記メイン流路へと流れ込む前と流れ込んだ後とで、変化しないように、前記メイン流路から分岐している、のが好ましい。この場合は、メイン流路における上述の機能を、確実に、第1のサブ流路における上述の機能よりも高めることができる。
【0022】
また、上記本発明における計量装置では、前記第1のサブ流路、および/または前記第2のサブ流路が、前記メイン流路に隣接している位置に、U形状の部分を有しているのが良い。この場合は、上述した吸引及び加圧において、重力を利用することができ、効率性の向上が図られる。
【0023】
更に、上記本発明における計量装置では、前記第1のサブ流路及び前記第2のサブ流路が、ブロック状の部材の内部に設けられた孔及び前記ブロック状の部材の表面に設けられた溝のいずれか又は両方によって形成され、前記メイン流路が、前記ブロック状の部材に取り付けられた管状部材によって形成されている、のが好ましい。この場合は、各流路の作成を容易なものとすることができる。
【0024】
また、上記目的を達成するため、本発明における計量方法は、メイン流路と、第1のサブ流路と、第2のサブ流路と、前記第1のサブ流路に設けられた第1のバルブと、前記第1のサブ流路を介して、前記メイン流路の内部に対して吸引を行う吸引ユニットと、前記第2のサブ流路を介して、前記メイン流路の内部に対して加圧を行う加圧ユニットとを備え、前記第1のサブ流路及び前記第2のサブ流路は、前記メイン流路の一端から分岐し、前記メイン流路は、その他端に、試料の吸引口及び吐出口のいずれか又は両方として機能する開口を備え、且つ、前記第2のサブ流路側から加圧が行われたときに、前記メイン流路の内部に充填された前記試料を保持する機能が、前記第1のサブ流路における、前記第2のサブ流路側から加圧が行われたときに前記第1のサブ流路の内部に充填された前記試料を保持する機能よりも高くなるように、形成されている、計量装置を用いた、計量方法であって、
(a)前記第1のバルブを開動作させ、前記試料が、前記メイン流路内及び前記第1のサブ流路内に充填されるまで、前記吸引ユニットに吸引動作を行わせる、ステップと、(b)前記試料が前記メイン流路内及び前記第1のサブ流路内に充填された状態で、前記第1のバルブを閉動作させる、ステップと、(c)前記(b)のステップの実行後、前記加圧ユニットに加圧動作を行わせて、前記第1のサブ流路に充填された試料と前記メイン流路に充填された試料とを、前記第1のサブ流路の前記メイン流路から分岐している部分で分断し、分断された、前記メイン流路に充填された試料を、前記メイン流路の前記開口から、外部に吐出させる、ステップと、を有することを特徴とする。
【0025】
上記本発明における計量方法においては、前記計量装置が、前記第2のサブ流路から分岐する第3のサブ流路と、前記第3のサブ流路に接続され、且つ、液を貯留する容器と、前記第2のサブ流路に設けられた第2のバルブと、前記第3のサブ流路に設けられた第3のバルブとを更に備え、前記第3のサブ流路が、前記第2のサブ流路における、前記第2のバルブが設けられた位置よりも前記メイン流路側から分岐し、
当該計量方法が、(d)前記(a)のステップの実行前に、前記第1のバルブ及び前記第2のバルブを閉動作させた状態で、前記容器に貯留されている前記液が前記第2のサブ流路内に充填されるまで、前記第3のバルブを開動作させる、ステップを更に有し、
前記(a)のステップにおいて、前記第3のバルブを閉動作させた後、前記第2のサブ流路内に前記液が充填された状態で、前記第1のバルブを開動作させ、前記試料が、前記メイン流路内及び前記第1のサブ流路内に充填されるまで、前記吸引ユニットに吸引動作を行わせ、前記(c)のステップにおいて、前記第2のサブ流路内に前記液が充填され、且つ前記第1のサブ流路内及び前記メイン流路に前記試料が充填された状態で、前記第2のバルブを開動作させ、その後、前記加圧ユニットに加圧動作を行わせて、前記第2のサブ流路内に充填されている前記液を前記メイン流路側へ押し進め、前記液の押し進めによって、前記第1のサブ流路に充填された試料と前記メイン流路に充填された試料とを、前記第1のサブ流路の前記メイン流路から分岐している部分で分断し、分断された、前記メイン流路に充填された試料を、前記メイン流路の前記開口から、外部に吐出させる、のが好ましい。
【0026】
更に、上記の場合は、前記計量装置が、前記容器に貯留されている前記液を前記第3のサブ流路へと送り出す、送液ユニットを、更に備え、前記(d)のステップにおいて、前記第3のバルブを開動作させる際に、前記送液ユニットを動作させて、前記液を前記第2のサブ流路内に充填させても良い。
【0027】
更に、上記目的を達成するため、本発明におけるプログラムは、
メイン流路と、第1のサブ流路と、第2のサブ流路と、前記第1のサブ流路に設けられた第1のバルブと、前記第1のサブ流路を介して、前記メイン流路の内部に対して吸引を行う吸引ユニットと、前記第2のサブ流路を介して、前記メイン流路の内部に対して加圧を行う加圧ユニットとを備え、
前記第1のサブ流路及び前記第2のサブ流路は、前記メイン流路の一端から分岐し、前記メイン流路は、その他端に、試料の吸引口及び吐出口のいずれか又は両方として機能する開口を備え、且つ、前記第2のサブ流路側から加圧が行われたときに、前記メイン流路の内部に充填された前記試料を保持する機能が、前記第1のサブ流路における、前記第2のサブ流路側から加圧が行われたときに前記第1のサブ流路の内部に充填された前記試料を保持する機能よりも高くなるように、形成されている、計量装置を、コンピュータによって制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータに、(a)前記第1のバルブを開動作させ、前記試料が、前記メイン流路内及び前記第1のサブ流路内に充填されるまで、前記吸引ユニットに吸引動作を行わせる、ステップと、(b)前記試料が前記メイン流路内及び前記第1のサブ流路内に充填された状態で、前記第1のバルブを閉動作させる、ステップと、(c)前記(b)のステップの実行後、前記加圧ユニットに加圧動作を行わせて、前記第1のサブ流路に充填された試料と前記メイン流路に充填された試料とを、前記第1のサブ流路の前記メイン流路から分岐している部分で分断し、分断された、前記メイン流路に充填された試料を、前記メイン流路の前記開口から、外部に吐出させる、ステップと、を実行させることを特徴とする。
【0028】
上記本発明におけるプログラムにおいては、前記計量装置が、前記第2のサブ流路から分岐する第3のサブ流路と、前記第3のサブ流路に接続され、且つ、液を貯留する容器と、前記第2のサブ流路に設けられた第2のバルブと、前記第3のサブ流路に設けられた第3のバルブとを更に備え、前記第3のサブ流路が、前記第2のサブ流路における、前記第2のバルブが設けられた位置よりも前記メイン流路側から分岐し、
当該プログラムが、更に、前記コンピュータに(d)前記(a)のステップの実行前に、前記第1のバルブ及び前記第2のバルブを閉動作させた状態で、前記容器に貯留されている前記液が前記第2のサブ流路内に充填されるまで、前記第3のバルブを開動作させる、ステップを実行させ、
前記(a)のステップにおいて、前記第3のバルブを閉動作させた後、前記第2のサブ流路内に前記液が充填された状態で、前記第1のバルブを開動作させ、前記試料が、前記メイン流路内及び前記第1のサブ流路内に充填されるまで、前記吸引ユニットに吸引動作を行わせ、前記(c)のステップにおいて、前記第2のサブ流路内に前記液が充填され、且つ前記第1のサブ流路内及び前記メイン流路に前記試料が充填された状態で、前記第2のバルブを開動作させ、その後、前記加圧ユニットに加圧動作を行わせて、前記第2のサブ流路内に充填されている前記液を前記メイン流路側へ押し進め、前記液の押し進めによって、前記第1のサブ流路に充填された試料と前記メイン流路に充填された試料とを、前記第1のサブ流路の前記メイン流路から分岐している部分で分断し、分断された、前記メイン流路に充填された試料を、前記メイン流路の前記開口から、外部に吐出させる、のが好ましい。
【0029】
更に、上記の場合は、前記計量装置が、前記容器に貯留されている前記液を前記第3のサブ流路へと送り出す、送液ユニットを、更に備え、前記(d)のステップにおいて、前記第3のバルブを開動作させる際に、前記送液ユニットを動作させて、前記液を前記第2のサブ流路内に充填させても良い。
【発明の効果】
【0030】
以上のように、本発明における計量装置、計量方法、及びプログラムによれば、構造の簡易化によって装置コストの増大化を抑制しつつ、計量精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は、本発明の実施の形態における計量装置の概略構成を示す構成図である。
【図2】図2は、図1に示す計量装置の動作を示すフロー図である。
【図3】図3は、図2に示すステップS1及びS2を実行中の計量装置を示す図である。
【図4】図4は、図2に示すステップS3及びS4を実行中の計量装置を示す図である。
【図5】図5は、図2に示すステップS5及びS6を実行中の計量装置を示す図である。
【図6】図6は、図5に示した状態から更にステップS5及びS6の実行が進んだときの計量装置を示す図である。
【図7】図7は、実施例における計量装置を構成する計量器具を示す図であり、図7(a)は上面図、図7(b)及び(c)は側面図、図7(d)は底面図である。
【図8】図8は、実施例における計量装置を構成する計量器具の断面を示す断面図であり、図8(a)は切断線A−A’に沿って得られた断面を示し、図8(b)は切断線B−B’に沿って得られ断面を示し、図8(c)は切断線C−C’に沿って得られた断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態における、計量装置、計量方法、及びプログラムについて、図1〜図5を参照しながら説明する。最初に、本実施の形態における計量装置50の構成について図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態における計量装置の概略構成を示す構成図である。なお、以下の実施の形態の構成は、例示であり、本発明は、この実施の形態の構成に限定されるものではない。
【0033】
図1に示すように、計量装置50は、化学分析で用いられる試料を計量、特には定量する装置である。計量装置50は、メイン流路11と、サブ流路12と、サブ流路13とを備えている。サブ流路12及びサブ流路13は、メイン流路11の一端から分岐している。また、メイン流路11は、その他端に、試料の吸引口及び吐出口のいずれか又は両方として機能する開口11aを備えている。本実施の形態では、メイン流路11の他端の開口11aは、試料の吸引口及び吐出口として機能する。
【0034】
また、メイン流路11は、サブ流路13側から加圧が行われたときに、メイン流路11の内部に充填された試料を保持する機能(以下「試料保持機能」という。)が、サブ流路12における同様の試料保持機能よりも高くなるように、形成されている。なお、サブ流路12における試料保持機能は、サブ流路13側から加圧が行われたときに、サブ流路12が、その内部に充填された試料を保持する機能である。また、本実施の形態において「試料を保持する」とは、外部から試料に力が加わったときに、その外部からの力に拮抗して試料をその場に止めておくことを意味する。
【0035】
更に、このように、メイン流路11における試料保持機能が、サブ流路12における試料保持機能よりも高いため、メイン流路11及びサブ流路12の両方に試料が充填された状態で、サブ流路13側から加圧が行われると、サブ流路12に充填されている試料は、メイン流路11に充填されている試料よりも早期に移動を開始することとなる。そして、充填されている試料は、メイン流路11とサブ流路12との境界部分で分断され、その際、メイン流路11に存在している試料のサブ流路12への移動は、上述のメイン流路11とサブ流路12とにおける試料保持機能の相違により、阻止されるので、メイン流路11には設定量の試料のみが存在している状態となる。この結果、精度良く、試料が定量される。
【0036】
また、本実施の形態では、メイン流路11によって計量される試料の量は、0.1μl〜100μl、好ましくは0.5μl〜50μl、特に好ましくは1μl〜10μl程度であるのが良い。
【0037】
ここで、本実施の形態における計量装置50の構成について更に具体的に説明する。図1に示すように、本実施の形態では、計量装置50は、更に、サブ流路12に設けられた第1バルブ31と、サブ流路13に設けられた第2バルブ32と、サブ流路12及びサブ流路13に接続された第1ポンプ34とを備えている。なお、図1、及び後述する図3〜図6において、第1バルブ31は「V1」と表示し、第2バルブ32は「V2」と表示する。また、開動作中にあるバルブは破線で示す。更に、図1、及び後述する図3〜図6において、第1ポンプは「P1」と表示する。
【0038】
このうち、第1ポンプ34は、サブ流路12を介して、メイン流路11の内部に対して吸引を行う、吸引ユニットとして機能する。また、第1ポンプ34は、サブ流路13を介して、メイン流路11の内部に対して加圧を行う、加圧ユニットとしても機能する。なお、第1ポンプ34として、2つのポンプが用いられ、各ポンプがサブ流路12及びサブ流路13それぞれに接続された態様であっても良い。
【0039】
また、図1に示すように、本実施の形態では、計量装置50の構成要素のうち、メイン流路11と、サブ流路12の一部を構成する流路15と、サブ流路13の一部を構成する流路16とは、計量器具10を構成している。
【0040】
計量器具10は、ブロック状の本体部材17(実施例で示す図7及び図8参照)を備えている。サブ流路12の一部を構成する流路15と、サブ流路13の一部を構成する流路16とは、本体部材17に設けられている。
【0041】
流路15及び流路16は、本体部材17の表面に溝を設けることによって、本体部材17に孔を設けることによって、又は本体部材17に溝と孔との両方を設けることによって、作成できる。なお、流路15及び流路16の作成例については、実施例において、図7及び図8を用いて説明する。
【0042】
また、流路15と流路16とは、それぞれの一端が合流するように形成されている。更に、メイン流路11は、管状部材14によって形成され、管状部材14は、開口11aの反対側にある開口11bが、流路15と流路16との合流部分に接続されるように、本体部材17に挿入されている。更に、計量器具10は、メイン流路11の方向が、鉛直方向に平行となるように配置されている。図1において、矢印Zは、鉛直方向を示している。
【0043】
流路15及び流路16を形成している本体部材17、管状部材14は、各々、例えば、ステンレス、アルミニウム等の金属材料、ポリエーテルイミド(PEI:Polyetherimide)樹脂、フッ素樹脂、アクリル、ポリスチレン等の樹脂材料等によって形成することができる。また、管状部材14と、本体部材17(流路15および流路16)とは、同じ材料で形成されていても良いし、それぞれ異なる材料で形成されていても良い。
【0044】
また、上述したように、メイン流路11は、その試料保持機能がサブ流路12の試料保持機能よりも高くなるように形成される必要がある。例えば、メイン流路11(環状部材14)及びサブ流路12(流路15)それぞれの断面積を、各々の形成材料に応じて、適宜設定することによって、メイン流路11の試料保持機能をサブ流路12の試料保持機能よりも高くすることができる。
【0045】
通常、試料保持機能は、流路の形成材料が同一であれば、流路の断面積を小さくすることによって高めることができる。また、メイン流路11(管状部材14)を金属材料によって形成し、サブ流路12(流路15)を樹脂材料によって形成した場合は、両者の内径又は断面積を略同一に設定した状態で、メイン流路11の試料保持機能をサブ流路12の試料保持機能よりも高くすることができる。
【0046】
具体的には、例えば、試料が血液であり、メイン流路の断面形状が円形であるとすると、メイン流路11を形成する管状部材14の内径は、0.02mm〜8mm、好ましくは0.06mm〜5.6mm、特に好ましくは0.08mm〜2.6mmに設定するのが良い。メイン流路11を形成する管状部材14の長さは、上述した計量可能な試料の量に応じて設定すれば良く、例えば、2mm〜200mm程度とするのが好ましい。一方、サブ流路12(流路15)は、その形成材料に応じて、内径を管状部材14の内径よりも大きくするなどして形成する。
【0047】
また、メイン流路11における試料保持機能を、サブ流路12における試料保持機能よりも高くするためには、サブ流路12(流路15)は、下記のように分岐しているのが好ましい。具体的には、サブ流路12(流路15)は、流体がメイン流路11からサブ流路12へと流れ込むときに、例えば、流体の流れ方向が5度〜175度の範囲で、好ましくは45度〜135度の範囲で、特に好ましくは60度〜100度の範囲で変わるように、メイン流路11から分岐しているのが好ましい。更に、最も好ましくは、サブ流路12(流路15)は、流体がメイン流路11からサブ流路12へと流れ込むときに、流体の流れ方向が90度程度変わるように分岐しているのが好ましい。
【0048】
一方、サブ流路13(流路16)は、後述する液27における圧力損失の発生を抑制する点から、流体がサブ流路13からメイン流路11へと流れ込むときに、メイン流路11へと流れ込む前と流れ込んだ後とで、流体の流れ方向が変化しないように、メイン流路11から分岐しているのが好ましい。
【0049】
また、本実施の形態では、サブ流路12は、メイン流路11に隣接している位置、具体的には流路15において、U形状の部分15aを有している。U形状の部分15aは、流体の方向が鉛直方向からその逆方向となるように(又は鉛直方向の逆方向から鉛直方向となるように)形成されている。このため、試料を吸引する際に(後述の図4参照)、第1ポンプ34の吸引力に加えて、重力を利用することができるため、第1ポンプ34における負担を軽減することができる。
【0050】
同様に、本実施の形態では、サブ流路13も、メイン流路11に隣接している位置、具体的には流路16において、U形状の部分16aを有している。また、U形状の部分16aも、U形状の部分15aと同様に、流体の方向が鉛直方向からその逆方向となるように(又は鉛直方向の逆方向から鉛直方向となるように)形成されている。このため、後述する液27が、メイン流路11に到達し、誤って外部に排出される、事態の発生が抑制されている(後述の図3参照)。
【0051】
また、本実施の形態では、サブ流路12は、流路15に加え、チューブ21aと、チューブ21bと、チューブ23とを備えている。サブ流路13は、流路16に加え、チューブ22aと、チューブ22bと、チューブ23とを備えている。このうち、チューブ23は、サブ流路12及びサブ流路13の両方として機能し、第1ポンプ34に接続されている。
【0052】
また、サブ流路12において、チューブ21aは、流路15の一端と第1バルブ31とを接続している。チューブ21bは、第1バルブ31とチューブ23とを接続する。このように、サブ流路12は、第1バルブ31を経由して、メイン流路11と第1ポンプ34とを結ぶ流路となっている。
【0053】
更に、サブ流路13において、チューブ22aは、流路16の一端と第2バルブ32とを接続している。チューブ22bは、第2バルブ32とチューブ23とを接続する。このように、サブ流路13は、第2バルブ32を経由して、メイン流路11と第1ポンプ34とを結ぶ流路となっている。
【0054】
また、図1に示すように、本実施の形態では、計量装置50は、更に、サブ流路24と、液27を貯留する容器26と、第3バルブ33と、第2ポンプ35と、制御部40とを備えている。サブ流路24は、サブ流路13における、第2バルブ32が設けられた位置よりもメイン流路11側で、サブ流路13から分岐している。また、サブ流路24には、第3バルブ33が設けられている。なお、図1、及び後述する図3〜図6において、第3バルブ33は「V3」と表示し、第2ポンプは「P2」と表示する。
【0055】
具体的には、サブ流路24は、チューブ25aと、チューブ25bと、チューブ25cとを備えている。チューブ25aは、サブ流路13を構成するチューブ22aから分岐し、第3バルブ33に接続される。また、チューブ25bは、第3バルブ33と容器26とを接続している。チューブ25cは、容器26と第2ポンプ35とを接続している。
【0056】
このように、サブ流路24は、第3バルブ33及び容器26を経由して、サブ流路13と第2ポンプ35とを結ぶ流路となっている。また、第2ポンプ35は、容器26に貯留されている液27を、サブ流路24へと送り出す、送液ユニットとして機能する。よって、第2ポンプ35を吐出動作させると、容器26に貯留されている液27は、サブ流路24及びサブ流路13へと送り出される。
【0057】
また、本実施の形態において、液27としては、試料を希釈するための希釈液が挙げられるが、特に限定されるものではない。例えば、試料が、血液であるならば、液27としては、生理食塩水が挙げられる。
【0058】
制御部40は、第1バルブ31、第2バルブ32、及び第3バルブ33の開閉動作と、第1ポンプ34及び第2ポンプ35の動作とを制御する。計量装置50においては、制御部40が、これらの動作を制御することにより、計量、特には定量が実行される。
【0059】
次に、制御部40による制御について、図2〜図6を用いて説明する。図2は、図1に示す計量装置の動作を示すフロー図である。図3は、図2に示すステップS1及びS2を実行中の計量装置を示す図である。図4は、図2に示すステップS3及びS4を実行中の計量装置を示す図である。図5は、図2に示すステップS5及びS6を実行中の計量装置を示す図である。図6は、図5に示した状態から更にステップS5及びS6の実行が進んだときの計量装置を示す図である。以下の説明においては、適宜図1を参酌する。
【0060】
また、本実施の形態では、制御部40による制御が実行されることにより、計量装置50を用いた計量方法が実施される。よって、本実施の形態における計量方法の説明は、以下の形成装置50の動作説明に代える。
【0061】
図2に示すように、先ず、制御部40は、第1バルブ31及び第2バルブ32に閉動作を指示し、第3バルブ33に開動作を指示する(ステップS1)。続いて、制御部40は、第2ポンプ35に吐出動作を指示する(ステップS2)。
【0062】
ステップS1及びS2の実行により、図3に示すように、容器26に貯留されている液27は、サブ流路24及びサブ流路13へと押し出される。ステップS2は、液27が、サブ流路13内及びサブ流路24内に充填されるまで行われる。なお、本実施の形態では、液27の送液は第2ポンプ35によって行われるが、これに限定されず、重力、又は人手によって送液が行われていても良い。この場合は、制御部40は、第3バルブ33の動作のみを制御する。
【0063】
次に、ステップS2の実行後、制御部40は、サブ流路24及びサブ流路13に液27が充填された状態で、第2バルブを閉動作させたまま、ステップS1で開動作させた第3バルブ33に閉動作を指示し、第1バルブ31に開動作を指示する(ステップS3)。続いて、制御部40は、第1ポンプ34に吸引動作を指示する(ステップS4)。
【0064】
ステップS3及びS4の実行により、図4に示すように、メイン流路11の開口11aを介して、試料36が吸引される。このとき、第2バルブ32及び第3バルブ33が閉じられているため、試料36は、メイン流路11からサブ流路12へと流れ込む。ステップS4は、試料36が、メイン流路11の内部と、サブ流路12を構成する流路15の内部とに充填されるまで行われる。
【0065】
次に、ステップS4の実行後、制御部40は、サブ流路24及びサブ流路13に液27が充填され、メイン流路11及び流路15に試料36が充填された状態で、第3のバルブを閉動作させたまま、第1のバルブに閉動作を指示し、第2のバルブに開動作を指示する(ステップS5)。続いて、制御部40は、第1ポンプ34に吐出動作を指示する(ステップS6)。
【0066】
ステップS6を実行すると、サブ流路13の内部に、第1ポンプ34から空気が送り込まれる。そして、第1バルブ31及び第3バルブ33は閉じられているため、チューブ22aにある液27と流路16にある液27とは、送り込まれた空気に押されて、メイン流路11へと向かう。
【0067】
このとき、図5に示すように、メイン流路11及び流路15に充填された試料36には、先ず、液切れが発生し、メイン流路11に充填されている試料と、流路15に充填されている試料36とは、流路15のメイン流路11から分岐している部分で分断される。図5において、破線で囲んだ部分Dは液切れを示している。
【0068】
また、本実施の形態において、液切れは、メイン流路11と流路15との境界部分において正確に発生する。これは、上述したように、メイン流路11における試料保持機能が、サブ流路12における試料保持機能よりも高いためである。具体的には、メイン流路11の内壁面及び流路15の内壁面、それぞれでは、各々の試料保持機能により、第1ポンプ34からの圧力に拮抗する力が発生する。そして、メイン流路11と流路15との試料保持機能の違いにより、メイン流路11の内壁面で発生している力は、流路15の内壁面で発生している力よりも、強くなるからである。
【0069】
よって、メイン流路11に残る試料36の量は、常に正確に一定となり、正確な定量が行われたこととなる。その後、図6に示すように、メイン流路11に充填されている試料のみが、即ち、定量された試料36のみが、液27のメイン流路11への進行によって押し出され、外部へと吐出される。また、このとき、液27も一緒に外部へと吐出させれば、メイン流路11の洗浄も完了する。
【0070】
なお、図6において、液27と試料36との間には、空気層が存在しているが、本実施の形態においては、液切れの発生によって計量が行われるため、空気層の体積変化による誤差の発生は抑制される。
【0071】
また、本実施の形態におけるプログラムは、コンピュータに、図2に示すステップS1〜S6を実行させるプログラムであれば良い。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)を制御部40として機能させることができる。
【0072】
以上のように、本実施の形態における計量装置50では、試料を正確に定量することができる。即ち、本実施の形態では、試料の計量精度を規定する要因から、ポンプにおける吐出精度及び吸引精度を排除することができる。このため、本実施の形態によれば、ポンプにおけるコストの増大化を抑制しつつ、計量精度を向上させることができる。
【0073】
本実施の形態において、第1バルブ31、第2バルブ32、及び第3バルブ33は、コンピュータ等の制御装置から出力信号に応じて、開動作又は閉動作を実行可能な構成を備えたバルブであれば良い。具体的には、弁駆動用の電動機が取り付けられた電動弁、磁力を用いて弁を開閉させる電磁弁等が挙げられる。また、第1ポンプ34は、吐出動作及び吸引動作の動作切り替えが可能なポンプであっても良いし、サブ流路12に接続されたポンプとサブ流路13に接続されたポンプとで構成されていても良い。第2ポンプ34は、吐出動作のみしか実行できないポンプであっても良い。
【実施例】
【0074】
図7及び図8を用いて本発明における実施例を説明する。図7は、実施例における計量装置を構成する計量器具を示す図であり、図7(a)は上面図、図7(b)及び(c)は側面図、図7(d)は底面図である。なお、図7(b)は、図7(a)のX方向から見た側面図であり、図7(c)は、図7(a)のY方向から見た側面図である。
【0075】
図8は、実施例における計量装置を構成する計量器具の断面を示す断面図であり、図8(a)は切断線A−A’に沿って得られた断面を示し、図8(b)は切断線B−B’に沿って得られ断面を示し、図8(c)は切断線C−C’に沿って得られた断面を示す。
【0076】
本実施例では、図7及び図8に示す計量器具10を実際に作成した。図7(a)〜(d)、図8(a)〜(c)に示すように、計量器具10は、ブロック状の本体部材17を備えている。また、本実施例における計量器具10は、血液を試料としており、本体部材17は、ポリエーテルイミドによって形成されている。
【0077】
図7(d)及び図8(b)に示すように、本体部材17には、底面の中心から内部に向けて、孔14aが形成されている。また、孔14aは、メイン流路11(図1参照)となる管状部材14が挿入可能となるように形成されている。管状部材14としては、ステンレス製のパイプが用いられている。
【0078】
また、図7(a)及び図8(a)に示すように、本体部材17には、上面から底面に向けて、流路16の一部となる孔16cが設けられている。孔16cは、チューブ22a(図1参照)との接続に用いられるパイプ43が挿入可能となるように形成されている。更に、図7(c)、図7(d)、及び図8(a)に示すように、本体部材17のY方向から見た側面(側面Y)には、流路16の一部を構成するU形状の部分16aが形成されている。具体的には、U形状の部分16aは、U形状の溝が設けられた側面Yを、プレート42によって被覆することによって形成されている。
【0079】
更に、図7(c)及び図8(a)に示すように、U形状の部分16aは、一方の端部において、側面の法線方向に沿って設けられた孔16dによって、孔16cと連通している。また、図7(c)及び図8(b)に示すように、U形状の部分16aは、他方の端部において、側面の法線方向に沿って設けられた孔16bによって、孔14aと連通している。このように、本実施例1において、サブ流路13の一部を構成する流路16(図1参照)は、パイプ43、孔16c、孔16d、U形状の部分16a(溝)、孔16b、及び孔14aによって構成されている。
【0080】
また、図7(a)及び図8(c)に示すように、本体部材17には、上面から底面に向けて、流路15の一部となる孔15cが設けられている。孔15cは、チューブ21a(図1参照)との接続に用いられるパイプ44が挿入可能となるように形成されている。更に、図7(b)、図7(d)、及び図8(c)に示すように、本体部材17のX方向から見た側面(側面X)には、流路15の一部を構成するU形状の部分15aが形成されている。具体的には、U形状の部分15aは、U形状の溝が設けられた側面Xを、プレート41によって被覆することによって形成されている。
【0081】
更に、図7(b)及び図8(c)に示すように、U形状の部分15aは、一方の端部において、側面の法線方向に沿って設けられた孔15dによって、孔15cと連通している。また、図7(b)及び図8(b)に示すように、U形状の部分15aは、他方の端部において、側面の法線方向に沿って設けられた孔15bによって、孔14aと連通している。このように、本実施例1において、サブ流路12の一部を構成する流路15(図1参照)は、パイプ44、孔15c、孔15d、U形状の部分15a(溝)、孔15b、及び孔14aによって構成されている。
【0082】
また、本実施例1において、例えば、管状部材14の内径は、0.5mmに設定され、パイプ43及びパイプ44の内径は、共に0.5mmに設定される。更に、例えば、孔15b、孔15c(パイプ44の挿入部分を除く)、孔15d、孔16b、孔16c(パイプ43の挿入部分を除く)、孔16d、それぞれの直径も、0.5mmに設定される。U形状の部分15a及び16aを構成する溝の幅及び深さは、それぞれ、0.5mmと0.5mmとに設定される。
【0083】
本実施例では、メイン流路を形成する管状部材14と、サブ流路12を形成する流路15とにおいては、それぞれの断面積は、実質的に同一である。但し、上述したように、両者の形成材料は異なっており、形成材料の違いによって、管状部材14の試料保持機能はサブ流路12の試料保持機能よりも高くなっている。
【0084】
そして、このようにして作製した計量器具10に、第1〜第3バルブ、第1〜第2ポンプ、各種チューブ、容器、更に、制御部として機能するコンピュータを取り付けると、本実施例における計量装置50を得ることができる。また、第1〜第3バルブとしては、電磁バルブ(LHDA__31115H;LEE Company製)を用いることができる。更に、第1〜第2ポンプとしては、例えば、シリンジポンプ、チューブポンプ、ロータリーポンプなどを用いることができる。
【0085】
得られた本実施例における計量装置50を用い、実際に、図2に示したステップに沿って、血液の定量を行った。8回の定量を行ったことところ、最大値は、5.758μL、最小値は、5.629μL、平均値は5.703μLであった。また、測定値のばらつきは、0.8%以下であった。このことから、本実施例によれば、ポンプにおけるコスト(装置コスト)をかけることなく、精度の高い定量が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
以上のように、本発明によれば、装置コストの増大化を抑制しつつ、計量精度の向上化を図ることができる。本発明は、微量な試料を計量する計量装置に有用である。
【符号の説明】
【0087】
10 計量器具
11 メイン流路
12 サブ流路
13 サブ流路
14 管状部材
14a 孔
15 流路
15a U形状の部分
15b、15c、15d 孔
16 流路
16a U形状の部分
16b、16c、16d 孔
17 本体部材
21a、21b チューブ
22a、22b チューブ
23 チューブ
24 サブ流路
25a、25b チューブ
26 容器
27 希釈液
31 第1バルブ
32 第2バルブ
33 第3バルブ
34 第1ポンプ
35 第2ポンプ
36 試料
40 制御部
41、42 プレート
43、44 パイプ
50 計量装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メイン流路と、第1のサブ流路と、第2のサブ流路とを備え、
前記第1のサブ流路及び前記第2のサブ流路は、前記メイン流路の一端から分岐し、
前記メイン流路は、その他端に、試料の吸引口及び吐出口のいずれか又は両方として機能する開口を備え、且つ、前記第2のサブ流路側から加圧が行われたときに前記メイン流路の内部に充填された前記試料を保持する機能が、前記第1のサブ流路における、前記第2のサブ流路側から加圧が行われたときに前記第1のサブ流路の内部に充填された前記試料を保持する機能よりも高くなるように、形成されている、ことを特徴とする計量装置。
【請求項2】
前記メイン流路が、前記メイン流路及び前記第1のサブ流路に前記試料が充填された状態で、前記第2のサブ流路側から加圧が行われた場合に、前記第1のサブ流路に充填されている前記試料が、前記メイン流路に充填されている前記試料よりも早期に移動を開始するように、形成されている、請求項1に記載の計量装置。
【請求項3】
前記第1のサブ流路に設けられた第1のバルブと、
前記第1のサブ流路を介して、前記メイン流路の内部に対して吸引を行う吸引ユニットと、
前記第2のサブ流路を介して、前記メイン流路の内部に対して加圧を行う加圧ユニットと、
前記第1のバルブの開閉動作、前記吸引ユニットによる吸引動作、及び前記加圧ユニットによる加圧動作を制御する制御部と、を更に備え、
前記制御部は、
先ず、前記第1のバルブを開動作させ、前記試料が、前記メイン流路内及び前記第1のサブ流路内に充填されるまで、前記吸引ユニットに吸引動作を行わせ、
次に、前記試料が前記メイン流路内及び前記第1のサブ流路内に充填された状態で、前記第1のバルブを閉動作させ、
その後、前記加圧ユニットに加圧動作を行わせて、前記第1のサブ流路に充填された試料と前記メイン流路に充填された試料とを、前記第1のサブ流路の前記メイン流路から分岐している部分で分断し、分断された、前記メイン流路に充填された試料を、前記メイン流路の前記開口から、外部に吐出させる、請求項1または2に記載の計量装置。
【請求項4】
更に、前記第2のサブ流路に設けられた第2のバルブを備え、
前記制御部が、前記吸引ユニットに吸引動作を行わせる際に、前記第2のバルブを閉動作させ、前記加圧ユニットに加圧動作を行わせる際に、前記第2のバルブを開動作させる、請求項3に記載の計量装置。
【請求項5】
前記第1のサブ流路及び第2のサブ流路に接続されたポンプが、それぞれ、前記吸引ユニット及び前記加圧ユニットとして機能している、請求項3または4に記載の計量装置。
【請求項6】
前記第2のサブ流路から分岐する、第3のサブ流路と、
前記第3のサブ流路に接続され、且つ、液を貯留する容器と、
を更に備えている、請求項1または請求項2に記載の計量装置。
【請求項7】
前記第1のサブ流路に設けられた第1のバルブと、
前記第2のサブ流路に設けられた第2のバルブと、
前記第3のサブ流路に設けられた第3のバルブと、
前記第1のサブ流路を介して、前記メイン流路の内部に対して吸引を行う吸引ユニットと、
前記第2のサブ流路を介して、前記メイン流路の内部に対して加圧を行う加圧ユニットと、
前記第1〜第3のバルブの開閉動作、前記吸引ユニットによる吸引動作、及び前記加圧ユニットによる加圧動作を制御する制御部と、を更に備え、
前記第3のサブ流路が、前記第2のサブ流路における、前記第2のバルブが設けられた位置よりも前記メイン流路側から分岐し、
前記制御部は、
先ず、前記第1のバルブ及び前記第2のバルブを閉動作させた状態で、前記容器に貯留されている前記液が前記第2のサブ流路内に充填されるまで、前記第3のバルブを開動作させ、
次に、前記第3のバルブを閉動作させた後、前記第2のサブ流路内に前記液が充填された状態で、前記第1のバルブを開動作させ、前記試料が、前記メイン流路内及び前記第1のサブ流路内に充填されるまで、前記吸引ユニットに吸引動作を行わせ、
次に、前記第1のバルブを閉動作させた後、前記第2のサブ流路内に前記液が充填され、且つ前記第1のサブ流路内及び前記メイン流路に前記試料が充填された状態で、前記第2のバルブを開動作させ、
その後、前記加圧ユニットに加圧動作を行わせて、前記第2のサブ流路内に充填されている前記液を前記メイン流路側へ押し進め、前記液の押し進めによって、前記第1のサブ流路に充填された試料と前記メイン流路に充填された試料とを、前記第1のサブ流路の前記メイン流路から分岐している部分で分断し、分断された、前記メイン流路に充填された試料を、前記メイン流路の前記開口から、外部に吐出させる、請求項6に記載の計量装置。
【請求項8】
前記容器に貯留されている前記液を前記第3のサブ流路へと送り出す、送液ユニットを、更に備え、
前記制御部が、前記第3のバルブを開動作させる際に、前記送液ユニットを動作させて、前記液を前記第2のサブ流路内に充填させる、請求項7に記載の計量装置。
【請求項9】
前記第1のサブ流路及び第2のサブ流路に接続されたポンプが、前記吸引ユニット及び前記加圧ユニットとして機能している、請求項7または8に記載の計量装置。
【請求項10】
前記第1のサブ流路は、流体が前記メイン流路から前記第1のサブ流路へと流れ込むときに、流体の流れ方向が5度〜175度の範囲で変わるように、前記メイン流路から分岐し、
前記第2のサブ流路は、流体が前記第2のサブ流路から前記メイン流路へと流れ込むときに、流体の流れ方向が、前記流体が前記メイン流路へと流れ込む前と流れ込んだ後とで、変化しないように、前記メイン流路から分岐している、
請求項1〜9のいずれかに記載の計量装置。
【請求項11】
前記第1のサブ流路が、前記メイン流路に隣接している位置に、U形状の部分を有している、請求項1〜10のいずれかに記載の計量装置。
【請求項12】
前記第2のサブ流路が、前記メイン流路に隣接している位置に、U形状の部分を有している、請求項1〜11のいずれかに記載の計量装置。
【請求項13】
前記第1のサブ流路及び前記第2のサブ流路が、ブロック状の部材の内部に設けられた孔及び前記ブロック状の部材の表面に設けられた溝のいずれか又は両方によって形成され、
前記メイン流路が、前記ブロック状の部材に取り付けられた管状部材によって形成されている、請求項1〜12のいずれかに記載の計量装置。
【請求項14】
メイン流路と、第1のサブ流路と、第2のサブ流路と、前記第1のサブ流路に設けられた第1のバルブと、前記第1のサブ流路を介して、前記メイン流路の内部に対して吸引を行う吸引ユニットと、前記第2のサブ流路を介して、前記メイン流路の内部に対して加圧を行う加圧ユニットとを備え、
前記第1のサブ流路及び前記第2のサブ流路は、前記メイン流路の一端から分岐し、
前記メイン流路は、その他端に、試料の吸引口及び吐出口のいずれか又は両方として機能する開口を備え、且つ、前記第2のサブ流路側から加圧が行われたときに、前記メイン流路の内部に充填された前記試料を保持する機能が、前記第1のサブ流路における、前記第2のサブ流路側から加圧が行われたときに前記第1のサブ流路の内部に充填された前記試料を保持する機能よりも高くなるように、形成されている、計量装置を用いた、計量方法であって、
(a)前記第1のバルブを開動作させ、前記試料が、前記メイン流路内及び前記第1のサブ流路内に充填されるまで、前記吸引ユニットに吸引動作を行わせる、ステップと、
(b)前記試料が前記メイン流路内及び前記第1のサブ流路内に充填された状態で、前記第1のバルブを閉動作させる、ステップと、
(c)前記(b)のステップの実行後、前記加圧ユニットに加圧動作を行わせて、前記第1のサブ流路に充填された試料と前記メイン流路に充填された試料とを、前記第1のサブ流路の前記メイン流路から分岐している部分で分断し、分断された、前記メイン流路に充填された試料を、前記メイン流路の前記開口から、外部に吐出させる、ステップと、
を有することを特徴とする計量方法。
【請求項15】
前記計量装置が、前記第2のサブ流路から分岐する第3のサブ流路と、前記第3のサブ流路に接続され、且つ、液を貯留する容器と、前記第2のサブ流路に設けられた第2のバルブと、前記第3のサブ流路に設けられた第3のバルブとを更に備え、
前記第3のサブ流路が、前記第2のサブ流路における、前記第2のバルブが設けられた位置よりも前記メイン流路側から分岐し、
当該計量方法が、(d)前記(a)のステップの実行前に、前記第1のバルブ及び前記第2のバルブを閉動作させた状態で、前記容器に貯留されている前記液が前記第2のサブ流路内に充填されるまで、前記第3のバルブを開動作させる、ステップを更に有し、
前記(a)のステップにおいて、前記第3のバルブを閉動作させた後、前記第2のサブ流路内に前記液が充填された状態で、前記第1のバルブを開動作させ、前記試料が、前記メイン流路内及び前記第1のサブ流路内に充填されるまで、前記吸引ユニットに吸引動作を行わせ、
前記(c)のステップにおいて、前記第2のサブ流路内に前記液が充填され、且つ前記第1のサブ流路内及び前記メイン流路に前記試料が充填された状態で、前記第2のバルブを開動作させ、その後、前記加圧ユニットに加圧動作を行わせて、前記第2のサブ流路内に充填されている前記液を前記メイン流路側へ押し進め、前記液の押し進め出しによって、前記第1のサブ流路に充填された試料と前記メイン流路に充填された試料とを、前記第1のサブ流路の前記メイン流路から分岐している部分で分断し、分断された、前記メイン流路に充填された試料を、前記メイン流路の前記開口から、外部に吐出させる、請求項14に記載の計量方法。
【請求項16】
前記計量装置が、前記容器に貯留されている前記液を前記第3のサブ流路へと送り出す、送液ユニットを、更に備え、
前記(d)のステップにおいて、前記第3のバルブを開動作させる際に、前記送液ユニットを動作させて、前記液を前記第2のサブ流路内に充填させる、請求項15に記載の計量方法。
【請求項17】
メイン流路と、第1のサブ流路と、第2のサブ流路と、前記第1のサブ流路に設けられた第1のバルブと、前記第1のサブ流路を介して、前記メイン流路の内部に対して吸引を行う吸引ユニットと、前記第2のサブ流路を介して、前記メイン流路の内部に対して加圧を行う加圧ユニットとを備え、
前記第1のサブ流路及び前記第2のサブ流路は、前記メイン流路の一端から分岐し、
前記メイン流路は、その他端に、試料の吸引口及び吐出口のいずれか又は両方として機能する開口を備え、且つ、前記第2のサブ流路側から加圧が行われたときに、前記メイン流路の内部に充填された前記試料を保持する機能が、前記第1のサブ流路における、前記第2のサブ流路側から加圧が行われたときに前記第1のサブ流路の内部に充填された前記試料を保持する機能よりも高くなるように、形成されている、計量装置を、コンピュータによって制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータに、
(a)前記第1のバルブを開動作させ、前記試料が、前記メイン流路内及び前記第1のサブ流路内に充填されるまで、前記吸引ユニットに吸引動作を行わせる、ステップと、
(b)前記試料が前記メイン流路内及び前記第1のサブ流路内に充填された状態で、前記第1のバルブを閉動作させる、ステップと、
(c)前記(b)のステップの実行後、前記加圧ユニットに加圧動作を行わせて、前記第1のサブ流路に充填された試料と前記メイン流路に充填された試料とを、前記第1のサブ流路の前記メイン流路から分岐している部分で分断し、分断された、前記メイン流路に充填された試料を、前記メイン流路の前記開口から、外部に吐出させる、ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項18】
前記計量装置が、前記第2のサブ流路から分岐する第3のサブ流路と、前記第3のサブ流路に接続され、且つ、液を貯留する容器と、前記第2のサブ流路に設けられた第2のバルブと、前記第3のサブ流路に設けられた第3のバルブとを更に備え、
前記第3のサブ流路が、前記第2のサブ流路における、前記第2のバルブが設けられた位置よりも前記メイン流路側から分岐し、
当該プログラムが、更に、前記コンピュータに(d)前記(a)のステップの実行前に、前記第1のバルブ及び前記第2のバルブを閉動作させた状態で、前記容器に貯留されている前記液が前記第2のサブ流路内に充填されるまで、前記第3のバルブを開動作させる、ステップを実行させ、
前記(a)のステップにおいて、前記第3のバルブを閉動作させた後、前記第2のサブ流路内に前記液が充填された状態で、前記第1のバルブを開動作させ、前記試料が、前記メイン流路内及び前記第1のサブ流路内に充填されるまで、前記吸引ユニットに吸引動作を行わせ、
前記(c)のステップにおいて、前記第2のサブ流路内に前記液が充填され、且つ前記第1のサブ流路内及び前記メイン流路に前記試料が充填された状態で、前記第2のバルブを開動作させ、その後、前記加圧ユニットに加圧動作を行わせて、前記第2のサブ流路内に充填されている前記液を前記メイン流路側へ押し進め、前記液の押し進めによって、前記第1のサブ流路に充填された試料と前記メイン流路に充填された試料とを、前記第1のサブ流路の前記メイン流路から分岐している部分で分断し、分断された、前記メイン流路に充填された試料を、前記メイン流路の前記開口から、外部に吐出させる、請求項17に記載のプログラム。
【請求項19】
前記計量装置が、前記容器に貯留されている前記液を前記第3のサブ流路へと送り出す、送液ユニットを、更に備え、
前記(d)のステップにおいて、前記第3のバルブを開動作させる際に、前記送液ユニットを動作させて、前記液を前記第2のサブ流路内に充填させる、請求項18に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−88254(P2012−88254A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−236972(P2010−236972)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【出願人】(000141897)アークレイ株式会社 (288)
【Fターム(参考)】