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計量装置
説明

計量装置

【課題】 回転駆動源の回転速度を所定の回転速度に変換する速度変換機構における速度比が端数を含んでいる場合でも、速度変換機構後の回転軸の位置ずれを防止して動作不良等の発生を回避することが可能な組合せ計量装置を提供する。
【解決手段】 計量装置10は、計量部13、ストック部14、排出部15等を連続して回転駆動しながら計量、ストック、排出の各工程を行う計量装置であって、回転駆動力を付与するサーボモータM1が一方向に連続して回転しており、サーボモータM1には減速装置55が取り付けられている。計量装置10は、サーボモータM1の回転速度を制御して減速装置55後の回転軸A1〜A3の回転制御を行う位置決め制御部50と、回転軸A1〜A3の制御上認識している位置と実際の位置との位置ずれを補正する補正部51とを備えている。補正部51は、減速装置55の減速比の端数分に相当する位置ずれ(パルス数)を所定の回転数ごとに補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計量部、ストック部、排出部に対して駆動力を与える回転駆動源の回転速度を減速装置等の速度変換機構によって変換するとともに、その回転駆動源の出力軸の位置制御を行う計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、計量した被計量物を組み合わせて所定の重量範囲内とし、下流側に配置された包装機等の後処理装置に対して所定のタイミングで被計量物を排出する計量装置が用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、計量済みの被計量物を容器に入れた状態でストック場所に複数蓄積し、後処理装置における動作タイミングに合わせて選択された被計量物が容器から排出される組合せ計量装置が開示されている。
【0004】
このような組合せ計量装置では、計量部、ストック部等における容器の位置は、各部に対して回転駆動力を付与するサーボモータ(回転駆動源)の回転を読み取ってパルス数に変換するエンコーダからの出力と、サーボモータの回転数を減速する減速比から算出されるパルス数とを比較して位置制御が行われる(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平8−29242号公報(平成8年2月2日公開)
【特許文献2】特開平6−51835号公報(平成6年2月25日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の計量装置では、以下に示すような問題点を有している。
【0006】
すなわち、上記公報に開示された組合せ計量装置では、計量部等が一方向に連続的に駆動されるものではないため、位置制御に関しては位置ずれが生じた場合でもリセットしながら行うことができる。しかし、計量部、ストック部、排出部等を一方向に連続的に回転駆動する計量装置においては、サーボモータの回転が一方向に連続的に回転することになるため、位置ずれが発生してもリセットすることができない。このため、減速比に含まれる端数の部分が、エンコーダから出力される整数のパルス数との間で位置ずれとなって現れる。この結果、運転時間が長くなるにつれて、制御上認識している位置と実際の位置とのずれが大きくなり、各部間における動作において被計量物を入れた容器詰まり等の不具合が発生するおそれがある。
【0007】
本発明の課題は、回転駆動源の回転速度を所定の回転速度に変換する速度変換機構における速度比が端数を含んでいる場合でも、回転駆動源の位置ずれに起因する動作不良等の問題の発生を回避することが可能な計量装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明に係る計量装置は、計量工程を行う計量部と、ストック工程を行うストック部と、排出工程を行う排出部と、回転駆動源と、速度変換機構と、位置決め制御部と、補正部とを備えている。回転駆動源は、計量部、ストック部、排出部を一方向に連続的に回転駆動するための回転駆動力を付与する。速度変換機構は、回転駆動源の回転速度を所望の回転速度に変換する。位置決め制御部は、回転駆動源の位置制御を行う。補正部は、速度変換機構の速度比の端数分に応じて前記速度変換機構後の回転軸における所定回転数ごとに位置ずれを補正する。
【0009】
ここでは、例えば、速度変換機構の速度比(減速装置の減速比)に小数点以下の端数が含まれている場合でも、その端数に応じた所定の回転数ごとにその端数分を吸収するための補正を行う。
【0010】
通常、位置決め制御部が有するエンコーダの出力パルスは整数であるため、各部の回転駆動源の速度を変換する速度変換機構の速度比が小数点以下の端数を含んでいる場合等では、その端数分は回転駆動源による回転駆動が進むにつれて駆動される各部における容器の位置ずれとなって現れる。そして、本発明の計量装置のように、計量部、ストック部、排出部等を一方向に連続的に駆動しながら処理を行う場合には、回転駆動源は一方向に連続して回転し続けるため、往復動作を行う駆動のように位置ずれをリセットすることが困難である。このため、運転時間が長くなるにつれてその端数分に起因して生じる位置決め制御部が認識している容器の位置と実際の装置内における容器の位置と間の位置ずれが大きくなってしまう。この結果、計量装置内における動作不良やクラッシュ等の問題が発生するおそれがある。
【0011】
そこで、本発明の計量装置では、このように回転駆動源が一方向に連続的に回転する計量装置において、速度変換機構の速度比の端数分によって生じる位置ずれを、所定の回転数ごとに吸収するように補正を行う。
【0012】
これにより、運転時間が長くなった場合でも、各工程における容器の位置ずれが大きくなることを防止して、装置内における動作不良等の問題の発生を回避することができる。
【0013】
第2の発明に係る計量装置は、第1の発明に係る計量装置であって、速度変換機構の速度比は、小数点以下の数値を含んでいる。
【0014】
ここでは、回転駆動源の回転速度を変換する速度変換機構の速度比が小数点以下の端数を含んでいる場合には、通常のエンコーダから出力される整数値のパルス数との間で端数が生じ、運転時間が長くなるにつれて位置ずれが大きくなるおそれがある。
【0015】
しかし、本発明の計量装置によれば、この小数点以下の端数に応じて所定の回転数ごとに端数分の位置ずれを吸収するように補正を行う。具体的には、減速比が5.001、モータ1回転あたり100パルスとすると、速度変換機構後の回転軸が10回転した場合には、エンコーダ等の位置決め制御部からの出力(整数)を基準にして補正部におけるパルス数は5001パルスとなり、速度変換機構後の軸が10回転と1パルス分の量だけ回転したものとして計算が行われる。一方、実際の速度変換機構後の回転軸の位置は正確に10回転の位置となっている。このため、この1パルス分の位置ずれを吸収するために、速度変換機構後の回転軸が10回転するごとに1パルス付加したパルス数を位置決め制御部に認識させるように補正を行う。
【0016】
これにより、速度変換機構後の回転軸が10回転するごとに制御上認識している容器の位置を実際の適正な位置に修正することができる。この結果、運転時間が長くなっても容器の位置ずれが生じることなく、運転を継続することができる。
【0017】
第3の発明に係る計量装置は、第1または第2の発明に係る計量装置であって、位置決め制御部は、速度変換機構後の回転軸の回転数を2のべき乗で表される数値として処理を行う。
【0018】
ここでは、速度変換機構後の回転軸の回転数が、2のべき乗で表される数値として処理される。
【0019】
ここで、位置決め制御部が有するCPUでは2のべき乗の形で計算等の処理が行われるため、速度変換機構後の回転軸の回転数をそのままシフト演算等の簡単な演算をするだけで、位置決め制御部における処理を効率よく行うことができる。
【0020】
第4の発明に係る計量装置は、第1から第3の発明のいずれか1つに係る計量装置であって、位置決め制御部は、エンコーダを含んでいる。
【0021】
ここでは、速度変換機構後の回転軸の位置決め制御を行う位置決め制御部が、エンコーダを含んでいる。
【0022】
これにより、エンコーダから出力される整数の位置情報を補正して、制御上で認識されている速度変換機構後の回転軸の位置と実際の速度変換機構後の回転軸の位置とを一致させて、位置ずれを解消することができる。特に、位置決め制御部として絶対値エンコーダを用いた場合には、運転時間が長くなるにつれて蓄積されていく位置ずれをリセットすることができないため、本発明を適用することで位置ずれの問題を解消することができる。
【0023】
第5の発明に係る計量装置は、第1から第4の発明のいずれか1つに係る計量装置であって、速度変換機構は、減速装置である。
【0024】
ここでは、回転駆動源の回転速度を所望の速度に変換する速度変換機構として減速装置を用いている。
【0025】
このため、回転駆動源の回転駆動力を減速させる減速装置の減速比が小数点以下の端数を含む場合でも、所定の回転数ごとに補正部によって端数分を吸収することができるため、位置ずれの発生を防止することができる。
【0026】
第6の発明に係る計量装置は、第1から第5の発明のいずれか1つに係る計量装置であって、回転駆動源は、サーボモータである。
【0027】
ここでは、計量部、ストック部、排出部等を回転駆動する回転駆動源として、サーボモータを用いることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の計量装置によれば、運転時間が長くなった場合でも、各工程における容器の位置ずれが大きくなることを防止して、装置内における動作不良等の問題の発生を回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の一実施形態に係る計量装置について、図1〜図16を用いて説明すれば以下の通りである。
【0030】
[計量装置10全体の構成]
本発明の一実施形態に係る計量装置10は、図1および図2に示すように、主要な構成として、供給部12、計量部13、ストック部14、排出部15、受渡し部16a〜16c、排出シュート17、操作部18、旋回機構19、制御部20および位置決め制御部50(図15参照)を備えている。
【0031】
本発明の一実施形態に係る計量装置10は、上部に開口を有する容器Cに入れられた食品等の被計量物の計量を行い、複数蓄えられた容器Cの中から所望の容器Cを取り出して、容器Cから被計量物を排出させる計量装置である。また、計量装置10は、図1および図2に示すように、主要な構成として、供給部12、計量部13、ストック部14、排出部15、受渡し部16a〜16c、排出シュート17、操作部18および旋回機構19を備えている。
【0032】
容器Cは、上部が開口したコップ状の容器であって外周部につば部分C1を有しており、計量装置10内を循環しながら被計量物を供給位置から排出位置まで搬送する。また、容器Cは、計量部13、ストック部14、排出部15において常に移動させられながら計量装置10内を循環している。このため、本実施形態の計量装置10では、移動中の容器Cに対して被計量物の供給、計量、ストック、排出という各工程が行われる。また、容器Cは、金属製または一部が金属製の部材であって、以下で説明する計量部13、ストック部14、排出部15が有する磁石の磁力によって各部13〜15において保持される。
【0033】
供給部12は、計量装置10によって計量される被計量物を移動中の容器C内へ投入する。
【0034】
計量部13は、複数の計量器25a〜25e(図5参照)を有しており、被計量物が入れられてない空の容器Cおよび被計量物が入れられた容器Cの計量を行う。
【0035】
ストック部14は、被計量物が入れられた複数の容器Cを蓄える。
【0036】
排出部15は、ストック部14において立体的に蓄えられている複数の容器Cの中から取り出された所望の容器Cを、供給部12の方向へ移動させながら反転させる。これにより、容器Cに入れられている被計量物を所望の場所に排出することができる。
【0037】
受渡し部16a〜16cは、計量部13とストック部14との間、ストック部14と排出部15との間、排出部15と計量部13との間に設けられており、各部間で容器Cの受け渡しを行う。
【0038】
排出シュート17は、上部と下部とが開口した漏斗形状の部材であって、下部開口17aを有しており、排出部15の近傍に配置されている。また、排出シュート17は、排出部15において反転させた容器Cから排出される被計量物を下部開口17aから排出する。
【0039】
操作部18は、ユーザによって運転速度等の設定値が入力され、運転等に関する各種情報を表示する。
【0040】
制御部20は、図1に示すように、操作部18の内部に格納されており、供給部12、計量部13、ストック部14、排出部15等の各部における動作を制御するとともに、計量部13において計量された被計量物を組み合わせて所定の重量の範囲内に収まるように組合せ計量に関する制御を行う。
【0041】
位置決め制御部50は、計量部13、ストック部14、排出部15、受渡し部16a〜16cに対して回転駆動力を与えるサーボモータ(回転駆動源)M1の回転制御を行うとともに、サーボモータM1から回転軸A1〜A3への減速装置55(ギア、タイミングプーリ、タイミングベルトを含む)(図11および図15参照)の減速比の端数分に相当する位置ずれの補正を行う。なお、位置決め制御部50における位置ずれ補正制御については、後段にて詳述する。
【0042】
本実施形態の計量装置10は、上述のように、一方向に連続して容器Cを回転移動させながら各工程における処理を行う構成となっているため、サーボモータM1も一方向に連続回転する。
【0043】
また、以上のような計量部13、ストック部14、排出部15、受渡し部16a〜16cの同期制御については、回転軸A1を旋回機構19からの駆動力が直接伝達される主軸とし、他の回転軸A2〜A4にはギアやプーリを介して駆動力を伝達することで行われる。
【0044】
なお、これらの主要な構成については、後段においてそれぞれ詳しく説明する。
【0045】
また、本実施形態の計量装置10には、容器Cの移動経路に沿って、図2に示すように、供給計量ゾーンR1、容器受渡しゾーンR2、ストックゾーンR3、容器受渡しゾーンR4、排出ゾーンR5および容器受渡しゾーンR6が形成される。そして、容器Cは、この各ゾーンR1からR6の順に移動して計量装置10内を循環している。なお、図2に示す1点鎖線は、循環する容器Cの中心位置の軌跡を示している。
【0046】
供給計量ゾーンR1は、計量部13において、被計量物の容器Cへの供給と容器Cおよび被計量物の計量が行われる部分である。ここでは、まず空の容器Cの計量を行う。そして、その容器Cに対して被計量物を投入するとともに、被計量物が入った容器Cの計量を行う。容器受渡しゾーンR2は、受渡し部16aにおいて計量部13から計量済みの容器Cを受け取って、ストック部14へ引き渡す部分である。ストックゾーンR3は、受渡し部16aから容器Cを受け取って、ストック部14において立体的に蓄える部分である。ここでは、計量済みの複数の容器Cを立体的に蓄えており、ストック部14内でこれらの複数の容器Cを循環させる。容器受渡しゾーンR4は、ストック部14において蓄えられた複数の容器Cの中から制御部20によって選択された容器Cを受け取って、排出部15に対して引き渡す部分である。排出ゾーンR5は、受渡し部16bから受け取った容器Cを旋回させながら反転させて、排出シュート17の下部開口17aを排出目標位置として被計量物を排出する部分である。容器受渡しゾーンR6は、被計量物が排出されて空になった容器Cを排出部15から受け取って、再び計量部13へ引き渡す部分である。
【0047】
本実施形態の計量装置10では、以上のような各ゾーンR1〜R6を経て、容器Cを計量装置10内で循環させている。
【0048】
なお、後段にて説明する「上流側」、「下流側」とは、上述した容器Cの循環方向を基準にした上流側、下流側を示すものとする。
【0049】
[供給部の構成]
供給部12は、図1および図2に示すように、計量部13が旋回させている容器Cに対して被計量物を投入するために計量部13における容器Cの旋回軌道の上部に配置された振動フィーダである。そして、供給部12は、図3に示すように、トラフ21とモータボックス22とを備えており、トラフ21の下に設けられたシュート24に被計量物を投入する。シュート24は、計量部13の上方に配置されており、計量部13と同じ方向に回転している。
【0050】
トラフ21には、容器Cに投入される被計量物が載置される。そして、モータボックス22内の駆動モータが回転することによって、トラフ21を図3に示すX方向へはゆっくり、Y方向へはX方向よりも速く移動させる。これにより、トラフ21上に載置された被計量物をシュート24側へ少しずつ連続して搬送することができる。
【0051】
被計量物は、トラフ21からシュート24に落とされ、シュート24から計量部13が旋回させている容器C内に投入される。つまり、供給部12は、計量部13によって回転軸A1を中心に旋回している容器Cに対して被計量物を投入する。これにより、容器Cを停止させて被計量物を容器Cへ投入する場合と比較して高速化が図れる。
【0052】
シュート24は、上部と下部とが開口したステンレス製の部品であって、トラフ21から投入された被計量物を集めて、計量部13において旋回している容器Cの真上から被計量物を落下させる。
【0053】
[計量部の構成]
計量部13は、容器Cに入れられた被計量物の計量を行う装置であって、図2に示すように、排出部15の下流側で、かつストック部14の上流側に配置されている。また、計量部13は、図4および図5に示すように、5つの計量器25a〜25eと各計量器25a〜25eに対応して設けられたホルダー28を備えている。そして、計量部13は、これらの計量器25a〜25e等を、後述する旋回機構19からの回転駆動力を伝達された回転軸A1を中心に旋回させる。これにより、計量部13は容器Cの搬送部としての機能も有する。なお、回転軸A1を回転させる旋回機構19については後段にて詳述する。
【0054】
計量器25a〜25eは、図4に示すように、円形ボックス26内にロードセル27を有している。そして、ホルダー28によって保持された容器Cの計量を旋回しながら行う。これにより、次工程が行われるストック部14の方へ旋回しながら計量が行われるため、計量からストックまでの工程を高速化できる。また、移動しながらの計量であっても、計量部13とストック部14との間に設けられた受渡し部16aにおける受け渡し位置まで旋回するまでの時間を、計量を行うための時間として充分に確保できる。
【0055】
ホルダー28は、容器Cの底面を下から支える底板とU字型の部材とを有している。そして、容器Cの外周に形成されたつば部分C1に沿ってU字型の部材を被せることで、底板とU字型の部材との間で容器Cを保持する。さらに、ホルダー28の底板には、磁石(永久磁石)が埋め込まれている。このため、この磁石の磁力によって金属製の容器Cを保持することができる。なお、磁石は底板ではなく側壁側に埋め込まれていてもよいし、底板と側壁側の双方に埋め込まれていてもよい。以下に示すホルダー31,35についても同様である。
【0056】
計量は、容器Cと計量器25a〜25eとが相対的に停止している状態で行われる。すなわち、容器Cと計量器25a〜25eとは同じ速度で移動しながら計量が行われる。これにより、容器Cを移動させながらであっても、容器Cの移動を停止させて計量する場合と同様に正確な計量を行うことができる。
【0057】
また、計量部13は、排出部15において被計量物が排出されて空になった容器Cを受渡し部16cから受け取り、空の容器Cを計量しながら供給部12が備えているシュート24の下部開口24aの直下まで移動させる。このように、計量部13では、計量から排出までの工程を終えた容器Cを受け取って、再び計量から排出までの工程に送り込んでいる。このため、容器Cを計量装置10内で循環させることができる。
【0058】
[ストック部の構成]
ストック部14は、計量部13において計量された複数の容器Cを蓄える装置であって、図2に示すように、計量部13の下流側であって排出部15の直上流側に配置されている。このため、ストック部14は、制御部20(図1参照)によって選択された容器Cを即座に排出部15へ引き渡すことができる。また、ストック部14は、図6および図7に示すように、鉛直方向に5つの容器Cを保持することが可能な5つの蓄積部30を備えている。そして、これらの蓄積部30は、回転軸A2を中心に周方向に等間隔で配置されている。
【0059】
蓄積部30は、5つの容器Cを鉛直方向において保持するために、鉛直方向に並ぶ5つのホルダー31を有している。ホルダー31は、計量部13のホルダー28と同様の、容器Cの底面を下から支える底板とU字型の部材とを備えている。そして、ホルダー31においても、底板に埋め込まれた磁石の磁力によって金属製の容器Cを保持する。
【0060】
また、ストック部14は、回転軸A2を中心に蓄積部30を旋回させる。これにより、ストック部14は、計量部13と同様に、容器Cの搬送部としての機能を有する。また、常に容器Cを水平方向で旋回させながら蓄えているため、制御部20によって容器Cの選択が行われると、選択された容器Cを即座にストック部14から受渡し部16bへ引き渡すことができる。
【0061】
さらに、ストック部14は、蓄積部30を鉛直方向に移動させる機構34を有している。
【0062】
機構34は、ねじ溝が形成されている軸32と、軸32の下部に配置され軸32を回転させるモータ(図示せず)と、蓄積部30と軸32とを接続する接続部材33とを備えている。この機構34では、5本の軸32の下部にそれぞれに取り付けられたモータによって軸32を正転反転させることで、この軸32に取り付けられた接続部材33を昇降させる。詳細には、軸32を回転させるモータは、通常、回転軸A2の回転速度と同期するように軸32を常時回転させている。これにより、回転軸A2の周りを回転しながら軸32を相対的に無回転状態とすることができる。ここで、鉛直方向に容器Cを移動させる際には、この常時回転させているモータの回転速度を増減させることで、回転軸A2に対して相対的に軸32を正転させたり反転させたりする。これにより、接続部材33とともに蓄積部30に保持された容器Cを鉛直方向に移動させることができる。
【0063】
また、ストック部14において、鉛直方向に容器Cを移動させる機構34を備えることで、ストック部14において立体的に複数の容器Cを蓄えることができる。さらに、受渡し部16aから水平移動してきた容器Cを鉛直方向に蓄えていき、鉛直方向に蓄えた容器Cを水平方向に移動させて受渡し部16bに引き渡すことで、容器Cの移動方向と容器Cを蓄えていく方向とを交差させることができる。5つの蓄積部30は、運転開始時には図6に示す3F〜7Fの間に位置している。そして、制御部20からの容器Cの選択要求に応じて、5段の容器Cを保持しながら1F〜9Fの間で鉛直方向に移動する。なお、図6に示す1F〜9Fの表示は、容器Cが鉛直方向において位置している階層を示すものである。
【0064】
また、本実施形態の計量装置10では、鉛直方向に5つの容器Cを保持している蓄積部30において、運転開始時の蓄積部30の中央部分に相当する5F部分の高さにおいて容器Cの受け取りと引き渡しとを行う。これにより、どの階層で保持されている容器Cを取り出す場合でも、蓄積部30の鉛直方向の移動距離を、5Fを中心とする上下4階層以内に抑えることができる。
【0065】
また、ストック部14は、容器Cの受け取りと引き渡しとを同じ階層(高さ)で行う。つまり、図6に示すように、受渡し部16aからは5Fの階層で容器Cを受け取り、受渡し部16bに対しては同じく5Fの階層で容器Cを引き渡す。このように、容器Cの受け取りと引き渡しとを同じ高さで行うことにより、容器Cが排出された後、そのまま回転軸A2を中心に蓄積部30を旋回させるだけでその位置に新たな容器Cを追加補充できる。
【0066】
[排出部の構成]
排出部15は、容器Cに入れられた状態で搬送されてきた被計量物を容器Cから排出するための装置である。そして、図2に示すように、ストック部14の下流側であって、計量部13の上流側に配置されている。また、排出部15は、図8および図9に示すように、5つのホルダー35と、5本のシャフト36と、傾斜板37と、回転軸A3と、反転機構38とを備えている。
【0067】
ホルダー35は、容器Cを保持するために、計量部13のホルダー28、ストック部14のホルダー31と同様の、容器Cの底面を下から支える底板とU字型の部材とを備えている。そして、ホルダー35においても、底板に埋め込まれた磁石の磁力によって金属製の容器Cを保持する。また、ホルダー35は、回転軸A3を中心として周方向に等間隔で5つ配置されており、回転軸A3の周りを旋回する。
【0068】
シャフト36は、その上端部にホルダー35がそれぞれに取り付けられており、鉛直方向に伸びる内部が空洞の金属製の円筒である。このシャフト36の内部には、ホルダー35を反転させるための反転機構38を構成するカムやギア等の部品が備えられている。
【0069】
傾斜板37は、図10(a)〜図10(f)に示すように、回転軸A3を中心として並列に旋回している5本のシャフト36の下部にそれぞれ取り付けられた誘導部39を、傾斜板37の傾斜面に沿って持ち上げる。これにより、シャフト36の上端部に取り付けられたホルダー35とともにホルダー35に保持された容器Cを鉛直方向に移動させることができる。
【0070】
反転機構38は、容器Cから被計量物Pを排出するために、シャフト36の内部に設けられた反転機構38のカムやギアを駆動させることで、容器Cを保持しているホルダーを180度回転させる。また、反転機構38は、排出シュート17内の所望の排出位置、すなわち下部開口17aに向かって被計量物Pが排出されるように、制御部20(図1参照)において容器Cを回転させるタイミングが制御される。なお、反転機構38によって開口が下向きになるように反転させられた容器Cは、つば部分C1をホルダー35のU字型の部材で下から支えられることで保持される。
【0071】
回転軸A3は、ホルダー35とともに容器Cを旋回させる。これにより、排出部15は、計量部13およびストック部14と同様に、後述する旋回機構19から回転駆動力が伝達されて、容器Cの搬送部としての機能を有する。そして、回転軸A3は、後述する旋回機構19が備えているサーボモータM1からの回転駆動力により、他の回転軸A1,A2,A4と同期しながら回転する。
【0072】
本実施形態の計量装置10では、排出部15が回転軸A3を中心として容器Cを旋回させながら被計量物Pを容器Cから排出させている。このため、容器C内の被計量物Pは、遠心力が加えられた状態で容器Cから排出される。よって、容器Cから排出された被計量物に遠心力と重力とがかかった状態で、回転軸A3を中心とする旋回軌道の接線方向に配置された排出シュート17の中心部に設けられた下部開口17a付近に被計量物Pを自由落下させることができる。
【0073】
[受渡し部の構成]
受渡し部16a〜16cは、図2に示すように、計量部13とストック部14との間、ストック部14と排出部15との間、排出部15と計量部13との間にそれぞれ配置されている。そして、受渡し部16a〜16cが配置されている高さは、すべて図6に示す5Fの階層に相当する位置である。
【0074】
受渡し部16aは、計量部13とストック部14との間に設けられており、計量済みの容器Cを計量部13から受け取ってストック部14へ引き渡す。受渡し部16bは、ストック部14と排出部15との間に設けられており、制御部20(図1参照)において選択されて、図6の5F位置に移動してきた所望の容器Cをストック部14から受け取って、排出部15へ引き渡す。受渡し部16cは、排出部15と計量部13との間に設けられており、排出部15において被計量物を排出した空の容器Cを排出部15から受け取って計量部13へ引き渡す。このように、受渡し部16a〜16cが計量、ストック、排出等の各工程間における容器Cの受け渡しを行うことで、容器Cを計量装置10内で循環させることができる。
【0075】
ここで、容器Cの受け渡しに用いられる部材として、受渡し部16a〜16cの近傍には、図7に示すように、爪部材45が設けられている。
【0076】
この爪部材45は、各受渡し部16a〜16cの近傍に突き出た爪46を有する部材である。そして、計量部13とストック部14と排出部15との間のほぼ中心部分であって、容器Cの受け取りと引き渡しとが行われる図6に示す5Fの階層に相当する高さ位置に固定配置されている。
【0077】
本実施形態の計量装置10では、例えば、図7に示すストック部14において旋回している複数の容器Cの中から、制御部20によって選択された容器Cを5Fの階層に相当する高さ位置まで鉛直方向に移動させる。取り出す容器Cが移動してきた5Fの階層に相当する高さ位置には、爪部材45の爪46が突き出ている。このため、この爪46がストック部14における旋回軌道から外れるように容器Cを誘導することで、受渡し部16bの方へ取り出す容器Cの移動方向が変化する。これにより、ストック部14における容器Cの保持を解除して、容器Cを受渡し部16bの方向へ誘導することができる。
【0078】
[旋回機構の構成]
本実施形態の計量装置10が備えている旋回機構19は、上述した計量部13、ストック部14、排出部15および受渡し部16a〜16cに対して回転駆動力を与える機構であって、図1に示すように、計量装置10の下部に配置されている。そして、旋回機構19は、図11に示すように、サーボモータM1、伝達部41を備えている。
【0079】
伝達部41は、計量部13を回転させる回転軸A1、ストック部14を回転させる回転軸A2、排出部15を回転させる回転軸A3、受渡し部を回転させる回転軸A4に対して、ギアやプーリ、図示しないベルトを介してサーボモータM1の回転駆動力を伝達する。そして、計量部13、ストック部14、排出部15が同期するように回転軸A1〜A4を回転させる。このように容器Cの受け渡しを行う各部が同期させた状態で回転しているため、隣接する各部が同じ速度で容器Cを旋回させていることになる。このため、各部において保持された容器Cの受け渡しをスムーズに行うことができる。
【0080】
なお、回転軸A4は、上述したように、計量部13、ストック部14、排出部15とは反対方向に回転する受渡し部16a〜16cを回転させる軸である。このため、本実施形態の計量装置10では、回転軸A4については、伝達部41において回転方向を逆回転に変換して回転駆動力を伝達している。
【0081】
[計量装置10による計量〜排出までの動作]
ここで、以上のような構成を備えた計量装置10による処理の流れについて、図12〜図14に示すフローチャートを用いて説明すれば以下の通りである。なお、以下で示すフローチャートに従って行われる各工程は、制御部20(図1参照)によってコントロールされた制御フローである。
【0082】
最初に、計量部13における供給および計量工程について、図12に示すフローチャートを用いて説明する。
【0083】
計量部13では、ステップ(以下、Sと示す)1において、空の容器Cを受渡し部16cから受け取る。そして、S2において、供給部12によって被計量物が供給されるまでに空の容器Cの計量が行われる。続いて、S3において、供給部12が計量部13により旋回させている容器Cに対して順次被計量物を投入する。S4においては、計量部13が、被計量物が入った容器Cの計量を行う。ここで、被計量物が入った容器Cの計量結果から空の容器Cの計量結果を差し引くことで、被計量物の計量を行うことができる。最後に、S5において、計量済みの容器Cを受渡し部16aに引き渡す。
【0084】
なお、計量部13は、計量結果を制御部20に送信する。制御部20は、受信した被計量物の計量結果をROM、RAM等の記憶部に記憶させ、組合せ計量を行うためのデータを蓄積する。
【0085】
次に、ストック部14における容器Cの蓄積工程について、図13に示すフローチャートを用いて説明する。
【0086】
ストック部14では、S11において、受渡し部16aから計量済みの容器Cを蓄積部30のホルダー31で受け取る。続いて、S12において、受け取った容器Cが制御部20によって選択されるまで、蓄積部30に保持された状態でストック部14内において循環(待機)させる。そして、S13において、制御部20から選択要求を受信すると、S14において、選択要求があった容器Cを鉛直方向に移動させる。このとき選択された容器Cは、図6に示すように、受渡し部16bの5Fの階層に相当する高さ位置まで移動させられる。次に、S15において、選択要求があった容器Cを受渡し部16bに引き渡す。ここで、受渡し部16bに引き渡された容器Cは、図14に示すS21へ進む。なお、フローチャートには含まれていないが、ストック部14においては、引き渡された容器Cを保持していた蓄積部30の位置に計量部13から新たな容器Cを追加補充すべく、蓄積部30をそのままの高さ位置で維持したまま、受渡し部16aの位置まで回転軸A2の周りを旋回していく。そして、その位置に受渡し部16aから新たに計量済みの容器Cが追加補充される。
【0087】
本実施形態の計量装置10では、図6に示すように、ストック部14における容器Cの受け取りと引き渡しとを同じ高さ(図6の5F部分)で行っている。このため、容器Cを引き渡してから新たな容器Cを受け取るまでの処理を、そのまま蓄積部30を旋回させるだけでスムーズに行うことができる。また、蓄積部30においては、引き渡した容器Cが保持されていた位置に新たな容器Cが追加補充される。このため、蓄積部30を鉛直方向に移動させることなく容器Cの追加補充を行うことができる。よって、容器Cの移動量を低減して、容器C内に入れられた被計量物に加えられる衝撃等を軽減することができ、被計量物を保護することができる。
【0088】
最後に、排出部15における容器Cから被計量物を排出する工程について、図14に示すフローチャートと図10(a)〜図10(f)を用いて説明する。
【0089】
排出部15では、図10(a)に示すように、S21において、受渡し部16bから選択要求があった容器Cをホルダー35で受け取る。そして、S22において、図10(b)に示すように、容器Cを回転軸A3の周りを旋回移動させながら上昇させ、かつ上昇と同時に容器Cの回転を開始させる。なお、このときの容器Cの平面上での位置は、図9に2点鎖線で示す「容器回転開始」位置である。そして、図10(c)に示すように、上昇とともに容器Cをさらに回転させ、図10(d)に示すように、最高点まで上昇するまでに容器Cを完全に180度回転させ、開口が下向きになるように容器Cをひっくり返す。続いて、S23において、図10(e)に示すように、容器Cが180度反転した後、そのままの状態で容器Cを下降させる。なお、このときの容器Cの平面上での位置は、図9に2点鎖線で示す「容器下向き最終地点」である。ここで、被計量物は容器Cから、排出部15における容器Cの旋回軌道から外れて、この旋回軌道の接線方向に配置された排出シュート17の中央部付近に向かって排出される。このときの容器Cの平面上での位置は、図9に2点鎖線で示す「排出完了」位置である。そして、S24において、図10(f)に示すように、被計量物が排出された容器Cを再度180度回転させて、開口が上向きの状態に戻す。最後に、S25において、この容器Cを受渡し部16cに引き渡す。
【0090】
なお、上述したように、容器Cの旋回移動は、旋回機構19における回転モータM1からの回転駆動力が各回転軸A1〜A4に伝達されることによって行われる。一方、容器Cの上昇および下降、つまり鉛直方向への移動は、シャフト36の下部に取り付けられた誘導部39が傾斜板37に沿って移動することにより行われる。
【0091】
本実施形態の計量装置10では、以上のように、被計量物を容器Cから排出する際に、排出部15が容器Cを鉛直方向に移動させるとともに180度回転させている。これにより、被計量物に対して鉛直方向上向きの慣性力を与えることができる。このため、容器Cに複数の被計量物が入っている場合でも被計量物が容器Cの底で固まりになり、容器Cを回転させてからすぐに被計量物が容器Cから排出されることを防止するとともに、尾引きの発生を防止できる。
【0092】
[位置決め制御部50によるサーボモータM1の制御]
本実施形態の計量装置10では、上述した組合せ計量に関する制御を行う制御部20に加えて、計量部13、ストック部14、排出部15等を回転駆動するサーボモータM1の回転制御、および回転軸A1〜A3の位置ずれ制御を行う位置決め制御部50をさらに備えている。
【0093】
位置決め制御部50は、図15に示すように、カウンタ51a、比較部51bおよびずれ補正部51cを有する補正部51と、サーボモータM1に接続されたエンコーダ52とを備えている。
【0094】
エンコーダ52は、サーボモータM1の回転数をパルス数に変換して、そのパルス数を補正部51に対して出力する絶対位置エンコーダである。
【0095】
カウンタ51aは、エンコーダ52からのパルス数に基づいて位置を算出する。
【0096】
比較部51bは、カウンタ51aにおいて計数された位置を、位置決め制御部50に対して入力された移動指示量と比較する。そして、位置決め制御部50は、この比較部51bにおいて算出された偏差に基づいてサーボモータM1の回転制御を行う。
【0097】
ずれ補正部51cは、サーボモータM1の減速装置(速度変換機構)55の減速比(ギア比、タイミングベルトの減速比)の端数によって生じる制御上の位置と実際の位置との位置ずれを補正する。
【0098】
すなわち、サーボモータM1の回転速度を変換する減速装置55の減速比は、通常、整数では処理できないため、小数点以下の数値を含む端数を含んでいる。このため、回転軸A1〜A3の回転量を示すエンコーダ52からの出力パルス数に相当する移動量と、回転軸A1〜A3の実際の移動量とは、減速比の端数分だけ差がある。また、上述のように、本実施形態の計量装置10では、各部13〜15が一方向に連続して回転駆動されながら容器Cを循環させて処理を行っている。そして、回転軸A1〜A3の移動量をパルス数で計数するエンコーダ52は絶対位置エンコーダであるため、この差によって生じる位置ずれをリセットすることができない。よって、減速比の端数分に相当する移動量の差は、それ自体小さいものであっても、移動量が大きくなるにつれてリセットされることなく大きくなっていくため、位置ずれが顕著になってしまう。この結果、各部12〜15における駆動のタイミングがずれてしまうことになり、例えば、各部13〜15間における容器Cの受け渡し位置や、ストック部14において蓄えられた容器Cの上下方向の位置等にずれが生じ、容器Cの詰まりや取りこぼし等の動作不良が発生する原因となる。
【0099】
そこで、本実施形態では、ずれ補正部51cにおいて、このような減速比の端数分に相当する位置ずれを解消するために、所定の移動量(回転数)ごとに端数分の位置ずれに相当するパルス数分の補正を行う。これにより、移動量が増加して減速比の端数分に伴う位置ずれの度合が大きくなってきても、トラブルが発生する前に所定の移動量ごとに減速比の端数分に相当する移動量の補正(下記式(2)の(回転総数による原点位置の補正)部分参照)を行うことで、容器Cの詰まり等の動作不良の発生を防止することができる。
【0100】
位置ずれ補正は、下記の式(1)および式(2)に基づいて行われる。
【0101】
(回転軸A1〜A3の1回転内の位置)=(絶対位置エンコーダの値)−(移動座標の原点位置) ・・・・・(1)
(移動座標の原点位置)=(1回前の移動座標の原点位置)+(1回前からの回転総数)×(回転軸A1〜A3の1回転の値)+(回転総数による原点位置の補正) ・・・・・(2)
なお、工場出荷時における原点出し直後には、(移動座標の原点位置)=(原点センサによる真の原点位置)となる。
【0102】
ここで、本実施形態の計量装置10では、サーボモータM1から回転軸A1〜A3までの減速比が2(プーリ比)×5000/253(ギア比)=39.52569、モータ1回転あたり2048パルスでの設定となっている。このため、回転軸A1〜A3が10回転すると6パルス分(回転軸A1〜A3の角度で0.027度)のずれが生じる。例えば、回転軸A1〜A3の回転速度を毎分240回転とすると、9.1秒で回転角度が1度ずれていくことになる。
【0103】
そして、この条件下において計量装置10の運転能力を300bpmとすると、回転軸A1〜A3が1°ずれるのに要する時間は、図16に示すような関係となる。例えば、上述のように、各回転軸A1〜A3の出力軸の回転数が10回転するごとに6パルス分の位置ずれを補正し、100回転するごとに1パルス分の位置ずれを補正し、1000回転するごとに6パルス分の位置ずれを補正すればよい。このように、所定の回転数ごとに位置ずれに相当するパルス数を補正することで、図16の右欄に示すように、回転軸A1〜A3が1度ずれるために要する時間を長く確保することができる。この結果、サーボモータM1の減速装置55の減速比に端数分が含まれており、サーボモータM1の回転時間が長くなった場合でも、補正によって位置ずれを吸収して動作不良等の不具合の発生を回避することができる。
【0104】
なお、上記補正を行う間隔である所定の移動量(回転数)は、減速比の端数分の大きさに合わせて設計時に決定されていてもよいし、計量装置10における容器Cの位置ずれによるトラブル発生を防止するために必要な所定の回数として使用者の設定入力によって決定されてもよい。
【0105】
[本計量装置10の特徴]
(1)
本実施形態の計量装置10は、計量部13、ストック部14、排出部15等を連続して回転駆動しながら計量、ストック、排出の各工程を行う計量装置であって、回転駆動力を付与するサーボモータM1が一方向に連続して回転しており、サーボモータM1と回転軸A1〜A3の間には減速装置55が取り付けられている。そして、計量装置10は、図15に示すように、サーボモータM1の回転速度を制御して減速装置55後の回転軸A1〜A3の回転制御を行う位置決め制御部50と、回転軸A1〜A3の制御上認識している位置と実際の位置との位置ずれを補正する補正部51とを備えている。補正部51は、減速装置55の減速比の端数分に相当する位置ずれ(パルス数)を所定の回転数ごとに補正する。
【0106】
通常、計量部等の回転駆動源となるサーボモータの回転制御を行う計量装置では、サーボモータに接続されたエンコーダからパルス数を換算した位置と移動指示量との偏差に基づいてサーボモータM1の回転制御を行う。しかし、サーボモータの減速装置の減速比は小数点以下の端数を含む値であるのに対し、エンコーダの出力は整数であるため、このような回転制御では減速比の端数分に相当する位置ずれが生じる。このような減速比の端数分に相当する位置ずれは、サーボモータが後回転する場合や、リセット可能なエンコーダを用いた場合には解消できるものの、本実施形態の計量装置10にようにサーボモータが一方向に連続して回転し、絶対位置エンコーダによって回転制御を行う構成では、リセット等の処理を行うことができない。このため、サーボモータの移動量(回転数)が大きくなるにつれて、減速比の端数分に相当する位置ずれが大きくなって、容器Cの位置が制御上認識している位置と実際の位置とが大きくずれて動作不良の原因となる。
【0107】
そこで、本実施形態の計量装置10では、図15に示すように、位置決め制御部50内に補正部51を備え、所定の回転数ごとに、減速比の端数分に相当する位置ずれの補正を行う。
【0108】
これにより、動作不良が発生する前に、回転軸A1〜A3の位置、つまり容器Cの位置を制御上認識している適正な位置に補正することができる。よって、容器Cの位置ずれが大きくなることによる、容器C詰まり等の動作不良の発生を防止することができる。
【0109】
(2)
本実施形態の計量装置10では、サーボモータM1の減速装置55の減速比には、小数点以下の端数が含まれている。
【0110】
これにより、サーボモータM1の回転数が大きくなって、小数点以下の端数分に相当する位置ずれが大きくなった場合でも、その位置ずれ分を補正によって吸収することで、動作不良等のトラブルの発生を回避することができる。
【0111】
(3)
本実施形態の計量装置10では、図15に示すように、位置決め制御部50には、サーボモータM1の回転数をパルス数に変換して、そのパルス数を補正部51に対して出力する絶対位置エンコーダ52を含んでいる。
【0112】
これにより、このエンコーダ52が一般的な絶対位置エンコーダと同様に、整数での出力を行う場合でも、減速装置55の減速比との差となる小数点以下の端数分に相当する位置ずれを補正により吸収して、動作不良等の発生を回避することができる。
【0113】
(4)
本実施形態の計量装置10では、サーボモータM1の回転速度を適正な回転速度に切り換える速度変更機構として、減速装置55を用いている。
【0114】
これにより、減速装置55の減速比が小数点以下の端数を含む場合でも、この端数分に相当する位置ずれを吸収して動作不良等の発生を回避することができる。
【0115】
(5)
本実施形態の計量装置10では、計量部13、ストック部14、排出部15および受渡し部16a〜16cに対して回転駆動力を付与する回転駆動源として、サーボモータM1を用いている。
【0116】
これにより、サーボモータM1の減速装置55の減速比の端数を補正により吸収して、動作不良等の発生を回避することができる。
【0117】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0118】
(A)
上記実施形態では、減速比の端数分に相当する位置ずれを補正する際に、サーボモータM1の出力軸の回転数が10回転、100回転、1000回転、・・・するごとに補正を行う例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0119】
上記実施形態では、位置決め制御部50における処理が図示しないCPUを用いて行われることを考慮すれば、例えば、図17に示すように、2のべき乗で表される数値ごと(24ごと)に補正を行ってもよい。この場合には、2のべき乗で処理を行う位置決め制御部50のCPUに対してそのまま数値をシフトするだけでよいため、補正処理をより効率的に行うことが可能になる。
【0120】
(B)
上記実施形態では、サーボモータM1の回転速度を変換する速度変換機構として減速装置55を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0121】
例えば、減速装置の替わりに増速装置を用いてもよい。この場合でも、増速比の端数分に相当する位置ずれを補正することで、上記と同様の効果を得ることができる。
【0122】
(C)
上記実施形態では、位置決め制御部50の中の構成の1つとして補正部51が含まれている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0123】
例えば、位置決め制御部50と補正部51とが別個独立した構成であってもよい。この場合でも、位置決め制御部50が入力される移動指示量に基づいてサーボモータM1の回転制御を行う一方、補正部51によって減速比の端数分に相当する位置ずれを補正して、容器C詰まり等のトラブルの発生を回避することができる。
【0124】
(D)
上記実施形態では、位置ずれ制御としての補正を、所定の移動量(回転数)を基準にして行う例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0125】
例えば、補正を行う間隔を決定する基準として、上記移動量以外にも、所定時間を経過するごとに補正を行うような位置すれ制御を行ってもよい。
【0126】
(E)
上記実施形態では、本発明の適用対象を計量装置10とした例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0127】
例えば、図18に示すように、計量装置10(計量装置10a〜10d)を複数組み合わせて構成される組合せ計量装置60に対して本発明を適用することも可能である。組合せ計量装置60では、各計量装置10a〜10dにおけるストック部14から所望の重量の被計量物がほぼ同時に排出シュート17に対して排出されることで、組合せ計量を効率よく実施することができる。
【0128】
(F)
上記実施形態では、容器C内に投入した被計量物を容器Cごと循環させながら計量、ストック、排出等の処理を行う計量装置10を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、被計量物を容器Cに入れて循環させているか否かは問題ではない。
【0129】
(G)
上記実施形態では、計量装置10の回転軸A1〜A3の位置制御を行う例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0130】
例えば、包装機の回転軸の位置制御についても同様に本発明を適用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0131】
本発明の組合せ計量計量装置は、制御上認識している位置と実際の回転駆動源の位置とがずれることによる計量装置内における動作不良等の発生を回避できるという効果を奏することから、サーボモータ等の回転駆動源をエンコーダ等の位置決め制御部によって位置決め制御を行う各種計量装置や包装機に対して広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】本発明の一実施形態に係る組合せ計量装置が備えている計量装置を示す正面図。
【図2】図1の計量装置を示す平面図。
【図3】図1の計量装置が備えている供給部を示す側面図。
【図4】図1の計量装置が備えている計量部を示す側面視における一部断面図。
【図5】図4の計量部を示す平面図。
【図6】図1の計量装置が備えているストック部を示す側面図。
【図7】図6のストック部を示す平面図。
【図8】図1の計量装置が備えている排出部を示す側面図。
【図9】図8の排出部を示す平面図。
【図10】(a)〜(f)は、図8および図9に示す排出部による排出方法を示す図。
【図11】旋回機構を示す側面図。
【図12】図1の計量装置による供給、計量工程における動作を示すフローチャート。
【図13】図1の計量装置によるストック工程における動作を示すフローチャート。
【図14】図1の計量装置による排出工程における動作を示すフローチャート。
【図15】図1の計量装置が備えているサーボモータと位置決め制御部の構成を示すブロック図。
【図16】図16の位置決め制御部による位置ずれを補正する例を示す図。
【図17】本発明の他の実施形態に係る計量装置が備えている位置決め制御部による位置ずれを補正する他の例を示す図。
【図18】本発明のさらに他の実施形態にかかる組合せ計量装置の概略的な構成を示す図。
【符号の説明】
【0133】
10 計量装置
10a〜10d 計量装置
12 供給部
13 計量部
14 ストック部
15 排出部
16a〜16c 受渡し部
17 排出シュート
17a 下部開口
19 旋回機構
20 制御部
21 トラフ
22 モータボックス
24 シュート
25a〜25e 計量器
28 ホルダー
30 蓄積部
31 ホルダー
32 軸
33 接続部材
34 機構
35 ホルダー
36 シャフト
37 傾斜板
38 反転機構
41 伝達部
45 爪部材
46 爪
50 位置決め制御部
51 補正部
51a カウンタ
51b 比較部
51c ずれ補正部
52 エンコーダ
55 減速装置(速度変換機構)
60 組合せ計量装置
A1〜A4 回転軸
C 容器
C1 つば部分
M1 サーボモータ(回転駆動源)
R ゾーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
計量工程を行う計量部と、
ストック工程を行うストック部と、
排出工程を行う排出部と、
前記計量部、前記ストック部、前記排出部を一方向に連続的に回転駆動するための回転駆動力を付与する回転駆動源と、
前記回転駆動源の回転速度を所望の回転速度に変換する速度変換機構と、
前記回転駆動源の位置制御を行う位置決め制御部と、
前記速度変換機構の速度比の端数分に応じて前記速度変換機構後の回転軸における所定回転数ごとに位置ずれを補正する補正部と、
を備えている計量装置。
【請求項2】
前記速度変換機構の速度比は、小数点以下の数値を含んでいる、
請求項1に記載の計量装置。
【請求項3】
前記位置決め制御部は、前記回転駆動源の回転数を2のべき乗で表される数値として処理を行う、
請求項1または2に記載の計量装置。
【請求項4】
前記位置決め制御部は、エンコーダを含んでいる、
請求項1から3のいずれか1項に記載の計量装置。
【請求項5】
前記速度変換機構は、減速装置である、
請求項1から4のいずれか1項に記載の計量装置。
【請求項6】
前記回転駆動源は、サーボモータである、
請求項1から5のいずれか1項に記載の計量装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−234671(P2006−234671A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−51438(P2005−51438)
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】