説明

記事配信設定支援装置、方法及びプログラム

【課題】ユーザへの新着記事のメール配信漏れを低減することができる技術を提供する。
【解決手段】ユーザからの記事の投稿機能およびユーザへの記事の配信機能を有し、投稿された記事を記憶する記憶手段を持つ情報システムにおいて、投稿された記事である過去記事およびその投稿ユーザならびに記事間の関連情報を記憶する。記憶手段に記憶されている過去記事をクラスタリングして分類カテゴリとこの分類カテゴリに属する記事とを求める。記憶手段を参照して、ユーザと分類カテゴリとの関連度を示すカテゴリ関連度を求
める。投稿された記事をユーザに配信する条件を設定する際に、分類カテゴリとカテゴリ関連度を提示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報システムにおいて電子メール等の配信設定を支援するための記
事配信設定支援装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のコミュニケーションシステムにおいて、グループウェアなどのコミュニティツール
や、メールによる情報提供サイトなどがある。このようなシステムにおいては、ユーザが
、投稿された情報の中から、電子メールとして受け取る情報を、条件指定により指定でき
るものがある。このような記事配信に関するメール配信設定では、記事の条件を指定する
ことで、新規投稿記事のメール配信「する/しない」について制御することができる。
【0003】
図6は、従来のメール配信設定の一例を示す図である。
【0004】
ユーザは、投稿された記事のメール受信の条件を、記事に貼付されたラベル(「連絡」や
「重要」)や、記事投稿時に実行したアクションなどで、直接指定する。なお、ここでい
う記事のアクションとは、記事の種類で、何をするために、あるいは、どのような目的で
投稿した記事なのかを表すようなもの(「承認依頼」や「確認依頼」)である。
【0005】
このような配信設定により、ユーザは、自分に関係のある情報のみを取捨選択してメール
で受信することが可能であった。
【0006】
しかしながら、上記の従来方法では、メールの受信条件として記事のラベルやアクション
、含まれるキーワードなどを明示的に指定する必要がある。ユーザは、記事中に含まれる
キーワードや、ラベルやアクションの意味や使用頻度など、条件指定するための判断材料
を事前に知っておく必要があるので、条件の設定が難しいという側面があった。よって、
ユーザ側において、条件設定の誤りや漏れが発生する恐れがある。一方で、記事の投稿者
が記事にラベルを貼り忘れることで、条件設定は正しく内容としても配信されるべき記事
が配信されない、といった場合もある。このように、従来の技術では、配信記事に漏れが
発生する可能性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4393482号公報
【特許文献2】特許第4745419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、ユーザへの新着記事のメール配信漏れを低減すること
ができる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態によれば、ユーザからの記事の投稿機能およびユーザへの記事の配信機
能を有し、投稿された記事を記憶する記憶手段を持つ情報システムにおいて、投稿された
記事である過去記事およびその投稿ユーザならびに記事間の関連情報を記憶する。記憶手
段に記憶されている過去記事をクラスタリングして分類カテゴリとこの分類カテゴリに属
する記事とを求める。記憶手段を参照して、ユーザと分類カテゴリとの関連度を示すカテ
ゴリ関連度を求める。投稿された記事をユーザに配信する条件を設定する際に、分類カテ
ゴリとカテゴリ関連度を提示する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態の情報システムのメール配信設定の概念図
【図2】カテゴリ関連度の算出の一例を示す図
【図3】本実施形態の情報システムの全体構成を示すブロック図
【図4】カテゴリ関連度の算出処理のフローチャート
【図5】分類カテゴリ一覧とカテゴリ関連度のユーザへの提示処理のフローチャート
【図6】従来のメール配信設定の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0011】
図1は、本実施形態の情報システムのメール配信設定の概念図である。
【0012】
本実施形態では、例えば複数のユーザが利用する、メールによる記事の投稿および配信の
機能(コラボレーション機能)を持つグループウェア等の情報システムを前提とする。こ
のグループウェア等への投稿記事群を記憶した過去記事DB101を対象としてクラスタ
リング(以下「自動分類」という。)を行い、生成されたカテゴリのユーザとの関連度を
算出し、関連度の高い順にユーザに候補として提示する。ユーザは提示されたもののなか
からカテゴリを選択することにより受信したい記事の条件を指定する。
【0013】
具体的には、自動分類で得られた分類結果である分類カテゴリをメール受信条件の1つと
する。ユーザがメール配信設定を行う際、その得られた分類カテゴリ一覧102を選択肢
として提示する。
【0014】
図1のメール配信設定画面103はその一例である。分類カテゴリ提示の際、分類カテゴ
リ毎に、ユーザと分類カテゴリとの関連度を示す「カテゴリ関連度」をそのユーザに提示
する。カテゴリ関連度は、「設定者が過去に投稿した返信記事の元記事」や「設定者がブ
ックマークしている記事」がどの程度含まれるかに基づいて算出される値である。
【0015】
メール配信設定を支援することにより、ユーザは、特定のラベルなどを明示的/固定的に
指定するのではなく、新規投稿記事がどういったカテゴリに属する記事か、という条件を
指定することで、メール配信の制御が行なえる。よって、記事のメール配信漏れを低減す
ることができる。
【0016】
(1)過去の記事の自動分類
予め、グループウェア等に対して過去に投稿された全記事(タスク1、2、3への各投稿
記事群を含む。)を、自動分類の母集団となる記事群とする。
【0017】
この母集団となる記事群に自動分類を実施し、得られた分類カテゴリのうち、上位のいく
つかを分類カテゴリ一覧102として保持する。上位のいくつかは、あらかじめ設定した
閾値以上の条件で得る。例えば、「承認依頼」、「社内規程」、「規程改定」、「運用ル
ール」といったものが得られるとする。また、分類カテゴリ一覧102のカテゴリ毎に、
カテゴリに属する記事一覧を保持しておく。
【0018】
なお、過去の記事について実施される自動分類は、例えば特許文献2に示す既存技術を利
用する。
【0019】
(2)カテゴリ関連度の算出方法
次に、本システムのすべてのユーザ別に、ユーザと分類カテゴリとの関連度を示す「カテ
ゴリ関連度」を、そのユーザの識別情報およびその分類カテゴリに属する過去の投稿記事
に基づいて、分類カテゴリ毎に算出する。カテゴリ関連度は、具体的には、以下の式にし
たがい算出する。
【0020】
カテゴリ関連度 = ユーザのカテゴリ関連記事数 / カテゴリに属する全記事数
【0021】
ユーザのカテゴリ関連記事数 = カテゴリに属する記事で、下記(a)または(b)いず
れかの条件に一致する記事の数
【0022】
(a)カテゴリに属する記事に対して、ユーザが返信している場合(メール、Webに関わ
らず)、その記事はユーザのカテゴリ関連記事である。
【0023】
(b)カテゴリに属する記事をユーザがブックマークしている場合、その記事はユーザの
カテゴリ関連記事である。
【0024】
算出した「カテゴリ関連度」を集計し、カテゴリ別・ユーザ別の「カテゴリ関連度」一覧
を得る。
【0025】
図2は、カテゴリ関連度の算出の一例を示す図である。
【0026】
この図では、過去の記事情報とその自動分類結果から、各ユーザ毎の「カテゴリ関連度」
を予め算出しておくことを示している。
【0027】
過去記事DB101には、過去の記事情報(記事A〜E)が蓄積されている。
図2では、記事A、B、Cからなるタスク1と、記事D、Eからなるタスク2について図
示している。
【0028】
記事Aの投稿者はユーザAである。この記事Aへの返信である記事Bの投稿者はユーザB
である。この記事Bへの返信である記事Cの投稿者はユーザCである。
【0029】
記事Dの投稿者はユーザBである。この記事Dへの返信である記事Eの投稿者はユーザC
である。なお、記事EについてはユーザCがブックマークしている。
【0030】
この過去記事DB101の内容を自動分類した結果が分類カテゴリ一覧102である。図
2の分類カテゴリ一覧102は、図1の分類カテゴリ一覧102の一部をより詳細に示し
たものであり、カテゴリ毎に、カテゴリに属する記事一覧が保持されている。
【0031】
カテゴリ「承認依頼」には、記事A、B、Dが自動分類されている。
カテゴリ「社内規程」には、記事C、Eが自動分類されている。
なお、各記事の投稿者は過去記事DB101で示した通りのままである。
【0032】
そして、この過去記事DB101および分類カテゴリ一覧102の内容に基づいて、上記
条件(a)に一致する返信元記事と返信記事とその投稿者の一覧にしたものが図2の一覧
201である。
【0033】
「返信元記事の分類カテゴリ」の項目には「承認依頼」がまとめられており、「返信元記
事」の項目には記事A、B、Dが分類されている。この2項目は分類カテゴリ一覧102
の結果と同じである。
【0034】
「返信記事」の項目は、各「返信元記事」に対する各返信記事を示している。過去記事D
B101の内容に基づいて、記事Aに対しては記事B、記事Bに対しては記事C、記事D
に対しては記事Eが、それぞれ返信記事となっている。
【0035】
「返信記事の投稿者」の項目は、各「返信記事」の投稿者を示している。過去記事DB1
01の内容に基づいて、記事BについてはユーザB、記事CについてはユーザC、記事E
についてはユーザCが、それぞれ投稿者となっている。
【0036】
また、過去記事DB101および分類カテゴリ一覧102の内容に基づいて、上記条件(
b)に一致するブックマーク記事の一覧にしたものが一覧202である。
【0037】
過去記事DB101を参照すると、「ブックマーク」をしているユーザは「ユーザC」の
みであるので、一覧202の「ブックマーク」の項目にユーザCが示されている。このユ
ーザCがブックマークをしているのは記事Aであり、それが「記事」の項目に示されてい
る。また、この記事Aの「分類カテゴリ」は、分類カテゴリ一覧102の結果に基づき「
承認依頼」となっている。
【0038】
この一覧201および一覧202の情報をマージすることにより、ユーザ毎のカテゴリ関
連度203が得られる。
【0039】
「ユーザ」としてユーザB、ユーザCがあげられている。なお、ユーザAがこの一覧から
除外(図示を省略)されているが、それはユーザAの関連度が、上記条件(a)、(b)
に一致しないので、「0%」と算出されたからである。
【0040】
図2の一覧201および一覧202において、ユーザBに関する「分類カテゴリ」は「承
認依頼」があげられている。その「カテゴリ関連度」は、上記の式にあてはめると、カテ
ゴリ関連度 = ユーザのカテゴリ関連記事数 / カテゴリに属する全記事数 = (一覧
201の「承認依頼」に属する記事に対してユーザBが返信しているものは、記事A、す
なわち1) / (分類カテゴリ一覧102において「承認依頼」に属する記事数は、記
事A、B、D、すなわち3)= 1/3 = 33% となる。
【0041】
図2の一覧201および一覧202において、ユーザCに関する「分類カテゴリ」は「承
認依頼」と「社内規程」があげられている。分類カテゴリ「承認依頼」に関するユーザC
の「カテゴリ関連度」は、上記の式にあてはめると、カテゴリ関連度 = ユーザのカテゴ
リ関連記事数 / カテゴリに属する全記事数 = ((一覧201の「承認依頼」に属す
る記事に対してユーザCが返信しているものは、記事B、D、すなわち2) / (分類
カテゴリ一覧102において「承認依頼」に属する記事数は、記事A、B、D、すなわち
3)= 2/3 = 66% となる。
【0042】
また、分類カテゴリ「社内規程」に関するユーザCの「カテゴリ関連度」は、上記の式に
あてはめると、カテゴリ関連度 = ユーザのカテゴリ関連記事数 / カテゴリに属する全
記事数 = ((一覧202の「社内規程」に属する記事であってユーザCがブックマー
クしているものは、記事E、すなわち1) / (分類カテゴリ一覧102において「社
内規程」に属する記事数は、記事C、Eすなわち2)= 1/2 = 55% となる。
【0043】
次に、分類カテゴリ一覧102とカテゴリ関連度のユーザへの提示について説明する。
【0044】
まず、分類カテゴリ一覧102と、メール配信設定しようとしているユーザの分類カテゴ
リ別のカテゴリ関連度を取得する(図2のユーザ毎のカテゴリ関連度203参照。)。
【0045】
次に、取得した「分類カテゴリ一覧」と「ユーザのカテゴリ毎のカテゴリ関連度」をメー
ル配信設定の設定条件としてユーザに提示する。その際、カテゴリ関連度の高い順に分類
カテゴリを提示する。
【0046】
例えば、図1のメール配信設定画面103は、ユーザCに提示している場合、「自動分類
カテゴリ」として「承認依頼」(カテゴリ関連度は66%)、「社内規程」(カテゴリ関
連度は50%)を提示しており、それぞれ、配信有無(する/しない)を選択できるよう
になっている。
【0047】
メール配信設定画面103の分類カテゴリを設定できることによる効果は、新着記事は、
分類カテゴリ一覧102を指定することにより、いずれかに分類できることである(ただ
し、分類カテゴリ一覧102は、上位のいくつかの分類であるので、いずれにも該当しな
い場合もある)。
【0048】
ユーザがメール配信設定で配信「する」を選択している分類カテゴリに新着記事が分類さ
れた場合、その新着記事はメール配信の条件に一致し、ユーザにメール配信される。
【0049】
図3は、本実施形態の情報システムの全体構成を示すブロック図である。
【0050】
ユーザ301は、情報システム300の利用者である。
【0051】
ユーザインタフェース302は、ユーザ301のユーザインタフェースへの操作をユーザ
インタフェース制御部303に伝える。
【0052】
ユーザインタフェース制御部303は、ユーザインタフェース302からの分類カテゴリ
一覧102およびカテゴリ関連度の取得要求を、分類カテゴリ一覧取得部304およびカ
テゴリ関連度取得部305に伝達する。
【0053】
カテゴリ関連度算出部306は、予め、過去記事DB101の情報を元に、全記事対象に
自動分類を行い、分類カテゴリ一覧102を得て、そのカテゴリ別・ユーザ別のカテゴリ
関連度を算出し、分類カテゴリ一覧102と各カテゴリ毎のユーザ別カテゴリ関連度の情
報を、カテゴリDB307に格納しておく。
【0054】
分類カテゴリ一覧取得部304は、ユーザインタフェース制御部303からの分類カテゴ
リ一覧102の取得要求に応じ、自動分類の結果(予め算出済)である分類カテゴリ一覧
102を、カテゴリDB307から取得する。
【0055】
カテゴリ関連度取得部305は、ユーザインタフェース制御部303からのカテゴリ関連
度の取得要求に応じ、分類カテゴリ一覧102の各カテゴリ毎に、ユーザ301のカテゴ
リ関連度を、カテゴリDB307から取得する。
【0056】
過去記事DB101は、過去に投稿された記事を格納(蓄積)するデータベースである。記
事に関するすべての情報(記事の識別子(ID)、タイトル、本文、投稿者、投稿時刻、返
信等のつながりなど他記事との記事間の関連情報など)が格納されている。
【0057】
カテゴリDB307は、分類カテゴリ一覧102とカテゴリ別・ユーザ別のカテゴリ関連
度を格納(蓄積)するデータベースである。分類カテゴリ一覧102とカテゴリ別・ユー
ザ別のカテゴリ関連度は、任意のタイミングでの過去記事DB101の状態(スナップシ
ョット:例えば月に1回算出する、など。)から、カテゴリ関連度算出部306によって
予め算出しておく。
【0058】
本実施形態において、ユーザインタフェース302、ユーザインタフェース制御部303
、分類カテゴリ一覧取得部304、カテゴリ関連度取得部305、カテゴリ関連度算出部
306は、これら各処理を記事配信設定装置308におけるコンピュータの処理装置に実
行させるためのプログラムとして実装することができる。各プログラムはコンピュータの
メモリ等の記憶装置に記憶される。過去記事DB101、カテゴリDB307は、データ
ベースとして情報システム300内のHDD等の記憶装置に記憶される。ユーザインタフ
ェース302は、ユーザ301へのディスプレイを介した図1に示したメール配信設定画
面103の表示や、キーボード、マウス等による入力のための処理を含むものである。
【0059】
なお、記事配信設定支援装置308の各処理手段は、一つの装置による形態に限定される
ものではなく、クライアント・サーバや、ASP・SaaS・クラウドコンピューティン
グといった種々の形態により実施することも可能である。
【0060】
図4は、カテゴリ関連度の算出処理のフローチャートである。
【0061】
カテゴリ関連度算出部306は、過去記事DB101から全記事情報を取得し、自動分類
を実行し、図2に示した分類カテゴリ一覧102と、この一覧102においてカテゴリ毎
に分類された記事一覧(以下「カテゴリ記事一覧」という。)を得る(ステップS101
)。
【0062】
カテゴリ関連度算出部306は、取得した分類カテゴリ一覧102とカテゴリ記事一覧を
、カテゴリDB307に格納する(ステップS102)。
【0063】
そして、全記事一覧を対象に、記事毎に以下を繰り返す(ステップS103)。
【0064】
記事が他記事への返信ではなく、先頭の記事の場合は何もせず、次の記事へ処理を進める
(continue)(ステップS104)。
【0065】
記事が返信記事の場合は、記事の投稿者(ユーザ)の識別子(ID)と、返信元記事の属す
るカテゴリを調べ、得られた「返信元記事のカテゴリ、記事の投稿者のユーザID、記事ID
」を対にした情報を保持する(ステップS105)。この保持は、内部でも外部記憶媒体
でもどこでも良い。
【0066】
記事が、あるユーザによってブックマークされている場合、ブックマークしているユー
ザのIDと、記事の属するカテゴリを調べ、前ステップS105と同様に「記事のカテゴリ
、ユーザID、記事ID」を対にした情報を保持する(ステップS106)。
【0067】
ステップS103からの繰り返しはここまでである(ステップS107)。
【0068】
次に、全分類カテゴリを対象に、カテゴリ記事一覧からカテゴリに属する全記事数を保持
しておく(ステップS108)。
【0069】
全ユーザを対象に、ユーザ毎に以下を繰り返す(ステップS109)。
【0070】
分類カテゴリ毎に、保持している対情報をカテゴリとユーザIDで検索し、該当する件数(
対情報の件数=カテゴリに属する記事でユーザが関係する記事の数)を、カテゴリに属す
る全記事数で割り、その商をユーザのカテゴリに対する「カテゴリ関連度」として算出し
、「カテゴリ、ユーザID、カテゴリ関連度」の対情報をカテゴリDBに格納する(ステッ
プS110)。
【0071】
ステップS109からの繰り返しはここまでである(S111)。
【0072】
図5は、分類カテゴリ一覧102とカテゴリ関連度のユーザへの提示処理のフローチャー
トである。
【0073】
ユーザ301は、ユーザインタフェース302に、分類カテゴリ一覧102およびユーザ
のカテゴリ関連度の取得を要求する。その際、ユーザインタフェース302にユーザのユ
ーザIDを渡す(ステップS201)。
【0074】
ユーザインタフェース302は、ユーザインタフェース制御部303にユーザIDを渡し、
分類カテゴリ一覧102およびユーザのカテゴリ関連度の取得を要求する(ステップS2
02)。
【0075】
ユーザインタフェース制御部303は、分類カテゴリ一覧取得部304に分類カテゴリ一
覧102を要求する。その際、分類カテゴリ一覧取得部304にユーザ301のユーザID
を渡す(ステップS203)。
【0076】
分類カテゴリ一覧取得部304は、カテゴリDB307から分類カテゴリ一覧102を取
得し、ユーザインタフェース制御部303に返す(ステップS204)。
【0077】
ユーザインタフェース制御部303は、分類カテゴリ一覧102のカテゴリ毎に、カテゴ
リとユーザIDをカテゴリ関連度取得部305に渡し、カテゴリ関連度の取得を要求する(
ステップS205)。
【0078】
カテゴリ関連度取得部305は、カテゴリとユーザIDからカテゴリ関連度を取得し、「カ
テゴリ、ユーザID、カテゴリ関連度」の情報を、ユーザインタフェース制御部303に返
す(ステップS206)。
【0079】
ユーザインタフェース制御部303は、カテゴリの数だけカテゴリ関連度を取得し、ユー
ザインタフェース302に結果を返す(ステップS207)。
【0080】
ユーザインタフェース302は、ユーザに分類カテゴリの一覧とカテゴリ毎のユーザのカ
テゴリ関連度を、ユーザ301に提示する(ステップS208)。
【0081】
ユーザ301は、カテゴリ関連度の情報を判断材料に、メール配信設定を行う(ステップ
S209)。
【0082】
以上説明したように、本実施形態によれば、投稿記事の自動分類機能を持つ情報システム
において、メール配信設定をする際、提示された分類カテゴリに対し、カテゴリ関連度を
参照しながら、配信設定を設定することで、ユーザはラベルやアクション等を明示的に指
定することなく、分類を指定することで、ユーザへの新着記事の配信漏れを低減させるこ
とができる。
【0083】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したもの
であり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々
な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置
き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含
まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものであ
る。
【符号の説明】
【0084】
101・・・過去記事DB
102・・・分類カテゴリ一覧
103・・・メール配信設定画面
201・・・条件(a)に一致する返信元記事と返信記事とその投稿者の一覧
202・・・条件(b)に一致するブックマーク記事の一覧
203・・・ユーザ毎のカテゴリ関連度
300・・・情報システム
301・・・ユーザ
302・・・ユーザインタフェース
303・・・ユーザインタフェース制御部
304・・・分類カテゴリ一覧取得部
305・・・カテゴリ関連度取得部
306・・・カテゴリ関連度算出部
307・・・カテゴリDB
308・・・記事配信設定支援装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザからの記事の投稿機能およびユーザへの記事の配信機能を有し、投稿された記事を
記憶する記憶手段を持つ情報システムにおいて、
投稿された記事である過去記事およびその投稿ユーザならびに記事間の関連情報を記憶す
る過去記事記憶手段と、
前記過去記事記憶手段に記憶されている前記過去記事をクラスタリングして分類カテゴリ
とこの分類カテゴリに属する記事とを求めるクラスタリング手段と、
前記過去記事記憶手段を参照して、ユーザと前記分類カテゴリとの関連度を示すカテゴリ
関連度を求めるカテゴリ関連度取得手段と、
前記投稿された記事をユーザに配信する条件を設定する際に、前記分類カテゴリと前記カ
テゴリ関連度を提示する提示手段
とを有する記事配信設定支援装置。
【請求項2】
前記カテゴリ関連度取得手段は、特定の分類カテゴリに対する特定のユーザとの関連度を
、当該ユーザが返信投稿した記事の元となっている元記事が当該分類カテゴリに分類され
ている数または当該ユーザがブックマークをした記事が当該分類カテゴリに分類されてい
る数のうち、少なくともいずれか一方に基づいて算出する、
請求項1記載の記事配信設定支援装置。
【請求項3】
ユーザからの記事の投稿機能およびユーザへの記事の配信機能を有し、投稿された記事を
記憶する記憶手段を持つ情報システムにおける記事配信設定支援方法において、
投稿された記事である過去記事およびその投稿ユーザならびに記事間の関連情報を記憶す
るステップと、
前記記憶手段に記憶されている前記過去記事をクラスタリングして分類カテゴリとこの分
類カテゴリに属する記事とを求めるステップと、
前記記憶手段を参照して、ユーザと前記分類カテゴリとの関連度を示すカテゴリ関連度を
求めるステップと、
前記投稿された記事をユーザに配信する条件を設定する際に、前記分類カテゴリと前記カ
テゴリ関連度を提示するステップ
とを有する方法。
【請求項4】
前記カテゴリ関連度を求めるステップは、特定の分類カテゴリに対する特定のユーザとの
関連度を、当該ユーザが返信投稿した記事の元となっている元記事が当該分類カテゴリに
分類されている数または当該ユーザがブックマークをした記事が当該分類カテゴリに分類
されている数のうち、少なくともいずれか一方に基づいて算出する、
請求項3記載の方法。
【請求項5】
ユーザからの記事の投稿機能およびユーザへの記事の配信機能を有し、投稿された記事を
記憶する記憶手段を持つ情報システムにおけるコンピュータに、
投稿された記事である過去記事およびその投稿ユーザならびに記事間の関連情報を記憶す
る手順と、
前記記憶手段に記憶されている前記過去記事をクラスタリングして分類カテゴリとこの分
類カテゴリに属する記事とを求める手順と、
前記記憶手段を参照して、ユーザと前記分類カテゴリとの関連度を示すカテゴリ関連度を
求める手順と、
前記投稿された記事をユーザに配信する条件を設定する際に、前記分類カテゴリと前記カ
テゴリ関連度を提示する手順
とを実行させるためのプログラム。
【請求項6】
前記カテゴリ関連度を求める手順は、特定の分類カテゴリに対する特定のユーザとの関連
度を、当該ユーザが返信投稿した記事の元となっている元記事が当該分類カテゴリに分類
されている数または当該ユーザがブックマークをした記事が当該分類カテゴリに分類され
ている数のうち、少なくともいずれか一方に基づいて算出する
請求項5記載のプログラム。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−80293(P2013−80293A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218695(P2011−218695)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)