説明

記憶媒体の搬送手段を備えた記録再生装置

【課題】
ユーザーが挿入口の端部より記憶媒体を挿入した場合であっても、装置内部の到達位置へと確実に搬送することが可能な記録再生装置を実現する。
【解決手段】
挿入口3から挿入される記憶媒体が当接する初期位置と前記記憶媒体の再生/記録を可能とする到達位置との間で摺動可能なガイド部材6を案内する第一のガイド溝7aと第二のガイド溝7bとを設け、前記ガイド部材6には第一のガイド溝7aと第二のガイド溝7bに夫々遊嵌する凸部8aおよび8bを形成し、初期位置にある前記ガイド部材6が傾いて摺動したときに前記凸部8bと係合する第一の係合部13aと第二の係合部13bとを前記第二のガイド溝7bの両側縁に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円盤状記憶媒体(以下、単に記憶媒体と称す)の挿抜を可能とする挿入口を備えた所謂スロットイン方式の記憶媒体再生装置または記憶媒体の記録および再生装置(以下、単に記録再生装置と称す)に係り、特に、挿入口の端部より記憶媒体を挿入した場合であっても、前記記憶媒体の再生または記録を可能とする装置内部の到達位置へと搬送することが可能な記憶媒体の搬送手段を備えた記録再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
記録再生装置とは、記憶媒体を装置に装填し、前記装置に備えた再生手段によって前記記憶媒体に記録されている情報を読込み再生する、或いは前記装置に備えた記録手段によって記憶媒体に対し情報を書込み記録する機能を備えた装置全般の総称である。具体的に記録再生装置を備えた機器を述べれば、音声情報が記録されたCD(Compact Disc)の再生を可能とするCD PLAYERや、前記CDに加え音声情報及び映像情報が記録されたDVD(Digital Versatile Disc)の再生を可能とするDVD PLAYER、また、記憶媒体に対する再生機能と記録機能とを兼ね備えたCD RECORDERやDVD RECORDERなどがある。さらに、近年では記録情報の大容量化を図った記憶媒体としてブルーレイディスク(Blu−ray Disc)があり、このブルーレイディスクに対応した記録再生装置および前記記録再生装置を備えた機器もある。
【0003】
上記記録再生装置には、大別して記憶媒体を装置外部と装置内部の到達位置との間で搬送する手段(以下、単に搬送手段と称す)と、装置内部の到達位置において前記記憶媒体の再生若しくは記録を可能とする手段(以下、単に記録/再生手段と称す)とを備えている。搬送手段の一例を述べれば、記録再生装置の内外において移動可能とするトレイを備え、装置外部において記憶媒体の交換を可能とする記憶媒体交換位置に搬送する前記トレイ上に記憶媒体を載置して前記記憶媒体を装置内部の到達位置へと搬送する方式(以下、単にトレイ方式と称す)や、記録再生装置に挿入口を設け、前記挿入口の内面側には搬送ローラーを備えて、前記搬送ローラーの回転駆動力により前記挿入口より挿入する記憶媒体を搬送する方式(以下、単にスロットイン方式と称す)などがある。また、記録/再生手段としては、装置内部の到達位置において記憶媒体を回転させるターンテーブルと、回転する記憶媒体にレーザー光を照射して前記記憶媒体に記録されている情報を読込み再生する、或いは前記記憶媒体に対して情報を書込み記録することが可能な光ピックアップユニットを主要構成部材として備えたトラバースユニットを配設し、前記ターンテーブルの対向位置にはターンテーブルと共に記憶媒体を挟持するクランパを設け、前記ターンテーブルと前記クランパとによって記憶媒体を挟持した状態で回転させ、前記光ピックアップユニットにより前記記憶媒体に記録された情報の再生、或いは前記記憶媒体に対する情報の記録を行う手段が一般的である。
【0004】
ところで、記憶媒体の大きさは規格によって定められており、直径が120mmある大径の記憶媒体と、直径が80mmある小径の記憶媒体との二種類が存在する。そして、これら二種類の記憶媒体の搬送を可能とした記録再生装置が主流となっており、トレイ方式であれば、トレイに二種類の記憶媒体を載置するための載置部が夫々形成されており、スロットイン方式であれば、二種類の記憶媒体が挿抜可能な大きさの挿入口が設けられている。
【0005】
ここで、トレイ方式の場合、二種類の記憶媒体が載置可能な載置部をトレイに夫々形成していることから、ユーザーは大径の記憶媒体若しくは小径の記憶媒体の何れかを所定の載置部に載置すれば記憶媒体の再生或いは記録が可能な位置へと移行することが可能となるが、スロットイン方式の場合、ユーザーが挿入口の端部より記憶媒体を挿入することが考えられ、装置内部の到達位置へと搬送出来ないことが懸念される。特に小径の記憶媒体を挿入するときにはその現象が顕著となり、ユーザーが挿入口の端部より記憶媒体を挿入した場合であっても、装置内部の到達位置へ搬送するための手段が必要となる。
【0006】
挿入する記憶媒体を装置内部の到達位置へと搬送する手段として、例えば、特許文献1には、搬送ローラーと、搬送ローラーによって搬送された記憶媒体と当接する初期位置と記憶媒体の再生または記録を可能とする到達位置との間で摺動可能とするガイド部材と、ガイド溝とを備え、搬送ローラーには記憶媒体を略中央へと搬送するための機能を備え、ガイド溝には、ガイド部材の往動方向に向かって溝幅を漸次狭める傾斜壁面と、ガイド部材の傾き角度を規制するための受面とを具備させる構造が記載されている。
【0007】
【特許文献1】特開2008−52854号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の構造によれば、ガイド溝の形状として傾斜壁面を形成していることから、挿入する記憶媒体と共にガイド部材が意図せず摺動して前記記憶媒体を装置内部の到達位置へと搬送することが困難となる。その結果、ターンテーブルとクランパとによる記憶媒体の挟持が出来ず、最悪の場合には装置内部から記憶媒体の取出しが出来ずに故障を招く虞がある。また、記憶媒体が挿入されていない状態において記録再生装置の外部より衝撃や振動が加わった場合に、ガイド部材が僅かに摺動して予期しない接触音が発生し、品位低下を招くことが懸念される。
【0009】
本発明は上述した点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、従来よりも簡素な構造によって挿入する記憶媒体を到達位置へと確実に搬送することが可能な記憶媒体の搬送手段を実現し、また、記憶媒体が挿入されていない状態におけるガイド部材の予期せぬ摺動に伴う異音の発生を抑えて品位の向上を図ることが可能な記録再生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る記憶媒体の搬送手段を備えた記録再生装置は、外観を構成するフレームと、記憶媒体の挿抜を可能とする挿入口と、前記挿入口を介して挿抜する記憶媒体を搬送する搬送ローラーと、前記搬送ローラーによって装置内部に搬送された記憶媒体の外周縁が当接する初期位置と前記記憶媒体の再生または記録を可能とする到達位置との間で摺動するガイド部材と、前記ガイド部材の摺動動作を案内するガイド溝と、を備えた記録再生装置であって、前記搬送ローラーは、挿抜する前記記憶媒体の面方向より当接可能とし、且つ軸線方向において両端部から略中央に向かって漸次外径を小さくした略鼓形状とし、前記ガイド溝は、前記ガイド部材の摺動方向に向かって互いが略並行となる第一のガイド溝と第二のガイド溝をフレームに形成し、前記ガイド部材には、前記第一のガイド溝および前記第二のガイド溝に夫々遊嵌する凸部と、前記凸部の上方位置において前記第一のガイド溝および前記第二のガイド溝に夫々懸架する懸架突起と、を設け、初期位置にある前記ガイド部材が挿入する記憶媒体に押圧されて傾いて摺動したときに前記凸部と係合する係合部を前記第一のガイド溝および/または前記第二のガイド溝の側縁に形成したことを特徴とする。
【0011】
請求項1の構成によれば、挿入口の端部より挿入する記憶媒体が搬送ローラーによって装置内部へと搬送され、初期位置にあるガイド部材と当接することとなるが、略中央より外れた位置で記憶媒体が当接することでガイド部材は傾き、前記ガイド部材の凸部とガイド溝に設けた係合部とが係合して前記ガイド部材の摺動動作を一時的に停止することが出来る。そして、軸線方向において両端部から略中央に向かって漸次外径を小さくした略鼓形状の搬送ローラーにより、装置内部に向かって搬送されていた記憶媒体は停止するガイド部材を押圧しながら前記搬送ローラーの外径が小さい略中央へと向きを変え、前記記憶媒体が記録再生装置の略中央へと搬送されるならば、前記ガイド部材は傾きの状態から元に戻り、凸部と係合部との係合が解除されて前記ガイド部材は記憶媒体に押圧されたままガイド溝に沿って装置内部の到達位置へと再び摺動することが可能となる。すなわち、ガイド部材が傾くことで係合する凸部と係合部、及び軸線方向において両端部から略中央に向かって漸次外径を小さくした搬送ローラーを設けることによって、挿入口の端部より挿入する記憶媒体を略中央へと搬送することが可能となる。
【0012】
請求項2に係る記憶媒体の搬送手段を備えた記録再生装置は、外観を構成するフレームと、記憶媒体の挿抜を可能とする挿入口と、前記挿入口を介して挿抜する記憶媒体を搬送する搬送ローラーと、前記搬送ローラーによって装置内部に搬送された記憶媒体の外周縁が当接する初期位置と前記記憶媒体の再生または記録を可能とする到達位置との間で摺動するガイド部材と、前記ガイド部材の摺動動作を案内するガイド溝と、を備えた記録再生装置であって、前記搬送ローラーは、挿抜する前記記憶媒体の面方向より当接可能とし、且つ軸線方向において両端部から略中央に向かって漸次外径を小さくした略鼓形状とし、前記ガイド溝は、前記ガイド部材の摺動方向に向かって互いが略並行となる第一のガイド溝と第二のガイド溝をフレームに形成し、前記ガイド部材には、前記第一のガイド溝および前記第二のガイド溝に夫々遊嵌する凸部と、前記凸部の上方位置において前記第一のガイド溝および前記第二のガイド溝に夫々懸架する懸架突起と、を設け、初期位置にある前記ガイド部材が挿入する記憶媒体に押圧されて時計方向へと傾動したときに凸部と係合する第一の係合部と、前記ガイド部材が挿入する記憶媒体に押圧されて反時計方向へと傾いて摺動したときに凸部と係合する第二の係合部とを前記第一のガイド溝および/または前記第二のガイド溝の側縁に形成したことを特徴とする。
【0013】
請求項2の構成によれば、挿入口の端部より挿入する記憶媒体によって初期位置にあるガイド部材が時計方向へと傾いて摺動したときに凸部と係合する第一の係合部と、前記ガイド部材が反時計方向へと傾いて摺動したときに凸部と係合する第二の係合部とをガイド溝の両側縁に夫々形成することで、請求項1の構成と同じくガイド部材を一時的に停止させて挿入口の端部より挿入された記憶媒体を略中央へと搬送することが可能となる。
【0014】
請求項3に係る記憶媒体の搬送手段を備えた記録再生装置は、外観を構成するフレームと、記憶媒体の挿抜を可能とする挿入口と、前記挿入口を介して挿抜する記憶媒体を搬送する搬送ローラーと、前記搬送ローラーによって装置内部に搬送された記憶媒体の外周縁が当接する初期位置と前記記憶媒体の再生または記録を可能とする到達位置との間で摺動するガイド部材と、前記ガイド部材の摺動動作を案内するガイド溝と、を備えた記録再生装置であって、前記搬送ローラーは、挿抜する前記記憶媒体の面方向より当接可能とし、且つ軸線方向において両端部から略中央に向かって漸次外径を小さくした略鼓形状とし、前記ガイド溝は、前記ガイド部材の摺動方向に向かって互いが略並行となる第一のガイド溝と第二のガイド溝をフレームに形成し、前記ガイド部材には、前記第一のガイド溝および前記第二のガイド溝に夫々遊嵌する凸部と、前記凸部の上方位置において前記第一のガイド溝および前記第二のガイド溝に夫々懸架する懸架突起と、を設け、また、前記ガイド部材を初期位置へと常時付勢する付勢手段を別途設け、記憶媒体を挿入する前の状態において、第一のガイド溝の前方端部と前記ガイド部材の凸部前方端部とを当接し、第二のガイド溝の前方端部と前記ガイド部材の凸部前方端部との間には隙間を設け、前記付勢手段によって初期位置にあるガイド部材を僅かに傾け、前記第二のガイド溝の両側縁に凸部両側部分を夫々当接し、初期位置にある前記ガイド部材が挿入する記憶媒体に押圧されて傾いて摺動したときに前記凸部と係合する係合部を前記第一のガイド溝および/または前記第二のガイド溝の側縁に形成したことを特徴とする。
【0015】
請求項3の構成によれば、請求項1の効果に加え、付勢手段がガイド部材を到達位置から初期位置へと復帰するための付勢力になるとともに、前記付勢手段によって初期位置にあるガイド部材を僅かに傾けて記憶媒体が挿入されていない状態におけるガイド部材の摺動を抑える効果がある。すなわち、付勢手段によって傾いた状態にあるガイド部材は、第一のガイド溝の前方側端部と凸部の前方側端部とが当接し、第二のガイド溝の両側縁に対して傾いた凸部の両側部分とが夫々当接した状態で付勢されることによって摺動し難くなり、例えば外部からの衝撃や振動に対してガイド部材の摺動を抑えることが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
以上のような本発明の構成によれば、挿入口の端部より記憶媒体を挿入した場合であっても挿入する記憶媒体の外周縁に当接するガイド部材が傾いて摺動することで凸部と係合部とが係合し、前記ガイド部材の摺動動作を一時的に停止させるとともに、搬送ローラーによって前記記憶媒体を略中央へと搬送することが出来ることから、簡素な構造によって記憶媒体の搬送手段を実現することが可能となる。
【0017】
また、初期位置にあるガイド部材を僅かに傾けて第一のガイド溝の前方端部と第二のガイド溝の両側縁の計3箇所に対して前記ガイド部材の凸部を夫々当接させた状態とすることによって、外部からの衝撃や振動に対して前記ガイド部材が摺動することを抑えることが出来、記録再生装置の品位向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施例における記憶媒体の搬送機構を示す概略平面図。
【図2】図1におけるガイド溝近傍を示す概略部分拡大平面図。
【図3】本発明の実施例における記録再生装置において、大径の記憶媒体を挿入口より挿入した直後の状態を示す記録再生装置の概略平面図。
【図4】図3の状態より大径の記憶媒体が装置内部へと搬送されてガイド部材に当接した状態を示す記録再生装置の概略平面図。
【図5】図4におけるガイド溝近傍を示す概略部分拡大平面図。
【図6】図4の状態より大径の記憶媒体が装置内部の到達位置に搬送されて再生または記録が可能な位置にある状態を示す記録再生装置の概略平面図。
【図7】本発明の実施例におけるガイド部材単体の形状を示す図であり、図7(a)はガイド部材の斜視図、図7(b)は同平面図。
【図8】本発明の実施例におけるガイド溝の形状を示す部分拡大平面図。
【図9】本発明の実施例における記録再生装置において、小径の記憶媒体を挿入口端部より挿入した直後の状態を示す記録再生装置の概略平面図。
【図10】図9の状態より小径の記憶媒体が装置内部へと搬送されてガイド部材と当接した状態を示す記録再生装置の概略平面図。
【図11】図10の状態よりガイド部材の摺動動作を一時的に停止させた状態を示す記録再生装置の概略平面図。
【図12】図11におけるガイド溝近傍を示す概略部分拡大平面図。
【図13】挿入口の端部より挿入した小径の記憶媒体が停止したガイド部材に当接した状態を示す概要図であり、図13(a)は略平面視の概要図、図13(b)は略正面視の概要図。
【図14】図11の状態より小径の記憶媒体が搬送ローラーによって略中央へと搬送された状態を示す記録再生装置の概略平面図。
【図15】図14におけるガイド溝近傍を示す概略部分拡大平面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための最良の形態としての実施例を図1〜図14を用いて説明する。なお、本発明はその主旨に反しない範囲で、実施例において説明した構成以外のものに対しても容易に適用可能である。
【0020】
図1は本発明の実施例における記憶媒体の搬送機構を示す概略平面図である。同図の符号1は記録再生装置、2は記録再生装置1の外観を構成するフレームを表している。また、同図の符号3は記憶媒体の挿抜を可能とする挿入口、5は前記挿入口3より挿入された記憶媒体を装置内部の到達位置へと搬送する、若しくは装置内部の到達位置から前記挿入口3側へと記憶媒体を搬送するための搬送ローラー、6は前記搬送ローラー5によって装置内部へと搬送される記憶媒体の外周縁が当接する初期位置と前記記憶媒体の再生または記録を可能とする到達位置との間で往復摺動を可能とするガイド部材、7aおよび7bは前記ガイド部材6の摺動動作を案内するガイド溝、8aおよび8bは前記ガイド部材6の一部であって、前記ガイド溝7a及び7bに夫々遊嵌する凸部、9は前記凸部8の上方位置において前記ガイド溝7a及び7bの上部で懸架する懸架突起、10は軸を中心に揺動を可能とする揺動部材、11は第二のガイド溝7bに遊嵌する凸部8bに設けた前記揺動部材10と連結するための連結部、12は前記揺動部材10を付勢するためのトーションバネを夫々表している。挿入口3より挿入された記憶媒体は搬送ローラー5によって装置内部の到達位置へと搬送されることとなるが、このとき、挿入する記憶媒体の大きさが直径120mmの大径の記憶媒体であっても、或いは直径80mmの小径の記憶媒体であっても、装置内部の到達位置へと搬送されてターンテーブルとクランパとによって挟持される構造となっている。
【0021】
図2は図1におけるガイド溝近傍を示す概略部分拡大平面図である。なお、同図ではガイド溝7a,7bに遊嵌する凸部8a,8bの状態を明確とするために、ガイド部材6と懸架突起9,9を省略している。同図で示すように、第一のガイド溝7aの前方側端部と凸部8aの前方側端部とを当接し、また第二のガイド溝7bの前方側端部と凸部8bの前方側端部との間には隙間sを設け、トーションバネ12によって軸14を中心に時計方向へと付勢力が付与された揺動部材10によって前記ガイド部材6は反時計方向へと僅かに傾き、前記第二のガイド溝7bの両側縁に対して前記凸部8bの両側における対角の角部分を当接させている。すなわち、記憶媒体が挿入する前の状態においては、ガイド部材6が凸部8bと連結部11を介して連結された揺動部材10に付与されるトーションバネ12の付勢力と、第二のガイド溝7bの前方側端部と凸部8bの前方側端部との間に設ける隙間sとによって、図2で示す3箇所の当接部分15a,15b,15cが当接するように前記ガイド部材6を反時計方向へと僅かに傾けた状態としている。なお、本発明において図1で示すガイド部材6の位置を初期位置としており、初期位置にあるガイド部材6は3点の当接部分15a,15b,15cで第一のガイド溝7aおよび第二のガイド溝7bと、凸部8a,8bとが当接するように前記ガイド部材6を僅かに傾けることによって、前記ガイド部材6の摺動抵抗を大きくすることが出来、記憶媒体が挿入されていない状態であっても前記ガイド部材6が外部からの衝撃等により不用意に摺動するのを抑えることが可能となり、他の部材との接触による異音の発生を防止して製品の品位向上を図ることが出来る構造となっている。
【0022】
また、図1で示す揺動部材10は、挿入口3より挿入される記憶媒体とともに摺動するガイド部材6の移動量の変化を検知して、記録再生装置1内部の所定位置へと搬送された前記記憶媒体をターンテーブルとクランパとによって挟持する動作へと移行させる、或いは記録再生装置1内部の所定位置より挿入口側へと記憶媒体が搬送されるときに到達位置にある前記ガイド部材6をトーションバネ12の付勢力によって初期位置へと復帰させる役割を有している。特に、直径が80mmの小径の記憶媒体を挿入した場合と直径が120mmの記憶媒体を挿入した場合とで摺動するガイド部材6の移動量は異なり、前記ガイド部材6と連結した揺動部材10の揺動量についても差が生じることを利用して挿入する記憶媒体の大きさを判別し、記録再生装置1内部の所定位置におけるターンテーブルとクランパとによる前記記憶媒体の挟持動作を行うことが出来る。一例を述べれば、記憶媒体が搬送されることで遮光される非接触型のセンサーを複数配設し、記憶媒体を挿入してから所定時間経過するまでの間に遮光された前記センサーと揺動部材10の揺動量より前記記憶媒体の大きさを判別して記録再生装置1内部の所定位置におけるターンテーブルとクランパとによる挟持動作を行うことが可能となる。なお、挿入する記憶媒体の判別構造については本発明に直接関係しないことから、具体的内容については割愛する。
【0023】
さらに、本実施例では第一のガイド溝7aの溝幅に比べて第二のガイド溝7bの溝幅を狭くしている。これは、ガイド部材6が摺動するときの基準となる溝を第二のガイド溝7bとしているためである。換言すれば、第一のガイド溝7aの溝幅は凸部8aに対して幅広に形成してあり、摺動途中で前記凸部8aと前記第一のガイド溝7aとが引っかかり不具合が生じることのない構造としている。
【0024】
次に記録再生装置の挿入口より記憶媒体を挿入してから装置内部の到達位置へと搬送されるまので詳細な動作について図3〜図6を用いて説明する。図3は本発明の実施例における記録再生装置において、大径の記憶媒体を挿入口より挿入した直後の状態を示す概略平面図である。記録再生装置1の挿入口3よりユーザーが大径の記憶媒体4aを挿入すれば、図示しない検知スイッチが記憶媒体の挿入を検知して搬送ローラー5が挿入される記憶媒体を装置内部へと搬送する方向へと回転することとなる。この状態から、大径の記憶媒体4aは前記搬送ローラー5によって矢印Aで示す方向へと搬送され、ユーザーが手動で挿入を行う必要無く前記大径の記憶媒体4aは装置内部へと搬送される。
【0025】
図4は図3の状態より大径の記憶媒体が装置内部へと搬送されてガイド部材と当接した位置を示す概略平面図、図5は図4におけるガイド溝近傍を示す概略部分拡大平面図である。前記搬送ローラー5によって装置内部へと搬送された大径の記憶媒体4aは、装置内部に備えたガイド部材6にその外周縁が当接し、トーションバネ12によって付勢された揺動部材10と連結部11を介して連結された前記ガイド部材6は、前述の付勢力に抗して第一のガイド溝7aおよび第二のガイド溝7bに沿って前記大径の記憶媒体4aと共に矢印Aで示す方向へと摺動することとなる。このとき、初期位置において反時計方向へと僅かに傾いていたガイド部材6は大径の記憶媒体4aが当接することによって図5で示すように第一のガイド溝7aと凸部8a、および第二のガイド溝7bと凸部8bとが略並行となり、前記ガイド部材6は容易に摺動することが出来る。
【0026】
図6は図4の状態より大径の記憶媒体が装置内部の到達位置に搬送されて再生または記録が可能な位置にある状態を示す概略平面図である。同図で示す位置まで大径の記憶媒体4aが搬送ローラー5によって搬送されるならば、ターンテーブルとクランパとによって挟持され、光ピックアップユニットより照射されるレーザー光によって前記大径の記憶媒体4aの情報を読込み再生するか、或いは前記大径の記憶媒体4aに情報を記録することが可能となる。
【0027】
次に、ガイド部材6の具体的形状について説明する。図7は本発明の実施例におけるガイド部材単体の形状を示す図であり、図7(a)はガイド部材の斜視図、図7(b)は同平面図である。同図で示すように、ガイド部材6には記録再生装置1のフレーム2に形成する第一のガイド溝7aと第二のガイド溝7bに夫々遊嵌する凸部8aおよび8bが一体に形成してあり、前記凸部8aおよび8bの上方位置には、前記第一のガイド溝7aおよび第二のガイド溝7bから前記ガイド部材6が外れないようにするための懸架突起9,9が形成してある。すなわち、第一のガイド溝7aと第二のガイド溝7bに凸部8aおよび8bを遊嵌した状態で取付けたガイド部材6は、懸架突起9,9によって前記フレーム2から外れないように、且つ前記フレーム2に対して摺動可能に配設されている。
【0028】
次に、ガイド部材6の摺動方向を案内する第一のガイド溝7aおよび第二のガイド溝7bの形状について説明する。図8は本発明の実施例におけるガイド溝の形状を示す部分拡大平面図であり、同図で示すように、第一のガイド溝7aと第二のガイド溝7bはガイド部材6の摺動方向に向かって略並行に形成されている。そして、前記第一のガイド溝7aおよび第二のガイド溝7bは、挿入する記憶媒体に対して情報の再生若しくは記録を行うために照射されるレーザー光の移動範囲を外して形成されるのが望ましく、例えば製造時やメンテナンス時において作業者が前記光ピックアップユニット16より照射されるレーザー光を直視する危険性を回避する効果がある。なお、本実施例においては光ピックアップユニット16を破線で示し、前記光ピックアップユニット16の移動方向を一点鎖線で示している。
【0029】
また、前記第二のガイド溝7bの両側縁には、初期位置にあるガイド部材6が傾いて摺動したときに凸部8bと係合する係合部13a,13bが夫々形成されている。前記係合部13a,13bについて詳述すれば、初期位置にあるガイド部材6が時計方向へと傾いて摺動したときに凸部8bと係合する第一の係合部13aが同図の図示右側に形成されており、逆にガイド部材6が反時計方向へと傾いて摺動したときに凸部8bと係合する第二の係合部13bが同図の図示左側に形成されている。これら第一の係合部13aと第二の係合部13bはガイド部材6が初期位置にて傾いたときの状態を考慮した位置に夫々形成することとなる。
【0030】
次に、ガイド部材6が初期位置において傾くときの条件について説明する。ガイド部材6が初期位置で傾くときは、挿入された記憶媒体が前記ガイド部材6に対して偏った位置より当接した場合に発生する。特に直径が80mmの小径の記憶媒体を挿入口3の端部より挿入したときには、ガイド部材6の傾きは顕著に表れる。そして、記録再生装置1の挿入口3は直径が120mmの大径の記憶媒体4aが挿抜可能な大きさに形成してあることから、前記挿入口3に対して小径の記憶媒体を挿入する場合には、前記挿入口3の端部より挿入してしまうことは少なからず考えられる。そこで、本発明では、ガイド部材6が傾いたときの摺動を規制する手段として凸部が係合する第一の係合部13aと第二の係合部13bとを第二のガイド溝7bの両側縁に夫々設けた構造を主たる特徴としている。
【0031】
次に、小径の記憶媒体を挿入口の端部より挿入した場合の動作について、図9〜図15を用いて説明する。図9は本発明の実施例における記録再生装置において、小径の記憶媒体を挿入口端部より挿入した直後の状態を示す記録再生装置の概略平面図である。同図の符号4bは挿入口3より挿入する小径の記憶媒体を表している。同図で示すように、挿入口3の図示右側端部より小径の記憶媒体4bをユーザーが挿入すれば、図示しない検知スイッチが記憶媒体の挿入を検知して搬送ローラー5が回転することとなる。この状態から、小径の記憶媒体5bは前記搬送ローラー5によって図示矢印Aで示す方向へと搬送されることとなる。
【0032】
図10は図9の状態より小径の記憶媒体が装置内部へと搬送されてガイド部材と当接した状態を示す記録再生装置の概略平面図である。同図で示すように、搬送ローラー5によって図示矢印Aで示す方向へと搬送された小径の記憶媒体4bの外周縁は、初期位置にあるガイド部材6の図示右側の部分に当接することとなる。そして、前記ガイド部材6は搬送ローラー5の回転力によって小径の記憶媒体4bとともに矢印Aで示す方向へと摺動することとなる。
【0033】
図11は図10の状態よりガイド部材の摺動動作を一時的に停止させた状態を示す記録再生装置の概略平面図、図12は図11におけるガイド溝近傍を示す概略部分拡大平面図である。同図で示すように、ガイド部材6の一方側端部に小径の記憶媒体4bが当接し、前記ガイド部材6が傾いた状態で図示後方側へと摺動することで、第二のガイド溝7bに遊嵌する凸部8bと第二の係合部13bとが係合し、前記ガイド部材6の摺動動作を一時的に停止させることが出来る。そして、搬送ローラー5によって図示矢印Aで示す方向へと搬送されていた小径の記憶媒体4bは、ガイド部材6の一時的な停止と、軸線方向において両端部から略中央に向かって漸次外径を小さくした略鼓形状の搬送ローラー5によって図示矢印Bで示す方向へと搬送方向を変えることとなる。なお、前記搬送ローラー5の回転力を受ける小径の記憶媒体4bは、ガイド部材6の停止状態が解除されるまで図示矢印Bで示す方向へと搬送される。
【0034】
ここで、挿入口3の端部より挿入された小径の記憶媒体4bがガイド部材6の停止によって矢印Bで示す方向へと搬送方向を変更する構造について図13を用いて説明する。図13は挿入口の端部より挿入した小径の記憶媒体が停止したガイド部材に当接した状態を示す概要図であり、図13(a)は略平面視の概要図、図13(b)は略正面視の概要図である。なお、同図の搬送ローラー5は略中央に向かって外径が漸次小さくなっていることが明確となるよう誇張して示しており、また、ガイド部材6は簡略化して示している。同図で示すように、挿入口3の端部より挿入された小径の記憶媒体4bは略鼓形状の搬送ローラー5と部分的に当接した状態で矢印Aの方向へと搬送される。すなわち、同図(b)を用いて詳述すれば、小径の記憶媒体4bの図示右側端部と搬送ローラー5とが接触し、前記搬送ローラー5の搬送力によって小径の記憶媒体4bは矢印Aの方向へと搬送される。そして、前記小径の記憶媒体4bが停止するガイド部材6に当接するならば、前記搬送ローラー5の搬送力によって前記ガイド部材6を押圧しながら矢印Cで示す方向へと回転し、前記搬送ローラー5の外径が漸次小さくなる矢印Bの方向(ずなわち、搬送ローラー5の中央方向)へと移動することとなる。
【0035】
図14は図11の状態より小径の記憶媒体が搬送ローラーによって略中央へと搬送された状態を示す記録再生装置の概略平面図、図15は図14におけるガイド溝近傍を示す概略部分拡大平面図である。同図で示すように、小径の記憶媒体4bが搬送ローラー5によって挿入口3の端部から略中央方向へと搬送されることで、第二のガイド溝7bに遊嵌する凸部8bと第二の係合部13bとの係合状態が解除され、前記小径の記憶媒体4bは摺動するガイド部材6とともに図示矢印Aで示す方向へと再度搬送されることとなる。すなわち、ガイド部材6が小径の記憶媒体4bの偏った当接によって傾いた状態となったことで、第二のガイド溝7bに遊嵌する凸部8bと第二の係合部13bとが係合した状態にあったが、前記小径の記憶媒体4bが略中央に搬送されることで前記凸部8bと第二のガイド溝7bとが略並行となり、前記凸部8bと前記第二の係合部7bとの係合状態が解除される。前述の状態より、小径の記憶媒体4bは搬送ローラー5によって記録再生装置1の内部における到達位置へと搬送され、ターンテーブルとクランパとによって前記小径の記憶媒体4bは挟持されて再生若しくは記録が可能となる。
【0036】
なお、本発明の実施例において、挿入口3の図示右側端部より小径の記憶媒体4bを挿入した場合について説明を行ったが、挿入口3の図示左側端部より小径の記憶媒体4bを挿入した場合についてもガイド部材6を一時的に停止させて前記小径の記憶媒体4bを略中央へと搬送することが可能となっている。すなわち、挿入口3の図示左側端部より小径の記憶媒体4bを挿入した場合には、搬送ローラー5によって搬送される前記小径の記憶媒体4bの外周縁が初期位置にあるガイド部材6の図示左側の部分に当接し、前記ガイド部材6は時計方向へと傾くこととなる。そして、前記ガイド部材6は傾いた状態で挿入する小径の記憶媒体4bとともに図示後方側へと摺動するが、ガイド部材6の凸部8bと第二のガイド溝7bに形成する第一の係合部13aとが係合して一時的に前記ガイド部材6の摺動動作を停止させ、小径の記憶媒体4bは略中央へと向きを変えて搬送されることとなる。
【0037】
以上、本発明の一実施例について詳述したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば前記実施例では、第一のガイド溝7aの溝幅に比べて第二のガイド溝7bの溝幅を狭くしているが、第一のガイド溝7aの溝幅を第二のガイド溝7bの溝幅よりも狭くしてもよい。この場合、ガイド部材6が傾いた状態で第一のガイド溝7aに遊嵌する凸部8aと係合する第一の係合部13aと第二の係合部13bとを設け、かつ揺動部材10の支点となる軸14との位置関係を満たすのが望ましい。また、前記揺動部材10に対して付勢力を付与するトーションバネ12の付勢力を利用してガイド部材6を初期位置へと付勢する手段を用いたが、前記ガイド部材6を直接付勢する手段を設けたり、或いはトーションバネ12の代わりにコイルスプリングや板バネなどを用いるなど適宜選定すればよい。
【符号の説明】
【0038】
1 記録再生装置
2 フレーム
3 挿入口
4a 大径の記憶媒体
4b 小径の記憶媒体
5 搬送ローラー
6 ガイド部材
7a 第一のガイド溝
7b 第二のガイド溝
8a 凸部
8b 凸部
9 懸架突起
10 揺動部材
11 連結部
12 トーションバネ(付勢部材)
13a 第一の係合部
13b 第二の係合部
14 軸
15a 当接部分
15b 当接部分
15c 当接部分
16 光ピックアップユニット


【特許請求の範囲】
【請求項1】
外観を構成するフレームと、記憶媒体の挿抜を可能とする挿入口と、前記挿入口を介して挿抜する記憶媒体を搬送する搬送ローラーと、前記搬送ローラーによって装置内部に搬送された記憶媒体の外周縁が当接する初期位置と前記記憶媒体の再生または記録を可能とする到達位置との間で摺動するガイド部材と、前記ガイド部材の摺動動作を案内するガイド溝と、を備えた記録再生装置であって、前記搬送ローラーは、挿抜する前記記憶媒体の面方向より当接可能とし、且つ軸線方向において両端部から略中央に向かって漸次外径を小さくした略鼓形状とし、前記ガイド溝は、前記ガイド部材の摺動方向に向かって互いが略並行となる第一のガイド溝と第二のガイド溝をフレームに形成し、前記ガイド部材には、前記第一のガイド溝および前記第二のガイド溝に夫々遊嵌する凸部と、前記凸部の上方位置において前記第一のガイド溝および前記第二のガイド溝に夫々懸架する懸架突起と、を設け、初期位置にある前記ガイド部材が挿入する記憶媒体に押圧されて傾いて摺動したときに前記凸部と係合する係合部を前記第一のガイド溝および/または前記第二のガイド溝の側縁に形成したことを特徴とする記憶媒体の搬送手段を備えた記録再生装置。
【請求項2】
外観を構成するフレームと、記憶媒体の挿抜を可能とする挿入口と、前記挿入口を介して挿抜する記憶媒体を搬送する搬送ローラーと、前記搬送ローラーによって装置内部に搬送された記憶媒体の外周縁が当接する初期位置と前記記憶媒体の再生または記録を可能とする到達位置との間で摺動するガイド部材と、前記ガイド部材の摺動動作を案内するガイド溝と、を備えた記録再生装置であって、前記搬送ローラーは、挿抜する前記記憶媒体の面方向より当接可能とし、且つ軸線方向において両端部から略中央に向かって漸次外径を小さくした略鼓形状とし、前記ガイド溝は、前記ガイド部材の摺動方向に向かって互いが略並行となる第一のガイド溝と第二のガイド溝をフレームに形成し、前記ガイド部材には、前記第一のガイド溝および前記第二のガイド溝に夫々遊嵌する凸部と、前記凸部の上方位置において前記第一のガイド溝および前記第二のガイド溝に夫々懸架する懸架突起と、を設け、初期位置にある前記ガイド部材が挿入する記憶媒体に押圧されて時計方向へと傾動したときに凸部と係合する第一の係合部と、前記ガイド部材が挿入する記憶媒体に押圧されて反時計方向へと傾いて摺動したときに凸部と係合する第二の係合部とを前記第一のガイド溝および/または前記第二のガイド溝の側縁に形成したことを特徴とする記憶媒体の搬送手段を備えた記録再生装置。
【請求項3】
外観を構成するフレームと、記憶媒体の挿抜を可能とする挿入口と、前記挿入口を介して挿抜する記憶媒体を搬送する搬送ローラーと、前記搬送ローラーによって装置内部に搬送された記憶媒体の外周縁が当接する初期位置と前記記憶媒体の再生または記録を可能とする到達位置との間で摺動するガイド部材と、前記ガイド部材の摺動動作を案内するガイド溝と、を備えた記録再生装置であって、前記搬送ローラーは、挿抜する前記記憶媒体の面方向より当接可能とし、且つ軸線方向において両端部から略中央に向かって漸次外径を小さくした略鼓形状とし、前記ガイド溝は、前記ガイド部材の摺動方向に向かって互いが略並行となる第一のガイド溝と第二のガイド溝をフレームに形成し、前記ガイド部材には、前記第一のガイド溝および前記第二のガイド溝に夫々遊嵌する凸部と、前記凸部の上方位置において前記第一のガイド溝および前記第二のガイド溝に夫々懸架する懸架突起と、を設け、また、前記ガイド部材を初期位置へと常時付勢する付勢手段を別途設け、記憶媒体を挿入する前の状態において、第一のガイド溝の前方端部と前記ガイド部材の凸部前方端部とを当接し、第二のガイド溝の前方端部と前記ガイド部材の凸部前方端部との間には隙間を設け、前記付勢手段によって初期位置にあるガイド部材を僅かに傾け、前記第二のガイド溝の両側縁に凸部両側部分を夫々当接し、初期位置にある前記ガイド部材が挿入する記憶媒体に押圧されて傾いて摺動したときに前記凸部と係合する係合部を前記第一のガイド溝および/または前記第二のガイド溝の側縁に形成したことを特徴とする記憶媒体の搬送手段を備えた記録再生装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−44205(P2011−44205A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−192472(P2009−192472)
【出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【出願人】(390001959)オリオン電機株式会社 (427)
【Fターム(参考)】